説明

半導体装置の製造方法

【課題】SBSI法において第1半導体層及び第2半導体層の膜形成の所要時間を短縮で
きるようにした半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】単結晶の半導体基板1の表面領域2上にアモルファス又は多結晶構造の第1
半導体層11を形成する工程と、第1半導体層11上にアモルファス又は多結晶構造の第
2半導体層12を形成する工程と、第2半導体層12上から半導体基板1の表面領域2に
向けてSi又はArをイオン注入して、半導体基板1の表面領域2と、第1半導体層11
及び第2半導体層12をアモルファス化する工程と、イオン注入によるアモルファス化を
行った後で半導体基板1に熱処理を施して、半導体基板1の表面領域2と、第1半導体層
11及び第2半導体層12を単結晶化する工程と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に、SBSI法において第1半導体層及び
第2半導体層の膜形成の所要時間を短縮できるようにした技術に関する。
【背景技術】
【0002】
SOI基板上に形成された電界効果型トランジスタは、素子分離の容易性、ラッチアッ
プフリー、ソース/ドレイン接合容量が小さいなどの点から、その有用性が注目されてい
る。SOI構造の形成方法としては、例えば、Si基板にSiGe/Siをエピタキシャ
ル成長し、次にSiGe層を選択的にエッチング除去して空洞部を形成し、その後、この
空洞部内を絶縁膜で埋め込むことによって、Si基板上にSOI構造を構築する方法があ
る。このような方法はSBSI法と呼ばれており、例えば特許文献1、非特許文献1にそ
れぞれ開示されている。
【特許文献1】特開2005−354024号公報
【非特許文献1】T.Sakai et al.“Separation by BondingSi Islands(SBSI) for LSI Application”,Second International SiGe Technology and Device Meeting,Meeting Abstract,pp.230−231,May(2004)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のSBSI法では、SiGe/Siをエピタキシャル成長法で形成していた。しか
しながら、エピタキシャル成長では、表面の原子の動きが自由で大きくなるため、Si上
のSiGeヘテロ結晶エピタキシャル成長初期には、格子定数の違いから生じる歪を開放
する過程での結晶欠陥が発生し易く、エピタキシャル成長の温度を全体的に低く抑え、原
子の動きを止めることにより結晶欠陥の発生を抑える必要があった。ここで、SiGe/
Siのエピタキシャル成長を低温で行うとその成膜速度が低下する。このため、エピタキ
シャル成長に長時間を要し、プロセスコストの増大を招いていた。
【0004】
さらに、Siのエピタキシャル成長温度はSiGeに比べて高い。SiGeとSiとに
それぞれ結晶欠陥を発生させないようにするためには、SiGe上の少なくとも数原子層
のSiのエピタキシャル成長温度をさらに下げて、その値をSiGeのエピタキシャル成
長温度に合わせる必要があった。このため、Siのエピタキシャル成長に長時間を費やす
こととなり、プロセスコストがさらに増大してしまうという問題があった。
【0005】
そこで、この発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、SBSI法におい
て第1半導体層及び第2半導体層の膜形成の所要時間を短縮できるようにした半導体装置
の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔発明1〕 上記目的を達成するために、発明1の半導体装置の製造方法は、単結晶の半
導体基板の表面領域上にアモルファス又は多結晶構造の第1半導体層を形成する工程と、
前記第1半導体層上にアモルファス又は多結晶構造の第2半導体層を形成する工程と、前
記第2半導体層上から前記半導体基板の前記表面領域に向けて所定の不純物をイオン注入
して、前記半導体基板の前記表面領域と前記第1半導体層及び前記第2半導体層をアモル
ファス化する工程と、前記イオン注入によるアモルファス化を行った後で前記半導体基板
に熱処理を施して、前記半導体基板の前記表面領域と前記第1半導体層及び前記第2半導
体層を単結晶化する工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0007】
このような構成であれば、SBSI法において第1半導体層と第2半導体層とをそれぞ
れエピタキシャル成長ではなく、CVD処理で形成することができるので、膜形成の所要
時間を短縮することができる。さらに、熱処理により固相成長し第1半導体層と第2半導
体層が単結晶化する際には、固相成長している単結晶表面(すなわち、単結晶とアモルフ
ァス界面)の原子は、上層がアモルファス層で押さえられているため、最表面の原子のよ
うに自由な動きができない。このため、最表面でのSiGeやSiのエピタキシャル成長
に比べて高温の熱処理を行っても、本製造方法では結晶欠陥がほとんど発生しない。従っ
て、単結晶からなる第1、2半導体の積層を短時間で形成できる。
【0008】
〔発明2〕 発明2の半導体装置の製造方法は、単結晶の半導体基板の表面領域上にアモ
ルファス又は多結晶構造の第1半導体層を形成する工程と、前記第1半導体層上から前記
半導体基板の前記表面領域に向けて所定の不純物をイオン注入して、前記半導体基板の前
記表面領域と前記第1半導体層とをアモルファス化する工程と、前記イオン注入によるア
モルファス化を行った後で、当該第1半導体層上にアモルファス構造の第2半導体層を形
成する工程と、前記第2半導体層を形成した後で前記半導体基板に熱処理を施して、前記
半導体基板の前記表面領域と前記第1半導体層及び前記第2半導体層を単結晶化する工程
と、を含むことを特徴とするものである。
【0009】
このような構成であれば、SBSI法において第1半導体層と第2半導体層とをそれぞ
れエピタキシャル成長ではなく、CVD処理で形成することができるので、膜形成の所要
時間を短縮することができる。さらに、熱処理により固相成長し第1半導体層と第2半導
体層が単結晶化する際には、固相成長している単結晶表面(すなわち、単結晶とアモルフ
ァス界面)の原子は、上層がアモルファス層で押さえられているため、最表面の原子のよ
うに自由な動きができない。このため、最表面でのSiGeやSiのエピタキシャル成長
に比べて高温の熱処理を行っても、本製造方法では結晶欠陥がほとんど発生しない。従っ
て、単結晶からなる第1、2半導体の積層を短時間で形成できる。
【0010】
〔発明3〕 発明3の半導体装置の製造方法は、単結晶の半導体基板に所定の不純物をイ
オン注入して当該半導体基板の表面領域をアモルファス化する工程と、前記イオン注入に
よるアモルファス化を行った後で、前記半導体基板の前記表面領域上にアモルファス構造
の第1半導体層を形成する工程と、前記第1半導体層上にアモルファス構造の第2半導体
層を形成する工程と、前記第2半導体層を形成した後で前記半導体基板に熱処理を施して
、前記半導体基板の前記表面領域と前記第1半導体層及び前記第2半導体層を単結晶化す
る工程と、を含むことを特徴とするものである。
このような構成であれば、SBSI法において第1半導体層と第2半導体層とをそれぞ
れエピタキシャル成長ではなく、CVD処理で形成することができるので、膜形成の所要
時間を短縮することができる。
【0011】
〔発明4〕 発明4の半導体装置の製造方法は、発明1から発明3の何れか一の半導体装
置の製造方法において、前記第1半導体層を形成する前に、前記半導体基板上に絶縁膜パ
ターンを形成して当該絶縁膜パターン下から該半導体基板の前記表面領域を選択的に露出
させる工程、を含むことを特徴とするものである。
このような構成であれば、絶縁膜パターン上には多結晶構造の第1半導体層及び第2半
導体層が形成され、表面領域のうちの絶縁膜パターン下から露出した領域には単結晶構造
の第1半導体層及び第2半導体層が形成される。つまり、半導体基板上に単結晶構造の第
1半導体層と第2半導体層とからなる積層構造を選択的に形成することができる。
【0012】
〔発明5〕 発明5の半導体装置の製造方法は、発明1から発明4の何れか一の半導体装
置の製造方法を行って、前記第1半導体層と前記第2半導体層とを単結晶化する工程と、
前記第1半導体層と前記第2半導体とを単結晶化した後で、当該第2半導体層及び該第1
半導体層を貫通して前記半導体基板を露出させる第1溝を形成する工程と、前記第2半導
体層を支持する支持体を前記第1溝内に形成する工程と、前記支持体を形成した後で前記
第2半導体層下から前記第1半導体層を露出させる第2溝を形成する工程と、前記第2半
導体層よりも前記第1半導体層の方がエッチングされ易い特定のエッチング条件で、前記
第2溝を介して前記第1半導体層をエッチングすることによって、前記半導体基板と前記
第2半導体層との間に空洞部を形成する工程と、前記空洞部内に絶縁層を形成する工程と
、を含むことを特徴とするものである。
【0013】
ここで、第1半導体層がシリコンゲルマニウム(SiGe)で、第2半導体層がシリコ
ン(Si)の場合、「特定のエッチング条件」としては、例えばフッ硝酸を用いたウエッ
トエッチングが挙げられる。
発明5の半導体装置の製造方法によれば、SBSI法において第1半導体層と第2半導
体層とをそれぞれエピタキシャル成長ではなく、CVD処理で形成することができるので
、膜形成の所要時間を短縮することができる。従って、半導体基板と、絶縁層と、単結晶
の第2半導体層とからなるSOI構造をより効率良く、より低コストで形成することがで
きる。
【0014】
〔発明6〕 発明6の半導体装置の製造方法は、発明1から発明5の何れか一の半導体装
置の製造方法において、前記第1半導体層はシリコンゲルマニウム(SiGe)であり、
前記第2半導体層はシリコン(Si)であることを特徴とするものである。
このような構成であれば、SBSI法においてSiGe層とSi層とをそれぞれエピタ
キシャル成長ではなく、CVD処理で形成することができるので、膜形成の所要時間を短
縮することができる。従って、半導体基板と、絶縁層と、単結晶のSi層とからなるSO
I構造をより効率良く、より低コストで形成することができる。
【0015】
〔発明7〕 発明7の半導体装置の製造方法は、発明1から発明6の何れか一の半導体装
置の製造方法において、前記イオン注入に用いられる前記不純物は、Si、Geあるいは
Arであることを特徴とするものである。
【0016】
〔発明8〕 発明8の半導体装置の製造方法は、単結晶の半導体基板の表面領域上にアモ
ルファス又は多結晶構造の第1半導体層を形成する工程と、前記第1半導体層上にアモル
ファス又は多結晶構造の第2半導体層を形成する工程と、前記第2半導体層上にアモルフ
ァス又は多結晶構造の第3半導体層を形成する工程と、前記第3半導体層上にアモルファ
ス又は多結晶構造の第4半導体層を形成する工程と、前記第4半導体層上から前記半導体
基板の前記表面領域に向けて所定の不純物をイオン注入して、前記半導体基板の前記表面
領域と、前記第1半導体層と、前記第2半導体層と、前記第3半導体層及び前記第4半導
体層をアモルファス化する工程と、前記イオン注入によるアモルファス化を行った後で、
前記半導体基板に熱処理を施して、前記半導体基板の前記表面領域と、前記第1半導体層
と、前記第2半導体層と、前記第3半導体層及び前記第4半導体層を単結晶化する工程と
、前記熱処理による単結晶化を行った後で、前記第4半導体層と、前記第3半導体層と、
前記第2半導体層及び前記第1半導体層を貫通して前記半導体基板を露出させる第1溝を
形成する工程と、前記第2半導体層と前記第4半導体層とを支持する支持体を前記第1溝
内に形成する工程と、前記支持体を形成した後で前記第4半導体層下から前記第3半導体
層を露出させると共に、前記第2半導体層下から前記第1半導体層を露出させる第2溝を
形成する工程と、前記第2半導体層及び前記第4半導体層よりも前記第1半導体層及び前
記第3半導体層の方がエッチングされ易い特定のエッチング条件で、前記第2溝を介して
前記第1半導体層と前記第3半導体層とをエッチングすることによって、前記半導体基板
と前記第2半導体層との間に第1空洞部を形成すると共に、前記第2半導体層と前記第4
半導体層との間に第2空洞部を形成する工程と、前記第1空洞部内に第1絶縁層を形成す
ると共に、前記第2空洞部内に第2絶縁層を形成する工程と、を含むことを特徴とするも
のである。
【0017】
ここで、第1半導体層及び第3半導体層がSiGeで、第2半導体層及び第4半導体層
がSiの場合、「特定のエッチング条件」としては、例えばフッ硝酸を用いたウエットエ
ッチングが挙げられる。
発明7の半導体装置の製造方法によれば、SBSI法において第1半導体層〜第4半導
体層をそれぞれエピタキシャル成長ではなく、CVD処理で形成することができるので、
膜形成の所要時間を短縮することができる。従って、半導体基板と、第1絶縁層と、単結
晶の第2半導体層(第2半導体層は、バックゲート電極やダブルゲート電極として使用さ
れる。)と、第2絶縁層と、単結晶の第4半導体層とからなるSOI構造をより効率良く
、より低コストで形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
(1)第1実施形態
図1(a)〜図11(a)は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示
す平面図、図1(b)〜図11(b)は、図1(a)〜図11(a)をA1−A1´〜A
11−A11´線でそれぞれ切断したときの断面図、図1(c)〜図11(c)は、図1
(a)〜図11(a)をB1−B1´〜B11−B11´線でそれぞれ切断したときの断
面図である。
【0019】
図1(a)〜(c)に示すように、まず始めに、単結晶の半導体基板1上に、アモルフ
ァス(即ち、非晶質)又は多結晶(即ち、ポリ)構造の第1半導体層11と、アモルファ
ス又は多結晶構造の第2半導体層12とを順次積層する。これら第1半導体層11及び第
2半導体層12は、例えばCVD処理で形成する。
第1半導体層11は、半導体基板1及び第2半導体層12よりもエッチングレート(即
ち、エッチング速度)が大きな材質を用いる。ここで、エッチングレートとは、図7(a
)〜(c)に示す空洞部37を形成する際の単位時間当たりのエッチング量のことである

【0020】
図1(a)〜(c)において、半導体基板1、第1半導体層11及び第2半導体層12
の材質としては、例えば、Si、Ge、SiGe、SiC、SiSn、PbS、GaAs
、InP、GaP、GaNまたはZnSeなどの中から選択された組み合わせを用いるこ
とができる。例えば、半導体基板1の材質はSiであり、第1半導体層11の材質はSi
Geであり、第2半導体層12の材質はSiである。第1半導体層11及び第2半導体層
12の膜厚は、例えば1〜200nm程度とする。
【0021】
次に、図1(a)〜(c)に示すように、第2半導体層12上から半導体基板1の表面
領域2に向けて所定の不純物(元素)をイオン注入して、半導体基板1の表面領域2と、
第1半導体層11及び第2半導体層12を全てアモルファス化する。
即ち、第1半導体層11及び第2半導体層12は、CVD法によってアモルファス又は
多結晶構造に形成されている。これら各半導体層が多結晶である場合には、各半導体層は
イオン注入によってアモルファス化される。また、これら各半導体層がアモルファスであ
る場合には、各半導体層はイオン注入によってさらに細かくアモルファス化される。
【0022】
また、半導体基板1の表面領域2と第1半導体層11との界面にはネイティブオキサイ
ド(自然酸化膜)が残されている場合が考えられるが、このネイティブオキサイドもイオ
ン注入によってミキシングされる。さらに、半導体基板1の表面領域2にも所定の不純物
が到達するので、表面領域2の結晶構造も単結晶からアモルファスとなる。従って、注入
後のアモルファス層と単結晶層の界面は、半導体基板バルク中に形成でき、清浄な界面を
得ることができる。所定の不純物(元素)は、例えばシリコン(Si)、ゲルマニウム(
Ge)又はアルゴン(Ar)である。また、これら不純物のドーズ量は例えば1015〜1
16[cm-2]程度である。
【0023】
このようなイオン注入によるアモルファス化を行った後で、半導体基板1に熱処理を施
して、半導体基板1の表面領域2と、第1半導体層11及び第2半導体層12を固層成長
により単結晶化する。ここで、固相成長とは、結晶成長用原料を液体又は気体状態にせず
、固体の状態を維持したままで結晶成長を行わせることをいう。アモルファス層と単結晶
層との界面(例えば、半導体基板1において、アモルファス化された表面領域2と、その
直下のアモルファス化されていない単結晶領域との界面)は固体中にあり、単結晶成長表
面がアモルファス層で抑えられていることにより、単結晶成長表面(即ち、アモルファス
/単結晶界面)でリラックスすることなく、単結晶を成長させることができる。すなわち
、結晶欠陥が無い、単結晶膜を形成できる。
【0024】
なお、この熱処理は、例えば、ArやN2などの不活性ガス雰囲気中で行うことが好ま
しい。また、半導体基板1の材質が単結晶Siで、第1半導体層11の材質がSiGeで
、第2半導体層12の材質がSiの場合には、熱処理温度を800℃以下に設定すること
が好ましい。これにより、Geの拡散が無視でき、平坦なSiGe/Si界面を形成する
ことができる。
【0025】
次に、図2(a)〜(c)に示すように、第2半導体層12の熱酸化により第2半導体
層12の表面に下地酸化膜21を形成する。そして、CVDなどの方法により、下地酸化
膜21上の全面に酸化防止膜23を形成する。酸化防止膜23は、例えばシリコン窒化膜
である。酸化防止膜23がシリコン窒化膜である場合には、第2半導体層12の酸化防止
としての機能のほかに、CMP(化学的機械研磨)による平坦化プロセスのストッパー層
として機能させることもできる。
【0026】
なお、ここでは、熱処理による単結晶化を行った後で下地酸化膜21と酸化防止膜23
を形成することについて説明したが、これら熱処理及び膜形成の順番はこれに限られるこ
とはない。例えば、アモルファス又は多結晶構造の第2半導体層12上に下地酸化膜21
と酸化防止膜23とを形成した後で、熱処理による単結晶化を行ってもよい。このような
構成であっても、半導体基板1の表面領域と、第1半導体層11及び第2半導体層12を
全て単結晶化することが可能である。
【0027】
次に、図3(a)〜(c)に示すように、フォトリソグラフィー技術及びエッチング技
術を用いて、酸化防止膜23、下地酸化膜21、第2半導体層12及び第1半導体層11
をパターニングすることにより、半導体基板1の表面を露出させる溝31を形成する。な
お、溝31を形成するエッチング工程では、半導体基板1の表面でエッチングを止めるよ
うにしてもよいし、半導体基板1をオーバーエッチングして半導体基板1に凹部を形成す
るようにしてもよい。また、溝31の配置位置は第2半導体層12における素子分離領域
の一部に対応させる。
【0028】
次に、図4(a)〜(c)に示すように、溝31を介して第1半導体層11をエッチン
グすることによって、溝31の内壁に凹部33を形成する。なお、半導体基板1及び第2
半導体層12がSi、第1半導体層11がSiGeの場合、第1半導体層11のエッチン
グ液として、例えばフッ硝酸(フッ酸、硝酸、水の混合液)を用いる。これにより、半導
体基板1及び第2半導体層12のオーバーエッチングを抑制しつつ、第1半導体層11を
削ることが可能となる。
【0029】
次に、図5(a)〜(c)に示すように、CVDなどの方法により基板全面が覆われる
ようにして溝31内に埋め込まれた支持体41を成膜する。ここで、支持体41は、溝3
1内における第1半導体層11及び第2半導体層12の側壁にも成膜され、溝31の内壁
に面した凹部33は埋め込まれる。つまり、第2半導体層12は、支持体41によって、
その側面だけでなく上下方向から挟まれるように支持される。これにより、支持体41は
、第1半導体層11が除去された時に第2半導体層12を半導体基板1上で支持すること
ができる。
【0030】
なお、基板全体を覆うように形成された支持体41は、第2半導体層12の撓み等を抑
制して、平坦性を保ったまま第2半導体層12を支持する必要がある。そのため、その機
械的な強度を確保する意味で、400nm以上の膜厚にすることが好ましい。また、支持
体41の材質としては、例えば、シリコン酸化膜などの絶縁体を用いる。
【0031】
次に、図6(a)〜(c)に示すように、フォトリソグラフィー技術及びエッチング技
術を用いて支持体41、酸化防止膜23、下地酸化膜21、第2半導体層12及び第1半
導体層11をパターニングすることにより、半導体基板1の表面を露出させる溝35を形
成する。なお、溝35を形成するエッチング工程では、半導体基板1の表面でエッチング
を止めるようにしてもよいし、半導体基板1をオーバーエッチングして半導体基板1に凹
部を形成するようにしてもよい。また、溝35の配置位置は第2半導体層12における素
子分離領域の一部に対応させ、その向きは例えば前に形成した溝の形成方向と平面視で概
略直交する方向とする。
【0032】
次に、図7(a)〜(c)に示すように、溝35を介してエッチングガスまたはエッチ
ング液を第1半導体層11に接触させることにより、第1半導体層11をエッチング除去
し、半導体基板1と第2半導体層12との間に空洞部37を形成する。
ここで、溝31内には支持体41が設けられているので、第1半導体層11が除去され
た場合においても、第2半導体層12を半導体基板1上で支持することが可能である。ま
た、溝31とは別に溝35が設けられていることにより、第2半導体層12下の第1半導
体層11にエッチングガスまたはエッチング液を接触させることが可能となる。このため
、第2半導体層12の品質を損なうことなく、半導体基板1と第2半導体層12との間に
空洞部37を形成することが可能となる。
【0033】
なお、半導体基板1及び第2半導体層12がSi、第1半導体層11がSiGeの場合
、第1半導体層11のエッチング液として例えばフッ硝酸を用いる。これにより、半導体
基板1及び第2半導体層12のオーバーエッチングを抑制しつつ、第1半導体層11を除
去することが可能となる。
【0034】
次に、図8(a)〜(c)に示すように、半導体基板1を熱酸化して、空洞部37の少
なくとも壁面に絶縁膜43を形成する。そして、図9(a)〜(c)に示すように、CV
Dなどの方法により、基板全面に絶縁膜45を成膜して溝内を埋め込む。この絶縁膜45
の形成によって、絶縁膜43による空洞部37の埋め込みも補完される。なお、絶縁膜4
3の材質は、半導体基板1及び第2半導体層12がSiの場合はシリコン酸化膜となる。
また、CVDなどの方法により成膜される絶縁膜45の材質としては、例えば、シリコン
酸化膜の他、シリコン窒化膜などを用いるようにしてもよい。
【0035】
次に、基板全面を覆う絶縁膜を例えばCMPにより平坦化して、酸化防止膜23上から
絶縁膜45を取り除く。上述したように、酸化防止膜23がシリコン窒化膜である場合に
は、酸化防止膜23がCMPによる平坦化プロセスのストッパー層として機能する。次に
、酸化防止膜23と下地酸化膜21とをエッチングして除去する。酸化防止膜23がシリ
コン窒化膜である場合にはエッチング液として例えば熱リン酸を使用し、下地酸化膜21
がシリコン酸化膜である場合にはエッチング液として例えば希フッ酸を使用する。これに
より、図10(a)〜(c)に示すように、第2半導体層12の表面が露出する。
【0036】
次に、図11(a)〜(c)に示すように、第2半導体層12の表面の熱酸化を行うこ
とにより、第2半導体層12の表面にゲート絶縁膜51を形成する。そして、CVDなど
の方法により、ゲート絶縁膜51が形成された第2半導体層12上に多結晶シリコン層を
形成する。さらに、フォトリソグラフィー技術及びエッチング技術を用いて多結晶シリコ
ン層をパターニングすることにより、第2半導体層12上にゲート電極53を形成する。
【0037】
次に、ゲート電極53をマスクとして、As、P、Bなどの不純物を第2半導体層12
内にイオン注入することにより、ゲート電極53の両側にそれぞれ配置された低濃度不純
物導入層からなるLDD層を第2半導体層12に形成する。そして、CVDなどの方法に
より、LDD層が形成された第2半導体層12上に絶縁層を形成し、RIEなどの異方性
エッチングを用いて絶縁層をエッチバックすることにより、ゲート電極53の側壁にサイ
ドウォール55を形成する。さらに、ゲート電極53及びサイドウォール55をマスクと
して、As、P、Bなどの不純物を第2半導体層12内にイオン注入することにより、サ
イドウォール55の側方にそれぞれ配置された高濃度不純物導入層からなるソース層57
及びドレイン層58を第2半導体層12に形成する。
【0038】
このように、本発明の第1実施形態によれば、SBSI法において第1半導体層11と
第2半導体層12とをそれぞれエピタキシャル成長ではなく、CVD処理で形成すること
ができるので、膜形成の所要時間を短縮することができる。従って、半導体基板1と、絶
縁膜43と、単結晶の第2半導体層12とからなるSOI構造をより効率良く、より低コ
ストで形成することができる。
【0039】
即ち、本発明では、Si基板(あるいは、絶縁層をパターニングしたSi基板)表面に
、アモルファスあるいは多結晶SiGe薄膜をCVD処理で形成し、さらに、アモルファ
スあるいは多結晶SiをCVD処理で形成する。次に、SiあるいはArのイオン注入を
行い、Si基板表面までアモルファス化する。その後、熱処理により固相成長し、Si基
板上に単結晶SiGeと、単結晶Siとを形成している。
【0040】
本発明によれば、SiGeやSiはCVD処理で形成されるため、膜成長が早く、バッ
チ処理も可能となり、膜形成のスループットが著しく向上する。また、SiGe下層のS
i基板表面のアモルファス化は、1015−1016のドーズ量で十分であり、単結晶SiG
eと単結晶Siとを低コストで作成できる。また、固相成長についても、アモルファス層
と単結晶層界面は、(表面ではなく)固体中にあり、単結晶成長表面がアモルファス層で
抑えられていることにより、単結晶成長表面(アモルファス/単結晶界面)でリラックス
することなく、Si基板/SiGe/Siの単結晶の積層が形成できる。また、800℃
以下の熱処理では、Geの拡散をほとんど無視することができ、平坦なSiGe/Si界
面が形成できる。
【0041】
(2)第2実施形態
図12(a)〜図23(a)は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を
示す平面図、図12(b)〜図23(b)は、図12(a)〜図23(a)をA12−A
12´〜A23−A23´線でそれぞれ切断したときの断面図、図12(c)〜図23(
c)は、図12(a)〜図23(a)をB12−B12´〜B23−B23´線でそれぞ
れ切断したときの断面図である。なお、図23(a)では層間絶縁膜160の図示を省略
している。
【0042】
図12(a)〜(c)に示すように、まず始めに、単結晶の半導体基板101上に、ア
モルファス又は多結晶構造の第1半導体層111と、アモルファス又は多結晶構造の第2
半導体層112とを順次積層する。次に、第2半導体層112上にアモルファス又は多結
晶構造の第3半導体層113と、アモルファス又は多結晶構造の第4半導体層114とを
順次積層する。これら第1半導体層111と、第2半導体層112と、第3半導体層11
3及び第4半導体層114は、例えばCVD処理で形成する。
【0043】
第1半導体層111及び第3半導体層113は、半導体基板101、第2半導体層11
2及び第4半導体層114よりもエッチングレート(即ち、エッチング速度)が大きな材
質を用いる。ここで、エッチングレートとは、図18(a)〜(c)に示す空洞部137
、138を形成する際の単位時間当たりのエッチング量のことである。
【0044】
図12(a)〜(c)において、半導体基板101、第1半導体層111、第2半導体
層112、第3半導体層113及び第4半導体層114の材質としては、例えば、Si、
Ge、SiGe、SiC、SiSn、PbS、GaAs、InP、GaP、GaNまたは
ZnSeなどの中から選択された組み合わせを用いることができる。例えば、半導体基板
101の材質はSiであり、第1半導体層111及び第3半導体層113の材質はSiG
eであり、第2半導体層112及び第4半導体層114の材質はSiである。第1半導体
層111、第2半導体層112、第3半導体層113及び第4半導体層114の膜厚は、
例えば1〜200nm程度とする。
【0045】
次に、図12(a)〜(c)に示すように、第4半導体層114上から半導体基板10
1の表面領域102に向けて所定の不純物をイオン注入して、半導体基板101の表面領
域102と、第1半導体層111と、第2半導体層112と、第3半導体層113及び第
4半導体層114を全てアモルファス化する。
即ち、第1半導体層111と、第2半導体層112と、第3半導体層113及び第4半
導体層114は、CVD法によってアモルファス又は多結晶構造に形成されている。これ
ら各半導体層が多結晶である場合には、各半導体層はイオン注入によってアモルファス化
される。また、これら各半導体層がアモルファスである場合には、各半導体層はイオン注
入によってさらに細かくアモルファス化される。
【0046】
また、半導体基板101と第1半導体層111との界面にはネイティブオキサイド(自
然酸化膜)が残されている場合が考えられるが、このネイティブオキサイドもイオン注入
によってミキシングされる。さらに、半導体基板101の表面領域102にも所定の不純
物が到達するので、表面領域102の結晶構造も単結晶からアモルファスとなる。所定の
不純物は、例えばシリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)又はアルゴン(Ar)である
。また、これら不純物のドーズ量は例えば1015〜1016[cm-2]程度である。
【0047】
このようなイオン注入によるアモルファス化を行った後で、半導体基板101に熱処理
を施して、半導体基板101の表面領域102と、第1半導体層111と、第2半導体層
112と、第3半導体層113及び第4半導体層114を固層成長により単結晶化する。
この熱処理は、例えば、ArやN2などの不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。ま
た、半導体基板101の材質が単結晶Siで、第1半導体層111及び第3半導体層11
3の材質がSiGeで、第2半導体層112及び第4半導体層114の材質がSiの場合
には、熱処理温度を800℃以下に設定することが好ましい。これにより、Geの拡散が
無視でき、平坦なSiGe/Si界面を形成することができる。
【0048】
次に、図13(a)〜(c)に示すように、第4半導体層114の熱酸化により第4半
導体層114の表面に下地酸化膜121を形成する。そして、CVDなどの方法により、
下地酸化膜121上の全面に酸化防止膜123を形成する。酸化防止膜123は、例えば
シリコン窒化膜である。酸化防止膜123がシリコン窒化膜である場合には、第4半導体
層114の酸化防止としての機能のほかに、CMP(化学的機械研磨)による平坦化プロ
セスのストッパー層として機能させることもできる。
【0049】
なお、ここでは、熱処理による単結晶化を行った後で下地酸化膜121と酸化防止膜1
23を形成することについて説明したが、これらの処理の順番はこれに限られることはな
い。例えば、アモルファス又は多結晶構造の第4半導体層114上に下地酸化膜121と
酸化防止膜123とを形成した後で、熱処理による単結晶化を行ってもよい。このような
構成であっても、半導体基板101の表面領域102と、第1半導体層111と、第2半
導体層112と、第3半導体層113及び第4半導体層114を全て単結晶化することが
可能である。
【0050】
次に、図14(a)〜(c)に示すように、フォトリソグラフィー技術及びエッチング
技術を用いて、酸化防止膜123、下地酸化膜121、第4半導体層114、第3半導体
層113、第2半導体層112及び第1半導体層111をパターニングすることにより、
半導体基板101の表面を露出させる溝131を形成する。なお、溝131を形成するエ
ッチング工程では、半導体基板101の表面でエッチングを止めるようにしてもよいし、
半導体基板101をオーバーエッチングして半導体基板101に凹部を形成するようにし
てもよい。また、溝131の配置位置は第4半導体層114における素子分離領域の一部
に対応させる。
【0051】
次に、図15(a)〜(c)に示すように、溝131を介して第1半導体層111と第
3半導体層113とをエッチングすることによって、溝131の内壁に凹部133、13
4を形成する。なお、半導体基板101、第2半導体層112及び第4半導体層114が
Si、第1半導体層111及び第3半導体層113がSiGeの場合、第1半導体層11
1及び第3半導体層113のエッチング液として、例えばフッ硝酸(フッ酸、硝酸、水の
混合液)を用いる。これにより、半導体基板101、第2半導体層112及び第4半導体
層114のオーバーエッチングを抑制しつつ、第1半導体層111及び第3半導体層11
3を削ることが可能となる。
【0052】
次に、図16(a)〜(c)に示すように、CVDなどの方法により基板全面が覆われ
るようにして溝内131に埋め込まれた支持体141を成膜する。ここで、支持体141
は、溝内131における第1半導体層111、第2半導体層112、第3半導体層113
及び第4半導体層114の側壁にも成膜され、溝131の内壁に面した凹部133、13
4は埋め込まれる。つまり、第2半導体層112及び第4半導体層114は、支持体14
1によって、その側面だけでなく上下方向から挟まれるように支持される。これにより、
支持体141は、第1半導体層111及び第3半導体層113が除去された時に第2半導
体層112及び第4半導体層114を半導体基板101上で支持することができる。
【0053】
なお、基板全体を覆うように形成された支持体141は、第2半導体層112及び第4
半導体層114の撓み等を抑制して、平坦性を保ったまま第4半導体層114を支持する
必要がある。そのため、その機械的な強度を確保する意味で、400nm以上の膜厚にす
ることが好ましい。また、支持体141の材質としては、例えば、シリコン酸化膜などの
絶縁体を用いる。
【0054】
次に、図17(a)〜(c)に示すように、フォトリソグラフィー技術及びエッチング
技術を用いて支持体141、酸化防止膜123、下地酸化膜121、第4半導体層114
、第3半導体層113、第2半導体層112及び第1半導体層111をパターニングする
ことにより、半導体基板101の表面を露出させる溝135を形成する。なお、溝135
を形成するエッチング工程では、半導体基板101の表面でエッチングを止めるようにし
てもよいし、半導体基板101をオーバーエッチングして半導体基板101に凹部を形成
するようにしてもよい。また、溝135の配置位置は第4半導体層114における素子分
離領域の一部に対応させ、その向きは例えば前に形成した溝の形成方向と平面視で概略直
交する方向とする。
【0055】
次に、図18(a)〜(c)に示すように、溝135を介してエッチングガスまたはエ
ッチング液を第1半導体層111及び第3半導体層113に接触させることにより、第1
半導体層111及び第3半導体層113をエッチング除去し、半導体基板101と第2半
導体層112との間に空洞部137を形成するとともに、第2半導体層112と第4半導
体層114との間に空洞部138を形成する。
【0056】
ここで、溝内131には支持体141が設けられているので、第1半導体層111及び
第3半導体層113が除去された場合においても、第2半導体層112及び第4半導体層
114を半導体基板101上で支持することが可能である。また、溝131とは別に溝1
35が設けられていることにより、第1半導体層111及び第3半導体層113にエッチ
ングガスまたはエッチング液を接触させることが可能となる。このため、第2半導体層1
12及び第4半導体層114の品質を損なうことなく、半導体基板101と第2半導体層
112との間に空洞部137を形成するとともに、第2半導体層112と第4半導体層1
14との間に空洞部138を形成することが可能となる。
【0057】
なお、半導体基板101、第2半導体層112及び第4半導体層114がSi、第1半
導体層111及び第3半導体層113がSiGeの場合、第1半導体層111及び第3半
導体層113のエッチング液として例えばフッ硝酸を用いる。これにより、半導体基板1
01、第2半導体層112及び第4半導体層114のオーバーエッチングを抑制しつつ、
第1半導体層111及び第3半導体層113を除去することが可能となる。
【0058】
次に、図19(a)〜(c)に示すように、半導体基板101を熱酸化して、空洞部1
37の少なくとも壁面に絶縁膜143を形成すると共に、空洞部138の少なくとも壁面
に絶縁膜144を形成する。そして、図20(a)〜(c)に示すように、CVDなどの
方法により、基板全面に絶縁膜145を成膜して溝135内を埋め込む。この絶縁膜14
5の形成によって、絶縁膜143、144による空洞部137、138の埋め込みも補完
される。なお、絶縁膜143、144の材質は、半導体基板101、第2半導体層112
及び第4半導体層114がSiの場合はシリコン酸化膜となる。また、CVDなどの方法
により成膜される絶縁膜145の材質としては、例えば、シリコン酸化膜の他、シリコン
窒化膜などを用いるようにしてもよい。
【0059】
次に、基板全面を覆う絶縁膜を例えばCMPにより平坦化して、酸化防止膜123上か
ら絶縁膜145を取り除く。上述したように、酸化防止膜123がシリコン窒化膜である
場合には、酸化防止膜123がCMPによる平坦化プロセスのストッパー層として機能す
る。次に、酸化防止膜123と下地酸化膜121とをエッチングして除去する。酸化防止
膜123がシリコン窒化膜である場合にはエッチング液として例えば熱リン酸を使用し、
下地酸化膜121がシリコン酸化膜である場合にはエッチング液として例えば希フッ酸を
使用する。これにより、図21(a)〜(c)に示すように、第4半導体層114の表面
が露出する。
【0060】
また、ここでは、酸化防止膜123を除去した後で、第2半導体層112にリン又はボ
ロン等の不純物をイオン注入する。これにより、第2半導体層112に導電性を持たせる
ことができ、第2半導体層112をバックゲート電極や、ダブルゲート電極の一方として
使用することが可能となる。第2半導体層112にp型層とn型層とを作り分ける場合に
は、レジストパターン等を用いて選択的にイオン注入を行う。また、p型層とn型層の作
り分けを行わない(即ち、基板全体で、第2半導体層112にp型層またはn型層のどち
らか一方のみを形成する)場合には、レジストパターンを形成することなく、基板全面に
リン又はボロンをイオン注入する。
【0061】
なお、このイオン注入工程は下地酸化膜121を除去する前に行うことが好ましい。こ
れにより、第4半導体層114の表面付近の結晶欠陥をできるだけ少なくすることが可能
である。さらに、このイオン注入工程では、不純物の注入ピークが絶縁膜143と第2半
導体層112との界面となるようにその注入エネルギーを調整することが好ましい。これ
により、絶縁膜144に対する不純物の導入量をできるだけ少なくすることが可能である

【0062】
次に、図22(a)〜(c)に示すように、フォトリソグラフィー技術及びエッチング
技術を用いて第4半導体層114をパターニングすることにより、絶縁膜144の上面の
一部を露出させる開口部147を第4半導体層114に形成する。次に、第4半導体層1
14の表面の熱酸化を行うことにより、第4半導体層114の表面にゲート絶縁膜151
を形成する。そして、CVDなどの方法により、ゲート絶縁膜151が形成された第4半
導体層114上に多結晶シリコン層を形成する。さらに、フォトリソグラフィー技術及び
エッチング技術を用いて多結晶シリコン層をパターニングすることにより、第4半導体層
114上にゲート電極153を形成する。
【0063】
次に、ゲート電極153をマスクとして、As、P、Bなどの不純物を第4半導体層1
14内にイオン注入することにより、ゲート電極153の両側にそれぞれ配置された低濃
度不純物導入層からなるLDD層を第4半導体層114に形成する。そして、CVDなど
の方法により、LDD層が形成された第4半導体層114上に絶縁層を形成し、RIEな
どの異方性エッチングを用いて絶縁層をエッチバックすることにより、ゲート電極153
の側壁にサイドウォール155を形成する。さらに、ゲート電極153及びサイドウォー
ル155をマスクとして、As、P、Bなどの不純物を第4半導体層114内にイオン注
入することにより、サイドウォール155の側方にそれぞれ配置された高濃度不純物導入
層からなるソース層157及びドレイン層158を第4半導体層114に形成する。
【0064】
その後、図23(a)〜(c)に示すように、CVDなどの方法により、ゲート電極1
53上に層間絶縁層160を堆積する。そして、フォトリソグラフィー技術及びエッチン
グ技術を用いて、層間絶縁膜160と、開口部147直下の絶縁膜144をエッチングし
て除去し、ソース層157上と、ドレイン層158上と、第2半導体層112上とにそれ
ぞれコンタクトホールを形成する。そして、金属膜の成膜及びパターニングを経て、ソー
スコンタクト電極171及びドレインコンタクト電極172と、ゲートコンタクト電極1
73と、バックゲートコンタクト電極174とを形成する。ソースコンタクト電極171
、ドレインコンタクト電極172及びゲートコンタクト電極173は、それぞれ層間絶縁
層160に埋め込まれ、ソース層157、ドレイン層158及びゲート電極153にそれ
ぞれ接続された電極である。また、バックゲートコンタクト電極174は、層間絶縁層1
60及び絶縁膜144に埋め込まれ、開口部147を介して第2半導体層(即ち、バック
ゲート電極)112に接続された電極である。
【0065】
このように、本発明の第2実施形態によれば、SBSI法において第1半導体層111
、第2半導体層112、第3半導体層113及び第4半導体層114をそれぞれエピタキ
シャル成長ではなく、CVD処理で形成することができるので、膜形成の所要時間を短縮
することができる。従って、半導体基板101と、第1の絶縁膜143と、単結晶の第2
半導体層112(第2半導体層112は、バックゲート電極やダブルゲート電極153と
して使用される。)と、第2の絶縁膜144と、単結晶の第4半導体層114とからなる
SOI構造をより効率良く、より低コストで形成することができる。
【0066】
(3)第3実施形態
図24(a)〜(c)は、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断
面図である。この第3実施形態では、第1実施形態において、第2半導体層及び第1半導
体層を単結晶化する際の手順を入れ替えた場合(その1)について説明する。第3実施形
態において、第1実施形態と同一の構成を有する部分には同一の符号を付し、その詳細な
説明は省略する。
図24(a)に示すように、まず始めに、単結晶の半導体基板1の表面領域2上にアモ
ルファス又は多結晶構造の第1半導体層11を形成する。半導体基板1は例えばシリコン
(Si)であり、第1半導体層11は例えばシリコンゲルマニウム(SiGe)である。
【0067】
次に、図24(b)に示すように、第1半導体層11上から半導体基板1の表面領域2
に向けて所定の不純物をイオン注入して、半導体基板1の表面領域2と第1半導体層11
とを全てアモルファス化する。所定の不純物は、例えばシリコン(Si)、ゲルマニウム
(Ge)又はアルゴン(Ar)である。これら不純物のドーズ量は例えば1015〜1016
[cm-2]程度である。そして、イオン注入によるアモルファス化を行った後で、当該第
1半導体層11上にアモルファス構造の第2半導体層12を形成する。
【0068】
ここで、第1実施形態と異なり、第2半導体層12の結晶構造はアモルファスに限定さ
れる。第2半導体層12は例えばシリコン(Si)である。その後、半導体基板1に熱処
理を施して、図24(c)に示すように、半導体基板1の表面領域2と第1半導体層11
及び第2半導体層12を固層成長により単結晶化する。
このような構成であれば、第1実施形態と同様、SBSI法において第1半導体層11
と第2半導体層12とをそれぞれエピタキシャル成長ではなく、CVD処理で形成するこ
とができる。従って、単結晶の第1半導体層と、単結晶の第2半導体層とを形成する膜形
成の所要時間を短縮することができ、半導体基板1と、絶縁膜43と、単結晶の第2半導
体層12とからなるSOI構造をより効率良く、より低コストで形成することができる。
【0069】
(4)第4実施形態
図25(a)〜(c)は、本発明の第4実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断
面図である。この第4実施形態では、第1実施形態において、第2半導体層及び第1半導
体層を単結晶化する際の手順を入れ替えた場合(その2)について説明する。第4実施形
態において、第1実施形態と同一の構成を有する部分には同一の符号を付し、その詳細な
説明は省略する。
【0070】
図25(a)に示すように、まず始めに、単結晶の半導体基板1の表面領域2に向けて
所定の不純物をイオン注入して、当該表面領域2を全てアモルファス化する。半導体基板
1は例えばシリコン(Si)である。また、所定の不純物は、例えばシリコン(Si)、
ゲルマニウム(Ge)又はアルゴン(Ar)である。これら不純物のドーズ量は例えば1
15〜1016[cm-2]程度である。
【0071】
次に、図25(b)に示すように、半導体基板1の表面領域2上にアモルファス構造の
第1半導体層11を形成し、さらに、当該第1半導体層11上にアモルファス構造の第2
半導体層12を形成する。ここで、第1実施形態と異なり、第1半導体層11及び第2半
導体層12の結晶構造は両方ともアモルファスに限定される。第1半導体層11は例えば
シリコンゲルマニウム(SiGe)であり、第2半導体層12は例えばシリコン(Si)
である。その後、半導体基板1に熱処理を施して、図25(c)に示すように、半導体基
板1の表面領域2と第1半導体層11及び第2半導体層12を固層成長により単結晶化す
る。
【0072】
このような構成であれば、第1実施形態と同様、SBSI法において第1半導体層11
と第2半導体層12とをそれぞれエピタキシャル成長ではなく、CVD処理で形成するこ
とができる。従って、単結晶の第1半導体層と、単結晶の第2半導体層とを形成する膜形
成の所要時間を短縮することができ、半導体基板1と、絶縁膜43と、単結晶の第2半導
体層12とからなるSOI構造をより効率良く、より低コストで形成することができる。
【0073】
また、この第4実施形態では、アモルファス化するためのイオン注入を第1半導体層1
1に対して行う必要がないので、半導体基板1がSiで構成され、第1半導体層11がS
iGeで構成されている場合には、SiGe中のGeがイオン注入原子(例えば、Si又
はAr)に押されてSi基板方向へ飛ばされることがない。従って、Si基板におけるG
e濃度を低く抑えることが容易であり、SiGe/Si界面をより平坦に形成することが
可能である。
【0074】
(5)第5実施形態
図26(a)〜(c)は、本発明の第5実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断
面図である。この第5実施形態では、第1実施形態において、半導体基板の表面領域に単
結晶の第1半導体層と、単結晶の第2半導体層とを選択的に形成する方法について説明す
る。第5実施形態において、第1実施形態と同一の構成を有する部分には同一の符号を付
し、その詳細な説明は省略する。
【0075】
図26(a)に示すように、まず始めに、単結晶の半導体基板1上に絶縁膜パターン3
を形成する。この絶縁膜パターン3は、半導体基板1の表面領域2を選択的に覆う(即ち
、覆う部分と覆わない部分とが存在する)ものである。半導体基板1は例えばシリコン(
Si)であり、絶縁膜パターン3は例えばシリコン酸化膜(SiO2)である。また、絶
縁膜パターン3の厚さは例えば数十〜数百[nm]である。
【0076】
次に、図26(b)に示すように、半導体基板1の上方全面に、アモルファス又は多結
晶構造の第1半導体層11と、アモルファス又は多結晶構造の第2半導体層12とを順次
積層する。第1半導体層11及び第2半導体層12は例えばCVD処理で形成する。第1
半導体層11は例えばシリコンゲルマニウム(SiGe)であり、第2半導体層12はシ
リコン(Si)である。
【0077】
次に、図26(b)に示すように、第2半導体層12上から半導体基板1の表面領域2
に向けて所定の不純物をイオン注入して、表面領域2のうちの絶縁膜パターン3下から露
出している部分と、第1半導体層11及び第2半導体層12をアモルファス化する。その
後、半導体基板1に熱処理を施して単結晶化を行う。図26(c)に示すように、この熱
処理によって、絶縁膜パターン3上には多結晶構造の第1半導体層11及び第2半導体層
12が形成され、表面領域2のうちの絶縁膜パターン3下から露出した領域には単結晶構
造の第1半導体層11及び第2半導体層12が形成される。即ち、絶縁膜パターンのある
Si基板においては、絶縁膜パターン上には多結晶Si/SiGe層が形成され、Si基
板露出表面上のみに単結晶SiGe/Siが形成される。
【0078】
SBSI法において、Si層下に空洞部を形成するための選択エッチング時には、単結
晶SiGeと、多結晶Siと、多結晶SiGeとが選択的に除去され、単結晶Siはエッ
チングレートが低いためにSi基板上に残る。従って、絶縁膜パターンを用いることで、
低コストで、Si基板上の特定位置に単結晶Si/SiGe積層構造を実現することが可
能である。このため、SOI構造を有する半導体装置を低コストで提供することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その1)。
【図2】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その2)。
【図3】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その3)。
【図4】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その4)。
【図5】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その5)。
【図6】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その6)。
【図7】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その7)。
【図8】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その8)。
【図9】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その9)。
【図10】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その10)。
【図11】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その11)。
【図12】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その1)。
【図13】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その2)。
【図14】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その3)。
【図15】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その4)。
【図16】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その5)。
【図17】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その6)。
【図18】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その7)。
【図19】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その8)。
【図20】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その9)。
【図21】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その10)。
【図22】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その11)。
【図23】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図(その12)。
【図24】第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図。
【図25】第4実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図。
【図26】第5実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図。
【符号の説明】
【0080】
1、101 半導体基板 2、102 表面領域、11、111 第1半導体層、12
、112 第2半導体層、113 第3半導体層、114 第4半導体層、21、121
下地酸化膜、23、123 酸化防止膜、31、131 溝(第1溝)、33、133
、134 凹部、35、135溝(第2溝)、37 137、138 空洞部、43、1
43、144 絶縁膜(絶縁層)、51、151 ゲート絶縁膜、53、153 ゲート
電極、55、155 サイドウォール、57、157 ソース層、58、158 ドレイ
ン層、147 開口部、160 層間絶縁膜、171 ソースコンタクト電極、172
ドレインコンタクト電極、173 ゲートコンタクト電極、174 バックゲートコンタ
クト電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単結晶の半導体基板の表面領域上にアモルファス又は多結晶構造の第1半導体層を形成
する工程と、
前記第1半導体層上にアモルファス又は多結晶構造の第2半導体層を形成する工程と、
前記第2半導体層上から前記半導体基板の前記表面領域に向けて所定の不純物をイオン
注入して、前記半導体基板の前記表面領域と前記第1半導体層及び前記第2半導体層をア
モルファス化する工程と、
前記イオン注入によるアモルファス化を行った後で前記半導体基板に熱処理を施して、
前記半導体基板の前記表面領域と前記第1半導体層及び前記第2半導体層を単結晶化する
工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
単結晶の半導体基板の表面領域上にアモルファス又は多結晶構造の第1半導体層を形成
する工程と、
前記第1半導体層上から前記半導体基板の前記表面領域に向けて所定の不純物をイオン
注入して、前記半導体基板の前記表面領域と前記第1半導体層とをアモルファス化する工
程と、
前記イオン注入によるアモルファス化を行った後で、当該第1半導体層上にアモルファ
ス構造の第2半導体層を形成する工程と、
前記第2半導体層を形成した後で前記半導体基板に熱処理を施して、前記半導体基板の
前記表面領域と前記第1半導体層及び前記第2半導体層を単結晶化する工程と、を含むこ
とを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
単結晶の半導体基板に所定の不純物をイオン注入して当該半導体基板の表面領域をアモ
ルファス化する工程と、
前記イオン注入によるアモルファス化を行った後で、前記半導体基板の前記表面領域上
にアモルファス構造の第1半導体層を形成する工程と、
前記第1半導体層上にアモルファス構造の第2半導体層を形成する工程と、
前記第2半導体層を形成した後で前記半導体基板に熱処理を施して、前記半導体基板の
前記表面領域と前記第1半導体層及び前記第2半導体層を単結晶化する工程と、を含むこ
とを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1半導体層を形成する前に、前記半導体基板上に絶縁膜パターンを形成して当該
絶縁膜パターン下から該半導体基板の前記表面領域を選択的に露出させる工程、を含むこ
とを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか一項に記載された半導体装置の製造方法を行って、前記
第1半導体層と前記第2半導体層とを単結晶化する工程と、
前記第1半導体層と前記第2半導体とを単結晶化した後で、当該第2半導体層及び該第
1半導体層を貫通して前記半導体基板を露出させる第1溝を形成する工程と、
前記第2半導体層を支持する支持体を前記第1溝内に形成する工程と、
前記支持体を形成した後で前記第2半導体層下から前記第1半導体層を露出させる第2
溝を形成する工程と、
前記第2半導体層よりも前記第1半導体層の方がエッチングされ易い特定のエッチング
条件で、前記第2溝を介して前記第1半導体層をエッチングすることによって、前記半導
体基板と前記第2半導体層との間に空洞部を形成する工程と、
前記空洞部内に絶縁層を形成する工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方
法。
【請求項6】
前記第1半導体層はシリコンゲルマニウム(SiGe)であり、前記第2半導体層はシ
リコン(Si)であることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の半導
体装置の製造方法。
【請求項7】
前記イオン注入に用いられる前記不純物は、Si、GeあるいはArであることを特徴と
する請求項1から請求項6記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
単結晶の半導体基板の表面領域上にアモルファス又は多結晶構造の第1半導体層を形成
する工程と、
前記第1半導体層上にアモルファス又は多結晶構造の第2半導体層を形成する工程と、
前記第2半導体層上にアモルファス又は多結晶構造の第3半導体層を形成する工程と、
前記第3半導体層上にアモルファス又は多結晶構造の第4半導体層を形成する工程と、
前記第4半導体層上から前記半導体基板の前記表面領域に向けて所定の不純物をイオン
注入して、前記半導体基板の前記表面領域と、前記第1半導体層と、前記第2半導体層と
、前記第3半導体層及び前記第4半導体層をアモルファス化する工程と、
前記イオン注入によるアモルファス化を行った後で、前記半導体基板に熱処理を施して
、前記半導体基板の前記表面領域と、前記第1半導体層と、前記第2半導体層と、前記第
3半導体層及び前記第4半導体層を単結晶化する工程と、
前記熱処理による単結晶化を行った後で、前記第4半導体層と、前記第3半導体層と、
前記第2半導体層及び前記第1半導体層を貫通して前記半導体基板を露出させる第1溝を
形成する工程と、
前記第2半導体層と前記第4半導体層とを支持する支持体を前記第1溝内に形成する工
程と、
前記支持体を形成した後で前記第4半導体層下から前記第3半導体層を露出させると共
に、前記第2半導体層下から前記第1半導体層を露出させる第2溝を形成する工程と、
前記第2半導体層及び前記第4半導体層よりも前記第1半導体層及び前記第3半導体層
の方がエッチングされ易い特定のエッチング条件で、前記第2溝を介して前記第1半導体
層と前記第3半導体層とをエッチングすることによって、前記半導体基板と前記第2半導
体層との間に第1空洞部を形成すると共に、前記第2半導体層と前記第4半導体層との間
に第2空洞部を形成する工程と、
前記第1空洞部内に第1絶縁層を形成すると共に、前記第2空洞部内に第2絶縁層を形
成する工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2007−299976(P2007−299976A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−127410(P2006−127410)
【出願日】平成18年5月1日(2006.5.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】