説明

硫黄置換スルホニルアミノカルボン酸N−アリールアミド、それらの製造、それらの使用、及びそれらを含む医薬製剤

【課題】サイクリックグアノシン一リン酸 (cGMP)の体産生を調節することができ、乱れたcGMPバランスに関連した疾患の治療及び予防に適している化合物を提供する。
【解決手段】式(I)で表わされる化合物。該化合物は、心血管系疾患の治療及び予防のための、価値ある薬学的活性化合物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式I:
【化4】

(式中、A1、A2、R1、R2、R3、X及びnは、下記に定義した通りである)の化合物に関し、これらは、例えば、心血管系疾患(高血圧、狭心症、心不全、血栓症又はアテローム性動脈硬化症など)の疾患の治療及び予防のための、価値ある薬学的活性化合物である。式Iの化合物は、サイクリックグアノシン一リン酸(cGMP)の体産生を調節することができ、そして、一般的に、乱れたcGMPバランスに関連した疾患の治療及び予防に適している。本発明は、さらに、式Iの化合物の製造方法、上述の疾患の治療及び予防のための、及びこの目的のために医薬を製造するためのそれらの使用、並びに、式Iの化合物を含む医薬製剤に関する。
【0002】
cGMPは、重要な細胞内メッセンジャーであり、これにより、cGMP依存性プロテインキナーゼ、ホスホジエステラーゼ及びイオンチャンネルの調節を介して、多様な異なる影響が引き起こされる。例えば、平滑筋の弛緩、血小板活性化阻害、並びに平滑筋細胞の増殖阻害及び白血球癒着阻害などである。cGMPは、多くの細胞外及び細胞内刺激への応答として、粒状及び溶解性グアニル酸シクラーゼにより産生される。粒状グアニル酸シクラーゼの場合には、刺激は、ペプチド性メッセンジャー(例えば、心房ナトリウム排泄増加性ペプチド又は脳ナトリウム排泄増加性ペプチドなど)によって本質的に影響される。これに対して、溶解性グアニル酸シクラーゼ(sGC)(これは、サイトゾルヘテロ四量体ヘムタンパクである)は、酵素的に生成した1群の低分子量ファクターによって本質的に調節される。最も重要な刺激物は、一酸化窒素(NO)又はこれに密接に関係した種である。他のファクター(例えば、一酸化炭素又はヒドロキシルラジカル)の機能は、まだ不明確である。5配位ヘム−ニトロシル錯体の形成による、NOのヘムへの結合は、NOによる活性化の活性化メカニズムとして議論されている。基底状態で鉄に結合しているヒスチジンの誘起された遊離により、酵素が活性コンフォーメーションに変化する。
【0003】
活性のある溶解性グアニル酸シクラーゼは、α及びβサブユニットのそれぞれから成る。配列、組織特異的分布、及び異なる成長段階での発現に関してお互いに異なる、いくつかのサブユニットのサブタイプが記述されてきた。サブタイプα1及びβ1は、主に脳及び肺で発現し、一方、β2は、特に肝臓と腎臓で見られる。サブタイプα2は、ヒト胎児の脳に存在することが示された。α3及びβ3と呼ばれるサブユニットは、ヒト脳から単離されたが、α1及びβ1と相同である。さらに最近の研究によれば、触媒性ドメイン中に挿入を含むα2iサブユニットが示されている。すべてのサブユニットは、触媒性ドメイン領域において、高いホモロジーを示す。この酵素は、多分ヘテロダイマー当たり1個のヘム(これはβ1−Cys−78及び/又はβ1−His−105によって結合しており、調節中心の部分である)を含む。
【0004】
病的状態下、グアニル酸シクラーゼ活性化因子の生成が減少することがあるか、あるいは、これらの分解が、フリーラジカル発生の増加のため、促進されることもある。sGCの活性化の生じた減少により、各々のcGMP媒介細胞応答の弱体化を介して、例えば、血圧上昇、血小板活性化、又は細胞増殖及び細胞接着の増加につながる。結果として、内皮機能障害、アテローム性動脈硬化症、高血圧、安定若しくは不安定狭心症、血栓症、心筋梗塞、発作又は勃起不全が起こる。sGCの薬理学的刺激によって、cGMP産生を正常化する可能性が提供され、それ故、そうした疾患の治療及び/又は予防が可能になる。
【0005】
sGCの薬理学的刺激のために、その活性が中間体であるNO遊離に基づく化合物(例えば 有機硝酸塩)が、従来ほとんど排他的に使用されてきた。この治療の欠点は、耐性が進展すること、効果が減少すること、及びこのために必要量が高いことである。
【0006】
NOを介して作用しない多様なsGC刺激物が、一連の刊行物において、ベセレイ(Vesely)らによって記載された。しかしながら、その化合物(これらの大部分は、ホルモン、植物ホルモン、ビタミン又は天然化合物{例えば、トカゲの毒}は、主として細胞溶解物におけるcGMP形成に弱い作用を示しただけであった(D. L. Vesely, Eur. J. Clin. Invest. 15(1985)258; D. L. Vesely, Biochem. Biophys. Res. Comm. 88 (1979)1244)。プロトポルフィリンIXによるヘム−フリーのグアニル酸シクラーゼの刺激が、イグナロ(Ignarro)らにより示された(Adv. Pharmacol. 26(1994)35)。ペッティボン(Pettibone)ら(Eur. J. Pharmacol. 116(1985)307)は、ジフェニルイオドニウム ヘキサフルオロホスフェートの血圧降下作用を記載し、そして、これをsGCの刺激によるものとした。ユ(Yu)ら(Brit. J. Pharmacol. 114(1995)1587)によれば、単離したラット大動脈に弛緩作用を示すイソリキリチゲニン(isoliquiritigenin)はまた、sGCを活性化する。コ(Ko)ら(Blood 84(1994)4226)、ユ(Yu)ら(Biochem. J. 306(1995)787)及びウ(Wu)ら(Brit. J. Pharmacol. 116(1995)1973)は、1−ベンジル−3−(5−ヒドロキシメチル−2−フリル)インダゾールのsGC−刺激活性を示し、また抗増殖作用及び血小板阻害作用を示した。sGC−刺激活性を示す、ピラゾール及び縮合したピラゾールが、EP-A-908456及びDE-A-19744027に記載されている。
【0007】
一連の2−スルホニルアミノ安息香酸N−アリールアミド(このN−アリール基は、チオ置換基を結合している)が、文献で述べられてきた。これらの化合物[ここで、N−アリール基は、一般にさらなる置換基(これは、容易に酸化することができ{例えば、2個のヒドロキシ基は互いにパラ位にある}、そして、これは、この場合、ヒドロキノン誘導体としてみなすことができる)として結合している] は、写真材料の製造のための補助品である(例えば、Chemical Abstracts 119, 105757; 120, 41858; 123, 70224又は126, 257007を参照)。もし別々の構造要素を考慮するならば、これらの公知化合物中のN−アリール基は、式I中の基R1−S(O)n−A1に相当し、この場合、A1は、2位及び5位においてヒドロキシ基(又はオキシ置換基)を結合している、1,4−フェニレン残基を表わし、かつ、n値は0である。英国特許公報876526(Chemical Abstracts 56, 15432e)には、蛾に対する羊毛の保護のために使用される3,5−ジクロロ−2−メチルスルホニルアミノ安息香酸N−(5−クロロ−2−(4−クロロフェニルメルカプト)−フェニル)−アミドが開示されている。GB-A-876526によってカバーされる化合物は、 もし同時に、環A1(これは、基C(=X)−NH−及びNH−SO22を結合している炭素原子を含む)が、残基R3と一緒に、塩素及び臭素の群から選択された1個ないし4個のハロゲン原子を結合するベンゼン環であり、R2が(C1−C4)−アルキルであり、Xが酸素であり、かつ、基R1−S(O)n−A1−がフェニルメルカプトフェニル−残基(=フェニルチオフェニル−)(これは、ハロゲン及び/又はトリフルオロメチルによって置換されていてもよく、また、これはメチル又は(C1−C4)−アルコキシによって置換されていてもよい)であり、かつ、ハロゲン原子及びトリフルオロメチル基の全体の数が2個以上であるならば、式Iの化合物に相当する。これらの公知の2−スルホニルアミノ安息香酸N−アリールアミドの薬理学的活性は開示されていない。
【0008】
驚くべきことに、本発明の化合物は、グアニル酸シクラーゼの強い活性化に影響し、それ故、低cGMPレベルと関連した疾患の治療及び予防に適当であることが今般見出された。
【0009】
従って、本発明は、式I:
【化5】

[式中、A1は、フェニレン、ナフチレン及びヘテロアリ−レン(これらはすべて、ハロゲン、(C1−C5)−アルキル、フェニル、トリル、CF3、NO2、OH、−O−(C1−C5)−アルキル、−O−(C2−C4)−アルキル−O−(C1−C3)−アルキル、(C1−C2)−アルキレンジオキシ、NH2、−NH−(C1−C3)−アルキル、−N((C1−C3)−アルキル)2、−NH−CHO、−NH−CO−(C1−C5)−アルキル、−CN、−CO−NH2、−CO−NH−(C1−C3)−アルキル、−CO−N((C1−C3)−アルキル)2、−CO−OH、−CO−O−(C1−C5)−アルキル、ヘテロシクリル、CHO、−CO−(C1−C5)−アルキル、−S(O)n−(C1−C4)−アルキル、−S(O)n−フェニル及び−S(O)n−トリルの群から選択された、1個以上の同一又は異なった置換基で置換されてもよい)の群から選択された2価残基であり;
【0010】
環A2(これは基C(=X)−NH−及びNH−SO22を結合する炭素原子を含む)は、ベンゼン環、ナフタレン環、飽和若しくは部分的不飽和の3員ないし7員炭素環、飽和若しくは部分的不飽和若しくは芳香族の単環式5員ないし7員複素環(これは、N、O及びSの群から選択された、1個以上の環ヘテロ原子を含む)又は飽和若しくは部分的不飽和若しくは芳香族の2環式8員ないし10員複素環(これは、N、O及びSの群から選択された、1個以上の環ヘテロ原子を含む)であり;
【0011】
1は、アリール、ヘテロシクリル又は(C1−C18)−アルキル(これは、1個以上の同一又は異なった残基R4で置換されていてもよい)、あるいは、もし基R1−S(O)n−中のn値が2なら、R1はまたNR56であってもよく、あるいは、もし基R1−S(O)n−中のn値が0なら、R1はまた−CNであってもよく;
【0012】
2は、アリール、ヘテロシクリル、NR56又は(C1−C10)−アルキル(これは、1個以上の同一又は異なった残基R4で置換されていてもよい)であり;
【0013】
3は、水素、ハロゲン、CF3、OH、−O−(C1−C7)−アルキル、−O−(C2−C4)−アルキル−O−(C1−C7)−アルキル、−O−アリール、(C1−C2)−ア
ルキレンジオキシ、NO2、−CN、NR78、−CO−NR78、−CO−OH、−CO−O−(C1−C5)−アルキル、ヘテロシクリル、−S(O)n−(C1−C5)−アルキル及び(C1−C5)−アルキル(これらは、1個以上の同一又は異なった残基R4で置換されていてもよい)の群から選択された、1個以上の同一又は異なった残基を表わし;
【0014】
4は、フッ素、OH、−O−(C1−C10)−アルキル、−O−(C2−C4)−アルキル−O−(C1−C7)−アルキル、−O−アリール、−CN、NR78、−CO−NH2、−CO−NH−(C1−C3)−アルキル、−CO−N((C1−C3)−アルキル)2、−CO−OH、−CO−O−(C1−C5)−アルキル、ヘテロシクリル又はオキソであり;
【0015】
5は、水素、(C1−C10)−アルキル(これは、1個以上の同一又は異なった置換基R4で及び/又はアリールで置換されていてもよい)であり、あるいは、アリール、ヘテロシクリル、−CO−NR78、−CO−アリール又は−CO−(C1−C10)−アルキルであり(ここで、アルキル残基は、1個以上の同一又は異なった残基R4で置換されていてもよい)であり;
【0016】
6は、R5から独立して、R5について示された意味の中の1つを持つか、又は、R5及びR6が、これらが結合している窒素原子と一緒に、5員ないし8員飽和若しくは部分的不飽和環(これは、基R5及びR6を結合する窒素原子に加えて、N、O及びSの群から選択された、1個以上のさらなる環ヘテロ原子を含んでもよく、また、これは、フッ素、(C1−C5)−アルキル、ヒドロキシ−(C1−C3)−アルキル−、−(C1−C3)−アルキル−O−(C1−C4)−アルキル、アリール、CF3、OH、−O−(C1−C7)−アルキル、−O−アリール、−O−(C2−C4)−アルキル−O−(C1−C7)−アルキル、(C2−C3)−アルキレンジオキシ、NR78、−CN、−CO−NH2、−CO−NH−(C1−C3)−アルキル、−CO−N((C1−C3)−アルキル)2、−CO−OH、−CO−O−(C1−C5)−アルキル、CHO、−CO−(C1−C5)−アルキル、−S(O)n−(C1−C4)−アルキル、−S(O)n−NH2、−S(O)n−NH−(C1−C3)−アルキル、−S(O)n−N((C1−C3)−アルキル)2、オキソ、−(CH2)m−NH2、−(CH2)m−NH−(C1−C4)−アルキル及び−(CH2)m−N((C1−C4)−アルキル)2{ここで、置換基−(CH2)m−N((C1−C4)−アルキル)2 中、2個のアルキル基が単結合によって結合し、そして、それらを結合する窒素原子と一緒に、5員ないし7員環〈これは、窒素原子及び炭素原子の他に、さらに酸素原子、硫黄原子又は基NR5を環員として含んでいてもよい〉を形成してもよい}の群から選択された、1個以上の同一又は異なった置換基で置換されていてもよい)を形成し;
【0017】
7は、水素又は(C1−C7)−アルキル(これは、OH、−O−(C1−C5)−アルキル、NH2、−NH−(C1−C4)−アルキル及び−N((C1−C4)−アルキル)2{ここで、置換基N((C1−C4)−アルキル)2中、2個のアルキル基は単結合によって結合して、そして、それらを結合する窒素原子と一緒に、5員ないし7員環〈これは、窒素原子及び炭素原子の他に、さらに酸素原子、硫黄原子又は基NR5を環員として含んでいてもよい〉を形成してもよい}の群から選択された、1個以上の同一又は異なった置換基で置換されていてもよい)であり;
8は、R7から独立して、R7の意味の一つを持つか、又は−CO−(C1−C4)−アルキルであり;
【0018】
アリールは、フェニル、ナフチル又はヘテロアリール(これらはすべて、ハロゲン、(C1−C5)−アルキル、フェニル、トリル、CF3、−O−CF3、NO2、OH、−O−(C1−C5)−アルキル、−O−(C2−C4)−アルキル−O−(C1−C3)−アルキル、(C1−C2)−アルキレンジオキシ、NH2、−NH−(C1−C3)−アルキル、−N((C1−C3)−アルキル)2、−NH−CHO、−NH−CO−(C1−C5)−アルキル
、−CN、−CO−NH2、−CO−NH−(C1−C3)−アルキル、−CO−N((C1−C3)−アルキル)2、−CO−OH、−CO−O−(C1−C5)−アルキル、ヘテロシクリル、CHO、−CO−(C1−C5)−アルキル、−S(O)n−(C1−C4)−アルキル、−S(O)n−フェニル及び−S(O)n−トリルの群から選択された、1個以上の同一又は異なった置換基で置換されていてもよい)であり;
【0019】
ヘテロアリール及びヘテロアリ−レンは、単環式5員若しくは6員芳香族複素環又は2環式8員ないし10員芳香族複素環(これらのそれぞれは、N、O及びSの群から選択された、1個以上の環ヘテロ原子を含む)の残基であり;
【0020】
ヘテロシクリルは、単環式又は多環式5員ないし11員飽和若しくは部分的不飽和複素環(これは、N、O及びSの群から選択された、1個以上の環ヘテロ原子を含み、また、これは、フッ素、(C1−C5)−アルキル、OH、−O−(C1−C5)−アルキル、−O−(C2−C4)−アルキル−O−(C1−C3)−アルキル、NH2、−NH−(C1−C3)−アルキル、−N((C1−C3)アルキル)2、−CN、−CO−NH2、−CO−NH−(C1−C3)−アルキル、−CO−N((C1−C3)−アルキル)2、−CO−OH及び−CO−O−(C1−C5)−アルキルの群から選択された、1個以上の同一又は異なった置換基で置換されていてもよい)の残基であり;
【0021】
nは、0、1又は2であり;
mは、2、3又は4であり;
Xは、O又はNHであるか、あるいは、Xは、窒素原子(これは、単結合によって基A1中の環炭素原子に結合しており、この環炭素原子は、基−NH−C(=X)−を結合しているA1中の炭素原子に直接隣接し、その結果、基−NH−C(=X)−は、それを結合しているA1中の炭素原子と一緒に、アニールしたイミダゾール環を形成する)である]
の化合物(すべてのその立体異性体の形態を含む)、及びその混合物(すべての比率を含む)、及びその生理学的に許容し得る塩;
【0022】
〔但し、同時に、環A2(これは、基C(=X)−NH−及びNH−SO22を結合する炭素原子を含む)が、3位及び5位で塩素により置換されたベンゼン環であり、R2がメチルであり、Xが酸素であり、かつ、R1−S(O)n−A1−が5−クロロ−2−(4−クロロフェニルメルカプト)フェニル残基である、式Iの化合物を除く〕に関する。
【0023】
もし、基又は置換基が、式Iの化合物中において数回現れ得る(例えば、R3、R4、R5、アリール、ヘテロシクリル、アルキルなど又はn値及びm値)ならば、これらはすべて、互いに独立して示された意味を持ち、それぞれの場合において同一又は異なっていてもよい。
【0024】
アルキル残基は、直鎖又は分岐鎖状であってもよい。このことはまた、これらが他の基の一部分であるとき、例えば、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基又はアミノ基中にあるとき、あるいは、これらが置換されているときにも当てはまる。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、これらの残基のn−異性体、イソプロピル、イソブチル、イソペンチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、3,3−ジメチルブチルである。ここでの用語「アルキル」はまた、特に不飽和アルキル残基、つまり、1個以上の2重結合及び/又は1個以上の三重結合を含むアルキル残基(例えば、アルケニル残基及びアルキニル残基)を含む。もちろん、不飽和アルキル基は、少なくとも2個の炭素原子を含む。その炭素原子数が1個から与えられた上限まで変化してもよい、特別のアルキル基はまた、それ故、その炭素原子数が2個から与えられた上限まで変化してもよい、
不飽和アルキル基を含む。そうした残基の例は、ビニル残基、1−プロペニル残基、2−プロペニル残基(アリル残基)、2−ブテニル残基、2−メチル−2−プロペニル残基、3−メチル−2−ブテニル残基、エチニル残基、2−プロピニル残基(プロパルギル残基)、2−ブチニル残基又は3−ブチニル残基である。さらに、ここでの用語「アルキル」はまた、特にアルキル基内の内部閉環により環系が形成するアルキル残基を含む、即ち、用語「アルキル」はまた、飽和及び部分的不飽和シクロアルキル残基並びにシクロアルキル−アルキル残基(シクロアルキルで置換されたアルキル)を含む。もちろん、単環式シクロアルキル基は、少なくとも3個の炭素原子を含む。その炭素原子数が1個から与えられた上限まで変化してもよい、特別のアルキル基はまた、それ故、その炭素原子数が3個から与えられた上限まで変化してもよい、単環式シクロアルキル基、及び適当なシクロアルキル−アルキル基を含む。そうしたシクロアルキル残基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチル(これらはすべて、1個以上の同一又は異なった(C1−C4)−アルキル残基によって、特にメチルによって置換されていてもよい)である。そうした置換シクロアルキル残基の例は、4−メチルシクロヘキシル、4−tert−ブチルシクロヘキシル又は2,3−ジメチルシクロペンチルである。さらに、他に言及しなければ、ここでの用語「アルキル」はまた、特に非置換アルキル残基、及び1個以上の、例えば1個、2個、3個又は4個の同一又は異なったアリール残基によって置換されたアルキル残基を含む。ここでの用語「アルキル」は、それ故、特にアリールアルキル残基(例えば、アリール−(C1−C4)−アルキル−、例えば、ベンジル残基、フェニルエチル残基又はインダニル残基など)を含む。置換アルキル残基、例えば、アリールアルキル−、ヒドロキシアルキル−(例えば、−(C1−C3)−アルキル−OH)、又はアルコキシアルキル−(例えば、−(C1−C3)−アルキル−O−(C1−C4)−アルキル)において、置換基は、あらゆる望ましい位置に存在してもよい。
【0025】
環A2を表わす、飽和若しくは部分的不飽和3員ないし7員炭素環は、単環式親系:シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン又はシクロヘプタンから誘導することができる。もし炭素環が不飽和ならば、それは、例えば、1個の2重結合を含んでもよく、あるいは、5員環、6員環又は7員環の場合において、それはまた2個の2重結合(これは、孤立であっても又は共役していてもよい)を含む。2重結合は、基C(=X)−NH−及びNH−SO2−R2に関して、あらゆる位置で存在してもよい、即ち、例えば、2重結合はまた、これら2個の基を結合する2個の環炭素原子の間に存在してもよい。
【0026】
他に言及しなければ、フェニル残基、ナフチル残基及び複素環式残基、例えばヘテロアリール残基は、非置換であるか、あるいは、1個以上、例えば、1個、2個、3個、又は4個の同一又は異なった置換基(これは、あらゆる望ましい位置で存在してもよい)を結合していてもよい。他に言及しなければ、これらの残基中、例えば、アリール基の置換基として示された、これらの置換基が存在してもよい。残基アリール中に存在し得る、好ましい一連の置換基は、置換基:ハロゲン、(C1−C5)−アルキル、フェニル、トリル、CF3、NO2、OH、−O−(C1−C5)−アルキル、−O−(C2−C4)−アルキル−O−(C1−C3)−アルキル、(C1−C2)−アルキレンジオキシ、NH2、−NH−(C1−C3)−アルキル、−N((C1−C3)−アルキル)2、−NH−CHO、−NH−CO−(C1−C5)−アルキル、−CN、−CO−NH2、−CO−NH−(C1−C3)−アルキル、−CO−N((C1−C3)−アルキル)2、−CO−OH、−CO−O−(C1−C5)−アルキル、ヘテロシクリル、CHO、−CO−(C1−C5)−アルキル、−S(O)n−(C1−C4)−アルキル、−S(O)n−フェニル及び−S(O)n−トリルから成る。もし式Iの化合物中にニトロ基が置換基として存在するならば、全体で2個までのニトロ基のみが分子中に存在してもよい。もしフェニル残基、フェノキシ残基、ベンジル残基又はベンジルオキシ残基が、例えば、フェニル残基のようなアリール残基中及び/又は複素
環残基中の置換基として存在するならば、これらの残基において、ベンゼン環はまた、非置換であるか又は1個以上の、例えば1個、2個、3個又は4個の同一又は異なった残基によって〔例えば、(C1−C4)−アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−C4)−アルコキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシカルボニル、((C1−C4)−アルコキシ)カルボニル、アミノカルボニル、ニトロ、アミノ、(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ−((C1−C4)−アルキル)アミノ及び((C1−C4)−アルキル)カルボニルアミノの群から選択された残基によって〕置換されていてもよい。
【0027】
モノ置換フェニル残基において、置換基は、2−位、3−位又は4−位であってもよく;ジ置換フェニル残基において、置換基は、2,3−位、2,4−位、2,5−位、2,6−位、3,4−位又は3,5−位であってもよい。トリ置換フェニル残基において、置換基は、2,3,4−位、2,3,5−位、2,3,6−位、2,4,5−位、2,4,6−位又は3,4,5−位であってもよい。トリル(=メチルフェニル)は、2−トリル、3−トリル又は4−トリルであってもよい。ナフチルは、1−ナフチル又は2−ナフチルであってもよい。モノ置換1−ナフチル残基において、置換基は、2−位、3−位、4−位、5−位、6−位、7−位又は8−位であってもよく;モノ置換2−ナフチル残基においては、1−位、3−位、4−位、5−位、6−位、7−位又は8−位であってもよい。
【0028】
1価残基に関する上記説明及び下記説明は、相応じて、2価残基:フェニレン、ナフチレン及びヘテロアリ−レンに当てはまる。それによって2価残基が隣接基に結合する自由結合(free bond)は、あらゆる環炭素原子上に存在してもよい。フェニレン残基の場合において、これらは、1,2−位(オルト−フェニレン)、1,3−位(メタ−フェニレン)又は1,4−位(パラ−フェニレン)であってもよい。ナフチレン残基の場合において、自由結合は、1,2−位(=1,2−ナフチレン又は1,2−ナフタリンジル)で、又は1,3−位、1,4−位、1,5−位、1,6−位、1,7−位、1,8−位、2,3−位、2,6−位又は2,7−位であってもよい。1個のヘテロ原子(例えば、チオフェン又はフラン)を含む5員環芳香族の場合において、2個の自由結合は、2,3−位、2,4−位、2,5−位又は3,4−位であってもよい。ピリジンから誘導した2価残基は、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−又は3,5−ピリジンジイル残基であってもよい。非対称2価残基の場合において、本発明はすべての位置異性体を含む、即ち、2,3−ピリジンジイル残基の場合において、例えば、それは、1個の隣接基が2−位に存在し、かつ他の隣接基が3−位に存在する化合物、及び、1個の隣接基が3−位に存在し、かつ他の隣接基が2−位に存在する化合物を含む。
【0029】
ヘテロアリール残基、ヘテロアリ−レン残基、ヘテロシクリル残基、環A2を表わす複素環、及び、窒素原子に結合した2個の基によって、この窒素原子と一緒に、形成された環は、好ましくは1個、2個、3個又は4個の同一又は異なった環ヘテロ原子を含む複素環から誘導したものであり、より好ましくは1個、2個又は3個の、特に1個又は2個の、同一又は異なったヘテロ原子を含む複素環から誘導したものである。他で言及しなければ、複素環は、単環式又は多環式、例えば、単環式、2環式、3環式であってよい。好ましくは、これらは、単環式又は2環式である。その環は、好ましくは5員環、6員環又は7員環である。単環式及び2環式複素環系(これから、式Iの化合物で生ずる残基が誘導されてもよい)の例は、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,3−ジオキソール、1,3−オキサゾール(=オキサゾール)、1,2−オキサゾール(=イソオキサゾール)、1,3−チアゾール(=チアゾール)、1,2−チアゾール(=イソチアゾール)、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピラン、チオピラン、1,4−ジオキシン、 1,2−オキサジン、1,3−オキサジン、1,4−オキサジン、1,2−チアジン、1,3−チアジン、1,4−チアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4,5−テトラジン、アゼピン、1,2−ジアゼピン、1,3−ジアゼピン、1,4−ジアゼピン、1,3−オキサゼピン、1,3−チアゼピン、インドール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、フタラジン、チエノチオフェン、1,8−ナフチリジン及び他のナフチリジン、プテリジン、又はフェノチアジンであり、これらのそれぞれは、各型が公知でかつ安定である限り、飽和型(ペルヒドロ型)で、又は部分的不飽和型(例えば、ジヒドロ型で、又はテトラヒドロ型)で、あるいは最大限不飽和型で存在する。従って、適当な複素環はまた、例えば、飽和複素環:ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン及びチオモルホリンである。複素環基の飽和度は、これらの個々の定義において示される。不飽和複素環は、例えば、環系内に1個、2個又は3個の2重結合を含んでもよい。5員環及び6員環はまた、特に芳香族であってもよい。
【0030】
これらの複素環から誘導した残基は、あらゆる適当な炭素原子によって結合してもよい。窒素複素環(これは、水素原子又は環窒素原子上の置換基、例えば、ピロール、イミダゾール、ピロリジン、モルホリン、ピペラジンなどを結合していてもよい)はまた、特にもし問題となる複素環残基が炭素原子に結合しているなら、環窒素原子によって結合していてもよい。例えば、チエニル残基は、2−チエニル残基又は3−チエニル残基として;フリル残基は、2−フリル残基又は3−フリル残基として;ピリジル残基は、2−ピリジル残基、3−ピリジル残基又は4−ピリジル残基として;ピペリジニル残基は、1−ピペリジニル残基(=ピペリジノ残基)、2−ピペリジニル残基、3−ピペリジニル残基又は4−ピペリジニル残基として;(チオ)モルホリニル残基は、2−(チオ)モルホリニル残基、3−(チオ)モルホリニル残基又は4−(チオ)モルホリニル残基(=チオモルホリノ残基)として存在してもよい。1,3−チアゾール又はイミダゾールから誘導した残基(これは、炭素原子によって結合している)は、2−位、4−位又は5−位で結合していてもよい。
【0031】
他に言及しなければ、複素環式基は、非置換であるか、又は1個以上の、例えば1個、2個、3個又は4個の、同一又は異なった置換基を結合していてもよい。複素環中の置換基は、あらゆる望ましい位置に、例えば、2−チエニル残基又は2−フリル残基においては、3−位及び/又は4−位及び/又は5−位で;3−チエニル残基又は3−フリル残基においては、2−位及び/又は4−位及び/又は5−位で;2−ピリジル残基においては、3−位及び/又は4−位及び/又は5−位及び/又は6−位で;3−ピリジル残基においては、2−位及び/又は4−位及び/又は5−位及び/又は6−位で;4−ピリジル残基においては、2−位及び/又は3−位及び/又は5−位及び/又は6−位で存在してもよい。他に言及しなければ、例えば、これらの置換基は、基アリールの定義で示された複素環式基中の置換基として存在してもよく、また、さらなる置換基としての飽和及び部分的不飽和複素環の場合には、また、オキソ基及びチオキソ基が存在してもよい。複素環上の置換基及び炭素環上の置換基は、また、環を形成してもよく、即ち、環系に、さらなる環が縮合し(あるいは、アニールし)、その結果、例えば、またシクロペンタ−縮合環、シクロヘキサ−縮合環、又はベンゾ−縮合環が存在してもよい。複素環の置換可能な環窒素原子上の適当な置換基は、特に、例えば、非置換(C1−C5)−アルキル残基及びアリール−置換アルキル残基、アリール残基、アシル残基(例えば、−CO−(C1−C5)−アルキル)、又はスルホニル残基(例えば、−SO2−(C1−C5)−アルキル)である。適当な窒素複素環はまた、N−オキシドとして、又は生理学的に許容し得る酸から誘導した対イオンを含んだ第4級塩として存在してもよい。ピリジル残基は、例えば、ピリジン−N−オキシドとして存在してもよい。
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素、好ましくはフッ素又は塩素である。
【0032】
本発明を制限することなく、式Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig及びIh中において、本発明の化合物の基の例が示され、ここで、式I中のA2は特別の意味を持つ
。式Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig及びIh中のA1、R1、R2、R3、X及びnは、式Iについて上記で定義されたとおりであり、また、式Ib中のk値は、1、2、3、4又は5であり、特に3又は4である。
【0033】
【化6】

【0034】
基C(=X)−NH−及び−NHSO22を結合している、式Iaに示されたベンゼン環上において、残基R3を結合できる4個の位置が存在する。従って、式Iaの化合物は、4個の残基R3(これはすべて、R3の定義によれば、互いに独立して、水素であってもよく、又は水素と異なる意味を持ってもよい)を結合することができる、即ち、式Iaの化合物中で、式Ia中に示されるベンゼン環は、非置換であるか、又は、ハロゲン、CF3、OH、 −O−(C1−C7)−アルキル、−O−(C2−C4)−アルキル−O−(C1−C7)−アルキル、−O−アリール、(C1−C2)−アルキレンジオキシ、NO2、−CN、NR78、−CO−NR78、−CO−OH、−CO−O−(C1−C5)−アルキル、ヘテロシクリル、−S(O)n−(C1−C5)−アルキル及び(C1−C5)アルキル(これらは、1個以上の同一又は異なった残基R4によって置換されていてもよい)の群から選択された、1個、2個、3個又は4個の同一又は異なった置換基を結合してもよい。従って、これらの説明は、式IbからIhの化合物にもあてはまる。
【0035】
Xが窒素原子[これは、単結合によって基A1中の環炭素原子に結合し、この環炭素原子は、基−NH−C(=X)−を結合しているA1中の炭素原子に直接隣接し、その結果、基−NH−C(=X)−が、それが結合しているA1中の炭素原子と一緒に、アニールしたイミダゾール環を形成する]である、式Iの化合物は、式Iiによって表される。
【化7】

【0036】
式Ii中のA2、R1、R2、R3及びnは、式Iについて上記のように定義される。環A3(これは、Xを表わす窒素原子の1個の結合の形成により、基A1から生じたものであり、また、この環は、アニールしたイミダゾール環の窒素原子を結合する式Iiで示される2個の炭素原子を含む)は、ベンゼン環、ナフタレン環又はヘテロ芳香環であり、ここで、A1に関する上記説明は、従って、これらの環に適用される。
【0037】
本発明は、式Iの化合物のすべての立体異性体の形態を含む。式Iの化合物中に存在する不斉中心は、すべて互いに独立して、S配置又はR配置を有してもよい。本発明は、すべての可能なエナンチオマー及びジアステレオマー並びに2個以上の立体異性体の混合物、例えば、すべての割合のエナンチオマー及び/又はジアステレオマーの混合物を含む。それ故、エナンチオマーは、エナンチオマー的に純粋な形態(左旋性及び右旋性対掌体の両方として)で、ラセミ化合物の形態で、及びすべての比率の2種のエナンチオマーの混合物の形態で、本発明の主題である。シス/トランス異性の場合には、本発明は、シス型及びトランス型の両方並びにすべての比率のこれらの型の混合物を含む。個々の立体異性体の製造は、所望ならば、慣習的な方法による混合物の分離によって、例えば、クロマトグラフィー又は結晶化によって、合成のために立体化学的に均一な出発物質を使用することによって、あるいは立体選択的合成によって、行うことができる。立体異性体の分離の前に、場合により誘導化を行ってもよい。立体異性体の混合物の分離は、式Iの化合物の段階で、又は合成中の中間体の段階で行うことができる。本発明はまた、式Iの化合物のすべての互変異性体の形態を含む。
【0038】
もし式Iの化合物が、1個以上の酸性又は塩基性基を含むならば、本発明はまた、対応する生理学的に又は毒性学的に許容し得る塩、特に薬学的に使用できる塩を含む。従って、酸性基を含む式Iの化合物は、これらの基に存在してもよく、また、本発明により、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩として使用してもよい。そうした塩の例は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、若しくはアンモニア、又は有機アミン(例えば、エチルアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミン)との塩、あるいはアミノ酸である。1個以上の塩基性基を含む式Iの化合物、即ち、プロトン化することができる基は、存在してもよく、また、本発明により、無機又は有機酸と一緒に、それらの酸付加塩の形態で、例えば、塩化水素、臭化水素、リン酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、シュウ酸、酢酸、酒石酸、乳酸、サリチル酸、安息香酸、ギ酸、プロピオン酸、ピバル酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、スルファミン酸、フェニルプロピオン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、イソニコチン酸、クエン酸、アジピン酸などとの塩として使用してもよい。もし式Iの化合物が、分子中に同時に酸性及び塩基性基を含むならば、本発明はまた、述べた塩の形態に加えて、内部塩又はベタイン(両性イオン)を含む。塩は、当業者に公知の慣習的な方法によって、例えば、溶媒又は分散媒(dispersant)中で有機若しくは無機の酸若しくは塩基と組み合わせることによって、あるいは他の塩からアニオン交換又はカチオン交換をすることによって、式Iの化合物から得ることができる。本発明はまた、式Iの化合物のすべての塩(これは、生理学的適合性の低さのために、医薬における使用には直接適さないが、化学反応の中間体として、又は生理学的に許容し得る塩の製造のために使用することができる)を含む。
【0039】
本発明はさらに、式Iの化合物のすべての溶媒和物、例えば、水和物又はアルコール付加物、また、式Iの化合物の誘導体(例えば、エステル、アミド、プロドラッグ及び活性代謝物など)を含む。
【0040】
1は、好ましくはフェニレン残基又は5員若しくは6員ヘテロアリ−レン残基、より好ましくはフェニレンであり、ここで、すべてのこれらの残基は、非置換であるか、又は示されたように置換されていてもよい。 もし基A1が置換されているならば、即ち、もしそれが、基R1−S(O)nに加えて、1個以上のさらなる置換基を結合するならば、それは、好ましくは上記に示された1個又は2個の同一又は異なった置換基によって置換される。好ましくはA1を表わすフェニレン残基は、非置換である、即ち、基R1−S(O)n及びC(=X)−NHの他に、それは、4個の水素原子を結合している。基R1−S(O)nは、好ましくはA1中の炭素原子(これは、基C(=X)−NHを結合している炭素原子に直接隣接していない)に結合している。もしA1がフェニレンならば、基R1−S(O)nは、基C(=X)−NHを結合する炭素原子に関して、特に好ましくはメタ位又はパラ位、さらに特に好ましくはパラ位に位置する。
【0041】
環A2(これは、基R2−SO2−NH及びC(=X)−NH−を結合する2個の炭素原子を含む)は、好ましくは芳香環、より好ましくはベンゼン環又はチオフェン環、特に好ましくはベンゼン環であり、ここで、これらすべての環は、非置換であるか、又は1個以上の残基R3(これは、水素と異なる)によって置換されていてもよい。
【0042】
1は、好ましくは(C1−C7)−アルキル、NR56又はアリール、より好ましくはNR56、フェニル又は5員若しくは6員ヘテロアリール、特に好ましくはNR56であり、ここで、これらすべての残基は、非置換であるか、又は示されたように置換されていてもよく、また、上記に述べたように、もし基R1−S(O)n中のn値が2であるならば、R1は、NR56であってもよい。
【0043】
2は、好ましくはアリール、より好ましくはフェニル又は5員若しくは6員ヘテロアリール、特に好ましくはフェニル又は単環式5員若しくは6員芳香族複素環(これは、N、O及びSの群から選択された、1個又は2個の同一又は異なったヘテロ原子を含む)の残基、例えば、フェニル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリジルなど、特にフェニル又は2−チエニルであり、ここで、これらすべての残基は、非置換であるか、又は示したように置換されていてもよい。好ましくはR2を表わすアリール残基は、置換されている。もしR2を表わすアリール残基が置換されているならば、それは、好ましくは1個、2個、又は3個の、特に1個又は2個の、同一又は異なった置換基によって置換されている。R2を表わすアリール残基中の置換基は、好ましくはハロゲン、CF3、−O−CF3、NO2、−CN、(C1−C4)−アルキル及び−O−(C1−C4)−アルキルの群から選択された置換基、より好ましくはF、Cl、Br、CF3、−O−CF3、NO2、−CN、CH3及び−OCH3の群から選択された置換基である。特に好ましくはR2を表わす置換アリール残基は、Clによって、例えば、1個又は2個の、特に1個の塩素原子によって置換されている。
【0044】
2を表わす環は、非置換であるか、又は示されたように置換されていてもよい。これらが非置換であるとき、これらは水素である残基R3を結合しているだけである。これらが置換されているときは、これらは、水素と異なる、1個以上の残基R3を結合している。水素と異なる残基R3を結合していないこれらの置換基位置は、水素原子を結合している。もし環A2が、水素とは異なる1個以上の残基R3を結合するならば、それは、好ましくは1個又は2個のそうした残基R3、特に1個のそうした残基R3を結合している。水素と異なる残基R3は、好ましくは環A2(これは、基C(=X)−NH及びR2−SO2−NHに直接隣接していない)の位置にある。もしA2が飽和若しくは部分的不飽和炭素環であるならば、水素と異なる残基R3は、好ましくは(C1−C4)−アルキル、特にメチル.である。もしA2が芳香環であるならば、特にもしA2がベンゼン環であるならば、水素と異なる残基R3は、好ましくは(C1−C3)−アルキル、ハロゲン、(C1−C3)−アルコキシ又はCF3、より好ましくはメチル、塩素又はメトキシである。もしA2が芳香環、特にベンゼン環であるならば、その環が1個の塩素原子又は2個のメトキシ基を置換基として結合しているとき、即ち、塩素である1個の残基R3が存在するか、あるいはメトキシである2個の残基R3が存在し、かつベンゼン環上の他の位置が水素原子を結合しているとき、それはきわめて特に好ましい。もしA2がベンゼン環であるならば、水素と異なる残基R3は、好ましくは4位及び/又は5位にある(1−位の基C(=X)−NH及び2−位の基R2−SO2−NHに関して)。
【0045】
もし基が1個以上の残基R4によって置換されるならば、それは、好ましくは1個、2個又は3個の、特に1個又は2個の、同一又は異なった残基R4によって置換される。R4は、好ましくはヒドロキシ、(C1−C4)−アルキルオキシ、ジ−((C1−C4)−アルキル)アミノ又はヘテロアリールである。
【0046】
5及びR6は、好ましくは、互いに独立して、水素、(C1−C9)−アルキル、(C1−C4)−アルキル−O−(C1−C3)−アルキル−、又は5員若しくは6員アリール、あるいはR5及びR6を結合する窒素原子と一緒に、5員ないし7員複素環(これは、基R5及びR6を結合する窒素原子に加えて、N、O及びSの群から選択された、1個のさらなる環ヘテロ原子を含んでいてもよく、また、これは、(C1−C3)−アルキル、ヒドロキシ−(C1−C3)−アルキル−、5員若しくは6員アリール、カルバモイル、ヒドロキシ及びオキソの群から選択された、1個以上の、例えば1個、2個、3個又は4個の、同一又は異なった残基によって置換されていてもよい)を形成する。もしR5及びR6が、これらの残基を結合する窒素原子と一緒に、5員、6員又は7員複素環(これは、基R5及び
6を結合する窒素原子に加えて、N、O及びSの群から選択された、1個のさらなる環ヘテロ原子を含んでいてもよく、また、これは、(C1−C3)−アルキル、ヒドロキシ−(C1−C3)−アルキル−、5員若しくは6員アリール、カルバモイル、ヒドロキシ及びオキソ、 特に(C1−C3)−アルキル{例えば、メチル}の群から選択された、1個以上の、例えば1個、2個、3個又は4個の、同一又は異なった残基によって置換されていてもよい)を形成するならば、それは、特に好ましい。好ましくは、これらの残基を結合する窒素原子と一緒に、基R5及びR6から生成した複素環は、飽和である。
【0047】
特に好ましくは、これらの残基を結合する窒素原子と一緒に、基R5及びR6により生成した複素環は、モルホリン、チオモルホリン、1,1−ジオキソ−チオモルホリン、1−オキソ−チオモルホリンから;ジアルキルモルホリン(例えば、ジメチルモルホリン)から;2,6−ジメチルモルホリン、シス−2,6−ジメチルモルホリン、3,5−ジメチルモルホリン、シス−3,5−ジメチルモルホリン、1−(ピリミジン−2−イル)−ピペラジン、ピペリジン−4−カルボキサミド、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピペラジン、1−メチルピペラジン、1−エチルピペラジンから;1−アリールピペラジンから;エチルピペラジン−1−カルボキラート、ピペリジン、2−メチルピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、シス−2,6−ジメチルピペリジン、3,5−ジメチルピペリジン、シス−3,5−ジメチルピペリジン、4−ヒドロキシピペリジンから;4−オキソピペリジン又は1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デカンのような、これらのケタールから;テトラヒドロピリジン、テトラヒドロピリミジン、1−メチルホモピペラジン、チアゾリジン、ピロリン、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン又は2,3−ジヒドロ−1H−イソインドールから誘導される(ここで、これらの環は、環窒素原子によって、又は、ピペラジン誘導体の場合には、非置換環窒素原子によって結合している)。さらに特に好ましくは、これらの残基を結合する窒素原子と一緒に、R5及びR6によって生成する複素環は、モルホリン、チオモルホリン、1,1−ジオキソチオモルホリン、1−オキソ−チオモルホリン、2,6−ジメチルモルホリン、シス−2,6−ジメチルモルホリン、3,5−ジメチルモルホリン、シス−3,5−ジメチルモルホリン、1−(ピリミジン−2−イル)−ピペラジン、ピペリジン−4−カルボキサミド、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン又は2,3−ジヒドロ−1H−イソインドールから;さらに好ましくは、モルホリン、2,6−ジメチルモルホリン又はシス−2,6−ジメチルモルホリンから;特にモルホリン又はシス−2,6−ジメチルモルホリンから誘導される(ここで、これらの環は、環窒素原子によって、又は、ピペラジン誘導体の場合には、非置換環窒素原子によって結合している)。
【0048】
7は、好ましくは水素、(C1−C3)−アルキル、((C1−C4)−アルキル)2N−(C1−C3)−アルキル−又は(C1−C4)−アルキル−O−(C1−C3)−アルキル−である。
8は、好ましくは水素、(C1−C3)−アルキル又はアセチルである。
【0049】
アリールは、好ましくはフェニル又はヘテロアリール、特にフェニル又は5員若しくは6員ヘテロアリールである。他に言及しなければ、アリール残基上の好ましい置換基は、ハロゲン、CF3、(C1−C3)−アルキル、シアノ、ニトロ及び(C1−C3)−アルキルオキシであり、さらに好ましい置換基は、CF3、塩素、メチル及びメトキシである。
【0050】
ヘテロアリール及びヘテロアリ−レンは、好ましくは、単環式5員若しくは6員芳香族複素環の残基、特にヘテロ芳香族:チオフェン、ピラゾール、チアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン及びテトラゾールから誘導されル残基である。
【0051】
ヘテロシクリルは、好ましくは飽和複素環から誘導される残基、より好ましくは単環式5員若しくは6員飽和複素環の残基、特にピロリジン、ピペリジンから;N−アルキルピペラジンから;モルホリンから;ジアルキルモルホリンから;チオモルホリン又はテトラヒドロフランから誘導された残基である。加えて、好ましい複素環(これは、残基R5及びR6によって、これらの残基を結合している窒素原子と一緒に、形成される)についての上記説明は、相応じて、環窒素原子によって結合しているヘテロシクリル残基に適用される。
【0052】
もし基S(O)nが窒素原子に結合するならば、ここでのn値は、好ましくは1又は2、より好ましくは2である。基R1−S(O)n中のn値は、好ましくは 0又は2、特に好ましくは2である。
【0053】
Xは、好ましくはO又は窒素原子(これは、単結合によって、基A1中の環炭素原子に結合し、この環炭素原子は、基−NH−C(=X)−を結合しているA1中の炭素原子に直接隣接し、その結果、基−NH−C(=X)−は、それを結合するA1中の炭素原子と一緒に、アニールしたイミダゾール環を形成する)である。特に好ましくはXは、Oである。
【0054】
好ましい式Iの化合物は、ここで含まれる1個以上の残基が好ましい意味を持つ、これらの化合物であり、好ましい置換基の定義のすべての組み合わせが、本発明の主題である。また、すべての好ましい式Iの化合物に関して、本発明は、すべての立体異性体の形態及びすべての比率のその混合物、並びにそれらの生理学的に許容し得る塩を含む。また、好ましい化合物群は、例えば、すべてのこれらの立体異性体の形態を含む、式Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig及びIhの化合物(ここで、1個以上の残基は、好ましい意味を有する)、及びすべての比率のその混合物、並びにこれらの生理学的に許容し得る塩から成る。
【0055】
特に好ましい化合物群は、例えば、
1が、フェニレン又はヘテロアリ−レン(ここで、これらの残基は、非置換であるか、あるいは、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル、CF3、−O−(C1−C4)−アルキル及び−CNの群から選択された、1個以上の同一又は異なった置換基によって置換されていてもよい) であり;
環A2(これは、基R2−SO2−NH及びC(=X)−NH−を結合する2個の炭素原子を含む)が、芳香環であり;
1が、(C1−C7)−アルキル(これは、1個以上の同一又は異なった残基R4で置換されていてもよい)であるか、又はアリールであるか、あるいは、もし基R1−S(O)n−中のn値が2であるならば、NR56であり;
2が、アリールであり;
3が、水素、ハロゲン、CF3、OH、−O−(C1−C4)−アルキル、−O−(C2−C4)−アルキル−O−(C1−C4)−アルキル、−O−アリール、NO2、−CN、NR78、−CO−NR78、−CO−OH、−CO−O−(C1−C4)−アルキル、ヘテロシクリル、−S(O)n−(C1−C4)アルキル及び(C1−C4)−アルキル(これらは、1個以上の同一又は異なった残基R4で置換されていてもよい)の群から選択された、1個以上の同一又は異なった残基を表わし;
【0056】
4が、フッ素、OH、−O−(C1−C10)−アルキル、−O−(C2−C4)−アルキル−O−(C1−C7)−アルキル、−O−アリール、−CN、NR78、−CO−NH2、−CO−NH−(C1−C3)−アルキル、−CO−N((C1−C3)−アルキル)2、−CO−OH、−CO−O−(C1−C4)−アルキル、ヘテロシクリル又はオキソであり;
5及びR6が、互いに独立して、水素、(C1−C9)−アルキル、(C1−C4)アルキル−O−(C1−C3)−アルキル−又はアリールであるか、あるいは、R5及びR6を結合する窒素原子と一緒に、5員ないし7員複素環(これは、基R5及びR6を結合する窒素原子に加えて、N、O及びSの群から選択された、1個のさらなる環ヘテロ原子を含んでいてもよく、また、これは、(C1−C3)−アルキル、ヒドロキシ−(C1−C3)−アルキル−、アリール、カルバモイル、ヒドロキシ及びオキソの群から選択された、1個以上の同一又は異なった残基によって置換されていてもよい)を形成し;
7が、水素、(C1−C3)−アルキル、((C1−C4)−アルキル)2N−(C1−C3)−アルキル−又は(C1−C4)−アルキル−O−(C1−C3)−アルキル−であり;
【0057】
8が、水素、(C1−C3)−アルキル又はアセチルであり;
アリールが、フェニル又はヘテロアリール(これらはすべて、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル、フェニル、CF3、NO2、−O−(C1−C4)−アルキル、(C1−C2)−アルキレンジオキシ、NH2、−NH−CO−(C1−C4)−アルキル、−CN、−CO−NH2、−CO−OH及び−CO−O−(C1−C4)−アルキルの群から選択された、1個以上の同一又は異なった置換基で置換されていてもよい)であり;
【0058】
ヘテロアリール及びヘテロアリーレンが、単環式5員若しくは6員芳香族複素環(これは、N、O及びSの群から選択された、1個以上の同一又は異なった環ヘテロ原子を含む)の残基であり;
ヘテロシクリルが、単環式5員若しくは6員飽和複素環(これは、N、O及びSの群から選択された、1個以上の同一又は異なった環ヘテロ原子を含み、また、これは、フッ素、(C1−C4)−アルキル、OH、−O−(C1−C4)−アルキル、NH2、−CN、−CO−NH2、−CO−OH及び−CO−O−(C1−C4)−アルキルの群から選択された、1個以上の同一又は異なった置換基によって置換されていてもよい)の残基であり;
nが、0、1又は2であり;
Xが、酸素である
式Iの化合物(すべてのその立体異性体の形態を含む)、及びその混合物(すべての比率を含む)、及びその生理学的に許容し得る塩から成る。
【0059】
さらに特に好ましい化合物群は、例えば、
1が、フェニレン(これは、非置換であるか、又は、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル、CF3、−O−(C1−C4)−アルキル及び−CNの群から選択された、1個以上の同一又は異なった置換基によって置換されていてもよい)であり;
環A2(これは、基R2−SO2−NH及びC(=X)−NH−を結合する2個の炭素原子を含む)が、ベンゼン環であり;
1が、NR56であり;
2が、アリールであり;
3が、水素、ハロゲン、CF3、−O−(C1−C4)−アルキル、−CN及び(C1−C4)−アルキルの群から選択された、1個以上の同一又は異なった残基を表わし;
5及びR6が、R5及びR6を結合する窒素原子と一緒に、5員若しくは6員飽和複素環(これは、基R5及びR6を結合する窒素原子に加えて、N、O及びSの群から選択された、1個のさらなる環ヘテロ原子を含んでもよく、また、これは、(C1−C3)−アルキル、ヒドロキシ−(C1−C3)−アルキル−、アリール、カルバモイル、ヒドロキシ及びオキソの群から選択された、1個以上の同一又は異なった残基によって置換されていてもよい)を形成し;
【0060】
アリールが、フェニル、又は、N、O及びSの群から選択された1個以上の同一又は異なった環ヘテロ原子を含む、5員若しくは6員ヘテロアリール(これらの残基はすべて、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル、CF3、NO2、−O−(C1−C4)−アルキル、−NH−CO−(C1−C4)−アルキル及び−CNの群から選択された、1個以上の同一又は異なった置換基によって置換されていてもよい)であり;
nが、2であり;
Xが、酸素である
式Iの化合物(すべてのその立体異性体の形態を含む)、及びその混合物(すべての比率を含む)、及びその生理学的に許容し得る塩から成る。
【0061】
特に好ましい化合物群は、例えば、
1が、非置換2価フェニレン残基であり;
環A2(これは、基R2−SO2−NH及びC(=X)−NH−を結合する2個の炭素原子を含む)が、ベンゼン環であり;
1が、NR56であり;
2が、アリールであり;
3が、水素、ハロゲン、−O−(C1−C4)−アルキル及び(C1−C4)−アルキルの群から選択された、1個以上の同一又は異なった残基を表わし;
5及びR6が、R5及びR6を結合する窒素原子と一緒に、飽和6員複素環(これは、基R5及びR6を結合する窒素原子に加えて、N、O及びSの群から選択された、1個のさらなる環ヘテロ原子を含んでもよく、また、これは、(C1−C3)−アルキル、アリール、オキソ及びカルバモイルの群から選択された、1個以上の同一又は異なった残基によって置換されていてもよい)を形成し;
【0062】
アリールが、フェニル、又は、N、O及びSの群から選択された1個以上の同一又は異なった環ヘテロ原子を含む、5員若しくは6員ヘテロアリール(これらの残基はすべて、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル、CF3及び−O−(C1−C4)−アルキルの群から選択された、1個以上の同一又は異なった置換基によって置換されていてもよい)であり;
nが、2であり;
Xが、酸素である
式Iの化合物(すべてのその立体異性体の形態を含む)、及びその混合物(すべての比率を含む)、及びその生理学的に許容し得る塩から成る。
【0063】
さらに好ましい化合物群は、例えば、
1が、非置換2価1,4−フェニレン残基であり;
環A2(これは、基R2−SO2−NH及びC(=X)−NH−を結合する2個の炭素原子を含む)が、残基R3と一緒に、塩素及びメトキシの群から選択された、1個若しくは2個の置換基を結合しているベンゼン環であり;
1が、NR56であり;
2が、フェニル又はチエニル(これらの残基はすべて1個又は2個の塩素原子で置換されている)であり;
5及びR6が、R5及びR6を結合する窒素原子と一緒に、飽和6員複素環(これは、基R5及びR6を結合する窒素原子に加えて、O及びSの群から選択された、1個のさらなる環ヘテロ原子を含んでいてもよく、また、これは、非置換であるか、又は、1個又は2個のメチル残基によって置換されていてもよい)を形成し;
nが、2であり;
Xが、酸素である
式Iの化合物(すべてのその立体異性体の形態を含む)、及びその混合物(すべての比率を含む)、及びその生理学的に許容し得る塩から成る。
【0064】
本発明はまた、式Iの化合物の製造方法(これは、以下に記載され、また、これによって本発明の化合物を得ることができる)に関する。スキーム1によれば、例えば、最初に式IIのアミノカルボン酸を、式R2−SO2−Clの塩化スルホニル又はスルホン酸無水物と、水、ピリジン又はエーテルのような溶媒中で塩基存在下、反応させることによって、本発明の化合物を得ることができる。適当な塩基は、炭酸ナトリウムのような無機塩基、又は、例えばピリジン又はトリエチルアミンのような有機塩基である。次に、得られた式IIIのスルホニルアミノカルボン酸を、例えば、不活性溶媒中5塩化リン、オキシ塩化リン又は塩化チオニルのような塩素化剤による反応で活性化し、式IVの酸塩化物を得て、これを次にアリールアミンと反応させる。しかしながら、式IIIの化合物中のカルボン酸基の活性化はまた、異なる方法で、例えば、ペプチド化学においてアミド結合を形成するための数多くの方法(これらは、当業者に周知である)の一つによって、例えば、混合無水物又は活性化エステルへの変換によって、又はジシクロヘキシルカルボジイミドのようなカルボジイミドを用いることによって、行うことができる。
【0065】
アリールアミンとの活性化スルホニルアミノカルボン酸との反応は、好ましくは、例えば、ピリジン、テトラヒドロフラン又はトルエンのような不活性溶媒中で、例えば、第3級アミン又はピリジンのような不活性補助塩基の非存在下又は存在下行う。もし活性化カルボン酸との反応において用いるアリールアミンが、望ましい置換基R1−S(O)nを既に含むならば、反応により直接最終的な式Iの化合物が得られる。基R1−S(O)n中のn値が1又は2である、式Iの化合物はまた、活性化カルボン酸を、式R1−S−A1−NH2のメルカプト置換アリールアミンと反応させて、次に式Vの化合物中のメルカプト基を、標準条件下、例えば、過酸化水素のようなペルオキシド又は3−クロロ過安息香酸若しくはモノペルオキシフタル酸のような過酸を用いて、標準条件下、例えば、塩化メチレン又はアセトンのような溶媒中で、酸化することにより得ることができる。活性化カルボン酸はまた、最初に式A1−NH2のアリールアミンと反応させることができる。生じた式VIの反応生成物は、次に標準条件下クロロスルホン化でき、そしてクロロスルホニル基を次に、標準条件下、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、トルエン又はエーテルのような物質若しくは溶媒中、場合により補助塩基の存在下、適当なアミンと反応させることにより、基R1−SO2に転化することができる。同様の方法で、活性化カルボン酸を、式F−SO2−A1−NH2のフルオロスルホニルアリールアミンと反応させることができ、そして、得られた式VIIのフルオロスルホニル中間体を、標準条件下、本発明に係る式Iの化合物に転化することができる。
【0066】
【化8】

【0067】
本発明に係る式Iの化合物は、さらに、活性化スルホニルアミノカルボン酸、(例えば、スキーム1に示された式IVの酸塩化物)を、硫黄原子上で非置換である式H2N−A1−SHのメルカプトアリールアミンと反応させることにより得ることができる。求核置換反応において、得られた式VIIIの生成物は、続いてアルキルハロゲン化物若しくはアリールハロゲン化物又は他の反応性化合物で、標準条件下、硫黄原子上でアルキル化又はアリール化することができ、また、 所望ならば、硫黄上で酸化し、式Vの化合物に関して上記で説明したように、スルフォキシド又はスルホンを得ることができる(スキーム2参照)。
【0068】
【化9】

【0069】
式Iの化合物はまた、例えば、最初に、例えば、それをそれぞれの式Xの酸塩化物に転化することによるか又は別の方法により、適当に置換した式IXのニトロカルボン酸を活性化し、そして、次に、上記の方法と同様に(スキーム3参照)、それを式R1−S(O)n−A1−NH2の置換アリールアミンと反応させることにより得ることができる。 ここでまた、アリールアミンとして、式F−SO2−A1−NH2のフルオロスルホニルアリールアミンを用いることができ、そして、得られた式XIのN−(フルオロスルホニルアリール)−カルボキサミドにおいて、フルオロスルホニル基を、標準条件下、例えば式HNR56のアミンにより、本発明に係る基R1−SO2に転化することができる。
【0070】
【化10】

【0071】
続いて、得られた式XIIのニトロ中間体において、ニトロ基をアミノ基に還元する前に、ニトロ基の環A2への活性化効果を利用することができ、また、適当な残基R3、例えば、ハロゲン原子を、求核分子、例えばアミンとの反応により、別の残基R3で置換することができる。ニトロ基を還元しアミノ基を得ることは、例えば、貴金属触媒の存在下、又は好ましくは、ラネーニッケルの存在下、エタノール、氷酢酸又は塩化水素のエタノール性溶液のような溶媒中で、接触水素化により行うことができ、あるいは、それは、酸の存在下、亜鉛、スズ、又は鉄のような塩基性金属による還元で行うことができる。還元はまた、例えば、塩化スズ(II)で、又は好ましくは溶媒としてのメタノール、テトラヒドロフラン及び水の混合物中で、亜ジチオン酸ナトリウムとの反応によって、行うことができる。活性化スルホン酸誘導体による、式XIIIの還元生成物中のアミノ基のスルホニル化は、上記の反応と同様に、例えばピリジン中のスルホン酸塩化物により行うことができ、そして、最後に式Iの化合物を得る。
【0072】
Xが窒素原子(これは、単結合によって基A1中の環炭素原子に結合し、この環炭素原子は、基−NH−C(=X)−を結合しているA1中の炭素原子に直接隣接している)である、式Iの化合物、即ち、式Iiのベンズイミダゾール誘導体は、例えば、スキーム1に従って上述したように得られた活性化スルホニルアミノカルボン酸誘導体(例えば、式IVの塩化カルボン酸)を、(又は、また、スキーム3と類似で、ニトロカルボン酸誘導体を)、1,2−ジアミノアレーンと、脱水化剤(例えば、塩化チオニル又は5塩化リン)の存在下で、反応させることにより、得ることができる(スキーム4参照)。その反応は、通常、不活性溶媒中(例えば、トルエン又はキシレンのような炭化水素中)で行う。1,2−ジアミノアレーンは、最終的な基R1−S(O)n−又はこれらの前駆体基、例えば、基R1−Sを既に含んでいてもよい。続く工程、例えば硫黄原子上での反応は、次に、上記に説明したように行うことができる。全くそのとおりに、非置換1,2−ジアミノアレーンを用いることができ、そして、式XIVの得られた生成物を、例えばクロロ硫酸で、クロロスルホン化することができ、そして得られた塩化スルホニルは、例えば、適当なアミンとの反応により、基R1−SO2を含む最終化合物に転化することができる。
【0073】
【化11】

【0074】
式Iの化合物の合成のためのすべての反応は、当業者にそれ自体周知であり、そして、文献(例えば、Houben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie (Methods of Organic Chemistry), Thieme-Verlag, Stuttgart;又はOrganic Reactions, John Wiley & Sons, New York)に記載の方法に従って、又はそれに類似して、標準条件下行うことができる。個々のケースの状況に依存して、式Iの化合物の合成中、副反応を避けるため、保護基を導入することにより官能基を一時的にブロックすること、及び合成の後期においてそれらを脱保護するか、あるいは前駆体基(これは、後の反応工程で望ましい官能基に転化される)の形態で官能基を導入することが、必要であるか、又は都合がよい。そうした合成戦略及び個々の場合において適当な保護基及び前駆体基は、当業者に公知である。所望ならば、式Iの化合物を、慣習的な精製手法によって、例えば、再結晶化又はクロマトグラフィーによって、精製することができる。式Iの化合物の製造のための出発化合物は、市販されているか、又は文献の手法に従って若しくはそれに類似して製造することができる。
【0075】
本発明に係る式Iの化合物は、溶解性グアニル酸シクラーゼ (sGC)の活性化を介して、cGMP濃度の増加に影響し、そして、これらは、それ故、疾患(これは、低cGMP若しくは減少cGMPレベルに関係するか、又はそれによって引き起こされるか、あるいは、その治療若しくは予防のために、現cGMPレベルの増加が望ましい)の治療及び予防のための有効な薬剤である。式Iの化合物によるsGCの活性化は、例えば、以下に記載された活性アッセイで調べることができる。
【0076】
低cGMPレベルに関係するか、あるいは、cGMPレベルの増加が望ましいか、そして、そのための治療及び予防のために式Iの化合物を使用することが可能である、疾患及び病態は、例えば、心血管系疾患(例えば、内皮機能障害、拡張期機能障害、アテローム性動脈硬化症、高血圧、安定及び不安定狭心症、血栓症、再狭窄、心筋梗塞、発作、心不全又は肺高血圧症など)、あるいは、例えば、勃起不全、気管支喘息、慢性腎不全、及び糖尿病である。式Iの化合物は、肝硬変の治療において、また、制限された記憶能力又は学習能力の改善のために、さらに使用することができる。
【0077】
式Iの化合物及びそれらの生理学的に許容し得る塩は、動物に、好ましくは哺乳類に、及び特にヒトに、それ自体医薬として、互いの混合物において、又は医薬製剤の形態において、投与することができる。本発明の主題はまた、それ故、医薬として使用するための式Iの化合物及びそれらの生理学的に許容し得る塩、溶解性グアニル酸シクラーゼを活性化するための、乱れたcGMPバランスを正常化するためのそれらの使用、並びに特に上記症候群の治療及び予防におけるこれらの使用及びこれらの目的のための医薬を製造するためのそれらの使用である。さらに、本発明の主題は、医薬製剤 (又は医薬組成物)(これは、活性成分として、有効量の少なくとも1種の式Iの化合物及び/又はその生理学的に許容し得る塩並びに慣習的な薬学的に許容し得るキャリヤー、即ち、1種以上の薬学的に許容し得るキャリヤー物質及び/又は添加剤を含む)である。本発明の主題はまた、溶解性グアニル酸シクラーゼの活性化剤としての、これら式Iの化合物(これらは、それ自体すでに公知であり、かつ、それ自体本発明の主題である上記式Iの化合物からディスクレーマーによって除外されている)であり、及び、これらの生理学的に許容し得る塩である。薬理学的効果及び式Iの化合物の使用に係る上記及び下記のすべての記載はまた、それ故、式Iの化合物(ここで、同時に、環A2{これは、基C(=X)−NH−及びNH−SO22を結合している炭素原子を含む}が、塩素によって3位及び5位で置換されているベンゼン環であり;R2が、メチルであり;Xが、酸素であり;及びR1−S(O)n−A1−が、5−クロロ−2−(4−クロロフェニルメルカプト)−フェニル残基である)、及びその生理学的に許容し得る塩にあてはまる。従って、本発明の主題は、例えば、医薬としての使用のための、上記化合物及びその生理学的に許容し得る塩、活性成分としての有効量の上記化合物及び/又はその生理学的に許容し得る塩及び慣習的な薬学的に許容し得るキャリヤーを含む医薬製剤、並びに、上記症候群の治療又は予防における上記化合物及び/又はその生理学的に許容し得る塩の使用、及びこれらの目的のための医薬の製造のためのそれらの使用である。
【0078】
本発明に係る医薬は、経口で、例えば、丸剤、錠剤、ラッカー錠(lacquered tablet)、糖衣錠、顆粒、硬及び軟ゼラチンカプセル、水溶性、アルコール性又は油性溶液、シロップ、エマルジョン若しくは懸濁液の形態で、あるいは、直腸から、例えば、坐剤の形態で投与される。投与はまた、非経口で、例えば、皮下に、筋肉内に、又は静脈内に、注射用溶液又は点滴の形態で行うことができる。他の適当な投与形態は、例えば、経皮投与又は局所投与(例えば、軟膏、チンキ、スプレー又は経皮治療システムの形態で)であるか、又は吸入投与(鼻スプレー又はエアロゾル混合物の形態で)、あるいは、例えば、マイクロカプセル、インプラント又はロッドである。好ましい投与形態は、例えば、治療すべき疾患及びその重篤さに依存する。
【0079】
医薬製剤中の式Iの活性化合物及び/又はその生理学的に許容し得る塩の量は、通常、1回あたり0.2から500mg、好ましくは1から200mgであるが、医薬製剤のタイプに依存し、それはまた、もっと高用量であってもよい。医薬製剤は、通常、式Iの化合物及び/又はそれらの生理学的に許容し得る塩0.5から90重量%を含む。医薬製剤の製造は、それ自体公知の方法で行うことができる。この目的のために、1種以上の固体若しくは液体医薬キャリヤー物質及び/又は添加剤(又は補助物質)と一緒に、並びに、所望ならば、治療若しくは予防作用を示す他の薬学的活性化合物と組み合わせて、1種以上の式Iの化合物及び/又はそれらの生理学的に許容し得る塩を、適当な投与形態又は投薬形態(これは、次にヒト又は獣医学における医薬として使用することができる)にすることができる。
【0080】
丸剤、錠剤、糖衣錠、及び硬ゼラチンカプセルを生産するために、例えば、ラクトース、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン)若しくはデンプン誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩などを使用することができる。軟ゼラチンカプセル及び坐剤のためのキャリヤーは、例えば、脂肪、ワックス、半固体及び液体ポリオール、天然若しくは硬化オイルなどである。液剤(例えば、注射用液剤若しくはエマルジョン又はシロップ)の製造のための適当なキャリヤーは、例えば、水、生理食塩水、アルコール(例えば、エタノール)、グリセロール、ポリオール、スクロース、転化糖、グルコース、マンニトール、植物オイルなどである。式Iの化合物及びそれらの生理学的に許容し得る塩を凍結乾燥すること、及び、例えば注射や点滴用製剤を製造するための、得られた凍結乾燥物を使用することもまた可能である。マイクロカプセル、インプラント又はロッドのための適当なキャリヤーは、例えば、グリコール酸及び乳酸の共重合体である。
【0081】
活性化合物及びキャリヤーの他に、医薬製剤はまた、慣習的な添加剤、例えば、増量剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、湿潤剤、安定剤、乳化剤、分散剤、保存剤、甘味料、着色剤、調味料、芳香剤、濃化剤、希釈剤、緩衝物質、溶媒、可溶化剤、貯蔵効果を達成するための薬剤、浸透圧を変えるための塩、コーティング剤又は抗酸化剤を含んでもよい。
【0082】
投与すべき式Iの活性化合物及び/又はその生理学的に許容し得る塩の投与量は、個々のケースに依存し、そして、慣習的なように、最適の効果を達成するために、個々の状況に適応させるべきである。従って、それは、治療すべき疾患の性質及び重篤さに依存し、また、性別、年齢、体重、及び治療すべきヒト又は動物の個々の反応性に、使用する化合物の有効性及び作用の持続性に、治療が急性的か若しくは慢性的か又は予防的かに、あるいは、式Iの化合物に加えて他の活性化合物が投与されるかどうかに依存する。一般に、1日量約0.01から100mg/kg、好ましくは0.1から10mg/kg、特に0.3から5mg/kg(各場合において、体重1kgあたりのmgである)が、望ましい結果を得るために、約75kgの体重の大人に投与するのに適当である。1日量は、単回で投与してもよく、又は、特に多くの量が投与されるときには、数回、例えば、2回、3回、4回の個々の量で分割してもよい。ある場合には、個々の反応に応じ、与えられた1日量から増量するか又は減量することが必要であり得る。
【0083】
式Iの化合物は、主として酵素のヘム結合ポケットに結合することによって、溶解性グアニル酸シクラーゼを活性化する。この特性のために、ヒト医学及び獣医学において医薬活性化合物として使用するのとは別に、これらをまた、科学的手段として又は生化学的研究(ここで、グアニル酸シクラーゼへのそうした影響が解明される)のための補助手段として、及び、また、診断的目的のために、例えば、細胞サンプル若しくは組織サンプルのインビトロ診断のおいて、用いることができる。式Iの化合物及びそれらの塩は、さらに、上記で既に述べたように、他の薬学的活性化合物の製造のための中間体として用いることができる。
式Iの化合物及びそれらの製造のための中間体の次の実施例により、本発明を制限することなく、本発明が説明される。
【実施例】
【0084】
実施例
1) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−安息香酸
炭酸ナトリウム33.71g(0.32mol)を水250ml中に溶解し、そして、60℃に暖めた。2−アミノ−4,5−ジメトキシ−安息香酸25.00g(0.13mol)をその溶液に入れ、そして、この溶液に塩化4−クロロベンゼンスルホニル29.55g(0.14mol)を、15分かけて1滴ずつ加えた。冷却後その混合物を吸引ろ過し、残渣を1%炭酸水素ナトリウム溶液にに溶解し、溶液をろ過し、そして生成物を1N塩酸を加えることで沈殿させた。融点(m.p.)212〜214℃の2−(4−クロロフェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ安息香酸25.90g(55%)を得た。
【0085】
同様にして下記の化合物を得た:
2) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−安息香酸;M.p.210℃
3) 5−クロロ−2−(3,4−ジクロロ−フェニルスルホニルアミノ)−安息香酸
5) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−シクロペンタンカルボン酸;M.p.:147℃
6) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−5−メチル−安息香酸;M.p.:201℃
7) 3−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−チオフェン−2−カルボン酸;M.p.:180℃
8) 3−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−ピラゾール−カルボン酸;油状物
9) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−ピリジン−3−カルボン酸;M.p.:分解(dec.)>360℃
【0086】
10) 塩化2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−ベンゾイル
2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−安息香酸25.90g(0.07mol)をトルエン75mlと混合し、5塩化リン17.30g(0.08mol)を加え、そして混合物を40〜45℃で2.5時間攪拌した。次に混合物を真空でその体積の半分まで濃縮し、そして沈殿生成物を吸引ろ過し、少量のトルエンで洗った。融点175〜177℃を示す塩化2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−ベンゾイル25.30g(93%)を得た。
【0087】
同様にして下記の化合物を得た:
11) 塩化5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−ベンゾイル;M.p.:127℃
12) 塩化5−クロロ−2−(3,4−ジクロロ−フェニルスルホニルアミノ)−ベンゾイル;M.p.:117℃
13) 塩化2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−シクロペンタンカルボン酸;
M.p.:107℃
14) 塩化2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−5−メチル−ベンゾイル;M.p.:114℃
15) 塩化3−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−チオフェン−2−カルボン酸;M.p.:122℃
16) 塩化3−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−ピラゾール−4−カルボン酸;M.p.:260℃(分解)
17) 塩化2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−ピリジン−3−カルボン酸
【0088】
18) フッ化4−((2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−ベンゾイル)−アミノ)−ベンゼンスルホニル
塩化2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−ベンゾイル10.00g(25.6mmol)を、トルエン300mlと混ぜ、フッ化4−アミノベンゼンスルホニル4.49g(25.6mmol)を加え、そして、混合物を環流下4時間加熱した。冷却した後、沈殿した固体を吸引ろ過し、トルエンで洗った。216〜219℃の融点を有する標題化合物11.71g(87%)を得た。
【0089】
同様にして下記の化合物を得た:
19) フッ化4−((5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−ベンゾイル)−アミノ)−ベンゼンスルホニル;M.p.:242℃
20) N−(4−アミノスルホニル−フェニル)−5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−ベンズアミド;M.p.:260℃
21) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−((4−(4−ニトロ−フェニル)−メルカプト)フェニル)−ベンズアミド;M.p.:255℃
22) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(フェニルメルカプト)−フェニル)ベンズアミド;M.p.:169℃
【0090】
23) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−メチルメルカプト−フェニル)ベンズアミド;M.p.:220℃
24) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(2−メチル−ベンゾチアゾール−5−イル)ベンズアミド;M.p.:251℃
25) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(3−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシ−プロピル−メルカプト)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:102℃
26) フッ化4−((5−クロロ−2−(3,4−ジクロロ−フェニルスルホニルアミノ)−ベンゾイル)−アミノ)ベンゼンスルホニル;M.p.:232℃
27) フッ化4−(2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−シクロペンタンカルボニルアミノ)ベンゼンスルホニル;M.p.:211℃
28) 4−((2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−5−メチル−ベンゾイル)−アミノ)ベンゼンスルホニル;M.p.:224℃
29) フッ化4−((3−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−チオフェン−2−カルボニル)−アミノ)ベンゼンスルホニル:M.p.:255℃
【0091】
30) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−メルカプト−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:202℃
31) フッ化4−((3−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−ピラゾール−4−カルボニル)−アミノ)ベンゼンスルホニル;M.p.:251℃
32) フッ化3−((5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−ベンゾイル)−アミノ)−ベンゼンスルホニル;M.p.:224℃
33) フッ化4−(2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−ピリジン−3−カルボニル)−アミノ)ベンゼンスルホニル;M.p.:263〜265℃
34) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−メチル−5−(チオモルホリン−4−スルホニル)−チアゾール−2−イル)−ベンズアミド;M.p.:265−267℃
35) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(2−メチルメルカプト−フェニル)−ベンズアミド
【0092】
36) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(3−メチルメルカプト−フェニル)ベンズアミド
37) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(5−メチル−イソオキサゾール−3−イル−スルファモイル)−フェニル)−ベンズアミド
38) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(4−ニトロ−フェニルスルホニル)フェニル)−ベンズアミド
39) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(5−エチルスルホニル−2−ヒドロキシフェニル)−ベンズアミド
40) N−(3−ブチルスルファモイル−フェニル)−5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−ベンズアミド
41) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(2−ニトロ−5−プロピルメルカプト−フェニル)ベンズアミド
【0093】
42) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−チオシアナト−フェニル)−ベンズアミド
43) N−(4−アセチルスルファモイル−フェニル)−5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)ベンズアミド
44) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(2−フェニルメルカプト−フェニル)ベンズアミド
45) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(2−クロロ−5−(2−シアノ−エチルスルファモイル)−フェニル)−ベンズアミド
46) N−(5−ブチルスルファモイル−2−メトキシ−フェニル)−5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−ベンズアミド
47) N−(4−ベンゾイルスルファモイル−フェニル)−5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)ベンズアミド
48) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(2−クロロ−4−メチルスルホニルフェニル)−ベンズアミド
【0094】
49) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(ヘキサデシルスルホニル)−フェニル)ベンズアミド
50) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(ブチルアミノカルボニルアミノスルホニル)−フェニル)−ベンズアミド
51) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(2−スルファモイル−フェニル )−ベンズアミド
52) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(2−メチルメルカプト−5−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミド
53) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(3−メチルスルホニル−フェニル)ベンズアミド
54) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(3−(2−ヒドロキシ−エチルスルホニル)−フェニル)−ベンズアミド
55) (4−(5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−ベンゾイルアミノ)−フェニルメルカプト)酢酸
56) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(3,4−ジメチル−イソキサゾール−5−イルスルファモイル)−フェニル)−ベンズアミド
57) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(チアゾール−2−イルスルファモイル)−フェニル)ベンズアミド
58) 5−クロロ−2−(3,4−ジクロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−エチルメルカプト−フェニル)ベンズアミド;M.p.:171℃
【0095】
59) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド
フッ化4−((2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−ベンゾイル)アミノ)−ベンゼンスルホニル500mg(0.95mol)をチオモルホリン1mlに溶解し、そして90℃に30分間加熱した。処理のため、混合物を氷/1N塩酸50mlに注ぎ、沈殿を吸引ろ過し、真空乾燥機において5酸化リンで乾燥し、そしてヘキサン/酢酸エチルから再結晶した。融点241℃を示す標題化合物378mg(65%)を得た。
【0096】
同様にして下記の化合物を得た:
60) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)フェニル)−ピリジン−3−カルボキサミド;M.p.:256〜258℃
61) N−(4−(4−カルバモイル−ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル )−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−ピリジン−3−カルボキサミド;M.p.:273〜276℃
62) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル)−ピリジン−3−カルボキサミド;M.p.:180〜183℃
63) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)フェニル)−ベンズアミド;M.p.:246℃
【0097】
64) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:219℃
65) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:259℃
66) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:251℃
67) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:255℃
【0098】
68) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:256℃
69) 5−クロロ−2−(3,4−ジクロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)フェニル)−ベンズアミド;M.p.:253℃
70) 5−クロロ−2−(3,4−ジクロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)フェニル)−ベンズアミド;M.p.:222℃
71) 5−クロロ−2−(3,4−ジクロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:246℃
【0099】
72) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:172℃
73) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペラジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:277℃
74) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−シクロペンタンカルボキサミド;M.p.:180℃
75) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−ジエチルスルファモイル−フェニル)ベンズアミド;M.p.:226℃
76) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル)ベンズアミド;M.p.:240℃
【0100】
77) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(2−メトキシ−エチルスルファモイル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:209℃
78) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−5−メチル−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:203℃
79) 3−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−チオフェン−2−カルボキサミド;M.p.:220℃
80) 3−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド;油
81) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(3−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:238℃
82) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(3−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:202℃
【0101】
83) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(3−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド塩酸塩;M.p.:245℃
84) 3−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−チオフェン−2−カルボキサミド;M.p.:229℃
85) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:228℃
86) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−5−メチル−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:234℃
【0102】
87) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:172℃
88) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−4,5−ジメトキシ−ベンズアミド;M.p.:208℃
89) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−スルホニル )−フェニル)−4,5−ジメトキシ−ベンズアミド;M.p.:244℃
90) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(ピペリジン−3−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:258℃
91) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(チアゾリジン−3−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:261℃
【0103】
92) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−スルホニル)−フェニル)−4,5−ジメトキシベンズアミド;M.p.:262℃
93) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−( 1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−1−スルホニル)−フェニル)−4,5−ジメトキシ−ベンズアミド;M.p.:252℃
94) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(2−メチル−ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:227℃
95) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(ピペラジン−1−スルホニル )−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:243℃
【0104】
96) 4−(4−(2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−ベンゾイルアミノ)フェニルスルホニル)−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル;M.p.:245℃
97) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(4−メチル−ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:267℃
98) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(4−メチル−ペルヒドロ[1,4]ジアゼピン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:274℃
99) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(4−エチル−ピペラジン−1−スルホニル)−フェニル)−4,5−ジメトキシ−ベンズアミド;M.p.:191℃
【0105】
100) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−((2−ジメチルアミノ−エチル)−エチル−スルファモイル)−フェニル)−4,5−ジメトキシ−ベンズアミド;M.p.:Dec. >119℃
101) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(1,4,5,6−テトラヒドロ−ピリミジン−1−スルホニル)−フェニル)−4,5−ジメトキシ−ベンズアミド;M.p.:Dec. >237℃
102) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(4−(ピリミジン−2−イル)−ピペラジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:Dec. >194℃
103) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(4−(4−クロロ−フェニル)−ピペラジン−1−スルホニル)−フェニル)−4,5−ジメトキシ−ベンズアミド;M.p.:Dec. >243℃
104) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(インダン−1−イルスルファモイル)−フェニル)−4,5−ジメトキシ−ベンズアミド;M.p.:161℃
【0106】
105) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−((2−(1H−インドール−3−イル)−エチル)−メチル−スルファモイル)−フェニル)−4,5−ジメトキシ−ベンズアミド;M.p.:182℃
106) 1−(4−((2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−ベンゾイル)−アミノ)−フェニルスルホニル)−ピペリジン−4−カルボキサミド;M.p.:252℃
107) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−シクロプロピルスルファモイル−フェニル)−4,5−ジメトキシ−ベンズアミド;M.p.:222℃
【0107】
108) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−スルホニル)−フェニル)−4,5−ジメトキシベンズアミド;M.p.:272℃
109) N−(4−(アリル−シクロヘキシル−スルファモイル)−フェニル)−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−ベンズアミド;M.p.:182℃
110) 1−(4−((2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−ベンゾイル)−アミノ)−フェニルスルホニル)−ピロリジン−2−カルボン酸;M.p.:240℃(燃結物)
【0108】
111) 塩化5−クロロ−2−ニトロ−ベンゾイル
5−クロロ−2−ニトロ安息香酸100.00g(0.50mol)を、塩化チオニル72.20g(0.61mol)と混合し、そして混合物を環流下2時間加熱した。過剰の塩化チオニルを真空中で除去した。粗製塩化5−クロロ−2−ニトロ−ベンゾイル106.50g(ca.98%)を油状物として得た。
同様にして下記の化合物を得た:
112) 塩化5−メチル−2−ニトロ−ベンゾイル;油状物
【0109】
113) フッ化4−(5−クロロ−2−ニトロ−ベンゾイルアミノ)−ベンゼンスルホニル
塩化5−クロロ−2−ニトロ−ベンゾイル86.00g(0.39mol)をトルエン300ml中に溶解し、フッ化4−アミノベンゼンスルホニル62.00g(0.35mol)の溶液を1滴ずつ加え、そして混合物を環流下4時間加熱した。続いて、それを冷却し、その体積の半分まで真空で濃縮し、冷却し、そして沈殿した固体を吸引ろ過した。182〜184℃の融点を有する標題化合物121.60g(86%)を得た。
同様にして下記の化合物を得た:
114) フッ化4−(5−メチル−2−ニトロ−ベンゾイルアミノ)−ベンゼンスルホニル;M.p.:179℃
115) 5−クロロ−N−(4−エチルメルカプト−フェニル)−2−ニトロ−ベンズアミド
【0110】
116) 5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−ニトロ−ベンズアミド
フッ化4−(5−クロロ−2−ニトロ−ベンゾイルアミノ)−ベンゼンスルホニル120.00g(0.33mol)、モルホリン29.10g(0.33mol)及びトリエチルアミン33.85g(0.33mol)をトルエン1200ml中で60℃で2日間攪拌した。沈殿した固体を吸引ろ過し、そしてアセトン/n−ヘキサンから再結晶した。243〜245℃の融点を有する標題化合物102.10g(71%)を得た。
同様にして下記の化合物を得た:
117) 5−クロロ−2−ニトロ−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:120℃
【0111】
118) 5−メチル−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−ニトロ−ベンズアミド;M.p.:249℃
119) N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−5−(モルホリン−4−イル)−2−ニトロ−ベンズアミド
モルホリン48.5g(0.557mol)中のフッ化4−(5−クロロ−2−ニトロ−ベンゾイルアミノ)−ベンゼンスルホニル20.00g(0.56mol)を環流下1時間加熱した。続いて、混合物を冷却し、氷/塩酸に注ぎ、そして吸引ろ過した。252℃の融点を有する標題化合物26.0g(98%)を得た。
【0112】
120) 2−アミノ−5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド
5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−ニトロ−ベンズアミド11.10g(26.1mol)をテトラヒドロフラン/メタノール(1:1)440ml中に溶解し、そして水330ml中の亜ジチオン酸ナトリウム27.23g(156.4mol)の溶液を1滴ずつ加えた。室温で1時間攪拌した後、有機溶媒をローターリーエバポレータで除去し、そして沈殿した生成物を吸引ろ過し、塩化メチレン/メタノール(9:1)でシリカ越しのクロマトグラフィーにより精製した。229〜231℃の融点を有する標題化合物5.68g(55%)を得た。
【0113】
同様にして下記の化合物を得た:
121) 2−アミノ−5−クロロ−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:177℃
122) 2−アミノ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−(5−モルホリン−4−イル)−ベンズアミド;M.p.:228℃
123) 2−アミノ−5−クロロ−N−(4−エチルスルホニル−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:159〜161℃
【0114】
124) 5−クロロ−2−(5−クロロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−スルホニル−アミノ)−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド
2−アミノ−5−クロロ−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)ベンズアミド250mg(0.60mol)を乾燥ピリジン10ml中に溶解し、そしてピリジン5ml中の塩化5−クロロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−スルホニル195mg(0.85mmol)の溶液を0℃で1滴ずつ加えた。2時間後、混合物を氷に注ぎ、沈殿した固体を吸引ろ過し、そして塩化メチレン/メタノール(98:2)でシリカ越しのクロマトグラフィーにより精製した。215〜216℃の融点を有する標題化合物250mg(69%)を得た。
【0115】
同様にして下記の化合物を得た::
125) 5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)− フェニル)−2−(4−メチル−フェニルスルホニルアミノ)−ベンズアミド;M.p.:214℃
126) 5−クロロ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−( モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:245℃
127) 5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルスルホニルアミノ)−ベンズアミド;M.p.:195℃128) 2−((4−アセチルアミノ−フェニル)−スルホニルアミノ)−5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:198℃129) 5−クロロ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)フェニル)−ベンズアミド;M.p.:112℃
【0116】
130) 5−クロロ−2−(5−クロロ−1,3−ジメチル−ピラゾール−4−スルホニル−アミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:161℃
131) 5−クロロ−2−((1−メチル−イミダゾール−4−スルホニル)−アミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:141℃
132) 5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−(ピリジン−3−スルホニルアミノ)ベンズアミド;M.p.:222℃
133) 2−(4−ベンゾイルオキシ−フェニルスルホニルアミノ)−5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:245℃
134) 5−クロロ−2−( エチルスルホニルアミノ)−N−(4−( モルホリン−4−スルホニル)−フェニル )ベンズアミド;M.p.:274〜276℃
135) 2−((2−アセトアミド−4−メチル−チアゾール−5−スルホニル)−アミノ)−5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:257℃
【0117】
136) 5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−(チオフェン−2−スルホニルアミノ)−ベンズアミド;M.p.:216℃
137) 5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニルスルホニルアミノ)−ベンズアミド;M.p.:264℃
138) 2−(4−ブロモ−フェニルスルホニルアミノ)−5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド:M.p.:232℃
139) 2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニルスルホニルアミノ)−5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:209℃
【0118】
140) 5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−(4−ニトロ−フェニルスルホニルアミノ)ベンズアミド;M.p.:239℃
141) 5−クロロ−2−(4−シアノ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:238℃
142) 5−クロロ−2−(4−メチルスルホニル−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:181℃
143) 5−クロロ−2−(4−イソプロピル−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)フェニル)−ベンズアミド;M.p.:105℃
144) 5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−((2−フェニル−エテニル)−スルホニルアミノ)−ベンズアミド;M.p.:278℃
145) 5−クロロ−2−(4,5−ジブロモ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:232℃
【0119】
146) 5−クロロ−2−(4−フルオロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)フェニル)−ベンズアミド;M.p.:245℃
147) 5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−(5−フェニルスルホニル−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−ベンズアミド;M.p.:103℃
148) 5−クロロ−2−(3−クロロ−4−メトキシ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:274℃149) 5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−(キノリン−8−スルホニルアミノ)ベンズアミド;M.p.:262℃
【0120】
150) 5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホニルアミノ)−ベンズアミド;M.p.:240℃
151) 5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−(3−ニトロ−フェニルスルホニルアミノ)ベンズアミド;M.p.:220℃
152) 5−クロロ−2−(4−メトキシ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:269℃
153) 5−クロロ−2−メチルスルホニルアミノ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル )ベンズアミド:M.p.:248℃
154) 5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−フェニルメチルスルホニルアミノベンズアミド;M.p.:106℃
155) 5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−(2,2,2−トリフルオロ−エチルスルホニルアミノ)−ベンズアミド;M.p.:208℃
【0121】
156) 2−(ブチル−スルホニルアミノ)−5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:102℃
157) 5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−(3−トリフルオロメチル−フェニルスルホニルアミノ)−ベンズアミド;M.p.:212℃
158) 2−(4−ブロモ−2,5−ジクロロ−チオフェン−3−スルホニルアミノ)−5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:267℃
159) 5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−2−(2−トリフルオロメチル−フェニルスルホニルアミノ)−ベンズアミド;M.p.:234℃
【0122】
160) 5−クロロ−2−(3−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)フェニル)−ベンズアミド;M.p.:206℃
161) 2−(4−ブロモ−2−メトキシ−フェニルスルホニルアミノ)−5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:260℃162) 5−クロロ−2−(2,6−ジクロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:244℃
163) 5−クロロ−2−(2−シアノ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:200℃
164) 2−(4−ブトキシ−フェニルスルホニルアミノ)−5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:225℃
165) 5−クロロ−2−(7,7−ジメチル−2−オキソ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−スルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド:M.p.:120℃
【0123】
166) 5−クロロ−2−(3−フルオロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:204℃
167) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−( モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−5−(モルホリン−4−イル)−ベンズアミド;M.p.:264℃
168) 5−クロロ−N−(4−エチルスルホニル−フェニル )−2−(4−メチル−フェニルスルホニルアミノ)−ベンズアミド;M.p.:188〜192℃
169) 5−クロロ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−エチルスルホニル−フェニル)ベンズアミド;M.p.:195〜197℃
【0124】
170) 5−クロロ−2−(4−クロロ−3−ニトロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−エチルスルホニル−フェニル)ベンズアミド;M.p.:196〜198℃
171) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−エチルスルホニル−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:180〜185℃
172) 5−クロロ−2−(3,5−ジメチル−イソキサゾール−4−スルホニルアミノ)−N−(4−エチルスルホニル−フェニル)−ベンズアミド; M.p.:Dec.>249℃
173) 5−クロロ−2−エチルスルホニルアミノ−N−(4−エチルスルホニル−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:103℃
【0125】
174) 4−クロロ−N−(2−(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)−4−クロロ−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド
トルエン150ml中の、塩化5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−ベンゾイル1.00g(2.7mmol)及びo−フェニレンジアミン296mg(27mmol)を環流下1時間加熱した。少量の固体を吸引ろ過し、そしてろ液を蒸発させた。残渣をトルエン50mlに溶解し、塩化チオニル600mgを加え、そして混合物を再び環流下10時間加熱した。続いて、それを冷却し、そして沈殿した固体を吸引ろ過した。225〜
228℃の融点を有する標題化合物280mg(25%)を得た。
【0126】
175) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(1,1−ジオキソ−チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド及び
176) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(1−オキソ−チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド
アセトン50ml中の2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド500mg(0.82mol)を0℃に冷却した。アセトン20ml中の57%m−クロロ過安息香酸371mg(1.23mmol)の溶液を加え、そして混合物を室温で一晩攪拌した。処理のため、それを水/氷に注ぎ、そして沈殿物を吸引ろ去した。混合物として得られた2つの生成物を、塩化メチレン/メタノール(97:3)でシリカ越しのクロマトグラフィーにより分離した。
【0127】
同様にして下記の化合物を得た:
177) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(1,1−ジオキソ−チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:182℃
178) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(1−オキソ−チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:233℃
179) 5−クロロ−2−(3,4−ジクロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−エチルスルホニル−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:240℃
180) 5−クロロ−N−(4−エチルスルホニル−フェニル )−2−ニトロ−ベンズアミド
【0128】
181) 4−クロロ−N−(4−クロロ−2−(6−(モルホリン−4−スルホニル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド
4−クロロ−N−(2−(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)−4−クロロ−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド200mg(0.5mmol)をO℃でクロロ硫酸1mlに加え、そして30分間60℃まで加熱した。続いて、混合物を水/氷に注ぎ、そして固体を吸引ろ去し、乾燥し、そして0℃でモルホリン1mlに加えた。室温で1時間攪拌後、混合物を氷/塩酸に注ぎ、そして、酢酸エチルで抽出した。抽出物を蒸発させ、そして残渣をヘキサン/酢酸エチル(1:1)でシリカ越しのクロマトグラフィーにより精製した。225〜228℃の融点を有する標題化合物20mg(7%)を得た。
1H-NMR (D6-DMSO): δ(ppm)=2.9(m, 4H, モルホリン-H), 3.6(m, 4H, モルホリン-H),
7.5(dd, 4H, フェニレン-H), 7.4-8.2(m, 6H, ベンゾ-H, フェニル-H)
【0129】
182) 5−クロロ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル )−2−(2−(ピロリジン−1−イル)−エチルスルホニルアミノ)−ベンズアミド
その化合物を塩化2−クロロ−エチルスルホニルを用いて製造した。中間体として単離した塩化1−(2−(4−クロロ−2−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニルカルバモイル)−フェニルスルファモイル)−エチル)−ピリジニウムを、ピロリジンと反応させ、標題化合物を得た。
1H-NMR (D6-DMSO): δ(ppm)=1.8(m, 4H, ピロリジン-H), 2.65(m, 4H, ピロリジン-H), 3.0(m, 4H, モルホリン-H), 3.1(t, 2H, エチレン-H), 3.35(t, 2H, エチレン-H), 3.75(m, 4H, モルホリン-H), 7.50(dd, 1H, H-4), 7.7(d, 1H, H-3), 7.75(dd, 1H, H-6), 7.85(“dd", 4H, フェニレン-H)
【0130】
183) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−イソプロピルメルカプト−フェニル)−ベンズアミド
5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−メルカプトフェニル)−ベンズアミド1.00g(2.21mmol)をジメチルホルムアミド25ml中に溶解し、そしてtert−ブチラートカリウム0.25g(2.21mmol)を加えた。混合物を室温で15分間攪拌し、次に臭化イソプロピル0.27g(2.21mmol)を1滴ずつ加え、そして混合物を60℃まで8時間加熱した。処理のために、それを水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物を蒸発させ、そして残渣をヘキサン/酢酸エチル(3:1)でシリカ越しのクロマトグラフィーによって精製した。168〜169℃の融点を有する標題化合物420mg(39%)を得た。
【0131】
同様にして下記の化合物を得た:
184) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−シアノメチルメルカプト−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:104℃
185) (4−((5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−ベンゾイル)−アミノ)−フェニルメルカプト)−酢酸エチルエステル;M.p.:133℃
186) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(2−(モルホリン−4−イル)−エチルメルカプト)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:95℃
187) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(2−(2−メトキシ−エトキシ)−エチルメルカプト)−フェニル)−ベンズアミド;油状物188) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(プロパ−2−イニル)−メルカプトフェニル)−ベンズアミド;M.p.:185℃
189) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−イソプロピルメルカプト−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:169℃
【0132】
190) 5−クロロ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−( モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミドナトリウム塩
エタノール250ml中の、微細粉末水酸化ナトリウム0.48g及び5−クロロ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド7gの混合物を、短い加熱で溶液に入れた。次に、混合物を真空で蒸発させ、水50mlを加え、そしてそれを再び真空で乾燥するまで蒸発させた。この手順を2回繰り返した。得られた生成物を真空中50℃で乾燥した。M.p.:343℃(Dec.)。
【0133】
上記化合物と同様にして、次の実施例化合物を得た:
191) 4,5−ジメトキシ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(N −メチル−N−(ピリジン−3−イル−メチル)−アミノスルホニル)−フェニル)−ベンズアミド塩酸塩;M.p.:214℃
192) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ )−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−3−メチル−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:192℃193) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)−3−メチル−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:254℃
194) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(3,5−ジメチル−ピペリジン−1−スルホニル)−3−メチル−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:242℃
195) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(ピペリジン−1−スルホニル)−3−メチル−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:189℃
【0134】
196) 4,5−ジメトキシ−2−(3,5−ジメチル−イソキサゾール−4−スルホニルアミノ)−N−(4−(N −メチル−N−(ピリジン−3−イル−メチル)−アミノスルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:213℃
197) 4,5−ジメトキシ−2−(3,5−ジメチル−イソキサゾール−4−スルホニルアミノ)−N−(4−(N−(ピリジン−3−イル−メチル)−アミノスルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:216℃
198) 5−クロロ−2−(2,4−ジメチル−チアゾール−5−スルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:190℃

199) 4,5−ジメトキシ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(3,5−ジメチル−ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:249℃(Dec.)
【0135】
200) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(N−メチル−N−(ピリジン−3−イル−メチル)−アミノスルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;樹脂状物
201) 3,4−ジメトキシ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(N−メチル−N−(ピリジン−3−イル−メチル)−アミノスルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:241℃
202) 5−ブロモ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−3−メチル−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:249℃
203) 5−ブロモ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:244℃
204) 5−ブロモ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:197℃
【0136】
205) 4,5−ジメトキシ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−2−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:213℃
206) 4,5−ジメトキシ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:232℃
207) 4,5−ジメトキシ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:213℃
208) 5−クロロ−2−(3,5−ジメチル−イソキサゾール−4−スルホニルアミノ)−N−(4−(1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−2−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:260℃
【0137】
209) 5−クロロ−2−(3,5−ジメチル−イソキサゾール−4−スルホニルアミノ)−N−(4−(N−メチル−N−(ピリジン−3−イル−メチル)−アミノスルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:65℃(焼結物)
210) 6−メチル−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(ペルヒドロアゼピン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:151℃
211) 6−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(ピロリジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:217℃
212) 6−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(4−ヒドロキシブチルアミノ)−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;樹脂状物
213) 5−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(N−エチル−N−(ピリジン−4−イル−メチル)−アミノスルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;樹脂状物
【0138】
214) 2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)ベンズアミド;M.p.:209℃
215) 3−メチル−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(N−メチル−N−(2−(ピリジン−2−イル)−エチル)−アミノスルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:193℃
216) 4,5−ジフルオロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(4−アミノカルボニル−ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:227℃
217) 4,5−ジフルオロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(4−(2−ヒドロキシエチル)−ピペラジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;樹脂状物
218) 5−クロロ−4−メトキシ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;油状物
【0139】
219) 5−クロロ−4−メトキシ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:89℃
220) 5−クロロ−4−メトキシ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−(N−ピリジン−3−イル)−N−メチル−アミノスルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:135℃
221) 4,5−ジメトキシ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミドナトリウム塩;M.p.:330℃(Dec.)
222) 5−クロロ−2−(3,5−ジメチル−イソキサゾール−4−スルホニルアミノ)−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:230℃
223) 5−クロロ−2−(3,5−ジメチル−イソキサゾール−4−スルホニルアミノ)−N−(4−(3,5−ジメチルピペリジン−1−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:61℃
【0140】
224) 5−クロロ−2−(3,5−ジメチル−イソキサゾール−4−スルホニルアミノ)−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:286℃
225) 5−クロロ−2−(5−クロロ−チオフェン−2−スルホニルアミノ)−N−(4−フェニルスルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:227℃
226) 4−クロロ−2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−N−(4−(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド;M.p.:103℃
【0141】
薬理学的研究
1) 溶解性グアニル酸シクラーゼの活性化
本発明に係る化合物による、溶解性グアニル酸シクラーゼ(sGC)(これは、グアノシン三リン酸(GTP)のサイクリックグアノシン一リン酸(cGMP)及びピロリン酸への変換を触媒する)の活性化を、Amersham製酵素イムノアッセイ(EIA)の助けをかりて定量した。この目的のために、試験物質を、最初にsGCでミクロ滴定プレート中でインキュベートし、そして生成したcGMPの量を、次に測定した。
【0142】
用いたsGCは、ウシ肺から単離された(Methods in Enzymology, Volume 195, p. 377参照)。試験溶液(1ウェル当たり100μl)は、50mMトリエタノールアミン(TEA)緩衝液(pH7.5)、3mM MgCl2、3mM還元グルタチオン(GSH)、0.1mM GTP、1mM 3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX)、適当に希釈した酵素溶液及び試験物質、又は、コントロール実験では、溶媒を含む。試験物質を、ジメチルスルホキシド(DMSO)中に溶解し、そして溶液をDMSO/水で希釈し、その結果、試験溶液中の試験物質の最終濃度cは、表に示した値であった。試験溶液中のDMSO濃度は、5%(v/v)であった。反応をsGCの付加により開始した。反応混合物を37℃で15〜20分間インキュベートし、次に氷冷却及び停止試薬(50mM EDTA、pH8.0)を加えることで、反応停止した。50μlのアリコットを取り、AmershamcGMP−EIAキットのアセチル化プロトコールを使用することにより、cGMP含量を測定するために使用した。マイクロ滴定プレート読取り機でサンプルの吸光度を450nm(参照波長620nm)で測定した。cGMP濃度を、同一試験条件下で得られた定量曲線を用いて決定した。試験物質によるsGCの活性化は、基礎酵素活性[これは、(試験物質の代わりに溶媒を用いて)コントロール実験において見られた]のn倍刺激(式:
【数1】

を用いて計算した)として得た。
【0143】
次の結果を得た:
【表1】

【0144】
【表2】

【0145】
2) ラット大動脈の弛緩
この試験のために、正常血圧雄性ウィスター−京都ラットを、首に一撃を与えて犠牲にした。腹部腔及び胸部を、中程度の胸骨切開により開いた。下行大動脈を次に除去し、結合組織から自由にし、そして約4mmの長さの8個の環に分割した。1対のピンセットの先端を、8個の環の中の4個の環の管腔に入れた。1対のピンセットの先端越しに環を注意深く丸めることにより、内皮を除去した。次に、すべての8個の大動脈の輪(4個は内皮を持ち、4個は内皮を持たない)を、収縮性緊張の等大決定(isometric determination
)のために、37℃の定温で懸濁した。30分間、炭酸ガスで飽和した(95%O2;5%CO2)、pH7.4のクレブス−ヘンセライト溶液(組成:Na+ 144.0mM;K+ 5.9mM;Cl- 126.9mM;Ca2+ 1.6mM;Mg2+ 1.2mM;H2PO4- 1.2mM;SO42- 1.2mM;HCO3- 25.0mM;D−グルコース11.1mM)中、1gの静止緊張で環の口径を測定した。加えて、プロスタグランジン生合成を抑制するために、インドメタシン1μmol/Lをクレブス−ヘンセライト溶液に加えた。その環を次に、フェニレフリン(溶液中濃度:1μM)を加えることで、予め緊張させ、そして、内皮依存性弛緩又は内皮の機能喪失を、アセチルコリン(溶液中濃度:1μM)を加えることで試験した。30分間の洗浄期の後、その環を次に、フェニレフリン(1μM)を加えることで再び予め収縮させ、そして、式Iの試験物質の弛緩作用を、後者の累積量を投与することで測定した。データは、標準的な方法で評価した。IC50は、その濃度により収縮が50%阻害される(50%弛緩)濃度で与えられる。
【0146】
次の結果を得た:
【表3】

【0147】
3) ブタでの血流力学的効果
3匹のブタ(ジャーマンランドレース)を麻酔した(ケタミン20mg/kg i.m.、メトミダート8mg/kg i.p.、キシラジン2.5mg/kg i.m.、及びペントバルビタール25mg/kg i.v.を、ボーラスとして及び1分当たり0.16mg/kg)。気管に挿管し、動物に空気で人工呼吸させた。血液気体パラメータを正常範囲にするために、酸素を加えた。シュタム(Statham)23Db圧力トランスデューサーによって血圧(BP;BP(s)=収縮期血圧、BP(d)=拡張期血圧)を記録するために、カテーテルを右大腿に挿入した。左心室圧(LVP)、左心室末−拡張期圧(LVEDP)、収縮性(dP/dt)及び心拍数(HR)を、ミラーPC350カテーテル“チップマノメータ”(これは右心室に挿入された)で測定した。30分間の血流力学パラメータの安定期の後に、試験物質を、示された用量でカテーテルにより暴露された十二指腸に投与した。測定したデータを、標準的な方法に従って評価した。個々のパラメータの初期値及び最大変化(=最大効果)の平均値及び標準偏差(M±SEM)を得た。
【0148】
次の結果が得られた:
実施例88の化合物(用量10mg/kg i.d.)
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、A1は、フェニレン、ナフチレン及びヘテロアリ−レン(これらはすべて、ハロゲン、(C1−C5)−アルキル、フェニル、トリル、CF3、NO2、OH、−O−(C1−C5)−アルキル、 −O−(C2−C4)−アルキル−O−(C1−C3)−アルキル、(C1−C2)−アルキレンジオキシ、NH2、−NH−(C1−C3)−アルキル、−N((C1−C3)−アルキル)2、−NH−CHO、−NH−CO−(C1−C5)−アルキル、−CN、−CO−NH2、−CO−NH−(C1−C3)アルキル、−CO−N((C1−C3)−アルキル)2、−CO−OH、−CO−O−(C1−C5)−アルキル、ヘテロシクリル、CHO、−CO−(C1−C5)−アルキル、−S(O)n−(C1−C4)−アルキル、−S(O)n−フェニル及び−S(O)n−トリルの群から選択された、1個以上の同一又は異なった置換基で置換されてもよい)の群から選択された2価残基であり;
環A2(これは、基C(=X)−NH−及びNH−SO22を結合する炭素原子を含む)は、ベンゼン環、ナフタレン環、飽和若しくは部分的不飽和の3員ないし7員炭素環、飽和若しくは部分的不飽和若しくは芳香族の単環式5員ないし7員複素環(これは、N、O及びSの群から選択された、1個以上の環ヘテロ原子を含む)、又は飽和若しくは部分不飽和若しくは芳香族の2環式8員ないし10員複素環(これは、N、O及びSの群から選択された、1個以上の環ヘテロ原子を含む)であり;
1は、アリール、ヘテロシクリル、又は(C1−C18)−アルキル(これは、1個以上の同一又は異なった残基R4で置換されていてもよく)、あるいは、もし基R1−S(O)n−中のn値が2なら、R1はまたNR56であってもよく、あるいは、もし基R1−S(O)n−中のn値が0なら、R1はまた−CNであってもよく;
2は、(C1−C10)−アルキル(これは、1個以上の同一又は異なった残基R4で置換されていてもよい)であり;
3は、水素、ハロゲン、CF3、OH、−O−(C1−C7)−アルキル、−O−(C2−C4)−アルキル−O−(C1−C7)−アルキル、−O−アリール、(C1−C2)アルキレンジオキシ、NO2、−CN、NR78、−CO−NR78、−CO−OH、−CO−O−(C1−C5)−アルキル、ヘテロシクリル、−S(O)n−(C1−C5)−アルキル及び(C1−C5)−アルキル(これらは、1個以上の同一又は異なった残基R4で置換されていてもよい)の群から選択された、1個以上の同一又は異なった残基を表わし;
4は、フッ素、OH、−O−(C1−C10)−アルキル、−O−(C2−C4)−アルキル−O−(C1−C7)−アルキル、−O−アリール、−CN、NR78、−CO−NH2、−CO−NH−(C1−C3)−アルキル、−CO−N((C1−C3)−アルキル)2、−CO−OH、−CO−O−(C1−C5)−アルキル、ヘテロシクリル又はオキソを表わし;
5は、水素、(C1−C10)−アルキル(これは、1個以上の同一又は異なった置換基R4及び/又はアリールで置換されていてもよい)であり、あるいは、アリール、ヘテロシクリル、−CO−NR78、−CO−アリール又は−CO−(C1−C10)−アルキルであり(ここで、アルキル残基は、1個以上の同一又は異なった残基R4で置換されていてもよい);
6は、R5から独立して、R5について示された意味の中の1つを持つか、又は、R5及びR6が、これらが結合している窒素原子と一緒に、5員ないし8員飽和若しくは部分的不飽和環(これは、基R5及びR6を結合する窒素原子に加えて、N、O及びSの群から選択された、1個以上のさらなる環ヘテロ原子を含んでもよく、また、これは、フッ素、(C1−C5)−アルキル、ヒドロキシ−(C1−C3)−アルキル−、−(C1−C3)−アルキル−O−(C1−C4)−アルキル、アリール、CF3、OH、−O−(C1−C7)−アルキル、−O−アリール、−O−(C2−C4)−アルキル−O−(C1−C7)−アルキル、(C2−C3)−アルキレンジオキシ、NR78、−CN、−CO−NH2、−CO−NH−(C1−C3)−アルキル、−CO−N((C1−C3)−アルキル)2、−CO−OH、−CO−O−(C1−C5)−アルキル、CHO、−CO−(C1−C5)−アルキル、−S(O)n−(C1−C4)−アルキル、−S(O)n−NH2、−S(O)n−NH−(C1−C3)−アルキル、−S(O)n−N((C1−C3)−アルキル)2、オキソ、−(CH2)m−NH2、−(CH2)m−NH−(C1−C4)−アルキル及び−(CH2)m−N((C1−C4)−アルキル)2 {ここで、置換基−(CH2)m−N((C1−C4)−アルキル)2 中、2個のアルキル基が単結合によって結合し、そして、それらを結合する窒素原子と一緒に、5員ないし7員環〈これは、窒素原子及び炭素原子の他に、さらに酸素原子、硫黄原子又は基NR5を環員として含んでいてもよい〉を形成してもよい}の群から選択された、1個以上の同一又は異なった置換基で置換されていてもよい)を形成し;
7は、水素又は(C1−C7)−アルキル(これは、OH、−O−(C1−C5)−アルキル、NH2、−NH−(C1−C4)−アルキル及び−N((C1−C4)−アルキル)2 {ここで、置換基N((C1−C4)−アルキル)2 中、2個のアルキル基が単結合によって結合し、そして、それらを結合する窒素原子と一緒に、5員ないし7員環〈これは、窒素原子及び炭素原子の他に、さらに酸素原子、硫黄原子又は基NR5を環員として含んでいてもよい〉を形成してもよい}の群から選択された、1個以上の同一又は異なった置換基で置換されていてもよい)であり;
8は、R7から独立して、R7の意味の一つを持つか、又は−CO−(C1−C4)−アルキルであり;
アリールは、フェニル、ナフチル又はヘテロアリール(これらはすべて、ハロゲン、(C1−C5)−アルキル、フェニル、トリル、CF3、−O−CF3、NO2、OH、−O−(C1−C5)−アルキル、−O−(C2−C4)−アルキル−O−(C1−C3)−アルキル、(C1−C2)−アルキレンジオキシ、NH2、−NH−(C1−C3)−アルキル、−N((C1−C3)−アルキル)2、−NH−CHO、−NH−CO−(C1−C5)アルキル、−CN、−CO−NH2、−CO−NH−(C1−C3)−アルキル、−CO−N((C1−C3)−アルキル)2、−CO−OH、−CO−O−(C1−C5)−アルキル、ヘテロシクリル、CHO、−CO−(C1−C5)−アルキル、 −S(O)n−(C1−C4)−アルキル、−S(O)n−フェニル及び−S(O)n−トリルの群から選択された、1個以上の同一又は異なった置換基で置換されていてもよい)であり;
ヘテロアリール及びヘテロアリ−レンは、単環式5員若しくは6員芳香族複素環又は2環式8員ないし10員芳香族複素環(これらのそれぞれは、N、O及びSの群から選択された、1個以上の環ヘテロ原子を含む)の残基であり;
ヘテロシクリルは、単環式又は多環式5員ないし11員飽和若しくは部分的不飽和複素環(これは、N、O及びSの群から選択された、1個以上の環ヘテロ原子を含み、また、これは、フッ素、(C1−C5)−アルキル、OH、−O−(C1−C5)−アルキル、−O−(C2−C4)−アルキル−O−(C1−C3)−アルキル、NH2、−NH−(C1−C3)−アルキル、−N((C1−C3)アルキル)2、−CN、−CO−NH2、−CO−NH−(C1−C3)−アルキル、−CO−N((C1−C3)−アルキル)2、−CO−OH及び−CO−O−(C1−C5)−アルキルの群から選択された、1個以上の同一又は異なった置換基で置換されていてもよい)の残基であり;
nは、 0、1又は2であり;
mは、2、3又は4であり;
Xは、O又はNHであるか、あるいは、Xは、窒素原子(これは、単結合によって、基A1中の環炭素原子に結合しており、この環炭素原子は、基−NH−C(=X)−を結合しているA1中の炭素原子に直接隣接し、その結果、基−NH−C(=X)−は、それを結合しているA1中の炭素原子と一緒に、アニールしたイミダゾール環を形成する)である]
の化合物(すべてのその立体異性体の形態又はすべての比率におけるその混合物を含む)、及びその生理学的に許容し得る塩;
(但し、同時に、環A2{これは、基C(=X)−NH−及びNH−SO22を結合する炭素原子を含む}が、3位及び5位で塩素により置換されたベンゼン環であり、R2がメチルであり、Xが酸素であり、かつ、R1−S(O)n−A1−が5−クロロ−2−(4−クロロフェニルメルカプト)フェニル残基である、式Iの化合物を除く)。
【請求項2】
1が、フェニレン残基又は5員若しくは6員ヘテロアリ−レン残基である(ここで、すべてのこれらの残基は、非置換又は置換であってもよい)、請求項1記載の式Iの化合物(すべてのその立体異性体の形態又はすべての比率におけるその混合物を含む)、及びその生理学的に許容し得る塩。
【請求項3】
基R2−SO2−NH及びC(=X)−NH−を結合する炭素原子を含む環A2が、芳香環である、請求項1又は2記載の式Iの化合物(すべてのその立体異性体の形態又はすべての比率におけるその混合物を含む)、及びその生理学的に許容し得る塩。
【請求項4】
Xが、酸素である、請求項1ないし3のいずれか1項記載の式Iの化合物(すべてのその立体異性体の形態又はすべての比率におけるその混合物を含む)、及びその生理学的に許容し得る塩。
【請求項5】
2が、(C1−C10)−アルキル(これは非置換又は1個又はそれ以上のフッ素で置換されている)である、請求項1ないし4のいずれか1項記載の式Iの化合物(すべてのその立体異性体の形態又はすべての比率におけるその混合物を含む)、又はその生理学的に許容し得る塩。
【請求項6】
1が、(C1−C7)−アルキル、アリール又はNR56(ここで、これらの残基は非置換又は置換であってもよい)である、請求項1ないし5のいずれか1項記載の式Iの化合物(すべてのその立体異性体の形態又はすべての比率におけるその混合物を含む)、及びその生理学的に許容し得る塩。
【請求項7】
1が、NR56であり、かつ、R5及びR6が、お互いに独立して、水素、(C1−C9)−アルキル、(C1−C4)−アルキル−O−(C1−C3)−アルキル又は5員若しくは6員アリールであるか、あるいは、R5及びR6を結合する窒素原子と一緒に、5員ないし7員複素環(これは、基R5及びR6を結合する窒素原子に加えて、N、O及びSの群から選択された、1個のさらなる環ヘテロ原子を結合していてもよく、また、これは、(C1−C3)アルキル、ヒドロキシ−(C1−C3)−アルキル−、5員若しくは6員アリール、カルバモイル、ヒドロキシ及びオキソの群から選択された、1個以上の同一又は異なった残基によって置換されていてもよい)を形成する、請求項1ないし6のいずれか1項記載の式Iの化合物(すべてのその立体異性体の形態又はすべての比率におけるその混合物を含む)、及びその生理学的に許容し得る塩。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項記載の式Iの化合物の製造方法であって、
式IIの環状アミノカルボン酸を式IIIのスルホニルアミノカルボン酸に転化し、そして
、式IIIの化合物を式Iの化合物に転化するか;
【化2】

あるいは、式IXの環状ニトロカルボン酸を式XIIのニトロカルボキサミドに転化し、そして、ニトロ基を還元してアミノ基とし、かつ、アミノ基をスルホニル化することにより、式XIIの化合物を式Iの化合物に転化する:
【化3】

(ここで、式I、II、III、IX及びXII中、基A1、A2、R1、R2、R3並びにX及びnは、請求項1ないし7に示された意味を持つか、あるいは、残基又は官能基はまた、保護された形態又は前駆体基の形態で存在してもよい)
ことからなる方法。
【請求項9】
医薬としての使用のための、請求項1ないし7のいずれか1項記載の式Iの化合物及び/又はその生理学的に許容し得る塩。
【請求項10】
請求項1ないし7のいずれか1項記載の式Iの化合物1種以上、及び/又はそれらの生理学的に許容し得る塩並びに薬学的に許容し得るキャリヤーからなる医薬製剤。
【請求項11】
溶解性グアニル酸シクラーゼの活性化剤としての使用のための、請求項1ないし7のいずれか1項記載の式Iの化合物及び/又はその生理学的に許容し得る塩。
【請求項12】
心血管系疾患、内皮機能障害、拡張期機能障害、アテローム性動脈硬化症、高血圧、狭心症、血栓症、再狭窄、心筋梗塞、発作、心不全、肺高血圧症、勃起不全、気管支喘息、慢性腎不全、糖尿病又は肝硬変の治療又は予防における使用のための、あるいは、制限された記憶力又は学習能力の改善のための、請求項1ないし7のいずれか1項記載の式Iの化合物及び/又はその生理学的に許容し得る塩。

【公開番号】特開2006−143737(P2006−143737A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−343295(P2005−343295)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【分割の表示】特願2000−559082(P2000−559082)の分割
【原出願日】平成11年6月25日(1999.6.25)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】