説明

半導体装置の製造方法

【課題】NMOSFETおよびPMOSFETに適した組成のフルシリサイド相を、少ない工程数で、容易に得ることが可能な製造方法を提供すること。
【解決手段】基板1上に、ゲート絶縁膜2を介して前記NMOSFET用第1ゲート電極、およびPMOSFET用第2ゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極を覆う層間膜8を形成する工程と、前記層間膜8を平坦化し、前記第1、第2ゲート電極のシリコン層3を露出する工程と、前記第2ゲート電極の上部を選択的に除去する工程と、前記第2のゲート電極および第1のゲート電極のシリコン層3上に金属膜11を形成し、シリサイド化熱処理を行う工程と、熱処理工程後に未反応の金属膜を除去する工程と、を含み、第2のゲート電極上部を選択的に除去する工程の前に、前記第1および第2のゲート電極の各シリコン層3に、シリサイド相の組成制御のための不純物を同時に導入する工程を含む半導体装置の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置の製造方法に関し、特に、電界効果トランジスタなどのようなMIS(Metal−Insulator−Semiconductor)構造を備える半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
PMOSおよびNMOSのトランジスタを適切に動作させるために、これらのトランジスタの閾値電圧制御が必要であり、そのためにPMOSおよびNMOSのゲート電極の仕事関数制御や組成制御を行う技術の検討が行なわれている。また、ゲート電極の空乏化防止のために金属電極を用いることが検討されており、この中でもこれまでに使用されてきた製造プロセスとの適合性からゲート電極をゲート絶縁膜界面までシリサイド化したフルシリサイド(Fully Silicided、以下、「FUSI」と称する)ゲート電極技術について数多くの検討が行なわれている。
【0003】
特許文献1には、ゲート酸窒化膜(SiON)に対してPMOSおよびNMOS用のゲート電極を多結晶シリコンで形成し、PMOS用のゲート電極にボロン(B)、NMOS用のゲート電極にヒ素(As)を不純物としてレジストマスクを用いてそれぞれの電極に注入し、その後Niをゲート電極上に形成してフルシリサイド化を行う半導体装置の製造方法が記載されている。不純物をゲート酸窒化膜とFUSIゲート電極の界面に分布させることによって仕事関数の調整を行っている。
【0004】
非特許文献1には、シリサイド相の組成や配向がシリサイド形成前のポリシリコンに予め注入した不純物に依存することが述べられている。
【0005】
非特許文献2および3では、HfSiONに対してFUSIゲートのシリサイド相の組成制御をFUSI形成時のNi膜厚を変化させることにより行って、PMOSおよびNMOSにそれぞれ適したシリサイド相とすることによりCMOSの閾値電圧適正化を行っている。
【0006】
非特許文献4および5は、予めPMOS側のエッチバックを行ってNiリッチシリサイド形成時の体積膨張を抑制し、適切なシリサイド相とするフルシリサイド電極の形成を行うことを記載している。シリサイド相の組成制御はNi形成量とポリシリコンの膜厚比で行なわれており、ゲート電極への不純物注入は行われていない。同文献において、ゲート絶縁膜には、HfSiONが使用されている。
【0007】
【特許文献1】特開2006−100431号公報
【非特許文献1】IEEE 2005 "Physical Mechanism of Work Function Modulation due to Impurity Pileup at Ni−FUSI/SiO(N) Interface"
【非特許文献2】IEDM 2004 "Dual Workfunction Ni−Silicide/HfSiON Gate Stacks by Phase−Controlled Full−Silicidation (PC−FUSI) Technique for 45nm−node LSTP and LOP Devices"
【非特許文献3】Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papers 2005 "Highly Reliable HfSiON CMOSFET with Phase Controlled NiSi (NFET) and Ni3Si (PFET) FUSI Gate Electrode"
【非特許文献4】Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papers 2006 "Dual work function phase controlled Ni−FUSI CMOS (NiSi NMOS, Ni2Si or Ni31Si12 PMOS):Manifacturability,Reliability & Process Window Improvement by Sacrificial SiGe cap"
【非特許文献5】IEEE 2005 "CMOS Integration of Dual Work Function Phase Controlled Ni FUSI with Simultaneous Silicidation of NMOS (NiSi) and PMOS (Ni−rich silicide) Gates on HfSiON"
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
FUSIゲート電極構造のNMOSおよびPMOSを形成する際に、NMOS用とPMOS用のゲート電極をポリシリコンで形成し、それぞれのゲート電極に適切なシリサイド相を形成するためには工程が複雑になる。不純物注入によるフルシリサイド相の組成制御とPMOS側のエッチバックを組み合わせた場合、注入の境界とエッチバックの境界が一致せず、n/pゲート電極境界の形状や組成が不安定になる。こうした課題は、たとえばゲート絶縁膜にHfSiONを用いた場合に特に顕著となる。
【0009】
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされてものであり、NMOSトランジスタおよびPMOSトランジスタの各々に適した組成のフルシリサイド相を、マスク層数を減らして少ない工程数で、容易に得ることが可能な半導体装置の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する本発明によれば、PMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタを備える半導体装置を製造する方法であって、基板上に、ゲート絶縁膜を介してシリコン層を形成する工程と、前記シリコン層をパターニングすることにより、前記NMOSトランジスタ用ゲート電極である第1のゲート電極および前記PMOSトランジスタ用ゲート電極である第2のゲート電極を形成する工程と、前記第1および第2のゲート電極を覆う層間膜を形成する工程と、
前記層間膜を平坦化した後、全面除去して前記第1および第2のゲート電極の前記シリコン層を露出する工程と、前記第1および第2のゲート電極のうち前記第2のゲート電極の上部を選択的に除去する工程と、前記選択的に除去された前記第2のゲート電極のシリコン層および前記第1のゲート電極のシリコン層上に被シリサイド化金属からなる金属膜を形成し、前記金属膜を構成する前記被シリサイド化金属のシリサイドが形成されるように熱処理を行う工程と、前記熱処理工程後に未反応の前記金属膜を除去する工程と、を含み、第2のゲート電極の上部を選択的に除去する前記工程の前に、前記第1および第2のゲート電極それぞれの前記シリコン層に、シリサイド相の組成制御のための不純物を同時に導入する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0011】
この半導体装置の製造方法は、PMOS用およびNMOS用のゲート電極のそれぞれのシリコン層にシリサイド相の組成制御のための不純物を同時に導入する工程を含む。これにより、ゲート絶縁膜にHfSiONを用いたFUSIゲート構造のNMOS用およびPMOS用のゲート電極をマスクを減らして少ない工程数でフルシリサイド相の組成を制御しつつ形成することができる。不純物注入によるフルシリサイド相の組成制御とPMOS側のゲート電極の選択的除去を組み合わせた場合、不純物注入部分の境界と選択的に除去した部分の境界が同じであるため、n/pゲート電極境界の形状や組成が安定になる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、NMOSトランジスタおよびPMOSトランジスタの各々に適した組成のフルシリサイド相を、マスク層数を減らして少ない工程数で容易に得ることが可能な半導体装置の製造方法が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明の半導体装置の製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。以下では、シリコン層として多結晶シリコンを、ゲート絶縁膜として1.5nmのベース酸化膜上に形成されたHfSiON膜を、フルシリサイド電極を形成するための金属をNiを用いた例を説明する。シリコン層としては、このほかに非晶質シリコンを用いてもよく、ゲート絶縁膜としてはHfO、HfON、HfLaON等のHfを含む高誘電率ゲート絶縁膜を用いてもよく、フルシリサイド電極を形成するための金属としては、Pt、Pdを用いても良い。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0014】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態による半導体装置の製造方法を図1を用いて説明する。
Si基板1上に高誘電率ゲート絶縁膜2のベースとなる酸化膜を熱酸化法で1.0nmの膜厚で形成し、その後CVD法により2.0nmのHfSiO膜を形成する。形成されたHfSiO膜をプラズマ窒化法により窒化してHfSiONゲート絶縁膜2を形成する(図1(a))。
【0015】
次に、ゲート絶縁膜2上に多結晶シリコン層3を100nmの厚さで堆積し、ゲート加工用のハードマスク4として50nmの窒化膜を形成する(図1(b))。
【0016】
レジストによるリソグラフィ工程を経てハードマスク4を加工した後、ハードマスク4を用いて多結晶シリコン層3とゲート絶縁膜2をエッチング加工する(図1(c))。
【0017】
8nmの酸化膜オフセットスペーサ形成後、エクステンション・ポケット注入を行い活性化し、引き続いて40nmの酸化膜サイドウォール5を形成した後、ソース・ドレイン領域形成のためのイオン注入を行い再び1000℃以上のスパイクアニールにより活性化を行い、ソース・ドレイン領域6を形成する(図1(d))。
【0018】
ソース・ドレイン領域6の自然酸化膜除去プロセスを経た後に、8nmのNiをスパッタ法にて成膜し、熱処理を施すことにより、ソース・ドレイン領域に約20nmの膜厚のNiシリサイド7を形成する。この時、ゲートの多結晶シリコンは窒化膜のハードマスク4で被覆されているため、シリサイドは形成されない(図1(e))。
【0019】
次に300nm以上の酸化膜からなる層間膜8で全体を被覆しCMPで平坦化し、さらに必要に応じて全面エッチバックを施すことにより、ソース・ドレイン領域6を層間膜8で被覆した状態でゲートの多結晶シリコン層3の上部を露出させる。この時ハードマスクとして用いた窒化膜もCMP工程もしくは全面エッチバック工程で除去する(図2(a))。
【0020】
この状態で、フルシリサイド電極の結晶相の組成を制御するための不純物イオン注入を行う。本実施形態の場合には、Bを1x1016cm−2、加速電圧1keVでゲートの多結晶シリコンに注入する。ソース・ドレイン領域6は酸化膜からなる層間膜8で被覆されており、注入の影響は受けない。上記のような条件で多結晶シリコン層3中に注入されたBは、その大部分が表面側から50nmまでの深さの、イオン注入領域9に存在する(図2(b))。
【0021】
次に、リソグラフィ工程によりNMOS側のみをレジスト10で被覆して、多結晶シリコン層3を酸化膜に対して選択的にエッチングする。エッチング深さは注入されたイオン種が高濃度に存在する深さと同等もしくはそれより深く設定する。本実施形態の場合にはエッチング深さを50nmとする。この時、不純物の注入から選択的エッチングまでの間には活性化処理やその他の400℃程度以上の熱処理工程を行わないことが重要である。熱処理工程を施さないことによりBが多結晶シリコン中を拡散せず、注入した領域にとどまるため、選択的エッチングによって大部分のBを除去することが出来るためである。ここで述べた活性化処理とは一般に900℃以上の熱処理でシリコン中に注入された不純物をドナーやアクセプタとして機能させるための処理を言う。この工程によりPMOS側の多結晶シリコン層3に注入された大部分の注入元素は除去され、ほぼ非ドープの多結晶シリコン3(50nm)が残る。一方NMOS側の多結晶シリコン層3は高濃度に不純物が存在する層9(50nm)とほぼ非ドープの層3(50nm)との積層構造が得られる(図2(c))。
【0022】
レジスト10を除去した後、多結晶シリコンの表面自然酸化膜を除去する前処理工程を経て、フルシリサイド金属としてNi11を室温で80nm形成する。80nmのNi11は、50nmの多結晶シリコンと全量反応するとNi/Siが約3/1のNiシリサイドが形成される量に相当する。(図2(d))。
【0023】
引き続いてゲート多結晶シリコンをフルシリサイド化させるための熱処理を施し、その後余剰の未反応Niを硫酸−過酸化水素水溶液でエッチング除去する(図2(e))。熱処理条件としては、350℃、N中、5分を用いた。
【0024】
PMOS側は80nmのNiと非ドープの多結晶シリコン3がほぼ全量反応して、Ni/Si組成比が約3であるNiフルシリサイド12が得られ、X線回折によりこのシリサイド相はNi31Si12であることが確認された。このシリサイド反応により得られたフルシリサイドゲート電極は、多結晶シリコンに比べて体積が約2倍に膨張するため、電極高さが約100nmとなり、NMOS側と同等の高さに戻る。
【0025】
PMOS側の多結晶シリコンの選択的エッチバック無しの場合は、ゲート直上以外の周辺領域のNiが反応に寄与する(図3(i))ため、2倍に膨張したフルシリサイド電極の上面が未反応Niによって抑えられ、横方向にも膨張しようとするためサイドウォールを押し広げ素子を破壊してしまう(図3(iii))が、選択的エッチバックによって形成された下に凹む形状が形成される場合(図3(ii))は、出来上がりのシリサイド体積は反応前のNiと多結晶シリコンの体積の和よりも小さいため、消費されたNiのスペースで体積膨張分が吸収され、体積膨張に伴う応力増大が無く、素子が破壊されることを防ぐことが出来る(図3(iv))。
【0026】
一方、NMOS側は同じ熱処理条件下で、表面側にNiSi層、ゲート絶縁膜界面側にNiSi層からなる2層構造13が形成された。これは、多結晶シリコン中のBがシリサイド化反応を抑制するためSiと反応するNi量が堆積した80nm分よりも少ないこと、シリサイド化の進行に伴ってシリサイド/多結晶シリコン界面にBがパイルアップするためBの影響は多結晶シリコンの下層側でより顕著に見えること、が要因として挙げられる。
このようなBのシリサイド化反応抑制効果を発現させるためには、100nmの多結晶シリコン層に対して、8x1015cm−2以上のBを注入することが必要なことが明らかとなった。
【0027】
またフルシリサイド化のための熱処理温度は300℃〜400℃まで適宜選択できる。ただし、350℃以下ではPMOS側のシリサイド化反応が十分に進まないため、フルシリサイド電極がNiSi相になるため注意が必要である。これを回避するためには、熱処理時間を長くすることが望ましい。一方シリサイド化温度が350℃以上になると、NMOS側のシリサイド化が進行し、NiSi相であった部分がNiSi相になってしまうためやはり注意が必要である。これを回避するためには、熱処理時間を短くすることが望ましい。
【0028】
このように、熱処理条件を最適化した条件下では、Bの存在がNiSiよりもシリコンリッチな組成を有するNiシリサイドを形成するのに有効に働くことが確認された。このような効果は、BのほかにもAsやSb、BF、F、P、Geといった注入元素やこれらの組み合わせでも得ることが出来るが、各場合で注入量の最適化、熱処理条件の最適化が必要である。注入の加速電圧に関しては、PMOS側の選択的エッチバックによって注入された不純物の大部分が除去されることが重要であること、エッチバック後の多結晶シリコンをフルシリサイド化した場合にNMOS側のフルシリサイド電極と同等の高さになるのが望ましいこと、を考慮して決定すべきである。本実施形態の場合には、エッチバック量はもともとの多結晶シリコン層の半分である50nmが望ましいため、不純物注入深さが50nm以下になるように加速電圧が決定されるのが望ましい。
【0029】
また、ゲート多結晶シリコン層への注入不純物が熱処理を受けて、多結晶シリコン全体に拡散してしまうと本発明の効果が低下する懸念があるため、注入工程からエッチバック工程の間に熱処理工程が入らないような位置で注入を行うことが望ましい。具体的には、本実施形態のようにゲートの多結晶シリコンの上部を露出させた直後が望ましい。
【0030】
上記のような組成制御をすることによって、NMOS/PMOSそれぞれのフルシリサイドゲート電極の実効仕事関数は4.4eV/4.8eVとなり、通常のNiSi電極(実効仕事関数4.5eV)を用いた場合よりNMOSで約0.1V、PMOSで約0.3Vの閾値電圧低減を実現できる。
【0031】
本実施形態で述べた発明の利点は、NMOS/PMOSのNiシリサイド組成を作り分ける際に、不純物の注入状態とゲートシリコン層の厚さの両方を、1回のリソグラフィ工程で作り分けられる点にある。不純物の注入工程と、PMOSゲートシリコンの選択的エッチバックを別々のリソグラフィ工程で行うと、工程数の増大を招くデメリットがある。さらに、NMOS/PMOSのゲートが連続している部分の境界では、「不純物の有無の境界」と「ゲートシリコン高さの境界」の2つの境界が散在し、それぞれの位置関係によってフルシリサイド後の境界部分のゲート形状が変化してしまう(図4(a)、(b))というデメリットがある。
【0032】
これに対し本実施形態では、工程数が削減できるのはもちろんだが、「不純物の有無の境界」と「ゲートシリコン高さの境界」が同じであるので、フルシリサイド後の境界部分のゲート形状は一定であり、高さの段差もほとんど生じない(図4(c))というメリットも有する。
【0033】
(第2の実施形態)
本実施形態は、第1の実施形態で説明した工程フローに対し、ゲート絶縁膜上の多結晶シリコン層を堆積した後でプリドーピングを行う工程を付加した例である。以下に図5および6を用いてフローを説明する。
【0034】
第1の実施形態と同様にゲート絶縁膜2と多結晶シリコン層3を形成した後(図5(a))、リソグラフィ工程を行うことなく多結晶シリコン全面の不純物注入領域15に不純物1をイオン注入する(図5(b))。本実施形態の場合にはAsを10keVで3x1015cm−2注入する。以降は第1の実施形態の場合と同様に、ハードマスク4によるゲート加工、ソース・ドレイン領域6形成、サイドウォール5形成工程を実施する。これらの工程には、ソース・ドレイン不純物の活性化工程(一般的には900℃以上)や、サイドウォール形成時の基板加熱(一般的には400℃〜800℃)、等の加熱工程が含まれており、不純物1として注入されたAsは多結晶シリコン全体に拡散する(図5(d))。
【0035】
以降の工程は再び第1の実施形態と同じ工程をたどり、多結晶シリコンの上部を露出させた(図6(a))後に、イオン注入工程により、不純物注入領域18に、不純物1とは異なる不純物2を注入する(図6(b))。本実施形態の場合にはBを1keVで1x1016cm−2注入する。先に述べたようにこの不純物注入から選択的エッチングまでの間には活性化処理やその他の400℃程度以上の熱処理工程を行わないことが重要である。
【0036】
引き続いて第1の実施形態と同様に、PMOS側のみ多結晶シリコンの選択的エッチバックを行い(図6(c))、Ni11(80nm)を堆積する(図6(d))。その後、熱処理を、450℃、N中、1分の条件で行い、フルシリサイド化し、その後、未反応のNiをエッチング除去する(図6(e))。
【0037】
PMOS側は80nmのNiとAsドープの多結晶シリコンがほぼ全量反応して、Ni/Si組成比が約3であるNiフルシリサイドが得られ、X線回折によりこのシリサイド相はNiSiであることが確認された。Ni3Siの体積膨張は第1の実施形態のNi31Si12とほぼ同じ2倍なので、電極高さが約100nmとなり、NMOS側と同等の高さに戻る。また体積膨張に伴う応力増大が緩和され、素子が破壊されることを防ぐことが出来るのも同じである。NMOS側は、やはり第1の実施形態と同様に、表面側にNiSi層、ゲート絶縁膜界面側にNiSi層からなる2層構造が形成される。
【0038】
本実施形態と第1の実施形態が異なるのは、選択的にエッチバックされたPMOS側の多結晶シリコンに不純物1としてAsが注入されており、かつNMOS側の多結晶シリコンには上層に不純物1のAsおよび不純物2のBが、下層に不純物1のAsが注入されていることである。NMOS側の上層に注入された不純物2のBは第1の実施形態の場合と同様に、Niによるシリサイド化反応を抑制する効果を持つ。NMOS/PMOS両方に含まれる不純物1のAsは、3x1015cm−2と低ドーズであるため、単独ではシリサイド化反応抑制効果が小さく、PMOS側のNiリッチシリサイド形成を阻害することは無い。ところが、NMOS側のBと同時に存在する場合は、AsがBのシリサイド化反応を抑制する効果を促進させる効果があり、第1の実施形態では非ドープだった多結晶シリコン層の下層部分のNiSi化をより安定に形成できる。したがって、本実施形態のように450℃でもNiSiを形成することが可能であり、高温である分熱処理時間の短縮が可能となる。
【0039】
本実施形態の場合には上述したように、不純物1はNiリッチなシリサイド相を形成するのを阻害するような高濃度な量であってはならない。具体的には、100nmの多結晶シリコンに対しては6x1015cm−2以下の範囲であることが望ましい。多結晶シリコンの膜厚が50nmになれば不純物1の濃度は3x1015cm−2以下が望ましいといったように、膜厚に比例して許容される不純物濃度も変化する。
【0040】
NMOS側にNiSiを形成するためには、第1の実施形態で述べたのと同様な注入量の不純物がNMOS側に含まれるのが望ましいため、不純物1と不純物2の和が8x1015cm−2以上であればよい。例えば不純物1が3x1015cm−2注入されていれば、不純物2は5x1015cm−2以上含まれていることが望ましい。
【0041】
またフルシリサイド化のための熱処理温度は350℃〜500℃で適宜選択できる。低温側ではPMOS側のシリサイド化反応が十分に進まず、高温側ではNMOS側のシリサイド化が進行しすぎる懸念が有るのは第1の実施形態と同様である。これを回避するためには、熱処理時間を調整することが望ましい。
【0042】
(第3の実施形態)
本実施形態では、多結晶シリコン上部を露出した後の注入不純物元素にAsを含む場合のNiシリサイドゲート電極の組成制御法の例を図7および8を用いて示す。
【0043】
多結晶シリコン層の上部を露出する工程までは第1の実施形態とまったく同じ工程であるので説明を省略する。多結晶シリコン層3の上部を露出した(図7(a))後、フルシリサイド電極の結晶相の組成を制御するための不純物イオン注入を行う。本実施形態の場合には、Asを3x1015cm−2、加速電圧10keVでゲートの多結晶シリコンに注入する。上記のような条件で多結晶シリコン中に注入されたAsは、その大部分が表面側から50nmまでの深さに存在する(図7(b)のAs注入領域20)。先に述べたようにこの不純物注入から選択的エッチングまでの間には活性化処理やその他の400℃程度以上の熱処理工程を行わないことが重要である。
【0044】
その後は再び第1の実施形態と同様の手順で、PMOS側の多結晶シリコンの選択的エッチバック(50nm)によりPMOS側のAsの大部分を除去し(図7(c))、表面自然酸化膜を除去後80nmのNiスパッタを行う(図7(d))。
【0045】
上記の工程の後、Niフルシリサイド形成のための熱処理を行うが、本実施形態では3段階の熱処理を行う。第1熱処理は310℃、N中、2分の熱処理を行い、NMOS側に膜厚約70nmのNiSiを形成する。この時点では未反応の多結晶シリコンが下層に約50nm残っている。一方PMOS側はほぼすべての多結晶シリコンが反応しやはりNiSiを形成する。このように不純物が存在しない場合や、濃度が低い場合は300℃前後の低温ではNiSi(16)が形成される(図8(a))。
【0046】
降温後大気開放せずに、第2熱処理として200℃、N/O=4/1中、30秒の熱処理を行う。低温で酸素を含む雰囲気中で熱処理することにより、Asを含むNMOS側のシリサイド表面にのみ厚さ約5nmの酸化膜17が形成される。これは、NiSi表面にわずかに残留したAsが、シリサイド表面に酸化膜を形成させやすくする効果を有するためである。このような低温の処理では、Asを含んでいないPMOS側では酸化膜はほとんど形成されない。また、未反応のまま残留したNiも酸化される可能性があるが、やはりこのような低温では表面がわずかに酸化されるのみである(図8(b))。第1の熱処理後の降温中に試料を大気開放すると、試料温度が下がりきっていない状態で大気に曝され、意図せずに第2の熱処理と同じような状況が発生する可能性があるため、第1の熱処理と第2の熱処理の間は大気開放せず連続して行うことが望ましい。
【0047】
引き続き、未反応Niを除去せずに、第3の熱処理として450℃、N中、1分の熱処理を行う。NMOS側は未反応NiとNiSiの間に酸化膜が存在しているため、未反応Niが新たに反応することは無いため、NiSiと未反応の多結晶シリコンが反応して、この温度範囲でより安定なNiSi相22を形成しフルシリサイド化が完了する。一方PMOS側は、未反応NiとNiSiの間に反応を阻害する酸化膜がほとんど存在しないため、さらにNiリッチな組成であるNiSi相21を形成し、やはりフルシリサイド化が完了する(図8(c))。この段階で硫酸+過酸化水素水溶液で未反応Niを除去することにより、NMOS側にNiSiフルシリサイド電極、PMOS側にNiSiフルシリサイド電極を形成できる(図8(d))。
【0048】
NMOS側フルシリサイド電極表面の酸化膜は、非常に薄いため、全面エッチバックにより、層間膜やサイドウォールを残して容易に除去できる。上述した熱処理は、3段階を連続して行っても良い。
【0049】
本実施形態の場合、Asの注入量が多いほど形成される酸化膜も厚くなるため、NMOS側の十分なシリサイド化反応抑制機能を発現させるためには、As注入量は2x1015cm−2以上であることが望ましい。
また本実施形態ではAsを注入元素として用いたが、酸化膜を形成しやすい不純物はAs以外には見出されておらず、その他の不純物元素は本実施形態に適さない。
第1熱処理はNiSi相を形成できる温度であるため330℃以下が望ましい。
第2熱処理は150℃から250℃の範囲で適宜設定できるが、温度が低すぎるとNMOS側でも酸化膜が成長せず、温度が高すぎるとPMOS側にも厚い酸化膜が形成され第3熱処理時のシリサイド化が抑制されてしまうため、最適な値を見出すことが重要である。第2熱処理の雰囲気もN/O=4/1には限らないが、温度の場合と同様に、O濃度が低すぎるとNMOS側でも酸化膜が成長せず、高すぎるとPMOS側にも厚い酸化膜が形成され第3熱処理時のシリサイド化が抑制されてしまうため、最適な値を見出すことが重要である。
第3の熱処理はPMOS側のフルシリサイド化反応を十分進行させるためのものであるので400℃以上が望ましい。
【0050】
(第4の実施形態)
本実施形態では、第3の実施形態に多結晶シリコン形成直後のプリドープ工程を付加した場合について、図9および10を用いて説明する。
【0051】
第2の実施形態と同じ工程を経て図6(a)の構造まで形成する。この時、第2の実施形態と異なるのは、第1の注入不純物がBである点である。本実施形態の場合は、Bを1keV、3x1015cm−2とした(図9(a)のB注入領域23)。
【0052】
引き続いて第3の実施形態と同様の工程を経てAsを第2の不純物として3x1015cm−2、加速電圧10keVでゲートの多結晶シリコンに注入する(図9(b)のAs注入領域24)。先に述べたようにこの不純物注入から選択的エッチングまでの間には活性化処理やその他の400℃程度以上の熱処理工程を行わないことが重要である。
【0053】
その後は再び第3の実施形態と同様の手順で、PMOS側の多結晶シリコンの選択的エッチバック(50nm)によりPMOS側のAsの大部分を除去し(図9(c))、表面自然酸化膜を除去後、80nmのNiスパッタを行う(図9(d))。
【0054】
上記の工程の後、Niフルシリサイド形成のため、第3の実施形態と同じ3段階の熱処理を行う。第1熱処理は310℃、N中、2分の熱処理を行い、NMOS側に膜厚約70nmのNiSiを形成する。この時点では未反応の多結晶シリコンが下層に約50nm残っている。一方PMOS側はほぼすべての多結晶シリコンが反応しやはりNiSi16を形成する。本実施形態の場合には、NMOS、PMOS両方に不純物が存在しているが、第3の実施形態で述べたように、不純物濃度が比較的低い場合は300℃前後の低温ではNiSiが形成される(図10(a))。
【0055】
降温後大気開放せずに、第2熱処理として200℃、N/O=4/1中、30秒の熱処理を行うことにより、第3の実施形態に述べたように、Asを含むNMOS側のシリサイド表面にのみ厚さ約5nmの酸化膜17が形成される。一方、Asを含んでいないPMOS側では酸化膜はほとんど形成されない(図10(b))。
【0056】
引き続き、未反応Niを除去せずに、第3熱処理として第3の実施形態と同じように450℃、N中、1分の熱処理を行う。本実施形態の場合には、NMOS側は未反応多結晶シリコン中にBが存在するため、NiSiと未反応のB注入多結晶シリコンが反応して、NiSi相ではなくNiSi相25が形成されフルシリサイド化が完了する。一方PMOS側は、未反応NiとNiSiの間に反応を阻害する酸化膜がほとんど存在せず、存在するBが比較的低濃度であるため、さらにNiリッチな組成であるNiSi相21を形成し、やはりフルシリサイド化が完了する(図10(c))。この段階で硫酸+過酸化水素水溶液で未反応Niを除去することにより、NMOS側にNiSiフルシリサイド電極、PMOS側にNiSiフルシリサイド電極を形成できる(図10(d))。
NMOS側フルシリサイド電極表面の酸化膜は、非常に薄いため、全面エッチバックにより、層間膜やサイドウォールを残して容易に除去できる。
【0057】
本実施形態の場合、第2の不純物としてAsの注入量が多いほど形成される酸化膜も厚くなるため、NMOS側の十分なシリサイド化反応抑制機能を発現させるためには、As注入量は2x1015cm−2以上であることが望ましい。
また本実施形態では第2の不純物としてAsを注入元素として用いたが、酸化膜を形成しやすい不純物はAs以外には見出されておらず、その他の不純物元素は本実施形態に適さない。
【0058】
第1の不純物に関してはB以外にも、Sb、BF、F、P、Geといった注入元素を用いることが出来る。注入量は第2の実施形態で述べたように、Niリッチなシリサイド相を形成するのを阻害するような高濃度な量であってはならないため、100nmの多結晶シリコンに対しては6x1015cm−2以下の範囲であることが望ましい。膜厚に比例して許容される不純物濃度も変化する。
【0059】
第1熱処理はNiSi相を形成できる温度であるため330℃以下が望ましい。
第2熱処理は150℃から250℃の範囲で適宜設定できるが、温度が低すぎるとNMOS側でも酸化膜が成長せず、温度が高すぎるとPMOS側にも厚い酸化膜が形成され第3熱処理時のシリサイド化が抑制されてしまうため、最適な値を見出すことが重要である。第2熱処理の雰囲気もN/O=4/1には限らないが、温度の場合と同様に、O濃度が低すぎるとNMOS側でも酸化膜が成長せず、高すぎるとPMOS側にも厚い酸化膜が形成され第3熱処理時のシリサイド化が抑制されてしまうため、最適な値を見出すことが重要である。
第3の熱処理はPMOS側のフルシリサイド化反応を十分進行させるためのものであるので400℃以上が望ましい。
【0060】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、ゲート絶縁膜としてHfSiONを用いたが、これ以外の材料を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1の実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【図3】本発明に用いるPMOS側多結晶シリコンの選択的エッチバックの効果を示す。
【図4】本発明と従来例のNMOS/PMOSゲート電極の接合境界の形状を示す。
【図5】本発明の第2の実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【図6】本発明の第2の実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【図7】本発明の第3の実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【図8】本発明の第3の実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【図9】本発明の第4の実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【図10】本発明の第4の実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
【0062】
1 Si基板
2 ゲート絶縁膜
3 多結晶シリコン層
4 ハードマスク
5 サイドウォール
6 ソース・ドレイン領域
7 Niシリサイド
8 層間膜
9 イオン注入領域
10 レジスト
11 Ni層
12 Niリッチフルシリサイド
13 Siリッチフルシリサイド
15 不純物注入領域
16 NiSi
17 酸化膜
18 不純物注入領域
21 Ni3Si相
22 NiSi相
23 B注入領域
24 As注入領域
25 NiSi

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタを備える半導体装置を製造する方法であって、
基板上に、ゲート絶縁膜を介してシリコン層を形成する工程と、
前記シリコン層をパターニングすることにより、前記NMOSトランジスタ用ゲート電極である第1のゲート電極および前記PMOSトランジスタ用ゲート電極である第2のゲート電極を形成する工程と、
前記第1および第2のゲート電極を覆う層間膜を形成する工程と、
前記層間膜を平坦化した後、全面除去して前記第1および第2のゲート電極の前記シリコン層を露出する工程と、
前記第1および第2のゲート電極のうち前記第2のゲート電極の上部を選択的に除去する工程と、
前記選択的に除去された前記第2のゲート電極のシリコン層および前記第1のゲート電極のシリコン層上に被シリサイド化金属からなる金属膜を形成し、前記金属膜を構成する前記被シリサイド化金属のシリサイドが形成されるように熱処理を行う工程と、
前記熱処理工程後に未反応の前記金属膜を除去する工程と、を含み、第2のゲート電極の上部を選択的に除去する前記工程の前に、前記第1および第2のゲート電極それぞれの前記シリコン層に、シリサイド相の組成制御のための不純物を同時に導入する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記全面除去工程と前記選択的除去工程の間で、前記シリコン層にシリサイド相の組成制御のための不純物を導入する前記工程が行われることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
シリコン層にシリサイド相の組成制御のための不純物を導入する前記工程において、熱処理により前記不純物の拡散を行わないことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記シリサイド相の組成制御のための不純物を前記シリコン層の表面からの深さが前記シリコン層の厚さの0〜0.5倍の位置に高濃度に導入し、前記選択的除去により前記高濃度に不純物を含むシリコン層部分を除去することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記シリサイド相の組成制御のための前記不純物がAs、P、Sb、B、BF、Fのうち1種以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記シリサイド相の組成制御のための前記不純物がBで、かつその注入量が面密度で8x1015cm−2以上であることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
シリコン層にシリサイド相の組成制御のための不純物を導入する前記工程は、
シリコン層を形成する前記工程と層間膜を形成する前記工程の間に、前記シリコン層中に第1の不純物を導入し、かつ熱処理を施すことにより、前記第1の不純物を前記シリコン層全体に拡散する工程と、
前記全面除去工程と前記選択的除去工程の間に、前記シリコン層中に第2の不純物を導入する工程と、を含み、
第2の不純物を導入する前記工程は、前記第2の不純物の拡散を行わないことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記シリコン層中に前記第2の不純物を前記シリコン層の表面からの深さが前記シリコン層の厚さの0〜0.5倍の位置に高濃度に導入し、前記選択的除去により前記高濃度に不純物を含むシリコン層部分を除去することを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記第1の不純物を拡散するための前記熱処理工程が不純物活性化工程であることを特徴とする請求項7または8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記シリサイド相の組成制御のための前記第1および第2の不純物がお互いに異なり、As、P、Sb、B、BF、Fのうち1種以上であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記シリサイド相の組成制御のための前記第1の不純物がAsであり、かつその注入量が面密度で5x1015cm−2以下であり、前記第2の不純物がBであり、かつその注入量がAsの注入量と合わせて面密度で8x1015cm−2以上であることを特徴とする請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記ゲート絶縁膜の少なくとも表面側がHfSiONであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記熱処理により前記PMOS用のゲート電極の前記シリコン層のゲート絶縁膜に接している領域がNiSiもしくはNi31Si12となり、かつ、前記NMOS用のゲート電極の前記シリコン層のゲート絶縁膜に接している領域がNiSiもしくはNiSiとなることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記熱処理を500℃以下で行うことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記シリサイド相の組成制御のための不純物がAsであり、
前記熱処理工程が、
第1のシリサイド相を形成する第1の熱処理工程と、
Asを含む前記第1のシリサイド相の表面にのみ酸化層を形成する第2の熱処理工程と、
未反応の前記金属膜を除去せずに第2のシリサイド相を形成する第3の熱処理工程と、
前記第3の熱処理後に、前記未反応の前記金属膜を除去し、さらに前記酸化層を除去する工程と、を含むことを特徴とする請求項1〜5、7〜10、および12〜14のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−227270(P2008−227270A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−65216(P2007−65216)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】