説明

半導体装置の設計方法及び製造方法

【課題】トランジスタ等の電気的特性のばらつきを低減し得る半導体装置の設計方法及び半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】素子領域の実パターンである複数の第1の実パターンと、ゲート配線の実パターンである複数の第2の実パターンとを配置するステップと、レイアウト領域を複数の分割領域に分割するステップと、レイアウト領域内に、ダミーの素子領域のパターンである複数の第1のダミーパターンと、ダミーのゲート配線のパターンである複数の第2のダミーパターンとを配置するステップであって、分割領域内における第1の実パターン、第2の実パターン、第1のダミーパターン及び第2のダミーパターンの周囲長の総和の、分割領域間におけるばらつきが、所定の範囲内となるように、第1のダミーパターン及び第2のダミーパターンを配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の設計方法及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
微細トランジスタの高性能化のためには、ソース/ドレインエクステンション部の寄生抵抗を低減することが好ましい。ソース/ドレインエクステンション部の寄生抵抗を低減するためには、浅く、低抵抗で、且つ、ドーパントプロファイルが急峻なエクステンション領域を形成することが好ましい。
【0003】
エクステンション領域を形成するためのドーパント不純物を半導体基板中に導入した後には、かかるドーパント不純物を活性化するための熱処理が行われる。
【0004】
かかる熱処理としては、例えば、熱処理時間が10秒程度のRTA(Rapid Thermal Annealing)法による熱処理や、熱処理時間が1秒程度のスパイクRTA法による熱処理が知られている。
【0005】
熱処理時間が10秒程度のRTA法による熱処理や、熱処理時間が1秒程度のスパイクRTA法により熱処理を行う場合において、浅い接合を得るためには、熱処理温度を低めに設定することが考えられる。
【0006】
しかし、熱処理温度を低めに設定した場合には、エクステンション領域を形成するために導入したドーパント不純物の活性化率が低くなり、シート抵抗の上昇を招いてしまう。
【0007】
一方、シート抵抗を低減すべく、熱処理温度を高めに設定した場合には、ドーパント不純物の拡散が大きくなり、接合が深くなってしまう。
【0008】
そこで、近時では、フラッシュランプアニール法やレーザーアニール法等のように、1msec程度の極短時間に1200℃を超えるような高温に加熱することが可能なミリ秒アニール(MSA、Milli Second Annealing)が提案されている。
【0009】
ミリ秒アニールにより熱処理を行えば、浅く、低抵抗で、且つ、ドーパントプロファイルが急峻なエクステンション領域を形成することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特表2007−525844号公報
【特許文献2】特開昭56−135972号公報
【特許文献3】米国特許第6,300,208号明細書
【特許文献4】特開2005−32998号公報
【特許文献5】特開2009−141075号公報
【特許文献6】特開2008−211214号公報
【特許文献7】米国特許第7,537,941号明細書
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Kelin J. Kuhn, “Reducing Variation in Advanced Logic Technologies: Approaches to Process and Design for Manufacturability of Nanoscale CMOS”, IEDM 2007, p.471-474
【非特許文献2】H. Shang et al., “Reduction of RTA-Driven Intra-Die Variation Via Model-Based Layout Optimization”, 2009 Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papers, p.152-153
【非特許文献3】E.H.A. Granneman et al., “3D pattern effects in RTA Radiative vs Conductive Heating”, 210th ECS Meeting, 2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、ミリ秒アニールによる熱処理では、トランジスタ等の電気的特性にばらつきが生じる場合があった。
【0013】
本発明の目的は、トランジスタ等の電気的特性のばらつきを低減し得る半導体装置の設計方法及び半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
実施形態の一観点によれば、所定のレイアウト領域内に、素子分離領域により確定される素子領域の実パターンである複数の第1の実パターンと、ゲート配線の実パターンである複数の第2の実パターンとを配置するステップと、前記レイアウト領域を複数の分割領域に分割するステップと、前記レイアウト領域内に、ダミーの素子領域のパターンである複数の第1のダミーパターンと、ダミーのゲート配線のパターンである複数の第2のダミーパターンとを配置するステップであって、前記分割領域内における前記第1の実パターン、前記第2の実パターン、前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンの周囲長の総和の、前記分割領域間におけるばらつきが、所定の範囲内となるように、前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンを配置するステップとをコンピュータに実行させることによりレイアウトパターンを取得する工程を有し、前記レイアウトパターンを用いて半導体装置を製造することを特徴とすることを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0015】
実施形態の他の観点によれば、所定のレイアウト領域内に、素子分離領域により確定される素子領域の実パターンである複数の第1の実パターンと、ゲート配線の実パターンである複数の第2の実パターンとを配置するステップと、前記レイアウト領域を複数の第1の分割領域に分割するステップと、前記第1の分割領域を、前記第1の分割領域より小さい面積の複数の第2の分割領域にそれぞれ分割するステップと、前記第2の分割領域内における前記第1の実パターン及び前記第2の実パターンの周囲長の総和である第1の値を、各々の前記第2の分割領域毎に算出するステップと、前記第2の分割領域内における前記第1の値が所定の基準値より大きい場合には、前記基準値を前記第1の値とするステップと、前記レイアウト領域内に、ダミーの素子領域のパターンである複数の第1のダミーパターンと、ダミーのゲート配線のパターンである複数の第2のダミーパターンとを配置するステップであって、前記第1の分割領域内に存在する複数の前記第2の分割領域の前記第1の値の総和と、前記第1の分割領域内における前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンの周囲長の総和との和である第2の値の、前記第1の分割領域間におけるばらつきが、所定の範囲内となるように、前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンを配置するステップとをコンピュータに実行させることによりレイアウトパターンを取得する工程を有し、前記レイアウトパターンを用いて半導体装置を製造することを特徴とすることを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0016】
実施形態の更に他の観点によれば、所定のレイアウト領域内に、素子分離領域により確定される素子領域の実パターンである複数の第1の実パターンと、ゲート配線の実パターンである複数の第2の実パターンとを配置するステップと、前記レイアウト領域を複数の分割領域に分割するステップと、前記レイアウト領域内に、ダミーの素子領域のパターンである複数の第1のダミーパターンと、ダミーのゲート配線のパターンである複数の第2のダミーパターンとを配置するステップであって、前記分割領域内における前記第1の実パターン、前記第2の実パターン、前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンの周囲長の総和の、前記分割領域間におけるばらつきが、所定の範囲内となるように、前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンを配置するステップとをコンピュータに実行させることによりレイアウトパターンを取得する工程を有することを特徴とする半導体装置の設計方法が提供される。
【0017】
実施形態の更に他の観点によれば、所定のレイアウト領域内に、素子分離領域により確定される素子領域の実パターンである複数の第1の実パターンと、ゲート配線の実パターンである複数の第2の実パターンとを配置するステップと、前記レイアウト領域を複数の第1の分割領域に分割するステップと、前記第1の分割領域を、前記第1の分割領域より小さい面積の複数の第2の分割領域にそれぞれ分割するステップと、前記第2の分割領域内における前記第1の実パターン及び前記第2の実パターンの周囲長の総和である第1の値を、各々の前記第2の分割領域毎に算出するステップと、前記第2の分割領域内における前記第1の値が所定の基準値より大きい場合には、前記基準値を前記第1の値とするステップと、前記レイアウト領域内に、ダミーの素子領域のパターンである複数の第1のダミーパターンと、ダミーのゲート配線のパターンである複数の第2のダミーパターンとを配置するステップであって、前記第1の分割領域内に存在する複数の前記第2の分割領域の前記第1の値の総和と、前記第1の分割領域内における前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンの周囲長の総和との和である第2の値の、前記第1の分割領域間におけるばらつきが、所定の範囲内となるように、前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンを配置するステップとをコンピュータに実行させることによりレイアウトパターンを取得する工程を有することを特徴とする半導体装置の設計方法が提供される。
【発明の効果】
【0018】
開示の半導体装置の設計方法及び製造方法によれば、素子領域及びゲート配線に対し、パターンの周囲長の総和の各分割領域間におけるばらつきが、所定の範囲内となるように、素子領域とゲート配線のダミーパターンを配置する。このため、各分割領域間における光の吸収率のばらつきを低減することができ、アニールの際における各部の温度のばらつきを十分に抑制することができる。従って、アニール処理の時間を比較的短く設定する場合であっても、トランジスタ等の電気的特性のばらつきを十分に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】アニール時間と熱拡散長との関係を示すグラフである。
【図2】光の吸収を示す概念図(その1)である。
【図3】光の吸収を示す概念図(その2)である。
【図4】所定の面積の領域内におけるパターンの周囲長の総和と相対的な吸収率との関係を示すグラフ(その1)である。
【図5】所定の面積の領域内におけるパターンの周囲長の総和と相対的な吸収率との関係を示すグラフ(その2)である。
【図6】半導体設計装置を示すブロック図である。
【図7】第1実施形態による半導体装置の設計方法を示すフローチャートである。
【図8】第1実施形態による半導体装置の設計方法を示す平面図(その1)である。
【図9】第1実施形態による半導体装置の設計方法を示す平面図(その2)である。
【図10】第1実施形態による半導体装置の設計方法を示す平面図(その3)である。
【図11】第1実施形態による半導体装置の設計方法を示す平面図(その4)である。
【図12】第1実施形態による半導体装置の設計方法を示す平面図(その5)である。
【図13】第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図14】第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図15】第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図16】第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【図17】第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その5)である。
【図18】第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その6)である。
【図19】第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その7)である。
【図20】第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その8)である。
【図21】第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その9)である。
【図22】第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その10)である。
【図23】第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その11)である。
【図24】第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その12)である。
【図25】第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その13)である。
【図26】第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その14)である。
【図27】第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その15)である。
【図28】第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その16)である。
【図29】所定の面積の領域内におけるパターンの周囲長の総和と相対的な吸収率との関係を示すグラフ(その3)である。
【図30】第2実施形態による半導体装置の設計方法を示すフローチャートである。
【図31】第2実施形態による半導体装置の設計方法を示す平面図(その1)である。
【図32】第2実施形態による半導体装置の設計方法を示す平面図(その2)である。
【図33】第2実施形態による半導体装置の設計方法を示す平面図(その3)である。
【図34】第2実施形態による半導体装置の設計方法を示す平面図(その4)である。
【図35】第2実施形態による半導体装置の設計方法を示す平面図(その5)である。
【図36】第2実施形態による半導体装置の設計方法を示す平面図(その6)である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
図1は、アニール時間と熱拡散長との関係を示すグラフである。図1における横軸は、アニール時間(熱処理時間)を示している。図1における縦軸は、アニールの際に厚さが750μmのシリコンウェハの面内方向に熱が拡散する距離である熱拡散長を示している。
【0021】
試料の熱導電率をk、試料の密度をρ、試料の比熱をC、アニール時間をtとすると、一次元での熱拡散長Lは、以下のような式により近似することができる。
【0022】
≒ 2×{(k・t)/(ρ・C)}1/2
上記の式は、一次元の単純な系での近似解である。図1は、三次元でのシリコンウェハの面内方向における熱拡散長を示しており、シリコンウェハの厚みやシリコンウェハの表面からの輻射による熱の放出等が考慮されている。
【0023】
RTA法によるアニール時間は、例えば10秒程度と比較的長い。また、スパイクRTA(sRTA)法によるアニール時間も、例えば1秒程度と比較的長い。図1から分かるように、RTA法やスパイクRTA法の場合における熱拡散長は、例えば5mm程度である。
【0024】
これに対し、ミリ秒アニール法によるアニール時間は、例えば1ms程度と比較的短い。図1から分かるように、ミリ秒アニールの場合における熱拡散長は、例えば100μm程度と比較的短い。
【0025】
半導体基板には、素子分離領域、ゲート電極等の様々な構成要素が形成される。このため、光の吸収率は、半導体基板の各部において異なっている。
【0026】
光の吸収率が比較的大きい箇所においては、アニールの際に温度が上昇しやすい。一方、光の吸収率が比較的小さい箇所においては、アニールの際に温度が上昇しにくい。このため、アニールの際には、光の吸収率のばらつきに起因して、半導体基板の各部に温度のばらつきが生じる。
【0027】
アニール時間が比較的長い場合には、アニールの際における熱拡散長が比較的長いため、熱が比較的広範囲に伝搬される。このため、アニール時間が比較的長い場合には、光の吸収率のばらつきに起因する半導体基板の各部における温度のばらつきは比較的小さい。
【0028】
一方、アニール時間が比較的短い場合には、アニールの際における熱拡散長が比較的短いため、熱が伝搬する範囲は比較的狭い。このため、アニール時間が比較的短い場合には、光の吸収率のばらつきに起因する半導体基板の各部の温度のばらつきは比較的大きくなる。
【0029】
このため、アニール時間が比較的短いミリ秒アニールにより熱処理を行う場合においては、半導体基板の各部における温度のばらつきを低減するための対策をとることが重要である。
【0030】
図2(a)は、パターンが形成されていない半導体基板210における光の吸収を示す概念図である。
【0031】
入射される光のエネルギーをQinとし、輻射率をεとすると、半導体基板210に光が入射した際には、ε・Qinのエネルギーが半導体基板210側に吸収され、(1−ε)・Qinのエネルギーが反射される。このように、パターンが形成されていない半導体基板210においては、半導体基板210側に吸収されるエネルギーは比較的小さい。
【0032】
図2(b)は、ゲート配線220が形成されている箇所における光の吸収を示す概念図である。図2(b)に示すように、半導体基板210上には、図示しないゲート絶縁膜を介してゲート配線220が形成されている。
【0033】
ゲート配線220の側壁にQinのエネルギーの光が入射した際には、ε・Qinのエネルギーがゲート配線220側に吸収され、(1−ε)・Qinのエネルギーが反射される。ゲート配線220の側壁で反射された光が半導体基板210の上面に入射した際には、ε・(1−ε)・Qinのエネルギーが半導体基板210側に吸収され、(1−ε)・Qinのエネルギーが反射される。このように、ゲート配線220の存在に起因して、光の多重反射が生じ、比較的大きなエネルギーが、ゲート配線220が形成された半導体基板210側に吸収される。
【0034】
ゲート配線220のパターンが比較的密集して存在している箇所においては、光の多重反射が比較的多く生じ、光の吸収率が比較的高くなり、アニールの際の温度は比較的高温となる。一方、ゲート配線220のパターンが比較的密集していない箇所においては、光の多重反射はあまり多く生じず、光の吸収率は比較的低く、アニールの際の温度は比較的低い。
【0035】
図3は、素子分離領域214が形成されている箇所における光の吸収を示す概念図である。図3(a)は、光の多重反射が生じる場合を示しており、図3(b)は、光の多重反射が生じない場合を示している。図3に示すように、半導体基板210には溝215が形成されており、溝215内には素子分離領域214が埋め込まれている。素子分離領域214は、素子領域(活性領域)18を確定するものである。
【0036】
入射される光のエネルギーをQinとし、輻射率をε、透過率をtとすると、素子分離領域214の表面に光が入射した際には、t・Qinのエネルギーが素子分離領域214に導入され、(1−t)・Qinのエネルギーが反射される。図3(a)に示すように、素子分離領域214の側面と半導体基板210との界面、即ち、溝215の側壁にt・Qinのエネルギーの光が入射した際には、t・ε・Qinのエネルギーが半導体基板210側に吸収され、t・(1−ε)・Qinのエネルギーが反射される。溝215の側壁において反射された光が溝215の底面に入射した際には、t・(1−ε)・ε・Qinのエネルギーが半導体基板210側に吸収され、t・(1−ε)・Qinのエネルギーが反射される。溝215の底面において反射された光が、素子分離領域214の側面と半導体基板210との界面、即ち、溝215の側壁に入射した際には、t・(1−ε)・ε・Qinのエネルギーが半導体基板210側に吸収され、t・(1−ε)・Qinのエネルギーが反射される。このように、素子分離領域214の側壁と半導体基板210との界面の存在に起因して、光の多重反射が生じ、比較的大きなエネルギーが半導体基板210側に吸収される。
【0037】
素子分離領域214の側面と半導体基板210との界面が存在しない箇所においては、図3(b)に示すように、光の多重反射が生じない。素子分離領域214の表面に光が入射した際には、t・Qinのエネルギーが素子分離領域214に導入され、(1−t)・Qinのエネルギーが反射される。素子分離領域214に導入された光が溝215の底面に入射した際には、t・ε・Qinのエネルギーが半導体基板210側に吸収され、t・(1−ε)・Qinのエネルギーが反射される。
【0038】
素子分離領域214のパターンが比較的密集している箇所においては、光の多重反射が比較的多く生じ、光の吸収率が比較的高くなり、アニールの際の温度は比較的高温となる。換言すれば、素子領域212のパターンが比較的密集している箇所においては、光の多重反射が比較的多く生じ、光の吸収率が比較的高くなり、アニールの際の温度は比較的高温となる。一方、素子領域のパターンが密集して存在していない箇所においては、光の多重反射はあまり多く生じず、光の吸収率は比較的低く、アニールの際の温度は比較的低い。
【0039】
アニールの際における各部の温度のばらつきを低減するためには、各部における光の吸収率のばらつきが小さくなるように、ダミーのゲート配線やダミーの素子分割領域を配すればよい。具体的には、ゲート配線220のパターンが比較的密集して存在する箇所の近傍には、ダミーのゲート配線のパターンを比較的疎に形成すればよい。また、素子領域212のパターンが比較的密集して存在する箇所の近傍には、ダミーの素子領域のパターンを比較的疎に形成すればよい。また、ゲート配線220のパターンが比較的疎に存在する箇所の近傍には、ダミーのゲート配線のパターンを比較的密に形成すればよい。また、素子領域212のパターンが比較的疎に存在する箇所の近傍には、ダミーの素子領域のパターンを比較的密に形成すればよい。
【0040】
ゲート配線220のパターンの密集の度合いに応じて、所定の面積の領域内におけるゲート配線220の周囲長の総和は大きくなっている。また、素子領域212のパターンの密集の度合いに応じて、所定の面積の領域内における素子領域212の周囲長の総和は大きくなっている。従って、実パターンとダミーパターンの周囲長の総和の各領域間のばらつきが小さくなるように、ゲート配線のダミーパターンや素子領域のダミーパターンを適宜配置すれば、光の吸収率の各部におけるばらつきを小さくすることが可能となる。
【0041】
なお、所定の面積の領域内におけるパターンの周囲長の総和とは、所定の面積の領域内に位置するパターンから抽出されるパターンの周囲の辺の長さの総和のことである。パターンの周囲長は、パターンの周辺長とも称される。
【0042】
図4(a)は、所定の面積の領域内における素子領域の周囲長の総和と、相対的な吸収率との関係を示すグラフである。横軸は、所定の面積の領域内における素子領域の周囲長の総和を示している。縦軸は、相対的な吸収率を示している。試料としては、素子領域とゲート配線とが様々なサイズや密度で形成された試料を用いた。所定の面積の領域のサイズは、100μm×100μmとした。
【0043】
図4(a)において丸印で示すように、全体の傾向から大きく外れるポイントが存在する。
【0044】
これは、素子領域212の周囲長の総和のみに着目してグラフを作成したためであり、ゲート配線220の周囲長の総和を考慮していないためである。各部における光の吸収率は、素子領域212のパターンの粗密に依存するのみならず、ゲート配線220の粗密にも依存する。従って、素子領域212のパターンの周囲長の総和のみならず、ゲート配線220のパターンの周囲長の総和をも考慮することが適切と考えられる。
【0045】
図4(b)は、所定の面積の領域内におけるゲート配線の周囲長の総和と、相対的な吸収率との関係を示すグラフである。横軸は、所定の面積の領域内におけるゲート配線の周囲長の総和を示している。縦軸は、相対的な吸収率を示している。試料としては、素子領域とゲート配線とが様々なサイズや密度で形成された試料を用いた。所定の面積の領域のサイズは、100μm×100μmとした。
【0046】
図4(b)において丸印で示すように、全体の傾向から大きく外れるポイントが存在する。
【0047】
これは、ゲート配線220の周囲長の総和のみに着目してグラフを作成したためであり、素子領域212の周囲長の総和を考慮していないためである。各部における光の吸収率は、上述したように、ゲート配線220のパターンの粗密に依存するのみならず、素子領域212のパターンの粗密にも依存する。従って、ゲート配線220のパターンの周囲長の総和のみならず、素子領域212のパターンの周囲長の総和をも考慮することが適切と考えられる。
【0048】
図5は、所定の面積の領域内における素子領域の周囲長の総和とゲート配線の周囲長の総和との和と、相対的な吸収率との関係を示すグラフである。横軸は、所定の面積の領域内におけるゲート配線の周囲長の総和と素子領域の周囲長の総和との和、即ち、所定の面積の領域内におけるゲート配線及び素子領域の周囲長の総和を示している。縦軸は、相対的な吸収率を示している。試料としては、素子領域とゲート配線とが様々なサイズや密度で形成された試料を用いた。所定の面積の領域のサイズは、100μm×100μmとした。
【0049】
図5から分かるように、全体の傾向から著しく外れるポイントが存在しない。
【0050】
これは、素子領域212の周囲長の総和とゲート配線220の周囲長の総和との両方に着目し、所定の面積の領域内における素子領域212の周囲長の総和とゲート配線220の周囲長の総和との和の値を、横軸の値としたためである。
【0051】
各部における光の吸収率は、ゲート配線220のパターンの粗密に依存するとともに、素子領域212のパターンの粗密にも依存するため、このように、素子領域212の周囲長の総和とゲート配線220の周囲長の総和の両方を考慮することが適切である。
【0052】
このような結果から、実パターン及びダミーパターンの周囲長の総和の各部におけるばらつきが小さくなるように、ゲート配線のダミーパターン及び素子領域のダミーパターンを配置すれば、光の吸収率の各部におけるばらつきを小さくし得ることが分かる。
【0053】
第1実施形態による半導体装置の設計方法及び製造方法を図6乃至図28を用いて説明する。
【0054】
(半導体設計装置)
本実施形態による半導体装置は、後述する本実施形態による半導体装置の設計方法により設計される。本実施形態による半導体装置の設計方法は、例えば、本実施形態による設計方法を実行するためのコンピュータプログラムがインストールされたCAD等の半導体設計装置(設計支援装置)を用いて、実行することが可能である。
【0055】
本実施形態による半導体装置を設計する際に用いられる半導体設計装置の例について図6を用いて説明する。図6は、半導体設計装置を示すブロック図である。
【0056】
図6に示すように、半導体設計装置は、CPU(Central Processing Unit)301と、ROM(Read‐Only Memory)302と、RAM(Random Access Memory)303と、磁気ディスクドライブ304と、磁気ディスク305と、光ディスクドライブ306と、光ディスク307と、ディスプレイ308と、I/F(Interface)309と、キーボード310と、マウス311と、スキャナ312と、プリンタ313とを備えている。また、各構成部はバス300によってそれぞれ接続されている。
【0057】
ここで、CPU301は、設計支援装置の全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータのリード/ライトを制御する。
【0058】
磁気ディスク305は、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記憶する。磁気ディスク305には、本実施形態による半導体装置の設計方法を実行するためのコンピュータプログラムがインストールされている。また、磁気ディスク305には、半導体装置の設計データが記憶される。本実施形態による半導体装置の設計方法を実行するためのコンピュータプログラムは、半導体装置の設計データに基づき、後述するような所定のステップをコンピュータ(CPU)に実行させることにより、半導体装置のレイアウトパターンを取得する。
【0059】
光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御で書き込まれたデータを記憶したり、光ディスク307に記憶されたデータをコンピュータに読み取らせたりする。
【0060】
ディスプレイ308は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。当該ディスプレイ308は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
【0061】
I/F309は、通信回線を通じてLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどのネットワーク314に接続され、このネットワーク314を介して他の装置に接続される。そして、I/F309は、ネットワーク314と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F309には、たとえばモデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0062】
キーボード310は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力をおこなう。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス311は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などをおこなう。ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
【0063】
スキャナ312は、画像を光学的に読み取り、設計支援装置内に画像データを取り込む。なお、スキャナ312は、OCR(Optical Character Reader)機能を持たせてもよい。また、プリンタ313は、画像データや文書データを印刷する。プリンタ313には、たとえば、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。
【0064】
(半導体装置の設計方法)
次に、本実施形態による半導体装置の設計方法について図7乃至図12を用いて説明する。図7は、本実施形態による半導体装置の設計方法を示すフローチャートである。図8乃至図12は、本実施形態による半導体装置の設計方法を示す平面図である。図8乃至図12は、所定のレイアウト領域のうちの一部を示している。図8乃至図12における紙面左側は、素子領域の実パターン及びゲート配線の実パターンの単位面積当たりの周囲長の総和が比較的大きい領域の一部を示している。図8乃至図12における紙面右側は、素子領域の実パターン及びゲート配線の実パターンの周囲長の単位面積当たりの総和が比較的小さい領域の一部を示している。
【0065】
本実施形態による半導体装置の設計方法は、例えば、図6に示すような半導体設計装置を用いて、実行することが可能である。
【0066】
まず、図8に示すように、所定のレイアウト領域内に、半導体基板10(図26参照)内に形成されるN型ウェル16Nのパターン及びP型ウェル16Pのパターンをレイアウトする(ステップS1)。また、NMOSトランジスタ形成領域のパターン及びPMOSトランジスタ形成領域のパターンをレイアウトする。NMOSトランジスタ形成領域のパターンは、P型ウェル16Pのパターンと同じレイアウトにしてもよい。また、PMOSトランジスタ形成領域のパターンは、N型ウェル16Nのパターンと同じレイアウトにしてもよい。
【0067】
次に、図9に示すように、レイアウト領域内に、素子分離領域14(図26参照)により確定される素子領域(活性領域)の実パターン12a、12bをレイアウトする(ステップS2)。素子領域の実パターン12a、12bは、レイアウト領域内における実回路領域2a、2b内にそれぞれ配される。
【0068】
次に、図10に示すように、レイアウト領域のうちの実回路領域2a、2b内に、ゲート配線(ゲート電極)の実パターン20a、20bをレイアウトする(ステップS3)。ゲート配線の実パターン20a、20bは、素子領域12a、12bとそれぞれ交差するように配される。
【0069】
次に、図11に示すように、レイアウト領域を複数の分割領域(単位領域、メッシュ)4に分割する(ステップS4)。図11の紙面左側は、複数の分割領域のうちの一の分割領域4を示している。図11の紙面右側は、複数の分割領域のうちの他の分割領域4を示している。分割領域4の一辺の長さは、ミリ秒アニールを行う際に半導体基板10中を伝搬する熱の拡散長以下とする。ミリ秒アニールのアニール時間が例えば1msecの場合には、アニール時の熱拡散長は例えば100μm程度である。ミリ秒アニールを行う際における熱拡散長が例えば100μm程度の場合、分割領域4の一辺の長さは例えば25μm〜100μm程度とする。ここでは、各々の分割領域4のサイズを、例えば25μm×25μm程度とする。なお、分割領域4の辺の長さをアニール処理の際における熱拡散長以下に設定するのは、アニールの際に熱が伝搬し得ないような広い領域を分割領域4に設定した場合には、光の吸収率のばらつきを必ずしも十分に低減し得ないためである。
【0070】
次に、分割領域4内における素子領域の実パターン12a、12bの周囲長(周辺長)の総和SRAを、各々の分割領域4毎に算出する(ステップS5)。
【0071】
次に、分割領域4内におけるゲート電極の実パターン20a、20bの周囲長(周辺長)の総和SRGを、各々の分割領域4毎に算出する(ステップS6)。
【0072】
次に、分割領域4内における素子領域の実パターン12a、12bの周囲長の総和SRAと、分割領域4内におけるゲート電極の実パターン20a、20bの周囲長の総和SRGとの和である第1の値Sを、各々の分割領域4毎に算出する。即ち、分割領域4内における素子領域12a、12b及びゲート配線20a、20bの実パターンの周囲長の総和Sを、各々の分割領域4毎に算出する(ステップS7)。分割領域4内における素子領域12a、12b及びゲート電極20a、20bの実パターンの周囲長の総和(第1の値)Sは、以下のような式により表される。
【0073】
= SRA + SRG
光の吸収率の素子領域12a、12bの周囲長に対する感度と、光の吸収率のゲート電極20a、20bの周囲長に対する感度とが異なる場合には、その感度の比率を考慮した重み係数(W,W)を用いて、第1の値Sを以下のような式により求めてもよい。即ち、素子領域12a、12bの周囲長が光の吸収率に及ぼす影響と、ゲート電極20a、20bの周囲長が光の吸収率に及ぼす影響とが異なる場合には、かかる影響度を考慮した重み係数(W,W)を用いて、以下のような式により第1の値Sを求めてもよい。
【0074】
= W・SRA + W・SRG
次に、図12に示すように、実回路領域2a、2b以外の空き領域(ダミーパターン領域)3a、3b内に、以下のようにして、素子領域のダミーパターン12c、12dとゲート配線のダミーパターン20c、20dとを配置する(ステップS8)。
【0075】
素子領域のダミーパターン12c、12dとゲート配線のダミーパターン20c、20dとを配置する際には、以下のような第2の値Sが、分割領域4間において互いに等しくなるようにする。第2の値Sは、分割領域4内に存在する素子領域の実パターン12a、12b、素子領域のダミーパターン12c、12d、ゲート配線の実パターン20a、20b及びゲート配線のダミーパターン20c、20dの周囲長の総和である。第2の値Sは、分割領域4内における素子領域のダミーパターン12c、12dの周囲長の総和をSDAとし、分割領域4内におけるゲート配線のダミーパターン20c、20dの周囲長の総和をSDGとすると、以下のような式により表される。
【0076】
= S + SDA + SDG = SRA + SRG+ SDA + SDG
なお、光の吸収率の素子領域の周囲長に対する感度と、光の吸収率のゲート電極の周囲長に対する感度とが異なる場合には、その感度の比率を考慮した重み係数(W,W)を用いて、第2の値Sを以下のような式により求めてもよい。即ち、素子領域の周囲長が光の吸収率に及ぼす影響と、ゲート電極の周囲長が光の吸収率に及ぼす影響とが異なる場合には、かかる影響度を考慮した重み係数(W,W)を用いて、第2の値Sを以下のような式により求めてもよい。
【0077】
= W・SRA + W・SRG + W・SDA+ W・SDG
素子領域のダミーパターン12c、12d及びゲート配線のダミーパターン20c、20dの平面形状は、例えば正方形とする。なお、素子領域のダミーパターン12c、12d及びゲート配線のダミーパターン20c、20dの平面形状は正方形に限定されるものではない。例えば、素子領域のダミーパターン12c、12dの平面形状を、例えば素子領域のパターン12a、12bと同様に長方形としてもよい。また、ゲート配線のダミーパターン20c、20dの平面形状を、例えばゲート配線20a、20bと同様に長方形としてもよい。
【0078】
なお、上記では、第2の値Sを分割領域4間で等しくする場合を例に説明したが、必ずしも分割領域4間において第2の値Sが等しくなくてもよい。分割領域4間における第2の値Sのばらつきが所定の範囲内となるようにしてもよい。かかる所定の範囲は、例えば±10%程度とする。分割領域4間における第2の値Sのばらつきを例えば±10%以下とすれば、アニールの際における各部の温度のばらつきを例えば20℃以下に抑えることが可能であり、トランジスタ等の電気的特性のばらつきを十分に低減することが可能である。
【0079】
こうして、素子領域のダミーパターン12c、12d及びゲート配線のダミーパターン20c、20dが空き領域3a、3b内にそれぞれ配置される。分割領域4における素子領域の実パターン12a及びゲート配線の実パターン20aの周囲長の総和が比較的大きい箇所の近傍には、周囲長の総和が比較的小さい素子領域のダミーパターン12c及びゲート配線のダミーパターン20cが配置される。また、分割領域4内における素子領域の実パターン12b及びゲート配線の実パターン20bの周囲長の総和が比較的小さい箇所の近傍には、周囲長の総和が比較的大きい素子領域のダミーパターン12d及びゲート配線のダミーパターン20dが配置される。
【0080】
素子領域の実パターン12a、12bと素子領域のダミーパターン12c、12dとを含むレイアウトパターンが、素子領域12a、12b及びダミーの素子領域12c、12dを形成するためのレイアウトパターンとして生成される。
【0081】
ゲート配線の実パターン20a、20bとゲート配線のダミーパターン20c、20dとを含むレイアウトパターンが、ゲート配線20a、20bとダミーのゲート配線20c、20dを形成するためのレイアウトパターンとして生成される。
【0082】
なお、以下のようにして、素子領域のダミーパターン12c、12dとゲート配線のダミーパターン20c、20dとを配置してもよい。即ち、まず、分割領域4内における素子領域の実パターン12a、12b及び素子領域のダミーパターン12c、12cの周囲長の総和(SRA+SDA)が、分割領域4間で互いに等しくなるように、素子領域のダミーパターン12c、12dを配置する。次に、分割領域4内におけるゲート配線の実パターン20a、20b及びゲート配線のダミーパターン20c、20dの周囲長の総和(SRG+SDG)が、分割領域4間で互いに等しくなるように、ゲート配線のダミーパターン20c、20dを配置する。このようにして、ダミーパターンを配置することによっても、分割領域4内における素子領域の実パターン、素子領域のダミーパターン、ゲート配線の実パターン及びゲート配線のダミーパターンの周囲長の総和を、各分割領域4間で等しくすることができる。このようにしてダミーパターンを配置すれば、分割領域4内における素子領域の実パターン12a、12b及びダミーパターン12c、12dの周囲長の総和を、各分割領域4間で互いに等しくすることができる。また、分割領域4内におけるゲート配線の実パターン20a、20b及びダミーパターン20c、20dの周囲長の総和を、各分割領域4間で互いに等しくすることができる。従って、このようにしてダミーパターンを配置すれば、光の吸収率のばらつきをより低減することが可能となり、アニールの際における各部の温度のばらつきをより低減することが可能となる。
【0083】
この後、トランジスタ34,36のソース/ドレイン拡散層74,76(図26参照)に達するコンタクトホール(図示せず)のパターンや、コンタクトホール内に埋め込まれる導体プラグ(図示せず)に接続される配線(図示せず)のパターン等が、適宜レイアウトされる。
【0084】
こうして、本実施形態による半導体装置が設計される。このようにして得られた半導体装置のレイアウトパターンは、例えば半導体設計装置の磁気ディスク305に記憶される。
【0085】
こうして形成された各々のレイアウトパターン(設計パターン)は、本実施形態による半導体装置を製造する際に用いられる。
【0086】
このように、本実施形態によれば、素子領域12a、12b及びゲート配線20a、20bに対し、パターンの周囲長の総和の各分割領域4間におけるばらつきが、所定の範囲内となるように、素子領域とゲート配線のダミーパターンを配置する。このため、本実施形態によれば、各分割領域4間における光の吸収率のばらつきを低減することができ、アニールの際における各部の温度のばらつきを十分に抑制することができる。従って、本実施形態によれば、アニール処理の時間を比較的短く設定する場合であっても、トランジスタ等の電気的特性のばらつきを十分に低減することができる。
【0087】
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法について図13乃至図28を用いて説明する。図13乃至図28は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。図13(a)、図14(a)、図15(a)、図16(a)、図17(a)、図18(a)、図19(a)、図20(a)の紙面左側は、素子領域及びゲート配線の実パターンの周囲長の総和が比較的大きい実回路領域2aを示している。また、図21(a)、図22(a)、図23(a)、図24(a)、図25(a)、図26(a)、図27(a)、図28(a)の紙面左側は、素子領域及びゲート配線の実パターンの周囲長の総和が比較的大きい実回路領域2aを示している。また、図13(a)、図14(a)、図15(a)、図16(a)、図17(a)、図18(a)、図19(a)、図20(a)の紙面右側は、素子領域及びゲート配線のダミーパターンの周囲長の総和が比較的小さいダミーパターン領域(空き領域)3aを示している。また、図21(a)、図22(a)、図23(a)、図24(a)、図25(a)、図26(a)、図27(a)、図28(a)の紙面右側は、素子領域及びゲート配線のダミーパターンの周囲長の総和が比較的小さいダミーパターン領域(空き領域)3aを示している。また、図13(b)、図14(b)、図15(b)、図16(b)、図17(b)、図18(b)、図19(b)、図20(b)の紙面左側は、素子領域及びゲート配線の実パターンの周囲長の総和が比較的小さい実回路領域2bを示している。また、図21(b)、図22(b)、図23(b)、図24(b)、図25(b)、図26(b)、図27(b)、図28(b)の紙面左側は、素子領域及びゲート配線の実パターンの周囲長の総和が比較的小さい実回路領域2bを示している。また、図13(b)、図14(b)、図15(b)、図16(b)、図17(b)、図18(b)、図19(b)、図20(b)の紙面右側は、素子領域及びゲート配線の実パターンの周囲長の総和が比較的大きい実回路領域3bを示している。また、図21(b)、図22(b)、図23(b)、図24(b)、図25(b)、図26(b)、図27(b)、図28(b)の紙面右側は、素子領域及びゲート配線の実パターンの周囲長の総和が比較的大きい実回路領域3bを示している。
【0088】
まず、図13に示すように、半導体基板10を用意する。半導体基板10としては、例えばP型のシリコン基板を用いる。
【0089】
次に、全面に、例えば熱酸化法により、膜厚3〜30nm程度のシリコン酸化膜(図示せず)30を形成する。
【0090】
次に、全面に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition、化学気相堆積)法により、膜厚50〜200nm程度のシリコン窒化膜32を形成する。
【0091】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜33を形成する。
【0092】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜33をパターニングする。フォトレジスト膜33をパターニングする際には、上述した本実施形態による半導体装置の設計方法により取得されたレイアウトパターンが用いられる。これにより、素子分離領域の平面形状のパターンと、ダミーの素子分離領域の平面形状のパターンとが、フォトレジスト膜33に形成される。
【0093】
次に、フォトレジスト膜33をマスクとして、シリコン窒化膜32をドライエッチングする。シリコン窒化膜32は、ハードマスクとなる。
【0094】
次に、フォトレジスト膜33及びシリコン窒化膜32をマスクとして、シリコン酸化膜30及び半導体基板10をエッチングする。これにより、半導体基板10に溝(トレンチ)15が形成される。かかる溝15は、素子分離領域14(図26参照)を埋め込むためのものである。溝15の深さは、例えば200〜400nm程度とする。この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜33を剥離する(図14参照)。
【0095】
次に、例えばCVD法により、膜厚300〜700nm程度のシリコン酸化膜14を形成する。
【0096】
次に、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing、化学的機械的研磨)法により、シリコン窒化膜32の表面が露出するまで、シリコン酸化膜14を研磨する。シリコン窒化膜32は、シリコン酸化膜14をエッチングする際の研磨ストッパとしても機能する。こうして、溝15内にシリコン酸化膜の素子分離領域14が形成される(図15参照)。
【0097】
この後、シリコン窒化膜32及びシリコン酸化膜30をエッチング除去する。
【0098】
こうして、STI(Shallow Trench Isolation)法により、実回路領域2a、2b(図9参照)内に、素子領域12a、12bを確定する素子分離領域14a、12bが形成される。また、ダミーパターン領域3a、3b内に、ダミーの素子領域を確定するダミーの素子分離領域12c、12dが形成される(図16参照)。
【0099】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜35を形成する。
【0100】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、NMOSトランジスタ形成領域を露出する開口部38をフォトレジスト膜35に形成する。かかる開口部38は、P型ウェル16Pを形成するためのものである。フォトレジスト膜35をパターニングする際には、上述した本実施形態による半導体装置の設計方法により取得されたレイアウトパターンが用いられる。
【0101】
次に、フォトレジスト膜35をマスクとし、例えばイオン注入法により、半導体基板10内にP型のドーパント不純物を導入することにより、P型ウェル16Pを形成する(図17参照)。この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜35を剥離する。
【0102】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜38を形成する。
【0103】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、PMOSトランジスタ形成領域を露出する開口部42をフォトレジスト膜に形成する。かかる開口部42は、N型ウェル16Nを形成するためのものである。フォトレジスト膜40をパターニングする際には、上述した本実施形態による半導体装置の設計方法により取得されたレイアウトパターンが用いられる。
【0104】
次に、フォトレジスト膜40をマスクとし、例えばイオン注入法により、半導体基板10内にN型のドーパント不純物を導入することにより、N型ウェル16Nを形成する(図18参照)。この後、例えばアッシングによりフォトレジスト膜を剥離する。
【0105】
次に、全面に、例えば熱酸化法により、膜厚1〜3nm程度のシリコン酸化膜のゲート絶縁膜18を形成する。
【0106】
次に、全面に、例えばCVD法により、膜厚50〜200nm程度のポリシリコン膜20を形成する。
【0107】
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜44を形成する。
【0108】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜44をパターニングする。フォトレジスト膜44をパターニングする際には、上述した本実施形態による半導体装置の設計方法により取得されたレイアウトパターンが用いられる。こうして、ゲート配線の実パターン20a、20b(図20参照)の形状のフォトレジスト膜44のパターンと、ゲート配線のダミーパターン20c、20d(図20参照)の形状のフォトレジスト膜44のパターンとが形成される(図19参照)。
【0109】
次に、例えばドライエッチングにより、フォトレジスト膜44をマスクとして、ポリシリコン膜をエッチングする。これにより、実回路領域2a、2bには、ゲート配線の実パターン20a、20bが形成され、ダミーパターン領域3a、3bには、ゲート配線のダミーパターン20c、20dが形成される(図20参照)。この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜44を剥離する。
【0110】
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜46を形成する。
【0111】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、NMOSトランジスタ形成領域を露出する開口部48をフォトレジスト膜に形成する(図21参照)。フォトレジスト膜46をパターニングする際には、上述した本実施形態による半導体装置の設計方法により取得されたレイアウトパターンが用いられる。
【0112】
次に、フォトレジスト膜46及びゲート電極20a、20bをマスクとし、例えばイオン注入法により、P型のドーパント不純物を導入することにより、NMOSトランジスタ36(図26参照)のポケット領域50を形成する。P型のドーパント不純物としては、例えばインジウム(In)を用いる。イオン注入条件は、例えば以下の通りとする。加速エネルギーは、例えば30keV〜100keVとする。ドーズ量は、例えば5×1012cm〜2×1013cmとする。Inの入射角は、半導体基板10の表面の法線に対して例えば0度〜45度とする。Inの注入は、4方向からそれぞれ行う。こうして、NMOSトランジスタ36のゲート電極20aの両側の半導体基板10内にポケット領域50が形成される。
【0113】
なお、ここでは、ポケット領域50を形成する際に導入するドーパント不純物としてInを用いる場合を例に説明したが、かかるドーパント不純物はInに限定されるものではない。例えば、ドーパント不純物としてホウ素(B)を用いてもよい。ドーパント不純物としてホウ素を用いる場合には、加速エネルギーを例えば3keV〜10keVとする。
【0114】
次に、例えばイオン注入法により、フォトレジスト膜46及びゲート電極20a、20bをマスクとして、N型のドーパント不純物を導入することにより、NMOSトランジスタ36のエクステンション領域(不純物拡散領域)52を形成する。N型のドーパント不純物としては、例えば砒素(As)を用いる。イオン注入条件は、例えば以下の通りとする。加速エネルギーは、1keV〜5keVとする。なお、加速エネルギーは、1keV〜5keVに限定されるものではなく、例えば0.5keV〜10keVとしてもよい。ドーズ量は、例えば1×1014cm〜2×1015cmとする。Asの入射角は、半導体基板10の表面の法線に対して例えば0度〜10度とする。なお、Asの入射角は、0度〜10度に限定されるものではなく、例えば0度〜30度としてもよい。
【0115】
なお、ここでは、エクステンション領域52を形成する際に用いるドーパント不純物としてAsを用いる場合を例に説明したが、かかるドーパント不純物はAsに限定されるものではない。例えば、ドーパント不純物としてリン(P)やアンチモン(Sb)を用いてもよい。
【0116】
次に、例えばアッシングによりフォトレジスト膜46を剥離する。
【0117】
次に、例えば不活性雰囲気中にて、アニール処理(熱処理)を行う(図22参照)。かかるアニール理としては、ミリ秒アニール処理を行う。ミリ秒アニール処理は、半導体基板10に所定の光を所定のアニール時間だけ照射することにより行われる。ミリ秒アニール処理のアニール時間についての一般的な定義は必ずしも明確ではないが、本明細書中においては、ミリ秒アニール処理のアニール時間は0.1ms〜100msとする。ミリ秒アニール処理を行う際には、例えばフラッシュランプアニール装置等の加熱処理装置が用いられる。かかる加熱処理装置としては、例えばウルトラテック社製のレーザアニール装置(型番:LSA100)や、大日本スクリーン製造株式会社製のフラッシュランプアニール装置(型番:LA−3000F)等を挙げることができる。光源としては、例えばXe(キセノン)アークフラッシュランプ等が用いられる。Xeアークフラッシュランプを用いた場合には、紫外領域から赤外領域の光が照射される。不活性雰囲気としては、例えば窒素雰囲気を用いる。光の照射時間は、例えば0.8ミリ秒〜数十ミリ秒程度とする。半導体基板の予備加熱温度は、例えば450℃〜550℃程度とする。半導体基板10の表面に照射する光の強度は、例えば15J/cm〜35J/cm程度とする。ミリ秒アニール処理を行うことにより、半導体基板10の表面は、1000℃〜1300℃程度に加熱される。ミリ秒アニール処理により熱処理を行うため、不純物が広く拡散するのを抑制しつつ、急速ランプ加熱法では得られないような高い活性化率で不純物を活性化することができる。また、イオン注入時に生じたシリコン結晶のダメージが、このアニール処理により回復される。
【0118】
こうして、ポケット領域50を形成するために導入された不純物及びエクステンション領域52を形成するために導入された不純物が活性化される。
【0119】
なお、このアニール処理は、後工程で行われるアニール処理等により代用することも可能であるため、このアニール処理を省略してもよい。
【0120】
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜54を形成する。
【0121】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、PMOSトランジスタ形成領域を露出する開口部56をフォトレジスト膜54に形成する(図23参照)。フォトレジスト膜54をパターニングする際には、上述した本実施形態による半導体装置の設計方法により取得されたレイアウトパターンが用いられる。
【0122】
次に、フォトレジスト膜54及びゲート電極20a、20bをマスクとし、例えばイオン注入法により、N型のドーパント不純物を導入することにより、PMOSトランジスタ34のポケット領域58を形成する。N型のドーパント不純物としては、例えばアンチモン(Sb)を用いる。イオン注入条件は、例えば以下の通りとする。加速エネルギーは、例えば30keV〜100keVとする。ドーズ量は、例えば5×1012cm〜2×1013cmとする。Sbの入射角は、半導体基板10の表面の法線に対して例えば0度〜45度とする。Sbの注入は、4方向からそれぞれ行う。こうして、PMOSトランジスタ34のゲート電極20a、20bの両側の半導体基板10内にポケット領域58が形成される。
【0123】
なお、ここでは、ポケット領域58を形成する際に導入するドーパント不純物としてSbを用いる場合を例に説明したが、かかるドーパント不純物はSbに限定されるものではない。例えば、ドーパント不純物としてAsやリン(P)を用いてもよい。
【0124】
次に、例えばイオン注入法により、フォトレジスト膜54及びゲート電極20a、20bをマスクとして、P型のドーパント不純物を導入することにより、PMOSトランジスタ34のエクステンション領域(不純物拡散領域)60を形成する。P型のドーパント不純物としては、例えばBを用いる。イオン注入条件は、例えば以下の通りとする。加速エネルギーは、0.2keV〜0.5keV程度とする。なお、加速エネルギーは、0.2keV〜0.5keVに限定されるものではなく、例えば0.1keV〜1keVとしてもよい。ドーズ量は、例えば1×1014cm〜5×1015cmとする。Bの入射角は、半導体基板10の表面の法線に対して例えば0度〜10度とする。なお、Bの入射角は、0度〜10度に限定されるものではなく、例えば0度〜30度としてもよい。
【0125】
なお、ここでは、エクステンション領域60を形成する際に用いるドーパント不純物としてBを用いる場合を例に説明したが、かかるドーパント不純物はBに限定されるものではない。例えば、ドーパント不純物としてBFを用いてもよい。ドーパント不純物としてBFを用いる場合には、加速エネルギーは例えば0.5keV〜2.5keVとし、ドーズ量は例えば1×1014cm〜5×1015cmとする。
【0126】
次に、例えばアッシングによりフォトレジスト膜を剥離する。
【0127】
次に、例えば不活性雰囲気中にて、アニール処理(熱処理)を行う(図24参照)。かかるアニール理としては、ミリ秒アニール処理を行う。ミリ秒アニール処理を行う際には、例えばフラッシュランプアニール装置等の加熱処理装置が用いられる。かかる加熱処理装置としては、例えばウルトラテック社製のレーザアニール装置(型番:LSA100)や、大日本スクリーン製造株式会社製のフラッシュランプアニール装置(型番:LA−3000F)等を挙げることができる。光源としては、例えばXe(キセノン)アークフラッシュランプ等が用いられる。不活性雰囲気としては、例えば窒素雰囲気を用いる。光の照射時間は、例えば0.8ミリ秒〜数十ミリ秒程度とする。半導体基板の予備加熱温度は、例えば450℃〜550℃程度とする。半導体基板10の表面に照射する光の強度は、例えば15J/cm〜35J/cm程度とする。ミリ秒アニール処理を行うことにより、半導体基板10の表面は、1000℃〜1300℃程度に加熱される。ミリ秒アニール処理により熱処理を行うため、不純物が広く拡散するのを抑制しつつ、急速ランプ加熱法では得られないような高い活性化率で不純物を活性化することができる。また、イオン注入時に生じたシリコン結晶のダメージが、このアニール処理により回復される。
【0128】
こうして、ポケット領域58を形成するために導入された不純物及びエクステンション領域60を形成するために導入された不純物が活性化される。
【0129】
なお、このアニール処理は、後工程で行われるアニール処理等により代用することも可能であるため、このアニール処理を省略してもよい。
【0130】
次に、全面に、例えばCVD法により、シリコン酸化膜を形成する。
【0131】
次に、シリコン酸化膜を異方性エッチングする。これにより、ゲート配線(ゲート電極)の側壁部分に、シリコン酸化膜のサイドウォール絶縁膜22が形成される(図25参照)。
【0132】
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜62を形成する。
【0133】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、NMOSトランジスタ形成領域を露出する開口部64をフォトレジスト膜62に形成する(図26参照)。フォトレジスト膜62をパターニングする際には、上述した本実施形態による半導体装置の設計方法により取得されたレイアウトパターンが用いられる。
【0134】
次に、例えばイオン注入法により、フォトレジスト膜62、ゲート電極20a、20b及びサイドウォール絶縁膜22をマスクとして、N型のドーパント不純物を導入する。これにより、NMOSトランジスタ36のエクステンションソース/ドレイン構造の深い領域を形成する不純物拡散領域66が形成される。N型のドーパント不純物としては、例えばPを用いる。イオン注入条件は、例えば以下の通りとする。加速エネルギーは、5keV〜20keVとする。なお、加速エネルギーは、5keV〜20keVに限定されるものではなく、例えば1keV〜20keVとしてもよい。ドーズ量は、例えば2×1015cm〜1×1016cmとする。なお、ドーズ量は、2×1015cm〜1×1016cmに限定されるものではなく、例えば2×1015cm〜2×1016cmでもよい。Pの入射角は、半導体基板10の表面の法線に対して例えば0度〜10度とする。なお、Pの入射角は、0度〜10度に限定されるものではなく、例えば0度〜30度としてもよい。
【0135】
なお、ここでは、深い不純物拡散領域66を形成する際に用いるドーパント不純物としてPを用いる場合を例に説明したが、かかるドーパント不純物はPに限定されるものではない。例えば、ドーパント不純物としてAsを用いてもよい。
【0136】
次に、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜62を剥離する。
【0137】
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜68を形成する。
【0138】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、PMOSトランジスタ形成領域を露出する開口部70をフォトレジスト膜68に形成する(図27参照)。フォトレジスト膜68をパターニングする際には、上述した本実施形態による半導体装置の設計方法により取得されたレイアウトパターンが用いられる。
【0139】
次に、例えばイオン注入法により、フォトレジスト膜68、ゲート電極20a、20b及びサイドウォール絶縁膜22をマスクとして、P型のドーパント不純物を導入する。これにより、PMOSトランジスタ34のエクステンションソース/ドレイン構造の深い領域を形成する不純物拡散領域72が形成される。P型のドーパント不純物としては、例えばBを用いる。イオン注入条件は、例えば以下の通りとする。加速エネルギーは、2keV〜5keVとする。ドーズ量は、例えば2×1015cm〜1×1016cmとする。Bの入射角は、半導体基板10の表面の法線に対して例えば0度〜10度とする。
【0140】
なお、ここでは、深い不純物拡散領域72を形成する際に用いるドーパント不純物としてBを用いる場合を例に説明したが、かかるドーパント不純物はBに限定されるものではない。例えば、ドーパント不純物としてBF等を用いてもよい。
【0141】
次に、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜68を剥離する。
【0142】
次に、次に、例えば不活性雰囲気中にて、アニール処理(熱処理)を行う(図28参照)。かかるアニール理としては、ミリ秒アニール処理を行う。ミリ秒アニール処理を行う際には、例えばフラッシュランプアニール装置等の加熱処理装置が用いられる。かかる加熱処理装置としては、例えばウルトラテック社製のレーザアニール装置(型番:LSA100)や、大日本スクリーン製造株式会社製のフラッシュランプアニール装置(型番:LA−3000F)等を挙げることができる。光源としては、例えばXe(キセノン)アークフラッシュランプ等が用いられる。不活性雰囲気としては、例えば窒素雰囲気を用いる。光の照射時間は、例えば0.8ミリ秒〜数十ミリ秒程度とする。半導体基板の予備加熱温度は、例えば450℃〜550℃程度とする。半導体基板10の表面に照射する光の強度は、例えば15J/cm〜35J/cm程度とする。ミリ秒アニール処理を行うことにより、半導体基板の表面は、1000℃〜1300℃程度に加熱される。ミリ秒アニール処理により熱処理を行うため、不純物が広く拡散するのを抑制しつつ、急速ランプ加熱法では得られないような高い活性化率で不純物を活性化することができる。また、イオン注入時に生じたシリコン結晶のダメージが、このアニール処理により回復される。
【0143】
こうして、ポケット領域50と、浅い不純物拡散領域(エクステンション領域)52と、深い不純物拡散領域66とを有するNMOSトランジスタ36のソース/ドレイン拡散層74が形成される。こうして、ゲート電極20a、20bとソース/ドレイン拡散層74とを有するNMOSトランジスタ36が形成される。
【0144】
また、ポケット領域58と、浅い不純物拡散領域(エクステンション領域)60と、深い不純物拡散領域72とを有するPMOSトランジスタ34のソース/ドレイン拡散層76が形成される。こうして、ゲート電極20a、20bとソース/ドレイン拡散層76とを有するPMOSトランジスタ34が形成される。
【0145】
この後、図示しない層間絶縁膜、コンタクトホール、導体プラグ、及び配線等が適宜形成される。
【0146】
こうして、NMOSトランジスタ36とPMOSトランジスタ34とを有する半導体装置が形成される。
【0147】
このように、本実施形態によれば、素子領域12a、12b及びゲート配線20a、20bに対し、パターンの周囲長の総和の各分割領域4間におけるばらつきが、所定の範囲内となるように、素子領域とゲート配線のダミーパターンを配置する。このため、本実施形態によれば、各分割領域4間における光の吸収率のばらつきを低減することができ、アニールの際における各部の温度のばらつきを十分に抑制することができる。従って、本実施形態によれば、アニール処理の時間を比較的短く設定する場合であっても、トランジスタ等の電気的特性のばらつきを十分に低減することができる。
【0148】
[第2実施形態]
図29は、所定の面積の領域内における素子領域及びゲート配線の周囲長の総和と、相対的な吸収率との関係を示すグラフである。横軸は、所定の面積の領域内におけるゲート配線の周囲長の総和と素子領域の周囲長の総和との和を示している。縦軸は、相対的な吸収率を示している。試料としては、素子領域とゲート配線とが様々なサイズや密度で形成された試料を用いた。所定の面積の領域のサイズは、100μm×100μmとした。
【0149】
図29から分かるように、100μm×100μmの領域内における素子領域及びゲート配線の周囲長の総和の値が約90000μm以下の範囲では、素子領域及びゲート配線周囲長の総和の値が大きくなるに伴って光の吸収率が大きくなっている。しかしながら、所定の面積の領域内における素子領域及びゲート配線の周囲長の総和の値が約90000μm以上では、素子領域及びゲート配線の周囲長の総和の値に応じて光の吸収率が変化せず、光の吸収率はほぼ一定になっている。所定の面積の領域内における素子領域及びゲート電極の周囲長の総和の値が一定の閾値以上になると、光の吸収率が増加しなくなるのは、パターンが高密度になりすぎ、パターン間に光が入り込みにくくなり、光の多重反射が増加しにくくなるためと考えられる。このように、素子領域及びゲート電極のパターンを著しく高密度に配置した場合には、光の吸収率は飽和状態になり、光の吸収率は素子領域及びゲート配線の周囲長の総和に依存しなくなる。
【0150】
100μm×100μmの範囲で考えた場合には、光の吸収率の増加が飽和状態に達する閾値は、上述したように、例えば90000μm程度である。25μm×25μmの範囲で考えた場合には、かかる閾値は例えば5625μm程度となる。また、5μm×5μmの範囲で考えた場合には、かかる閾値は例えば225μm程度となる。
【0151】
素子領域やゲート配線のパターンが極めて高密度に存在している箇所が局所的に存在している場合、かかる局所領域においては光の吸収率が飽和状態に達しているものの、かかる局所領域を除く領域においては光の吸収率は飽和状態になっていない。かかる局所領域が分割領域4より小さい場合には、光の吸収率が飽和状態になっている領域と、光の吸収率が飽和状態になっていない領域とが、分割領域4内に存在することとなる。かかる局所領域内に存在する素子領域やゲート配線の周囲長の総和が著しく大きい場合には、かかる局所領域が比較的狭い領域である場合であっても、分割領域4内における素子領域やゲート配線の周囲長の総和は比較的大きくなる。この場合、分割領域4内における素子領域及びゲート配線の実パターン及びダミーパターンの周囲長の総和を、単に分割領域4間で等しくしても、光の吸収率のばらつきを十分に低減し得ない場合がある。
【0152】
そこで、第2実施形態による半導体装置の設計方法では、各々の分割領域(第1の分割領域)4を、第1の分割領域4より面積が小さい複数の第2の分割領域5(図31参照)に更に分割する。そして、第2の分割領域5内における素子領域12e、12f及びゲート配線20e、20fの周囲長の総和が所定の閾値以上の場合には、当該第2の分割領域5内における素子領域及びゲート配線の周囲長の総和を所定の閾値で置き換えることとした。
【0153】
(半導体装置の設計方法)
次に、本実施形態による半導体装置の設計方法について図30乃至図36を用いて説明する。図30は、本実施形態による半導体装置の設計方法を示すフローチャートである。図31乃至図36は、本実施形態による半導体装置の設計方法を示す平面図である。
【0154】
本実施形態による半導体装置の設計方法は、例えば、図6に示すような半導体設計装置を用いて、実行することが可能である。本実施形態において用いられる半導体設計装置には、本実施形態による半導体装置の設計方法を実行するためのコンピュータプログラムがインストールされている。
【0155】
まず、図31に示すように、所定のレイアウト領域内に、半導体基板10内に形成されるN型ウェル16Nのパターン及びP型ウェル16Pのパターンをレイアウトする(ステップS11)。
【0156】
次に、図32に示すように、レイアウト領域内に、素子領域の実パターン12e、12fをレイアウトする(ステップS12)。素子領域の実パターン12e、12fは、実回路領域2a、2b内に配される。
【0157】
次に、図33に示すように、レイアウト領域のうちの実回路領域2a、2b内に、ゲート配線の実パターン20e、20fをレイアウトする(ステップS13)。ゲート配線の実パターン20e、20fは、素子領域12e、12fと交差するように配される。
【0158】
次に、図34に示すように、レイアウト領域を複数の第1の分割領域(第1の単位領域、第1のメッシュ)4に分割する(ステップS14)。第1の分割領域4の一辺の長さは、ミリ秒アニールを行う際に半導体基板10中を伝搬する熱の拡散長以下とする。ここでは、各々の第1の分割領域4のサイズを、例えば25μm×25μm程度とする。
【0159】
次に、図35に示すように、第1の分割領域4を、第1の分割領域4より小さい複数の第2の分割領域(第2の単位領域、第2のメッシュ)5にそれぞれ分割する(ステップS15)。第2の分割領域5のサイズは、例えば5μm×5μm程度とする。
【0160】
次に、第2の分割領域5内における素子領域の実パターン12e、12fの周囲長の総和SRA1を、各々の第2の分割領域5毎に算出する(ステップS16)。
【0161】
次に、第2の分割領域5内におけるゲート配線の実パターン20e、20fの周囲長の総和SRG1を、各々の第2の分割領域5毎に算出する(ステップS17)。
【0162】
次に、第2の分割領域5内における素子領域の実パターン12e、12fの周囲長の総和SRA1と、第2の分割領域内におけるゲート電極の実パターン20e、20fの周囲長の総和SRG1との和である第1の値SR1を、各々の第2の分割領域5毎に算出する(ステップS18)。各々の第2の分割領域5における第1の値SR1は、以下のような式により表される。
【0163】
R1= SRA1 + SRG1
次に、第2の分割領域5内における第1の値SR1が、所定の基準値(閾値)Rより大きいか否かを、各々の第2の分割領域5毎に判定する(ステップS19)。
【0164】
第2の分割領域5内における第1の値SR1が、所定の基準値Rより大きい場合には、所定の基準値Rの値を第1の値とする(ステップS20)。
【0165】
第2の分割領域5内における第1の値SR1が、所定の基準値R以下の場合には、第1の値SR1は、所定の基準値Rにより置換されない。
【0166】
次に、第1の分割領域4内に含まれる複数の第2の分割領域5の第1の値SR1の総和SR2を、各々の第1の分割領域4毎に算出する(ステップS21)。第1の分割領域4内に含まれる複数の第2の分割領域5の数をnとすると、第1の分割領域4内に含まれる複数の第2の分割領域5の第1の値SR1(n)の総和SR2は、以下のような式により表される。
【0167】
R2= SR1(1) + SR1(2) + ・・・ + SR1(n)
次に、図36に示すように、実回路領域2a、2b以外の空き領域(ダミーパターン領域)3a、3b内に、以下のようにして、素子領域のダミーパターン12g、12hとゲート配線のダミーパターン20g、20hとを配置する。
【0168】
素子領域のダミーパターン12g、12hとゲート配線のダミーパターン20g、20hとを配置する際には、以下のような第2の値Sが、第1の分割領域4間において互いに等しくなるようにする。第2の値Sは、第1の分割領域4内における素子領域のダミーパターン12g、12hの周囲長の総和をSDAとし、第1の分割領域4内におけるゲート配線のダミーパターン20g、20hの周囲長の総和をSDGとすると、以下のような式により表される。
【0169】
= SR2 + SDA + SDG
素子領域のダミーパターン12g、12h及びゲート配線のダミーパターン20g、20hの平面形状は、例えば正方形とする。なお、素子領域のダミーパターン12g、12h及びゲート配線のダミーパターン20g、20hの平面形状は正方形に限定されるものではない。例えば、素子領域のダミーパターン12g、12hの平面形状を、例えば素子領域のパターン12e、12fと同様に長方形としてもよい。また、ゲート配線のダミーパターン20g、20hの平面形状を、例えばゲート配線20e、20fと同様に長方形としてもよい。
【0170】
なお、各々の第1の分割領域4間において、第2の値Sが必ずしも等しくなくてもよい。第1の分割領域4間における第2の値Sのばらつきが所定の範囲内となるように、素子領域のダミーパターン12g、12h及びゲート配線のダミーパターン20g、20hを配置するようにしてもよい。かかる所定の範囲は、例えば±10%程度とする。第1の分割領域4間における第2の値Sのばらつきを例えば±10%以下とすれば、アニールの際における各部の温度のばらつきを例えば20℃以下に抑えることが可能であり、トランジスタ34,36等の電気的特性のばらつきを十分に低減することが可能である。
【0171】
こうして、素子領域のダミーパターン12g、12h及びゲート配線のダミーパターン20g、20hが空き領域3a、3b内に配置される。
【0172】
素子領域の実パターン12e、12fと素子領域のダミーパターン12g、12hとを含むレイアウトパターンが、素子領域及びダミーの素子領域を形成するためのレイアウトパターンとして生成される。
【0173】
また、ゲート配線の実パターン20e、20fとゲート配線のダミーパターン20g、20hとを含むレイアウトパターンが、ゲート配線及びダミーのゲート配線を形成するためのレイアウトパターンとして生成される。
【0174】
この後、トランジスタ34,36のソース/ドレイン拡散層74,76(図28参照)に達するコンタクトホール(図示せず)のパターンや、コンタクトホールに埋め込まれる導体プラグ(図示せず)に接続される配線(図示せず)のパターン等が、適宜レイアウトされる。
【0175】
こうして、本実施形態による半導体装置が設計される。このようにして得られた半導体装置のレイアウトパターンは、例えば半導体設計装置の磁気ディスクに記憶される。
【0176】
こうして形成された各々のレイアウトパターン(設計パターン)は、本実施形態による半導体装置を製造する際に用いられる。
【0177】
本実施形態によれば、各々の第1の分割領域5を、第1の分割領域4より面積が小さい複数の第2の分割領域5に更に分割する。そして、第2の分割領域5内における素子領域の実パターン12e、12f及びゲート配線の実パターン20e、20fの周囲長の総和である第1の値SR1を算出する。かかる第1の値SR1が所定の閾値以上の場合には、当該第2の分割領域5内における第1の値SR1を所定の閾値で置き換える。そして、第1の分割領域4内に存在する第2の分割領域5の第1の値SR1の総和と、素子領域のダミーパターン12g、12hの周囲長の総和SDAと、ゲート配線のダミーパターン20g、20hの総和SDGとの和Sを、各分割領域5間で等しくする。このため、本実施形態によれば、素子領域の実パターン12e、12fやゲート配線の実パターン20e、20fが極めて高密度に存在している箇所が局所的に存在している場合であっても、第1の分割領域4間における光の吸収率のばらつきを十分に低減し得る。従って、本実施形態によれば、アニールの際における各部の温度のばらつきを確実に抑制することができ、ひいてはトランジスタ34,36等の電気的特性のばらつきを確実に低減することが可能となる。
【0178】
本実施形態による半導体装置は、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして製造することができるため、説明を省略する。パターニングを行う際には、本実施形態による半導体装置の設計方法により取得されたレイアウトパターンが用いられる。
【0179】
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0180】
例えば、第1実施形態では、素子領域の実パターン12a、12bの周囲長の総和SRAを算出するステップ(ステップS5)の後に、ゲート配線の実パターン20a、20bの周囲長の総和SRGを算出するステップ(ステップS6)を行った。そして、SRAとSRGとを加算することにより、分割領域4内における素子領域の実パターン12a、12bとゲート配線の実パターン20a、20bの周囲長の総和Sを算出した(ステップS7)。しかし、分割領域4内における素子領域の実パターン12a、12b及びゲート配線の実パターン20a、20bの周囲長の総和Sを算出する方法は、これに限定されるものではない。例えば、分割領域4内における素子領域の実パターン12a、12b及びゲート配線の実パターン20a、20bの周囲長の総和Sを、1つのステップにおいて算出するようにしてもよい。
【0181】
また、第2実施形態では、素子領域の実パターン12c、12dの周囲長の総和SRA1を算出するステップ(ステップS16)の後に、ゲート配線の実パターン20c、20dの周囲長の総和SRG1を算出するステップ(ステップS17)を行った。そして、SRA1とSRG1とを加算することにより、分割領域4内における素子領域の実パターン12c、12d及びゲート配線の実パターン20c、20dの周囲長の総和SR1を算出した(ステップS18)。しかし、分割領域4内における素子領域の実パターン12c、12d及びゲート配線の実パターン20c、20dの周囲長の総和SR1を算出する方法は、これに限定されるものではない。例えば、分割領域4内における素子領域の実パターン12c、12d及びゲート配線の実パターン20c、20dの周囲長の総和SR1を、1つのステップにおいて算出するようにしてもよい。
【0182】
上記実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0183】
(付記1)
所定のレイアウト領域内に、素子分離領域により確定される素子領域の実パターンである複数の第1の実パターンと、ゲート配線の実パターンである複数の第2の実パターンとを配置するステップと、
前記レイアウト領域を複数の分割領域に分割するステップと、
前記レイアウト領域内に、ダミーの素子領域のパターンである複数の第1のダミーパターンと、ダミーのゲート配線のパターンである複数の第2のダミーパターンとを配置するステップであって、前記分割領域内における前記第1の実パターン、前記第2の実パターン、前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンの周囲長の総和の、前記分割領域間におけるばらつきが、所定の範囲内となるように、前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンを配置するステップと
をコンピュータに実行させることによりレイアウトパターンを取得する工程を有し、
前記レイアウトパターンを用いて半導体装置を製造する
ことを特徴とすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0184】
(付記2)
所定のレイアウト領域内に、素子分離領域により確定される素子領域の実パターンである複数の第1の実パターンと、ゲート配線の実パターンである複数の第2の実パターンとを配置するステップと、
前記レイアウト領域を複数の第1の分割領域に分割するステップと、
前記第1の分割領域を、前記第1の分割領域より小さい面積の複数の第2の分割領域にそれぞれ分割するステップと、
前記第2の分割領域内における前記第1の実パターン及び前記第2の実パターンの周囲長の総和である第1の値を、各々の前記第2の分割領域毎に算出するステップと、
前記第2の分割領域内における前記第1の値が所定の基準値より大きい場合には、前記基準値を前記第1の値とするステップと、
前記レイアウト領域内に、ダミーの素子領域のパターンである複数の第1のダミーパターンと、ダミーのゲート配線のパターンである複数の第2のダミーパターンとを配置するステップであって、前記第1の分割領域内に存在する複数の前記第2の分割領域の前記第1の値の総和と、前記第1の分割領域内における前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンの周囲長の総和との和である第2の値の、前記第1の分割領域間におけるばらつきが、所定の範囲内となるように、前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンを配置するステップと
をコンピュータに実行させることによりレイアウトパターンを取得する工程を有し、
前記レイアウトパターンを用いて半導体装置を製造する
ことを特徴とすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0185】
(付記3)
付記1記載の半導体装置の製造方法において、
前記レイアウトパターンを用いて、半導体基板上に、前記素子領域、前記ダミーの素子領域、前記ゲート配線及び前記ダミーのゲート配線を形成し、前記ゲート配線をマスクとして前記半導体基板にドーパント不純物を導入した後、所定時間だけ前記半導体基板に光を照射することにより前記ドーパント不純物を活性化させるアニール処理を行う工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0186】
(付記4)
付記3記載の半導体装置の製造方法において、
前記分割領域の辺の長さは、前記アニール処理において前記半導体基板中を拡散する熱の拡散長よりも短い
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0187】
(付記5)
付記2記載の半導体装置の製造方法において、
前記レイアウトパターンを用いて、半導体基板上に、前記素子領域、前記ダミーの素子領域、前記ゲート配線及び前記ダミーのゲート配線を形成し、前記ゲート配線をマスクとして前記半導体基板にドーパント不純物を導入した後、所定時間の光の照射により前記半導体基板をアニール処理する工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0188】
(付記6)
付記5記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の分割領域の辺の長さは、前記アニール処理において前記半導体基板中を拡散する熱の拡散長よりも短い
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0189】
(付記7)
付記1乃至6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記所定時間は100ms以下である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0190】
(付記8)
付記1乃至7のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記所定の範囲は、±10%である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0191】
(付記9)
付記1記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンを配置するステップでは、前記分割領域内における前記第1の実パターン、前記第2の実パターン、前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンの周囲長の総和が、前記分割領域間において互いに等しくなるように、前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンを配置する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0192】
(付記10)
付記2記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンを配置するステップでは、前記第2の値が前記第1の分割領域間において互いに等しくなるように、前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンを配置する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0193】
(付記11)
所定のレイアウト領域内に、素子分離領域により確定される素子領域の実パターンである複数の第1の実パターンと、ゲート配線の実パターンである複数の第2の実パターンとを配置するステップと、
前記レイアウト領域を複数の分割領域に分割するステップと、
前記レイアウト領域内に、ダミーの素子領域のパターンである複数の第1のダミーパターンと、ダミーのゲート配線のパターンである複数の第2のダミーパターンとを配置するステップであって、前記分割領域内における前記第1の実パターン、前記第2の実パターン、前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンの周囲長の総和の、前記分割領域間におけるばらつきが、所定の範囲内となるように、前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンを配置するステップと
をコンピュータに実行させることによりレイアウトパターンを取得する工程を有する
ことを特徴とする半導体装置の設計方法。
【0194】
(付記12)
所定のレイアウト領域内に、素子分離領域により確定される素子領域の実パターンである複数の第1の実パターンと、ゲート配線の実パターンである複数の第2の実パターンとを配置するステップと、
前記レイアウト領域を複数の第1の分割領域に分割するステップと、
前記第1の分割領域を、前記第1の分割領域より小さい面積の複数の第2の分割領域にそれぞれ分割するステップと、
前記第2の分割領域内における前記第1の実パターン及び前記第2の実パターンの周囲長の総和である第1の値を、各々の前記第2の分割領域毎に算出するステップと、
前記第2の分割領域内における前記第1の値が所定の基準値より大きい場合には、前記基準値を前記第1の値とするステップと、
前記レイアウト領域内に、ダミーの素子領域のパターンである複数の第1のダミーパターンと、ダミーのゲート配線のパターンである複数の第2のダミーパターンとを配置するステップであって、前記第1の分割領域内に存在する複数の前記第2の分割領域の前記第1の値の総和と、前記第1の分割領域内における前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンの周囲長の総和との和である第2の値の、前記第1の分割領域間におけるばらつきが、所定の範囲内となるように、前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンを配置するステップと
をコンピュータに実行させることによりレイアウトパターンを取得する工程を有する
ことを特徴とする半導体装置の設計方法。
【0195】
(付記13)
付記11又は12記載の半導体装置の設計方法において、
前記所定の範囲は、±10%である
ことを特徴とする半導体装置の設計方法。
【0196】
(付記14)
付記11記載の半導体装置の設計方法において、
前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンを配置するステップでは、前記分割領域内における前記第1の実パターン、前記第2の実パターン、前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンの周囲長の総和が、前記分割領域間において互いに等しくなるように、前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンを配置する
ことを特徴とする半導体装置の設計方法。
【0197】
(付記15)
付記12記載の半導体装置の設計方法において、
前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンを配置するステップでは、前記第2の値が前記第1の分割領域間において互いに等しくなるように、前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンを配置する
ことを特徴とする半導体装置の設計方法。
【符号の説明】
【0198】
2a、2b…実回路領域
3a、3b…ダミーパターン領域
4…分割領域、第1の分割領域
5…第2の分割領域
10…半導体基板
12a〜12d…素子領域
12e〜12h…ダミーの素子領域
14…素子分離領域
15…溝
16N…N型ウェル
16P…P型ウェル
18…ゲート絶縁膜
20…ポリシリコン膜
20a〜20d…ゲート配線
20e〜20h…ダミーのゲート配線
22…サイドウォール絶縁膜
30…シリコン酸化膜
32…シリコン窒化膜
33…フォトレジスト膜
34…PMOSトランジスタ
35…フォトレジスト膜
36…NMOSトランジスタ
38…開口部
40…フォトレジスト膜
42…開口部
44…フォトレジスト膜
46…フォトレジスト膜
48…開口部
50…ポケット領域
52…エクステンション領域
54…フォトレジスト膜
56…開口部
58…ポケット領域
60…エクステンション領域
62…フォトレジスト膜
64…開口部
66…不純物拡散領域
68…フォトレジスト膜
70…開口部
72…不純物拡散領域
74…ソース/ドレイン拡散層
76…ソース/ドレイン拡散層
210…半導体基板
212…素子領域
214…素子分離領域
215…溝
220…ゲート配線
300…バス
301…CPU
302…ROM
303…RAM
304…磁気ディスクドライブ
305…磁気ディスク
306…光ディスクドライブ
307…光ディスク
308…ディスプレイ
309…I/F
310…キーボード
311…マウス
312…スキャナ
313…プリンタ
314…ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のレイアウト領域内に、素子分離領域により確定される素子領域の実パターンである複数の第1の実パターンと、ゲート配線の実パターンである複数の第2の実パターンとを配置するステップと、
前記レイアウト領域を複数の分割領域に分割するステップと、
前記レイアウト領域内に、ダミーの素子領域のパターンである複数の第1のダミーパターンと、ダミーのゲート配線のパターンである複数の第2のダミーパターンとを配置するステップであって、前記分割領域内における前記第1の実パターン、前記第2の実パターン、前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンの周囲長の総和の、前記分割領域間におけるばらつきが、所定の範囲内となるように、前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンを配置するステップと
をコンピュータに実行させることによりレイアウトパターンを取得する工程を有し、
前記レイアウトパターンを用いて半導体装置を製造する
ことを特徴とすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
所定のレイアウト領域内に、素子分離領域により確定される素子領域の実パターンである複数の第1の実パターンと、ゲート配線の実パターンである複数の第2の実パターンとを配置するステップと、
前記レイアウト領域を複数の第1の分割領域に分割するステップと、
前記第1の分割領域を、前記第1の分割領域より小さい面積の複数の第2の分割領域にそれぞれ分割するステップと、
前記第2の分割領域内における前記第1の実パターン及び前記第2の実パターンの周囲長の総和である第1の値を、各々の前記第2の分割領域毎に算出するステップと、
前記第2の分割領域内における前記第1の値が所定の基準値より大きい場合には、前記基準値を前記第1の値とするステップと、
前記レイアウト領域内に、ダミーの素子領域のパターンである複数の第1のダミーパターンと、ダミーのゲート配線のパターンである複数の第2のダミーパターンとを配置するステップであって、前記第1の分割領域内に存在する複数の前記第2の分割領域の前記第1の値の総和と、前記第1の分割領域内における前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンの周囲長の総和との和である第2の値の、前記第1の分割領域間におけるばらつきが、所定の範囲内となるように、前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンを配置するステップと
をコンピュータに実行させることによりレイアウトパターンを取得する工程を有し、
前記レイアウトパターンを用いて半導体装置を製造する
ことを特徴とすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の半導体装置の製造方法において、
前記レイアウトパターンを用いて、半導体基板上に、前記素子領域、前記ダミーの素子領域、前記ゲート配線及び前記ダミーのゲート配線を形成し、前記ゲート配線をマスクとして前記半導体基板にドーパント不純物を導入した後、所定時間だけ前記半導体基板に光を照射することにより前記ドーパント不純物を活性化させるアニール処理を行う工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
所定のレイアウト領域内に、素子分離領域により確定される素子領域の実パターンである複数の第1の実パターンと、ゲート配線の実パターンである複数の第2の実パターンとを配置するステップと、
前記レイアウト領域を複数の分割領域に分割するステップと、
前記レイアウト領域内に、ダミーの素子領域のパターンである複数の第1のダミーパターンと、ダミーのゲート配線のパターンである複数の第2のダミーパターンとを配置するステップであって、前記分割領域内における前記第1の実パターン、前記第2の実パターン、前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンの周囲長の総和の、前記分割領域間におけるばらつきが、所定の範囲内となるように、前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンを配置するステップと
をコンピュータに実行させることによりレイアウトパターンを取得する工程を有する
ことを特徴とする半導体装置の設計方法。
【請求項5】
所定のレイアウト領域内に、素子分離領域により確定される素子領域の実パターンである複数の第1の実パターンと、ゲート配線の実パターンである複数の第2の実パターンとを配置するステップと、
前記レイアウト領域を複数の第1の分割領域に分割するステップと、
前記第1の分割領域を、前記第1の分割領域より小さい面積の複数の第2の分割領域にそれぞれ分割するステップと、
前記第2の分割領域内における前記第1の実パターン及び前記第2の実パターンの周囲長の総和である第1の値を、各々の前記第2の分割領域毎に算出するステップと、
前記第2の分割領域内における前記第1の値が所定の基準値より大きい場合には、前記基準値を前記第1の値とするステップと、
前記レイアウト領域内に、ダミーの素子領域のパターンである複数の第1のダミーパターンと、ダミーのゲート配線のパターンである複数の第2のダミーパターンとを配置するステップであって、前記第1の分割領域内に存在する複数の前記第2の分割領域の前記第1の値の総和と、前記第1の分割領域内における前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンの周囲長の総和との和である第2の値の、前記第1の分割領域間におけるばらつきが、所定の範囲内となるように、前記第1のダミーパターン及び前記第2のダミーパターンを配置するステップと
をコンピュータに実行させることによりレイアウトパターンを取得する工程を有する
ことを特徴とする半導体装置の設計方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2011−222747(P2011−222747A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90318(P2010−90318)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】