シリサイド化金属ゲートの形成のための方法
【課題】シリサイド化金属ゲートと、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域とを備える進歩したゲート構造物と、同ゲート構造物を製造する方法と、を提供する。
【解決手段】シリサイド化金属ゲートと、シリサイド化金属ゲートに接するシリサイド化ソース領域およびドレイン領域とを備える進歩したゲート構造物を提供する。詳しくは、広義に、第一の厚さを有する第一のシリサイド金属のシリサイド化金属ゲートと、隣接する第二の厚さを有する第二の金属のシリサイド化ソース領域およびドレイン領域とを含み、第二の厚さは第一の厚さより薄く、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域は少なくともシリサイド化金属ゲートを含むゲート領域の端に位置合わせした半導体構造物を提供する。さらに、シリサイド化金属ゲートと、シリサイド化金属ゲートに接するシリサイド化ソース領域およびドレイン領域とを備える進歩したゲート構造物を製造する方法も提供する。
【解決手段】シリサイド化金属ゲートと、シリサイド化金属ゲートに接するシリサイド化ソース領域およびドレイン領域とを備える進歩したゲート構造物を提供する。詳しくは、広義に、第一の厚さを有する第一のシリサイド金属のシリサイド化金属ゲートと、隣接する第二の厚さを有する第二の金属のシリサイド化ソース領域およびドレイン領域とを含み、第二の厚さは第一の厚さより薄く、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域は少なくともシリサイド化金属ゲートを含むゲート領域の端に位置合わせした半導体構造物を提供する。さらに、シリサイド化金属ゲートと、シリサイド化金属ゲートに接するシリサイド化ソース領域およびドレイン領域とを備える進歩したゲート構造物を製造する方法も提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体デバイスと、同デバイスを製造する方法とに関する。より詳しくは、本発明は進歩したゲート構造物、例えばシリサイド化金属ゲートを備える金属酸化物半導体(MOS)デバイスと、それらシリサイド化金属ゲートデバイスを製造する方法との両方に関する。
【背景技術】
【0002】
金属ゲート集積化は、従来技術のMOSトランジスタ用の通常のプロセス・フローで実現することがどうしても難しいことが証明されている。ほとんどの金属ゲート材料はソース/ドレイン(S/D)接合活性化アニールに必要な高温プロセス加工時にゲート誘電体と相互作用する。金属ゲート・スタックが高温アニールを受けないようにする必要から、ゲート・スタックを最後に製造し、後続のプロセス加工時に500℃以上の温度にさらさない「ゲート最後」または「置換ゲート」プロセスが開発された。従来技術の置換ゲートプロセスによって金属ゲート用材料の選択肢数は増えるが、プロセスの複雑さおよびコストが増大する。
【0003】
従来技術では、例えば図1〜4に示すプロセス加工工程を用いて自己位置合わせシリサイド化金属ゲートをポリシリコン・ゲートから形成することが知られている。詳しくは、従来技術プロセスは、図1に示した構造物を設けることによって開始される。この構造物は、半導体基板12と、アイソレーション領域15と、ゲート領域16Lおよび16Rと、ゲート誘電体18と、ポリSiゲート導体20と、キャップ層22とを含む。各ゲート領域の上にはスペーサ24も配置される。図に示したように、ポリSi導体20の上のキャップ層22を用いてソース/ドレイン・注入を実行する。次に、図2に示したように、キャップ層22を非選択的に除去した後、Niなどのシリサイド金属105を構造物全体の上に堆積し、図3に示す構造物を設ける。シリサイド金属の上にオプションの酸素拡散障壁層を形成してもよく、次にアニーリングを実行してポリSiとシリサイド金属との間の反応を起させる。金属の種類によっては、単一アニールを利用して比抵抗の低いシリサイドを形成してもよい。単一アニールの後、未反応の金属およびオプションの酸素拡散障壁を完全に除去し、必要なら第二のアニールを実行するとよい。図4は、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域100と金属シリサイドゲート102とを形成するサリサイド・プロセスの後の構造物を示す。この従来技術プロセスでは、ゲートと、ソース/ドレインとのシリサイド化が同時に起こる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図に示したように、この従来技術プロセスでは、それぞれが約100nmの厚さを有する厚い金属シリサイドゲートと厚いソース/ドレイン・シリサイドとを形成する。これは、いくつかの理由で問題となり得る。第一に、シリサイドがゲートの下に広がり、デバイスをショートさせ得る。第二に、キャップ層をゲートから非選択的に除去したために生じるデバイスのアイソレーション領域の凹みが存在するときも、そのような厚いソース/ドレイン・シリサイドが問題となり得る。詳しくは、この従来技術プロセスのシリサイドは、狭いアイソレーション領域で隔てられているデバイスの間をショートさせ得る。第三に、厚いシリサイドはスペーサの下に広がった領域中のシリコンを消費し、デバイス性能を低下させることがある。従って、厚い完全シリサイド化金属ゲートと、はるかに薄いソース/ドレイン・シリサイドとを作る方法が求められている。さらに、この従来技術プロセスのシリサイドは、デバイスの注入ウェル領域とも接触し、それによってデバイスをショートさせ得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、シリサイド化金属ゲートと、シリサイド化金属ゲートに接するシリサイド化ソース領域およびドレイン領域とを備える進歩したゲート構造物に関する。詳しくは、本発明は、広義に、第一の厚さを有する第一のシリサイド金属のシリサイド化金属ゲートと、隣接する第二の厚さを有する第二の金属のシリサイド化ソース領域およびドレイン領域とを含み、前記第二の厚さは第一の厚さより薄く、前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域は少なくともシリサイド化金属ゲートを含むゲート領域の端に位置合わせした半導体構造物を提供する。
【0006】
本発明によれば、厚いシリサイド化金属ゲートと、薄いシリサイド化ソース領域およびドレイン領域とは、例えばTi、Ta、W、Co、Ni、Pt、Pdおよびそれらの合金のシリサイドなど、同じまたは別の金属シリサイドで構成するとよい。さまざまなシリサイドの中で、Co、NiまたはPtのシリサイドを最も低い比抵抗相で用いると特に好ましい。本発明の非常に好ましい実施態様では、ソース領域およびドレイン領域はCoSi2を含み、一方、シリサイド化金属ゲートはNiSiまたはNiPtSiあるいはその両方を含む。本発明の別の好ましい実施態様では、ソース・シリサイドおよびドレイン・シリサイドはNiSiを含み、一方、シリサイド化金属ゲートはNiSiまたはNiPtSiあるいはその両方を含む。
【0007】
表面の上に配置されたシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を有する半導体基板であって、前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域は500Å未満の厚さを有し、500Åを超える厚さを有するシリサイド化金属ゲートを含むゲート領域の端に自己位置合わせした半導体基板を備える金属酸化物半導体(MOS)デバイスが提供される。
【0008】
上記で説明した構造物に加えて、本発明は、厚いシリサイド化金属ゲートと、シリサイド金属ゲートに接する薄いシリサイド化ソース領域およびドレイン領域とを有する進歩したゲート構造物を形成するための方法も提供する。本発明の一方法では、本発明の構造物を製造する際に以下のプロセス加工工程を使用する。すなわち、
【0009】
少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックと、隣接するソース領域およびドレイン領域とを備える構造物を設ける工程であって、前記少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックはポリシリコン・ゲート導体と、上にある誘電体キャップと、前記ポリシリコン・ゲート導体の少なくとも側壁の上の誘電体ライナと、前記誘電体ライナの上にあって少なくとも前記ポリシリコン・ゲート導体の側壁に隣接するスペーサと、を含む工程と、
少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックを上に備える構造物の上に共形誘電体層と平坦化誘電体層とを含む材料スタックを堆積する工程と、
共形誘電体層と平坦化誘電体層との一部を除去して前記誘電体キャップを露出する工程と、
誘電体キャップを除去してポリシリコン・ゲート導体を露出する工程と、
ポリシリコン・ゲート導体を完全シリサイド化金属ゲートに変換する工程と、
前記ソース領域およびドレイン領域を露出する工程と、
前記ソース領域およびドレイン領域をサリサイド化して完全シリサイド化金属ゲートより薄い厚さを有するシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する工程と、を使用する。
【0010】
上記で説明した方法のいくつかの実施態様では、構造物の上に材料スタックを形成する前にシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する。詳しくは、シリサイド金属ゲートより前にシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成するとき、少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックと、隣接するソース領域およびドレイン領域とを備える構造物を設ける工程で得た構造物の中のスペーサを形成した後、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する。
【0011】
本発明の半導体構造物を形成する第二の方法も提供される。第二の方法は、フォトレジスト(ネガ型またはポジ型)とドライ・エッチング・プロセスとを使用して誘電体キャップを選択的に除去する。詳しくは、本発明の第二の方法は、広義に、以下の工程を含む。すなわち、
【0012】
少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックと、隣接するソース領域およびドレイン領域とを備える構造物を設ける工程であって、前記少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックは、ポリシリコン・ゲート導体と、上にある誘電体キャップと、少なくともポリシリコン・ゲート導体の隣接する側壁の上のスペーサと、を含む工程と、
前記少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックを備える構造物の上にパターン形成されたフォトレジストを形成する工程であって、前記パターン形成されたフォトレジストは前記誘電体キャップを露出する開口部を含む工程と、
ドライ・エッチング・プロセスを利用して誘電体キャップを選択的に除去してポリシリコン・ゲート導体を露出する工程と、
パターン形成されたフォトレジストを除去する工程と、
ポリシリコン・ゲート導体を完全シリサイド化金属ゲートに変換する工程と、
前記ソース領域およびドレイン領域をサリサイド化して、完全シリサイド化金属ゲートより薄い厚さを有するシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する工程と、を含む。
【0013】
上記で説明した第二の方法のいくつかの実施態様では、構造物の上にフォトレジストを形成する前にシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する。詳しくは、シリサイド金属ゲートより前にシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成するとき、少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックと、隣接するソース領域およびドレイン領域とを備える構造物を設ける工程で得た構造物の中のスペーサを形成した後で、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する。本発明の第二の実施態様では、フォトレジストはネガ型フォトレジストまたはポジ型フォトレジストのどちらであってもよい。
【0014】
本発明の第二の方法のいくつかの実施態様では、ゲート領域の周りにリフト・オフ層を形成してから、パターン形成されたフォトレジストを形成する。誘電体キャップを除去した後、リフト・オフ層と一緒にリフト・オフ層の上のパターン形成されたフォトレジストを構造物から除去する。
【0015】
本発明の別の方法は、ゲート・レベルへの正確な位置決めを提供するリソグラフィー・レベルの使用を含む。この本発明の第三の方法は以下の工程を含む。すなわち、
少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックと、隣接するソースおよびドレイン領域とを含む構造物を設ける工程であって、前記少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックはポリシリコン・ゲート導体と、上にある誘電体キャップと、少なくともポリシリコン・ゲート導体の隣接する側壁の上のスペーサと、を含む工程と、
少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックを上に備える構造物の上に平坦化材料と、マスク層と、フォトレジストとを含むスタックを堆積する工程と、
スタックをパターン形成して誘電体キャップを露出する工程と、
ドライ・エッチング・プロセスを利用して誘電体キャップを選択的に除去してポリシリコン・ゲート導体を露出する工程と、
スタックを除去する工程と、
ポリシリコン・ゲート導体を完全シリサイド化金属ゲートに変換する工程と、
前記ソースおよびドレイン領域をサリサイド化して、完全シリサイド化金属ゲートより薄い厚さを有するシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する工程と、を含む。
【0016】
上記で説明した第三の方法のいくつかの実施態様では、構造物の上にスタックを形成する前にシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する。詳しくは、シリサイド金属ゲートより前にシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成するとき、少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックと、隣接するソースおよびドレイン領域とを含む構造物を設ける工程で得た構造物の中のスペーサを形成した後に、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する。本発明の第三の方法では、リフト・オフ層を用いてもよい。平坦化材料、マスク層およびフォトレジストのスタックをパターン形成する前に、パターン形成されたゲート・スタックの露出された表面の上にリフト・オフ層を形成する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本出願の添付の図面を参照して本発明をさらに詳しく説明する。本発明は、完全あるいは十分にシリサイド化されたゲートと、(ゲートおよび従来技術のシリサイド化ソース領域およびドレイン領域と比較して)薄いシリサイド化されたソース領域およびドレイン領域とを有するMOSデバイスと、同デバイスを製造する方法とを同時に提供する。添付の図面は、実尺に正確に比例して描かれておらず、同じおよび/または対応する要素を同じ参照番号で示している。
【0018】
図面では、単一の半導体基板の上に形成された二つのMOSデバイス領域を示していることに注意する。そのような実施態様の例を示してはいるが、本発明は、半導体構造物の表面の上のいかなる特定の数のMOSデバイスの形成にも限定されない。その代わりに、本発明の方法では、半導体基板の表面の上に少なくとも一つの完全あるいは十分にシリサイド化されたMOSデバイスを形成する。
【0019】
まず、図5に例を示す構造物10を参照する。構造物10は半導体基板12を含み、半導体基板12は半導体基板12の表面の上に配置された二つのゲート領域16Lおよび16Rを有する。各ゲート領域、すなわち16Rおよび16Lは、ゲート誘電体18と、ポリSi導体20と、誘電体キャップ22と、誘電体ライナ23と、スペーサ24と、ソース領域およびドレイン領域14とを含む。ソース領域およびドレイン領域14は半導体基板12の内部に配置されている。
【0020】
構造物10の半導体基板12は、Si、Ge、SiGe、SiC、SiGeC、Ga、GaAs、InAs、InPおよびすべてのその他のIII族/V族化合物半導体を含むがそれらに限定されない任意の半導体材料を含む。半導体基板12は、有機半導体、あるいはSi/SiGe、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)またはSiGe・オン・インシュレータ(SGOI)などの層状半導体も含んでよい。本発明のいくつかの実施態様では、Si含有半導体材料、すなわちシリコンを含む半導体材料で半導体基板12を構成することが好ましい。半導体基板12はドープされていても、ドープされていなくてもよく、あるいは内部にドーピング領域と非ドーピング領域とを含んでもよい。
【0021】
半導体基板12は、第一のドープされた(n型またはp型)領域と、第二のドープされた(n型またはp型)領域とを含んでもよい。分りやすくするため、本出願の図面では、ドープされた領域に特に標しを付けていない。第一のドープされた領域と第二のドープされた領域とは同じあってもよく、あるいは異なる導電率またはドーピング濃度あるいはその両方を有してもよい。これらのドープされた領域は、「ウェル」として知られている。
【0022】
通常、本発明のこの時点では、当業者に公知の通常のプロセスを利用して半導体基板の中にトレンチ・アイソレーション領域(図には特に示していない)が既に形成されている。トレンチ・アイソレーション領域は、本発明の図面に示した領域の周辺部、ならびに図に表されている二つのゲート領域の間に配置される。
【0023】
半導体基板12を含み、アイソレーション領域が存在し、堆積された誘電体である場合にはアイソレーション領域も含む構造物10の表面全体の上にゲート誘電体18を形成する。例えば酸化、窒化または酸窒化などの熱成長プロセスによってゲート誘電体18を形成してもよい。あるいは、例えば化学的気相堆積法(CVD)、プラズマ支援CVD、原子層堆積法(ALD)、気化法、反応スパッタリング、化学的溶液堆積法およびその他の同様な堆積プロセスなどの堆積プロセスによってゲート誘電体18を形成してもよい。上記のプロセスの任意の組み合わせを利用してゲート誘電体18を形成してもよい。
【0024】
酸化物、窒化物、酸窒化物または金属シリケートおよび窒化された金属シリケートを含むシリケートあるいはそれらの組み合わせを含むがそれらに限定されない絶縁材料でゲート誘電体18を構成する。一実施態様では、例えばSiO2、HfO2、ZrO2、Al2O3、TiO2、La2O3、SrTiO3、LaAlO3およびそれらの混合物などの酸化物でゲート誘電体18を構成することが好ましい。
【0025】
ゲート誘電体18の物理的厚さは変化してよいが、典型的には、ゲート誘電体18は約0.5から約10nmの厚さを有し、約0.5から約3nmの厚さがより典型的である。
【0026】
ゲート誘電体18を形成した後、例えば物理的気相堆積法、CVDまたは気化法などの既知の堆積プロセスを利用して、図5に示したポリSiゲート導体20の元であるポリシリコン(すなわちポリSi)のブランケット層をゲート誘電体18の上に形成する。ポリシリコンのブランケット層はドープされていてもよく、あるいはドープされていなくてもよい。ドープされている場合、ポリシリコンを形成する際にイン・サイチュ・ドーピング堆積プロセスを使用してもよい。あるいは、堆積、イオン注入およびアニーリングによってドープされたポリSi層を形成してもよい。ポリSi層をドープすると、形成されるシリサイド化金属ゲートの仕事関数がシフトする。ドーパント・イオンを説明する例は、As、P、B、Sb、Bi、In、Al、Ga、Tlまたはそれらの混合物を含む。イオン注入物の典型的な線量は、1E14(=1×1014)から1E16(=1×1016)原子/cm2、またはより典型的に1E15から5E15原子/cm2である。本発明のこの時点で堆積されるポリシリコン層の厚さ、すなわち高さは、使用される堆積プロセスによって変化させてよい。典型的には、ポリシリコン層は約20から約180nmの垂直厚さを有し、約40から約150nmの厚さがより典型的である。
【0027】
ポリシリコンのブランケット層を堆積した後、例えば、物理的気相堆積法または化学的気相堆積法などの堆積プロセスを利用して、ポリシリコンのブランケット層の上に誘電体キャップ22を形成する。誘電体キャップ22は、酸化物、窒化物、酸窒化物またはそれらの任意の組み合わせであってよい。本明細書中下記で詳しく明らかにするスペーサ24とは別の誘電体材料で誘電体キャップ22を構成してもよい。一実施態様では、例えばSi3N4などの窒化物を誘電体キャップ22として使用する。好ましい実施態様であるさらに別の実施態様では、誘電体キャップ22はSiO2などの酸化物である。誘電体キャップ22の厚さ、すなわち高さは約20から約180nmであり、約30から約140nmの厚さがより典型的である。
【0028】
次に、リソグラフィーおよびエッチングによってブランケット・ポリシリコン層と誘電キャップ層とをパターン形成して、パターン形成されたゲート・スタックを設ける。パターン形成されたゲート・スタックは、デバイス性能を改善するために、同じ寸法、すなわち長さを有してもよく、あるいはさまざまな寸法を有してもよい。本発明のこの時点で、パターン形成されたゲート・スタックのそれぞれは、ポリSiゲート伝導体20と誘電体キャップ22とを含む。リソグラフィー工程は、誘電体キャップ層の上部表面にフォトレジストを塗布する工程と、フォトレジストを所望の放射のパターンに露光する工程と、通常のレジスト現像液を利用して露光されたフォトレジストを現像する工程と、を含む。次に、一回または二回以上のドライ・エッチング工程を利用してフォトレジスト中のパターンを誘電体キャップ層およびポリシリコンのブランケット層に転写する。いくつかの実施態様では、パターンを誘電体キャップ層中に転写した後、パターン形成されたフォトレジストを除去するとよい。その他の実施態様では、エッチングが完了した後、パターン形成されたフォトレジストを除去する。
【0029】
パターン形成されたゲート・スタックを形成する際に本発明で用いることができる適当なドライ・エッチング・プロセスは、反応性イオン・エッチング、イオン・ビーム・エッチング、プラズマ・エッチングまたはレーザ・アブレーションを含むが、それらに限定されない。通常、使用されるドライ・エッチング・プロセスは下にあるゲート誘電体18に選択的であり、従って、このエッチング工程でゲート誘電体は通常除去されない。しかし、いくつかの実施態様では、このエッチング工程を用いてゲート・スタックによって保護されていないゲート誘電体18の一部を除去してもよい。ウェット・エッチング・プロセスを用いてゲート・スタックによって保護されていないゲート誘電体18の一部を除去してもよい。
【0030】
次に、少なくともポリシリコン・ゲート導体20を備えるシリコンを含むすべての露出された表面の上に誘電体ライナ23を形成する。誘電体ライナ23は、図5に示したように、半導体基板12の水平表面の上に広がっていてもよい。誘電体ライナ23は、酸化物、窒化物、酸窒化物またはそれらの任意の組み合わせを含む任意の誘電体材料を含んでもよい。酸化、窒化または酸窒化などの熱成長プロセスによって誘電体ライナ23を形成する。本発明によれば、誘電体ライナ23は、通常、厚さが約1から約10nmの薄い層である。
【0031】
各パターン形成されたゲート・スタックの露出された側壁の上ならびに誘電体ライナの上に少なくとも一つのスペーサ24を形成する。酸化物、窒化物、酸窒化物および/またはそれらの任意の組み合わせなどの絶縁体で少なくとも一つのスペーサ24を構成し、通常、誘電体ライナ23および誘電体キャップ22とは別の材料で構成する。好ましくは、窒化物スペーサを形成する。堆積およびエッチングによってこの少なくとも一つのスペーサ24を形成する。スペーサ24を形成する際に用いられるエッチング工程は、基板の上から誘電体ライナ23を除去し、これによって半導体基板12の一部を露出することもできる点に注意する。半導体基板12の露出された部分には、図5で参照番号11と標しを付けている。
【0032】
少なくとも一つのスペーサ24の幅は、ソースおよびドレインのシリサイド接点(続いて形成する)がゲート・スタックのエッジの下に侵入しないよう十分広くしなければならない。通常、少なくとも一つのスペーサの幅が底部で測って約15から約80nmあれば、ソース/ドレイン・シリサイドはゲート・スタックのエッジの下に侵入しない。
【0033】
スペーサを形成した後、露出された部分11で基板12の中にソース/ドレイン拡散領域14を形成する。イオン注入およびアニールする工程を利用してソース/ドレイン拡散領域14を形成する。アニールする工程は、前段の注入工程で注入されたドーパントを活性化する役を果す。イオン注入およびアニールする工程の条件は当業者に公知である。
【0034】
次に、図6に示すように、図5に示した構造物全体の上に共形誘電体層26と平坦化誘電体28とを含む材料スタックを形成する。本発明によれば、まず、共形誘電体層26を形成し、続いて平坦化誘電体層28を形成する。共形誘電体層26は酸化物、窒化物または酸窒化物あるいはそれらの組み合わせを含む任意の誘電体材料を含む。詳しくは、共形誘電体層26はSi3N4などの窒化物を含む。従来の堆積プロセスを利用して形成される共形誘電体層は、堆積後約15から約80nmの厚さを有する。
【0035】
図5に示した構造物の上に共形誘電体層26を形成した後、平坦化誘電体層28を形成する。平坦化誘電体層28は、高密度酸化物などの酸化物またはTEOSから堆積した酸化物を含む。あるいは、平坦化誘電体層28は、ホウ素をドープされたシリケート・ガラス(BSG)またはリンをドープされたシリケート・ガラス(PSG)などのドープされたシリケート・ガラス、水素シルセスキオキサン(HSQ)などのスピン・コート可能な重合体材料、またはフォトレジストを含んでもよい。当業者に公知の通常の技法によって平坦化誘電体層28を形成する。本発明のこの時点で形成される平坦化誘電体層28の厚さは、使用される材料の種類に依存して変化させてよい。通常、平坦化誘電体層28は約50から約100nmの厚さを有する。本発明によれば、ゲート・スタックの上の平坦化層は、ソース領域およびドレイン領域およびトレンチ・アイソレーション領域の上の同層の厚さより薄い。
【0036】
図7および8は、誘電体キャップ22を露出するために本発明で使用することができるさまざまな実施態様を表す。図7はエッチング・バック・プロセスを使用する実施態様を示し、一方、図8は化学的機械研摩(CMP)プロセスを使用する実施態様を示す。エッチング・バック・プロセスは、誘電体キャップ22の上部表面の上に広がる平坦化誘電体層28と共形誘電体層26との両方の一部を選択的に除去することができる少なくとも一回の時間を定めたエッチング・プロセスを含む。いくつかの実施態様では、まず、平坦化誘電体層28の一部をエッチング・バックしてから、さまざまなエッチング・プロセスを用いて共形誘電体層26の一部をエッチング・バックする。図7に示した構造物を形成する際に用いることができるエッチング・プロセスの例は、まず、窒化物に比べて酸化物を選択的にエッチングするドライ・エッチング・プロセスと、それに続く酸化物に比べて窒化物を選択的にエッチングするドライ・エッチング・プロセスとを含む。図8に示した構造物を形成する際に用いられるCMPプロセスは通常のプロセスであり、当業者には公知である。
【0037】
どの技法(例えば、エッチング・バックまたはCMP)を使用するにしても、エッチング・バックまたはCMPの後に結果として得られる構造物で、誘電体キャップ22は露出している。本発明では両方の実施態様を用いてもよいが、以下の図面は、エッチング・バック・プロセスで処理した構造物の例を示している。CMPによって平坦化された構造物も以下のプロセスで処理することができる点に注意する。
【0038】
露出された誘電体キャップ22を、下にあるポリシリコン・ゲート導体20を露出するように、各ゲート領域16Lおよび16Rから除去する。この工程を実行した後で形成される結果の構造物を例えば、図9に示す。本発明では、構造物から誘電体キャップ材料を除去するウェット・エッチング・プロセスまたはドライ・エッチング・プロセスを利用して誘電体キャップ22を除去する。反応性イオン・エッチング(RIE)、イオン・ビーム・エッチング(IBE)およびプラズマ・エッチングなどのドライ・エッチング・プロセスを使用してもよいが、誘電体キャップ22を除去する際にはウェット・エッチング・プロセスを使用する方が好ましい。誘電体キャップ22を除去するために用いることができるウェット・エッチング・プロセスの例は、希薄フッ化水素酸(DHF)を含む。誘電体キャップ22と平坦化誘電体層28とを酸化物で構成する実施態様では、この工程でゲート領域の間にある残存平坦化誘電体層28も除去する。これも図9に示した。この場合、共形誘電体層26の残存部分がソース領域およびドレイン領域14を含む基板の一部を保護する。
【0039】
ポリSiゲート導体20の上からキャップ誘電体22をエッチングした後、ポリSiゲート導体20を消費し、完全あるいは十分にシリサイド化された金属ゲート30を形成する第一のサリサイド・プロセスを実行する。第一のサリサイド・プロセスの例を図10に示す。第一のサリサイド・プロセスの第一の工程は、図9に示した構造物の上にブランケット・シリサイド金属を堆積することを含む。例えばスパッタリング法、化学的気相堆積法、気化法、化学的溶液堆積法、めっき法および類似法を含む任意の通常の堆積プロセスを用いてシリサイド金属を堆積してもよい。シリサイド金属は、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域(続いて形成し、説明する)を形成する際に用いられる金属と同じであってもよく、あるいは異なっていてもよい。
【0040】
Ti、Hf、Ta、W、Co、Ni、Pt、Pdまたはそれらの合金の少なくとも一つでシリサイド金属を構成してよい。一実施態様では、シリサイド金属はCoであり、二段階アニールプロセスを用いてCoSi2が生成する。本発明の別の実施態様では、シリサイド金属はNiまたはPtであり、一段アニール工程を用いてNiSiおよびPtSiが生成する。
【0041】
特定のMOSデバイスに適する仕事関数を有するシリサイド相を形成し、ポリSiゲート導体20のすべてを消費するように、シリサイド金属の厚さを選ぶ。例えば、NiSiは4.65eVの仕事関数を有し、初めのポリシリコン高さが50nmなら、必要なNiの量は約27nmである。CoSi2は4.45eVの仕事関数を有し、初めのポリシリコン高さが50nmなら、必要なNiの量は約14nmである。示したシリサイド金属厚さはポリシリコンを消費するのにちょうど必要な量であるが、消費を完了させるのを確実にするために厚さが約10%過剰であると好ましい。
【0042】
いくつかの実施態様(示していない)では、アニールする前にシリサイド金属の上にTiNまたはWなどの酸素拡散障壁を形成する。
【0043】
詳しくは、サリサイド・アニールする工程は、構造物の中に第一のシリサイド相を形成するために使用する第一のアニールを含み、第一のシリサイド相は、金属シリサイドの中で最も低い比抵抗の相を表してもよく、あるいは表さなくてもよい。通常、第二のアニールする工程より低い温度で第一のアニールを実行する。第一のアニールする工程は、高い抵抗のシリサイド相材料を形成してもよく、あるいは形成しなくてもよく、通常、連続加熱領域、またはさまざまな昇温速度および恒温維持加熱サイクルを用いて約300°から約600℃の温度で実行する。より好ましくは、約350°から約550℃の温度で第一のアニールする工程を実行する。
【0044】
ガス雰囲気、例えばHe、Ar、N2またはフォーミング・ガス中で、(第一および第二の)サリサイド・アニールを実行する。ゲート・シリサイド・アニール工程はさまざまな雰囲気を用いてもよく、あるいはアニールする工程を同じ雰囲気中で実行してもよい。例えば、両方のアニールする工程でHeを用いてもよく、あるいは第一のアニールする工程でHeを用い、第二のアニールする工程でフォーミング・ガスを用いてもよい。
【0045】
次に、選択的ウェット・エッチング工程を使用して構造物から非反応性シリサイド金属を完全に除去する。いくつかの金属シリサイドの場合、ポリシリコンは消費され、第一のシリサイド相の比抵抗は相の最小値に近いので、サリサイド・プロセスをこの時点で止めるとよい。これは、NiおよびPtの場合である。他の場合、例えば、シリサイド金属としてCoまたはTiを用いるとき、残存ポリシリコンを消費し、第二のシリサイド相材料を形成するために、第二の高温アニールが必要である。この実施態様では、第一のシリサイド相は高い比抵抗相のシリサイド材料となり、一方、第二のシリサイド相材料は低い比抵抗相のシリサイド材料となる。
【0046】
連続加熱領域またはさまざまな昇温および恒温加熱サイクルを用いて約600℃から約800℃の温度で第二のアニールする工程を実行する。より好ましくは、約650°から約750℃の温度で第二のアニールする工程を実行する。
【0047】
図10は、完全シリサイド化金属ゲート30を形成した後の構造物を示す。完全シリサイド化金属ゲート30は、ポリSiゲート伝導体20が前に占めていたゲート誘電体18の上のスペーサ24の間の区域に位置する。
【0048】
本発明のいくつかの実施態様では、それまでに実行していなければ、選択的エッチング・プロセスを利用して、ゲート領域の間の平坦化誘電体層28の残存部分を除去する。次に、構造物から共形誘電体材料を選択的にエッチングするエッチング・プロセスを利用して、各ゲート領域の間の共形誘電体層26の残存部分を除去する。本発明のこの工程で、ソース領域およびドレイン領域14を含む基板12の部分が露出する。
【0049】
次に、サリサイド・プロセスを用いてソースおよびドレイン・シリサイド接触32(以後ソース/ドレイン・シリサイド)を形成する。サリサイド・プロセスは、ソース/ドレイン拡散領域11を含む基板12の露出された表面の上にシリサイド金属を堆積する工程と、オプションとして、シリサイド金属の上にTiNなどの酸素拡散障壁材料を堆積する工程と、第一のアニールをしてシリサイドを形成する工程と、用いられる場合には障壁材料を含む未反応金属を完全に選択エッチングする工程と、必要なら、第二のアニールする工程を実行する工程と、を含む。本発明のこの工程を図11に示す。
【0050】
半導体基板がシリコンを含まないとき、半導体基板12の露出された表面の上にシリコンの層(図に示していない)を成長させ、ソース/ドレイン・シリサイド接触を形成する際に用いてもよい。
【0051】
ソース/ドレイン・シリサイド32を形成する際に用いられるシリサイド金属は、シリコンと反応して金属シリサイドを形成することができる任意の金属を含む。基板がシリコンを含んでいなければ、金属シリサイドは、他の基板材料、例えばSiGe表面の場合にはNiとシリサイドを形成する金属を含む必要がある。そのような金属の例は、Ti、Ta、W、Co、Ni、Pt、Pdおよびそれらの合金を含むが、それらに限定されない。一実施態様では、Coが好ましい金属である。そのような実施態様では、第二のアニールする工程が必要である。別の実施態様では、NiまたはPtが好ましい。この実施態様では、通常、第二のアニーリング工程を実行しない。
【0052】
シリサイド化ゲートを形成する際に上記で説明した条件を利用して、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域32を形成してもよい。上記で述べたプロセスを利用して形成されるソース/ドレイン・シリサイド、すなわちシリサイド化ソース領域およびドレイン領域32は、ゲート領域16Rまたは16Lのエッジに自己整合させる。詳しくは、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域32の外端は、誘電体ライナ23およびスペーサ24の端と位置合わせする。シリサイド化ソース領域およびドレイン領域32は50nm未満の厚さ(垂直に測って)を有し、約15から約30nmの厚さがより典型的である。
【0053】
本発明のプロセスでは、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する際にシリサイド化金属を用い、シリサイド化金属ゲートは金属シリサイドの生成を促進することができる合金形成添加物を含んでもよい。本発明で使用することができる合金形成添加物の例は、合金形成添加物はシリサイドを形成する際に用いられる材料と同じではないという条件で、C、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ge、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Sn、Hf、Ta、W、Re、Ir、Ptまたはそれらの混合物を含む。合金形成添加物は、存在するとき、約0.1から約50原子パーセント量存在する。合金形成添加物は、シリサイド金属層へのドーパント材料として導入してもよく、あるいはアニールする前にシリサイド金属層の上に形成される層であってもよい。
【0054】
上記は、高い位置のソース領域およびドレイン領域を含まない初期構造物を説明しているが、本発明は、初期構造物中の高い位置のソース領域およびドレイン領域の存在も包含する点に注意すべきである。高い位値のソース領域およびドレイン領域は、当業者には公知の通常の技法を利用して形成される。詳しくは、ソース領域およびドレイン領域に注入する工程の前に、エピSi、非晶質Si、SiGeおよび類似物などの任意のSi含有層を基板の上に堆積することによって高い位値のソース領域およびドレイン領域を形成する。
【0055】
上記で説明した、シリサイド化金属ゲートの後にシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する実施態様に加えて、本発明は、シリサイド化金属ゲートより前にシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する実施態様も包含する。そのような実施態様では、スペーサ24を形成した後、構造物の上に共形誘電体層26を形成する前にシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成してもよい。
【0056】
次に、本発明の第二の方法を示す図12〜16を参照する。この第二の方法では、フォトレジスト(ネガ型またはポジ型)およびドライ・エッチングを使用してポリシリコン・ゲート導体20の上の誘電体キャップ22を除去する。詳しくは、第二の方法は、まず、図12に示す構造物50物を設ける工程によって開始される。構造物50は、誘電体ライナ23が存在しない点を除けば、図5に示した構造物10に似ている。誘電体ライナ23をまったく示していないが、本発明は、同ライナが存在する実施態様を包含する。図12に示した構造物50は半導体基板12を含み、半導体基板12は半導体基板12の表面の上に配置された二つのゲート領域16Lおよび16Rを有する。各ゲート領域、すなわち16Rおよび16Lは、ゲート誘電体18と、ポリSi導体20と、誘電体キャップ22と、スペーサ24と、ソース領域およびドレイン領域14と、を含む。ソース領域およびドレイン領域14は、半導体基板12の内部に配置されている。
【0057】
上記で説明した、図5に示した構造物10を製造するための第一の実施態様の技法を用いて、図12に示した初期構造物を製造する。
【0058】
本発明の第二の実施態様によれば、次に、構造物全体の上にネガ型フォトレジスト(あるいはポジ型フォトレジスト)52を形成し、図13に示した構造物を設ける。用語「ネガ型フォトレジスト」は、マスクの不透明領域によって露光から保護されていなかった区域では残るが、保護されていた領域では現像液によって除去されるフォトレジストを示す。従って、フォトレジストの非露光領域は現像後に除去され、従って、マスクのネガ画像が残る。従って、本発明で使用されるネガ型フォトレジスト52は、光に露光されると可溶性状態から不溶性状態に変化する任意のフォトレジスト材料を含む。そのようなネガ型レジストは普通であり、当業者に公知である。
【0059】
ネガ型フォトレジストに加えて、本発明は、ポジ型フォトレジストを用いることも包含する。ネガ型フォトレジストと比べて、ポジ型フォトレジストを用いる際の差異は、露光されたポジ型フォトレジストは、放射に露光されると可溶性になることである。従って、露光された区域は現像され、除去される。そのようなポジ型フォトレジストも当業者に公知である。ポジ型フォトレジストを使用しても、下記で説明するプロセス諸工程は変わらない。使用されるフォトレジストの特定の種類は、当業者に公知のように、用いられるマスクの極性に依存する。
【0060】
スピン・オン・コーティングなど当業者に公知の通常の堆積プロセスを用いて、図12に示した構造物にフォトレジスト52を塗布する。塗布されたフォトレジスト52の上部表面が誘電体キャップ22の上部表面より上にある限り、フォトレジスト52の厚さを変化させてよい。
【0061】
図14は、フォトレジストを放射に露光し、各ゲート領域16Lおよび16Rより上にあるフォトレジスト52の区域を現像した後の構造物を示す。露光および現像プロセスは、当業者に公知の通常のリソグラフィー技法を含む。この構造物で、ポリSiゲート導体20の上の各誘電体キャップ22の上部表面が露出されている点に注意する。
【0062】
次に、図15に示すように、下にあるポリSiゲート導体20を露出するように、誘電体キャップ22を構造物から除去する。本発明のこの実施態様によれば、フォトレジストと比べて誘電体キャップを選択的に除去するドライ・エッチング・プロセスを利用して、誘電体キャップ22を除去する。例えば、反応性イオン・エッチングまたはレーザ・ビーム・エッチング、イオン・ビーム・エッチングを用いて誘電体キャップ22を選択的に除去することができる。
【0063】
誘電体キャップ22の除去に続いて、残存フォトレジスト52を構造物から除去し、図16に例を示す構造物を得る。次に、シリサイド化金属ゲートおよびシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する際に上記で説明したプロセス加工を実行する。その結果の構造物は、誘電体ライナ23が必ずしも存在しない点を除けば図11に示したものに似ている。
【0064】
さらに、第二の実施態様は、フォトレジスト(ネガ型またはポジ型)を形成する前にシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する場合も包含する。
【0065】
次に、図17〜20を参照する。これらの図は、フォトレジストをリフト・オフ層とともに用いる本発明の第二の方法の実施態様の例を示す説明図である。本発明のこの方法は、図17に示す構造物60を設けることによって開始される。この構造物は半導体基板12を含み、半導体基板12は、半導体基板12の表面の上に配置された二つのゲート領域16Lおよび16Rを有する。各ゲート領域、すなわち16Rおよび16Lは、ゲート誘電体18と、ポリSi導体20と、誘電体キャップ22と、スペーサ24と、ソース領域およびドレイン領域14と、を含む。ソース領域およびドレイン領域14は、半導体基板12の内部に配置されている。基板12と、ゲート領域16Lおよび16Rとの上にフォトレジスト(ネガ型またはポジ型のどちらか)52を配置する。リフト・オフ層62がゲート領域16Lおよび16Rを囲む。
【0066】
詳しくは、リフト・オフ層62は、ゲート・スタックの周り、フォトレジストの下に配置される。リフト・オフ層62は、化学溶媒中で基板から剥離することができる接着強さの低い層である。当業者に知られているように、リフト・オフ層の上の材料は除去される。詳しくは、本発明では、誘電体ギャップを除去したら、露出されたポリSiゲート導体の上にシリサイド金属を堆積した後、残存リフト・オフ層とフォトレジストとを除去する。
【0067】
上記で説明した、図5に示した構造物10を製造するための第一の実施態様中の技法と、図13に示した構造物を製造することに関連して説明したプロセス加工技法との両方を用いて、図17に示す初期構造物を製造する。図17に示した構造物の異なる点は、フォトレジストを塗布する前に各ゲート・スタックの周りにリフト・オフ層62を形成する点である。スピン・オン・プロセスなどの既知の堆積プロセスを利用してリフト・オフ層62を形成する。使用される材料ならびにフォトレジスト52の厚さに依存してリフト・オフ層62の厚さを変化させてよい。典型的には、リフト・オフ層62は約50から約200nmの厚さを有し、約100から約150nmの厚さがより典型的である。普通のリフト・オフ材料は当業者に知られている。
【0068】
次に、フォトレジスト52を塗布した後、第二の方法において上記で説明したようにフォトレジスト52を露出し、現像し、各誘電体キャップ22の上部表面層に配置されたリフト・オフ層62を露出する開口部を設ける。各ゲート領域の上のリフト・オフ層62を露出させた後、露出されたリフト・オフ層62を除去し、下にある誘電体キャップ22の表面を露出する。図18を参照する。次に、本発明の第二の方法で説明した、フォトレジスト52と比べて誘電体キャップ22を選択的に除去するドライ・エッチング・プロセスを利用して、露出された誘電体キャップ22を構造物から除去する。例えば図19に構造物を示す。
【0069】
次に、図20に示すように、当分野で公知の通常のリフト・オフ・プロセスを利用して構造物からフォトレジスト52を除去する。例えば、このリフト・オフ・プロセスは、それまでに除去されていない残存リフト・オフ層62を剥離するウェット・エッチング・プロセスを含むとよい。次に、上記で説明したプロセス加工、すなわちゲートのシリサイド化を行う。あるいは、リフト・オフ手順より前に、露出されたポリSiゲート導体の上に金属シリサイドを形成してもよい。構造物の他の区域にはポリSiゲート導体の他に金属シリサイドは存在しないので、これによって、シリサイド化工程の間に選択的ウェット・エッチング・プロセスを利用する必要がなくなる。リフト・オフ・プロセスの後、ポリSiゲートの上にはシリサイド金属しか存在しないので、リフト・オフの前にシリサイド化する必要はない。
【0070】
構造物の上にリフト・オフ層62およびフォトレジスト52を形成する前、またはシリサイド金属ゲートを形成した後、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成してもよい。
【0071】
本発明の第三の方法を図21〜29に示す。本発明のこの好ましい方法では、リソグラフィー・レベルを用いてゲート・レベルに正確な位置決めをもたらす。図21は、本発明のこの実施態様で使用される初期構造物70を示す。初期構造物70は、半導体基板12を含み、半導体基板12は表面の上に配置された二つのゲート領域16Lおよび16Rを有する。各ゲート領域、すなわち16Rおよび16Lは、ゲート誘電体18と、ポリSi導体20と、誘電体キャップ22と、スペーサ24と、ソース領域およびドレイン領域14と、を含む。ソース領域およびドレイン領域14は、半導体基板12の内部に配置されている。誘電体ライナ23が存在しない点を除けば、上記で説明した、図5に示した構造物10を製造するための第一の方法の技法を用いて、図21に示した初期構造物を製造する。
【0072】
次に、図22に示すように、BSG、PSGまたは酸化物などの平坦化材料72を初期構造物70に塗布する。好ましくは、本発明のこの実施態様では、平坦化材料70は有機材料である。本発明の第一の方法で説明したと同じように平坦化材料72を形成する。
【0073】
次に、通常の堆積プロセスを利用して、平坦化材料72の上に酸化物などのマスク層74を形成する。通常、堆積した後、マスク層74は約25から約75nmの厚さを有する。次に、リソグラフィーおよびエッチングによってマスク層74をパターン形成する。図24〜26にこれらの工程を示す。詳しくは、図26は、マスク層の上にフォトレジスト76を形成した後の構造物を示す。図27は露光および現像によってフォトレジスト76をパターン形成した後の構造物を示し、図28はフォトレジスト76からマスク層74にパターンを転写した後の構造物を示す。パターンの転写は、反応性イオン・エッチングまたは別の同様なドライ・エッチング・プロセスなどのエッチング・プロセスによって起こる。
【0074】
次に、図27に示すように、フォトレジスト76も消費するドライ・エッチング・プロセスによって、パターンを平坦化材料72に転写する。例えば、反応性イオン・エッチング(RIE)を用いてパターンを平坦化材料中に転写し、フォトレジストを消費することができる。この工程で、誘電体キャップ22の上部表面が露出される点に注意する。
【0075】
次に、上記で説明した、本発明の第二の方法のドライ・エッチング・プロセスを利用して、誘電体キャップ22および残存マスク層74を除去し、図28に示す構造物を設ける。誘電体キャップ22を除去すると、下にあるポリSiゲート導体20が露出される。次に、残存平坦化材料72をストリップし、上記で説明したように完全シリサイド化金属ゲートおよびシリサイド化ソース領域およびドレイン領域のプロセス加工を実行してもよい。あるいは、構造物の上に平坦化材料72を形成する前に、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成してもよい。この方法では、上記で説明したリフト・オフ層を使用してもよい。
【0076】
図29は、平坦化材料72を除去した後の構造物を示す。
【0077】
図30〜33は、どのようにして、平坦化材料72が下にある材料を保護し、当業者に知られているリソグラフィーおよびドライ・エッチング方法に固有のCDバイアスおよび位置決め誤差を回避するかを示す。これらの図面中の要素は、図21〜29に示したものと同じである点に注意する。図30〜33に示したプロセスの特徴は、CDまたはオーバレイのミスマッチが大きくなっても、ソース領域およびドレイン領域と、トレンチ・アイソレーション領域とを依然保護することである。図33に示した構造物は、上記で説明したようにプロセス加工して、完全シリサイド化金属ゲートと、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域とを内部に形成することができる点に注意する。
【0078】
図34〜38および図39〜44は、リフト・オフ層78を平坦化材料72とともに用いる実施態様を示す。これらの実施態様で用いる基本的なプロセス加工工程および材料は、上記で詳しく説明した。従って、プロセス加工工程をここで繰り返す必要はない。リフト・オフ層78は、既に説明した図面の中で表したリフト・オフ層62と同じ材料である点に注意する。
【0079】
図34〜38は、どのようにして、図21〜29に示したような平坦化有機方式をリフト・オフ層とともに用いることができるかの例を示す。これらの図では、リフト・オフ層78と、平坦化有機層72と、第一のハード・マスク73および第二のハード・マスク74と、を含むスタックを使用し、この順に堆積する。次に、レジスト76を塗布し、パターン形成する。まず、レジストパターンをハード・マスク・スタックに転写し、その後、フォトレジスト76を同時に消費しながら平坦化有機層72に転写する。次に、上記で説明したように、誘電体キャップの上のリフト・オフ層78と、下にある誘電体キャップ22とを除去する。次に、露出された誘電体キャップの表面の上に、図で90と標しを付けた金属シリサイドを塗布した後、残存リフト・オフ層と、残存リフト・オフ層の上にある材料層とを除去する。次に、少なくとも一回のシリサイド・アニールを実行する。
【0080】
図39〜44は、誘電体キャップ22を除去した後、等方性エッチングによって平坦化有機層72を若干下部切除(アンダーカット)することができる別の実施態様を説明する。この実施態様では、リフト・オフ・プロセスの確実性が高まる。
【0081】
上記で説明したさまざまな実施態様でライナ23を使用してもよい点に注意すべきである。さらに、フォトレジストを使用する実施態様ではリフト・オフ技術を用いてもよい。
【0082】
上記で示したように、本発明のさまざまな方法は、完全シリサイド化金属ゲートと、隣接するシリサイド化ソース領域およびドレイン領域とを有し、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域が完全シリサイド化金属ゲートより薄い厚さを有するMOS構造物を提供する。詳しくは、シリサイド化金属ゲートの厚さは500Åより厚く、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域の厚さは500Åより薄く、好ましくは300Åより薄く、より好ましくは200Åより薄い。
【0083】
本発明の好ましい実施態様によって、本発明を詳しく示し、説明してきたが、本発明の技術思想および範囲から逸脱することなく、前述およびその他の形式上および詳細上の変化を施し得ることは当業者に理解されるものとする。従って、本発明は、説明し、例を示した形式および詳細そのものに限定されず、添付の請求項の範囲内に属すると意図される。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】自己整合シリサイド化金属ゲートをポリシリコン・ゲートから製造する従来技術プロセスを表す説明図(断面図による)である。
【図2】自己整合シリサイド化金属ゲートをポリシリコン・ゲートから製造する従来技術プロセスを表す説明図(断面図による)である。
【図3】自己整合シリサイド化金属ゲートをポリシリコン・ゲートから製造する従来技術プロセスを表す説明図(断面図による)である。
【図4】自己整合シリサイド化金属ゲートをポリシリコン・ゲートから製造する従来技術プロセスを表す説明図(断面図による)である。
【図5】本発明の第一の方法で使用される基本的プロセス工程の例を示す説明図(断面図による)である。
【図6】本発明の第一の方法で使用される基本的プロセス工程の例を示す説明図(断面図による)である。
【図7】本発明の第一の方法で使用される基本的プロセス工程の例を示す説明図(断面図による)である。
【図8】本発明の第一の方法で使用される基本的プロセス工程の例を示す説明図(断面図による)である。
【図9】本発明の第一の方法で使用される基本的プロセス工程の例を示す説明図(断面図による)である。
【図10】本発明の第一の方法で使用される基本的プロセス工程の例を示す説明図(断面図による)である。
【図11】本発明の第一の方法で使用される基本的プロセス工程の例を示す説明図(断面図による)である。
【図12】本発明の第二の方法で使用される基本的プロセス工程の例を示す説明図(断面図による)である。
【図13】本発明の第二の方法で使用される基本的プロセス工程の例を示す説明図(断面図による)である。
【図14】本発明の第二の方法で使用される基本的プロセス工程の例を示す説明図(断面図による)である。
【図15】本発明の第二の方法で使用される基本的プロセス工程の例を示す説明図(断面図による)である。
【図16】本発明の第二の方法で使用される基本的プロセス工程の例を示す説明図(断面図による)である。
【図17】フォトレジストをリフト・オフ層とともに用いる本発明の第二の方法の実施態様の例を示す説明図(断面図による)である。
【図18】フォトレジストをリフト・オフ層とともに用いる本発明の第二の方法の実施態様の例を示す説明図(断面図による)である。
【図19】フォトレジストをリフト・オフ層とともに用いる本発明の第二の方法の実施態様の例を示す説明図(断面図による)である。
【図20】フォトレジストをリフト・オフ層とともに用いる本発明の第二の方法の実施態様の例を示す説明図(断面図による)である。
【図21】リソグラフィー・レベルを用いてゲート・レベルに正確な位置決めをもたらす本発明の第三の方法の例を示す説明図(断面図による)である。
【図22】リソグラフィー・レベルを用いてゲート・レベルに正確な位置決めをもたらす本発明の第三の方法の例を示す説明図(断面図による)である。
【図23】リソグラフィー・レベルを用いてゲート・レベルに正確な位置決めをもたらす本発明の第三の方法の例を示す説明図(断面図による)である。
【図24】リソグラフィー・レベルを用いてゲート・レベルに正確な位置決めをもたらす本発明の第三の方法の例を示す説明図(断面図による)である。
【図25】リソグラフィー・レベルを用いてゲート・レベルに正確な位置決めをもたらす本発明の第三の方法の例を示す説明図(断面図による)である。
【図26】リソグラフィー・レベルを用いてゲート・レベルに正確な位置決めをもたらす本発明の第三の方法の例を示す説明図(断面図による)である。
【図27】リソグラフィー・レベルを用いてゲート・レベルに正確な位置決めをもたらす本発明の第三の方法の例を示す説明図(断面図による)である。
【図28】リソグラフィー・レベルを用いてゲート・レベルに正確な位置決めをもたらす本発明の第三の方法の例を示す説明図(断面図による)である。
【図29】リソグラフィー・レベルを用いてゲート・レベルに正確な位置決めをもたらす本発明の第三の方法の例を示す説明図(断面図による)である。
【図30】どのようにして平坦化層が下にある材料を保護し、リソグラフィーに固有の臨界寸法(CD)バイアスおよび位置決め誤差を回避するかの例を示す説明図(断面図による)である。
【図31】どのようにして平坦化層が下にある材料を保護し、リソグラフィーに固有の臨界寸法(CD)バイアスおよび位置決め誤差を回避するかの例を示す説明図(断面図による)である。
【図32】どのようにして平坦化層が下にある材料を保護し、リソグラフィーに固有の臨界寸法(CD)バイアスおよび位置決め誤差を回避するかの例を示す説明図(断面図による)である。
【図33】どのようにして平坦化層が下にある材料を保護し、リソグラフィーに固有の臨界寸法(CD)バイアスおよび位置決め誤差を回避するかの例を示す説明図(断面図による)である。
【図34】平坦化層とともに用いることができる一リフト・オフ方式の例を示す説明図(断面図による)である。
【図35】平坦化層とともに用いることができる一リフト・オフ方式の例を示す説明図(断面図による)である。
【図36】平坦化層とともに用いることができる一リフト・オフ方式の例を示す説明図(断面図による)である。
【図37】平坦化層とともに用いることができる一リフト・オフ方式の例を示す説明図(断面図による)である。
【図38】平坦化層とともに用いることができる一リフト・オフ方式の例を示す説明図(断面図による)である。
【図39】平坦化層とともに用いることができる別のリフト・オフ方式の例を示す説明図(断面図による)である。
【図40】平坦化層とともに用いることができる別のリフト・オフ方式の例を示す説明図(断面図による)である。
【図41】平坦化層とともに用いることができる別のリフト・オフ方式の例を示す説明図(断面図による)である。
【図42】平坦化層とともに用いることができる別のリフト・オフ方式の例を示す説明図(断面図による)である。
【図43】平坦化層とともに用いることができる別のリフト・オフ方式の例を示す説明図(断面図による)である。
【図44】平坦化層とともに用いることができる別のリフト・オフ方式の例を示す説明図(断面図による)である。
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体デバイスと、同デバイスを製造する方法とに関する。より詳しくは、本発明は進歩したゲート構造物、例えばシリサイド化金属ゲートを備える金属酸化物半導体(MOS)デバイスと、それらシリサイド化金属ゲートデバイスを製造する方法との両方に関する。
【背景技術】
【0002】
金属ゲート集積化は、従来技術のMOSトランジスタ用の通常のプロセス・フローで実現することがどうしても難しいことが証明されている。ほとんどの金属ゲート材料はソース/ドレイン(S/D)接合活性化アニールに必要な高温プロセス加工時にゲート誘電体と相互作用する。金属ゲート・スタックが高温アニールを受けないようにする必要から、ゲート・スタックを最後に製造し、後続のプロセス加工時に500℃以上の温度にさらさない「ゲート最後」または「置換ゲート」プロセスが開発された。従来技術の置換ゲートプロセスによって金属ゲート用材料の選択肢数は増えるが、プロセスの複雑さおよびコストが増大する。
【0003】
従来技術では、例えば図1〜4に示すプロセス加工工程を用いて自己位置合わせシリサイド化金属ゲートをポリシリコン・ゲートから形成することが知られている。詳しくは、従来技術プロセスは、図1に示した構造物を設けることによって開始される。この構造物は、半導体基板12と、アイソレーション領域15と、ゲート領域16Lおよび16Rと、ゲート誘電体18と、ポリSiゲート導体20と、キャップ層22とを含む。各ゲート領域の上にはスペーサ24も配置される。図に示したように、ポリSi導体20の上のキャップ層22を用いてソース/ドレイン・注入を実行する。次に、図2に示したように、キャップ層22を非選択的に除去した後、Niなどのシリサイド金属105を構造物全体の上に堆積し、図3に示す構造物を設ける。シリサイド金属の上にオプションの酸素拡散障壁層を形成してもよく、次にアニーリングを実行してポリSiとシリサイド金属との間の反応を起させる。金属の種類によっては、単一アニールを利用して比抵抗の低いシリサイドを形成してもよい。単一アニールの後、未反応の金属およびオプションの酸素拡散障壁を完全に除去し、必要なら第二のアニールを実行するとよい。図4は、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域100と金属シリサイドゲート102とを形成するサリサイド・プロセスの後の構造物を示す。この従来技術プロセスでは、ゲートと、ソース/ドレインとのシリサイド化が同時に起こる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図に示したように、この従来技術プロセスでは、それぞれが約100nmの厚さを有する厚い金属シリサイドゲートと厚いソース/ドレイン・シリサイドとを形成する。これは、いくつかの理由で問題となり得る。第一に、シリサイドがゲートの下に広がり、デバイスをショートさせ得る。第二に、キャップ層をゲートから非選択的に除去したために生じるデバイスのアイソレーション領域の凹みが存在するときも、そのような厚いソース/ドレイン・シリサイドが問題となり得る。詳しくは、この従来技術プロセスのシリサイドは、狭いアイソレーション領域で隔てられているデバイスの間をショートさせ得る。第三に、厚いシリサイドはスペーサの下に広がった領域中のシリコンを消費し、デバイス性能を低下させることがある。従って、厚い完全シリサイド化金属ゲートと、はるかに薄いソース/ドレイン・シリサイドとを作る方法が求められている。さらに、この従来技術プロセスのシリサイドは、デバイスの注入ウェル領域とも接触し、それによってデバイスをショートさせ得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、シリサイド化金属ゲートと、シリサイド化金属ゲートに接するシリサイド化ソース領域およびドレイン領域とを備える進歩したゲート構造物に関する。詳しくは、本発明は、広義に、第一の厚さを有する第一のシリサイド金属のシリサイド化金属ゲートと、隣接する第二の厚さを有する第二の金属のシリサイド化ソース領域およびドレイン領域とを含み、前記第二の厚さは第一の厚さより薄く、前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域は少なくともシリサイド化金属ゲートを含むゲート領域の端に位置合わせした半導体構造物を提供する。
【0006】
本発明によれば、厚いシリサイド化金属ゲートと、薄いシリサイド化ソース領域およびドレイン領域とは、例えばTi、Ta、W、Co、Ni、Pt、Pdおよびそれらの合金のシリサイドなど、同じまたは別の金属シリサイドで構成するとよい。さまざまなシリサイドの中で、Co、NiまたはPtのシリサイドを最も低い比抵抗相で用いると特に好ましい。本発明の非常に好ましい実施態様では、ソース領域およびドレイン領域はCoSi2を含み、一方、シリサイド化金属ゲートはNiSiまたはNiPtSiあるいはその両方を含む。本発明の別の好ましい実施態様では、ソース・シリサイドおよびドレイン・シリサイドはNiSiを含み、一方、シリサイド化金属ゲートはNiSiまたはNiPtSiあるいはその両方を含む。
【0007】
表面の上に配置されたシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を有する半導体基板であって、前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域は500Å未満の厚さを有し、500Åを超える厚さを有するシリサイド化金属ゲートを含むゲート領域の端に自己位置合わせした半導体基板を備える金属酸化物半導体(MOS)デバイスが提供される。
【0008】
上記で説明した構造物に加えて、本発明は、厚いシリサイド化金属ゲートと、シリサイド金属ゲートに接する薄いシリサイド化ソース領域およびドレイン領域とを有する進歩したゲート構造物を形成するための方法も提供する。本発明の一方法では、本発明の構造物を製造する際に以下のプロセス加工工程を使用する。すなわち、
【0009】
少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックと、隣接するソース領域およびドレイン領域とを備える構造物を設ける工程であって、前記少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックはポリシリコン・ゲート導体と、上にある誘電体キャップと、前記ポリシリコン・ゲート導体の少なくとも側壁の上の誘電体ライナと、前記誘電体ライナの上にあって少なくとも前記ポリシリコン・ゲート導体の側壁に隣接するスペーサと、を含む工程と、
少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックを上に備える構造物の上に共形誘電体層と平坦化誘電体層とを含む材料スタックを堆積する工程と、
共形誘電体層と平坦化誘電体層との一部を除去して前記誘電体キャップを露出する工程と、
誘電体キャップを除去してポリシリコン・ゲート導体を露出する工程と、
ポリシリコン・ゲート導体を完全シリサイド化金属ゲートに変換する工程と、
前記ソース領域およびドレイン領域を露出する工程と、
前記ソース領域およびドレイン領域をサリサイド化して完全シリサイド化金属ゲートより薄い厚さを有するシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する工程と、を使用する。
【0010】
上記で説明した方法のいくつかの実施態様では、構造物の上に材料スタックを形成する前にシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する。詳しくは、シリサイド金属ゲートより前にシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成するとき、少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックと、隣接するソース領域およびドレイン領域とを備える構造物を設ける工程で得た構造物の中のスペーサを形成した後、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する。
【0011】
本発明の半導体構造物を形成する第二の方法も提供される。第二の方法は、フォトレジスト(ネガ型またはポジ型)とドライ・エッチング・プロセスとを使用して誘電体キャップを選択的に除去する。詳しくは、本発明の第二の方法は、広義に、以下の工程を含む。すなわち、
【0012】
少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックと、隣接するソース領域およびドレイン領域とを備える構造物を設ける工程であって、前記少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックは、ポリシリコン・ゲート導体と、上にある誘電体キャップと、少なくともポリシリコン・ゲート導体の隣接する側壁の上のスペーサと、を含む工程と、
前記少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックを備える構造物の上にパターン形成されたフォトレジストを形成する工程であって、前記パターン形成されたフォトレジストは前記誘電体キャップを露出する開口部を含む工程と、
ドライ・エッチング・プロセスを利用して誘電体キャップを選択的に除去してポリシリコン・ゲート導体を露出する工程と、
パターン形成されたフォトレジストを除去する工程と、
ポリシリコン・ゲート導体を完全シリサイド化金属ゲートに変換する工程と、
前記ソース領域およびドレイン領域をサリサイド化して、完全シリサイド化金属ゲートより薄い厚さを有するシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する工程と、を含む。
【0013】
上記で説明した第二の方法のいくつかの実施態様では、構造物の上にフォトレジストを形成する前にシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する。詳しくは、シリサイド金属ゲートより前にシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成するとき、少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックと、隣接するソース領域およびドレイン領域とを備える構造物を設ける工程で得た構造物の中のスペーサを形成した後で、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する。本発明の第二の実施態様では、フォトレジストはネガ型フォトレジストまたはポジ型フォトレジストのどちらであってもよい。
【0014】
本発明の第二の方法のいくつかの実施態様では、ゲート領域の周りにリフト・オフ層を形成してから、パターン形成されたフォトレジストを形成する。誘電体キャップを除去した後、リフト・オフ層と一緒にリフト・オフ層の上のパターン形成されたフォトレジストを構造物から除去する。
【0015】
本発明の別の方法は、ゲート・レベルへの正確な位置決めを提供するリソグラフィー・レベルの使用を含む。この本発明の第三の方法は以下の工程を含む。すなわち、
少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックと、隣接するソースおよびドレイン領域とを含む構造物を設ける工程であって、前記少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックはポリシリコン・ゲート導体と、上にある誘電体キャップと、少なくともポリシリコン・ゲート導体の隣接する側壁の上のスペーサと、を含む工程と、
少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックを上に備える構造物の上に平坦化材料と、マスク層と、フォトレジストとを含むスタックを堆積する工程と、
スタックをパターン形成して誘電体キャップを露出する工程と、
ドライ・エッチング・プロセスを利用して誘電体キャップを選択的に除去してポリシリコン・ゲート導体を露出する工程と、
スタックを除去する工程と、
ポリシリコン・ゲート導体を完全シリサイド化金属ゲートに変換する工程と、
前記ソースおよびドレイン領域をサリサイド化して、完全シリサイド化金属ゲートより薄い厚さを有するシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する工程と、を含む。
【0016】
上記で説明した第三の方法のいくつかの実施態様では、構造物の上にスタックを形成する前にシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する。詳しくは、シリサイド金属ゲートより前にシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成するとき、少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックと、隣接するソースおよびドレイン領域とを含む構造物を設ける工程で得た構造物の中のスペーサを形成した後に、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する。本発明の第三の方法では、リフト・オフ層を用いてもよい。平坦化材料、マスク層およびフォトレジストのスタックをパターン形成する前に、パターン形成されたゲート・スタックの露出された表面の上にリフト・オフ層を形成する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本出願の添付の図面を参照して本発明をさらに詳しく説明する。本発明は、完全あるいは十分にシリサイド化されたゲートと、(ゲートおよび従来技術のシリサイド化ソース領域およびドレイン領域と比較して)薄いシリサイド化されたソース領域およびドレイン領域とを有するMOSデバイスと、同デバイスを製造する方法とを同時に提供する。添付の図面は、実尺に正確に比例して描かれておらず、同じおよび/または対応する要素を同じ参照番号で示している。
【0018】
図面では、単一の半導体基板の上に形成された二つのMOSデバイス領域を示していることに注意する。そのような実施態様の例を示してはいるが、本発明は、半導体構造物の表面の上のいかなる特定の数のMOSデバイスの形成にも限定されない。その代わりに、本発明の方法では、半導体基板の表面の上に少なくとも一つの完全あるいは十分にシリサイド化されたMOSデバイスを形成する。
【0019】
まず、図5に例を示す構造物10を参照する。構造物10は半導体基板12を含み、半導体基板12は半導体基板12の表面の上に配置された二つのゲート領域16Lおよび16Rを有する。各ゲート領域、すなわち16Rおよび16Lは、ゲート誘電体18と、ポリSi導体20と、誘電体キャップ22と、誘電体ライナ23と、スペーサ24と、ソース領域およびドレイン領域14とを含む。ソース領域およびドレイン領域14は半導体基板12の内部に配置されている。
【0020】
構造物10の半導体基板12は、Si、Ge、SiGe、SiC、SiGeC、Ga、GaAs、InAs、InPおよびすべてのその他のIII族/V族化合物半導体を含むがそれらに限定されない任意の半導体材料を含む。半導体基板12は、有機半導体、あるいはSi/SiGe、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)またはSiGe・オン・インシュレータ(SGOI)などの層状半導体も含んでよい。本発明のいくつかの実施態様では、Si含有半導体材料、すなわちシリコンを含む半導体材料で半導体基板12を構成することが好ましい。半導体基板12はドープされていても、ドープされていなくてもよく、あるいは内部にドーピング領域と非ドーピング領域とを含んでもよい。
【0021】
半導体基板12は、第一のドープされた(n型またはp型)領域と、第二のドープされた(n型またはp型)領域とを含んでもよい。分りやすくするため、本出願の図面では、ドープされた領域に特に標しを付けていない。第一のドープされた領域と第二のドープされた領域とは同じあってもよく、あるいは異なる導電率またはドーピング濃度あるいはその両方を有してもよい。これらのドープされた領域は、「ウェル」として知られている。
【0022】
通常、本発明のこの時点では、当業者に公知の通常のプロセスを利用して半導体基板の中にトレンチ・アイソレーション領域(図には特に示していない)が既に形成されている。トレンチ・アイソレーション領域は、本発明の図面に示した領域の周辺部、ならびに図に表されている二つのゲート領域の間に配置される。
【0023】
半導体基板12を含み、アイソレーション領域が存在し、堆積された誘電体である場合にはアイソレーション領域も含む構造物10の表面全体の上にゲート誘電体18を形成する。例えば酸化、窒化または酸窒化などの熱成長プロセスによってゲート誘電体18を形成してもよい。あるいは、例えば化学的気相堆積法(CVD)、プラズマ支援CVD、原子層堆積法(ALD)、気化法、反応スパッタリング、化学的溶液堆積法およびその他の同様な堆積プロセスなどの堆積プロセスによってゲート誘電体18を形成してもよい。上記のプロセスの任意の組み合わせを利用してゲート誘電体18を形成してもよい。
【0024】
酸化物、窒化物、酸窒化物または金属シリケートおよび窒化された金属シリケートを含むシリケートあるいはそれらの組み合わせを含むがそれらに限定されない絶縁材料でゲート誘電体18を構成する。一実施態様では、例えばSiO2、HfO2、ZrO2、Al2O3、TiO2、La2O3、SrTiO3、LaAlO3およびそれらの混合物などの酸化物でゲート誘電体18を構成することが好ましい。
【0025】
ゲート誘電体18の物理的厚さは変化してよいが、典型的には、ゲート誘電体18は約0.5から約10nmの厚さを有し、約0.5から約3nmの厚さがより典型的である。
【0026】
ゲート誘電体18を形成した後、例えば物理的気相堆積法、CVDまたは気化法などの既知の堆積プロセスを利用して、図5に示したポリSiゲート導体20の元であるポリシリコン(すなわちポリSi)のブランケット層をゲート誘電体18の上に形成する。ポリシリコンのブランケット層はドープされていてもよく、あるいはドープされていなくてもよい。ドープされている場合、ポリシリコンを形成する際にイン・サイチュ・ドーピング堆積プロセスを使用してもよい。あるいは、堆積、イオン注入およびアニーリングによってドープされたポリSi層を形成してもよい。ポリSi層をドープすると、形成されるシリサイド化金属ゲートの仕事関数がシフトする。ドーパント・イオンを説明する例は、As、P、B、Sb、Bi、In、Al、Ga、Tlまたはそれらの混合物を含む。イオン注入物の典型的な線量は、1E14(=1×1014)から1E16(=1×1016)原子/cm2、またはより典型的に1E15から5E15原子/cm2である。本発明のこの時点で堆積されるポリシリコン層の厚さ、すなわち高さは、使用される堆積プロセスによって変化させてよい。典型的には、ポリシリコン層は約20から約180nmの垂直厚さを有し、約40から約150nmの厚さがより典型的である。
【0027】
ポリシリコンのブランケット層を堆積した後、例えば、物理的気相堆積法または化学的気相堆積法などの堆積プロセスを利用して、ポリシリコンのブランケット層の上に誘電体キャップ22を形成する。誘電体キャップ22は、酸化物、窒化物、酸窒化物またはそれらの任意の組み合わせであってよい。本明細書中下記で詳しく明らかにするスペーサ24とは別の誘電体材料で誘電体キャップ22を構成してもよい。一実施態様では、例えばSi3N4などの窒化物を誘電体キャップ22として使用する。好ましい実施態様であるさらに別の実施態様では、誘電体キャップ22はSiO2などの酸化物である。誘電体キャップ22の厚さ、すなわち高さは約20から約180nmであり、約30から約140nmの厚さがより典型的である。
【0028】
次に、リソグラフィーおよびエッチングによってブランケット・ポリシリコン層と誘電キャップ層とをパターン形成して、パターン形成されたゲート・スタックを設ける。パターン形成されたゲート・スタックは、デバイス性能を改善するために、同じ寸法、すなわち長さを有してもよく、あるいはさまざまな寸法を有してもよい。本発明のこの時点で、パターン形成されたゲート・スタックのそれぞれは、ポリSiゲート伝導体20と誘電体キャップ22とを含む。リソグラフィー工程は、誘電体キャップ層の上部表面にフォトレジストを塗布する工程と、フォトレジストを所望の放射のパターンに露光する工程と、通常のレジスト現像液を利用して露光されたフォトレジストを現像する工程と、を含む。次に、一回または二回以上のドライ・エッチング工程を利用してフォトレジスト中のパターンを誘電体キャップ層およびポリシリコンのブランケット層に転写する。いくつかの実施態様では、パターンを誘電体キャップ層中に転写した後、パターン形成されたフォトレジストを除去するとよい。その他の実施態様では、エッチングが完了した後、パターン形成されたフォトレジストを除去する。
【0029】
パターン形成されたゲート・スタックを形成する際に本発明で用いることができる適当なドライ・エッチング・プロセスは、反応性イオン・エッチング、イオン・ビーム・エッチング、プラズマ・エッチングまたはレーザ・アブレーションを含むが、それらに限定されない。通常、使用されるドライ・エッチング・プロセスは下にあるゲート誘電体18に選択的であり、従って、このエッチング工程でゲート誘電体は通常除去されない。しかし、いくつかの実施態様では、このエッチング工程を用いてゲート・スタックによって保護されていないゲート誘電体18の一部を除去してもよい。ウェット・エッチング・プロセスを用いてゲート・スタックによって保護されていないゲート誘電体18の一部を除去してもよい。
【0030】
次に、少なくともポリシリコン・ゲート導体20を備えるシリコンを含むすべての露出された表面の上に誘電体ライナ23を形成する。誘電体ライナ23は、図5に示したように、半導体基板12の水平表面の上に広がっていてもよい。誘電体ライナ23は、酸化物、窒化物、酸窒化物またはそれらの任意の組み合わせを含む任意の誘電体材料を含んでもよい。酸化、窒化または酸窒化などの熱成長プロセスによって誘電体ライナ23を形成する。本発明によれば、誘電体ライナ23は、通常、厚さが約1から約10nmの薄い層である。
【0031】
各パターン形成されたゲート・スタックの露出された側壁の上ならびに誘電体ライナの上に少なくとも一つのスペーサ24を形成する。酸化物、窒化物、酸窒化物および/またはそれらの任意の組み合わせなどの絶縁体で少なくとも一つのスペーサ24を構成し、通常、誘電体ライナ23および誘電体キャップ22とは別の材料で構成する。好ましくは、窒化物スペーサを形成する。堆積およびエッチングによってこの少なくとも一つのスペーサ24を形成する。スペーサ24を形成する際に用いられるエッチング工程は、基板の上から誘電体ライナ23を除去し、これによって半導体基板12の一部を露出することもできる点に注意する。半導体基板12の露出された部分には、図5で参照番号11と標しを付けている。
【0032】
少なくとも一つのスペーサ24の幅は、ソースおよびドレインのシリサイド接点(続いて形成する)がゲート・スタックのエッジの下に侵入しないよう十分広くしなければならない。通常、少なくとも一つのスペーサの幅が底部で測って約15から約80nmあれば、ソース/ドレイン・シリサイドはゲート・スタックのエッジの下に侵入しない。
【0033】
スペーサを形成した後、露出された部分11で基板12の中にソース/ドレイン拡散領域14を形成する。イオン注入およびアニールする工程を利用してソース/ドレイン拡散領域14を形成する。アニールする工程は、前段の注入工程で注入されたドーパントを活性化する役を果す。イオン注入およびアニールする工程の条件は当業者に公知である。
【0034】
次に、図6に示すように、図5に示した構造物全体の上に共形誘電体層26と平坦化誘電体28とを含む材料スタックを形成する。本発明によれば、まず、共形誘電体層26を形成し、続いて平坦化誘電体層28を形成する。共形誘電体層26は酸化物、窒化物または酸窒化物あるいはそれらの組み合わせを含む任意の誘電体材料を含む。詳しくは、共形誘電体層26はSi3N4などの窒化物を含む。従来の堆積プロセスを利用して形成される共形誘電体層は、堆積後約15から約80nmの厚さを有する。
【0035】
図5に示した構造物の上に共形誘電体層26を形成した後、平坦化誘電体層28を形成する。平坦化誘電体層28は、高密度酸化物などの酸化物またはTEOSから堆積した酸化物を含む。あるいは、平坦化誘電体層28は、ホウ素をドープされたシリケート・ガラス(BSG)またはリンをドープされたシリケート・ガラス(PSG)などのドープされたシリケート・ガラス、水素シルセスキオキサン(HSQ)などのスピン・コート可能な重合体材料、またはフォトレジストを含んでもよい。当業者に公知の通常の技法によって平坦化誘電体層28を形成する。本発明のこの時点で形成される平坦化誘電体層28の厚さは、使用される材料の種類に依存して変化させてよい。通常、平坦化誘電体層28は約50から約100nmの厚さを有する。本発明によれば、ゲート・スタックの上の平坦化層は、ソース領域およびドレイン領域およびトレンチ・アイソレーション領域の上の同層の厚さより薄い。
【0036】
図7および8は、誘電体キャップ22を露出するために本発明で使用することができるさまざまな実施態様を表す。図7はエッチング・バック・プロセスを使用する実施態様を示し、一方、図8は化学的機械研摩(CMP)プロセスを使用する実施態様を示す。エッチング・バック・プロセスは、誘電体キャップ22の上部表面の上に広がる平坦化誘電体層28と共形誘電体層26との両方の一部を選択的に除去することができる少なくとも一回の時間を定めたエッチング・プロセスを含む。いくつかの実施態様では、まず、平坦化誘電体層28の一部をエッチング・バックしてから、さまざまなエッチング・プロセスを用いて共形誘電体層26の一部をエッチング・バックする。図7に示した構造物を形成する際に用いることができるエッチング・プロセスの例は、まず、窒化物に比べて酸化物を選択的にエッチングするドライ・エッチング・プロセスと、それに続く酸化物に比べて窒化物を選択的にエッチングするドライ・エッチング・プロセスとを含む。図8に示した構造物を形成する際に用いられるCMPプロセスは通常のプロセスであり、当業者には公知である。
【0037】
どの技法(例えば、エッチング・バックまたはCMP)を使用するにしても、エッチング・バックまたはCMPの後に結果として得られる構造物で、誘電体キャップ22は露出している。本発明では両方の実施態様を用いてもよいが、以下の図面は、エッチング・バック・プロセスで処理した構造物の例を示している。CMPによって平坦化された構造物も以下のプロセスで処理することができる点に注意する。
【0038】
露出された誘電体キャップ22を、下にあるポリシリコン・ゲート導体20を露出するように、各ゲート領域16Lおよび16Rから除去する。この工程を実行した後で形成される結果の構造物を例えば、図9に示す。本発明では、構造物から誘電体キャップ材料を除去するウェット・エッチング・プロセスまたはドライ・エッチング・プロセスを利用して誘電体キャップ22を除去する。反応性イオン・エッチング(RIE)、イオン・ビーム・エッチング(IBE)およびプラズマ・エッチングなどのドライ・エッチング・プロセスを使用してもよいが、誘電体キャップ22を除去する際にはウェット・エッチング・プロセスを使用する方が好ましい。誘電体キャップ22を除去するために用いることができるウェット・エッチング・プロセスの例は、希薄フッ化水素酸(DHF)を含む。誘電体キャップ22と平坦化誘電体層28とを酸化物で構成する実施態様では、この工程でゲート領域の間にある残存平坦化誘電体層28も除去する。これも図9に示した。この場合、共形誘電体層26の残存部分がソース領域およびドレイン領域14を含む基板の一部を保護する。
【0039】
ポリSiゲート導体20の上からキャップ誘電体22をエッチングした後、ポリSiゲート導体20を消費し、完全あるいは十分にシリサイド化された金属ゲート30を形成する第一のサリサイド・プロセスを実行する。第一のサリサイド・プロセスの例を図10に示す。第一のサリサイド・プロセスの第一の工程は、図9に示した構造物の上にブランケット・シリサイド金属を堆積することを含む。例えばスパッタリング法、化学的気相堆積法、気化法、化学的溶液堆積法、めっき法および類似法を含む任意の通常の堆積プロセスを用いてシリサイド金属を堆積してもよい。シリサイド金属は、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域(続いて形成し、説明する)を形成する際に用いられる金属と同じであってもよく、あるいは異なっていてもよい。
【0040】
Ti、Hf、Ta、W、Co、Ni、Pt、Pdまたはそれらの合金の少なくとも一つでシリサイド金属を構成してよい。一実施態様では、シリサイド金属はCoであり、二段階アニールプロセスを用いてCoSi2が生成する。本発明の別の実施態様では、シリサイド金属はNiまたはPtであり、一段アニール工程を用いてNiSiおよびPtSiが生成する。
【0041】
特定のMOSデバイスに適する仕事関数を有するシリサイド相を形成し、ポリSiゲート導体20のすべてを消費するように、シリサイド金属の厚さを選ぶ。例えば、NiSiは4.65eVの仕事関数を有し、初めのポリシリコン高さが50nmなら、必要なNiの量は約27nmである。CoSi2は4.45eVの仕事関数を有し、初めのポリシリコン高さが50nmなら、必要なNiの量は約14nmである。示したシリサイド金属厚さはポリシリコンを消費するのにちょうど必要な量であるが、消費を完了させるのを確実にするために厚さが約10%過剰であると好ましい。
【0042】
いくつかの実施態様(示していない)では、アニールする前にシリサイド金属の上にTiNまたはWなどの酸素拡散障壁を形成する。
【0043】
詳しくは、サリサイド・アニールする工程は、構造物の中に第一のシリサイド相を形成するために使用する第一のアニールを含み、第一のシリサイド相は、金属シリサイドの中で最も低い比抵抗の相を表してもよく、あるいは表さなくてもよい。通常、第二のアニールする工程より低い温度で第一のアニールを実行する。第一のアニールする工程は、高い抵抗のシリサイド相材料を形成してもよく、あるいは形成しなくてもよく、通常、連続加熱領域、またはさまざまな昇温速度および恒温維持加熱サイクルを用いて約300°から約600℃の温度で実行する。より好ましくは、約350°から約550℃の温度で第一のアニールする工程を実行する。
【0044】
ガス雰囲気、例えばHe、Ar、N2またはフォーミング・ガス中で、(第一および第二の)サリサイド・アニールを実行する。ゲート・シリサイド・アニール工程はさまざまな雰囲気を用いてもよく、あるいはアニールする工程を同じ雰囲気中で実行してもよい。例えば、両方のアニールする工程でHeを用いてもよく、あるいは第一のアニールする工程でHeを用い、第二のアニールする工程でフォーミング・ガスを用いてもよい。
【0045】
次に、選択的ウェット・エッチング工程を使用して構造物から非反応性シリサイド金属を完全に除去する。いくつかの金属シリサイドの場合、ポリシリコンは消費され、第一のシリサイド相の比抵抗は相の最小値に近いので、サリサイド・プロセスをこの時点で止めるとよい。これは、NiおよびPtの場合である。他の場合、例えば、シリサイド金属としてCoまたはTiを用いるとき、残存ポリシリコンを消費し、第二のシリサイド相材料を形成するために、第二の高温アニールが必要である。この実施態様では、第一のシリサイド相は高い比抵抗相のシリサイド材料となり、一方、第二のシリサイド相材料は低い比抵抗相のシリサイド材料となる。
【0046】
連続加熱領域またはさまざまな昇温および恒温加熱サイクルを用いて約600℃から約800℃の温度で第二のアニールする工程を実行する。より好ましくは、約650°から約750℃の温度で第二のアニールする工程を実行する。
【0047】
図10は、完全シリサイド化金属ゲート30を形成した後の構造物を示す。完全シリサイド化金属ゲート30は、ポリSiゲート伝導体20が前に占めていたゲート誘電体18の上のスペーサ24の間の区域に位置する。
【0048】
本発明のいくつかの実施態様では、それまでに実行していなければ、選択的エッチング・プロセスを利用して、ゲート領域の間の平坦化誘電体層28の残存部分を除去する。次に、構造物から共形誘電体材料を選択的にエッチングするエッチング・プロセスを利用して、各ゲート領域の間の共形誘電体層26の残存部分を除去する。本発明のこの工程で、ソース領域およびドレイン領域14を含む基板12の部分が露出する。
【0049】
次に、サリサイド・プロセスを用いてソースおよびドレイン・シリサイド接触32(以後ソース/ドレイン・シリサイド)を形成する。サリサイド・プロセスは、ソース/ドレイン拡散領域11を含む基板12の露出された表面の上にシリサイド金属を堆積する工程と、オプションとして、シリサイド金属の上にTiNなどの酸素拡散障壁材料を堆積する工程と、第一のアニールをしてシリサイドを形成する工程と、用いられる場合には障壁材料を含む未反応金属を完全に選択エッチングする工程と、必要なら、第二のアニールする工程を実行する工程と、を含む。本発明のこの工程を図11に示す。
【0050】
半導体基板がシリコンを含まないとき、半導体基板12の露出された表面の上にシリコンの層(図に示していない)を成長させ、ソース/ドレイン・シリサイド接触を形成する際に用いてもよい。
【0051】
ソース/ドレイン・シリサイド32を形成する際に用いられるシリサイド金属は、シリコンと反応して金属シリサイドを形成することができる任意の金属を含む。基板がシリコンを含んでいなければ、金属シリサイドは、他の基板材料、例えばSiGe表面の場合にはNiとシリサイドを形成する金属を含む必要がある。そのような金属の例は、Ti、Ta、W、Co、Ni、Pt、Pdおよびそれらの合金を含むが、それらに限定されない。一実施態様では、Coが好ましい金属である。そのような実施態様では、第二のアニールする工程が必要である。別の実施態様では、NiまたはPtが好ましい。この実施態様では、通常、第二のアニーリング工程を実行しない。
【0052】
シリサイド化ゲートを形成する際に上記で説明した条件を利用して、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域32を形成してもよい。上記で述べたプロセスを利用して形成されるソース/ドレイン・シリサイド、すなわちシリサイド化ソース領域およびドレイン領域32は、ゲート領域16Rまたは16Lのエッジに自己整合させる。詳しくは、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域32の外端は、誘電体ライナ23およびスペーサ24の端と位置合わせする。シリサイド化ソース領域およびドレイン領域32は50nm未満の厚さ(垂直に測って)を有し、約15から約30nmの厚さがより典型的である。
【0053】
本発明のプロセスでは、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する際にシリサイド化金属を用い、シリサイド化金属ゲートは金属シリサイドの生成を促進することができる合金形成添加物を含んでもよい。本発明で使用することができる合金形成添加物の例は、合金形成添加物はシリサイドを形成する際に用いられる材料と同じではないという条件で、C、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ge、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Sn、Hf、Ta、W、Re、Ir、Ptまたはそれらの混合物を含む。合金形成添加物は、存在するとき、約0.1から約50原子パーセント量存在する。合金形成添加物は、シリサイド金属層へのドーパント材料として導入してもよく、あるいはアニールする前にシリサイド金属層の上に形成される層であってもよい。
【0054】
上記は、高い位置のソース領域およびドレイン領域を含まない初期構造物を説明しているが、本発明は、初期構造物中の高い位置のソース領域およびドレイン領域の存在も包含する点に注意すべきである。高い位値のソース領域およびドレイン領域は、当業者には公知の通常の技法を利用して形成される。詳しくは、ソース領域およびドレイン領域に注入する工程の前に、エピSi、非晶質Si、SiGeおよび類似物などの任意のSi含有層を基板の上に堆積することによって高い位値のソース領域およびドレイン領域を形成する。
【0055】
上記で説明した、シリサイド化金属ゲートの後にシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する実施態様に加えて、本発明は、シリサイド化金属ゲートより前にシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する実施態様も包含する。そのような実施態様では、スペーサ24を形成した後、構造物の上に共形誘電体層26を形成する前にシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成してもよい。
【0056】
次に、本発明の第二の方法を示す図12〜16を参照する。この第二の方法では、フォトレジスト(ネガ型またはポジ型)およびドライ・エッチングを使用してポリシリコン・ゲート導体20の上の誘電体キャップ22を除去する。詳しくは、第二の方法は、まず、図12に示す構造物50物を設ける工程によって開始される。構造物50は、誘電体ライナ23が存在しない点を除けば、図5に示した構造物10に似ている。誘電体ライナ23をまったく示していないが、本発明は、同ライナが存在する実施態様を包含する。図12に示した構造物50は半導体基板12を含み、半導体基板12は半導体基板12の表面の上に配置された二つのゲート領域16Lおよび16Rを有する。各ゲート領域、すなわち16Rおよび16Lは、ゲート誘電体18と、ポリSi導体20と、誘電体キャップ22と、スペーサ24と、ソース領域およびドレイン領域14と、を含む。ソース領域およびドレイン領域14は、半導体基板12の内部に配置されている。
【0057】
上記で説明した、図5に示した構造物10を製造するための第一の実施態様の技法を用いて、図12に示した初期構造物を製造する。
【0058】
本発明の第二の実施態様によれば、次に、構造物全体の上にネガ型フォトレジスト(あるいはポジ型フォトレジスト)52を形成し、図13に示した構造物を設ける。用語「ネガ型フォトレジスト」は、マスクの不透明領域によって露光から保護されていなかった区域では残るが、保護されていた領域では現像液によって除去されるフォトレジストを示す。従って、フォトレジストの非露光領域は現像後に除去され、従って、マスクのネガ画像が残る。従って、本発明で使用されるネガ型フォトレジスト52は、光に露光されると可溶性状態から不溶性状態に変化する任意のフォトレジスト材料を含む。そのようなネガ型レジストは普通であり、当業者に公知である。
【0059】
ネガ型フォトレジストに加えて、本発明は、ポジ型フォトレジストを用いることも包含する。ネガ型フォトレジストと比べて、ポジ型フォトレジストを用いる際の差異は、露光されたポジ型フォトレジストは、放射に露光されると可溶性になることである。従って、露光された区域は現像され、除去される。そのようなポジ型フォトレジストも当業者に公知である。ポジ型フォトレジストを使用しても、下記で説明するプロセス諸工程は変わらない。使用されるフォトレジストの特定の種類は、当業者に公知のように、用いられるマスクの極性に依存する。
【0060】
スピン・オン・コーティングなど当業者に公知の通常の堆積プロセスを用いて、図12に示した構造物にフォトレジスト52を塗布する。塗布されたフォトレジスト52の上部表面が誘電体キャップ22の上部表面より上にある限り、フォトレジスト52の厚さを変化させてよい。
【0061】
図14は、フォトレジストを放射に露光し、各ゲート領域16Lおよび16Rより上にあるフォトレジスト52の区域を現像した後の構造物を示す。露光および現像プロセスは、当業者に公知の通常のリソグラフィー技法を含む。この構造物で、ポリSiゲート導体20の上の各誘電体キャップ22の上部表面が露出されている点に注意する。
【0062】
次に、図15に示すように、下にあるポリSiゲート導体20を露出するように、誘電体キャップ22を構造物から除去する。本発明のこの実施態様によれば、フォトレジストと比べて誘電体キャップを選択的に除去するドライ・エッチング・プロセスを利用して、誘電体キャップ22を除去する。例えば、反応性イオン・エッチングまたはレーザ・ビーム・エッチング、イオン・ビーム・エッチングを用いて誘電体キャップ22を選択的に除去することができる。
【0063】
誘電体キャップ22の除去に続いて、残存フォトレジスト52を構造物から除去し、図16に例を示す構造物を得る。次に、シリサイド化金属ゲートおよびシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する際に上記で説明したプロセス加工を実行する。その結果の構造物は、誘電体ライナ23が必ずしも存在しない点を除けば図11に示したものに似ている。
【0064】
さらに、第二の実施態様は、フォトレジスト(ネガ型またはポジ型)を形成する前にシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する場合も包含する。
【0065】
次に、図17〜20を参照する。これらの図は、フォトレジストをリフト・オフ層とともに用いる本発明の第二の方法の実施態様の例を示す説明図である。本発明のこの方法は、図17に示す構造物60を設けることによって開始される。この構造物は半導体基板12を含み、半導体基板12は、半導体基板12の表面の上に配置された二つのゲート領域16Lおよび16Rを有する。各ゲート領域、すなわち16Rおよび16Lは、ゲート誘電体18と、ポリSi導体20と、誘電体キャップ22と、スペーサ24と、ソース領域およびドレイン領域14と、を含む。ソース領域およびドレイン領域14は、半導体基板12の内部に配置されている。基板12と、ゲート領域16Lおよび16Rとの上にフォトレジスト(ネガ型またはポジ型のどちらか)52を配置する。リフト・オフ層62がゲート領域16Lおよび16Rを囲む。
【0066】
詳しくは、リフト・オフ層62は、ゲート・スタックの周り、フォトレジストの下に配置される。リフト・オフ層62は、化学溶媒中で基板から剥離することができる接着強さの低い層である。当業者に知られているように、リフト・オフ層の上の材料は除去される。詳しくは、本発明では、誘電体ギャップを除去したら、露出されたポリSiゲート導体の上にシリサイド金属を堆積した後、残存リフト・オフ層とフォトレジストとを除去する。
【0067】
上記で説明した、図5に示した構造物10を製造するための第一の実施態様中の技法と、図13に示した構造物を製造することに関連して説明したプロセス加工技法との両方を用いて、図17に示す初期構造物を製造する。図17に示した構造物の異なる点は、フォトレジストを塗布する前に各ゲート・スタックの周りにリフト・オフ層62を形成する点である。スピン・オン・プロセスなどの既知の堆積プロセスを利用してリフト・オフ層62を形成する。使用される材料ならびにフォトレジスト52の厚さに依存してリフト・オフ層62の厚さを変化させてよい。典型的には、リフト・オフ層62は約50から約200nmの厚さを有し、約100から約150nmの厚さがより典型的である。普通のリフト・オフ材料は当業者に知られている。
【0068】
次に、フォトレジスト52を塗布した後、第二の方法において上記で説明したようにフォトレジスト52を露出し、現像し、各誘電体キャップ22の上部表面層に配置されたリフト・オフ層62を露出する開口部を設ける。各ゲート領域の上のリフト・オフ層62を露出させた後、露出されたリフト・オフ層62を除去し、下にある誘電体キャップ22の表面を露出する。図18を参照する。次に、本発明の第二の方法で説明した、フォトレジスト52と比べて誘電体キャップ22を選択的に除去するドライ・エッチング・プロセスを利用して、露出された誘電体キャップ22を構造物から除去する。例えば図19に構造物を示す。
【0069】
次に、図20に示すように、当分野で公知の通常のリフト・オフ・プロセスを利用して構造物からフォトレジスト52を除去する。例えば、このリフト・オフ・プロセスは、それまでに除去されていない残存リフト・オフ層62を剥離するウェット・エッチング・プロセスを含むとよい。次に、上記で説明したプロセス加工、すなわちゲートのシリサイド化を行う。あるいは、リフト・オフ手順より前に、露出されたポリSiゲート導体の上に金属シリサイドを形成してもよい。構造物の他の区域にはポリSiゲート導体の他に金属シリサイドは存在しないので、これによって、シリサイド化工程の間に選択的ウェット・エッチング・プロセスを利用する必要がなくなる。リフト・オフ・プロセスの後、ポリSiゲートの上にはシリサイド金属しか存在しないので、リフト・オフの前にシリサイド化する必要はない。
【0070】
構造物の上にリフト・オフ層62およびフォトレジスト52を形成する前、またはシリサイド金属ゲートを形成した後、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成してもよい。
【0071】
本発明の第三の方法を図21〜29に示す。本発明のこの好ましい方法では、リソグラフィー・レベルを用いてゲート・レベルに正確な位置決めをもたらす。図21は、本発明のこの実施態様で使用される初期構造物70を示す。初期構造物70は、半導体基板12を含み、半導体基板12は表面の上に配置された二つのゲート領域16Lおよび16Rを有する。各ゲート領域、すなわち16Rおよび16Lは、ゲート誘電体18と、ポリSi導体20と、誘電体キャップ22と、スペーサ24と、ソース領域およびドレイン領域14と、を含む。ソース領域およびドレイン領域14は、半導体基板12の内部に配置されている。誘電体ライナ23が存在しない点を除けば、上記で説明した、図5に示した構造物10を製造するための第一の方法の技法を用いて、図21に示した初期構造物を製造する。
【0072】
次に、図22に示すように、BSG、PSGまたは酸化物などの平坦化材料72を初期構造物70に塗布する。好ましくは、本発明のこの実施態様では、平坦化材料70は有機材料である。本発明の第一の方法で説明したと同じように平坦化材料72を形成する。
【0073】
次に、通常の堆積プロセスを利用して、平坦化材料72の上に酸化物などのマスク層74を形成する。通常、堆積した後、マスク層74は約25から約75nmの厚さを有する。次に、リソグラフィーおよびエッチングによってマスク層74をパターン形成する。図24〜26にこれらの工程を示す。詳しくは、図26は、マスク層の上にフォトレジスト76を形成した後の構造物を示す。図27は露光および現像によってフォトレジスト76をパターン形成した後の構造物を示し、図28はフォトレジスト76からマスク層74にパターンを転写した後の構造物を示す。パターンの転写は、反応性イオン・エッチングまたは別の同様なドライ・エッチング・プロセスなどのエッチング・プロセスによって起こる。
【0074】
次に、図27に示すように、フォトレジスト76も消費するドライ・エッチング・プロセスによって、パターンを平坦化材料72に転写する。例えば、反応性イオン・エッチング(RIE)を用いてパターンを平坦化材料中に転写し、フォトレジストを消費することができる。この工程で、誘電体キャップ22の上部表面が露出される点に注意する。
【0075】
次に、上記で説明した、本発明の第二の方法のドライ・エッチング・プロセスを利用して、誘電体キャップ22および残存マスク層74を除去し、図28に示す構造物を設ける。誘電体キャップ22を除去すると、下にあるポリSiゲート導体20が露出される。次に、残存平坦化材料72をストリップし、上記で説明したように完全シリサイド化金属ゲートおよびシリサイド化ソース領域およびドレイン領域のプロセス加工を実行してもよい。あるいは、構造物の上に平坦化材料72を形成する前に、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成してもよい。この方法では、上記で説明したリフト・オフ層を使用してもよい。
【0076】
図29は、平坦化材料72を除去した後の構造物を示す。
【0077】
図30〜33は、どのようにして、平坦化材料72が下にある材料を保護し、当業者に知られているリソグラフィーおよびドライ・エッチング方法に固有のCDバイアスおよび位置決め誤差を回避するかを示す。これらの図面中の要素は、図21〜29に示したものと同じである点に注意する。図30〜33に示したプロセスの特徴は、CDまたはオーバレイのミスマッチが大きくなっても、ソース領域およびドレイン領域と、トレンチ・アイソレーション領域とを依然保護することである。図33に示した構造物は、上記で説明したようにプロセス加工して、完全シリサイド化金属ゲートと、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域とを内部に形成することができる点に注意する。
【0078】
図34〜38および図39〜44は、リフト・オフ層78を平坦化材料72とともに用いる実施態様を示す。これらの実施態様で用いる基本的なプロセス加工工程および材料は、上記で詳しく説明した。従って、プロセス加工工程をここで繰り返す必要はない。リフト・オフ層78は、既に説明した図面の中で表したリフト・オフ層62と同じ材料である点に注意する。
【0079】
図34〜38は、どのようにして、図21〜29に示したような平坦化有機方式をリフト・オフ層とともに用いることができるかの例を示す。これらの図では、リフト・オフ層78と、平坦化有機層72と、第一のハード・マスク73および第二のハード・マスク74と、を含むスタックを使用し、この順に堆積する。次に、レジスト76を塗布し、パターン形成する。まず、レジストパターンをハード・マスク・スタックに転写し、その後、フォトレジスト76を同時に消費しながら平坦化有機層72に転写する。次に、上記で説明したように、誘電体キャップの上のリフト・オフ層78と、下にある誘電体キャップ22とを除去する。次に、露出された誘電体キャップの表面の上に、図で90と標しを付けた金属シリサイドを塗布した後、残存リフト・オフ層と、残存リフト・オフ層の上にある材料層とを除去する。次に、少なくとも一回のシリサイド・アニールを実行する。
【0080】
図39〜44は、誘電体キャップ22を除去した後、等方性エッチングによって平坦化有機層72を若干下部切除(アンダーカット)することができる別の実施態様を説明する。この実施態様では、リフト・オフ・プロセスの確実性が高まる。
【0081】
上記で説明したさまざまな実施態様でライナ23を使用してもよい点に注意すべきである。さらに、フォトレジストを使用する実施態様ではリフト・オフ技術を用いてもよい。
【0082】
上記で示したように、本発明のさまざまな方法は、完全シリサイド化金属ゲートと、隣接するシリサイド化ソース領域およびドレイン領域とを有し、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域が完全シリサイド化金属ゲートより薄い厚さを有するMOS構造物を提供する。詳しくは、シリサイド化金属ゲートの厚さは500Åより厚く、シリサイド化ソース領域およびドレイン領域の厚さは500Åより薄く、好ましくは300Åより薄く、より好ましくは200Åより薄い。
【0083】
本発明の好ましい実施態様によって、本発明を詳しく示し、説明してきたが、本発明の技術思想および範囲から逸脱することなく、前述およびその他の形式上および詳細上の変化を施し得ることは当業者に理解されるものとする。従って、本発明は、説明し、例を示した形式および詳細そのものに限定されず、添付の請求項の範囲内に属すると意図される。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】自己整合シリサイド化金属ゲートをポリシリコン・ゲートから製造する従来技術プロセスを表す説明図(断面図による)である。
【図2】自己整合シリサイド化金属ゲートをポリシリコン・ゲートから製造する従来技術プロセスを表す説明図(断面図による)である。
【図3】自己整合シリサイド化金属ゲートをポリシリコン・ゲートから製造する従来技術プロセスを表す説明図(断面図による)である。
【図4】自己整合シリサイド化金属ゲートをポリシリコン・ゲートから製造する従来技術プロセスを表す説明図(断面図による)である。
【図5】本発明の第一の方法で使用される基本的プロセス工程の例を示す説明図(断面図による)である。
【図6】本発明の第一の方法で使用される基本的プロセス工程の例を示す説明図(断面図による)である。
【図7】本発明の第一の方法で使用される基本的プロセス工程の例を示す説明図(断面図による)である。
【図8】本発明の第一の方法で使用される基本的プロセス工程の例を示す説明図(断面図による)である。
【図9】本発明の第一の方法で使用される基本的プロセス工程の例を示す説明図(断面図による)である。
【図10】本発明の第一の方法で使用される基本的プロセス工程の例を示す説明図(断面図による)である。
【図11】本発明の第一の方法で使用される基本的プロセス工程の例を示す説明図(断面図による)である。
【図12】本発明の第二の方法で使用される基本的プロセス工程の例を示す説明図(断面図による)である。
【図13】本発明の第二の方法で使用される基本的プロセス工程の例を示す説明図(断面図による)である。
【図14】本発明の第二の方法で使用される基本的プロセス工程の例を示す説明図(断面図による)である。
【図15】本発明の第二の方法で使用される基本的プロセス工程の例を示す説明図(断面図による)である。
【図16】本発明の第二の方法で使用される基本的プロセス工程の例を示す説明図(断面図による)である。
【図17】フォトレジストをリフト・オフ層とともに用いる本発明の第二の方法の実施態様の例を示す説明図(断面図による)である。
【図18】フォトレジストをリフト・オフ層とともに用いる本発明の第二の方法の実施態様の例を示す説明図(断面図による)である。
【図19】フォトレジストをリフト・オフ層とともに用いる本発明の第二の方法の実施態様の例を示す説明図(断面図による)である。
【図20】フォトレジストをリフト・オフ層とともに用いる本発明の第二の方法の実施態様の例を示す説明図(断面図による)である。
【図21】リソグラフィー・レベルを用いてゲート・レベルに正確な位置決めをもたらす本発明の第三の方法の例を示す説明図(断面図による)である。
【図22】リソグラフィー・レベルを用いてゲート・レベルに正確な位置決めをもたらす本発明の第三の方法の例を示す説明図(断面図による)である。
【図23】リソグラフィー・レベルを用いてゲート・レベルに正確な位置決めをもたらす本発明の第三の方法の例を示す説明図(断面図による)である。
【図24】リソグラフィー・レベルを用いてゲート・レベルに正確な位置決めをもたらす本発明の第三の方法の例を示す説明図(断面図による)である。
【図25】リソグラフィー・レベルを用いてゲート・レベルに正確な位置決めをもたらす本発明の第三の方法の例を示す説明図(断面図による)である。
【図26】リソグラフィー・レベルを用いてゲート・レベルに正確な位置決めをもたらす本発明の第三の方法の例を示す説明図(断面図による)である。
【図27】リソグラフィー・レベルを用いてゲート・レベルに正確な位置決めをもたらす本発明の第三の方法の例を示す説明図(断面図による)である。
【図28】リソグラフィー・レベルを用いてゲート・レベルに正確な位置決めをもたらす本発明の第三の方法の例を示す説明図(断面図による)である。
【図29】リソグラフィー・レベルを用いてゲート・レベルに正確な位置決めをもたらす本発明の第三の方法の例を示す説明図(断面図による)である。
【図30】どのようにして平坦化層が下にある材料を保護し、リソグラフィーに固有の臨界寸法(CD)バイアスおよび位置決め誤差を回避するかの例を示す説明図(断面図による)である。
【図31】どのようにして平坦化層が下にある材料を保護し、リソグラフィーに固有の臨界寸法(CD)バイアスおよび位置決め誤差を回避するかの例を示す説明図(断面図による)である。
【図32】どのようにして平坦化層が下にある材料を保護し、リソグラフィーに固有の臨界寸法(CD)バイアスおよび位置決め誤差を回避するかの例を示す説明図(断面図による)である。
【図33】どのようにして平坦化層が下にある材料を保護し、リソグラフィーに固有の臨界寸法(CD)バイアスおよび位置決め誤差を回避するかの例を示す説明図(断面図による)である。
【図34】平坦化層とともに用いることができる一リフト・オフ方式の例を示す説明図(断面図による)である。
【図35】平坦化層とともに用いることができる一リフト・オフ方式の例を示す説明図(断面図による)である。
【図36】平坦化層とともに用いることができる一リフト・オフ方式の例を示す説明図(断面図による)である。
【図37】平坦化層とともに用いることができる一リフト・オフ方式の例を示す説明図(断面図による)である。
【図38】平坦化層とともに用いることができる一リフト・オフ方式の例を示す説明図(断面図による)である。
【図39】平坦化層とともに用いることができる別のリフト・オフ方式の例を示す説明図(断面図による)である。
【図40】平坦化層とともに用いることができる別のリフト・オフ方式の例を示す説明図(断面図による)である。
【図41】平坦化層とともに用いることができる別のリフト・オフ方式の例を示す説明図(断面図による)である。
【図42】平坦化層とともに用いることができる別のリフト・オフ方式の例を示す説明図(断面図による)である。
【図43】平坦化層とともに用いることができる別のリフト・オフ方式の例を示す説明図(断面図による)である。
【図44】平坦化層とともに用いることができる別のリフト・オフ方式の例を示す説明図(断面図による)である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の厚さを有する第一のシリサイド金属の完全シリサイド化金属ゲートと、隣接する第二の厚さを有する第二の金属のシリサイド化ソース領域およびドレイン領域とを含み、前記第二の厚さは前記第一の厚さより薄く、前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域は、少なくとも前記完全シリサイド化金属ゲートを含むゲート領域の端に位置合わせした半導体構造物。
【請求項2】
前記第一の厚さは500Åより厚く、前記第二の厚さは500Åより薄い、請求項1に記載の半導体構造物。
【請求項3】
前記第二の厚さは300Åより薄い、請求項2に記載の半導体構造物。
【請求項4】
前記第二の厚さは200Åより薄い、請求項2に記載の半導体構造物。
【請求項5】
前記第一および第二のシリサイド金属は前記同じシリサイド金属で構成される、請求項1に記載の半導体構造物。
【請求項6】
前記第一および第二のシリサイド金属は前記異なるシリサイド金属で構成される、請求項1に記載の半導体構造物。
【請求項7】
前記同じシリサイド金属はTi、Ta、W、Co、Ni、Pt、Pdまたはそれらの合金の少なくとも一つのシリサイドを含む、請求項5に記載の半導体構造物。
【請求項8】
前記同じ金属シリサイドはCo、NiまたはPtの少なくとも一つのシリサイドを含む、請求項7に記載の半導体構造物。
【請求項9】
前記異なるシリサイド金属はTi、Ta、W、Co、Ni、Pt、Pdまたはそれらの合金の少なくとも二つのシリサイドを含む、請求項6に記載の半導体構造物。
【請求項10】
前記異なるシリサイド金属はCo、NiまたはPtの少なくとも二つのシリサイドを含む、請求項9に記載の半導体構造物。
【請求項11】
前記第一のシリサイド金属はNiSi、NiPtSiまたはそれらの組み合わせを含み、前記第二のシリサイド金属はNiSiを含む、請求項1に記載の半導体構造物。
【請求項12】
前記第一のシリサイド金属はNiSi、NiPtSiまたはそれらの組み合わせを含み、前記第二のシリサイド金属はCoSi2を含む、請求項1に記載の半導体構造物。
【請求項13】
表面の上に配置されたシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を有する半導体基板を備える金属酸化物半導体(MOS)デバイスであって、前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域は500Å未満の厚さを有し、500Åを超える厚さを有する完全シリサイド化金属ゲートを含むゲート領域の端に自己位置合わせしたデバイス。
【請求項14】
前記シリサイド化ソース/およびドレイン領域の前記厚さは300Åより薄い、請求項13に記載のMOSデバイス。
【請求項15】
前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域の前記厚さは200Åより薄い、請求項13に記載のMOSデバイス半導体構造物。
【請求項16】
前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域と、前記シリサイド化金属ゲートとは前記同じシリサイド金属で構成される、請求項13に記載のMOSデバイス。
【請求項17】
前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域と、前記シリサイド化金属ゲートとは前記異なるシリサイド金属で構成される、請求項13に記載のMOSデバイス。
【請求項18】
前記同じシリサイド金属はTi、Ta、W、Co、Ni、Pt、Pdまたはそれらの合金の少なくとも一つのシリサイドを含む、請求項16に記載のMOSデバイス。
【請求項19】
前記同じ金属シリサイドはCo、NiまたはPtの少なくとも一つのシリサイドを含む、請求項18に記載のMOSデバイス。
【請求項20】
前記異なるシリサイド金属はTi、Ta、W、Co、Ni、Pt、Pdまたはそれらの合金の少なくとも二つのシリサイドを含む、請求項17に記載のMOSデバイス。
【請求項21】
前記異なるシリサイド金属はCo、NiまたはPtの少なくとも二つのシリサイドを含む、請求項20に記載のMOSデバイス。
【請求項22】
前記シリサイド化金属ゲートはNiSi、NiPtSiまたはそれらの組み合わせを含み、前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域はNiSiを含む、請求項13に記載のMOSデバイス。
【請求項23】
前記シリサイド化金属ゲートはNiSi、NiPtSiまたはそれらの組み合わせを含み、前記シリサイド化ソースおよびドレイン領域はCoSi2を含む、請求項13に記載のMOSデバイス。
【請求項24】
進歩した金属酸化物半導体構造物を形成する方法であって、
少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックと、隣接するソース領域およびドレイン領域とを備える構造物を設ける工程であって、前記少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックは、ポリシリコン・ゲート導体と、上にある誘電体キャップと、前記ポリシリコン・ゲート導体の少なくとも側壁の上の誘電体ライナと、前記誘電体ライナの上にあって少なくともポリシリコン・ゲート導体の側壁に隣接するスペーサと、を含む工程と、
少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックを上に備える構造物の上に共形誘電体層と平坦化誘電体層とを含む材料のスタックを堆積する工程と、
前記共形誘電体層と平坦化誘電体層との一部を除去して前記誘電体キャップを露出する工程と、
前記露出された誘電体キャップを除去して前記ポリシリコン・ゲート導体を露出する工程と、
前記ポリシリコン・ゲート導体を完全シリサイド化金属ゲートに変換する工程と、
前記ソース領域およびドレイン領域を露出する工程と、
前記ソース領域およびドレイン領域をサリサイド化して、前記完全シリサイド化金属ゲートより薄い厚さを有するシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する工程と、
を含む方法。
【請求項25】
前記構造物を設ける工程でシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成するように前記諸工程を変更した、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記共形誘電体層と前記平坦化誘電体層との前記一部を除去する前記工程は、エッチング・バック・プロセスを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記共形誘電体層と前記平坦化誘電体層との前記一部を除去する前記工程は、化学的機械研磨を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記露出された誘電体キャップを除去する前記工程はエッチング・プロセスを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記エッチング・プロセスは、希釈フッ化水素酸を使用するウェット・エッチングを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記ポリシリコン・ゲート導体を変換する前記工程はサリサイド化プロセスを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
前記サリサイド化プロセスは、ポリシリコンと反応して前記露出されたポリシリコン・ゲート導体の上に金属シリサイドを形成することができる少なくとも一つの金属を形成する工程と、第一のシリサイド相を形成する第一のアニールする工程と、未反応金属を完全に除去する工程と、前記第一のシリサイド相を第二のシリサイド相に変換するオプションの第二のアニールする工程とを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第一のアニールする工程は約300°から約600℃の温度で実行される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記オプションの第二のアニールする工程は約600°から約800℃の温度で実行される、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記第一のアニールする工程および前記オプションの第二のアニールする工程はHe、Ar、N2またはフォーミング・ガスを含む雰囲気中で実行される、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記完全シリサイド化金属ゲートはNiSiまたはNiSiPtを含み、前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域はCoSi2を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項36】
前記完全シリサイド化金属ゲートはNiSiまたはNiSiPtを含み、前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域はNiSiを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項37】
進歩した金属酸化物半導体構造物を形成する方法であって、
少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックと、隣接するソース領域およびドレイン領域とを含む構造物を設ける工程であって、前記少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックは、ポリシリコン・ゲート導体と、上にある誘電体キャップと、少なくともポリシリコン・ゲート導体の隣接する側壁の上にあるスペーサと、を含む工程と、
前記少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックを備える前記構造物の上にパターン形成されたフォトレジストを形成する工程であって、前記パターン形成されたフォトレジストは前記誘電体キャップを露出する開口部を含む工程と、
ドライ・エッチング・プロセスを利用して前記露出された誘電体キャップを選択的に除去して前記ポリシリコン・ゲート導体を露出する工程と、
前記パターン形成されたフォトレジストを除去する工程と、
前記ポリシリコン・ゲート導体を完全シリサイド化金属ゲートに変換する工程と、
前記ソース領域およびドレイン領域をサリサイド化して、前記完全シリサイド化金属ゲートより薄い厚さを有するシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する工程と、
を含む工程。
【請求項38】
前記構造物を設ける前記工程でシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成するように前記諸工程を変更した、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記パターン形成されたフォトレジストはネガ型レジストを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記パターン形成されたフォトレジストはポジ型レジストを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックを囲むようにリフト・オフ層を塗布する工程をさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記誘電体キャップを除去する前に、前記パターン形成されたゲート・スタックの上の前記リフト・オフ層の一部を除去する、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記誘電体キャップを選択的に除去した後であるが、前記ポリシリコン・ゲート導体を完全シリサイド化金属ゲートに変換する前に、リフト・オフ・プロセスを用いて前記リフト・オフ層の上の前記パターン形成されたフォトレジストを除去する、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記ポリシリコン・ゲート導体を完全シリサイド化金属ゲートに変換する前記工程は、第一のアニールおよびオプションとして第二のアニールを含み、これらの二つのアニールの間に行われる選択エッチングを使用しない、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記露出された誘電体キャップを選択的に除去する前記工程は、ドライ・エッチング・プロセスを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項46】
前記ポリシリコン・ゲート導体を完全シリサイド化金属ゲートに変換する前記工程は、ポリシリコンと反応して前記露出されたポリシリコン・ゲート導体の上に金属シリサイドを形成することができる少なくとも一つの金属を形成する工程と、第一のシリサイド相を形成する第一のアニールする工程と、未反応金属を完全に除去する工程と、前記第一のシリサイド相を第二のシリサイド相に変換するオプションの第二のアニールする工程とを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項47】
前記第一のアニールする工程は約300°から約600℃の温度で実行される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記オプションの第二のアニールする工程は、約600°から約800℃の温度で実行される、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記第一のアニールする工程および前記オプションの第二のアニールする工程はHe、Ar、N2またはフォーミング・ガスを含む雰囲気中で実行される、請求項46に記載の方法。
【請求項50】
前記完全シリサイド化金属ゲートはNiSiまたはNiSiPtを含み、前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域はCoSi2を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項51】
前記完全シリサイド化金属ゲートはNiSiまたはNiSiPtを含み、前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域はNiSiを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項52】
進歩した金属酸化物半導体構造物を形成する方法であって、
少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックと、隣接するソース領域およびドレイン領域とを含む構造物を設ける工程であって、前記少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックはポリシリコン・ゲート導体と、上にある誘電体キャップと、少なくともポリシリコン・ゲート導体の隣接する側壁の上にあるスペーサと、を含む工程と、
前記少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックを上に備える構造物の上に平坦化材料、マスク層およびフォトレジストを含むスタックを堆積する工程と、
前記スタックをパターン形成して前記誘電体キャップを露出する工程と、
ドライ・エッチング・プロセスを利用して前記露出された誘電体キャップを選択的に除去して前記ポリシリコン・ゲート導体を露出する工程と、
前記パターン形成されたスタックを除去する工程と、
前記ポリシリコン・ゲート導体を完全シリサイド化金属ゲートに変換する工程と、
前記ソース領域およびドレイン領域をサリサイド化して完全シリサイド化金属ゲートより薄い厚さを有するシリサイド化ソースおよびドレイン領域を形成する工程と、
を含む方法。
【請求項53】
前記構造物を提供する工程でシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成するように前記諸工程を変更する、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記フォトレジストはネガ型レジストを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記フォトレジストはポジ型レジストを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項56】
前記少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックを囲むようにリフト・オフ層を塗布する工程をさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項57】
前記誘電体キャップを除去する前に、前記パターン形成されたゲート・スタックの上の前記リフト・オフ層の一部を除去する、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記誘電体キャップを選択的に除去した後であるが、前記ポリシリコン・ゲート導体を完全シリサイド化金属ゲートに変換する前に、リフト・オフ・プロセスを用いて前記リフト・オフ層の上の前記パターン形成されたフォトレジストを除去する、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記ポリシリコン・ゲート導体を完全シリサイド化金属ゲートに変換する前記工程は、第一のアニールおよびオプションとして第二のアニールを含み、これらの二つのアニールの間に行われる選択エッチングを使用しない、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記露出された誘電体キャップを選択的に除去する前記工程はドライ・エッチング・プロセスを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項61】
前記ポリシリコン・ゲート導体を完全シリサイド化金属ゲートに変換する前記工程は、ポリシリコンと反応して前記露出されたポリシリコン・ゲート導体の上に金属シリサイドを形成することができる少なくとも一つの金属を形成する工程と、第一のシリサイド相を形成する第一のアニールする工程と、未反応金属を完全に除去する工程と、前記第一のシリサイド相を第二のシリサイド相に変換するオプションの第二のアニールする工程とを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項62】
前記第一のアニールする工程は約300°から約600℃の温度で実行される、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記オプションの第二のアニールする工程は約600°から約800℃の温度で実行される、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記第一のアニールする工程および前記オプションの第二のアニールする工程はHe、Ar、N2またはフォーミング・ガスを含む雰囲気中で実行される、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
前記完全シリサイド化金属ゲートはNiSiまたはNiSiPtを含み、前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域はCoSi2を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項66】
前記完全シリサイド化金属ゲートはNiSiまたはNiSiPtを含み、前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域はNiSiを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項1】
第一の厚さを有する第一のシリサイド金属の完全シリサイド化金属ゲートと、隣接する第二の厚さを有する第二の金属のシリサイド化ソース領域およびドレイン領域とを含み、前記第二の厚さは前記第一の厚さより薄く、前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域は、少なくとも前記完全シリサイド化金属ゲートを含むゲート領域の端に位置合わせした半導体構造物。
【請求項2】
前記第一の厚さは500Åより厚く、前記第二の厚さは500Åより薄い、請求項1に記載の半導体構造物。
【請求項3】
前記第二の厚さは300Åより薄い、請求項2に記載の半導体構造物。
【請求項4】
前記第二の厚さは200Åより薄い、請求項2に記載の半導体構造物。
【請求項5】
前記第一および第二のシリサイド金属は前記同じシリサイド金属で構成される、請求項1に記載の半導体構造物。
【請求項6】
前記第一および第二のシリサイド金属は前記異なるシリサイド金属で構成される、請求項1に記載の半導体構造物。
【請求項7】
前記同じシリサイド金属はTi、Ta、W、Co、Ni、Pt、Pdまたはそれらの合金の少なくとも一つのシリサイドを含む、請求項5に記載の半導体構造物。
【請求項8】
前記同じ金属シリサイドはCo、NiまたはPtの少なくとも一つのシリサイドを含む、請求項7に記載の半導体構造物。
【請求項9】
前記異なるシリサイド金属はTi、Ta、W、Co、Ni、Pt、Pdまたはそれらの合金の少なくとも二つのシリサイドを含む、請求項6に記載の半導体構造物。
【請求項10】
前記異なるシリサイド金属はCo、NiまたはPtの少なくとも二つのシリサイドを含む、請求項9に記載の半導体構造物。
【請求項11】
前記第一のシリサイド金属はNiSi、NiPtSiまたはそれらの組み合わせを含み、前記第二のシリサイド金属はNiSiを含む、請求項1に記載の半導体構造物。
【請求項12】
前記第一のシリサイド金属はNiSi、NiPtSiまたはそれらの組み合わせを含み、前記第二のシリサイド金属はCoSi2を含む、請求項1に記載の半導体構造物。
【請求項13】
表面の上に配置されたシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を有する半導体基板を備える金属酸化物半導体(MOS)デバイスであって、前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域は500Å未満の厚さを有し、500Åを超える厚さを有する完全シリサイド化金属ゲートを含むゲート領域の端に自己位置合わせしたデバイス。
【請求項14】
前記シリサイド化ソース/およびドレイン領域の前記厚さは300Åより薄い、請求項13に記載のMOSデバイス。
【請求項15】
前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域の前記厚さは200Åより薄い、請求項13に記載のMOSデバイス半導体構造物。
【請求項16】
前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域と、前記シリサイド化金属ゲートとは前記同じシリサイド金属で構成される、請求項13に記載のMOSデバイス。
【請求項17】
前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域と、前記シリサイド化金属ゲートとは前記異なるシリサイド金属で構成される、請求項13に記載のMOSデバイス。
【請求項18】
前記同じシリサイド金属はTi、Ta、W、Co、Ni、Pt、Pdまたはそれらの合金の少なくとも一つのシリサイドを含む、請求項16に記載のMOSデバイス。
【請求項19】
前記同じ金属シリサイドはCo、NiまたはPtの少なくとも一つのシリサイドを含む、請求項18に記載のMOSデバイス。
【請求項20】
前記異なるシリサイド金属はTi、Ta、W、Co、Ni、Pt、Pdまたはそれらの合金の少なくとも二つのシリサイドを含む、請求項17に記載のMOSデバイス。
【請求項21】
前記異なるシリサイド金属はCo、NiまたはPtの少なくとも二つのシリサイドを含む、請求項20に記載のMOSデバイス。
【請求項22】
前記シリサイド化金属ゲートはNiSi、NiPtSiまたはそれらの組み合わせを含み、前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域はNiSiを含む、請求項13に記載のMOSデバイス。
【請求項23】
前記シリサイド化金属ゲートはNiSi、NiPtSiまたはそれらの組み合わせを含み、前記シリサイド化ソースおよびドレイン領域はCoSi2を含む、請求項13に記載のMOSデバイス。
【請求項24】
進歩した金属酸化物半導体構造物を形成する方法であって、
少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックと、隣接するソース領域およびドレイン領域とを備える構造物を設ける工程であって、前記少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックは、ポリシリコン・ゲート導体と、上にある誘電体キャップと、前記ポリシリコン・ゲート導体の少なくとも側壁の上の誘電体ライナと、前記誘電体ライナの上にあって少なくともポリシリコン・ゲート導体の側壁に隣接するスペーサと、を含む工程と、
少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックを上に備える構造物の上に共形誘電体層と平坦化誘電体層とを含む材料のスタックを堆積する工程と、
前記共形誘電体層と平坦化誘電体層との一部を除去して前記誘電体キャップを露出する工程と、
前記露出された誘電体キャップを除去して前記ポリシリコン・ゲート導体を露出する工程と、
前記ポリシリコン・ゲート導体を完全シリサイド化金属ゲートに変換する工程と、
前記ソース領域およびドレイン領域を露出する工程と、
前記ソース領域およびドレイン領域をサリサイド化して、前記完全シリサイド化金属ゲートより薄い厚さを有するシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する工程と、
を含む方法。
【請求項25】
前記構造物を設ける工程でシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成するように前記諸工程を変更した、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記共形誘電体層と前記平坦化誘電体層との前記一部を除去する前記工程は、エッチング・バック・プロセスを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記共形誘電体層と前記平坦化誘電体層との前記一部を除去する前記工程は、化学的機械研磨を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記露出された誘電体キャップを除去する前記工程はエッチング・プロセスを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記エッチング・プロセスは、希釈フッ化水素酸を使用するウェット・エッチングを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記ポリシリコン・ゲート導体を変換する前記工程はサリサイド化プロセスを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
前記サリサイド化プロセスは、ポリシリコンと反応して前記露出されたポリシリコン・ゲート導体の上に金属シリサイドを形成することができる少なくとも一つの金属を形成する工程と、第一のシリサイド相を形成する第一のアニールする工程と、未反応金属を完全に除去する工程と、前記第一のシリサイド相を第二のシリサイド相に変換するオプションの第二のアニールする工程とを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第一のアニールする工程は約300°から約600℃の温度で実行される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記オプションの第二のアニールする工程は約600°から約800℃の温度で実行される、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記第一のアニールする工程および前記オプションの第二のアニールする工程はHe、Ar、N2またはフォーミング・ガスを含む雰囲気中で実行される、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記完全シリサイド化金属ゲートはNiSiまたはNiSiPtを含み、前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域はCoSi2を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項36】
前記完全シリサイド化金属ゲートはNiSiまたはNiSiPtを含み、前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域はNiSiを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項37】
進歩した金属酸化物半導体構造物を形成する方法であって、
少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックと、隣接するソース領域およびドレイン領域とを含む構造物を設ける工程であって、前記少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックは、ポリシリコン・ゲート導体と、上にある誘電体キャップと、少なくともポリシリコン・ゲート導体の隣接する側壁の上にあるスペーサと、を含む工程と、
前記少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックを備える前記構造物の上にパターン形成されたフォトレジストを形成する工程であって、前記パターン形成されたフォトレジストは前記誘電体キャップを露出する開口部を含む工程と、
ドライ・エッチング・プロセスを利用して前記露出された誘電体キャップを選択的に除去して前記ポリシリコン・ゲート導体を露出する工程と、
前記パターン形成されたフォトレジストを除去する工程と、
前記ポリシリコン・ゲート導体を完全シリサイド化金属ゲートに変換する工程と、
前記ソース領域およびドレイン領域をサリサイド化して、前記完全シリサイド化金属ゲートより薄い厚さを有するシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成する工程と、
を含む工程。
【請求項38】
前記構造物を設ける前記工程でシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成するように前記諸工程を変更した、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記パターン形成されたフォトレジストはネガ型レジストを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記パターン形成されたフォトレジストはポジ型レジストを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックを囲むようにリフト・オフ層を塗布する工程をさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記誘電体キャップを除去する前に、前記パターン形成されたゲート・スタックの上の前記リフト・オフ層の一部を除去する、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記誘電体キャップを選択的に除去した後であるが、前記ポリシリコン・ゲート導体を完全シリサイド化金属ゲートに変換する前に、リフト・オフ・プロセスを用いて前記リフト・オフ層の上の前記パターン形成されたフォトレジストを除去する、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記ポリシリコン・ゲート導体を完全シリサイド化金属ゲートに変換する前記工程は、第一のアニールおよびオプションとして第二のアニールを含み、これらの二つのアニールの間に行われる選択エッチングを使用しない、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記露出された誘電体キャップを選択的に除去する前記工程は、ドライ・エッチング・プロセスを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項46】
前記ポリシリコン・ゲート導体を完全シリサイド化金属ゲートに変換する前記工程は、ポリシリコンと反応して前記露出されたポリシリコン・ゲート導体の上に金属シリサイドを形成することができる少なくとも一つの金属を形成する工程と、第一のシリサイド相を形成する第一のアニールする工程と、未反応金属を完全に除去する工程と、前記第一のシリサイド相を第二のシリサイド相に変換するオプションの第二のアニールする工程とを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項47】
前記第一のアニールする工程は約300°から約600℃の温度で実行される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記オプションの第二のアニールする工程は、約600°から約800℃の温度で実行される、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記第一のアニールする工程および前記オプションの第二のアニールする工程はHe、Ar、N2またはフォーミング・ガスを含む雰囲気中で実行される、請求項46に記載の方法。
【請求項50】
前記完全シリサイド化金属ゲートはNiSiまたはNiSiPtを含み、前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域はCoSi2を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項51】
前記完全シリサイド化金属ゲートはNiSiまたはNiSiPtを含み、前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域はNiSiを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項52】
進歩した金属酸化物半導体構造物を形成する方法であって、
少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックと、隣接するソース領域およびドレイン領域とを含む構造物を設ける工程であって、前記少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックはポリシリコン・ゲート導体と、上にある誘電体キャップと、少なくともポリシリコン・ゲート導体の隣接する側壁の上にあるスペーサと、を含む工程と、
前記少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックを上に備える構造物の上に平坦化材料、マスク層およびフォトレジストを含むスタックを堆積する工程と、
前記スタックをパターン形成して前記誘電体キャップを露出する工程と、
ドライ・エッチング・プロセスを利用して前記露出された誘電体キャップを選択的に除去して前記ポリシリコン・ゲート導体を露出する工程と、
前記パターン形成されたスタックを除去する工程と、
前記ポリシリコン・ゲート導体を完全シリサイド化金属ゲートに変換する工程と、
前記ソース領域およびドレイン領域をサリサイド化して完全シリサイド化金属ゲートより薄い厚さを有するシリサイド化ソースおよびドレイン領域を形成する工程と、
を含む方法。
【請求項53】
前記構造物を提供する工程でシリサイド化ソース領域およびドレイン領域を形成するように前記諸工程を変更する、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記フォトレジストはネガ型レジストを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記フォトレジストはポジ型レジストを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項56】
前記少なくとも一つのパターン形成されたゲート・スタックを囲むようにリフト・オフ層を塗布する工程をさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項57】
前記誘電体キャップを除去する前に、前記パターン形成されたゲート・スタックの上の前記リフト・オフ層の一部を除去する、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記誘電体キャップを選択的に除去した後であるが、前記ポリシリコン・ゲート導体を完全シリサイド化金属ゲートに変換する前に、リフト・オフ・プロセスを用いて前記リフト・オフ層の上の前記パターン形成されたフォトレジストを除去する、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記ポリシリコン・ゲート導体を完全シリサイド化金属ゲートに変換する前記工程は、第一のアニールおよびオプションとして第二のアニールを含み、これらの二つのアニールの間に行われる選択エッチングを使用しない、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記露出された誘電体キャップを選択的に除去する前記工程はドライ・エッチング・プロセスを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項61】
前記ポリシリコン・ゲート導体を完全シリサイド化金属ゲートに変換する前記工程は、ポリシリコンと反応して前記露出されたポリシリコン・ゲート導体の上に金属シリサイドを形成することができる少なくとも一つの金属を形成する工程と、第一のシリサイド相を形成する第一のアニールする工程と、未反応金属を完全に除去する工程と、前記第一のシリサイド相を第二のシリサイド相に変換するオプションの第二のアニールする工程とを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項62】
前記第一のアニールする工程は約300°から約600℃の温度で実行される、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記オプションの第二のアニールする工程は約600°から約800℃の温度で実行される、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記第一のアニールする工程および前記オプションの第二のアニールする工程はHe、Ar、N2またはフォーミング・ガスを含む雰囲気中で実行される、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
前記完全シリサイド化金属ゲートはNiSiまたはNiSiPtを含み、前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域はCoSi2を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項66】
前記完全シリサイド化金属ゲートはNiSiまたはNiSiPtを含み、前記シリサイド化ソース領域およびドレイン領域はNiSiを含む、請求項52に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【公開番号】特開2012−124519(P2012−124519A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−32905(P2012−32905)
【出願日】平成24年2月17日(2012.2.17)
【分割の表示】特願2007−520293(P2007−520293)の分割
【原出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【復代理人】
【識別番号】100085545
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 光夫
【復代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月17日(2012.2.17)
【分割の表示】特願2007−520293(P2007−520293)の分割
【原出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【復代理人】
【識別番号】100085545
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 光夫
【復代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
【Fターム(参考)】
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