説明

薄膜トランジスタ基板前駆体及び薄膜トランジスタ基板の製造方法

【課題】液晶表示装置の表示品位の低下を抑制して、薄膜トランジスタの欠陥を修正する。
【解決手段】各画素毎にゲート電極が規定され、互いに平行に延びるように設けられた複数のゲート線11aと、各画素のゲート電極に絶縁膜を介して重なるように島状に設けられた第1半導体層13aと、各画素毎に各ゲート線11aに絶縁膜を介して重なるように島状に設けられた第2半導体層13bと、各画素毎に第1半導体層13aを介してゲート電極の一方の端部に重なるようにソース電極14aaが規定され、各ゲート線11aと交差する方向に互いに平行に延びるように設けられた複数のソース線14aと、各画素毎に第1半導体層13aを介してゲート電極の他方の端部に重なると共にソース電極14aaと対峙するようにドレイン電極14baが規定され、各画素電極にそれぞれ接続するように設けられた複数のドレイン線14bとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜トランジスタ基板前駆体及び薄膜トランジスタ基板の製造方法に関し、特に、薄膜トランジスタ基板を構成する薄膜トランジスタの欠陥修正技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アクティブマトリクス駆動方式の液晶表示装置は、例えば、薄膜トランジスタ(thin film transistor、以下、「TFT」と称する)基板と、TFT基板に対向して配置されたカラーフィルター(Color Filter、以下、「CF」と称する)基板と、TFT基板及びCF基板の間に設けられた液晶層とを備えている。
【0003】
TFT基板は、画像の最小単位である画素毎に、スイッチング素子として、TFTを備えている。このTFT基板では、製造工程中に基板表面に付着したパーティクルなどによって、TFTの動作不良などが発生するおそれがあるので、TFT基板の修正方法が従来から提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、第1のTFTが画素電極から電気的に切離し可能な切断部を有し、第2のTFTがソース電極経路に画素電極に対して電気的に接続可能な接続部を有し、第2のTFTは、接続部の寄生容量を使って、第1のTFTが画素電極に電気的に接続されている状態下での走査線・画素電極間容量と、第1のTFTが画素電極から電気的に切離され代りに第2のTFTが画素電極に電気的に接続された状態下での走査線・画素電極間容量との差を低減させる液晶表示装置が開示されている。そして、これによれば、1画素当たり複数のTFTを配置した冗長構造を採用し、しかもソース側電極経路の構成によって正常画素とリペア後の画素との走査線・画素電極間容量の差を低減しているので、構成の複雑化を招くことなく、正常画素とリペア後の画素の表示特性の差異を小さくすることができる、と記載されている。
【特許文献1】特開平7−104311号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図10は、各画素が一対のサブ画素を備え、各サブ画素毎にTFTを備えた従来のTFT基板120の平面図である。
【0006】
TFT基板120は、図10に示すように、互いに平行に延びるように設けられた複数のゲート線111aと、各ゲート線111aの間に互いに平行に延びるように設けられた複数の容量線111bと、各ゲート線111a及び各容量線111bを覆うように設けられたゲート絶縁膜(不図示)と、そのゲート絶縁膜上に各ゲート線111aと直交する方向に互いに平行に延びるように設けられた複数のソース線114aと、各ゲート線111a及び各ソース線114aの交差部分にそれぞれ一対ずつ設けられた複数の第1TFT105a及び複数の第2TFT105bと、各第1TFT105a、各第2TFT105b及び各ソース線114aを覆うように設けられた層間絶縁膜(不図示)と、その層間絶縁膜上にマトリクス状に設けられた複数の画素電極117とを備えている。
【0007】
第1TFT105a及び第2TFT105bは、図10に示すように、各画素毎に共通のゲート線111aに接続されている。ここで、図10に示すように、第1TFT105aに接続された画素電極117は、第1サブ画素Paを構成し、第2TFT105bに接続された画素電極117は、第2サブ画素Pbを構成している。そして、第1サブ画素Pa及び第2サブ画素Pbは、ソース線114aの延びる方向に沿って、ゲート線111aを挟んで互いに隣り合うことにより、1つの画素を構成している。
【0008】
ここで、図10に示すように、図中左上側の第1サブ画素Paの第1TFT105aにおいて、例えば、ソース電極114aa及びドレイン電極114bの間にパーティクルとして膜残りRが介在することにより、ソース電極114aa及びドレイン電極114bの間で短絡欠陥が発生して、その短絡欠陥を修正する場合には、図中X部にレーザー光を照射することにより、ドレイン電極114bをX部で切断する。これによれば、図10中左上側の第1サブ画素Paを構成する画素電極117にソース信号に対応する電荷が書き込まれないので、ノーマリーブラックでは、輝点として認識され易かった図10中左上側の第1サブ画素Paが黒点化して、短絡欠陥を認識され難くすることができる。
【0009】
しかしながら、この欠陥修正では、修正した画素の一方のサブ画素が黒点となり、表示品位が低下してしまうので、改善の余地がある。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、表示品位の低下を抑制して、薄膜トランジスタの欠陥を修正することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、薄膜トランジスタを構成する第1半導体層の他に第2半導体層を設けるようにしたものである。
【0012】
具体的に本発明に係る薄膜トランジスタ基板前駆体は、マトリクス状に設けられた複数の画素と、該各画素毎にそれぞれ設けられた複数の薄膜トランジスタと、該各薄膜トランジスタにそれぞれ接続された複数の画素電極とを備えた薄膜トランジスタ基板の前駆体であって、上記各画素毎にゲート電極が規定され、互いに平行に延びるように設けられた複数のゲート線と、上記各画素のゲート電極に絶縁膜を介して重なるように島状に設けられた第1半導体層と、上記各画素毎に上記各ゲート線に絶縁膜を介して重なるように島状に設けられた第2半導体層と、上記各画素毎に上記第1半導体層を介して上記ゲート電極の一方の端部に重なるようにソース電極が規定され、上記各ゲート線と交差する方向に互いに平行に延びるように設けられた複数のソース線と、上記各画素毎に上記第1半導体層を介して上記ゲート電極の他方の端部に重なると共に上記ソース電極と対峙するようにドレイン電極が規定され、上記各画素電極にそれぞれ接続するように設けられた複数のドレイン線とを備えていることを特徴とする。
【0013】
上記の構成によれば、薄膜トランジスタを構成する第1半導体層の他に第2半導体層が形成されているので、薄膜トランジスタとなる部分に欠陥が検出された欠陥画素では、例えば、ドレイン線を切断するなどして、薄膜トランジスタとなる部分を使用不可にすると共に、第2半導体層が薄膜トランジスタとして機能するように、ソース電極及びドレイン電極を別途形成することにより、その後、画素電極などが形成された薄膜トランジスタ基板では、欠陥が検出された欠陥画素の画素電極には、対応するゲート線にオンのゲート信号が送られたときに、ソース線、別途形成されたソース電極、第2半導体層及び別途形成されたドレイン電極を介して、ソース信号が送られることになる。これにより、欠陥が検出された欠陥画素が正常な画素として修正されるので、表示品位の低下を抑制して、薄膜トランジスタの欠陥を修正することが可能になる。
【0014】
上記第2半導体層は、上記各ソース線及び各ドレイン線に接続されていなくてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、欠陥修正用の第2半導体層が各ソース線及び各ドレイン線に接続されていないので、欠陥を修正しない場合には、第2半導体層が具体的に動作しないことになる。
【0016】
上記各薄膜トランジスタは、ボトムゲート型であってもよい。
【0017】
上記の構成によれば、ボトムゲート型の薄膜トランジスタを備えた薄膜トランジスタ基板の前駆体が具体的に構成される。
【0018】
上記各画素は、上記各ソース線の延びる方向に沿って互いに隣り合う複数のサブ画素を構成し、上記各薄膜トランジスタ及び各画素電極は、上記サブ画素毎に配置するように構成されていてもよい。
【0019】
また、上記各画素は、上記各ゲート線の延びる方向に沿って互いに隣り合う複数毎に一対のサブ画素を構成し、上記各薄膜トランジスタ及び各画素電極は、上記サブ画素毎に配置するように構成されていてもよい。
【0020】
さらに、上記各画素は、上記各ゲート線及び上記各ソース線の延びる方向に沿って互いに隣り合う複数毎に一対のサブ画素を構成し、上記各薄膜トランジスタ及び各画素電極は、上記サブ画素毎に配置するように構成されていてもよい。
【0021】
上記の構成によれば、各画素が複数のサブ画素を有し、各薄膜トランジスタ及び各画素電極がサブ画素毎に配置されるので、複数のサブ画素の1つにおいて、薄膜トランジスタとなる部分に欠陥が検出されても、上述したように、別途形成されたソース電極、第2半導体層及び別途形成されたドレイン電極を用いて、欠陥が検出された1つのサブ画素を正常な他のサブ画素のように修正することが可能になる。
【0022】
また、本発明に係る薄膜トランジスタ基板の製造方法は、マトリクス状に設けられた複数の画素と、該各画素毎にそれぞれ設けられた複数の薄膜トランジスタと、該各薄膜トランジスタにそれぞれ接続された複数の画素電極とを備えた薄膜トランジスタ基板を製造する方法であって、上記各画素毎にゲート電極が規定され、互いに平行に延びるように複数のゲート線を形成するゲート層形成工程と、上記各画素のゲート電極に絶縁膜を介して重なるように島状の第1半導体層を形成すると共に、上記各画素毎に上記各ゲート線に絶縁膜を介して重なるように島状の第2半導体層を形成する半導体層形成工程と、上記各画素毎に上記第1半導体層を介して上記ゲート電極の一方の端部に重なるようにソース電極が規定され、上記各ゲート線と交差する方向に互いに平行に延びるように複数のソース線、及び上記各画素に上記第1半導体層を介して上記ゲート電極の他方の端部に重なると共に上記ソース電極と対峙するようにドレイン電極が規定された複数のドレイン線を形成することにより、上記各薄膜トランジスタとなる薄膜トランジスタ形成部を構成し、欠陥が検出された薄膜トランジスタ形成部を有する欠陥画素では、該欠陥が検出された薄膜トランジスタ形成部を使用不可にし、上記第2半導体層の一方の端部及び上記各ゲート線に重なると共に上記欠陥が検出された薄膜トランジスタ形成部に接続されたソース線に接続するようにソース電極形成部、並びに上記第2半導体層の他方の端部及び上記各ゲート線に重なると共に上記欠陥画素の画素電極に接続するように構成されたドレイン電極形成部を形成するソース層形成工程と、上記各ソース線、各ドレイン線、ソース電極形成部及びドレイン電極形成部を覆うように層間絶縁膜を形成する層間絶縁膜形成工程と、上記層間絶縁膜上に上記複数の画素電極をマトリクス状に形成する画素電極形成工程とを備えることを特徴とする。
【0023】
上記の方法によれば、半導体層形成工程において、薄膜トランジスタを構成する各ゲート電極に絶縁膜を介して重なるように第1半導体層を形成すると共に、各画素毎に各ゲート線に絶縁膜を介して重なるように第2半導体層を形成し、ソース層形成工程において、薄膜トランジスタを構成するソース電極(ソース線)及びドレイン電極(ドレイン線)を形成すると共に、欠陥が検出された薄膜トランジスタ形成部を有する欠陥画素では、例えば、ドレイン線を切断して薄膜トランジスタ形成部を使用不可にすると共に、第2半導体層が薄膜トランジスタとして機能するように、ソース電極形成部及びドレイン電極形成部を形成するので、その後、層間絶縁膜形成工程及び画素電極形成工程を行うことにより製造された薄膜トランジスタ基板では、ソース層形成工程で欠陥が検出された欠陥画素の画素電極には、対応するゲート線にオンのゲート信号が送られたときに、ソース線、ソース電極形成部、第2半導体層及びドレイン電極形成部を介して、ソース信号が送られることになる。これにより、欠陥が検出された欠陥画素が正常な画素として修正されるので、表示品位の低下を抑制して、薄膜トランジスタの欠陥を修正することが可能になる。
【0024】
上記半導体層形成工程は、上記ゲート層形成工程で基板に上記複数のゲート線を形成し、該各ゲート線を覆うように上記絶縁膜を形成するゲート絶縁膜工程を行った後に行われてもよい。
【0025】
上記の方法によれば、ゲート電極が第1半導体層及び第2半導体層よりも基板側に配置されるので、ボトムゲート型の薄膜トランジスタを備えた薄膜トランジスタ基板が具体的に製造される。
【0026】
上記ソース層形成工程では、上記欠陥画素に形成されたドレイン線を切断することにより、上記欠陥が検出された薄膜トランジスタ形成部を使用不可にしてもよい。
【0027】
上記の方法によれば、欠陥画素に形成されたドレイン線を切断することにより、それに対応する薄膜トランジスタ形成部と画素電極との接続が解除されるので、欠陥が検出された薄膜トランジスタ形成部が具体的に使用不可になる。
【0028】
上記ソースドレイン形成工程では、上記各ソース電極及び各ドレイン電極から露出する第1半導体層の上層部、並びに上記ソース電極形成部及びドレイン電極形成部から露出する第2半導体層の上層部をそれぞれエッチングすることにより、チャネル領域をそれぞれ形成してもよい。
【0029】
上記の方法によれば、第1半導体層及び第2半導体層の上層部(例えば、n層)を部分的にエッチングして、各ソース電極及び各ドレイン電極の間、並びにソース電極形成部及びドレイン電極形成部の間に、例えば、真性アモルファスシリコン層を露出させることになるので、アモルファスシリコンを用いた薄膜トランジスタが具体的に構成される。
【0030】
上記第2半導体層のチャネル領域の幅及び長さは、上記第1半導体層のチャネル領域の幅及び長さと同じに設定されてもよい。
【0031】
上記の方法によれば、第2半導体層のチャネル領域の幅及び長さが第1半導体層のチャネル領域の幅及び長さと同じであるので、第1半導体層を有する(正規の)薄膜トランジスタの特性と、第2半導体層を有する(予備の)薄膜トランジスタの特性とが揃うことになる。
【0032】
上記ソースドレイン形成工程では、上記ソース電極形成部及びドレイン電極形成部をレーザーCVDにより形成してもよい。
【0033】
上記の方法によれば、レーザーCVDにより均一な導電膜が描画により形成されるので、ソース電極形成部及びドレイン電極形成部が具体的に形成される。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、薄膜トランジスタを構成する第1半導体層の他に第2半導体層が設けられているので、表示品位の低下を抑制して、薄膜トランジスタの欠陥を修正することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の各実施形態に限定されるものではない。
【0036】
《発明の実施形態1》
図1〜図5は、本発明に係るTFT基板前駆体及びTFT基板の製造方法の実施形態1を示している。具体的に、図1は、本実施形態のTFT基板20aの平面図であり、図2は、図1中のII−II線に沿ったTFT基板20aの断面図である。
【0037】
TFT基板20aは、図1及び図2に示すように、絶縁基板10上に互いに平行に延びるように設けられた複数のゲート線11aと、各ゲート線11aの間に互いに平行に延びるように設けられた複数の容量線11bと、各ゲート線11a及び各容量線11bを覆うように設けられたゲート絶縁膜12と、ゲート絶縁膜12上に後述する各画素P毎に各ゲート線11aに重なるように設けられた第2半導体層13bと、ゲート絶縁膜12上に各ゲート線11aと直交する方向に互いに平行に延びるように複数のソース線14aと、各ゲート線11a及び各ソース線14aの交差部分にそれぞれ一対ずつ設けられた複数の第1TFT5a及び複数の第2TFT5bと、各第2半導体層13b、各第1TFT5a、各第2TFT5b及び各ソース線14aを覆うように設けられた無機絶縁膜15と、無機絶縁膜15を覆うように設けられた有機絶縁膜16と、無機絶縁膜15及び有機絶縁膜16からなる層間絶縁膜18上にマトリクス状に設けられた複数の画素電極17とを備えている。ここで、図1に示すように、第1TFT5aに接続された画素電極17は、第1サブ画素Paを構成し、第2TFT5bに接続された画素電極17は、第2サブ画素Pbを構成している。そして、第1サブ画素Pa及び第2サブ画素Pbは、図1に示すように、ソース線14aの延びる方向に沿って、ゲート線11aを挟んで互いに隣り合うことにより、1つの画素Pを構成している。
【0038】
第1TFT5aは、図1及び図2に示すように、各ゲート線11aの両側方に突出した部分の一方(図1中下方)のゲート電極11aaと、ゲート電極11aaを覆うように設けられたゲート絶縁膜12と、ゲート絶縁膜12上でゲート電極11aaに対応する位置に島状に設けられた第1半導体層13cと、第1半導体層13c上で互いに対峙するように設けられたソース電極14aa及びドレイン電極14baとを備えている。ここで、第1半導体層13cは、図2に示すように、上面にチャネル領域Cが規定された下層の真性アモルファスシリコン層13caと、その上層に設けられたn層13cbを備えている。また、ソース電極14aaは、図1に示すように、各ソース線14aの側方に突出した部分である。さらに、ドレイン電極14baは、図1に示すように、ドレイン線14bとして、容量線11bに重なる領域まで延設されることにより補助容量の一部(容量電極)を構成すると共に、容量線11b上で層間絶縁膜18に形成されたコンタクトホール16aを介して画素電極17に接続されている。そして、ドレイン線14bは、図1に示すように、容量線11bに重なる前に二股に枝分かれして、容量線11bに重なる領域で、各々、コンタクトホール16aを介して画素電極17に接続された一対の容量電極を有している。
【0039】
第2TFT5bは、各ゲート線11aの両側方に突出した部分の他方(図1中上方)のゲート電極11aaを有し、その他の構成が第1TFT5aと実質的に同じになっている。
【0040】
上記構成のTFT基板20aは、対向して配置されるCF基板と、それらの両基板の間に封入される液晶層と共に、液晶表示装置を構成するものである。
【0041】
次に、TFT基板20a、並びにソース電極及びドレイン電極の間の短絡欠陥が修正されたTFT基板20rの製造方法について一例を挙げて説明する。ここで、図3は、短絡欠陥が検出された基板19aの平面図であり、図4は、短絡欠陥が修正された基板19bの平面図であり、図5は、短絡欠陥が修正されたTFT基板20rの平面図である。なお、本実施形態の製造方法は、ゲート層形成工程、ゲート絶縁膜形成工程、半導体層形成工程、ソース層形成工程、層間絶縁膜形成工程及び画素電極形成工程を備える。
【0042】
<ゲート層形成工程>
ガラス基板などの絶縁基板10の基板全体に、スパッタリング法により、例えば、チタン膜、アルミニウム膜及びチタン膜などを順に成膜し、その後、フォトリソグラフィによりパターニング及びエッチングを行い、ゲート線11a、ゲート電極11aa及び容量線11bを形成する。
【0043】
<ゲート絶縁膜形成工程>
上記ゲート層形成工程でゲート線11a、ゲート電極11aa及び容量線11bが形成された基板全体に、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、例えば、窒化シリコン膜などを成膜し、ゲート絶縁膜12を形成する。
【0044】
<半導体層形成工程>
上記ゲート絶縁膜形成工程でゲート絶縁膜12が形成された基板全体に、プラズマCVD法により、例えば、真性アモルファスシリコン膜、及びリンがドープされたnアモルファスシリコン膜を順に成膜し、その後、フォトリソグラフィによりゲート電極11aa及びゲート線11a上に島状にそれぞれパターニング及びエッチングを行い、第1半導体層13a及び第2半導体層13bを形成する。
【0045】
<ソース層形成工程>
まず、上記半導体層形成工程で第1半導体層13a及び第2半導体層13bが形成された基板全体に、スパッタリング法により、例えば、アルミニウム膜及びチタン膜などを順に成膜し、その後、フォトリソグラフィによりパターニング及びエッチングを行い、ソース線14a、ソース電極14aa、ドレイン電極14ba及びドレイン線14bを形成する。これにより、各サブ画素Pa及びPb毎に、TFT形成部Sが形成され、TFT基板前駆体19aが作製される(図3参照)。
【0046】
続いて、ソース線14a、ソース電極14aa、ドレイン電極14ba及びドレイン線14bのパターンチェックを行って、TFT形成部Sを構成するソース電極14aa及びドレイン電極14baの間に、例えば、膜残りRなどのパーティクルにより短絡欠陥が発生してないか確認する(図3参照)。
【0047】
ここで、図3に示すように、ソース電極14aa及びドレイン電極14baの間に短絡欠陥が検出された場合には、図4に示すように、レーザー光の照射により、ドレイン線14bをX部で切断し、第2半導体層13bの図中上端部及びゲート線11aに重なると共にソース線14aに接続するように線状のソース電極形成部14c、並びに第2半導体層13bの図中下端部及びゲート線11aに重なると共に切断(分断)されたドレイン線14bの図中下側部に接続するようにL字状のドレイン電極形成部14dをレーザーCVDにより形成することにより、TFT基板前駆体19bを作製する。なお、ソース電極形成部14c及びドレイン電極形成部14dは、例えば、LCD用レーザリペア装置などを用いて、タングステン膜を描画することにより、形成することができる。
【0048】
さらに、ソース電極14aa及びドレイン電極ba(並びに短絡欠陥を修正するためにソース電極形成部14c及びドレイン電極形成部14dを形成した場合には、ソース電極形成部14c及びドレイン電極形成部14d)をマスクとして、第1半導体層13a(及び第2半導体層13b)のn層をエッチングすることにより、チャネル領域Cを形成して、第1半導体層13c(及び第2半導体層13d)を形成する(図5参照)。これにより、第1TFT5a、第2TFT5b(及び予備TFT5c)が形成される。ここで、第1半導体層13cのチャネル領域Cの幅及び長さは、第2半導体層13dのチャネル領域Cの幅及び長さとほぼ同じである。なお、本実施形態では、画面サイズが46型FHD(Full High Definition)で、画素のサイズが530.25μm×176.75μmのパネルを想定すると、例えば、第1TFT5aのチャネル領域Cのサイズが44μm×4μmとなり、第2TFT5bのチャネル領域のサイズも44μm×4μmとなるように、ソース電極形成部14c及びドレイン電極形成部14dをレーザーCVDにより描画して形成する。
【0049】
<層間絶縁膜形成工程>
まず、上記ソース層形成工程で第1TFT5a、第2TFT5b(及び予備TFT5c)が形成された基板全体に、プラズマCVD法により、例えば、窒化シリコン膜などを成膜し、無機絶縁膜15を形成する。
【0050】
続いて、無機絶縁膜15が形成された基板全体に、スピンコート法により、例えば、アクリル系の感光性樹脂を塗布し、その塗布された感光性樹脂をフォトマスクを介して露光した後に、現像することにより、ドレイン線14b(容量電極)上にコンタクトホール16aを有する有機絶縁膜16を形成する。
【0051】
さらに、有機絶縁膜16のコンタクトホール16aから露出する無機絶縁膜15をエッチングして、無機絶縁膜15及び有機絶縁膜16からなる層間絶縁膜18を形成する。
【0052】
<画素電極形成工程>
上記層間絶縁膜形成工程で層間絶縁膜18が形成された基板全体に、スパッタリング法により、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)膜を成膜し、その後、フォトリソグラフィによりパターニング及びエッチングを行い、図5に示すように、画素電極17を形成する。
【0053】
以上のようにして、TFT基板20a及び(短絡欠陥が修正されたTFT基板20r)を製造することができる。
【0054】
以上説明したように、本実施形態のTFT基板20a(20r)の製造方法によれば、ゲート層形成工程及びゲート絶縁膜形成工程を行った後に、半導体層形成工程において、第1TFT5a及び第2TFT5bを構成する各ゲート電極11aaに重なるように第1半導体層13aを形成すると共に、各画素P毎に各ゲート線11aに重なるように第2半導体層13bを形成し、ソース層形成工程において、第1TFT5a及び第2TFT5bを構成するソース電極14aa(ソース線14a)及びドレイン電極14ba(ドレイン線14b)を形成すると共に、短絡欠陥が検出されたTFT形成部Sを有する欠陥画素では、ドレイン線14bを切断し、第2半導体層13bがTFTとして機能するように、ソース電極形成部14c及びドレイン電極形成部14dを形成するので、その後、層間絶縁膜形成工程及び画素電極形成工程を行うことにより製造されたTFT基板20rでは、ソース層形成工程で短絡欠陥が検出された欠陥画素の画素電極17には、対応するゲート線11aにオンのゲート信号が送られたときに、ソース線14a、ソース電極形成部14c、第2半導体層13d及びドレイン電極形成部14dを介して、ソース信号が送られることになる。これにより、ソース電極14aa及びドレイン電極14baの間で短絡欠陥が検出された欠陥画素を正常なサブ画素として修正することができるので、表示品位の低下を抑制して、ソース電極14aa及びドレイン電極14baの間の短絡欠陥を修正することができる。
【0055】
また、本実施形態のTFT基板20a(20r)の製造方法によれば、第2半導体層13dのチャネル領域Cの幅及び長さが第1半導体層13cのチャネル領域Cの幅及び長さとほぼ同じに設定されているので、第1半導体層13cを有する正規の第1TFT5a及び第2TFT5bの特性と、第2半導体層13dを有する予備TFT5cの特性とを揃えることができる。
【0056】
また、本実施形態のTFT基板20a(20r)の製造方法によれば、各画素Pが第1サブ画素Pa及び第2サブ画素Pbを有し、TFT5a(5b)及び画素電極17が第1サブ画素Pa及び第2サブ画素Pb毎に設けられているので、第1サブ画素Pa及び第2サブ画素Pbの一方において、ソース電極14aa及びドレイン電極14baの間で短絡欠陥が検出されても、上述したように、第2半導体層13b(13d)、ソース電極形成部14c及びドレイン電極形成部14dを用いて、短絡欠陥が検出された一方のサブ画素を正常な他方のサブ画素のように修正することができる。
【0057】
本実施形態では、無機絶縁膜15及び有機絶縁膜16からなる層間絶縁膜18を例示したが、例えば、有機絶縁膜16を省略したり、有機絶縁膜16の代わりにCF材料を用いてもよい。
【0058】
また、本実施形態では、第1サブ画素Pa及び第2サブ画素Pbからなる1つの画素Pに2つのTFT5a及び5bを備えたTFT基板を例示したが、本発明は、1画素に1つのTFTを備えたTFT基板にも適用することができる。
【0059】
また、本実施形態では、第1サブ画素Pa及び第2サブ画素Pbからなる1つの画素Pに1つの第2半導体層13bを備えたTFT基板20a(20r)を例示したが、本発明は、例えば、第1サブ画素Pa及び第2サブ画素Pbからなる1つの画素Pに2つの第2半導体層を備えたTFT基板にも適用することができる。これによれば、第1サブ画素Paの第1TFT5a及び第2サブ画素Pbの第2TFT5bの双方に短絡欠陥が検出されても、2つある第2半導体層を用いて、双方を正常なサブ画素として修正することができる。
【0060】
また、本実施形態では、アモルファスシリコンを用いたTFTを例示したが、本発明は、ポリシリコンを用いたTFTにも適用することができる。
【0061】
また、本実施形態では、ソース電極形成部14c及びドレイン電極形成部14dを、レーザーCVDを用いて形成する方法を例示したが、インクジェット、フォトリソグラフィ、マスクを用いたスパッタリングやCVDなどを用いて形成してもよい。
【0062】
また、本実施形態では、TFTの欠陥として、ソース電極14aaとドレイン電極14baとの間の膜残りRに起因する短絡欠陥を修正する方法を例示したが、本発明は、ゲート絶縁膜のピンホールに起因するゲート電極11aaと第1半導体層13a(ソース電極14aa及びドレイン電極14ba)との間の短絡欠陥などの他のTFTの欠陥を修正することにも適用することができる。なお、ゲート電極11aaとソース電極14aaとの間の短絡欠陥については、対応するドレイン線14bを切断するだけでなく、そのゲート電極11aaの基部を切断してもよい。
【0063】
《発明の実施形態2》
図6〜図8は、本発明に係るTFT基板前駆体及びTFT基板の製造方法の実施形態2を示している。具体的に、図6、図7及び図8は、本実施形態のTFT基板20b、20c及び20dをそれぞれ示す平面図である。なお、以下の各実施形態において、図1〜図5と同じ部分については同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0064】
上記実施形態1では、各ソース線14aの延びる方向に沿って各ゲート線11aを挟んで互いに隣り合う一対のサブ画素が1つの画素Pを構成していたが、本実施形態では、各ゲート線11aの延びる方向に沿って互いに隣り合う2つ毎に規定された一対のサブ画素が1つの画素Pを構成している。
【0065】
TFT基板20bでは、図6に示すように、各ゲート線11aが一方の側方(図中下方)に突出して第1TFT5a及び第2TFT5bの各ゲート電極11aaを構成し、各画素電極17の図中上辺及び図中下辺に沿ってゲート線11aが設けられ、各画素電極17の図中左辺及び図中右辺に沿ってソース線14aが設けられている。
【0066】
TFT基板20cでは、図7に示すように、各ゲート線11aが一方の側方(図中下方)に突出して第1TFT5a及び第2TFT5bの各ゲート電極11aaを構成し、第1サブ画素Pa及び第2サブ画素Pbを備えた画素Pの図中上辺及び図中下辺に沿ってゲート線11aが設けられ、各画素Pの図中左辺及び図中右辺に沿って互いに平行に延びる一対のソース線14a及び14aが設けられている。
【0067】
TFT基板20dでは、図8に示すように、各ゲート線11aが一方の側方(図中下方)に突出して第1TFT5a及び第2TFT5bの各ゲート電極11aaを構成し、第1サブ画素Pa及び第2サブ画素Pbを備えた画素Pの図中上辺及び図中下辺に沿ってゲート線11aが設けられ、各画素Pの図中左辺及び図中右辺に沿ってソース線14aが設けられている。
【0068】
上記構成のTFT基板20b、20c及び20dは、上記実施形態1で説明したTFT基板の製造方法における配線や電極などのパターン形状を変更すれば、製造することができ、TFTの欠陥の修正についても、上記実施形態1と同様に行うことができる。
【0069】
本実施形態のTFT基板20b〜20dの製造方法によれば、上記実施形態1と同様に、第1TFT5a及び第2TFT5bを構成する第1半導体層13c(13a)の他に第2半導体層13bが設けられているので、表示品位の低下を抑制して、第1TFT5a及び第2TFT5bの欠陥を修正することができる。
【0070】
《発明の実施形態3》
図9は、本実施形態のTFT基板20eを示す平面図である。
【0071】
上記実施形態1では、各ソース線14aの延びる方向に沿って互いに隣り合う一対のサブ画素が1つの画素Pを構成し、上記実施形態2では、各ゲート線11aの延びる方向に沿って互いに隣り合う2つ毎に規定された一対のサブ画素が1つの画素Pを構成していたが、本実施形態では、各ゲート線11a及び各ソース線14aの延びる方向に沿って互いに隣り合う2つ毎に規定された4つのサブ画素が1つの画素Pを構成している。
【0072】
TFT基板20eでは、図9に示すように、各ゲート線11a及び各ソース線14aの交差部分に第1TFT5a、第2TFT5b、第3TFT5c及び第4TFT5dがそれぞれ設けられている。すなわち、TFT基板20eでは、図9に示すように、各ゲート線11aが両側方に突出して第1TFT5a、第2TFT5b、第3TFT5c及び第4TFT5dの各ゲート電極11aaを構成し、各ソース線14aが両側方に突出して第1TFT5a、第2TFT5b、第3TFT5c及び第4TFT5dの各ソース電極14aaを構成している。また、TFT基板20eでは、図9に示すように、各ゲート線11a、各ソース線14a及び各容量線11bに囲まれた領域に、第1TFT5a(又は第3TFT5c)に接続された画素電極17と、第2TFT5b(又は第4TFT5d)に接続された画素電極17とが互いに隣り合うように設けられている。ここで、図9に示すように、第1TFT5aに接続された画素電極17は、第1サブ画素Paを構成し、第2TFT5bに接続された画素電極17は、第2サブ画素Pbを構成し、第3TFT5cに接続された画素電極17は、第3サブ画素Pcを構成し、第4TFT5dに接続された画素電極17は、第4サブ画素Paを構成している。そして、第1サブ画素Pa、第2サブ画素Pb、第3サブ画素Pc及び第3サブ画素Pdは、図9に示すように、各ゲート線11a及び各ソース線14aの延びる方向に沿って互いに隣り合うことにより、1つの画素Pを構成している。
【0073】
上記構成のTFT基板20eは、上記実施形態1で説明したTFT基板の製造方法における配線や電極などのパターン形状を変更すれば、製造することができ、TFTの欠陥の修正についても、上記実施形態1と同様に行うことができる。
【0074】
本実施形態のTFT基板20eの製造方法によれば、上記実施形態1及び2と同様に、第1TFT5a、第2TFT5b、第3TFT5c及び第4TFT5dを構成する第1半導体層13c(13a)の他に第2半導体層13bが設けられているので、表示品位の低下を抑制して、第1TFT5a、第2TFT5b、第3TFT5c及び第4TFT5dの欠陥を修正することができる。
【0075】
本実施形態では、4つのTFT毎に1つの第2半導体層を設ける構成を例示したが、TFT1つ当たりの第2半導体層の個数を適宜変更してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
以上説明したように、本発明は、表示品位の低下を抑制して、TFTの欠陥を修正することができるので、例えば、高い表示品位が要望される液晶テレビ用途の液晶表示装置を始め、TFTを用いた表示装置全般について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】実施形態1に係るTFT基板20aの平面図である。
【図2】図1中のII−II線に沿ったTFT基板20aの断面図である。
【図3】短絡欠陥が検出されたTFT基板前駆体19aの平面図である。
【図4】短絡欠陥が修正されたTFT基板前駆体19bの平面図である。
【図5】短絡欠陥が修正されたTFT基板20rの平面図である。
【図6】実施形態2に係るTFT基板20bの平面図である。
【図7】実施形態2に係るTFT基板20cの平面図である。
【図8】実施形態2に係るTFT基板20dの平面図である。
【図9】実施形態3に係るTFT基板20eの平面図である。
【図10】従来のTFT基板120の平面図である。
【符号の説明】
【0078】
C チャネル領域
P 画素
Pa 第1サブ画素
Pb 第2サブ画素
Pc 第3サブ画素
Pd 第4サブ画素
S TFT形成部
5a 第1TFT
5b 第2TFT
10 絶縁基板
11a ゲート線
11aa ゲート電極
12 ゲート絶縁膜
13a,13c 第1半導体層
13b,13d 第2半導体層
14a ソース線
14aa ソース電極
14b ドレイン線
14ba ドレイン電極
14c ソース電極形成部
14d ドレイン電極形成部
17 画素電極
18 層間絶縁膜
19a,19b TFT基板前駆体
20a〜20e,20r TFT基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリクス状に設けられた複数の画素と、該各画素毎にそれぞれ設けられた複数の薄膜トランジスタと、該各薄膜トランジスタにそれぞれ接続された複数の画素電極とを備えた薄膜トランジスタ基板の前駆体であって、
上記各画素毎にゲート電極が規定され、互いに平行に延びるように設けられた複数のゲート線と、
上記各画素のゲート電極に絶縁膜を介して重なるように島状に設けられた第1半導体層と、
上記各画素毎に上記各ゲート線に絶縁膜を介して重なるように島状に設けられた第2半導体層と、
上記各画素毎に上記第1半導体層を介して上記ゲート電極の一方の端部に重なるようにソース電極が規定され、上記各ゲート線と交差する方向に互いに平行に延びるように設けられた複数のソース線と、
上記各画素毎に上記第1半導体層を介して上記ゲート電極の他方の端部に重なると共に上記ソース電極と対峙するようにドレイン電極が規定され、上記各画素電極にそれぞれ接続するように設けられた複数のドレイン線とを備えていることを特徴とする薄膜トランジスタ基板前駆体。
【請求項2】
請求項1に記載された薄膜トランジスタ基板前駆体において、
上記第2半導体層は、上記各ソース線及び各ドレイン線に接続されていないことを特徴とする薄膜トランジスタ基板前駆体。
【請求項3】
請求項1に記載された薄膜トランジスタ基板前駆体において、
上記各薄膜トランジスタは、ボトムゲート型であることを特徴とする薄膜トランジスタ基板前駆体。
【請求項4】
請求項1に記載された薄膜トランジスタ基板前駆体において、
上記各画素は、上記各ソース線の延びる方向に沿って互いに隣り合う複数のサブ画素を構成し、
上記各薄膜トランジスタ及び各画素電極は、上記サブ画素毎に配置するように構成されていることを特徴とする薄膜トランジスタ基板前駆体。
【請求項5】
請求項1に記載された薄膜トランジスタ基板前駆体において、
上記各画素は、上記各ゲート線の延びる方向に沿って互いに隣り合う複数毎に一対のサブ画素を構成し、
上記各薄膜トランジスタ及び各画素電極は、上記サブ画素毎に配置するように構成されていることを特徴とする薄膜トランジスタ基板前駆体。
【請求項6】
請求項1に記載された薄膜トランジスタ基板前駆体において、
上記各画素は、上記各ゲート線及び上記各ソース線の延びる方向に沿って互いに隣り合う複数毎に一対のサブ画素を構成し、
上記各薄膜トランジスタ及び各画素電極は、上記サブ画素毎に配置するように構成されていることを特徴とする薄膜トランジスタ基板前駆体。
【請求項7】
マトリクス状に設けられた複数の画素と、該各画素毎にそれぞれ設けられた複数の薄膜トランジスタと、該各薄膜トランジスタにそれぞれ接続された複数の画素電極とを備えた薄膜トランジスタ基板を製造する方法であって、
上記各画素毎にゲート電極が規定され、互いに平行に延びるように複数のゲート線を形成するゲート層形成工程と、
上記各画素のゲート電極に絶縁膜を介して重なるように島状の第1半導体層を形成すると共に、上記各画素毎に上記各ゲート線に絶縁膜を介して重なるように島状の第2半導体層を形成する半導体層形成工程と、
上記各画素毎に上記第1半導体層を介して上記ゲート電極の一方の端部に重なるようにソース電極が規定され、上記各ゲート線と交差する方向に互いに平行に延びるように複数のソース線、及び上記各画素に上記第1半導体層を介して上記ゲート電極の他方の端部に重なると共に上記ソース電極と対峙するようにドレイン電極が規定された複数のドレイン線を形成することにより、上記各薄膜トランジスタとなる薄膜トランジスタ形成部を構成し、欠陥が検出された薄膜トランジスタ形成部を有する欠陥画素では、該欠陥が検出された薄膜トランジスタ形成部を使用不可にし、上記第2半導体層の一方の端部及び上記各ゲート線に重なると共に上記欠陥が検出された薄膜トランジスタ形成部に接続されたソース線に接続するようにソース電極形成部、並びに上記第2半導体層の他方の端部及び上記各ゲート線に重なると共に上記欠陥画素の画素電極に接続するように構成されたドレイン電極形成部を形成するソース層形成工程と、
上記各ソース線、各ドレイン線、ソース電極形成部及びドレイン電極形成部を覆うように層間絶縁膜を形成する層間絶縁膜形成工程と、
上記層間絶縁膜上に上記複数の画素電極をマトリクス状に形成する画素電極形成工程とを備えることを特徴とする薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載された薄膜トランジスタ基板の製造方法において、
上記半導体層形成工程は、上記ゲート層形成工程で基板に上記複数のゲート線を形成し、該各ゲート線を覆うように上記絶縁膜を形成するゲート絶縁膜工程を行った後に行われることを特徴とする薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項9】
請求項7に記載された薄膜トランジスタ基板の製造方法において、
上記ソース層形成工程では、上記欠陥画素に形成されたドレイン線を切断することにより、上記欠陥が検出された薄膜トランジスタ形成部を使用不可にすることを特徴とする薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項10】
請求項8に記載された薄膜トランジスタ基板の製造方法において、
上記ソースドレイン形成工程では、上記各ソース電極及び各ドレイン電極から露出する第1半導体層の上層部、並びに上記ソース電極形成部及びドレイン電極形成部から露出する第2半導体層の上層部をそれぞれエッチングすることにより、チャネル領域をそれぞれ形成することを特徴とする薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項11】
請求項10に記載された薄膜トランジスタ基板の製造方法において、
上記第2半導体層のチャネル領域の幅及び長さは、上記第1半導体層のチャネル領域の幅及び長さと同じに設定されることを特徴とする薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項12】
請求項7に記載された薄膜トランジスタ基板の製造方法において、
上記ソースドレイン形成工程では、上記ソース電極形成部及びドレイン電極形成部をレーザーCVDにより形成することを特徴とする薄膜トランジスタ基板の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2010−156867(P2010−156867A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−335497(P2008−335497)
【出願日】平成20年12月27日(2008.12.27)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】