説明

nチャネルMOSトランジスタおよびその製造方法、半導体装置

【課題】ゲートファーストプロセスで形成できる、金属化合物をゲート電極パターンとして使うnチャネルMOSトランジスタにおいて、pチャネルMOSトランジスタのゲート電極パターンに使われる金属化合物に対し、前記nチャネルMOSトランジスタのゲート電極パターンに使われる金属化合物の仕事関数差を増大させる。
【解決手段】nチャネルMOSトランジスタは、p型シリコン活性領域上にゲート絶縁膜を介して形成された導電性金属窒化物よりなるゲート電極パターンと、前記p型シリコン活性領域中、前記ゲート電極パターンの一方および他方の側にそれぞれ形成されたn型のソースおよびドレイン領域と、を含み、前記導電性金属窒化物は、SiおよびV族元素を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に半導体装置に係り、特に金属化合物よりなるゲート電極を有する高速半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シリコンチャネル層を有するMOSトランジスタでは、ゲート電極としてポリシリコン電極を使い、チャネル導電型に合わせて前記ポリシリコンゲート電極の導電型を選択することにより、pチャネルMOSトランジスタおよびnチャネルMOSトランジスタの閾値制御を行っている。
【0003】
一方最近の、ゲート長が60nmを切り、さらには30nmをも切るような超微細化・超高速MOSトランジスタでは、ゲート長の短縮に伴い、ポリシリコンゲート電極を使った場合、微細化に伴うゲート抵抗の増大や、ゲート電極内における空乏層の形成による閾値特性の変調、およびこれに伴う駆動電流の減少などの問題が生じており、これらの問題を解決するため、金属あるいは導電性金属化合物、例えば導電性窒化物よりなる、いわゆる「メタルゲート電極」を使う試みがなされている。以下では、「メタルゲート電極」なる用語を、金属材料よりなるゲートのみならず、このような導電性金属化合物をも含む意味で使用する。
【0004】
このようなメタルゲート電極を使ったpチャネルMOSトランジスタおよびnチャネルMOSトランジスタでは、従来使われていたチャネル不純物濃度や不純物濃度プロファイルを変更せずに済むのが望ましいが、このためには、ゲート電極を形成する金属あるいは金属化合物の仕事関数を、pチャネルMOSトランジスタとnチャネルMOSトランジスタとで制御し、pチャネルMOSトランジスタとnチャネルMOSトランジスタとで閾値特性を揃える必要がある。従来のpチャネルMOSトランジスタで使われているp+型のポリシリコンゲート電極とnチャネルMOSトランジスタで使われているn+型のポリシリコンゲート電極とでは、約1eVの仕事関数差が存在するため、pチャネルMOSトランジスタに使われるメタルゲート電極とnチャネルMOSトランジスタで使われるメタルゲート電極との間においても、理想的には約1eVの仕事関数差が存在するのが好ましい。
【特許文献1】特開2006−295123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、このようなメタルゲート電極としてHfNを使い、nチャネルMOSトランジスタのメタルゲート電極とpチャネルMOSトランジスタのメタルゲート電極とで窒素(N)の濃度を変化させることで、両者の間に0.8eVを超え、1eVに達する仕事関数差を実現できることが開示されている。
【0006】
一方この技術では、メタルゲートに加えられる熱処理温度を500℃程度、あるいはそれ以下に抑制する必要があり、より高い温度での熱処理を行うと、仕事関数差が実質的に消滅してしまう問題が生じる。このため、特許文献1の技術では、ソースおよびドレイン領域を形成するイオン注入工程に伴う、1000℃程度の高温での活性化熱処理の影響を回避する必要があり、最初にダミーゲート電極パターンを形成しておき、ソースおよびドレイン領域を形成するイオン注入工程およびこれに伴う熱処理工程が終了した後、前記ダミーゲート電極パターンを除去し、前記HfNメタルゲート電極に置き換える製造工程(いわゆる「ゲートラスト工程」)が採用されている。
【0007】
しかし、このようなゲートラスト工程は、特にゲート長が60nmあるいは30nmを切るような超微細化・超高速半導体装置の製造においては、実行が困難で、製造費用が増大する問題点を有している。
【0008】
本発明は、いわゆるメタルゲート電極を使いながら、通常の半導体装置の製造工程と同様に、最初にゲート電極パターンを形成し、その後でソースおよびドレイン領域などの拡散領域を形成する工程で製造でき、nチャネルMOSトランジスタとpチャネルMOSトランジスタとの間でメタルゲート電極の仕事関数差を、不純物元素の活性化熱処理を行った後においても、可能な限り増大させることができる半導体装置の製造方法を提供することを概括的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一の側面によれば本発明は、p型シリコン活性領域上にゲート絶縁膜を介して形成された導電性金属窒化物よりなるゲート電極パターンと、前記p型シリコン活性領域中、前記ゲート電極パターンの一方および他方の側にそれぞれ形成されたn型のソースおよびドレイン領域と、を含むnチャネルMOSトランジスタであって、前記導電性金属窒化物は、SiおよびV族元素を含むnチャネルMOSトランジスタを、提供する。
【0010】
他の側面によれば本発明は、p型シリコン活性層上に導電性金属窒化物よりなるゲート電極パターンを、ゲート絶縁膜を介して形成する工程と、前記p型シリコン活性層中に、前記ゲート電極パターンをマスクに、n型不純物元素をイオン注入法により導入する工程と、前記n型不純物元素を、熱処理により活性化し、前記n型シリコン活性層中、前記ゲート電極パターンの一方および他方の側に、n型のソースおよびドレイン領域を形成する工程と、を含むnチャネルMOSトランジスタの製造方法であって、前記導電性金属窒化物は、SiおよびV族元素を含むnチャネルMOSトランジスタの製造方法を、提供する。
【0011】
他の側面によれば本発明は、p型シリコン活性領域とn型シリコン活性領域とを備えた基板と、前記p型シリコン活性領域上に形成されたnチャネルMOSトランジスタと、前記n型シリコン活性領域上に形成されたpチャネルMOSトランジスタと、を含み、前記nチャネルMOSトランジスタは、前記p型シリコン活性領域上に第1のゲート絶縁膜を介して形成された第1の組成の導電性窒化物よりなる第1のゲート電極パターンと、前記第1のゲート電極パターン上に形成された第1のシリサイド膜とよりなる第1の積層ゲート構造と、前記p型シリコン活性領域中、前記第1の積層ゲート構造の一方および他方の側にそれぞれ形成された、n型のソースおよびドレイン領域と、を含み、前記pチャネルMOSトランジスタは、前記n型シリコン活性領域上に第2のゲート絶縁膜を介して形成された第2の組成の導電性窒化物よりなる第2のゲート電極パターンと、前記第2のゲート電極パターン上に形成された第2のシリサイド膜とよりなる第2の積層ゲート構造と、前記n型シリコン活性領域中、前記第2の積層ゲート構造の一方および他方の側にそれぞれ形成された、p型のソースおよびドレイン領域と、を含み、前記第1の組成の導電性窒化物は、さらにSiとV族元素とを含み、前記第2の組成の導電性窒化物は、SiとV族元素を、いずれも含まない半導体装置を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、nチャネルMOSトランジスタのゲート電極パターンを導電性金属窒化物より構成し、その際前記導電性金属窒化物にSiおよびV族元素を加えることで、同じく導電性金属窒化物よりなるが、SiおよびV族元素を含まないpチャネルMOSトランジスタのゲート電極パターンに対して大きな仕事関数差を実現することが可能となる。例えば、pチャネルMOSトランジスタのゲート電極パターンにHfNを使い、nチャネルMOSトランジスタのゲート電極パターンにHfSiNを使うことにより、nチャネルMOSトランジスタのゲート電極パターンにおいて、前記pチャネルMOSトランジスタのゲート電極パターンに対して0.36eVの仕事関数差を実現できるが、さらに前記HfSiNよりなるnチャネルMOSトランジスタのゲート電極パターンにPを導入することにより、前記仕事関数差をさらに拡大させ、0.44eVあるいはそれ以上の仕事関数差を実現することが可能となる。
【0013】
本発明によれば、前記仕事関数差は、1000℃に達する熱処理の後でも維持され、従って、ゲート電極パターンを先に形成し、その後でソース/ドレイン領域をイオン注入および活性化熱処理で形成する、いわゆる「ゲートファースト」工程を採用することが可能となり、半導体装置の製造費用を大きく低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[原理]
図1は、本発明の基礎となる研究においてフラット電圧Vfbの測定に使われた試料の構成を示す図、図2は、前記図1の試料について測定したフラットバンド電圧Vfbを示すグラフである。本発明で使われる導電性窒化物の仕事関数は、図2のグラフより求められる。
【0015】
最初に図1を参照するに、前記試料はp型シリコン基板1上に形成されており、前記シリコン基板1上に、16〜27nmの範囲の様々な膜厚で形成されたシリコン酸化膜2と、前記シリコン酸化膜2上にMOCVD法により形成された導電性窒化膜よりなる電極膜3とを備え、全体としてキャパシタ構造を形成している。
【0016】
図2は、前記図1の試料について、1000℃で1秒間の熱処理の後、キャパシタンス測定により求めたフラットバンド電圧Vfbを、前記シリコン酸化膜2の膜厚の関数として示している。ただし図2において横軸は、前記図1の酸化膜2の膜厚CET[nm]を示し、縦軸がフラットバンド電圧Vfb[V]を示す。図2のプロットにおいて、前記フラットバンド電圧Vfbと膜厚CETの関係を、前記酸化膜2の膜厚がゼロになるまで外挿した場合のフラットバンド電圧Vfbの値が、前記電極3を構成する導電性材料の仕事関数Φmに対応する。例えば前記フラットバンド電圧Vfbがゼロボルト(0V)の場合、仕事関数Φmは5.0eVとなり、−1ボルトの場合、4.0eVとなる。
【0017】
図2を参照するに、「HfN Gate」は、前記特許文献1でpチャネルMOSトランジスタのゲート電極パターンに使われたHfN膜であり、MOCVD法により形成されたHfN膜中に窒素をイオン注入法によりNを、1×1022cm-3の濃度で含まれるように導入された導電性窒化物膜である。図2より、このHfN膜の場合、前記熱処理後の仕事関数Φmは5.0eVよりやや大きく、5.05eVであることがわかる。
【0018】
一方、前記図2中、「HfSiN Gate」は、前記HfN膜にSiを、Hfに対して略1:1の割合で、例えばイオン注入法により添加したHfSiN膜であり、前記熱処理後の仕事関数Φmが、4.69eVまで減少しているのがわかる。
【0019】
さらに図2中、「HfSiN(P+) Gate」は、前記HfSiN Gateの膜に対し、P(リン)を1×1019cm-3の濃度でイオン注入した、HfSiNP膜であり、前記熱処理後の仕事関数Φmが、さらに0.08eV減少し(ΔΦm=0.08eV)、4.61eVに達しているのがわかる。
【0020】
このようなHfSiNP膜では、1000℃に達する熱処理に対しても、前記低い仕事関数が維持されるため、ゲート電極パターンがこのような高温での熱処理に晒されるファーストゲートプロセスへの適用が可能であり、前記HfSiNP膜をゲート電極パターンに使った場合、nチャネルMOSトランジスタの製造費用を大きく低減することが可能となる。その際、前記HfSiNP膜は、前記HfN膜に対し、前記HfSiN膜を使った場合よりもさらに大きな仕事関数差を確保することができる。
【0021】
前記「HfSiN(P+)」と記したHfSiNP膜の仕事関数の、前記「HfN Gate」と記したpチャネルMOSトランジスタのゲート電極パターンに使われるHfN膜の仕事関数に対する仕事関数差は、nチャネルMOSトランジスタの性能面において理想的に望まれる1.0eVには達していないが、携帯電話などのモバイル用途で使われるnチャネルMOSトランジスタでは、このような仕事関数差の材料をゲート電極パターンとした場合でも性能的には十分に使用可能であり、ゲートファーストプロセスの採用により得られる半導体装置製造コストの削減は、上記性能の不足を補って余りがある。
[第1の実施形態]
図3A〜3Iは、本発明の第1の実施形態による半導体装置の製造工程を示す。
【0022】
図3Aを参照するに、p型シリコン基板21上には素子分離領域21Iにより、nチャネルMOSトランジスタの素子領域21AとpチャネルMOSトランジスタの素子領域21Bとが画成されており、前記素子領域21Aにはp型ウェル21pwが、前記素子領域21Bにはn型ウェル21nwが形成されている。
【0023】
前記シリコン基板21の表面には、SiON膜、あるいはHfSiON膜、HfSiO4膜、HfO2膜などの、いわゆるlow−K膜よりなる絶縁膜22が、1.2nm程度の膜厚に、MOCVD法あるいはALD法により形成されており、前記絶縁膜22上には、HfN膜23がMOCVD法により形成される。あるいは、前記HfN膜は、HfNターゲットを使ったスパッタ法、あるいはHfターゲットを使い、N雰囲気中で実行される反応性スパッタ法により形成することもできる。
【0024】
このようにして形成されたHfN膜23には、さらに窒素原子がイオン注入法により導入され、膜中のN濃度が1×1022cm-3以上に設定される。
【0025】
次に図3Bの工程において、前記HfN膜23上に前記素子領域21Bを覆うようにレジストパターンR1を形成し、前記レジストパターンR1をマスクに前記HfN膜23を前記絶縁膜22が露出するまでエッチングにより除去し、前記絶縁膜22上に、前記素子領域21Bを覆うHfN膜パターン23Bを形成する。
【0026】
さらに図3Cの工程において前記レジストパターンR1を除去した後、HfN膜24を前記HfN膜23と同様にMOCVD法あるいはスパッタ法により、前記HfN膜23の膜厚と略等しい膜厚で形成し、さらに図3Cの工程では、このようにして形成されたHfN膜24にSiおよびPをイオン注入し、前記HfN膜24に、これを後の熱処理によりHfとSiをほぼ等量含むHfSiNP膜に変換するに十分なSiとPを導入する。以下では、このようなSiとPを導入されたHfN膜24をHfSiNP膜と記載する。
【0027】
さらに図3Dの工程において、前記HfSiNP膜24上に、前記素子領域21Aを覆うようにレジストパターンR2を形成し、さらに前記レジストパターンR2をマスクに、前記HfSiNP膜24をその下のHfN膜パターン23Bが露出するまでエッチングする。その結果、図3Eに示すように、前記素子領域21Aには、前記素子領域21B上のHfN膜パターン23Bと略等しい膜厚のHfSiNP膜パターン24Aが形成される。
【0028】
次に図3Fの工程において、前記図3Eの構造上にMoN膜などの低抵抗膜25が、前記素子領域21Aおよび21Bを連続して覆うように、例えばスパッタ法あるいはMOCVD法により形成され、図3Gの工程において、前記MoN膜25上にアモルファスシリコンあるいはポリシリコンよりなるシリコン膜26が、前記素子領域21Aおよび21Bを連続して覆うように形成される。前記シリコン膜26は、その下のMoNなどにより処理装置の処理室や配管が汚染されるのを抑制するために設けられる。
【0029】
さらに前記図3Gの工程では、前記シリコン膜26上に、前記素子領域21AにおいてはレジストパターンR3Aが、また素子領域21BにおいてはレジストパターンR3Bが、それぞれ形成しようとしているnチャネルMOSトランジスタおよびpチャネルMOSトランジスタのチャネル領域に対応して形成され、図3Hの工程において前記レジストパターンR3A,R3Bをマスクに、前記シリコン層26、MoN低抵抗膜25,HfSiNP膜パターン24A、HfN膜パターン23B、および絶縁膜22がパターニングされ、前記素子領域21Aでは、前記絶縁膜22のパターニングにより形成されるゲート絶縁膜22A上に、前記HfSiNP膜パターン24A,低抵抗膜パターン25A,Si膜パターン26Aを積層したゲート電極構造GAが形成される。
【0030】
同様に図3Hの工程では前記素子領域21Bにおいて、前記絶縁膜22のパターニングにより形成されるゲート絶縁膜22B上に、前記HfSiNP膜パターン24B,低抵抗膜パターン25B,Si膜パターン26Bを積層したゲート電極構造GBが形成される。
【0031】
図3Hの工程では、さらに前記ゲート電極構造GAをマスクに、As+あるいはP+のイオン注入が、前記素子領域21Aに対して行われ、前記p側ウェル21pw中、前記ゲート電極構造GAの第1および第2の側に、n型のソースエクステンション領域21aおよびドレインエクステンション領域21bが、それぞれ形成される。
【0032】
同様に前記図3Hの工程では、前記ゲート電極構造GBをマスクに、B+のイオン注入が、前記素子領域21Bに対して行われ、前記n側ウェル21nw中、前記ゲート電極構造GBの第1および第2の側に、p型のソースエクステンション領域21cおよびドレインエクステンション領域21dが、それぞれ形成される。
【0033】
さらに図3Hの工程では、前記ゲート電極構造GAおよびGBのそれぞれの側壁面に例えばSiNよりなる側壁絶縁膜SWが形成され、前記素子領域21Aにおいて前記ゲート電極構造GAをマスクにAs+あるいはP+のイオン注入を行うことにより、前記p型ウェル21pw中、前記側壁絶縁膜のそれぞれ外側に、n型ソース拡散領域21eおよびn型ドレイン拡散領域21fが形成される。
【0034】
同様に、前記素子領域21Bにおいて前記ゲート電極構造GBをマスクにB+のイオン注入を行うことにより、前記n型ウェル21nw中、前記側壁絶縁膜のそれぞれ外側に、p型ソース拡散領域21gおよびp型ドレイン拡散領域21hが形成される。
【0035】
図3Hの構造は、さらに1000℃で1秒間熱処理され、前記ソース/ドレインエクステンション領域21a〜21d、およびソース/ドレイン拡散領域21e〜21hにおいて、それぞれの不純物元素が活性化される。
【0036】
同時に、前記ゲート電極構造GAにおいて前記ゲート絶縁膜22Aと接し、実質的なゲート電極を構成する前記HfNSiP膜パターン24Aにおいても、先に図3Aの工程で導入されたNとSiとPが活性化される。これにより、先に図1で説明したように、前記HfNSiP膜パターン24Aの仕事関数が変化し、前記ゲート電極構造GBにおいてゲート絶縁膜22Bと接し、実質的なゲート電極を構成するHfN膜パターン23Bに対して、0.44eVの仕事関数差を実現することが可能となる。
【0037】
さらに図3Iの工程において、前記図3Hの構造に対してサリサイドプロセスが実行され、前記シリコン膜パターン26A,26Bおよびソース/ドレイン領域21e,21f,21g,21hの表面に低抵抗シリサイド層27が形成される。
【0038】
このように、本願発明によれば、先にゲート電極パターンを形成することで安価に実行できるゲートファーストプロセスであるにもかかわらず、ゲート電極に金属化合物を使って、nチャネルMOSトランジスタとpチャネルMOSトランジスタのゲート電極との間の仕事関数差を、前記nチャネルMOSトランジスタのゲート電極パターン24AにSiのみを導入し、Pを導入しなかった場合に比べて、さらに拡大することができ、nチャネルMOSトランジスタとpチャネルMOSトランジスタの閾値特性を、より近づけることが可能となる。
【0039】
本実施形態において、前記HfSiNPゲート電極パターン24Aは、膜中に含まれるNの濃度を1×1022cm-3以下とした場合、HfとSiの総和に対するSiの割合(Si/(Hf+Si))を、5原子%以上に設定した場合に、ゲート電極としての機能を維持しながら、その仕事関数を、N濃度、Si濃度、およびP濃度により制御することが可能となる。
[第2の実施形態]
図4A〜4Hは、本発明の第2の実施形態による半導体装置の製造工程を示す。
【0040】
図4Aを参照するに、p型シリコン基板41上には素子分離領域41Iにより、nチャネルMOSトランジスタの素子領域41AとpチャネルMOSトランジスタの素子領域41Bとが画成されており、前記素子領域41Aにはp型ウェル21pwが、前記素子領域41Bにはn型ウェル41nwが形成されている。
【0041】
前記シリコン基板41の表面には、SiON膜、あるいはHfSiON膜、HfSiO4膜、HfO2膜などの、いわゆるlow−K膜よりなる絶縁膜42が、1.2nm程度の膜厚に、MOCVD法あるいはALD法により形成されており、前記絶縁膜42上には、HfN膜43がMOCVD法により形成される。あるいは、前記HfN膜は、HfNターゲットを使ったスパッタ法、あるいはHfターゲットを使い、N雰囲気中で実行される反応性スパッタ法により形成することもできる。
【0042】
このようにして形成されたHfN膜43には、さらに窒素原子がイオン注入法により導入され、膜中のN濃度が1×1022cm-3以上に設定される。
【0043】
次に図4Bの工程において、前記HfN膜43上に前記素子領域41Bを覆うようにレジストパターンR1を形成し、前記レジストパターンR1をマスクに前記HfN膜43を前記絶縁膜42が露出するまでエッチングにより除去し、前記絶縁膜42上に、前記素子領域41Bを覆うHfN膜パターン43Bを形成する。
【0044】
さらに図4Cの工程において前記レジストパターンR1を除去した後、HfN膜44を前記HfN膜43と同様にMOCVD法あるいはスパッタ法により、前記HfN膜43の膜厚と略等しい膜厚で形成し、さらに図4Cの工程では、このようにして形成されたHfN膜44にSiおよびPをイオン注入し、前記HfN膜44に、これを後の熱処理によりHfとSiをほぼ等量含むHfSiNP膜に変換するに十分なSiとPを導入する。以下では、このようなSiとPを導入されたHfN膜44をHfSiNP膜と記載する。
【0045】
さらに図4Dの工程において、前記図4Cの構造上にMoN膜などの低抵抗膜45が、前記素子領域41Aおよび41Bを連続して覆うように、例えばスパッタ法あるいはMOCVD法により形成され、図4E工程において、前記MoN膜45上にアモルファスシリコンあるいはポリシリコンよりなるシリコン膜46が、前記素子領域41Aおよび41Bを連続して覆うように形成される。前記シリコン膜46は、その下のMoNなどにより処理装置の処理室や配管が汚染されるのを抑制するために設けられる。
【0046】
次に図4Fの工程において、前記シリコン膜46上に、前記素子領域41AにおいてはレジストパターンR2Aが、また素子領域41BにおいてはレジストパターンR2Bが、それぞれ形成しようとしているnチャネルMOSトランジスタおよびpチャネルMOSトランジスタのチャネル領域に対応して形成され、図4Gの工程において前記レジストパターンR2A,R2Bをマスクに、前記シリコン層46、MoN低抵抗膜45,HfSiNP膜44、HfN膜パターン43B、および絶縁膜42がパターニングされ、前記素子領域41Aでは、前記絶縁膜42のパターニングにより形成されるゲート絶縁膜42A上に、前記HfSiNP膜パターン44A,低抵抗膜パターン45A,Si膜パターン46Aを積層したゲート電極構造GAが形成される。
【0047】
同様に図4Gの工程では前記素子領域41Bにおいて、前記絶縁膜42のパターニングにより形成されるゲート絶縁膜42B上に、前記HfSiNP膜パターン44B,HfSiNP膜パターン44B,低抵抗膜パターン45B,Si膜パターン46Bを積層したゲート電極構造GBが形成される。
【0048】
図4Gの工程では、さらに前記ゲート電極構造GAをマスクに、As+あるいはP+のイオン注入が前記素子領域41Aに対して行われ、前記p側ウェル21pw中、前記ゲート電極構造GAの第1および第2の側に、n型のソースエクステンション領域41aおよびドレインエクステンション領域41bが、それぞれ形成される。
【0049】
同様に前記図4Gの工程では、前記ゲート電極構造GBをマスクに、B+のイオン注入が、前記素子領域41Bに対して行われ、前記n側ウェル41nw中、前記ゲート電極構造GBの第1および第2の側に、p型のソースエクステンション領域41cおよびドレインエクステンション領域41dが、それぞれ形成される。
【0050】
さらに図4Gの工程では、前記ゲート電極構造GAおよびGBのそれぞれの側壁面に例えばSiNよりなる側壁絶縁膜SWが形成され、前記素子領域41Aにおいて前記ゲート電極構造GAをマスクにAs+あるいはP+のイオン注入を行うことにより、前記p型ウェル41pw中、前記側壁絶縁膜のそれぞれ外側に、n型ソース拡散領域41eおよびn型ドレイン拡散領域41fが形成される。
【0051】
同様に、前記素子領域41Bにおいて前記ゲート電極構造GBをマスクにB+のイオン注入を行うことにより、前記n型ウェル41nw中、前記側壁絶縁膜のそれぞれ外側に、p型ソース拡散領域41gおよびp型ドレイン拡散領域41hが形成される。
【0052】
図4Hの構造は、さらに1000℃で1秒間熱処理され、前記ソース/ドレインエクステンション領域41a〜41d、およびソース/ドレイン拡散領域41e〜41hにおいて、それぞれの不純物元素が活性化される。
【0053】
同時に、前記ゲート電極構造GAにおいて前記ゲート絶縁膜42Aと接し、実質的なゲート電極を構成する前記HfNSiP膜パターン44Aにおいても、先に図4Aの工程で導入されたNとSiとPが活性化される。これにより、先に図1で説明したように、前記HfNSiP膜パターン44Aの仕事関数が変化し、前記ゲート電極構造GBにおいてゲート絶縁膜42Bと接し、実質的なゲート電極を構成するHfN膜パターン43Bに対して、0.44eVの仕事関数差を実現することが可能となる。
【0054】
さらに図4Hの工程において、前記図4Gの構造に対してサリサイドプロセスが実行され、前記シリコン膜パターン46A,46Bおよびソース/ドレイン領域41e,41f,41g,41hの表面に低抵抗シリサイド層47が形成される。
【0055】
このように、本願発明によれば、先にゲート電極パターンを形成することで安価に実行できるゲートファーストプロセスであるにもかかわらず、ゲート電極に金属化合物を使って、nチャネルMOSトランジスタとpチャネルMOSトランジスタのゲート電極との間の仕事関数差を、前記nチャネルMOSトランジスタのゲート電極パターン44AにSiのみを導入し、Pを導入しなかった場合に比べて、さらに拡大することができ、nチャネルMOSトランジスタとpチャネルMOSトランジスタの閾値特性を、より近づけることが可能となる。
【0056】
本実施形態において、前記HfSiNPゲート電極パターン44Aは、膜中に含まれるNの濃度を1×1022cm-3以下とした場合、HfとSiの総和に対するSiの割合(Si/(Hf+Si))を、5原子%以上に設定した場合に、ゲート電極としての機能を維持しながら、その仕事関数を、N濃度、Si濃度、およびP濃度により制御することが可能となる。
【0057】
本実施形態では、先の図3A〜3Iの実施形態に比べてマスクプロセスを減らすことができ、半導体装置の製造工程が簡素化される。
[第3の実施形態]
図5A〜5Iは、本発明の第3の実施形態による半導体装置の製造工程を示す。
【0058】
図5Aを参照するに、p型シリコン基板61上には素子分離領域61Iにより、nチャネルMOSトランジスタの素子領域61AとpチャネルMOSトランジスタの素子領域61Bとが画成されており、前記素子領域61Aにはp型ウェル61pwが、前記素子領域61Bにはn型ウェル61nwが形成されている。
【0059】
前記シリコン基板61の表面には、SiON膜、あるいはHfSiON膜、HfSiO4膜、HfO2膜などの、いわゆるlow−K膜よりなる絶縁膜62が、1.2nm程度の膜厚に、MOCVD法あるいはALD法により形成されており、前記絶縁膜62上には、HfN膜63が、MOCVD法により形成される。あるいは、前記HfN膜63は、HfNターゲットを使ったスパッタ法、あるいはHfターゲットを使い、N雰囲気中で実行される反応性スパッタ法により形成することもできる。
【0060】
このようにして形成されたHfN膜63には、さらに窒素原子がイオン注入法により導入され、膜中のN濃度が1×1022cm-3以上に設定される。
【0061】
次に図6Bの工程において、前記HfN膜63上に前記素子領域61Bを覆うようにレジストパターンR1を形成し、前記レジストパターンR1をマスクに前記HfN膜63を前記絶縁膜62が露出するまでエッチングにより除去し、前記絶縁膜62上に、前記素子領域61Bを覆うHfN膜パターン63Bを形成する。
【0062】
さらに図5Cの工程において前記レジストパターンR1を除去した後、HfN膜64を前記HfN膜63と同様にMOCVD法あるいはスパッタ法により、前記HfN膜63の膜厚と略等しい膜厚で形成し、さらに図5Cの工程では、このようにして形成されたHfN膜64にSiおよびPをイオン注入し、前記HfN膜64に、これを後の熱処理によりHfとSiをほぼ等量含むHfSiNP膜に変換するに十分なSiとPを導入する。以下では、このようなSiとPを導入されたHfN膜64をHfSiNP膜と記載する。
【0063】
さらに図6Dの工程において、前記HfSiNP膜64上に、前記素子領域61Aを覆うようにレジストパターンR2を形成し、さらに前記レジストパターンR2をマスクに、前記HfSiNP膜64をその下のHfN膜パターン63Bが露出するまでエッチングする。その結果、図5Eに示すように、前記素子領域61Aには、前記素子領域61B上のHfN膜パターン63Bと略等しい膜厚のHfSiNP膜パターン64Aが形成される。
【0064】
次に5Fの工程において、前記図5Eの構造上にアモルファスシリコンあるいはポリシリコンよりなるシリコン膜66が、前記素子領域61Aおよび61Bを連続して覆うように形成される。前記シリコン膜66は、その下のHfN膜パターン63BNやHfSiNP膜パターン64Aなどにより処理装置の処理室や配管が汚染されるのを抑制するために設けられる。
【0065】
さらに図5Gの工程において、前記シリコン膜66上に、前記素子領域61AにおいてはレジストパターンR3Aが、また素子領域61BにおいてはレジストパターンR3Bが、それぞれ形成しようとしているnチャネルMOSトランジスタおよびpチャネルMOSトランジスタのチャネル領域に対応して形成され、図5Hの工程において前記レジストパターンR3A,R3Bをマスクに、前記シリコン層66、HfSiNP膜パターン64A、HfN膜パターン63B、および絶縁膜62がパターニングされ、前記素子領域61Aでは、前記絶縁膜62のパターニングにより形成されるゲート絶縁膜62A上に、前記HfSiNP膜パターン64AおよびSi膜パターン66Aを積層したゲート電極構造GAが形成される。
【0066】
同様に図5Hの工程では前記素子領域61Bにおいて、前記絶縁膜62のパターニングにより形成されるゲート絶縁膜62B上に、前記HfSiNP膜パターン64BおよびSi膜パターン66Bを積層したゲート電極構造GBが形成される。
【0067】
図5Hの工程では、さらに前記ゲート電極構造GAをマスクに、As+あるいはP+のイオン注入が、前記素子領域61Aに対して行われ、前記p側ウェル61pw中、前記ゲート電極構造GAの第1および第2の側に、n型のソースエクステンション領域61aおよびドレインエクステンション領域61bが、それぞれ形成される。
【0068】
同様に前記図5Hの工程では、前記ゲート電極構造GBをマスクに、B+のイオン注入が、前記素子領域61Bに対して行われ、前記n側ウェル61nw中、前記ゲート電極構造GBの第1および第2の側に、p型のソースエクステンション領域61cおよびドレインエクステンション領域61dが、それぞれ形成される。
【0069】
さらに図5Hの工程では、前記ゲート電極構造GAおよびGBのそれぞれの側壁面に例えばSiNよりなる側壁絶縁膜SWが形成され、前記素子領域61Aにおいて前記ゲート電極構造GAをマスクにAs+あるいはP+のイオン注入を行うことにより、前記p型ウェル61pw中、前記側壁絶縁膜のそれぞれ外側に、n型ソース拡散領域61eおよびn型ドレイン拡散領域61fが形成される。
【0070】
同様に、前記素子領域61Bにおいて前記ゲート電極構造GBをマスクにB+のイオン注入を行うことにより、前記n型ウェル61nw中、前記側壁絶縁膜のそれぞれ外側に、p型ソース拡散領域61gおよびp型ドレイン拡散領域61hが形成される。
【0071】
図5Gの構造は、さらに1000℃で1秒間熱処理され、前記ソース/ドレインエクステンション領域61a〜61d、およびソース/ドレイン拡散領域61e〜61hにおいて、それぞれの不純物元素が活性化される。
【0072】
同時に、前記ゲート電極構造GAにおいて前記ゲート絶縁膜62Aと接し、実質的なゲート電極を構成する前記HfNSiP膜パターン64Aにおいても、先に図5Aの工程で導入されたNとSiとPが活性化される。これにより、先に図1で説明したように、前記HfNSiP膜パターン64Aの仕事関数が変化し、前記ゲート電極構造GBにおいてゲート絶縁膜62Bと接し、実質的なゲート電極を構成するHfN膜パターン63Bに対して、0.44eVの仕事関数差を実現することが可能となる。
【0073】
さらに図5Iの工程において、前記図5Hの構造に対してサリサイドプロセスが実行され、前記シリコン膜パターン66A,66Bおよびソース/ドレイン領域61e,61f,61g,61hの表面に低抵抗シリサイド層67が形成される。
【0074】
このように、本願発明によれば、先にゲート電極パターンを形成することで安価に実行できるゲートファーストプロセスであるにもかかわらず、ゲート電極に金属化合物を使って、nチャネルMOSトランジスタとpチャネルMOSトランジスタのゲート電極との間の仕事関数差を、前記nチャネルMOSトランジスタのゲート電極パターン64AにSiのみを導入し、Pを導入しなかった場合に比べて、さらに拡大することができ、nチャネルMOSトランジスタとpチャネルMOSトランジスタの閾値特性を、より近づけることが可能となる。
【0075】
本実施形態において、前記HfSiNPゲート電極パターン64Aは、膜中に含まれるNの濃度を1×1022cm-3以下とした場合、HfとSiの総和に対するSiの割合(Si/(Hf+Si))を、5原子%以上に設定した場合に、ゲート電極としての機能を維持しながら、その仕事関数を、N濃度、Si濃度、およびP濃度により制御することが可能となる。
【0076】
本実施形態では、先の実施形態における低抵抗層25あるいは45が省略されるため、ゲート電極構造GA,GBの高さを低減することができる。
【0077】
なお、以上の実施形態では、前記nチャネルMOSトランジスタのゲート電極パターンを、SiおよびPを含むHfNとして説明を行ったが、本発明ではHf以外にZrやTaなどの高融点金属の窒化物を使うことができる。またP以外に、AsやSbなどのV族元素を使うことが可能である。
【0078】
以上、本発明を好ましい実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨内において様々な変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の原理を説明する図である。
【図2】本発明の原理を説明する別の図である。
【図3A】本発明の第1の実施形態による半導体装置の製造工程を説明する図(その1)である。
【図3B】本発明の第1の実施形態による半導体装置の製造工程を説明する図(その2)である。
【図3C】本発明の第1の実施形態による半導体装置の製造工程を説明する図(その3)である。
【図3D】本発明の第1の実施形態による半導体装置の製造工程を説明する図(その4)である。
【図3E】本発明の第1の実施形態による半導体装置の製造工程を説明する図(その5)である。
【図3F】本発明の第1の実施形態による半導体装置の製造工程を説明する図(その6)である。
【図3G】本発明の第1の実施形態による半導体装置の製造工程を説明する図(その7)である。
【図3H】本発明の第1の実施形態による半導体装置の製造工程を説明する図(その8)である。
【図3I】本発明の第1の実施形態による半導体装置の製造工程を説明する図(その9)である。
【図4A】本発明の第2の実施形態による半導体装置の製造工程を説明する図(その1)である。
【図4B】本発明の第2の実施形態による半導体装置の製造工程を説明する図(その2)である。
【図4C】本発明の第2の実施形態による半導体装置の製造工程を説明する図(その3)である。
【図4D】本発明の第2の実施形態による半導体装置の製造工程を説明する図(その4)である。
【図4E】本発明の第2の実施形態による半導体装置の製造工程を説明する図(その5)である。
【図4F】本発明の第2の実施形態による半導体装置の製造工程を説明する図(その6)である。
【図4G】本発明の第2の実施形態による半導体装置の製造工程を説明する図(その7)である。
【図4H】本発明の第2の実施形態による半導体装置の製造工程を説明する図(その8)である。
【図5A】本発明の第3の実施形態による半導体装置の製造工程を説明する図(その1)である。
【図5B】本発明の第3の実施形態による半導体装置の製造工程を説明する図(その2)である。
【図5C】本発明の第3の実施形態による半導体装置の製造工程を説明する図(その3)である。
【図5D】本発明の第3の実施形態による半導体装置の製造工程を説明する図(その4)である。
【図5E】本発明の第3の実施形態による半導体装置の製造工程を説明する図(その5)である。
【図5F】本発明の第3の実施形態による半導体装置の製造工程を説明する図(その6)である。
【図5G】本発明の第3の実施形態による半導体装置の製造工程を説明する図(その7)である。
【図5H】本発明の第3の実施形態による半導体装置の製造工程を説明する図(その8)である。
【図5I】本発明の第3の実施形態による半導体装置の製造工程を説明する図(その9)である。
【符号の説明】
【0080】
1 基板
2 絶縁膜
3 電極
21,41,61 シリコン基板
21A,41A,61A nチャネルMOSトランジスタ素子領域
21B,41B,61B pチャネルMOSトランジスタ素子領域
21I,41I,61I 素子分離領域
21a〜21h 拡散領域
22 絶縁膜
22A,22B,42A,42B,62A,62B ゲート絶縁膜
23、43,63 HfN膜
23B,43B,63B HfNゲート電極パターン
24,44,64 HfSiNP膜
24A,44A,64A HfSiNPゲート電極パターン
25,45 MoN膜
25A,25B,45A,45B MoN低抵抗パターン
26,46,66 シリコン膜
26A,26B,46A,46B,66A,66B シリコンパターン
27,47,67 シリサイド膜
GA,GB ゲート電極構造
SW 側壁絶縁膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
p型シリコン活性領域上にゲート絶縁膜を介して形成された導電性金属窒化物よりなるゲート電極パターンと、
前記p型シリコン活性領域中、前記ゲート電極パターンの一方および他方の側にそれぞれ形成されたn型のソースおよびドレイン領域と、
を含むnチャネルMOSトランジスタであって、
前記導電性金属窒化物は、SiおよびV族元素を含むことを特徴とするnチャネルMOSトランジスタ。
【請求項2】
前記導電性金属窒化物は、Hf,Zr,Taのいずれかの窒化物であることを特徴とする請求項1記載のnチャネルMOSトランジスタ。
【請求項3】
前記V族元素は、P,As,Sbのいずれかから選ばれることを特徴とする請求項または2記載のnチャネルMOSトランジスタ。
【請求項4】
p型シリコン活性層上に導電性金属窒化物よりなるゲート電極パターンを、ゲート絶縁膜を介して形成する工程と、
前記p型シリコン活性層中に、前記ゲート電極パターンをマスクに、n型不純物元素をイオン注入法により導入する工程と、
前記n型不純物元素を、熱処理により活性化し、前記n型シリコン活性層中、前記ゲート電極パターンの一方および他方の側に、n型のソースおよびドレイン領域を形成する工程と、を含むnチャネルMOSトランジスタの製造方法であって、
前記導電性金属窒化物は、SiおよびV族元素を含むことを特徴とするnチャネルMOSトランジスタの製造方法。
【請求項5】
前記導電性金属窒化物は、Hf,Zr,Taのいずれかの窒化物であることを特徴とする請求項4記載のnチャネルMOSトランジスタの製造方法。
【請求項6】
前記V族元素は、P,As,Sbのいずれかから選ばれることを特徴とする請求項4または5記載のnチャネルMOSトランジスタの製造方法。
【請求項7】
p型シリコン活性領域とn型シリコン活性領域とを備えた基板と、
前記p型シリコン活性領域上に形成されたnチャネルMOSトランジスタと、
前記n型シリコン活性領域上に形成されたpチャネルMOSトランジスタと、
を含み、
前記nチャネルMOSトランジスタは、
前記p型シリコン活性領域上に第1のゲート絶縁膜を介して形成された第1の組成の導電性窒化物よりなる第1のゲート電極パターンと、前記第1のゲート電極パターン上に形成された第1のシリサイド膜とよりなる第1の積層ゲート構造と、
前記p型シリコン活性領域中、前記第1の積層ゲート構造の一方および他方の側にそれぞれ形成された、n型のソースおよびドレイン領域と、を含み、
前記pチャネルMOSトランジスタは、
前記n型シリコン活性領域上に第2のゲート絶縁膜を介して形成された第2の組成の導電性窒化物よりなる第2のゲート電極パターンと、前記第2のゲート電極パターン上に形成された第2のシリサイド膜とよりなる第2の積層ゲート構造と、
前記n型シリコン活性領域中、前記第2の積層ゲート構造の一方および他方の側にそれぞれ形成された、p型のソースおよびドレイン領域と、を含み、
前記第1の組成の導電性窒化物は、さらにSiとV族元素とを含み、
前記第2の組成の導電性窒化物は、SiとV族元素を、いずれも含まないことを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図3H】
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【図3I】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図4H】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図5H】
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【図5I】
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【公開番号】特開2009−94227(P2009−94227A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−262339(P2007−262339)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】