説明

シフトショック低減構造を備える車両

【課題】ユーザのクラッチ操作によらず、クラッチ接続時のシフトショックを低減できる、シフトショック低減構造を備える車両を提供する。
【解決手段】変速機(42)と、変速機(42)への動力を断接するクラッチ(44)とを有したエンジンを備え、シフトペダル(33)の踏み込みによる一の操作に基づきクラッチ切断、シフトを連動して行い、シフトペダル(33)の戻りによる他の操作に基づきクラッチ接続を行い、シフトペダル(33)の踏み込みに連動してシフトスピンドル(124)が回転する構造とし、シフトスピンドル角度の単位時間当たりの変化量に基づいて前記一の操作の操作速度を求め、前記一の操作の操作速度に応じて前記他の操作によるクラッチ接続時にエンジン回転数を制御する制御ユニット(26)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シフトショック低減構造を備える例えばマニュアルトランスミッション車(以下、MT車という。)などの車両に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、MT車では、エンジンが変速機と、この変速機への動力を断接するクラッチとを備え、シフト時にシフトドラムセンサの値に応じてエンジン回転数の増減を行い、シフトショックを低減する構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種のMT車では、「クラッチ切断」、「シフト」、「クラッチ接続」という一連の動作を行うが、シフトドラムセンサだけでシフト判定を行うと、「シフト」のときだけ、エンジン回転数が調整されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−019154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来、クラッチ接続時にはエンジントルク制御が行われないため、クラッチ操作によってはシフトショックが大きくなることが考えられる。例えば、クラッチ操作によって「シフト」から「クラッチ接続」までの時間があくと、「クラッチ接続」のときエンジン回転数が低下してシフトショックが発生する可能性がある。
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、ユーザのクラッチ操作によらず、クラッチ接続時のシフトショックを低減できる、シフトショック低減構造を備える車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解消するため、本発明は、変速機(42)と、変速機(42)への動力を断接するクラッチ(44)とを有したエンジンを備え、変速機(42)と、変速機(42)への動力を断接するクラッチ(44)とを有したエンジン(34)を備え、シフトペダル(33)の踏み込みによる一の操作に基づきクラッチ切断、シフトを連動して行い、シフトペダル(33)の戻りによる他の操作に基づきクラッチ接続を行い、シフトペダル(33)の踏み込みに連動してシフトスピンドル(124)が回転する構造とし、シフトスピンドル角度の単位時間当たりの変化量に基づいて前記一の操作の操作速度を求め、前記一の操作の操作速度に応じて前記他の操作によるクラッチ接続時にエンジン回転数を制御する制御ユニット(26)を備えることを特徴とする。
例えば、カブタイプの変速機は、シフトペダル(33)を踏めばクラッチ切断・シフト、シフトペダル(33)を戻せばクラッチ接続ができる機構であり、しかも、スピンドル(124)の角度がわかればクラッチ状態・シフト状態がわかる機構となっている。
本発明によれば、前記一の操作の操作速度が検知され、前記一の操作の操作速度に応じてクラッチ接続時にエンジン回転数が制御されるため、ユーザは例えばシフトペダル(33)を早く踏んだ場合でも遅く踏んだ場合でも、シフトショックが解消できるため、シフトペダル(33)を踏込んで離すだけで細かいペダル操作・スロットル操作なしにシフトショックの少ないシフトを実現できる。
また、シフトスピンドル角度の単位時間当たりの変化量に基づいて前記一の操作の操作速度を求めるため、センサ機構が簡単となる。
【0006】
別の発明では、前記シフトスピンドル角度を検知するシフトスピンドル角度センサ(130)を備えてもよい。
角度センサ(130)を設けるだけで、シフトペダル(33)の踏み込みによる前記一の操作の操作速度を容易に検知できる。
【0007】
別の発明では、シフトスピンドル角度変化量とスロットル開度の補正係数1テーブルを備え、このテーブルで求めた補正係数1を基準スロットル開度に乗じてスロットル開度を補正するようにしてもよい。
この構成では、補正係数1テーブルを設け、補正係数1を基準スロットル開度に乗じてスロットル開度を補正するだけで、スロットル開度を簡単に補正できる。
別の発明では、エンジン回転数変化率とスロットル開度の補正係数2テーブルを備え、このテーブルで求めた補正係数2を基準スロットル開度に乗じてスロットル開度を補正するようにしてもよい。
この構成では、補正係数1テーブルの他に、補正係数2テーブルを設け、補正係数1及び補正係数2を基準スロットル開度に乗じてスロットル開度を補正するだけで、スロットル開度を簡単に補正できる。
【0008】
別の発明では、クラッチ接続中のエンジン回転数をモニタし、所定エンジン回転数を超えたときに、エンジン回転数を減少するように補正してもよい。
クラッチ接続中のエンジン回転数が例えば吹け上がったときでも、エンジン回転数が減少することでシフトショックが低減できる。
別の発明では、シフト中に、シフトアップと判定されると、スロットルバルブ開度制御、点火噴射制御によりエンジン回転数を減少させてもよい。
シフト中のシフトアップ時のシフトショックが低減できる。
別の発明では、シフト中に、シフトダウンと判定されると、現在のギアとシフトダウン後のギアのレシオが求められて、シフトダウン後の予測されるエンジン回転数が求められ、この予測されるエンジン回転数を目標値として、スロットルバルブ開度制御、点火噴射制御によりエンジン回転数を増加させてもよい。
シフト中のシフトダウン時のシフトショックが低減できる。
別の発明では、予測されるエンジン回転数は、クラッチ切断中処理で保存したエンジン回転数にシフトダウン後の前記レシオを乗じて求めてもよい。
クラッチ切断中処理で保存したエンジン回転数を基準とすることで、予測されるエンジン回転数を精度よく求められる。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、前記一の操作の操作速度が検知され、前記一の操作の操作速度に応じてクラッチ接続時にエンジン回転数が制御されるため、ユーザは例えばシフトペダルを早く踏んだ場合でも遅く踏んだ場合でも、シフトショックが解消できるため、シフトペダルを踏込んで離すだけで細かいペダル操作・スロットル操作なしにシフトショックの少ないシフトを実現できる。
別の発明では、シフトペダルの踏み込みによる一の操作に基づきクラッチ切断、シフトを行い、シフトペダルの戻りによる他の操作に基づきクラッチ接続を行い、シフトペダルの踏み込みに連動してシフトスピンドルが回転する構造とし、シフトスピンドル角度の単位時間当たりの変化量に基づいて前記一の操作の操作速度を求めるため、操作速度を求めるためのセンサ機構が簡単となる。
【0010】
別の発明では、前記シフトスピンドル角度を検知するシフトスピンドル角度センサを備えるため、シフトスピンドル角度センサを設けるだけで、構造が簡単で、シフトペダルの踏み込みによる操作速度を容易に検知できる。
別の発明では、シフトスピンドル角度変化量とスロットル開度の補正係数1テーブルを備え、このテーブルで求めた補正係数1を基準スロットル開度に乗じてスロットル開度を補正するため、補正係数1テーブルを設けるだけで簡単に補正できる。
別の発明では、エンジン回転数変化率とスロットル開度の補正係数2テーブルを備え、このテーブルで求めた補正係数2を基準スロットル開度に乗じてスロットル開度を補正するため、補正係数1テーブルの他に、補正係数2テーブルを設けるだけで、スロットル開度を簡単に補正できる。
【0011】
別の発明では、クラッチ接続中のエンジン回転数をモニタし、所定エンジン回転数を超えたときに、エンジン回転数を減少するように補正するため、クラッチ接続中のエンジン回転数が例えば吹け上がったときでも、エンジン回転数が減少することでシフトショックが低減できる。
別の発明では、シフト中に、シフトアップと判定されると、スロットルバルブ開度制御、点火噴射制御によりエンジン回転数を減少させるため、シフト中のシフトアップ時のシフトショックが低減できる。
【0012】
別の発明では、シフト中に、シフトダウンと判定されると、現在のギアとシフトダウン後のギアのレシオが求められて、シフトダウン後の予測されるエンジン回転数が求められ、この予測されるエンジン回転数を目標値として、スロットルバルブ開度制御、点火噴射制御によりエンジン回転数を増加させるため、シフト中のシフトダウン時のシフトショックが低減できる。
別の発明では、予測されるエンジン回転数は、クラッチ切断中処理で保存したエンジン回転数にシフトダウン後の前記レシオを乗じて求められるため、クラッチ切断中処理で保存したエンジン回転数を基準とすることで、予測されるエンジン回転数を精度よく求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】自動二輪車の側面図である。
【図2】パワーユニットの断面平面図である。
【図3】シフトスピンドル及びその周辺部の平面図である。
【図4】本実施の形態によるシステム図である。
【図5】本実施の形態による処理のフローチャートである。
【図6】Aは、シフトスピンドル状態判定の処理フローを示し、Bは、シフトアップ時のシフトスピンドル角度の変化を示し、Cは、シフトダウン時のシフトスピンドル角度の変化を示す図である。
【図7】クラッチ切断中処理のフローチャートである。
【図8】シフトアップ時のシフトスピンドル角度の変化を示す図である。
【図9】シフト中処理のフローチャートである。
【図10】シフトアップ/シフトダウン判定に用いる図である。
【図11】ギヤポジション判定に用いる図である。
【図12】クラッチ接続中処理のフローチャートである。
【図13】Aは、シフトスピンドル角度−基準スロットルバルブ開度を示すテーブルを示す図であり、Bは、シフトスピンドル角度変化量−スロットルバルブ開度に関する補正係数1テーブルを示す図であり、Cは、Ne変化率−スロットルバルブ開度に関する補正係数2テーブルを示す図であり、Dは、Ne変化率を説明する図である。
【図14】シフトアップ時の制御シーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るシフトショック低減構造を備える車両について一実施の形態を挙げて、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、シフトショック低減構造を備える自動二輪車を示している。この自動二輪車12は、ヘッドパイプ13に回動可能に軸支されたハンドル14と、該ハンドル14により操舵される前輪16と、駆動輪である後輪18と、運転者が搭乗するシート20と、後輪18にチェーン22を介して駆動力を供給するパワーユニット24と、該パワーユニット24の制御を行う制御ユニット(制御部)26と、始動、駆動及び回生等に供されるバッテリ28とを有する。バッテリ28は鉛蓄電池に限らず、設計条件により種々の蓄電器が使用可能である。自動二輪車12は図示しないフレームをベースに構成されており、該フレームはカバー30により覆われている。制御ユニット26及びバッテリ28はシート20の下部で、カバー30の内部に配置されている。パワーユニット24は、前輪16と後輪18の略中間で、シート20の下方やや前方に設けられている。自動二輪車12の左側でパワーユニット24の近傍には、ステップ32及びシーソー形式のシフトペダル33が設けられている。この自動二輪車12の変速方式はいわゆる4速ロータリ式であって、シフトペダル33の後方を踏み込む毎にシフトポジション値がニュートラル→1→2→3→4とシフトアップされ、逆にシフトペダル33の前方を踏み込む毎に4→3→2→1→ニュートラルとシフトダウンされる。なお、この4速ロータリ式では、変速時のクラッチ操作がシフトペダル33の操作によりシーケンス的、且つ自動的に行われ、クラッチレバー等は省略されている。
【0015】
次に、パワーユニット24の構成について説明する。
図2はパワーユニット24の断面平面図であり、左右方向が車幅方向、上方向が車両前方、下方向が車両後方に相当する。パワーユニット24は、走行駆動力を発生するエンジン34及びモータ・ジェネレータ(回転電機)36と、エンジン34のクランク軸(駆動軸)38に設けられた発進クラッチ40と、該発進クラッチ40を介してクランク軸38の回転を有段変速する変速機42と、発進クラッチ40と変速機42との間に設けられた変速用クラッチ44とを有する。モータ・ジェネレータ36はエンジンの始動時においてはクランク軸38を回転駆動させるスタータモータとして機能する。パワーユニット24は、シリンダヘッド46a、シリンダ46b及びクランクケース46cが一体的に結合されて外延部を構成している。クランク軸38は複数のベアリング48a、48b、48cによって回転自在に軸支されている。
エンジン34は、クランク軸38に連結されたコンロッド50と、コンロッド50の先端に設けられ、シリンダ46b内を往復運動するピストン52と、シリンダ46b内端部の燃焼室34aに火花を供給する点火プラグ54と、不図示のバルブを開閉動作させて燃焼室34aに対する吸排気を行うカム機構56とを有する。カム機構56はクランク軸38からタイミングチェーン56aを介して駆動される。
【0016】
モータ・ジェネレータ36はクランク軸38の左端部に配置されており、クランクケース46cに設けられてクランク軸38と同軸状に構成されたステータ58と、クランク軸38の端部に固定されてステータ58を覆うように設けられたアウタロータ60とを有する。ステータ58には環状配置された複数のコイル61が設けられている。アウタロータ60にはコイル61に対して狭い隙間を形成するように配置された複数のマグネット62が固定されている。モータ・ジェネレータ36は、制御ユニット26の作用下に回転制御がなされる。発進クラッチ40は、発進時、停止時にクランク軸38とプライマリギア67との間を接続、遮断(以下、断接ともいう。)するものであり、クランク軸38の右端部に配置されている。この発進クラッチ40は、スリーブ64の一端に固定されたカップ状のアウタケース66と、他端に設けられたプライマリギア67と、クランク軸38の右端部に固定されたアウタプレート68と、アウタプレート68の外線部にウェイト70を介して半径方向外側を向くように取り付けられたシュー72と、シュー72半径方向内側に付勢するためのスプリング74とを有する。発進クラッチ40では、エンジン回転数Neが所定値以下の場合にアウタケース66とシュー72が離間しており、クランク軸38と変速用クラッチ44との間が遮断状態(動力が伝達されない切り離し状態)となっている。エンジン回転数Neが上昇し所定値を超えると、ウェイト70に働く遠心力がスプリング74により半径方向内側に働く弾性力に抗し、ウェイト70が半径方向外側に移動することによって、シュー72がアウタケース66の内周面を所定値以上の力で押圧する。これにより、クランク軸38の回転がアウタケース66を介してプライマリギア67に伝達され、動力が伝達される接続状態となる。
【0017】
変速用クラッチ44はプライマリギア67とメイン軸76とを断接するものであり、メイン軸76の右端部に配置されている。この変速用クラッチ44は、プライマリギア67に噛合するカップ形状のアウタハウジング78と、該アウタハウジング78の内側に設けられたボス80と、アウタハウジング78とボス80との間に交互に積層状に設けられた複数のフリクションディスク82及びクラッチディスク84と、プレッシャープレート86と、該プレッシャープレート86をボス80に密着させるように弾性付勢するクラッチスプリング88と、深溝玉型のベアリング90を介してボス80を軸方向に押圧操作するクラッチ操作機構(クラッチ操作手段)92とを有する。クラッチ操作機構92はシフトペダル33の操作に連動して動作する。
【0018】
複数のフリクションディスク82及びクラッチディスク84は、軸方向の一方がプレッシャープレート86に対面しており、他方がボス80の一部であるサポート面80aと対面している。クラッチ操作機構92がシフトペダル33によって操作されていないときには、フリクションディスク82及びクラッチディスク84はプレッシャープレート86とサポート面80aにより強く挟持されており、プライマリギア67から入力されたトルクはボス80に伝達され、さらにボス80のスプライン構成よってメイン軸76に伝達され、接続状態となる。ボス80がクラッチ操作機構92によって押圧されるとき、ボス80はクラッチスプリング88を圧縮しながら軸方向に移動し、フリクションディスク82及びクラッチディスク84から離間する。従って、プライマリギア67のトルクはメイン軸76に伝達されず、遮断状態となる。
【0019】
変速用クラッチ44には、アウタハウジング78の歯数に基づいて入力回転速度Niを検出するための入力回転センサ(クラッチ入力回転検出手段)94、及びメイン軸76の所定箇所の外周歯に基づいて出力回転速度Noを検出する出力回転センサ(クラッチ出力回転検出手段)96が設けられている。入力回転センサ94及び出力回転センサ96は非接触型であって、検出した速度信号を制御ユニット26に供給している。
変速機42は、変速用クラッチ44から供給される回転を、シフトペダル33の操作に基づいて有段変速して後輪18に伝達する。この変速機42は、入力軸としてのメイン軸76と、メイン軸76に対して平行配置されたカウンタ軸100と、メイン軸76に設けられた駆動ギア102a、102b、102c及び102dと、カウンタ軸100に設けられた従動ギア104a、104b、104c及び104dと、駆動ギア102aに係合するシフトフォーク106aと、従動ギア104cに係合するシフトフォーク106bと、シフトフォーク106a、106bを軸方向にライド自在に保持する支持軸108と、シフトフォーク106a、106bの端部を溝110a、110bに沿わせながらスライドさせるシフトドラム112とを有する。駆動ギア102a、102b、102c及び102dは、この順に従動ギア104a、104b、104c及び104dと噛合している。駆動ギア102bは左右にスライドしたとき、隣接する駆動ギア102a又は102cに側面のダボが係合し、従動ギア104cは左右にスライドしたとき、隣接する従動ギア104b又は104dに側面のダボが係合する。
【0020】
駆動ギア102a及び102cはメイン軸76に対して回転自在に保持され、従動ギア104b、104dはカウンタ軸100に対して回転自在に保持されている。駆動ギア102b及び従動ギア104cはメイン軸76及びカウンタ軸100に対してスプライン結合され軸方向にスライド可能である。駆動ギア102d及び従動ギア104aはメイン軸76及びカウンタ軸100に固定されている。
【0021】
シフトドラム112の端部には回転機構122が設けられており、回転機構122によってシフトペダル33の操作がシフトスピンドル(変速切換手段)124(図3参照)を介してシフトドラム112を回転駆動する。これにより、シフトフォーク106a、106bは溝110a、110bに沿って軸方向に移動し、駆動ギア102b及び従動ギア104cを変速段に応じてスライドさせる。
駆動ギア102bが左方向にスライドしたとき、メイン軸76のトルクは駆動ギア102b、102a及び従動ギア104aを介してカウンタ軸100に伝達される。駆動ギア102bが中立位置で従動ギア104cが左方向にスライドしたときには、メイン軸76のトルクは駆動ギア102b、従動ギア104b及び従動ギア104cを介してカウンタ軸100に伝達される。従動ギア104cが中立位置で駆動ギア102bが右方向にスライドしたときには、メイン軸76のトルクは駆動ギア102b、102c及び従動ギア104cを介してカウンタ軸100に伝達される。駆動ギア102bが中立位置で従動ギア104cが右方向に移動したときには、メイン軸76のトルクは駆動ギア102d、従動ギア104d及び従動ギア104cを介してカウンタ軸100に伝達される。このようにして、メイン軸76の回転は4段階に変速されてカウンタ軸100に伝達され、又はニュートラル状態となる。
【0022】
メイン軸76及びカウンタ軸100は、ベアリング114a、114b、116a、116bによって回転自在に保持されている。
カウンタ軸100の端部にはスプロケット118が設けられ、該スプロケット118はチェーン22を介して後輪18に回転を伝達する。また、カウンタ軸100の近傍には、非接触でカウンタ軸100の回転速度を検出する車速センサ120が設けられており、検出した回転速度を制御ユニット26に供給している。車速センサ120が検出するカウンタ軸100の回転速度は車速Vを示すことになる。
【0023】
図3に示すように、シフトペダル33はシフトスピンドル124の一端に設けられている。シフトスピンドル124の他端には回転位置センサ(変速検知手段、断接検知手段)130が設けられており、シフトスピンドル124の回転角度であるスピンドル角度θを検出可能である。また、シフトスピンドル124には、シフトペダル33を中立位置に弾性的に保持するトーションスプリング132と、前記の回転機構122に接続されるレバー134と、前記のクラッチ操作機構92を駆動する操作指示機構部136が設けられている。運転者が左足でシフトペダル33を操作する場合、先ず、所定の小さい角度だけ一方向に回動したときに操作指示機構部136がクラッチ操作機構92を駆動し、変速用クラッチ44を遮断する。シフトペダル33がさらに一方向に回動したときにレバー134が回転機構122をシフトアップ(シフトペダル33の後方の踏み込み)又はシフトダウン(シフトペダル33の前方の踏み込み)に応じた方向に駆動し、シフトドラム112が回動して変速がなされる。変速用クラッチ44の遮断と、シフトドラム112の回動による変速とが、シフトペダル33の一方向に向かう一の操作によりなされる。
【0024】
この後、トーションスプリング132の作用下にシフトペダル33が中立位置に復帰(これが他の操作となる。)したときには、操作指示機構部136及びクラッチ操作機構92の動作が解除され、変速用クラッチ44は接続状態に復帰し、一連の変速処理が終了する。シフトスピンドル124によればクラッチ操作と変速操作を1つの動作で行うことができる。シフトスピンドル角度センサ130はシフトスピンドル124の操作量から、変速検知の手段と、変速用クラッチ44の断接の検知手段として共通に用いられる。
【0025】
図4は、本実施の形態を示すシステム図である。図4では、図1〜図3と同一部分には同一符号を付して示し、その説明を省略する。上述したクランク軸38には、エンジン回転数を検知する回転数センサ200が取り付けられ、上述したシフトドラム112にはシフトドラム角度を検知するシフトドラム角度センサ201が取り付けられている。シフトドラム角度センサ201と、上記回転数センサ200の他に、上記シフトスピンドル124のシフトスピンドル角度センサ130と、スロットルグリップ開度を検知するグリップ開度センサ203とが、上記制御ユニット26に接続されており、さらに制御ユニット26にはスロットルボディ204の被制御部が接続されている。
【0026】
図5は、本実施の形態による制御フローを示す図である。
シフトペダル33の踏み込みにより変速制御が開始される(S1)。この自動二輪車12の変速方式は、上述したように、いわゆる4速ロータリ式であって、シフトペダル33の後方を踏み込む毎にシフトポジション値が以下の手順に従いニュートラル→1→2→3→4とシフトアップされ、逆にシフトペダル33の前方を踏み込む毎に4→3→2→1→ニュートラルとシフトダウンされる。本構成では、シフトペダル33の踏み込み時にシフトスピンドル角度センサ130によりシフトスピンドル124のシフトスピンドル角度が読み込まれ(S2)、シフトドラム角度センサ201によりシフトドラム角度が読み込まれ(S3)、回転数センサ200によりエンジン回転数が読み込まれる(S4)。
【0027】
ついで、これら読み込み値に従い、シフトスピンドル状態が判定される(S5)。この判定は、図6Aに示す処理に従う。すなわち、シフトスピンドル状態の判定が開始され(S51)、シフトスピンドル状態の判定処理が行われ(S52)、シフトスピンドル状態の判定が終了する(S53)。上記判定処理(S52)では、シフトスピンドルの角度によって変速状態が、「クラッチ切断中」、「シフト中」、「クラッチ接続中」のいずれの状態にあるか判定される。すなわち図6Bは、シフトアップ時のシフトスピンドル角度の変化を示し、当該角度がシフトアップ角度閾値1からシフトアップ角度閾値2に至るまでの間が「クラッチ切断中」と判定され、その後シフトスピンドル角度に応じて「シフト中」、さらに「クラッチ接続中」と判定される。図6Cは、シフトダウン時のシフトスピンドル角度の変化を示し、当該角度がシフトダウン角度閾値1からシフトダウン角度閾値2に至るまでの間が「クラッチ切断中」と判定され、その後シフトスピンドル角度に応じて「シフト中」、さらに「クラッチ接続中」と判定される。
【0028】
シフトスピンドル角度の単位時間当たりの変化量は、ユーザによるシフトペダル33の踏み込み速度に応じて変化する。例えば、シフトペダル33の踏み込み速度が早いときには、図6B、図6Cを参照し、踏み込み速度が遅いときよりも、閾値1から閾値2までの時間が短くなる。従って、「クラッチ切断中」の時間が短くなり、単位時間当たりのシフトスピンドル角度変化量が大きくなる。
シフトペダル33の踏み込み速度はユーザの変速に対する意思を反映し、シフトペダル踏込み時の単位時間当たりのシフトスピンドル角度変化量が大きいとき、早くシフトを行いたい意志、あるいは単位時間当たりのシフトスピンドル角度変化量が小さいとき、ゆっくりシフトを行いたい意志、と判定できる。
【0029】
図5において、シフトスピンドル状態が判定され(S6)、「クラッチ切断中」と判定されると、クラッチ切断中処理が実行される(S7)。このクラッチ切断中処理は、図7に示す処理フローに従う。クラッチ切断中処理が開始されると(S11)、シフトスピンドル角度が、図8に示す計測終了閾値(図6B,図6Cの閾値2に相当する。)以上か否かが判定され(S12)、当該角度が計測終了閾値以上でない場合、シフトスピンドル角度が、図8に示す計測開始閾値(図6B,図6Cの閾値1に相当する。)以上か否かが判定される(S13)。S13において、シフトスピンドル角度が計測開始閾値以上でない場合、角度変化量カウンタ値が零とされる(S20)。計測開始閾値以上でない場合、計測開始時のスピンドル角度が保存され(S14)、クラッチ切断時のエンジン回転数が保存され(S15)、角度変化量計測カウンタがインクリメントされる(S16)。
【0030】
S12にて、シフトスピンドル角度が計測終了閾値以上の場合、計測終了時のシフトスピンドル角度が保存され(S17)、上記計測開始時から計測終了時までの図8に示すシフトスピンドル角度差分(絶対値)が算出され(S18)、スピンドル角度変化量(=スピンドル角度差分絶対値/変化量計測カウント値(図8参照。))が算出される(S19)。すなわち変速状態が「クラッチ切断中」の場合、シフトスピンドル角度の単位時間当たりの変化量が算出される。そして、該スピンドル角度変化量を算出した後、スロットルバルブ開度制御(TBW)、点火噴射制御によりエンジン回転数が減少され(S21)、これによりクラッチ切断中処理を終了する(S22)。この変化量は、後述する「クラッチ接続中処理」(図12参照。)において用いられる。また、当該変化量は、シフトペダル33の踏み込み速度に対応しており、ユーザの踏み込み速度の速い、遅いが判定でき、これにより、「ユーザの変速に対する意思」を判定できる。
【0031】
図5において、シフトスピンドル状態が判定され(S6)、「シフト中」と判定されると、シフト中処理が実行される(S8)。
このシフト中処理は、図9に示す処理フローに従って実行される。シフト中処理が開始されると(S31)、シフトアップ/シフトダウンが判定される(S32)。シフトアップ/シフトダウンの判定は、図10に示すように、シフトスピンドル角度に基づいて行われる。ついでギヤポジションが判定される(S33)。ギヤポジションの判定は、図11に示すように、シフトドラム角度に基づいて行われる。
シフト状態の判定により(S34)、シフトアップと判定されると、スロットルバルブ開度制御、点火噴射制御によりエンジン回転数を減少し(S35)、シフト中処理を終了する(S39)。また、シフト状態の判定により(S34)、シフトダウンと判定されると、現在のギアとシフトダウン後のギアのレシオ(ギア比)が求められ(S36)、シフトダウン後の予測されるエンジン回転数が求められる(S37)。
予測されるエンジン回転数は、図7のクラッチ切断中処理のS15で保存したエンジン回転数にシフトダウン後の上記レシオを乗じて求められ、この予測されるエンジン回転数を目標値として、スロットルバルブ開度制御、点火噴射制御によりエンジン回転数を増加制御し(S38)、シフト中処理を終了する(S39)。
【0032】
図5において、シフトスピンドル状態が判定され(S6)、「クラッチ接続中」と判定されると、クラッチ接続中処理が実行される(S9)。
このクラッチ接続中処理は、図12に示す処理フローに従って実行される。クラッチ接続中処理が開始されると(S41)、シフトスピンドル角度がクラッチ接続位置にあるか否かが判定され(S42)、クラッチ接続位置にあると、図13Aに示すように、シフトスピンドル角度−基準スロットルバルブ開度を示すテーブルが検索される(S43)。ついでシフトスピンドル角度に対応する基準スロットルバルブ開度を、シフトスピンドル角度変化量を基準として補正するために、図13Bに示すように、シフトスピンドル角度変化量−スロットルバルブ開度に関する補正係数1テーブルが検索され(S44)、シフトスピンドル角度変化量を基準とした補正係数1が選択(あるいは算出)される。
【0033】
つぎに、クラッチ接続中のエンジン回転数Neの変化率をモニタし(S45)、図13Cに示すように、Ne変化率−スロットルバルブ開度に関する補正係数2テーブルが検索され(S46)、Ne変化率を基準とした補正係数2が選択(あるいは算出)される。
そして、補正係数1及び補正係数2を、基準スロットルバルブ開度に乗じて、クラッチ接続時のシフトショックを低減すべく、スロットルバルブ開度を補正し(S47)、クラッチ接続中処理を終了する(S48)。シフトスピンドル角度変化量が大きいときには、エンジン回転数の上昇を早くして、シフトスピンドル角度変化量が小さいときには、エンジン回転数の上昇を遅くゆっくりとする。クラッチ接続中のエンジン回転数をモニタすることで、例えば実回転数が所定エンジン回転数を超えたときには、エンジン回転数を減少するように補正し、エンジン回転数が例えば吹け上がったときでも、エンジン回転数が減少し、クラッチ接続時のシフトショックを低減できる。
尚、Ne変化率は図13Dに示すように「クラッチ接続中」のNe変化率である。また、「クラッチ切断中」「シフト中」のシフトダウン時は、図9にも示したように、スロットルバルブ開度制御によりエンジン回転数が上昇される。
【0034】
図14は、シフトアップ時の制御シーケンスの一例を示す。図中下方に示すようにシフトペダル33を踏み込む(一の操作)と、「クラッチ切断」及び「シフト」が行われ、シフトペダル33が戻る(他の操作)と、「クラッチ接続」となる。
このシフトペダル33を踏み込むと、スロットルバルブ開度が閉じられ、「クラッチ接続」に至るときには、スロットルバルブ開度が開かれて車両が加速される。「クラッチ切断」中には、図7に示す「クラッチ切断中処理」のS19でシフトスピンドル角度の変化量が求められ、上述したように、シフトスピンドル角度の変化量に基づいて、図12に示す「クラッチ接続中処理」のS44で補正係数1が求められる。
また、図12に示す「クラッチ接続中処理」のS45でNe変化率が求められ、このNe変化率に基づいてS46で補正係数2が求められる。これら補正係数1及び補正係数2を基準スロットルバルブ開度に乗じてスロットルバルブ開度が補正される。
【0035】
本実施の形態では、一の操作の操作速度が検知され、一の操作の操作速度に応じてクラッチ接続時にエンジン回転数が制御されるため、ユーザは例えばシフトペダル33を早く踏んだ場合でも遅く踏んだ場合でも、シフトショックが解消できるため、シフトペダル33を踏込んで離すだけで細かいペダル操作・スロットル操作なしにシフトショックの少ないシフトを実現することができる。シフトペダル踏込み時の単位時間当たりのシフトスピンドル角度変化量が計測されることで、ユーザの変速に対する意思(変化量が大きいとき、早くシフトを行いたい。一方、変化量が小さいとき、ゆっくりシフトを行いたい。)を反映できるシフト制御を実行することができる。
【0036】
シフトペダル33の踏み込み時にシフトスピンドル角度変化量が計測され、このシフトスピンドル角度変化量に基づいて、図12の「クラッチ接続中処理」の処理フローに従い、補正係数1が求められる。また、図12の処理フローに従って、クラッチ接続中のエンジン回転数Neの変化率がモニタされ、Ne変化率を基準とした補正係数2が求められる。そして、これら補正係数1及び補正係数2が、基準スロットルバルブ開度に乗じられシフトショックを解消すべく、スロットルバルブ開度が補正される。従って、シフトペダル33を早く踏んだ場合でも遅く踏んだ場合でも、シフトショックを解消でき、シフトペダル33を踏込んで離すだけで細かいペダル操作・スロットル操作なしに、シフトショックの少ないシフトを実現できる。上記実施の形態では、補正係数1及び2を用いてスロットルバルブ開度を補正したが、例えば補正係数1のみを用いて補正することは可能である。
【0037】
本実施の形態では、シフトペダル33の踏み込みによる一の操作に基づきクラッチ切断、シフトを行い、シフトペダル33の戻りによる他の操作に基づきクラッチ接続を行い、シフトペダル33の踏み込みに連動してシフトスピンドル124が回転する構造とし、シフトスピンドル角度の単位時間当たりの変化量に基づいて、一の操作の操作速度を求めるため、操作速度のセンサ機構が簡単となる。また、シフトスピンドル角度を検知するシフトスピンドル角度センサ130を設けるだけで、シフトペダル33の踏み込みによる、一の操作の操作速度を容易に検知できる。
【0038】
本実施の形態では、シフト中に、シフトアップと判定されると、スロットルバルブ開度制御、点火噴射制御によりエンジン回転数を減少させるため、シフト中のシフトアップ時のシフトショックを低減することができる。また、シフト中に、シフトダウンと判定されると、現在のギアとシフトダウン後のギアのレシオが求められて、シフトダウン後の予測されるエンジン回転数が求められ、この予測されるエンジン回転数を目標値として、スロットルバルブ開度制御、点火噴射制御によりエンジン回転数を増加させるため、シフト中のシフトダウン時のシフトショックが低減できる。さらに、予測されるエンジン回転数は、クラッチ切断中処理で保存したエンジン回転数にシフトダウン後の上記レシオを乗じて求めるため、クラッチ切断中処理で保存したエンジン回転数を基準とすることで、予測されるエンジン回転数を精度よく求められる。
【0039】
シフトペダル33の戻し時(クラッチ接続時)にはシフトペダル角度に基づき、スロットルバイワイヤ制御(TBW)や、点火制御等でエンジン回転数制御が実行できる。上記カブタイプの変速機はシフトスピンドルの角度からクラッチの接続状態を判定できるため、クラッチの接続が開始されるスピンドル角度となったら、スロットルバルブ開度制御、及び点火噴射制御で徐々にエンジン回転数を増加させる。エンジン回転数の増加のさせ方は、シフトスピンドル角度変化量によって可変とする。シフトスピンドル角度変化量が大きいとき、エンジン回転数の上昇を早くして、シフトスピンドル角度変化量が小さいとき、エンジン回転数の上昇を遅くゆっくりとする。
クラッチ接続中はエンジン回転数をフィードバックして、エンジン回転制御を行う。すなわち、クラッチ接続時はエンジン回転数をモニタし、所定のエンジン回転数よりも実回転数が高い場合にはエンジン回転数を減少するように補正し、クラッチ接続時のエンジン回転数の吹け上がりが防止できる。
【0040】
以上、一実施の形態に基づいて、本発明を説明したが、本発明は、これに限定されるものでないことは明らかである。本実施の形態は、クラッチ操作と変速操作がシフトペダル33の操作で兼用される型式に限らず、クラッチ操作をハンドル近傍に設けられたシフトレバーを用いる型式の車両においても適用可能である。
この場合、シフトレバーの操作量を検出するセンサを設け、該操作量に応じて変速用クラッチ44の接続状態を検出するとよい。
【符号の説明】
【0041】
12 自動二輪車
24 パワーユニット
26 制御ユニット
33 シフトペダル
34 エンジン
38 クランク軸(駆動軸)
42 変速機
44 変速用クラッチ
76 メイン軸
100 カウンタ軸
124 シフトスピンドル
130 シフトスピンドル角度センサ
200 回転数センサ
201 シフトドラム角度センサ
203 グリップ開度センサ
204 スロットルボディ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変速機(42)と、変速機(42)への動力を断接するクラッチ(44)とを有したエンジン(34)を備え、シフトペダル(33)の踏み込みによる一の操作に基づきクラッチ切断、シフトを連動して行い、シフトペダル(33)の戻りによる他の操作に基づきクラッチ接続を行い、シフトペダル(33)の踏み込みに連動してシフトスピンドル(124)が回転する構造とし、シフトスピンドル角度の単位時間当たりの変化量に基づいて前記一の操作の操作速度を求め、前記一の操作の操作速度に応じて前記他の操作によるクラッチ接続時にエンジン回転数を制御する制御ユニット(26)を備えることを特徴とするシフトショック低減構造を備える車両。
【請求項2】
前記シフトスピンドル角度を検知するシフトスピンドル角度センサ(130)を備えたことを特徴とする請求項1に記載のシフトショック低減構造を備える車両。
【請求項3】
シフトスピンドル角度変化量とスロットル開度の補正係数1テーブルを備え、このテーブルで求めた補正係数1を基準スロットル開度に乗じてスロットル開度を補正することを特徴とする請求項1又は2に記載のシフトショック低減構造を備える車両。
【請求項4】
エンジン回転数変化率とスロットル開度の補正係数2テーブルを備え、このテーブルで求めた補正係数2を基準スロットル開度に乗じてスロットル開度を補正することを特徴とする請求項3に記載のシフトショック低減構造を備える車両。
【請求項5】
クラッチ接続中のエンジン回転数をモニタし、所定エンジン回転数を超えたときに、エンジン回転数を減少するように補正することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシフトショック低減構造を備える車両。
【請求項6】
シフト中に、シフトアップと判定されると、スロットルバルブ開度制御、点火噴射制御によりエンジン回転数を減少させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシフトショック低減構造を備える車両。
【請求項7】
シフト中に、シフトダウンと判定されると、現在のギアとシフトダウン後のギアのレシオが求められて、シフトダウン後の予測されるエンジン回転数が求められ、この予測されるエンジン回転数を目標値として、スロットルバルブ開度制御、点火噴射制御によりエンジン回転数を増加させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のシフトショック低減構造を備える車両。
【請求項8】
予測されるエンジン回転数は、クラッチ切断中処理で保存したエンジン回転数にシフトダウン後の前記レシオを乗じて求められることを特徴とする請求項7に記載のシフトショック低減構造を備える車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−211555(P2012−211555A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77788(P2011−77788)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】