説明

表示装置の製造方法

【課題】Al合金膜の腐食を抑制できる表示装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】Al合金膜上に、フォトリソグラフィー法によって絶縁膜をパターン形成する工程を含む表示装置の製造方法であって、前記Al合金膜は、Alより貴な金属元素を含むものであり、アミン類を含む有機剥離液で絶縁膜上のフォトレジストを除去し、次いでヒドロキシル基とホルミル基とを有する芳香族化合物および/またはヒドロキシル基とカルボキシル基とを有する芳香族化合物を含む洗浄水で洗浄することを特徴とする表示装置の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルや有機ELパネルなどの表示装置を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばアクティブマトリクス型の液晶表示装置は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下「TFT」と略称することがある)をスイッチング素子とし、画素電極と走査線および信号線などの配線部を備えたTFTアレイ基板と、該TFTアレイ基板に対し所定の間隔をおいて対向配置される共通電極を備えた対向基板と、これらTFTアレイ基板と対向基板との間に充填された液晶層によって構成される。画素電極としては、酸化インジウム(In23)に酸化錫(SnO)を10質量%程度含有させた酸化インジウム錫(ITO)膜などの透明電極が用いられる。
【0003】
また、この画素電極(透明電極)を電気的に接続する配線としては、例えば純AlまたはAl合金(以下「Al合金等」と略称する)が使用される。配線としてAl合金等を使用する表示装置は、画素電極とAl合金等の配線との間にMo、Cr,Ti,W等の高融点金属からなる積層膜を介在させる構成を有するものや、このような積層膜を介在させずに、画素電極とAl合金等とを直接接続させる構成を有するものなどが知られている(特許文献1)。
【0004】
表示装置は、例えば、以下のような工程が含まれる方法によって製造される:まず基板上にAl合金等の膜をスパッタリングなどによって形成する。このAl合金等の膜上に層間絶縁膜(例えば窒化シリコンなど)を形成する。次いでフォトレジストを塗布・現像し、絶縁膜をエッチング処理して、Al合金等の膜と透明電極とを接触させるコンタクトホールを絶縁膜に形成する。そしてフォトレジストを剥離液で除去し、フォトレジストの残渣や剥離液を洗浄水で取り除く。そして基板/Al合金等の膜/コンタクトホールが形成された絶縁膜上に、透明電極を形成する。
【0005】
前記のようなフォトレジストを除去する際の剥離液としては、一般に、アミン類を含むものが使用される。しかしアミン類はアルカリ性であるため、アミン類を含む剥離液では、Al合金等の腐食が問題になることがある。特に剥離液を洗浄水で除去する際に、水と混ざったアミン類によるAl合金等のアルカリ腐食が問題になる。そのため従来技術では、腐食を防止するための様々な技術が提案されている。
【0006】
例えば特許文献2は、レジストおよびエッチング残留分を除去する組成物に、カテコール等のキレート剤を添加する技術を開示している。また特許文献3は、レジスト用剥離液組成物に、芳香族ヒドロキシ化合物およびカルボキシル基含有有機化合物などの防食剤を添加する技術を開示している。同様に特許文献4も、塩基性化合物を含むフォトレジスト剥離剤に、少なくとも2つの水酸基を含む有機化合物、少なくとも1つの水酸基と少なくとも1つのカルボキシル基を含む有機化合物、少なくとも1つのメルカプト基と少なくとも1つの水酸基を含む化合物などの腐食抑制剤を添加する技術を開示している。これらの技術は、剥離液に直接防食剤を添加するものである。さらに特許文献4の技術は、シリコンやタングステン等に対する腐食性を問題にしており、Al合金に対する腐食性は考慮していない。
【0007】
また特許文献5は、アミンを含む剥離液でフォトレジストを除去した後、基板表面に二酸化炭素を含む水を供給して洗浄する技術を開示している。確かに洗浄水として二酸化炭素を含む水を用いることにより、水と混ざったアミンによるAl合金等のアルカリ腐食を防止することができる。しかしAlは両性金属であり、アルカリだけでなく、酸によっても腐食される。そのためAl合金等の酸腐食も抑制するためには、最適条件を確定する必要がある。なお本発明者らは、二酸化炭素を含む水による洗浄に関しても、最適条件を確定して別途出願している。
【特許文献1】特開2004−214606号公報
【特許文献2】特開平6−266119号公報
【特許文献3】特開平8−334905号公報
【特許文献4】特開2004−348103号公報
【特許文献5】特開2002−141269号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前記のような事情に着目してなされたものであって、その目的は、Al合金膜の腐食を抑制できる表示装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成し得た本発明の製造方法とは、Al合金膜上に、フォトリソグラフィー法によって絶縁膜をパターン形成する工程を含む表示装置の製造方法であって、
前記Al合金膜は、Alより貴な金属元素を含むものであり、
アミン類を含む有機剥離液で絶縁膜上のフォトレジストを除去し、次いでヒドロキシル基とホルミル基とを有する芳香族化合物および/またはヒドロキシル基とカルボキシル基とを有する芳香族化合物(以下「ヒドロキシル基等を有する芳香族化合物」と略称することがある)を含む洗浄水で洗浄することを特徴とするものである。
【0010】
前記洗浄水は、好ましくはヒドロキシベンズアルデヒド類および/またはヒドロキシ安息香酸類、より好ましくは4−ヒドロキシベンズアルデヒド、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、没食子酸およびm−ガロイル没食子酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。また洗浄水としては、タンニン酸(=タンニン)を含むものも好ましい。
【0011】
Alより貴な金属元素としては、Ni、Ag、Au、Cu、ZnおよびCoが好ましい。Al合金膜は、さらなる合金元素として、希土類元素(以下「REM」と略称する)、特にLaおよび/またはNdを含んでいても良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、アミン類を含む有機剥離液で絶縁膜上のフォトレジストを除去した後、ヒドロキシル基とホルミル基とを有する芳香族化合物および/またはヒドロキシル基とカルボキシル基とを有する芳香族化合物を含む洗浄水を用いて洗浄することにより、Al合金膜の腐食を効果的に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、Alより貴な金属元素を含むAl合金膜上に、フォトリソグラフィー法によって絶縁膜をパターン形成する工程を含む表示装置の製造方法に関するものである。本発明において「Alより貴な金属元素」とは、Alよりもイオン化傾向が小さい金属元素を意味し、例えばNi、Ag、Au、Cu、ZnおよびCoなどが挙げられる。Al合金膜は、Alより貴な金属元素として、好ましくはNi、Ag、AuおよびCuよりなる群から選択される少なくとも1種(より好ましくは少なくともNi)を、それぞれ、0.1〜6原子%含むものであることが望ましい。このような合金元素を含むAl合金膜は、配線膜として良好な特性を示すからである。
【0014】
前記Al合金膜に、さらなる第三元素としてREMを含有させれば、配線膜の耐熱性を高め得ると共に、組織の結晶粒と金属間化合物とを微細化して電気特性を向上させることができる。好ましいREMとしては、Laおよび/またはNdが挙げられ、Al合金中の量を、それぞれ、0.1〜3原子%とすることが推奨される。
【0015】
本発明において「フォトリソグラフィー法」とは、フォトレジスト(ネガおよびポジ両方のフォトレジストを含む)に光を照射して現像し、次いでエッチングすることによりパターン形成する方法を意味する。
【0016】
本発明で製造する「表示装置」としては、「基板/Al合金膜/透明電極」の順序で積層された構成を有する表示装置、および「基板/透明電極/Al合金膜」の積層構成を有する表示装置などが挙げられるが、前者の表示装置が好ましい。また透明電極とAl合金膜との間にMo、Cr,Ti,W等の高融点金属からなる積層膜を形成してもよい。しかし高融点金属からなる積層膜を介在させずに、透明電極とAl合金膜とを直接接続した表示装置が好ましい。
【0017】
本発明の製造方法は、Al合金膜が、Alより貴な金属元素を含むことを特徴の1つとする。Alとそれよりも貴な金属元素を含む合金は、Alとそれよりも貴な金属元素との間の電池効果の影響で、純Alと比べてアルカリ腐食されやすいからである。そのためAlとそれよりも貴な金属元素を含む合金を用いる場合、より効果的な防食技術が必要とされる。
【0018】
そこで本発明者らが鋭意検討した結果、アミン類を含む有機剥離液でフォトレジストを除去した後、ヒドロキシル基とホルミル基とを有する芳香族化合物および/またはヒドロキシル基とカルボキシル基とを有する芳香族化合物を含む洗浄水で洗浄することによって、前記Al合金膜の腐食を効果的に防止できることを見出した。詳しくは、洗浄水に含める防食剤として、「ヒドロキシル基」と「ホルミル基および/またはカルボキシル基」との両方の官能基を有する芳香族化合物を用いると、ヒドロキシル基、ホルミル基およびカルボキシル基のいずれか1つしか有さない化合物、或いは「ヒドロキシル基」と「ホルミル基および/またはカルボキシル基」との両方の官能基を有する脂肪族化合物を用いた場合よりも、より優れた防食効果を達成できることを見出した。よって本発明は、洗浄水中の防食剤として「ヒドロキシル基とホルミル基とを有する芳香族化合物」および/または「ヒドロキシル基とカルボキシル基とを有する芳香族化合物」を用いることを特徴の1つとする。なお本発明では、ヒドロキシル基とホルミル基とカルボキシル基の3つの官能基を有する芳香族化合物を、防食剤として用いても良い。
【0019】
ヒドロキシル基等を有する芳香族化合物としては、ヒドロキシル基等の官能基が脂肪族炭素と結合している芳香族化合物〈例えば2−、3−または4−ヒドロキシメチル安息香酸、3−(2−ヒドロキシフェニル)プロペン酸(別名:o−クマル酸)、3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロペン酸(別名:ウンベル酸)、3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロペン酸(別名:カフェイン酸)、3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(別名:メリロト酸)、4−ヒドロキシベンゼンプロピオン酸(別名:フロレト酸)など〉を挙げることができるが、ヒドロキシル基等の官能基が芳香族炭素と結合している芳香族化合物が好ましく、「ヒドロキシル基」と「ホルミル基および/またはカルボキシル基」とが同一のベンゼン環上に存在するヒドロキシベンズアルデヒド類およびヒドロキシ安息香酸類がより好ましい。
【0020】
ヒドロキシベンズアルデヒド類としては、例えば2−ヒドロキシベンズアルデヒド(別名:サリチルアルデヒド)、3−ヒドロキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド(別名:バニリン)、3−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(別名:エチルバニリン)などを挙げることができる。
【0021】
ヒドロキシ安息香酸類としては、例えば2−ヒドロキシベンゼンカルボン酸(別名:サリチル酸)、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸(別名:シリング酸)、ジヒドロキシ安息香酸類(2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸)、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸(別名:没食子酸)、3,4−ジヒドロキシ−5−[(3,4,5−トリヒドロキシベンゾイル)オキシ]安息香酸(別名:m−ガロイル没食子酸)などが挙げられる。
【0022】
上記のヒドロキシル基等を有する芳香族化合物の中でも、水溶性などの観点から、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、没食子酸およびm−ガロイル没食子酸がより好ましい。
【0023】
本発明の製造方法において、洗浄水中でヒドロキシル基等を有する芳香族化合物の1種を単独で使用してもよく、2種以上の混合物を用いても良い。混合物として、例えばタンニン酸(別名:タンニン、CAS登録番号:1401−55−4)を使用することが、1つの好ましい実施態様である。タンニン酸は、植物界に広く存在する物質であり、加水分解によって、没食子酸等の多価フェノール酸を生ずる混合物であり、その水溶液は酸性を示すことが知られている。よってタンニン酸を含む洗浄水中には、加水分解等によって生じた多価フェノール酸(没食子酸等)の混合物が存在し、この混合物が防食剤として有効に作用する。
【0024】
ヒドロキシル基等を有する芳香族化合物自体またはそれらの混合物は市販されており、例えば関東化学株式会社などから購入することができる。
【0025】
洗浄水中のヒドロキシル基等を有する芳香族化合物の濃度(混合物を用いる場合はその合計濃度)の下限は、防食効果を充分に発揮させるために、好ましくは0.01mmol/L、より好ましくは0.1mmol/L、さらに好ましくは1mmol/Lである。ヒドロキシル基等を有する芳香族化合物の濃度上限は、防食効果の観点からは特に限定は無く、該化合物の水溶解度の上限まで溶かしても良い。
【0026】
ヒドロキシル基等の芳香族化合物を含む洗浄水による洗浄形態は、特に限定は無く、例えばAl合金膜および絶縁膜を備えた基板に洗浄水を供給してその表面をすすぐか、または基板を洗浄水に浸漬すればよい。設備や製造コストの観点からは、基板を洗浄水に浸漬する形態が好ましい。浸漬時間は、好ましくは10秒〜10分程度、より好ましくは20秒〜5分程度である。すすぎまたは浸漬に用いる洗浄水の温度は、好ましくは10〜80℃程度、より好ましくは20〜60℃程度である。ヒドロキシル基等の芳香族化合物を含む洗浄水により洗浄した後、基板表面にイオン交換水を供給してすすぎ洗いするか、または基板をイオン交換水に浸漬することが推奨される。
【0027】
本発明の製造方法において、アミン類を含む有機剥離液およびフォトレジストには特に限定は無く、該技術分野で一般的に知られているものを使用することができる。
【0028】
アミン類としては、例えばアルカノールアミン、具体的にはモノエタノールアミン 、モノイソプロパノールアミン 、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、N−メチルエタノールアミンなどを挙げることができる。剥離液の有機溶剤としては、例えばジメチルスルホキシドなどを挙げることができる。
【0029】
フォトレジストとしては、例えばノボラック樹脂、ポリビニル樹脂などを使用できる。ノボラック樹脂として、例えばp−クレゾールノボラック樹脂、m−クレゾールノボラック樹脂、p−クレゾールとm−クレゾールとのノボラック樹脂などが挙げられる。ポリビニル樹脂としては、例えばビニルフェノール(p−ビニルフェノール(p−ヒドロキシスチレンともいう)など)の重合体が挙げられる。フォトレジストに用いるノボラック樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量は、例えば3,000〜20,000程度であり、ポリビニル樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量は、例えば1,000〜20,000程度、好ましくは2,000〜6,000程度である。
【0030】
本発明の製造方法は、前記工程、特にフォトレジスト除去後の洗浄工程に特徴がある。そのため本発明の製造方法では、その他の工程には特に限定はなく、特許文献1に記載されているような該技術分野で知られているものを採用すれば良い。一般的なその他の製造工程を説明するために、以下、図面を参照しながら、TFT基板の好ましい実施形態およびその製造方法などを説明する。なお以下では、アモルファスシリコンTFT基板またはポリシリコンTFT基板を備えた液晶表示装置を代表的に挙げて説明するが、それらはあくまで例示であり、本発明はこれに限定されない。
【0031】
例えば液晶表示装置(液晶表示デバイス)は、画素の駆動方法によって、単純マトリクス型液晶表示装置とアクティブマトリクス型液晶表示装置とに分けられる。このうちスイッチング素子としてTFTを有するアクティブマトリクス型液晶表示装置は、高精度の画質を実現でき、高速の画像などにも対応できるため、汎用されている。
【0032】
図1を参照しながら、アクティブマトリクス型液晶表示装置に適用される代表的な液晶ディスプレイの構成および動作原理を説明する。ここでは、活性半導体層として水素化アモルファスシリコンを用いたTFT基板(以下「アモルファスシリコンTFT基板」と略称することがある)の例を代表的に説明するが、本発明はこれに限定されず、ポリシリコンを用いたTFT基板であっても良い。
【0033】
図1に示すように、液晶ディスプレイ100は、TFT基板1と、TFT基板1に対向して配置された対向基板2と、TFT基板1と対向基板2との間に配置され、光変調層として機能する液晶層3とを備えている。TFT基板1は、絶縁性のガラス基板1a上に配置されたTFT4、透明画素電極5、走査線や信号線を含む配線部6を有している。透明画素電極5は、酸化インジウム(In)中に酸化錫(SnO)を10質量%程度含む酸化インジウム・錫(ITO)膜などの導電性酸化膜から形成されている。TFT基板1は、TABテープ12を介して連結されたドライバ回路13および制御回路14によって駆動される。
【0034】
対向基板2は、TFT基板1側に、絶縁性のガラス基板1bの全面に形成された共通電極7と、透明画素電極5に対向する位置に配置されたカラーフィルタ8と、TFT基板1上のTFT4および配線部6に対向する位置に配置された遮光膜9とを有している。対向基板2は、液晶層3に含まれる液晶分子(不図示)を所定の向きに配向させるための配向膜11を更に有している。
【0035】
TFT基板1および対向基板2の外側(液晶層3側とは反対側)には、それぞれ、偏光板10が配置されている。
【0036】
液晶ディスプレイ100は、対向電極と透明画素電極5との間に形成される電界によって液晶層3における液晶分子の配向方向が制御され、液晶層3を通過する光が変調される。これにより、対向基板2を透過する光の透過量が制御されて画像が表示される。
【0037】
次に図2を参照しながら、液晶ディスプレイに好適に用いられる従来のアモルファスシリコンTFT基板の構成および動作原理を詳しく説明する。図2は、図1中、Aの要部拡大図である。
【0038】
図2に示すように、ガラス基板(不図示)上には、走査線(ゲート配線)25が形成され、走査線25の一部は、TFTのオン・オフを制御するゲート電極26として機能する。ゲート電極26を覆うようにしてゲート絶縁膜(窒化シリコン膜)27が形成されている。ゲート絶縁膜27を介して走査線25と交差するように信号線(ソース−ドレイン配線)34が形成され、信号線34の一部は、TFTのソース電極28として機能する。ゲート絶縁膜27上に、アモルファスシリコンチャネル膜(活性半導体膜)、信号線(ソース−ドレイン配線)34、層間絶縁窒化シリコン膜(保護膜)30が順次形成されている。このタイプは一般にボトムゲート型とも呼ばれる。
【0039】
アモルファスシリコンチャネル膜33は、リン(P)がドープされていないイントリンシック層(i層、ノンドーピング層とも呼ばれる。)と、Pがドープされたドープト層(n層)とから構成されている。ゲート絶縁膜27上の画素領域には、例えばIn中にSnOを含むITO膜によって形成された透明画素電極5が配置されている。TFTのドレイン電極29は、透明画素電極5に電気的に接続されている。
【0040】
走査線25を介してゲート電極26にゲート電圧が供給されると、TFT4はオン状態となり、予め信号線34に供給された駆動電圧は、ソース電極28から、ドレイン電極29を介して透明画素電極5へ供給される。そして、透明画素電極5に所定レベルの駆動電圧が供給されると、図1で説明したように、透明画素電極5と対向電極との間に電位差が生じる結果、液晶層3に含まれる液晶分子が配向して光変調が行われる。
【0041】
TFT基板1において、透明画素電極5に電気的に接続される信号線(画素電極用信号線)、ソース電極28−ドレイン電極29に電気的に接続されるソース−ドレイン配線34、ゲート電極26に電気的に接続される走査線25は、電気抵抗率が低く、微細加工が容易であるなどの理由により、いずれも、純AlまたはAl合金の薄膜から形成されており、その上およびその下には、図2に示すように、Mo,Cr,Ti,W等の高融点金属からなるバリアメタル層51、52、53、54が形成されている。
【0042】
(好ましい実施形態1)
図3を参照しながら、アモルファスシリコンTFT基板の実施形態を詳細に説明する。図3は、ボトムゲート型のTFT基板の好ましい実施形態を説明する概略断面説明図である。図3には、従来のTFT基板を示す前述した図2と同じ参照番号を付している。
【0043】
図2と図3とを対比すると明らかなように、従来のTFT基板では、図2に示すように、走査線25の上、ゲート電極26の上、ソース−ドレイン配線34の上または下に、それぞれ、バリアメタル層51、52、54、53が形成されているのに対し、好ましい実施形態のTFT基板では、Alより貴な金属元素を含むAl合金を使用することによって、バリアメタル層51、52、54を省略することができる。即ち好ましい実施形態によれば、従来のようにバリアメタル層を介在させることなく、TFTのソース−ドレイン電極29に用いられる配線材料を透明画素電極5と直接接続することができ、これによっても、従来のTFT基板と同程度以上の良好なTFT特性を実現できる。
【0044】
次に図4から図11を参照しながら、図3に示すアモルファスシリコンTFT基板の製造方法の一例を説明する。ここでは、ソース−ドレイン電極およびその配線に用いられる材料として、Alよりも貴な金属元素を含むAl合金を使用している。またゲート電極およびその配線に用いられる材料としても、Alよりも貴な金属元素を含むAl合金を使用している。薄膜トランジスタは、水素化アモルファスシリコンを半導体層として用いたアモルファスシリコンTFTである。図4から図11には、図3と同じ参照符号を付している。
【0045】
まず、ガラス基板(透明基板)1aに、スパッタリング法を用いて、厚さ200nm程度のAl合金を成膜する。スパッタリングの成膜温度は150℃程度である。この膜をパターニングすることにより、ゲート電極26および走査線25を形成する(図4を参照)。このとき、後記する図5において、ゲート絶縁膜27のカバレッジが良くなる様に、上記積層膜の周縁を約30°〜40°のテーパー状にエッチングしておくのがよい。
【0046】
次いで図5に示すように、例えばプラズマCVD法などの方法を用いて、厚さ約300nm程度の酸化シリコン膜(SiOx)でゲート絶縁膜27を形成する。プラズマCVD法の成膜温度は約350℃程度である。続いて、例えばプラズマCVD法などの方法を用いて、ゲート絶縁膜27の上に、厚さ50nm程度の水素化アモルファスシリコン膜(αSi−H)55および厚さ300nm程度の窒化シリコン膜(SiNx)を成膜する。
【0047】
続いて、ゲート電極26をマスクとする裏面露光により、図6に示すように窒化シリコン膜(SiNx)をパターニングし、チャネル保護膜を形成する。更にその上に、リンをドーピングした厚さ50nm程度のn+型水素化アモルファスシリコン膜(na−Si−H)56を成膜した後、図7に示すように、水素化アモルファスシリコン膜(a−Si−H)55およびn型水素化アモルファスシリコン膜(na−Si−H)56をパターニングする。
【0048】
次にその上に、スパッタリング法を用いて、厚さ50nm程度のMo膜53と厚さ300nm程度のAl合金膜28,29と厚さ50nm程度のMo膜とを順次積層する。スパッタリングの成膜温度は150℃程度である。次いで図8に示す様にパターニングすることにより、信号線と一体のソース電極28と、画素電極5に直接接続されるドレイン電極29とが形成される。更に、ソース電極28およびドレイン電極29をマスクとして、チャネル保護膜(SiNx)上のn型水素化アモルファスシリコン膜(na−Si−H)56をドライエッチングして除去する。
【0049】
次に図9に示すように、例えばプラズマCVD装置などを用いて、厚さ300nm程度の窒化シリコン膜30を成膜し、保護膜を形成する。このときの成膜温度は、例えば220℃程度で行なわれる。次いで窒化シリコン膜30上にフォトレジスト層31を形成した後、窒化シリコン膜30をパターニングし、例えばドライエッチング等によって窒化シリコン膜30にコンタクトホール32を形成する。同時に、パネル端部のゲート電極上のTABとの接続に当たる部分にコンタクトホール(不図示)を形成する。
【0050】
次に例えば酸素プラズマによるアッシング工程を経た後、図10に示すように、アミン系の有機剥離液を用いてフォトレジスト層31を剥離する。最後に、例えば保管時間(8時間程度)の範囲内で、図11に示すように、例えば厚さ40nm程度のITO膜を成膜し、ウェットエッチングによるパターニングを行うことによって透明画素電極5を形成する。同時に、パネル端部のゲート電極のTABとの接続部分に、TABとのボンディングのためITO膜をパターニングすると、TFTアレイ基板1が完成する。
【0051】
このようにして作製されたTFT基板は、ドレイン電極29と透明画素電極5とが直接コンタクトされており、またゲート電極26とTAB接続用のITO膜も直接コンタクトされている。
【0052】
上記では透明画素電極5として、ITO膜を用いたが、IZO膜(InOx−ZnOx系導電性酸化膜)を用いてもよい。また活性半導体層として、アモルファスシリコンの代わりにポリシリコンを用いてもよい(後記する実施形態2を参照)。
【0053】
このようにして得られるTFT基板を使用し、例えば、以下に記載の方法によって、前述した図1に示す液晶表示装置を完成させる。
【0054】
まず上記のようにして作製したTFT基板1の表面に、例えばポリイミドを塗布し、乾燥してからラビング処理を行って配向膜を形成する。
【0055】
一方、対向基板2は、ガラス基板上に、例えばクロム(Cr)をマトリックス状にパターニングすることによって遮光膜9を形成する。次に遮光膜9の間隙に、樹脂製の赤、緑、青のカラーフィルタ8を形成する。遮光膜9とカラーフィルタ8上に、ITO膜のような透明導電性膜を共通電極7として配置することによって対向電極を形成する。そして、対向電極の最上層に例えばポリイミドを塗布し、乾燥した後、ラビング処理を行って配向膜11を形成する。
【0056】
次いでTFT基板1と対向基板2の配向膜11が形成されている面とをそれぞれ対向するように配置し、樹脂製などのシール材16により、液晶の封入口を除いてTFT基板1と対向基板22枚とを貼り合わせる。このとき、TFT基板1と対向基板2との間には、スペーサー15を介在させるなどして2枚の基板間のギャップを略一定に保つ。
【0057】
このようにして得られる空セルを真空中に置き、封入口を液晶に浸した状態で徐々に大気圧に戻していくことにより、空セルに液晶分子を含む液晶材料を注入して液晶層を形成し、封入口を封止する。最後に、空セルの外側の両面に偏光板10を貼り付けて液晶ディスプレイを完成させる。
【0058】
次に図1に示したように、液晶表示装置を駆動するドライバ回路13を液晶ディスプレイに電気的に接続し、液晶ディスプレイの側部あるいは裏面部に配置する。そして、液晶ディスプレイの表示面となる開口を含む保持フレーム23と、面光源をなすバックライト22と導光板20と保持フレーム23によって液晶ディスプレイを保持し、液晶表示装置を完成させる。
【0059】
(好ましい実施形態2)
図12を参照しながら、ポリシリコンTFT基板の実施形態を詳細に説明する。図12は、トップゲート型のTFT基板の好ましい実施形態を説明する概略断面説明図である。図12では、従来のTFT基板を示す前述した図2と同じ参照番号を付している。
【0060】
好ましい実施形態2は、主に、活性半導体層としてアモルファスシリコンの代わりにポリシリコンを用いた点、およびボトムゲート型ではなくトップゲート型のTFT基板を用いた点において、前述した好ましい実施形態1と相違している。詳細には、図12に示す好ましい実施形態のポリシリコンTFT基板では、活性半導体膜は、リンがドープされていないポリシリコン膜(poly−Si)とリンもしくはヒ素(As)がイオン注入されたポリシリコン膜(npoly−Si)とから形成されている点で、前述した図3に示すアモルファスシリコンTFT基板と相違する。また、信号線は、層間絶縁膜(SiOx)を介して走査線と交差するように形成されている。
【0061】
好ましい実施形態によれば、配線材料としてAlよりも貴な金属元素を含むAl合金を用いることにより、バリアメタル層54を省略することができる。即ち従来のようにバリアメタル層を介在させることなく、TFTのソース−ドレイン電極29を透明画素電極5と直接接続することができ、これによっても、従来のTFT基板と同程度以上の良好なTFT特性を実現できる。
【0062】
好ましい実施形態において、Alよりも貴な金属元素を含むAl合金をゲート電極の配線材料に適用すれば、バリアメタル層51、52を省略することができる。また、Alよりも貴な金属元素を含むAl合金をソース−ドレイン電極およびゲート電極の配線材料に適用すれば、バリアメタル層51、52、54を省略することができる。これらにおいても、従来のTFT基板と同程度以上の良好なTFT特性を実現できる。
【0063】
次に図13から図19を参照しながら、図12に示すポリシリコンTFT基板の製造方法の一例を説明する。ここでは、ソース−ドレイン電極並びにその配線材料として、Alよりも貴な金属元素を含むAl合金を使用している。薄膜トランジスタは、ポリシリコン膜(poly−Si)を半導体層として用いたポリシリコンTFTである。図13から図19には、図12と同じ参照符号を付している。
【0064】
まずガラス基板1a上に、例えばプラズマCVD法などにより、基板温度約300℃程度で、厚さ50nm程度の窒化シリコン膜(SiNx)、厚さ100nm程度の酸化シリコン膜(SiOx)、および厚さ約50nm程度の水素化アモルファスシリコン膜(a−Si−H)を成膜する。次に水素化アモルファスシリコン膜(a−Si−H)をポリシリコン化するため、熱処理(約470℃で1時間程度)およびレーザーアニールを行う。脱水素処理を行った後、例えばエキシマレーザアニール装置を用いて、エネルギー約230mJ/cm2程度のレーザーを水素化アモルファスシリコン膜(a−Si−H)に照射することにより、厚さが約0.3μm程度のポリシリコン膜(poly−Si)を得る(図13)。
【0065】
次いで図14に示すように、プラズマエッチング等によってポリシリコン膜(poly−Si)をパターニングする。次に図15に示すように、厚さが約100nm程度の酸化シリコン膜(SiOx)を成膜し、ゲート絶縁膜27を形成する。ゲート絶縁膜27の上に、スパッタリング等によって、厚さ約200nm程度のAl合金膜および厚さ約50nm程度のMo膜52を積層した後、プラズマエッチング等の方法でパターニングする。これにより、走査線と一体のゲート電極26が形成される。
【0066】
続いて、図16に示すように、フォトレジスト31でマスクを形成し、例えばイオン注入装置などにより、例えばリンを50keV程度で1×1015個/cm2程度ドーピングし、ポリシリコン膜(poly−Si)の一部にn型ポリシリコン膜(npoly−Si)を形成する。次にフォトレジスト31を剥離し、例えば500℃程度で熱処理することによってリンを拡散させる。
【0067】
次いで図17に示すように、例えばプラズマCVD装置などを用いて、厚さ500nm程度の酸化シリコン膜(SiOx)を基板温度約250℃程度で成膜し、層間絶縁膜を
形成した後、同様にフォトレジストによってパターニングしたマスクを用いて層間絶縁膜(SiOx)とゲート絶縁膜27の酸化シリコン膜をドライエッチングし、コンタクトホールを形成する。スパッタリングにより、厚さ50nm程度のMo膜53と厚さ450nm程度のAl合金膜を成膜した後、パターニングすることによって、信号線に一体のソース電極28およびドレイン電極29を形成する。その結果、ソース電極28とドレイン電極29は、各々コンタクトホールを介してn型ポリシリコン膜(npoly−Si)にコンタクトされる。
【0068】
次いで図18に示すように、プラズマCVD装置などにより、厚さ500nm程度の窒化シリコン膜(SiNx)を基板温度220℃程度で成膜し、層間絶縁膜を形成する。層間絶縁膜の上にフォトレジスト層31を形成した後、窒化シリコン膜(SiNx)をパターニングし、例えばドライエッチングによって窒化シリコン膜(SiNx)にコンタクトホール32を形成する。
【0069】
次に図19に示すように、例えば酸素プラズマによるアッシング工程を経た後、前述した実施形態1と同様にしてアミン系の剥離液などを用いてフォトレジストを剥離してから、ITO膜を成膜し、ウエットエッチングによるパターニングを行って画素電極5を形成する。このようにして作製されたポリシリコンTFT基板では、ドレイン電極29は透明画素電極5に直接コンタクトされている。
【0070】
次にトランジスタの特性を安定させるため、例えば220℃程度で1時間程度熱処理すると、ポリシリコンTFTアレイ基板が完成する。
【0071】
第2の好ましい実施形態のTFT基板、および該TFT基板を備えた液晶表示装置によれば、前述した第1の好ましい実施形態のTFT基板と同様の効果が得られる。また、第2の好ましい実施形態におけるAl合金は、反射型液晶の反射電極として用いることもできる。
【0072】
このようにして得られるTFTアレイ基板を用い、前述した好ましい実施形態1のTFT基板と同様にして液晶表示装置を完成させる。
【実施例】
【0073】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、上記・下記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0074】
〈実施例1〉
下記表1に示す防食剤を含む洗浄水を、防食剤濃度が10mmol/Lとなるように作成した。防食剤は、全て、関東化学株式会社から購入した。なお下記の「タンニン酸(CAS登録番号:1401−55−4)」は、化学式が確定されていない混合物であるため、狭義のタンニン酸である「m−ガロイル没食子酸(CAS登録番号:536−08−3)」の分子量(322)を用いて、防食剤濃度が10mmol/Lとなるように調整した。
【0075】
ガラス基板に純Al膜またはAl−2原子%Ni−0.35原子%La合金膜を成膜したサンプルを、70℃のアミン系剥離液(東京応化工業株式会社製:「TOK 106」、モノエタノールアミンのジメチルスルホキシド溶液)に3分間浸漬した後、60℃の上記洗浄水で1分間浸漬水洗し、窒素乾燥した後、純Al膜またはAl合金膜表面の腐食の有無を観察した。腐食が認められなかったものを「○」、腐食のために膜が消失したものを「×」と評価した。結果を表1に示す。
【0076】
【表1】

【0077】
表1の結果から、純Al膜では、全ての防食剤を含む洗浄水および防食剤を含まない洗浄水のいずれでも、腐食が認められない。しかしAl合金膜では、4−ヒドロキシベンズアルデヒドまたはタンニン酸を含む洗浄水(ヒドロキシル基とホルミル基および/またはカルボキシル基を有する芳香族化合物を含む洗浄水)では、表面の腐食が防止されているが、ヒドロキシル基のみを有するフェノール、カルボキシル基のみを有する安息香酸、並びにヒドロキシル基とカルボキシル基とを有する脂肪族化合物である酒石酸などでは、腐食が充分に防止できず、膜が消失している。
【0078】
〈実施例2〉
表2に示す濃度の4−ヒドロキシベンズアルデヒドまたはタンニン酸を含む洗浄水を作成した。これら防食剤は、全て、関東化学株式会社から購入した。なお下記の「タンニン酸(CAS登録番号:1401−55−4)」は、「m−ガロイル没食子酸(CAS登録番号:536−08−3)」の分子量(322)を用いて防食剤濃度を調整した。
【0079】
ガラス基板にAl−2原子%Ni−0.35原子%La合金膜を成膜したサンプルを、70℃のアミン系剥離液(東京応化工業株式会社製:「TOK 106」)に3分間浸漬した後、60℃の上記洗浄水に20秒間浸漬し、速やかに室温のイオン交換水で40秒間浸漬水洗し、Al合金膜表面の腐食の有無を観察した。孔食および表面に荒れが認められなかったものを「○」、孔食は発生していないが表面に荒れが見られたものを「△」、孔食が認められたものを「×」と評価した。結果を表2に示す。
【0080】
【表2】

【0081】
表2の結果から、4−ヒドロキシベンズアルデヒドを用いる場合は、その濃度を0.1mmol/L以上とすることにより、タンニン酸を用いる場合は、その濃度(分子量を「322」と仮定)を0.01mmol/L以上とすることにより、防食効果を発揮することが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】図1は、アモルファスシリコンTFT基板が適用される代表的な液晶ディスプレイの構成を示す概略断面拡大説明図である。
【図2】図2は、従来の代表的なアモルファスシリコンTFT基板の構成を示す概略断面説明図である。
【図3】図3は、第1の好ましい実施形態に係るTFT基板の構成を示す概略断面説明図である。
【図4】図4は、図3に示したTFT基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図5】図5は、図3に示したTFT基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図6】図6は、図3に示したTFT基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図7】図7は、図3に示したTFT基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図8】図8は、図3に示したTFT基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図9】図9は、図3に示したTFT基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図10】図10は、図3に示したTFT基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図11】図11は、図3に示したTFT基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図12】図12は、第2の好ましい実施形態に係るTFT基板の構成を示す概略断面説明図である。
【図13】図13は、図12に示したTFT基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図14】図14は、図12に示したTFT基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図15】図15は、図12に示したTFT基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図16】図16は、図12に示したTFT基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図17】図17は、図12に示したTFT基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図18】図18は、図12に示したTFT基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図19】図19は、図12に示したTFT基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【符号の説明】
【0083】
1 TFT基板
2 対向基板
3 液晶層
4 薄膜トランジスタ(TFT)
5 透明画素電極
6 配線部
7 共通電極
8 カラーフィルタ
9 遮光膜
10a、10b 偏光板
11 配向膜
12 TABテープ
13 ドライバ回路
14 制御回路
15 スペーサー
16 シール材
17 保護膜
18 拡散板
19 プリズムシート
20 導光板
21 反射板
22 バックライト
23 保持フレーム
24 プリント基板
25 走査線
26 ゲート電極
27 ゲート絶縁膜
28 ソース電極
29 ドレイン電極
30 保護膜(窒化シリコン膜)
31 フォトレジスト
32 コンタクトホール
33 アモルファスシリコンチャネル膜(活性半導体膜)
34 信号線(ソース−ドレイン配線)
51、52、53、54 バリアメタル層
55 ノンドーピング水素化アモルファスシリコン膜(a−Si−H)
56 n型水素化アモルファスシリコン膜(na−Si−H)
100 液晶ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Al合金膜上に、フォトリソグラフィー法によって絶縁膜をパターン形成する工程を含む表示装置の製造方法であって、
前記Al合金膜は、Alより貴な金属元素を含むものであり、
アミン類を含む有機剥離液で絶縁膜上のフォトレジストを除去し、次いでヒドロキシル基とホルミル基とを有する芳香族化合物および/またはヒドロキシル基とカルボキシル基とを有する芳香族化合物を含む洗浄水で洗浄することを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項2】
前記洗浄水が、ヒドロキシベンズアルデヒド類および/またはヒドロキシ安息香酸類を含むものである請求項1に記載の表示装置の製造方法。
【請求項3】
前記洗浄水が、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、没食子酸およびm−ガロイル没食子酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものである請求項1に記載の表示装置の製造方法。
【請求項4】
前記洗浄水が、タンニン酸を含むものである請求項1に記載の表示装置の製造方法。
【請求項5】
前記Al合金膜が、Alより貴な金属元素として、Ni、Ag、Au、Cu、ZnおよびCoよりなる群から選択される少なくとも1種を含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の表示装置の製造方法。
【請求項6】
前記Al合金膜が、さらなる合金元素として、希土類元素を含むものである請求項1〜5のいずれかに記載の表示装置の製造方法。
【請求項7】
前記希土類元素が、Laおよび/またはNdである請求項6に記載の表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−8768(P2009−8768A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−168266(P2007−168266)
【出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】