説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】前記従来のエアーギャップを有するMISトランジスタ及びその製造方法では、ゲート電極の周囲にエアーギャップを設けるため、ゲート電極に近接して応力絶縁膜を形成することができない。
【解決手段】半導体装置は、ゲート絶縁膜13と、ゲート電極14と、ソースドレイン領域19と、コンタクトプラグ22と、応力絶縁膜23とを備えている。ゲート電極14の側方のうちゲート電極14とコンタクトプラグ22との間に位置する領域のみに空洞24が形成されており、応力絶縁膜23は半導体基板10上にゲート電極14を覆うように形成されており、半導体基板10におけるゲート電極14の直下に位置するチャネル領域に対して応力を生じさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に寄生容量の低減を図ると共に駆動能力の向上が図れるMIS(Metal Insulator Semiconductor)トランジスタを備えた半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路の動作速度を向上させるには、トランジスタ及び配線に存在する寄生抵抗や寄生容量を減少させる必要がある。特に、複雑な論理演算を行う回路では、NANDやNORなどの一つの論理ゲートから出力される信号を他の複数の論理ゲートの入力として用いる場合が多数ある。
【0003】
一つの論理ゲートの出力側に接続されている次段の論理ゲートの入力端子数をファンアウト(F/O:fan-out)というが、F/Oすなわち論理ゲートの入力数増加分だけ、論理ゲートの出力側の負荷は増加し、論理ゲートの出力電圧の変化速度は遅くなる。
論理ゲートの出力電圧の変化速度の劣化は、論理回路の動作速度が遅くなることを意味しており、高速で複雑な演算を行うには、F/Oが大きくなったときに論理ゲートの動作速度の劣化を起こさないようにする必要がある。
【0004】
F/Oの増加に伴う負荷増加の大部分は、MISトランジスタのゲート電極に関する寄生容量であり、ゲート電極に関する寄生容量は、ゲート電極−基板間の寄生容量とゲート電極−拡散領域(ソースドレイン領域)間の寄生容量とに分けられる。
【0005】
しかし、ゲート電極−基板間の寄生容量は、MISトランジスタのゲート絶縁膜容量そのものであり、この寄生容量を減らすことは、トランジスタの出力電流の減少を生じさせるため、ゲート電極−基板間の寄生容量を減少させることはできない。
【0006】
このため、F/Oが大きくなっても、回路の動作速度の劣化を起こさないようにするには、ゲート電極−拡散領域間の寄生容量を減少させる必要がある。
【0007】
しかしながら、ゲート電極−拡散領域間の寄生容量は、微細化に伴い、MISトランジスタのソースドレイン領域に接続されたコンタクトプラグとゲート電極との間隔が縮小されることにより、ますます増加する傾向にある。この課題を解決するために、ゲート電極側面に最も誘電率の小さいエアーギャップを設けることにより、ゲート電極−拡散領域(コンタクトプラグ)間の容量を低減させ、F/O特性の向上、すなわち動作速度の速い半導体装置及びその製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
以下に、ゲート電極と拡散領域(コンタクトプラグ)間の寄生容量の低減に着目した従来の半導体装置について、図7を参照しながら説明する。図7は、従来の半導体装置の構造を示す要部断面図である。
【0009】
図7に示すように、半導体基板110における素子分離領域111に囲まれた活性領域110Aと、半導体基板110に形成されたp型ウェル領域112と、活性領域110A上に形成されたゲート絶縁膜113と、ゲート絶縁膜113上に形成されたゲート電極114と、活性領域110Aにおけるゲート電極114の側方下の領域に形成されたn型エクステンション領域115と、活性領域110Aにおけるn型エクステンション領域115の外側領域に形成されたn型ソースドレイン領域116と、ゲート電極114の側面から離間したn型ソースドレイン領域116上に形成された第1層間絶縁膜117と、ゲート電極114及び第1層間絶縁膜117上に形成された第2層間絶縁膜118とを備えている。そして、ゲート電極114の側方には、第1層間絶縁膜117との間にエアーギャップ119が形成されている。
【特許文献1】特開2000−124454号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、前記従来のエアーギャップを有するMISトランジスタ及びその製造方法では、ゲート電極の周囲全体を取り囲むようにエアーギャップが形成される。この構成では、キャリア移動度を向上するために、半導体基板上に応力を有する応力絶縁膜を形成してチャネル領域に応力を印加する、いわゆる歪み技術を適用することは技術的に困難である。なぜならば、応力絶縁膜からの応力をチャネル領域に効果的に印加するためには、ゲート電極の近傍に応力絶縁膜を形成する必要があるが、従来の構成(特許文献1に記載の構成)では、ゲート電極の周囲にエアーギャップを設けるため、ゲート電極に近接して応力絶縁膜を形成することができないという課題がある。
【0011】
前記に鑑み、本発明の目的は、ゲート電極と拡散領域間の寄生容量の低減を図るとともに、応力絶縁膜を用いてキャリア移動度の向上が図れるMISトランジスタを備えて半導体装置及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の半導体装置は、半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、半導体基板におけるゲート電極の側方下に形成されたソースドレイン領域と、ソースドレイン領域の一部分の上に、ゲート電極の一部分に対向するように形成されたコンタクトプラグと、半導体基板上にゲート電極を覆うように形成された応力絶縁膜とを備えている。この半導体装置では、ゲート電極の側方のうち、ゲート電極とコンタクトプラグとの間に位置する領域のみに空洞が設けられており、応力絶縁膜は、半導体基板におけるゲート電極の直下に位置するチャネル領域に対して応力を生じる。
【0013】
このような半導体装置では、ゲート電極の側方のうちゲート電極とコンタクトプラグとの間に空洞が設けられているので、ゲート電極とコンタクトプラグとの間における寄生容量の低減を図ることができる。
【0014】
また、空洞は、ゲート電極の側方のうち、ゲート電極とコンタクトプラグとの間に位置する領域のみに設けられている。よって、ゲート電極の側方のうち、空洞が形成されている領域以外の領域には、空洞を介さずに応力絶縁膜を設けることができるので、キャリア移動度の向上を図ることができる。
【0015】
本発明の半導体装置では、ソースドレイン領域上に形成された金属シリサイド層を備えていても良く、コンタクトプラグは、金属シリサイド層に接続されていても良い。
【0016】
本発明の半導体装置では、コンタクトプラグは、応力絶縁膜を貫通して設けられていることが好ましい。
【0017】
後述の好ましい実施形態では、半導体装置は、ゲート電極の側面上に形成された断面形状がL字状のサイドウォールと、半導体基板上にゲート電極を覆うように、サイドウォールに接して形成された下地絶縁膜とを備えている。そして、応力絶縁膜は、下地絶縁膜上に接して形成されており、空洞は、ゲート電極の側面上にサイドウォールを介して形成された下地絶縁膜とコンタクトプラグとの間に形成されている。この場合、空洞は、応力絶縁膜によって周囲を囲まれており、また、空洞のゲート幅方向の寸法は、コンタクトプラグのゲート幅方向の寸法と同じ、又はそれよりも小さい。
【0018】
後述の好ましい別の実施形態では、半導体装置は、ゲート電極の側面上に形成された断面形状がL字状のサイドウォールとを備えている。そして、応力絶縁膜は、空洞が形成されている領域以外はサイドウォールに接して形成されており、空洞は、ゲート電極の側面上に形成されたサイドウォールと応力絶縁膜との間に形成されている。
【0019】
本発明の半導体装置では、ソースドレイン領域は、n型拡散領域からなり、応力絶縁膜は、チャネル領域におけるチャネル長方向に対して引っ張り応力を生じさせることが好ましい。
【0020】
本発明の第1の半導体装置の製造方法は、半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程(a)と、ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程(b)と、半導体基板におけるゲート電極の側方下にソースドレイン領域を形成する工程(c)と、ソースドレイン領域の一部分の上に、ゲート電極の一部分に対向するようにコンタクトプラグを形成する工程(d)と、工程(d)の後に、半導体基板上に応力絶縁膜を形成する工程(e)とを備えている。工程(e)は、応力絶縁膜を形成するともに、ゲート電極の側方のうち、ゲート電極とコンタクトプラグとの間に位置する領域のみに空洞を設ける工程を含んでいる。応力絶縁膜は、半導体基板におけるゲート電極の直下に位置するチャネル領域に対して応力を生じる。
【0021】
このような製造方法では、工程(e)において、半導体基板上に応力絶縁膜を設けている。よって、キャリア移動度の向上を図ることができる。
【0022】
また、工程(f)において、ゲート電極とコンタクトプラグとの間に空洞を設けるので、ゲート電極とコンタクトプラグとの間における寄生容量の低減を図ることができる。
【0023】
さらに、ゲート電極の側方のうちゲート電極とコンタクトプラグとの間のみに空洞を設けるので、応力絶縁膜によるチャネル領域への引っ張り応力の印加に対してほとんど影響を与えることなくゲート電極とコンタクトプラグとの間における寄生容量の低減を図ることができる。
【0024】
本発明の第1の半導体装置の製造方法では、工程(d)は、半導体基板上に保護膜を形成する工程(d1)と、ソースドレイン領域上の保護膜を貫通して設けられたコンタクトホール内にコンタクトプラグを形成する工程(d2)と、工程(d2)の後に保護膜を除去する工程(d3)とを備えていることが好ましい。
【0025】
本発明の第1の半導体装置の製造方法では、工程(b)の後で、工程(d)の前に、ゲート電極の側面上に断面形状がL字状のサイドウォールを形成する工程(f)と、工程(f)の後に、半導体基板上にゲート電極を覆い、且つ、サイドウォールに接するように下地絶縁膜を形成する工程(g)とを備えていることが好ましく、工程(e)では、下地絶縁膜上に接して応力絶縁膜を形成することが好ましい。
【0026】
本発明の第2の半導体装置の製造方法は、半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程(a)と、ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程(b)と、半導体基板におけるゲート電極の側方下にソースドレイン領域を形成する工程(c)と、工程(c)の後に、ゲート電極の側面上に熱分解特性を有する保護サイドウォールを形成する工程(d)と、工程(d)の後に、半導体基板上に応力絶縁膜を形成する工程(e)と、工程(e)の後に、ソースドレイン領域の一部分上の応力絶縁膜を貫通してゲート電極の一部分に対向するコンタクトプラグを形成する工程(f)と、工程(f)の後に、熱処理により保護サイドウォールを熱分解させて空洞を形成する工程(g)とを備えている。工程(d)は、ゲート電極とコンタクトプラグとの間に位置する領域のみに保護サイドウォールを形成する工程を含んでいる。工程(g)では、ゲート電極の側方のうち、ゲート電極とコンタクトプラグとの間に位置する領域のみに空洞が設けられ、応力絶縁膜は、半導体基板におけるゲート電極の直下に位置するチャネル領域に対して応力を生じる。
【0027】
このような製造方法では、上記本発明の第1の半導体装置の製造方法で得られる効果と同一の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る半導体装置及びその製造方法によると、ゲート電極の側方のうち、ゲート電極とソースドレイン領域に接続されたコンタクトプラグ間に位置する領域のみに空洞を設け、その他の領域は空洞を介さずに応力絶縁膜が形成されている。この構成によれば、空洞によってゲート電極とソースドレイン領域に接続されたコンタクトプラグ間の寄生容量の低減が図れるとともに、応力絶縁膜によってキャリア移動度の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置について図面を参照しながら説明する。図1(a)〜(c)は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を示した図であり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるIB−IB'線における断面図、(c)は(a)におけるIC−IC'線における断面図である。
【0030】
本実施形態に係る半導体装置は、図1(b)及び(c)に示すように、半導体基板10における素子分離領域11に囲まれた活性領域10Aと、活性領域10Aを含む半導体基板10に素子分離領域11よりも深い位置まで形成されたp型ウェル領域12と、活性領域10A上に形成されたゲート絶縁膜13と、ゲート絶縁膜13上に形成されたポリシリコン膜からなるゲート電極14と、ゲート電極14の側面上に形成された断面形状がI字状のオフセットスペーサ15と、活性領域10Aにおけるゲート電極14の側方下の領域に形成されたn型エクステンション領域16と、ゲート電極14の側面上にオフセットスペーサ15を介して形成された断面形状がL字状の内側サイドウォール17aと、活性領域10Aにおける内側サイドウォール17aの外側方下の領域に形成されたn型ソースドレイン領域19と、ゲート電極14を覆い、且つ、内側サイドウォール17aに接するように半導体基板10上に形成された下地絶縁膜20と、活性領域10Aを覆うように下地絶縁膜20上に形成された応力絶縁膜23と、応力絶縁膜23上に形成された層間絶縁膜25とが形成されている。そして、図1(a)及び(b)に示すように、n型ソースドレイン領域19上に応力絶縁膜23及び下地絶縁膜20を貫通して設けられたコンタクトホール18と、コンタクトホール18内に埋め込まれ、n型ソースドレイン領域19に電気的に接続された導電材料からなるコンタクトプラグ22とを備えている。そして、ゲート電極14の側方のうち、ゲート電極14とコンタクトプラグ22とが対向している領域、すなわちゲート電極14の側面上に形成された下地絶縁膜20とコンタクトプラグ22との間に位置する領域には、図1(a)及び(b)に示すように、応力絶縁膜23が完全に充填されずに形成され、周囲を応力絶縁膜23に囲まれた空洞24が形成されている。一方、ゲート電極14の側方のうち、ゲート電極14とコンタクトプラグ22とが対向していない領域、すなわちゲート電極14の側方にコンタクトプラグ22が形成されていない領域には、図1(c)に示すように、空洞24は形成されておらず、ゲート電極14の側面上に内側サイドウォール17aを介して形成された下地絶縁膜20に接して応力絶縁膜23が形成されている。この応力絶縁膜23は、チャネル領域におけるゲート長方向(チャネル長方向)に対して引っ張り応力を生じさせる。なお、空洞24のゲート幅方向の寸法は、コンタクトプラグ22のゲート幅方向の寸法と同じ、又はそれよりも小さい。
【0031】
第1の実施形態の半導体装置によれば、ゲート電極14とコンタクトプラグ22との間に空洞24が形成されているため、ゲート電極14とコンタクトプラグ22との間における寄生容量の低減を図ることができる。さらに、半導体基板10上には、ゲート電極14を覆うように活性領域10A上に応力絶縁膜23が形成されているため、活性領域10Aにおけるゲート電極14の直下に位置するチャネル領域のゲート長方向に対して引っ張り応力が印加されるので、電子の移動度が向上しn型MISトランジスタの駆動力を高めることができる。このとき、空洞24は、ゲート電極14とコンタクトプラグ22との間にしか形成されていないので、応力絶縁膜23によるチャネル領域への引っ張り応力の印加に対してほとんど影響を与えない。
【0032】
図2(a)〜(c)、図3(a)〜(c)及び図4(a1)〜(c1)、(a2)〜(c2)は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。図2(a)〜(c)、図3(a)〜(c)及び図4(a1)〜(c1)は、図1(a)におけるIB−IB'線における断面図であり、図4(a2)〜(c2)は、図1(a)におけるIC−IC'線における断面図である。
【0033】
まず、図2(a)に示すように、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法により、例えば面方位が(100)面の主面を持つシリコン(Si)からなる半導体基板10の上部に、トレンチ内に絶縁膜が埋め込まれた素子分離領域11を選択的に形成する。その後、リソグラフィ法及びイオン注入法により、半導体基板10に、例えばB(ボロン)等のp型不純物を注入して、p型ウェル領域12を形成する。その後、半導体基板10上の全面に、例えば膜厚が2nmのシリコン酸窒化膜、膜厚が100nmのポリシリコン膜を成膜する。その後、フォトリソグラフィ法及びドライエッチング法により、ポリシリコン膜及びシリコン酸窒化膜を順次パターニングして、素子分離領域11によって囲まれた半導体基板10からなる活性領域10A上に、シリコン酸窒化膜からなるゲート絶縁膜13及びポリシリコン膜からなるゲート電極14を形成する(工程(a)及び工程(b))。
【0034】
次に、半導体基板10上の全面に、膜厚が5nmのシリコン酸化膜を形成した後、シリコン酸化膜をエッチバックすることにより、ゲート電極14の側面上に断面形状がI字状のオフセットスペーサ15を形成する。その後、活性領域10Aに、ゲート電極14及びオフセットスペーサ15をマスクにして、n型不純物であるリンをドーズ量4×1014ions/cm2で注入してn型エクステンション領域16を形成する。
【0035】
次に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、半導体基板10上の全面に、例えば膜厚が5nmのシリコン酸化膜と膜厚30nmのシリコン窒化膜とを順次堆積した後、シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜からなる積層膜をエッチバックすることにより、ゲート電極14の側面上にオフセットスペーサ15を介してサイドウォール17を形成する。サイドウォール17は、シリコン酸化膜からなる断面形状がL字状の内側サイドウォール17aと、内側サイドウォール17a上に形成されたシリコン窒化膜からなる外側サイドウォール17bとで構成されている(工程(f))。
【0036】
その後、ゲート電極14、オフセットスペーサ15及びサイドウォール17をマスクにして、活性領域10Aにn型不純物であるリンをドーズ量4×1015ions/cm2でイオン注入した後、熱処理を行ってn型ソースドレイン領域19を形成する(工程(c))。
【0037】
次に、図2(b)に示すように、サイドウォール17のうち外側サイドウォール17bを選択的に除去して、内側サイドウォール17aのみを残存させる。
【0038】
次に、図2(c)に示すように、半導体基板10上の全面に、シリコン窒化膜からなる厚さ2nm〜5nmの下地絶縁膜20を形成した後(工程(g))、下地絶縁膜20上にシリコン酸化膜からなる保護膜21を形成する(工程(d1))。その後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)によって保護膜21の上面の平坦化を行なう。
【0039】
次に、図3(a)に示すように、下地絶縁膜20及び保護膜21に、下地絶縁膜20及び保護膜21を貫通しn型ソースドレイン領域19に到達するコンタクトホール18を形成する。
【0040】
次に、図3(b)に示すように、コンタクトホール18を含む保護膜21上に導電材料を形成した後、CMP法により保護膜21上の不要な導電材料を除去することにより、コンタクトホール18内にコンタクトプラグ22を形成する(工程(d2))。コンタクトプラグ22は、例えばTiNからなるバリア膜上にタングステンからなる導電膜が形成された構成を有している。
【0041】
次に、図3(c)に示すように、下地絶縁膜20をエッチングストッパーとして保護膜21を選択的に除去する(工程(d3))。これにより、n型ソースドレイン領域19上にコンタクトプラグ22が突出した構造で残存する。ここで、保護膜21として例えばPSG(phosphorus Doped Silicon Glass)膜を用いれば、希フッ酸溶液によるウェットエッチングにより下地絶縁膜20及びコンタクトプラグ22に対して選択的に除去することができる。このとき、素子分離領域11は、下地絶縁膜20によって覆われているためエッチングされることない。
【0042】
次に、図4(a1)及び(a2)に示すように、半導体基板10上の全面にシリコン窒化膜からなる厚さ50nm程度の応力絶縁膜23を形成する(工程(e))。このとき、ゲート電極14とコンタクトプラグ22との間隔が狭いため、応力絶縁膜23によってゲート電極14とコンタクトプラグ22との間の領域が完全に埋まらず空洞24が形成される。なお、ゲート電極14とコンタクトプラグ22との間隔は、空洞24を形成するために50nm以下であることが望ましい。また、応力絶縁膜23は、例えば水素を含むシリコン窒化膜を形成した後、UVキュア処理を行うことによって形成することができ、シリコン窒化膜中の水素を放出させてシリコン窒化膜自体を収縮させることによって、チャネル領域におけるゲート長方向に対して引っ張り応力を生じさせる。ここで、応力絶縁膜23は、例えば厚さ5nmのシリコン窒化膜で形成する工程とUVキュアする工程を繰り返して、厚さ50nm程度にしても良い。
【0043】
次に、図4(b1)及び(b2)に示すように、応力絶縁膜23が形成された半導体基板10上の全面に、シリコン酸化膜からなる層間絶縁膜25を形成する。その後、CMP法によって層間絶縁膜25の上面の平坦化を行なう。
【0044】
次に、図4(c1)及び(c2)に示すように、CMP法によって、コンタクトプラグ22上に形成されている層間絶縁膜25及び応力絶縁膜23を研磨除去して、コンタクトプラグ22の上面を露出させる。このとき、CMP法による研磨除去は、層間絶縁膜25の研磨レートと応力絶縁膜23の研磨レートが同じ程度の条件で行うことが望ましい。
【0045】
以上の工程を以って本実施形態に係るN型MISトランジスタを有する半導体装置を製造することができる。
【0046】
なお、本実施形態では、金属シリサイド膜を形成していないが、必要に応じてゲート電極14及びn型ソースドレイン領域19の上に金属シリサイド膜を形成しても良い。例えば、図2(a)において、n型ソースドレイン領域19を形成した後、半導体基板10の上に、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)又は白金(Pt)等からなる金属膜を堆積し、堆積した金属膜をアニールすることにより、ゲート電極14及び、n型ソースドレイン領域19の各上部に金属シリサイド層を形成しても良い。この場合、n型ソースドレイン領域19とコンタクトプラグ22とは金属シリサイド層を介して接続される。
【0047】
第1の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、ゲート電極14とコンタクトプラグ22との間のみに空洞24を自己整合的に形成するとともに、ゲート電極14を覆うように活性領域10A上に応力絶縁膜23が形成することができる。これにより、ゲート電極14とコンタクトプラグ22との間における寄生容量の低減を図ることができるとともに、活性領域10Aにおけるゲート電極14の直下に位置するチャネル領域のゲート長方向に対して引っ張り応力を印加することができる応力絶縁膜23を形成することができる。
【0048】
また、第1の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、ゲート電極14とコンタクトプラグ22との間隔が狭いため、具体的には、その間隔が50nm以下であるため、ゲート電極14とコンタクトプラグ22との間に自己整合的に空洞24を形成することができる。よって、比較的簡便な方法により、応力絶縁膜によるチャネル領域への引っ張り応力の印加に対してほとんど影響を与えることなくゲート電極とコンタクトプラグとの間における寄生容量の低減を図ることができる。さらに、半導体装置の小型化に貢献することもできる。
【0049】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る半導体装置について図面を参照しながら説明する。図5(a)〜(c)は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置を示した図であり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるVB−VB'線における断面図、(c)は(a)におけるVC−VC'線における断面図である。
【0050】
本実施形態に係る半導体装置は、図5(b)及び(c)に示すように、半導体基板10における素子分離領域11に囲まれた活性領域10Aと、活性領域10Aを含む半導体基板10に素子分離領域11よりも深い位置まで形成されたp型ウェル領域12と、活性領域10A上に形成されたゲート絶縁膜13と、ゲート絶縁膜13上に形成されたポリシリコン膜からなるゲート電極14と、ゲート電極14の側面上に形成された断面形状がI字状のオフセットスペーサ15と、活性領域10Aにおけるゲート電極14の側方下の領域に形成されたn型エクステンション領域16と、ゲート電極14の側面上にオフセットスペーサ15を介して形成された断面形状がL字状の内側サイドウォール17aと、活性領域10Aにおける内側サイドウォール17aの外側方下の領域に形成されたn型ソースドレイン領域19と、ゲート電極14を覆うように活性領域10A上に形成された応力絶縁膜23と、応力絶縁膜23上に形成された層間絶縁膜25とが形成されている。そして、図5(a)及び(b)に示すように、n型ソースドレイン領域19上に応力絶縁膜23及び層間絶縁膜25を貫通して設けられたコンタクトホール18と、コンタクトホール18内に埋め込まれ、n型ソースドレイン領域19に電気的に接続された導電材料からなるコンタクトプラグ22とを備えている。そして、ゲート電極14の側方のうち、ゲート電極14とコンタクトプラグ22とが対向している領域、すなわちゲート電極14とコンタクトプラグ22との間に位置する領域には、内側サイドウォール17aと応力絶縁膜23とに挟まれた空洞31が形成されている。一方、ゲート電極14の側方のうち、ゲート電極14とコンタクトプラグ22とが対向していない領域、すなわちゲート電極14の側方にコンタクトプラグ22が形成されていない領域には、空洞31が形成されておらず、内側サイドウォール17aに接して応力絶縁膜23が形成されている。この応力絶縁膜23は、チャネル領域におけるゲート長方向に対して引っ張り応力を生じさせる。なお、空洞31は、熱分解特性を有するポリマーが熱分解されて形成された空洞である。
【0051】
第2の実施形態の半導体装置によれば、ゲート電極14とコンタクトプラグ22との間に空洞31が形成されているため、ゲート電極14とコンタクトプラグ22との間における寄生容量の低減を図ることができる。さらに、半導体基板10上には、ゲート電極14を覆うように活性領域10A上に応力絶縁膜23が形成されているため、活性領域10Aにおけるゲート電極14の直下に位置するチャネル領域のゲート長方向に対して引っ張り応力が印加されるので、電子の移動度が向上しn型MISトランジスタの駆動力を高めることができる。このとき、空洞31は、ゲート電極14とコンタクトプラグ22との間にしか形成されていないので、応力絶縁膜23によるチャネル領域への引っ張り応力の印加に対してほとんど影響を与えない。
【0052】
図6(a1)〜(d1)及び(a2)〜(d2)は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。図6(a1)〜(d1)は、図5(a)におけるVB−VB'線における断面図であり、図6(a2)〜(d2)は、図5(a)におけるVC−VC'線における断面図である。
【0053】
まず、図2(a)及び(b)と同様な工程によって、図2(b)に示すような構成を形成する。
【0054】
次に、図6(a1)及び(a2)に示すように、半導体基板10上の全面に、熱分解特性を有する保護材料、例えば400℃程度の熱処理で熱分解するポリマー膜を形成する。その後、ポリマー膜の異方性エッチングを行って、ゲート電極14の側面上に内側サイドウォール17aを介してポリマー膜からなる保護サイドウォール30を形成する(工程(d))。
【0055】
次に、図6(b1)及び(b2)に示すように、後工程で形成されるコンタクトプラグ22とゲート電極14との間に位置する部分、すなわち、図5(a)に示すように後工程で空洞31を形成する部分に保護サイドウォール30を残存させ、その他の部分の保護サイドウォール30を除去する。例えば、保護サイドウォール30を残存させる部分上をレジストで覆って不要な保護サイドウォールを除去する。その後、半導体基板10上の全面にシリコン窒化膜からなる厚さ50nm程度の応力絶縁膜23を形成する(工程(e))。このとき、応力絶縁膜23は、例えば水素を含むシリコン窒化膜を形成した後、UVキュア処理を行うことによって形成することができ、シリコン窒化膜中の水素を放出させてシリコン窒化膜自体を収縮させることによって、チャネル領域におけるゲート長方向に対して引っ張り応力を生じさせる。その後、応力絶縁膜23が形成された半導体基板10上の全面に、シリコン酸化膜からなる層間絶縁膜25を形成した後、CMP法によって層間絶縁膜25の上面の平坦化を行なう。これにより、保護サイドウォール30が形成されている部分は、図6(b1)に示すようにゲート電極14の側面上に保護サイドウォール30を介して応力絶縁膜23が形成される一方、保護サイドウォール30が形成されていない部分は、図6(b2)に示すようにゲート電極14の側面上に形成された内側サイドウォール17aに接して応力絶縁膜23が形成される。
【0056】
次に、図6(c1)及び(c2)に示すように、応力絶縁膜23及び層間絶縁膜25に、応力絶縁膜23及び層間絶縁膜25を貫通しn型ソースドレイン領域19に到達するコンタクトホール18を形成する。その後、コンタクトホール18を含む層間絶縁膜25上に導電材料を形成した後、CMP法により層間絶縁膜25上の不要な導電材料を除去することにより、コンタクトホール18内にコンタクトプラグ22を形成する(工程(f))。コンタクトプラグ22は、例えばTiNからなるバリア膜上にタングステンからなる導電膜が形成された構成を有している。
【0057】
次に、図6(d1)及び(d2)に示すように、半導体基板10に対して450℃程度の熱処理を施すことにより(工程(g))、熱分解特性を有する保護サイドウォール30が熱分解されて空洞31が形成される。
【0058】
以上の工程を以って本実施形態に係るN型MISトランジスタを有する半導体装置を製造することができる。
【0059】
なお、本実施形態では、金属シリサイド膜を形成していないが、第1の実施形態と同様に、必要に応じてゲート電極14及びn型ソースドレイン領域19の上に金属シリサイド膜を形成しても良い。
【0060】
第2の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、ゲート電極14とコンタクトプラグ22との間のみに熱分解特性を有する保護サイドウォール30を形成した後、ゲート電極14を覆うように活性領域10A上に応力絶縁膜23が形成し、その後に保護サイドウォール30を熱分解して空洞31を形成することができる。これにより、ゲート電極14とコンタクトプラグ22との間における寄生容量の低減を図ることができるとともに、活性領域10Aにおけるゲート電極14の直下に位置するチャネル領域のゲート長方向に対して引っ張り応力を印加することができる応力絶縁膜23を形成することができる。
【0061】
なお、第1、第2の実施形態では、n型MISトランジスタを用いて説明したが、p型MISトランジスタであっても応力絶縁膜として圧縮応力を有する膜を用いることで、同様の効果を得ることができえる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、寄生容量の低減及び駆動能力の向上が必要なMISトランジスタを備えた半導体装置及びその製造に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】(a)〜(c)は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を示し、(a)は平面図、(b)は(a)におけるIB−IB'線における断面図、(c)は(a)におけるIC−IC'線における断面図である。
【図2】(a)〜(c)は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図3】(a)〜(c)は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図4】(a1)〜(c1)及び(a2)〜(c2)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図であり、(a1)〜(c1)は図1(a)におけるIB−IB'線における断面図であり、(a2)〜(c2)は図1(a)におけるIC−IC'線における断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置を示し、(a)は平面図、(b)は(a)におけるVB−VB'線における断面図、(c)は(a)におけるVC−VC'線における断面図である。
【図6】(a1)〜(d1)及び(a2)〜(d2)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図であり、(a1)〜(d1)は図5(a)におけるVB−VB'線における断面図であり、(a2)〜(d2)は図5(a)におけるVC−VC'線における断面図である。
【図7】従来における半導体装置の断面図である。
【符号の説明】
【0064】
10 半導体基板
10A 活性領域
11 素子分離領域
12 p型ウェル領域
13 ゲート絶縁膜
14 ゲート電極
15 オフセットスペーサ
16 n型エクステンション領域
17 サイドウォール
17a 内側サイドウォール
17b 外側サイドウォール
18 コンタクトホール
19 n型ソースドレイン領域
20 下地絶縁膜
21 保護膜
22 コンタクトプラグ
23 応力絶縁膜
24 空洞
25 層間絶縁膜
30 保護サイドウォール
31 空洞

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、
前記半導体基板における前記ゲート電極の側方下に形成されたソースドレイン領域と、
前記ソースドレイン領域の一部分の上に、前記ゲート電極の一部分に対向するように形成されたコンタクトプラグと、
前記半導体基板上に前記ゲート電極を覆うように形成された応力絶縁膜とを備え、
前記ゲート電極の側方のうち、前記ゲート電極と前記コンタクトプラグとの間に位置する領域のみに空洞が設けられており、
前記応力絶縁膜は、前記半導体基板における前記ゲート電極の直下に位置するチャネル領域に対して応力を生じる、半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記ソースドレイン領域上に形成された金属シリサイド層を備え、
前記コンタクトプラグは、前記金属シリサイド層に接続されている、半導体装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の半導体装置において、
前記コンタクトプラグは、前記応力絶縁膜を貫通して設けられている、半導体装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記ゲート電極の側面上に形成された断面形状がL字状のサイドウォールと、
前記半導体基板上に前記ゲート電極を覆うように、前記サイドウォールに接して形成された下地絶縁膜とを備え、
前記応力絶縁膜は、前記下地絶縁膜上に接して形成されており、
前記空洞は、前記ゲート電極の側面上に前記サイドウォールを介して形成された前記下地絶縁膜と前記コンタクトプラグとの間に形成されている、半導体装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記空洞は、前記応力絶縁膜によって周囲を囲まれている、半導体装置。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記空洞のゲート幅方向の寸法は、前記コンタクトプラグのゲート幅方向の寸法と同じ、又はそれよりも小さい、半導体装置。
【請求項7】
請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記ゲート電極の側面上に形成された断面形状がL字状のサイドウォールとを備え、
前記応力絶縁膜は、前記空洞が形成されている領域以外は前記サイドウォールに接して形成されており、
前記空洞は、前記ゲート電極の側面上に形成された前記サイドウォールと前記応力絶縁膜との間に形成されている、半導体装置。
【請求項8】
請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記ソースドレイン領域は、n型拡散領域からなり、
前記応力絶縁膜は、前記チャネル領域におけるチャネル長方向に対して引っ張り応力を生じる、半導体装置。
【請求項9】
半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程(a)と、
前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程(b)と、
前記半導体基板における前記ゲート電極の側方下にソースドレイン領域を形成する工程(c)と、
前記ソースドレイン領域の一部分の上に、前記ゲート電極の一部分に対向するようにコンタクトプラグを形成する工程(d)と、
前記工程(d)の後に、前記半導体基板上に応力絶縁膜を形成する工程(e)とを備え、
前記工程(e)は、前記応力絶縁膜を形成するともに、前記ゲート電極の側方のうち、前記ゲート電極と前記コンタクトプラグとの間に位置する領域のみに空洞を設ける工程を含み、
前記応力絶縁膜は、前記半導体基板における前記ゲート電極の直下に位置するチャネル領域に対して応力を生じる、半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(d)は、前記半導体基板上に保護膜を形成する工程(d1)と、前記ソースドレイン領域上の前記保護膜を貫通して設けられたコンタクトホール内に前記コンタクトプラグを形成する工程(d2)と、前記工程(d2)の後に前記保護膜を除去する工程(d3)とを備えている、半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(b)の後で、前記工程(d)の前に、前記ゲート電極の側面上に断面形状がL字状のサイドウォールを形成する工程(f)と、前記工程(f)の後に、前記半導体基板上に前記ゲート電極を覆い、且つ、前記サイドウォールに接するように下地絶縁膜を形成する工程(g)とを備え、
前記工程(e)では、前記下地絶縁膜上に接して前記応力絶縁膜を形成する、半導体装置の製造方法。
【請求項12】
半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程(a)と、
前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程(b)と、
前記半導体基板における前記ゲート電極の側方下にソースドレイン領域を形成する工程(c)と、
前記工程(c)の後に、前記ゲート電極の側面上に熱分解特性を有する保護サイドウォールを形成する工程(d)と、
前記工程(d)の後に、前記半導体基板上に応力絶縁膜を形成する工程(e)と、
前記工程(e)の後に、前記ソースドレイン領域の一部分上の前記応力絶縁膜を貫通して前記ゲート電極の一部分に対向するコンタクトプラグを形成する工程(f)と、
前記工程(f)の後に、熱処理により前記保護サイドウォールを熱分解させて空洞を形成する工程(g)とを備え、
前記工程(d)は、前記ゲート電極と前記コンタクトプラグとの間に位置する領域のみに前記保護サイドウォールを形成する工程を含み、
前記工程(g)では、前記ゲート電極の側方のうち、前記ゲート電極と前記コンタクトプラグとの間に位置する領域のみに空洞が設けられ、
前記応力絶縁膜は、前記半導体基板における前記ゲート電極の直下に位置するチャネル領域に対して応力を生じる、半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−157588(P2010−157588A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−334547(P2008−334547)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】