説明

半導体装置の作製方法

【課題】ガラス基板などの耐熱性の低い支持基板にバッファ層を介して単結晶半導体層が固定された半導体基板を作製する。
【解決手段】イオンドーピング装置により、水素ガスを励起して生成したイオンを加速し単結晶半導体基板に照射し、水素を多量に含んだ損傷領域を形成する。単結晶半導体基板と支持基板を接合させた後、単結晶半導体基板を加熱して、損傷領域で単結晶半導体基板を分離する。単結晶半導体基板から分離された単結晶半導体層を加熱しながら、この単結晶半導体層にレーザビームを照射する。レーザビームの照射により単結晶半導体層を溶融させることで、再単結晶化して、その結晶性を回復させ、かつ単結晶半導体層の表面を平坦化する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
単結晶半導体基板および支持基板を用意し、
イオンドーピング装置により、加速されたイオンを前記単結晶半導体基板に照射することで、前記単結晶半導体基板の表面から所定の深さの領域に損傷領域を形成し、
前記支持基板または前記単結晶半導体基板の少なくとも一方にバッファ層を形成し、
前記支持基板と前記単結晶半導体基板とを前記バッファ層を介して密着させることで、前記支持基板と前記単結晶半導体基板を貼り合わせ、
前記単結晶半導体基板の加熱によって前記損傷領域に亀裂を生じさせ、前記単結晶半導体基板を前記支持基板から分離することにより、前記単結晶半導体基板から分離された単結晶半導体層が固定された支持基板を形成し、
前記支持基板に固定された前記単結晶半導体層を加熱しながら、前記単結晶半導体層にレーザビームを照射して、前記単結晶半導体層を溶融することで、前記単結晶半導体層を再単結晶化させることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項2】
単結晶半導体基板および支持基板を用意し、
イオンドーピング装置により、加速されたイオンを前記単結晶半導体基板に照射することで、前記単結晶半導体基板の表面から所定の深さの領域に損傷領域を形成し、
前記支持基板または前記単結晶半導体基板の少なくとも一方にバッファ層を形成し、
前記支持基板と前記単結晶半導体基板とを前記バッファ層を介して密着させることで、前記支持基板と前記単結晶半導体基板を貼り合わせ、
前記単結晶半導体基板の加熱によって前記損傷領域に亀裂を生じさせ、前記単結晶半導体基板を前記支持基板から分離することにより、前記単結晶半導体基板から分離された単結晶半導体層が固定された支持基板を形成し、
前記支持基板に固定された前記単結晶半導体層を加熱しながら、前記単結晶半導体層にレーザビームを照射して、前記単結晶半導体層の前記レーザビームが照射されている領域の表面および表面近傍を溶融することで、前記単結晶半導体層を再単結晶化させることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項3】
単結晶半導体基板および支持基板を用意し、
イオンドーピング装置により、加速されたイオンを前記単結晶半導体基板に照射することで、前記単結晶半導体基板の表面から所定の深さの領域に損傷領域を形成し、
前記支持基板または前記単結晶半導体基板の少なくとも一方にバッファ層を形成し、
前記支持基板と前記単結晶半導体基板とを前記バッファ層を介して密着させることで、前記支持基板と前記単結晶半導体基板を貼り合わせ、
前記単結晶半導体基板の加熱によって前記損傷領域に亀裂を生じさせ、前記単結晶半導体基板を前記支持基板から分離することにより、前記単結晶半導体基板から分離された単結晶半導体層が固定された支持基板を形成し、
前記支持基板に固定された前記単結晶半導体層を加熱しながら、前記単結晶半導体層にレーザビームを照射して、前記単結晶半導体層の前記レーザビームが照射されている領域を表面から当該領域の厚さよりも浅い部分までを溶融することで、前記単結晶半導体層を再単結晶化させることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項4】
単結晶半導体基板および支持基板を用意し、
イオンドーピング装置により、加速されたイオンを前記単結晶半導体基板に照射することで、前記単結晶半導体基板の表面から所定の深さの領域に損傷領域を形成し、
前記支持基板または前記単結晶半導体基板の少なくとも一方にバッファ層を形成し、
前記支持基板と前記単結晶半導体基板とを前記バッファ層を介して密着させることで、前記支持基板と前記単結晶半導体基板を貼り合わせ、
前記単結晶半導体基板の加熱によって前記損傷領域に亀裂を生じさせ、前記単結晶半導体基板を前記支持基板から分離することにより、前記単結晶半導体基板から分離された単結晶半導体層が固定された支持基板を形成し、
前記支持基板に固定された前記単結晶半導体層を加熱しながら、前記支持基板に固定された前記単結晶半導体層にレーザビームを照射して、前記単結晶半導体層の前記レーザビームが照射されている領域を表面から深さ方向に全て溶融することで、前記単結晶半導体層を再単結晶化させることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項5】
単結晶半導体基板および支持基板を用意し、
イオンドーピング装置により、加速されたイオンを前記単結晶半導体基板に照射することで、前記単結晶半導体基板の表面から所定の深さの領域に損傷領域を形成し、
前記支持基板または前記単結晶半導体基板の少なくとも一方にバッファ層を形成し、
前記支持基板と前記単結晶半導体基板とを前記バッファ層を介して密着させることで、前記支持基板と前記単結晶半導体基板を貼り合わせ、
前記単結晶半導体基板の加熱によって前記損傷領域に亀裂を生じさせ、前記単結晶半導体基板を前記支持基板から分離することにより、前記単結晶半導体基板から分離された単結晶半導体層が固定された支持基板を形成し、
400℃以上であり、かつ支持基板の歪点以下の温度で、前記支持基板に固定された前記単結晶半導体層を加熱しながら前記単結晶半導体層にレーザビームを照射して、前記単結晶半導体層を溶融することで、前記単結晶半導体層を再単結晶化させることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項6】
単結晶半導体基板および支持基板を用意し、
イオンドーピング装置により、加速されたイオンを前記単結晶半導体基板に照射することで、前記単結晶半導体基板の表面から所定の深さの領域に損傷領域を形成し、
前記支持基板または前記単結晶半導体基板の少なくとも一方にバッファ層を形成し、
前記支持基板と前記単結晶半導体基板とを前記バッファ層を介して密着させることで、前記支持基板と前記単結晶半導体基板を貼り合わせ、
前記単結晶半導体基板の加熱によって前記損傷領域に亀裂を生じさせ、前記単結晶半導体基板を前記支持基板から分離することにより、前記単結晶半導体基板から分離された単結晶半導体層が固定された支持基板を形成し、
400℃以上650℃以下で、前記支持基板に固定された前記単結晶半導体層を加熱しながら前記単結晶半導体層にレーザビームを照射して、前記単結晶半導体層を溶融することで、前記単結晶半導体層を再単結晶化させることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項7】
単結晶半導体基板および支持基板を用意し、
イオンドーピング装置により、加速されたイオンを前記単結晶半導体基板に照射することで、前記単結晶半導体基板の表面から所定の深さの領域に損傷領域を形成し、
前記支持基板または前記単結晶半導体基板の少なくとも一方にバッファ層を形成し、
前記支持基板と前記単結晶半導体基板とを前記バッファ層を介して密着させることで、前記支持基板と前記単結晶半導体基板を貼り合わせ、
前記単結晶半導体基板の加熱によって前記損傷領域に亀裂を生じさせ、前記単結晶半導体基板を前記支持基板から分離することにより、前記単結晶半導体基板から分離された単結晶半導体層が固定された支持基板を形成し、
前記支持基板に固定された前記単結晶半導体層を加熱しながら、前記単結晶半導体層にレーザビームを照射して、前記単結晶半導体層を溶融することで、前記単結晶半導体層を再単結晶化させ、
前記レーザビームの照射によって前記単結晶半導体層が溶融している時間は、200ナノ秒以上1000ナノ秒以下であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項8】
請求項1乃至3、および請求項7のいずれか1項において、
400℃以上前記支持基板の歪点以下の温度で、前記単結晶半導体層が固定された前記支持基板を加熱しながら、前記支持基板に固定された前記単結晶半導体層にレーザビームを照射することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項9】
請求項1乃至3、および請求項7のいずれか1項において、
450℃以上650℃以下の温度で、前記単結晶半導体層が固定された前記支持基板を加熱しながら、前記支持基板に固定された前記単結晶半導体層にレーザビームを照射することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項において、
前記不活性気体雰囲気中で、前記単結晶半導体層に前記レーザビームを照射することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項11】
請求項10において、
前記不活性気体は、窒素ガスまたは希ガスであることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項12】
請求項10において、
前記不活性気体は、酸素ガスの濃度が30ppm以下であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか1項において、
水素ガスを励起して、Hを含むプラズマを生成し、前記プラズマに含まれるイオンを加速して、前記単結晶半導体基板に照射することで、前記損傷領域を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか1項において、
前記支持基板は、歪み点が650℃以上690℃以下であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項15】
請求項1乃至13のいずれか1項において、
前記支持基板は、ガラス基板であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項16】
請求項1乃至13のいずれか1項において、
前記支持基板は、無アルカリガラス基板(商品名AN100)、無アルカリガラス基板(商品名EAGLE2000(登録商標))または無アルカリガラス基板(商品名EAGLEXG(登録商標))であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項17】
請求項1乃至16のいずれか1項において、
被照射面において前記レーザビームの断面形状は線状、正方形、または長方形であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項18】
バッファ層を介して、ガラス基板に単結晶半導体層を固定し、
当該ガラス基板の歪点以下の温度で前記ガラス基板に固定された前記単結晶半導体層を加熱し、かつ前記単結晶半導体層の一部にレーザビームを照射して、前記レーザビームが照射されている領域の前記単結晶半導体層を溶融させることで、前記レーザビームの照射領域と隣接する領域の単結晶半導体と結晶方位が揃った単結晶半導体に再単結晶化させることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項19】
ガラス基板上に単結晶半導体層を固定し、
当該ガラス基板の歪点以下の温度で前記ガラス基板に固定された前記単結晶半導体層を加熱し、かつ前記単結晶半導体層の一部にレーザビームを照射して、前記レーザビームが照射されている領域の前記単結晶半導体層を溶融させることで、前記レーザビームの照射領域と隣接する領域の単結晶半導体と結晶方位が揃った単結晶半導体に再単結晶化させ、
被照射面において、前記レーザビームの断面形状は正方形、長方形または線状であり、
前記単結晶半導体層が固定された前記ガラス基板を移動しながら、前記レーザビームを照射することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項20】
バッファ層を介して、ガラス基板に単結晶半導体層を固定し、
当該ガラス基板の歪点以下の温度で前記ガラス基板に固定された前記単結晶半導体層を加熱し、かつ前記単結晶半導体層の一部にレーザビームを照射して、下層に単結晶半導体を残したまま、上層を溶融させることで、前記上層を、前記下層の単結晶半導体と結晶方位が揃った単結晶半導体に再単結晶化させることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項21】
バッファ層を介して、ガラス基板に単結晶半導体層を固定し、
当該ガラス基板の歪点以下の温度で前記ガラス基板に固定された前記単結晶半導体層を加熱し、かつ前記単結晶半導体層の一部にレーザビームを照射して、下層に単結晶半導体を残したまま、上層を溶融させることで、前記上層を、前記下層の単結晶半導体と結晶方位が揃った単結晶半導体に再単結晶化させ、
前記レーザビームの断面形状は正方形、長方形または線状であり、
前記単結晶半導体層が固定された前記ガラス基板を移動しながら、前記レーザビームを照射することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項22】
請求項18乃至21のいずれか1項において、
前記レーザビームを前記単結晶半導体層に照射することで、前記溶融されていた部分の再単結晶化とともに、当該部分の欠陥を修復する半導体装置の作製方法。
【請求項23】
請求項18乃至22のいずれか1項において、
前記ガラス基板は、無アルカリガラス基板(商品名AN100)、無アルカリガラス基板(商品名EAGLE2000(登録商標))または無アルカリガラス基板(商品名EAGLEXG(登録商標))であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項24】
請求項18乃至23のいずれか1項において、
前記バッファ層は多層構造であり、前記単結晶半導体層内へのナトリウムの侵入を防ぐためのバリア層を有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項25】
請求項18乃至23のいずれか1項において、
前記バッファ層は多層構造であり、窒化シリコン膜または窒化酸化シリコン膜を含むことを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項26】
請求項18乃至23のいずれか1項において、
前記バッファ層は多層構造であり、前記ガラス基板または前記単結晶半導体層と接合する接合層を有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項27】
請求項18乃至23のいずれか1項において、
前記バッファ層は多層構造であり、前記単結晶半導体層を酸化した酸化物膜を有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項28】
請求項18乃至23のいずれか1項において、
前記バッファ層は多層構造であり、前記ガラス基板または前記単結晶半導体層と接合している接合層、および前記単結晶半導体層内へのナトリウムの侵入を防ぐためのバリア層とを有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項29】
請求項18乃至23のいずれか1項において、
前記バッファ層は多層構造であり、前記ガラス基板と接合している接合層と、前記単結晶半導体層と接する絶縁膜と、前記接合層と前記絶縁膜の間に形成された前記単結晶半導体層内へのナトリウムの侵入を防ぐためのバリア層とを有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項30】
請求項29において、
前記単結晶半導体層に接する絶縁膜は、酸化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項31】
請求項29において、
前記単結晶半導体層に接する絶縁膜は、前記単結晶半導体層を酸化した酸化物膜であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項32】
請求項29において、
前記バリア層は、窒化シリコン膜または窒化酸化シリコン膜であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項33】
請求項1乃至32のいずれか1項において、
前記バッファ層は多層構造であり、前記単結晶半導体層に密着する絶縁膜を有し、前記絶縁膜はハロゲンを含むことを特徴とする半導体装置の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図35】
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【図38】
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【図39】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図34】
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【図36】
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【図37】
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【図40】
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【公開番号】特開2009−135430(P2009−135430A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−254043(P2008−254043)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】