説明

半導体装置

【課題】不揮発性を有し、書き込み回数に制限のない新たな構造の半導体装置を提供する。
【解決手段】複数の記憶素子が直列に接続され、複数の記憶素子の一は、第1〜第3のゲート電極、第1〜第3のソース電極、および第1〜第3のドレイン電極を有する第1〜第3のトランジスタを有し、第2のトランジスタは酸化物半導体層を含んで構成され、第1のゲート電極と、第2のソース電極または第2のドレイン電極の一方とは、電気的に接続され、第1の配線と、第1のソース電極と、第3のソース電極とは、電気的に接続され、第2の配線と、第1のドレイン電極と、第3のドレイン電極とは、電気的に接続され、第3の配線と、第2のソース電極または第2のドレイン電極の他方とは、電気的に接続され、第4の配線と、第2のゲート電極とは、電気的に接続され、第5の配線と、第3のゲート電極とは電気的に接続された半導体装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示する発明は、半導体素子を利用した半導体装置およびその作製方法に関するものであ
る。
【背景技術】
【0002】
半導体素子を利用した記憶装置は、電力の供給がなくなると記憶内容が失われる揮発性記
憶装置と、電力の供給がなくなっても記憶内容は保持される不揮発性記憶装置とに大別さ
れる。
【0003】
揮発性記憶装置の代表的な例としては、DRAM(Dynamic Random Ac
cess Memory)がある。DRAMは、記憶素子を構成するトランジスタを選択
してキャパシタに電荷を蓄積することで、情報を記憶する。
【0004】
上述の原理から、DRAMでは、情報を読み出すとキャパシタの電荷は失われることにな
るため、データの読み出しの度に、再度の書き込み動作が必要となる。また、記憶素子を
構成するトランジスタにはリーク電流が存在し、トランジスタが選択されていない状況で
も電荷が流出、または流入するため、データの保持期間が短い。このため、所定の周期で
再度の書き込み動作(リフレッシュ動作)が必要であり、消費電力を十分に低減すること
は困難である。また、電力の供給がなくなると記憶内容が失われるため、長期間の記憶の
保持には、磁性材料や光学材料を利用した別の記憶装置が必要となる。
【0005】
揮発性記憶装置の別の例としてはSRAM(Static Random Access
Memory)がある。SRAMは、フリップフロップなどの回路を用いて記憶内容を
保持するため、リフレッシュ動作が不要であり、この点においてはDRAMより有利であ
る。しかし、フリップフロップなどの回路を用いているため、記憶容量あたりの単価が高
くなるという問題がある。また、電力の供給がなくなると記憶内容が失われるという点に
ついては、DRAMと変わるところはない。
【0006】
不揮発性記憶装置の代表例としては、フラッシュメモリがある。フラッシュメモリは、ト
ランジスタのゲート電極とチャネル形成領域との間にフローティングゲートを有し、当該
フローティングゲートに電荷を保持させることで記憶を行うため、データの保持期間は極
めて長く(半永久的)、揮発性記憶装置で必要なリフレッシュ動作が不要であるという利
点を有している(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
しかし、書き込みの際に生じるトンネル電流によって記憶素子を構成するゲート絶縁層が
劣化するため、所定回数の書き込みによって記憶素子が機能しなくなるという問題が生じ
る。この問題の影響を緩和するために、例えば、各記憶素子の書き込み回数を均一化する
手法が採られるが、これを実現するためには、複雑な周辺回路が必要になってしまう。そ
して、このような手法を採用しても、寿命の根本的な問題が解消するわけではない。つま
り、フラッシュメモリは、情報の書き換え頻度が高い用途には不向きである。
【0008】
また、フローティングゲートに電荷を導入させるため、または、その電荷を除去するため
には、高い電圧が必要である。さらに、電荷の導入、または除去のためには比較的長い時
間を要し、書き込み、消去の高速化が容易ではないという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開昭57−105889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の問題に鑑み、開示する発明の一態様では、電力が供給されない状況でも記憶内容の
保持が可能で、かつ、書き込み回数にも制限が無い、新たな構造の半導体装置を提供する
ことを目的の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様は、酸化物半導体を用いて形成されるトランジスタと、それ以外の材料を
用いて形成されるトランジスタとの積層構造に係る半導体装置である。例えば、次のよう
な構成を採用することができる。
【0012】
本発明の一態様は、第1の配線(ソース線)と、第2の配線(ビット線)と、第3の配線
(第1信号線)と、第4の配線(第2信号線)と、第5の配線(ワード線)と、を有し、
第1の配線と、第2の配線との間には、複数の記憶素子が直列に接続され、複数の記憶素
子の一は、第1のゲート電極、第1のソース電極、および第1のドレイン電極を有する第
1のトランジスタと、第2のゲート電極、第2のソース電極、および第2のドレイン電極
を有する第2のトランジスタと、第3のゲート電極、第3のソース電極、および第3のド
レイン電極を有する第3のトランジスタと、を有し、第1のトランジスタは、半導体材料
を含む基板に設けられ、第2のトランジスタは酸化物半導体層を含んで構成され、第1の
ゲート電極と、第2のソース電極または第2のドレイン電極の一方とは、電気的に接続さ
れ、第1の配線(ソース線)と、第1のソース電極と、第3のソース電極とは、電気的に
接続され、第2の配線(ビット線)と、第1のドレイン電極と、第3のドレイン電極とは
、電気的に接続され、第3の配線(第1信号線)と、第2のソース電極または第2のドレ
イン電極の他方とは、電気的に接続され、第4の配線(第2信号線)と、第2のゲート電
極とは、電気的に接続され、第5の配線(ワード線)と、第3のゲート電極とは電気的に
接続された半導体装置である。
【0013】
また、本発明の他の一態様は、第1の配線と、第2の配線と、第3の配線と、第4の配線
と、第5の配線と、を有し、第1の配線と、第2の配線との間には、複数の記憶素子が直
列に接続され、複数の記憶素子の一は、第1のゲート電極、第1のソース電極、および第
1のドレイン電極を有する第1のトランジスタと、第2のゲート電極、第2のソース電極
、および第2のドレイン電極を有する第2のトランジスタと、容量素子と、を有し、第1
のトランジスタは、半導体材料を含む基板に設けられ、第2のトランジスタは酸化物半導
体層を含んで構成され、第1のゲート電極と、第2のソース電極または第2のドレイン電
極の一方と、容量素子の一方の電極は、電気的に接続され、第1の配線と、第1のソース
電極とは、電気的に接続され、第2の配線と、第1のドレイン電極とは、電気的に接続さ
れ、第3の配線と、第2のソース電極または第2のドレイン電極の他方とは、電気的に接
続され、第4の配線と、第2のゲート電極とは、電気的に接続され、第5の配線と、容量
素子の他方の電極とは電気的に接続された半導体装置である。
【0014】
上記において、半導体装置は、第6の配線と、第7の配線と、第6の配線と、ゲート電極
において電気的に接続された第4のトランジスタと、第7の配線と、ゲート電極において
電気的に接続された第5のトランジスタと、を有し、第2の配線は、第4のトランジスタ
を介して、第1のドレイン電極及び第3のドレイン電極と、電気的に接続され、第1の配
線は、第5のトランジスタを介して、第1のソース電極及び第3のソース電極と、電気的
に接続されるのが好適である。
【0015】
また、上記において、第1のトランジスタは、半導体材料を含む基板に設けられたチャネ
ル形成領域と、チャネル形成領域を挟むように設けられた不純物領域と、チャネル形成領
域上の第1のゲート絶縁層と、第1のゲート絶縁層上の第1のゲート電極と、不純物領域
と電気的に接続する第1のソース電極および第1のドレイン電極と、を有する。
【0016】
また、上記において、第2のトランジスタは、半導体材料を含む基板上の第2のゲート電
極と、第2のゲート電極上の第2のゲート絶縁層と、第2のゲート絶縁層上の酸化物半導
体層と、酸化物半導体層と電気的に接続する第2のソース電極および第2のドレイン電極
と、を有する。
【0017】
また、上記において、第3のトランジスタは、半導体材料を含む基板に設けられたチャネ
ル形成領域と、チャネル形成領域を挟むように設けられた不純物領域と、チャネル形成領
域上の第3のゲート絶縁層と、第3のゲート絶縁層上の第3のゲート電極と、不純物領域
と電気的に接続する第3のソース電極および第3のドレイン電極と、を有する。
【0018】
また、上記において、半導体材料を含む基板としては、単結晶半導体基板またはSOI基
板を採用するのが好適である。特に、半導体材料はシリコンとするのが好適である。
【0019】
また、上記において、酸化物半導体層は、In−Ga−Zn−O系の酸化物半導体材料を
含んでいることが好適である。特に、酸化物半導体層は、InGaZnOの結晶を
含んでなることが好適である。さらに、酸化物半導体層の水素濃度は5×1019ato
ms/cm以下とすることが好適である。また、第2のトランジスタのオフ電流は1×
10−13A以下とすることが好適である。
【0020】
また、上記において、第2のトランジスタは、第1のトランジスタと重畳する領域に設け
られた構成とすることができる。
【0021】
なお、本明細書等において「上」や「下」という用語は、構成要素の位置関係が「直上」
または「直下」であることを限定するものではない。例えば、「ゲート絶縁層上の第1の
ゲート電極」の表現であれば、ゲート絶縁層とゲート電極との間に他の構成要素を含むも
のを除外しない。また、「上」「下」という用語は説明の便宜のために用いる表現に過ぎ
ず、特に言及する場合を除き、その上下を入れ替えたものも含む。
【0022】
また、本明細書等において「電極」や「配線」という用語は、これらの構成要素を機能的
に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあ
り、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」という用語は、複数の「電極
」や「配線」が一体となって形成されている場合などをも含む。
【0023】
また、「ソース」や「ドレイン」の機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や
、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため
、本明細書においては、「ソース」や「ドレイン」という用語は、入れ替えて用いること
ができるものとする。
【0024】
なお、本明細書等において、「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの
」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの
」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。
【0025】
例えば、「何らかの電気的作用を有するもの」には、電極や配線はもちろんのこと、トラ
ンジスタなどのスイッチング素子、抵抗素子、インダクタ、キャパシタ、その他の各種機
能を有する素子などが含まれる。
【0026】
また、一般に「SOI基板」は絶縁表面上にシリコン半導体層が設けられた構成の基板を
いうが、本明細書等においては、絶縁表面上にシリコン以外の材料からなる半導体層が設
けられた構成の基板をも含む概念として用いる。つまり、「SOI基板」が有する半導体
層は、シリコン半導体層に限定されない。また、「SOI基板」における基板は、シリコ
ンウェハなどの半導体基板に限らず、ガラス基板や石英基板、サファイア基板、金属基板
などの非半導体基板をも含む。つまり、絶縁表面を有する導体基板や絶縁体基板上に半導
体材料からなる層を有するものも、広く「SOI基板」に含まれる。さらに、本明細書等
において、「半導体基板」は、半導体材料のみからなる基板を指すに留まらず、半導体材
料を含む基板全般を示すものとする。つまり、本明細書等においては「SOI基板」も広
く「半導体基板」に含まれる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の一態様では、下部に酸化物半導体以外の材料を用いたトランジスタを有し、上部
に酸化物半導体を用いたトランジスタを有する半導体装置が提供される。
【0028】
酸化物半導体を用いたトランジスタはオフ電流が極めて小さいため、これを用いることに
より極めて長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動
作が不要となるか、または、リフレッシュ動作の頻度を極めて低くすることが可能となる
ため、消費電力を十分に低減することができる。また、電力の供給がない場合であっても
、長期にわたって記憶内容を保持することが可能である。
【0029】
また、情報の書き込みに高い電圧を必要とせず、素子の劣化の問題もない。さらに、トラ
ンジスタのオン状態、オフ状態によって、情報の書き込みが行われるため、高速動作も容
易に実現しうる。また、フラッシュメモリなどにおいて必要とされる情報を消去するため
の動作が不要であるというメリットもある。
【0030】
また、酸化物半導体以外の材料を用いたトランジスタは、酸化物半導体を用いたトランジ
スタと比較して、さらなる高速動作が可能なため、これを用いることにより、記憶内容の
読み出しを高速に行うことが可能である。
【0031】
このように、酸化物半導体以外の材料を用いたトランジスタと、酸化物半導体を用いたト
ランジスタとを一体に備えることで、これまでにない特徴を有する半導体装置を実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】半導体装置を説明するための回路図
【図2】半導体装置を説明するための断面図および平面図
【図3】半導体装置の作製工程を説明するための断面図
【図4】半導体装置の作製工程を説明するための断面図
【図5】半導体装置の作製工程を説明するための断面図
【図6】半導体装置を説明するための断面図
【図7】半導体装置を説明するための断面図
【図8】半導体装置を説明するための断面図
【図9】半導体装置を説明するための断面図
【図10】半導体装置を説明するための回路図
【図11】半導体装置を説明するためのブロック回路図
【図12】半導体装置を説明するための書き込み動作のタイミングチャート図
【図13】半導体装置を説明するための回路図
【図14】半導体装置を説明するためのブロック回路図
【図15】半導体装置を説明するための回路図
【図16】半導体装置を説明するためのブロック回路図
【図17】第5の配線WLとノードAの電位のグラフ
【図18】半導体装置を説明するための回路図
【図19】半導体装置を説明するための回路図
【図20】半導体装置を説明するための回路図
【図21】半導体装置を用いた電子機器を説明するための図
【図22】酸化物半導体を用いた逆スタガー型のトランジスタの縦断面図
【図23】図22のA−A’断面におけるエネルギーバンド図(模式図)
【図24】(A)ゲート(GE1)に正の電位(+V)が与えられた状態を示し、(B)ゲート(GE1)に負の電位(−V)が与えられた状態を示す図
【図25】真空準位と金属の仕事関数(φ)、酸化物半導体の電子親和力(χ)の関係を示す図
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の実施の形態の一例について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は以下
の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および
詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下
に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0034】
なお、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解を容易にするため
、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。よって、必ずしも、図面等
に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
【0035】
なお、本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの序数は、構成要素の混同
を避けるために付すものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
【0036】
(実施の形態1)
本実施の形態では、開示する発明の一態様に係る半導体装置の構成および作製方法につい
て、図1乃至図9を参照して説明する。
【0037】
<半導体装置の回路構成>
図1には、半導体装置の回路構成の一例を示す。当該半導体装置は、酸化物半導体以外の
材料を用いたトランジスタ160と酸化物半導体を用いたトランジスタ162によって構
成される。
【0038】
ここで、トランジスタ160のゲート電極と、トランジスタ162のソース電極またはド
レイン電極の一方とは、電気的に接続されている。また、第1の配線SL(1st Li
ne:ソース線とも呼ぶ)とトランジスタ160のソース電極とは、電気的に接続され、
第2の配線BL(2nd Line:ビット線とも呼ぶ)とトランジスタ160のドレイ
ン電極とは、電気的に接続されている。そして、第3の配線S1(3rd Line:第
1信号線とも呼ぶ)とトランジスタ162のソース電極またはドレイン電極の他方とは、
電気的に接続され、第4の配線S2(4th Line:第2信号線とも呼ぶ)と、トラ
ンジスタ162のゲート電極とは、電気的に接続されている。
【0039】
酸化物半導体以外の材料を用いたトランジスタ160は、酸化物半導体を用いたトランジ
スタと比較して、さらなる高速動作が可能なため、これを用いることにより、記憶内容の
読み出しなどを高速に行うことが可能である。また、酸化物半導体を用いたトランジスタ
162は、オフ電流が極めて小さいという特徴を有している。このため、トランジスタ1
62をオフ状態とすることで、トランジスタ160のゲート電極の電位を極めて長時間に
わたって保持することが可能である。
【0040】
ゲート電極の電位を保持することができるという特徴を生かすことで、次のように、情報
の書き込み、保持、読み出しが可能である。
【0041】
はじめに、情報の書き込みおよび保持について説明する。まず、第4の配線S2の電位を
、トランジスタ162がオン状態となる電位として、トランジスタ162をオン状態とす
る。これにより、第3の配線S1の電位が、トランジスタ160のゲート電極に与えられ
る(書き込み)。その後、第4の配線S2の電位を、トランジスタ162がオフ状態とな
る電位として、トランジスタ162をオフ状態とすることにより、トランジスタ160の
ゲート電極の電位が保持される(保持)。
【0042】
トランジスタ162のオフ電流は極めて小さいから、トランジスタ160のゲート電極の
電位は長時間にわたって保持される。例えば、トランジスタ160のゲート電極の電位が
トランジスタ160をオン状態とする電位であれば、トランジスタ160のオン状態が長
時間にわたって保持されることになる。また、トランジスタ160のゲート電極の電位が
トランジスタ160をオフ状態とする電位であれば、トランジスタ160のオフ状態が長
時間にわたって保持される。
【0043】
次に、情報の読み出しについて説明する。上述のように、トランジスタ160のオン状態
またはオフ状態が保持された状態において、第1の配線SLに所定の電位(低電位)が与
えられると、トランジスタ160のオン状態またはオフ状態に応じて、第2の配線BLの
電位は異なる値をとる。例えば、トランジスタ160がオン状態の場合には、第1の配線
SLの電位に応じて、第2の配線BLの電位が低下することになる。逆に、トランジスタ
160がオフ状態の場合には、第2の配線BLの電位は変化しない。
【0044】
このように、情報が保持された状態において、第2の配線BLの電位を所定の電位と比較
することで、情報を読み出すことができる。
【0045】
次に、情報の書き換えについて説明する。情報の書き換えは、上記情報の書き込みおよび
保持と同様に行われる。つまり、第4の配線S2の電位を、トランジスタ162がオン状
態となる電位として、トランジスタ162をオン状態とする。これにより、第3の配線S
1の電位(新たな情報に係る電位)が、トランジスタ160のゲート電極に与えられる。
その後、第4の配線S2の電位を、トランジスタ162がオフ状態となる電位として、ト
ランジスタ162をオフ状態とすることにより、新たな情報が保持された状態となる。
【0046】
このように、開示する発明に係る半導体装置は、再度の情報の書き込みによって直接的に
情報を書き換えることが可能である。このためフラッシュメモリなどにおいて必要とされ
る消去動作が不要であり、消去動作に起因する動作速度の低下を抑制することができる。
つまり、半導体装置の高速動作が実現される。
【0047】
なお、上記説明は、電子を多数キャリアとするn型トランジスタ(nチャネル型トランジ
スタ)を用いる場合についてのものであるが、n型トランジスタに代えて、正孔を多数キ
ャリアとするp型トランジスタを用いることができるのはいうまでもない。
【0048】
<半導体装置の平面構成および断面構成>
図2は、上記半導体装置の構成の一例である。図2(A)には、半導体装置の断面を、図
2(B)には、半導体装置の平面を、それぞれ示す。ここで、図2(A)は、図2(B)
の線A1−A2および線B1−B2における断面に相当する。図2(A)および図2(B
)に示される半導体装置は、下部に酸化物半導体以外の材料を用いたトランジスタ160
を有し、上部に酸化物半導体を用いたトランジスタ162を有するものである。なお、ト
ランジスタ160およびトランジスタ162は、いずれもn型トランジスタとして説明す
るが、p型トランジスタを採用しても良い。特に、トランジスタ160は、p型とするこ
とが容易である。
【0049】
トランジスタ160は、半導体材料を含む基板100に設けられたチャネル形成領域11
6と、チャネル形成領域116を挟むように設けられた不純物領域114および高濃度不
純物領域120(これらをあわせて単に不純物領域とも呼ぶ)と、チャネル形成領域11
6上に設けられたゲート絶縁層108と、ゲート絶縁層108上に設けられたゲート電極
110と、チャネル形成領域116の一方の側に設けられた不純物領域114と電気的に
接続するソース電極またはドレイン電極130aと、チャネル形成領域116の他方の側
に設けられた不純物領域114と電気的に接続するソース電極またはドレイン電極130
bを有する。
【0050】
ここで、ゲート電極110の側面にはサイドウォール絶縁層118が設けられている。ま
た、基板100の、表面的にサイドウォール絶縁層118と重ならない領域には、高濃度
不純物領域120を有し、高濃度不純物領域120上には金属化合物領域124が存在す
る。また、基板100上にはトランジスタ160を囲むように素子分離絶縁層106が設
けられており、トランジスタ160を覆うように、層間絶縁層126および層間絶縁層1
28が設けられている。層間絶縁層126および層間絶縁層128に形成された開口を通
じて、ソース電極またはドレイン電極130aは、チャネル形成領域116の一方の側に
設けられた金属化合物領域124と電気的に接続され、ソース電極またはドレイン電極1
30bは、チャネル形成領域116の他方の側に設けられた金属化合物領域124と電気
的に接続されている。つまり、ソース電極またはドレイン電極130aは、チャネル形成
領域116の一方の側に設けられた金属化合物領域124を介してチャネル形成領域11
6の一方の側に設けられた高濃度不純物領域120およびチャネル形成領域116の一方
の側に設けられた不純物領域114と電気的に接続され、ソース電極またはドレイン電極
130bは、チャネル形成領域116の他方の側に設けられた金属化合物領域124を介
してチャネル形成領域116の他方の側に設けられた高濃度不純物領域120およびチャ
ネル形成領域116の他方の側に設けられた不純物領域114と電気的に接続されている
。また、ゲート電極110には、ソース電極またはドレイン電極130aやソース電極ま
たはドレイン電極130bと同様に設けられた電極130cが電気的に接続されている。
【0051】
酸化物半導体を用いたトランジスタ162は、層間絶縁層128上に設けられたゲート電
極136dと、ゲート電極136d上に設けられたゲート絶縁層138と、ゲート絶縁層
138上に設けられた酸化物半導体層140と、酸化物半導体層140上に設けられ、酸
化物半導体層140と電気的に接続されているソース電極またはドレイン電極142a、
ソース電極またはドレイン電極142bと、を有する。
【0052】
ここで、ゲート電極136dは、層間絶縁層128上に形成された絶縁層132に、埋め
込まれるように設けられている。また、ゲート電極136dと同様に、トランジスタ16
0のソース電極またはドレイン電極130aに接して電極136aが、トランジスタ16
0のソース電極またはドレイン電極130bに接して電極136bが、電極130cに接
して電極136cが、それぞれ形成されている。
【0053】
また、トランジスタ162の上には、酸化物半導体層140の一部と接するように、保護
絶縁層144が設けられており、保護絶縁層144上には層間絶縁層146が設けられて
いる。ここで、保護絶縁層144および層間絶縁層146には、ソース電極またはドレイ
ン電極142a、ソース電極またはドレイン電極142bにまで達する開口が設けられて
おり、当該開口を通じて、電極150d、電極150eが、ソース電極またはドレイン電
極142a、ソース電極またはドレイン電極142bに接して形成されている。また、電
極150d、電極150eと同様に、ゲート絶縁層138、保護絶縁層144、層間絶縁
層146に設けられた開口を通じて、電極136a、電極136b、電極136cに接す
る電極150a、電極150b、電極150cが形成されている。
【0054】
ここで、酸化物半導体層140は水素などの不純物が十分に除去され、高純度化されてい
るものであることが望ましい。具体的には、酸化物半導体層140の水素濃度は5×10
19atoms/cm以下、望ましくは5×1018atoms/cm以下、より望
ましくは5×1017atoms/cm以下とする。また、水素濃度が十分に低減され
て高純度化された酸化物半導体層140では、一般的なシリコンウェハ(リンやボロンな
どの不純物元素が微量に添加されたシリコンウェハ)におけるキャリア濃度(1×10
/cm程度)と比較して、十分に小さいキャリア濃度の値をとる。このように、水素
濃度が十分に低減されて高純度化され、i型化または実質的にi型化された酸化物半導体
を用いることで、極めて優れたオフ電流特性のトランジスタ162を得ることができる。
例えば、ドレイン電圧Vdが+1Vまたは+10Vの場合であって、ゲート電圧Vgが−
5Vから−20Vの範囲では、オフ電流は1×10−13A以下である。このように、水
素濃度が十分に低減されて高純度化された酸化物半導体層140を適用し、トランジスタ
162のオフ電流を低減することにより、新たな構成の半導体装置を実現することができ
る。なお、上述の酸化物半導体層140中の水素濃度は、二次イオン質量分析法(SIM
S:Secondary Ion Mass Spectroscopy)で測定したも
のである。
【0055】
また、層間絶縁層146上には絶縁層152が設けられており、当該絶縁層152に埋め
込まれるように、電極154a、電極154b、電極154c、電極154dが設けられ
ている。ここで、電極154aは電極150aと接しており、電極154bは電極150
bと接しており、電極154cは電極150cおよび電極150dと接しており、電極1
54dは電極150eと接している。
【0056】
つまり、図2に示される半導体装置では、トランジスタ160のゲート電極110と、ト
ランジスタ162のソース電極またはドレイン電極142aとが、電極130c、電極1
36c、電極150c、電極154cおよび電極150dを介して電気的に接続されてい
る。
【0057】
<半導体装置の作製方法>
次に、上記半導体装置の作製方法の一例について説明する。以下では、はじめに下部のト
ランジスタ160の作製方法について図3を参照して説明し、その後、上部のトランジス
タ162の作製方法について図4および図5を参照して説明する。
【0058】
<下部のトランジスタの作製方法>
まず、半導体材料を含む基板100を用意する(図3(A)参照)。半導体材料を含む基
板100としては、シリコンや炭化シリコンなどの単結晶半導体基板、多結晶半導体基板
、シリコンゲルマニウムなどの化合物半導体基板、SOI基板などを適用することができ
る。ここでは、半導体材料を含む基板100として、単結晶シリコン基板を用いる場合の
一例について示すものとする。
【0059】
基板100上には、素子分離絶縁層を形成するためのマスクとなる保護層102を形成す
る(図3(A)参照)。保護層102としては、例えば、酸化シリコンや窒化シリコン、
窒化酸化シリコンなどを材料とする絶縁層を用いることができる。なお、この工程の前後
において、トランジスタのしきい値電圧を制御するために、n型の導電性を付与する不純
物元素やp型の導電性を付与する不純物元素を基板100に添加してもよい。半導体がシ
リコンの場合、n型の導電性を付与する不純物としては、例えば、リンや砒素などを用い
ることができる。また、p型の導電性を付与する不純物としては、例えば、硼素、アルミ
ニウム、ガリウムなどを用いることができる。
【0060】
次に、上記の保護層102をマスクとして用いてエッチングを行い、保護層102に覆わ
れていない領域(露出している領域)の基板100の一部を除去する。これにより分離さ
れた半導体領域104が形成される(図3(B)参照)。当該エッチングには、ドライエ
ッチングを用いるのが好適であるが、ウェットエッチングを用いても良い。エッチングガ
スやエッチング液については被エッチング材料に応じて適宜選択することができる。
【0061】
次に、半導体領域104を覆うように絶縁層を形成し、半導体領域104に重畳する領域
の絶縁層を選択的に除去することで、素子分離絶縁層106を形成する(図3(B)参照
)。当該絶縁層は、酸化シリコンや窒化シリコン、窒化酸化シリコンなどを用いて形成さ
れる。絶縁層の除去方法としては、CMPなどの研磨処理やエッチング処理などがあるが
、そのいずれを用いても良い。なお、半導体領域104の形成後、または、素子分離絶縁
層106の形成後には、上記保護層102を除去する。
【0062】
次に、半導体領域104上に絶縁層を形成し、当該絶縁層上に導電材料を含む層を形成す
る。
【0063】
絶縁層は後のゲート絶縁層となるものであり、CVD法やスパッタリング法等を用いて得
られる酸化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ハフニウム、酸化アルミニ
ウム、酸化タンタル等を含む膜の単層構造または積層構造とすると良い。他に、高密度プ
ラズマ処理や熱酸化処理によって、半導体領域104の表面を酸化、窒化させることによ
り、上記絶縁層を形成してもよい。高密度プラズマ処理は、例えば、He、Ar、Kr、
Xeなどの希ガスと、酸素、酸化窒素、アンモニア、窒素、水素などの混合ガスを用いて
行うことができる。また、絶縁層の厚さは特に限定されないが、例えば、1nm以上10
0nm以下とすることができる。
【0064】
導電材料を含む層は、アルミニウムや銅、チタン、タンタル、タングステン等の金属材料
を用いて形成することができる。また、導電材料を含む多結晶シリコンなどの半導体材料
を用いて、導電材料を含む層を形成しても良い。形成方法も特に限定されず、蒸着法、C
VD法、スパッタリング法、スピンコート法などの各種成膜方法を用いることができる。
なお、本実施の形態では、導電材料を含む層を、金属材料を用いて形成する場合の一例に
ついて示すものとする。
【0065】
その後、絶縁層および導電材料を含む層を選択的にエッチングして、ゲート絶縁層108
、ゲート電極110を形成する(図3(C)参照)。
【0066】
次に、ゲート電極110を覆う絶縁層112を形成する(図3(C)参照)。そして、半
導体領域104にリン(P)やヒ素(As)などを添加して、基板100との浅い接合深
さの不純物領域114を形成する(図3(C)参照)。なお、ここではn型トランジスタ
を形成するためにリンやヒ素を添加しているが、p型トランジスタを形成する場合には、
硼素(B)やアルミニウム(Al)などの不純物元素を添加すればよい。なお、不純物領
域114の形成により、半導体領域104のゲート絶縁層108下部には、チャネル形成
領域116が形成される(図3(C)参照)。ここで、添加する不純物の濃度は適宜設定
することができるが、半導体素子が高度に微細化される場合には、その濃度を高くするこ
とが望ましい。また、ここでは、絶縁層112を形成した後に不純物領域114を形成す
る工程を採用しているが、不純物領域114を形成した後に絶縁層112を形成する工程
としても良い。
【0067】
次に、サイドウォール絶縁層118を形成する(図3(D)参照)。サイドウォール絶縁
層118は、絶縁層112を覆うように絶縁層を形成した後に、当該絶縁層に異方性の高
いエッチング処理を適用することで、自己整合的に形成することができる。また、この際
に、絶縁層112を部分的にエッチングして、ゲート電極110の上面と、不純物領域1
14の上面を露出させると良い。
【0068】
次に、ゲート電極110、不純物領域114、サイドウォール絶縁層118等を覆うよう
に、絶縁層を形成する。そして、当該絶縁層が不純物領域114と接する領域に、リン(
P)やヒ素(As)などを添加して、高濃度不純物領域120を形成する(図3(E)参
照)。その後、上記絶縁層を除去し、ゲート電極110、サイドウォール絶縁層118、
高濃度不純物領域120等を覆うように金属層122を形成する(図3(E)参照)。当
該金属層122は、真空蒸着法やスパッタリング法、スピンコート法などの各種成膜方法
を用いて形成することができる。金属層122は、半導体領域104を構成する半導体材
料と反応して低抵抗な金属化合物となる金属材料を用いて形成することが望ましい。この
ような金属材料としては、例えば、チタン、タンタル、タングステン、ニッケル、コバル
ト、白金等がある。
【0069】
次に、熱処理を施して、上記金属層122と半導体材料とを反応させる。これにより、高
濃度不純物領域120に接する金属化合物領域124が形成される(図3(F)参照)。
なお、ゲート電極110として多結晶シリコンなどを用いる場合には、ゲート電極110
の金属層122と接触する部分にも、金属化合物領域が形成されることになる。
【0070】
上記熱処理としては、例えば、フラッシュランプの照射による熱処理を用いることができ
る。もちろん、その他の熱処理方法を用いても良いが、金属化合物の形成に係る化学反応
の制御性を向上させるためには、ごく短時間の熱処理が実現できる方法を用いることが望
ましい。なお、上記の金属化合物領域は、金属材料と半導体材料との反応により形成され
るものであり、十分に導電性が高められた領域である。当該金属化合物領域を形成するこ
とで、電気抵抗を十分に低減し、素子特性を向上させることができる。なお、金属化合物
領域124を形成した後には、金属層122は除去する。
【0071】
次に、上述の工程により形成された各構成を覆うように、層間絶縁層126、層間絶縁層
128を形成する(図3(G)参照)。層間絶縁層126や層間絶縁層128は、酸化シ
リコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化タ
ンタル等の無機絶縁材料を含む材料を用いて形成することができる。また、ポリイミド、
アクリル等の有機絶縁材料を用いて形成することも可能である。なお、ここでは、層間絶
縁層126と層間絶縁層128の二層構造としているが、層間絶縁層の構成はこれに限定
されない。層間絶縁層128の形成後には、その表面を、CMPやエッチング処理などに
よって平坦化しておくことが望ましい。
【0072】
その後、上記層間絶縁層に、金属化合物領域124にまで達する開口を形成し、当該開口
に、ソース電極またはドレイン電極130a、ソース電極またはドレイン電極130bを
形成する(図3(H)参照)。ソース電極またはドレイン電極130aやソース電極また
はドレイン電極130bは、例えば、開口を含む領域にPVD法やCVD法などを用いて
導電層を形成した後、エッチング処理やCMPなどの方法を用いて、上記導電層の一部を
除去することにより形成することができる。
【0073】
なお、上記導電層の一部を除去してソース電極またはドレイン電極130aやソース電極
またはドレイン電極130bを形成する際には、その表面が平坦になるように加工するこ
とが望ましい。例えば、開口を含む領域にチタン膜や窒化チタン膜を薄く形成した後に、
開口に埋め込むようにタングステン膜を形成する場合には、その後のCMPによって、不
要なタングステン膜、チタン膜、窒化チタン膜などを除去すると共に、その表面の平坦性
を向上させることができる。このように、ソース電極またはドレイン電極130a、ソー
ス電極またはドレイン電極130bを含む表面を平坦化することにより、後の工程におい
て、良好な電極、配線、絶縁層、半導体層などを形成することが可能となる。
【0074】
なお、ここでは、金属化合物領域124と接触するソース電極またはドレイン電極130
aやソース電極またはドレイン電極130bのみを示しているが、この工程において、ゲ
ート電極110と接触する電極(例えば、図2における電極130c)などをあわせて形
成することができる。ソース電極またはドレイン電極130a、ソース電極またはドレイ
ン電極130bとして用いることができる材料について特に限定はなく、各種導電材料を
用いることができる。例えば、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、
アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウムなどの導電性材料を用いることができる。
【0075】
以上により、半導体材料を含む基板100を用いたトランジスタ160が形成される。な
お、上記工程の後には、さらに電極や配線、絶縁層などを形成しても良い。配線の構造と
して、層間絶縁層および導電層の積層構造でなる多層配線構造を採用することにより、高
度に集積化した半導体装置を提供することができる。
【0076】
<上部のトランジスタの作製方法>
次に、図4および図5を用いて、層間絶縁層128上にトランジスタ162を作製する工
程について説明する。なお、図4および図5は、層間絶縁層128上の各種電極や、トラ
ンジスタ162などの作製工程を示すものであるから、トランジスタ162の下部に存在
するトランジスタ160等については省略している。
【0077】
まず、層間絶縁層128、ソース電極またはドレイン電極130a、ソース電極またはド
レイン電極130b、電極130c上に絶縁層132を形成する(図4(A)参照)。絶
縁層132はPVD法やCVD法などを用いて形成することができる。また、酸化シリコ
ン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタ
ル等の無機絶縁材料を含む材料を用いて形成することができる。
【0078】
次に、絶縁層132に対し、ソース電極またはドレイン電極130a、ソース電極または
ドレイン電極130b、および、電極130cにまで達する開口を形成する。この際、後
にゲート電極136dが形成される領域にも併せて開口を形成する。そして、上記開口に
埋め込むように、導電層134を形成する(図4(B)参照)。上記開口はマスクを用い
たエッチングなどの方法で形成することができる。当該マスクは、フォトマスクを用いた
露光などの方法によって形成することが可能である。エッチングとしてはウェットエッチ
ング、ドライエッチングのいずれを用いても良いが、微細加工の観点からは、ドライエッ
チングを用いることが好適である。導電層134の形成は、PVD法やCVD法などの成
膜法を用いて行うことができる。導電層134の形成に用いることができる材料としては
、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム
、スカンジウムなどの導電性材料や、これらの合金、化合物(例えば窒化物)などが挙げ
られる。
【0079】
より具体的には、例えば、開口を含む領域にPVD法によりチタン膜を薄く形成し、CV
D法により窒化チタン膜を薄く形成した後に、開口に埋め込むようにタングステン膜を形
成する方法を適用することができる。ここで、PVD法により形成されるチタン膜は、下
部電極(ここではソース電極またはドレイン電極130a、ソース電極またはドレイン電
極130b、電極130cなど)との界面の酸化膜を還元し、下部電極との接触抵抗を低
減させる機能を有する。また、その後に形成される窒化チタン膜は、導電性材料の拡散を
抑制するバリア機能を備える。また、チタンや、窒化チタンなどによるバリア膜を形成し
た後に、メッキ法により銅膜を形成してもよい。
【0080】
導電層134を形成した後には、エッチング処理やCMPなどの方法を用いて導電層13
4の一部を除去し、絶縁層132を露出させて、電極136a、電極136b、電極13
6c、ゲート電極136dを形成する(図4(C)参照)。なお、上記導電層134の一
部を除去して電極136a、電極136b、電極136c、ゲート電極136dを形成す
る際には、表面が平坦になるように加工することが望ましい。このように、絶縁層132
、電極136a、電極136b、電極136c、ゲート電極136dの表面を平坦化する
ことにより、後の工程において、良好な電極、配線、絶縁層、半導体層などを形成するこ
とが可能となる。
【0081】
次に、絶縁層132、電極136a、電極136b、電極136c、ゲート電極136d
を覆うように、ゲート絶縁層138を形成する(図4(D)参照)。ゲート絶縁層138
は、CVD法やスパッタリング法等を用いて形成することができる。また、ゲート絶縁層
138は、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化
ハフニウム、酸化タンタルなどを含むように形成するのが好適である。なお、ゲート絶縁
層138は、単層構造としても良いし、積層構造としても良い。例えば、原料ガスとして
、シラン(SiH)、酸素、窒素を用いたプラズマCVD法により、酸化窒化珪素でな
るゲート絶縁層138を形成することができる。ゲート絶縁層138の厚さは特に限定さ
れないが、例えば、10nm以上500nm以下とすることができる。積層構造の場合は
、例えば、膜厚50nm以上200nm以下の第1のゲート絶縁層と、第1のゲート絶縁
層上の膜厚5nm以上300nm以下の第2のゲート絶縁層の積層とすると好適である。
【0082】
なお、不純物を除去することによりi型化または実質的にi型化された酸化物半導体(高
純度化された酸化物半導体)は、界面準位や界面電荷に対して極めて敏感であるため、こ
のような酸化物半導体を酸化物半導体層に用いる場合には、ゲート絶縁層との界面は重要
である。つまり、高純度化された酸化物半導体層に接するゲート絶縁層138には、高品
質化が要求されることになる。
【0083】
例えば、μ波(2.45GHz)を用いた高密度プラズマCVD法は、緻密で絶縁耐圧の
高い高品質なゲート絶縁層138を形成できる点で好適である。高純度化された酸化物半
導体層と高品質ゲート絶縁層とが密接することにより、界面準位密度を低減して界面特性
を良好なものとすることができるからである。
【0084】
もちろん、ゲート絶縁層として良質な絶縁層を形成できるものであれば、高純度化された
酸化物半導体層を用いる場合であっても、スパッタリング法やプラズマCVD法など他の
方法を適用することができる。また、形成後の熱処理によって、膜質や酸化物半導体層と
の界面特性が改質される絶縁層を適用しても良い。いずれにしても、ゲート絶縁層138
としての膜質が良好であると共に、酸化物半導体層との界面準位密度を低減し、良好な界
面を形成できるものを形成すれば良い。
【0085】
さらに、85℃、2×10V/cm、12時間のゲートバイアス・熱ストレス試験(B
T試験)においては、不純物が酸化物半導体に添加されていると、不純物と酸化物半導体
の主成分との結合が、強電界(B:バイアス)と高温(T:温度)により切断され、生成
された未結合手がしきい値電圧(Vth)のシフトを誘発することとなる。
【0086】
これに対して、酸化物半導体の不純物、特に水素や水などを極力排除し、上記のようにゲ
ート絶縁層との界面特性を良好にすることにより、BT試験に対しても安定なトランジス
タを得ることが可能である。
【0087】
次いで、ゲート絶縁層138上に、酸化物半導体層を形成し、マスクを用いたエッチング
などの方法によって該酸化物半導体層を加工して、島状の酸化物半導体層140を形成す
る(図4(E)参照)。
【0088】
酸化物半導体層としては、In−Ga−Zn−O系、In−Sn−Zn−O系、In−A
l−Zn−O系、Sn−Ga−Zn−O系、Al−Ga−Zn−O系、Sn−Al−Zn
−O系、In−Zn−O系、Sn−Zn−O系、Al−Zn−O系、In−O系、Sn−
O系、Zn−O系の酸化物半導体層、特に非晶質酸化物半導体層を用いるのが好適である
。本実施の形態では、酸化物半導体層としてIn−Ga−Zn−O系の酸化物半導体成膜
用ターゲットを用いて、非晶質の酸化物半導体層をスパッタ法により形成することとする
。なお、酸化物半導体層中にシリコンを添加することで、その結晶化を抑制することがで
きるから、例えば、SiOを2重量%以上10重量%以下含むターゲットを用いて酸化
物半導体層を形成しても良い。
【0089】
酸化物半導体層をスパッタリング法で作製するためのターゲットとしては、例えば、酸化
亜鉛を主成分とする酸化物半導体成膜用ターゲットを用いることができる。また、In、
Ga、およびZnを含む酸化物半導体成膜用ターゲット(組成比として、In:G
:ZnO=1:1:1[mol数比])などを用いることもできる。また、In
、Ga、およびZnを含む酸化物半導体成膜用ターゲットとして、In:Ga
:ZnO=1:1:2[mol数比]、またはIn:Ga:ZnO=1:
1:4[mol数比]の組成比を有するターゲットなどを用いても良い。酸化物半導体成
膜用ターゲットの充填率は90%以上100%以下、好ましくは95%以上(例えば99
.9%)である。充填率の高い酸化物半導体成膜用ターゲットを用いることにより、緻密
な酸化物半導体層が形成される。
【0090】
酸化物半導体層の形成雰囲気は、希ガス(代表的にはアルゴン)雰囲気、酸素雰囲気、ま
たは、希ガス(代表的にはアルゴン)と酸素との混合雰囲気とするのが好適である。具体
的には、例えば、水素、水、水酸基または水素化物などの不純物の濃度が数ppm程度(
望ましくは数ppb程度)にまで低減された高純度ガスを用いるのが好適である。
【0091】
酸化物半導体層の形成の際には、減圧状態に保持された処理室内に基板を保持し、基板温
度を100℃以上600℃以下好ましくは200℃以上400℃以下とする。基板を加熱
しながら酸化物半導体層を形成することにより、酸化物半導体層に含まれる不純物濃度を
低減することができる。また、スパッタリングによる損傷が軽減される。そして、処理室
内の残留水分を除去しつつ水素および水が除去されたスパッタガスを導入し、金属酸化物
をターゲットとして酸化物半導体層を形成する。処理室内の残留水分を除去するためには
、吸着型の真空ポンプを用いることが好ましい。例えば、クライオポンプ、イオンポンプ
、チタンサブリメーションポンプを用いることができる。また、排気手段としては、ター
ボポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。クライオポンプを用いて排気
した成膜室は、例えば、水素原子、水(HO)など水素原子を含む化合物(より好まし
くは炭素原子を含む化合物も)等が排気されるため、当該成膜室で形成した酸化物半導体
層に含まれる不純物の濃度を低減できる。
【0092】
形成条件としては、例えば、基板とターゲットの間との距離が100mm、圧力が0.6
Pa、直流(DC)電力が0.5kW、雰囲気が酸素(酸素流量比率100%)雰囲気、
といった条件を適用することができる。なお、パルス直流(DC)電源を用いると、成膜
時に発生する粉状物質(パーティクル、ゴミともいう)が軽減でき、膜厚分布も均一とな
るため、好ましい。酸化物半導体層の厚さは、2nm以上200nm以下、好ましくは5
nm以上30nm以下とする。なお、適用する酸化物半導体材料により適切な厚さは異な
るから、その厚さは用いる材料に応じて適宜選択すればよい。
【0093】
なお、酸化物半導体層をスパッタ法により形成する前には、アルゴンガスを導入してプラ
ズマを発生させる逆スパッタを行い、ゲート絶縁層138の表面に付着しているゴミを除
去するのが好適である。ここで、逆スパッタとは、通常のスパッタにおいては、スパッタ
ターゲットにイオンを衝突させるところ、逆に、処理表面にイオンを衝突させることによ
ってその表面を改質する方法のことをいう。処理表面にイオンを衝突させる方法としては
、アルゴン雰囲気下で処理表面側に高周波電圧を印加して、基板付近にプラズマを生成す
る方法などがある。なお、アルゴン雰囲気に代えて窒素雰囲気、ヘリウム雰囲気、酸素雰
囲気などを用いても良い。
【0094】
上記酸化物半導体層のエッチングには、ドライエッチング、ウェットエッチングのいずれ
を用いても良い。もちろん、両方を組み合わせて用いることもできる。所望の形状にエッ
チングできるように、材料に合わせてエッチング条件(エッチングガスやエッチング液、
エッチング時間、温度等)を適宜設定する。
【0095】
ドライエッチングに用いるエッチングガスには、例えば、塩素を含むガス(塩素系ガス、
例えば塩素(Cl)、塩化硼素(BCl)、塩化珪素(SiCl)、四塩化炭素(
CCl)など)などがある。また、フッ素を含むガス(フッ素系ガス、例えば四弗化炭
素(CF)、弗化硫黄(SF)、弗化窒素(NF)、トリフルオロメタン(CHF
)など)、臭化水素(HBr)、酸素(O)、これらのガスにヘリウム(He)やア
ルゴン(Ar)などの希ガスを添加したガス、などを用いても良い。
【0096】
ドライエッチング法としては、平行平板型RIE(Reactive Ion Etch
ing)法や、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導
結合型プラズマ)エッチング法を用いることができる。所望の形状にエッチングできるよ
うに、エッチング条件(コイル型の電極に印加される電力量、基板側の電極に印加される
電力量、基板側の電極温度等)は適宜設定する。
【0097】
ウェットエッチングに用いるエッチング液としては、燐酸と酢酸と硝酸を混ぜた溶液など
を用いることができる。また、ITO07N(関東化学社製)などを用いてもよい。
【0098】
次いで、酸化物半導体層に第1の熱処理を行うことが望ましい。この第1の熱処理によっ
て酸化物半導体層の脱水化または脱水素化を行うことができる。第1の熱処理の温度は、
300℃以上750℃以下、好ましくは400℃以上基板の歪み点未満とする。例えば、
抵抗発熱体などを用いた電気炉に基板を導入し、酸化物半導体層140に対して窒素雰囲
気下450℃において1時間の熱処理を行う。この間、酸化物半導体層140は、大気に
触れないようにし、水や水素の再混入が行われないようにする。
【0099】
なお、熱処理装置は電気炉に限られず、加熱されたガスなどの媒体からの熱伝導、または
熱輻射によって、被処理物を加熱する装置であっても良い。例えば、GRTA(Gas
Rapid Thermal Anneal)装置、LRTA(Lamp Rapid
Thermal Anneal)装置等のRTA(Rapid Thermal Ann
eal)装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライド
ランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水
銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置で
ある。GRTA装置は、高温のガスを用いて熱処理を行う装置である。気体としては、ア
ルゴンなどの希ガス、または窒素のような、熱処理によって被処理物と反応しない不活性
気体が用いられる。
【0100】
例えば、第1の熱処理として、650℃〜700℃の高温に加熱した不活性ガス中に基板
を投入し、数分間加熱した後、当該不活性ガス中から基板を取り出すGRTA処理を行っ
てもよい。GRTA処理を用いると短時間での高温熱処理が可能となる。また、短時間の
熱処理であるため、基板の歪み点を超える温度条件であっても適用が可能となる。
【0101】
なお、第1の熱処理は、窒素、または希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン等)を主成分
とする雰囲気であって、水、水素などが含まれない雰囲気で行うことが望ましい。例えば
、熱処理装置に導入する窒素、またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスの純度を、
6N(99.9999%)以上、好ましくは7N(99.99999%)以上(すなわち
、不純物濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とする。
【0102】
第1の熱処理の条件、または酸化物半導体層の材料によっては、酸化物半導体層が結晶化
し、微結晶または多結晶となる場合もある。例えば、結晶化率が90%以上、または80
%以上の微結晶の酸化物半導体層となる場合もある。また、第1の熱処理の条件、または
酸化物半導体層の材料によっては、結晶成分を含まない非晶質の酸化物半導体層となる場
合もある。
【0103】
また、非晶質の酸化物半導体(例えば、酸化物半導体層の表面)に微結晶(粒径1nm以
上20nm以下(代表的には2nm以上4nm以下))が混在する酸化物半導体層となる
場合もある。
【0104】
また、非晶質中に微結晶を配列させることで、酸化物半導体層の電気的特性を変化させる
ことも可能である。例えば、In−Ga−Zn−O系の酸化物半導体成膜用ターゲットを
用いて酸化物半導体層を形成する場合には、電気的異方性を有するInGaZnO
の結晶粒が配向した微結晶部を形成することで、酸化物半導体層の電気的特性を変化させ
ることができる。
【0105】
より具体的には、例えば、InGaZnOのc軸が酸化物半導体層の表面に垂直な
方向をとるように配向させることで、酸化物半導体層の表面に平行な方向の導電性を向上
させ、酸化物半導体層の表面に垂直な方向の絶縁性を向上させることができる。また、こ
のような微結晶部は、酸化物半導体層中への水や水素などの不純物の侵入を抑制する機能
を有する。
【0106】
なお、上述の微結晶部を有する酸化物半導体層は、GRTA処理による酸化物半導体層の
表面加熱によって形成することができる。また、Znの含有量がInまたはGaの含有量
より小さいスパッタターゲットを用いることで、より好適に形成することが可能である。
【0107】
酸化物半導体層140に対する第1の熱処理は、島状の酸化物半導体層140に加工する
前の酸化物半導体層に行うこともできる。その場合には、第1の熱処理後に、加熱装置か
ら基板を取り出し、フォトリソグラフィ工程を行うことになる。
【0108】
なお、上記第1の熱処理は、酸化物半導体層140に対する脱水化、脱水素化の効果があ
るから、脱水化処理、脱水素化処理などと呼ぶこともできる。このような脱水化処理、脱
水素化処理は、酸化物半導体層の形成後、酸化物半導体層140上にソース電極またはド
レイン電極を積層させた後、ソース電極またはドレイン電極上に保護絶縁層を形成した後
、などのタイミングにおいて行うことが可能である。また、このような脱水化処理、脱水
素化処理は、一回に限らず複数回行っても良い。
【0109】
次に、酸化物半導体層140に接するように、ソース電極またはドレイン電極142a、
ソース電極またはドレイン電極142bを形成する(図4(F)参照)。ソース電極また
はドレイン電極142a、ソース電極またはドレイン電極142bは、酸化物半導体層1
40を覆うように導電層を形成した後、当該導電層を選択的にエッチングすることにより
形成することができる。
【0110】
導電層は、スパッタ法をはじめとするPVD法や、プラズマCVD法などのCVD法を用
いて形成することができる。また、導電層の材料としては、アルミニウム、クロム、銅、
タンタル、チタン、モリブデン、タングステンからから選ばれた元素や、上述した元素を
成分とする合金等を用いることができる。マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリ
リウム、トリウムから選択されたいずれか一または複数の材料を用いてもよい。また、ア
ルミニウムに、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、ネオジム、スカ
ンジウムから選ばれた元素を単数、または複数組み合わせた材料を用いてもよい。導電層
は、単層構造であっても良いし、2層以上の積層構造としてもよい。例えば、シリコンを
含むアルミニウム膜の単層構造、アルミニウム膜上にチタン膜が積層された2層構造、チ
タン膜とアルミニウム膜とチタン膜とが積層された3層構造などが挙げられる。
【0111】
ここで、エッチングに用いるマスク形成時の露光には、紫外線やKrFレーザ光やArF
レーザ光を用いるのが好適である。
【0112】
トランジスタのチャネル長(L)は、ソース電極またはドレイン電極142aの下端部と
、ソース電極またはドレイン電極142bの下端部との間隔によって決定される。なお、
チャネル長(L)が25nm未満において露光を行う場合には、数nm〜数10nmと極
めて波長が短い超紫外線(Extreme Ultraviolet)を用いてマスク形
成の露光を行う。超紫外線による露光は、解像度が高く焦点深度も大きい。従って、後に
形成されるトランジスタのチャネル長(L)を10nm以上1000nm以下とすること
も可能であり、回路の動作速度を高速化できる。さらにオフ電流値が極めて小さいため、
消費電力が大きくならずに済む。
【0113】
なお、導電層のエッチングの際には、酸化物半導体層140が除去されないように、それ
ぞれの材料およびエッチング条件を適宜調節する。なお、材料およびエッチング条件によ
っては、当該工程において、酸化物半導体層140の一部がエッチングされ、溝部(凹部
)を有する酸化物半導体層となることもある。
【0114】
また、酸化物半導体層140とソース電極またはドレイン電極142aの間や、酸化物半
導体層140とソース電極またはドレイン電極142bの間には、酸化物導電層を形成し
てもよい。酸化物導電層と、ソース電極またはドレイン電極142aやソース電極または
ドレイン電極142bを形成するための金属層は、連続して形成すること(連続成膜)が
可能である。酸化物導電層はソース領域またはドレイン領域として機能しうる。このよう
な酸化物導電層を設けることで、ソース領域またはドレイン領域の低抵抗化を図ることが
できるため、トランジスタの高速動作が実現される。
【0115】
また、上記マスクの使用数や工程数を削減するため、透過した光が複数の強度となる露光
マスクである多階調マスクによってレジストマスクを形成し、これを用いてエッチング工
程を行ってもよい。多階調マスクを用いて形成したレジストマスクは、複数の厚みを有す
る形状(階段状)となり、アッシングによりさらに形状を変形させることができるため、
異なるパターンに加工する複数のエッチング工程に用いることができる。つまり、一枚の
多階調マスクによって、少なくとも二種類以上の異なるパターンに対応するレジストマス
クを形成することができる。よって、露光マスク数を削減することができ、対応するフォ
トリソグラフィ工程も削減できるため、工程の簡略化が図れる。
【0116】
なお、上述の工程の後には、NO、N、またはArなどのガスを用いたプラズマ処理
を行うのが好ましい。当該プラズマ処理によって、露出している酸化物半導体層の表面に
付着した水などが除去される。また、酸素とアルゴンの混合ガスを用いてプラズマ処理を
行ってもよい。
【0117】
次に、大気に触れさせることなく、酸化物半導体層140の一部に接する保護絶縁層14
4を形成する(図4(G)参照)。
【0118】
保護絶縁層144は、スパッタ法など、保護絶縁層144に水、水素等の不純物を混入さ
せない方法を適宜用いて形成することができる。また、その厚さは、1nm以上とする。
保護絶縁層144に用いることができる材料としては、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪
素、窒化酸化珪素などがある。また、その構造は、単層構造としても良いし、積層構造と
しても良い。保護絶縁層144を形成する際の基板温度は、室温以上300℃以下とする
のが好ましく、雰囲気は、希ガス(代表的にはアルゴン)雰囲気、酸素雰囲気、または希
ガス(代表的にはアルゴン)と酸素の混合雰囲気とするのが好適である。
【0119】
保護絶縁層144に水素が含まれると、その水素の酸化物半導体層への侵入や、水素によ
る酸化物半導体層中の酸素の引き抜き、などが生じ、酸化物半導体層のバックチャネル側
が低抵抗化してしまい、寄生チャネルが形成されるおそれがある。よって、保護絶縁層1
44はできるだけ水素を含まないように、形成方法においては水素を用いないことが重要
である。
【0120】
また、処理室内の残留水分を除去しつつ保護絶縁層144を形成することが好ましい。酸
化物半導体層140および保護絶縁層144に水素、水酸基または水が含まれないように
するためである。
【0121】
処理室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプを用いることが好ましい。
例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが
好ましい。また、排気手段としては、ターボポンプにコールドトラップを加えたものであ
ってもよい。クライオポンプを用いて排気した成膜室は、例えば、水素原子や、水(H
O)など水素原子を含む化合物等が除去されているため、当該成膜室で形成した保護絶縁
層144に含まれる不純物の濃度を低減できる。
【0122】
保護絶縁層144を形成する際に用いるスパッタガスとしては、水素、水、水酸基または
水素化物などの不純物の濃度が数ppm程度(望ましくは数ppb程度)にまで低減され
た高純度ガスを用いることが好ましい。
【0123】
次いで、不活性ガス雰囲気下、または酸素ガス雰囲気下で第2の熱処理(好ましくは20
0℃以上400℃以下、例えば250℃以上350℃以下)を行うのが望ましい。例えば
、窒素雰囲気下で250℃、1時間の第2の熱処理を行う。第2の熱処理を行うと、トラ
ンジスタの電気的特性のばらつきを低減することができる。
【0124】
また、大気中、100℃以上200℃以下、1時間以上30時間以下の熱処理を行っても
よい。この熱処理は一定の加熱温度を保持して加熱してもよいし、室温から、100℃以
上200℃以下の加熱温度への昇温と、加熱温度から室温までの降温を複数回くりかえし
て行ってもよい。また、この熱処理を、保護絶縁層の形成前に、減圧下で行ってもよい。
減圧下で熱処理を行うと、加熱時間を短縮することができる。なお、当該熱処理は、上記
第2の熱処理に代えて行っても良いし、第2の熱処理の前後などに行っても良い。
【0125】
次に、保護絶縁層144上に、層間絶縁層146を形成する(図5(A)参照)。層間絶
縁層146はPVD法やCVD法などを用いて形成することができる。また、酸化シリコ
ン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタ
ル等の無機絶縁材料を含む材料を用いて形成することができる。層間絶縁層146の形成
後には、その表面を、CMPやエッチングなどの方法によって平坦化しておくことが望ま
しい。
【0126】
次に、層間絶縁層146、保護絶縁層144、およびゲート絶縁層138に対し、電極1
36a、電極136b、電極136c、ソース電極またはドレイン電極142a、ソース
電極またはドレイン電極142bにまで達する開口を形成し、当該開口に埋め込むように
導電層148を形成する(図5(B)参照)。上記開口はマスクを用いたエッチングなど
の方法で形成することができる。当該マスクは、フォトマスクを用いた露光などの方法に
よって形成することが可能である。エッチングとしてはウェットエッチング、ドライエッ
チングのいずれを用いても良いが、微細加工の観点からは、ドライエッチングを用いるこ
とが好適である。導電層148の形成は、PVD法やCVD法などの成膜法を用いて行う
ことができる。導電層148の形成に用いることができる材料としては、モリブデン、チ
タン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウムな
どの導電性材料や、これらの合金、化合物(例えば窒化物)などが挙げられる。
【0127】
具体的には、例えば、開口を含む領域にPVD法によりチタン膜を薄く形成し、CVD法
により窒化チタン膜を薄く形成した後に、開口に埋め込むようにタングステン膜を形成す
る方法を適用することができる。ここで、PVD法により形成されるチタン膜は、下部電
極(ここでは、電極136a、電極136b、電極136c、ソース電極またはドレイン
電極142a、ソース電極またはドレイン電極142b)との界面の酸化膜を還元し、下
部電極との接触抵抗を低減させる機能を有する。また、その後の形成される窒化チタンは
、導電性材料の拡散を抑制するバリア機能を備える。また、チタンや、窒化チタンなどに
よるバリア膜を形成した後に、メッキ法により銅膜を形成してもよい。
【0128】
導電層148を形成した後には、エッチングやCMPなどの方法を用いて導電層148の
一部を除去し、層間絶縁層146を露出させて、電極150a、電極150b、電極15
0c、電極150d、電極150eを形成する(図5(C)参照)。なお、上記導電層1
48の一部を除去して電極150a、電極150b、電極150c、電極150d、電極
150eを形成する際には、表面が平坦になるように加工することが望ましい。このよう
に、層間絶縁層146、電極150a、電極150b、電極150c、電極150d、電
極150eの表面を平坦化することにより、後の工程において、良好な電極、配線、絶縁
層、半導体層などを形成することが可能となる。
【0129】
さらに、絶縁層152を形成し、絶縁層152に、電極150a、電極150b、電極1
50c、電極150d、電極150eにまで達する開口を形成し、当該開口に埋め込むよ
うに導電層を形成した後、エッチングやCMPなどの方法を用いて導電層の一部を除去し
、絶縁層152を露出させて、電極154a、電極154b、電極154c、電極154
dを形成する(図5(D)参照)。当該工程は、電極150a等を形成する場合と同様で
あるから、詳細は省略する。
【0130】
上述のような方法でトランジスタ162を作製した場合、酸化物半導体層140の水素濃
度は5×1019atoms/cm以下となり、また、トランジスタ162のオフ電流
は1×10−13A以下となる。このような、水素濃度が十分に低減されて高純度化され
た酸化物半導体層140を適用することで、優れた特性のトランジスタ162を得ること
ができる。また、下部に酸化物半導体以外の材料を用いたトランジスタ160を有し、上
部に酸化物半導体を用いたトランジスタ162を有する優れた特性の半導体装置を作製す
ることができる。
【0131】
なお、酸化物半導体との比較対象たり得る半導体材料としては、炭化珪素(例えば、4H
−SiC)がある。酸化物半導体と4H−SiCはいくつかの共通点を有している。キャ
リア密度はその一例である。常温での酸化物半導体の真性キャリア密度は10−7/cm
程度と見積もられるが、これは、4H−SiCにおける6.7×10−11/cm
同様、極めて低い値である。シリコンの真性キャリア密度(1.4×1010/cm
度)と比較すれば、その程度が並はずれていることが良く理解できる。
【0132】
また、酸化物半導体のエネルギーバンドギャップは3.0〜3.5eVであり、4H−S
iCのエネルギーバンドギャップは3.26eVであるから、ワイドギャップ半導体とい
う点においても、酸化物半導体と炭化珪素とは共通している。
【0133】
一方で、酸化物半導体と炭化珪素との間には極めて大きな相違点が存在する。それは、プ
ロセス温度である。炭化珪素は一般に1500℃〜2000℃の熱処理を必要とするから
、他の半導体材料を用いた半導体素子との積層構造は困難である。このような高い温度で
は、半導体基板や半導体素子などが破壊されてしまうためである。他方、酸化物半導体は
、300℃〜500℃(ガラス転移温度以下、最高でも700℃程度)の熱処理で作製す
ることが可能であり、他の半導体材料を用いて集積回路を形成した上で、酸化物半導体に
よる半導体素子を形成することが可能となる。
【0134】
また、炭化珪素の場合と異なり、ガラス基板など、耐熱性の低い基板を用いることが可能
であるという利点を有する。さらに、高温での熱処理が不要という点で、炭化珪素と比較
してエネルギーコストを低くすることができるという利点を有する。
【0135】
なお、酸化物半導体において、物性研究は多くなされているが、これらの研究は、エネル
ギーギャップ中の局在準位そのものを十分に減らすという思想を含まない。開示する発明
の一態様では、局在準位の原因たり得る水や水素を酸化物半導体中より除去することで、
高純度化した酸化物半導体を作製する。これは、エネルギーギャップ中の局在準位そのも
のを十分に減らすという思想に立脚するものである。そして、これによって極めて優れた
工業製品の製造を可能とするものである。
【0136】
さらに、酸素欠乏により発生する金属の未結合手に対して酸素を供給し、酸素欠陥による
局在準位を減少させることにより、いっそう高純度化された(i型の)酸化物半導体とす
ることも可能である。たとえば、チャネル形成領域に密接して酸素過剰の酸化膜を形成し
、当該酸化膜から酸素を供給して、酸素欠陥による局在準位を減少させることが可能であ
る。
【0137】
酸化物半導体中のドナーは、過剰な水素による伝導帯下0.1eV〜0.2eVの浅い準
位や、酸素の不足による深い準位、などに起因するものとされている。これらの欠陥を無
くすために、水素を徹底的に除去し、酸素を十分に供給する、という技術思想は正しいも
のであろう。
【0138】
また、酸化物半導体は一般にn型とされているが、開示する発明の一態様では、不純物、
特に水や水素を除去することによりi型化を実現する。この点において、シリコンなどの
ように不純物を添加してのi型化ではないため、従来にない技術思想を含むものといえる

【0139】
<酸化物半導体を用いたトランジスタの電導機構>
ここで、酸化物半導体を用いたトランジスタの電導機構につき、図22乃至図25を用い
て説明する。なお、以下の説明は一考察に過ぎず、これに基づいて発明の有効性が否定さ
れるものではないことを付記する。
【0140】
図22は、酸化物半導体を用いた逆スタガー型のトランジスタ(薄膜トランジスタ)の縦
断面図である。ゲート電極(GE1)上にゲート絶縁層(GI)を介して酸化物半導体層
(OS)が設けられ、その上にソース電極(S)およびドレイン電極(D)が設けられて
いる。
【0141】
図23(A)、図23(B)には、図22のA−A’上におけるエネルギーバンド構造の
模式図を示す。図23(B)は、ドレインに正の電圧(V>0)を印加した上で、破線
はゲートに電圧を印加しない場合(V=0)、実線はゲートに正の電圧(V>0)を
印加した場合を示す。ゲートに電圧を印加しない場合は高いポテンシャル障壁のために電
極から酸化物半導体側へキャリア(電子)が注入されず、電流を流さないオフ状態を示す
。一方、ゲートに正の電圧を印加するとポテンシャル障壁が低下し、電流を流すオン状態
を示す。
【0142】
図24(A)、図24(B)には、図22のB−B’の断面におけるエネルギーバンド図
(模式図)を示す。図24(A)は、ゲート(GE1)に正の電位+V(V>0)が
与えられた状態であり、ソースとドレインとの間にキャリア(電子)が流れるオン状態を
示している。また、図24(B)は、ゲート(GE1)に負の電位 −V(V>0)
が与えられた状態であり、オフ状態(少数キャリアは流れない状態)を示す。
【0143】
図25は、真空準位と金属の仕事関数(φ)、酸化物半導体の電子親和力(χ)の関係
を示す。
【0144】
金属は縮退しており、フェルミ準位は伝導帯内に位置する。一方、従来の酸化物半導体は
n型であり、そのフェルミ準位(E)は、バンドギャップ中央に位置する真性フェルミ
準位(E)から離れて、伝導帯寄りに位置している。なお、酸化物半導体において水素
の一部はドナーとなり、n型化する要因の一つであることが知られている。
【0145】
これに対して開示する発明の一態様に係る酸化物半導体は、n型化の要因である水素を酸
化物半導体から除去し、酸化物半導体の主成分以外の元素(不純物元素)が極力含まれな
いように高純度化することにより真性(i型)とし、または真性に近づけたものである。
すなわち、不純物元素を添加してi型化するのでなく、水素や水等の不純物を極力除去す
ることにより、高純度化されたi型(真性半導体)またはそれに近づけることを特徴とし
ている。これにより、フェルミ準位(E)は真性フェルミ準位(E)と同程度とする
ことができる。
【0146】
酸化物半導体のバンドギャップ(E)は3.15eVで、電子親和力(χ)は4.3e
Vと言われている。ソース電極やドレイン電極を構成するチタン(Ti)の仕事関数は、
酸化物半導体の電子親和力(χ)とほぼ等しい。この場合、金属−酸化物半導体界面にお
いて、電子に対してショットキー型の障壁は形成されない。
【0147】
すなわち、金属の仕事関数(φ)と酸化物半導体の電子親和力(χ)が等しい場合、両
者が接触すると図23(A)で示すようなエネルギーバンド図(模式図)が示される。
【0148】
図23(B)において黒丸(●)は電子を示す。ドレインに正の電位が与えられると、電
子はバリア(h)をこえて酸化物半導体に注入され、ドレインに向かって流れる。バリア
(h)の高さは、ゲート電圧とドレイン電圧に依存して変化するが、正のドレイン電圧が
印加される場合には、電圧印加のない図23(A)のバリアの高さ、すなわちバンドギャ
ップ(E)の1/2、より低くなる。
【0149】
このとき電子は、図24(A)で示すように、ゲート絶縁層と高純度化された酸化物半導
体との界面付近(酸化物半導体のエネルギー的に安定な最低部)を移動する。
【0150】
また、図24(B)に示すように、ゲート電極(GE1)に負の電位が与えられると、少
数キャリアであるホールは実質的にゼロであるため、電流は限りなくゼロに近い値となる

【0151】
このように酸化物半導体の主成分以外の元素(不純物元素)が極力含まれないように酸化
物半導体を高純度化させることにより、真性(i型)、または実質的に真性となるため、
ゲート絶縁層との界面特性が顕在化する。そのため、ゲート絶縁層には、酸化物半導体と
良好な界面を形成できるものが要求される。具体的には、例えば、VHF帯〜μ波帯の電
源周波数で生成される高密度プラズマを用いたCVD法で作製される絶縁層や、スパッタ
リング法で作製される絶縁層などを用いることが好ましい。
【0152】
酸化物半導体を高純度化しつつ、酸化物半導体とゲート絶縁層との界面を良好なものとす
ることにより、例えば、トランジスタのチャネル幅Wが1×10μm、チャネル長が3
μmの場合には、常温において10−13A以下のオフ電流、0.1V/dec.のサブ
スレッショルドスイング値(S値)(ゲート絶縁層の厚さ:100nm)が実現され得る

【0153】
このように、酸化物半導体の主成分以外の元素(不純物元素)が極力含まれないように酸
化物半導体を高純度化させることにより、トランジスタの動作を良好なものとすることが
できる。
【0154】
<変形例>
図6乃至図9には、半導体装置の構成の変形例を示す。なお、以下では、変形例として、
トランジスタ162の構成が上記とは異なるものについて説明する。つまり、トランジス
タ160の構成は上記と同様である。
【0155】
図6には、酸化物半導体層140の下にゲート電極136dを有し、ソース電極またはド
レイン電極142aや、ソース電極またはドレイン電極142bが、酸化物半導体層14
0の下側表面において酸化物半導体層140と接する構成のトランジスタ162を有する
半導体装置の例を示す。なお、平面の構造は、断面に対応して適宜変更すればよいから、
ここでは、断面についてのみ示すこととする。
【0156】
図6に示す構成と図2に示す構成の大きな相違点として、ソース電極またはドレイン電極
142aや、ソース電極またはドレイン電極142bと、酸化物半導体層140との接続
の位置がある。つまり、図2に示す構成では、酸化物半導体層140の上側表面において
、ソース電極またはドレイン電極142aや、ソース電極またはドレイン電極142bと
接するのに対して、図6に示す構成では、酸化物半導体層140の下側表面において、ソ
ース電極またはドレイン電極142aや、ソース電極またはドレイン電極142bと接す
る。そして、この接触の相違に起因して、その他の電極、絶縁層などの配置が異なるもの
となっている。各構成要素の詳細は、図2と同様である。
【0157】
具体的には、図6に示す半導体装置は層間絶縁層128上に設けられたゲート電極136
dと、ゲート電極136d上に設けられたゲート絶縁層138と、ゲート絶縁層138上
に設けられた、ソース電極またはドレイン電極142a、ソース電極またはドレイン電極
142bと、ソース電極またはドレイン電極142a、ソース電極またはドレイン電極1
42bの上側表面に接する酸化物半導体層140と、を有する。
【0158】
ここで、ゲート電極136dは、層間絶縁層128上に形成された絶縁層132に、埋め
込まれるように設けられている。また、ゲート電極136dと同様に、ソース電極または
ドレイン電極130aに接して電極136aが、ソース電極またはドレイン電極130b
に接して電極136bが、電極130cに接して電極136cが、それぞれ形成されてい
る。
【0159】
また、トランジスタ162の上には、酸化物半導体層140の一部と接するように、保護
絶縁層144が設けられており、保護絶縁層144上には層間絶縁層146が設けられて
いる。ここで、保護絶縁層144および層間絶縁層146には、ソース電極またはドレイ
ン電極142a、ソース電極またはドレイン電極142bにまで達する開口が設けられて
おり、当該開口を通じて、電極150d、電極150eが、ソース電極またはドレイン電
極142a、ソース電極またはドレイン電極142bに接して形成されている。また、電
極150d、電極150eと同様に、ゲート絶縁層138、保護絶縁層144、層間絶縁
層146に設けられた開口を通じて、電極136a、電極136b、電極136cに接す
る電極150a、電極150b、電極150cが形成されている。
【0160】
また、層間絶縁層146上には絶縁層152が設けられており、当該絶縁層152に埋め
込まれるように、電極154a、電極154b、電極154c、電極154dが設けられ
ている。ここで、電極154aは電極150aと接しており、電極154bは電極150
bと接しており、電極154cは電極150cおよび電極150dと接しており、電極1
54dは電極150eと接している。
【0161】
図7は、酸化物半導体層140の上にゲート電極136dを有する構成の例である。ここ
で、図7(A)は、ソース電極またはドレイン電極142aや、ソース電極またはドレイ
ン電極142bが、酸化物半導体層140の下側表面において酸化物半導体層140と接
する構成の例であり、図7(B)は、ソース電極またはドレイン電極142aや、ソース
電極またはドレイン電極142bが、酸化物半導体層140の上側表面において酸化物半
導体層140と接する構成の例である。
【0162】
図2や図6に示す構成と図7に示す構成の大きな相違点は、酸化物半導体層140の上に
ゲート電極136dを有する点である。また、図7(A)に示す構成と図7(B)に示す
構成の大きな相違点は、ソース電極またはドレイン電極142aや、ソース電極またはド
レイン電極142bが、酸化物半導体層140の下側表面または上側表面のいずれにおい
て接触するか、という点である。そして、これらの相違に起因して、その他の電極、絶縁
層などの配置が異なるものとなっている。各構成要素の詳細は、図2などと同様である。
【0163】
具体的には、図7(A)に示す半導体装置は、層間絶縁層128上に設けられたソース電
極またはドレイン電極142a、ソース電極またはドレイン電極142bと、ソース電極
またはドレイン電極142a、ソース電極またはドレイン電極142bの上側表面に接す
る酸化物半導体層140と、酸化物半導体層140上に設けられたゲート絶縁層138と
、ゲート絶縁層138上の酸化物半導体層140と重畳する領域のゲート電極136dと
、を有する。
【0164】
また、図7(B)に示す半導体装置は、層間絶縁層128上に設けられた酸化物半導体層
140と、酸化物半導体層140の上側表面に接するように設けられたソース電極または
ドレイン電極142a、ソース電極またはドレイン電極142bと、酸化物半導体層14
0、ソース電極またはドレイン電極142a、および、ソース電極またはドレイン電極1
42b上に設けられたゲート絶縁層138と、ゲート絶縁層138上の酸化物半導体層1
40と重畳する領域のゲート電極136dと、を有する。
【0165】
なお、図7に示す構成では、図2に示す構成などと比較して、構成要素が省略できる場合
がある(例えば、電極150aや、電極154aなど)。この場合、作製工程の簡略化と
いう副次的な効果も得られる。もちろん、図2などに示す構成においても、必須ではない
構成要素を省略できることはいうまでもない。
【0166】
図8は、素子のサイズが比較的大きい場合であって、酸化物半導体層140の下にゲート
電極136dを有する構成の例である。この場合、表面の平坦性やカバレッジに対する要
求は比較的緩やかなものであるから、配線や電極などを絶縁層中に埋め込むように形成す
る必要はない。例えば、導電層の形成後にパターニングを行うことで、ゲート電極136
dなどを形成することが可能である。なお、ここでは図示しないが、トランジスタ160
についても、同様に作製することが可能である。
【0167】
図8(A)に示す構成と図8(B)に示す構成の大きな相違点は、ソース電極またはドレ
イン電極142aや、ソース電極またはドレイン電極142bが、酸化物半導体層140
の下側表面または上側表面のいずれにおいて接触するか、という点である。そして、これ
らの相違に起因して、その他の電極、絶縁層などの配置が異なるものとなっている。各構
成要素の詳細は、図2などと同様である。
【0168】
具体的には、図8(A)に示す半導体装置は、層間絶縁層128上に設けられたゲート電
極136dと、ゲート電極136d上に設けられたゲート絶縁層138と、ゲート絶縁層
138上に設けられた、ソース電極またはドレイン電極142a、ソース電極またはドレ
イン電極142bと、ソース電極またはドレイン電極142a、ソース電極またはドレイ
ン電極142bの上側表面に接する酸化物半導体層140と、を有する。
【0169】
また、図8(B)に示す半導体装置は、層間絶縁層128上に設けられたゲート電極13
6dと、ゲート電極136d上に設けられたゲート絶縁層138と、ゲート絶縁層138
上のゲート電極136dと重畳する領域に設けられた酸化物半導体層140と、酸化物半
導体層140の上側表面に接するように設けられたソース電極またはドレイン電極142
a、ソース電極またはドレイン電極142bと、を有する。
【0170】
なお、図8に示す構成においても、図2に示す構成などと比較して、構成要素が省略でき
る場合がある。この場合も、作製工程の簡略化という効果が得られる。
【0171】
図9は、素子のサイズが比較的大きい場合であって、酸化物半導体層140の上にゲート
電極136dを有する構成の例である。この場合にも、表面の平坦性やカバレッジに対す
る要求は比較的緩やかなものであるから、配線や電極などを絶縁層中に埋め込むように形
成する必要はない。例えば、導電層の形成後にパターニングを行うことで、ゲート電極1
36dなどを形成することが可能である。なお、ここでは図示しないが、トランジスタ1
60についても、同様に作製することが可能である。
【0172】
図9(A)に示す構成と図9(B)に示す構成の大きな相違点は、ソース電極またはドレ
イン電極142aや、ソース電極またはドレイン電極142bが、酸化物半導体層140
の下側表面または上側表面のいずれにおいて接触するか、という点である。そして、これ
らの相違に起因して、その他の電極、絶縁層などの配置が異なるものとなっている。各構
成要素の詳細は、図2などと同様である。
【0173】
具体的には、図9(A)に示す半導体装置は、層間絶縁層128上に設けられたソース電
極またはドレイン電極142a、ソース電極またはドレイン電極142bと、ソース電極
またはドレイン電極142a、ソース電極またはドレイン電極142bの上側表面に接す
る酸化物半導体層140と、ソース電極またはドレイン電極142a、ソース電極または
ドレイン電極142b、酸化物半導体層140上に設けられたゲート絶縁層138と、ゲ
ート絶縁層138上の酸化物半導体層140と重畳する領域に設けられたゲート電極13
6dと、を有する。
【0174】
また、図9(B)に示す半導体装置は、層間絶縁層128上に設けられた酸化物半導体層
140と、酸化物半導体層140の上側表面に接するように設けられたソース電極または
ドレイン電極142a、ソース電極またはドレイン電極142bと、ソース電極またはド
レイン電極142a、ソース電極またはドレイン電極142b、酸化物半導体層140上
に設けられたゲート絶縁層138と、ゲート絶縁層138上の酸化物半導体層140と重
畳する領域に設けられたゲート電極136dと、を有する。
【0175】
なお、図9に示す構成においても、図2に示す構成などと比較して、構成要素が省略でき
る場合がある。この場合も、作製工程の簡略化という効果が得られる。
【0176】
以上に示したように、開示する発明の一態様によって、新たな構成の半導体装置が実現さ
れる。本実施の形態では、トランジスタ160とトランジスタ162を積層して形成する
例について説明したが、半導体装置の構成はこれに限られるものではない。また、本実施
の形態では、トランジスタ160とトランジスタ162のチャネル長方向が互いに垂直と
なる例を説明したが、トランジスタ160とトランジスタ162の位置関係などはこれに
限られるものではない。さらに、トランジスタ160とトランジスタ162とを重畳して
設けても良い。
【0177】
また、本実施の形態では理解の簡単のため、最小記憶単位(1ビット)の半導体装置につ
いて説明したが、半導体装置の構成はこれに限られるものではない。複数の半導体装置を
適当に接続して、より高度な半導体装置を構成することもできる。例えば、上記半導体装
置を複数用いて、NAND型やNOR型の半導体装置を構成することが可能である。配線
の構成も図1に限定されず、適宜変更することができる。
【0178】
本実施の形態に係る半導体装置は、トランジスタ162の低オフ電流特性により、極めて
長時間にわたり情報を保持することが可能である。つまり、DRAMなどで必要とされる
リフレッシュ動作が不要であり、消費電力を抑制することができる。また、実質的な不揮
発性記憶装置として用いることが可能である。
【0179】
また、トランジスタ162のスイッチング動作によって情報の書き込みなどを行うため、
高い電圧を必要とせず、素子の劣化の問題もない。さらに、トランジスタのオン、オフに
よって、情報の書き込みや消去が行われるため、高速動作も容易に実現しうる。また、ト
ランジスタに入力する電位を制御することで情報を直接書き換えることが可能である。こ
のため、フラッシュメモリなどにおいて必要とされる消去動作が不要であり、消去動作に
起因する動作速度の低下を抑制することができる。
【0180】
また、酸化物半導体以外の材料を用いたトランジスタは、酸化物半導体を用いたトランジ
スタと比較して、さらなる高速動作が可能なため、これを用いることにより、記憶内容の
読み出しを高速に行うことが可能である。
【0181】
本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み
合わせて用いることができる。
【0182】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置の回路構成および動作方法について
説明する。
【0183】
半導体装置が有する記憶素子(以下、メモリセルとも記載する)の回路図の一例を図10
に示す。図10に示すメモリセル200は、第3の配線S1(第1信号線)と、第4の配
線S2(第2信号線)と、第5の配線WL(ワード線)と、トランジスタ201と、トラ
ンジスタ202と、トランジスタ203と、から構成されている。トランジスタ201及
びトランジスタ203は、酸化物半導体以外の材料を用いて形成されており、トランジス
タ202は酸化物半導体を用いて形成されている。ここで、トランジスタ201及びトラ
ンジスタ203は、実施の形態1に示すトランジスタ160と同様の構成とするのが好ま
しい。また、トランジスタ202は、実施の形態1に示すトランジスタ162と同様の構
成とするのが好ましい。また、メモリセル200は、第1の配線SL(ソース線)及び第
2の配線BL(ビット線)と電気的に接続されており、トランジスタ(他のメモリセルを
構成するものも含む。)を介して、第1の配線SL及び第2の配線BLと電気的に接続さ
れるのが好適である。
【0184】
ここで、トランジスタ201のゲート電極と、トランジスタ202のソース電極またはド
レイン電極の一方とは、電気的に接続されている。また、第1の配線SLと、トランジス
タ201のソース電極と、トランジスタ203のソース電極とは、電気的に接続され、第
2の配線BLと、トランジスタ201のドレイン電極と、トランジスタ203のドレイン
電極とは、電気的に接続されている。そして、第3の配線S1と、トランジスタ202の
ソース電極またはドレイン電極の他方とは、電気的に接続され、第4の配線S2と、トラ
ンジスタ202のゲート電極とは、電気的に接続され、第5の配線WLと、トランジスタ
203のゲート電極とは電気的に接続されている。なお、第1の配線SLと、トランジス
タ201のソース電極及びトランジスタ203のソース電極とは、トランジスタ(他のメ
モリセルを構成するものも含む。)を介して接続されていてもよい。また、第2の配線B
Lと、トランジスタ201のドレイン電極及びトランジスタ203のドレイン電極とは、
トランジスタ(他のメモリセルを構成するものも含む。)を介して接続されていてもよい

【0185】
図11に、m×nビットの記憶容量を有する本発明の一態様に係る半導体装置のブロック
回路図を示す。ここでは一例として、メモリセル200が直列に接続されたNAND型の
半導体装置を示す。
【0186】
本発明の一態様に係る半導体装置は、m本の第5の配線WL(1)〜WL(m)及び第4
の配線S2(1)〜S2(m)と、n本の第1の配線SL(1)〜SL(n)、第2の配
線BL(1)〜BL(n)及び第3の配線S1(1)〜S1(n)と、2本の第6の配線
SEL(1)、SEL(2)と、複数のメモリセル200(1、1)〜200(m、n)
が縦m個(行)×横n個(列)(m、nは自然数)のマトリクス状に配置されたメモリセ
ルアレイ210と、第6の配線SEL(1)に沿って、第2の配線BL(1)〜BL(n
)とメモリセル200(1、1)〜200(1、n)の間に配置されたトランジスタ21
5(1、1)〜215(1、n)と、第6の配線SEL(2)に沿って、第1の配線SL
(1)〜SL(n)とメモリセル200(m、1)〜200(m、n)の間に配置された
トランジスタ215(2、1)〜215(2、n)と、第2の配線及び第3の配線の駆動
回路211と、第4の配線及び第5の配線の駆動回路213と、読み出し回路212とい
った周辺回路によって構成されている。他の周辺回路として、リフレッシュ回路等が設け
られてもよい。
【0187】
各メモリセル200(代表として、メモリセル200(i、j)を考える。ここで、iは
1以上m以下の整数、jは1以上n以下の整数である。)は、第3の配線S1(j)、第
4の配線S2(i)及び第5の配線WL(i)にそれぞれ接続されている。また、メモリ
セル200(i、j)(iは2〜mの整数)が有するトランジスタ201及びトラン
ジスタ203のドレイン電極は、メモリセル200(i−1、j)が有するトランジス
タ201及びトランジスタ203のソース電極に接続され、メモリセル200(i、j
)(iは1〜m−1の整数)が有するトランジスタ201及びトランジスタ203のソ
ース電極は、メモリセル200(i+1、j)が有するトランジスタ201及びトラン
ジスタ203のドレイン電極に接続される。メモリセル200(1、j)が有するトラン
ジスタ201及びトランジスタ203のドレイン電極は、トランジスタ215(1、j)
のソース電極に接続され、メモリセル200(m、j)が有するトランジスタ201及び
トランジスタ203のソース電極は、トランジスタ215(2、j)のドレイン電極に接
続される。トランジスタ215(1、j)のドレイン電極は第2の配線BL(j)に接続
され、トランジスタ215(2、j)のソース電極は第1の配線SL(j)に接続される
。また、トランジスタ215(1,j)のゲート電極は、第6の配線SEL(1)に接続
され、トランジスタ215(2,j)のゲート電極は、第6の配線SEL(2)に接続さ
れる。
【0188】
また、第2の配線BL(1)〜BL(n)及び第3の配線S1(1)〜S1(n)は第2
の配線及び第3の配線の駆動回路211に、第5の配線WL(1)〜WL(m)、第4の
配線S2(1)〜S2(m)及び第6の配線SEL(1)、SEL(2)は第4の配線及
び第5の配線の駆動回路213にそれぞれ接続されている。また、第2の配線BL(1)
〜BL(n)は、読み出し回路212にも接続されている。第1の配線SL(1)〜SL
(n)には電位Vsが与えられている。なお、第1の配線SL(1)〜SL(n)は必ず
しも分離されている必要はなく、互いに電気的に接続されているような構成にしてもよい

【0189】
図11に示した半導体装置の動作について説明する。本構成では、行ごとの書き込みおよ
び読み出しを行う。
【0190】
第i行のメモリセル200(i、1)〜200(i,n)に書き込みを行う場合は、第4
の配線S2(i)を2Vとし、選択したメモリセルのトランジスタ202をオン状態とす
る。一方、第i行以外の第4の配線S2は0Vとし、非選択のメモリセルのトランジスタ
202をオフ状態とする。第3の配線S1(1)〜S1(n)は、データ”1”を書き込
む列では2V、データ”0”を書き込む列では0Vとする。なお、書き込み終了にあたっ
ては、第3の配線S1(1)〜S1(n)の電位が変化する前に、第4の配線S2(i)
を0Vとして、選択したメモリセルのトランジスタ202をオフ状態にする。他の配線は
、例えば、第2の配線BL(1)〜BL(n)を0V、第5の配線WL(1)〜WL(m
)を0V、第6の配線SEL(1)、SEL(2)を0V、第1の配線SL(1)〜SL
(n)の電位Vsを0Vとする。以上の書き込み動作のタイミングチャートの一例を図1
2に示す。
【0191】
その結果、データ”1”の書き込みを行ったメモリセルのトランジスタ201のゲート電
極に接続されるノード(以下、ノードA)の電位は約2V、データ”0”の書き込みを行
ったメモリセルのノードAの電位は約0Vとなる。また、非選択メモリセルのノードAの
電位は変わらない。ここで、トランジスタ202のオフ電流が極めて小さい、あるいは実
質0であることから、トランジスタ201のゲート電極(ノードA)の電位は長時間にわ
たって保持される。
【0192】
第i行のメモリセル200(i、1)〜200(i,n)の読み出しを行う場合は、第6
の配線SEL(1)、SEL(2)を2Vとし、トランジスタ215(1、1)〜215
(2、n)をオン状態とする。第1の配線SL(1)〜SL(n)の電位Vsを0Vとす
る。第2の配線BL(1)〜BL(n)に接続されている読み出し回路212を動作状態
とする。第4の配線S2(1)〜S2(m)を0Vとし、全てのメモリセルのトランジス
タ202をオフ状態とする。第3の配線S1(1)〜S1(n)を0Vとする。
【0193】
そして、第5の配線WL(i)を0V、第i行以外の第5の配線WLを2Vとする。この
とき、第i行のメモリセルのトランジスタ203はオフ状態となる。第i行以外のメモリ
セルのトランジスタ203はオン状態となる。その結果、第i行のメモリセルのトランジ
スタ201がオン状態かオフ状態かでメモリセル列の抵抗状態が決まる。第i行のメモリ
セルのうち、データ”0”を有するメモリセルでは、ノードAが約0Vであるからトラン
ジスタ201はオフ状態となり、メモリセル列の抵抗は高い状態となる(以下、メモリセ
ル列が高抵抗状態であるとも言う。)。一方、第i行のメモリセルのうち、データ”1”
を有するメモリセルでは、ノードAが約2Vであるからトランジスタ201がオン状態と
なり、メモリセル列の抵抗は低い状態となる(以下、メモリセル列が低抵抗状態であると
も言う。)。その結果、読み出し回路は、メモリセルの抵抗状態の違いから、データ”0
”,”1”を読み出すことができる。
【0194】
なお、書き込み時において、SOI基板上に薄膜トランジスタを形成した場合など、半導
体装置が基板電位を有さない場合には、第5の配線WL(i+1)〜WL(m)を2V、
第6の配線SEL(2)を2Vとすることが好ましい。これにより、第i行のメモリセル
のトランジスタ201のソース電極またはドレイン電極の少なくとも一方を約0Vとする
ことができる。或いは、第6の配線SEL(1)を2V、第5の配線WL(1)〜WL(
i−1)を2Vとしてもよい。一方、単結晶半導体基板上にトランジスタを形成した場合
など、半導体装置が基板電位を有する場合には、基板電位を0Vとしておけばよい。
【0195】
なお、書き込み時の第2の配線BL(1)〜BL(n)は0Vとしたが、第6の配線SE
L(1)が0Vの場合には、フローティング状態や0V以上の電位に充電されていても構
わない。読み出し時の第3の配線S1(1)〜S1(n)は0Vとしたが、フローティン
グ状態や0V以上の電位に充電されていても構わない。
【0196】
なお、データ”1”とデータ”0”は便宜上の定義であって、逆であっても構わない。ま
た、上述した動作電圧は一例である。動作電圧は、データ”0”の場合にトランジスタ2
01がオフ状態となり、データ”1”の場合にトランジスタ201がオン状態となるよう
に、また、書き込み時にトランジスタ202がオン状態、書き込み時以外ではオフ状態と
なるように、また、読み出し時に選択メモリセルのトランジスタ203がオフ状態、非選
択メモリセルのトランジスタ203がオン状態となるように選べばよい。特に、2Vの代
わりに、周辺の論理回路の電源電位VDDを用いてもよい。また、0Vの代わりに、接地
電位GNDを用いてもよい。
【0197】
次に、本発明の一態様に係る、半導体装置の回路構成及び動作の他の一例について説明す
る。
【0198】
半導体装置が有するメモリセル回路の一例を図13に示す。図13に示すメモリセル22
0は、第3の配線S1と、第4の配線S2と、第5の配線WLと、トランジスタ201と
、トランジスタ202と、トランジスタ203と、から構成されている。トランジスタ2
01及びトランジスタ203は、酸化物半導体以外の材料を用いて形成されており、トラ
ンジスタ202は酸化物半導体を用いて形成されている。ここで、トランジスタ201及
びトランジスタ203は、実施の形態1に示すトランジスタ160と同様の構成とするの
が好ましい。また、トランジスタ202は、実施の形態1に示すトランジスタ162と同
様の構成とするのが好ましい。また、メモリセル220は、第1の配線SL及び第2の配
線BLと電気的に接続されており、トランジスタ(他のメモリセルを構成するものも含む
。)を介して、第1の配線SL及び第2の配線BLと電気的に接続されるのが好適である

【0199】
図13に示すメモリセル回路は、図10に示したメモリセル回路と比較して、第3の配線
S1と、第4の配線S2の方向が異なる。つまり、図13のメモリセル回路は、第4の配
線S2を第2の配線BL方向(列方向)に配置し、第3の配線S1を第5の配線WL方向
(行方向)に配置する構成としている。
【0200】
図14に、m×nビットの記憶容量を有する本発明の一態様に係る半導体装置のブロック
回路図を示す。ここでは一例として、メモリセル220が直列に接続されたNAND型の
半導体装置を示す。
【0201】
本発明の一態様に係る半導体装置は、m本の第5の配線WL及び第3の配線S1と、n本
の第1の配線SL、第2の配線BL及び第4の配線S2と、2本の第6の配線SELと、
複数のメモリセル220(1、1)〜220(m、n)が縦m個(行)×横n個(列)(
m、nは自然数)のマトリクス状に配置されたメモリセルアレイ230と、第6の配線S
EL(1)に沿って、第2の配線BL(1)〜BL(n)とメモリセル220(1、1)
〜220(1、n)の間に配置されたトランジスタ235(1、1)〜235(1、n)
と、第6の配線SEL(2)に沿って、第1の配線SL(1)〜SL(n)とメモリセル
220(m、1)〜220(m、n)の間に配置されたトランジスタ235(2、1)〜
235(2、n)と、第2の配線及び第4の配線の駆動回路231と、第3の配線及び第
5の配線の駆動回路233と、読み出し回路232といった周辺回路によって構成されて
いる。他の周辺回路として、リフレッシュ回路等が設けられてもよい。
【0202】
図14に示す半導体装置は、図11に示した半導体装置と比較して、第3の配線S1と、
第4の配線S2の方向が異なる。つまり、図14の半導体装置は、第4の配線S2を第2
の配線BL方向(列方向)に配置し、第3の配線S1を第5の配線WL方向(行方向)に
配置する構成としている。
【0203】
各メモリセル220(代表として、メモリセル220(i、j)を考える。ここで、iは
1以上m以下の整数、jは1以上n以下の整数)は、第3の配線S1(i)、第5の配線
WL(i)及び第4の配線S2(j)にそれぞれ接続されている。また、メモリセル22
0(i、j)(iは2〜mの整数)が有するトランジスタ201及びトランジスタ2
03のドレイン電極は、メモリセル220(i−1、j)が有するトランジスタ201
及びトランジスタ203のソース電極に接続され、メモリセル220(i、j)(i
は1〜m−1の整数)が有するトランジスタ201及びトランジスタ203のソース電極
は、メモリセル220(i+1、j)が有するトランジスタ201及びトランジスタ2
03のドレイン電極に接続される。メモリセル220(1、j)が有するトランジスタ2
01及びトランジスタ203のドレイン電極は、トランジスタ235(1、j)のソース
電極に接続され、メモリセル220(m、j)が有するトランジスタ201及びトランジ
スタ203のソース電極は、トランジスタ235(2、j)のドレイン電極に接続される
。トランジスタ235(1、j)のドレイン電極は第2の配線BL(j)に接続され、ト
ランジスタ235(2、j)のソース電極は第1の配線SL(j)に接続される。また、
トランジスタ235(1,j)のゲート電極は、第6の配線SEL(1)に接続され、ト
ランジスタ235(2,j)のゲート電極は、第6の配線SEL(2)に接続される。
【0204】
また、第2の配線BL(1)〜BL(n)及び第4の配線S2(1)〜S2(n)は第2
の配線及び第4の配線の駆動回路231に、第5の配線WL(1)〜WL(m)、第3の
配線S1(1)〜S1(m)及び第6の配線SEL(1)、SEL(2)は第3の配線及
び第5の配線の駆動回路233にそれぞれ接続されている。また、第2の配線BL(1)
〜BL(n)は、読み出し回路232にも接続されている。第1の配線SL(1)〜SL
(n)には電位Vsが与えられている。なお、第1の配線SL(1)〜SL(n)は必ず
しも分離されている必要はなく、互いに電気的に接続されているような構成にしてもよい

【0205】
図14に示した半導体装置の動作について説明する。本構成では、書き込みは列ごと、読
み出しは行ごとに行う。
【0206】
第j列のメモリセル220(1、j)〜220(m,j)に書き込みを行う場合は、第4
の配線S2(j)を2Vとし、選択したメモリセルのトランジスタ202をオン状態とす
る。一方、第j列以外の第4の配線S2は0Vとし、非選択のメモリセルのトランジスタ
202をオフ状態とする。第3の配線S1(1)〜S1(m)は、データ”1”を書き込
む行では2V、データ”0”を書き込む行では0Vとする。なお、書き込み終了にあたっ
ては、第3の配線S1(1)〜S1(m)の電位が変化する前に、第4の配線S2(j)
を0Vとして、選択したメモリセルのトランジスタ202をオフ状態にする。他の配線は
、例えば、第2の配線BL(1)〜BL(n)を0V、第5の配線WL(1)〜WL(m
)を0V、第6の配線SEL(1)、SEL(2)を0V、第1の配線SL(1)〜SL
(n)の電位Vsを0Vとする。
【0207】
その結果、データ”1”の書き込みを行ったメモリセルのトランジスタ201のゲート電
極に接続されるノード(以下、ノードA)の電位は約2V、データ”0”の書き込みを行
ったメモリセルのノードAの電位は約0Vとなる。また、非選択メモリセルのノードAの
電位は変わらない。ここで、トランジスタ202のオフ電流が極めて小さい、あるいは実
質0であることから、トランジスタ201のゲート電極(ノードA)の電位は長時間にわ
たって保持される。
【0208】
第i行のメモリセル220(i、1)〜220(i,n)の読み出しを行う場合は、第6
の配線SEL(1)、SEL(2)を2Vとし、トランジスタ235(1、1)〜235
(2、n)をオン状態とする。第1の配線SL(1)〜SL(n)の電位Vsを0Vとす
る。第2の配線BL(1)〜BL(n)に接続されている読み出し回路232を動作状態
とする。第4の配線S2(1)〜S2(n)を0Vとし、全てのメモリセルのトランジス
タ202をオフ状態とする。第3の配線S1(1)〜S1(m)を0Vとする。
【0209】
そして、第5の配線WL(i)を0V、第i行以外の第5の配線WLを2Vとする。この
とき、第i行のメモリセルのトランジスタ203はオフ状態となる。第i行以外のメモリ
セルのトランジスタ203はオン状態となる。その結果、第i行のメモリセルのトランジ
スタ201がオン状態かオフ状態かでメモリセル列の抵抗状態が決まる。第i行のメモリ
セルのうち、データ”0”を有するメモリセルでは、ノードAが約0Vであるからトラン
ジスタ201はオフ状態となり、メモリセル列が高抵抗状態になる。一方、第i行のメモ
リセルのうち、データ”1”を有するメモリセルでは、ノードAが約2Vであるからトラ
ンジスタ201がオン状態となり、メモリセル列が低抵抗状態になる。その結果、読み出
し回路232は、メモリセルの抵抗状態の違いから、データ”0”,”1”を読み出すこ
とができる。
【0210】
なお、書き込み時において、SOI基板上に薄膜トランジスタを形成した場合など、半導
体装置が基板電位を有さない場合には、第5の配線WL(1)〜WL(m)を2V、第6
の配線SEL(1)または第6の配線SEL(2)を2Vとすることが好ましい。これに
より、第i行のメモリセルのトランジスタ201のソース電極またはドレイン電極の少な
くとも一方を約0Vとすることができる。一方、単結晶半導体基板上にトランジスタを形
成した場合など、半導体装置が基板電位を有する場合には、基板電位を0Vとしておけば
よい。
【0211】
なお、書き込み時の第2の配線BL(1)〜BL(n)は0Vとしたが、第6の配線SE
L(1)が0Vの場合には、フローティング状態や0V以上の電位に充電されていても構
わない。読み出し時の第3の配線S1(1)〜S1(n)は0Vとしたが、フローティン
グ状態や0V以上の電位に充電されていても構わない。
【0212】
なお、データ”1”とデータ”0”は便宜上の定義であって、逆であっても構わない。ま
た、上述した動作電圧は一例である。動作電圧は、データ”0”の場合にトランジスタ2
01がオフ状態となり、データ”1”の場合にトランジスタ201がオン状態となるよう
に、また、書き込み時にトランジスタ202がオン状態、書き込み時以外ではオフ状態と
なるように、また、読み出し時に選択メモリセルのトランジスタ203がオフ状態、非選
択メモリセルのトランジスタ203がオン状態となるように選べばよい。特に、2Vの代
わりに、周辺の論理回路の電源電位VDDを用いてもよい。また、0Vの代わりに、接地
電位GNDを用いてもよい。
【0213】
本実施の形態に係る半導体装置は、トランジスタ202の低オフ電流特性により、極めて
長時間にわたり情報を保持することが可能である。つまり、DRAMなどで必要とされる
リフレッシュ動作が不要であり、消費電力を抑制することができる。また、実質的な不揮
発性の記憶装置として用いることが可能である。
【0214】
また、トランジスタ202のスイッチング動作によって情報の書き込みなどを行うため、
高い電圧を必要とせず、素子の劣化の問題もない。さらに、トランジスタのオン、オフに
よって、情報の書き込みや消去が行われるため、高速な動作も容易に実現しうる。また、
トランジスタに入力する電位を制御することで情報を直接書き換えることが可能である。
このため、フラッシュメモリなどにおいて必要とされる消去動作が不要であり、消去動作
に起因する動作速度の低下を抑制することができる。
【0215】
また、酸化物半導体以外の材料を用いたトランジスタは、酸化物半導体を用いたトランジ
スタと比較して、さらなる高速動作が可能なため、これを用いることにより、記憶内容の
読み出しを高速に行うことが可能である。
【0216】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態2とは異なる半導体装置の回路構成及び動作の一例につい
て説明する。
【0217】
半導体装置が有するメモリセルの回路図の一例を図15に示す。図15に示すメモリセル
240は、第3の配線S1と、第4の配線S2と、第5の配線WLと、トランジスタ20
1と、トランジスタ202と、容量素子204と、から構成されている。トランジスタ2
01は、酸化物半導体以外の材料を用いて形成されており、トランジスタ202は酸化物
半導体を用いて形成されている。ここで、トランジスタ201は、実施の形態1に示すト
ランジスタ160と同様の構成とするのが好ましい。また、トランジスタ202は、実施
の形態1に示すトランジスタ162と同様の構成とするのが好ましい。また、メモリセル
240は、第1の配線SL及び第2の配線BLと電気的に接続されており、トランジスタ
(他のメモリセルを構成するものも含む)を介して、第1の配線SL及び第2の配線BL
と電気的に接続されるのが好適である。
【0218】
ここで、トランジスタ201のゲート電極と、トランジスタ202のソース電極またはド
レイン電極の一方と、容量素子204の電極の一方とは、電気的に接続されている。また
、第1の配線SLと、トランジスタ201のソース電極とは、電気的に接続され、トラン
ジスタ201のドレイン電極と、第2の配線BLとは、電気的に接続されている。そして
、トランジスタ202のソース電極またはドレイン電極の他方と、第3の配線S1とは、
電気的に接続され、第4の配線S2と、トランジスタ202のゲート電極とは、電気的に
接続され、第5の配線WLと、容量素子204の電極の他方とは、電気的に接続されてい
る。なお、第1の配線SLと、トランジスタ201のソース電極とは、トランジスタ(他
のメモリセルを構成するものも含む)を介して接続されていてもよい。また、第2の配線
BLと、トランジスタ201のドレイン電極とは、トランジスタ(他のメモリセルを構成
するものも含む)を介して接続されていてもよい。
【0219】
図16に、m×nビットの記憶容量を有する本発明の一態様に係る半導体装置のブロック
回路図を示す。ここでは一例として、メモリセル240が直列に接続されたNAND型の
半導体装置を示す。
【0220】
本発明の一態様に係る半導体装置は、m本の第5の配線WL及び第4の配線S2と、n本
の第1の配線SL、第2の配線BL及び第3の配線S1と、2本の第6の配線SEL(1
)、SEL(2)と、複数のメモリセル240(1、1)〜240(m、n)が縦m個(
行)×横n個(列)(m、nは自然数)のマトリクス状に配置されたメモリセルアレイ2
50と、第6の配線SEL(1)に沿って、第2の配線BL(1)〜BL(n)とメモリ
セル240(1、1)〜240(1、n)の間に配置されたトランジスタ255(1、1
)〜255(1、n)と、第6の配線SEL(2)に沿って、第1の配線SL(1)〜S
L(n)とメモリセル240(m、1)〜240(m、n)の間に配置されたトランジス
タ255(2、1)〜255(2、n)と、第2の配線及び第3の配線の駆動回路251
と、第4の配線及び第5の配線の駆動回路253と、読み出し回路252といった周辺回
路によって構成されている。他の周辺回路として、リフレッシュ回路等が設けられてもよ
い。
【0221】
各メモリセル240(代表として、メモリセル240(i、j)を考える。ここで、iは
1以上m以下の整数、jは1以上n以下の整数である。)は、第3の配線S1(j)、第
4の配線S2(i)及び第5の配線WL(i)にそれぞれ接続されている。また、メモリ
セル240(i、j)(iは2〜mの整数)が有するトランジスタ201のドレイン
電極は、メモリセル240(i−1、j)が有するトランジスタ201のソース電極に
接続され、メモリセル240(i、j)(iは1〜m−1の整数)が有するトランジ
スタ201のソース電極は、メモリセル240(i+1、j)が有するトランジスタ2
01のドレイン電極に接続される。メモリセル240(1、j)が有するトランジスタ2
01のドレイン電極は、トランジスタ255(1、j)のソース電極に接続され、メモリ
セル240(m、j)が有するトランジスタ201のソース電極は、トランジスタ255
(2、j)のドレイン電極に接続される。トランジスタ255(1、j)のドレイン電極
は第2の配線BL(j)に接続され、トランジスタ255(2、j)のソース電極は第1
の配線SL(j)に接続される。
【0222】
また、第2の配線BL(1)〜BL(n)及び第3の配線S1(1)〜S1(n)は第2
の配線及び第3の配線の駆動回路251に、第5の配線WL(1)〜WL(m)、第4の
配線S2(1)〜S2(m)及び第6の配線SEL(1)、SEL(2)は第4の配線及
び第5の配線の駆動回路253にそれぞれ接続されている。また、第2の配線BL(1)
〜BL(n)は、読み出し回路252にも接続されている。第1の配線SL(1)〜SL
(n)には電位Vsが与えられている。なお、第1の配線SL(1)〜SL(n)は必ず
しも分離されている必要はなく、互いに電気的に接続されているような構成にしてもよい

【0223】
図16に示した半導体装置の動作について説明する。本構成では、行ごとの書き込みおよ
び読み出しを行う。
【0224】
第i行のメモリセル240(i、1)〜240(i,n)に書き込みを行う場合は、第4
の配線S2(i)を2Vとし、第i行のメモリセルのトランジスタ202をオン状態とす
る。一方、第i行以外の第4の配線S2は0Vとし、第i行以外のメモリセルのトランジ
スタ202をオフ状態とする。第3の配線S1(1)〜S1(n)は、データ”1”を書
き込む列では2V、データ”0”を書き込む列では0Vとする。なお、書き込み終了にあ
たっては、第3の配線S1(1)〜S1(n)の電位が変化する前に、第4の配線S2(
i)を0Vとして、選択したメモリセルのトランジスタ202をオフ状態にする。他の配
線は、例えば、第2の配線BL(1)〜BL(n)を0V、第5の配線WL(1)〜WL
(m)を0V、第6の配線SEL(1)、SEL(2)を0V、第1の配線SL(1)〜
SL(n)の電位Vsを0Vとする。
【0225】
その結果、データ”1”の書き込みを行ったメモリセルのトランジスタ201のゲート電
極に接続されるノード(以下、ノードA)の電位は約2V、データ”0”の書き込みを行
ったメモリセルのノードAの電位は約0Vとなる。また、非選択メモリセルのノードAの
電位は変わらない。ここで、トランジスタ202のオフ電流が極めて小さい、あるいは実
質0であることから、トランジスタ201のゲート電極(ノードA)の電位は長時間にわ
たって保持される。
【0226】
第i行のメモリセル240(i、1)〜240(i,n)の読み出しを行う場合は、第6
の配線SEL(1)、SEL(2)を2Vとし、トランジスタ255(1、1)〜255
(2、n)をオン状態とする。第1の配線SL(1)〜SL(n)の電位Vsを0Vとす
る。第2の配線BL(1)〜BL(n)に接続されている読み出し回路252を動作状態
とする。第4の配線S2(1)〜S2(m)を0Vとし、全てのメモリセルのトランジス
タ202をオフ状態とする。第3の配線S1(1)〜S1(n)を0Vとする。
【0227】
そして、第5の配線WL(i)を0V、第i行以外の第5の配線WLを2Vとする。ここ
で、第5の配線WL(i)を0V、第i行以外の第5の配線WLを2Vとした場合の、ト
ランジスタ201の状態について説明する。トランジスタ201の状態を決めるノードA
の電位は、第5の配線WL−ノードA間容量C1と、トランジスタ201のゲート−ソー
ス及びドレイン間容量C2に依存する。図17には、第5の配線WLの電位とノードAの
電位の関係を示す。ここでは、一例として、トランジスタ201がオフ状態でC1/C2
>>1、オン状態でC1/C2=1であるとする。また、トランジスタ201のしきい値
電圧を0.5Vとする。図17より、第5の配線WLの電位が0Vのときには、データ”
0”を有するメモリセルでは、ノードAが約0Vのためトランジスタ201はオフ状態と
なり、データ”1”を有するメモリセルでは、ノードAが約2Vのためトランジスタ20
1がオン状態となる。一方、第5の配線WLの電位が2Vのときには、データ”0”を有
するメモリセルではノードAが約1.25V、データ”1”を有するメモリセルでは、ノ
ードAが約3Vとなり、データ”0”、”1”に関わらずトランジスタ201がオン状態
となる。従って、第5の配線WL(i)を0V、第i行以外の第5の配線WLを2Vとし
た場合、第i行のメモリセルでデータ”0”を有するメモリセル列は高抵抗状態になるが
、データ”1”を有するメモリセル列は低抵抗状態になる。読み出し回路252は、メモ
リセルの抵抗状態の違いから、データ”0”,”1”を読み出すことができる。
【0228】
なお、書き込み時の第2の配線BL(1)〜BL(n)は0Vとしたが、第6の配線SE
L(1)が0Vの場合には、フローティング状態や0V以上の電位に充電されていても構
わない。読み出し時の第3の配線S1(1)〜S1(n)は0Vとしたが、フローティン
グ状態や0V以上の電位に充電されていても構わない。
【0229】
なお、データ”1”とデータ”0”は便宜上の定義であって、逆であっても構わない。ま
た、上述した動作電圧は一例である。動作電圧は、書き込み時にトランジスタ202がオ
ン状態、書き込み時以外ではオフ状態となるように、また、読み出し時にデータ”0”の
選択メモリセルのトランジスタ201がオフ状態、データ”1”の選択メモリセルのトラ
ンジスタ201がオン状態、非選択メモリセルのトランジスタ201がオン状態となるよ
うに選べばよい。特に2Vの代わりに、周辺の論理回路の電源電位VDDを用いてもよい
。また、0Vの代わりに、接地電位GNDを用いてもよい。
【0230】
次に、本発明の一態様に係る半導体装置の回路構成及び動作の他の一例について説明する

【0231】
半導体装置が有するメモリセル回路の一例を図18に示す。図18に示すメモリセル26
0は、第3の配線S1と、第4の配線S2と、第5の配線WLと、トランジスタ201と
、トランジスタ202と、容量素子204と、から構成されている。トランジスタ201
は、酸化物半導体以外の材料を用いて構成されており、トランジスタ202は酸化物半導
体を用いて形成されている。ここで、トランジスタ201は、実施の形態1に示すトラン
ジスタ160と同様の構成とするのが好ましい。また、トランジスタ202は、実施の形
態1に示すトランジスタ162と同様の構成とするのが好ましい。また、メモリセル26
0は、第1の配線SL及び第2の配線BLと電気的に接続されており、トランジスタ(他
のメモリセルを構成するものも含む。)を介して、第1の配線SL及び第2の配線BLと
電気的に接続されるのが好適である。
【0232】
図18に示すメモリセル回路は、図15のメモリセル回路と比較して、第3の配線S1と
第4の配線S2の方向が異なる。つまり、図18のメモリセルでは第4の配線S2を第2
の配線BL方向(列方向)に配置し、第3の配線S1を第5の配線WL方向(行方向)に
配置する構成としている。
【0233】
また、m×nビットの記憶容量を有する本発明の一態様に係る半導体装置のブロック回路
図は、図14に示したブロック回路図のメモリセルに、図18のメモリセル260を適用
すればよい。メモリセル260の動作に合わせて、駆動回路の駆動電圧とタイミングを設
定すれば、図14に示したブロック回路図と同様に、列ごとの書き込みおよび行ごとの読
み出しを行うことができる。
【0234】
本実施の形態に係る半導体装置は、トランジスタ202の低オフ電流特性により、極めて
長時間にわたり情報を保持することが可能である。つまり、DRAMなどで必要とされる
リフレッシュ動作が不要であり、消費電力を抑制することができる。また、実質的な不揮
発性記憶装置として用いることが可能である。
【0235】
また、トランジスタ202のスイッチング動作によって情報の書き込みなどを行うため、
高い電圧を必要とせず、素子の劣化の問題もない。さらに、トランジスタのオン、オフに
よって、情報の書き込みや消去が行われるため、高速動作も容易に実現しうる。また、ト
ランジスタに入力する電位を制御することで情報を直接書き換えることが可能である。こ
のため、フラッシュメモリなどにおいて必要とされる消去動作が不要であり、消去動作に
起因する動作速度の低下を抑制することができる。
【0236】
また、酸化物半導体以外の材料を用いたトランジスタは、酸化物半導体を用いたトランジ
スタと比較して、さらなる高速動作が可能なため、これを用いることにより、記憶内容の
読み出しを高速に行うことが可能である。
【0237】
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態2または実施の形態3とは異なる半導体装置の回路構成及
び動作の一例について説明する。
【0238】
本発明の一態様に係る半導体装置が有するメモリセルの回路図の一例を図19に示す。
【0239】
図19に示すメモリセル280は、図10のメモリセル回路と比較して、ノードAと第1
の配線SLとの間に容量素子205を有する構成としている。このような容量素子205
を有することで、保持特性が改善する。
【0240】
図19に示すメモリセル回路の動作は、図10に示したメモリセル回路の動作と同様であ
るため、詳細な説明は省略する。
【0241】
(実施の形態5)
本発明の一態様に係る半導体装置が有する読み出し回路の一例について図20を用いて説
明する。
【0242】
図20に示す読み出し回路は、トランジスタ206と差動アンプを有する。
【0243】
読み出し時には、端子Aは読み出しを行うメモリセルが接続された第2の配線BLに接続
される。トランジスタ206のソース電極またはドレイン電極のいずれかに電位Vddが
印加される。また、トランジスタ206のゲート電極にはバイアス電圧Vbiasが印加
され、所定の電流を流す。
【0244】
メモリセルは格納するデータ”1”/”0”に応じて抵抗が異なる。具体的には、選択し
たメモリセルのトランジスタ201がオン状態の場合には低抵抗状態となり、選択したメ
モリセルのトランジスタ201がオフ状態の場合には高抵抗状態となる。
【0245】
メモリセルが高抵抗状態の場合、端子Aの電位が参照電位Vrefより高くなり、差動ア
ンプの出力からはデータ”1”が出力される。一方、メモリセルが低抵抗状態場合、端子
Aの電位が参照電位Vrefより低くなり、差動アンプの出力からはデータ”0”が出力
される。
【0246】
このようにして、読み出し回路は、メモリセルからデータを読み出すことができる。なお
、本実施の形態の読み出し回路は一例である。他の公知の回路を用いても良い。例えば、
プリチャージ回路を有しても良い。参照電位Vrefの代わりに参照用の第2の配線BL
が接続される構成でも良い。差動アンプの代わりに、ラッチ型センスアンプを用いても良
い。
【0247】
本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み
合わせて用いることができる。
【0248】
(実施の形態6)
本実施の形態では、先の実施の形態で得られる半導体装置を搭載した電子機器の例につい
て図21を用いて説明する。先の実施の形態で得られる半導体装置は、電力の供給がない
場合でも、情報を保持することが可能である。また、書き込み、消去に伴う劣化が生じな
い。さらに、その動作も高速である。このため、当該半導体装置を用いて新たな構成の電
子機器を提供することが可能である。なお、先の実施の形態に係る半導体装置は、集積化
されて回路基板などに実装され、各電子機器の内部に搭載されることになる。
【0249】
図21(A)は、先の実施の形態に係る半導体装置を含むノート型のパーソナルコンピュ
ータであり、本体301、筐体302、表示部303、キーボード304などによって構
成されている。本発明の一態様に係る半導体装置をノート型のパーソナルコンピュータに
適用することで、電力の供給がない場合でも、情報を保持することが可能である。また、
書き込み、消去に伴う劣化が生じない。さらに、その動作も高速である。このため、本発
明の一態様に係る半導体装置をノート型のパーソナルコンピュータに適用することは好適
である。
【0250】
図21(B)は、先の実施の形態に係る半導体装置を含む携帯情報端末(PDA)であり
、本体311には表示部313と、外部インターフェイス315と、操作ボタン314等
が設けられている。また操作用の付属品としてスタイラス312がある。本発明の一態様
に係る半導体装置をPDAに適用することで、電力の供給がない場合でも、情報を保持す
ることが可能である。また、書き込み、消去に伴う劣化が生じない。さらに、その動作も
高速である。このため、本発明の一態様に係る半導体装置をPDAに適用することは好適
である。
【0251】
図21(C)には、先の実施の形態に係る半導体装置を含む電子ペーパーの一例として、
電子書籍320を示す。電子書籍320は、筐体321および筐体323の2つの筐体で
構成されている。筐体321および筐体323は、軸部337により一体とされており、
該軸部337を軸として開閉動作を行うことができる。このような構成により、電子書籍
320は、紙の書籍のように用いることが可能である。本発明の一態様に係る半導体装置
を電子ペーパーに適用することで、電力の供給がない場合でも、情報を保持することが可
能である。また、書き込み、消去に伴う劣化が生じない。さらに、その動作も高速である
。このため、本発明の一態様に係る半導体装置を電子ペーパーに適用することは好適であ
る。
【0252】
筐体321には表示部325が組み込まれ、筐体323には表示部327が組み込まれて
いる。表示部325および表示部327は、続き画面を表示する構成としてもよいし、異
なる画面を表示する構成としてもよい。異なる画面を表示する構成とすることで、例えば
右側の表示部(図21(C)では表示部325)に文章を表示し、左側の表示部(図21
(C)では表示部327)に画像を表示することができる。
【0253】
また、図21(C)では、筐体321に操作部などを備えた例を示している。例えば、筐
体321は、電源331、操作キー333、スピーカー335などを備えている。操作キ
ー333により、頁を送ることができる。なお、筐体の表示部と同一面にキーボードやポ
インティングデバイスなどを備える構成としてもよい。また、筐体の裏面や側面に、外部
接続用端子(イヤホン端子、USB端子、またはACアダプタおよびUSBケーブルなど
の各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成としてもよい
。さらに、電子書籍320は、電子辞書としての機能を持たせた構成としてもよい。
【0254】
また、電子書籍320は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい。無線により、電
子書籍サーバから、所望の書籍データなどを購入し、ダウンロードする構成とすることも
可能である。
【0255】
なお、電子ペーパーは、情報を表示するものであればあらゆる分野に適用することが可能
である。例えば、電子書籍以外にも、ポスター、電車などの乗り物の車内広告、クレジッ
トカード等の各種カードにおける表示などに適用することができる。
【0256】
図21(D)は、先の実施の形態に係る半導体装置を含む携帯電話機である。当該携帯電
話機は、筐体340および筐体341の二つの筐体で構成されている。筐体341は、表
示パネル342、スピーカー343、マイクロフォン344、ポインティングデバイス3
46、カメラ用レンズ347、外部接続端子348などを備えている。また、筐体340
は、当該携帯電話機の充電を行う太陽電池セル349、外部メモリスロット350などを
備えている。また、アンテナは筐体341に内蔵されている。本発明の一態様に係る半導
体装置を携帯電話機に適用することで、電力の供給がない場合でも、情報を保持すること
が可能である。また、書き込み、消去に伴う劣化が生じない。さらに、その動作も高速で
ある。このため、本発明の一態様に係る半導体装置を携帯電話機に適用することは好適で
ある。
【0257】
表示パネル342はタッチパネル機能を備えており、図21(D)には映像表示されてい
る複数の操作キー345を点線で示している。なお、当該携帯電話は、太陽電池セル34
9で出力される電圧を各回路に必要な電圧に昇圧するための昇圧回路を実装している。ま
た、上記構成に加えて、非接触ICチップ、小型記録装置などを内蔵した構成とすること
もできる。
【0258】
表示パネル342は、使用形態に応じて表示の方向が適宜変化する。また、表示パネル3
42と同一面上にカメラ用レンズ347を備えているため、テレビ電話が可能である。ス
ピーカー343およびマイクロフォン344は音声通話に限らず、テレビ電話、録音、再
生などが可能である。さらに、筐体340と筐体341はスライドし、図21(D)のよ
うに展開している状態から重なり合った状態とすることができ、携帯に適した小型化が可
能である。
【0259】
外部接続端子348はACアダプタやUSBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能であ
り、充電やデータ通信が可能になっている。また、外部メモリスロット350に記録媒体
を挿入し、より大量のデータの保存および移動に対応できる。また、上記機能に加えて、
赤外線通信機能、テレビ受信機能などを備えたものであってもよい。
【0260】
図21(E)は、先の実施の形態に係る半導体装置を含むデジタルカメラである。当該デ
ジタルカメラは、本体361、表示部(A)367、接眼部363、操作スイッチ364
、表示部(B)365、バッテリー366などによって構成されている。本発明の一態様
に係る半導体装置をデジタルカメラに適用することで、電力の供給がない場合でも、情報
を保持することが可能である。また、書き込み、消去に伴う劣化が生じない。さらに、そ
の動作も高速である。このため、本発明の一態様に係る半導体装置をデジタルカメラに適
用することは好適である。
【0261】
図21(F)は、先の実施の形態に係る半導体装置を含むテレビジョン装置である。テレ
ビジョン装置370では、筐体371に表示部373が組み込まれている。表示部373
により、映像を表示することが可能である。なお、ここでは、スタンド375により筐体
371を支持した構成を示している。
【0262】
テレビジョン装置370の操作は、筐体371が備える操作スイッチや、別体のリモコン
操作機380により行うことができる。リモコン操作機380が備える操作キー379に
より、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部373に表示される映像を操作
することができる。また、リモコン操作機380に、当該リモコン操作機380から出力
する情報を表示する表示部377を設ける構成としてもよい。本発明の一態様に係る半導
体装置をテレビジョン装置に適用することで、電力の供給がない場合でも、情報を保持す
ることが可能である。また、書き込み、消去に伴う劣化が生じない。さらに、その動作も
高速である。このため、本発明の一態様に係る半導体装置をテレビジョン装置に適用する
ことは好適である。
【0263】
なお、テレビジョン装置370は、受信機やモデムなどを備えた構成とするのが好適であ
る。受信機により、一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介して
有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信
者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うこ
とが可能である。
【0264】
本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み
合わせて用いることができる。
【符号の説明】
【0265】
100 基板
102 保護層
104 半導体領域
106 素子分離絶縁層
108 ゲート絶縁層
110 ゲート電極
112 絶縁層
114 不純物領域
116 チャネル形成領域
118 サイドウォール絶縁層
120 高濃度不純物領域
122 金属層
124 金属化合物領域
126 層間絶縁層
128 層間絶縁層
130a ソース電極またはドレイン電極
130b ソース電極またはドレイン電極
130c 電極
132 絶縁層
134 導電層
136a 電極
136b 電極
136c 電極
136d ゲート電極
138 ゲート絶縁層
140 酸化物半導体層
142a ソース電極またはドレイン電極
142b ソース電極またはドレイン電極
144 保護絶縁層
146 層間絶縁層
148 導電層
150a 電極
150b 電極
150c 電極
150d 電極
150e 電極
152 絶縁層
154a 電極
154b 電極
154c 電極
154d 電極
160 トランジスタ
162 トランジスタ
200 メモリセル
201 トランジスタ
202 トランジスタ
203 トランジスタ
204 容量素子
205 容量素子
206 トランジスタ
210 メモリセルアレイ
211 第2の配線及び第3の配線の駆動回路
212 読み出し回路
213 第4の配線及び第5の配線の駆動回路
215 トランジスタ
220 メモリセル
230 メモリセルアレイ
231 第2の配線及び第4の配線の駆動回路
232 読み出し回路
233 第3の配線及び第5の配線の駆動回路
235 トランジスタ
240 メモリセル
250 メモリセルアレイ
251 第2の配線及び第3の配線の駆動回路
252 読み出し回路
253 第4の配線及び第5の配線の駆動回路
255 トランジスタ
260 メモリセル
280 メモリセル
301 本体
302 筐体
303 表示部
304 キーボード
311 本体
312 スタイラス
313 表示部
314 操作ボタン
315 外部インターフェイス
320 電子書籍
321 筐体
323 筐体
325 表示部
327 表示部
331 電源
333 操作キー
335 スピーカー
337 軸部
340 筐体
341 筐体
342 表示パネル
343 スピーカー
344 マイクロフォン
345 操作キー
346 ポインティングデバイス
347 カメラ用レンズ
348 外部接続端子
349 太陽電池セル
350 外部メモリスロット
361 本体
363 接眼部
364 操作スイッチ
365 表示部(B)
366 バッテリー
367 表示部(A)
370 テレビジョン装置
371 筐体
373 表示部
375 スタンド
377 表示部
379 操作キー
380 リモコン操作機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の配線と、
第2の配線と、
第3の配線と、
第4の配線と、
第5の配線と、を有し、
前記第1の配線と、前記第2の配線との間には、複数のメモリセルが直列に接続され、
前記複数のメモリセルの一は、
第1のゲート、第1のソース、および第1のドレインを有する第1のトランジスタと、
第2のゲート、第2のソース、および第2のドレインを有する第2のトランジスタと、
容量素子と、を有し、
前記第1のトランジスタは、半導体材料を含む基板に設けられたチャネル形成領域を有し、
前記第2のトランジスタは、酸化物半導体を含んで構成され、
前記第1のトランジスタのゲートは、前記第2のトランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのゲートは、前記容量素子の一方の電極と電気的に接続され、
前記第1の配線は、前記第1のトランジスタのソースと電気的に接続され、
前記第2の配線は、前記第1のトランジスタのドレインと電気的に接続され、
前記第3の配線は、前記第2のトランジスタのソース又はドレインの他方と電気的に接続され、
前記第4の配線は、前記第2のトランジスタのゲートと電気的に接続され、
前記第5の配線は、前記容量素子の他方の電極と電気的に接続された半導体装置。
【請求項2】
前記半導体装置は、
第6の配線と、
第7の配線と、
第4のトランジスタと、
第5のトランジスタと、を有し、
前記第6の配線は、前記第4のトランジスタのゲートと電気的に接続され、
前記第7の配線は、前記第5のトランジスタのゲートと電気的に接続され、
前記第2の配線は、前記第4のトランジスタを介して、前記第1のトランジスタのドレインと電気的に接続され、
前記第1の配線は、前記第5のトランジスタを介して、前記第1のトランジスタのソースと電気的に接続された請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記酸化物半導体は、インジウムとガリウムと亜鉛を含む、請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2013−48007(P2013−48007A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−200318(P2012−200318)
【出願日】平成24年9月12日(2012.9.12)
【分割の表示】特願2010−239850(P2010−239850)の分割
【原出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】