半導体装置及び半導体装置の製造方法
【課題】同一の工程で、同一半導体基板上に異なる構造のトランジスタを形成する半導体装置の提供。
【解決手段】半導体基板上に第一及び第二のゲート電極40,41を形成する工程と、第一のゲート電極の側壁面に第一の絶縁層122を形成するとともに、第二のゲート電極のゲート幅方向両側の半導体基板上にエピタキシャル成長層9aを形成する工程と、第二のゲート電極の側壁面に第二の絶縁層を形成する工程と、第一の絶縁層及び第二の絶縁層を覆うように第三の絶縁層を形成する工程と、第二の絶縁層を覆う第三の絶縁層を除去する工程と、第一のゲート電極のゲート幅方向両側の半導体基板及びエピタキシャル成長層にそれぞれ不純物を拡散させて、第一及び第二の不純物拡散領域6,8を形成する工程と、第一及び第二の不純物拡散領域にコンタクトプラグ12,15を接続させる工程と、を具備してなることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【解決手段】半導体基板上に第一及び第二のゲート電極40,41を形成する工程と、第一のゲート電極の側壁面に第一の絶縁層122を形成するとともに、第二のゲート電極のゲート幅方向両側の半導体基板上にエピタキシャル成長層9aを形成する工程と、第二のゲート電極の側壁面に第二の絶縁層を形成する工程と、第一の絶縁層及び第二の絶縁層を覆うように第三の絶縁層を形成する工程と、第二の絶縁層を覆う第三の絶縁層を除去する工程と、第一のゲート電極のゲート幅方向両側の半導体基板及びエピタキシャル成長層にそれぞれ不純物を拡散させて、第一及び第二の不純物拡散領域6,8を形成する工程と、第一及び第二の不純物拡散領域にコンタクトプラグ12,15を接続させる工程と、を具備してなることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピューターや電気機器の主要部分には、多数のMOSトランジスタや抵抗等を一つのチップ上に集積化する大規模集積回路(以下、LSIと称する)が採用されている。
LSIは様々な用途に使われるため、特にLSIに搭載される混載用DRAMには、多様化する製品の要求を満たすことが求められている。多様化する製品の要求に応えるものとして、半導体装置のメモリセル部と周辺回路部のLDD領域幅を異なる幅で形成する方法が採用されている(特許文献1)。また、高速動作が要求される周辺回路領域のみをシリサイド化する方法が知られている(特許文献2)。メモリセル性能を可変化する方法では、高耐圧部と周辺回路部及びメモリセル部のトランジスタ構造を異なる構造で形成する方法が採用されている(特許文献3)。
【0003】
また、リフレッシュ不良を回避するためにシリサイド層を選択的に形成方法も知られている(特許文献4)。同一半導体基板上に異なる構造のトランジスタを形成する方法としては、高速動作が要求されるゲート電極のみにシリサイド層を形成し、通常構造トランジスタ及びエレベーテッドソースドレイン構造トランジスタを同一半導体基板上に混載する方法が知られている(特許文献5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平05-102428号公報
【特許文献2】特開2005-136434号公報
【特許文献3】特開2003-282823号公報
【特許文献4】特開平11-097649号公報
【特許文献5】特開2000-232076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
LSIの中でも、特にDRAMにおいては多様化だけでなく、急速な微細化が求められている。しかし、MOSトランジスタのコンタクトプラグ形成においての、シリサイド層を選択的に形成する方法は接合リークが増大しやすいという問題があった。半導体基板表面に形成されたシリサイド層には欠陥が含まれるため、シリサイド層の境界がPN接合端に接近すると、接合リークが増大しやすいためである。そのため、MOSトランジスタのコンタクトプラグは平面で見て、半導体基板に形成された不純物拡散領域のPN接合端からゲート幅方向に距離をとって配置する必要があった。すなわちMOSトランジスタのコンタクトプラグは、ゲート電極の側壁に形成されたサイドウォール層から距離を離して配置される必要があった。MOSトランジスタのコンタクトプラグとサイドウォール層を、距離を離して配置する結果、ゲート長が必要となり半導体装置の小型化が妨げられていた。
【0006】
この接合リークの増大、つまり短チャネル効果を抑制する手段としては、エレベーテッドソースドレイン構造のMOSトランジスタが有効である。エレベーテッドソースドレイン構造のMOSトランジスタは、不純物拡散領域をシリサイド層(エピタキシャル成長層)に形成し、ドープドエピタキシャル成長層を形成する。ドープドエピタキシャル成長層に不純物拡散領域が形成されるため、通常のMOSトランジスタに比べて半導体基板表面の不純物拡散領域の深さを浅くすることができる。そのため、エレベーテッドソースドレイン構造のMOSトランジスタは短チャネル効果を防ぎつつゲート長を短くすることが可能である。
【0007】
しかし、エレベーテッドソースドレイン構造のMOSトランジスタでは、不純物拡散領域が形成されるシリサイド層(エピタキシャル成長層)が、ゲート電極の高さ方向にせり上がって形成される。そのため、不純物拡散領域とゲート電極との間に形成される寄生容量が通常構造のMOSトランジスタに比べて大きい。そのため、エレベーテッドソースドレイン構造のMOSトランジスタは、通常構造のMOSトランジスタに比べて、高周波応答特性を損ないやすいという問題があった。また、高周波応答特性を損ないやすいという問題を解決するために、同一半導体基板上に通常構造のMOSトランジスタ及びエレベーテッドソースドレイン構造のMOSトランジスタを混載して形成する方法では、工程が複雑になるという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板上に第一のゲート電極及び第二のゲート電極を形成する工程と、第一のゲート電極の側壁面に第一の絶縁層を形成するとともに、第二のゲート電極の側壁面に第二の絶縁層を形成する工程と、第二のゲート電極のゲート幅方向両側の半導体基板上に、エピタキシャル成長層を形成する工程と、第一のゲート電極及び第一の絶縁層と、第二のゲート電極及び第二の絶縁層とを覆うように第3の絶縁層を形成する工程と、第二のゲート電極及び第二の絶縁層を覆う第三の絶縁層を除去する工程と、第一のゲート電極のゲート幅方向両側の半導体基板及び前記エピタキシャル成長層にそれぞれ不純物を拡散させて、第一の不純物拡散領域及び第二の不純物拡散領域を形成する工程と、第一の不純物拡散領域及び第二の不純物拡散領域にコンタクトプラグを接続させる工程と、を具備してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、同一の工程で、同一半導体基板上に通常構造のMOSトランジスタ及びエレベーテッドソースドレイン構造のMOSトランジスタを混載して形成することができる。また、同一の工程で、通常構造のMOSトランジスタ及びエレベーテッドソースドレイン構造のMOSトランジスタのサイドウォールを、異なる厚みで形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る半導体装置の断面構造を示す断面図である。
【図2】本発明の半導体装置の製造方法を工程順に示すもので半導体基板上にP型ウェル領域及びゲート電極を形成した状態を示す断面図である。
【図3】本発明の半導体装置の製造方法を工程順に示すもので半導体基板上及びゲート電極上に第一窒化膜を形成した状態を示す断面図である。
【図4】本発明の半導体装置の製造方法を工程順に示すもので第一レジストマスクを形成し第一窒化膜をエッチバックした状態を示す断面図である。
【図5】本発明の半導体装置の製造方法を工程順に示すものでゲート電極に隣接する位置の半導体基板上に選択エピタキシャル法によりシリコン層を成長させた状態を示す断面図である。
【図6】本発明の半導体装置の製造方法を工程順に示すもので半導体基板上及びゲート電極上に第二窒化膜を形成した状態を示す断面図である。
【図7】本発明の半導体装置の製造方法を工程順に示すもので半導体基板上及びゲート電極上にサイドウォール酸化膜を形成した状態を示す断面図である。
【図8】本発明の半導体装置の製造方法を工程順に示すもので第二レジストマスクを形成しサイドウォール酸化膜をエッチバックした状態を示す断面図である。
【図9】本発明の半導体装置の製造方法を工程順に示すもので第三レジストマスクを形成した状態を示す断面図である。
【図10】本発明の半導体装置の製造方法を工程順に示すもので第三レジストマスクをマスクにサイドウォール酸化膜をエッチバックした状態を示す断面図である。
【図11】本発明の半導体装置の製造方法を工程順に示すもので第二窒化膜をエッチバックした状態を示す断面図である。
【図12】本発明の半導体装置の製造方法を工程順に示すもので不純物をドーピングしている状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態である半導体装置42について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施形態に係る半導体装置42の断面構造を示す断面図である。本実施形態の半導体装置42は第一のMOSトランジスタ5と、第二のMOSトランジスタ7とから概略構成されている。半導体基板1と、第一のMOSトランジスタ5及び第二のMOSトランジスタ7は層間絶縁膜10で覆われている。層間絶縁膜10には、層間絶縁膜10を貫通し、第一のMOSトランジスタ5の第一の不純物拡散領域6に接続された第一のコンタクトプラグ12と、層間絶縁膜10を貫通し、第二のMOSトランジスタ7の第二の不純物拡散領域8に接続された第二のコンタクトプラグ15とが形成されている。層間絶縁膜10表面には、第一のコンタクトプラグ12と第二のコンタクトプラグ15に接続する配線13が形成されている。
【0012】
半導体基板1は、本実施形態ではシリコン基板が用いられる。半導体基板としては、シリコン基板に限定されず、ゲルマニウム基板などを用いることも可能である。半導体基板1内にはP型ウェル領域2が形成されている。また、P型ウェル領域2内には第一のアクティブ領域3a及び第二のアクティブ領域3bが形成されている。なお、第一のアクティブ領域3a及び第二のアクティブ領域3bは、埋込絶縁膜4からなる素子分離領域4aにより区画されている。第二のMOSトランジスタ7が位置するアクティブ領域3bの幅T2は、第一のMOSトランジスタ5が位置するアクティブ領域3aの幅T1よりもゲート幅方向において狭く形成されている。
【0013】
第一のMOSトランジスタ5は、半導体基板1上に形成されている。第一のMOSトランジスタ5には、ゲート絶縁膜40aと、ゲート絶縁膜40aに形成された第一のゲート電極40と、第一のゲート電極40の側壁面に設けられた第一のサイドウォール層24と、半導体基板1に設けられた第一の不純物拡散領域6及び第一のLDD領域21aとが備えられている。
【0014】
第一のゲート電極40はDOPOS膜40bと、パターニングされたバリアメタル膜及びタングステン膜により形成された積層膜40cにより形成されている。また、積層膜40c上には、マスク窒化膜40dが積層されている。
【0015】
第一のゲート電極40の側壁面に設けられた第一のサイドウォール層24は、第一窒化膜22、第二窒化膜25及びサイドウォール酸化膜26が順次積層されて形成されている。なお、第一窒化膜22の膜厚はたとえば20nm、第二窒化膜25の膜厚はたとえば5nm、サイドウォール酸化膜26の膜厚はたとえば50nmが好ましい。なお、この膜厚は本実施形態に制限されるものではない。
【0016】
第一のゲート電極40の両側には、第一の不純物拡散領域6が形成されている。第一の不純物拡散領域6は、上部は半導体基板1の表面から、底部はアクティブ領域3aに到達するまで形成されている。なお、第一のLDD領域21aは、第一の不純物拡散領域6よりも浅く形成されている。また、第一のLDD領域21aの不純物の濃度は、第一の不純物拡散領域6よりも低濃度で形成されている。
【0017】
第二のMOSトランジスタ7は、半導体基板1上に形成されている。第二のMOSトランジスタ7には、ゲート絶縁膜41aと、ゲート絶縁膜41aに形成された第二のゲート電極41と、第二のゲート電極41の側壁面に設けられた第二のサイドウォール層30と、半導体基板1に設けられた第二の不純物拡散領域8及び第二のLDD領域21bとが備えられている。
【0018】
第二のゲート電極41はDOPOS膜41bと、パターニングされたバリアメタル膜及びタングステン膜により形成された積層膜41cにより形成されている。また、積層膜41c上には、マスク窒化膜41dが積層されている。
【0019】
第二のゲート電極41の側壁面に設けられた第二のサイドウォール層30は、第一窒化膜22により形成されている。この第一窒化膜22は、第一のゲート電極40の第一窒化膜22に対して分断されて形成されたものである。第一窒化膜22の膜厚はたとえば20nmが好ましい。なお、この膜厚は本実施形態に制限されるものではない。
【0020】
第二のサイドウォール層30は第一のサイドウォール層24よりも薄く形成されている。すなわち、第二のサイドウォール層30は第一のサイドウォール層24に比べ、第二窒化膜25及びサイドウォール酸化膜26が形成されていない分だけ薄くなっている。
【0021】
第二のゲート電極41の両側には、ドープドエピタキシャル成長層9が形成されている。ドープドエピタキシャル成長層9には、ドーパントとなる不純物元素が拡散されている。不純物元素は、たとえばAsが好ましい。また、ドープドエピタキシャル成長層9に拡散された不純物元素は更に、ドープドエピタキシャル成長層9下の半導体基板1にまで拡散されている。このドープドエピタキシャル成長層9に拡散されている不純物元素と、半導体基板1にまで拡散された不純物元素によって、第二の不純物拡散領域8が形成されている。なお、第二の不純物拡散領域8の底部は、第一の不純物拡散領域6の底部よりも浅い位置にある。また、第二のLDD領域21bは、第二の不純物拡散領域8よりも浅く形成されている。第二のLDD領域21bの不純物の濃度は、第二の不純物拡散領域8よりも低濃度で形成されている。
【0022】
層間絶縁膜10は、半導体基板1上と第一のMOSトランジスタ5及び第二のMOSトランジスタ7上を覆うように形成されている。層間絶縁膜10には、層間絶縁膜10を貫通する第一のコンタクトホール11及び第二のコンタクトホール14が形成されている。また、第一のコンタクトホール11及び第二のコンタクトホール14内にはそれぞれ、第一のコンタクトプラグ12及び第二のコンタクトプラグ15が形成されている。
【0023】
第一のコンタクトホール11は、第一の不純物拡散領域6上面を露出させ層間絶縁膜10を貫通するように形成されている。また、第一のコンタクトプラグ12は第一のコンタクトホール11内から層間絶縁膜10上面にかけて形成されている。第一のコンタクトプラグ12はチタン膜12a、窒化チタン膜12b、タングステン膜12cにより形成されている。なお、この膜の種類は本実施形態に制限されるものではない。第二のコンタクトホール14は、ドープドエピタキシャル成長層9上面を露出させ層間絶縁膜10を貫通するように形成されている。また、第二のコンタクトプラグ15は第二のコンタクトホール14内から層間絶縁膜10上面にかけて形成されている。第二のコンタクトプラグ15はチタン膜12a、窒化チタン膜12b、タングステン膜12cにより形成されている。なお、この膜の種類は本実施形態に制限されるものではない。第一のコンタクトプラグ12及び第二のコンタクトプラグ15は、層間絶縁膜10上の配線13に接続されている。
【0024】
本実施形態の半導体装置42は同一の半導体基板1上に、第一のMOSトランジスタ5及び第二のMOSトランジスタ7が形成されている。第一のMOSトランジスタ5は高速動作に有利な構成である。また、第二のMOSトランジスタ7はピッチ縮小を可能とする構成となっている。異なる構成である第一のMOSトランジスタ5及び第二のMOSトランジスタ7が同一の半導体基板1上に形成されているため、DRAMの微細化及び多様化を実現することができる。
【0025】
次に、本発明の実施形態である半導体装置42の製造方法について図面を参照して説明する。本発明の実施形態である半導体装置42の製造方法は、第一のゲート電極40及び第二のゲート電極41を形成する工程と、第二のゲート電極41に第一の絶縁層(第一窒化膜122)を形成して第二のサイドウォール層30とする工程と、第二のゲート電極41のゲート幅方向両側に、エピタキシャル成長層9aを形成する工程と、第一のゲート電極40に第二の絶縁層(第二窒化膜125)及び第三の絶縁層(サイドウォール酸化膜126)を形成して第一のサイドウォール層24とする工程と、第一の不純物拡散領域6及び第二の不純物拡散領域8を形成する工程と、から概略構成される。以下、各工程について順次説明する。
【0026】
まず、第一のゲート電極40及び第二のゲート電極41を形成する工程では図2に示すように、まず、半導体基板1上にP型ウェル領域2を形成する。次いで、P型ウェル領域2内に第一のアクティブ領域3a、第二のアクティブ領域3b、及び素子分離領域4aを形成する。第二のゲート電極41が形成される第二のアクティブ領域3bの幅T2は、第一のゲート電極40が形成される第一のアクティブ領域3aの幅T1よりも狭く形成されている。
【0027】
次いで、第一のゲート電極40及び第二のゲート電極41を形成する。まず、半導体基板1上にゲート絶縁膜40a、ポリシリコン膜、バリアメタル膜、タングステン膜、マスク窒化膜40dを順次積層する。その後、フォトリソグラフィー技術及びエッチング技術によりパターニングし、第一のゲート電極40及び第二のゲート電極41を形成する。なお、第一のゲート電極40は、DOPOS膜40bと積層膜40cとマスク窒化膜40dにより構成される。また、第二のゲート電極41は、DOPOS膜41bと積層膜41cとマスク窒化膜41dにより構成される。
【0028】
次いで、半導体基板1と、第一のゲート電極40及び第二のゲート電極41に対して自己整合的にP注入を行い、第三の不純物拡散領域(第一のLDD領域21a及び第二のLDD領域21b)を形成する。なお、本実施形態での半導体基板1へのP注入は、エネルギー10KeV、ドーズ1.5×1013atoms/cm2で行う。
【0029】
次に、第二のサイドウォール層30を形成する工程では、図3に示すように、半導体基板1と、第一のゲート電極40及び第二のゲート電極41を覆うように第一の絶縁層(第一窒化膜122)を形成する。第一の絶縁層(第一窒化膜122)の膜厚は、たとえば20nmで形成するのが好ましい。
【0030】
次いで、図4に示すように、第一レジストマスク23を形成し、第一の絶縁層(第一窒化膜122)をエッチバックする。まず、第一の絶縁層(第一窒化膜122)を覆うように第一レジストマスク23を形成する。第一レジストマスク23は、第一のゲート電極40形成領域側を覆い、第二のゲート電極41形成領域側は開口させる構成とする。次いで、第一レジストマスク23をマスクにして、第二のゲート電極41形成領域側の第一の絶縁層(第一窒化膜122)をエッチバックする。第一窒化膜122をエッチバックすることにより、第二のLDD領域21bを露出させる。また、第二のゲート電極41の側壁に第一窒化膜22からなる第二のサイドウォール層30を形成させる。
【0031】
次に、エピタキシャル成長層9aを形成する工程では、図5に示すように、第二のゲート電極41に隣接する位置にエピタキシャル成長層9aを成長させる。まず、第二レジストマスク27を除去する。第二レジストマスク27を除去した後、半導体基板1上に選択的エピタキシャル成長法を用いてシリコン膜を成長させる。なお、シリコン膜を成長させる位置は、第二のゲート電極41に隣接する位置で、ゲート幅方向両側の半導体基板1上とする。第二のゲート電極41に隣接する位置にシリコン膜を成長させることにより、エピタキシャル成長層9aを形成する。
【0032】
次に、第一のサイドウォール層24を形成する工程では、図6に示すように半導体基板1と第一のゲート電極40及び前記第二のゲート電極41を覆うように第二の絶縁層(第二窒化膜125)を形成する。なお、第二の絶縁層(第一窒化膜125)の膜厚は、たとえば5nmで形成するのが好ましい。
【0033】
次いで、図7に示すように、第二の絶縁層(第二窒化膜125)を覆うように第三の絶縁層(サイドウォール酸化膜126)を形成する。なお、第三の絶縁層(サイドウォール酸化膜126)の膜厚は、たとえば50nmで形成するのが好ましい
【0034】
次いで、図8に示すように第二レジストマスク27を形成し、第三の絶縁層(サイドウォール酸化膜126)をエッチバックする。まず、第二の絶縁層(第二窒化膜125)を覆うように第二レジストマスク27を形成する。なお、第二レジストマスク27は第二のゲート電極41形成領域側を覆う構成とする。また、第二レジストマスク27の第一のゲート電極40形成領域側は開口させる。次いで、第二レジストマスク27をマスクにして、第二の絶縁層(第二窒化膜125)をエッチバックする。第二の絶縁層(第二窒化膜125)をエッチバックすることにより、第一のLDD領域21aを露出させる。また、第一のゲート電極40の側壁にサイドウォール酸化膜26、第二窒化膜25、第一窒化膜22からなる第一のサイドウォール層24を形成させる。
【0035】
次いで、図9及び図10に示すように、第三レジストマスク31を形成し、第三の絶縁層(サイドウォール酸化膜126)をエッチバックする。まず、第二レジストマスク27を除去する。次いで、第一のゲート電極40形成領域を覆う第三レジストマスク31を形成する。なお、第三レジストマスク31は第二のゲート電極41形成領域を開口する構成とする。次いで、第三レジストマスク31をマスクに第三の絶縁層(サイドウォール酸化膜126)をエッチバックする。ここでのエッチバックは、サイドウォール酸化膜126に対して選択比がとれるエッチング技術を用いる。エッチング技術はたとえば、HF液を用いた湿式エッチングで行うことが好ましい。第三の絶縁層(サイドウォール酸化膜126)をエッチバックすることにより、第二のゲート電極41形成領域側の第二の絶縁層(第二窒化膜125)を露出させる。
【0036】
次いで、図11に示すように、第二の絶縁層(第二窒化膜125)をエッチバックする。
まず、第三レジストマスク31を除去する。次いで、第二の絶縁層(第二窒化膜125)をエッチバックする。ここでのエッチング技術はたとえば燐酸液を用いた湿式エッチングで行うことが好ましい。なお、この工程においては、第一のゲート電極40のマスク窒化膜40d及び第二のゲート電極41のマスク窒化膜41dの表面も、僅かながらエッチングされる。但し、この第二の絶縁層(第二窒化膜125)は必ずしも除去する必要はなく、残してもよい。なお、第二レジストマスク27と第三レジストマスク31がオーバーラップする領域に、絶縁物20が形成される。絶縁物20は第二の絶縁層(第二窒化膜225)及び第三の絶縁層(サイドウォール酸化膜226)からなる。この絶縁物20は、デバイス上においては問題がない。
【0037】
次に、第一の不純物拡散領域6及び第二の不純物拡散領域8を形成する工程では、図12に示すように、第一のLDD領域21a上面及びエピタキシャル成長層9aに不純物元素を拡散させる。不純物元素はたとえばAsを用いることが好ましい。第一のLDD領域21a上面への不純物元素の拡散により、第一の不純物拡散領域6を形成させる。また、エピタキシャル成長層9aへの不純物拡散により、ドープドエピタキシャル成長層9を形成する。なお、ドープドエピタキシャル成長層9の下部の半導体基板1にまで拡散させた不純物元素により、下部拡散領域8aを形成させる。このドープドエピタキシャル成長層9と下部拡散領域8aによって、第二の不純物拡散領域8が形成されている。なお、下部拡散領域8aの深さは第一の不純物拡散領域6よりも浅く形成する。
【0038】
次いで、図12に示すようにAsを注入する。本実施形態でAs注入の条件は、エネルギー20KeV,ドーズ2×1015atoms/cm2で行う。なお、第一の不純物拡散領域6及び第二の不純物拡散領域8のAs濃度は、第三の不純物拡散領域(第一のLDD領域21a及び第二のLDD領域21b)よりも高濃度で形成させる。以上の工程により、第一のMOSトランジスタ5及び第二のMOSトランジスタ7を、同一の半導体基板上1に形成する。
【0039】
次いで、半導体基板1上と第一のMOSトランジスタ5及び第二のMOSトランジスタ7上を覆う層間絶縁膜10を形成する。次いで、層間絶縁膜10に第一のコンタクトホール11及び第二のコンタクトホール14を形成する。第一のコンタクトホール11は層間絶縁膜10を貫通し第一の不純物拡散領域6の表面を開口させる構造で形成する。また、第二のコンタクトホール14は層間絶縁膜10を貫通しドープドエピタキシャル成長層9表面を開口させる構造で形成する。
【0040】
次いで、第一のコンタクトホール11及び第二のコンタクトホール14内に、それぞれ第一のコンタクトプラグ12及び第二のコンタクトプラグ15を形成する。まず、第一のコンタクトホール11の内側から層間絶縁膜10上面にかけてチタン膜12aと窒化チタン膜12bを順次形成する。同様に、第二のコンタクトホール14から層間絶縁膜10上面にかけて、チタン膜15aと窒化チタン膜15bを順次形成する。次いでアニールを行い、チタン膜12aとチタン膜15aを、それぞれシリコン膜とシリサイド化させる。形成した第一のコンタクトホール11の底部には、チタン膜12aとシリコン膜の反応によるシリサイド層が形成される。同じく、第二のコンタクトホール14の底部には、チタン膜15aとシリコン膜の反応によるシリサイド層が形成される。この第一のコンタクトホール11及び第二のコンタクトホール14の底部に形成したシリサイド層により、コンタクト抵抗を半減させ且つ安定させる。
【0041】
次いで、第一のコンタクトホール11から層間絶縁膜10上面にかけてタングステン膜12cを形成する。同様に、第二のコンタクトホール14から層間絶縁膜10上面にかけて、タングステン膜15cを形成する。なお、これらの膜の種類はこれらに限定されない。
【0042】
次いで、第一のコンタクトホール11内のチタン膜12a、窒化チタン膜12b、タングステン膜12c、及び、第二のコンタクトホール14内のチタン膜15a、窒化チタン膜15b、タングステン膜15cをCMP技術により研磨する。この工程によって、第一のコンタクトホール11内に第一のコンタクトプラグ12を、第二のコンタクトホール14内に第二のコンタクトプラグ15を形成する。次いで、層間絶縁膜10表面の第一のコンタクトプラグ12及び第二のコンタクトプラグ15上面を接続する配線13を形成する。以上により、図1に示す半導体装置42を形成する。
【0043】
本実施形態の製造方法を用いることにより、同一の工程で、厚い第一のサイドウォール層24及び薄い第二のサイドウォール層30を形成することができる。また、エピタキシャル成長層9aに不純物を拡散させて第二の不純物拡散領域8を形成するため、同一の不純物拡散工程により、第二の不純物拡散領域8aの深さを、第一の不純物拡散領域6よりも浅く形成することができる。そのため、第二のMOSトランジスタ7のゲート長を、第一のMOSトランジスタ5のゲート長に比べて短くすることが可能である。また、第二のMOSトランジスタ7のアクティブ領域3bは、第一のMOSトランジスタ5のアクティブ領域3aに対して、ゲート幅方向の幅を狭くすることがきる。そのため、第二のMOSトランジスタ7は第一のMOSトランジスタ5と比べ狭ピッチで形成することができる。
【0044】
また、第一のコンタクトホール11及び第二のコンタクトホール14を同一の工程で形成することができる。また、第一のコンタクトプラグ12及び第二のコンタクトプラグ15も同一の工程で形成することができる。なお、第二のMOSトランジスタ7は、第二のゲート電極41の上面をマスク窒化膜41dで覆い、側面を第一窒化膜22で覆うことで、第二のコンタクトホール14を第二のゲート電極41に対して自己整合的に形成できる。そのため、第二のゲート電極41と第二のコンタクトホール14の距離を、第一窒化膜22の厚さまで縮めることが可能となる。
【0045】
本実施形態により、同一の半導体基板1上に、高速動作に有利な第一のMOSトランジスタ5及びピッチ縮小を優先した第二のMOSトランジスタ7を同一の工程で効率的に形成することが可能となる。そのため、高速で且つ面積が小さい半導体装置42を形成することができる。これにより、DRAMの微細化及び多様化を実現することができる。
【符号の説明】
【0046】
1…半導体基板、5…第一のMOSトランジスタ、6…第一の不純物拡散領域、7…第二のMOSトランジスタ、8…第二の不純物拡散領域、8a…下部拡散領域、9…ドープドエピタキシャル成長層、12…第一のコンタクトプラグ、15…第二のコンタクトプラグ、22…第一窒化膜、24…第一のサイドウォール層、25…第二窒化膜、26…サイドウォール酸化膜、30…第二のサイドウォール層、40…第一のゲート電極、41…第二のゲート電極、42…半導体装置、122…第一窒化膜、125…第二窒化膜、126…サイドウォール酸化膜
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピューターや電気機器の主要部分には、多数のMOSトランジスタや抵抗等を一つのチップ上に集積化する大規模集積回路(以下、LSIと称する)が採用されている。
LSIは様々な用途に使われるため、特にLSIに搭載される混載用DRAMには、多様化する製品の要求を満たすことが求められている。多様化する製品の要求に応えるものとして、半導体装置のメモリセル部と周辺回路部のLDD領域幅を異なる幅で形成する方法が採用されている(特許文献1)。また、高速動作が要求される周辺回路領域のみをシリサイド化する方法が知られている(特許文献2)。メモリセル性能を可変化する方法では、高耐圧部と周辺回路部及びメモリセル部のトランジスタ構造を異なる構造で形成する方法が採用されている(特許文献3)。
【0003】
また、リフレッシュ不良を回避するためにシリサイド層を選択的に形成方法も知られている(特許文献4)。同一半導体基板上に異なる構造のトランジスタを形成する方法としては、高速動作が要求されるゲート電極のみにシリサイド層を形成し、通常構造トランジスタ及びエレベーテッドソースドレイン構造トランジスタを同一半導体基板上に混載する方法が知られている(特許文献5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平05-102428号公報
【特許文献2】特開2005-136434号公報
【特許文献3】特開2003-282823号公報
【特許文献4】特開平11-097649号公報
【特許文献5】特開2000-232076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
LSIの中でも、特にDRAMにおいては多様化だけでなく、急速な微細化が求められている。しかし、MOSトランジスタのコンタクトプラグ形成においての、シリサイド層を選択的に形成する方法は接合リークが増大しやすいという問題があった。半導体基板表面に形成されたシリサイド層には欠陥が含まれるため、シリサイド層の境界がPN接合端に接近すると、接合リークが増大しやすいためである。そのため、MOSトランジスタのコンタクトプラグは平面で見て、半導体基板に形成された不純物拡散領域のPN接合端からゲート幅方向に距離をとって配置する必要があった。すなわちMOSトランジスタのコンタクトプラグは、ゲート電極の側壁に形成されたサイドウォール層から距離を離して配置される必要があった。MOSトランジスタのコンタクトプラグとサイドウォール層を、距離を離して配置する結果、ゲート長が必要となり半導体装置の小型化が妨げられていた。
【0006】
この接合リークの増大、つまり短チャネル効果を抑制する手段としては、エレベーテッドソースドレイン構造のMOSトランジスタが有効である。エレベーテッドソースドレイン構造のMOSトランジスタは、不純物拡散領域をシリサイド層(エピタキシャル成長層)に形成し、ドープドエピタキシャル成長層を形成する。ドープドエピタキシャル成長層に不純物拡散領域が形成されるため、通常のMOSトランジスタに比べて半導体基板表面の不純物拡散領域の深さを浅くすることができる。そのため、エレベーテッドソースドレイン構造のMOSトランジスタは短チャネル効果を防ぎつつゲート長を短くすることが可能である。
【0007】
しかし、エレベーテッドソースドレイン構造のMOSトランジスタでは、不純物拡散領域が形成されるシリサイド層(エピタキシャル成長層)が、ゲート電極の高さ方向にせり上がって形成される。そのため、不純物拡散領域とゲート電極との間に形成される寄生容量が通常構造のMOSトランジスタに比べて大きい。そのため、エレベーテッドソースドレイン構造のMOSトランジスタは、通常構造のMOSトランジスタに比べて、高周波応答特性を損ないやすいという問題があった。また、高周波応答特性を損ないやすいという問題を解決するために、同一半導体基板上に通常構造のMOSトランジスタ及びエレベーテッドソースドレイン構造のMOSトランジスタを混載して形成する方法では、工程が複雑になるという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板上に第一のゲート電極及び第二のゲート電極を形成する工程と、第一のゲート電極の側壁面に第一の絶縁層を形成するとともに、第二のゲート電極の側壁面に第二の絶縁層を形成する工程と、第二のゲート電極のゲート幅方向両側の半導体基板上に、エピタキシャル成長層を形成する工程と、第一のゲート電極及び第一の絶縁層と、第二のゲート電極及び第二の絶縁層とを覆うように第3の絶縁層を形成する工程と、第二のゲート電極及び第二の絶縁層を覆う第三の絶縁層を除去する工程と、第一のゲート電極のゲート幅方向両側の半導体基板及び前記エピタキシャル成長層にそれぞれ不純物を拡散させて、第一の不純物拡散領域及び第二の不純物拡散領域を形成する工程と、第一の不純物拡散領域及び第二の不純物拡散領域にコンタクトプラグを接続させる工程と、を具備してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、同一の工程で、同一半導体基板上に通常構造のMOSトランジスタ及びエレベーテッドソースドレイン構造のMOSトランジスタを混載して形成することができる。また、同一の工程で、通常構造のMOSトランジスタ及びエレベーテッドソースドレイン構造のMOSトランジスタのサイドウォールを、異なる厚みで形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る半導体装置の断面構造を示す断面図である。
【図2】本発明の半導体装置の製造方法を工程順に示すもので半導体基板上にP型ウェル領域及びゲート電極を形成した状態を示す断面図である。
【図3】本発明の半導体装置の製造方法を工程順に示すもので半導体基板上及びゲート電極上に第一窒化膜を形成した状態を示す断面図である。
【図4】本発明の半導体装置の製造方法を工程順に示すもので第一レジストマスクを形成し第一窒化膜をエッチバックした状態を示す断面図である。
【図5】本発明の半導体装置の製造方法を工程順に示すものでゲート電極に隣接する位置の半導体基板上に選択エピタキシャル法によりシリコン層を成長させた状態を示す断面図である。
【図6】本発明の半導体装置の製造方法を工程順に示すもので半導体基板上及びゲート電極上に第二窒化膜を形成した状態を示す断面図である。
【図7】本発明の半導体装置の製造方法を工程順に示すもので半導体基板上及びゲート電極上にサイドウォール酸化膜を形成した状態を示す断面図である。
【図8】本発明の半導体装置の製造方法を工程順に示すもので第二レジストマスクを形成しサイドウォール酸化膜をエッチバックした状態を示す断面図である。
【図9】本発明の半導体装置の製造方法を工程順に示すもので第三レジストマスクを形成した状態を示す断面図である。
【図10】本発明の半導体装置の製造方法を工程順に示すもので第三レジストマスクをマスクにサイドウォール酸化膜をエッチバックした状態を示す断面図である。
【図11】本発明の半導体装置の製造方法を工程順に示すもので第二窒化膜をエッチバックした状態を示す断面図である。
【図12】本発明の半導体装置の製造方法を工程順に示すもので不純物をドーピングしている状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態である半導体装置42について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施形態に係る半導体装置42の断面構造を示す断面図である。本実施形態の半導体装置42は第一のMOSトランジスタ5と、第二のMOSトランジスタ7とから概略構成されている。半導体基板1と、第一のMOSトランジスタ5及び第二のMOSトランジスタ7は層間絶縁膜10で覆われている。層間絶縁膜10には、層間絶縁膜10を貫通し、第一のMOSトランジスタ5の第一の不純物拡散領域6に接続された第一のコンタクトプラグ12と、層間絶縁膜10を貫通し、第二のMOSトランジスタ7の第二の不純物拡散領域8に接続された第二のコンタクトプラグ15とが形成されている。層間絶縁膜10表面には、第一のコンタクトプラグ12と第二のコンタクトプラグ15に接続する配線13が形成されている。
【0012】
半導体基板1は、本実施形態ではシリコン基板が用いられる。半導体基板としては、シリコン基板に限定されず、ゲルマニウム基板などを用いることも可能である。半導体基板1内にはP型ウェル領域2が形成されている。また、P型ウェル領域2内には第一のアクティブ領域3a及び第二のアクティブ領域3bが形成されている。なお、第一のアクティブ領域3a及び第二のアクティブ領域3bは、埋込絶縁膜4からなる素子分離領域4aにより区画されている。第二のMOSトランジスタ7が位置するアクティブ領域3bの幅T2は、第一のMOSトランジスタ5が位置するアクティブ領域3aの幅T1よりもゲート幅方向において狭く形成されている。
【0013】
第一のMOSトランジスタ5は、半導体基板1上に形成されている。第一のMOSトランジスタ5には、ゲート絶縁膜40aと、ゲート絶縁膜40aに形成された第一のゲート電極40と、第一のゲート電極40の側壁面に設けられた第一のサイドウォール層24と、半導体基板1に設けられた第一の不純物拡散領域6及び第一のLDD領域21aとが備えられている。
【0014】
第一のゲート電極40はDOPOS膜40bと、パターニングされたバリアメタル膜及びタングステン膜により形成された積層膜40cにより形成されている。また、積層膜40c上には、マスク窒化膜40dが積層されている。
【0015】
第一のゲート電極40の側壁面に設けられた第一のサイドウォール層24は、第一窒化膜22、第二窒化膜25及びサイドウォール酸化膜26が順次積層されて形成されている。なお、第一窒化膜22の膜厚はたとえば20nm、第二窒化膜25の膜厚はたとえば5nm、サイドウォール酸化膜26の膜厚はたとえば50nmが好ましい。なお、この膜厚は本実施形態に制限されるものではない。
【0016】
第一のゲート電極40の両側には、第一の不純物拡散領域6が形成されている。第一の不純物拡散領域6は、上部は半導体基板1の表面から、底部はアクティブ領域3aに到達するまで形成されている。なお、第一のLDD領域21aは、第一の不純物拡散領域6よりも浅く形成されている。また、第一のLDD領域21aの不純物の濃度は、第一の不純物拡散領域6よりも低濃度で形成されている。
【0017】
第二のMOSトランジスタ7は、半導体基板1上に形成されている。第二のMOSトランジスタ7には、ゲート絶縁膜41aと、ゲート絶縁膜41aに形成された第二のゲート電極41と、第二のゲート電極41の側壁面に設けられた第二のサイドウォール層30と、半導体基板1に設けられた第二の不純物拡散領域8及び第二のLDD領域21bとが備えられている。
【0018】
第二のゲート電極41はDOPOS膜41bと、パターニングされたバリアメタル膜及びタングステン膜により形成された積層膜41cにより形成されている。また、積層膜41c上には、マスク窒化膜41dが積層されている。
【0019】
第二のゲート電極41の側壁面に設けられた第二のサイドウォール層30は、第一窒化膜22により形成されている。この第一窒化膜22は、第一のゲート電極40の第一窒化膜22に対して分断されて形成されたものである。第一窒化膜22の膜厚はたとえば20nmが好ましい。なお、この膜厚は本実施形態に制限されるものではない。
【0020】
第二のサイドウォール層30は第一のサイドウォール層24よりも薄く形成されている。すなわち、第二のサイドウォール層30は第一のサイドウォール層24に比べ、第二窒化膜25及びサイドウォール酸化膜26が形成されていない分だけ薄くなっている。
【0021】
第二のゲート電極41の両側には、ドープドエピタキシャル成長層9が形成されている。ドープドエピタキシャル成長層9には、ドーパントとなる不純物元素が拡散されている。不純物元素は、たとえばAsが好ましい。また、ドープドエピタキシャル成長層9に拡散された不純物元素は更に、ドープドエピタキシャル成長層9下の半導体基板1にまで拡散されている。このドープドエピタキシャル成長層9に拡散されている不純物元素と、半導体基板1にまで拡散された不純物元素によって、第二の不純物拡散領域8が形成されている。なお、第二の不純物拡散領域8の底部は、第一の不純物拡散領域6の底部よりも浅い位置にある。また、第二のLDD領域21bは、第二の不純物拡散領域8よりも浅く形成されている。第二のLDD領域21bの不純物の濃度は、第二の不純物拡散領域8よりも低濃度で形成されている。
【0022】
層間絶縁膜10は、半導体基板1上と第一のMOSトランジスタ5及び第二のMOSトランジスタ7上を覆うように形成されている。層間絶縁膜10には、層間絶縁膜10を貫通する第一のコンタクトホール11及び第二のコンタクトホール14が形成されている。また、第一のコンタクトホール11及び第二のコンタクトホール14内にはそれぞれ、第一のコンタクトプラグ12及び第二のコンタクトプラグ15が形成されている。
【0023】
第一のコンタクトホール11は、第一の不純物拡散領域6上面を露出させ層間絶縁膜10を貫通するように形成されている。また、第一のコンタクトプラグ12は第一のコンタクトホール11内から層間絶縁膜10上面にかけて形成されている。第一のコンタクトプラグ12はチタン膜12a、窒化チタン膜12b、タングステン膜12cにより形成されている。なお、この膜の種類は本実施形態に制限されるものではない。第二のコンタクトホール14は、ドープドエピタキシャル成長層9上面を露出させ層間絶縁膜10を貫通するように形成されている。また、第二のコンタクトプラグ15は第二のコンタクトホール14内から層間絶縁膜10上面にかけて形成されている。第二のコンタクトプラグ15はチタン膜12a、窒化チタン膜12b、タングステン膜12cにより形成されている。なお、この膜の種類は本実施形態に制限されるものではない。第一のコンタクトプラグ12及び第二のコンタクトプラグ15は、層間絶縁膜10上の配線13に接続されている。
【0024】
本実施形態の半導体装置42は同一の半導体基板1上に、第一のMOSトランジスタ5及び第二のMOSトランジスタ7が形成されている。第一のMOSトランジスタ5は高速動作に有利な構成である。また、第二のMOSトランジスタ7はピッチ縮小を可能とする構成となっている。異なる構成である第一のMOSトランジスタ5及び第二のMOSトランジスタ7が同一の半導体基板1上に形成されているため、DRAMの微細化及び多様化を実現することができる。
【0025】
次に、本発明の実施形態である半導体装置42の製造方法について図面を参照して説明する。本発明の実施形態である半導体装置42の製造方法は、第一のゲート電極40及び第二のゲート電極41を形成する工程と、第二のゲート電極41に第一の絶縁層(第一窒化膜122)を形成して第二のサイドウォール層30とする工程と、第二のゲート電極41のゲート幅方向両側に、エピタキシャル成長層9aを形成する工程と、第一のゲート電極40に第二の絶縁層(第二窒化膜125)及び第三の絶縁層(サイドウォール酸化膜126)を形成して第一のサイドウォール層24とする工程と、第一の不純物拡散領域6及び第二の不純物拡散領域8を形成する工程と、から概略構成される。以下、各工程について順次説明する。
【0026】
まず、第一のゲート電極40及び第二のゲート電極41を形成する工程では図2に示すように、まず、半導体基板1上にP型ウェル領域2を形成する。次いで、P型ウェル領域2内に第一のアクティブ領域3a、第二のアクティブ領域3b、及び素子分離領域4aを形成する。第二のゲート電極41が形成される第二のアクティブ領域3bの幅T2は、第一のゲート電極40が形成される第一のアクティブ領域3aの幅T1よりも狭く形成されている。
【0027】
次いで、第一のゲート電極40及び第二のゲート電極41を形成する。まず、半導体基板1上にゲート絶縁膜40a、ポリシリコン膜、バリアメタル膜、タングステン膜、マスク窒化膜40dを順次積層する。その後、フォトリソグラフィー技術及びエッチング技術によりパターニングし、第一のゲート電極40及び第二のゲート電極41を形成する。なお、第一のゲート電極40は、DOPOS膜40bと積層膜40cとマスク窒化膜40dにより構成される。また、第二のゲート電極41は、DOPOS膜41bと積層膜41cとマスク窒化膜41dにより構成される。
【0028】
次いで、半導体基板1と、第一のゲート電極40及び第二のゲート電極41に対して自己整合的にP注入を行い、第三の不純物拡散領域(第一のLDD領域21a及び第二のLDD領域21b)を形成する。なお、本実施形態での半導体基板1へのP注入は、エネルギー10KeV、ドーズ1.5×1013atoms/cm2で行う。
【0029】
次に、第二のサイドウォール層30を形成する工程では、図3に示すように、半導体基板1と、第一のゲート電極40及び第二のゲート電極41を覆うように第一の絶縁層(第一窒化膜122)を形成する。第一の絶縁層(第一窒化膜122)の膜厚は、たとえば20nmで形成するのが好ましい。
【0030】
次いで、図4に示すように、第一レジストマスク23を形成し、第一の絶縁層(第一窒化膜122)をエッチバックする。まず、第一の絶縁層(第一窒化膜122)を覆うように第一レジストマスク23を形成する。第一レジストマスク23は、第一のゲート電極40形成領域側を覆い、第二のゲート電極41形成領域側は開口させる構成とする。次いで、第一レジストマスク23をマスクにして、第二のゲート電極41形成領域側の第一の絶縁層(第一窒化膜122)をエッチバックする。第一窒化膜122をエッチバックすることにより、第二のLDD領域21bを露出させる。また、第二のゲート電極41の側壁に第一窒化膜22からなる第二のサイドウォール層30を形成させる。
【0031】
次に、エピタキシャル成長層9aを形成する工程では、図5に示すように、第二のゲート電極41に隣接する位置にエピタキシャル成長層9aを成長させる。まず、第二レジストマスク27を除去する。第二レジストマスク27を除去した後、半導体基板1上に選択的エピタキシャル成長法を用いてシリコン膜を成長させる。なお、シリコン膜を成長させる位置は、第二のゲート電極41に隣接する位置で、ゲート幅方向両側の半導体基板1上とする。第二のゲート電極41に隣接する位置にシリコン膜を成長させることにより、エピタキシャル成長層9aを形成する。
【0032】
次に、第一のサイドウォール層24を形成する工程では、図6に示すように半導体基板1と第一のゲート電極40及び前記第二のゲート電極41を覆うように第二の絶縁層(第二窒化膜125)を形成する。なお、第二の絶縁層(第一窒化膜125)の膜厚は、たとえば5nmで形成するのが好ましい。
【0033】
次いで、図7に示すように、第二の絶縁層(第二窒化膜125)を覆うように第三の絶縁層(サイドウォール酸化膜126)を形成する。なお、第三の絶縁層(サイドウォール酸化膜126)の膜厚は、たとえば50nmで形成するのが好ましい
【0034】
次いで、図8に示すように第二レジストマスク27を形成し、第三の絶縁層(サイドウォール酸化膜126)をエッチバックする。まず、第二の絶縁層(第二窒化膜125)を覆うように第二レジストマスク27を形成する。なお、第二レジストマスク27は第二のゲート電極41形成領域側を覆う構成とする。また、第二レジストマスク27の第一のゲート電極40形成領域側は開口させる。次いで、第二レジストマスク27をマスクにして、第二の絶縁層(第二窒化膜125)をエッチバックする。第二の絶縁層(第二窒化膜125)をエッチバックすることにより、第一のLDD領域21aを露出させる。また、第一のゲート電極40の側壁にサイドウォール酸化膜26、第二窒化膜25、第一窒化膜22からなる第一のサイドウォール層24を形成させる。
【0035】
次いで、図9及び図10に示すように、第三レジストマスク31を形成し、第三の絶縁層(サイドウォール酸化膜126)をエッチバックする。まず、第二レジストマスク27を除去する。次いで、第一のゲート電極40形成領域を覆う第三レジストマスク31を形成する。なお、第三レジストマスク31は第二のゲート電極41形成領域を開口する構成とする。次いで、第三レジストマスク31をマスクに第三の絶縁層(サイドウォール酸化膜126)をエッチバックする。ここでのエッチバックは、サイドウォール酸化膜126に対して選択比がとれるエッチング技術を用いる。エッチング技術はたとえば、HF液を用いた湿式エッチングで行うことが好ましい。第三の絶縁層(サイドウォール酸化膜126)をエッチバックすることにより、第二のゲート電極41形成領域側の第二の絶縁層(第二窒化膜125)を露出させる。
【0036】
次いで、図11に示すように、第二の絶縁層(第二窒化膜125)をエッチバックする。
まず、第三レジストマスク31を除去する。次いで、第二の絶縁層(第二窒化膜125)をエッチバックする。ここでのエッチング技術はたとえば燐酸液を用いた湿式エッチングで行うことが好ましい。なお、この工程においては、第一のゲート電極40のマスク窒化膜40d及び第二のゲート電極41のマスク窒化膜41dの表面も、僅かながらエッチングされる。但し、この第二の絶縁層(第二窒化膜125)は必ずしも除去する必要はなく、残してもよい。なお、第二レジストマスク27と第三レジストマスク31がオーバーラップする領域に、絶縁物20が形成される。絶縁物20は第二の絶縁層(第二窒化膜225)及び第三の絶縁層(サイドウォール酸化膜226)からなる。この絶縁物20は、デバイス上においては問題がない。
【0037】
次に、第一の不純物拡散領域6及び第二の不純物拡散領域8を形成する工程では、図12に示すように、第一のLDD領域21a上面及びエピタキシャル成長層9aに不純物元素を拡散させる。不純物元素はたとえばAsを用いることが好ましい。第一のLDD領域21a上面への不純物元素の拡散により、第一の不純物拡散領域6を形成させる。また、エピタキシャル成長層9aへの不純物拡散により、ドープドエピタキシャル成長層9を形成する。なお、ドープドエピタキシャル成長層9の下部の半導体基板1にまで拡散させた不純物元素により、下部拡散領域8aを形成させる。このドープドエピタキシャル成長層9と下部拡散領域8aによって、第二の不純物拡散領域8が形成されている。なお、下部拡散領域8aの深さは第一の不純物拡散領域6よりも浅く形成する。
【0038】
次いで、図12に示すようにAsを注入する。本実施形態でAs注入の条件は、エネルギー20KeV,ドーズ2×1015atoms/cm2で行う。なお、第一の不純物拡散領域6及び第二の不純物拡散領域8のAs濃度は、第三の不純物拡散領域(第一のLDD領域21a及び第二のLDD領域21b)よりも高濃度で形成させる。以上の工程により、第一のMOSトランジスタ5及び第二のMOSトランジスタ7を、同一の半導体基板上1に形成する。
【0039】
次いで、半導体基板1上と第一のMOSトランジスタ5及び第二のMOSトランジスタ7上を覆う層間絶縁膜10を形成する。次いで、層間絶縁膜10に第一のコンタクトホール11及び第二のコンタクトホール14を形成する。第一のコンタクトホール11は層間絶縁膜10を貫通し第一の不純物拡散領域6の表面を開口させる構造で形成する。また、第二のコンタクトホール14は層間絶縁膜10を貫通しドープドエピタキシャル成長層9表面を開口させる構造で形成する。
【0040】
次いで、第一のコンタクトホール11及び第二のコンタクトホール14内に、それぞれ第一のコンタクトプラグ12及び第二のコンタクトプラグ15を形成する。まず、第一のコンタクトホール11の内側から層間絶縁膜10上面にかけてチタン膜12aと窒化チタン膜12bを順次形成する。同様に、第二のコンタクトホール14から層間絶縁膜10上面にかけて、チタン膜15aと窒化チタン膜15bを順次形成する。次いでアニールを行い、チタン膜12aとチタン膜15aを、それぞれシリコン膜とシリサイド化させる。形成した第一のコンタクトホール11の底部には、チタン膜12aとシリコン膜の反応によるシリサイド層が形成される。同じく、第二のコンタクトホール14の底部には、チタン膜15aとシリコン膜の反応によるシリサイド層が形成される。この第一のコンタクトホール11及び第二のコンタクトホール14の底部に形成したシリサイド層により、コンタクト抵抗を半減させ且つ安定させる。
【0041】
次いで、第一のコンタクトホール11から層間絶縁膜10上面にかけてタングステン膜12cを形成する。同様に、第二のコンタクトホール14から層間絶縁膜10上面にかけて、タングステン膜15cを形成する。なお、これらの膜の種類はこれらに限定されない。
【0042】
次いで、第一のコンタクトホール11内のチタン膜12a、窒化チタン膜12b、タングステン膜12c、及び、第二のコンタクトホール14内のチタン膜15a、窒化チタン膜15b、タングステン膜15cをCMP技術により研磨する。この工程によって、第一のコンタクトホール11内に第一のコンタクトプラグ12を、第二のコンタクトホール14内に第二のコンタクトプラグ15を形成する。次いで、層間絶縁膜10表面の第一のコンタクトプラグ12及び第二のコンタクトプラグ15上面を接続する配線13を形成する。以上により、図1に示す半導体装置42を形成する。
【0043】
本実施形態の製造方法を用いることにより、同一の工程で、厚い第一のサイドウォール層24及び薄い第二のサイドウォール層30を形成することができる。また、エピタキシャル成長層9aに不純物を拡散させて第二の不純物拡散領域8を形成するため、同一の不純物拡散工程により、第二の不純物拡散領域8aの深さを、第一の不純物拡散領域6よりも浅く形成することができる。そのため、第二のMOSトランジスタ7のゲート長を、第一のMOSトランジスタ5のゲート長に比べて短くすることが可能である。また、第二のMOSトランジスタ7のアクティブ領域3bは、第一のMOSトランジスタ5のアクティブ領域3aに対して、ゲート幅方向の幅を狭くすることがきる。そのため、第二のMOSトランジスタ7は第一のMOSトランジスタ5と比べ狭ピッチで形成することができる。
【0044】
また、第一のコンタクトホール11及び第二のコンタクトホール14を同一の工程で形成することができる。また、第一のコンタクトプラグ12及び第二のコンタクトプラグ15も同一の工程で形成することができる。なお、第二のMOSトランジスタ7は、第二のゲート電極41の上面をマスク窒化膜41dで覆い、側面を第一窒化膜22で覆うことで、第二のコンタクトホール14を第二のゲート電極41に対して自己整合的に形成できる。そのため、第二のゲート電極41と第二のコンタクトホール14の距離を、第一窒化膜22の厚さまで縮めることが可能となる。
【0045】
本実施形態により、同一の半導体基板1上に、高速動作に有利な第一のMOSトランジスタ5及びピッチ縮小を優先した第二のMOSトランジスタ7を同一の工程で効率的に形成することが可能となる。そのため、高速で且つ面積が小さい半導体装置42を形成することができる。これにより、DRAMの微細化及び多様化を実現することができる。
【符号の説明】
【0046】
1…半導体基板、5…第一のMOSトランジスタ、6…第一の不純物拡散領域、7…第二のMOSトランジスタ、8…第二の不純物拡散領域、8a…下部拡散領域、9…ドープドエピタキシャル成長層、12…第一のコンタクトプラグ、15…第二のコンタクトプラグ、22…第一窒化膜、24…第一のサイドウォール層、25…第二窒化膜、26…サイドウォール酸化膜、30…第二のサイドウォール層、40…第一のゲート電極、41…第二のゲート電極、42…半導体装置、122…第一窒化膜、125…第二窒化膜、126…サイドウォール酸化膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に形成された第一のMOSトランジスタと第二のMOSトランジスタとを具備してなり、
前記第一のMOSトランジスタには、第一のゲート電極と、前記第一のゲート電極の側壁面に設けられた第一のサイドウォール層と、前記半導体基板に設けられた第一の不純物拡散領域と、前記第一の不純物拡散領域に接続された第一のコンタクトプラグとが少なくとも備えられ、
前記第二のMOSトランジスタには、第二のゲート電極と、前記第二のゲート電極の側壁面に設けられた、前記第一のサイドウォール層よりも薄い第二のサイドウォール層と、前記半導体基板及び前記半導体基板上に形成されたドープドエピタキシャル成長層にわたって形成された第二の不純物拡散領域と、前記第二の不純物拡散領域に接続された第二のコンタクトプラグとが少なくとも備えられていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第一のサイドウォール層が、第一の絶縁層と第二の絶縁層及び第三の絶縁層とから形成され、
前記第二のサイドウォール層が、第一の絶縁層によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第二の不純物拡散領域の深さが、前記第一の不純物拡散領域の深さよりも浅いことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
半導体基板上に第一のゲート電極及び第二のゲート電極を形成する工程と、
前記第一のゲート電極の側壁面に第一の絶縁層を形成する工程と、
前記第二のゲート電極のゲート幅方向両側の半導体基板上に、エピタキシャル成長層を形成する工程と、
前記第二のゲート電極の側壁面に第二の絶縁層を形成する工程と、
前記第一のゲート電極及び前記第一の絶縁層と、前記第二のゲート電極及び前記第二の絶縁層とを覆うように第三の絶縁層を形成する工程と、
前記第二のゲート電極及び前記第二の絶縁層を覆う前記第三の絶縁層を除去する工程と、
前記第一のゲート電極のゲート幅方向両側の半導体基板及び前記エピタキシャル成長層にそれぞれ不純物を拡散させて、第一の不純物拡散領域及び第二の不純物拡散領域を形成する工程と、
第一の不純物拡散領域及び第二の不純物拡散領域にコンタクトプラグを接続させる工程と、を具備してなることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第一、第二のゲート電極の形成後に、前記第一、第二のゲート電極のゲート幅方向両側の半導体基板に、前記第一、第二の不純物拡散領域よりも低濃度な第三の不純物拡散領域を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項1】
半導体基板上に形成された第一のMOSトランジスタと第二のMOSトランジスタとを具備してなり、
前記第一のMOSトランジスタには、第一のゲート電極と、前記第一のゲート電極の側壁面に設けられた第一のサイドウォール層と、前記半導体基板に設けられた第一の不純物拡散領域と、前記第一の不純物拡散領域に接続された第一のコンタクトプラグとが少なくとも備えられ、
前記第二のMOSトランジスタには、第二のゲート電極と、前記第二のゲート電極の側壁面に設けられた、前記第一のサイドウォール層よりも薄い第二のサイドウォール層と、前記半導体基板及び前記半導体基板上に形成されたドープドエピタキシャル成長層にわたって形成された第二の不純物拡散領域と、前記第二の不純物拡散領域に接続された第二のコンタクトプラグとが少なくとも備えられていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第一のサイドウォール層が、第一の絶縁層と第二の絶縁層及び第三の絶縁層とから形成され、
前記第二のサイドウォール層が、第一の絶縁層によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第二の不純物拡散領域の深さが、前記第一の不純物拡散領域の深さよりも浅いことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
半導体基板上に第一のゲート電極及び第二のゲート電極を形成する工程と、
前記第一のゲート電極の側壁面に第一の絶縁層を形成する工程と、
前記第二のゲート電極のゲート幅方向両側の半導体基板上に、エピタキシャル成長層を形成する工程と、
前記第二のゲート電極の側壁面に第二の絶縁層を形成する工程と、
前記第一のゲート電極及び前記第一の絶縁層と、前記第二のゲート電極及び前記第二の絶縁層とを覆うように第三の絶縁層を形成する工程と、
前記第二のゲート電極及び前記第二の絶縁層を覆う前記第三の絶縁層を除去する工程と、
前記第一のゲート電極のゲート幅方向両側の半導体基板及び前記エピタキシャル成長層にそれぞれ不純物を拡散させて、第一の不純物拡散領域及び第二の不純物拡散領域を形成する工程と、
第一の不純物拡散領域及び第二の不純物拡散領域にコンタクトプラグを接続させる工程と、を具備してなることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第一、第二のゲート電極の形成後に、前記第一、第二のゲート電極のゲート幅方向両側の半導体基板に、前記第一、第二の不純物拡散領域よりも低濃度な第三の不純物拡散領域を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−3710(P2011−3710A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145326(P2009−145326)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】
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