説明

半導体装置の製造方法

【課題】溝部を絶縁膜で埋設する際に、溝部のアスペクト比が大きい場合であっても、内部にボイドを残存させることなく、溝部内に絶縁膜を充填する。これにより微細化した半導体装置の製造を容易に行うことを可能とする。
【解決手段】隣り合う凸部の間に形成される溝部の上端部においてオーバーハング形状を有すると共に、溝部の上部にボイドを有するように溝部内に溝部用絶縁膜を形成する。凸部の高さ方向に対して斜め方向から、溝部用絶縁膜に不純物をイオン注入することにより、溝部内に形成された溝部用絶縁膜の一部に不純物をドープする。溝部用絶縁膜の不純物がドープされた部分を除去した後、溝部内に溝部用絶縁膜を充填する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置において、素子分離用の溝部や隣接する配線間のスペース部を埋設して平坦化するために、CVD法で形成した絶縁膜を溝部(スペース部)に充填する方法が知られている(特許文献1)。
【0003】
微細化が進むに従い、このような溝部のアスペクト比(縦横比)が大きくなっており、溝部に絶縁膜を充填する際のボイド(空洞)の発生が問題となっている。溝部に充填した絶縁膜にボイドが残存した場合、後の工程でボイドを介した導電層間の短絡等が起きやすく、製造歩留まり低下の原因となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−176936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
溝部に充填した絶縁膜中にボイドを残存させないための方法として、例えば特許文献1では、絶縁膜の埋設途中にドライエッチングを行う方法が提案されている。しかしながら、この方法ではドライエッチングによって除去する絶縁膜の量や範囲の制御が十分ではなく、ボイドを残存させずに絶縁膜を段差部に完全に充填することが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態は、
複数の凸部を設ける工程と、
隣り合う凸部の間に形成される溝部の上端部において前記凸部の幅方向に溝部用絶縁膜が突出したオーバーハング形状を有すると共に、前記溝部の上部にボイドを有するように、前記溝部内に溝部用絶縁膜を形成する工程と、
前記凸部の高さ方向に対して斜め方向から、前記溝部用絶縁膜に不純物をイオン注入することにより、前記溝部内に形成された溝部用絶縁膜の一部に不純物をドープする工程と、
前記溝部用絶縁膜の不純物がドープされた部分を選択的に除去する工程と、
前記溝部内に溝部用絶縁膜を充填する工程と、
を有する半導体装置の製造方法に関する。
【0007】
他の実施形態は、
複数の凸部を設ける工程と、
隣り合う凸部の間に形成される溝部の上部においてボイド頂部の幅方向の長さがボイド底部の幅方向の長さよりも短いボイドを有するように、前記溝部内に溝部用絶縁膜を形成する工程と、
前記凸部の高さ方向に対して斜め方向から、前記溝部用絶縁膜に不純物をイオン注入することにより、前記溝部内に形成された溝部用絶縁膜の一部に不純物をドープする工程と、
前記溝部用絶縁膜の不純物がドープされた部分を選択的に除去する工程と、
前記溝部内に溝部用絶縁膜を充填する工程と、
を有する半導体装置の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0008】
溝部を絶縁膜で埋設する際に、溝部のアスペクト比が大きい場合であっても、内部にボイドを残存させることなく、溝部内に絶縁膜を充填することができる。これにより微細化した半導体装置の製造を容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図2】第1実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図3】第1実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図4】第1実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図5】第1実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図6】第1実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図7】第2実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図8】第2実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図9】第2実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図10】第2実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図11】第2実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図12】第2実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【図13】第2実施例の半導体装置の製造方法の一工程を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
半導体装置の製造方法では、隣り合う凸部の間に形成される溝部内に溝部用絶縁膜を形成する。この際、溝部の上端部において凸部の幅方向に溝部用絶縁膜が突出したオーバーハング形状を有すると共に、溝部の上部にボイドを有するように溝部内に溝部用絶縁膜を形成する。このオーバーハング形状によって、溝部内のボイドは、ボイド頂部の幅方向の長さがボイド底部の幅方向の長さよりも短くなる。凸部の高さ方向に対して斜め方向から、溝部内の溝部用絶縁膜に不純物をイオン注入することにより、溝部内に形成された溝部用絶縁膜の一部に不純物をドープする。次に、溝部用絶縁膜の不純物がドープされた部分を選択的に除去した後、溝部内に溝部用絶縁膜を充填する。
【0011】
半導体装置の製造方法では、不純物をドープすることでボイド発生の原因である開口付近のオーバーハング形状を、選択的に除去することが可能となる。隣り合う凸部の間に形成される溝部のアスペクト比が高い場合であっても、オーバーハング形状を選択的に除去した後の溝部のアスペクト比は低くなり、ボイドを生じることなく溝部内に絶縁膜を充填することができる。この結果、アスペクト比が高い溝部を絶縁膜で埋設する場合においても、内部にボイドを有さない構造を容易に形成することができる。
【0012】
以下では、図面を参照して、本発明の具体的な態様を説明する。なお、下記実施例は、本発明のより一層の深い理解のために示される具体例であって、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0013】
(第1実施例)
本実施例は、STI(Shallow Trench Isolation)を用いて、素子分離領域形成のための溝部をボイドなしに絶縁膜で埋設する方法に関するものである。以下、図1〜図6の断面模式図を参照して、本実施例を説明する。
【0014】
図1に示したように、シリコン(Si)からなる半導体基板400上に酸化シリコン膜(SiO2)401を熱酸化等で形成した後に、シリコン窒化膜(Si34)を用いてマスク膜402を形成し、パターニングを行う。
【0015】
次に、マスク膜402をマスクとして半導体基板400のドライエッチングを行い、高さ300nm程度の複数の凸部300と、隣り合う凸部300の間に深さ300nm程度の溝部403を形成する。この場合、溝部403の幅に対する、溝部底面からマスク膜402の上面までの高さのアスペクト比は3〜10となる。
【0016】
次に、図2に示したように、溝部403の内部に露出しているシリコン表面を熱酸化することで、膜厚5〜8nm程度の酸化シリコン410を形成する。この後に、HDP−CVD(High Density Plasma−Chemical Vapor Deposition)法を用いて、不純物を含有しない第1の酸化シリコン404(溝部用絶縁膜に相当する)を200nm程度、堆積する。この際、第1の酸化シリコン404は、溝部403の内部及びマスク膜402の上面を覆う。マスク膜402の上部については、HDP−CVD法の周知の特性によって、図2に示したようにテーパー形状に第1の酸化シリコン404が堆積される。
【0017】
ここで、溝部403のアスペクト比が3以上と大きい場合には、溝部403の内部が完全に充填されるよりも早く溝部403の開口付近において閉塞が始まるため、開口付近(溝部の上端部)は凸部の幅方向302に酸化シリコン404が突出したオーバーハング形状(図2中の点線で囲まれた部分404b)となる。これにより、溝部403の上部にはボイドVが形成される。このとき、溝部内の上部に形成されるボイド頂部の幅方向302の長さL1は、ボイド底部の幅方向302の長さL2よりも小さくなる。第1の酸化シリコン404の膜厚は、ボイドVの上端部分がオーバーハング部分によって完全に閉ざされてしまわない程度に設定することが好ましい。
【0018】
次に、図3に示したように、オーバーハング部分を含むマスク膜上の第1の酸化シリコン404に、リン(P)またはボロン(B)などの不純物を導入して、不純物を含有する酸化シリコン404aを形成する。具体的には、斜めイオン注入法を用いて、イオン打ち込みの半導体基板400の主面(凸部の高さ方向)301に対する注入角度を3〜70°、好ましくは5〜45°に設定し、溝部403の底部の酸化シリコン404を除く部分に不純物をドープすることで、不純物を含有する酸化シリコン404aを形成する。不純物の種類(導電型)はN型、またはP型のいずれでもよい。斜めイオン注入法を用いることによって、溝部403の内部に位置する第1の酸化シリコンの上面部Sに不純物が導入されることを最小限に抑制することができる。
【0019】
ドープする不純物の濃度は1×1010atoms/cm2以上、エネルギーは5Kev〜100Kevに設定する。不純物の濃度が高い程、後述する湿式エッチングのレートおよび、不純物を含有する酸化シリコン404aと、不純物を含有しない酸化シリコン404とのエッチングレート比(不純物を含有する酸化シリコンのエッチングレート/不純物を含有しない酸化シリコンのエッチングレート)が高くなり、好ましい。エネルギーは第1の酸化シリコン404の膜厚および導入する不純物元素の質量数に応じて適宜、選択されるが、マスク膜402へドープされる不純物の量をできるだけ少なくするように設定することが好ましい。これは、マスク膜402の不純物がドープされた部分は、後述する湿式エッチングにてエッチングが多少進行し、マスク膜402の形状が変化してしまうためである。
【0020】
図4に示すように、湿式エッチングにより、不純物を含有する酸化シリコン404aを選択的に除去する。この際に、不純物を含有する酸化シリコン404aの、不純物を含有しない酸化シリコン404に対するエッチングレート比(エッチング速度比)が10以上であるエッチング液を用いて湿式エッチングを行う。このようなエッチング液としては、イソプロピルアルコール(IPA)にフッ酸(HF)を10質量%の割合で混合させたもの(10質量%のフッ酸を含むイソプロピルアルコール)を例示できる。このようなエッチング液を用いることで、不純物を含有する酸化シリコン404aを容易に選択的に除去できる。また、不純物を含有しない酸化シリコン404は、エッチング液に対するエッチング耐性を備えているため、エッチングは進行せずに、そのまま残存する。
【0021】
次に、図5に示したように、HDP−CVD法を用いて第2の酸化シリコン膜405を溝部403の上部に埋め込む(第1の酸化シリコン膜404とは一体となって形成されるため境界線は記載していない)。第1の酸化シリコン404が溝部403の下層部分を充填しているため、第1の酸化シリコン404上部の溝部はアスペクト比が3未満となっている。また、図4の工程で実施した湿式エッチングによってオーバーハング状の部分が除去されているため、溝部403の開口付近は広く開放された状態となっている。このため第2の酸化シリコン膜405はボイドが発生することなく容易に溝部403の上層部分を埋め込むことができる。
【0022】
引き続き、CMP法による平坦化を行った後に、残存しているマスク膜402を、加熱したリン酸(H3PO4)を薬液として用いた湿式エッチングにより除去する。引き続き、フッ酸を含有した薬液を用いて湿式エッチングを行って、酸化シリコン404の上面の位置が、半導体基板400の表面と概略同程度になるように形成すれば、図6に示したように素子分離領域が完成する。
【0023】
また、埋め込み用の第1の酸化シリコン膜404と酸化シリコン膜410との間に、窒化シリコン等を用いたライナー膜を挟んだ構造としてもよい。
【0024】
本実施例では、素子分離領域形成のための溝部内に絶縁膜を充填する際に、ボイド発生の原因である開口付近のオーバーハング形状を、選択的に除去することが可能となる。また、オーバーハング形状を除去した後の溝部のアスペクト比は3未満となっている。このため、アスペクト比が3以上の溝部を絶縁膜で埋設する場合においても、内部にボイドを有さない構造を容易に形成することができる。
【0025】
(第2実施例)
本実施例は、配線間の層間絶縁膜をボイドなしに形成する方法に関するものである。以下、図7〜図13を参照して、本実施例を説明する。
【0026】
図7に示したように、P型のシリコンからなる半導体基板200に、シリコン酸化膜等の絶縁膜を用いて素子分離領域203が形成されている。素子分離領域203で区画された領域が活性領域204となる。MOSトランジスタのゲート電極206は、不純物を導入した多結晶シリコン膜206aと、タングステン等の高融点金属膜206bの積層膜によって形成されている。多結晶シリコン膜の下層部分は、活性領域204内の半導体基板200を除去して形成した凹部を充填するように設けられている。
【0027】
ゲート電極206と半導体基板200の界面部分には、シリコン酸化膜等のゲート絶縁膜202が設けられている。また、ゲート電極206の上面を保護するためのキャップ絶縁膜207がシリコン窒化膜を用いて設けられている。キャップ絶縁膜207はゲート電極206と同時にパターニングすることにより形成されている。ゲート電極206の両側には、リン等のN型不純物をイオン注入することでN型不純物層205が形成されており、MOSトランジスタ201のソース/ドレイン電極として機能する。
【0028】
次に、図8に示したように、ゲート電極206とキャップ絶縁膜207の側面部分を覆うように、シリコン窒化膜でサイドウォール208を形成する。この後に、半導体基板200の全面を覆うようにシリコン窒化膜220を3〜6nmの膜厚に形成する。本実施例では、凸部300は、半導体基板200からその上方に突出したゲート電極の部分、キャップ絶縁膜207、サイドウォール208、及びシリコン窒化膜220から構成されている。溝部240は隣り合う溝部の間のスペース部であり、本実施例では溝部240の深さ(ゲート電極206の高さとキャップ絶縁膜207の高さの合計)は約300nm、アスペクト比3〜10となる。
【0029】
次に、図9に示したように、HDP−CVD法を用いて、不純物を含有しない第1の酸化シリコン230を200nm程度、堆積する。ここで、溝部240のアスペクト比が3以上と大きい場合には、溝部240の内部が完全に充填されるよりも早く溝部240の開口付近において閉塞が始まるため、開口付近(溝部の上端部)は凸部の幅方向302に酸化シリコン404が突出したオーバーハング形状(図9中の点線で囲まれた部分404b)となる。これにより、溝部240の上部にはボイドVが形成される。このとき、溝部内の上部に形成されるボイド頂部の幅方向302の長さL1は、ボイド底部の幅方向302の長さL2よりも小さくなる。第1の酸化シリコン230の膜厚は、ボイドVの上端部分がオーバーハング部分によって完全に閉ざされてしまわない程度に設定することが好ましい。
【0030】
次に、図10に示したように、斜めイオン注入法を用いて、リンまたはボロンなどの不純物を導入し、不純物を含有する酸化シリコン230aを形成する。斜めイオン注入法での、半導体基板400の主面(凸部の高さ方向)301に対するイオン打ち込みの角度を、3〜70°、好ましくは5〜45°に設定することで、溝部240内部の酸化シリコン230の上面へ不純物のドープを抑制した状態で、不純物を含有する酸化シリコン230aを形成することができる。
【0031】
次に、図11に示すように、湿式エッチングにより、不純物を含有する酸化シリコン230aを選択的に除去する。この際に、不純物を含有する酸化シリコン230aの、不純物を含有しない酸化シリコン230に対するエッチングレート比が10以上であるエッチング液を用いて湿式エッチングを行う。このようなエッチング液としては、イソプロピルアルコール(IPA)にフッ酸(HF)を10質量%の割合で混合させたもの(10質量%のフッ酸を含むイソプロピルアルコール)を例示できる。このようなエッチング液を用いることで、不純物を含有する酸化シリコン230aを容易に選択的に除去できる。また、不純物を含有しない酸化シリコン230は、エッチング液に対するエッチング耐性を備えているため、エッチングは進行せずに、そのまま残存する。
【0032】
次に、図12に示したように、HDP−CVD法を用いて第2の酸化シリコン膜250を溝部240の上部に埋め込む(第1の酸化シリコン膜230とは一体となって形成されるため境界線は記載せず)。
【0033】
第1の酸化シリコン230が溝部240の内部を充填しているため、第1の酸化シリコン230の上に位置する溝部はアスペクト比が3未満となっている。また、図11の工程で実施した湿式エッチングによってオーバーハング状の部分が除去されているため、溝部240の開口付近は広く開放された状態となっている。このため第2の酸化シリコン膜250はボイドが発生することなく容易に溝部240の上層部分を埋め込むことができる。
【0034】
次に、図13に示したように、CMP法にて上面を平坦化すれば酸化シリコンを用いた層間絶縁膜の埋設が完了する。この際に、キャップ絶縁膜207、サイドウォール208の上端一部が研磨によって除去されても問題は無い。
【0035】
本実施例では、層間絶縁膜を配線間のスペース部に充填する際に、ボイド発生の原因である開口付近のオーバーハング形状を、選択的に除去することが可能となる。また、オーバーハング形状を除去した後の溝部のアスペクト比は3未満となっている。このため、アスペクト比が3以上の溝部を絶縁膜で埋設する場合においても、内部にボイドを有さない構造を容易に形成することができる。
【0036】
本実施例では、微細化の進展によってゲート電極206の配線間隔が60nm以下となったような場合でも、層間絶縁膜として従来から一般的に使用されてきたHDP−CVD法により形成した絶縁膜を用いることが可能となる。これにより、ポリシラザン等のスピンナー法で形成する高価な埋め込み材料を使用すること無く、かつ従来の製造装置を有効利用することができるので、半導体装置の製造を低コストで行うことが可能となる。
【0037】
本実施例では、ゲート電極のレイアウトは特に限定されないが、DRAM素子等のメモリセルのように、ゲート電極(ワード配線)が所定の方向に長く延在して配置される場合に本発明を適用すると、特に効果的である。
【0038】
なお、本実施例では配線としてゲート電極を配置した場合について説明したが、ゲート電極以外の配線を覆う層間絶縁膜を形成する場合にも、本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0039】
200、400 半導体基板
201 MOSトランジスタ
202 ゲート絶縁膜
203 素子分離領域
204 活性領域
205 N型不純物層
206 ゲート電極
206a 多結晶シリコン膜
206b 高融点金属膜
207 キャップ絶縁膜
208 サイドウォール
220 シリコン窒化膜
230、404 第1の酸化シリコン
230a、404a 不純物を含有する酸化シリコン
240、403 溝部
250、405 第2の酸化シリコン膜
300 凸部
301 凸部の高さ方向
302 幅方向
401 酸化シリコン膜
402 マスク膜
404b オーバーハング形状
410 酸化シリコン
S 上面部
V ボイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の凸部を設ける工程と、
隣り合う凸部の間に形成される溝部の上端部において前記凸部の幅方向に溝部用絶縁膜が突出したオーバーハング形状を有すると共に、前記溝部の上部にボイドを有するように、前記溝部内に溝部用絶縁膜を形成する工程と、
前記凸部の高さ方向に対して斜め方向から、前記溝部用絶縁膜に不純物をイオン注入することにより、前記溝部内に形成された溝部用絶縁膜の一部に不純物をドープする工程と、
前記溝部用絶縁膜の不純物がドープされた部分を選択的に除去する工程と、
前記溝部内に溝部用絶縁膜を充填する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
複数の凸部を設ける工程と、
隣り合う凸部の間に形成される溝部の上部においてボイド頂部の幅方向の長さがボイド底部の幅方向の長さよりも短いボイドを有するように、前記溝部内に溝部用絶縁膜を形成する工程と、
前記凸部の高さ方向に対して斜め方向から、前記溝部用絶縁膜に不純物をイオン注入することにより、前記溝部内に形成された溝部用絶縁膜の一部に不純物をドープする工程と、
前記溝部用絶縁膜の不純物がドープされた部分を選択的に除去する工程と、
前記溝部内に溝部用絶縁膜を充填する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記複数の凸部を設ける工程において、
隣り合う凸部の間に形成される溝部のアスペクト比は3以上である、請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記溝部用絶縁膜の不純物がドープされた部分を選択的に除去する工程において、
前記溝部用絶縁膜の不純物がドープされた部分を除去した後の、前記溝部のアスペクト比が3未満となるように、前記溝部用絶縁膜の不純物がドープされた部分を除去する、請求項1〜3の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記複数の凸部を設ける工程は、
マスクパターンを用いて半導体基板をエッチングすることにより、複数の凸部を有する前記半導体基板を形成する工程であり、
前記溝部内に溝部用絶縁膜を充填する工程において、
前記溝部内に充填された溝部用絶縁膜を有する素子分離領域を形成する、請求項1〜4の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記複数の凸部を設ける工程は、
半導体基板の表面に酸化シリコン膜を形成する工程と、
前記酸化シリコン膜上にマスクパターンを設ける工程と、
前記マスクパターンを用いて半導体基板及び酸化シリコン膜をエッチングすることにより、半導体基板の主面の法線方向に突出した半導体基板の部分、並びに前記突出した半導体基板の部分上の酸化シリコン膜及びマスクパターンから構成される凸部を形成する工程と、
を有し、
前記溝部内に溝部用絶縁膜を充填する工程において、
前記溝部内に充填された溝部用絶縁膜を有する素子分離領域を形成する、請求項1〜4の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記複数の凸部を設ける工程は、
半導体基板内に複数の凹部を形成する工程と、
各凹部の内壁上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
各凹部の内部から前記半導体基板上にまで突出するように、ゲート電極を形成する工程と、
を有し、
前記凸部は半導体基板からその上方に突出した前記ゲート電極の部分から構成され、
前記溝部内に溝部用絶縁膜を充填する工程において、
前記溝部内に充填された溝部用絶縁膜を有する層間絶縁膜を形成する、請求項1〜4の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記複数の凸部を設ける工程は、前記ゲート電極を形成する工程の後に更に、
各ゲート電極上にキャップ絶縁膜を形成する工程と、
各ゲート電極及び各キャップ絶縁膜の側面に、サイドウォールを形成する工程と、
を有し、
前記凸部は半導体基板からその上方に突出した前記ゲート電極の部分、キャップ絶縁膜、及びサイドウォールから構成される、請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記溝部用絶縁膜は、酸化シリコン膜である、請求項1〜8の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記溝部内に溝部用絶縁膜を形成する工程において、
HDP−CVD(High Density Plasma−Chemical Vapor Deposition)法によって、前記溝部用絶縁膜を形成する、請求項1〜9の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記不純物をドープする工程において、
前記凸部の高さ方向に対して3〜70°の角度で、不純物をイオン注入する、請求項1〜10の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記不純物をドープする工程において、
不純物濃度1×1010atoms/cm2以上、エネルギー5Kev〜100Kevの条件で、不純物をイオン注入する、請求項1〜11の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記溝部用絶縁膜の不純物がドープされた部分を選択的に除去する工程において、
溝部用絶縁膜の不純物がドープされていない部分に対する溝部用絶縁膜の不純物がドープされた部分のエッチング速度比が10以上となる条件で、前記溝部用絶縁膜の不純物がドープされた部分を除去する、請求項1〜12の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記溝部用絶縁膜の不純物がドープされた部分を選択的に除去する工程において、
10質量%のフッ酸を含むイソプロピルアルコールを用いたウェットエッチングにより、前記溝部用絶縁膜の不純物がドープされた部分を除去する、請求項13に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−18968(P2012−18968A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153874(P2010−153874)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】