説明

基板処理装置

【課題】撥水面を有する洗浄処理後の基板に対し気体を噴出して液切り乾燥させる場合に、基板表面にウォータマークが発生することを確実に防止できる装置を提供する。
【解決手段】基板搬送方向に対して交差するように、基板Wの主面へその幅方向全体にわたって気体を噴出して基板上から液体を除去するエアナイフ32を配設し、エアナイフより基板搬送方向における後方に、基板搬送方向に対して交差するように、基板の主面へその幅方向全体にわたって液体をカーテン状に吐出する液体ノズル34、36を配設する。液体ノズル34のエアナイフ32側に、下端が基板Wの主面と近接するように基板の幅方向全体にわたって板状カバー38を取着し、板状カバーにより、液体ノズルからカーテン状に吐出される液体が基板搬送方向における前方へ流動するのをせき止め、エアナイフから噴出する気体による水膜40の乱れを抑える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液晶表示装置(LCD)用、プラズマディスプレイ(PDP)用、有機発光ダイオード(OLED)用、電界放出ディスプレイ(FED)用、真空蛍光ディスプレイ(VFD)用等のガラス基板、磁気/光ディスク用のガラス/セラミック基板、半導体ウエハ、電子デバイス基板等の各種の基板に対して、エッチング処理等の湿式処理を行った後に水洗等の洗浄処理を行って乾燥処理する基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばLCD、PDP等のデバイスの製造プロセスにおいて、ガラス基板の主面へフッ酸等の薬液を供給してエッチング処理等の湿式処理を行った後に、純水等の洗浄液を使用して基板を洗浄処理し、その後に基板を乾燥処理する場合、基板面に付着した洗浄液を液切りして除去する乾燥装置が使用される。すなわち、ローラコンベアによって搬送される基板の搬送路を挟んでその上・下両側に、スリット状の噴出口を有する一対の気体ノズル(以下、「エアナイフ」という)を基板搬送方向と交差するように配設し、そのエアナイフから基板の幅方向全体にわたって空気、不活性ガス等の気体を噴出して、洗浄処理後の基板面に付着している洗浄液を基板面から除去するようにしている。
【0003】
ところで、例えば低温ポリシリコンTFT(薄膜トランジスタ)の製造工程においては、アモルファスシリコン(a−Si)やポリシリコン(p−Si)などを成膜した基板が用いられるが、この基板をフッ酸で処理した場合、a−Si(もしくはp−Si)堆積部の表面上の自然酸化膜がエッチングされることによって撥水面が現れる。この撥水面を有する基板を純水で水洗処理した後に、エアナイフを使用して液切りしたとき、次のような問題を生じる。すなわち、基板面が撥水性であるため、水洗処理後の基板の表面には表面張力によって洗浄水が水滴状に残る。この状態でエアナイフから基板に対し気体を噴出すると、基板上で水滴が転がって、ウォータマーク発生の原因となる。この問題は、ローラコンベアによって基板を水平面に対し傾斜姿勢に支持して搬送するときでも基板を水平姿勢に支持して搬送するときでも起こり得る。
【0004】
上記した問題点を解消するために、水洗部の下流側に設けられる液切り部内にエア供給ノズル(エアナイフ)を設け、そのエア供給ノズルの上流側に液体供給ノズルを設けて、水洗部での水洗を終えた基板の上面へその全幅にわたって液体供給ノズルから純水を供給し、基板上面の全幅にわたって純水が載せられた状態でエアナイフによる液切りを行うようにする基板処理装置が提案されている。この装置によると、基板の表面が撥水性の場合でも、その上面から純水が均等に除去され、液切り後のむらが防止されることとなる(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−124182号公報(第3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来の装置では、エアナイフの上流側に設けられた液体供給ノズルから基板の上面へ吐出された純水が上流側(エアナイフが設けられている方向)にも流動して、撥水性を有する基板の上面で水滴が生成される可能性がある。また、液体供給ノズルから基板の上面へ純水が供給されることによって形成された水膜が、エアナイフから噴出される気体により乱されて部分的に途切れる可能性もある。この結果、ウォータマークの発生を完全には防止することができない、といった問題点がある。
【0006】
この発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、洗浄処理後の基板に対し気体を噴出して液切りし基板を乾燥させる場合において、基板の表面が撥水面であっても、基板表面にウォータマークが発生することを確実に防止することができる基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、主面が撥水性である洗浄処理後の基板を一方向へ搬送する基板搬送手段と、基板搬送方向に対して交差するように配設され、前記基板搬送手段によって搬送される基板の主面へその幅方向全体にわたって気体を噴出し基板上から液体を除去する気体ノズルと、を備えた基板処理装置において、前記気体ノズルより基板搬送方向における後方に、基板搬送方向に対して交差するように配設され、基板の主面へその幅方向全体にわたって液体をカーテン状に吐出する液体ノズルと、この液体ノズルの前記気体ノズル側に、下端が基板の主面と近接するように基板の幅方向全体にわたって設けられ、液体ノズルからカーテン状に吐出される液体が基板搬送方向における前方へ流動するのをせき止めるとともに、気体ノズルから噴出する気体による基板上の液面の乱れを抑えるカバーと、をさらに備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の基板処理装置において、前記液体ノズルより基板搬送方向における後方に、基板の主面へその幅方向全体にわたって液体をカーテン状に吐出する第2の液体ノズルを基板搬送方向に対して交差するように配設し、前記液体ノズルおよび前記第2の液体ノズルからのそれぞれの液体の吐出流量を、両液体ノズル間における基板上の液膜が途切れないように調整することを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の基板処理装置において、前記基板搬送手段が、基板を水平面に対し基板搬送方向と直交する方向に傾斜させた姿勢に支持して水平方向へ搬送するローラコンベアであって、前記気体ノズルを、前記ローラコンベアによって支持された基板の主面に平行となるように水平面に対し傾斜して、かつ、基板搬送方向と直交する方向に対し低部側が基板搬送方向における前方側へ開くように平面視で斜めに配置し、前記液体ノズルを、前記ローラコンベアによって支持された基板の主面に平行となるように水平面に対し傾斜して、かつ、基板搬送方向と直交する方向に対し低部側が基板搬送方向における前方側へ開くように平面視で斜めに配置したことを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の基板処理装置において、前記気体ノズルと前記液体ノズルとを平行に配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明の基板処理装置においては、洗浄処理後の基板上に表面張力によって洗浄液が水滴状に残っていても、液体ノズルから基板の主面へ液体がカーテン状に吐出されることにより、液滴の付着していた部分にも液膜が形成される。そして、撥水性の基板の主面上に液膜が形成された状態で、気体ノズルから基板の主面へ気体が噴出されて液切りされるので、基板面から液体が均等に除去される。このため、基板表面にウォータマークが発生することが防止される。さらに、液体ノズルの気体ノズル側に、下端が基板の主面と近接するように基板の幅方向全体にわたってカバーが設けられているので、液体ノズルからカーテン状に吐出される液体が前方へ流動するのがせき止められる。このため、ウォータマーク発生の原因となる液滴が基板上で生成される心配が無くなる。また、気体ノズルから噴出される気体の流れがカバーによって遮断されるので、基板上に形成された液膜面の乱れが抑えられる。このため、基板上に形成された液膜が部分的に途切れる心配が無くなる。
したがって、請求項1に係る発明の基板処理装置を使用すると、洗浄処理後の基板を液切りして乾燥させる場合において、基板の表面が撥水面であっても、基板表面にウォータマークが発生することを確実に防止することができる。
【0012】
請求項2に係る発明の基板処理装置では、液体ノズルと第2の液体ノズルとの間において基板上に形成された液膜が途切れる恐れが全く無いので、請求項1に係る発明の上記効果がより確実に得られる。
【0013】
請求項3に係る発明の基板処理装置では、基板を水平面に対し傾斜させた姿勢に支持して搬送しながら液切り乾燥を行う場合に、基板の表面が撥水面であっても、基板表面にウォータマークが発生することを確実に防止することができる。
【0014】
請求項4に係る発明の基板処理装置では、特に基板を水平姿勢に支持して搬送しながら液切り乾燥を行う場合に、基板の表面が撥水面であっても、基板表面にウォータマークが発生することを確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の最良の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1ないし図4は、この発明の実施形態の1例を示し、図1は、基板処理装置における乾燥処理部を水洗処理部と共に模式的に示す側面図であり、図2は、その乾燥処理部を示す概略斜視図であり、図3は、その乾燥処理部の概略側面図であり、図4は、その乾燥処理部の概略平面図である。
【0016】
この基板処理装置は、図示していない薬液処理部、例えばエッチング処理部の後段側に隣接して、置換水洗部(第1水洗部)、第2水洗部および直水洗部1を順に連設して構成された水洗処理部を設け(図1には直水洗部1のみを図示している)、直水洗部1の後段側に隣接して乾燥処理部2を設けて構成されている。エッチング処理部では、基板、例えばa−Siを成膜した基板をローラコンベアによって水平方向へ搬送しながら、スプレーノズルから基板の上面へフッ酸を含むエッチング液が吐出される。この処理により、a−Si堆積部の表面上の自然酸化膜がエッチングされて基板の上面に撥水面が現れる。
【0017】
エッチング処理後の基板は、置換水洗部、第2水洗部および直水洗部1へと順次搬送されて、洗浄水により水洗される。各水洗部は、それぞれ同様の構成を備えているが、乾燥処理部2の前段側に隣接して設けられた直水洗部1について簡単に説明すると、直水洗部1は、基板搬入口12および基板搬出口14を有する直水洗槽10、この直水洗槽10内へ搬入されてきた基板Wを、水平面に対し基板搬送方向と直交する方向に傾斜させた姿勢に支持して直水洗槽10内を水平方向へ搬送するローラコンベア(図示せず)、ならびに、直水洗槽10内を水平方向へ搬送される基板Wの上・下両面へそれぞれ洗浄水を吐出する上部スプレーノズル18および下部スプレーノズル20などを備えている。上部スプレーノズル18および下部スプレーノズル20は、基板搬送方向に沿ってかつ互いに平行にそれぞれ複数本設けられ、各スプレーノズル18、20には、基板搬送方向に複数個の吐出口が一列に形設されている。上部スプレーノズル18および下部スプレーノズル20には、純水の供給源に流路接続された純水供給管(図示せず)が連通接続されている。直水洗槽10の底部には、直水洗槽10の内底部に流下した使用済みの洗浄水を排出するための排水管22が設けられており、直水洗槽10内から排水管22を通して排出された使用済みの洗浄水は、第2水洗部へ送られて再使用される。
【0018】
乾燥処理部2は、基板搬入口26および基板搬出口28を有する乾燥処理槽24、この乾燥処理槽24内へ搬入されてきた基板Wを、水平面に対し基板搬送方向と直交する方向に傾斜、例えば0〜45°に傾斜させた姿勢に支持して乾燥処理槽24内を水平方向へ搬送する複数本の搬送ローラ30から構成されたローラコンベア、ローラコンベアによって搬送される基板Wの搬送路を挟んでその上・下両側に配設された一対の気体ノズル(以下、「エアナイフ」という)32、32などを備えている。なお、図1、図3および図4ではローラコンベアの図示を省略している。また、図1および図3では、便宜上、基板Wを水平姿勢に支持した状態で図示している。さらに、図2および図3では、上側のエアナイフのみを図示して下側のエアナイフの図示を省略しており、以下の説明においても上側のエアナイフ32に関して主に説明する。
【0019】
エアナイフ32は、その長手方向に沿ってスリット状の噴出口が形設されており、そのスリット状噴出口から基板Wの幅方向全体にわたって気体、例えば空気を、例えば0.10MPa程度の圧力で噴出する。このエアナイフ32は、図2に示すように、ローラコンベアによって支持された基板Wの上面に平行となるように水平面に対し基板搬送方向と直交する方向に傾斜して配設されている。また、エアナイフ32は、図4に示すように、基板搬送方向に対して交差するように、この実施形態では、基板搬送方向と直交する方向に対し低部側が基板搬送方向における前方側へ開くように斜めに、例えば基板搬送方向と直交する方向に対し0〜45°の角度をなすように斜めに配置されている。さらに、エアナイフ32は、そのスリット状吐出口から基板搬送方向における上流側に向かって空気を噴出するように、基板Wの上面と垂直な面に対し、例えば20°〜30°程度傾けて保持されている。そして、基板Wの搬送路の上側であって、エアナイフ32より基板搬送方向における後方に、液体、例えば純水をカーテン状に吐出する液体ノズル34(以下、「下流側液体ノズル34」という)が配設され、その下流側液体ノズル34よりさらに基板搬送方向における後方に、同じく純水をカーテン状に吐出する第2の液体ノズル36(以下、「上流側液体ノズル36」という)が配設されている。なお、図1および図3では、解りやすくするために、エアナイフ32および両液体ノズル34、36の手前側端面だけを図示して奥行き方向の図示をしていない。
【0020】
下流側液体ノズル34および上流側液体ノズル36はそれぞれ、その長手方向に沿ってスリット状の吐出口(あるいは一列に並んだ多数の微小吐出口)が形設されており、そのスリット状吐出口から基板Wの幅方向全体にわたって純水をカーテン状に吐出する。1例として、エアナイフ32から噴出する空気流量を700L/minに設定したときに、各液体ノズル34、36から吐出される純水流量をそれぞれ20L/minに設定する。下流側液体ノズル34は、図2に示すように、ローラコンベアによって支持された基板Wの上面に平行となるように水平面に対し基板搬送方向と直交する方向に傾斜して配設されている。また、下流側液体ノズル34は、図4に示すように、基板搬送方向と直交する方向に対し低部側が基板搬送方向における前方側へ開くように斜めに、例えば基板搬送方向と直交する方向に対し0〜45°の角度をなすように斜めに配置されている。なお、図示例では、基板搬送方向と直交する方向に対する下流側液体ノズル34の傾斜角度は、エアナイフ32より小さくなるように設定されているが、下流側液体ノズル34の傾斜角度をエアナイフ32の傾斜角度と同じに、すなわち下流側液体ノズル34をエアナイフ32と平行にするのが好ましい。そして、この下流側液体ノズル34には、エアナイフ32側の側面に、下端が基板Wの上面と近接するように基板Wの幅方向全体にわたって板状カバー38が取着されている。また、上流側液体ノズル36も、図2に示すように、ローラコンベアによって支持された基板Wの上面に平行となるように水平面に対し基板搬送方向と直交する方向に傾斜して配設されており、また、図4に示すように、基板搬送方向と直交する方向に対し低部側が基板搬送方向における前方側へ開くように斜めに、例えば基板搬送方向と直交する方向に対し0〜45°の角度をなすように斜めに配置されている。図示例では、基板搬送方向と直交する方向に対する上流側液体ノズル36の傾斜角度は、下流側液体ノズル34より小さくなるように設定されている。
【0021】
上記した構成を有する乾燥処理部2においては、直水洗槽10での仕上げ水洗を終えた基板Wが乾燥処理槽24内へ搬入されてくると、上流側液体ノズル36から基板Wの上面へその幅方向全体にわたって純水がカーテン状に吐出され、さらに、下流側液体ノズル34から基板Wの上面へその幅方向全体にわたって純水がカーテン状に吐出される。これにより、図3および図4に示すように、基板Wの上面にその幅方向全体にわたって純水の水膜40が形成される。このため、直水洗槽10から搬送されてきた基板W上の撥水性表面に表面張力によって純水が水滴状に残っていても、その水滴は液体ノズル34、36から吐出される純水と一緒になって一様の水膜40となる。このとき、下流側液体ノズル34および上流側液体ノズル36からのそれぞれの純水の吐出流量を、両液体ノズル34、36間における基板W上の水膜40が途切れないように予め適切に調整しておくようにする必要がある。
【0022】
続いて、上記したように水膜40が形成された基板Wの上面上へその幅方向全体にわたってエアナイフ32から空気が噴出される。これにより、基板Wの上面が均等に液切りされて基板Wの上面から純水が完全に除去される。なお、この際、基板Wの下面にも下側のエアナイフ32から空気が噴出されるので、同時に基板Wの下面も液切りされて基板Wの下面からも純水が完全に除去される。この場合、基板Wの上面に水滴が付着した状態で液切りが行われる、といったことがないので、基板Wの表面にウォータマークが発生することが防止される。
【0023】
さらにこの装置では、下流側液体ノズル34のエアナイフ32側の側面に板状カバー38が取着されており、その板状カバー38の下端が基板Wの幅方向全体にわたって基板Wの上面と近接しているので、下流側液体ノズル34からカーテン状に吐出される純水が前方(エアナイフ32が設置された方向)へ流動するのが板状カバー38によってせき止められる。このため、ウォータマーク発生の原因となる水滴が基板W上で生成される恐れが無い。また、エアナイフ32から噴出される空気の流れが板状カバー38によって遮断されるので、基板Wの上面に形成された水膜40の膜面の乱れが抑えられる。このため、基板Wの上面に形成された水膜40が部分的に途切れる心配が無い。したがって、基板Wの表面でのウォータマークの発生がより確実に防止される。
【0024】
上記した実施形態では、下流側液体ノズル34および上流側液体ノズル36の2つ液体ノズルを設けるようにしたが、図5に概略平面図を示すように、板状カバー44が取着された1つの液体ノズル42だけを設けるようにしてもよい。この場合でも、液体ノズル42からカーテン状に吐出される純水の流量を、基板Wの上面に形成される水膜46が途切れないように適切に調整しておくことにより、上記した装置と同等の効果が得られる。また、3つ以上の液体ノズルを設けるようにしても差し支えない。
【0025】
また、上記した実施形態では、液体ノズル34、36を基板搬送方向と直交する方向に対し平面視で斜めに配置したが、基板Wを傾斜姿勢で搬送するときの、水平面に対する基板Wの傾斜角度が大きくなるほど、図6に概略平面図を示すように、基板搬送方向と直交する方向に対して液体ノズル48がなす角度を0°に近付ける、すなわち、基板搬送方向と直交する方向に液体ノズル48を配設するようにするとよい。この場合にも、液体ノズル48のエアナイフ32側の側面に板状カバー50を取着する。
【0026】
さらに、上記実施形態では、ローラコンベアによって基板Wを傾斜姿勢に支持して水平方向へ搬送するようにしたが、基板Wを水平姿勢に支持して水平方向へ搬送するようにしてもよい。この場合には、図7に概略平面図を示すように、板状カバー54が取着された液体ノズル52を平面視でエアナイフ32と平行に配設することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の実施形態の1例を示し、基板処理装置における乾燥処理部を水洗処理部と共に模式的に示す側面図である。
【図2】図1に示した乾燥処理部の概略斜視図である。
【図3】図1に示した乾燥処理部の概略側面図である。
【図4】図1に示した乾燥処理部の概略平面図である。
【図5】この発明の別の実施形態を示す乾燥処理部の概略平面図である。
【図6】この発明のさらに別の実施形態を示す乾燥処理部の概略平面図である。
【図7】この発明のさらに別の実施形態を示す乾燥処理部の概略平面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 直水洗部
2 乾燥処理部
10 直水洗槽
24 乾燥処理槽
30 搬送ローラ
32 気体ノズル(エアナイフ)
34、36、42、48、52 液体ノズル
38、44、50、54 板状カバー
40、46 水膜
W 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主面が撥水性である洗浄処理後の基板を一方向へ搬送する基板搬送手段と、
基板搬送方向に対して交差するように配設され、前記基板搬送手段によって搬送される基板の主面へその幅方向全体にわたって気体を噴出し基板上から液体を除去する気体ノズルと、
を備えた基板処理装置において、
前記気体ノズルより基板搬送方向における後方に、基板搬送方向に対して交差するように配設され、基板の主面へ基板の幅方向全体にわたって液体をカーテン状に吐出する液体ノズルと、
この液体ノズルの前記気体ノズル側に、下端が基板の主面と近接するように基板の幅方向全体にわたって設けられ、液体ノズルからカーテン状に吐出される液体が基板搬送方向における前方へ流動するのをせき止めるとともに、気体ノズルから噴出する気体による基板上の液面の乱れを抑えるカバーと、
をさらに備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記液体ノズルより基板搬送方向における後方に、基板の主面へその幅方向全体にわたって液体をカーテン状に吐出する第2の液体ノズルが基板搬送方向に対して交差するように配設され、
前記液体ノズルおよび前記第2の液体ノズルからのそれぞれの液体の吐出流量が、両液体ノズル間における基板上の液膜が途切れないように調整されることを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の基板処理装置において、
前記基板搬送手段は、基板を水平面に対し基板搬送方向と直交する方向に傾斜させた姿勢に支持して水平方向へ搬送するローラコンベアであり、
前記気体ノズルは、前記ローラコンベアによって支持された基板の主面に平行となるように水平面に対し傾斜して、かつ、基板搬送方向と直交する方向に対し低部側が基板搬送方向における前方側へ開くように平面視で斜めに配置され、
前記液体ノズルは、前記ローラコンベアによって支持された基板の主面に平行となるように水平面に対し傾斜して、かつ、基板搬送方向と直交する方向に対し低部側が基板搬送方向における前方側へ開くように平面視で斜めに配置されたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記気体ノズルと前記液体ノズルとが平行に配置されたことを特徴とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−103383(P2010−103383A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−275083(P2008−275083)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】