説明

半導体装置及び半導体装置の製造方法

【課題】エッチングストッパ膜を有し、配線間容量の増大を抑制可能な半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板11と、半導体基板11の表面上部に配設された層間絶縁膜29と、層間絶縁膜29に埋め込まれ、半導体基板11に対向する上面が層間絶縁膜29の上面と面一に配設され、互いに離間して配置された複数のビアプラグ31と、層間絶縁膜29及びビアプラグ31の表面上部に配設された層間絶縁膜39と、層間絶縁膜39によって分離され、ビアプラグ31と接続され、ビアプラグ31に対向する上面が層間絶縁膜39の上面と面一に配設され、層間絶縁膜39を挟んで相対向する側面に、層間絶縁膜29の側から順に、層間絶縁膜29とはエッチング性が異なり且つ層間絶縁膜39より比誘電率の高い側壁絶縁膜35、及び側壁絶縁膜35とはエッチング性が異なる側壁絶縁膜37を有する複数の第2配線33とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小さい配線間隔を有する半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリ等の半導体装置では、大容量化、すなわち微細化が進められている。特に、メモリセル部等においては、配線の微細化と共に、隣接する配線間のピッチが狭められる。配線を狭ピッチ化すると、配線間容量が目立ってくる。容量を低減させるため、配線層を薄くして、隣接配線間の対向面積を小さくする対策が有効である。配線層を薄くして電流を確保するために、配線層の低抵抗化が必要となり、例えば、Cu配線が使用されることが多い。
【0003】
一方、微細な配線の抵抗を一定とすることは重要である。配線層は、横幅の寸法と共に、深さ方向の寸法が一定である溝に形成されることが必要である。例えば、半導体基板上に形成された複数の不揮発性半導体記憶素子(メモリセル)が形成された素子領域の表面に層間絶縁膜を形成し、この層間絶縁膜上にストッパ膜としてシリコン窒化膜を形成し、そのシリコン窒化膜を下面とするビット線配線溝を形成し、ビット線配線溝に配線用メタルを埋め込む工程とを備えたNAND型不揮発性メモリである半導体装置の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
開示された半導体装置は、ビット線配線溝加工での溝深さの制御性が向上するものの、並行に配列されたビット線配線間にストッパ膜としてシリコン窒化膜が存在するときの配線間の容量及びリーク電流等については言及がなされていない。つまり、微細化に伴い並行に配列された配線間隔がより狭まり、配線間にシリコン窒化膜が存在すると、シリコン酸化膜系の層間絶縁膜に比較して、比誘電率の高いシリコン窒化膜を用いているので、配線間容量が増大するという問題が発生する。また、シリコン酸化膜系の層間絶縁膜の上に、シリコン窒化膜を積層することにより、界面でリーク電流が増加するという問題が発生する。
【特許文献1】特開2005−150336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、エッチングストッパ膜を有し、配線間容量の増大を抑制可能な半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板の表面上部に配設された第1の層間絶縁膜と、前記第1の層間絶縁膜に埋め込まれ、前記半導体基板に対向する上面が前記第1の層間絶縁膜の上面と面一に配設され、互いに離間して配置された複数の第1の導電体と、前記第1の層間絶縁膜及び前記第1の導電体の表面上部に配設された第2の層間絶縁膜と、前記第2の層間絶縁膜によって分離され、前記第1の導電体と接続され、前記第1の導電体に対向する上面が前記第2の層間絶縁膜の上面と面一に配設され、前記第2の層間絶縁膜を挟んで相対向する側面に、前記第1の層間絶縁膜の側から順に、前記第2の層間絶縁膜より比誘電率の高い第1の側壁絶縁膜、及び第2の側壁絶縁膜を有する複数の第2の導電体とを備えていることを特徴とする。
【0007】
本発明の別態様の半導体装置の製造方法は、半導体基板の表面上部に、第1の導電体及び第1の層間絶縁膜の上面が面一に形成され、前記上面に、前記第1の層間絶縁膜より比誘電率の高いストッパ絶縁膜、次に、前記ストッパ絶縁膜より比誘電率の低い側壁絶縁膜を堆積する工程と、前記側壁絶縁膜を貫通して、次に、前記ストッパ絶縁膜を貫通して前記第1の導電体に達する開口を形成する工程と、前記開口に、前記第1の導電体に接続する第2の導電体を埋め込み、前記側壁絶縁膜及び前記第2の導電体の上面を面一に形成する工程と、前記第2の導電体間の前記側壁絶縁膜を異方的にエッチングし、前記ストッパ絶縁膜を露出させ、次に、前記ストッパ絶縁膜を異方的にエッチングし、前記第1の層間絶縁膜の表面を露出させ、その後、前記第1の層間絶縁膜の露出した表面を前記第1の導電体の上面より前記半導体基板の側に下がるまでエッチングする工程と、前記第1の導電体、前記ストッパ絶縁膜、前記側壁絶縁膜、及び前記第2の導電体を埋め込むように第1の層間絶縁膜と同様の膜質の第2の層間絶縁膜を堆積する工程とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、エッチングストッパ膜を有し、配線間容量の増大を抑制可能な半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。各図では、同一の構成要素には同一の符号を付す。
【実施例】
【0010】
本発明の実施例に係る、例えば、NAND型不揮発性メモリである半導体装置及びその製造方法について、図1乃至図5を参照しながら説明する。図1は半導体装置のメモリセル領域の構成を模式的に示す平面図である。図2は半導体装置のメモリセル領域の構成を模式的に示す図で、図2(a)は図1のA−A線に沿った断面図、図2(b)は図1のB−B線に沿った断面図である。図3は半導体装置の製造方法を工程順に模式的に示す断面図で、図2(a)の1点鎖線の領域に相当する領域である。図4は、図3に続く、半導体装置の製造方法を工程順に模式的に示す断面図である。図5は、図4に続く、半導体装置の製造方法を工程順に模式的に示す断面図である。なお、半導体基板の表面において、半導体基板から離れる方向を上または上方向として説明する。
【0011】
NAND型不揮発性メモリである半導体装置は、メモリトランジスタを有するメモリセル、直列に接続された複数のメモリセルからなるメモリセルブロック、及びメモリセルブロックを選択するための選択トランジスタを有している。
【0012】
図1に示すように、半導体装置1は、メモリトランジスタ16及び選択トランジスタ18の直列接続からなるNAND構成の素子領域13が、半導体基板11の表面に、紙面左右方向に延在し、紙面上下方向に離間して配設されている。素子分離領域15が、半導体基板11の表面に、個々の素子領域13を紙面上下方向に分離するように、紙面左右方向に延在している。
【0013】
メモリトランジスタ16のゲート電極であるデータ選択線17が紙面上下方向に延在し、紙面左右方向に離間して配設されている。選択トランジスタ18のゲート電極であるブロック選択線19が、メモリセルブロックの端部に配置され、紙面上下方向に延在し、紙面左右方向に離間して配設されている。メモリセル6は、例えば、素子領域13とデータ選択線17とが交わる領域を中心した領域であり、紙面上下左右にマトリクス状に配列されている。
【0014】
メモリセルブロックに接続するデータ転送線をなす第2配線33は、ビット線とも称され、例えば、平面図で素子領域13の上部に重なるように、半導体基板11の側から数えて第2番目の配線として配設されている。第2配線33は、例えば、断面が円形または楕円形を有するビアプラグ31を介して、半導体基板11表面の選択トランジスタ18のドレイン(またはソース)に接続されている。図示を省略しているが、メモリセルブロックの選択トランジスタ18とは反対側の端部に別の選択トランジスタが配設され、この選択トランジスタのソース(またはドレイン)が、例えば、半導体基板11の側から数えて第1番目の配線である共通ソース線に接続されている。
【0015】
第2配線33は、伸長方向に沿った側面、すなわち、紙面上側及び下側の面にストッパ絶縁膜35及び側壁絶縁膜37を有している。隣り合うストッパ絶縁膜35及び側壁絶縁膜37の間に、層間絶縁膜39が配設されている。
【0016】
なお、ビアプラグ31は、第2配線33に対して、系統的にずれて示されている。これは、フォトリソグラフィ工程における位置合わせが、目標位置を中心に一定の範囲内でずれることを示している。また、ビアプラグ31は、図1に示すように、紙面上下方向に伸びた一つの直線上に配列されても良いし、また、ジグザグ状、すなわち1つ置きにそれぞれ左右方向にずらした直線上に配列されても良い。
【0017】
図2に示すように、半導体装置1は、半導体基板11と、半導体基板11の表面上部に配設された第1の層間絶縁膜である層間絶縁膜29と、層間絶縁膜29に埋め込まれ、半導体基板11に対向する上面が層間絶縁膜29の上面と面一に配設され、互いに離間して配置された複数の第1の導電体であるビアプラグ31と、層間絶縁膜29及びビアプラグ31の表面上部に配設された第2の層間絶縁膜である層間絶縁膜39と、層間絶縁膜39によって分離され、ビアプラグ31と接続され、ビアプラグ31に対向する上面が層間絶縁膜39の上面と面一に配設され、層間絶縁膜39を挟んで相対向する側面に、層間絶縁膜29の側から順に、層間絶縁膜29とはエッチング性が異なり且つ層間絶縁膜39より比誘電率の高い第1の側壁絶縁膜である側壁絶縁膜35、及び側壁絶縁膜35とはエッチング性が異なる第2の側壁絶縁膜である側壁絶縁膜37を有する複数の第2の導電体である第2配線33とを備えている。図2(a)の1点鎖線の領域に、半導体装置1の特徴的な構造が示される。Dは、ビアプラグ31と第2配線33との相対的な位置合わせによるずれを示す。
【0018】
半導体装置1は、半導体基板11の表面に、離間して設けられたドレインまたはソースとなる拡散領域12を有している。拡散領域12は、素子分離領域15で分離されている。詳細な図示を省略するが、離間した拡散領域12間は、チャネル領域をなし、チャネル領域の上部に、チャネル領域の幅とほぼ等しい幅(長さ)を有するゲート絶縁膜、電荷蓄積膜、及び制御ゲート電極等を有するメモリトランジスタ16、並びに、ゲート絶縁膜及び制御ゲート電極等を有する選択トランジスタ18が配設され、それぞれの制御ゲート電極等は層間絶縁膜21により埋め込まれている。
【0019】
メモリトランジスタ16の制御ゲート電極は、データ選択線17として、図2(b)の紙面に垂直方向に延在している。選択トランジスタ18の制御ゲート電極は、ブロック選択線19として、図2(b)の紙面に垂直方向に延在している。
【0020】
メモリトランジスタ16及び選択トランジスタ18等は、バリア絶縁膜22で被われている。バリア絶縁膜22は、例えば、複数層からなる層間絶縁膜23で被われている。層間絶縁膜23の上面と面一に形成された、例えば、選択トランジスタ18の共通ソース線(図示略)と同一の配線層をなす第1配線27(ビアプラグ)が配設され、第1配線27は、層間絶縁膜23及びバリア絶縁膜22を貫通するコンタクトプラグ25を介して、選択トランジスタ18のドレインをなす拡散領域12と接続されている。
【0021】
層間絶縁膜23及び第1配線27は、層間絶縁膜29で被われている。ビアプラグ31は、上面を層間絶縁膜29の上面と面一に形成され、層間絶縁膜29を貫通し、第1配線27と接続されている。なお、半導体基板11と接続するプラグをコンタクトプラグといい、層間を接続するプラグをビアプラグという。
【0022】
第2配線33は、ビアプラグ31に接続され、ビアプラグ31の幅または径とほぼ同様な幅を有して、メモリトランジスタ16のドレイン及びソースが直列に接続された方向に、延在している。図2(a)に示すように、第2配線33は、メモリブロックの配列ピッチと同様なピッチで、互いの側面を対向させて配設されている。第2配線33は、ビアプラグ31に対して、ずれDだけずれている。
【0023】
メモリブロックの配列ピッチで配列された第2配線33の、少なくとも互いに対向する側面には、半導体基板11に近い下側に、ほぼ均一な幅(膜厚)を有するストッパ絶縁膜35、上側に、上方に行くほど幅(膜厚)が小さくなる傾斜の側壁絶縁膜37が配設されている。側壁絶縁膜37は、第2配線33の側面上端部では、膜厚がゼロとなることもある。
【0024】
層間絶縁膜39は、層間絶縁膜29の上にあり、第2配線33の互いに対向する側面間において、ストッパ絶縁膜35及び側壁絶縁膜37を分離するように配設されている。層間絶縁膜39の上面は、第2配線33の上面と面一であり、層間絶縁膜39の下面は、間にストッパ絶縁膜35が残らないように、層間絶縁膜29の上面と接触している。
【0025】
次に、半導体装置1の製造方法について説明する。製造工程の説明において、半導体装置1を構成する部材の材料及び配置等が補足される。
【0026】
半導体基板11は、例えば、シリコン基板である。半導体基板11の上に、周知の基板工程を経た後、第1層目の配線工程までを終えて、層間絶縁膜23及び第1配線27の上面が平坦化される。図2に示すように、層間絶縁膜23及び第1配線27の上面に、層間絶縁膜29及び層間絶縁膜29に埋め込まれたビアプラグ31が形成され、上面が面一に加工されている。層間絶縁膜29は、TEOS(Tetraethoxysilane)系のシリコン酸化膜、ビアプラグ31は、例えば、TiまたはTi/TiNからなるバリアメタル(図示略)の中に埋め込まれたWである。なお、ビアプラグ31は、例えば、バリアメタル、シードメタル、及びCuからなる構成とすることは可能である。
【0027】
図3(a)に示すように、層間絶縁膜29及びビアプラグ31の上に、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、シリコン窒化膜からなるストッパ絶縁膜35a、その上に、TEOS系のシリコン酸化膜からなる第2配線33を形成するための絶縁膜が堆積される。この配線形成のための絶縁膜は、第2配線33の側壁に残るので、側壁絶縁膜37aと称す。
【0028】
図3(b)に示すように、側壁絶縁膜37aの上に、フォトリソグラフィ工程により、ビアプラグ31に接続する第2配線33を配設するためのパターニングされたフォトレジスト41を形成する。微細化のために、例えば、ビアプラグ31の上面の幅と第2配線33の幅は、製造工程の有する最小寸法乃至それに近い寸法になるように設定され、フォトリソグラフィ工程における合わせずれ(ずれD)は、ほとんどそのまま両者の位置ずれとなる。並列される第2配線33間の距離(間隔)も、製造工程の有する最小寸法乃至それに近い寸法になるように設定される。
【0029】
図3(c)に示すように、フォトレジスト41をマスクとして、RIE(Reactive Ion Etching)法により、シリコン酸化膜からなる側壁絶縁膜37aを異方的にエッチングし、シリコン窒化膜からなるストッパ絶縁膜35aに達する開口43を形成する。側壁絶縁膜37aのエッチングは、ストッパ絶縁膜35aに対して選択的に行われる。
【0030】
図4(a)に示すように、側壁絶縁膜37aをマスクとして、RIE法により、ストッパ絶縁膜35aを異方的にエッチングし、ビアプラグ31及び層間絶縁膜29に達する開口43を転写する。ストッパ絶縁膜35aのエッチングは、ビアプラグ31及び層間絶縁膜29に対して選択的に行われる。なお、両膜に形成された開口を符号43で示す。そして、必要に応じて、開口43の底面で、すなわちビアプラグ31の上面が電気的に接続が可能状態になるように、軽いエッチングが可能である。以上のエッチングにおいて、開口43の底に層間絶縁膜29の一部が露出した露出部45があっても、ビアプラグ31のエッジに沿って下方に伸びる過剰なエッチングは抑制される。
【0031】
図4(b)に示すように、開口43に、CVD法またはスパッタリング法により、Ti等のバリアメタル(図示略)及びCuからなるシード膜(図示略)を形成し、その後、電解メッキ法により、Cuを形成し、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により、表面を平坦化し、側壁絶縁膜37となる予定のシリコン酸化膜及び第2配線33となる予定のCu等を露出させる。
【0032】
図4(c)に示すように、RIE法により、シリコン窒化膜からなるストッパ絶縁膜35aで止めるように、シリコン酸化膜からなる側壁絶縁膜37aを異方的にエッチングし、その後、シリコン酸化膜からなる層間絶縁膜29で止めるように、ストッパ絶縁膜35aをエッチングする。なお、このRIE条件は、開口37を形成するRIE条件と同様である。その後、対向する第2配線33の側面間にある層間絶縁膜29の表面を少しエッチングする。
【0033】
その結果、第2配線33の側面に、上面から下がった位置を起点に、更に下のストッパ絶縁膜35にかけて、次第に、膜厚(幅)が増加する側壁絶縁膜37が残り、第2配線33の側面及び側壁絶縁膜37に接して、下方に、ほぼ一定の膜厚(幅)を有するストッパ絶縁膜35が残される。層間絶縁膜29の上面は、ストッパ絶縁膜35の底面より下方にえぐられている。
【0034】
図5(a)に示すように、層間絶縁膜29、第2配線33、ストッパ絶縁膜35、及び側壁絶縁膜37を被い、埋め込むように、TEOS系のシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜39を堆積する。
【0035】
図5(b)に示すように、CMP法により、表面を平坦化して、第2配線33を適する膜厚とする。平坦化された上面には、例えば、第2配線33、側壁絶縁膜37、及び層間絶縁膜39が露出する(図1参照)。第2配線33は、ビアプラグ31に対して、ずれDだけ半導体基板11の表面に沿った方向にずれている。なお、CMP法により研磨する量を少なくする場合、側壁絶縁膜37が上面に露出しないことがあり得る。
【0036】
図示を省略するが、図5(b)に示す平坦化された上面が形成された後、周知の配線工程等を経て、半導体装置1が完成する。
【0037】
上述したように、半導体装置1は、シリコン酸化膜からなる層間絶縁膜29上の第2配線33が、ビアプラグ31と接続され、側面に、シリコン窒化膜からなるストッパ絶縁膜35及びシリコン酸化膜からなる側壁絶縁膜37を有し、ストッパ絶縁膜35及び側壁絶縁膜37は、シリコン酸化膜からなる層間絶縁膜39を間に置いて、隣接の第2配線33の側面のストッパ絶縁膜35及び側壁絶縁膜37に対向している。層間絶縁膜29とストッパ絶縁膜35とは、RIEによるエッチング性が互いに異なっている。ストッパ絶縁膜35と側壁絶縁膜37とは、RIEによるエッチング性が互いに異なっている。ストッパ絶縁膜35は、層間絶縁膜39より比誘電率が高い。
【0038】
その結果、ビアプラグ31と第2配線33の位置が、互いにずれても、ビアプラグ31のエッジに沿って下方に伸びる過剰なエッチングは抑制され、半導体装置1の特性は安定し、信頼性の高いものとすることが可能となる。その上、第2配線33の側面間にあるストッパ絶縁膜35は分断され、シリコン窒化膜より比誘電率の小さなシリコン酸化膜で置き換えられるので、第2配線33の間の配線間容量は抑制される。更に、第2配線33の側面間は、実質的に同じ組成のシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜29及び層間絶縁膜39となるので、シリコン窒化膜とシリコン酸化膜との界面、すなわち、シリコン窒化膜のダングリングボンド等が関与して発生するリーク電流を抑制可能となる。微細化された半導体装置1は、配線間容量の低減、配線間のリーク電流の低減が可能である。
【0039】
本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々、変形して実施することができる。
【0040】
例えば、実施例では、第2配線が半導体基板側から2番目の配線である例を示したが、第2配線が1番目の配線または3番目より上側の配線であることは可能である。すなわち、第2配線がコンタクトプラグと接続する配線でもよいし、第2配線が他の配線または他のビアプラグと接続する配線でもよい。
【0041】
また、実施例では、第2配線間の側壁絶縁膜がTEOS系のシリコン酸化膜である例を示したが、TEOS系のシリコン酸化膜の代わりに、比誘電率のより低い、例えば、BSG(Boro-silicate Glass)、PSG(Phospho-silicate Glass)、Fを添加したシリコン酸化膜、SiOC等のLow−k膜等を使用することは可能である。
【0042】
また、実施例では、半導体装置がNAND型不揮発性メモリである例を示したが、半導体装置が、例えば、NOR型等の不揮発性メモリ、DRAM、及びSRAM等のメモリ、ロジックIC、並びに、アナログIC、または、これらの混載等であってもよい。
【0043】
本発明は、以下の付記に記載されているような構成が考えられる。
(付記1) 半導体基板と、前記半導体基板の表面上部に配設された第1の層間絶縁膜と、前記第1の層間絶縁膜に埋め込まれ、前記半導体基板に対向する上面が前記第1の層間絶縁膜の上面と面一に配設され、互いに離間して配置された複数の第1の導電体と、前記第1の層間絶縁膜及び前記第1の導電体の表面上部に配設された第2の層間絶縁膜と、前記第2の層間絶縁膜によって分離され、前記第1の導電体と接続され、前記第1の導電体に対向する上面が前記第2の層間絶縁膜の上面と面一に配設され、前記第2の層間絶縁膜を挟んで相対向する側面に、前記第1の層間絶縁膜の側から順に、前記第2の層間絶縁膜より比誘電率の高い第1の側壁絶縁膜、及び第2の側壁絶縁膜を有する複数の第2の導電体とを備えている半導体装置。
【0044】
(付記2) 前記第2の導電体は、前記半導体基板に形成されたソースまたはドレインに接続されたデータ転送線である付記1に記載の半導体装置。
【0045】
(付記3) 前記第2の導電体は、Cuを主成分とする材料を有している付記1に記載の半導体装置。
【0046】
(付記4) 前記第2の層間絶縁膜は、前記第2の導電体の下面より前記半導体基板の側に下がっている付記1に記載の半導体装置。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施例に係る半導体装置のメモリセル領域の構成を模式的に示す平面図。
【図2】本発明の実施例に係る半導体装置のメモリセル領域の構成を模式的に示す図で、図2(a)は図1のA−A線に沿った断面図、図2(b)は図1のB−B線に沿った断面図。
【図3】本発明の実施例に係る半導体装置の製造方法を工程順に模式的に示す断面図。
【図4】本発明の実施例に係る半導体装置の図3に続く製造方法を工程順に模式的に示す断面図。
【図5】本発明の実施例に係る半導体装置の図4に続く製造方法を工程順に模式的に示す断面図。
【符号の説明】
【0048】
1 半導体装置
6 メモリセル
11 半導体基板
12 拡散領域
13 素子領域
15 素子分離領域
16 メモリトランジスタ
17 データ選択線
18 選択トランジスタ
19 ブロック選択線
21、23、29、39 層間絶縁膜
22 バリア絶縁膜
25 コンタクトプラグ
27 第1配線
31 ビアプラグ
33 第2配線
35、35a ストッパ絶縁膜
37、37a 側壁絶縁膜
41 フォトレジスト
43 開口
45 露出部
D ずれ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板の表面上部に配設された第1の層間絶縁膜と、
前記第1の層間絶縁膜に埋め込まれ、前記半導体基板に対向する上面が前記第1の層間絶縁膜の上面と面一に配設され、互いに離間して配置された複数の第1の導電体と、
前記第1の層間絶縁膜及び前記第1の導電体の表面上部に配設された第2の層間絶縁膜と、
前記第2の層間絶縁膜によって分離され、前記第1の導電体と接続され、前記第1の導電体に対向する上面が前記第2の層間絶縁膜の上面と面一に配設され、前記第2の層間絶縁膜を挟んで相対向する側面に、前記第1の層間絶縁膜の側から順に、前記第2の層間絶縁膜より比誘電率の高い第1の側壁絶縁膜、及び第2の側壁絶縁膜を有する複数の第2の導電体と、
を備えていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1の導電体は、コンタクトプラグ、ビアプラグ、及び配線のいずれか1つからなることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1の層間絶縁膜と前記第2の層間絶縁膜とは同じ膜質の絶縁膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1の側壁絶縁膜はシリコン窒化膜、前記第2の側壁絶縁膜、前記第1の層間絶縁膜、及び前記第2の層間絶縁膜はシリコン酸化膜であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
半導体基板の表面上部に、第1の導電体及び第1の層間絶縁膜の上面が面一に形成され、前記上面に、前記第1の層間絶縁膜より比誘電率の高いストッパ絶縁膜、次に、前記ストッパ絶縁膜より比誘電率の低い側壁絶縁膜を堆積する工程と、
前記側壁絶縁膜を貫通して、次に、前記ストッパ絶縁膜を貫通して前記第1の導電体に達する開口を形成する工程と、
前記開口に、前記第1の導電体に接続する第2の導電体を埋め込み、前記側壁絶縁膜及び前記第2の導電体の上面を面一に形成する工程と、
前記第2の導電体間の前記側壁絶縁膜を異方的にエッチングし、前記ストッパ絶縁膜を露出させ、次に、前記ストッパ絶縁膜を異方的にエッチングし、前記第1の層間絶縁膜の表面を露出させ、その後、前記第1の層間絶縁膜の露出した表面を前記第1の導電体の上面より前記半導体基板の側に下がるまでエッチングする工程と、
前記第1の導電体、前記ストッパ絶縁膜、前記側壁絶縁膜、及び前記第2の導電体を埋め込むように第1の層間絶縁膜と同様の膜質の第2の層間絶縁膜を堆積する工程と、
を備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−135633(P2010−135633A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−311272(P2008−311272)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】