c−Kit調節因子および使用方法
本発明は、増殖、分化、プログラム細胞死、遊走および化学侵襲のような細胞活性を調節することに関するプロテインキナーゼ酵素活性を調節するための化合物を提供する。なおさらに特定すると、本発明は、c−Kitキナーゼ活性を調節するための化合物、ならびにこの化合物およびこの化合物の薬学的組成物を利用してc−Kit活性により媒介される疾患を処置する方法を、提供する。本発明は、増殖、分化、プログラム細胞死、遊走および化学侵襲のような細胞活性を調節することに関するプロテインキナーゼ酵素活性を調節するための化合物を含む薬学的組成物も提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、発明者としてチェン,ウェイらが示された、「c−Kit調節因子および使用方法」の表題で、2003年8月29日に出願された、米国仮特許出願第60/499,224号の優先権を主張する;これは、すべての目的において、その全体が参考として本明細書に援用される。
【0002】
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、増殖、分化、プログラム細胞死、遊走および化学侵襲(chemoinvasion)のような、細胞活性を調節するためのプロテインキナーゼ酵素活性を調節するための化合物に関する。さらにより具体的には、本発明は、上述の細胞活性における変化に関するキナーゼレセプターシグナル伝達経路を阻害、制御および/または調節する化合物、これら化合物を含む組成物、ならびにキナーゼ依存性の疾患および状態を処置するためにこれらを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術のまとめ)
癌を処置するために使用される因子の特異性の改良は、これら因子の投与に関連する副作用が軽減され得る場合に実現される治療上の利益に起因して、かなり重要なことである。伝統的に、癌の処置における劇的な改良は、新規機構を介して作用する治療因子の同定と関連する。
【0004】
プロテインキナーゼは、タンパク質、特に、タンパク質のチロシン残基、セリン残基およびトレオニン残基におけるヒドロキシ基のリン酸化を触媒する酵素である。この表面上は単純な活性の結果は、驚異的である;細胞の分化および増殖;すなわち、一方向または別方向への細胞の生存についての、実際のすべての局面がプロテインキナーゼ活性に依存する。さらに、異常なプロテインキナーゼ活性は、多数の障害と関係しており、この障害は乾癬のような相対的に生命を脅かさない疾患から、グリオブラストーマ(脳癌)のような極端に危険性の高い疾患にまで及ぶ。
【0005】
プロテインキナーゼは、レセプター型または非レセプター型に分類され得る。レセプター型チロシンキナーゼは、細胞外部分、膜貫通部分、および細胞内部分を有し、一方、非レセプター型チロシンキナーゼは、完全に細胞内である。
【0006】
レセプター型チロシンキナーゼは、多様な生物活性を有する非常に多くの膜貫通レセプターを含む。実際、約20の異なるサブファミリーのレセプター型チロシンキナーゼが同定されている。1つのチロシンキナーゼサブファミリーは、HERサブファミリーと称され、EGFR(HER1)、HER2、HER3およびHER4を含む。このサブファミリーのレセプターのこれまでに同定されたリガンドとしては、上皮細胞増殖因子、TGF−α、アンフィレグリン、HB−EGF、βセルリンおよびヒレグリンが挙げられる。これらレセプター型チロシンキナーゼの別のサブファミリーは、インスリンサブファミリーであり、これらには、INS−R、IGF−IRおよびIR−Rが挙げられる。PDGFサブファミリーとしては、PDGF−αレセプターおよびPDGF−βレセプター、CSFIR、c−KitならびにFLK−IIが挙げられる。次いでFLKファミリーが存在し、これは、キナーゼ挿入ドメインレセプター(KDR)、胎児肝臓キナーゼ−1(FLK−1)、胎児肝臓キナーゼ−4(FLK−4)およびfms様チロシンキナーゼ−1(flt−1)を含む。PDGFファミリーおよびFLKファミリーは、これら2つの群の類似性に起因して、通常一緒とみなされる。このレセプター型チロシンキナーゼの詳細な考察については、Plowmanら、DN&P 7(6):334−339,1994を参照のこと(これは本明細書中で参考として援用される)。
【0007】
非レセプター型チロシンキナーゼもまた、非常に多くのサブファミリーを含み、Src、Frk、Btk、Csk、Abl、Zap70、Fes/Fps、Fak、Jak、AckおよびLIMKが挙げられる。これらサブファミリーの各々はさらに、多様なレセプターへと細分化される。例えば、Srcサブファミリーは、最も大きなもののうちの1つであり、そしてSrc、Yes、Fyn、Lyn、Lck、Blk、Hck、FgrおよびYrkが挙げられる。このSrcサブファミリーの酵素は、発癌と関連付けられている。非レセプター型チロシンキナーゼのより詳細な考察としては、Bolen、Oncogene、8:2025−2031(1993)を参照のこと(これは本明細書中で参考として援用される)。
【0008】
プロテインキナーゼおよびそれらのリガンドは種々の細胞活性において重要な役割を担うので、プロテインキナーゼの酵素活性の脱制御は、変化した細胞特性(例えば、癌と関連する制御されない細胞増殖)を導き得る。腫瘍学的指標に加え、変化したキナーゼシグナル伝達は、多くの他の病理学的疾患に関係している。これらとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:免疫学的障害、心臓血管疾患、炎症性疾患および変性疾患。従って、レセプタープロテインキナーゼおよび非レセプタープロテインキナーゼの両方は、低分子薬物探索のための魅力的な標的である。
【0009】
キナーゼ調節の治療的使用についての1つの魅力的な目標は、腫瘍学的指標に関する。例えば、慢性骨髄性白血病(CML)および胃腸管支質癌(GIST)の処置に対してFDAが承認したGleevec(登録商標)(Novartis Pharmaceutical Corporation、East Hanover、NJにより生産されるイマチニブメシレート(imatinib mesylate))を用いて、癌の処置のためのプロテインキナーゼ活性の調節が、良好に実証されている。Gleevecは、c−KitキナーゼおよびAblキナーゼのインヒビターである。
【0010】
腫瘍の増殖および生存のために必要とされる2つの主要な細胞プロセスである(Matter A.Drug Disc Technol 2001 6,1005−1024)細胞増殖および新脈管形成の調節(特に阻害)は、低分子薬物の開発のための魅力的な目標である。抗脈管形成治療は、脱制御された血管新生に関連する固形腫瘍および他の疾患(例えば、虚血性冠状動脈疾患、糖尿病性網膜症、乾癬および慢性関節リウマチが挙げられる)の処置のための、潜在的に重要なアプローチを提示する。同様に、抗細胞増殖性因子は、腫瘍の増殖を遅滞または停止させるために所望され得る。
【0011】
低分子調節のための1つの特に魅力的な標的は、c−Kitである。癌原遺伝子c−kitは、最初に、急性トランスフォーミングHardy Zuckerman 4−ネコ肉腫ウイルスの発癌性成分として同定された(Besmerら Nature 1986 320:415−421)。c−Kit(幹細胞因子レセプターまたはsteel因子レセプターとも呼ばれる)は、血小板由来増殖因子レセプターサブファミリーに属する3型レセプターチロシンキナーゼ(RTK)である。c−Kitは、リガンドである幹細胞因子(SCF)を結合し、そして複数のシグナル伝達経路(Srcファミリーキナーゼ、ホスファチジル−イノシトール3キナーゼ、Ras−Raf−Mapキナーゼカスケード、およびホスホリパーゼCが挙げられる)を誘発する(Broudyら Blood 1999 94:1979−1986;Lennartssonら Oncogene 1999 18:5546−5553;Timokhinaら EMBO J 1998 17;6250−6262;Chianら Blood 2001 98(5)1365−1373;Blume Jensenら Curr Biol 1998 8:779−782;Kisselら EMBO J 2000 19:1312−1326;Lennartssonら Oncogene 1999 18:5546−5553;Sueら Blood,1998 92:1242−1149;Levら EMBO J 1991 10:647−654)。c−Kitは、正常な造血、メラニン産生(melanonogenesis)および配偶子形成のために必要とされる。c−Kitは、マスト細胞、未成熟骨髄性細胞、メラノサイト、上皮乳房細胞、およびCajalの間質細胞(ICC)において発現される。マスト細胞において、c−Kitは、分化、成熟、化学走性および接触走性(haptotaxis)のためだけでなく、生存および増殖の促進のためにも必要とされる。
【0012】
c−Kitにおける変異は、ヒトの疾患に関係している。膜近傍ドメインにおける変異は、多くのヒト胃腸管支質腫瘍において見出され、そしてキナーゼドメインにおける変異は、肥満細胞症、生殖細胞腫瘍、急性骨髄性白血病(AML)、NKリンパ腫、および他の血液学的障害において見出される(Hirotaら Science 1998 279:577−580;Singerら J Clin Oncol 2002 203898−3905;Longleyら Proc Natl Aca Sci USA 1999:1609−1614;Tianら Am J Pathol 1999 154:1643−1647;Beghiniら Blood 2000 95:726−727;Hongyoら Cancer Res 2000 60:2345−2347)。これらの変異は、リガンド非依存性チロシンキナーゼ活性、Kitの自己リン酸化、制御されない細胞増殖および下流シグナル伝達経路の刺激を引き起こす。KitおよびKitリガンドの過剰発現はまた、他の腫瘍(小胞肺癌、神経芽細胞腫、婦人性腫瘍、および結腸癌が挙げられる)において記載されており、この過剰発現はオートクライン性またはパラクライン性のKit活性化を引き起こし得る。
【0013】
GISTは、最も一般的な胃腸管の間葉腫瘍であり、これらは一般的に化学治療および放射線治療に耐性である。悪性マスト細胞疾患は、しばしば、極端に乏しい予後を示唆し、そして信頼性ある効果的な化学治療剤は同定されていない(Maroneら Leuk Res 2001 25:583−594)。組織的なマスト細胞の障害はインターフェロン−αで処置されているが、この治療法の効果は変動性であった(LehmannおよびLammle Ann Hematol 1999 78:483−484;Butterfield Br J Dermatol 1998 138;489−495)。従って、活性化したKitは、GISTおよびマスト細胞疾患、ならびに活性化c−Kitに関連する他の障害における治療標的として役立ち得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、キナーゼ、特にc−Kitのシグナル伝達を特異的に阻害、制御および/または調節する低分子化合物の同定は、異常な細胞増殖と関連する疾患状態を処置または予防するための手段として望ましく、そして本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(発明の要旨)
1つの局面において、本発明は、c−Kitキナーゼ活性を調節するための化合物、およびこの化合物を利用して、c−Kit活性によって媒介される疾患を処置する方法、およびこの化合物の薬学的組成物を提供する。c−Kit活性によって媒介される疾患としては、侵襲性細胞増殖に関連する遊走、侵襲、増殖および他の生物学的活性によって部分的に特徴付けられる疾患が挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
別の局面において、本発明は、c−Kit活性の調節因子のためのスクリーニングの方法を提供する。この方法は、本発明の組成物、c−Kitおよび少なくとも1つの候補因子を組み合わせる工程、ならびにc−Kit活性に対する候補因子の効果を決定する工程を含む。
【0017】
なお別の局面において、本発明はまた、(本明細書に記載される1つ以上のc−Kit酵素活性調節因子を含め)1つ以上の薬学的化合物および/または本発明の組成物が充填された1つ以上の容器を備える薬学的キットを提供する。このようなキットはまた、例えば、他の化合物および/または他の組成物(例えば、希釈剤、浸透増強剤、滑沢剤など)が、この化合物および/または組成物を投与するためのデバイス、ならびに薬物もしくは生物製剤の製造、使用または販売を規制する政府機関によって定められた様式で書かれた指示書(この指示書はまた、ヒトへの投与に対する製造、使用または販売についての機関による認可を反映し得る)を備え得る。
【0018】
なおさらに別の局面において、本発明はまた、本発明の化合物、ならびに必要に応じて薬学的に受容可能なアジュバントおよび賦形剤を含む、診断薬を提供する。
【0019】
本発明のこれらおよびその他の特徴および利点は、関連の図面を参照して、以下でより詳細に記載される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(発明の詳細な説明)
本発明の組成物は、異常な細胞活性およびまたは制御されない細胞活性と関連する疾患を処置するために使用される。本明細書中に提供される方法および組成物によって処置され得る疾患状態としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:癌(以下にさらに考察される)、免疫障害(例えば、慢性関節炎リューマチ、移植片−宿主疾患、多発性硬化症、乾鮮;心臓血管疾患(例えば、アテローム硬化症、心筋梗塞、虚血、発作および再狭窄);他の炎症性疾患および変性疾患(例えば、腸内疾患、骨関節炎、黄斑変性、糖尿病性網膜症)。
【0021】
いくつかの場合において、細胞が過増殖状態でも貧増殖状態でもないかもしれないが、そして/または遊走状態(異常状態)でもないかもしれないが、それでも依然として処置を必要とし得ることが、理解される。例えば、創傷の治癒の間、細胞は「正常に」増殖し得るが、増殖増強および遊走増強が所望され得る。あるいは、「正常な」細胞増殖速度の低減および/または細胞遊走速度の低減が所望され得る。
【0022】
本発明は、式I
【0023】
【化44】
に従うc−Kitの活性を調節するための化合物またはこの化合物の薬学的に受容可能な塩、水和物もしくはプロドラッグを含み、ここで、環Aは5員〜14員のヘテロアリールであり;
各々のR1は、独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR4、−N(R4)R4、−S(O)0−2R4、−SO2N(R4)R4、−CO2R4、−C(=O)N(R4)R4、−C(=NR5)N(R4)R4、−C(=NR5)R4、−N(R4)SO2R4、−N(R4)C(O)R4、−NCO2R4、−C(=O)R4、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
2つの隣接したR1は、それらが結合する環原子と一緒になって、5員環〜6員環を形成し得、この環は、2つまでのヘテロ原子を含み、そして必要に応じて3つまでのR10で置換され;
L1は、単結合、必要に応じて置換されたC1−2アルキレン、−O−、−CH2O−、−N(R7)−、−C(=O)N(R7)−、−SO2N(R7)−、−CH2N(R7)−、および−S(O)0−2−から選択され;
環Bは、5員〜10員のアリールまたは5員〜10員のヘテロシクリルであり;
各々のR2は、独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR4、−N(R4)R4、−S(O)0−2R4、−SO2N(R4)R4、−CO2R4、−C(=O)N(R4)R4、−C(=NR5)N(R4)R4、−C(=NR5)R4、−N(R4)SO2R4、−N(R4)C(O)R4、−NCO2R4、−C(=O)R4、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
2つの隣接するR2は、それらが結合する環原子と一緒になって、5員環〜6員環を形成し得、この環は、2つまでのヘテロ原子を含み、そして必要に応じて3つまでのR15で置換され;
L2は、C4アルキレン、C4アルキリデン、C4アルキリジン、−X(CH2)2O−、−X(CH2)2N(R7)−、−XCH2SO2N(R7)−、−XN(R7)C(=O)N(R7)−、−XCH2C(=O)N(R7)−、−(CH2)3X−、−XN(R7)SO2N(R7)−、−XCH2N(R7)SO2−、−CH2X(CH2)2−、−CH=CHC(=O)N(R7)−、−CH=CHSO2N(R7)−、−XCH2N(R7)C(=O)−、−M−M−、−CH2N(R7)C(=O)O−、および−CH2OC(=O)N(R7)−から選択され;ここで、Xは−CH2−、−O−、−N(R7)−、−C(=O)−および−S(O)0−2−から選択され;Mは−C(=O)N(R7)−および−SO2N(R7)−から選択され;そしてL2のうち任意のC−Hは必要に応じてC−R20であり;
環Cは、5員〜10員のアリールまたは5員〜10員のヘテロアリールであり;
各々のR3は、独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR4、−N(R4)R4、−S(O)0−2R4、−SO2N(R4)R4、−CO2R4、−C(=O)N(R4)R4、−C(=NR5)N(R4)R4、−C(=NR5)R4、−N(R4)SO2R4、−N(R4)C(O)R4、−NCO2R4、−C(=O)R4、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;但し、R3は、環状スルホンアミドの窒素を介して環Cに結合した環状スルホンアミドではない;
2つの隣接したR3は、それらが結合する環原子と一緒になって、5員環〜6員環を形成し得、この環は、2つまでのヘテロ原子を含み、そして必要に応じて3つまでのR25で置換され;
R4は、−H、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
2つのR4は、それらが結合する共通の窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換された5員〜7員のヘテロシクリルを形成し得、この必要に応じて置換された5員環〜7員環ヘテロシクリルは、必要に応じて、N、O、SおよびPから選択される少なくとも1つのさらなるヘテロ原子を含み;
R5は、−H、−CN、−NO2、−OR4、−S(O)0−2R4、−CO2R4、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたC1−6アルケニル、および必要に応じて置換されたC1−6アルキニルから選択され;
R7は、−H、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、−SO2N(R4)R4、−CO2R4、−C(=O)N(R4)R4、−C(=NR5)N(R4)R4、−C(=NR5)R4、−C(=O)R4、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;そして
各々のR10、各々のR15、各々のR20、および各々のR25は、独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR4、−N(R4)R4、−S(O)0−2R4、−SO2N(R4)R4、−CO2R4、−C(=O)N(R4)R4、−C(=NR5)N(R4)R4、−C(=NR5)R4、−N(R4)SO2R4、−N(R4)C(O)R4、−NCO2R4、−C(=O)R4、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
但し;
1)環Bおよび環Cの両方がフェニルである場合:
a)かつ本化合物が環B−CH2N(H)C(=O)N(H)−環Cを含む場合、L1は単結合でなければならず;R3は、L2に対してオルト位である、式−O(CH2)2−4−N−ピペラジンの基を含み得ず;そして環Aは5−メチル−[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イルラジカルでも4H−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−オン−3−イルラジカルでも4’−[2,2’;6’,2”]テルピリジニルラジカルでもあり得ず;
b)かつL1が単結合以外である場合、L2は−N(H)C(=O)C(=O)N(H)−も−N(H)C(=Q)C(H)CNC(=O)−も含み得ず(ここで、QはSまたはOである);
c)かつL1が単結合以外である場合、Aはキノリン−2−イル−L1でもキノリン−3−イル−L1でもキノリン−4−イル−L1でもあり得ず;
2)環Aが縮合アリール系である場合、L1は単結合でなければならず;
3)環Bがフェニルである場合、環CはC6−16炭素環であり、L1は単結合であり、そしてこの化合物が−環B−OCH2C(=O)N(H)−を含む場合、環Aは2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イルラジカルであり得ず;
4)L1が−N(H)−でありかつ環Bがフェニルである場合、環Aはピリミジン−2−イルラジカルであり得ず;
5)本化合物が以下の式
【0024】
【化45】
を含み、ここで、Vが=C(H)−または=N−であり、そして環Bに直接結合したL2のうち窒素が存在する場合、Aは[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イルラジカルを含み得ず;そして
6)この化合物は、以下のうちの1つではない:N−ナフタレン−1−イル−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(フェニルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2、4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−(2,4,6−トリメチルフェニル)アセトアミド、N−(2−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[3−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2,4−ビス(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジクロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−ブロモフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、メチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、エチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、3−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]安息香酸、N−[3−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−アミノフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、およびN−(4−アセチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド。
【0025】
1例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0022]に従い、ここでL1は単結合である。
【0026】
別の例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0023]に従い、ここで環Aは1〜4の間の環窒素を含む。
【0027】
別の例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0024]に従い、ここで環Aは以下から選択される:
【0028】
【化46】
ここで、各々のYは、独立して、=C(H)−または=N−のどちらかであり;そしてZは−O−、−S(O)0−2−および−N(R7)−から選択される。
【0029】
別の例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0025]に従い、ここで環Bはフェニレンまたはピリジレンである。
【0030】
別の例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0026]に従い、ここでL1およびL2が結合する環Bの環原子は、隣接しない。
【0031】
別の例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0027]1に従い、ここでL2は、−X(CH2)2O−、−X(CH2)2N(R7)−、−CH2XC(=O)N(R7)−、−XCH2SO2N(R7)−、−XN(R7)C(=O)N(R7)−および−XCH2C(=O)N(R7)−から選択され;ここで、Xは、−CH2−、−O−、−S(O)0−2−および−N(R7)−から選択され;そしてL2の任意のC−Hは必要に応じてC−R20である。
【0032】
別の例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0028]に従い、ここでL2は、−N(H)N(H)C(=O)N(H)−、−CH2N(H)C(=O)N(H)−、−CH2OC(=O)N(H)−、および−XCH2C(=O)N(H)−から選択され;ここで、Xは、−O−、−S(O)0−2−および−N(R7)−から選択され;そしてL2の任意のC−Hは必要に応じてC−R20である。
【0033】
別の例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0029]に従い、ここで環Aは以下から選択される:
【0034】
【化47】
ここでYは、独立して=C(H)−または=N−のどちらかであり;そしてZは、−O−、−S−および−N(R7)−から選択される。
【0035】
別の例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0030]に従い、ここで環Cはフェニレンまたはピリジルである。
【0036】
別の例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0031]に従い、ここでハロゲンであるR3が少なくとも1つ存在する。
【0037】
別の例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0031]に従い、ここでトリハロメチルであるR3が少なくとも1つ存在する。
【0038】
別の例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0031]に従い、ここでトリフルオロメチルであるR3が少なくとも1つ存在する。
【0039】
別の例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0034]に従い、ここで環Cは、L2に対してメタ位にトリフルオロメチルラジカルを含むフェニルである。
【0040】
別の例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0031]に従い、ここで各々のR3は、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−OR4、−CO2R4、−C(=O)R4および必要に応じて置換されたC1−6アルキルから独立して選択される。
【0041】
別の例において、本発明は、以下の式II
【0042】
【化48】
に従う、c−Kit活性を調節するための化合物、またはこの化合物の薬学的に受容可能な塩、水和物もしくはプロドラッグを含み、ここで、
Wは以下から選択され:
【0043】
【化49】
各々のR27は、独立して、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR55、−N(R55)R55、−S(O)0−2R55、−SO2N(R55)R55、−CO2R55、−C(=O)N(R55)R55、−C(=NR50)N(R55)R55、−C(=NR50)R55、−N(R55)SO2R55、−N(R55)C(O)R55、−NCO2R55、−C(=O)R55、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
各々のYは独立して=C(H)−または=N−のどちらかであり;
Zは、−O−、−S(O)0−2−および−N(R7)−から選択され;
EおよびGは、各々独立して、−O−、−S(O)0−2−、−C(R31)(R32)−および−N(R33)−から選択され;
J1およびJ2はそれぞれ独立して=C(H)−または=N−であり;
各々のR26およびR30は、独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR40、−N(R40)R40、−S(O)0−2R40、−SO2N(R40)R40、−CO2R40、−C(=O)N(R40)R40、−C(=NR50)N(R40)R40、−C(=NR50)R40、−N(R40)SO2R40、−N(R40)C(O)R40、−NCO2R40、−C(=O)R40、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
2つの隣接したR26および2つの隣接したR30は、それらが結合する環原子と一緒になって、5員〜6員環を形成し得、この環は2つまでのヘテロ原子および必要に応じて置換された3つまでのR35を含み;
R31およびR32は、各々独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR40、−N(R40)R40、−S(O)0−2R40、−SO2N(R40)R40、−CO2R40、−C(=O)N(R40)R40、−C(=NR50)N(R40)R40、−C(=NR50)R40、−N(R40)SO2R40、−N(R40)C(O)R40、−NCO2R40、−C(=O)R40、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
R33は、−H、必要に応じて置換された低級アルキル、−SO2N(R40)R40、−CO2R40、−C(=O)N(R40)R40、−C(=NR50)N(R40)R40、−C(=NR50)R40、−C(=O)R40、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
R40は、−H、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
2つのR40は、それらが結合する共通の窒素原子と一緒になる場合、必要に応じて置換された5員〜7員のヘテロシクリルを形成し、この必要に応じて置換された5員〜7員のヘテロシクリルは、N、O、SおよびPから選択される少なくとも1つのさらなるヘテロ原子を必要に応じて含み;
R50は、−H、−CN、−NO2、−OR40、−S(O)0−2R40、−CO2R40、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたC1−6アルケニル、および必要に応じて置換されたC1−6アルキニルから選択され;
R55は、−H、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;そして
2つのR55は、それらが結合する共通の窒素原子と一緒になる場合、必要に応じて置換された5員〜7員のヘテロシクリルを形成し、この必要に応じて置換された5員〜7員のヘテロシクリルは、N、O、SおよびPから選択される少なくとも1つのさらなるヘテロ原子を必要に応じて含む。
【0044】
別の例において、本化合物は、(国際公開公報の)段落[0037]に従い、ここでWおよびEが結合される環Bの環炭素は、共通ではない。
【0045】
別の例において、本化合物は、(国際公開公報の)段落[0038]に従い、ここでR30は、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−OR40、−N(R40)R40、−CO2R40、−C(=O)R40、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択される。
【0046】
別の例において、本化合物は、(国際公開公報の)段落[0039]に従い、ここでトリハロメチルである少なくとも1つのR30が存在する。
【0047】
別の例において、本化合物は、(国際公開公報の)段落[0039]に従い、ここでトリフルオロメチルである少なくとも1つのR30が存在する。
【0048】
別の例において、本化合物は、式III:
【0049】
【化50】
に従う、(国際公開公報の)段落[0039]に従う。
【0050】
別の例において、本化合物は、(国際公開公報の)段落[0042]に従い、ここでWは以下:
【0051】
【化51】
から選択され、そしてR27は上記のように定義される。
【0052】
別の例において、本化合物は、(国際公開公報の)段落[0043]に従い、ここでEは−O−、−S(O)0−2−および−NH−から選択され;そしてGは−CH2−である。
【0053】
別の例において、本化合物は、(国際公開公報の)段落[0043]に従い、ここでEは−CH2−または−NH−のどちらかであり;そしてGは−O−、−S−および−NH−から選択される。
【0054】
別の例において、本化合物は、(国際公開公報の)段落[0044]または段落[0045]のどちらかに従い、ここで各々のR3は、独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−OR4、−CO2R4、−C(=O)R4、および必要に応じて置換されたC1−6アルキルから選択される。
【0055】
別の例において、本化合物は、(国際公開公報の)段落[0046]に従い、ここでR30のうち少なくとも1つは、−E−G−C(=O)N(H)−に対してメタ位のトリフルオロメチルラジカルである。
【0056】
別の例において、本化合物は、(国際公開公報の)段落[0022]または段落[0037]のどちらかに従い、表1から選択される:
【0057】
【化52】
【0058】
【化53】
【0059】
【化54】
【0060】
【化55】
【0061】
【化56】
【0062】
【化57】
【0063】
【化58】
【0064】
【化59】
【0065】
【化60】
【0066】
【化61】
【0067】
【化62】
【0068】
【化63】
【0069】
【化64】
【0070】
【化65】
【0071】
【化66】
【0072】
【化67】
【0073】
【化68】
【0074】
【化69】
【0075】
【化70】
【0076】
【化71】
【0077】
【化72】
【0078】
【化73】
【0079】
【化74】
【0080】
【化75】
【0081】
【化76】
【0082】
【化77】
【0083】
【化78】
【0084】
【化79】
【0085】
【化80】
【0086】
【化81】
【0087】
【化82】
【0088】
【化83】
【0089】
【化84】
【0090】
【化85】
【0091】
【化86】
。
【0092】
本発明の別の局面は、(国際公開公報の)段落[0022]〜[0048]のうちいずれか1つに従う化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物である。
【0093】
本発明の別の局面は、(国際公開公報の)段落[0022]〜[0049]のうちいずれか1つに従う化合物または薬学的組成物の代謝産物である。
【0094】
本発明の別の局面は、キナーゼのインビボ活性を調節するための方法であり、この方法は、(国際公開公報の)段落[0022]〜[0048]のうちの任意のものまたは以下より選択される化合物の有効量を被験体に投与する工程を含む:N−ナフタレン−1−イル−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(フェニルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−(2,4,6−トリメチルフェニル)アセトアミド、N−(2−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[3−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2,4−ビス(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジクロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−ブロモフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、メチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、エチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、3−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]安息香酸、N−[3−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−アミノフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、およびN−(4−アセチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド。
【0095】
本発明の別の局面は、(国際公開公報の)段落[0051]に従う方法であり、ここでキナーゼはc−Kitである。
【0096】
本発明の別の局面は、(国際公開公報の)段落[0052]に従う方法であり、ここでc−Kitのインビボ活性を調節する工程はc−Kitの阻害を含む。
【0097】
本発明の別の局面は、制御されない細胞活性、異常な細胞活性および/もしくは所望されない細胞活性に関係する疾患または障害を処置する方法であり、この方法は、処置を必要とする哺乳動物に対して、(国際公開公報の)段落[0022]〜[0049]のうちいずれか1つに記載される治療有効量の化合物もしくは治療有効量の薬学的組成物、または以下から選択される治療有効量の化合物もしくは以下から選択される化合物を含む治療有効量の薬学的組成物を投与する工程を含む:N−ナフタレン−1−イル−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(フェニルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジメチル−フェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−(2,4,6−トリメチルフェニル)アセトアミド、N−(2−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[3−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2,4−ビス(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジクロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−ブロモフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[2−(トリフルオロ−メチル)フェニル]アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、メチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、エチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、3−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]安息香酸、N−[3−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−アミノフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、およびN−(4−アセチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド。
【0098】
本発明の別の局面は、c−Kitの調節因子についてスクリーニングする方法であり、この方法は、(国際公開公報の)段落[0022]〜[0048]のうちのいずれか1つに従う化合物または以下から選択される1つの化合物と、少なくとも1つの候補因子とを組み合わせる工程、ならびにc−Kit活性に対するこの候補因子の効果を決定する工程を、含む:N−ナフタレン−1−イル−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(フェニルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−(2,4,6−トリメチルフェニル)アセトアミド、N−(2−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[3−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2,4−ビス(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジクロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−ブロモフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、メチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、エチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、3−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]安息香酸、N−[3−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−アミノフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、およびN−(4−アセチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド。
【0099】
本発明の別の局面は、細胞における増殖活性を阻害する方法であり、この方法は、(国際公開公報の)段落[0022]〜[0048]のうちのいずれか1つに従う化合物、または以下から選択される化合物を含む、有効量の組成物を、1細胞または複数の細胞に投与する工程を含む:N−ナフタレン−1−イル−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(フェニルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−(2,4,6−トリメチルフェニル)アセトアミド、N−(2−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[3−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2,4−ビス(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジクロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−ブロモフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、メチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、エチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、3−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]安息香酸、N−[3−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−アミノフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、およびN−(4−アセチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド。
【0100】
(定義)
本明細書中で使用される場合、以下の語句は、それら語句が使用される文脈がそれ以外のことを示す範囲またはそれら語句が異なる何かを意味することが明確に定義される範囲を除き、一般的に以下に記載するとおりの意味を有するよう意図される。
【0101】
記号「−」は単結合を意味し、記号「=」は二重結合を意味し、記号「≡」は三重結合を意味する。記号
【0102】
【化87−1】
は、この記号に結合される二重結合の末端のどちらかの位置を占める、二重結合上の基をいう;すなわち、二重結合のうちのジオメトリ(E−またはZ−)は両義にとれる。親の式から離れる基が記される場合、記号
【0103】
【化87−2】
が、その親の構造式からこの基を離すために理論上切断された結合の末端に使用される。
【0104】
基「R」が、例えば式:
【0105】
【化87−3】
におけるように環上に「浮遊して」いるように記される場合、他に定義されないのであれば、置換基「R」は環系の任意の原子に隣接し得、安定な構造が形成される限り、環原子の1つからの、記される水素の置換、暗示される水素の置換、または明確に定義される水素の置換とみなされる。
【0106】
例えば式:
【0107】
【化88】
におけように、基「R」が縮合環系上に浮遊するように記載される場合、他に定義されないのであれば、置換基「R」は融合環系の任意の原子に隣接し得、安定な構造が形成される限り、1つの環原子からの、記される水素(例えば、上記の式におけるNH−)、暗示される水素(例えば、上記の式のように、水素は示されていないが存在することが理解される場合)または明確に定義される水素(例えば、上記の式における場合、「X」は=C(H)−に等しい)の置換とみなされる。記される例において、「R」基は、融合環系の5員環または6員環のどちらかに存在し得る。上記式において、yが例えば2である場合、2つの「R」は環系の任意の2つの原子に存在し得、さらに、各々は環上の記される水素、暗示される水素、または明確に定義される水素を置換するとみなされる。
【0108】
例えば、2つの基(すなわち、「R」および親構造への連結を示す結合)が存在する式:
【0109】
【化89】
におけるように、このような記される「浮遊する」基が1より多く存在する場合;他に定義されないのであれば、これら「浮遊する」基は、環系の任意の原子に存在し得、さらに、各々が環系上に記される水素、環系上に暗示される水素または環系上に明確に記される水素を置換するとみなされる。
【0110】
例えば、式:
【0111】
【化90】
におけるように(この例において、「y」は1より大きくあり得、各々が環上で現在記される水素、現在暗示される水素または現在明確に定義される水素を置換するとみなされる)、基「R」が飽和炭素を含む環系上に存在するように記される場合、他に定義されないのであれば(生じた構造は安定である場合)、2つの「R」は同じ炭素に存在し得る。簡単な例は、Rがメチル基である場合である;記される環の炭素(「環状」炭素)上に双子のジメチルが存在し得る。別の例において、同一の炭素上の2つの「R」は、この炭素を含め、環を形成し得、従って、例えば式:
【0112】
【化91】
におけるように記される環を有するスピロ環式環(「スピロシクリル」基)構造を作り得る。
【0113】
化合物が「包含する」ように記載され、そして図での記載(例えば、式
【0114】
【化92】
)が使用される場合、これは、この化合物が、少なくとも記されるようなこの中心構造式を包含することを意味ことを意味し、ここで、記されない置換基(水素またはその他)が暗示される。この例はビフェニレン二価ラジカルを示し、従って、化合物が記されるような構造式を包含するといわれる場合、図において特定されるジオメトリの置換ビフェニレンラジカルまたは非置換ビフェニレンラジカルを含む任意の化合物は、このような定義に含まれると意味される。大部分の場合において、このような定義は、上記例(例えば特定の置換基または原子を表す文字の可変物を含む)におけるよりずっと狭く定義される。
【0115】
「アルキル」は、包括的に、直鎖状炭化水素構造、分枝状炭化水素水素または環状炭化水素構造、およびそれらの組み合わせを含むと意図される。例えば、「C8アルキル」とは、n−オクチル、iso−オクチル、シクロヘキシルエチルなどをいい得る。低級アルキルとは、1〜6つの炭素原子のアルキル基をいう。低級アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。高級アルキルとは、8個より多くの炭素原子を含むアルキル基をいう。例示的なアルキル基は、C20以下のアルキル基である。シクロアルキルは、アルキルの部分集合であり、そして3〜13個の炭素原子の環状炭化水素基を含む。シクロアルキル基の例としては、c−プロピル、c−ブチル、c−ペンチル、ノルボニル、アダマンチルなどが挙げられる。本出願において、アルキルとは、アルカニル残基、アルケニル残基およびアルキニル残基(ならびにこれらの組み合わせ)をいう;シクロヘキシルメチル、ビニル、アリル、イソプレニルなどを含むことが意図される。従って、特定数の炭素を有するアルキル残基が、命名される場合、この数の炭素を有する全ての幾何異性体が包含されることが意図される;従って、例えば、「ブチル」または「C4アルキル」のどちらかは、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、イソブテニルおよびブト−2−インラジカルを含むことが意図される;そして例えば、「プロピル」または「C3アルキル」は各々、n−プロピル、プロペニル、およびイソプロピルを含む。
【0116】
「アルキレン」とは、炭素原子および水素原子のみからなり、不飽和を含まず、そして1〜10個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の二価ラジカルをいう(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n−ブチレンなど)。アルキレンは、アルキルの部分集合であり、2点の連結を有し、そして具体的には完全飽和を有すること以外はアルキルと同じ残基をいう。アルキレンの例としては、エチレン(−CH2CH2−)、プロピレン(−CH2CH2CH2−)、ジメチルプロピレン(−CH2C(CH3)2CH2−)およびシクロヘキシルプロピレン(−CH2CH2CH(C6H13))が挙げられる。
【0117】
「アルキリデン」とは、炭素原子および水素原子のみからなり、2〜10個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の不飽和の二価ラジカルをいう(例えば、エチリデン、プロピリデン、n−ブチリデンなど)。アルキリデンはアルキルの部分集合であり、2点の連結を有し、そして具体的には、二重結合不飽和を有すること以外はアルキルと同じ残基をいう。この存在する不飽和は、少なくとも1つの二重結合を含む。
【0118】
「アルキリジン」とは、炭素原子および水素原子のみからなり、2〜10個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の不飽和二価ラジカルをいう(例えば、プロピリド−2−イニル、n−ブチリド−1−イニルなど)。アルキリジンは、アルキルの部分集合であり、2点の連結を有し、そして具体的には三重結合不飽和であること以外はアルキルと同じ残基をいう。この存在する不飽和は、少なくとも1つの三重結合を含む。
【0119】
任意の上記ラジカル「アルキレン」、「アルキリデン」および「アルキリジン」は、必要に応じて置換される場合、それ自体が不飽和を含むアルキル置換を含み得る。例えば、2−(2フェニルエチニル−ブト−3−エニル)−ナフタレン(IUPAC名)は、このラジカルの2位でビニル置換基を有するn−ブチリド−3−イニルラジカルを含む。
【0120】
「アルコキシ」または「アルコキシル」とは、−O−アルキル基をいい、例えば、酸素原子を介して親構造に連結された、1〜8個の炭素原子の直鎖構造、分枝構造、環状構造の不飽和鎖およびその組み合わせを含む。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが挙げられる。低級アルコキシとは、1〜6個の炭素を含む基をいう。
【0121】
「置換アルコキシ」とは、−O−(置換されたアルキル)基をいい、アルキル基における置換は一般的に、ただ一つより多くの炭素(アルコキシにより定義されるとおり)を含む。1つの例示的な置換アルコキシ基は、「ポリアルコキシ」または−O−必要に応じて置換されたアルキレン−必要に応じて置換されたアルコキシ、であり、そして−OCH2CH2OCH3のような基、ならびにポリエチレングリコールおよび−O(CH2CH2O)XCH3のようなグリコールエーテルを含み、ここでxは約2〜約20の間の整数であり、別の例においては約2〜約10の間の整数であり、そしてさらなる例において、約2〜約5の間の整数である。別の例示的な置換アルコキシ基は、ヒドロキシアルコキシまたは−OCH2(CH2)yOHであり、ここでyは例えば、約1〜約10の間の整数である。別の例において、yは約1〜約4の間の整数である。
【0122】
「アシル」とは、カルボニル官能基を介して親構造に連結された、直鎖構造、分枝構造、環状構造、飽和性、不飽和性および芳香族性ならびにそのその組み合わせの1〜10個の炭素原子の基をいう。親構造への連結点がカルボニルのままである限り、アシル残基における1以上の炭素は、窒素、酸素または硫黄に置き換えられ得る。例としては、アセチル、ベンゾイル、プロピオニル、イソブチリル、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどが挙げられる。低級アシルとは、1〜6個の炭素を含む基をいう。
【0123】
「α−アミノ酸」とは、天然に存在するアミノ酸および市販のアミノ酸、ならびにそれらの光学異性体をいう。代表的な天然のα−アミノ酸および市販のα−アミノ酸は、グリシン、アラニン、セリン、ホモセリン、トレオニン、バリン、ノルバリン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、オミシン、ヒスチジン、アルギニン、システイン、ホモシステイン、メチオニン、フェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、フェニルグリシン、オルト−チロシン、メタ−チロシン、パラ−チロシン、トリプトファン、グルタミン、アスパラギン、プロリン、およびヒドロキシプロリンである。「α−アミノ酸の側鎖」とは、上記に定義されるα−アミノ酸のα−炭素上に見出されるラジカル(例えば、水素(グリシンについて)、メチル(アラニンについて)、ベンジル(フェニルアラニンについて)など)をいう。
【0124】
「アミノ」とは、−NH2基をいう。「置換されたアミノ」とは、−N(H)R基または−N(R)R基(ここで、各々のRは独立して、以下の基から選択される:必要に応じて置換されたアルキル、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、スルファニル、スルフィニル、およびスルホニル)をいう(例えば、ジエチルアミノ、メチルスルフォニルアミノ、フラニル−オキシ−スルホンアミノ)。
【0125】
「アリール」とは、芳香族の6〜14員炭素環式環(例えば、ベンゼン、ナフタレン、インダン、テトラリン、フルオレンなど)の多価ラジカルをいう。多価ラジカルとして、前述の環の例(フェニル、ナフチル、インダニル、テトラリニルおよびフルオレニル)が挙げられる。
【0126】
「アリーレン」とは、包括的に、少なくとも2つの基が連結された任意のアリールをいう。より具体的な例として、「フェニレン」とは、二価フェニル環ラジカルをいう。従って、フェニレンは2より多くの基が連結され得るが、これに連結される最小で2つの基によって定義される。
【0127】
「アリールアルキル」とは、アリール部分がアルキレンラジカル、アルキリデンラジカルまたはアルキリジンラジカルのうちの1つを介して親構造に連結される残基をいう。例としては、ベンジル、フェネチル、フェニルビニル、フェニルアリルなどが挙げられる。アリールアルキル基のうちアリール部分、および対応するアルキレンラジカル部分、アルキリデンラジカル部分またはアルキリジンラジカル部分の両方は、必要に応じて置換され得る。「低級アリールアルキル」とは、この基の「アルキル」部分が1〜6個の炭素を有するアリールアルキルをいう;これはまた、C1−6アリールアルキルともいわれ得る。
【0128】
「エクソ−アルケニル」とは、環炭素から突出し、そしてその環系内には存在しない二重結合をいい、例えば以下の式に記される二重結合である。
【0129】
【化93】
。
【0130】
いくつかの例において、当業者に理解されるように、芳香族環系上の2つの隣接基は、一緒に縮合されて環構造を形成し得る。この縮合環構造は、ヘテロ原子を含み得、そして必要に応じて1つ以上の基と置換され得る。このような縮合基のうちの飽和炭素(すなわち、飽和した環構造)は2つの置換基を含み得ることが、さらに留意されるべきである。
【0131】
「縮合多環式」または「縮合環系」とは、架橋環または縮合環を含む多環式の環系をいう;すなわち、ここで2つの環はその環構造において1より多くの共有原子を有する。本出願において、縮合多環式および縮合環系は、必ずしもすべてが芳香族環系であるわけではない。代表的に、縮合多環式はビシナルな組合せの原子を共有するが、必ずしもそうとは限らない(例えば、ナフタレンまたは1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン)。スピロ環系は、この定義による縮合多環式ではないが、本発明の縮合多環式の環系は、それら自体が、この縮合多環式のうちの1つの環原子を介して連結されたスピロ環を有し得る。
【0132】
「ハロゲン」または「ハロ」とは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう。「ハロアルキル」および「ハロアリール」とは、包括的に、1以上のハロゲンで置換された、アルキルラジカルまたはアリールラジカルを、それぞれいう。従って、「ジハロアリール」、「ジハロアルキル」、「トリハロアリール」などは、複数のハロゲンで置換されたアリールおよびアルキルをいうが、必ずしも複数の同じハロゲンで置換されるわけではない;従って、4−クロロ−3−フルオロフェニルは、ジハロアルキルの範囲内である。
【0133】
「ヘテロ原子」とは、O、S、NまたはPをいう。
【0134】
「ヘテロアリーレン」とは、包括的に、少なくとも2つの基が連結された任意のヘテロアリールをいう。より具体的な例として、「ピリジレン」とは、二価ピリジル環ラジカルをいう。ピリジレンは、このように、2より多くの基が連結され得るが、連結される最小で2つの基によって定義される。
【0135】
「ヘテロシクリル」とは、炭素原子と、窒素、リン、酸素および硫黄からなる群より選択される1〜5個のヘテロ原子とからなる、安定な3〜14員環ラジカルをいう。本発明の目的のため、ヘテロシクリルラジカルは、単環式、二環式または三環式の環系であり得、これらは縮合環系および架橋環系、ならびにスピロ環系を含み得る;そしてヘテロシクリルラジカルにおける窒素原子、リン原子、炭素原子または硫黄原子は、必要に応じて、種々の酸化状態へと酸化され得る。特定の例において、基−S(O)0−2−とは、−S−(スルフィド)、−S(O)−(スルホキシド)、および−SO2−(スルホン)をいう。便宜上、窒素(特に環の芳香族窒素として定義される窒素であるが、これに限らない)は、これの対応するN−酸化物形態を含むことが意図されるが、特定の例において、このように明確には定義されない。従って、例えばピリジル環を有する本発明の化合物について;対応するピリジル−N−酸化物は、本発明の別の化合物として含まれることが意図される。さらに、環窒素原子は、必要に応じて四級化され得る;そして環ラジカルは、部分的または完全に飽和または芳香族であり得る。ヘテロシクリルラジカルの例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アゼチジニル、アクリジニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、カルバゾイル、シンノリニル、ジオキロラニル、インドリジニル、ナフチリジニル、パーヒドロアゼピニル、フェナジニル、フェノシアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラゾイル、テトラヒドロイソキノリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、ピロリル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ジヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、トリアゾリル、インダニル、イソキサゾリル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリル、チアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、キヌクリジニル、イソチアゾリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、キノリル、イソキノリル、デカヒドロイソキノリル、ベンズイミダゾリル、チアジアゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、フリル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、チエニル、ベンゾチエリイル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、ジオキサホスホラニル、およびオキサジアゾリル。
【0136】
「ヘテロ脂環式」とは、特に、非芳香族ヘテロシクリルラジカルをいう。ヘテロ脂環式は、不飽和を含み得るが、芳香族ではない。
【0137】
「ヘテロアリール」とは、特に、芳香族ヘテロシクリルラジカルをいう。
【0138】
「ヘテロシクリルアルキル」とは、ヘテロシクリルが、アルキレンラジカル、アルキリデンラジカルまたはアルキリジンラジカルのうちの1つを介して親構造に連結される残基をいう。例としては、(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル、(モルホリン−4−イル)メチル、(ピリジン−4−イル)メチル、2−(オキサゾリン−2−イル)エチル、4−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−ブテニルなどが挙げられる。ヘテロシクリルアルキル基のうちのヘテロシクリル部分と、対応するアルキレンラジカル部分、アルキリデンラジカル部分またはアルキリジンラジカル部分との両方は、必要に応じて置換され得る。「低級ヘテロシクリルアルキル」とは、この基の「アルキル」部分が1〜6個の炭素を有するヘテロシクリルアルキルをいう。「ヘテロ脂環式アルキル」とは、特に、その基のヘテロシクリル部分が非芳香族であるヘテロシクリルアルキルをいう;そして「ヘテロアリールアルキル」とは、特に、その基のヘテロシクリル部分が芳香族であるヘテロシクリルアルキルをいう。
【0139】
「必要に応じた」または「必要に応じて」は、その後に記述された事象または状況が起っても起らなくてもよいこと、そしてこの記述がその事象または状況が起る場合およびその事象または状況が起らない場合を含むことを、意味する。1以上の必要に応じた置換基を含むと記述された任意の分子に関して、立体的に実現可能な化合物および/または合成上実施可能な化合物が含まれることが意図されることを、当業者は理解する。「必要に応じて置換された」とは、ある用語におけるすべてのその後の修飾物をいい、例えば、用語「必要に応じて置換されたアリールC1−8アルキル」において、必要に応じた置換が、分子の「C1−8アルキル」部分と「アリール」部分との両方に起こり得る;そして例えば、必要に応じて置換されたアルキルは、必要に応じて置換されたシクロアルキル基を含み、これは次いで、潜在的に無限に、必要に応じて置換されたアルキル基を含むと定義される。例示的な必要に応じた置換の一覧は、下記の「置換された」の定義において列挙される。
【0140】
「飽和した架橋環系」とは、芳香族でない、二環式環系または多環式環系をいう。このような環系は、孤立した不飽和または共役不飽和を含み得るが、その中心構造において芳香族環もヘテロ芳香族環も含まなくてもよい(しかしそこに芳香族置換を有し得る)。例えば、ヘキサヒドロ−フロ[3,2−b]フラン、2,3,3a,4,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−インデン、7−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、および1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−ナフタレンは、全て、クラス「飽和した架橋環系」に含まれる。
【0141】
「スピロシクリル」または「スピロシクリル環」とは、別の環の特定の環状炭素から発する環をいう。例えば、以下に記されるように、飽和した架橋環系(環Bおよび環B’)の環原子は、これに連結される飽和した架橋環系とスピロシクリル(環A)との間の共有原子であり得が、架橋ヘッド(bridgehead)の原子はそうであり得ない。スピロシクリルは、炭素環式またはヘテロ脂環式であり得る。
【0142】
【化94】
。
【0143】
「置換された」アルキル、アリールおよびヘテロシクリルとは、それぞれ、1個以上(例えば、約5個まで、別の例において約3個まで)の水素原子が以下から独立して選択される置換基に置き換えられたアルキル、アリールおよびヘテロシクリルをいう:必要に応じて置換されたアルキル(例えば、フルオロメチル)、必要に応じて置換されたアリール(例えば、4−ヒドロキシフェニル)、必要に応じて置換されたアリールアルキル(例えば、1−フェニル−エチル)、必要に応じて置換されたヘテロシクリルアルキル(例えば、1−ピリジン−3−イル−エチル)、必要に応じて置換されたヘテロシクリル(例えば、5−クロロ−ピリジン−3−イルまたは1−メチル−ピリジン−4−イル)、必要に応じて置換されたアルコキシ、アルキレンジオキシ(例えば、メチレンジオキシ)、必要に応じて置換されたアミノ(例えば、アルキルアミノおよびジアルキルアミノ)、必要に応じて置換されたアミジノ、必要に応じて置換されたアリールオキシ(例えば、フェノキシ)、必要に応じて置換されたアリールアルキルオキシ(例えば、ベンジルオキシ)、カルボキシ(−CO2H)、カルボアルコキシ(すなわち、アシルオキシまたは−OC(=O)R)、カルボキシアルキル(すなわち、エステルまたは−CO2R)、カルボキサミド、ベンジルオキシカルボニルアミノ(CBZ−アミノ)、シアノ、アシル、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、チオール、ハロゲン、ヒドロキシ、オクソ、カルバミル、アシルアミノ、およびスルホンアミド。
【0144】
「スルファニル」とは、以下の基をいう:−S−(必要に応じて置換されたアルキル)、−S−(必要に応じて置換されたアリール)、および−S−(必要に応じて置換されたヘテロシクリル)。
【0145】
「スルフィニル」とは、以下の基をいう:−S(O)−H、−S(O)−(必要に応じて置換されたアルキル)、−S(O)−必要に応じて置換されたアリール)、および−S(O)−(必要に応じて置換されたヘテロシクリル)。
【0146】
「スルホニル」とは、以下の基をいう:−S(O2)−H、−S(O2)−(必要に応じて置換されたアルキル)、−S(O2)−必要に応じて置換されたアリール)、−S(O2)−(必要に応じて置換されたヘテロシクリル)、−S(O2)−(必要に応じて置換されたアルコキシ)、−S(O2)−(必要に応じて置換されたアリールオキシ)、および−S(O2)−(必要に応じて置換されたヘテロシクリルオキシ)。
【0147】
本明細書中に記載される各々の反応についての「収率」は、理論収量の百分率として表される。
【0148】
本発明のいくつかの化合物は、芳香族ヘテロシクリル系のイミノ置換基、アミノ置換基、オキソ置換基またはヒドロキシ置換基を有し得る。本開示の目的のため、このようなイミノ置換基、アミノ置換基、オキソ置換基またはヒドロキシ置換基は、対応する互変異体形態(すなわち、それぞれアミノ、イミノ、ヒドロキシまたはオキソ)で存在し得る。
【0149】
本発明の化合物は、International Union of Pure and Applied Chemistry(IUPAC)、International Union of Biochemistry and Molecular Biology(IUBMB)、およびChemical Abstracts Service(CAS)により合意された命名規則の体系的適用に従って命名される。
【0150】
本発明の化合物、またはこれらの薬学的に受容可能な塩は、その構造中に不斉炭素原子、酸化硫黄原子、または四級化窒素原子を有し得る。
【0151】
本発明の化合物およびこれらの薬学的に受容可能な塩は、単独の構造異性体、ラセミ体として、そしてエナンチオマーの混合物およびジアステレオマーの混合物として、存在し得る。本化合物はまた、幾何異性体として存在し得る。このような単独の構造異性体、ラセミ体およびこれらの混合物、ならびに幾何異性体は、本発明の範囲内であることが意図される。
【0152】
化合物を構築する目的のための本発明の化合物の包括的な記載を考える場合、このような構築により安定な構造の創製されるとみなされる。すなわち、当業者は、通常は安定な化合物として(すなわち、立体的に実現可能および/または合成上実現可能、前述)は考えられないいくつかの構築物が理論上存在し得ることが、理解される。
【0153】
結合構造を有する特定の基が、2個のパートナーに結合されるように記載される場合(すなわち二価ラジカル、例えば−OCH2−)、他に明確に述べられない場合、2個の潜在的パートナーのうちのどちらかは一方の末端でこの二価ラジカルに結合され得、そしてもう一方のパートナーは必然的にその二価ラジカルのもう一方の末端に結合されることが、理解される。別の方法で述べられると、二価ラジカルは、記された向きに限定されるよう解釈されるべきでない(例えば、「−OCH2−」は、描かれるような「−OCH2−」のみでなく、「−CH2O−」をも意味することが意図される)。
【0154】
立体異性体のラセミ混合物または非ラセミ混合物からの単独の立体異性体の調製および/または分離ならびに単離のための方法は、当該分野で周知である。例えば光学活性な(R)−異性体および(S)−異性体は、キラルシントンもしくはキラル試薬を使用して調製され得るか、または従来技術を使用して分割され得る。エナンチオマー(R−異性体およびS−異性体)は、当業者に公知の方法によって(例えば、以下によって)、分割され得る:ジアステレオ異性体塩または分離され得る錯体の形成(例えば、結晶化によって);分離され得るジアステレオ異性体誘導体の形成を介して(例えば、結晶化、エナンチオマー特異的試薬との1つのエナンチオマーの選択的反応(例えば、酵素的酸化または還元)、続いて修飾エナンチオマーおよび非修飾エナンチオマーの分離によって);またはキラル環境におけるガス−液体クロマトグラフィーもしくは液体クロマトグラフィー(例えば、キラル支持体上(例えば、キラルリガンドが結合したシリカまたはキラル溶媒の存在下でのシリカ))。所望のエナンチオマーが上記の分離手順のうちの1つにより別のキラル実体へと転換される場合、さらなる工程が所望のエナンチオマー形態を遊離させるために必要とされ得ることが、理解される。あるいは、特定のエナンチオマーは、光学活性な試薬、基質、触媒もしくは溶媒を用いた不斉合成によるか、または不斉変換によるエナンチオマーの他のものへの転換によって、合成され得る。エナンチオマーの混合物について、特定のエナンチオマーが富化されると、主要成分のエナンチオマーは、再結晶によって(同時に収量の損失を伴って)さらに富化され得る。
【0155】
本発明の目的のための「患者」としては、ヒトおよび他の動物(特に哺乳動物)、ならびに他の生物体が挙げられる。従って、本方法は、ヒトの治療および獣医学的適用の両方に適用可能である。好ましい実施形態において、患者は哺乳動物であり、そして最も好ましい実施形態において、患者はヒトである。
【0156】
「キナーゼ依存性の疾患または状態」とは、1種以上のプロテインキナーゼの活性に依存する病理学的状態をいう。キナーゼは、直接的または間接的のいずれかで、増殖、接着、遊走、分化および侵襲を含む種々の細胞活性のシグナル伝達経路に関与する。キナーゼ活性と関係した疾患としては、腫瘍増殖、病理学的新脈管新生、(これは固形腫瘍の増殖を支持する)、および過度の局在性脈管新生が関与する他の疾患(例えば、眼性疾患(糖尿病性網膜症、加齢性黄斑変性など)および炎症(乾癬、慢性関節リューマチなど)が挙げられる。
【0157】
理論と結び付けられることを所望しないが、ホスファターゼもまたキナーゼの同族体のものとして、「キナーゼ依存性疾患または状態」において役割を果たし得る:すなわち、キナーゼホスホリラーゼおよびキナーゼホスファターゼは、例えばタンパク質基質を脱リン酸化する。従って、本発明の化合物は、本明細書中に記載されるようにキナーゼ活性を調節しながら、直接的または間接的のいずれかで、ホスファターゼ活性も調節し得る。この追加的な調節は、存在する場合、関係するキナーゼもしくはキナーゼファミリー、または他の相互に依存するキナーゼもしくはキナーゼファミリーに対する本発明の化合物の活性と相乗作用性であってもよい(または相乗作用性でなくてもよい)。先に述べたように、任意の場合において、本発明の化合物は、異常なレベルの細胞増殖(すなわち、腫瘍増殖)、プログラム細胞死(アポトーシス)、細胞遊走および細胞侵襲、ならびに腫瘍増殖と関係した新脈管形成により部分的に特徴付けられる疾患を処置するのに、有用である。
【0158】
「治療有効量」は、本発明の化合物の量であって、患者に投与される場合に疾患の症状を改善する量である。「治療有効量」を構成する本発明の化合物量は、その化合物、疾患状態および疾患の重篤度、処置される患者の年齢などに依存して、変動する。治療有効量は、当業者によって、その者自身の知識およびこの開示を考慮して、慣用的に決定され得る。
【0159】
「癌」とは、細胞増殖性の疾患状態をいい、これには以下が挙げられるが、これらに限定されない:心臓性:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫、および奇形腫;肺:気管支原生癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨腫様過誤腫(hanlartoma)、中皮腫(inesothelioma);胃腸:食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(腺管癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、類癌腫、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、類癌腫、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);尿生殖器管:腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍[腎芽細胞腫(neplrroblastoma)]、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(セミノーマ、奇形腫、胎生期癌、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓:ヘパトーム(肝細胞癌)、胆管癌、胚芽細胞腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;骨:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫、骨軟骨腫(osteochronfroma)(骨軟骨外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫、および巨細胞腫;神経系:頭蓋(骨腫、血管腫、肉芽腫、キサントーマ、変形性骨炎(osteitis defornians))、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫(meningiosarcoma)、神経膠腫症)、脳(神経膠星状細胞腫、髄芽細胞腫、グリオーム、脳室上衣細胞腫、胚細胞腫[松果体腫]、神経膠芽細胞腫多形(gliobrastorna multiform)、乏突起神経膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科学:子宮(子宮内膜癌)、子宮頸部(子宮頸癌、腫瘍前子宮頸形成異常)、卵巣(卵巣癌[漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類の癌]、顆粒膜−卵胞膜細胞腫、セルトーリライディヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮癌、表皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、腟(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、ファローピウス管(癌);血液学的:血液(骨髄性白血病[急性および慢性]、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、脊髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫];皮膚:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、異形成性母斑(moles dysplastic nevi)、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬;ならびに副腎島:神経芽細胞腫。従って、本明細書中で提供される用語「癌性細胞」は、上記で定められた状態のうちの任意のものによって苦しめられる細胞を含む。
【0160】
「薬学的に受容可能な酸付加塩」とは、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など)および有機酸(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸など)を用いて形成される塩であって、遊離塩基の生物学的有効性を維持し、そして生物学的にもそれ以外にも所望されないことがない塩、いう。
【0161】
「薬学的に受容可能な塩基付加塩」としては、無機塩基から誘導されるものが挙げられる(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩、アルミニウム塩など)。例示的な塩は、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩である。薬学的に受容可能な有機性無毒性塩基から誘導される塩としては、以下のものの塩が挙げられるが、これらに限定されない:一級アミン、二級アミンおよび三級アミン、天然に存在する置換アミンを含め、置換アミン、環状アミン、ならびに塩基性イオン交換樹脂(例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジン、ポリアミン樹脂など)。例示的な有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、およびカフェインである。(例えば、S.M.Bergeら、「Pharmaceutical Salts」,J.Pharm.Sci.,1977;66:1−19(これは本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。
【0162】
「プロドラッグ」とは、インビボで(代表的には迅速に)転換されて、(例えば、血中の加水分解によって)上記の式の親化合物を生じる化合物をいう。現在の例としては、カルボン酸部分を備える活性形態を有する化合物の、エステル形態およびアミド形態が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の化合物の薬学的に受容可能なエステルの例としては、アルキル基が直鎖または分枝鎖であるアルキルエステル(例えば、約1〜約6個の間の炭素を有する)が挙げられるが、これに限定されない。受容可能なエステルとしてはまた、(例えばベンジルだが、これに限定されない)シクロアルキルエステルおよびアリールアルキルエステルが挙げられる。本発明の化合物の薬学的に受容可能なアミドの例としては、一級アミド、ならびに二級アルキルアミドおよび三級アルキルアミド(例えば、約1〜約6個の間の炭素を有する)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の化合物のアミドおよびエステルは、従来方法に従って調製され得る。プロドラッグの全体的な考察は、T.HiguchiおよびV.Stella、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」、the A.C.S.Symposium Seriesの第14巻、ならびにBioreversible Carriers in Drug Design、編者Edward B. Roche、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987(これら両者は全ての目的のため本明細書中で参考として援用される)に提供される。
【0163】
「代謝産物」とは、動物体内またはヒト体内で代謝または生体内変換(例えば、酸化、還元もしくは加水分解による、より極性の分子への生体内変換、または結合体への生体内変換)(生体内変換の考察について、GoodmanおよびGilman、「The Pharmacological Basis of Therapeutics」第8追補版 Pergamon Press、Gilmanら(編)、1990を参照のこと)によって生じる、化合物またはその塩の崩壊生成物または最終生成物をいう。本明細書中で使用される場合、本発明の化合物またはその塩の代謝産物は、体内において化合物の生物学的に活性な形態であり得る。1例において、プロドラッグは、インビボで生物学的に活性な形態(代謝産物)が放出されるように使用され得る。別の例において、生物学的に活性な代謝産物は偶発的に発見される、すなわち、プロドラッグの設計自体が行われなかった。本発明の化合物の代謝産物の活性についてのアッセイは、本開示を考慮した当業者に公知である。
【0164】
さらに、本発明の化合物は、非溶媒和形態で、ならびに水、エタノールなどのような薬学的に受容可能な溶媒を用いた溶媒和形態で、存在し得る。一般に、本発明の目的に対して溶媒和形態は非溶媒和形態と等価であるとみなされる。
【0165】
さらに、本発明は、標準的有機合成技術(コンビナトリアル化学を含む)を使用するか、または生物学的方法(例えば、細菌の消化、代謝、酵素的変換など)によるかのいずれかで作製された化合物を含むことが意図される。
【0166】
本明細書中で使用される場合、「処置すること」または「処置」は、ヒトの疾患状態の処置を含み、この疾患状態は、異常な細胞増殖および侵襲によって特徴付けられ、そして以下のうち少なくとも1つを含む:(i)ヒトにおいて疾患状態が発生するのを予防すること、特に、そのようなヒトがその疾患状態に罹りやすいが未だ罹っているとは診断されていない場合;(ii)疾患状態を阻害すること、すなわち、その疾患状態の進行を留めること;および(iii)疾患状態を軽減すること、すなわち、その疾患状態の緩解を生じること。当該分野で公知のように、組織的送達 対 局所的送達、年齢、体重、全般的健康、性別、食事、投与時間、薬物相互作用および状態の重篤度に対する調節は、必要であり得、そして当業者による慣用的実験を用いて確認可能である。
【0167】
特定の結晶化されたタンパク質−リガンド複合体(具体的には、c−Kit−リガンド複合体)およびそれらの対応するx線構造座標を使用して、本明細書中に記載されるようなキナーゼの生物学的活性を理解するのに有用な新規の構造情報を明らかにし得ることを、当業者は理解する。同様に、前述のタンパク質の重要な構造的特徴、特にリガンド結合部位の形状は、キナーゼの選択的調節因子の設計または同定のための方法に、そして同様な特徴を有する他のタンパク質の構造を解決するのに、有用である。このようなタンパク質−リガンド複合体(リガンド成分として本発明の化合物を有する)は、本発明の1つの局面である。
【0168】
同様に、このような適切なx線品質の結晶が、キナーゼの結合可能な候補薬剤を同定する方法、およびキナーゼの活性を調節する方法の一部として使用され得ることを、当業者は理解する。このような方法は、以下の局面によって特徴付けられる:a)適切なコンピュータープログラムに、立体構造においてキナーゼのリガンド結合ドメインを規定する情報(例えば、上記の適切なx線品質の結晶から得られるx線構造座標によって定義されるもの)を導入すること(ここでこのコンピュータープログラムはリガンド結合ドメインの三次元構造モデルを作出する)、b)コンピュータープログラムに候補薬剤の三次元構造モデルを導入すること、c)リガンド結合ドメインモデルに対して候補薬剤モデルを重ね合わせること、およびd)この候補薬剤モデルがリガンド結合ドメインに空間的に適合するかどうかを評価すること。局面a−dは、必ずしも前述の順番で実行されるわけではない。このような方法はさらに、以下を必要とし得る:三次元構造モデルを用いて合理的な薬物設計を実施すること、およびコンピューターモデリングと併せて潜在的な候補薬剤を選択すること。
【0169】
さらに、当業者は、このような方法がさらに以下を必要とし得ることを理解する:キナーゼ調節のための生物学的活性のアッセイにおいて候補薬剤(リガンド結合ドメインに空間的に適合することがこのように決定されている)を使用すること、そしてこの候補薬剤がアッセイにおいてキナーゼ活性を調節するかどうかを決定すること。このような方法はまた、例えば上記のようにキナーゼ調節により処置可能な状態を患う哺乳動物に候補薬剤(キナーゼ活性を調節することが決定されている)を投与することを、含み得る。
【0170】
また、試験薬剤がキナーゼのリガンド結合ドメインを含む分子または分子複合体に会合する能力を評価する方法において本発明の化合物が使用され得ることを、当業者は理解する。このような方法は、以下の局面によって特徴付けられる:a)キナーゼの適切なx線品質の結晶から得られる構造座標を使用してキナーゼ結合ポケットのコンピューターモデルを作出すること、b)コンピューターのアルゴリズムを使用して、試験薬剤と結合ポケットのコンピューターモデルとの間の適合操作を実施すること、およびc)試験薬剤と結合ポケットのコンピューターモデルとの間の会合を定量化するため、適合操作の結果を分析すること。
【0171】
(一般的投与)
本発明の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩の、純粋な状態でかまたは適切な薬学的組成物での投与は、任意の受容される投与形式または類似の有用性を提供するための薬剤を介して実行され得る。従って、投与は、固体形態、半固体形態、凍結乾燥粉末形態、または液体投薬形態(例えば、錠剤、坐剤、丸剤、軟弾性カプセルおよび硬ゼラチンカプセル、散剤、溶剤、懸濁剤、またはエアゾールなど)で、好ましくは、正確な投薬の1回の投与に適切な単位投薬形態で、例えば経口、鼻腔内、非経口(静脈内、筋肉内、または皮下)、局所的、経皮的、膣内、膀胱内、槽内、または直腸的であり得る。
【0172】
組成物は、従来の薬学的キャリアまたは賦形剤、および活性薬剤として本発明の化合物を含み、そしてさらに、他の医療的薬剤、薬学的薬剤、キャリア、佐剤などを含み得る。本発明の組成物は、癌について処置される患者に一般に投与される、抗癌剤または他の薬剤と組み合わせて使用され得る。佐剤としては、保存剤、湿潤剤、懸濁化剤、甘味剤、矯味矯臭剤、芳香剤、乳化剤、および調剤用薬剤が挙げられる。微生物の作用の保護は、種々の抗細菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸など)によって確実にされ得る。等張剤(例えば、糖、塩化ナトリウムなど)を含むこともまた、望ましくあり得る。注射可能な薬学的形態の持続性吸収は、吸収を遅延する薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)の使用によってもたらされ得る。
【0173】
所望される場合、本発明の薬学的組成物はまた、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、抗酸化剤などのような少量の補助物質(例えば、クエン酸、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、ブチル化ヒドロキシトルエンなど)を含み得る。
【0174】
非経口の注入に適切な組成物は、生理学的に受容可能な滅菌の水性または非水性の溶液、分散物、懸濁物またはエマルジョン、および滅菌した注入可能な溶液または分散物への再構築のための滅菌粉末を、含み得る。適切な水性および非水性のキャリア、希釈物、溶媒、またはビヒクルの例としては、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールなど)、これらの適切な混合物、植物油(例えばオリーブオイル)、および注入可能な有機エステル(例えば、エチルオレエート)が挙げられる。適切な流動性は、例えば、レチシンのようなコーティングの使用によって、分散物の場合は必要とされる粒子サイズの維持によって、そして界面活性剤の使用によって、維持され得る。
【0175】
1つの好ましい投与経路は経口であり、処置されるべき疾患状態の重篤度に従って調節され得る、便利な毎日の投薬レジメンを使用する。
【0176】
経口投与のための固体投薬形態としては、カプセル、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が挙げられる。このような固体投薬形態において、活性化合物は、以下のような少なくとも1つの不活性な通常の賦形剤(またはキャリア)と混合される:クエン酸ナトリウムもしくはジカルシウムホスフェート、または(a)充填剤もしくは増量剤、(例えば、デンプン、ラクトース、ショ糖、グルコース、マンニトール、およびケイ酸)、(b)結合剤(例えば、セルロース誘導体、デンプン、アルギネート(alignate)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖、およびアカシアゴム)、(c)湿潤剤(humectant)(例えば、グリセロール)、(d)崩壊剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、クロスカルメロース ナトリウム、ケイ酸複合体、および炭酸ナトリウム)、(e)溶解遅延剤(例えば、パラフィン)、(f)吸収促進剤(例えば、四級アンモニウム化合物、(g)ぬれ剤(wetting agent)(例えば、セチルアルコール、およびグリセロールモノステアレート、ステアリン酸マグネシウムなど)、(h)吸着剤(例えば、カオリンおよびベントナイト)、ならびに(i)滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、またはこれらの混合物)。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、投薬形態はまた、緩衝剤を含み得る。
【0177】
上記のような固体投薬形態は、コーティングおよび外皮を用いて調製され得る(例えば、腸溶性コーティングまたは当該分野で周知の他のもの)。これらは、鎮静剤(pacifying agent)を含み得、そしてまた遅延様式で腸管の特定の部分において活性化合物を放出するような組成物であり得る。使用され得る包埋組成物の例は、ポリマー性物質およびロウである。活性な化合物はまた、適切である場合、1つ以上の前述の賦形剤を有する、ミクロカプセル化された形態であり得る。
【0178】
経口投与のための液体投薬形態としては、薬学的に受容可能なエマルジョン、溶剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられる。このような投薬形態は、例えば、本発明の化合物またはこれらの薬学的に受容可能な塩、ならびにキャリア(例えば、水、生理食塩水、デキストロース水溶液、グリセロール、エタノールなど);可溶化剤および乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカルボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド);油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ胚種油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタン脂肪酸エステル);またはこれらの物質の混合物などの中の必要に応じた薬学的佐剤を溶解すること、分散させることなどにより調製されて、これにより溶液または懸濁物を形成する。
【0179】
懸濁物は、活性化合物に加えて、懸濁化剤(例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、ならびにトラガカント、またはこれら物質の混合物など)を含み得る。
【0180】
直腸投与のための組成物は、常温では固体であるが、体温度で液体であり、従って、適切な体腔にある間に溶解し、そして中にある活性成分を放出する適切な非刺激性の賦形剤またはキャリア(例えば、ココアバター、ポリエチレングリコールまたは坐剤ロウ)と本発明の化合物を混合することによって調製され得る坐剤である。
【0181】
本発明の化合物の局所的投与のための投薬形態としては、軟膏、粉剤、噴霧剤、および吸入剤が挙げられる。活性成分は、必要とされ得るとおりに、生理学的に受容可能なキャリアおよび任意の保存剤、緩衝剤、またはプロペラントと無菌条件下で混合される。眼の処方物、眼軟膏、粉剤、および液剤はまた、本発明の範囲内にあることが企図される。
【0182】
一般的に、意図される投与形態に依存して、薬学的に受容可能な組成物は、約1重量%〜約99重量%の本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、および99重量%〜1重量%の適切な薬学的賦形剤を有する。1例において、組成物は、約5重量%〜約75重量%の間の本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩であり、残りは適切な薬学的賦形剤である。
【0183】
このような投薬形態を調製するための実際の方法は、当業者に公知であるかまたは明らかである;例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第18版,(Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1990)を参照のこと。投与されるべき組成物は、いずれにせよ、本発明の教示に従って、疾患状態の処置のため、治療有効量の本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を含む。
【0184】
本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩は、治療有効量で投与され、この量は、種々の要因(使用される特定の化合物の活性、代謝安定性および化合物の作用の長さ、年齢、体重、全般的健康、性別、食事、投与の形態および時間、排出速度、薬物の組合せ、特定の疾患状態の重篤度、ならびに治療を受けている宿主を含む)に依存して変動する。本発明の化合物は、1日あたり約0.1〜約1,000mgの範囲の投薬量レベルで患者に投与され得る。1例は、体重約70kgを有する正常なヒト成人について、1日あたり体重1kgあたり約0.01〜約100mgの範囲での投薬量である。しかし、使用される特定の投薬量は、変動し得る。例えば、投薬量は、多くの要因(患者の要求、処置されている状態の重篤度、および使用されている化合物の薬理学的活性)に依存し得る。特定の患者に対する最適な投薬量の決定は、当業者に周知である。
【0185】
(スクリーニング因子としての本発明の化合物の有用性)
例えばc−Kitレセプターキナーゼに結合する候補因子についてのスクリーニングの方法において本発明の化合物を使用するため、タンパク質は支持体に結合され、そして本発明の化合物がアッセイに添加される。あるいは、本発明の化合物が支持体に結合され、そしてタンパク質が添加される。新規の結合性因子が求められ得るものの中での候補因子の分類は、特定の抗体、化学ライブラリーのスクリーニングにおいて同定された非天然の結合因子、ペプチドアナログなどを含むことが求められ得る。ヒト細胞に低毒性を有する候補因子についてのスクリーニングアッセイは、特に有益である。広範なアッセイがこの目的に使用され得、このようなアッセイとしては、インビトロでの標識されたタンパク質−タンパク質結合アッセイ、電気泳動移動度シフトアッセイ、タンパク質結合についての免疫アッセイ、機能アッセイ(リン酸化アッセイなど)などが挙げられる。
【0186】
例えば、c−Kitタンパク質への候補因子の結合の決定は、多くの方法でなされ得る。1例において、候補因子(本発明の化合物)は、例えば、蛍光性部分または放射性部分を用いて標識され、そして結合が直接的に決定される。例えば、このことは、固体支持体にc−Kitタンパク質の全てまたは一部を連結すること、標識された因子(例えば、少なくとも1つの原子が検出可能な同位体により置き換えられている本発明の化合物)を添加すること、過剰な試薬を洗い落とすこと、そして標識の量が固体支持体上に存在する量であるかどうかを決定することによって、なされ得る。種々のブロッキング工程および洗浄工程は、当該分野で公知のように利用され得る。
【0187】
本明細書中で「標識される」によって、化合物が、検出可能なシグナルを提供する標識(例えば、放射性同位体、蛍光性タグ、酵素、抗体、磁性粒子のような粒子、化学発光タグ、または特異的結合分子など)によって、直接的または間接的のいずれかで標識されることが意図される。特異的結合分子としては、ビオチンおよびストレプトアビジン、ジゴキシンおよび抗ジゴキシンなどのような対が挙げられる。特異的結合性メンバーについて、その相補的メンバーは通常、上記に概説したように、公知の手順に従って、検出を提供する分子によって標識される。標識は、直接的または間接的に検出可能なシグナルを提供し得る。
【0188】
いくつかの実施形態において、成分のうちの1つのみが標識される。例えば、c−Kitタンパク質は、125Iを使用してかまたは発蛍光団を用いて、チロシン位置で標識され得る。あるいは、1より多くの成分が異なる標識で(例えば、タンパク質に対して125Iを、そして候補因子について発蛍光団を使用して)標識され得る。
【0189】
本発明の化合物はまた、さらなる薬物候補についてスクリーニングするための競合物として使用され得る。本明細書中で使用される場合、「候補の生物活性因子」もしくは「薬物候補」、または文法的等価物は、生物活性について試験されるべき任意の分子(例えば、タンパク質、オリゴペプチド、有機低分子、ポリサッカリド、ポリヌクレオチドなど)を記載する。これらは、細胞増殖の表現型または細胞増殖の配列(核酸配列およびタンパク質配列の両方を含む)の発現を、直接的または間接的に変更可能であり得る。他の場合において、細胞増殖のタンパク質結合および/またはタンパク質活性の変更が、スクリーニングされる。タンパク質結合またはタンパク質活性がスクリーニングされる場合、いくつかの実施形態は、その特定のタンパク質に結合することが既知の分子を取り除く。本明細書中に記載されるアッセイの例示的な実施形態は、「外因性」因子として本明細書中で称される「候補因子」(これは内因性のネイティブな状態では標的タンパク質に結合しない)を含む。1つの例において、外因性因子はc−Kitから抗体をさらに取り除く。
【0190】
候補因子は、代表的には約100ダルトンより大きく約2,500ダルトン未満の分子量を有する有機分子であるが、多くの化学分類を包含し得る。候補因子は、タンパク質との構造的相互作用(特に水素結合および親油性結合)に必要な官能基を含み、そして代表的に、少なくともアミン基、カルボニル基、ヒドロキシル基、エーテル基、またはカルボキシル基(例えば、少なくとも2つの化学官能基)を含む。候補因子はしばしば、1つ以上の上記官能基で置換された、環式炭素もしくはヘテロシクリル構造、および/または芳香族構造もしくは多芳香族構造を含む。候補因子はまた、ペプチド、サッカリド、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、誘導体、構造アナログ、またはこれらの組合せを含む生体分子の中に見出される。
【0191】
候補因子は、合成化合物または天然の化合物のライブラリーを含む種々の広範な供給源から取得される。例えば、ランダム化オリゴヌクレオチドの発現を含め、種々の広範な有機化合物および生体分子のランダムかつ直接的な合成についての多くの手法が、利用可能である。あるいは、細菌、真菌、植物および動物の抽出物中の天然化合物のライブラリーが利用可能であるか、または容易に作製される。さらに、天然でかまたは合成により作製されたライブラリーおよび化合物は、従来の化学的手段、物理的手段および生化学的手段を介して容易に修飾される。公知の薬理学的因子は、指向性またはランダムな化学修飾(例えば、アシル化、アルキル化、エステル化、アミド化)に供されて、構造アナログを作製し得る。
【0192】
1例において、候補薬剤の因子は、競合的結合アッセイの使用を介して決定される。この例において、競合物はc−Kitに結合することが公知の結合部分(例えば、抗体、ペプチド、結合パートナー、リガンドなど)である。特定の環境の下で、結合部分が候補因子と置き換わる状態で、候補因子と結合部分との間に競合的結合が存在し得る。
【0193】
いくつかの実施形態において、候補因子は標識される。候補因子もしくは競合物のいずれか、またはその両方は、結合が存在する場合に結合を可能にするのに十分な時間の間、c−Kitタンパク質に最初に添加される。最適な活性を促進する任意の温度(代表的に、4℃〜40℃の間)で、インキュベーションが実施され得る。
【0194】
インキュベーション期間は、最適な活性に対して選択されるが、迅速なハイスループットスクリーニングを容易にするようにも最適化され得る。代表的に0.1〜1時間の間で十分である。過剰の試薬は、一般的に、除去されるかまたは洗い落とされる。次いで、第二成分が添加され、そして標識された成分の存在または不在が続けられ、結合が示される。
【0195】
1例において、競合物は最初に添加され、続いて候補因子が添加される。競合物の交換は、候補因子がc−Kitに結合しており、従ってc−Kitに結合し得、そしてc−Kitの活性を潜在的に調節し得ることの指標である。この実施形態において、どちらかの成分が標識される。従って例えば、競合物が標識される場合、洗浄溶液中の標識の存在は、因子による交換を示唆する。あるいは、候補因子が標識される場合、支持体上の標識の存在は、交換を示す。
【0196】
代替的な実施形態において、候補因子が最初に添加され、そしてインキュベーションし、洗浄し、続いて競合物が添加される。競合物による結合の不在は、その候補薬剤がより高い親和性でc−Kitに結合することを示し得る。従って、候補因子が標識される場合、支持体上での標識の存在は、競合物の結合の不在と関連して、候補因子がc−Kitに結合し得ることを示し得る。
【0197】
c−Kitの結合部位を同定することは、価値があり得る。このことは、種々の方法においてなされ得る。1実施形態において、一旦、c−Kitが候補因子に結合すると同定されると、このc−Kitはフラグメント化または改変され、そして結合に必要な成分を同定するため、アッセイが繰り返される。
【0198】
調節は、c−Kitの活性を調節し得る候補因子についてスクリーニングすることによって試験され、これは上記のように候補薬剤とc−Kitとを組み合わせる工程、およびc−Kitの生物学的活性における変更を決定する工程を含む。従って、この実施形態において、候補因子は、結合(しかし、これは必要でなくてもよい)するとともに、本明細書中に定義されるような生物学的活性または生化学的活性を変更するはずである。この方法は、インビトロスクリーニング方法および細胞の生存率、形態などにおける変更についての細胞のインビボスクリーニングの両方を含む。
【0199】
あるいは、差異的なスクリーニングが使用されて、ネイティブなc−Kitに結合するが、改変されたc−Kitには結合し得ない薬物候補が同定され得る。
【0200】
ポジティブコントロールおよびネガティブコントロールが、アッセイにおいて使用され得る。例えば、全てのコントロールサンプルおよび試験サンプルは、統計学的に有意な結果を取得するため少なくとも三連で実施される。サンプルのインキュベーションは、この因子がタンパク質に結合するのに十分な時間の間である。インキュベーションの後、サンプルは洗浄されて非特異的に結合した物質が除去され、そして結合量(一般的に標識された因子の量)が決定される。例えば、放射性標識が使用される場合、サンプルはシンチレーションカウンタで計数されて、結合した化合物の量が決定され得る。
【0201】
種々の他の試薬がスクリーニングアッセイにおいて含まれ得る。これらとしては、最適なタンパク質−タンパク質結合を促進するためおよび/または非特異的相互作用もしくはバックグラウンドの相互作用を軽減するために使用され得る試薬(例えば、塩、中性タンパク質(例えば、アルブミン)、界面活性剤など)が挙げられる。また、他の場合にはアッセイの効率を向上させる試薬(例えば、プロテアーゼインヒビター、ヌクレアーゼインヒビター、抗微生物剤など)が使用され得る。成分の混合物は、必要な結合を提供する任意の順序で添加され得る。
【0202】
(略号およびそれらの定義)
以下の略号および用語が、全体にわたって示された意味を有する:
【0203】
【化95】
【0204】
【化96】
【0205】
【化97】
。
【0206】
(化合物の合成)
スキーム1〜3は、本発明の化合物の一般的合成経路を記し、そして限定されることを意図しない。特定の例はこの一般的な合成の記載に続いて記載される。一般的経路およびこの後の特定の例の記載を用いて、当業者は、記載のように本発明の化合物を作製し得る。
【0207】
スキーム1は、一般に、式Iの化合物が、例えば一直線の経路を介して作製され得ることを示す。例えば、環Aおよび環Bは、それぞれ官能基a’およびb’を介して繋がれ得る。官能基a’およびb’を使用して、式Iの連結基L1を構築する。L1が不在の場合、官能基a’およびb’を使用して、単結合を介して直接的に環Aと環Bとを結合する。同様に、官能基b”およびc’を使用して、式Iの連結基L2を作製する。上記の工程の順序は変動され得る。すなわち、環Aおよび環Bは最初に繋がれ得、続いて(A−L1−Bの−部分としての)環Bに環Cが繋がれ得る;または環Bおよび環Cが最初に繋がれ得、続いて(B−L2−Cの−部分としての)環Bに環Aが繋がれ得る。
【0208】
置換R1、R2およびR3は、式Iの化合物の合成の任意の段階で、導入およびまたは改変され得る。
【0209】
【化98】
。
【0210】
スキーム2は、別の例を示し、ここでこの場合、環Aは、既存の環として官能基に結合されるよりもむしろ、官能基b’から合成される。これらの例において、一般にL1は環Aと環Bとの間の直接結合であるが、必ずしもそうとは限らない。一旦、環Aが作製されると、次いで官能基b”を使用して環Cを結合し、これによって連結基L2を形成する(例えば、以下の「実施例1」を参照のこと)。
【0211】
【化99】
。
【0212】
スキーム3は、なお別の例を示し、ここでこの場合、例えば、官能基l2’およびl2”を有する連結基L2が予め存在する。この例において、環Bは、環B上の官能基(記されない)および連結基L2上の官能基l2’を使用することにより連結基L2に結合され、中間体b’−B−L2−Cを作成する。あるいは、環Bは、官能基l2”を使用することにより連結基L2上に合成され、中間体b’−B−L2−Cを作成する。いずれの方法であっても、次いで官能基b’を使用して、例えば、記されるように環Aを環Bに合成するかまたは連結させる。
【0213】
【化100】
。
【0214】
当業者は、スキーム1〜3と関係する記載が一般的なものであると認識する;以下に提供するのは、スキーム1〜3および式Iに従う化合物を作製するために使用される例示的な化学である。当業者はまた、本発明の化合物を作製するために使用され得る、工程と化学との他の組合せが存在することを理解する。
【実施例】
【0215】
以下の実施例は、上記の本発明を使用する様式をより完全に記載すること、ならびに本発明の種々の局面を実施することが企図される最良の形態を記載するのに、役立つ。これらの実施例は、本発明の真の範囲を限定するのにはいかようにも役立たず、むしろ例示的な目的のために提供されることが、理解される。本明細書中に引用されるあらゆる参考文献は、それらの全体が参考として援用される。一般的に、以下に示された各々の実施例は、上記で概説されたように、多段階合成を記載するが、必ずしもそうとはは限らない。
【0216】
(実施例1)
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{(3−(1H−テトラゾール−1−イル)−フェニル]オキシ}アセトアミド 4の合成)
【0217】
【化101】
(3−アミノフェノキシ酢酸 2)3−ニトロフェノキシ酢酸 1(21.7g、110mmol、1.0当量)およびメタノール(600mL)を、2L加圧容器に加えた。この得られた溶液を、N2で5分間パージした。この溶液に10%のPd/C(900mg)を加え、そして容器を3時間50psiでParrヒドロジェネーター上に置いた。Parr装置から取り出した後、この反応混合物は色が灰白色であり、このことは生成物の沈殿を示す。DMF(400mL)を添加し、そして沈殿した生成物が溶媒相に溶解したことが明らかであるまで撹拌した。Pd/Cを濾過により取り除き、そして濾液を高減圧下で濃縮して、暗褐色固形物(14g、76%)を得た。
【0218】
【数1】
(3−テトラゾール−1−イルフェノキシ酢酸 3)250mL丸底フラスコに、3−アミノフェノキシ酢酸 2(10.3g、61.6mmol、1.0当量)および撹拌子を加えた。トリエチルオルトホルメート(33mL、197mmol、3.2当量)を添加し、続いてアジ化ナトリウム(5.00g、77.0mmol、1.25当量)および酢酸(56mL、986mmol、16当量)を添加した。この粘性混合物を油浴中で撹拌しながら2時間80℃で加熱した。加熱によって、この混合物は均一になった。この反応混合物を油浴から取り出し、そして500mL三角フラスコに移した。このフラスコを氷浴中で0℃に冷却し、0℃になったところでH2O(150mL)および6N HCl(80mL)を加えた。別のフラスコ中で、H2O(20mL)中のNaNO2(5g)の溶液を調製した。このNaNO2溶液を反応混合物にゆっくりと添加した。激しい発泡が明らかであった。添加が完了したら、フラスコ中に灰白色の沈殿が形成された。この懸濁物を濾過して、明灰白色固形物(8.31g、61%)を得た。
【0219】
【数2】
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{(3−(1H−テトラゾール−1−イル)−フェニル]オキシ}−アセトアミド 4)3−テトラゾール−1−イルフェノキシ酢酸 3(200mg、0.908mmol、1.0当量)および撹拌子を、25mL回収フラスコに加えた。このフラスコに1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(261mg、1.36mmol、1.5当量)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(184mg、1.36mmol、1.5当量)を添加した。この反応フラスコに、DMF(10mL)およびN−メチルモルホリン(300μL、2.72mmol、3.0当量)を添加した。この混合物を、室温で30分間撹拌させておいた。このフラスコを5−アミノ−2−クロロベンゾトリフルオリド(355mg、1.82mmol、2.0当量)を加え、そして得られた混合物を、室温で一晩撹拌した。この反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、そして連続してH2O(50mLで1回)、10% LiCl水溶液(50mLで3回)、ならびに飽和(sat’d)NaCl水溶液(50mLで1回)で洗浄した。この水相を合わせ、そして酢酸エチル(30mLで2回)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、オフホワイトの固形物(165mg、46%)を得た。これは、さらなる精製を必要としなかった。
【0220】
【数3】
。
【0221】
(実施例2)
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド 8の合成)
【0222】
【化102】
((3−アジドフェノキシ)−酢酸 5)3−アミノフェノキシ酢酸 2(2.00g、12.0mmol、1.0当量)および撹拌子を、100mL回収フラスコに加えた。このフラスコに、酢酸(5mL)、濃HCl(2mL)およびH2O(3mL)を加えた。この反応混合物を0℃に冷却し、0℃になったところでH2O(3mL)中のNaNO2溶液(0.908g、13.2mmol、1.1当量)を20秒間にわたって添加した。この混合物を5分間撹拌した。H2O(3mL)中のNaN3溶液(0.855g、13.2mmol、1.1当量)を、この反応混合物にゆっくりと添加した。この際この混合物は、泡立った。この反応混合物を30分間0℃で撹拌し、そしてさらに1時間室温で撹拌した。明褐色の固形物が溶液から析出した。この懸濁物を濾過し、そして冷H2Oで洗浄して、明褐色の固形物(1.48g)を得た。乾燥により、より多くの沈殿物が濾液中に形成された。この沈殿物を再度濾過して、より多くの生成物(0.17g)を生じた。総収量:1.65g、71%。
【0223】
【数4】
。
【0224】
([3−(4−トリメチルシラニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−フェノキシ]−酢酸 6)(3−アジドフェノキシ)−酢酸 5(527mg、2.73mmol、1.0当量)およびトリメチルシリルアセチレン(10mL)および撹拌子を、15mL密封チューブに加えた。このチューブを密封し、そして反応混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物を濾過し、そして固形物をエチルエーテルで洗浄して、暗灰白色の固形物(483mg、61%)を得た。
【0225】
【数5】
。
【0226】
(N−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−2−[3−(4−トリメチルシラニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−フェノキシ]−アセトアミド 7)[3−(4−トリメチルシラニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−フェノキシ]−酢酸 6(483mg、1.66mmol、1.0当量)および撹拌子を、25mLの回収フラスコに加えた。O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(1.26g、3.3mmol、2.0当量)、DMF(8mL)、およびN−メチルモルホリン(503μL、4.98mmol、3.0当量)を添加した。この混合物を30分間室温で撹拌した。5−アミノ−2−クロロベンゾトリフルオライド(649mg、3.3mmol、2.0当量)を添加し、そしてこの反応混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、そして連続して、10% LiCl水溶液(50mLで3回)、H2O(50mL)、および飽和NaCl水溶液(50mL)で、洗浄した。有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、灰色がかった固形物を生じた。この固形物を熱メタノール中で再結晶させて、明灰白色の固形物を生じた。これは、LC/MSにより、生成物および対応する脱シリル化された物質(200mg)の混合物であった。この混合物を、さらなる精製なしに次の工程へと持って行った。LC/MSD(HP Series 1100 MSD)MS(ES+)m/z469.1(M+H)+1。
【0227】
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド 8)N−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−2−[3−(4−トリメチルシラニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−フェノキシ]−アセトアミド 7およびN−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−2−(3−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−フェノキシ)−アセトアミド 8(200mg、0.426mmol、1.0当量)の混合物ならびに撹拌子を、25mL回収フラスコに加えた。THF(10mL)およびテトラブチルアンモニウムフルオリド(THF中で1.0M、2mL、2.00mmol)を添加した。この反応物を、2日間室温で撹拌した。この反応混合物を濃縮し、そして酢酸エチル(50mL)中に溶解させた。有機相を飽和NH4Cl水溶液で洗浄し、次いで無水Na2SO4で乾燥させ、濾過しそして濃縮して、オフホワイトの固形物(182mg、6からの2回の工程にわたって28%)を生じた。
【0228】
【数6】
。
【0229】
(実施例3)
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]ヒドラジンカルボキサミド13の合成)
【0230】
【化103】
(1−(3−ニトロフェニル)−1H−テトラゾール 10)3−ニトロアニリン 8(10.00g、72.4mmol、1.0当量)および撹拌子を、250mL回収フラスコに加えた。トリエチルオルトホルメート(38.5mL、232mmol、3.2当量)を加え、続いてアジ化ナトリウム(5.88g、90.5mmol、1.25当量)および酢酸(66.0mL、1.16mol、16当量)を加えた。粘性混合物を、油浴中で80℃に加熱した。加熱により、この混合物は凝固した。追加の酢酸(70mL)を加え、そして生じた懸濁物をスパチュラでかき混ぜた。この反応混合物は、2時間加熱する間に、均一になった。この反応混合物を油浴から取り出し、そして500mL三角フラスコに移した。このフラスコを氷浴中で0℃に冷やし、0℃になったところでH2O(70mL)および6N HCl(30mL)を加えた。別のフラスコ中に、H2O(15mL)中のNaNO2(3.5g)溶液を調製した。このNaNO2溶液を、反応混合物にゆっくりと加えた。激しい発泡が明らかであった。添加が完了したら、フラスコ中に明黄色の沈殿を形成した。この懸濁物を濾過して、明黄色の固形物(10.4g、75%)を生じた。
【0231】
【数7】
。
【0232】
(1−(3−アミノフェニル)−1H−テトラゾール 11)1−(3−ニトロフェニル)−1H−テトラゾール 10(10.0g、52.3mmol、1.0当量)およびメタノール(500mL)を2L加圧容器に加えた。得られた溶液をN2で5分間パージした。この溶液に10% Pd/C(500mg)を加え、そしてこの容器をParrヒドロゲネーター上に50psiで3時間置いた。濾過によりPd/Cを取り除き、そして濾液を濃縮して明灰白色の固形物(7.66g、91%)を得た。
【0233】
【数8】
。
【0234】
((3−テトラゾール−1−イル−フェニル)−ヒドラジンヒドロクロリド 12)1−(3−アミノフェニル)−1H−テトラゾール 11(1.60g、9.93mmol、1.0当量)および撹拌子を、100mL回収フラスコに加えた。このフラスコに、濃HCl(23mL)およびH2O(3mL)の混合物を添加した。得られた懸濁物を、−20℃に冷却した。H2O(8mL)中のNaNO2(685mg、9.93mmol、1.0当量)の溶液を調製し、そして−20℃の温度を維持しながら反応混合物にゆっくりと添加した。この反応混合物を30分間撹拌した。濃HCl(17mL)中のSnCl2ジヒドレート(8.96g、39.7mmol、4.0当量)の溶液を調製し、そして−20℃に冷却した。この溶液を反応混合物に速やかに加え、そしてこの反応混合物を−20℃で20分間撹拌し、そして室温で1時間撹拌した。反応混合物中に明灰白色沈殿が形成された。この混合物を濾過して、明灰白色の固形物(1.48g、70%)を得た。
【0235】
【数9】
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]ヒドラジンカルボキサミド 13)1−クロロ−4−イソシアナト−2−トリフルオロメチルベンゼン(627mg、2.83mmol、1.0当量)およびアセトニトリル(12mL)を、50mL回収フラスコに加えた。この溶液を氷浴中で0℃に冷却した。別のフラスコに、アセトニトリル(6mL)中の(3−テトラゾール−1−イル−フェニル)−ヒドラジンヒドロクロリド 12(600mg、2.83mmol、1.0当量)の溶液を調製した。ヒドラジンの溶解性を助長するため、DMF(15mL)を添加した。この溶液を1分間かけて反応フラスコに加えた。この反応混合物は、添加の際に均一であった。室温に温めながら1時間の撹拌後、沈殿が形成された。この反応混合物を濾過し、そして固形物をアセトニトリルで洗浄して、白色の固形物(552mg、49%)を得た。さらなる精製は必要でなかった。
【0236】
【数10】
。
【0237】
(実施例4)
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)−フェニル]オキシ}アセトアミド 15の合成)
【0238】
【化104】
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)−フェニル]オキシ}アセトアミド 15)2−クロロ−N−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−アセトアミド(400mg、1.47mmol、1.0当量)および1−(3−アミノフェニル)−1H−テトラゾール 11(710mg、4.40mmol、3当量)ならびにDMF(10mL)を、50mL回収フラスコに加えた。触媒量のヨウ化カリウムを添加した。この反応混合物を、一晩70℃に加熱した。この反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、そして連続的に、10% LiCl水溶液(50mLで3回)および飽和NaCl水溶液(50mL)で洗浄した。合わせた水相を酢酸エチル(50mLで2回)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過しそして濃縮して黄褐色の固形物を生じた。この固形物をメタノールおよびアセトニトリル(10:1)中で再結晶させて、白色固形物(63mg)を得た。その母液から次の収得物(91mg)を単離した。総収量:154mg、26%。
【0239】
【数11】
。
【0240】
(実施例5)
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(5−メチル−1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド 17の合成)
【0241】
【化105】
([3−(5−メチル−テトラゾール−1−イル)−フェノキシ]−酢酸 16)3−アミノフェノキシ酢酸 2(308mg、1.84mmol、1.0当量)および撹拌子を、25mL回収フラスコに加えた。トリエチルオルトアセテート(0.75mL、5.89mmol、3.2当量)を加え、続いてアジ化ナトリウム(150mg、2.30mmol、1.25当量)および酢酸(1.7mL、29.4mmol、16当量)を加えた。この粘性混合物を、2時間撹拌しながら油浴中で80℃に加熱した。加熱により、この混合物は均一になった。この反応混合物を油浴から取り出し、そして氷浴中で0℃に冷やし、0℃になったところでH2O(10mL)および6N HCl(5mL)を添加した。別のフラスコに、H2O(4mL)中のNaNO2(1g)の溶液を調製した。このNaNO2溶液を反応混合物にゆっくりと加えた。激しい発泡が明らかであった。添加が完了したら、フラスコ中に灰白色の沈殿が形成された。この懸濁物を濾過して、明灰白色の固形物(424mg、98%)を得た。LC/MSD(HP Series 1100 MSD)MS(ES+) m/z 233.1(M+H)+1。
【0242】
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(5−メチル−1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド 17)[3−(5−メチル−テトラゾール−1−イル)−フェノキシ]−酢酸 16(424mg、1.81mmol、1.0当量)および撹拌子を、25mL回収フラスコに加えた。このフラスコに、1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリド(521mg、2.72mmol、1.5当量)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(367mg、2.72mmol、1.5当量)を添加した。この反応フラスコに、DMF(12mL)およびN−メチルモルホリン(611μL、5.44mmol、3.0当量)を添加した。この混合物を、室温で30分間撹拌させておいた。このフラスコに、5−アミノ−2−クロロベンゾトリフルオリド(709mg、3.62mmol、2.0当量)を加え、そして得られた混合物を室温で一晩撹拌させておいた。この反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、そして連続してH2O(50mLで1回)、10% LiCl水溶液(50mLで3回)、および飽和NaCl水溶液(50mLで1回)で洗浄した。水相を合わせ、そして酢酸エチル(30mLで2回)で抽出した。この合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮しそしてフラッシュクロマトグラフィーで精製して、オフホワイトの固形物(40mg、5%)を得た。
【0243】
【数12】
。
【0244】
(実施例6)
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−{[3−1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]チオ}アセトアミド 20の合成)
【0245】
【化106】
(3−テトラゾール−1−イル−ベンゼンチオール 19)3−アミノベンゼンチオール 18(3.537g、28.3mmol、1.0当量)および撹拌子を、100mL回収フラスコに加えた。トリエチルオルトホルメート(15mL、90.4mmol、3.2当量)を添加し、続いてアジ化ナトリウム(2.30g、35.3mmol、1.25当量)および酢酸(25.9mL、452mmol、16当量)を加えた。粘性混合物を、油浴中で80℃に加熱した。2時間の加熱の間に、この反応混合物は均一になった。この反応混合物を油浴から取り出し、500mL三角フラスコに移した。このフラスコを氷浴中で0℃に冷やし、0℃になったところでH2O(70mL)および6N HCl(30mL)を加えた。別のフラスコに、H2O(5mL)中のNaNO2(1g)の溶液を調製した。このNaNO2溶液を反応混合物にゆっくりと添加した。激しい発泡が明らかであった。添加が完了したら、フラスコ中に褐色沈殿が形成された。この懸濁物を濾過し、そしてH2Oで洗浄して、明黄褐色の固形物(5.00g、99%)を得た。
【0246】
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−{[3−1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]チオ}アセトアミド 20)3−テトラゾール−1−イル−ベンゼンチオール 19(228mg、0.644mmol、1当量)およびDMF(5mL)を、25mL回収フラスコに加えた。この溶液を、15分間60℃で撹拌し、次いで室温に冷ました。この反応フラスコに、2−クロロ−N−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−アセトアミド(250mg、0.92mmol、1.5当量)、Cs2CO3(699mg、2.15mmol、3.5当量)、および触媒量のKIを添加した。この反応混合物を、室温で一晩撹拌した。この反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、そして連続して10%LiCl水溶液(50mLで3回)および飽和NaCl水溶液(50mL)で洗浄した。有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過しそして濃縮して固形物を得、これを最初にカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2中の0%〜1%のCH3OH)により精製し、次いで分取HPLCにより精製して、白色固形物(20mg、7.5%)を生じた。LC/MSD(HP Series 1100 MSD)MS(ES+)m/z414.0(M+H)+1。
【0247】
(実施例7)
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−[(4−アリール−フェニル−オキシ]アセトアミド 23についての一般的な手順)
【0248】
【化107】
(2−クロロ−N−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アセトアミド 21)クロロアセチルクロリド(2.0mL、25.0mmol、1.0当量)およびCH2Cl2(100mL)を、丸底フラスコに加えた。この溶液を0℃に冷却し、その後CH2Cl2(5.0mL)中の5−アミノ−2−クロロ−ベンゾトリフルオリド(4.88g、25.0mmol、1.0当量)およびトリエチルアミン(3.56mL、27.5mmol、1.1当量)の混合物を滴下した。次いで、この反応を1.5時間0℃で撹拌し、その後H2O(50mL)でクエンチした。次いで、有機相を分離し、ブラインで洗浄し、そしてNa2SO4で乾燥させた。ロータリーエバポレーションを介した濃縮により、黄色固形物としてアセトアミド 21(5.72g、収率84.7%)を得た。1H−NMR,Varian 400 MHz(DMSO−d6)δ10.79(br s、1H),8.20(d,1H),7.87(dd、1H),7.75(d,1H),4.36(s、2H)ppm。
【0249】
(2−(4−ブロモ−フェノキシ)−N−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)アセトアミド 22)4−ブロモフェノール(1.7g、9.8mmol、1.0当量)、アセトアミド 21(2.79g、10.3mmol、1.05当量)、ヨウ化カリウム(1.7g、10.3mmol、1.05当量)、炭酸カリウム(2.7g、19.6mmol、2.0当量)、およびアセトニトリル(35.0mL)を、丸底フラスコに加えた。次いで、この反応混合物を2時間激しく撹拌して還流した(reluxed)。次いで、熱い反応物を濾過して、不溶性の炭酸カリウムを取り除いた。この濾液を濃縮して、明褐色の固形物として、3.8gの粗製ブロモ−フェノキシ−アセトアミド 22を生じた。次いで、固形物を10mLの冷アセトニトリルで粉砕し、濾過し、そして5mLの冷アセトニトリルでリンスして、純粋なブロモ−フェノキシ−アセトアミド 22(1.85g、収率45%)を得た。注記:母液中には豊富な量の粗生成物が依然として存在した。
【0250】
【数13】
(ビフェニル−フェノキシ−アセトアミド 23)ブロモ−フェノキシ−アセトアミド 22(408mg、1.0mmol、1.0当量)、適切なボロン酸(1.0mmol、1.0当量)、DMF(5.0mL)、および1M Na2CO3(1.0mL)を、密封チューブに加えた。次いで、この混合物を、N2流中でおよそ1分間、発泡により脱気し、その後Pd(PPh3)4(126mg、0.1mmol、0.1当量)を添加した。次いで、このチューブを密封し、そして1.5〜3時間、またはこの反応が完了するまで、90℃に加熱した。完了したら、この反応を室温に冷まし、そして濾過した。濾液をEtOAcおよびH2Oを用いて抽出した。次いで、有機相を10% LiClで3回洗浄してDMFを取り除き、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。多くの場合に関して、濃縮は固形物を生じ、この固形物をエーテルを用いた粉砕を介して精製し得る。次いで、粉砕を介しては精製され得ない化合物を、カラムクロマトグラフィーを介して精製した。
【0251】
上記の手順は、 N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−[(4−ピリミジン−5−イルフェニル)オキシ]アセトアミドを作製するために使用した:
【0252】
【数14】
。
【0253】
(実施例8)
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[4−(1H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]オキシアセトアミド 25の合成}
【0254】
【化108】
【0255】
【化109】
((3−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−フェノキシ)−酢酸 24)(3−アミノ−フェノキシ)−酢酸 2(167mg、1.0mmol、1.0当量)、トルエン(5.0mL)、DMF(0.5mL)、p−トルエンスルホン酸モノヒドレート(209mg、1.1mmol、1.1当量)、およびsym−ジホルミルヒドラジン(96.8mg、1.1mmol、1.1当量)を、丸底フラスコに加えた。この混合物を一晩還流した。RTに冷ましたところ、この反応混合物は、二層に分離し、生成物は下側の褐色のオイル層中に、そしてトルエンは清澄な上側の層中にあった。このトルエン層を取り除き;水を褐色オイルに加え、次いでEtOAcで3回抽出した。次いで、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、次いでエーテルで粉砕して、橙色固形物として、(3−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−フェノキシ)−酢酸 24(65.0mg、収率30%)を得た。
【0256】
【数15】
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[4−(1H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド 25)トリアゾール 24(43.8mg、0.20mmol、1.0当量)、DMF(2.0mL)、HOBt(29.7mg、0.22mmol、1.1当量)、EDCI(42.0mg、0.22mmol、1.1当量)、およびトリエチルアミン(0.076mL、0.60mmol、3.0当量)を、丸底フラスコに加えた。この反応物を30分間RTで撹拌し、その後、5−アミノ−2−クロロ−ベンゾトリフルオリド(78.0mg、0.40mmol、2.0当量)を添加し、そしてRTで一晩撹拌した。この反応を水でクエンチし、EtOAcで3回抽出し、10% LiClで洗浄してDMFを取り除き、Na2SO4で乾燥させ、次いでロータリーエバポレーションにより濃縮した。エーテルで粉砕して、わずか純度80%でトリアゾール 25を生じた。次いで、分取HPLCによりさらに精製し、白色固形物として純粋なトリアゾール 25(21mg、収率30%)を生じた。
【0257】
【数16】
。
【0258】
(実施例9)
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−N’−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]メチル}ウレア 28の合成)
【0259】
【化110】
(1−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(3−ニトロ−ベンジル)−ウレア 26)4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)−フェニルイソシアネート(443mg、2.0mmol、1.0当量)およびアセトニトリル(3.0mL)を、丸底フラスコに加えた。この溶液を0℃に冷まし、その後、3−ニトロベンジルアミンHCl(377mg、2.0mmol、1.0当量)、DMF(1.0mL)、およびトリエチルアミン(0.27mL、2.0mmol、1.0当量)の混合物を滴下した。次いで、この反応物を徐々にRTまで温めておき、次いでさらに2時間撹拌した。次いで、この反応物を濃縮して、アセトニトリルを取り除いた。EtOAcおよび水を加え、そして混合物を抽出し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させそして濃縮して、オイルを生じた。RTに静置したところ、このオイルは再結晶し、ウレア 26(728mg、収率97%)を得た。
【0260】
【数17】
(1−(3−アミノ−ベンジル)−3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレア 27)ウレア26(700mg、1.87mmol、1.0当量)およびメタノール(15mL)を、丸底フラスコに加えた。次いで、このフラスコにN2を流し、その後10% Pd/C(35mg、5%重量)を加えた。この反応物をH2雰囲気下に置き、そして2時間RTで撹拌させておき、その後セライトで濾過し、そしてメタノールでリンスした。ロータリーエバポレーションを介して濃縮し、続けてシリカゲルおよび1:1のEtOAc:ヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーを介して濃縮し、白色固形物として純粋なウレア 27(415mg、収率65%)を得た。
【0261】
【数18】
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−N’−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]メチル}ウレア 28)ウレア 27(100mg、0.29mmol、1.0当量)、トリエチルオルトホルメート(0.16mL、0.93mmol、6.4当量)、アジ化ナトリウム(25.0mg、0.36mmol、1.25当量)、および酢酸(0.26ml、4.64mmol、16.0当量)を、丸底フラスコに加えた。この反応混合物を、1分間RTで撹拌し、その後1時間75℃に加熱した。この反応物をRTに冷まし、そして水(0.2mL)、6N HCl(0.16mL)、および25% NaNO2水溶液(0.064mL)を添加した。次いで、この混合物をEtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、そしてNa2SO4で乾燥させた。ロータリーエバポレーションにより濃縮し、続けて60:40のEtOAc:ヘキサンを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより濃縮し、黄色固形物としてウレア 28(7.5mg、収率6%)を得た。
【0262】
【数19】
(実施例10)
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{3−(1H)−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}プロパンアミド 32の合成)
【0263】
【化111】
(3−テトラゾール−1−イル−フェノール 29)トリエチルオルトホルメート(24.4ml、146.5mmol、3.2当量)中の3−アミノフェノール(5g、45.8mmol、1.0当量)溶液を収容した、磁気撹拌子を備えた200ml丸底フラスコに、アジ化ナトリウム(3.73g、57.3mmol、1.25当量)および酢酸(41.95ml、732.8mmol、16.0当量)を加えた。この混合物を室温で10分間撹拌し、次いで1.5時間80℃に加熱した。加熱後、この混合物は青銅色かつ均一であった。この混合物を室温に冷ました。水(30mL)および6N HCl(17mL)を添加した。この反応混合物を氷浴で冷やしながら、25% NaNO2水溶液(6mL)を徐々に加えた。濾過および水での洗浄により、白色固形物の3−テトラゾール−1−イル−フェノール 29(5.3g、収率72%)を得た。
【0264】
【数20】
(2−(3−テトラゾール−1−イル−フェノキシ)−プロピオン酸メエチルエステル 30)無水DMF(4mL)中の3−テトラゾール−1−イル−フェノール 29(0.5g、3.09mmol、1.0当量)、炭酸セシウム(2.01g、6.18mmol、2.0当量)、およびヨウ化カリウム(25mg、触媒量)を収容した、磁気撹拌子を備えた25ml丸底フラスコに、メチル2−ブロモプロピオネート(448μL、4.02mmol、1.3当量)を添加した。次いで、この反応混合物を室温で一晩撹拌させておいた。この反応混合物を10倍量のEtOAcで希釈し、続けて水で2回、10% LiClで5回、そしてブラインで2回、洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させそして濃縮して、オイル(723mg)を生じた。カラムクロマトグラフィー(3:7 EtOAc/ヘキサン)の後、固形物2−(3−テトラゾール−1−イル−フェノキシ)−プロピオン酸メチルエステル 30(326mg、収率45%)を得た。
【0265】
【数21】
(2−(3−テトラゾール−1−イル−フェノキシ)−プロピオン酸 31)磁気撹拌子を備えた25ml丸底フラスコに、2−(3−テトラゾール−1−イル−フェノキシ)−プロピオン酸メチルエステル 30(326mg、1.3mmol、1.0当量)、2N LiOH(2.6mL、2.6mmol、2.0当量)、および1,4−ジオキサン(2.6ml、2.6mmol、2.0当量)を加えた。次いで、この反応混合物を、3時間室温で撹拌した。この反応混合物を濃縮し、水(5mL)で希釈し、1N HCl(pH=3.5に調整)で酸性化し、次いでEtOAcで3回(各々25mL)抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濃縮しそして高減圧下で乾燥させて、2−(3−テトラゾール−1−イル−フェノキシ)−プロピオン酸 31(230.3mg、収率98%)を得た。
【0266】
【数22】
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{3−(1H)−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}プロパンアミド 32)無水DMF(3μL)中の4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミン(230.3mg、1.0mmol、1.0当量)、EDCI(211mg、1.1mmol、1.1当量)、HOBt(143mg、1.1mmol、1.1当量)、およびDIEA(523mL、3.0mmol、3.0当量)を収容した、磁気撹拌子を備えた25ml丸底フラスコに、5−アミノ−2クロロベンゾトリフルオリド(214.5mg、1.1mmol、1.1当量)を添加した。次いで、この反応混合物を室温で一晩撹拌させておいた。この反応混合物を濃縮し、そして10倍量のEtOAcで希釈した。次いで、この溶液を10% LiOHで2回、そしてブラインで2回洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濃縮した。固形物をMeOH中に溶解し、分取HPLCで精製した。凍結乾燥により、白色固形物として32(114.8mg、収率28%)を得た。
【0267】
【数23】
(実施例11)
【0268】
【化112】
(1−(3−ブロモ−ベンジル)−3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレア 33)。4−クロロ−(3−トリフルオロメチル)−フェニルイソシアネート(2.0g、9.0mmol、1.0当量)およびACN(12mL)を、丸底フラスコに加えた。この溶液を0℃に冷やし、その後DMF(10.0mL)およびアセトニトリル(6.0mL)中の、3−ブロモベンジルアミンHCl(2.0g、9.0mmol、1.0当量)およびトリエチルアミン(1.16mL、9.0mmol、1.0当量)の混合物を滴下した。次いで、この反応物をRTに温めそして3時間撹拌し、その後ロータリーエバポレーションにより濃縮した。25mLの水を添加すると、ウレア 33の沈殿物を生じ、次いでこれを濾過し、水でリンスし、そして減圧下で乾燥させて、白色固形物としてウレア 33(3.6g、収率97.8%)を得た。
【0269】
【数24】
(ビフェニルウレア 34)ブロモウレア 33(204mg、0.5mmol、1.0当量)、ボロン酸(0.75mmol、1.5当量)、DME(5.0mL)またはDMF(5.0mL)、および1M Na2CO3(1.0mL)またはEt3N(0.14mL、1.0mmol、2.0当量)を、密封チューブに加えた。次いで、この混合物をN2流の中で発泡によりおよそ1分間脱気し、その後PdCl2(dppf)(36.0mg、0.05mmol、0.1当量)を加えた。次いで、このチューブを密封し、そして一晩または反応が完了するまで、90℃に加熱した。この反応物をRTに冷まし、濾過し、そしてEtOAcでリンスした。合わせたEtOAc層を濃縮し、次いでカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0270】
【化113】
(1−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(3−キノキサリン−6−イル−ベンジル)ウレア 34a)
【0271】
【数25】
。
【0272】
(実施例12)
【0273】
【化114】
(ボロン酸 36)適切に置換したイソシアネート(12.0mmol、1.0当量)およびACN(24mL)を、丸底フラスコに加えた。この溶液を0℃に冷やし、その後、DMF(10.0mL)中のベンジルボロン酸 35(12.0mmol、1.0当量)およびトリエチルアミン(1.6mL、12.0mmol、1.0当量)の混合物を、滴下した。次いで、この反応物をRTに温めて1.5時間撹拌し、その後ロータリーエバポレーションにより濃縮した。次いで、このオイルをEtOAcおよび水に加え、そして分配した。有機層を10% LiClで2回、ブラインで1回洗浄し、Na2SO4で乾燥させそして濃縮して、比較的純粋なボロン酸 36を得た。水での溶解後のそれほど純粋でないボロン酸を、カラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0274】
(ウレア 37)ボロン酸 36(0.5mmol、1.0当量)、適切なハライド(0.5mmol、1.5当量)、DME(5.0mL)またはDMF(5.0mL)、および1M Na2CO3(1.0mL)またはEt3N(0.140mL、1.0mmol、2.0当量)を、密封チューブに加えた。次いで、この混合物をN2流中で発泡により1分間脱気し、その後PdCl2(dppf)(36.0mg、0.05mmol、0.1当量)を加えた。次いで、このチューブを密封し、そして一晩または反応が完了するまで90℃に加熱した。この反応物をRTに冷まし、濾過し、そしてEtOAcでリンスした。合わせたEtOAcを、次いで水、ブラインで洗浄し、そしてNa2SO4で乾燥させ、その後カラム精製した。
【0275】
(3−アミノ−6−{3−[3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイドメチル]−フェニル}−ピラジン−2−カルボン酸ピペリジン−3−イルアミド 37a)
【0276】
【数26】
。
【0277】
(実施例13)
【0278】
【化115】
(3−テトラゾール−1−イル−ベンズアミド 38)3−アミノベンズアミド(1.36g、10.0mmol、1.0当量)、酢酸(9.1mL、160mmol、16.0当量)、トリエチルオルトホルメート(5.4mL、32.0mmol、3.2当量)、およびアジ化ナトリウム(0.812g、12.5mmol、1.25当量)を、丸底フラスコに加えた。次いで、この反応混合物を、全ての固形物が溶解するまで80℃に加熱した。この反応をさらに2時間80℃で撹拌し、その後RTに冷ました。水(6.0mL)を加え、続いて6N HCl(5.3mL)を添加し、次いで25% NaNO2(2.1mL)を添加した。得られた沈殿物を濾過し、そして水でリンスして、純粋なテトラゾール 38(1.5g、収率80%)を得た。
【0279】
【数27】
(1−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(3−テトラゾール−1−イル−ベンゾイル)−ウレア 39)テトラゾール 38(189mg、1.0mmol、1.0当量)、およびTHF(3.0mL)を、丸底フラスコに加えた。このフラスコを0℃に冷却し、その後水素化ナトリウム(鉱油中の60%分散物、40mg、1.0mmol、1.0当量)を添加した。次いで、この反応物をRTに温め、そしてさらに15分間撹拌し、その後0℃に下げ戻し、そして4−クロロ−3−トリフルオロメチルイソシアネート(221mg、1.0mmol、1.0当量)を添加した。この反応物を再びRTに温め、そして15分間撹拌し、その後EtOAc(20.0mL)および水(10mL)でクエンチした。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、そしてロータリーエバポレーションにより濃縮した。得られた固形物をアセトニトリルで粉砕し、濾過し、冷アセトニトリルでリンスし、そして減圧下で乾燥させて、純粋なウレア 7(230mg、収率56.1%)を得た。
【0280】
【数28】
。
【0281】
(実施例14)
【0282】
【化116】
(N−ブロモフェニル−N−メチルヒドラジン 41)3−ブロモフェニルヒドラジンヒドロクロライド 40(2.00g、8.95mmol、1.0当量)および撹拌子を、100mL回収フラスコに加えた。THF(50mL)を加え、そしてこの溶液を0℃に冷却した。LiHMDS(THF中の1M溶液、17.9mL、17.9mmol、2.0当量)を1分間かけて滴下した。この反応物を室温に温めながら30分間撹拌した。このフラスコを再び0℃に冷却し、そしてCH3I(557μL、8.95mmol、1.0当量)を添加した。この反応物を90分間撹拌し、次いで水(200mL)でクエンチした。水層をCH2Cl2(100mLで3回)で抽出し、合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄した。有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、黄橙色オイルのN−ブロモフェニル−N−メチルヒドラジン 41を生じた(759mg、42%)。これについてのLC/MSトレースおよびTLCは、さらなる精製なしにこの後の反応で使用するのに十分であった。
【0283】
【数29】
(ブロモフェニルアミノウレア 42)4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニルイソシアネート(759mg、3.80mmol、1.0当量)およびCH3CN(8mL)を、50mL回収フラスコに加えた。この溶液を0℃に冷やした。CH3CN(4mL)中のN−ブロモフェニル−N−メチルヒドラジン 41(759mg、3.80mmol、1.0当量)およびEt3N(529μL、3.80mmol、1.0当量)の溶液を、別のフラスコに調製した。この溶液にDMF(2mL)を添加して、ヒドラジン付加物の溶解を助けた。この溶液を、シリンジを介して反応フラスコに滴下した。1時間の撹拌の後、LC/MSは反応の完了を示した。この反応物を濃縮し、次いでEtOAc(100mL)で希釈した。有機相を水(50mL)およびブライン(30mL)で洗浄した。併せた水相をEtOAc(30ML)で洗浄した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過しそして濃縮して、黄色がかったオイルを生じ、これを後に結晶化した(251mg、16%)。この粗物質を、さらなる精製なしに使用した。
【0284】
(ピリジルフェニルアミノウレア 43)42 (250mg、0.594mmol、1.0当量)、5−ピリミジンボロン酸(74mg、0.594mmol、1.0当量)、PdCl2(dppf)2(43mg、0.0594mmol、0.1当量)、DMF(5mL)、およびEt3N(166μL、1.19mmol、2.0当量)を15mL加圧容器に加えた。この容器を密封し、そして90℃で一晩加熱すると、その際この反応混合物が暗赤色から黒色に変わった。この反応混合物を冷やし、次いでEtOAc(100mL)で希釈し、そして有機層を10% LiCl水溶液(50mLで3回)、ブライン(50mL)で洗浄した。合わせた水層をEtOAc(50mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過しそして濃縮して、黒色オイルを生じた。この粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(30%〜70%のEtOAc/Hex)により精製して、白色粉末(32mg、10%)を得た。
【0285】
【数30】
。
【0286】
(実施例15)
【0287】
【化117】
(カルバメート)トリホスゲン(0.6当量)および撹拌子を回収フラスコに加えた。CHCl3を添加し、そしてこの溶液を−10℃に冷却した。別のフラスコに、CHCl3中のアリールアミンまたはヘテロアリールアミン(1.0当量)の溶液を調製し、そしてこの反応フラスコにシリンジを介して添加した。この反応混合物を5分間撹拌した。触媒量のDMAPを加えた。適切に置換したテトラゾール−1−イルベンジルアルコール(1.0当量)を添加し、そしてこの反応混合物は混濁した。30分間の撹拌後、LC/MSは反応が完了したことを示した。この反応物を濃縮し、そして予備的なHPLCを介して精製して、粉末を得た。
【0288】
【化118】
【0289】
【数31】
。
【0290】
(実施例16)
【0291】
【化119】
(3−(3−ピリジル)−ベンジルアルコール 46)3−(3−ピリジル)−安息香酸 45(2.00g、10.0mmol、1.0当量)およびTHF(20mL)を、100mL回収フラスコに加えた。得られた懸濁物を撹拌する。BH3(THF中で1.0M、15mL、15mmol、1.5当量)を加え、得られた混合物を一晩還流した。不完全な還元がLC/MSにより観察された。さらなるBH3(10mL)を加え、そしてこの混合物をさらに6時間還流した。LC/MSは、安息香酸の完全な還元を示す。この反応混合物を濃縮し、そしてEtOAcで希釈した。有機層を、連続して水、HCl、ブラインで洗浄した。合わせた水層をEtOAcで抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、清澄なオイルを生じた。この粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(40%〜60%のEtOAc/Hex)により精製し、白色固形物(995mg、53%)を得た。
【0292】
(カルバメート 47)CH3CNおよびアリールイソシアネート(1.0当量)を、25mL回収フラスコに加えた。この溶液を0℃に冷やし、これにシリンジを介して、CH3CN中の3−(3−ピリジル)−ベンジルアルコール 46(1.0当量)およびEt3N(1.0当量)の溶液を加えた。この反応物を室温に温めながら1.5時間撹拌した。薄色の沈殿物が反応進行の間に形成された。この反応混合物を濃縮し、そして少量のCH3OH中に入れた。この懸濁物を超音波処理すると、この時、細かい白色微粉末が生じる。この固形物を濾過して、白色粉末として純粋な生成物47を生じた。
【0293】
(実施例17)
【0294】
【化120】
(4−(5−ピリミジニル)−ベンジルアルコール 49)4−(5−ピリミジニル)−ベンズアルデヒド 48(1.01g、5.49mmol、1.0当量)およびCH3OH(30mL)を、100mL回収フラスコに加えた。得られた懸濁物を撹拌し、これに、NaBH4(311mg、8.23mmol、1.5当量)を加えた。NaBH4を添加したところ、この反応物は均一になった。室温で2時間撹拌後、LC/MSによればこの反応は完了した。この反応混合物を濃縮し、そしてEtOAcで希釈し、これを、連続して水およびブラインで洗浄した。水相を合わせ、そしてEtOAcで抽出した。有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、黄色の微粉末(523mg、51%)を生じた。この微粉末を、さらなる精製なしに続く反応に使用した。
【0295】
(カルバメート 50)CH3CNおよびアリールイソシアネート(1.0当量)を25mL回収フラスコに加えた。この溶液を0℃に冷やし、この時、CH3CN中の4−(5−ピリミジニル)−ベンジルアルコール 49(1.0当量)およびEt3N(1.0当量)の溶液をシリンジを介して添加した。この反応物を、室温に温めながら1.5時間撹拌した。この反応の進行の間、薄色の沈殿物が形成された。この反応混合物を濃縮し、そして少量のCH3OH中に入れた。この懸濁物を超音波処理し、この時、白色微粉末が生じた。この固形物を濾過して、白色粉末として純粋な生成物50を得た。
【0296】
(実施例18)
【0297】
【化121】
(4−(2−ヒドロキシテトラゾール−1−イル)−1−ベンジルオキシベンゼン 52)THF(20mL)および撹拌子を100mL回収フラスコに加えた。このフラスコを0℃に冷却し、すぐに、AlCl3(751mg、5.63mmol、1.1当量)を加えた。この溶液を15分間撹拌し、すぐにNaN3(1.00g、15.4mmol、3.0当量)および4−ベンジルオキシ−フェニルイソシアネート 51(1.15g、5.12mmol、1.0当量)を加えた。この反応混合物を一晩還流した。この反応混合物を1N HCl(50mL)でクエンチし、そしてEtOAc(100mL)で希釈した。有機相をブラインで洗浄し、そして合わせた水相をEtOAc(50mLを3回)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、オフホワイトの固形物(515mg、37%)を得た。これを、さらなる精製なしに、続く反応に使用した。
【0298】
(4−(2−ヒドロキシテトラゾール−1−イル)−フェノール 53)4−(2−ヒドロキシテトラゾール−1−イル)−1−ベンジルオキシベンゼン 52(515mg、1.92mmol、1.0当量)およびCH3OH(20mL)を、100mL回収フラスコに加えた。この溶液をN2でパージし、これに、10% Pd/C(50mg)を添加した。このフラスコを密封し、H2を満たしたバルーンを取り付けた。この反応物を室温で一晩撹拌した。この反応物をセライトのパッドに通して濾過し、そして濃縮して、オフホワイトの固形物(300mg、93%)を得た。この固形物を、さらなる精製なしに、引き続く反応に使用した。
【0299】
(アミド 55)フェノール 53(150mg、0.842mmol、1.0当量)、クロロアセトアミド 54(229mg、0.842mmol、1.0当量)、K2CO3(232mg、1.68mmol、2.0当量)、およびCH3CN(10mL)を、25mL回収フラスコに加えた。触媒作用量のKIを添加した。この反応物を室温で一晩撹拌し、これについてのLC/MS分析は、この反応が完了したことを示した。この反応混合物を濾過して過剰なK2CO3を取り除き、次いで濃縮した。粗物質を、分取HPLCを介して精製し、白色粉末(15 mg、4%)を得た。
【0300】
【数32】
。
【0301】
(アッセイ)
固定したミエリン塩基性タンパク質(MBP)へのγ−33P ATPの取り込みの測定により、キナーゼアッセイを実施した。Tris緩衝化生理食塩水(TBS;50mM Tris pH8.0、138mM NaCl、2.7mM KCl)中の20μg/mlのMBP(Sigma #M−1891)をウェルあたり60μl、24時間4℃でインキュベーションすることにより、高結合性の白色384ウェルプレート(Greiner)をMBPでコーティングした。プレートを100μlのPBSで3回洗浄した。キナーゼ反応を、キナーゼ緩衝液(5mM Hepes pH7.6、15mM NaCl、0.01% ウシγグロブリン(Sigma #I−5506)、10mM MgCl2、1mM DTT、0.02% TritonX−100)中で総量34μlで実行した。化合物の希釈をDMSO中で実施し、そしてDMSO終濃度1%までアッセイウェルに添加した。各々のデータ点を二連で測定し、そして各々の化合物の決定のため少なくとも2つの二連アッセイを実施した。酵素を、例えば終濃度10nMまたは20nMまで添加した。未標識ATPおよびγ−33P ATPの混合物を添加して反応を開始した(代表的には、ウェルあたり2×106cpmのγ−33P ATP(3000Ci/mmole)および10μMまたは30μMのいずれかの未標識ATP)。この反応を、振盪しながら室温で1時間実施した。プレートをTBSで7回洗浄し、続いてウェルあたり50μlのシンチレーション液(Wallac)を添加した。プレートをWallac Triluxカウンターを使用して読み取った。このことは、単なる1つの例示的なアッセイである:当業者に公知なように、種々の形式が可能である。
【0302】
上記のアッセイ手順を使用して、阻害に対するIC50および/または阻害定数Kiを決定し得る。このIC50は、アッセイ条件下で酵素活性を50%軽減するの必要な化合物濃度として定義される。例示的な組成物は、例えば、約100μM未満、約10μM未満、約1μM未満のIC50を有し、そしてさらなる例として、約100nM未満、そしてなおさらなる例として、約10nM未満のIC50を有する。化合物についてのKiは、3つの前提に基づきIC50から決定され得る。第一に、1つの化合物分子のみが酵素に結合し、そして協同性がない。第二に、活性な酵素の濃度および試験される化合物の濃度が既知である(すなわち、調製物において、有意な量の不純物も不活性形態も存在しない)。第三に、酵素−インヒビター複合体の酵素学的速度がゼロである。この速度(すなわち、化合物濃度)データは、以下の式(1)に当てはめられる;ここで、Vは観察された速度であり、Vmaxは遊離酵素の速度であり、I0はインヒビター濃度であり、E0は酵素濃度であり、そしてK0は酵素−インヒビター複合体の解離定数である。
【0303】
【化122】
。
【0304】
(キナーゼ特異的アッセイ)
キナーゼ活性および化合物の阻害は、以下に記載される3つのアッセイ様式のうち1つ以上を使用して調べられる。各々のアッセイについてのATP濃度は、各々別個のキナーゼについて、ほぼMichaelis−Menten定数(KM)に近くなるように選択される。用量応答実験を、384ウェルプレートの様式で10個の異なるインヒビター濃度で実施する。これらのデータを以下の4パラメーターの式(2)に当てはめる;ここで、Yは観察されたシグナルであり、Xはインヒビター濃度であり、Minは酵素の非存在下(0%の酵素活性)でのバックグラウンドシグナルであり、Maxはインヒビター非存在下(100%の酵素活性)でのシグナルであり、IC50は50%酵素阻害でのインヒビター濃度であり、そしてHは協同作用を測定するための経験的なHillの傾きを示す。代表的に、Hは1に近い。
【0305】
【化123】
。
【0306】
(c−Kitアッセイ)
c−Kitの生化学的反応を、上記のAlphaScreenTM(Perkin Elmer)技術を使用して評価した。試験化合物、ATP、ビオチン化ポリ(Glu、Tyr)およびc−Kitキナーゼを、384ウェルの結合が中間の白色マイクロタイタープレート(Greiner)において容量20μLで併せた。反応混合物を周囲温度で1時間インキュベーションした。75mM Hepes、pH7.4、300mM NaCl、120mM EDTA、0.3% BSAおよび0.03% Tween−20を含む15〜30mg/mLのAlphaScreenビーズ懸濁物を10μL添加することにより反応をクエンチした。周囲温度で16時間のインキュベーション後、プレートを、AlphaQuestリーダー(Perkin Elmer)を使用して読み取った。
【0307】
(構造−活性の相関)
表3は、選択された本発明の化合物についての構造−活性の相関データを示す。阻害は、以下のキーを用いてIC50として示される:A=50nM未満のIC50、B=50nMを超えるが500nM未満のIC50、C=500nMを超えるが5000nM未満のIC50、およびD=5,000nM以上のIC50。
【0308】
【化124】
【0309】
【化125】
【0310】
【化126】
【0311】
【化127】
【0312】
【化128】
【0313】
【化129】
【0314】
【化130】
【0315】
【化131】
【0316】
【化132】
【0317】
【化133】
【0318】
【化134】
【0319】
【化135】
【0320】
【化136】
。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、発明者としてチェン,ウェイらが示された、「c−Kit調節因子および使用方法」の表題で、2003年8月29日に出願された、米国仮特許出願第60/499,224号の優先権を主張する;これは、すべての目的において、その全体が参考として本明細書に援用される。
【0002】
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、増殖、分化、プログラム細胞死、遊走および化学侵襲(chemoinvasion)のような、細胞活性を調節するためのプロテインキナーゼ酵素活性を調節するための化合物に関する。さらにより具体的には、本発明は、上述の細胞活性における変化に関するキナーゼレセプターシグナル伝達経路を阻害、制御および/または調節する化合物、これら化合物を含む組成物、ならびにキナーゼ依存性の疾患および状態を処置するためにこれらを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術のまとめ)
癌を処置するために使用される因子の特異性の改良は、これら因子の投与に関連する副作用が軽減され得る場合に実現される治療上の利益に起因して、かなり重要なことである。伝統的に、癌の処置における劇的な改良は、新規機構を介して作用する治療因子の同定と関連する。
【0004】
プロテインキナーゼは、タンパク質、特に、タンパク質のチロシン残基、セリン残基およびトレオニン残基におけるヒドロキシ基のリン酸化を触媒する酵素である。この表面上は単純な活性の結果は、驚異的である;細胞の分化および増殖;すなわち、一方向または別方向への細胞の生存についての、実際のすべての局面がプロテインキナーゼ活性に依存する。さらに、異常なプロテインキナーゼ活性は、多数の障害と関係しており、この障害は乾癬のような相対的に生命を脅かさない疾患から、グリオブラストーマ(脳癌)のような極端に危険性の高い疾患にまで及ぶ。
【0005】
プロテインキナーゼは、レセプター型または非レセプター型に分類され得る。レセプター型チロシンキナーゼは、細胞外部分、膜貫通部分、および細胞内部分を有し、一方、非レセプター型チロシンキナーゼは、完全に細胞内である。
【0006】
レセプター型チロシンキナーゼは、多様な生物活性を有する非常に多くの膜貫通レセプターを含む。実際、約20の異なるサブファミリーのレセプター型チロシンキナーゼが同定されている。1つのチロシンキナーゼサブファミリーは、HERサブファミリーと称され、EGFR(HER1)、HER2、HER3およびHER4を含む。このサブファミリーのレセプターのこれまでに同定されたリガンドとしては、上皮細胞増殖因子、TGF−α、アンフィレグリン、HB−EGF、βセルリンおよびヒレグリンが挙げられる。これらレセプター型チロシンキナーゼの別のサブファミリーは、インスリンサブファミリーであり、これらには、INS−R、IGF−IRおよびIR−Rが挙げられる。PDGFサブファミリーとしては、PDGF−αレセプターおよびPDGF−βレセプター、CSFIR、c−KitならびにFLK−IIが挙げられる。次いでFLKファミリーが存在し、これは、キナーゼ挿入ドメインレセプター(KDR)、胎児肝臓キナーゼ−1(FLK−1)、胎児肝臓キナーゼ−4(FLK−4)およびfms様チロシンキナーゼ−1(flt−1)を含む。PDGFファミリーおよびFLKファミリーは、これら2つの群の類似性に起因して、通常一緒とみなされる。このレセプター型チロシンキナーゼの詳細な考察については、Plowmanら、DN&P 7(6):334−339,1994を参照のこと(これは本明細書中で参考として援用される)。
【0007】
非レセプター型チロシンキナーゼもまた、非常に多くのサブファミリーを含み、Src、Frk、Btk、Csk、Abl、Zap70、Fes/Fps、Fak、Jak、AckおよびLIMKが挙げられる。これらサブファミリーの各々はさらに、多様なレセプターへと細分化される。例えば、Srcサブファミリーは、最も大きなもののうちの1つであり、そしてSrc、Yes、Fyn、Lyn、Lck、Blk、Hck、FgrおよびYrkが挙げられる。このSrcサブファミリーの酵素は、発癌と関連付けられている。非レセプター型チロシンキナーゼのより詳細な考察としては、Bolen、Oncogene、8:2025−2031(1993)を参照のこと(これは本明細書中で参考として援用される)。
【0008】
プロテインキナーゼおよびそれらのリガンドは種々の細胞活性において重要な役割を担うので、プロテインキナーゼの酵素活性の脱制御は、変化した細胞特性(例えば、癌と関連する制御されない細胞増殖)を導き得る。腫瘍学的指標に加え、変化したキナーゼシグナル伝達は、多くの他の病理学的疾患に関係している。これらとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:免疫学的障害、心臓血管疾患、炎症性疾患および変性疾患。従って、レセプタープロテインキナーゼおよび非レセプタープロテインキナーゼの両方は、低分子薬物探索のための魅力的な標的である。
【0009】
キナーゼ調節の治療的使用についての1つの魅力的な目標は、腫瘍学的指標に関する。例えば、慢性骨髄性白血病(CML)および胃腸管支質癌(GIST)の処置に対してFDAが承認したGleevec(登録商標)(Novartis Pharmaceutical Corporation、East Hanover、NJにより生産されるイマチニブメシレート(imatinib mesylate))を用いて、癌の処置のためのプロテインキナーゼ活性の調節が、良好に実証されている。Gleevecは、c−KitキナーゼおよびAblキナーゼのインヒビターである。
【0010】
腫瘍の増殖および生存のために必要とされる2つの主要な細胞プロセスである(Matter A.Drug Disc Technol 2001 6,1005−1024)細胞増殖および新脈管形成の調節(特に阻害)は、低分子薬物の開発のための魅力的な目標である。抗脈管形成治療は、脱制御された血管新生に関連する固形腫瘍および他の疾患(例えば、虚血性冠状動脈疾患、糖尿病性網膜症、乾癬および慢性関節リウマチが挙げられる)の処置のための、潜在的に重要なアプローチを提示する。同様に、抗細胞増殖性因子は、腫瘍の増殖を遅滞または停止させるために所望され得る。
【0011】
低分子調節のための1つの特に魅力的な標的は、c−Kitである。癌原遺伝子c−kitは、最初に、急性トランスフォーミングHardy Zuckerman 4−ネコ肉腫ウイルスの発癌性成分として同定された(Besmerら Nature 1986 320:415−421)。c−Kit(幹細胞因子レセプターまたはsteel因子レセプターとも呼ばれる)は、血小板由来増殖因子レセプターサブファミリーに属する3型レセプターチロシンキナーゼ(RTK)である。c−Kitは、リガンドである幹細胞因子(SCF)を結合し、そして複数のシグナル伝達経路(Srcファミリーキナーゼ、ホスファチジル−イノシトール3キナーゼ、Ras−Raf−Mapキナーゼカスケード、およびホスホリパーゼCが挙げられる)を誘発する(Broudyら Blood 1999 94:1979−1986;Lennartssonら Oncogene 1999 18:5546−5553;Timokhinaら EMBO J 1998 17;6250−6262;Chianら Blood 2001 98(5)1365−1373;Blume Jensenら Curr Biol 1998 8:779−782;Kisselら EMBO J 2000 19:1312−1326;Lennartssonら Oncogene 1999 18:5546−5553;Sueら Blood,1998 92:1242−1149;Levら EMBO J 1991 10:647−654)。c−Kitは、正常な造血、メラニン産生(melanonogenesis)および配偶子形成のために必要とされる。c−Kitは、マスト細胞、未成熟骨髄性細胞、メラノサイト、上皮乳房細胞、およびCajalの間質細胞(ICC)において発現される。マスト細胞において、c−Kitは、分化、成熟、化学走性および接触走性(haptotaxis)のためだけでなく、生存および増殖の促進のためにも必要とされる。
【0012】
c−Kitにおける変異は、ヒトの疾患に関係している。膜近傍ドメインにおける変異は、多くのヒト胃腸管支質腫瘍において見出され、そしてキナーゼドメインにおける変異は、肥満細胞症、生殖細胞腫瘍、急性骨髄性白血病(AML)、NKリンパ腫、および他の血液学的障害において見出される(Hirotaら Science 1998 279:577−580;Singerら J Clin Oncol 2002 203898−3905;Longleyら Proc Natl Aca Sci USA 1999:1609−1614;Tianら Am J Pathol 1999 154:1643−1647;Beghiniら Blood 2000 95:726−727;Hongyoら Cancer Res 2000 60:2345−2347)。これらの変異は、リガンド非依存性チロシンキナーゼ活性、Kitの自己リン酸化、制御されない細胞増殖および下流シグナル伝達経路の刺激を引き起こす。KitおよびKitリガンドの過剰発現はまた、他の腫瘍(小胞肺癌、神経芽細胞腫、婦人性腫瘍、および結腸癌が挙げられる)において記載されており、この過剰発現はオートクライン性またはパラクライン性のKit活性化を引き起こし得る。
【0013】
GISTは、最も一般的な胃腸管の間葉腫瘍であり、これらは一般的に化学治療および放射線治療に耐性である。悪性マスト細胞疾患は、しばしば、極端に乏しい予後を示唆し、そして信頼性ある効果的な化学治療剤は同定されていない(Maroneら Leuk Res 2001 25:583−594)。組織的なマスト細胞の障害はインターフェロン−αで処置されているが、この治療法の効果は変動性であった(LehmannおよびLammle Ann Hematol 1999 78:483−484;Butterfield Br J Dermatol 1998 138;489−495)。従って、活性化したKitは、GISTおよびマスト細胞疾患、ならびに活性化c−Kitに関連する他の障害における治療標的として役立ち得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、キナーゼ、特にc−Kitのシグナル伝達を特異的に阻害、制御および/または調節する低分子化合物の同定は、異常な細胞増殖と関連する疾患状態を処置または予防するための手段として望ましく、そして本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(発明の要旨)
1つの局面において、本発明は、c−Kitキナーゼ活性を調節するための化合物、およびこの化合物を利用して、c−Kit活性によって媒介される疾患を処置する方法、およびこの化合物の薬学的組成物を提供する。c−Kit活性によって媒介される疾患としては、侵襲性細胞増殖に関連する遊走、侵襲、増殖および他の生物学的活性によって部分的に特徴付けられる疾患が挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
別の局面において、本発明は、c−Kit活性の調節因子のためのスクリーニングの方法を提供する。この方法は、本発明の組成物、c−Kitおよび少なくとも1つの候補因子を組み合わせる工程、ならびにc−Kit活性に対する候補因子の効果を決定する工程を含む。
【0017】
なお別の局面において、本発明はまた、(本明細書に記載される1つ以上のc−Kit酵素活性調節因子を含め)1つ以上の薬学的化合物および/または本発明の組成物が充填された1つ以上の容器を備える薬学的キットを提供する。このようなキットはまた、例えば、他の化合物および/または他の組成物(例えば、希釈剤、浸透増強剤、滑沢剤など)が、この化合物および/または組成物を投与するためのデバイス、ならびに薬物もしくは生物製剤の製造、使用または販売を規制する政府機関によって定められた様式で書かれた指示書(この指示書はまた、ヒトへの投与に対する製造、使用または販売についての機関による認可を反映し得る)を備え得る。
【0018】
なおさらに別の局面において、本発明はまた、本発明の化合物、ならびに必要に応じて薬学的に受容可能なアジュバントおよび賦形剤を含む、診断薬を提供する。
【0019】
本発明のこれらおよびその他の特徴および利点は、関連の図面を参照して、以下でより詳細に記載される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(発明の詳細な説明)
本発明の組成物は、異常な細胞活性およびまたは制御されない細胞活性と関連する疾患を処置するために使用される。本明細書中に提供される方法および組成物によって処置され得る疾患状態としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:癌(以下にさらに考察される)、免疫障害(例えば、慢性関節炎リューマチ、移植片−宿主疾患、多発性硬化症、乾鮮;心臓血管疾患(例えば、アテローム硬化症、心筋梗塞、虚血、発作および再狭窄);他の炎症性疾患および変性疾患(例えば、腸内疾患、骨関節炎、黄斑変性、糖尿病性網膜症)。
【0021】
いくつかの場合において、細胞が過増殖状態でも貧増殖状態でもないかもしれないが、そして/または遊走状態(異常状態)でもないかもしれないが、それでも依然として処置を必要とし得ることが、理解される。例えば、創傷の治癒の間、細胞は「正常に」増殖し得るが、増殖増強および遊走増強が所望され得る。あるいは、「正常な」細胞増殖速度の低減および/または細胞遊走速度の低減が所望され得る。
【0022】
本発明は、式I
【0023】
【化44】
に従うc−Kitの活性を調節するための化合物またはこの化合物の薬学的に受容可能な塩、水和物もしくはプロドラッグを含み、ここで、環Aは5員〜14員のヘテロアリールであり;
各々のR1は、独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR4、−N(R4)R4、−S(O)0−2R4、−SO2N(R4)R4、−CO2R4、−C(=O)N(R4)R4、−C(=NR5)N(R4)R4、−C(=NR5)R4、−N(R4)SO2R4、−N(R4)C(O)R4、−NCO2R4、−C(=O)R4、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
2つの隣接したR1は、それらが結合する環原子と一緒になって、5員環〜6員環を形成し得、この環は、2つまでのヘテロ原子を含み、そして必要に応じて3つまでのR10で置換され;
L1は、単結合、必要に応じて置換されたC1−2アルキレン、−O−、−CH2O−、−N(R7)−、−C(=O)N(R7)−、−SO2N(R7)−、−CH2N(R7)−、および−S(O)0−2−から選択され;
環Bは、5員〜10員のアリールまたは5員〜10員のヘテロシクリルであり;
各々のR2は、独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR4、−N(R4)R4、−S(O)0−2R4、−SO2N(R4)R4、−CO2R4、−C(=O)N(R4)R4、−C(=NR5)N(R4)R4、−C(=NR5)R4、−N(R4)SO2R4、−N(R4)C(O)R4、−NCO2R4、−C(=O)R4、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
2つの隣接するR2は、それらが結合する環原子と一緒になって、5員環〜6員環を形成し得、この環は、2つまでのヘテロ原子を含み、そして必要に応じて3つまでのR15で置換され;
L2は、C4アルキレン、C4アルキリデン、C4アルキリジン、−X(CH2)2O−、−X(CH2)2N(R7)−、−XCH2SO2N(R7)−、−XN(R7)C(=O)N(R7)−、−XCH2C(=O)N(R7)−、−(CH2)3X−、−XN(R7)SO2N(R7)−、−XCH2N(R7)SO2−、−CH2X(CH2)2−、−CH=CHC(=O)N(R7)−、−CH=CHSO2N(R7)−、−XCH2N(R7)C(=O)−、−M−M−、−CH2N(R7)C(=O)O−、および−CH2OC(=O)N(R7)−から選択され;ここで、Xは−CH2−、−O−、−N(R7)−、−C(=O)−および−S(O)0−2−から選択され;Mは−C(=O)N(R7)−および−SO2N(R7)−から選択され;そしてL2のうち任意のC−Hは必要に応じてC−R20であり;
環Cは、5員〜10員のアリールまたは5員〜10員のヘテロアリールであり;
各々のR3は、独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR4、−N(R4)R4、−S(O)0−2R4、−SO2N(R4)R4、−CO2R4、−C(=O)N(R4)R4、−C(=NR5)N(R4)R4、−C(=NR5)R4、−N(R4)SO2R4、−N(R4)C(O)R4、−NCO2R4、−C(=O)R4、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;但し、R3は、環状スルホンアミドの窒素を介して環Cに結合した環状スルホンアミドではない;
2つの隣接したR3は、それらが結合する環原子と一緒になって、5員環〜6員環を形成し得、この環は、2つまでのヘテロ原子を含み、そして必要に応じて3つまでのR25で置換され;
R4は、−H、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
2つのR4は、それらが結合する共通の窒素原子と一緒になって、必要に応じて置換された5員〜7員のヘテロシクリルを形成し得、この必要に応じて置換された5員環〜7員環ヘテロシクリルは、必要に応じて、N、O、SおよびPから選択される少なくとも1つのさらなるヘテロ原子を含み;
R5は、−H、−CN、−NO2、−OR4、−S(O)0−2R4、−CO2R4、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたC1−6アルケニル、および必要に応じて置換されたC1−6アルキニルから選択され;
R7は、−H、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、−SO2N(R4)R4、−CO2R4、−C(=O)N(R4)R4、−C(=NR5)N(R4)R4、−C(=NR5)R4、−C(=O)R4、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;そして
各々のR10、各々のR15、各々のR20、および各々のR25は、独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR4、−N(R4)R4、−S(O)0−2R4、−SO2N(R4)R4、−CO2R4、−C(=O)N(R4)R4、−C(=NR5)N(R4)R4、−C(=NR5)R4、−N(R4)SO2R4、−N(R4)C(O)R4、−NCO2R4、−C(=O)R4、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
但し;
1)環Bおよび環Cの両方がフェニルである場合:
a)かつ本化合物が環B−CH2N(H)C(=O)N(H)−環Cを含む場合、L1は単結合でなければならず;R3は、L2に対してオルト位である、式−O(CH2)2−4−N−ピペラジンの基を含み得ず;そして環Aは5−メチル−[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イルラジカルでも4H−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−オン−3−イルラジカルでも4’−[2,2’;6’,2”]テルピリジニルラジカルでもあり得ず;
b)かつL1が単結合以外である場合、L2は−N(H)C(=O)C(=O)N(H)−も−N(H)C(=Q)C(H)CNC(=O)−も含み得ず(ここで、QはSまたはOである);
c)かつL1が単結合以外である場合、Aはキノリン−2−イル−L1でもキノリン−3−イル−L1でもキノリン−4−イル−L1でもあり得ず;
2)環Aが縮合アリール系である場合、L1は単結合でなければならず;
3)環Bがフェニルである場合、環CはC6−16炭素環であり、L1は単結合であり、そしてこの化合物が−環B−OCH2C(=O)N(H)−を含む場合、環Aは2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イルラジカルであり得ず;
4)L1が−N(H)−でありかつ環Bがフェニルである場合、環Aはピリミジン−2−イルラジカルであり得ず;
5)本化合物が以下の式
【0024】
【化45】
を含み、ここで、Vが=C(H)−または=N−であり、そして環Bに直接結合したL2のうち窒素が存在する場合、Aは[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イルラジカルを含み得ず;そして
6)この化合物は、以下のうちの1つではない:N−ナフタレン−1−イル−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(フェニルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2、4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−(2,4,6−トリメチルフェニル)アセトアミド、N−(2−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[3−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2,4−ビス(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジクロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−ブロモフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、メチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、エチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、3−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]安息香酸、N−[3−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−アミノフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、およびN−(4−アセチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド。
【0025】
1例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0022]に従い、ここでL1は単結合である。
【0026】
別の例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0023]に従い、ここで環Aは1〜4の間の環窒素を含む。
【0027】
別の例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0024]に従い、ここで環Aは以下から選択される:
【0028】
【化46】
ここで、各々のYは、独立して、=C(H)−または=N−のどちらかであり;そしてZは−O−、−S(O)0−2−および−N(R7)−から選択される。
【0029】
別の例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0025]に従い、ここで環Bはフェニレンまたはピリジレンである。
【0030】
別の例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0026]に従い、ここでL1およびL2が結合する環Bの環原子は、隣接しない。
【0031】
別の例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0027]1に従い、ここでL2は、−X(CH2)2O−、−X(CH2)2N(R7)−、−CH2XC(=O)N(R7)−、−XCH2SO2N(R7)−、−XN(R7)C(=O)N(R7)−および−XCH2C(=O)N(R7)−から選択され;ここで、Xは、−CH2−、−O−、−S(O)0−2−および−N(R7)−から選択され;そしてL2の任意のC−Hは必要に応じてC−R20である。
【0032】
別の例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0028]に従い、ここでL2は、−N(H)N(H)C(=O)N(H)−、−CH2N(H)C(=O)N(H)−、−CH2OC(=O)N(H)−、および−XCH2C(=O)N(H)−から選択され;ここで、Xは、−O−、−S(O)0−2−および−N(R7)−から選択され;そしてL2の任意のC−Hは必要に応じてC−R20である。
【0033】
別の例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0029]に従い、ここで環Aは以下から選択される:
【0034】
【化47】
ここでYは、独立して=C(H)−または=N−のどちらかであり;そしてZは、−O−、−S−および−N(R7)−から選択される。
【0035】
別の例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0030]に従い、ここで環Cはフェニレンまたはピリジルである。
【0036】
別の例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0031]に従い、ここでハロゲンであるR3が少なくとも1つ存在する。
【0037】
別の例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0031]に従い、ここでトリハロメチルであるR3が少なくとも1つ存在する。
【0038】
別の例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0031]に従い、ここでトリフルオロメチルであるR3が少なくとも1つ存在する。
【0039】
別の例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0034]に従い、ここで環Cは、L2に対してメタ位にトリフルオロメチルラジカルを含むフェニルである。
【0040】
別の例において、本化合物は(国際公開公報の)段落[0031]に従い、ここで各々のR3は、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−OR4、−CO2R4、−C(=O)R4および必要に応じて置換されたC1−6アルキルから独立して選択される。
【0041】
別の例において、本発明は、以下の式II
【0042】
【化48】
に従う、c−Kit活性を調節するための化合物、またはこの化合物の薬学的に受容可能な塩、水和物もしくはプロドラッグを含み、ここで、
Wは以下から選択され:
【0043】
【化49】
各々のR27は、独立して、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR55、−N(R55)R55、−S(O)0−2R55、−SO2N(R55)R55、−CO2R55、−C(=O)N(R55)R55、−C(=NR50)N(R55)R55、−C(=NR50)R55、−N(R55)SO2R55、−N(R55)C(O)R55、−NCO2R55、−C(=O)R55、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
各々のYは独立して=C(H)−または=N−のどちらかであり;
Zは、−O−、−S(O)0−2−および−N(R7)−から選択され;
EおよびGは、各々独立して、−O−、−S(O)0−2−、−C(R31)(R32)−および−N(R33)−から選択され;
J1およびJ2はそれぞれ独立して=C(H)−または=N−であり;
各々のR26およびR30は、独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR40、−N(R40)R40、−S(O)0−2R40、−SO2N(R40)R40、−CO2R40、−C(=O)N(R40)R40、−C(=NR50)N(R40)R40、−C(=NR50)R40、−N(R40)SO2R40、−N(R40)C(O)R40、−NCO2R40、−C(=O)R40、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
2つの隣接したR26および2つの隣接したR30は、それらが結合する環原子と一緒になって、5員〜6員環を形成し得、この環は2つまでのヘテロ原子および必要に応じて置換された3つまでのR35を含み;
R31およびR32は、各々独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR40、−N(R40)R40、−S(O)0−2R40、−SO2N(R40)R40、−CO2R40、−C(=O)N(R40)R40、−C(=NR50)N(R40)R40、−C(=NR50)R40、−N(R40)SO2R40、−N(R40)C(O)R40、−NCO2R40、−C(=O)R40、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
R33は、−H、必要に応じて置換された低級アルキル、−SO2N(R40)R40、−CO2R40、−C(=O)N(R40)R40、−C(=NR50)N(R40)R40、−C(=NR50)R40、−C(=O)R40、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
R40は、−H、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
2つのR40は、それらが結合する共通の窒素原子と一緒になる場合、必要に応じて置換された5員〜7員のヘテロシクリルを形成し、この必要に応じて置換された5員〜7員のヘテロシクリルは、N、O、SおよびPから選択される少なくとも1つのさらなるヘテロ原子を必要に応じて含み;
R50は、−H、−CN、−NO2、−OR40、−S(O)0−2R40、−CO2R40、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたC1−6アルケニル、および必要に応じて置換されたC1−6アルキニルから選択され;
R55は、−H、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;そして
2つのR55は、それらが結合する共通の窒素原子と一緒になる場合、必要に応じて置換された5員〜7員のヘテロシクリルを形成し、この必要に応じて置換された5員〜7員のヘテロシクリルは、N、O、SおよびPから選択される少なくとも1つのさらなるヘテロ原子を必要に応じて含む。
【0044】
別の例において、本化合物は、(国際公開公報の)段落[0037]に従い、ここでWおよびEが結合される環Bの環炭素は、共通ではない。
【0045】
別の例において、本化合物は、(国際公開公報の)段落[0038]に従い、ここでR30は、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−OR40、−N(R40)R40、−CO2R40、−C(=O)R40、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択される。
【0046】
別の例において、本化合物は、(国際公開公報の)段落[0039]に従い、ここでトリハロメチルである少なくとも1つのR30が存在する。
【0047】
別の例において、本化合物は、(国際公開公報の)段落[0039]に従い、ここでトリフルオロメチルである少なくとも1つのR30が存在する。
【0048】
別の例において、本化合物は、式III:
【0049】
【化50】
に従う、(国際公開公報の)段落[0039]に従う。
【0050】
別の例において、本化合物は、(国際公開公報の)段落[0042]に従い、ここでWは以下:
【0051】
【化51】
から選択され、そしてR27は上記のように定義される。
【0052】
別の例において、本化合物は、(国際公開公報の)段落[0043]に従い、ここでEは−O−、−S(O)0−2−および−NH−から選択され;そしてGは−CH2−である。
【0053】
別の例において、本化合物は、(国際公開公報の)段落[0043]に従い、ここでEは−CH2−または−NH−のどちらかであり;そしてGは−O−、−S−および−NH−から選択される。
【0054】
別の例において、本化合物は、(国際公開公報の)段落[0044]または段落[0045]のどちらかに従い、ここで各々のR3は、独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−OR4、−CO2R4、−C(=O)R4、および必要に応じて置換されたC1−6アルキルから選択される。
【0055】
別の例において、本化合物は、(国際公開公報の)段落[0046]に従い、ここでR30のうち少なくとも1つは、−E−G−C(=O)N(H)−に対してメタ位のトリフルオロメチルラジカルである。
【0056】
別の例において、本化合物は、(国際公開公報の)段落[0022]または段落[0037]のどちらかに従い、表1から選択される:
【0057】
【化52】
【0058】
【化53】
【0059】
【化54】
【0060】
【化55】
【0061】
【化56】
【0062】
【化57】
【0063】
【化58】
【0064】
【化59】
【0065】
【化60】
【0066】
【化61】
【0067】
【化62】
【0068】
【化63】
【0069】
【化64】
【0070】
【化65】
【0071】
【化66】
【0072】
【化67】
【0073】
【化68】
【0074】
【化69】
【0075】
【化70】
【0076】
【化71】
【0077】
【化72】
【0078】
【化73】
【0079】
【化74】
【0080】
【化75】
【0081】
【化76】
【0082】
【化77】
【0083】
【化78】
【0084】
【化79】
【0085】
【化80】
【0086】
【化81】
【0087】
【化82】
【0088】
【化83】
【0089】
【化84】
【0090】
【化85】
【0091】
【化86】
。
【0092】
本発明の別の局面は、(国際公開公報の)段落[0022]〜[0048]のうちいずれか1つに従う化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物である。
【0093】
本発明の別の局面は、(国際公開公報の)段落[0022]〜[0049]のうちいずれか1つに従う化合物または薬学的組成物の代謝産物である。
【0094】
本発明の別の局面は、キナーゼのインビボ活性を調節するための方法であり、この方法は、(国際公開公報の)段落[0022]〜[0048]のうちの任意のものまたは以下より選択される化合物の有効量を被験体に投与する工程を含む:N−ナフタレン−1−イル−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(フェニルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−(2,4,6−トリメチルフェニル)アセトアミド、N−(2−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[3−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2,4−ビス(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジクロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−ブロモフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、メチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、エチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、3−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]安息香酸、N−[3−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−アミノフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、およびN−(4−アセチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド。
【0095】
本発明の別の局面は、(国際公開公報の)段落[0051]に従う方法であり、ここでキナーゼはc−Kitである。
【0096】
本発明の別の局面は、(国際公開公報の)段落[0052]に従う方法であり、ここでc−Kitのインビボ活性を調節する工程はc−Kitの阻害を含む。
【0097】
本発明の別の局面は、制御されない細胞活性、異常な細胞活性および/もしくは所望されない細胞活性に関係する疾患または障害を処置する方法であり、この方法は、処置を必要とする哺乳動物に対して、(国際公開公報の)段落[0022]〜[0049]のうちいずれか1つに記載される治療有効量の化合物もしくは治療有効量の薬学的組成物、または以下から選択される治療有効量の化合物もしくは以下から選択される化合物を含む治療有効量の薬学的組成物を投与する工程を含む:N−ナフタレン−1−イル−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(フェニルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジメチル−フェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−(2,4,6−トリメチルフェニル)アセトアミド、N−(2−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[3−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2,4−ビス(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジクロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−ブロモフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[2−(トリフルオロ−メチル)フェニル]アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、メチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、エチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、3−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]安息香酸、N−[3−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−アミノフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、およびN−(4−アセチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド。
【0098】
本発明の別の局面は、c−Kitの調節因子についてスクリーニングする方法であり、この方法は、(国際公開公報の)段落[0022]〜[0048]のうちのいずれか1つに従う化合物または以下から選択される1つの化合物と、少なくとも1つの候補因子とを組み合わせる工程、ならびにc−Kit活性に対するこの候補因子の効果を決定する工程を、含む:N−ナフタレン−1−イル−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(フェニルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−(2,4,6−トリメチルフェニル)アセトアミド、N−(2−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[3−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2,4−ビス(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジクロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−ブロモフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、メチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、エチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、3−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]安息香酸、N−[3−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−アミノフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、およびN−(4−アセチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド。
【0099】
本発明の別の局面は、細胞における増殖活性を阻害する方法であり、この方法は、(国際公開公報の)段落[0022]〜[0048]のうちのいずれか1つに従う化合物、または以下から選択される化合物を含む、有効量の組成物を、1細胞または複数の細胞に投与する工程を含む:N−ナフタレン−1−イル−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(フェニルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−(2,4,6−トリメチルフェニル)アセトアミド、N−(2−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[3−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2,4−ビス(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジクロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−ブロモフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、メチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、エチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、3−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]安息香酸、N−[3−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−アミノフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、およびN−(4−アセチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド。
【0100】
(定義)
本明細書中で使用される場合、以下の語句は、それら語句が使用される文脈がそれ以外のことを示す範囲またはそれら語句が異なる何かを意味することが明確に定義される範囲を除き、一般的に以下に記載するとおりの意味を有するよう意図される。
【0101】
記号「−」は単結合を意味し、記号「=」は二重結合を意味し、記号「≡」は三重結合を意味する。記号
【0102】
【化87−1】
は、この記号に結合される二重結合の末端のどちらかの位置を占める、二重結合上の基をいう;すなわち、二重結合のうちのジオメトリ(E−またはZ−)は両義にとれる。親の式から離れる基が記される場合、記号
【0103】
【化87−2】
が、その親の構造式からこの基を離すために理論上切断された結合の末端に使用される。
【0104】
基「R」が、例えば式:
【0105】
【化87−3】
におけるように環上に「浮遊して」いるように記される場合、他に定義されないのであれば、置換基「R」は環系の任意の原子に隣接し得、安定な構造が形成される限り、環原子の1つからの、記される水素の置換、暗示される水素の置換、または明確に定義される水素の置換とみなされる。
【0106】
例えば式:
【0107】
【化88】
におけように、基「R」が縮合環系上に浮遊するように記載される場合、他に定義されないのであれば、置換基「R」は融合環系の任意の原子に隣接し得、安定な構造が形成される限り、1つの環原子からの、記される水素(例えば、上記の式におけるNH−)、暗示される水素(例えば、上記の式のように、水素は示されていないが存在することが理解される場合)または明確に定義される水素(例えば、上記の式における場合、「X」は=C(H)−に等しい)の置換とみなされる。記される例において、「R」基は、融合環系の5員環または6員環のどちらかに存在し得る。上記式において、yが例えば2である場合、2つの「R」は環系の任意の2つの原子に存在し得、さらに、各々は環上の記される水素、暗示される水素、または明確に定義される水素を置換するとみなされる。
【0108】
例えば、2つの基(すなわち、「R」および親構造への連結を示す結合)が存在する式:
【0109】
【化89】
におけるように、このような記される「浮遊する」基が1より多く存在する場合;他に定義されないのであれば、これら「浮遊する」基は、環系の任意の原子に存在し得、さらに、各々が環系上に記される水素、環系上に暗示される水素または環系上に明確に記される水素を置換するとみなされる。
【0110】
例えば、式:
【0111】
【化90】
におけるように(この例において、「y」は1より大きくあり得、各々が環上で現在記される水素、現在暗示される水素または現在明確に定義される水素を置換するとみなされる)、基「R」が飽和炭素を含む環系上に存在するように記される場合、他に定義されないのであれば(生じた構造は安定である場合)、2つの「R」は同じ炭素に存在し得る。簡単な例は、Rがメチル基である場合である;記される環の炭素(「環状」炭素)上に双子のジメチルが存在し得る。別の例において、同一の炭素上の2つの「R」は、この炭素を含め、環を形成し得、従って、例えば式:
【0112】
【化91】
におけるように記される環を有するスピロ環式環(「スピロシクリル」基)構造を作り得る。
【0113】
化合物が「包含する」ように記載され、そして図での記載(例えば、式
【0114】
【化92】
)が使用される場合、これは、この化合物が、少なくとも記されるようなこの中心構造式を包含することを意味ことを意味し、ここで、記されない置換基(水素またはその他)が暗示される。この例はビフェニレン二価ラジカルを示し、従って、化合物が記されるような構造式を包含するといわれる場合、図において特定されるジオメトリの置換ビフェニレンラジカルまたは非置換ビフェニレンラジカルを含む任意の化合物は、このような定義に含まれると意味される。大部分の場合において、このような定義は、上記例(例えば特定の置換基または原子を表す文字の可変物を含む)におけるよりずっと狭く定義される。
【0115】
「アルキル」は、包括的に、直鎖状炭化水素構造、分枝状炭化水素水素または環状炭化水素構造、およびそれらの組み合わせを含むと意図される。例えば、「C8アルキル」とは、n−オクチル、iso−オクチル、シクロヘキシルエチルなどをいい得る。低級アルキルとは、1〜6つの炭素原子のアルキル基をいう。低級アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。高級アルキルとは、8個より多くの炭素原子を含むアルキル基をいう。例示的なアルキル基は、C20以下のアルキル基である。シクロアルキルは、アルキルの部分集合であり、そして3〜13個の炭素原子の環状炭化水素基を含む。シクロアルキル基の例としては、c−プロピル、c−ブチル、c−ペンチル、ノルボニル、アダマンチルなどが挙げられる。本出願において、アルキルとは、アルカニル残基、アルケニル残基およびアルキニル残基(ならびにこれらの組み合わせ)をいう;シクロヘキシルメチル、ビニル、アリル、イソプレニルなどを含むことが意図される。従って、特定数の炭素を有するアルキル残基が、命名される場合、この数の炭素を有する全ての幾何異性体が包含されることが意図される;従って、例えば、「ブチル」または「C4アルキル」のどちらかは、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、イソブテニルおよびブト−2−インラジカルを含むことが意図される;そして例えば、「プロピル」または「C3アルキル」は各々、n−プロピル、プロペニル、およびイソプロピルを含む。
【0116】
「アルキレン」とは、炭素原子および水素原子のみからなり、不飽和を含まず、そして1〜10個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の二価ラジカルをいう(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n−ブチレンなど)。アルキレンは、アルキルの部分集合であり、2点の連結を有し、そして具体的には完全飽和を有すること以外はアルキルと同じ残基をいう。アルキレンの例としては、エチレン(−CH2CH2−)、プロピレン(−CH2CH2CH2−)、ジメチルプロピレン(−CH2C(CH3)2CH2−)およびシクロヘキシルプロピレン(−CH2CH2CH(C6H13))が挙げられる。
【0117】
「アルキリデン」とは、炭素原子および水素原子のみからなり、2〜10個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の不飽和の二価ラジカルをいう(例えば、エチリデン、プロピリデン、n−ブチリデンなど)。アルキリデンはアルキルの部分集合であり、2点の連結を有し、そして具体的には、二重結合不飽和を有すること以外はアルキルと同じ残基をいう。この存在する不飽和は、少なくとも1つの二重結合を含む。
【0118】
「アルキリジン」とは、炭素原子および水素原子のみからなり、2〜10個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の不飽和二価ラジカルをいう(例えば、プロピリド−2−イニル、n−ブチリド−1−イニルなど)。アルキリジンは、アルキルの部分集合であり、2点の連結を有し、そして具体的には三重結合不飽和であること以外はアルキルと同じ残基をいう。この存在する不飽和は、少なくとも1つの三重結合を含む。
【0119】
任意の上記ラジカル「アルキレン」、「アルキリデン」および「アルキリジン」は、必要に応じて置換される場合、それ自体が不飽和を含むアルキル置換を含み得る。例えば、2−(2フェニルエチニル−ブト−3−エニル)−ナフタレン(IUPAC名)は、このラジカルの2位でビニル置換基を有するn−ブチリド−3−イニルラジカルを含む。
【0120】
「アルコキシ」または「アルコキシル」とは、−O−アルキル基をいい、例えば、酸素原子を介して親構造に連結された、1〜8個の炭素原子の直鎖構造、分枝構造、環状構造の不飽和鎖およびその組み合わせを含む。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが挙げられる。低級アルコキシとは、1〜6個の炭素を含む基をいう。
【0121】
「置換アルコキシ」とは、−O−(置換されたアルキル)基をいい、アルキル基における置換は一般的に、ただ一つより多くの炭素(アルコキシにより定義されるとおり)を含む。1つの例示的な置換アルコキシ基は、「ポリアルコキシ」または−O−必要に応じて置換されたアルキレン−必要に応じて置換されたアルコキシ、であり、そして−OCH2CH2OCH3のような基、ならびにポリエチレングリコールおよび−O(CH2CH2O)XCH3のようなグリコールエーテルを含み、ここでxは約2〜約20の間の整数であり、別の例においては約2〜約10の間の整数であり、そしてさらなる例において、約2〜約5の間の整数である。別の例示的な置換アルコキシ基は、ヒドロキシアルコキシまたは−OCH2(CH2)yOHであり、ここでyは例えば、約1〜約10の間の整数である。別の例において、yは約1〜約4の間の整数である。
【0122】
「アシル」とは、カルボニル官能基を介して親構造に連結された、直鎖構造、分枝構造、環状構造、飽和性、不飽和性および芳香族性ならびにそのその組み合わせの1〜10個の炭素原子の基をいう。親構造への連結点がカルボニルのままである限り、アシル残基における1以上の炭素は、窒素、酸素または硫黄に置き換えられ得る。例としては、アセチル、ベンゾイル、プロピオニル、イソブチリル、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどが挙げられる。低級アシルとは、1〜6個の炭素を含む基をいう。
【0123】
「α−アミノ酸」とは、天然に存在するアミノ酸および市販のアミノ酸、ならびにそれらの光学異性体をいう。代表的な天然のα−アミノ酸および市販のα−アミノ酸は、グリシン、アラニン、セリン、ホモセリン、トレオニン、バリン、ノルバリン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、オミシン、ヒスチジン、アルギニン、システイン、ホモシステイン、メチオニン、フェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、フェニルグリシン、オルト−チロシン、メタ−チロシン、パラ−チロシン、トリプトファン、グルタミン、アスパラギン、プロリン、およびヒドロキシプロリンである。「α−アミノ酸の側鎖」とは、上記に定義されるα−アミノ酸のα−炭素上に見出されるラジカル(例えば、水素(グリシンについて)、メチル(アラニンについて)、ベンジル(フェニルアラニンについて)など)をいう。
【0124】
「アミノ」とは、−NH2基をいう。「置換されたアミノ」とは、−N(H)R基または−N(R)R基(ここで、各々のRは独立して、以下の基から選択される:必要に応じて置換されたアルキル、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、スルファニル、スルフィニル、およびスルホニル)をいう(例えば、ジエチルアミノ、メチルスルフォニルアミノ、フラニル−オキシ−スルホンアミノ)。
【0125】
「アリール」とは、芳香族の6〜14員炭素環式環(例えば、ベンゼン、ナフタレン、インダン、テトラリン、フルオレンなど)の多価ラジカルをいう。多価ラジカルとして、前述の環の例(フェニル、ナフチル、インダニル、テトラリニルおよびフルオレニル)が挙げられる。
【0126】
「アリーレン」とは、包括的に、少なくとも2つの基が連結された任意のアリールをいう。より具体的な例として、「フェニレン」とは、二価フェニル環ラジカルをいう。従って、フェニレンは2より多くの基が連結され得るが、これに連結される最小で2つの基によって定義される。
【0127】
「アリールアルキル」とは、アリール部分がアルキレンラジカル、アルキリデンラジカルまたはアルキリジンラジカルのうちの1つを介して親構造に連結される残基をいう。例としては、ベンジル、フェネチル、フェニルビニル、フェニルアリルなどが挙げられる。アリールアルキル基のうちアリール部分、および対応するアルキレンラジカル部分、アルキリデンラジカル部分またはアルキリジンラジカル部分の両方は、必要に応じて置換され得る。「低級アリールアルキル」とは、この基の「アルキル」部分が1〜6個の炭素を有するアリールアルキルをいう;これはまた、C1−6アリールアルキルともいわれ得る。
【0128】
「エクソ−アルケニル」とは、環炭素から突出し、そしてその環系内には存在しない二重結合をいい、例えば以下の式に記される二重結合である。
【0129】
【化93】
。
【0130】
いくつかの例において、当業者に理解されるように、芳香族環系上の2つの隣接基は、一緒に縮合されて環構造を形成し得る。この縮合環構造は、ヘテロ原子を含み得、そして必要に応じて1つ以上の基と置換され得る。このような縮合基のうちの飽和炭素(すなわち、飽和した環構造)は2つの置換基を含み得ることが、さらに留意されるべきである。
【0131】
「縮合多環式」または「縮合環系」とは、架橋環または縮合環を含む多環式の環系をいう;すなわち、ここで2つの環はその環構造において1より多くの共有原子を有する。本出願において、縮合多環式および縮合環系は、必ずしもすべてが芳香族環系であるわけではない。代表的に、縮合多環式はビシナルな組合せの原子を共有するが、必ずしもそうとは限らない(例えば、ナフタレンまたは1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン)。スピロ環系は、この定義による縮合多環式ではないが、本発明の縮合多環式の環系は、それら自体が、この縮合多環式のうちの1つの環原子を介して連結されたスピロ環を有し得る。
【0132】
「ハロゲン」または「ハロ」とは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう。「ハロアルキル」および「ハロアリール」とは、包括的に、1以上のハロゲンで置換された、アルキルラジカルまたはアリールラジカルを、それぞれいう。従って、「ジハロアリール」、「ジハロアルキル」、「トリハロアリール」などは、複数のハロゲンで置換されたアリールおよびアルキルをいうが、必ずしも複数の同じハロゲンで置換されるわけではない;従って、4−クロロ−3−フルオロフェニルは、ジハロアルキルの範囲内である。
【0133】
「ヘテロ原子」とは、O、S、NまたはPをいう。
【0134】
「ヘテロアリーレン」とは、包括的に、少なくとも2つの基が連結された任意のヘテロアリールをいう。より具体的な例として、「ピリジレン」とは、二価ピリジル環ラジカルをいう。ピリジレンは、このように、2より多くの基が連結され得るが、連結される最小で2つの基によって定義される。
【0135】
「ヘテロシクリル」とは、炭素原子と、窒素、リン、酸素および硫黄からなる群より選択される1〜5個のヘテロ原子とからなる、安定な3〜14員環ラジカルをいう。本発明の目的のため、ヘテロシクリルラジカルは、単環式、二環式または三環式の環系であり得、これらは縮合環系および架橋環系、ならびにスピロ環系を含み得る;そしてヘテロシクリルラジカルにおける窒素原子、リン原子、炭素原子または硫黄原子は、必要に応じて、種々の酸化状態へと酸化され得る。特定の例において、基−S(O)0−2−とは、−S−(スルフィド)、−S(O)−(スルホキシド)、および−SO2−(スルホン)をいう。便宜上、窒素(特に環の芳香族窒素として定義される窒素であるが、これに限らない)は、これの対応するN−酸化物形態を含むことが意図されるが、特定の例において、このように明確には定義されない。従って、例えばピリジル環を有する本発明の化合物について;対応するピリジル−N−酸化物は、本発明の別の化合物として含まれることが意図される。さらに、環窒素原子は、必要に応じて四級化され得る;そして環ラジカルは、部分的または完全に飽和または芳香族であり得る。ヘテロシクリルラジカルの例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アゼチジニル、アクリジニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、カルバゾイル、シンノリニル、ジオキロラニル、インドリジニル、ナフチリジニル、パーヒドロアゼピニル、フェナジニル、フェノシアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラゾイル、テトラヒドロイソキノリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、ピロリル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ジヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、トリアゾリル、インダニル、イソキサゾリル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリル、チアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、キヌクリジニル、イソチアゾリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、キノリル、イソキノリル、デカヒドロイソキノリル、ベンズイミダゾリル、チアジアゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、フリル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、チエニル、ベンゾチエリイル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、ジオキサホスホラニル、およびオキサジアゾリル。
【0136】
「ヘテロ脂環式」とは、特に、非芳香族ヘテロシクリルラジカルをいう。ヘテロ脂環式は、不飽和を含み得るが、芳香族ではない。
【0137】
「ヘテロアリール」とは、特に、芳香族ヘテロシクリルラジカルをいう。
【0138】
「ヘテロシクリルアルキル」とは、ヘテロシクリルが、アルキレンラジカル、アルキリデンラジカルまたはアルキリジンラジカルのうちの1つを介して親構造に連結される残基をいう。例としては、(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル、(モルホリン−4−イル)メチル、(ピリジン−4−イル)メチル、2−(オキサゾリン−2−イル)エチル、4−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−ブテニルなどが挙げられる。ヘテロシクリルアルキル基のうちのヘテロシクリル部分と、対応するアルキレンラジカル部分、アルキリデンラジカル部分またはアルキリジンラジカル部分との両方は、必要に応じて置換され得る。「低級ヘテロシクリルアルキル」とは、この基の「アルキル」部分が1〜6個の炭素を有するヘテロシクリルアルキルをいう。「ヘテロ脂環式アルキル」とは、特に、その基のヘテロシクリル部分が非芳香族であるヘテロシクリルアルキルをいう;そして「ヘテロアリールアルキル」とは、特に、その基のヘテロシクリル部分が芳香族であるヘテロシクリルアルキルをいう。
【0139】
「必要に応じた」または「必要に応じて」は、その後に記述された事象または状況が起っても起らなくてもよいこと、そしてこの記述がその事象または状況が起る場合およびその事象または状況が起らない場合を含むことを、意味する。1以上の必要に応じた置換基を含むと記述された任意の分子に関して、立体的に実現可能な化合物および/または合成上実施可能な化合物が含まれることが意図されることを、当業者は理解する。「必要に応じて置換された」とは、ある用語におけるすべてのその後の修飾物をいい、例えば、用語「必要に応じて置換されたアリールC1−8アルキル」において、必要に応じた置換が、分子の「C1−8アルキル」部分と「アリール」部分との両方に起こり得る;そして例えば、必要に応じて置換されたアルキルは、必要に応じて置換されたシクロアルキル基を含み、これは次いで、潜在的に無限に、必要に応じて置換されたアルキル基を含むと定義される。例示的な必要に応じた置換の一覧は、下記の「置換された」の定義において列挙される。
【0140】
「飽和した架橋環系」とは、芳香族でない、二環式環系または多環式環系をいう。このような環系は、孤立した不飽和または共役不飽和を含み得るが、その中心構造において芳香族環もヘテロ芳香族環も含まなくてもよい(しかしそこに芳香族置換を有し得る)。例えば、ヘキサヒドロ−フロ[3,2−b]フラン、2,3,3a,4,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−インデン、7−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、および1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−ナフタレンは、全て、クラス「飽和した架橋環系」に含まれる。
【0141】
「スピロシクリル」または「スピロシクリル環」とは、別の環の特定の環状炭素から発する環をいう。例えば、以下に記されるように、飽和した架橋環系(環Bおよび環B’)の環原子は、これに連結される飽和した架橋環系とスピロシクリル(環A)との間の共有原子であり得が、架橋ヘッド(bridgehead)の原子はそうであり得ない。スピロシクリルは、炭素環式またはヘテロ脂環式であり得る。
【0142】
【化94】
。
【0143】
「置換された」アルキル、アリールおよびヘテロシクリルとは、それぞれ、1個以上(例えば、約5個まで、別の例において約3個まで)の水素原子が以下から独立して選択される置換基に置き換えられたアルキル、アリールおよびヘテロシクリルをいう:必要に応じて置換されたアルキル(例えば、フルオロメチル)、必要に応じて置換されたアリール(例えば、4−ヒドロキシフェニル)、必要に応じて置換されたアリールアルキル(例えば、1−フェニル−エチル)、必要に応じて置換されたヘテロシクリルアルキル(例えば、1−ピリジン−3−イル−エチル)、必要に応じて置換されたヘテロシクリル(例えば、5−クロロ−ピリジン−3−イルまたは1−メチル−ピリジン−4−イル)、必要に応じて置換されたアルコキシ、アルキレンジオキシ(例えば、メチレンジオキシ)、必要に応じて置換されたアミノ(例えば、アルキルアミノおよびジアルキルアミノ)、必要に応じて置換されたアミジノ、必要に応じて置換されたアリールオキシ(例えば、フェノキシ)、必要に応じて置換されたアリールアルキルオキシ(例えば、ベンジルオキシ)、カルボキシ(−CO2H)、カルボアルコキシ(すなわち、アシルオキシまたは−OC(=O)R)、カルボキシアルキル(すなわち、エステルまたは−CO2R)、カルボキサミド、ベンジルオキシカルボニルアミノ(CBZ−アミノ)、シアノ、アシル、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、チオール、ハロゲン、ヒドロキシ、オクソ、カルバミル、アシルアミノ、およびスルホンアミド。
【0144】
「スルファニル」とは、以下の基をいう:−S−(必要に応じて置換されたアルキル)、−S−(必要に応じて置換されたアリール)、および−S−(必要に応じて置換されたヘテロシクリル)。
【0145】
「スルフィニル」とは、以下の基をいう:−S(O)−H、−S(O)−(必要に応じて置換されたアルキル)、−S(O)−必要に応じて置換されたアリール)、および−S(O)−(必要に応じて置換されたヘテロシクリル)。
【0146】
「スルホニル」とは、以下の基をいう:−S(O2)−H、−S(O2)−(必要に応じて置換されたアルキル)、−S(O2)−必要に応じて置換されたアリール)、−S(O2)−(必要に応じて置換されたヘテロシクリル)、−S(O2)−(必要に応じて置換されたアルコキシ)、−S(O2)−(必要に応じて置換されたアリールオキシ)、および−S(O2)−(必要に応じて置換されたヘテロシクリルオキシ)。
【0147】
本明細書中に記載される各々の反応についての「収率」は、理論収量の百分率として表される。
【0148】
本発明のいくつかの化合物は、芳香族ヘテロシクリル系のイミノ置換基、アミノ置換基、オキソ置換基またはヒドロキシ置換基を有し得る。本開示の目的のため、このようなイミノ置換基、アミノ置換基、オキソ置換基またはヒドロキシ置換基は、対応する互変異体形態(すなわち、それぞれアミノ、イミノ、ヒドロキシまたはオキソ)で存在し得る。
【0149】
本発明の化合物は、International Union of Pure and Applied Chemistry(IUPAC)、International Union of Biochemistry and Molecular Biology(IUBMB)、およびChemical Abstracts Service(CAS)により合意された命名規則の体系的適用に従って命名される。
【0150】
本発明の化合物、またはこれらの薬学的に受容可能な塩は、その構造中に不斉炭素原子、酸化硫黄原子、または四級化窒素原子を有し得る。
【0151】
本発明の化合物およびこれらの薬学的に受容可能な塩は、単独の構造異性体、ラセミ体として、そしてエナンチオマーの混合物およびジアステレオマーの混合物として、存在し得る。本化合物はまた、幾何異性体として存在し得る。このような単独の構造異性体、ラセミ体およびこれらの混合物、ならびに幾何異性体は、本発明の範囲内であることが意図される。
【0152】
化合物を構築する目的のための本発明の化合物の包括的な記載を考える場合、このような構築により安定な構造の創製されるとみなされる。すなわち、当業者は、通常は安定な化合物として(すなわち、立体的に実現可能および/または合成上実現可能、前述)は考えられないいくつかの構築物が理論上存在し得ることが、理解される。
【0153】
結合構造を有する特定の基が、2個のパートナーに結合されるように記載される場合(すなわち二価ラジカル、例えば−OCH2−)、他に明確に述べられない場合、2個の潜在的パートナーのうちのどちらかは一方の末端でこの二価ラジカルに結合され得、そしてもう一方のパートナーは必然的にその二価ラジカルのもう一方の末端に結合されることが、理解される。別の方法で述べられると、二価ラジカルは、記された向きに限定されるよう解釈されるべきでない(例えば、「−OCH2−」は、描かれるような「−OCH2−」のみでなく、「−CH2O−」をも意味することが意図される)。
【0154】
立体異性体のラセミ混合物または非ラセミ混合物からの単独の立体異性体の調製および/または分離ならびに単離のための方法は、当該分野で周知である。例えば光学活性な(R)−異性体および(S)−異性体は、キラルシントンもしくはキラル試薬を使用して調製され得るか、または従来技術を使用して分割され得る。エナンチオマー(R−異性体およびS−異性体)は、当業者に公知の方法によって(例えば、以下によって)、分割され得る:ジアステレオ異性体塩または分離され得る錯体の形成(例えば、結晶化によって);分離され得るジアステレオ異性体誘導体の形成を介して(例えば、結晶化、エナンチオマー特異的試薬との1つのエナンチオマーの選択的反応(例えば、酵素的酸化または還元)、続いて修飾エナンチオマーおよび非修飾エナンチオマーの分離によって);またはキラル環境におけるガス−液体クロマトグラフィーもしくは液体クロマトグラフィー(例えば、キラル支持体上(例えば、キラルリガンドが結合したシリカまたはキラル溶媒の存在下でのシリカ))。所望のエナンチオマーが上記の分離手順のうちの1つにより別のキラル実体へと転換される場合、さらなる工程が所望のエナンチオマー形態を遊離させるために必要とされ得ることが、理解される。あるいは、特定のエナンチオマーは、光学活性な試薬、基質、触媒もしくは溶媒を用いた不斉合成によるか、または不斉変換によるエナンチオマーの他のものへの転換によって、合成され得る。エナンチオマーの混合物について、特定のエナンチオマーが富化されると、主要成分のエナンチオマーは、再結晶によって(同時に収量の損失を伴って)さらに富化され得る。
【0155】
本発明の目的のための「患者」としては、ヒトおよび他の動物(特に哺乳動物)、ならびに他の生物体が挙げられる。従って、本方法は、ヒトの治療および獣医学的適用の両方に適用可能である。好ましい実施形態において、患者は哺乳動物であり、そして最も好ましい実施形態において、患者はヒトである。
【0156】
「キナーゼ依存性の疾患または状態」とは、1種以上のプロテインキナーゼの活性に依存する病理学的状態をいう。キナーゼは、直接的または間接的のいずれかで、増殖、接着、遊走、分化および侵襲を含む種々の細胞活性のシグナル伝達経路に関与する。キナーゼ活性と関係した疾患としては、腫瘍増殖、病理学的新脈管新生、(これは固形腫瘍の増殖を支持する)、および過度の局在性脈管新生が関与する他の疾患(例えば、眼性疾患(糖尿病性網膜症、加齢性黄斑変性など)および炎症(乾癬、慢性関節リューマチなど)が挙げられる。
【0157】
理論と結び付けられることを所望しないが、ホスファターゼもまたキナーゼの同族体のものとして、「キナーゼ依存性疾患または状態」において役割を果たし得る:すなわち、キナーゼホスホリラーゼおよびキナーゼホスファターゼは、例えばタンパク質基質を脱リン酸化する。従って、本発明の化合物は、本明細書中に記載されるようにキナーゼ活性を調節しながら、直接的または間接的のいずれかで、ホスファターゼ活性も調節し得る。この追加的な調節は、存在する場合、関係するキナーゼもしくはキナーゼファミリー、または他の相互に依存するキナーゼもしくはキナーゼファミリーに対する本発明の化合物の活性と相乗作用性であってもよい(または相乗作用性でなくてもよい)。先に述べたように、任意の場合において、本発明の化合物は、異常なレベルの細胞増殖(すなわち、腫瘍増殖)、プログラム細胞死(アポトーシス)、細胞遊走および細胞侵襲、ならびに腫瘍増殖と関係した新脈管形成により部分的に特徴付けられる疾患を処置するのに、有用である。
【0158】
「治療有効量」は、本発明の化合物の量であって、患者に投与される場合に疾患の症状を改善する量である。「治療有効量」を構成する本発明の化合物量は、その化合物、疾患状態および疾患の重篤度、処置される患者の年齢などに依存して、変動する。治療有効量は、当業者によって、その者自身の知識およびこの開示を考慮して、慣用的に決定され得る。
【0159】
「癌」とは、細胞増殖性の疾患状態をいい、これには以下が挙げられるが、これらに限定されない:心臓性:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫、および奇形腫;肺:気管支原生癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨腫様過誤腫(hanlartoma)、中皮腫(inesothelioma);胃腸:食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(腺管癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、類癌腫、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、類癌腫、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);尿生殖器管:腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍[腎芽細胞腫(neplrroblastoma)]、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(セミノーマ、奇形腫、胎生期癌、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓:ヘパトーム(肝細胞癌)、胆管癌、胚芽細胞腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;骨:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫、骨軟骨腫(osteochronfroma)(骨軟骨外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫、および巨細胞腫;神経系:頭蓋(骨腫、血管腫、肉芽腫、キサントーマ、変形性骨炎(osteitis defornians))、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫(meningiosarcoma)、神経膠腫症)、脳(神経膠星状細胞腫、髄芽細胞腫、グリオーム、脳室上衣細胞腫、胚細胞腫[松果体腫]、神経膠芽細胞腫多形(gliobrastorna multiform)、乏突起神経膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科学:子宮(子宮内膜癌)、子宮頸部(子宮頸癌、腫瘍前子宮頸形成異常)、卵巣(卵巣癌[漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類の癌]、顆粒膜−卵胞膜細胞腫、セルトーリライディヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮癌、表皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、腟(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、ファローピウス管(癌);血液学的:血液(骨髄性白血病[急性および慢性]、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、脊髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫];皮膚:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、異形成性母斑(moles dysplastic nevi)、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬;ならびに副腎島:神経芽細胞腫。従って、本明細書中で提供される用語「癌性細胞」は、上記で定められた状態のうちの任意のものによって苦しめられる細胞を含む。
【0160】
「薬学的に受容可能な酸付加塩」とは、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など)および有機酸(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸など)を用いて形成される塩であって、遊離塩基の生物学的有効性を維持し、そして生物学的にもそれ以外にも所望されないことがない塩、いう。
【0161】
「薬学的に受容可能な塩基付加塩」としては、無機塩基から誘導されるものが挙げられる(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩、アルミニウム塩など)。例示的な塩は、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩である。薬学的に受容可能な有機性無毒性塩基から誘導される塩としては、以下のものの塩が挙げられるが、これらに限定されない:一級アミン、二級アミンおよび三級アミン、天然に存在する置換アミンを含め、置換アミン、環状アミン、ならびに塩基性イオン交換樹脂(例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジン、ポリアミン樹脂など)。例示的な有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、およびカフェインである。(例えば、S.M.Bergeら、「Pharmaceutical Salts」,J.Pharm.Sci.,1977;66:1−19(これは本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。
【0162】
「プロドラッグ」とは、インビボで(代表的には迅速に)転換されて、(例えば、血中の加水分解によって)上記の式の親化合物を生じる化合物をいう。現在の例としては、カルボン酸部分を備える活性形態を有する化合物の、エステル形態およびアミド形態が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の化合物の薬学的に受容可能なエステルの例としては、アルキル基が直鎖または分枝鎖であるアルキルエステル(例えば、約1〜約6個の間の炭素を有する)が挙げられるが、これに限定されない。受容可能なエステルとしてはまた、(例えばベンジルだが、これに限定されない)シクロアルキルエステルおよびアリールアルキルエステルが挙げられる。本発明の化合物の薬学的に受容可能なアミドの例としては、一級アミド、ならびに二級アルキルアミドおよび三級アルキルアミド(例えば、約1〜約6個の間の炭素を有する)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の化合物のアミドおよびエステルは、従来方法に従って調製され得る。プロドラッグの全体的な考察は、T.HiguchiおよびV.Stella、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」、the A.C.S.Symposium Seriesの第14巻、ならびにBioreversible Carriers in Drug Design、編者Edward B. Roche、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987(これら両者は全ての目的のため本明細書中で参考として援用される)に提供される。
【0163】
「代謝産物」とは、動物体内またはヒト体内で代謝または生体内変換(例えば、酸化、還元もしくは加水分解による、より極性の分子への生体内変換、または結合体への生体内変換)(生体内変換の考察について、GoodmanおよびGilman、「The Pharmacological Basis of Therapeutics」第8追補版 Pergamon Press、Gilmanら(編)、1990を参照のこと)によって生じる、化合物またはその塩の崩壊生成物または最終生成物をいう。本明細書中で使用される場合、本発明の化合物またはその塩の代謝産物は、体内において化合物の生物学的に活性な形態であり得る。1例において、プロドラッグは、インビボで生物学的に活性な形態(代謝産物)が放出されるように使用され得る。別の例において、生物学的に活性な代謝産物は偶発的に発見される、すなわち、プロドラッグの設計自体が行われなかった。本発明の化合物の代謝産物の活性についてのアッセイは、本開示を考慮した当業者に公知である。
【0164】
さらに、本発明の化合物は、非溶媒和形態で、ならびに水、エタノールなどのような薬学的に受容可能な溶媒を用いた溶媒和形態で、存在し得る。一般に、本発明の目的に対して溶媒和形態は非溶媒和形態と等価であるとみなされる。
【0165】
さらに、本発明は、標準的有機合成技術(コンビナトリアル化学を含む)を使用するか、または生物学的方法(例えば、細菌の消化、代謝、酵素的変換など)によるかのいずれかで作製された化合物を含むことが意図される。
【0166】
本明細書中で使用される場合、「処置すること」または「処置」は、ヒトの疾患状態の処置を含み、この疾患状態は、異常な細胞増殖および侵襲によって特徴付けられ、そして以下のうち少なくとも1つを含む:(i)ヒトにおいて疾患状態が発生するのを予防すること、特に、そのようなヒトがその疾患状態に罹りやすいが未だ罹っているとは診断されていない場合;(ii)疾患状態を阻害すること、すなわち、その疾患状態の進行を留めること;および(iii)疾患状態を軽減すること、すなわち、その疾患状態の緩解を生じること。当該分野で公知のように、組織的送達 対 局所的送達、年齢、体重、全般的健康、性別、食事、投与時間、薬物相互作用および状態の重篤度に対する調節は、必要であり得、そして当業者による慣用的実験を用いて確認可能である。
【0167】
特定の結晶化されたタンパク質−リガンド複合体(具体的には、c−Kit−リガンド複合体)およびそれらの対応するx線構造座標を使用して、本明細書中に記載されるようなキナーゼの生物学的活性を理解するのに有用な新規の構造情報を明らかにし得ることを、当業者は理解する。同様に、前述のタンパク質の重要な構造的特徴、特にリガンド結合部位の形状は、キナーゼの選択的調節因子の設計または同定のための方法に、そして同様な特徴を有する他のタンパク質の構造を解決するのに、有用である。このようなタンパク質−リガンド複合体(リガンド成分として本発明の化合物を有する)は、本発明の1つの局面である。
【0168】
同様に、このような適切なx線品質の結晶が、キナーゼの結合可能な候補薬剤を同定する方法、およびキナーゼの活性を調節する方法の一部として使用され得ることを、当業者は理解する。このような方法は、以下の局面によって特徴付けられる:a)適切なコンピュータープログラムに、立体構造においてキナーゼのリガンド結合ドメインを規定する情報(例えば、上記の適切なx線品質の結晶から得られるx線構造座標によって定義されるもの)を導入すること(ここでこのコンピュータープログラムはリガンド結合ドメインの三次元構造モデルを作出する)、b)コンピュータープログラムに候補薬剤の三次元構造モデルを導入すること、c)リガンド結合ドメインモデルに対して候補薬剤モデルを重ね合わせること、およびd)この候補薬剤モデルがリガンド結合ドメインに空間的に適合するかどうかを評価すること。局面a−dは、必ずしも前述の順番で実行されるわけではない。このような方法はさらに、以下を必要とし得る:三次元構造モデルを用いて合理的な薬物設計を実施すること、およびコンピューターモデリングと併せて潜在的な候補薬剤を選択すること。
【0169】
さらに、当業者は、このような方法がさらに以下を必要とし得ることを理解する:キナーゼ調節のための生物学的活性のアッセイにおいて候補薬剤(リガンド結合ドメインに空間的に適合することがこのように決定されている)を使用すること、そしてこの候補薬剤がアッセイにおいてキナーゼ活性を調節するかどうかを決定すること。このような方法はまた、例えば上記のようにキナーゼ調節により処置可能な状態を患う哺乳動物に候補薬剤(キナーゼ活性を調節することが決定されている)を投与することを、含み得る。
【0170】
また、試験薬剤がキナーゼのリガンド結合ドメインを含む分子または分子複合体に会合する能力を評価する方法において本発明の化合物が使用され得ることを、当業者は理解する。このような方法は、以下の局面によって特徴付けられる:a)キナーゼの適切なx線品質の結晶から得られる構造座標を使用してキナーゼ結合ポケットのコンピューターモデルを作出すること、b)コンピューターのアルゴリズムを使用して、試験薬剤と結合ポケットのコンピューターモデルとの間の適合操作を実施すること、およびc)試験薬剤と結合ポケットのコンピューターモデルとの間の会合を定量化するため、適合操作の結果を分析すること。
【0171】
(一般的投与)
本発明の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩の、純粋な状態でかまたは適切な薬学的組成物での投与は、任意の受容される投与形式または類似の有用性を提供するための薬剤を介して実行され得る。従って、投与は、固体形態、半固体形態、凍結乾燥粉末形態、または液体投薬形態(例えば、錠剤、坐剤、丸剤、軟弾性カプセルおよび硬ゼラチンカプセル、散剤、溶剤、懸濁剤、またはエアゾールなど)で、好ましくは、正確な投薬の1回の投与に適切な単位投薬形態で、例えば経口、鼻腔内、非経口(静脈内、筋肉内、または皮下)、局所的、経皮的、膣内、膀胱内、槽内、または直腸的であり得る。
【0172】
組成物は、従来の薬学的キャリアまたは賦形剤、および活性薬剤として本発明の化合物を含み、そしてさらに、他の医療的薬剤、薬学的薬剤、キャリア、佐剤などを含み得る。本発明の組成物は、癌について処置される患者に一般に投与される、抗癌剤または他の薬剤と組み合わせて使用され得る。佐剤としては、保存剤、湿潤剤、懸濁化剤、甘味剤、矯味矯臭剤、芳香剤、乳化剤、および調剤用薬剤が挙げられる。微生物の作用の保護は、種々の抗細菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸など)によって確実にされ得る。等張剤(例えば、糖、塩化ナトリウムなど)を含むこともまた、望ましくあり得る。注射可能な薬学的形態の持続性吸収は、吸収を遅延する薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)の使用によってもたらされ得る。
【0173】
所望される場合、本発明の薬学的組成物はまた、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、抗酸化剤などのような少量の補助物質(例えば、クエン酸、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、ブチル化ヒドロキシトルエンなど)を含み得る。
【0174】
非経口の注入に適切な組成物は、生理学的に受容可能な滅菌の水性または非水性の溶液、分散物、懸濁物またはエマルジョン、および滅菌した注入可能な溶液または分散物への再構築のための滅菌粉末を、含み得る。適切な水性および非水性のキャリア、希釈物、溶媒、またはビヒクルの例としては、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールなど)、これらの適切な混合物、植物油(例えばオリーブオイル)、および注入可能な有機エステル(例えば、エチルオレエート)が挙げられる。適切な流動性は、例えば、レチシンのようなコーティングの使用によって、分散物の場合は必要とされる粒子サイズの維持によって、そして界面活性剤の使用によって、維持され得る。
【0175】
1つの好ましい投与経路は経口であり、処置されるべき疾患状態の重篤度に従って調節され得る、便利な毎日の投薬レジメンを使用する。
【0176】
経口投与のための固体投薬形態としては、カプセル、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が挙げられる。このような固体投薬形態において、活性化合物は、以下のような少なくとも1つの不活性な通常の賦形剤(またはキャリア)と混合される:クエン酸ナトリウムもしくはジカルシウムホスフェート、または(a)充填剤もしくは増量剤、(例えば、デンプン、ラクトース、ショ糖、グルコース、マンニトール、およびケイ酸)、(b)結合剤(例えば、セルロース誘導体、デンプン、アルギネート(alignate)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖、およびアカシアゴム)、(c)湿潤剤(humectant)(例えば、グリセロール)、(d)崩壊剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、クロスカルメロース ナトリウム、ケイ酸複合体、および炭酸ナトリウム)、(e)溶解遅延剤(例えば、パラフィン)、(f)吸収促進剤(例えば、四級アンモニウム化合物、(g)ぬれ剤(wetting agent)(例えば、セチルアルコール、およびグリセロールモノステアレート、ステアリン酸マグネシウムなど)、(h)吸着剤(例えば、カオリンおよびベントナイト)、ならびに(i)滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、またはこれらの混合物)。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、投薬形態はまた、緩衝剤を含み得る。
【0177】
上記のような固体投薬形態は、コーティングおよび外皮を用いて調製され得る(例えば、腸溶性コーティングまたは当該分野で周知の他のもの)。これらは、鎮静剤(pacifying agent)を含み得、そしてまた遅延様式で腸管の特定の部分において活性化合物を放出するような組成物であり得る。使用され得る包埋組成物の例は、ポリマー性物質およびロウである。活性な化合物はまた、適切である場合、1つ以上の前述の賦形剤を有する、ミクロカプセル化された形態であり得る。
【0178】
経口投与のための液体投薬形態としては、薬学的に受容可能なエマルジョン、溶剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられる。このような投薬形態は、例えば、本発明の化合物またはこれらの薬学的に受容可能な塩、ならびにキャリア(例えば、水、生理食塩水、デキストロース水溶液、グリセロール、エタノールなど);可溶化剤および乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカルボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド);油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ胚種油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタン脂肪酸エステル);またはこれらの物質の混合物などの中の必要に応じた薬学的佐剤を溶解すること、分散させることなどにより調製されて、これにより溶液または懸濁物を形成する。
【0179】
懸濁物は、活性化合物に加えて、懸濁化剤(例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、ならびにトラガカント、またはこれら物質の混合物など)を含み得る。
【0180】
直腸投与のための組成物は、常温では固体であるが、体温度で液体であり、従って、適切な体腔にある間に溶解し、そして中にある活性成分を放出する適切な非刺激性の賦形剤またはキャリア(例えば、ココアバター、ポリエチレングリコールまたは坐剤ロウ)と本発明の化合物を混合することによって調製され得る坐剤である。
【0181】
本発明の化合物の局所的投与のための投薬形態としては、軟膏、粉剤、噴霧剤、および吸入剤が挙げられる。活性成分は、必要とされ得るとおりに、生理学的に受容可能なキャリアおよび任意の保存剤、緩衝剤、またはプロペラントと無菌条件下で混合される。眼の処方物、眼軟膏、粉剤、および液剤はまた、本発明の範囲内にあることが企図される。
【0182】
一般的に、意図される投与形態に依存して、薬学的に受容可能な組成物は、約1重量%〜約99重量%の本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、および99重量%〜1重量%の適切な薬学的賦形剤を有する。1例において、組成物は、約5重量%〜約75重量%の間の本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩であり、残りは適切な薬学的賦形剤である。
【0183】
このような投薬形態を調製するための実際の方法は、当業者に公知であるかまたは明らかである;例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第18版,(Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1990)を参照のこと。投与されるべき組成物は、いずれにせよ、本発明の教示に従って、疾患状態の処置のため、治療有効量の本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を含む。
【0184】
本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩は、治療有効量で投与され、この量は、種々の要因(使用される特定の化合物の活性、代謝安定性および化合物の作用の長さ、年齢、体重、全般的健康、性別、食事、投与の形態および時間、排出速度、薬物の組合せ、特定の疾患状態の重篤度、ならびに治療を受けている宿主を含む)に依存して変動する。本発明の化合物は、1日あたり約0.1〜約1,000mgの範囲の投薬量レベルで患者に投与され得る。1例は、体重約70kgを有する正常なヒト成人について、1日あたり体重1kgあたり約0.01〜約100mgの範囲での投薬量である。しかし、使用される特定の投薬量は、変動し得る。例えば、投薬量は、多くの要因(患者の要求、処置されている状態の重篤度、および使用されている化合物の薬理学的活性)に依存し得る。特定の患者に対する最適な投薬量の決定は、当業者に周知である。
【0185】
(スクリーニング因子としての本発明の化合物の有用性)
例えばc−Kitレセプターキナーゼに結合する候補因子についてのスクリーニングの方法において本発明の化合物を使用するため、タンパク質は支持体に結合され、そして本発明の化合物がアッセイに添加される。あるいは、本発明の化合物が支持体に結合され、そしてタンパク質が添加される。新規の結合性因子が求められ得るものの中での候補因子の分類は、特定の抗体、化学ライブラリーのスクリーニングにおいて同定された非天然の結合因子、ペプチドアナログなどを含むことが求められ得る。ヒト細胞に低毒性を有する候補因子についてのスクリーニングアッセイは、特に有益である。広範なアッセイがこの目的に使用され得、このようなアッセイとしては、インビトロでの標識されたタンパク質−タンパク質結合アッセイ、電気泳動移動度シフトアッセイ、タンパク質結合についての免疫アッセイ、機能アッセイ(リン酸化アッセイなど)などが挙げられる。
【0186】
例えば、c−Kitタンパク質への候補因子の結合の決定は、多くの方法でなされ得る。1例において、候補因子(本発明の化合物)は、例えば、蛍光性部分または放射性部分を用いて標識され、そして結合が直接的に決定される。例えば、このことは、固体支持体にc−Kitタンパク質の全てまたは一部を連結すること、標識された因子(例えば、少なくとも1つの原子が検出可能な同位体により置き換えられている本発明の化合物)を添加すること、過剰な試薬を洗い落とすこと、そして標識の量が固体支持体上に存在する量であるかどうかを決定することによって、なされ得る。種々のブロッキング工程および洗浄工程は、当該分野で公知のように利用され得る。
【0187】
本明細書中で「標識される」によって、化合物が、検出可能なシグナルを提供する標識(例えば、放射性同位体、蛍光性タグ、酵素、抗体、磁性粒子のような粒子、化学発光タグ、または特異的結合分子など)によって、直接的または間接的のいずれかで標識されることが意図される。特異的結合分子としては、ビオチンおよびストレプトアビジン、ジゴキシンおよび抗ジゴキシンなどのような対が挙げられる。特異的結合性メンバーについて、その相補的メンバーは通常、上記に概説したように、公知の手順に従って、検出を提供する分子によって標識される。標識は、直接的または間接的に検出可能なシグナルを提供し得る。
【0188】
いくつかの実施形態において、成分のうちの1つのみが標識される。例えば、c−Kitタンパク質は、125Iを使用してかまたは発蛍光団を用いて、チロシン位置で標識され得る。あるいは、1より多くの成分が異なる標識で(例えば、タンパク質に対して125Iを、そして候補因子について発蛍光団を使用して)標識され得る。
【0189】
本発明の化合物はまた、さらなる薬物候補についてスクリーニングするための競合物として使用され得る。本明細書中で使用される場合、「候補の生物活性因子」もしくは「薬物候補」、または文法的等価物は、生物活性について試験されるべき任意の分子(例えば、タンパク質、オリゴペプチド、有機低分子、ポリサッカリド、ポリヌクレオチドなど)を記載する。これらは、細胞増殖の表現型または細胞増殖の配列(核酸配列およびタンパク質配列の両方を含む)の発現を、直接的または間接的に変更可能であり得る。他の場合において、細胞増殖のタンパク質結合および/またはタンパク質活性の変更が、スクリーニングされる。タンパク質結合またはタンパク質活性がスクリーニングされる場合、いくつかの実施形態は、その特定のタンパク質に結合することが既知の分子を取り除く。本明細書中に記載されるアッセイの例示的な実施形態は、「外因性」因子として本明細書中で称される「候補因子」(これは内因性のネイティブな状態では標的タンパク質に結合しない)を含む。1つの例において、外因性因子はc−Kitから抗体をさらに取り除く。
【0190】
候補因子は、代表的には約100ダルトンより大きく約2,500ダルトン未満の分子量を有する有機分子であるが、多くの化学分類を包含し得る。候補因子は、タンパク質との構造的相互作用(特に水素結合および親油性結合)に必要な官能基を含み、そして代表的に、少なくともアミン基、カルボニル基、ヒドロキシル基、エーテル基、またはカルボキシル基(例えば、少なくとも2つの化学官能基)を含む。候補因子はしばしば、1つ以上の上記官能基で置換された、環式炭素もしくはヘテロシクリル構造、および/または芳香族構造もしくは多芳香族構造を含む。候補因子はまた、ペプチド、サッカリド、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、誘導体、構造アナログ、またはこれらの組合せを含む生体分子の中に見出される。
【0191】
候補因子は、合成化合物または天然の化合物のライブラリーを含む種々の広範な供給源から取得される。例えば、ランダム化オリゴヌクレオチドの発現を含め、種々の広範な有機化合物および生体分子のランダムかつ直接的な合成についての多くの手法が、利用可能である。あるいは、細菌、真菌、植物および動物の抽出物中の天然化合物のライブラリーが利用可能であるか、または容易に作製される。さらに、天然でかまたは合成により作製されたライブラリーおよび化合物は、従来の化学的手段、物理的手段および生化学的手段を介して容易に修飾される。公知の薬理学的因子は、指向性またはランダムな化学修飾(例えば、アシル化、アルキル化、エステル化、アミド化)に供されて、構造アナログを作製し得る。
【0192】
1例において、候補薬剤の因子は、競合的結合アッセイの使用を介して決定される。この例において、競合物はc−Kitに結合することが公知の結合部分(例えば、抗体、ペプチド、結合パートナー、リガンドなど)である。特定の環境の下で、結合部分が候補因子と置き換わる状態で、候補因子と結合部分との間に競合的結合が存在し得る。
【0193】
いくつかの実施形態において、候補因子は標識される。候補因子もしくは競合物のいずれか、またはその両方は、結合が存在する場合に結合を可能にするのに十分な時間の間、c−Kitタンパク質に最初に添加される。最適な活性を促進する任意の温度(代表的に、4℃〜40℃の間)で、インキュベーションが実施され得る。
【0194】
インキュベーション期間は、最適な活性に対して選択されるが、迅速なハイスループットスクリーニングを容易にするようにも最適化され得る。代表的に0.1〜1時間の間で十分である。過剰の試薬は、一般的に、除去されるかまたは洗い落とされる。次いで、第二成分が添加され、そして標識された成分の存在または不在が続けられ、結合が示される。
【0195】
1例において、競合物は最初に添加され、続いて候補因子が添加される。競合物の交換は、候補因子がc−Kitに結合しており、従ってc−Kitに結合し得、そしてc−Kitの活性を潜在的に調節し得ることの指標である。この実施形態において、どちらかの成分が標識される。従って例えば、競合物が標識される場合、洗浄溶液中の標識の存在は、因子による交換を示唆する。あるいは、候補因子が標識される場合、支持体上の標識の存在は、交換を示す。
【0196】
代替的な実施形態において、候補因子が最初に添加され、そしてインキュベーションし、洗浄し、続いて競合物が添加される。競合物による結合の不在は、その候補薬剤がより高い親和性でc−Kitに結合することを示し得る。従って、候補因子が標識される場合、支持体上での標識の存在は、競合物の結合の不在と関連して、候補因子がc−Kitに結合し得ることを示し得る。
【0197】
c−Kitの結合部位を同定することは、価値があり得る。このことは、種々の方法においてなされ得る。1実施形態において、一旦、c−Kitが候補因子に結合すると同定されると、このc−Kitはフラグメント化または改変され、そして結合に必要な成分を同定するため、アッセイが繰り返される。
【0198】
調節は、c−Kitの活性を調節し得る候補因子についてスクリーニングすることによって試験され、これは上記のように候補薬剤とc−Kitとを組み合わせる工程、およびc−Kitの生物学的活性における変更を決定する工程を含む。従って、この実施形態において、候補因子は、結合(しかし、これは必要でなくてもよい)するとともに、本明細書中に定義されるような生物学的活性または生化学的活性を変更するはずである。この方法は、インビトロスクリーニング方法および細胞の生存率、形態などにおける変更についての細胞のインビボスクリーニングの両方を含む。
【0199】
あるいは、差異的なスクリーニングが使用されて、ネイティブなc−Kitに結合するが、改変されたc−Kitには結合し得ない薬物候補が同定され得る。
【0200】
ポジティブコントロールおよびネガティブコントロールが、アッセイにおいて使用され得る。例えば、全てのコントロールサンプルおよび試験サンプルは、統計学的に有意な結果を取得するため少なくとも三連で実施される。サンプルのインキュベーションは、この因子がタンパク質に結合するのに十分な時間の間である。インキュベーションの後、サンプルは洗浄されて非特異的に結合した物質が除去され、そして結合量(一般的に標識された因子の量)が決定される。例えば、放射性標識が使用される場合、サンプルはシンチレーションカウンタで計数されて、結合した化合物の量が決定され得る。
【0201】
種々の他の試薬がスクリーニングアッセイにおいて含まれ得る。これらとしては、最適なタンパク質−タンパク質結合を促進するためおよび/または非特異的相互作用もしくはバックグラウンドの相互作用を軽減するために使用され得る試薬(例えば、塩、中性タンパク質(例えば、アルブミン)、界面活性剤など)が挙げられる。また、他の場合にはアッセイの効率を向上させる試薬(例えば、プロテアーゼインヒビター、ヌクレアーゼインヒビター、抗微生物剤など)が使用され得る。成分の混合物は、必要な結合を提供する任意の順序で添加され得る。
【0202】
(略号およびそれらの定義)
以下の略号および用語が、全体にわたって示された意味を有する:
【0203】
【化95】
【0204】
【化96】
【0205】
【化97】
。
【0206】
(化合物の合成)
スキーム1〜3は、本発明の化合物の一般的合成経路を記し、そして限定されることを意図しない。特定の例はこの一般的な合成の記載に続いて記載される。一般的経路およびこの後の特定の例の記載を用いて、当業者は、記載のように本発明の化合物を作製し得る。
【0207】
スキーム1は、一般に、式Iの化合物が、例えば一直線の経路を介して作製され得ることを示す。例えば、環Aおよび環Bは、それぞれ官能基a’およびb’を介して繋がれ得る。官能基a’およびb’を使用して、式Iの連結基L1を構築する。L1が不在の場合、官能基a’およびb’を使用して、単結合を介して直接的に環Aと環Bとを結合する。同様に、官能基b”およびc’を使用して、式Iの連結基L2を作製する。上記の工程の順序は変動され得る。すなわち、環Aおよび環Bは最初に繋がれ得、続いて(A−L1−Bの−部分としての)環Bに環Cが繋がれ得る;または環Bおよび環Cが最初に繋がれ得、続いて(B−L2−Cの−部分としての)環Bに環Aが繋がれ得る。
【0208】
置換R1、R2およびR3は、式Iの化合物の合成の任意の段階で、導入およびまたは改変され得る。
【0209】
【化98】
。
【0210】
スキーム2は、別の例を示し、ここでこの場合、環Aは、既存の環として官能基に結合されるよりもむしろ、官能基b’から合成される。これらの例において、一般にL1は環Aと環Bとの間の直接結合であるが、必ずしもそうとは限らない。一旦、環Aが作製されると、次いで官能基b”を使用して環Cを結合し、これによって連結基L2を形成する(例えば、以下の「実施例1」を参照のこと)。
【0211】
【化99】
。
【0212】
スキーム3は、なお別の例を示し、ここでこの場合、例えば、官能基l2’およびl2”を有する連結基L2が予め存在する。この例において、環Bは、環B上の官能基(記されない)および連結基L2上の官能基l2’を使用することにより連結基L2に結合され、中間体b’−B−L2−Cを作成する。あるいは、環Bは、官能基l2”を使用することにより連結基L2上に合成され、中間体b’−B−L2−Cを作成する。いずれの方法であっても、次いで官能基b’を使用して、例えば、記されるように環Aを環Bに合成するかまたは連結させる。
【0213】
【化100】
。
【0214】
当業者は、スキーム1〜3と関係する記載が一般的なものであると認識する;以下に提供するのは、スキーム1〜3および式Iに従う化合物を作製するために使用される例示的な化学である。当業者はまた、本発明の化合物を作製するために使用され得る、工程と化学との他の組合せが存在することを理解する。
【実施例】
【0215】
以下の実施例は、上記の本発明を使用する様式をより完全に記載すること、ならびに本発明の種々の局面を実施することが企図される最良の形態を記載するのに、役立つ。これらの実施例は、本発明の真の範囲を限定するのにはいかようにも役立たず、むしろ例示的な目的のために提供されることが、理解される。本明細書中に引用されるあらゆる参考文献は、それらの全体が参考として援用される。一般的に、以下に示された各々の実施例は、上記で概説されたように、多段階合成を記載するが、必ずしもそうとはは限らない。
【0216】
(実施例1)
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{(3−(1H−テトラゾール−1−イル)−フェニル]オキシ}アセトアミド 4の合成)
【0217】
【化101】
(3−アミノフェノキシ酢酸 2)3−ニトロフェノキシ酢酸 1(21.7g、110mmol、1.0当量)およびメタノール(600mL)を、2L加圧容器に加えた。この得られた溶液を、N2で5分間パージした。この溶液に10%のPd/C(900mg)を加え、そして容器を3時間50psiでParrヒドロジェネーター上に置いた。Parr装置から取り出した後、この反応混合物は色が灰白色であり、このことは生成物の沈殿を示す。DMF(400mL)を添加し、そして沈殿した生成物が溶媒相に溶解したことが明らかであるまで撹拌した。Pd/Cを濾過により取り除き、そして濾液を高減圧下で濃縮して、暗褐色固形物(14g、76%)を得た。
【0218】
【数1】
(3−テトラゾール−1−イルフェノキシ酢酸 3)250mL丸底フラスコに、3−アミノフェノキシ酢酸 2(10.3g、61.6mmol、1.0当量)および撹拌子を加えた。トリエチルオルトホルメート(33mL、197mmol、3.2当量)を添加し、続いてアジ化ナトリウム(5.00g、77.0mmol、1.25当量)および酢酸(56mL、986mmol、16当量)を添加した。この粘性混合物を油浴中で撹拌しながら2時間80℃で加熱した。加熱によって、この混合物は均一になった。この反応混合物を油浴から取り出し、そして500mL三角フラスコに移した。このフラスコを氷浴中で0℃に冷却し、0℃になったところでH2O(150mL)および6N HCl(80mL)を加えた。別のフラスコ中で、H2O(20mL)中のNaNO2(5g)の溶液を調製した。このNaNO2溶液を反応混合物にゆっくりと添加した。激しい発泡が明らかであった。添加が完了したら、フラスコ中に灰白色の沈殿が形成された。この懸濁物を濾過して、明灰白色固形物(8.31g、61%)を得た。
【0219】
【数2】
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{(3−(1H−テトラゾール−1−イル)−フェニル]オキシ}−アセトアミド 4)3−テトラゾール−1−イルフェノキシ酢酸 3(200mg、0.908mmol、1.0当量)および撹拌子を、25mL回収フラスコに加えた。このフラスコに1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(261mg、1.36mmol、1.5当量)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(184mg、1.36mmol、1.5当量)を添加した。この反応フラスコに、DMF(10mL)およびN−メチルモルホリン(300μL、2.72mmol、3.0当量)を添加した。この混合物を、室温で30分間撹拌させておいた。このフラスコを5−アミノ−2−クロロベンゾトリフルオリド(355mg、1.82mmol、2.0当量)を加え、そして得られた混合物を、室温で一晩撹拌した。この反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、そして連続してH2O(50mLで1回)、10% LiCl水溶液(50mLで3回)、ならびに飽和(sat’d)NaCl水溶液(50mLで1回)で洗浄した。この水相を合わせ、そして酢酸エチル(30mLで2回)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、オフホワイトの固形物(165mg、46%)を得た。これは、さらなる精製を必要としなかった。
【0220】
【数3】
。
【0221】
(実施例2)
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド 8の合成)
【0222】
【化102】
((3−アジドフェノキシ)−酢酸 5)3−アミノフェノキシ酢酸 2(2.00g、12.0mmol、1.0当量)および撹拌子を、100mL回収フラスコに加えた。このフラスコに、酢酸(5mL)、濃HCl(2mL)およびH2O(3mL)を加えた。この反応混合物を0℃に冷却し、0℃になったところでH2O(3mL)中のNaNO2溶液(0.908g、13.2mmol、1.1当量)を20秒間にわたって添加した。この混合物を5分間撹拌した。H2O(3mL)中のNaN3溶液(0.855g、13.2mmol、1.1当量)を、この反応混合物にゆっくりと添加した。この際この混合物は、泡立った。この反応混合物を30分間0℃で撹拌し、そしてさらに1時間室温で撹拌した。明褐色の固形物が溶液から析出した。この懸濁物を濾過し、そして冷H2Oで洗浄して、明褐色の固形物(1.48g)を得た。乾燥により、より多くの沈殿物が濾液中に形成された。この沈殿物を再度濾過して、より多くの生成物(0.17g)を生じた。総収量:1.65g、71%。
【0223】
【数4】
。
【0224】
([3−(4−トリメチルシラニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−フェノキシ]−酢酸 6)(3−アジドフェノキシ)−酢酸 5(527mg、2.73mmol、1.0当量)およびトリメチルシリルアセチレン(10mL)および撹拌子を、15mL密封チューブに加えた。このチューブを密封し、そして反応混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物を濾過し、そして固形物をエチルエーテルで洗浄して、暗灰白色の固形物(483mg、61%)を得た。
【0225】
【数5】
。
【0226】
(N−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−2−[3−(4−トリメチルシラニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−フェノキシ]−アセトアミド 7)[3−(4−トリメチルシラニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−フェノキシ]−酢酸 6(483mg、1.66mmol、1.0当量)および撹拌子を、25mLの回収フラスコに加えた。O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(1.26g、3.3mmol、2.0当量)、DMF(8mL)、およびN−メチルモルホリン(503μL、4.98mmol、3.0当量)を添加した。この混合物を30分間室温で撹拌した。5−アミノ−2−クロロベンゾトリフルオライド(649mg、3.3mmol、2.0当量)を添加し、そしてこの反応混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、そして連続して、10% LiCl水溶液(50mLで3回)、H2O(50mL)、および飽和NaCl水溶液(50mL)で、洗浄した。有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、灰色がかった固形物を生じた。この固形物を熱メタノール中で再結晶させて、明灰白色の固形物を生じた。これは、LC/MSにより、生成物および対応する脱シリル化された物質(200mg)の混合物であった。この混合物を、さらなる精製なしに次の工程へと持って行った。LC/MSD(HP Series 1100 MSD)MS(ES+)m/z469.1(M+H)+1。
【0227】
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド 8)N−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−2−[3−(4−トリメチルシラニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−フェノキシ]−アセトアミド 7およびN−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−2−(3−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−フェノキシ)−アセトアミド 8(200mg、0.426mmol、1.0当量)の混合物ならびに撹拌子を、25mL回収フラスコに加えた。THF(10mL)およびテトラブチルアンモニウムフルオリド(THF中で1.0M、2mL、2.00mmol)を添加した。この反応物を、2日間室温で撹拌した。この反応混合物を濃縮し、そして酢酸エチル(50mL)中に溶解させた。有機相を飽和NH4Cl水溶液で洗浄し、次いで無水Na2SO4で乾燥させ、濾過しそして濃縮して、オフホワイトの固形物(182mg、6からの2回の工程にわたって28%)を生じた。
【0228】
【数6】
。
【0229】
(実施例3)
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]ヒドラジンカルボキサミド13の合成)
【0230】
【化103】
(1−(3−ニトロフェニル)−1H−テトラゾール 10)3−ニトロアニリン 8(10.00g、72.4mmol、1.0当量)および撹拌子を、250mL回収フラスコに加えた。トリエチルオルトホルメート(38.5mL、232mmol、3.2当量)を加え、続いてアジ化ナトリウム(5.88g、90.5mmol、1.25当量)および酢酸(66.0mL、1.16mol、16当量)を加えた。粘性混合物を、油浴中で80℃に加熱した。加熱により、この混合物は凝固した。追加の酢酸(70mL)を加え、そして生じた懸濁物をスパチュラでかき混ぜた。この反応混合物は、2時間加熱する間に、均一になった。この反応混合物を油浴から取り出し、そして500mL三角フラスコに移した。このフラスコを氷浴中で0℃に冷やし、0℃になったところでH2O(70mL)および6N HCl(30mL)を加えた。別のフラスコ中に、H2O(15mL)中のNaNO2(3.5g)溶液を調製した。このNaNO2溶液を、反応混合物にゆっくりと加えた。激しい発泡が明らかであった。添加が完了したら、フラスコ中に明黄色の沈殿を形成した。この懸濁物を濾過して、明黄色の固形物(10.4g、75%)を生じた。
【0231】
【数7】
。
【0232】
(1−(3−アミノフェニル)−1H−テトラゾール 11)1−(3−ニトロフェニル)−1H−テトラゾール 10(10.0g、52.3mmol、1.0当量)およびメタノール(500mL)を2L加圧容器に加えた。得られた溶液をN2で5分間パージした。この溶液に10% Pd/C(500mg)を加え、そしてこの容器をParrヒドロゲネーター上に50psiで3時間置いた。濾過によりPd/Cを取り除き、そして濾液を濃縮して明灰白色の固形物(7.66g、91%)を得た。
【0233】
【数8】
。
【0234】
((3−テトラゾール−1−イル−フェニル)−ヒドラジンヒドロクロリド 12)1−(3−アミノフェニル)−1H−テトラゾール 11(1.60g、9.93mmol、1.0当量)および撹拌子を、100mL回収フラスコに加えた。このフラスコに、濃HCl(23mL)およびH2O(3mL)の混合物を添加した。得られた懸濁物を、−20℃に冷却した。H2O(8mL)中のNaNO2(685mg、9.93mmol、1.0当量)の溶液を調製し、そして−20℃の温度を維持しながら反応混合物にゆっくりと添加した。この反応混合物を30分間撹拌した。濃HCl(17mL)中のSnCl2ジヒドレート(8.96g、39.7mmol、4.0当量)の溶液を調製し、そして−20℃に冷却した。この溶液を反応混合物に速やかに加え、そしてこの反応混合物を−20℃で20分間撹拌し、そして室温で1時間撹拌した。反応混合物中に明灰白色沈殿が形成された。この混合物を濾過して、明灰白色の固形物(1.48g、70%)を得た。
【0235】
【数9】
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]ヒドラジンカルボキサミド 13)1−クロロ−4−イソシアナト−2−トリフルオロメチルベンゼン(627mg、2.83mmol、1.0当量)およびアセトニトリル(12mL)を、50mL回収フラスコに加えた。この溶液を氷浴中で0℃に冷却した。別のフラスコに、アセトニトリル(6mL)中の(3−テトラゾール−1−イル−フェニル)−ヒドラジンヒドロクロリド 12(600mg、2.83mmol、1.0当量)の溶液を調製した。ヒドラジンの溶解性を助長するため、DMF(15mL)を添加した。この溶液を1分間かけて反応フラスコに加えた。この反応混合物は、添加の際に均一であった。室温に温めながら1時間の撹拌後、沈殿が形成された。この反応混合物を濾過し、そして固形物をアセトニトリルで洗浄して、白色の固形物(552mg、49%)を得た。さらなる精製は必要でなかった。
【0236】
【数10】
。
【0237】
(実施例4)
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)−フェニル]オキシ}アセトアミド 15の合成)
【0238】
【化104】
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)−フェニル]オキシ}アセトアミド 15)2−クロロ−N−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−アセトアミド(400mg、1.47mmol、1.0当量)および1−(3−アミノフェニル)−1H−テトラゾール 11(710mg、4.40mmol、3当量)ならびにDMF(10mL)を、50mL回収フラスコに加えた。触媒量のヨウ化カリウムを添加した。この反応混合物を、一晩70℃に加熱した。この反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、そして連続的に、10% LiCl水溶液(50mLで3回)および飽和NaCl水溶液(50mL)で洗浄した。合わせた水相を酢酸エチル(50mLで2回)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過しそして濃縮して黄褐色の固形物を生じた。この固形物をメタノールおよびアセトニトリル(10:1)中で再結晶させて、白色固形物(63mg)を得た。その母液から次の収得物(91mg)を単離した。総収量:154mg、26%。
【0239】
【数11】
。
【0240】
(実施例5)
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(5−メチル−1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド 17の合成)
【0241】
【化105】
([3−(5−メチル−テトラゾール−1−イル)−フェノキシ]−酢酸 16)3−アミノフェノキシ酢酸 2(308mg、1.84mmol、1.0当量)および撹拌子を、25mL回収フラスコに加えた。トリエチルオルトアセテート(0.75mL、5.89mmol、3.2当量)を加え、続いてアジ化ナトリウム(150mg、2.30mmol、1.25当量)および酢酸(1.7mL、29.4mmol、16当量)を加えた。この粘性混合物を、2時間撹拌しながら油浴中で80℃に加熱した。加熱により、この混合物は均一になった。この反応混合物を油浴から取り出し、そして氷浴中で0℃に冷やし、0℃になったところでH2O(10mL)および6N HCl(5mL)を添加した。別のフラスコに、H2O(4mL)中のNaNO2(1g)の溶液を調製した。このNaNO2溶液を反応混合物にゆっくりと加えた。激しい発泡が明らかであった。添加が完了したら、フラスコ中に灰白色の沈殿が形成された。この懸濁物を濾過して、明灰白色の固形物(424mg、98%)を得た。LC/MSD(HP Series 1100 MSD)MS(ES+) m/z 233.1(M+H)+1。
【0242】
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(5−メチル−1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド 17)[3−(5−メチル−テトラゾール−1−イル)−フェノキシ]−酢酸 16(424mg、1.81mmol、1.0当量)および撹拌子を、25mL回収フラスコに加えた。このフラスコに、1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリド(521mg、2.72mmol、1.5当量)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(367mg、2.72mmol、1.5当量)を添加した。この反応フラスコに、DMF(12mL)およびN−メチルモルホリン(611μL、5.44mmol、3.0当量)を添加した。この混合物を、室温で30分間撹拌させておいた。このフラスコに、5−アミノ−2−クロロベンゾトリフルオリド(709mg、3.62mmol、2.0当量)を加え、そして得られた混合物を室温で一晩撹拌させておいた。この反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、そして連続してH2O(50mLで1回)、10% LiCl水溶液(50mLで3回)、および飽和NaCl水溶液(50mLで1回)で洗浄した。水相を合わせ、そして酢酸エチル(30mLで2回)で抽出した。この合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮しそしてフラッシュクロマトグラフィーで精製して、オフホワイトの固形物(40mg、5%)を得た。
【0243】
【数12】
。
【0244】
(実施例6)
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−{[3−1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]チオ}アセトアミド 20の合成)
【0245】
【化106】
(3−テトラゾール−1−イル−ベンゼンチオール 19)3−アミノベンゼンチオール 18(3.537g、28.3mmol、1.0当量)および撹拌子を、100mL回収フラスコに加えた。トリエチルオルトホルメート(15mL、90.4mmol、3.2当量)を添加し、続いてアジ化ナトリウム(2.30g、35.3mmol、1.25当量)および酢酸(25.9mL、452mmol、16当量)を加えた。粘性混合物を、油浴中で80℃に加熱した。2時間の加熱の間に、この反応混合物は均一になった。この反応混合物を油浴から取り出し、500mL三角フラスコに移した。このフラスコを氷浴中で0℃に冷やし、0℃になったところでH2O(70mL)および6N HCl(30mL)を加えた。別のフラスコに、H2O(5mL)中のNaNO2(1g)の溶液を調製した。このNaNO2溶液を反応混合物にゆっくりと添加した。激しい発泡が明らかであった。添加が完了したら、フラスコ中に褐色沈殿が形成された。この懸濁物を濾過し、そしてH2Oで洗浄して、明黄褐色の固形物(5.00g、99%)を得た。
【0246】
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−{[3−1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]チオ}アセトアミド 20)3−テトラゾール−1−イル−ベンゼンチオール 19(228mg、0.644mmol、1当量)およびDMF(5mL)を、25mL回収フラスコに加えた。この溶液を、15分間60℃で撹拌し、次いで室温に冷ました。この反応フラスコに、2−クロロ−N−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−アセトアミド(250mg、0.92mmol、1.5当量)、Cs2CO3(699mg、2.15mmol、3.5当量)、および触媒量のKIを添加した。この反応混合物を、室温で一晩撹拌した。この反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、そして連続して10%LiCl水溶液(50mLで3回)および飽和NaCl水溶液(50mL)で洗浄した。有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過しそして濃縮して固形物を得、これを最初にカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2中の0%〜1%のCH3OH)により精製し、次いで分取HPLCにより精製して、白色固形物(20mg、7.5%)を生じた。LC/MSD(HP Series 1100 MSD)MS(ES+)m/z414.0(M+H)+1。
【0247】
(実施例7)
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−[(4−アリール−フェニル−オキシ]アセトアミド 23についての一般的な手順)
【0248】
【化107】
(2−クロロ−N−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アセトアミド 21)クロロアセチルクロリド(2.0mL、25.0mmol、1.0当量)およびCH2Cl2(100mL)を、丸底フラスコに加えた。この溶液を0℃に冷却し、その後CH2Cl2(5.0mL)中の5−アミノ−2−クロロ−ベンゾトリフルオリド(4.88g、25.0mmol、1.0当量)およびトリエチルアミン(3.56mL、27.5mmol、1.1当量)の混合物を滴下した。次いで、この反応を1.5時間0℃で撹拌し、その後H2O(50mL)でクエンチした。次いで、有機相を分離し、ブラインで洗浄し、そしてNa2SO4で乾燥させた。ロータリーエバポレーションを介した濃縮により、黄色固形物としてアセトアミド 21(5.72g、収率84.7%)を得た。1H−NMR,Varian 400 MHz(DMSO−d6)δ10.79(br s、1H),8.20(d,1H),7.87(dd、1H),7.75(d,1H),4.36(s、2H)ppm。
【0249】
(2−(4−ブロモ−フェノキシ)−N−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)アセトアミド 22)4−ブロモフェノール(1.7g、9.8mmol、1.0当量)、アセトアミド 21(2.79g、10.3mmol、1.05当量)、ヨウ化カリウム(1.7g、10.3mmol、1.05当量)、炭酸カリウム(2.7g、19.6mmol、2.0当量)、およびアセトニトリル(35.0mL)を、丸底フラスコに加えた。次いで、この反応混合物を2時間激しく撹拌して還流した(reluxed)。次いで、熱い反応物を濾過して、不溶性の炭酸カリウムを取り除いた。この濾液を濃縮して、明褐色の固形物として、3.8gの粗製ブロモ−フェノキシ−アセトアミド 22を生じた。次いで、固形物を10mLの冷アセトニトリルで粉砕し、濾過し、そして5mLの冷アセトニトリルでリンスして、純粋なブロモ−フェノキシ−アセトアミド 22(1.85g、収率45%)を得た。注記:母液中には豊富な量の粗生成物が依然として存在した。
【0250】
【数13】
(ビフェニル−フェノキシ−アセトアミド 23)ブロモ−フェノキシ−アセトアミド 22(408mg、1.0mmol、1.0当量)、適切なボロン酸(1.0mmol、1.0当量)、DMF(5.0mL)、および1M Na2CO3(1.0mL)を、密封チューブに加えた。次いで、この混合物を、N2流中でおよそ1分間、発泡により脱気し、その後Pd(PPh3)4(126mg、0.1mmol、0.1当量)を添加した。次いで、このチューブを密封し、そして1.5〜3時間、またはこの反応が完了するまで、90℃に加熱した。完了したら、この反応を室温に冷まし、そして濾過した。濾液をEtOAcおよびH2Oを用いて抽出した。次いで、有機相を10% LiClで3回洗浄してDMFを取り除き、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。多くの場合に関して、濃縮は固形物を生じ、この固形物をエーテルを用いた粉砕を介して精製し得る。次いで、粉砕を介しては精製され得ない化合物を、カラムクロマトグラフィーを介して精製した。
【0251】
上記の手順は、 N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−[(4−ピリミジン−5−イルフェニル)オキシ]アセトアミドを作製するために使用した:
【0252】
【数14】
。
【0253】
(実施例8)
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[4−(1H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]オキシアセトアミド 25の合成}
【0254】
【化108】
【0255】
【化109】
((3−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−フェノキシ)−酢酸 24)(3−アミノ−フェノキシ)−酢酸 2(167mg、1.0mmol、1.0当量)、トルエン(5.0mL)、DMF(0.5mL)、p−トルエンスルホン酸モノヒドレート(209mg、1.1mmol、1.1当量)、およびsym−ジホルミルヒドラジン(96.8mg、1.1mmol、1.1当量)を、丸底フラスコに加えた。この混合物を一晩還流した。RTに冷ましたところ、この反応混合物は、二層に分離し、生成物は下側の褐色のオイル層中に、そしてトルエンは清澄な上側の層中にあった。このトルエン層を取り除き;水を褐色オイルに加え、次いでEtOAcで3回抽出した。次いで、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、次いでエーテルで粉砕して、橙色固形物として、(3−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−フェノキシ)−酢酸 24(65.0mg、収率30%)を得た。
【0256】
【数15】
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[4−(1H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド 25)トリアゾール 24(43.8mg、0.20mmol、1.0当量)、DMF(2.0mL)、HOBt(29.7mg、0.22mmol、1.1当量)、EDCI(42.0mg、0.22mmol、1.1当量)、およびトリエチルアミン(0.076mL、0.60mmol、3.0当量)を、丸底フラスコに加えた。この反応物を30分間RTで撹拌し、その後、5−アミノ−2−クロロ−ベンゾトリフルオリド(78.0mg、0.40mmol、2.0当量)を添加し、そしてRTで一晩撹拌した。この反応を水でクエンチし、EtOAcで3回抽出し、10% LiClで洗浄してDMFを取り除き、Na2SO4で乾燥させ、次いでロータリーエバポレーションにより濃縮した。エーテルで粉砕して、わずか純度80%でトリアゾール 25を生じた。次いで、分取HPLCによりさらに精製し、白色固形物として純粋なトリアゾール 25(21mg、収率30%)を生じた。
【0257】
【数16】
。
【0258】
(実施例9)
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−N’−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]メチル}ウレア 28の合成)
【0259】
【化110】
(1−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(3−ニトロ−ベンジル)−ウレア 26)4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)−フェニルイソシアネート(443mg、2.0mmol、1.0当量)およびアセトニトリル(3.0mL)を、丸底フラスコに加えた。この溶液を0℃に冷まし、その後、3−ニトロベンジルアミンHCl(377mg、2.0mmol、1.0当量)、DMF(1.0mL)、およびトリエチルアミン(0.27mL、2.0mmol、1.0当量)の混合物を滴下した。次いで、この反応物を徐々にRTまで温めておき、次いでさらに2時間撹拌した。次いで、この反応物を濃縮して、アセトニトリルを取り除いた。EtOAcおよび水を加え、そして混合物を抽出し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させそして濃縮して、オイルを生じた。RTに静置したところ、このオイルは再結晶し、ウレア 26(728mg、収率97%)を得た。
【0260】
【数17】
(1−(3−アミノ−ベンジル)−3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレア 27)ウレア26(700mg、1.87mmol、1.0当量)およびメタノール(15mL)を、丸底フラスコに加えた。次いで、このフラスコにN2を流し、その後10% Pd/C(35mg、5%重量)を加えた。この反応物をH2雰囲気下に置き、そして2時間RTで撹拌させておき、その後セライトで濾過し、そしてメタノールでリンスした。ロータリーエバポレーションを介して濃縮し、続けてシリカゲルおよび1:1のEtOAc:ヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーを介して濃縮し、白色固形物として純粋なウレア 27(415mg、収率65%)を得た。
【0261】
【数18】
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−N’−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]メチル}ウレア 28)ウレア 27(100mg、0.29mmol、1.0当量)、トリエチルオルトホルメート(0.16mL、0.93mmol、6.4当量)、アジ化ナトリウム(25.0mg、0.36mmol、1.25当量)、および酢酸(0.26ml、4.64mmol、16.0当量)を、丸底フラスコに加えた。この反応混合物を、1分間RTで撹拌し、その後1時間75℃に加熱した。この反応物をRTに冷まし、そして水(0.2mL)、6N HCl(0.16mL)、および25% NaNO2水溶液(0.064mL)を添加した。次いで、この混合物をEtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、そしてNa2SO4で乾燥させた。ロータリーエバポレーションにより濃縮し、続けて60:40のEtOAc:ヘキサンを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより濃縮し、黄色固形物としてウレア 28(7.5mg、収率6%)を得た。
【0262】
【数19】
(実施例10)
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{3−(1H)−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}プロパンアミド 32の合成)
【0263】
【化111】
(3−テトラゾール−1−イル−フェノール 29)トリエチルオルトホルメート(24.4ml、146.5mmol、3.2当量)中の3−アミノフェノール(5g、45.8mmol、1.0当量)溶液を収容した、磁気撹拌子を備えた200ml丸底フラスコに、アジ化ナトリウム(3.73g、57.3mmol、1.25当量)および酢酸(41.95ml、732.8mmol、16.0当量)を加えた。この混合物を室温で10分間撹拌し、次いで1.5時間80℃に加熱した。加熱後、この混合物は青銅色かつ均一であった。この混合物を室温に冷ました。水(30mL)および6N HCl(17mL)を添加した。この反応混合物を氷浴で冷やしながら、25% NaNO2水溶液(6mL)を徐々に加えた。濾過および水での洗浄により、白色固形物の3−テトラゾール−1−イル−フェノール 29(5.3g、収率72%)を得た。
【0264】
【数20】
(2−(3−テトラゾール−1−イル−フェノキシ)−プロピオン酸メエチルエステル 30)無水DMF(4mL)中の3−テトラゾール−1−イル−フェノール 29(0.5g、3.09mmol、1.0当量)、炭酸セシウム(2.01g、6.18mmol、2.0当量)、およびヨウ化カリウム(25mg、触媒量)を収容した、磁気撹拌子を備えた25ml丸底フラスコに、メチル2−ブロモプロピオネート(448μL、4.02mmol、1.3当量)を添加した。次いで、この反応混合物を室温で一晩撹拌させておいた。この反応混合物を10倍量のEtOAcで希釈し、続けて水で2回、10% LiClで5回、そしてブラインで2回、洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させそして濃縮して、オイル(723mg)を生じた。カラムクロマトグラフィー(3:7 EtOAc/ヘキサン)の後、固形物2−(3−テトラゾール−1−イル−フェノキシ)−プロピオン酸メチルエステル 30(326mg、収率45%)を得た。
【0265】
【数21】
(2−(3−テトラゾール−1−イル−フェノキシ)−プロピオン酸 31)磁気撹拌子を備えた25ml丸底フラスコに、2−(3−テトラゾール−1−イル−フェノキシ)−プロピオン酸メチルエステル 30(326mg、1.3mmol、1.0当量)、2N LiOH(2.6mL、2.6mmol、2.0当量)、および1,4−ジオキサン(2.6ml、2.6mmol、2.0当量)を加えた。次いで、この反応混合物を、3時間室温で撹拌した。この反応混合物を濃縮し、水(5mL)で希釈し、1N HCl(pH=3.5に調整)で酸性化し、次いでEtOAcで3回(各々25mL)抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濃縮しそして高減圧下で乾燥させて、2−(3−テトラゾール−1−イル−フェノキシ)−プロピオン酸 31(230.3mg、収率98%)を得た。
【0266】
【数22】
(N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{3−(1H)−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}プロパンアミド 32)無水DMF(3μL)中の4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミン(230.3mg、1.0mmol、1.0当量)、EDCI(211mg、1.1mmol、1.1当量)、HOBt(143mg、1.1mmol、1.1当量)、およびDIEA(523mL、3.0mmol、3.0当量)を収容した、磁気撹拌子を備えた25ml丸底フラスコに、5−アミノ−2クロロベンゾトリフルオリド(214.5mg、1.1mmol、1.1当量)を添加した。次いで、この反応混合物を室温で一晩撹拌させておいた。この反応混合物を濃縮し、そして10倍量のEtOAcで希釈した。次いで、この溶液を10% LiOHで2回、そしてブラインで2回洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濃縮した。固形物をMeOH中に溶解し、分取HPLCで精製した。凍結乾燥により、白色固形物として32(114.8mg、収率28%)を得た。
【0267】
【数23】
(実施例11)
【0268】
【化112】
(1−(3−ブロモ−ベンジル)−3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレア 33)。4−クロロ−(3−トリフルオロメチル)−フェニルイソシアネート(2.0g、9.0mmol、1.0当量)およびACN(12mL)を、丸底フラスコに加えた。この溶液を0℃に冷やし、その後DMF(10.0mL)およびアセトニトリル(6.0mL)中の、3−ブロモベンジルアミンHCl(2.0g、9.0mmol、1.0当量)およびトリエチルアミン(1.16mL、9.0mmol、1.0当量)の混合物を滴下した。次いで、この反応物をRTに温めそして3時間撹拌し、その後ロータリーエバポレーションにより濃縮した。25mLの水を添加すると、ウレア 33の沈殿物を生じ、次いでこれを濾過し、水でリンスし、そして減圧下で乾燥させて、白色固形物としてウレア 33(3.6g、収率97.8%)を得た。
【0269】
【数24】
(ビフェニルウレア 34)ブロモウレア 33(204mg、0.5mmol、1.0当量)、ボロン酸(0.75mmol、1.5当量)、DME(5.0mL)またはDMF(5.0mL)、および1M Na2CO3(1.0mL)またはEt3N(0.14mL、1.0mmol、2.0当量)を、密封チューブに加えた。次いで、この混合物をN2流の中で発泡によりおよそ1分間脱気し、その後PdCl2(dppf)(36.0mg、0.05mmol、0.1当量)を加えた。次いで、このチューブを密封し、そして一晩または反応が完了するまで、90℃に加熱した。この反応物をRTに冷まし、濾過し、そしてEtOAcでリンスした。合わせたEtOAc層を濃縮し、次いでカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0270】
【化113】
(1−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(3−キノキサリン−6−イル−ベンジル)ウレア 34a)
【0271】
【数25】
。
【0272】
(実施例12)
【0273】
【化114】
(ボロン酸 36)適切に置換したイソシアネート(12.0mmol、1.0当量)およびACN(24mL)を、丸底フラスコに加えた。この溶液を0℃に冷やし、その後、DMF(10.0mL)中のベンジルボロン酸 35(12.0mmol、1.0当量)およびトリエチルアミン(1.6mL、12.0mmol、1.0当量)の混合物を、滴下した。次いで、この反応物をRTに温めて1.5時間撹拌し、その後ロータリーエバポレーションにより濃縮した。次いで、このオイルをEtOAcおよび水に加え、そして分配した。有機層を10% LiClで2回、ブラインで1回洗浄し、Na2SO4で乾燥させそして濃縮して、比較的純粋なボロン酸 36を得た。水での溶解後のそれほど純粋でないボロン酸を、カラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0274】
(ウレア 37)ボロン酸 36(0.5mmol、1.0当量)、適切なハライド(0.5mmol、1.5当量)、DME(5.0mL)またはDMF(5.0mL)、および1M Na2CO3(1.0mL)またはEt3N(0.140mL、1.0mmol、2.0当量)を、密封チューブに加えた。次いで、この混合物をN2流中で発泡により1分間脱気し、その後PdCl2(dppf)(36.0mg、0.05mmol、0.1当量)を加えた。次いで、このチューブを密封し、そして一晩または反応が完了するまで90℃に加熱した。この反応物をRTに冷まし、濾過し、そしてEtOAcでリンスした。合わせたEtOAcを、次いで水、ブラインで洗浄し、そしてNa2SO4で乾燥させ、その後カラム精製した。
【0275】
(3−アミノ−6−{3−[3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイドメチル]−フェニル}−ピラジン−2−カルボン酸ピペリジン−3−イルアミド 37a)
【0276】
【数26】
。
【0277】
(実施例13)
【0278】
【化115】
(3−テトラゾール−1−イル−ベンズアミド 38)3−アミノベンズアミド(1.36g、10.0mmol、1.0当量)、酢酸(9.1mL、160mmol、16.0当量)、トリエチルオルトホルメート(5.4mL、32.0mmol、3.2当量)、およびアジ化ナトリウム(0.812g、12.5mmol、1.25当量)を、丸底フラスコに加えた。次いで、この反応混合物を、全ての固形物が溶解するまで80℃に加熱した。この反応をさらに2時間80℃で撹拌し、その後RTに冷ました。水(6.0mL)を加え、続いて6N HCl(5.3mL)を添加し、次いで25% NaNO2(2.1mL)を添加した。得られた沈殿物を濾過し、そして水でリンスして、純粋なテトラゾール 38(1.5g、収率80%)を得た。
【0279】
【数27】
(1−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(3−テトラゾール−1−イル−ベンゾイル)−ウレア 39)テトラゾール 38(189mg、1.0mmol、1.0当量)、およびTHF(3.0mL)を、丸底フラスコに加えた。このフラスコを0℃に冷却し、その後水素化ナトリウム(鉱油中の60%分散物、40mg、1.0mmol、1.0当量)を添加した。次いで、この反応物をRTに温め、そしてさらに15分間撹拌し、その後0℃に下げ戻し、そして4−クロロ−3−トリフルオロメチルイソシアネート(221mg、1.0mmol、1.0当量)を添加した。この反応物を再びRTに温め、そして15分間撹拌し、その後EtOAc(20.0mL)および水(10mL)でクエンチした。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、そしてロータリーエバポレーションにより濃縮した。得られた固形物をアセトニトリルで粉砕し、濾過し、冷アセトニトリルでリンスし、そして減圧下で乾燥させて、純粋なウレア 7(230mg、収率56.1%)を得た。
【0280】
【数28】
。
【0281】
(実施例14)
【0282】
【化116】
(N−ブロモフェニル−N−メチルヒドラジン 41)3−ブロモフェニルヒドラジンヒドロクロライド 40(2.00g、8.95mmol、1.0当量)および撹拌子を、100mL回収フラスコに加えた。THF(50mL)を加え、そしてこの溶液を0℃に冷却した。LiHMDS(THF中の1M溶液、17.9mL、17.9mmol、2.0当量)を1分間かけて滴下した。この反応物を室温に温めながら30分間撹拌した。このフラスコを再び0℃に冷却し、そしてCH3I(557μL、8.95mmol、1.0当量)を添加した。この反応物を90分間撹拌し、次いで水(200mL)でクエンチした。水層をCH2Cl2(100mLで3回)で抽出し、合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄した。有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、黄橙色オイルのN−ブロモフェニル−N−メチルヒドラジン 41を生じた(759mg、42%)。これについてのLC/MSトレースおよびTLCは、さらなる精製なしにこの後の反応で使用するのに十分であった。
【0283】
【数29】
(ブロモフェニルアミノウレア 42)4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニルイソシアネート(759mg、3.80mmol、1.0当量)およびCH3CN(8mL)を、50mL回収フラスコに加えた。この溶液を0℃に冷やした。CH3CN(4mL)中のN−ブロモフェニル−N−メチルヒドラジン 41(759mg、3.80mmol、1.0当量)およびEt3N(529μL、3.80mmol、1.0当量)の溶液を、別のフラスコに調製した。この溶液にDMF(2mL)を添加して、ヒドラジン付加物の溶解を助けた。この溶液を、シリンジを介して反応フラスコに滴下した。1時間の撹拌の後、LC/MSは反応の完了を示した。この反応物を濃縮し、次いでEtOAc(100mL)で希釈した。有機相を水(50mL)およびブライン(30mL)で洗浄した。併せた水相をEtOAc(30ML)で洗浄した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過しそして濃縮して、黄色がかったオイルを生じ、これを後に結晶化した(251mg、16%)。この粗物質を、さらなる精製なしに使用した。
【0284】
(ピリジルフェニルアミノウレア 43)42 (250mg、0.594mmol、1.0当量)、5−ピリミジンボロン酸(74mg、0.594mmol、1.0当量)、PdCl2(dppf)2(43mg、0.0594mmol、0.1当量)、DMF(5mL)、およびEt3N(166μL、1.19mmol、2.0当量)を15mL加圧容器に加えた。この容器を密封し、そして90℃で一晩加熱すると、その際この反応混合物が暗赤色から黒色に変わった。この反応混合物を冷やし、次いでEtOAc(100mL)で希釈し、そして有機層を10% LiCl水溶液(50mLで3回)、ブライン(50mL)で洗浄した。合わせた水層をEtOAc(50mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過しそして濃縮して、黒色オイルを生じた。この粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(30%〜70%のEtOAc/Hex)により精製して、白色粉末(32mg、10%)を得た。
【0285】
【数30】
。
【0286】
(実施例15)
【0287】
【化117】
(カルバメート)トリホスゲン(0.6当量)および撹拌子を回収フラスコに加えた。CHCl3を添加し、そしてこの溶液を−10℃に冷却した。別のフラスコに、CHCl3中のアリールアミンまたはヘテロアリールアミン(1.0当量)の溶液を調製し、そしてこの反応フラスコにシリンジを介して添加した。この反応混合物を5分間撹拌した。触媒量のDMAPを加えた。適切に置換したテトラゾール−1−イルベンジルアルコール(1.0当量)を添加し、そしてこの反応混合物は混濁した。30分間の撹拌後、LC/MSは反応が完了したことを示した。この反応物を濃縮し、そして予備的なHPLCを介して精製して、粉末を得た。
【0288】
【化118】
【0289】
【数31】
。
【0290】
(実施例16)
【0291】
【化119】
(3−(3−ピリジル)−ベンジルアルコール 46)3−(3−ピリジル)−安息香酸 45(2.00g、10.0mmol、1.0当量)およびTHF(20mL)を、100mL回収フラスコに加えた。得られた懸濁物を撹拌する。BH3(THF中で1.0M、15mL、15mmol、1.5当量)を加え、得られた混合物を一晩還流した。不完全な還元がLC/MSにより観察された。さらなるBH3(10mL)を加え、そしてこの混合物をさらに6時間還流した。LC/MSは、安息香酸の完全な還元を示す。この反応混合物を濃縮し、そしてEtOAcで希釈した。有機層を、連続して水、HCl、ブラインで洗浄した。合わせた水層をEtOAcで抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、清澄なオイルを生じた。この粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(40%〜60%のEtOAc/Hex)により精製し、白色固形物(995mg、53%)を得た。
【0292】
(カルバメート 47)CH3CNおよびアリールイソシアネート(1.0当量)を、25mL回収フラスコに加えた。この溶液を0℃に冷やし、これにシリンジを介して、CH3CN中の3−(3−ピリジル)−ベンジルアルコール 46(1.0当量)およびEt3N(1.0当量)の溶液を加えた。この反応物を室温に温めながら1.5時間撹拌した。薄色の沈殿物が反応進行の間に形成された。この反応混合物を濃縮し、そして少量のCH3OH中に入れた。この懸濁物を超音波処理すると、この時、細かい白色微粉末が生じる。この固形物を濾過して、白色粉末として純粋な生成物47を生じた。
【0293】
(実施例17)
【0294】
【化120】
(4−(5−ピリミジニル)−ベンジルアルコール 49)4−(5−ピリミジニル)−ベンズアルデヒド 48(1.01g、5.49mmol、1.0当量)およびCH3OH(30mL)を、100mL回収フラスコに加えた。得られた懸濁物を撹拌し、これに、NaBH4(311mg、8.23mmol、1.5当量)を加えた。NaBH4を添加したところ、この反応物は均一になった。室温で2時間撹拌後、LC/MSによればこの反応は完了した。この反応混合物を濃縮し、そしてEtOAcで希釈し、これを、連続して水およびブラインで洗浄した。水相を合わせ、そしてEtOAcで抽出した。有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、黄色の微粉末(523mg、51%)を生じた。この微粉末を、さらなる精製なしに続く反応に使用した。
【0295】
(カルバメート 50)CH3CNおよびアリールイソシアネート(1.0当量)を25mL回収フラスコに加えた。この溶液を0℃に冷やし、この時、CH3CN中の4−(5−ピリミジニル)−ベンジルアルコール 49(1.0当量)およびEt3N(1.0当量)の溶液をシリンジを介して添加した。この反応物を、室温に温めながら1.5時間撹拌した。この反応の進行の間、薄色の沈殿物が形成された。この反応混合物を濃縮し、そして少量のCH3OH中に入れた。この懸濁物を超音波処理し、この時、白色微粉末が生じた。この固形物を濾過して、白色粉末として純粋な生成物50を得た。
【0296】
(実施例18)
【0297】
【化121】
(4−(2−ヒドロキシテトラゾール−1−イル)−1−ベンジルオキシベンゼン 52)THF(20mL)および撹拌子を100mL回収フラスコに加えた。このフラスコを0℃に冷却し、すぐに、AlCl3(751mg、5.63mmol、1.1当量)を加えた。この溶液を15分間撹拌し、すぐにNaN3(1.00g、15.4mmol、3.0当量)および4−ベンジルオキシ−フェニルイソシアネート 51(1.15g、5.12mmol、1.0当量)を加えた。この反応混合物を一晩還流した。この反応混合物を1N HCl(50mL)でクエンチし、そしてEtOAc(100mL)で希釈した。有機相をブラインで洗浄し、そして合わせた水相をEtOAc(50mLを3回)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、オフホワイトの固形物(515mg、37%)を得た。これを、さらなる精製なしに、続く反応に使用した。
【0298】
(4−(2−ヒドロキシテトラゾール−1−イル)−フェノール 53)4−(2−ヒドロキシテトラゾール−1−イル)−1−ベンジルオキシベンゼン 52(515mg、1.92mmol、1.0当量)およびCH3OH(20mL)を、100mL回収フラスコに加えた。この溶液をN2でパージし、これに、10% Pd/C(50mg)を添加した。このフラスコを密封し、H2を満たしたバルーンを取り付けた。この反応物を室温で一晩撹拌した。この反応物をセライトのパッドに通して濾過し、そして濃縮して、オフホワイトの固形物(300mg、93%)を得た。この固形物を、さらなる精製なしに、引き続く反応に使用した。
【0299】
(アミド 55)フェノール 53(150mg、0.842mmol、1.0当量)、クロロアセトアミド 54(229mg、0.842mmol、1.0当量)、K2CO3(232mg、1.68mmol、2.0当量)、およびCH3CN(10mL)を、25mL回収フラスコに加えた。触媒作用量のKIを添加した。この反応物を室温で一晩撹拌し、これについてのLC/MS分析は、この反応が完了したことを示した。この反応混合物を濾過して過剰なK2CO3を取り除き、次いで濃縮した。粗物質を、分取HPLCを介して精製し、白色粉末(15 mg、4%)を得た。
【0300】
【数32】
。
【0301】
(アッセイ)
固定したミエリン塩基性タンパク質(MBP)へのγ−33P ATPの取り込みの測定により、キナーゼアッセイを実施した。Tris緩衝化生理食塩水(TBS;50mM Tris pH8.0、138mM NaCl、2.7mM KCl)中の20μg/mlのMBP(Sigma #M−1891)をウェルあたり60μl、24時間4℃でインキュベーションすることにより、高結合性の白色384ウェルプレート(Greiner)をMBPでコーティングした。プレートを100μlのPBSで3回洗浄した。キナーゼ反応を、キナーゼ緩衝液(5mM Hepes pH7.6、15mM NaCl、0.01% ウシγグロブリン(Sigma #I−5506)、10mM MgCl2、1mM DTT、0.02% TritonX−100)中で総量34μlで実行した。化合物の希釈をDMSO中で実施し、そしてDMSO終濃度1%までアッセイウェルに添加した。各々のデータ点を二連で測定し、そして各々の化合物の決定のため少なくとも2つの二連アッセイを実施した。酵素を、例えば終濃度10nMまたは20nMまで添加した。未標識ATPおよびγ−33P ATPの混合物を添加して反応を開始した(代表的には、ウェルあたり2×106cpmのγ−33P ATP(3000Ci/mmole)および10μMまたは30μMのいずれかの未標識ATP)。この反応を、振盪しながら室温で1時間実施した。プレートをTBSで7回洗浄し、続いてウェルあたり50μlのシンチレーション液(Wallac)を添加した。プレートをWallac Triluxカウンターを使用して読み取った。このことは、単なる1つの例示的なアッセイである:当業者に公知なように、種々の形式が可能である。
【0302】
上記のアッセイ手順を使用して、阻害に対するIC50および/または阻害定数Kiを決定し得る。このIC50は、アッセイ条件下で酵素活性を50%軽減するの必要な化合物濃度として定義される。例示的な組成物は、例えば、約100μM未満、約10μM未満、約1μM未満のIC50を有し、そしてさらなる例として、約100nM未満、そしてなおさらなる例として、約10nM未満のIC50を有する。化合物についてのKiは、3つの前提に基づきIC50から決定され得る。第一に、1つの化合物分子のみが酵素に結合し、そして協同性がない。第二に、活性な酵素の濃度および試験される化合物の濃度が既知である(すなわち、調製物において、有意な量の不純物も不活性形態も存在しない)。第三に、酵素−インヒビター複合体の酵素学的速度がゼロである。この速度(すなわち、化合物濃度)データは、以下の式(1)に当てはめられる;ここで、Vは観察された速度であり、Vmaxは遊離酵素の速度であり、I0はインヒビター濃度であり、E0は酵素濃度であり、そしてK0は酵素−インヒビター複合体の解離定数である。
【0303】
【化122】
。
【0304】
(キナーゼ特異的アッセイ)
キナーゼ活性および化合物の阻害は、以下に記載される3つのアッセイ様式のうち1つ以上を使用して調べられる。各々のアッセイについてのATP濃度は、各々別個のキナーゼについて、ほぼMichaelis−Menten定数(KM)に近くなるように選択される。用量応答実験を、384ウェルプレートの様式で10個の異なるインヒビター濃度で実施する。これらのデータを以下の4パラメーターの式(2)に当てはめる;ここで、Yは観察されたシグナルであり、Xはインヒビター濃度であり、Minは酵素の非存在下(0%の酵素活性)でのバックグラウンドシグナルであり、Maxはインヒビター非存在下(100%の酵素活性)でのシグナルであり、IC50は50%酵素阻害でのインヒビター濃度であり、そしてHは協同作用を測定するための経験的なHillの傾きを示す。代表的に、Hは1に近い。
【0305】
【化123】
。
【0306】
(c−Kitアッセイ)
c−Kitの生化学的反応を、上記のAlphaScreenTM(Perkin Elmer)技術を使用して評価した。試験化合物、ATP、ビオチン化ポリ(Glu、Tyr)およびc−Kitキナーゼを、384ウェルの結合が中間の白色マイクロタイタープレート(Greiner)において容量20μLで併せた。反応混合物を周囲温度で1時間インキュベーションした。75mM Hepes、pH7.4、300mM NaCl、120mM EDTA、0.3% BSAおよび0.03% Tween−20を含む15〜30mg/mLのAlphaScreenビーズ懸濁物を10μL添加することにより反応をクエンチした。周囲温度で16時間のインキュベーション後、プレートを、AlphaQuestリーダー(Perkin Elmer)を使用して読み取った。
【0307】
(構造−活性の相関)
表3は、選択された本発明の化合物についての構造−活性の相関データを示す。阻害は、以下のキーを用いてIC50として示される:A=50nM未満のIC50、B=50nMを超えるが500nM未満のIC50、C=500nMを超えるが5000nM未満のIC50、およびD=5,000nM以上のIC50。
【0308】
【化124】
【0309】
【化125】
【0310】
【化126】
【0311】
【化127】
【0312】
【化128】
【0313】
【化129】
【0314】
【化130】
【0315】
【化131】
【0316】
【化132】
【0317】
【化133】
【0318】
【化134】
【0319】
【化135】
【0320】
【化136】
。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】
に従うc−Kit活性を調節するための化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩、水和物もしくはプロドラッグであって、ここで、
環Aは5員〜14員のヘテロアリールであり;
各々のR1は、独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR4、−N(R4)R4、−S(O)0−2R4、−SO2N(R4)R4、−CO2R4、−C(=O)N(R4)R4、−C(=NR5)N(R4)R4、−C(=NR5)R4、−N(R4)SO2R4、−N(R4)C(O)R4、−NCO2R4、−C(=O)R4、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
2つの隣接したR1は、それらが結合する環原子と一緒になって、5員環〜6員環を形成し得、該環は、2つまでのヘテロ原子を含み、そして必要に応じて3つまでのR10で置換され;
L1は、単結合、必要に応じて置換されたC1−2アルキレン、−O−、−CH2O−、−N(R7)−、−C(=O)N(R7)−、−SO2N(R7)−、−CH2N(R7)−、および−S(O)0−2−から選択され;
環Bは、5員〜10員のアリールまたは5員〜10員のヘテロシクリルであり;
各々のR2は、独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR4、−N(R4)R4、−S(O)0−2R4、−SO2N(R4)R4、−CO2R4、−C(=O)N(R4)R4、−C(=NR5)N(R4)R4、−C(=NR5)R4、−N(R4)SO2R4、−N(R4)C(O)R4、−NCO2R4、−C(=O)R4、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
2つの隣接するR2は、それらが結合する環原子と一緒になって、5員〜6員環を形成し得、該環は、2つまでのヘテロ原子を含み、そして必要に応じて3つまでのR15で置換され;
L2は、C4アルキレン、C4アルキリデン、C4アルキリジン、−X(CH2)2O−、−X(CH2)2N(R7)−、−XCH2SO2N(R7)−、−XN(R7)C(=O)N(R7)−、−XCH2C(=O)N(R7)−、−(CH2)3X−、−XN(R7)SO2N(R7)−、−XCH2N(R7)SO2−、−CH2X(CH2)2−、−CH=CHC(=O)N(R7)−、−CH=CHSO2N(R7)−、−XCH2N(R7)C(=O)−、−M−M−、−CH2N(R7)C(=O)O−、および−CH2OC(=O)N(R7)−から選択され;ここで、Xは−CH2−、−O−、−N(R7)−、−C(=O)−および−S(O)0−2−から選択され;Mは−C(=O)N(R7)−および−SO2N(R7)−から選択され;そしてL2のうち任意のC−Hは必要に応じてC−R20であり;
環Cは、5員〜10員のアリールまたは5員〜10員のヘテロアリールのどちらかであり;
各々のR3は、独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR4、−N(R4)R4、−S(O)0−2R4、−SO2N(R4)R4、−CO2R4、−C(=O)N(R4)R4、−C(=NR5)N(R4)R4、−C(=NR5)R4、−N(R4)SO2R4、−N(R4)C(O)R4、−NCO2R4、−C(=O)R4、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;但し、R3は、環状スルホンアミドの窒素を介して環Cに結合した環状スルホンアミドではなく;
2つの隣接したR3は、それらが結合する環原子と一緒になって5員環〜6員環を形成し得、該環は、2つまでのヘテロ原子を含み必要に応じて3つまでのR25で置換され;
R4は、−H、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
2つのR4は、それらが結合する共通の窒素原子と一緒になったとき、必要に応じて置換された5員〜7員のヘテロシクリルを形成し得、該必要に応じて置換された5員環〜7員環ヘテロシクリルは、必要に応じて、N、O、SおよびPから選択される少なくとも1つのさらなるヘテロ原子を含み;
R5は、−H、−CN、−NO2、−OR4、−S(O)0−2R4、−CO2R4、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたC1−6アルケニル、および必要に応じて置換されたC1−6アルキニルから選択され;
R7は、−H、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、−SO2N(R4)R4、−CO2R4、−C(=O)N(R4)R4、−C(=NR5)N(R4)R4、−C(=NR5)R4、−C(=O)R4、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;そして
各々のR10、各々のR15、各々のR20、および各々のR25は、独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR4、−N(R4)R4、−S(O)0−2R4、−SO2N(R4)R4、−CO2R4、−C(=O)N(R4)R4、−C(=NR5)N(R4)R4、−C(=NR5)R4、−N(R4)SO2R4、−N(R4)C(O)R4、−NCO2R4、−C(=O)R4、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
但し;
1)環Bおよび環Cの両方がフェニルである場合:
a)かつ該化合物が環B−CH2N(H)C(=O)N(H)−環Cを含む場合、L1は単結合でなければならず;R3は、L2に対してオルト位である、式−O(CH2)2−4−N−ピペラジンの基を含み得ず;そして環Aは5−メチル−[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イルラジカルでも4H−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−オン−3−イルラジカルでも4’−[2,2’;6’,2”]テルピリジニルラジカルでもあり得ず;
b)かつL1が単結合以外である場合、L2は−N(H)C(=O)C(=O)N(H)−も−N(H)C(=Q)C(H)CNC(=O)−も含み得ず(ここで、QはSまたはOである);
c)かつL1が単結合以外である場合、Aはキノリン−2−イル−L1でもキノリン−3−イル−L1でもキノリン−4−イル−L1でもあり得ず;
2)環Aが縮合アリール系である場合、L1は単結合でなければならず;
3)環Bがフェニルである場合、環CはC6−16炭素環式であり、L1は単結合であり、そして該化合物が−環B−OCH2C(=O)N(H)−を含む場合、環Aは2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イルラジカルであり得ず;
4)L1が−N(H)−でありかつ環Bがフェニルである場合、環Aはピリミジン−2−イルラジカルであり得ず;
5)該化合物が以下の式
【化2】
を含み、ここで、Vが=C(H)−または=N−であり、そして環Bに直接結合したL2の窒素が存在する場合、Aは[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イルラジカルを含み得ず;そして
6)該化合物は:
N−ナフタレン−1−イル−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(フェニルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−(2,4,6−トリメチルフェニル)アセトアミド、N−(2−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[3−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2,4−ビス(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジクロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−ブロモフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、メチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、エチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、3−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]安息香酸、N−[3−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−アミノフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、およびN−(4−アセチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド
のうちの1つではない、
化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩、水和物もしくはプロドラッグ。
【請求項2】
L1が単結合である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
環Aが1〜4の間の環窒素を含む、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
請求項3に記載の化合物であって、ここで環Aは以下
【化3】
から選択され、ここで、各々のYは、独立して、=C(H)−または=N−のどちらかであり;そしてZは−O−、−S(O)0−2−および−N(R7)−から選択される、化合物。
【請求項5】
環Bがフェニレンまたはピリジレンである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
L1およびL2が結合する環Bの環原子が隣接しない、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
請求項6に記載の化合物であって、ここでL2は、−X(CH2)2O−、−X(CH2)2N(R7)−、−CH2XC(=O)N(R7)−、−XCH2SO2N(R7)−、−XN(R7)C(=O)N(R7)−および−XCH2C(=O)N(R7)−から選択され;ここで、Xは、−CH2−、−O−、−S(O)0−2−および−N(R7)−から選択され;そしてL2の任意のC−Hは必要に応じてC−R20である、化合物。
【請求項8】
請求項7に記載の化合物であって、ここでL2は、−N(H)N(H)C(=O)N(H)−、−CH2N(H)C(=O)N(H)−、−CH2OC(=O)N(H)−、および−XCH2C(=O)N(H)−から選択され;ここで、Xは、−O−、−S(O)0−2−および−N(R7)−から選択され;そしてL2の任意のC−Hは必要に応じてC−R20である、化合物。
【請求項9】
請求項8に記載の化合物であって、ここで環Aは以下
【化4】
から選択され、ここで各々のYは、独立して=C(H)−または=N−のどちらかであり;そしてZは、−O−、−S−および−N(R7)−から選択される、化合物。
【請求項10】
環Cがフェニレンまたはピリジルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
ハロゲンであるR3が少なくとも1つ存在する、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
トリハロメチルであるR3が少なくとも1つ存在する、請求項10に記載の化合物。
【請求項13】
トリフルオロメチルであるR3が少なくとも1つ存在する、請求項10に記載の化合物。
【請求項14】
環Cが、L2に対してメタ位にトリフルオロメチルラジカルを含むフェニルである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
各々のR3が、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−OR4、−CO2R4、−C(=O)R4および必要に応じて置換されたC1−6アルキルから独立して選択される、請求項10に記載の化合物。
【請求項16】
以下の式II
【化5】
に従うc−Kit活性を調節するための化合物、または該化合物の薬学的に受容可能な塩、水和物もしくはプロドラッグを含み、ここで、
Wは以下
【化6−1】
【化6−2】
から選択され、
各々のR27は、独立して、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR55、−N(R55)R55、−S(O)0−2R55、−SO2N(R55)R55、−CO2R55、−C(=O)N(R55)R55、−C(=NR50)N(R55)R55、−C(=NR50)R55、−N(R55)SO2R55、−N(R55)C(O)R55、−NCO2R55、−C(=O)R55、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
各々のYは独立して=C(H)−または=N−のどちらかであり;
Zは、−O−、−S(O)0−2−および−N(R7)−から選択され;
EおよびGは、各々独立して、−O−、−S(O)0−2−、−C(R31)(R32)−および−N(R33)−から選択され;
J1およびJ2はそれぞれ独立して=C(H)−または=N−であり;
各々のR26およびR30は、独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR40、−N(R40)R40、−S(O)0−2R40、−SO2N(R40)R40、−CO2R40、−C(=O)N(R40)R40、−C(=NR50)N(R40)R40、−C(=NR50)R40、−N(R40)SO2R40、−N(R40)C(O)R40、−NCO2R40、−C(=O)R40、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
2つの隣接したR26および2つの隣接したR30は、それらが結合する環原子と一緒になって、5員〜6員環を形成し得、該環は2つまでのヘテロ原子および必要に応じて置換された3つまでのR35を含み;
R31およびR32は、各々独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR40、−N(R40)R40、−S(O)0−2R40、−SO2N(R40)R40、−CO2R40、−C(=O)N(R40)R40、−C(=NR50)N(R40)R40、−C(=NR50)R40、−N(R40)SO2R40、−N(R40)C(O)R40、−NCO2R40、−C(=O)R40、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
R33は、−H、必要に応じて置換された低級アルキル、−SO2N(R40)R40、−CO2R40、−C(=O)N(R40)R40、−C(=NR50)N(R40)R40、−C(=NR50)R40、−C(=O)R40、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
R40は、−H、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
2つのR40は、それらが結合する共通の窒素原子と一緒になる場合、必要に応じて置換された5員〜7員のヘテロシクリルを形成し、該必要に応じて置換された5員〜7員のヘテロシクリルは、N、O、SおよびPから選択される少なくとも1つのさらなるヘテロ原子を必要に応じて含み;
R50は、−H、−CN、−NO2、−OR40、−S(O)0−2R40、−CO2R40、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたC1−6アルケニル、および必要に応じて置換されたC1−6アルキニルから選択され;
R55は、−H、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;そして
2つのR55は、それらが結合する共通の窒素原子と一緒になる場合、必要に応じて置換された5員〜7員のヘテロシクリルを形成し、該必要に応じて置換された5〜7員環ヘテロシクリルは、N、O、SおよびPから選択される少なくとも1つのさらなるヘテロ原子を必要に応じて含む、
化合物。
【請求項17】
WおよびEが結合する環Bの環炭素が隣接しない、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
請求項17に記載の化合物であって、R30は、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−OR40、−N(R40)R40、−CO2R40、−C(=O)R40、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択される、化合物。
【請求項19】
トリハロメチルであるR30が少なくとも1つ存在する、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
トリフルオロメチルであるR30が少なくとも1つ存在する、請求項18に記載の化合物。
【請求項21】
式III:
【化7】
に従う、請求項18に記載の化合物。
【請求項22】
請求項21に記載の化合物であって、ここでWは以下:
【化8】
から選択され、そしてR27は前記のように定義される、化合物。
【請求項23】
Eは−O−、−S(O)0−2−および−NH−から選択され;そしてGは−CH2−である、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
Eは−CH2−または−NH−のいずれかであり;そしてGは−O−、−S−および−NH−から選択される、請求項22に記載の化合物。
【請求項25】
請求項23または請求項24のいずれかに記載される化合物であって、ここで各々のR3は、独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−OR4、−CO2R4、−C(=O)R4、および必要に応じて置換されたC1−6アルキルから選択される、化合物。
【請求項26】
R30のうち少なくとも1つは、−E−G−C(=O)N(H)−に対してメタ位のトリフルオロメチルラジカルである、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
請求項1または請求項16のいずれかに記載の化合物であって、表3:
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
【化34】
【化35】
【化36】
【化37】
【化38】
【化39】
【化40】
【化41】
【化42】
【化43】
より選択される、化合物。
【請求項28】
請求項1〜27のいずれか1つに記載の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
【請求項29】
請求項1〜28のいずれか1つに記載の化合物または薬学的組成物の、代謝産物。
【請求項30】
キナーゼのインビボ活性を調節するための方法であって、該方法は、請求項1〜27のいずれか1つに記載の化合物またはN−ナフタレン−1−イル−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(フェニルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−(2,4,6−トリメチルフェニル)アセトアミド、N−(2−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[3−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2,4−ビス(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジクロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−ブロモフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、メチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、エチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、3−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]安息香酸、N−[3−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−アミノフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、およびN−(4−アセチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミドから選択される化合物の有効量を被験体に投与する工程を含む、方法。
【請求項31】
前記キナーゼがc−Kitである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
c−Kitのインビボ活性を調節する工程がc−Kitの阻害を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
制御されない細胞活性、異常な細胞活性および/または所望されない細胞活性に関係する疾患または障害を処置する方法であって、該方法は、該処置を必要とする哺乳動物に対して、請求項1〜請求項28のうちのいずれか1つに記載される化合物もしくは薬学的組成物の治療有効量、またはN−ナフタレン−1−イル−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(フェニルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,5−ジメチル−フェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−(2,4,6−トリメチルフェニル)アセトアミド、N−(2−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[3−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2,4−ビス(メチル−オキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)−フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジクロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−ブロモフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[3−(トリフルオロ−メチル)フェニル]アセトアミド、メチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、エチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、3−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]安息香酸、N−[3−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−アミノフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、およびN−(4−アセチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミドから選択される化合物もしくは該化合物を含む薬学的組成物の治療有効量を投与する工程を含む、方法。
【請求項34】
c−Kitの調節因子についてスクリーニングする方法であって、該方法は、請求項1〜請求項27のうちのいずれか1つに記載の化合物またはN−ナフタレン−1−イル−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(フェニルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−(2,4,6−トリメチルフェニル)アセトアミド、N−(2−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[3−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2,4−ビス(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジクロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−ブロモフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、メチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、エチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、3−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]安息香酸、N−[3−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−アミノフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、およびN−(4−アセチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミドから選択される化合物と、少なくとも該候補因子とを組み合わせる工程、ならびにc−Kit活性に対する該候補因子の効果を決定する工程を含む、方法。
【請求項35】
細胞における増殖活性を阻害する方法であって、該方法は、請求項1〜27のいずれか1つに記載の化合物、またはN−ナフタレン−1−イル−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(フェニルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−(2,4,6−トリメチルフェニル)アセトアミド、N−(2−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[3−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2,4−ビス(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジクロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−ブロモフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、メチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、エチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、3−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]安息香酸、N−[3−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−アミノフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、およびN−(4−アセチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミドから選択される化合物を含む有効量の組成物を、1細胞または複数の細胞に投与する工程を含む、方法。
【請求項1】
式I
【化1】
に従うc−Kit活性を調節するための化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩、水和物もしくはプロドラッグであって、ここで、
環Aは5員〜14員のヘテロアリールであり;
各々のR1は、独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR4、−N(R4)R4、−S(O)0−2R4、−SO2N(R4)R4、−CO2R4、−C(=O)N(R4)R4、−C(=NR5)N(R4)R4、−C(=NR5)R4、−N(R4)SO2R4、−N(R4)C(O)R4、−NCO2R4、−C(=O)R4、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
2つの隣接したR1は、それらが結合する環原子と一緒になって、5員環〜6員環を形成し得、該環は、2つまでのヘテロ原子を含み、そして必要に応じて3つまでのR10で置換され;
L1は、単結合、必要に応じて置換されたC1−2アルキレン、−O−、−CH2O−、−N(R7)−、−C(=O)N(R7)−、−SO2N(R7)−、−CH2N(R7)−、および−S(O)0−2−から選択され;
環Bは、5員〜10員のアリールまたは5員〜10員のヘテロシクリルであり;
各々のR2は、独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR4、−N(R4)R4、−S(O)0−2R4、−SO2N(R4)R4、−CO2R4、−C(=O)N(R4)R4、−C(=NR5)N(R4)R4、−C(=NR5)R4、−N(R4)SO2R4、−N(R4)C(O)R4、−NCO2R4、−C(=O)R4、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
2つの隣接するR2は、それらが結合する環原子と一緒になって、5員〜6員環を形成し得、該環は、2つまでのヘテロ原子を含み、そして必要に応じて3つまでのR15で置換され;
L2は、C4アルキレン、C4アルキリデン、C4アルキリジン、−X(CH2)2O−、−X(CH2)2N(R7)−、−XCH2SO2N(R7)−、−XN(R7)C(=O)N(R7)−、−XCH2C(=O)N(R7)−、−(CH2)3X−、−XN(R7)SO2N(R7)−、−XCH2N(R7)SO2−、−CH2X(CH2)2−、−CH=CHC(=O)N(R7)−、−CH=CHSO2N(R7)−、−XCH2N(R7)C(=O)−、−M−M−、−CH2N(R7)C(=O)O−、および−CH2OC(=O)N(R7)−から選択され;ここで、Xは−CH2−、−O−、−N(R7)−、−C(=O)−および−S(O)0−2−から選択され;Mは−C(=O)N(R7)−および−SO2N(R7)−から選択され;そしてL2のうち任意のC−Hは必要に応じてC−R20であり;
環Cは、5員〜10員のアリールまたは5員〜10員のヘテロアリールのどちらかであり;
各々のR3は、独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR4、−N(R4)R4、−S(O)0−2R4、−SO2N(R4)R4、−CO2R4、−C(=O)N(R4)R4、−C(=NR5)N(R4)R4、−C(=NR5)R4、−N(R4)SO2R4、−N(R4)C(O)R4、−NCO2R4、−C(=O)R4、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;但し、R3は、環状スルホンアミドの窒素を介して環Cに結合した環状スルホンアミドではなく;
2つの隣接したR3は、それらが結合する環原子と一緒になって5員環〜6員環を形成し得、該環は、2つまでのヘテロ原子を含み必要に応じて3つまでのR25で置換され;
R4は、−H、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
2つのR4は、それらが結合する共通の窒素原子と一緒になったとき、必要に応じて置換された5員〜7員のヘテロシクリルを形成し得、該必要に応じて置換された5員環〜7員環ヘテロシクリルは、必要に応じて、N、O、SおよびPから選択される少なくとも1つのさらなるヘテロ原子を含み;
R5は、−H、−CN、−NO2、−OR4、−S(O)0−2R4、−CO2R4、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたC1−6アルケニル、および必要に応じて置換されたC1−6アルキニルから選択され;
R7は、−H、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、−SO2N(R4)R4、−CO2R4、−C(=O)N(R4)R4、−C(=NR5)N(R4)R4、−C(=NR5)R4、−C(=O)R4、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;そして
各々のR10、各々のR15、各々のR20、および各々のR25は、独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR4、−N(R4)R4、−S(O)0−2R4、−SO2N(R4)R4、−CO2R4、−C(=O)N(R4)R4、−C(=NR5)N(R4)R4、−C(=NR5)R4、−N(R4)SO2R4、−N(R4)C(O)R4、−NCO2R4、−C(=O)R4、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
但し;
1)環Bおよび環Cの両方がフェニルである場合:
a)かつ該化合物が環B−CH2N(H)C(=O)N(H)−環Cを含む場合、L1は単結合でなければならず;R3は、L2に対してオルト位である、式−O(CH2)2−4−N−ピペラジンの基を含み得ず;そして環Aは5−メチル−[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イルラジカルでも4H−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−オン−3−イルラジカルでも4’−[2,2’;6’,2”]テルピリジニルラジカルでもあり得ず;
b)かつL1が単結合以外である場合、L2は−N(H)C(=O)C(=O)N(H)−も−N(H)C(=Q)C(H)CNC(=O)−も含み得ず(ここで、QはSまたはOである);
c)かつL1が単結合以外である場合、Aはキノリン−2−イル−L1でもキノリン−3−イル−L1でもキノリン−4−イル−L1でもあり得ず;
2)環Aが縮合アリール系である場合、L1は単結合でなければならず;
3)環Bがフェニルである場合、環CはC6−16炭素環式であり、L1は単結合であり、そして該化合物が−環B−OCH2C(=O)N(H)−を含む場合、環Aは2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イルラジカルであり得ず;
4)L1が−N(H)−でありかつ環Bがフェニルである場合、環Aはピリミジン−2−イルラジカルであり得ず;
5)該化合物が以下の式
【化2】
を含み、ここで、Vが=C(H)−または=N−であり、そして環Bに直接結合したL2の窒素が存在する場合、Aは[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イルラジカルを含み得ず;そして
6)該化合物は:
N−ナフタレン−1−イル−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(フェニルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−(2,4,6−トリメチルフェニル)アセトアミド、N−(2−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[3−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2,4−ビス(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジクロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−ブロモフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、メチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、エチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、3−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]安息香酸、N−[3−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−アミノフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、およびN−(4−アセチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド
のうちの1つではない、
化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩、水和物もしくはプロドラッグ。
【請求項2】
L1が単結合である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
環Aが1〜4の間の環窒素を含む、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
請求項3に記載の化合物であって、ここで環Aは以下
【化3】
から選択され、ここで、各々のYは、独立して、=C(H)−または=N−のどちらかであり;そしてZは−O−、−S(O)0−2−および−N(R7)−から選択される、化合物。
【請求項5】
環Bがフェニレンまたはピリジレンである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
L1およびL2が結合する環Bの環原子が隣接しない、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
請求項6に記載の化合物であって、ここでL2は、−X(CH2)2O−、−X(CH2)2N(R7)−、−CH2XC(=O)N(R7)−、−XCH2SO2N(R7)−、−XN(R7)C(=O)N(R7)−および−XCH2C(=O)N(R7)−から選択され;ここで、Xは、−CH2−、−O−、−S(O)0−2−および−N(R7)−から選択され;そしてL2の任意のC−Hは必要に応じてC−R20である、化合物。
【請求項8】
請求項7に記載の化合物であって、ここでL2は、−N(H)N(H)C(=O)N(H)−、−CH2N(H)C(=O)N(H)−、−CH2OC(=O)N(H)−、および−XCH2C(=O)N(H)−から選択され;ここで、Xは、−O−、−S(O)0−2−および−N(R7)−から選択され;そしてL2の任意のC−Hは必要に応じてC−R20である、化合物。
【請求項9】
請求項8に記載の化合物であって、ここで環Aは以下
【化4】
から選択され、ここで各々のYは、独立して=C(H)−または=N−のどちらかであり;そしてZは、−O−、−S−および−N(R7)−から選択される、化合物。
【請求項10】
環Cがフェニレンまたはピリジルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
ハロゲンであるR3が少なくとも1つ存在する、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
トリハロメチルであるR3が少なくとも1つ存在する、請求項10に記載の化合物。
【請求項13】
トリフルオロメチルであるR3が少なくとも1つ存在する、請求項10に記載の化合物。
【請求項14】
環Cが、L2に対してメタ位にトリフルオロメチルラジカルを含むフェニルである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
各々のR3が、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−OR4、−CO2R4、−C(=O)R4および必要に応じて置換されたC1−6アルキルから独立して選択される、請求項10に記載の化合物。
【請求項16】
以下の式II
【化5】
に従うc−Kit活性を調節するための化合物、または該化合物の薬学的に受容可能な塩、水和物もしくはプロドラッグを含み、ここで、
Wは以下
【化6−1】
【化6−2】
から選択され、
各々のR27は、独立して、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR55、−N(R55)R55、−S(O)0−2R55、−SO2N(R55)R55、−CO2R55、−C(=O)N(R55)R55、−C(=NR50)N(R55)R55、−C(=NR50)R55、−N(R55)SO2R55、−N(R55)C(O)R55、−NCO2R55、−C(=O)R55、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
各々のYは独立して=C(H)−または=N−のどちらかであり;
Zは、−O−、−S(O)0−2−および−N(R7)−から選択され;
EおよびGは、各々独立して、−O−、−S(O)0−2−、−C(R31)(R32)−および−N(R33)−から選択され;
J1およびJ2はそれぞれ独立して=C(H)−または=N−であり;
各々のR26およびR30は、独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR40、−N(R40)R40、−S(O)0−2R40、−SO2N(R40)R40、−CO2R40、−C(=O)N(R40)R40、−C(=NR50)N(R40)R40、−C(=NR50)R40、−N(R40)SO2R40、−N(R40)C(O)R40、−NCO2R40、−C(=O)R40、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
2つの隣接したR26および2つの隣接したR30は、それらが結合する環原子と一緒になって、5員〜6員環を形成し得、該環は2つまでのヘテロ原子および必要に応じて置換された3つまでのR35を含み;
R31およびR32は、各々独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−NO2、−OR40、−N(R40)R40、−S(O)0−2R40、−SO2N(R40)R40、−CO2R40、−C(=O)N(R40)R40、−C(=NR50)N(R40)R40、−C(=NR50)R40、−N(R40)SO2R40、−N(R40)C(O)R40、−NCO2R40、−C(=O)R40、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
R33は、−H、必要に応じて置換された低級アルキル、−SO2N(R40)R40、−CO2R40、−C(=O)N(R40)R40、−C(=NR50)N(R40)R40、−C(=NR50)R40、−C(=O)R40、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
R40は、−H、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
2つのR40は、それらが結合する共通の窒素原子と一緒になる場合、必要に応じて置換された5員〜7員のヘテロシクリルを形成し、該必要に応じて置換された5員〜7員のヘテロシクリルは、N、O、SおよびPから選択される少なくとも1つのさらなるヘテロ原子を必要に応じて含み;
R50は、−H、−CN、−NO2、−OR40、−S(O)0−2R40、−CO2R40、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたC1−6アルケニル、および必要に応じて置換されたC1−6アルキニルから選択され;
R55は、−H、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;そして
2つのR55は、それらが結合する共通の窒素原子と一緒になる場合、必要に応じて置換された5員〜7員のヘテロシクリルを形成し、該必要に応じて置換された5〜7員環ヘテロシクリルは、N、O、SおよびPから選択される少なくとも1つのさらなるヘテロ原子を必要に応じて含む、
化合物。
【請求項17】
WおよびEが結合する環Bの環炭素が隣接しない、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
請求項17に記載の化合物であって、R30は、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−OR40、−N(R40)R40、−CO2R40、−C(=O)R40、必要に応じて置換されたアルコキシ、必要に応じて置換されたC1−6アルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアリールC1−6アルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、および必要に応じて置換されたヘテロシクリルC1−6アルキルから選択される、化合物。
【請求項19】
トリハロメチルであるR30が少なくとも1つ存在する、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
トリフルオロメチルであるR30が少なくとも1つ存在する、請求項18に記載の化合物。
【請求項21】
式III:
【化7】
に従う、請求項18に記載の化合物。
【請求項22】
請求項21に記載の化合物であって、ここでWは以下:
【化8】
から選択され、そしてR27は前記のように定義される、化合物。
【請求項23】
Eは−O−、−S(O)0−2−および−NH−から選択され;そしてGは−CH2−である、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
Eは−CH2−または−NH−のいずれかであり;そしてGは−O−、−S−および−NH−から選択される、請求項22に記載の化合物。
【請求項25】
請求項23または請求項24のいずれかに記載される化合物であって、ここで各々のR3は、独立して、−H、ハロゲン、トリハロメチル、−OR4、−CO2R4、−C(=O)R4、および必要に応じて置換されたC1−6アルキルから選択される、化合物。
【請求項26】
R30のうち少なくとも1つは、−E−G−C(=O)N(H)−に対してメタ位のトリフルオロメチルラジカルである、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
請求項1または請求項16のいずれかに記載の化合物であって、表3:
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
【化34】
【化35】
【化36】
【化37】
【化38】
【化39】
【化40】
【化41】
【化42】
【化43】
より選択される、化合物。
【請求項28】
請求項1〜27のいずれか1つに記載の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
【請求項29】
請求項1〜28のいずれか1つに記載の化合物または薬学的組成物の、代謝産物。
【請求項30】
キナーゼのインビボ活性を調節するための方法であって、該方法は、請求項1〜27のいずれか1つに記載の化合物またはN−ナフタレン−1−イル−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(フェニルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−(2,4,6−トリメチルフェニル)アセトアミド、N−(2−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[3−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2,4−ビス(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジクロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−ブロモフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、メチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、エチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、3−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]安息香酸、N−[3−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−アミノフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、およびN−(4−アセチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミドから選択される化合物の有効量を被験体に投与する工程を含む、方法。
【請求項31】
前記キナーゼがc−Kitである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
c−Kitのインビボ活性を調節する工程がc−Kitの阻害を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
制御されない細胞活性、異常な細胞活性および/または所望されない細胞活性に関係する疾患または障害を処置する方法であって、該方法は、該処置を必要とする哺乳動物に対して、請求項1〜請求項28のうちのいずれか1つに記載される化合物もしくは薬学的組成物の治療有効量、またはN−ナフタレン−1−イル−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(フェニルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,5−ジメチル−フェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−(2,4,6−トリメチルフェニル)アセトアミド、N−(2−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[3−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2,4−ビス(メチル−オキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)−フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジクロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−ブロモフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[3−(トリフルオロ−メチル)フェニル]アセトアミド、メチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、エチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、3−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]安息香酸、N−[3−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−アミノフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、およびN−(4−アセチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミドから選択される化合物もしくは該化合物を含む薬学的組成物の治療有効量を投与する工程を含む、方法。
【請求項34】
c−Kitの調節因子についてスクリーニングする方法であって、該方法は、請求項1〜請求項27のうちのいずれか1つに記載の化合物またはN−ナフタレン−1−イル−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(フェニルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−(2,4,6−トリメチルフェニル)アセトアミド、N−(2−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[3−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2,4−ビス(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジクロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−ブロモフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、メチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、エチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、3−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]安息香酸、N−[3−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−アミノフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、およびN−(4−アセチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミドから選択される化合物と、少なくとも該候補因子とを組み合わせる工程、ならびにc−Kit活性に対する該候補因子の効果を決定する工程を含む、方法。
【請求項35】
細胞における増殖活性を阻害する方法であって、該方法は、請求項1〜27のいずれか1つに記載の化合物、またはN−ナフタレン−1−イル−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(フェニルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,4−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(3,5−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−(2,4,6−トリメチルフェニル)アセトアミド、N−(2−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−エチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[3−(エチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2,4−ビス(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2,3−ジクロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−ブロモフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(2−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−フルオロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド、メチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、エチル4−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]ベンゾエート、3−[({[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセチル)アミノ]安息香酸、N−[3−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−(メチルオキシ)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−{[3−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−クロロフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、N−(4−アミノフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミド、およびN−(4−アセチルフェニル)−2−{[3−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル]オキシ}アセトアミドから選択される化合物を含む有効量の組成物を、1細胞または複数の細胞に投与する工程を含む、方法。
【公表番号】特表2007−504160(P2007−504160A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524905(P2006−524905)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/028001
【国際公開番号】WO2005/020921
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(506024489)エグゼリクシス, インコーポレイテッド (50)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/028001
【国際公開番号】WO2005/020921
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(506024489)エグゼリクシス, インコーポレイテッド (50)
【Fターム(参考)】
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