説明

過給器を備えるエンジン

【課題】サージング限界を見極めることによってエンジンを効率良く運転する。
【解決手段】タービン42軸上に複数の羽根45を備えるコンプレッサー41とタービン42からなる過給機40を有するエンジン1において、前記タービン42軸または羽根45上に少なくとも一つの指標44を設け、前記指標44の回転と複数の羽根45の回転とをそれぞれ検知するターボ角速度センサー62を設けてECU60と接続し、タービン軸の一回転あたり複数のパルスを得て角速度を演算するターボ角速度演算手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過給器を備える電子噴射制御式エンジンにおいて、過給機の角速度の変化を検知し、過給機がサージング域に入らないようにエンジンを制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンは、吸入する空気の質量を増せば、燃焼する燃料も増加でき出力を増すことができる。過給機は、外気を圧縮し空気の密度を増してシリンダー内に導く装置である。例えば、ターボ・チャージャーは、排気の持つエネルギーにてタービンを回し、コンプレッサーで過給する過給機として良く知られている。
【0003】
過給機を使用するエンジンにおいては、通常の過給機であっても、可変容量式の過給機(VGT)であっても、サージング領域によって過給圧が制限される。サージングは、遠心・軸流送風機又は圧縮機等を管路につないで風量を絞って運転するとき、振動が発生し、風量、風圧及び回転速度が変動し、甚だしいときには運転不能になる現象である。
サージング領域は、過給機の特性を圧力と風量とからなる圧力曲線で表したとき、高回転・低風量領域に存在する。このサージング領域境界をサージング限界と称している。サージング限界は、圧力の高低、羽根車の設計又は過給機の機種等によって異なるものである。
【0004】
過給機の運転状態がサージング限界を超えたとき、給気圧の変動又は圧力波振動による異常音が発生し、ひいてはコンプレッサー振動による損傷に至る場合がある。通常、エンジンは製品として性能ばらつきが存在するため、エンジン噴射量は、サージング限界からスリッページ(余裕代)を設けた領域にて運転するように制御されている。エンジンにとってスリッページの必要性は、重要な低速トルク向上の制限となっていた。
【0005】
従来、サージング状態に陥ったときに、過給圧センサー等を用いて噴射量を制限する方法は公知である。しかし、この方法は、実際にサージングが発生しない限り、噴射量を制限することができない。つまり、実際にサージングが起こり不快な吸気音や過給機振動が発生することに変わりはない。この方法では信頼性の観点から問題がある。
【0006】
例えば、特許文献1は、過給機の圧力変動又はターボ回転数センサーからターボ回転数を測定し過給機の制御に用いる手段を開示している。しかし、ターボ回転数を検出するのみの特許文献1記載の手段は、サージングが発生する回転数を踏まえてスリッページを小さくすることはできるが、スリッページを完全になくすことができない。また、EGR遮断時又は加減速時等の過渡時にターボ特有のオーバースピンが発生した場合、誤判定する又は急激に噴射量が増減することも考えられるため、実用面では課題が残る。
また、特許文献1のターボ回転数センサーは、センサーがシャフトから信号を受け取るので1回転に1信号しか計測できない。つまり、回転変動を伴うターボサージングの検知は困難である。さらに、特許文献1のターボ回転数センサーは、信号にノイズが発生した場合を考慮して周波数分析を行ないピーク出力の高い点を回転数と定義している。このため、フィルタリングを行なう結果となるために、瞬時の回転変動を検出することは不可能である。
【特許文献1】特開2003−240788号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
つまり、公知技術及び特許文献1のターボ回転数センサーではターボサージングの限界点を捉えることは困難であるため、スリッページが必要とされ、エンジン及び過給機を効率よく運転できないのが現状である。
そこで、解決しようとする課題は、サージング限界を見極めることによってエンジンを効率良く運転することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、タービン軸上に複数の羽根を備えるコンプレッサーとタービンからなる過給機を有するエンジンにおいて、前記タービン軸または羽根上に少なくとも一つの指標手段を設け、前記指標手段の回転と複数の羽根の回転とをそれぞれ検知する検知手段を設けて制御手段と接続し、タービン軸の一回転あたり複数のパルスを得て角速度を演算するターボ角速度演算手段を備えるものである。
【0010】
請求項2においては、請求項1記載のターボ角速度検出手段において、前記検知手段により得られたパルスの大きさをターボ角速度として算出し、前記ターボ角速度が一定であればターボ回転数(ターボ平均角速度)を算出するものである。
【0011】
請求項3においては、請求項2記載のターボ角速度検出手段において、前記ターボ角速度を、該ターボ角速度の絶対値とする又はターボ平均角速度の相対値とする制御手段、を備えたものである。
【0012】
請求項4においては、請求項1乃至3のいずれかに記載のエンジンであって、前記ターボ角速度振幅値が所定閾値を超えた場合は前記過給機がサージング領域に接近したと判断する過給機サージング検出手段を備えたものである。
【0013】
請求項5においては、請求項4に記載のエンジンであって、エンジン負荷を検出するエンジン負荷検出手段と、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、エンジン負荷とエンジン回転数とに基づき前記ターボ角速度の所定閾値を記憶した適正角速度振幅値マップと、前記ターボ角速度が、前記適正角速度振幅値を超えた場合は、前記過給機の運転がサージング領域に接近したと判断する制御手段、を備えたものである。
【0014】
請求項6においては、請求項4又は5に記載のエンジンであって、過給機の運転がサージング領域に接近したと判断した場合は、燃料噴射量、燃料噴射圧力又は燃料噴射時期のうち少なくとも一つを排気流量が減少するように制御するサージング回避手段を備えたものである。
【0015】
請求項7においては、請求項1乃至3のいずれかに記載のエンジンであって、エンジン負荷を検出するエンジン負荷検出手段と、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、エンジン負荷とエンジン回転数によりあらかじめ設定された適正ターボ回転数閾値と、前記エンジン負荷検出手段によるエンジン負荷と前記エンジン回転数検出手段によるエンジン回転数とに基づくエンジン状態での前記ターボ角速度検出手段によるターボ回転数が、前記適正ターボ回転数閾値外であれば異常と判断する過給機故障検知手段と、を備えたものである。
【0016】
請求項8においては、請求項1乃至3のいずれかに記載のエンジンであって、排気ガス還流システムと、前記ターボ角速度検出手段によるターボ回転数に基づいて排気ガス還流システムの還流量を制御する排気ガス還流量制御手段と、を備えたものである。
【0017】
請求項9においては、請求項1乃至3のいずれかに記載のエンジンであって、前記エンジン回転数検出手段と、前記エンジン回転数検出手段によるエンジン回転数と前記ターボ角速度検出手段によるターボ回転数とに基づいて、異常を検知したとき、任意の時間内にエンジン回転数及び負荷を減少させるディフレーティング手段と、を備えたものである。
【0018】
請求項10においては、請求項1乃至3のいずれかに記載のエンジンであって、少なくとも2つ以上の気筒と、ある気筒に異常が発生すれば該気筒の運転を停止して、該気筒以外の残気筒で運転を継続する減筒運転手段と、前記減筒運転時には前記ターボ角速度検出手段によるターボ回転数に基づいて前記残気筒の燃料噴射量、燃料噴射圧力又は燃料噴射時期のうち少なくとも一つの制御を行なう減筒運転時燃料噴射制御手段と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0020】
請求項1においては、過給器の1回転中における角速度の変化を容易に検出することができる。また、羽根に指標手段を施すことでターボ角速度を一つの検知手段で適確に検出することができ、コスト低減化が図れる。
【0021】
請求項2においては、請求項1の効果に加え、ターボ角速度検出手段と従来のターボ角速度検出手段を兼用できる。つまり、角速度検出手段の汎用性を向上でき、コストを低減できる。
【0022】
請求項3においては、請求項2の効果に加え、算出したターボ角速度の値を他の制御にも容易に利用することができて、汎用性が向上できる。
【0023】
請求項4においては、請求項1乃至3の効果に加え、ターボ角速度が変動したことでサージング限界へ接近したことを判断できる。つまり、サージング領域に対してスリッページをとる必要がない、または、サージング領域との境界許容範囲をできるだけ小さくすることができるため、エンジンを効率良く運転できる。
【0024】
請求項5においては、請求項4の効果に加え、サージング領域の判断が従来よりも格段に向上でき、エンジン状態に応じたサージング回避ができる。つまり、エンジンの操作性を向上できる。
【0025】
請求項6においては、請求項4または5の効果に加え、ターボ運転がサージング境界に接近したならば、直ちに燃料噴射制御することでサージング領域での運転を回避できる。つまり、サージング領域に入る前に回避対応できエンジンの信頼性を向上できる。
【0026】
請求項7においては、請求項1乃至3の効果に加え、ターボ異常の診断が簡単に行えるようになり、ターボ運転の信頼性を向上できる。
【0027】
請求項8においては、請求項1乃至3の効果に加え、ターボ回転数がEGR量に比例(システムによっては反比例)することから、エンジンの操作性を向上できる。
また、温度センサーや圧力センサーと比較してEGR量に比例する回転数を検出するためEGR量に対する応答性が良いので、エンジンの制御性を向上できる。
【0028】
請求項9においては、請求項1乃至3の効果に加え、負荷をターボ回転数にて代替することで、ディレーティング運転の際に回転数及び負荷に基づいたディレーティング運転が可能である。つまり、負荷を考慮しながらディレーティングを行えるのでエンジンの安全性を向上できる。
【0029】
請求項10においては、請求項1乃至3の効果に加え、負荷をターボ回転数にて代替することで、欠筒運転の際に負荷に基づいた燃料噴射制御が可能である。つまり、エンジンの安全性を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施例に係る過給機を備えた4気筒ディーゼルエンジンのシステムを示す構成図、図2は本発明の実施例に係る過給機のコンプレッサーの構成を示す断面構成図、図3は本発明に係るターボ角速度検出装置の構成を示す構成図である。
図4はパルスに対するパルス間隔の変化を示すグラフ図、図5はパルスに対するパルス間隔の別の変化を示すグラフ図、図6は風量と圧力の相関よりサージング領域を示すグラフ図である。
図7はエンジン回転数とエンジン負荷とに基づく適正なターボ角速度を示すマップ図、図8はサージング回避制御のフローを示すフロー図、図9はエンジン回転数とエンジン負荷とに基づく適正な燃料噴射量を示すマップ図である。
図10はエンジン回転数とエンジン負荷とに基づく適正なターボ回転数範囲を示すマップ図、図11は過給機故障検知制御のフローを示すフロー図、図12はターボ回転数とEGR量との相関を示すグラフ図である。
図13はEGRシステムであるLPLシステムの構成を示す構成図、図14はLPLシステムにおけるターボ回転数とEGR量との相関を示すグラフ図、図15はディレーティング手段におけるエンジン回転数及びターボ回転数と時間との相関を示すグラフ図である。
図16はディレーティング手段におけるエンジン回転数及びターボ回転数と加速度との相関を示すグラフ図、図17は減筒運転中の4気筒ディーゼルエンジンのシステムを示す構成図である。
【0031】
まず、本発明の実施例として、過給機40を備えた4気筒ディーゼルエンジン1について説明する。
図1に示すように、ディーゼルエンジン1(以下、単にエンジンと称す)は、4個の気筒91・92・93・94を備えた4気筒エンジンである。エンジン1は、第1気筒91、第2気筒92、第3気筒93及び第4気筒94の各気筒より構成されている。
各気筒91〜94は、それぞれに燃料噴射用のインジェクタ81・82・83・84が配置されている。燃料は、燃料タンク(図示なし)に接続されたサプライポンプ2からコモンレール3にて蓄圧され、各インジェクタ81〜84に供給される。コモンレール3は、圧力調整弁4又はリリーフ配管(図示なし)への還流燃料を調整することで、コモンレール52内の燃料圧力が目標となる燃料噴射圧力とされるように調整可能である。
【0032】
また、エンジン1の吸気系統について説明する。吸気マニホールド(インテークマニホード)10は、エンジン1の一側に配置されている。また、吸気マニホールド10は、吸気通路11の下流側に接続されている。吸気通路11は、エアーフィルタ13、過給機40に備えられたコンプレッサー41及びインタークーラー12を介して吸気マニホールド10まで構成されている。このようにして、外気は、吸気通路11に導入され吸気マニホールド10により各気筒91〜94に供給される。さらに、インタークーラー12より下流の吸気通路11内にはスロットルバルブ5が配置されている。
【0033】
さらに、エンジン1の排気系統について説明する。排気マニホールド(エキゾーストマニホールド)20が、エンジン1の吸気マニホールド10の対向側に配置されている。また、排気マニホールド20は、排気通路21の上流側に接続されている。排気通路21は、排気浄化フィルタ22及び過給機40に備えられたタービン42を介して排気マニホールド20まで構成されている。排気浄化フィルタ22には触媒23が担持されている。このようにして、排気ガスは、各気筒91〜94より排気マニホールド20を介して排気通路21に導入され、外部へ流出される。
【0034】
ここで、エンジン1に設けられた排気ガス再循環装置(以下、単にEGR装置と称す)50について説明する。EGR装置50は、排気ガスの一部を吸気側に還流して窒素酸化物(NOx)を低減する装置である。EGR装置は、吸気通路11及び排気通路21に接続されている。また、EGR通路51は、排気マニホールド20とスロットルバルブ5より下流の吸気通路11とを接続している。EGR通路51は、排気マニホールド20を出たEGRガス(排気ガス)を冷却するEGR用クーラー52及びEGRガスの還流量を調整するEGRバルブ53より構成されている。
【0035】
次に、エンジン1を全体的に制御する制御手段となるEngine Control Unit(ECU)60について説明する。ECU60は、CPU、RAM及びROMなどを備え、予めプログラム及びマップ等が記憶されている。ECU60は、センサー類の信号に基づいて各種の演算処理を行ない、各アクチュエータに制御信号を指令する制御装置である。また、ECU60は、予め記憶されたプログラムの補正手段ともなりうる。
図1に示すように、本実施例では、エンジン1の状態を検出するセンサーとして、コモンレール3の圧力を検出するコモンレール圧力センサー61、過給機40のコンプレッサー41のターボ回転数及びターボ角速度を検出するターボ角速度センサー62、エンジン負荷等を検出するアクセル開度センサー63、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサー64がECU60に接続されている。また、エンジン1を制御するアクチュエータとして、各インジェクタ(ソレノイド)81〜84、サプライポンプ2、圧力調製弁(ソレノイド)4及びEGRバルブ(ソレノイド)53がECU60に接続されている。
【0036】
ここで、本発明に係わるターボ角速度センサー62の構成について詳細に説明する。図1に示すように、過給機40は、タービン軸上に複数の羽根を設けた排気タービン42と複数の羽根を設けたコンプレッサー41を設けて筐体内に回転自在に収納され、排気通路21に配置されたタービン42と吸気通路11に配置されたコンプレッサー41とが一体的に同方向に回転される構成とされている。このような構成とすることで、排気ガスによって駆動されたタービン42がコンプレッサー41を駆動し、圧縮した空気を送り酸素量を増加させることができる。
図2に示すように、ターボ角速度センサー62は、タービン軸の一回転あたり複数のパルスを得て角速度を演算するターボ角速度演算手段としている。即ち、過給機40のコンプレッサー41側の外郭43に設けられている。ターボ角速度センサー62は、高感度のギャップセンサーであってアルミ材に反応する。また、コンプレッサー41の羽根45a・45b・45c・・・45hには、各羽根45それぞれに一つアルミ製の指標44が施されている。本実施例では、8枚の羽根45に1つの指標44を施している。このような構成とすることで、ターボ角速度センサー62は、コンプレッサー41の羽根45が通過する度に、指標44を検知し羽根45の通過(回転数)を検出できる。
【0037】
次に、ターボ角速度センサー62の検出について詳細に説明する。図3に示すように、TTL(Transistor−Transistor Logic)変換アンプ65は、ECU60に組み込まれた変換手段である。TTL変換は、1や0のような情報を、電気パルスのような物理的実体に変換する。TTL変換は、具体的には、2進数1を+5V又は3.3Vに変換し、2進数0を0Vの電圧に変換する。つまり、電圧の高低にて電気信号の伝達を行なう。本実施例のコンプレッサー41は8枚の羽根45を備えているので、1回転につき8パルスの信号を含んだ電気的信号がECU70に伝達される。このようにして、ターボ角速度センサー62の指標44の検知は、TTL変換アンプ65によりパルス信号に変換され、ECU70に伝達される。
【0038】
次に、ターボ角速度及びターボ回転数の算出について説明する。ECU70は、ターボ角速度センサー62で検出しTTL変換されたパルス間隔を角速度又は平均回転数に演算する。図4及び5に示すように、ECU60は、横軸にパルス数、縦軸にパルス数に対するパルス間隔を示し、ターボ角速度の変化を算出している。すなわち、ECU60は、ターボ角速度を無次元化して算出している。
ここで、図4に示すように、ECU60は、ターボ角速度ωに変動があれば(後述するように過給機40の運転がサージング領域に近接したような場合)は、振幅値ωcを算出する。また、ECU60は、振幅値ωcを後述する平均角速度ωm(図4参照)に対する相対値として算出しても良いし、そのまま絶対値ωcとして算出しても良い。
さらに、図5に示すように、ECU60は、ターボ角速度ωが一定すなわちコンプレッサー41に回転変動が無ければ、振幅値ωcは一定となる。この場合は、ECU60は、ωcを積分したものを平均角速度ωmすなわちターボ回転数Ntとして算出する。
【0039】
このようして、ターボ角速度ωを無次元化することは、通常の時間に対してターボ角速度を求める手段に比較して以下の利点が得られる。すなわち、従来、例えばターボ平均回転数を算出する場合には、回転数N=パルス周波数F/羽根枚数Zの演算が必要であった。このため、コンプレッサーの羽根枚数が変わる毎に演算設定が必要とされた。本発明のターボ角速度センサー62は、角速度を無次元化していることから、羽根枚数に影響なく角速度の算出が可能である。また、パルス数に対するパルス間隔のみにて角速度ωを算出するので、従来手段に比較して演算速度を向上できる。
【0040】
ここで、過給機40の運転中に発生するサージングについて簡単に説明する。サージングは、送風機等を管路につないで風量を絞って運転するとき、振動を起こし、風量、風圧及び回転速度が変動し、甚だしい時は運転不能になる現象である。
図6に示すように、サージングが発生するサージング領域は、過給機40において、過給機40の特性を圧力と風量とからなる圧力曲線で表した場合に高圧・低風量領域に存在する(図6中領域α)。このサージング領域境界をサージング限界(図6中の実線A)と称している。サージング限界は、圧力の高低、羽根車の設計又は過給機の機種等によって異なるものである。
過給機40の運転状態がサージング限界を超えサージング領域に入ると、給気圧の変動や圧力波振動による異常音が発生し、ひいてはコンプレッサー振動による損傷に至る場合もある。通常、エンジン1は、製品として性能ばらつきが存在するため、エンジン噴射量は、サージング限界から余裕代(スリッページ)をとった限界(例えば図6中破線B)にて運転するように制御されている。つまり、過給機40を使用するエンジン1では、サージング領域及びサージング境界のスリッページによって過給圧が制限されている。サージング領域によって過給圧が制限される過給機は、従来の通常の過給機であっても、可変容量式の過給機(VGT)であっても同様である。
【0041】
次に、ターボ角速度検出手段を用いたサージング検知手段について説明する。サージング検知手段は、ターボ角速度センサー62を用いて、サージング領域に近接したことを検知する検知手段である。図7に示すように、ECU60は、エンジン1のエンジン負荷及びエンジン回転数からなるエンジン状態に応じた適正な角速度振幅値ωaを、それぞれのエンジン負荷及びエンジン回転数毎にマップとして予め記憶している。適正な角速度振幅値ωaは、過給機40のサージング境界での角速度振幅値より所定の余裕率を設けて設定されている。この記憶されたマップを、適正角速度振幅値マップ71と定義する。
このような構成とすることで、ECU60は、現在の過給機40のターボ角速度センサー62により検出される角速度振幅値ωLを、現在のアクセル開度センサー63によるエンジン負荷及びエンジン回転数センサー64によるエンジン回転数に基づき予め記憶された適正角速度振幅値マップ71より得られる適正な角速度振幅値ωaと比較することができる。
過給機40は、サージング領域において、激しい圧力変動及びコンプレッサー41自体の大きい震動を伴いながら、回転変動を発生する。この回転変動は、サージング境界に近接すると発生する。つまり、現在の過給機40の角速度振幅値ωcが適正な角速度振幅値ωa以上であれば、過給機40がサージング境界に近接したことを検知できる。
このようにして、過給機40の角速度振幅値を常時検出し、適正角速度振幅値マップ71と比較することで、過給機40がサージング領域に近接することを直前で検知できる。このサージング検知手段の特色は、従来のようにスリッページを考慮する必要がないことである。つまり、過給機40は、サージング境界に近接するまで運転可能であるため、過給機40の運転性能が向上できる。これらを踏まえ、エンジン1は効率良く運転ができる。
【0042】
ここで、過給機40がサージング検知手段においてサージング境界に近接した場合に、過給機40の運転をサージング領域より回避するサージング回避手段について説明する。過給機40がサージング領域に近接した場合は、燃料噴射量を減少する又は噴射時期を進角することで、排気エネルギーを減少させる必要がある。
図8に示すように、燃料噴射を減少させるサージング回避制御100について具体的に説明する。ECU60は、ターボ角速度センサー62より角速度振幅値ωcを検出する(S101)。また、ECU60は、エンジン回転数センサー64よりエンジン回転数Neを、アクセル開度センサー63よりエンジン負荷Acを検出し、このエンジン回転数Ne及びエンジン負荷Acから適正な角速度振幅値ωaを算出する(S102)。ここで、ECU60は、比較計算値D(D=ωc−ωa)を算出し、角速度振幅値ωcと適正な角速度振幅値ωaとを比較する(S103)。ECU60は、比較計算値Dが0以上であれば(S104)、燃料噴射量Qを減少させ(S105)、0以下であればそのままサージング回避制御を終了する(S106)。
サージング回避手段は、本実施例においては、サージング回避手段を燃料噴射量としたが、本実施例に限定されるものではない。例えば、サージング回避手段を、コモンレール3の燃料噴射圧を減少させる又は燃料噴射時期を進角させる等の排気エネルギーを減少させる手段とすることも可能である。サージング回避手段は、ターボ角速度センサー62よりサージング境界に近接したことを検知し、排気エネルギーを減少させる手段を実施すれば本実施例同様の効果が得られる。このようにして、エンジン1は、サージング回避手段を用いることで信頼性を向上できる。
【0043】
さらに、サージング回避手段によるサージング回避後の燃料噴射制御補正手段について説明する。燃料噴射制御補正手段は、サージング回避手段によって変更した燃料噴射量、燃料噴射圧力又は燃料噴射時期のうち変更したものに応じて補正する手段である。通常、ECU60は、図9に示すように、エンジン1のエンジン負荷Ac及びエンジン回転数Neからなるエンジン状態に応じた適正な燃料噴射量Qを、それぞれのエンジン負荷Ac及びエンジン回転数Ne毎にマップとして予め記憶している。この記憶されたマップを、適正燃料噴射量マップ72と定義する。
ECU60は、サージング回避手段において燃料噴射量Qを減少させた場合は、この適正燃料噴射量マップ72を補正する。補正手段は、減少させた燃料噴射量Qをそのまま書き換える補正手段であっても、減少させた燃料噴射量Qに余裕率を加味してさらに減少させた値を書き換える補正手段であっても良い。また、補正範囲は、適正燃料噴射量マップ72全体を補正する補正手段であっても、サージング回避手段が実行されたエンジン負荷Ac及びエンジン回転数Neからなるエンジン状態のみであっても良い。
このようにして、サージング回避手段で施された回避手段は記憶されるため、エンジン1の信頼性を向上することができる。なお、本実施例では適正燃料噴射量マップ72についての補正手段としたが、サージング回避手段が燃料噴射圧を減少させる又は燃料噴射時期を進角させる手段であれば、それらの回避手段に応じたマップを補正するようにする。
【0044】
ここで、ターボ角速度検出手段を用いた過給機故障検知手段について説明する。過給機故障検知手段は、ターボ角速度センサー62を用いて過給機40の故障を検知する故障検知手段である。ECU60は、図10に示すように、エンジン1のエンジン負荷Ac及びエンジン回転数Neからなるエンジン状態に応じた適正なターボ回転数Ntの範囲を、それぞれのエンジン負荷Ac及びエンジン回転数Ne毎にマップとして予め記憶している。この記憶されたマップを、適正ターボ回転数範囲マップ73と定義する。
図11に示すように、過給機故障検知手段としての過給機故障検知制御(S200)を、適正ターボ回転数範囲マップ73を用いて具体的に説明する。ECU60は、ターボ角速度センサー62よりターボ回転数Ntを検出する(S201)。また、ECU60は、エンジン回転数センサー64よりエンジン回転数Neを、アクセル開度センサー63よりエンジン負荷Acを検出し、このエンジン回転数Ne及びエンジン負荷Acから適正なターボ回転数範囲Na〜Nbを算出する(S202)。ここで、ECU60は、ターボ回転数Ntが適正なターボ回転数範囲Na〜Nb以内であれば(S203)、正常と判断して過給機故障検知制御を終了し(S204)、ターボ回転数範囲Na〜Nbの範囲にない場合は異常と判断する(S205)。
また、ECU60は、ターボ角速度センサー62を用いてターボサージング以外の異常、例えば、気筒内への燃料混入や噴射量の異常やターボ焼付きも診断することが可能である。このような異常が発生すると、気筒内への燃料混入の異常の場合は、ターボ回転数が増加し、噴射量が異常となるとターボ回転数が増減し、ターボが焼付くとターボ回転数が減少するので、それぞれの回転数異常範囲を記憶しておくことで、前記と同様のフローで異常を検知することができる。このようにして、エンジン1の信頼性を向上できる。
【0045】
また、ターボ角速度検出手段を用いたEGR量制御手段について説明する。図1に示すように、本実施例は、エンジン1にEGR装置50が設けられている。EGR量は、吸気側に還流して窒素酸化物(NOx)を低減する排気ガス量である。
図12に示すように、EGR量は、ターボ回転数と比例することが分かっている。EGR量制御手段は、このEGR量とターボ回転数との相関(比例)を予め記憶しておくことで、EGR量を制御する制御手段である。つまり、ターボ角速度センサー62によるターボ回転数をEGR量の代替とする。本実施例は、具体的制御内容について特に限定しない。例えば、窒素酸化物(NOx)の低減を目的として、所定のEGR量を必ず還流させる等の制御も可能である。
このような構成とすることで、従来のλセンサー又はエアフローセンサーを用いたEGR量の検出手段に比較して以下の利点が得られる。すなわち、λセンサー又はエアフローセンサーは、例えば船舶等に搭載されるエンジンにおいて海上雰囲気にさらされるため、塩害を被り信頼性が低かった。また、排気ガスを直接計測する圧力センサー等は制御精度が悪かった。本発明のEGR量制御手段は、過給機内部に設けられるターボ角速度センサー62のみにてEGR量を検出できるため、その他のセンサーが不要である。また、ターボ角速度センサー62によるEGR量の代替えは、温度や圧力を検出するよりも精度良くEGR量を検出できる。このようにして、エンジン1の制御性を向上できる。
【0046】
ここで、図1に示すEGRシステムとは異なったEGRシステムについて説明する。図13に示すように、LPL(Low Pressure Loop)システム9は、排気通路21において過給機40よりも下流にEGR装置50が設けられている。LPLシステム9は、排気通路21において過給機40とEGRバルブ53との間に、排気浄化フィルタ22及び触媒23を構成している。また、LPLシステム9は、吸気通路において過給機40の下流側にインタークーラー12を構成している。
図14に示すように、このような構成のEGRシステムにおいて、EGR量は、ターボ回転数と反比例することが分かっている。EGR量制御手段は、このEGR量とターボ回転数との相関(反比例)を予め記憶しておくことで、EGR量を制御することができる。
このようにして、LPLシステム9のようにEGRシステムの構成が異なっている場合であっても、EGR量制御手段は同様の効果を得ることができる。
【0047】
次に、ターボ角速度検出手段を用いたディレーティング手段について説明する。一般的には、ディレーティングは、安全余裕を与えて偶発的な過大ストレスによる故障の可能性を低減するという手法である。ここでは、エンジン1が異常発生のため停止するまでの停止手段として考える。以下に、エンジン1に何らかのエラーが発生し、エンジン1を停止しなければならない場合のディレーティング手段について説明する。
図15に示すように、ECU60は、ディレーティング手段として、時間変化によるエンジン負荷の減少及びエンジン回転数の減少を実施する。このとき、エンジン負荷の減少については、過給機40のターボ回転数の減少として代替する。つまり、ECU60は、ターボ角速度センサー62とエンジン回転数センサー64とに基づき、所定時間内にてエンジン負荷及びエンジン回転数を減速させて停止させる。
【0048】
さらに、別のターボ角速度検出手段を用いたディレーティング手段について説明する。図16に示すように、ECU60は、ディレーティング手段として、例えば船舶に搭載されたエンジン1において、船舶の加速度変化(減速)によるエンジン負荷の減少及びエンジン回転数の減少を実施する。なお、船舶は減速を検出できるGセンサー66を備えているものとする。このとき、エンジン負荷の減少については、過給機40のターボ回転数の減少として代替する。
つまり、ECU60は、ターボ角速度センサー62とエンジン回転数センサー64とに基づき、所定の減速度でエンジン負荷及びエンジン回転数を減速させて停止させる。
このような構成とすることで、エンジン負荷及びエンジン回転数の双方を減少させながらエンジンを停止することができる。ディレーティング手段は、例えば前述した過給機故障検知手段にて異常と判断された場合にエンジン1を停止させるときに、とられる手段として有効である。このようにして、エンジン損傷の危険性を最小限として、エンジンの安全性を向上できる。ディレーティング手段は、特に大型船舶や大型乗用車に搭載されたエンジンにおいて、エンジンの急停止(急減速)は乗客に急激な負荷を感じさせることになるので、上記の如く徐々に減速して停止できるため、非常に有効である。
【0049】
さらに、ターボ角速度検出手段を用いた減筒運転時燃料噴射制御手段について説明する。減筒運転は、多気筒エンジンにおいて、一つの気筒に何らかの異常が発生した場合であっても、残りの気筒においてエンジンを暫定的に運転続行する運転手段である。例えば、インジェクタの一つが噴射を停止するようなフェイルが発生した場合に、減筒運転が実施される。
図17に示すように、例えばエンジン1のインジェクタ82(図17中の点線)に異常が発生した場合は、ECU60は、残りのインジェクタ81・82・84を使ってエンジン1を運転させる。このとき、インジェクタ同士にも性能ばらつきが存在するため、排気側でエンジン1の出力を確認することが望ましい。ECU60は、ターボ角速度センサー62によるターボ回転数に基づいて、燃料噴射制御を行なう。例えば、ECU60は、ターボ角速度センサー62によるターボ回転数が減筒前のターボ回転数と等しくなるように、残りの気筒の燃料噴射量Qを増加する。減筒運転時燃料噴射制御手段は、減筒分の出力を補うように制御するのであれば、燃料噴射圧力又は燃料噴射時期であっても同様の効果が得られる。
このような構成とすることで、簡易な手段で減筒運転時の燃料噴射制御を実施でき以下の利点が得られる。従来、減筒運転時の燃料噴射制御は、過給圧センサー又は排気温度センサーに基づいて行われてきた。過給圧センサー又は排気温度センサーは、フィードバックの応答精度が悪かった。また、過給圧センサーは、特に高地では大気圧が異なるため、信頼性が低かった。本実施例の減筒運転時燃料噴射制御手段は、これらのセンサーと比較して、簡易な手段で減筒運転時の確実に燃料噴射制御を実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施例に係る過給機を備えた4気筒ディーゼルエンジンのシステムを示す構成図。
【図2】本発明の実施例に係る過給機のコンプレッサーの構成を示す断面構成図。
【図3】本発明に係るターボ角速度検出装置の構成を示す構成図。
【図4】パルスに対するパルス間隔の変化を示すグラフ図。
【図5】パルスに対するパルス間隔の別の変化を示すグラフ図。
【図6】風量と圧力の相関よりサージング領域を示すグラフ図。
【図7】エンジン回転数とエンジン負荷とに基づく適正なターボ角速度を示すマップ図。
【図8】サージング回避制御のフローを示すフロー図。
【図9】エンジン回転数とエンジン負荷とに基づく適正な燃料噴射量を示すマップ図。
【図10】エンジン回転数とエンジン負荷とに基づく適正なターボ回転数範囲を示すマップ図。
【図11】過給機故障検知制御のフローを示すフロー図。
【図12】ターボ回転数とEGR量との相関を示すグラフ図。
【図13】EGRシステムであるLPLシステムの構成を示す構成図。
【図14】LPLシステムにおけるターボ回転数とEGR量との相関を示すグラフ図。
【図15】ディレーティング手段におけるエンジン回転数及びターボ回転数と時間との相関を示すグラフ図。
【図16】ディレーティング手段におけるエンジン回転数及びターボ回転数と加速度との相関を示すグラフ図。
【図17】減筒運転中の4気筒ディーゼルエンジンのシステムを示す構成図。
【符号の説明】
【0051】
1 エンジン
40 過給機
41 コンプレッサー
42 タービン
44 指標手段
45 羽根
60 ECU
62 ターボ角速度センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービン軸上に複数の羽根を備えるコンプレッサーとタービンからなる過給機を有するエンジンにおいて、
前記タービン軸または羽根上に少なくとも一つの指標手段を設け、
前記指標手段の回転と複数の羽根の回転とをそれぞれ検知する検知手段を設けて制御手段と接続し、
タービン軸の一回転あたり複数のパルスを得て角速度を演算するターボ角速度演算手段
を備えることを特徴とする過給器を備えるエンジン。
【請求項2】
請求項1記載のターボ角速度検出手段において、
前記検知手段により得られたパルスの大きさをターボ角速度として算出し、
前記ターボ角速度が一定であればターボ回転数(ターボ平均角速度)を算出する
ことを特徴とする過給器を備えるエンジン。
【請求項3】
請求項2記載のターボ角速度検出手段において、
前記ターボ角速度を、該ターボ角速度の絶対値とする又はターボ平均角速度の相対値とする制御手段、
を備えたことを特徴とする過給器を備えるエンジン。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のエンジンであって、
前記ターボ角速度振幅値が所定閾値を超えた場合は前記過給機がサージング領域に接近したと判断する過給機サージング検出手段
を備えたことを特徴とする過給器を備えるエンジン。
【請求項5】
請求項4に記載のエンジンであって、
エンジン負荷を検出するエンジン負荷検出手段と、
エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
エンジン負荷とエンジン回転数とに基づき前記ターボ角速度の所定閾値を記憶した適正角速度振幅値マップと、
前記ターボ角速度が、前記適正角速度振幅値を超えた場合は、前記過給機の運転がサージング領域に接近したと判断する制御手段、
を備えたことを特徴とする過給器を備えるエンジン。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のエンジンであって、
過給機の運転がサージング領域に接近したと判断した場合は、燃料噴射量、燃料噴射圧力又は燃料噴射時期のうち少なくとも一つを排気流量が減少するように制御するサージング回避手段
を備えたことを特徴とする過給器を備えるエンジン。
【請求項7】
請求項1乃至3のいずれかに記載のエンジンであって、
エンジン負荷を検出するエンジン負荷検出手段と、
エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
エンジン負荷とエンジン回転数によりあらかじめ設定された適正ターボ回転数閾値と、
前記エンジン負荷検出手段によるエンジン負荷と前記エンジン回転数検出手段によるエンジン回転数とに基づくエンジン状態での前記ターボ角速度検出手段によるターボ回転数が、前記適正ターボ回転数閾値外であれば異常と判断する過給機故障検知手段と、
を備えたことを特徴とする過給器を備えるエンジン。
【請求項8】
請求項1乃至3のいずれかに記載のエンジンであって、
排気ガス還流システムと、
前記ターボ角速度検出手段によるターボ回転数に基づいて排気ガス還流システムの還流量を制御する排気ガス還流量制御手段と、
を備えたことを特徴とする過給器を備えるエンジン。
【請求項9】
請求項1乃至3のいずれかに記載のエンジンであって、
前記エンジン回転数検出手段と、
前記エンジン回転数検出手段によるエンジン回転数と前記ターボ角速度検出手段によるターボ回転数とに基づいて、異常を検知したとき、任意の時間内にエンジン回転数及び負荷を減少させるディフレーティング手段と、
を備えたことを特徴とする過給器を備えるエンジン。
【請求項10】
請求項1乃至3のいずれかに記載のエンジンであって、
少なくとも2つ以上の気筒と、
ある気筒に異常が発生すれば該気筒の運転を停止して、該気筒以外の残気筒で運転を継続する減筒運転手段と、
前記減筒運転時には前記ターボ角速度検出手段によるターボ回転数に基づいて前記残気筒の燃料噴射量、燃料噴射圧力又は燃料噴射時期のうち少なくとも一つの制御を行なう減筒運転時燃料噴射制御手段と、
を備えたことを特徴とする過給器を備えるエンジン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図5】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−332793(P2007−332793A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−162393(P2006−162393)
【出願日】平成18年6月12日(2006.6.12)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【出願人】(399025169)株式会社電子応用 (9)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】