説明

薄膜トランジスタの作製方法及び表示装置の作製方法

【課題】マスク数の少ない薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法を提供する。
【解決手段】第1の導電膜102と、絶縁膜104と、半導体膜106と、不純物半導体膜108と、第2の導電膜110とを積層し、この上に多階調マスクを用いて凹部を有するレジストマスク112を形成し、第1のエッチングを行って薄膜積層体を形成し、該薄膜積層体に対してサイドエッチングを伴う第2のエッチングを行ってゲート電極層116Aを形成し、その後ソース電極及びドレイン電極等を形成することで、薄膜トランジスタを作製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜トランジスタ及び当該薄膜トランジスタを有する表示装置の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ガラス基板等の絶縁性表面を有する基板上に形成された、厚さ数nm〜数百nm程度の半導体薄膜により構成される薄膜トランジスタが注目されている。薄膜トランジスタは、IC(Integrated Circuit)及び電気光学装置を始めとした電子デバイスに広く応用されている。薄膜トランジスタは、特に液晶表示装置又はEL(Electro Luminescence)表示装置等に代表される、画像表示装置のスイッチング素子として開発が急がれている。アクティブマトリクス型液晶表示装置では、具体的には、選択されたスイッチング素子に接続された画素電極と、該画素電極に対応する対向電極と、の間に電圧が印加されることにより、画素電極と対向電極との間に配置された液晶層の光学変調が行われ、この光学変調が表示パターンとして観察者に認識される。ここで、アクティブマトリクス型液晶表示装置とは、マトリクス状に配置された画素電極をスイッチング素子により駆動することによって、画面上に表示パターンが形成される方式を採用した液晶表示装置をいう。
【0003】
上記のようなアクティブマトリクス型液晶表示装置の用途は拡大しており、画面サイズの大面積化、高精細化及び高開口率化の要求が高まっている。また、アクティブマトリクス型液晶表示装置には高い信頼性が求められ、その生産方法には高い生産性及び生産コストの低減が求められる。生産性を高め、生産コストを低減する方法の一つに、工程の簡略化が挙げられる。
【0004】
アクティブマトリクス型液晶表示装置では、スイッチング素子として主に薄膜トランジスタが用いられている。薄膜トランジスタの作製において、フォトリソグラフィに用いるフォトマスクの枚数を削減することは、工程の簡略化のために重要である。例えばフォトマスクが一枚増加すると、レジスト塗布、プリベーク、露光、現像、ポストベーク等の工程と、その前後の工程において、被膜の形成及びエッチング工程、更にはレジスト剥離、洗浄及び乾燥工程等が必要になる。そのため、作製工程に使用するフォトマスクが一枚増加するだけで、工程数が大幅に増加する。そのため、作製工程におけるフォトマスクを低減するために、数多くの技術開発がなされている。
【0005】
フォトマスクの枚数を低減させる従来の技術としては、裏面露光、レジストリフロー又はリフトオフ法といった複雑な技術を用いるものが多く、特殊な装置を必要とするものが多い。このような複雑な技術を用いることで、これに起因する様々な問題が生じ、歩留まりの低下が懸念されていた。また、薄膜トランジスタの電気的特性を犠牲にせざるを得ないことも多かった。
【0006】
薄膜トランジスタの作製工程における、フォトマスクの枚数を減らすための代表的な手段として、多階調マスク(ハーフトーンマスク又はグレートーンマスクと呼ばれるもの)を用いた技術が広く知られている。多階調マスクを用いて作製工程を低減する技術として、例えば特許文献1が挙げられる。
【特許文献1】特開2003−179069号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、薄膜トランジスタの作製方法において、複雑な技術を用いることなく、フォトリソグラフィ法に用いるフォトマスクの枚数を従来よりも少なくすることを課題の一とする。
【0008】
また、本発明は、特に表示装置の画素に用いられる薄膜トランジスタ(画素TFTともいう。)に適用することができる。そのため、本発明は、表示装置の作製における、フォトリソグラフィ法に用いるフォトマスクの枚数を従来よりも少なくすることを課題の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、第1の導電膜と、該第1の導電膜上に絶縁膜、半導体膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜をこの順に積層した薄膜積層体と、を形成し、第1のエッチングにより前記第1の導電膜を露出させつつ、少なくとも前記薄膜積層体のパターンを形成し、第2のエッチングにより第1の導電膜のパターンを形成する。ここで、第2のエッチングは、第1の導電膜がサイドエッチングされる条件により行う。
【0010】
ここで、第1のエッチングは、ドライエッチング又はウエットエッチングを用いればよい。なお、第1のエッチングをドライエッチングにより行う場合には、一の工程にて行うことが可能であるが、第1のエッチングをウエットエッチングにより行う場合には、複数の工程により第1のエッチングを行っても良い。また、第2のエッチングは、ドライエッチング又はウエットエッチングを用いればよい。しかし、上記の通り、第2のエッチングでは、第1の導電膜がサイドエッチングされる必要がある。従って、第2のエッチングには、ウエットエッチングを用いることが好ましい。
【0011】
ここで、第2のエッチングは第1の導電膜のサイドエッチングを伴う条件により行うため、第1の導電膜は前記パターン形成された薄膜積層体よりも内側に後退する。従って、第2のエッチング後の第1の導電膜の側面は、パターン形成された薄膜積層体の側面よりも内側に存在する。更には、パターン形成された第1の導電膜の側面とパターン形成された薄膜積層体の側面との間隔は概ね等しいものとなる。
【0012】
なお、第1の導電膜のパターンとは、例えば、ゲート電極及びゲート配線並びに容量電極及び容量配線を形成する金属配線の上面レイアウトをいう。
【0013】
本発明の一は、第1の導電膜、絶縁膜、半導体膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜を順に積層して形成し、前記第2の導電膜上に第1のレジストマスクを形成し、前記第1のレジストマスクを用いて、前記絶縁膜、前記半導体膜、前記不純物半導体膜及び前記第2の導電膜に第1のエッチングを行って前記第1の導電膜の少なくとも表面を露出させ、前記第1の導電膜の一部にサイドエッチングを伴う第2のエッチングを行ってゲート電極層を形成し、前記第2の導電膜上に第2のレジストマスクを形成し、前記第2のレジストマスクを用いて前記第2の導電膜、前記不純物半導体膜及び前記半導体膜の一部に第3のエッチングを行ってソース電極及びドレイン電極層、ソース領域及びドレイン領域層並びに半導体層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法である。
【0014】
本発明の一は、第1の導電膜、絶縁膜、半導体膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜を順に積層して形成し、前記第2の導電膜上に第1のレジストマスクを形成し、前記第1のレジストマスクを用いて、前記絶縁膜、前記半導体膜、前記不純物半導体膜及び前記第2の導電膜に第1のエッチングを行って前記第1の導電膜の少なくとも表面を露出させ、前記第2の導電膜上に第2のレジストマスクを形成し、前記第1の導電膜の一部にサイドエッチングを伴う第2のエッチングを行ってゲート電極層を形成し、前記第2のレジストマスクを用いて前記第2の導電膜、前記不純物半導体膜及び前記半導体膜の一部に第3のエッチングを行ってソース電極及びドレイン電極層、ソース領域及びドレイン領域層並びに半導体層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法である。
【0015】
本発明の一は、第1の導電膜、絶縁膜、半導体膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜を順に積層して形成し、前記第2の導電膜上に凹部を有する第1のレジストマスクを形成し、前記第1のレジストマスクを用いて、前記絶縁膜、前記半導体膜、前記不純物半導体膜及び前記第2の導電膜に第1のエッチングを行って前記第1の導電膜の少なくとも表面を露出させ、前記第1の導電膜の一部にサイドエッチングを伴う第2のエッチングを行ってゲート電極層を形成し、前記第1のレジストマスクを後退させることで前記第1のレジストマスクの凹部と重畳する前記第2の導電膜を露出させつつ第2のレジストマスクを形成し、前記第2のレジストマスクを用いて前記第2の導電膜、前記不純物半導体膜及び前記半導体膜の一部に第3のエッチングを行ってソース電極及びドレイン電極層、ソース領域及びドレイン領域層並びに半導体層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法である。
【0016】
本発明の一は、第1の導電膜、絶縁膜、半導体膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜を順に積層して形成し、前記第2の導電膜上に凹部を有する第1のレジストマスクを形成し、前記第1のレジストマスクを用いて、前記絶縁膜、前記半導体膜、前記不純物半導体膜及び前記第2の導電膜に第1のエッチングを行って前記第1の導電膜の少なくとも表面を露出させ、前記第1のレジストマスクを後退させることで前記第1のレジストマスクの凹部と重畳する前記第2の導電膜を露出させつつ第2のレジストマスクを形成し、前記第1の導電膜の一部にサイドエッチングを伴う第2のエッチングを行ってゲート電極層を形成し、前記第2のレジストマスクを用いて前記第2の導電膜、前記不純物半導体膜及び前記半導体膜の一部に第3のエッチングを行ってソース電極及びドレイン電極層、ソース領域及びドレイン領域層並びに半導体層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法である。
【0017】
上記構成の本発明の作製方法であって、第1のレジストマスクが凹部を有する場合において、前記第1のレジストマスクは多階調マスクを用いて形成することが好ましい。多階調マスクを用いることで、簡略な工程で凹部を有するレジストマスクを形成することができる。なお、第1のレジストマスクが凹部を有する場合、後に形成される第2のレジストマスクは、「縮小レジストマスク」ともよぶことができる。
【0018】
上記構成の本発明の薄膜トランジスタの作製方法を適用することで、前記第1のエッチングによって素子領域が形成され、前記第2のエッチングによって前記素子領域の側面から概ね等しい距離だけ内側にゲート電極層の側面を形成することができる。
【0019】
上記構成の第1のエッチング及び第2のエッチングを用いる本発明のいずれかにおいて、前記第1のエッチングはドライエッチングにより行い、前記第2のエッチングはウエットエッチングにより行うことが好ましい。第1のエッチングによる加工は高精度に行うことが好ましく、第2のエッチングによる加工はサイドエッチングを伴う必要がある。高精度な加工を行うためにはドライエッチングが好ましく、また、ウエットエッチングは化学反応を利用するためドライエッチングよりもサイドエッチングが生じやすいためである。
【0020】
上記構成の本発明により作製した薄膜トランジスタの前記ソース電極及びドレイン電極層に接続して画素電極を選択的に形成することで、表示装置を作製することができる。
【0021】
本発明の一は、上記構成の方法により薄膜トランジスタを作製し、前記薄膜トランジスタを覆って保護絶縁膜を形成し、前記ソース電極及びドレイン電極層の一部を露出させるように前記保護絶縁膜に開口部を形成し、前記開口部及び前記保護絶縁膜上に画素電極を選択的に形成することを特徴とする表示装置の作製方法である。
【0022】
上記構成の本発明の表示装置の作製方法において、前記保護絶縁膜は、CVD法又はスパッタリング法により形成した絶縁膜と、スピンコート法により形成した絶縁膜と、を積層して形成することが好ましい。特に好ましくは窒化珪素膜をCVD法又はスパッタリング法により形成し、有機樹脂膜をスピンコート法により形成する。保護絶縁膜をこのように形成することで、薄膜トランジスタの電気的特性に影響を及ぼしうる不純物元素等から薄膜トランジスタを保護し、且つ画素電極の被形成面の平坦性を向上させて歩留まりの低下を防止することができる。
【0023】
上記構成の本発明の作製方法を適用して作製した薄膜トランジスタは、ゲート電極層を覆うゲート絶縁膜を有し、前記ゲート絶縁膜上に半導体層を有し、前記半導体層上にソース領域及びドレイン領域を有し、前記ソース領域及びドレイン領域上にソース電極及びドレイン電極を有し、前記ゲート電極層の側面に接して空洞が設けられているものである。空洞が設けられることによってゲート電極端部近傍を低誘電率化(low−k化)できる。
【0024】
なお、本明細書中において、「膜」とは、全面に形成されたパターン形成されていないものをいい、「層」とは、レジストマスク等により所望の形状にパターン形成されたものをいう。しかし、積層膜の各層については、膜と層を特に区別することなく用いることがある。
【0025】
なお、「食刻」とは、意図しないエッチングをいう。すなわち、エッチングは「食刻」が極力生じない条件により行うことが好ましい。
【0026】
なお、本明細書中において、任意の膜が「耐熱性を有する」とは、後の工程における温度によって当該膜が膜としての形態を保ち、且つ当該膜に求められる機能及び特性を保つことができることをいう。
【0027】
なお、本明細書中において、「ゲート配線」とは、薄膜トランジスタのゲート電極に接続される配線をいう。ゲート配線は、ゲート電極層により形成される。また、ゲート配線は走査線と呼ばれることがある。
【0028】
また、本明細書中において、「ソース配線」とは、薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極に接続される配線をいう。ソース配線は、ソース電極及びドレイン電極層により形成される。また、ソース配線は信号線と呼ばれることがある。
【発明の効果】
【0029】
本発明により、薄膜トランジスタの作製工程数を大幅に削減することができる。更には、本発明により作製した薄膜トランジスタは表示装置に適用できるため、表示装置の作製工程を大幅に削減することもできる。より具体的には、本発明により、フォトマスクの枚数を減らすことができる。一のフォトマスク(多階調マスク)を用いて薄膜トランジスタを作製することも可能である。従って、薄膜トランジスタ又は表示装置の作製工程数を大幅に削減することができる。
【0030】
また、フォトマスクの枚数の低減を目的とした従来の技術とは異なり、裏面露光、レジストリフロー及びリフトオフ法等の複雑な工程を経る必要がない。そのため、薄膜トランジスタの歩留まりを低下させることなく作製工程数を大幅に削減することができる。
【0031】
また、フォトマスクの枚数の低減を目的とした従来の技術では、電気的特性を犠牲にせざるを得ないことも少なくなかったが、本発明では、薄膜トランジスタの電気的特性を維持しつつ、薄膜トランジスタの作製工程数を大幅に削減することができる。
【0032】
更には、本発明の上記効果により、作製コストを大幅に削減することができる。
【0033】
なお、本発明の作製方法により作製した薄膜トランジスタは、ゲート電極層端部に接して空洞を有するため、ゲート電極とドレイン電極との間に生じるリーク電流が小さいものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明の実施の形態について、図面を参照して以下に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されるものではない。本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解されるからである。したがって、本発明は以下に示す実施の形態及び実施例の記載内容のみに限定して解釈されるものではない。なお、図面を用いて本発明の構成を説明するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる。また、同様のものを指す際にはハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
【0035】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の薄膜トランジスタの作製方法及び該薄膜トランジスタがマトリクス状に配置された表示装置の作製方法の一例について、図1乃至図25を参照して説明する。
【0036】
なお、図16乃至図20には本実施の形態に係る薄膜トランジスタの上面図を示し、図20は画素電極まで形成した完成図である。図1乃至図3は、図16乃至図20に示すA−A’における断面図である。図4乃至図6は、図16乃至図20に示すB−B’における断面図である。図7乃至図9は、図16乃至図20に示すC−C’における断面図である。図10乃至図12は、図16乃至図20に示すD−D’における断面図である。図13乃至図15は、図16乃至図20に示すE−E’における断面図である。
【0037】
まず、基板100上に第1の導電膜102、第1の絶縁膜104、半導体膜106、不純物半導体膜108及び第2の導電膜110を形成する。これらの膜は、単層で形成してもよいし、複数の膜を積層した積層膜であってもよい。
【0038】
基板100は、絶縁性基板である。本発明を表示装置に適用する場合には、基板100としては、ガラス基板又は石英基板を用いることができる。本実施の形態においては、ガラス基板を用いる。
【0039】
第1の導電膜102は、導電性材料により形成する。第1の導電膜102は、例えばチタン、モリブデン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、ニオブ若しくはスカンジウム等の金属材料又はこれらを主成分とする合金材料等の導電性材料を用いて形成することができる。ただし、後の工程(第1の絶縁膜104の形成等)に耐えうる程度の耐熱性は必要であり、後の工程(第2の導電膜110のエッチング等)で食刻又は腐食されない材料を選択することを要する。この限りにおいて、第1の導電膜102は特定の材料に限定されるものではない。
【0040】
なお、第1の導電膜102は、例えばスパッタリング法又はCVD法(熱CVD法又はプラズマCVD法等を含む)等により形成することができる。ただし、特定の方法に限定されるものではない。
【0041】
第1の絶縁膜104は、絶縁性材料により形成する。第1の絶縁膜104は、例えば、シリコンの酸化膜、窒化膜、酸化窒化膜又は窒化酸化膜等を用いて形成することができる。ただし、第1の導電膜102と同様に、耐熱性が必要であり、後の工程で食刻又は腐食されない材料を選択することを要する。この限りにおいて、第1の絶縁膜104は特定の材料に限定されるものではない。
【0042】
なお、第1の絶縁膜104は、例えばCVD法(熱CVD法又はプラズマCVD法等を含む)又はスパッタリング法等により形成することができるが、特定の方法に限定されるものではない。
【0043】
第1の絶縁膜104は、ゲート絶縁膜として機能するものである。
【0044】
半導体膜106は、半導体材料により形成する。半導体膜106は、例えば、シランガスにより形成される非晶質シリコン等を用いて形成することができる。ただし、第1の導電膜102等と同様に、耐熱性が必要であり、後の工程にて食刻又は腐食されない材料を選択することを要する。この限りにおいて、半導体膜106は特定の材料に限定されるものではない。従って、ゲルマニウムを用いても良い。なお、半導体膜106の結晶性についても特に限定されない。
【0045】
なお、半導体膜106は、例えばCVD法(熱CVD法又はプラズマCVD法等を含む)又はスパッタリング法等により形成することができる。ただし、特定の方法に限定されるものではない。
【0046】
不純物半導体膜108は、一導電性を付与する不純物元素を含む半導体膜であり、一導電性を付与する不純物元素が添加された半導体材料ガス等により形成される。例えば、フォスフィン(化学式:PH)又はジボラン(化学式:B)を含むシランガスにより形成される、リン又はボロンを含むシリコン膜である。ただし、第1の導電膜102等と同様に、耐熱性が必要であり、後の工程で食刻又は腐食されない材料を選択することを要する。この限りにおいて、不純物半導体膜108は、特定の材料に限定されるものではない。なお、不純物半導体膜108の結晶性についても特に限定されるものではない。また、半導体膜106により形成される半導体層の一部に、ドーピング等によりソース電極及びドレイン電極層とオーミック接触可能な領域を設ける場合などには、不純物半導体膜108を設ける必要がない。
【0047】
なお、n型の薄膜トランジスタを作製する場合には、添加する一導電性を付与する不純物元素として、リン又はヒ素等を用いればよい。すなわち、形成に用いるシランガスにはフォスフィン又はアルシン(化学式:AsH)等を所望の濃度で含ませればよい。または、p型の薄膜トランジスタを作製する場合には、添加する一導電性を付与する不純物元素として、ボロン等を用いればよい。すなわち、形成に用いるシランガスにはジボラン等を所望の濃度で含ませればよい。
【0048】
なお、不純物半導体膜108は、例えばCVD法(熱CVD法又はプラズマCVD法等を含む)等により形成することができる。ただし、特定の方法に限定されるものではない。
【0049】
第2の導電膜110は、導電性材料(第1の導電膜102として列挙した材料等)であって、第1の導電膜102とは異なる材料により形成する。ここで、「異なる材料」とは、主成分が異なる材料をいう。具体的には、後に説明する第2のエッチングによりエッチングされにくい材料を選択すればよい。また、第1の導電膜102等と同様に、耐熱性が必要であり、後の工程で食刻又は腐食されない材料を選択することを要する。従って、この限りにおいて、第2の導電膜110は特定の材料に限定されるものではない。
【0050】
なお、第2の導電膜110は、例えばスパッタリング法又はCVD法(熱CVD法又はプラズマCVD法等を含む)等により形成することができる。ただし、特定の方法に限定されるものではない。
【0051】
なお、上記説明した第1の導電膜102、第1の絶縁膜104、半導体膜106、不純物半導体膜108及び第2の導電膜110に対して求められる耐熱性は、第1の導電膜102が最も高く、以下前記した順に続き、第2の導電膜110が最も低い。例えば、半導体膜106が水素を含む非晶質半導体膜である場合には、約300℃以上とすることで半導体膜中の水素が脱離し、電気的特性が変化する。そのため、例えば半導体膜106を形成した後の工程では300℃を超えない温度とすることが好ましい。
【0052】
次に、第2の導電膜110上に第1のレジストマスク112を形成する(図1(A)、図4(A)、図7(A)、図10(A)、図13(A)を参照)。第1のレジストマスク112は凹部又は凸部を有するレジストマスクであることが好ましい。換言すると、厚さの異なる複数の領域(ここでは、二の領域)からなるレジストマスクともいうことができる。第1のレジストマスク112において、厚い領域を第1のレジストマスク112の凸部と呼び、薄い領域を第1のレジストマスク112の凹部と呼ぶこととする。ただし、本発明はこれに限定されず、凹部又は凸部を有さないレジストマスクを用いてもよい。
【0053】
第1のレジストマスク112において、ソース電極及びドレイン電極層120が形成される領域には凸部が形成され、ソース電極及びドレイン電極層120を有さず半導体層が露出して形成される領域には凹部が形成される。
【0054】
第1のレジストマスク112は、多階調マスクを用いることで形成することができる。ここで、多階調マスクについて図25を参照して以下に説明する。
【0055】
多階調マスクとは、多段階の光量で露光を行うことが可能なマスクであり、代表的には、露光領域、半露光領域及び未露光領域の3段階の光量で露光を行うものをいう。多階調マスクを用いることで、一度の露光及び現像工程によって、複数(代表的には二種類)の厚さを有するレジストマスクを形成することができる。そのため、多階調マスクを用いることで、フォトマスクの枚数を削減することができる。
【0056】
図25(A−1)及び図25(B−1)は、代表的な多階調マスクの断面図を示す。図25A−1にはグレートーンマスク140を示し、図25B−1にはハーフトーンマスク145を示す。
【0057】
図25(A−1)に示すグレートーンマスク140は、透光性を有する基板141上に遮光膜により形成された遮光部142、及び遮光膜のパターンにより設けられた回折格子部143で構成されている。
【0058】
回折格子部143は、露光に用いる光の解像度限界以下の間隔で設けられたスリット、ドット又はメッシュ等を有することで、光の透過率を制御する。なお、回折格子部143に設けられるスリット、ドット又はメッシュは周期的なものであってもよいし、非周期的なものであってもよい。
【0059】
透光性を有する基板141としては、石英等を用いることができる。遮光部142及び回折格子部143を構成する遮光膜は、金属膜を用いて形成すればよく、好ましくはクロム又は酸化クロム等により設けられる。
【0060】
グレートーンマスク140に露光するための光を照射した場合、図25A−2に示すように、遮光部142に重畳する領域における透光率は0%となり、遮光部142又は回折格子部143が設けられていない領域における透光率は100%となる。また、回折格子部143における透光率は、概ね10〜70%の範囲であり、回折格子のスリット、ドット又はメッシュの間隔等により調整可能である。
【0061】
図25(B−1)に示すハーフトーンマスク145は、透光性を有する基板146上に半透光膜により形成された半透光部147、及び遮光膜により形成された遮光部148で構成されている。
【0062】
半透光部147は、MoSiN、MoSi、MoSiO、MoSiON、CrSi等の膜を用いて形成することができる。遮光部148は、グレートーンマスクの遮光膜と同様の金属膜を用いて形成すればよく、好ましくはクロム又は酸化クロム等により設けられる。
【0063】
ハーフトーンマスク145に露光するための光を照射した場合、図25(B−2)に示すように、遮光部148に重畳する領域における透光率は0%となり、遮光部148又は半透光部147が設けられていない領域における透光率は100%となる。また、半透光部147における透光率は、概ね10〜70%の範囲であり、形成する材料の種類又は形成する膜厚等により、調整可能である。
【0064】
多階調マスクを用いて露光して現像を行うことで、膜厚の異なる領域を有する第1のレジストマスク112を形成することができる。
【0065】
ただし、本発明はこれに限定されず、多階調マスクを用いることなく第1のレジストマスクを形成してもよい。また、上記したように、第1のレジストマスクが凹部又は凸部を有さないレジストマスクであってもよい。
【0066】
次に、第1のレジストマスク112を用いて第1のエッチングを行う。すなわち、第1の絶縁膜104、半導体膜106、不純物半導体膜108及び第2の導電膜110をエッチングし、薄膜積層体114を形成する(図1(B)、図4(B)、図7(B)、図10(B)、図13(B)、図16を参照)。このとき、少なくとも第1の導電膜102の表面を露出させることが好ましい。このエッチング工程を第1のエッチングとよぶ。第1のエッチングは、ドライエッチング又はウエットエッチングを用いればよい。なお、第1のエッチングをドライエッチングにより行う場合には一の工程にて行うことが可能であるが、第1のエッチングをウエットエッチングにより行う場合には複数の工程により第1のエッチングを行うと良い。被エッチング膜の種類によってエッチングレートが異なり、一の工程にて行うことが困難だからである。
【0067】
次に、第1のレジストマスク112を用いて第2のエッチングを行う。すなわち、第1の導電膜102をエッチングし、ゲート電極層116を形成する(図1(C)、図4(C)、図7(C)、図10(C)、図13(C)、図17を参照)。このエッチング工程を第2のエッチングとよぶ。
【0068】
なお、ゲート電極層116は、ゲート配線、容量配線及び支持部を構成しているが、ゲート電極層116Aと表記する場合にはゲート配線を構成するゲート電極層を指し、ゲート電極層116B又はゲート電極層116Dと表記する場合には支持部を構成するゲート電極層を指し、ゲート電極層116Cと表記する場合には容量配線を構成するゲート電極層を指す。そして、これらを総括してゲート電極層116と呼ぶ。
【0069】
第2のエッチングは、第1の導電膜102により形成されるゲート電極層116の側面が、薄膜積層体114の側面より内側に形成されるエッチング条件により行う。換言すると、ゲート電極層116の側面が、薄膜積層体114の底面に接して形成されるようにエッチングを行う(A−A’断面においてゲート電極層116の幅が薄膜積層体114の幅より小さくなるようにエッチングを行う)。更には、第2の導電膜110に対するエッチングレートが小さく、且つ第1の導電膜102に対するエッチングレートが大きい条件により行う。換言すると、第2の導電膜110に対する第1の導電膜102のエッチング選択比が大きい条件により行う。このような条件により第2のエッチングを行うことで、ゲート電極層116を形成することができる。
【0070】
なお、ゲート電極層116の側面の形状は特に限定されない。例えば、テーパ形状であっても良い。ゲート電極層116の側面の形状は、第2のエッチングにおいて用いる薬液等の条件によって決められるものである。
【0071】
ここで、「第2の導電膜110に対するエッチングレートが小さく、且つ第1の導電膜102に対するエッチングレートが大きい条件」、又は「第2の導電膜110に対する第1の導電膜102のエッチング選択比が大きい条件」とは、以下の第1の要件及び第2の要件を満たすものをいう。
【0072】
第1の要件は、ゲート電極層116が必要な箇所に残存することである。ゲート電極層116の必要な箇所とは、図17乃至図20に点線で示される領域をいう。すなわち、第2のエッチング後に、ゲート電極層116がゲート配線、容量配線及び支持部を構成するように残存することが必要である。ゲート電極層がゲート配線及び容量配線を構成するためには、これらの配線が断線しないように第2のエッチングを行う必要がある。図1及び図20に示されるように、薄膜積層体114の側面から間隔dだけ内側にゲート電極層116の側面が形成されることが好ましく、間隔dは実施者がレイアウトに従って適宜設定すればよい。
【0073】
第2の要件は、ゲート電極層116により構成されるゲート配線及び容量配線の最小幅d、並びにソース電極及びドレイン電極層120Aにより構成されるソース配線の最小幅dが適切なものとなることである(図20を参照)。第2のエッチングによりソース電極及びドレイン電極層120Aがエッチングされるとソース配線の最小幅dが小さくなり、ソース配線の電流密度が過大となり、電気的特性が低下するためである。そのため、第2のエッチングは、第1の導電膜102のエッチングレートが過大にならず、且つ第2の導電膜110のエッチングレートが可能な限り小さい条件で行う。加えて、後に説明する第3のエッチングにおける第1の導電膜102のエッチングレートが可能な限り小さい条件で行う。
【0074】
また、ソース配線の最小幅dは大きくすることが困難である。ソース配線の最小幅dはソース配線と重畳する半導体層の最小幅dにより決まり、ソース配線の最小幅dを大きくするためには半導体層の最小幅dを大きくせねばならず、隣接するゲート配線と容量配線とを絶縁させることが困難になるためである。本発明において、半導体層の最小幅dは、前記した間隔dの概ね2倍よりも小さくする。換言すると、間隔dは半導体層の最小幅dの約半分よりも大きくする。
【0075】
なお、ソース配線と重畳する半導体層の幅を最小幅dとする部分は、ゲート配線と、該ゲート配線と互いに隣接する容量配線との間に少なくとも一箇所あればよい。好ましくは、図20に示すように、ゲート配線に隣接する領域及び容量配線に隣接する領域の半導体層の幅を最小幅dとすればよい。
【0076】
なお、ソース電極及びドレイン電極層により形成される、画素電極層と接続される部分の電極の幅はソース配線の最小幅dとすることが好ましい。
【0077】
上記説明したように、本発明において、サイドエッチングを伴う条件により第2のエッチングを行うことは非常に重要である。第2のエッチングが第1の導電膜102のサイドエッチングを伴うことによって、ゲート電極層116により構成される、隣接するゲート配線と容量配線とを絶縁させることができるためである(図17を参照)。
【0078】
ここで、サイドエッチングとは、被エッチング膜の厚さ方向(基板面に垂直な方向又は被エッチング膜の下地膜の面に垂直な方向)のみならず、厚さ方向に対して垂直な方向(基板面に平行な方向又は被エッチング膜の下地膜の面に平行な方向)にも被エッチング膜が削られるエッチングをいう。サイドエッチングされた被エッチング膜の端部は、被エッチング膜に対するエッチングガス又はエッチングに用いる薬液のエッチングレートによって様々な形状となるように形成されるが、端部が曲面となるように形成されることが多い。
【0079】
なお、図17に示すように、第1のエッチングにより形成される薄膜積層体114は、ゲート電極層116B及びゲート電極層116Dにより構成される支持部に接する部分では細くなるように設計される(図17において両矢印で示す部分を参照)。このような構造とすることで、第2のエッチングによりゲート電極層116Aと、ゲート電極層116B又はゲート電極層116Dとを分断して絶縁させることができる。
【0080】
なお、図17に示すゲート電極層116B及びゲート電極層116Dは、薄膜積層体114を支える支持部として機能する。支持部を有することで、ゲート電極層より上に形成されるゲート絶縁膜等の膜剥がれを防止することができる。更には支持部を設けることで、第2のエッチングによりゲート電極層116に接して形成される、空洞の領域が必要以上に広くなることを防止できる。なお、支持部を設けることで、薄膜積層体114が自重によって破壊され、又は破損することをも防止でき、歩留まりが向上するため好ましい。ただし、本発明は支持部を有する形態に限定されず、支持部を設けなくとも良い。支持部を有しない形態の上面図(図20に対応)の一例を図21に示す。
【0081】
以上説明したように、第2のエッチングは、ウエットエッチングにより行うことが好ましい。
【0082】
第2のエッチングをウエットエッチングによって行う場合、第1の導電膜102としてアルミニウム又はモリブデンを形成し、第2の導電膜110としてチタン又はタングステンを形成し、エッチングには硝酸、酢酸及びリン酸を含む薬液を用いればよい。または、第1の導電膜102としてモリブデンを形成し、第2の導電膜110としてチタン、アルミニウム又はタングステンを形成し、エッチングには過酸化水素水を含む薬液を用いればよい。
【0083】
第2のエッチングをウエットエッチングによって行う場合、最も好ましくは、第1の導電膜102としてネオジムを添加したアルミニウム上にモリブデンを形成した積層膜を形成し、第2の導電膜110としてタングステンを形成し、エッチングには硝酸を2%、酢酸を10%、リン酸を72%含む薬液を用いる。このような組成比の薬液を用いることで、第2の導電膜110がエッチングされることなく、第1の導電膜102がエッチングされる。なお、第1の導電膜102に添加したネオジムは、アルミニウムの低抵抗化とヒロック防止を目的として添加されたものである。
【0084】
なお、図17に示すように、上面から見たゲート電極層116は角(例えば、角151)を有する。これは、ゲート電極層116を形成する第2のエッチングが概略等方的に進行するために、ゲート電極層116の側面と薄膜積層体114の側面との間隔dが概略等しくなるようにエッチングされるためである。
【0085】
次に、第1のレジストマスク112を後退させて、第2の導電膜110を露出させつつ、第2のレジストマスク118を形成する。第1のレジストマスク112を後退させて、第2のレジストマスク118を形成する手段としては、例えば酸素プラズマを用いたアッシングが挙げられる。しかし、第1のレジストマスク112を後退させて第2のレジストマスク118を形成する手段はこれに限定されるものではない。なお、ここでは第2のエッチングの後に第2のレジストマスク118を形成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、第2のレジストマスク118を形成した後に第2のエッチングを行ってもよい。
【0086】
次に、第2のレジストマスク118を用いて、薄膜積層体114における第2の導電膜110をエッチングし、ソース電極及びドレイン電極層120を形成する(図2(D)、図5(D)、図8(D)、図11(D)、図14(D)、図18を参照)。ここでエッチング条件は、第2の導電膜110以外の膜に対する食刻及び腐食が生じず、又は生じ難い条件を選択する。特に、ゲート電極層116の食刻及び腐食が生じず、又は生じ難い条件により行うことが重要である。
【0087】
なお、ソース電極及びドレイン電極層120は、ソース配線、薄膜トランジスタと画素電極とを接続する電極、又は保持容量として機能する容量素子の一方の電極を構成しているが、ソース電極及びドレイン電極層120A又はソース電極及びドレイン電極層120Cと表記する場合にはソース配線を構成する電極層を指し、ソース電極及びドレイン電極層120Bと表記する場合には薄膜トランジスタのドレイン電極と画素電極とを接続する電極層を指し、ソース電極及びドレイン電極層120Dと表記する場合には容量配線との間で容量素子を形成する一方の電極層を指す。そして、これらを総括してソース電極及びドレイン電極層120と呼ぶ。
【0088】
なお、薄膜積層体114における第2の導電膜110のエッチングは、ウエットエッチング又はドライエッチングのどちらを用いても良い。
【0089】
続いて、薄膜積層体114における不純物半導体膜108及び半導体膜106の上部(バックチャネル部)をエッチングして、ソース領域及びドレイン領域122を形成する(図2(E)、図5(E)、図8(E)、図11(E)、図14(E)、図19を参照)。ここでエッチング条件は、不純物半導体膜108及び半導体膜106以外の膜に対する食刻及び腐食が生じず、又は生じ難い条件を選択する。特に、ゲート電極層116の食刻及び腐食が生じず、又は生じ難い条件により行うことが重要である。
【0090】
なお、薄膜積層体114における不純物半導体膜108及び半導体膜106の上部(バックチャネル部)のエッチングはドライエッチング又はウエットエッチングにより行うことができる。
【0091】
その後、第2のレジストマスク118を除去し(図2(F)、図5(F)、図8(F)、図11(F)、図14(F)を参照)、薄膜トランジスタが完成する(図2(F)を参照)。上記説明したように、薄膜トランジスタを一枚のフォトマスク(多階調マスク)により作製することができる。
【0092】
なお、上記の図2(D)及び図2(E)を参照して説明した工程を一括して第3のエッチングとよぶ。第3のエッチングは、上記説明したように、複数の段階に分けて行っても良いし、一括して行っても良い。
【0093】
以上のようにして形成した薄膜トランジスタを覆って第2の絶縁膜を形成する。ここで、第2の絶縁膜は、第1の保護膜126のみで形成しても良いが、ここでは第1の保護膜126と第2の保護膜128により形成する(図3(G)、図6(G)、図9(G)、図12(G)、図15(G)を参照)。第1の保護膜126は、第1の絶縁膜104と同様に形成すればよい。
【0094】
第2の保護膜128は、表面が概略平坦になる方法により形成する。第2の保護膜128の表面を概略平坦にすることで、第2の保護膜128上に形成される画素電極層132の断切れ等を防止することができるためである。従って、ここで「概略平坦」とは、上記目的を達成しうる程度のものであればよく、高い平坦性が要求されるわけではない。
【0095】
なお、第2の保護膜128は、例えば、感光性ポリイミド、アクリル又はエポキシ樹脂等により、スピンコーティング法等により形成することができる。ただし、これらの材料又は形成方法に限定されるものではない。
【0096】
次に、第2の絶縁膜に第1の開口部130及び第2の開口部131を形成する(図3(H)、図6(H)、図9(H)、図12(H)、図15(H)を参照)。第1の開口部130及び第2の開口部131は、ソース電極及びドレイン電極層の少なくとも表面に達するように形成する。第1の開口部130及び第2の開口部131の形成方法は、特定の方法に限定されず、第1の開口部130の径などに応じて実施者が適宜選択すればよい。例えば、フォトリソグラフィ法によりドライエッチングを行うことで第1の開口部130及び第2の開口部131を形成することができる。
【0097】
なお、フォトリソグラフィ法によって開口部を形成することで、フォトマスクを一枚使用することになる。
【0098】
次に、第2の絶縁膜上に画素電極層132を形成する(図3(I)、図6(I)、図9(I)、図12(I)、図15(I)、図20を参照)。画素電極層132は、開口部を介してソース電極及びドレイン電極層120に接続されるように形成する。具体的には、画素電極層132は、第1の開口部130を介してソース電極及びドレイン電極層120Bに接続され、第2の開口部131を介してソース電極及びドレイン電極層120Dに接続されるように形成される。画素電極層132は、透光性を有する導電性材料により形成することが好ましい。ここで、透光性を有する導電性材料としては、インジウム錫酸化物(以下、ITOという)、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、又は酸化珪素を添加したインジウム錫酸化物等が挙げられる。透光性を有する導電性材料の膜の形成はスパッタリング法又はCVD法等により行えばよいが、特定の方法に限定されるものではない。また、画素電極層132についても単層で形成しても良いし、複数の膜を積層した積層膜としてもよい。
【0099】
なお、本実施の形態においては、画素電極層132のみに透光性を有する導電性材料を用いたが、本発明はこれに限定されない。第1の導電膜102及び第2の導電膜110の材料として、透光性を有する導電性材料を用いることもできる。
【0100】
なお、フォトリソグラフィ法によって画素電極層132を形成することで、フォトマスクを一枚使用することになる。
【0101】
以上説明したように、本実施の形態に係るアクティブマトリクス基板の作製(所謂アレイ工程)が完了する。本実施の形態にて説明したように、サイドエッチングを利用してゲート電極層を形成し、更には多階調マスクを用いてソース電極及びドレイン電極層を形成することで、一枚のマスクによる薄膜トランジスタの作製が可能となる。
【0102】
本発明の作製方法を適用して作製した薄膜トランジスタは、ゲート電極層上にゲート絶縁膜を有し、前記ゲート絶縁膜上に半導体層を有し、前記半導体層上にソース領域及びドレイン領域を有し、前記ソース領域及びドレイン領域上にソース電極及びドレイン電極を有し、前記ゲート電極層の側面に接して空洞を有する構造となる(図3(I)を参照)。ゲート電極層の側面に接して空洞を有するように形成することで、ゲート電極層端部におけるリーク電流の小さい薄膜トランジスタを作製することができる。
【0103】
ここで、上記の工程により作製したアクティブマトリクス基板の端子接続部について図22乃至図24を参照して説明する。
【0104】
図22乃至図24は、上記の工程により作製した、アクティブマトリクス基板におけるゲート配線側の端子接続部及びソース配線側の端子接続部の上面図及び断面図を示す。
【0105】
図22は、ゲート配線側の端子接続部及びソース配線側の端子接続部における、画素部から延伸したゲート配線及びソース配線の上面図を示す。
【0106】
図23は、図22のX−X’における断面図を示す。すなわち、図23は、ゲート配線側の端子接続部における断面図を示す。図23では、ゲート電極層116のみが露出されている。このゲート電極層116が露出された領域に、端子部が接続される。
【0107】
図24は、図22のY−Y’における断面図を示す。すなわち、図24は、ソース配線側の端子接続部における断面図を示す。図24のY−Y’において、ゲート電極層116と、ソース電極及びドレイン電極層120は画素電極層132を介して接続されている。図24にはゲート電極層116と、ソース電極及びドレイン電極層120の様々な接続形態を示している。本発明に係る表示装置の端子接続部には、これらのいずれを用いても良いし、図24に示すもの以外の接続形態を用いても良い。ソース電極及びドレイン電極層120をゲート電極層116に接続させることで、端子の接続部の高さを概ね等しくすることができる。
【0108】
なお、開口部の数は図24に示す開口部の数に特に限定されない。一の端子に対して一の開口部を設けるのみならず、一の端子に対して複数の開口部を設けても良い。一の端子に対して複数の開口部を設けることで、開口部を形成するエッチング工程が不十分である等の理由で開口部が良好に形成されなかったとしても、他の開口部により電気的接続を実現することができる。更には、全ての開口部が問題なく形成された場合であっても、接触面積を広くすることができるため、コンタクト抵抗を低減することができ、好ましい。
【0109】
図24(A)では、第1の保護膜126及び第2の保護膜128の端部がエッチング等により除去され、ゲート電極層116と、ソース電極及びドレイン電極層120とが露出され、この露出された領域に画素電極層132を形成することで電気的な接続を実現している。図22に示す上面図は、図24(A)の上面図に相当する。
【0110】
なお、ゲート電極層116と、ソース電極及びドレイン電極層120とが露出された領域の形成は、第1の開口部130及び第2の開口部131の形成と同時に行うことができる。
【0111】
図24(B)では、第1の保護膜126及び第2の保護膜128に第3の開口部160Aが設けられ、第1の保護膜126及び第2の保護膜128の端部がエッチング等により除去されることで、ゲート電極層116と、ソース電極及びドレイン電極層120とが露出され、この露出された領域に画素電極層132を形成することで電気的な接続を実現している。
【0112】
なお、第3の開口部160Aの形成、及びゲート電極層116が露出された領域の形成は、第1の開口部130及び第2の開口部131の形成と同時に行うことができる。
【0113】
図24(C)では、第1の保護膜126及び第2の保護膜128に第3の開口部160B及び第4の開口部161が設けられることで、ゲート電極層116と、ソース電極及びドレイン電極層120とが露出され、この露出された領域に画素電極層132を形成することで電気的な接続を実現している。ここで、図24(A)及び(B)と同様に、第1の保護膜126及び第2の保護膜128の端部はエッチング等により除去されているが、この領域は端子の接続部として用いられる。
【0114】
なお、第3の開口部160B及び第4の開口部161の形成、並びにゲート電極層116が露出された領域の形成は、第1の開口部130及び第2の開口部131の形成と同時に行うことができる。
【0115】
次に、上記で説明した工程により作製した、表示装置のアクティブマトリクス基板を用いて液晶表示装置を作製する方法について説明する。すなわち、セル工程及びモジュール工程について説明する。ただし、本実施の形態に係る表示装置の作製方法において、セル工程及びモジュール工程は特に限定されない。
【0116】
セル工程では、上記した工程により作製したアクティブマトリクス基板と、これに対向する基板(以下、対向基板という)とを貼り合わせて液晶を注入する。まず、対向基板の作製方法について、以下に簡単に説明する。なお、特に説明しない場合であっても、対向基板上に形成する膜は単層でも良いし、積層して形成しても良い。
【0117】
まず、基板上に遮光層を形成し、遮光層上に赤、緑、青のいずれかのカラーフィルター層を形成し、カラーフィルター層上に画素電極層を選択的に形成し、画素電極層上にリブを形成する。
【0118】
遮光層としては、遮光性を有する材料の膜を選択的に形成する。遮光性を有する材料としては、例えば、黒色樹脂(カーボンブラック)を含む有機樹脂を用いることができる。または、クロムを主成分とする材料膜の積層膜を用いても良い。クロムを主成分とする材料膜とは、クロム、酸化クロム又は窒化クロムをいう。遮光層に用いる材料は遮光性を有するものであれば特に限定されない。遮光性を有する材料の膜を選択的に形成するにはフォトリソグラフィ法等を用いる。
【0119】
カラーフィルター層は、バックライトから白色光が照射されると、赤、緑、青のいずれかの光のみを透過させることができる有機樹脂膜により選択的に形成すればよい。カラーフィルター層の形成は、形成時に塗り分けを行うことで、選択的に行うことができる。カラーフィルターの配列は、ストライプ配列、デルタ配列又は正方配列を用いればよい。
【0120】
対向基板の画素電極層は、アクティブマトリクス基板が有する画素電極層132と同様に形成することができる。ただし、選択的に形成する必要がないため、全面に形成すればよい。
【0121】
画素電極上に形成するリブとは、視野角を拡げることを目的として形成される、パターン形成された有機樹脂膜である。なお、特に必要のない場合には形成しなくてもよい。
【0122】
なお、対向基板の作製方法としては、他にも様々な態様がある。例えば、カラーフィルター層を形成後、画素電極層の形成前にオーバーコート層を形成しても良い。オーバーコート層を形成することで画素電極の被形成面の平坦性を向上させることができるため、歩留まりが向上する。また、カラーフィルター層に含まれる材料の一部が液晶材料中に侵入することを防ぐことができる。オーバーコート層には、アクリル樹脂又はエポキシ樹脂をベースとした熱硬化性材料が用いられる。
【0123】
また、リブの形成前又は形成後にスペーサとしてポストスペーサ(柱状スペーサ)を形成しても良い。ポストスペーサとは、アクティブマトリクス基板と対向基板との間のギャップを一定に保つことを目的として、対向基板上に一定の間隔で形成する構造物をいう。ビーズスペーサ(球状スペーサ)を用いる場合には、ポストスペーサを形成しなくても良い。
【0124】
次に、配向膜をアクティブマトリクス基板及び対向基板に形成する。配向膜の形成は、例えば、ポリイミド樹脂等を有機溶剤に溶かし、これを印刷法又はスピンコーティング法等により塗布し、その後、これを乾燥して焼成することにより行う。形成される配向膜の膜厚は、一般に、約50nm以上100nm以下程度とする。配向膜には、液晶分子がある一定のプレチルト角を持って配向するようにラビング処理を施す。ラビング処理は、例えば、ベルベット等の毛足の長い布により配向膜を擦ることで行う。
【0125】
次に、アクティブマトリクス基板と、対向基板をシール材により貼り合わせる。対向基板にポストスペーサが設けられていない場合には、ビーズスペーサを所望の領域に分散させて貼り合わせるとよい。
【0126】
次に、貼り合わせられたアクティブマトリクス基板と、対向基板との間に、液晶材料を注入する。液晶材料を注入した後、注入口は紫外線硬化樹脂等で封止する。または、液晶材料を滴下した後に、アクティブマトリクス基板と対向基板とを貼り合わせても良い。
【0127】
次に、アクティブマトリクス基板と対向基板とを貼り合わせた液晶セルの両面に偏光板を貼り付けてセル工程が完了する。
【0128】
次に、モジュール工程として、端子部の入力端子(図24において、ゲート電極層116の露出された領域)にFPC(Flexible Printed Circuit)を接続する。FPCはポリイミド等の有機樹脂フィルム上に導電膜により配線が形成されており、異方性導電性ペースト(Anisotropic Conductive Paste。以下、ACPという)を介して入力端子と接続される。ACPは接着剤として機能するペーストと、金等がメッキされた数十〜数百μm径の導電性表面を有する粒子と、により構成される。ペースト中に混入された粒子が入力端子上の導電層と、FPCに形成された配線に接続された端子上の導電層と、に接触することで、電気的な接続を実現する。なお、FPCの接続後にアクティブマトリクス基板と対向基板に偏光板を貼り付けてもよい。以上のように、表示装置に用いる液晶パネルを作製することができる。
【0129】
以上のように、表示装置に用いる画素トランジスタを有するアクティブマトリクス基板を三枚のフォトマスクにより作製することができる。
【0130】
従って、薄膜トランジスタ及び表示装置の作製工程数を大幅に削減することができる。より具体的には、上記の説明のように、一枚のフォトマスク(多階調マスク)を用いて薄膜トランジスタを作製することができる。また、三枚のフォトマスクを用いて画素トランジスタを有するアクティブマトリクス基板を作製することができる。従って、用いるフォトマスクの枚数が低減されることから、薄膜トランジスタ及び表示装置の作製工程数を大幅に削減することができる。
【0131】
また、裏面露光、レジストリフロー及びリフトオフ法等の複雑な工程を経ることなく、薄膜トランジスタの作製工程数を大幅に削減することができる。そのため、複雑な工程を経ることなく、表示装置の作製工程数を大幅に削減することができる。
【0132】
また、薄膜トランジスタの電気的特性を維持しつつ、薄膜トランジスタの作製工程を大幅に削減することができる。
【0133】
更には、本発明の上記効果により、作製コストを大幅に削減することができる。
【0134】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の薄膜トランジスタの作製方法及び表示装置の作製方法であって、実施の形態1とは異なるものについて説明する。具体的には、多階調マスクを用いることなく、実施の形態1と同様に薄膜トランジスタを作製する方法について図26乃至図30を参照して説明する。
【0135】
なお、図26は実施の形態1における図1及び図2に対応するものである。図27は実施の形態1における図10及び図11に対応するものである。図28、図29及び図30は実施の形態1における図16、図17及び図18に対応するものである。また、図28乃至図30に示すA−A’における断面図が図26に相当し、図28乃至図30に示すD−D’断面図が図27に相当する。
【0136】
まず、実施の形態1と同様に、基板100上に第1の導電膜102、第1の絶縁膜104、半導体膜106、不純物半導体膜108及び第2の導電膜110を形成する。これらに用いることのできる材料及びこれらの形成に適用することのできる方法は実施の形態1と同様である。
【0137】
次に、第2の導電膜110上に第1のレジストマスク170を形成する(図26(A)及び図27(A)を参照)。第1のレジストマスク170は、実施の形態1における第1のレジストマスク112とは異なるものであり、凹部が設けられておらず、全面が概略同一の厚さとなるように形成されている。すなわち、第1のレジストマスク170は多階調マスクを用いることなく形成することができる。
【0138】
次に、第1のレジストマスク170を用いて第1のエッチングを行う。すなわち、第1の導電膜102、第1の絶縁膜104、半導体膜106、不純物半導体膜108及び第2の導電膜110をエッチングし、第1の導電膜102上に薄膜積層体114を形成する(図28を参照)。
【0139】
次に、実施の形態1と同様に第2のエッチングを行うことで、ゲート電極層116を形成する(図26(C)、図27(C)及び図29を参照)。
【0140】
ここで、第2のエッチングの条件は、実施の形態1における第2のエッチングと同様である。
【0141】
次に、薄膜積層体114上に第2のレジストマスク171を形成し、第2のレジストマスク171を用いてソース電極及びドレイン電極層120を形成する。エッチング条件等は、実施の形態1と同様である。その後の工程は実施の形態1と同様である。
【0142】
以上、本実施の形態にて説明したように、多階調マスクを用いることなく薄膜トランジスタを作製することができる。ただし、使用するマスク数は、実施の形態1と比較すると1枚多いことになる。
【0143】
なお、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法は、上記説明した点を除き、実施の形態1と同様である。そのため、実施の形態1に係る薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法と同様の効果を有することは勿論であるが、使用するマスクの数は一枚増加する。すなわち、本実施の形態によれば、二枚のフォトマスクを用いて薄膜トランジスタを作製することができる。また、四枚のフォトマスクを用いて画素トランジスタを有するアクティブマトリクス基板を作製することができる。従って、用いるフォトマスクの枚数が低減されることから、薄膜トランジスタ及び表示装置の作製工程数を大幅に削減することができる。更には、高い歩留まりで製造することができ、コストを低く抑えることも可能である。
【0144】
なお、本実施の形態の作製方法を適用して作製した薄膜トランジスタにおいても、ゲート電極層上にゲート絶縁膜を有し、前記ゲート絶縁膜上に半導体層を有し、前記半導体層上にソース領域及びドレイン領域を有し、前記ソース領域及びドレイン領域上にソース電極及びドレイン電極を有し、前記ゲート電極層の側面に接して空洞を有する構造となる。ゲート電極層の側面に接して空洞を有するように形成することで、ゲート電極層端部におけるリーク電流の小さい薄膜トランジスタを作製することができる。
【0145】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の薄膜トランジスタの作製方法及び表示装置の作製方法であって、実施の形態1及び実施の形態2とは異なるものについて説明する。具体的には、実施の形態1及び実施の形態2にて説明した第1のエッチングにより、第1の導電膜102をエッチングする態様について図31乃至図36を参照して説明する。
【0146】
なお、図31は実施の形態1における図1に対応するものである。図32は実施の形態1における図4に対応するものである。図33は実施の形態1における図7に対応するものである。図34は実施の形態1における図10に対応するものである。図35は実施の形態1における図13に対応するものである。図36は実施の形態1における図16に対応するものである。
【0147】
まず、実施の形態1と同様に、基板100上に第1の導電膜102、第1の絶縁膜104、半導体膜106、不純物半導体膜108及び第2の導電膜110を形成する。これらに用いることのできる材料及びこれらの形成に適用することのできる方法は実施の形態1と同様である。
【0148】
次に、第2の導電膜110上に第1のレジストマスク112を形成する(図31(A)、図32(A)、図33(A)、図34(A)、図35(A)を参照)。第1のレジストマスク112の特徴は、実施の形態1と同様である。
【0149】
次に、第1のレジストマスク112を用いて第1のエッチングを行う。すなわち、第1の導電膜102、第1の絶縁膜104、半導体膜106、不純物半導体膜108及び第2の導電膜110をエッチングし、薄膜積層体114及びエッチングされた第1の導電膜115を形成する(図31(B)、図32(B)、図33(B)、図34(B)、図35(B)、図36を参照)。
【0150】
上記のように、本実施の形態では、第1のエッチングにより第1の導電膜102を加工し、エッチングされた第1の導電膜115を形成することが実施の形態1と異なる点である。
【0151】
次に、第2のエッチングにより、エッチングされた第1の導電膜115を加工してゲート電極層116を形成する(図31(C)、図32(C)、図33(C)、図34(C)、図35(C)を参照)。
【0152】
ここで、第2のエッチングの条件等は、実施の形態1における第2のエッチングと同様である。ただし、以下の点が異なる。
【0153】
実施の形態1では、第2のエッチングのみによって第1の導電膜102の除去すべき領域を完全に除去する必要がある。ここで、第1の導電膜102の除去すべき領域とは、ゲート電極層116を形成する領域以外の領域をいう。
【0154】
ここで、薄膜積層体114の側面とゲート電極層116の側面との間隔dは、第1の導電膜102の厚さに依存する。第2のエッチングは、サイドエッチングを伴うエッチングであり、概略等方的なエッチング(所謂、化学的なエッチング)である。そのため、実施の形態1に示す方法によっては、前記間隔dを第1の導電膜102の厚さより小さくする場合、第1の導電膜102の除去すべき領域を完全に除去することは極めて困難である。
【0155】
そこで、上記説明したように、第1のエッチングにより第1の導電膜102を加工してエッチングされた第1の導電膜115を形成し、第2のエッチングによりゲート電極層116を形成することで、前記間隔dを第1の導電膜102の厚さより小さくすることが可能になる。すなわち、前記間隔dを第1の導電膜102の厚さに対して独立に設計することができ、レイアウト設計の自由度が向上する。
【0156】
なお、第2のエッチング後の工程は、実施の形態1と同様である。すなわち、実施の形態1と本実施の形態にて説明した方法とを組み合わせて、サイドエッチングを利用してゲート電極層を形成し、更には多階調マスクを用いてソース電極及びドレイン電極層を形成することで、一枚のフォトマスクによる薄膜トランジスタの作製が可能となる。
【0157】
以上、本実施の形態にて説明したように、第1のエッチングにより第1の導電膜102を加工することで、薄膜積層体114の側面とゲート電極層116の側面との間隔dは第1の導電膜102の厚さに対して独立に設計することができ、レイアウト設計の自由度が向上する。
【0158】
なお、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法は、上記説明した点を除き、実施の形態1と同様である。そのため、実施の形態1に係る薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法と同様の効果を有することは勿論である。
【0159】
なお、実施の形態2と本実施の形態を組み合わせても良い。
【0160】
(実施の形態4)
本実施の形態は、実施の形態1乃至実施の形態3にて説明した方法により作製した表示パネル又は表示装置を表示部として組み込んだ電子機器について図37乃至図39を参照して説明する。このような電子機器としては、例えば、ビデオカメラ若しくはデジタルカメラ等のカメラ、ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル型ディスプレイ)、カーナビゲーション、プロジェクタ、カーステレオ、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子書籍等)が挙げられる。それらの一例を図37に示す。
【0161】
図37(A)はテレビジョン装置を示す。本発明を適用して作製した表示パネルを筐体に組み込むことで、図37(A)に示すテレビジョン装置を完成させることができる。実施の形態1乃至実施の形態3にて説明した作製方法を適用した表示パネルにより主画面223が形成され、その他付属設備としてスピーカ部229、操作スイッチ等が備えられている。
【0162】
図37(A)に示すように、筐体221に実施の形態1乃至実施の形態3にて説明した作製方法を適用した表示用パネル222が組み込まれ、受信機225により一般のテレビ放送の受信をはじめ、モデム224を介して有線又は無線による通信ネットワークに接続することにより一方向(送信者から受信者)又は双方向(送信者と受信者間、又は受信者間同士)の情報通信をすることもできる。テレビジョン装置の操作は、筐体に組みこまれたスイッチ又は別体のリモコン操作機226により行うことが可能であり、このリモコン操作機226にも、出力する情報を表示する表示部227が設けられていても良い。
【0163】
また、テレビジョン装置にも、主画面223の他にサブ画面228を第2の表示パネルで形成し、チャネルや音量などを表示する構成が付加されていても良い。
【0164】
図38は、テレビ装置の主要な構成を示すブロック図を示している。表示領域には、画素部251が形成されている。信号線駆動回路252と走査線駆動回路253は、表示パネルにCOG方式により実装されていても良い。
【0165】
その他の外部回路の構成として、映像信号の入力側では、チューナ254で受信した信号のうち、映像信号を増幅する映像信号増幅回路255と、そこから出力される信号を赤、緑、青の各色に対応した色信号に変換する映像信号処理回路256と、その映像信号をドライバICの入力仕様に変換するためのコントロール回路257等を有している。コントロール回路257は、走査線側と信号線側にそれぞれ信号を出力する。デジタル駆動する場合には、信号線側に信号分割回路258を設け、入力デジタル信号を整数個に分割して供給する構成としても良い。
【0166】
チューナ254で受信した信号のうち、音声信号は、音声信号増幅回路259に送られ、その出力は音声信号処理回路260を経てスピーカ263に供給される。制御回路261は受信局(受信周波数)、音量の制御情報を入力部262から受け、チューナ254及び音声信号処理回路260に信号を送出する。
【0167】
勿論、本発明はテレビジョン装置に限定されず、パーソナルコンピュータのモニタをはじめ、鉄道の駅や空港等における情報表示盤、又は街頭における広告表示盤等の大面積の表示媒体にも適用することができる。そのため、本発明を適用することで、これらの表示媒体の生産性を向上させることができる。
【0168】
主画面223、サブ画面228に、実施の形態1乃至実施の形態3で説明した表示装置の作製方法を適用した表示パネル又は表示装置を用いることで、テレビ装置の生産性を高めることができる。
【0169】
また、図37(B)に示す携帯型のコンピュータは、本体231及び表示部232等を有する。表示部232に、実施の形態1乃至実施の形態3で説明した表示装置の作製方法を適用した表示パネル又は表示装置を用いることで、コンピュータの生産性を高めることができる。
【0170】
図39は、本発明を適用した携帯電話の一例であり、図39(A)が正面図、図39(B)が背面図、図39(C)が2つの筐体をスライドさせたときの正面図である。携帯電話200は、筐体201及び筐体202二つの筐体で構成されている。携帯電話200は、携帯電話と携帯情報端末の双方の機能を備えており、コンピュータを内蔵し、音声通話以外にも様々なデータ処理が可能な所謂スマートフォンである。
【0171】
携帯電話200は、筐体201及び筐体202で構成されている。筐体201においては、表示部203、スピーカ204、マイクロフォン205、操作キー206、ポインティングデバイス207、表面カメラ用レンズ208、外部接続端子ジャック209及びイヤホン端子210等を備え、筐体202においては、キーボード211、外部メモリスロット212、裏面カメラ213、ライト214等により構成されている。また、アンテナは筐体201に内蔵されている。
【0172】
また、携帯電話200には、上記の構成に加えて、非接触型ICチップ、小型記録装置等を内蔵していてもよい。
【0173】
重なり合った筐体201と筐体202(図39(A)に示す。)は、スライドさせることが可能であり、スライドさせることで図39(C)のように展開する。表示部203には、実施の形態1乃至実施の形態3で説明した表示装置の作製方法を適用した表示パネル又は表示装置を組み込むことが可能である。表示部203と表面カメラ用レンズ208を同一の面に備えているため、テレビ電話としての使用が可能である。また、表示部203をファインダーとして用いることで、裏面カメラ213及びライト214で静止画及び動画の撮影が可能である。
【0174】
スピーカ204及びマイクロフォン205を用いることで、携帯電話200は、音声記録装置(録音装置)又は音声再生装置として使用することができる。また、操作キー206により、電話の発着信操作、電子メール等の簡単な情報入力操作、表示部に表示する画面のスクロール操作、表示部に表示する情報の選択等を行うカーソルの移動操作等が可能である。
【0175】
また、書類の作成、携帯情報端末としての使用等、取り扱う情報が多い場合は、キーボード211を用いると便利である。更に、重なり合った筐体201と筐体202(図39(A))をスライドさせることで、図39(C)のように展開させることができる。携帯情報端末として使用する場合には、キーボード211及びポインティングデバイス207を用いて、円滑な操作でマウスの操作が可能である。外部接続端子ジャック209はACアダプタ及びUSBケーブル等の各種ケーブルと接続可能であり、充電及びパーソナルコンピュータ等とのデータ通信が可能である。また、外部メモリスロット212に記録媒体を挿入し、より大量のデータ保存及び移動が可能になる。
【0176】
筐体202の裏面(図39(B))には、裏面カメラ213及びライト214を備え、表示部203をファインダーとして静止画及び動画の撮影が可能である。
【0177】
また、上記の機能構成に加えて、赤外線通信機能、USBポート、テレビワンセグ受信機能、非接触ICチップ又はイヤホンジャック等を備えたものであってもよい。
【0178】
本実施の形態にて説明した各種電子機器は、実施の形態1乃至実施の形態3にて説明した薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法を適用して作製することができるため、本発明を適用することで、これらの電子機器の生産性を向上させることができる。
【0179】
従って、本発明を適用することで、これらの電子機器の作製コストを大幅に削減することができる。
【実施例1】
【0180】
本実施例では、実施の形態1で説明した第2のエッチングを用いてゲート電極を形成し、このパターンの観察を行った。この観察結果について、以下に説明する。
【0181】
まず、ガラス基板上に第1の導電膜102を厚さ150nmのモリブデンにより形成し、第1の絶縁膜104を厚さ300nmの窒化シリコンにより形成し、半導体膜106を厚さ150nmの非晶質シリコンにより形成し、不純物半導体膜108を厚さ50nmのリンを含む非晶質シリコンにより形成し、第2の導電膜110を厚さ300nmのタングステンにより形成した。
【0182】
次に、第2の導電膜110上にレジストマスクを形成し、第1のエッチングを行った。第1のエッチングは、3段階のドライエッチングにより行った。まず、ClガスとCFガスとOガスの混合ガスの流量を40sccm:40sccm:20sccmとし、圧力を100mT、500WのRF電力を260秒間供給してエッチングを行った。次に、Clガスのみを用いて流量を100sccmとし、圧力を100mT、500WのRF電力を240秒間供給してエッチングを行った。最後に、CHFガスのみを用いて流量を100sccmとし、圧力を100mT、1000WのRF電力を400秒間供給し、その後に200秒間供給し、その後更に400秒間供給した。
【0183】
次に、第1のエッチングを行ったサンプルに対して第2のエッチングをウエットエッチングにより行った。第2のエッチングは、ウエットエッチングにより行った。ウエットエッチングには40℃の硝酸、酢酸及びリン酸を含む薬液を用いて、サンプルを当該薬液に240秒間又は300秒間浸した。なお、硝酸、酢酸及びリン酸を含む薬液は、約70%のリン酸と、約10%の硝酸と、約20%の酢酸と水の混合液により構成されている。
【0184】
上記のように作製したサンプルを光学顕微鏡により観察した。このときの観察結果を図40に示す。なお、図40(A)は、第2のエッチングを240秒間行ったサンプルの光学顕微鏡写真を示し、図40(B)は、第2のエッチングを300秒間行ったサンプルの光学顕微鏡写真を示す。ここで、光学顕微鏡による観察は裏面(基板)側から行った。図40(A)及び図40(B)のいずれもゲート電極のパターンは素子領域の側面から概ね等しい距離だけ内側に側面を形成しており、良好な形状となっているといえる。
【0185】
なお、上記のように作製したサンプルのゲート電極層端部をFIB(Focused Ion Beam)装置により加工し、加工したサンプルをSTEM(Scanning Transmission Electron Microscope)を用いて観察した。図41(A)は、第2のエッチングを行う前のサンプルを光学顕微鏡により、図40よりも拡大して観察したものである。図41(B)は、第2のエッチング後に図41(A)のX−X’において取得したSTEM像を示す。図41(C)は、図41(B)中の点線で囲んだ部分の拡大図を示す。図41(C)において、空洞箇所の上下には黒色の物質が見られる。これはFIB装置による加工で生じた付着物である。図41に示すように、本発明を適用することでゲート電極層端部に空洞が設けられる。
【0186】
次に、これらのサンプルにおいて隣り合うゲート配線間が絶縁されているか否かを確認するために、通電試験を行った。通電試験に用いたサンプルの上面図を図42に示す。なお、通電試験にはL〜L、R〜R、X及びYを用いたが簡単のため図42にはL、L、R、R、X及びYを用いた。なお、図42において太線で表された箇所にはソース電極及びドレイン電極層(エッチングされた第2の導電膜)を有し、ハッチが施された箇所にはゲート電極層(エッチングされた第1の導電膜)を有する。L、L、R及びRはゲート電極層を指し、X及びYはソース電極及びドレイン電極層を指す。
【0187】
図43(A)は、RとLの間に電圧をかけ、その電流値を測定したものである。電流は最大でも1.0×10−10(A)程度であり、RとLの間は絶縁されているといえる。すなわち、隣り合う二のゲート配線間は導通しておらず、第2のエッチングにより確実に断線されたということができる。
【0188】
図43(B)は、XとLの間に電圧をかけ、その電流値を測定したものである。電流は最大でも1.0×10−10(A)程度であり、XとLの間は絶縁されているといえる。すなわち、ゲート配線とソース配線は導通していないということができる。
【0189】
図44(A)は、LとLの間に電圧をかけ、その電流値を測定したものである。電流は最小でも約1.0×10−5(A)であり、LとLの間は導通が確保できているといえる。すなわち、第2のエッチングを行った後でも一のゲート配線は途中で断線していないということができる。
【0190】
図44(B)は、XとYの間に電圧をかけ、その電流値を測定したものである。電流は最小でも約1.0×10−4(A)であり、XとYの間は導通が確保できているといえる。すなわち、このソース配線は断線していないということができる。
【0191】
以上、本実施例にて説明したように実施の形態にて説明した薄膜トランジスタの作製方法は実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0192】
【図1】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図2】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図3】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図4】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図5】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図6】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図7】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図8】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図9】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図10】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図11】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図12】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図13】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図14】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図15】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図16】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図17】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図18】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図19】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図20】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図21】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図22】アクティブマトリクス基板の接続部を説明する図。
【図23】アクティブマトリクス基板の接続部を説明する図。
【図24】アクティブマトリクス基板の接続部を説明する図。
【図25】多階調マスクを説明する図。
【図26】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図27】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図28】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図29】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図30】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図31】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図32】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図33】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図34】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図35】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図36】薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図。
【図37】電子機器を説明する図。
【図38】電子機器を説明する図。
【図39】電子機器を説明する図。
【図40】実施例にて説明する光学顕微鏡写真を示す図。
【図41】実施例にて説明するSTEM像を示す図。
【図42】実施例の通電試験を説明する図。
【図43】実施例の通電試験の結果を説明する図。
【図44】実施例の通電試験の結果を説明する図。
【符号の説明】
【0193】
100 基板
102 第1の導電膜
104 第1の絶縁膜
106 半導体膜
108 不純物半導体膜
110 第2の導電膜
112 第1のレジストマスク
114 薄膜積層体
115 エッチングされた第1の導電膜
116 ゲート電極層
116A ゲート電極層
116B ゲート電極層
116C ゲート電極層
116D ゲート電極層
118 第2のレジストマスク
120 ソース電極及びドレイン電極層
120A ソース電極及びドレイン電極層
120B ソース電極及びドレイン電極層
120C ソース電極及びドレイン電極層
120D ソース電極及びドレイン電極層
122 ソース領域及びドレイン領域
122A ソース領域及びドレイン領域
122B ソース領域及びドレイン領域
122C ソース領域及びドレイン領域
122D ソース領域及びドレイン領域
124 半導体層
126 第1の保護膜
128 第2の保護膜
130 第1の開口部
131 第2の開口部
132 画素電極層
140 グレートーンマスク
141 基板
142 遮光部
143 回折格子部
145 ハーフトーンマスク
146 基板
147 半透光部
148 遮光部
151 角
160A 第3の開口部
160B 第3の開口部
161 第4の開口部
170 第1のレジストマスク
171 第2のレジストマスク
200 携帯電話
201 筐体
202 筐体
203 表示部
204 スピーカ
205 マイクロフォン
206 操作キー
207 ポインティングデバイス
208 表面カメラ用レンズ
209 外部接続端子ジャック
210 イヤホン端子
211 キーボード
212 外部メモリスロット
213 裏面カメラ
214 ライト
221 筐体
222 表示用パネル
223 主画面
224 モデム
225 受信機
226 リモコン操作機
227 表示部
228 サブ画面
229 スピーカ部
231 本体
232 表示部
251 画素部
252 信号線駆動回路
253 走査線駆動回路
254 チューナ
255 映像信号増幅回路
256 映像信号処理回路
257 コントロール回路
258 信号分割回路
259 音声信号増幅回路
260 音声信号処理回路
261 制御回路
262 入力部
263 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の導電膜、絶縁膜、半導体膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜を順に積層して形成し、
前記第2の導電膜上に第1のレジストマスクを形成し、
前記第1のレジストマスクを用いて、前記絶縁膜、前記半導体膜、前記不純物半導体膜及び前記第2の導電膜に第1のエッチングを行って前記第1の導電膜の少なくとも表面を露出させ、
前記第1の導電膜の一部にサイドエッチングを伴う第2のエッチングを行ってゲート電極層を形成し、
前記第2の導電膜上に第2のレジストマスクを形成し、
前記第2のレジストマスクを用いて前記第2の導電膜、前記不純物半導体膜及び前記半導体膜の一部に第3のエッチングを行ってソース電極及びドレイン電極層、ソース領域及びドレイン領域層並びに半導体層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項2】
第1の導電膜、絶縁膜、半導体膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜を順に積層して形成し、
前記第2の導電膜上に第1のレジストマスクを形成し、
前記第1のレジストマスクを用いて、前記絶縁膜、前記半導体膜、前記不純物半導体膜及び前記第2の導電膜に第1のエッチングを行って前記第1の導電膜の少なくとも表面を露出させ、
前記第2の導電膜上に第2のレジストマスクを形成し、
前記第1の導電膜の一部にサイドエッチングを伴う第2のエッチングを行ってゲート電極層を形成し、
前記第2のレジストマスクを用いて前記第2の導電膜、前記不純物半導体膜及び前記半導体膜の一部に第3のエッチングを行ってソース電極及びドレイン電極層、ソース領域及びドレイン領域層並びに半導体層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項3】
第1の導電膜、絶縁膜、半導体膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜を順に積層して形成し、
前記第2の導電膜上に凹部を有する第1のレジストマスクを形成し、
前記第1のレジストマスクを用いて、前記絶縁膜、前記半導体膜、前記不純物半導体膜及び前記第2の導電膜に第1のエッチングを行って前記第1の導電膜の少なくとも表面を露出させ、
前記第1の導電膜の一部にサイドエッチングを伴う第2のエッチングを行ってゲート電極層を形成し、
前記第1のレジストマスクを後退させることで前記第1のレジストマスクの凹部と重畳する前記第2の導電膜を露出させつつ第2のレジストマスクを形成し、
前記第2のレジストマスクを用いて前記第2の導電膜、前記不純物半導体膜及び前記半導体膜の一部に第3のエッチングを行ってソース電極及びドレイン電極層、ソース領域及びドレイン領域層並びに半導体層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項4】
第1の導電膜、絶縁膜、半導体膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜を順に積層して形成し、
前記第2の導電膜上に凹部を有する第1のレジストマスクを形成し、
前記第1のレジストマスクを用いて、前記絶縁膜、前記半導体膜、前記不純物半導体膜及び前記第2の導電膜に第1のエッチングを行って前記第1の導電膜の少なくとも表面を露出させ、
前記第1のレジストマスクを後退させることで前記第1のレジストマスクの凹部と重畳する前記第2の導電膜を露出させつつ第2のレジストマスクを形成し、
前記第1の導電膜の一部にサイドエッチングを伴う第2のエッチングを行ってゲート電極層を形成し、
前記第2のレジストマスクを用いて前記第2の導電膜、前記不純物半導体膜及び前記半導体膜の一部に第3のエッチングを行ってソース電極及びドレイン電極層、ソース領域及びドレイン領域層並びに半導体層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項5】
請求項3又は請求項4において、
前記第1のレジストマスクは多階調マスクを用いて形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
前記第1のエッチングによって素子領域を形成し、
前記第2のエッチングによって前記素子領域の側面から概ね等しい距離だけ内側にゲート電極層の側面を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一において、
前記第1のエッチングはドライエッチングであり、
前記第2のエッチングはウエットエッチングであることを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一に記載の方法により作製した薄膜トランジスタの前記ソース電極及びドレイン電極層に接続して画素電極を選択的に形成することを特徴とする表示装置の作製方法。
【請求項9】
請求項1乃至請求項7のいずれか一に記載の方法により薄膜トランジスタを作製し、
前記薄膜トランジスタを覆って保護絶縁膜を形成し、
前記ソース電極及びドレイン電極層の一部を露出させるように前記保護絶縁膜に開口部を形成し、
前記開口部及び前記保護絶縁膜上に画素電極を選択的に形成することを特徴とする表示装置の作製方法。
【請求項10】
請求項9において、
前記保護絶縁膜は、CVD法又はスパッタリング法により形成した絶縁膜と、スピンコート法により形成した絶縁膜と、を積層して形成することを特徴とする表示装置の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図43】
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【図44】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【公開番号】特開2009−158941(P2009−158941A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−304588(P2008−304588)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】