説明

電子機器

【課題】配線の凹凸差を緩和することが可能な構造の半導体装置を提供することを課題と
する。
【解決手段】第1の導電層と、第2の導電層と、第1の導電層及び第2の導電層の間に形
成されると共に、接続孔を有する絶縁層と、第1の導電層及び第2の導電層に接続すると
共に、少なくとも端部の一部が接続孔の内側に形成される第3の導電層と、を有する半導
体装置である。第2の導電層及び第3の導電層が接続する接続孔付近において、第3の導
電層が第1の絶縁層を介して第2の導電層に重畳せず、第3の導電層の端部が第1の絶縁
層上に形成されない。このため、第3の導電層の凹凸を低減することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線が積層された半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、配線基板及び半導体装置は、半導体素子の集積度が向上し、高集積化されている。
このため、配線幅がより微細化されていると共に、配線の本数が増大している。更には、
配線の多層化により半導体装置の面積の縮小化が図られている。
【0003】
半導体装置を構成する半導体素子の代表例として、薄膜トランジスタを図16を用いて
説明する。図16(A)は薄膜トランジスタの上面図であり、図16(B)、(C)は、
それぞれ図16(A)のA−B及びC−Dの断面図を示す。なお、図16(A)において
、図16(B)、及び(C)に示される基板101、絶縁層102、107、115及び
ゲート絶縁層104は省略する。
【0004】
図16(B)に示すように、薄膜トランジスタ110は、半導体領域103とゲート電
極105とがゲート絶縁層104で絶縁され、ゲート電極105と配線108、109と
が絶縁層107で絶縁されている。また、ゲート絶縁層104上にゲート電極105と同
時に導電層106が形成されており、導電層106と配線109とが、絶縁層107を介
して絶縁されている。
【0005】
また、絶縁層107に形成される接続孔111を介して半導体領域103のソース領域
又はドレイン領域の一方と配線108とが接続されている。また、絶縁層107に形成さ
れる接続孔112を介して半導体領域103のソース領域又はドレイン領域の他方と配線
109とが接続されており、絶縁層107に形成される接続孔113を介して配線109
と導電層106とが接続されている。
【0006】
このような構造により、薄膜トランジスタの半導体領域、ゲート電極、配線等を積層す
ることが可能である。
【0007】
図16(A)に示すように、配線108、109は、接続孔111〜113の面積より
広い断面積で形成されている。また、絶縁層107をCVD法やスパッタリング法等の薄
膜形成方法を用いて形成する場合、絶縁層107の表面が平坦化されず、絶縁層107の
下地となる層の凹凸の影響を受ける。このため、配線108、109や絶縁層107の表
面は、図16(B)に示すように、凹凸が増加する。
【0008】
液晶表示装置において、このような薄膜トランジスタを用いて画素電極を駆動する素子
を形成する場合、絶縁層の凹凸が配向膜のラビングむらの原因となり、液晶の配向乱れ、
及びそれに伴う画質の低下が生じるという問題がある。このため、絶縁層107及び配線
108、109上に平坦化された絶縁層115を形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
絶縁層115の形成方法としては、CVD法やPVD法で形成した絶縁膜をCMP等の研
磨により平坦化する方法や、塗布法により平坦性の高い絶縁層を形成する方法がある。
【0010】
塗布法により平坦性の高い絶縁層115を形成する場合、絶縁層を形成する組成物を、
スピンコート法、スリットコート法等の塗布法により塗布した後、組成物を焼成して絶縁
層115を形成する。しかしながら、絶縁層115の下地となる配線108、109や絶
縁層107の凸部では、絶縁層115の膜厚は薄くて済むが、凹部では絶縁層115の膜
厚を厚くする必要がある。この結果、凹凸差が少ない絶縁層及び配線上に絶縁層を形成す
る場合と比較して、絶縁層115を形成する組成物の量が増大し、材料コストが増大する
と共に生産性が低下するという問題がある。また、絶縁層115を感光性材料を用いて形
成し、後の工程で露光する場合、膜厚が厚いと露光時間が増大するという問題がある。
【0011】
また、図16(B)に示すように、膜厚の厚い導電層106及び絶縁層107が重畳す
る配線109の領域116は、導電層106が存在しない絶縁層107を重畳する配線1
09の領域117と比較して、凹凸差が大きい。このため、領域116及び領域117に
おける組成物の塗布むらの原因となり、絶縁層115の領域116においては、膜厚が薄
くなる。この結果、絶縁層115上に形成される配線と配線109とが短絡しやすくなる
問題がある。
【0012】
そこで本発明は、配線の凹凸差を緩和することが可能な構造の半導体装置を提供するこ
とを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一は、第1の導電層と、第1の導電層上の絶縁層と、前記絶縁層に形成された
少なくとも1つの接続孔と、前記絶縁層上に形成され、前記接続孔において前記第1の導
電層と接する第2の導電層と、を有し、前記第2の導電層は端部の一部を前記接続孔の内
側に有し、前記第2の導電層の端部の一部は前記第1の導電層に接することを特徴とする
半導体装置である。
【0014】
即ち、接続孔において、第1の領域及び第2の領域を有し、第1の領域は第2の導電層
が第1の導電層と接する領域であり、第2の領域は第2の導電層が第1の導電層と接しな
い領域である。
【0015】
さらには、接続孔において、上記第1の領域及び第2の領域に加えて、第3の領域を有
してもよい。第3の領域は、第1の導電層が第2の導電層と接しない領域である。
【0016】
なお、第2の導電層は第1の導電層の一部を重畳する。
【0017】
また、前記第1の導電層は、第1の膜厚の領域と第2の膜厚の領域を有し、前記第1の
膜厚は、前記第2の膜厚より薄く、前記第2の導電層は、前記第1の導電層の前記第1の
膜厚の領域で接続してもよい。
【0018】
また、前記第1の導電層に接続される画素電極を有してもよい。
【0019】
また、前記第2の導電層と接続する第1の導電層の端部の一部が前記接続孔の内側に形
成されてもよい。
【0020】
また、本発明の一は、第1の導電層と、第2の導電層と、前記第1の導電層及び前記第
2の導電層の間に形成されると共に、接続孔を有する絶縁層と、前記第1の導電層及び前
記第2の導電層に接続すると共に、少なくとも端部の一部が前記接続孔の内側に形成され
る第3の導電層と、を有することを特徴とする半導体装置である。
【0021】
また、本発明の一は、第1の導電層と、第2の導電層と、前記第1の導電層及び前記第
2の導電層の間に形成されると共に、接続孔を有する絶縁層と、前記第1の導電層及び前
記第2の導電層に接続すると共に、少なくとも前記第2の導電層に接続する端部が前記接
続孔の内側に形成される第3の導電層と、を有することを特徴とする半導体装置である。
【0022】
即ち、接続孔において、第1の領域及び第2の領域を有し、第1の領域は第3の導電層
が第2の導電層と接する領域であり、第2の領域は第3の導電層が第2の導電層と接しな
い領域である。
【0023】
さらには、接続孔において、上記第1の領域及び第2の領域に加えて、第3の領域を有
してもよい。第3の領域は、第2の導電層が第3の導電層と接しない領域である。
【0024】
なお、前記第3の導電層と接続する第2の導電層の端部の一部が前記接続孔の内側に形
成される。
【0025】
また、前記第1の導電層及び前記第3の導電層が接続する接続孔と、前記第2の導電層
及び前記第3の導電層が接続する接続孔とが異なってもよい。また、前記第1の導電層及
び前記第3の導電層が接続する接続孔と、前記第2の導電層及び前記第3の導電層が接続
する接続孔とが同一であってもよい。
【0026】
また、前記第1の導電層及び前記第2の導電層の間に前記第1の導電層及び前記第2の
導電層を絶縁する絶縁層を有し、前記第2の導電層は前記第1の導電層の一部を重畳して
もよい。
【0027】
また、前記第2の導電層は、第1の膜厚の領域と第2の膜厚の領域を有し、前記第1の膜
厚は、前記第2の膜厚より薄く、前記第3の導電層は、前記第2の導電層の前記第1の膜
厚の領域で接続してもよい。
【0028】
また、前記第2の導電層に接続される画素電極を有してもよい。
【0029】
また、前記第1の導電層として、第1のトランジスタのソース領域又はドレイン領域とし
て用い、前記第2の導電層として、第2のトランジスタのゲート電極を用いることができ
る。第3の導電層としてソース領域又はドレイン領域の一方とゲート電極とを接続する配
線を用いることができる。
【0030】
なお、ここでの端部とは、導電層を基板の上面から見たときの導電層の端を意味する。
【発明の効果】
【0031】
本発明の半導体装置は、第1の導電層、及び第1の導電層と接続する第2の導電層にお
いて、第2の導電層の端部の少なくとも一部が接続孔内に位置する。即ち、第1の導電層
及び第2の導電層が接続する接続孔付近において、第2の導電層が第1の絶縁層を介さず
第1の導電層に重畳し、第2の導電層の端部が第1の絶縁層上に形成されない。このため
、第2の導電層の凹凸を低減することが可能である。
【0032】
このため、第2の導電層上に形成される第2の絶縁層の凹凸も低減することが可能であ
る。
【0033】
本発明の半導体装置は、第1の導電層及び第2の導電層を接続する第3の導電層において
、第2の導電層及び第3の導電層が接続孔で接続し、第3の導電層の端部の少なくとも一
部が接続孔内に位置する。即ち、第2の導電層及び第3の導電層が接続する接続孔付近に
おいて、第3の導電層が第1の絶縁層を介して第2の導電層に重畳せず、第3の導電層の
端部が第1の絶縁層上に形成されない。このため、第3の導電層の凹凸を低減することが
可能である。
【0034】
このため、第3の導電層上に形成される第2の絶縁層の凹凸も低減することが可能である
。塗布法により平坦性の高い第2の絶縁層を形成する場合、第2の絶縁層を厚くしないで
済むため材料を削減することが可能である。よって、コストを削減することが可能である
と共に生産性を高めることが可能である。
【0035】
また、第2の絶縁層が感光性材料で形成する場合、第2の絶縁層の膜厚を相対的に均一に
形成することが可能である。従来と比較すると、第2の絶縁層を厚くしないですむため露
光する時間を短縮することが可能である。このため、スループットを向上させることが可
能である。
【0036】
また、第2の絶縁層の凹凸を低減すること可能であり、第2の絶縁層の上下間に形成さ
れる導電層同士が短絡することを防止することが可能であり、半導体装置の信頼性を高め
ることが可能であるとともに、歩留まりを向上させることができる。
【0037】
また、第2の絶縁層の凹凸を低減すること可能であり、第2の絶縁層上に形成される上
下電極の間隔の狭い素子、例えば上下電極に挟まれる有機化合物層の膜厚の薄いEL素子
等を形成しても、上下電極が短絡することを防止することが可能であり、半導体装置の信
頼性を高めることが可能であるとともに、歩留まりを向上させることができる。
【0038】
また、塗布法により平坦性の高い第2の絶縁層を形成する場合、材料の塗布むらを低減す
ることが可能である。このため、第2の絶縁層上に形成される第4の導電層と第3の導電
層との短絡を回避することが可能である。このため、信頼性高く半導体装置を作製するこ
とが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の半導体装置を示した上面図及び断面図である。
【図2】本発明の半導体装置を示した上面図及び断面図である。
【図3】本発明の半導体装置を示した上面図及び断面図である。
【図4】本発明の半導体装置を示した上面図及び断面図である。
【図5】本発明の半導体装置を示した上面図及び断面図である。
【図6】本発明の半導体装置を示した断面図である。
【図7】本発明の半導体装置を示した上面図である。
【図8】本発明の半導体装置を示した上面図及び断面図である。
【図9】本発明の半導体装置の作製工程を示した断面図である。
【図10】本発明の半導体装置の等価回路を示した図である。
【図11】本発明の半導体装置を示した断面図である。
【図12】本発明の半導体装置を示した断面図である。
【図13】本発明の半導体装置を示した上面図である。
【図14】本発明の半導体装置を示した斜視図である。
【図15】本発明の半導体装置を示した斜視図である。
【図16】本発明の半導体装置を示した上面図及び断面図である。
【図17】本発明の半導体装置を示した上面図及び断面図である。
【図18】本発明の半導体装置を示した上面図及び断面図である。
【図19】本発明の半導体装置を示した上面図及び断面図である。
【図20】本発明の半導体装置を示した断面図である。
【図21】本発明及び従来例の半導体装置を示した上面図である。
【図22】本発明の半導体装置を示した断面図である。
【図23】従来の半導体装置を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、本発明は多くの異なる形
態で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形
態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施
の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するため
の全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り
返しの説明は省略する。
【0041】
(実施の形態1)
本実施の形態では、絶縁層を介して形成される複数の導電層において、複数の導電層が接
続孔内で接続し、一方の導電層の端部の少なくとも一部が接続孔内に位置することを特徴
とする半導体装置について説明する。代表的には、第1の導電層及び第2の導電層に接続
する第3の導電層を有する半導体装置において、第2の導電層及び第3の導電層が接続孔
で接続し、第3の導電層の端部が接続孔内に位置すると共に、第3の導電層が、第1の導
電層及び第2の導電層と異なる接続孔で接続することを特徴とする半導体装置について図
1を用いて説明する。
【0042】
ここでは、第1の導電層としては、第1のトランジスタの半導体領域のソース領域又は
ドレイン領域の一方を用い、第2の導電層としては、第2のトランジスタのゲート電極を
用い、第3の導電層としては、ソース領域又はドレイン領域の一方と、ゲート電極とを接
続する配線を用いて説明する。ここでは、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタと
して、それぞれ薄膜トランジスタを用いて示す。
【0043】
なお、本実施の形態では、第1の導電層の膜厚としては、20nm以上100nm以下
、さらには40nm以上60nm以下が好ましい。また、第2の導電層の膜厚としては、
200nm以上600nm以下、さらには300nm以上500nm以下が好ましい。
【0044】
なお、本実施の形態では、第1の導電層として、第1のトランジスタのソース領域又は
ドレイン領域を用いて説明したが、これに限定されるものではなく、金属層で形成される
配線、電極、端子、画素電極等を適宜適用することが可能である。また、第2の導電層と
して、第2のトランジスタのゲート電極を用いて説明したが、これに限定されるものでは
なく、金属層で形成される配線、他の電極、端子、画素電極や、ソース領域、ドレイン領
域等を適宜適用することが可能である。
【0045】
図1(A)は、第1のトランジスタの上面図であり、図1(B)及び図1(C)はそれ
ぞれ図1(A)のA−B、C−Dの断面図である。なお、図1(A)において、図1(B
)、及び(C)に示される基板101、絶縁層102、107、及びゲート絶縁層104
は省略する。
【0046】
図1(B)に示すように、基板101上に絶縁層102が形成され、絶縁層102上に
第1のトランジスタとして薄膜トランジスタ110が形成される。薄膜トランジスタ11
0は、絶縁層102上に形成される半導体領域103、ゲート電極105、配線108、
109、半導体領域103とゲート電極を絶縁するゲート絶縁層104、ゲート電極10
5及び配線108、109を絶縁する絶縁層107を有する。
【0047】
また、ゲート絶縁層104上にゲート電極105と同時に形成される第2のトランジス
タのゲート電極として機能する導電層(以下、ゲート電極106と示す。)が形成される

【0048】
本実施の形態では、第1の導電層である半導体領域のソース領域又はドレイン領域と、
第3の導電層である配線109が、絶縁層107に形成された接続孔112において接続
されている。また、第3の導電層である配線109と第2の導電層であるゲート電極10
6とが、絶縁層107に形成された接続孔113において接続されている。更には、第3
の導電層である配線109の端部の一部が接続孔113内に配置されている。このため、
第3の導電層である配線109と第2の導電層であるゲート電極106とが重畳する領域
において、配線109の端部が絶縁層107上に形成されない。この結果、配線の凹凸を
低減することが可能である。特に、膜厚の厚い導電層(ここでは、ゲート電極106及び
配線109)が接する領域において、導電層の端部が絶縁層上に形成されないため、配線
の凹凸を低減することが可能である。
【0049】
さらには、第2の導電層であるゲート電極106において、第3の導電層である配線1
09と接する端部も接続孔113内に配置されている。
【0050】
即ち、接続孔113において、第3の導電層である配線109が第2の導電層であるゲ
ート電極106と接する第1の領域120bと、第3の導電層である配線109が第2の
導電層であるゲート電極106と接しない第2の領域120aを有する。
【0051】
さらには、接続孔において、上記第1の領域及び第2の領域に加えて、第2の導電層で
あるゲート電極106が第3の導電層である配線109と接しない第3の領域120cを
有する。
【0052】
なお、第1の導電層であるソース領域又はドレイン領域を含む半導体領域103の厚さ
が20nm以上100nm以下、さらには40nm以上60nm以下の場合、半導体領域
103に重なる絶縁層107上に第3の導電層である配線109を形成することができる
。これは、第1の導電層であるソース領域又はドレイン領域を含む半導体領域103の厚
さが、第2の導電層であるゲート電極106の厚さと比較して薄いため、半導体領域10
3に重なる絶縁層107上の配線109が、ゲート電極105を覆う絶縁層107の表面
より凸状に突出しにくいためである。
【0053】
また、図1(C)に示すように、第3の導電層である配線109の端部は、絶縁層10
7上に形成されず、第2の導電層であるゲート電極106上に形成されている。また、接
続孔113の内側において、第3の導電層である配線109と第2の導電層であるゲート
電極106の端部が位置する。
【0054】
なお、第2の導電層であるゲート電極106及び第3の導電層である配線109が接続す
る接続孔の形状において、図1(C)に示す接続孔113のように、接続孔113の内側
において、第3の導電層である配線109と第2の導電層であるゲート電極106の端部
が位置する形状の代わりに、図8(A)及び(C)に示すように、絶縁層171の端部が
第2の導電層であるゲート電極106上に位置してもよい。即ち、第2の導電層であるゲ
ート電極106及び第3の導電層である配線109が接する付近において、第2の導電層
であるゲート電極106の端部が絶縁層171に覆われて露出せず、第3の導電層である
配線109の端部のみが露出してもよい。
【0055】
なお、本実施の形態において、接続孔111、112の上面形状を円形、矩形、楕円形
等の形状を適宜用いることができる。また、接続孔113を一つ形成しているが、複数の
接続孔を形成してもよい。
【0056】
ここで、第1のトランジスタである薄膜トランジスタ110の構成について説明する。
【0057】
基板101としては、ガラス基板、石英基板、セラミックス基板、後工程の処理温度に
耐え得る耐熱性を有するプラスチック基板、シリコンウェハ、金属板等を用いることがで
きる。なお、基板にガラス基板、金属基板等を用いる場合は、基板から後に形成される半
導体層へ不純物が拡散することを防止するために絶縁層102を形成することが望ましい
。絶縁層102は、酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiNx)、酸化窒化シ
リコン、窒化アルミニウム(AlNx)などを用いて形成する。また、基板101として
、SOI(Silicon on Insulator)基板を用いて半導体膜を形成し
ても良い。また、基板101がガラス基板の場合、320mm×400mm、370mm
×470mm、550mm×650mm、600mm×720mm、680mm×880
mm、1000mm×1200mm、1100mm×1250mm、1150mm×13
00mmのような大面積基板を用いることができる。なお、基板101にプラスチック基
板を用いる場合、PC(ポリカーボネート)、PES(ポリエチレンスルホン)、PET
(ポリエチレンテレフタレート)もしくはPEN(ポリエチレンナフタレート)等のガラ
ス転移点が比較的高いものを用いることが好ましい。さらには、基板101にガラス基板
、石英基板、シリコンウェハを用いる場合、基板を研磨しても良い。この工程により、後
に形成する半導体装置を薄膜化することが可能である。
【0058】
なお、絶縁層102として、酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiNx)、酸
化窒化シリコンを形成する場合、基板101の表面を高密度プラズマによって処理するこ
とによって形成してもよい。高密度プラズマは例えば2.45GHzのマイクロ波を用い
ることによって生成され、電子密度が1×1011〜1×1013/cmかつ電子温度
が2eV以下、イオンエネルギーが5eV以下のものであるとする。このような高密度プ
ラズマは活性種の運動エネルギーが低く、従来のプラズマ処理と比較してプラズマによる
ダメージが少なく、欠陥の少ない膜を形成することができる。
【0059】
例えば窒素と希ガスを含む雰囲気下、または窒素と水素と希ガスを含む雰囲気下、また
はアンモニアと希ガスを含む雰囲気下において、上記高密度プラズマ処理を行うことによ
って基板101の表面を窒化することができる。基板101としてガラス基板、石英基板
またはシリコンウェハなどを用いた場合、上記高密度プラズマによる窒化処理を行うこと
で、基板101表面に窒素、珪素を主成分とする窒化珪素層を形成することができる。こ
の窒化珪素層の上に酸化珪素層または酸化窒化珪素層をプラズマCVD法により形成して
複数層よりなる絶縁層102としてもよい。
【0060】
また酸化珪素層や酸化窒化珪素層などの表面に同様に高密度プラズマによる窒化処理
を行うことによって、窒素、珪素を主成分とする窒化珪素層を形成することができる。
【0061】
ここでは、基板101としてガラス基板を用いる。また、絶縁層102として、プラズマ
CVD法により窒化酸化珪素層を形成する。
【0062】
薄膜トランジスタの半導体領域103は、結晶構造を有する半導体で形成される層であり
、非単結晶半導体若しくは単結晶半導体を用いることができる。特に、非晶質若しくは微
結晶質の半導体を、レーザ光の照射により結晶化させた結晶性半導体、加熱処理により結
晶化させた結晶性半導体、加熱処理とレーザ光の照射を組み合わせて結晶化させた結晶性
半導体を適用することが好ましい。加熱処理においては、シリコン半導体の結晶化を助長
する作用のあるニッケルなどの金属元素を用いた結晶化法を適用することができる。
【0063】
半導体にレーザビームを照射して結晶化する場合には、連続発振型のレーザビーム(C
W(Continuous Wave Laser)レーザビーム)やパルス発振型のレ
ーザビーム(パルスレーザビーム)を用いることができる。ここで用いることができるレ
ーザビームは、Arレーザ、Krレーザ、エキシマレーザなどの気体レーザ、単結晶のY
AG、YVO、フォルステライト(MgSiO)、YAlO、GdVO、若し
くは多結晶(セラミック)のYAG、Y、YVO、YAlO、GdVOに、
ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複
数種添加されているものを媒質とするレーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサン
ドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザのうち一種
または複数種から発振されるものを用いることができる。このようなレーザビームの基本
波、及びこれらの基本波の第2高調波から第4高調波のレーザビームを照射することで、
大粒径の結晶を得ることができる。例えば、Nd:YVOレーザ(基本波1064nm
)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を用いることができる。この
ときレーザのエネルギー密度は0.01〜100MW/cm程度(好ましくは0.1〜
10MW/cm)が必要である。そして、走査速度を10〜200cm/sec程度と
して照射する。
【0064】
なお、単結晶のYAG、YVO、フォルステライト(MgSiO)、YAlO
、GdVO、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y、YVO、YAlO
、GdVOに、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Ta
のうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザ、Arイオンレーザ、ま
たはTi:サファイアレーザは、連続発振をさせることが可能であり、Qスイッチ動作や
モード同期などを行うことによって10MHz以上の発振周波数でパルス発振をさせるこ
とも可能である。10MHz以上の発振周波数でレーザビームを発振させると、半導体膜
がレーザによって溶融してから固化するまでの間に、次のパルスのレーザビームが半導体
膜に照射される。従って、発振周波数が低いパルスレーザを用いる場合と異なり、半導体
中において固液界面を連続的に移動させることができるため、レーザビームの走査方向に
向かって連続的に成長した結晶粒を得ることができる。
【0065】
レーザの媒質としてセラミック(多結晶)を用いると、短時間かつ低コストで自由な形
状に媒質を形成することが可能である。レーザの媒質として単結晶を用いる場合、直径数
mm、長さ数十mmの円柱状の媒質が用いられているが、セラミックを用いる場合はさら
に大きいものを作ることが可能である。
【0066】
発光に直接寄与する媒質中のドーパントの濃度は、単結晶中でも多結晶中でも大きくは
変えられないため、濃度を増加させることによるレーザの出力向上にはある程度限界があ
る。しかしながら、セラミックの場合、単結晶と比較して媒質の大きさを著しく大きくす
ることができるため大幅な出力向上が期待できる。
【0067】
さらに、セラミックの場合では、平行六面体形状や直方体形状の媒質を容易に形成する
ことが可能である。このような形状の媒質を用いて、発振光を媒質の内部でジグザグに進
行させると、発振光路を長くとることができる。そのため、増幅が大きくなり、大出力で
発振させることが可能になる。また、このような形状の媒質から射出されるレーザビーム
は射出時の断面形状が四角形状であるため、丸状のビームと比較すると、線状ビームに整
形するのに有利である。このように射出されたレーザビームを、光学系を用いて整形する
ことによって、短辺の長さ1mm以下、長辺の長さ数mm〜数mの線状ビームを容易に得
ることが可能となる。また、励起光を媒質に均一に照射することにより、線状ビームは長
辺方向にエネルギー分布の均一なものとなる。
【0068】
上記結晶化工程を、ガラス基板の耐熱温度(約600℃)以下の結晶化プロセスを用いる
場合、大面積ガラス基板を用いることが可能である。このため、基板あたり大量の半導体
装置を作製することが可能であり、低コスト化が可能である。
【0069】
また、ガラス基板の耐熱温度以上の加熱により、結晶化工程を行い、半導体領域103を
形成してもよい。代表的には、基板101に石英基板を用い、非晶質若しくは微結晶質の
半導体を700度以上で加熱して半導体領域103を形成する。この結果、結晶性の高い
半導体を形成することが可能である。このため、応答速度や移動度などの特性が良好で、
高速な動作が可能な薄膜トランジスタを提供することができる。
【0070】
さらには、半導体領域103として、単結晶半導体を用いてMOSトランジスタを形成し
てもよい。
【0071】
このような単結晶半導体で半導体層が形成されるMOSトランジスタは、応答速度や移
動度などの特性が良好なために、高速な動作が可能なトランジスタを提供することができ
る。また、トランジスタは、その特性のバラツキが少ないために、高い信頼性を実現した
半導体装置を提供することができる。
【0072】
ゲート絶縁層104は、CVD法やPVD法等の薄膜形成方法により、酸化珪素層、窒化
珪素層、酸化窒化珪素層等を適宜形成する。また、半導体領域表面を、酸素、水素、及び
希ガス流入しながら高密度プラズマによって処理することによって形成してもよい。高密
度プラズマは例えば2.45GHzのマイクロ波を用いることによって生成され、電子密
度が1×1011〜1×1013/cmかつ電子温度が2eV以下、イオンエネルギー
が5eV以下のものであるとする。この結果、緻密で膜厚の薄いゲート絶縁層を形成する
ことが可能である。また、CVD法やPVD法等の薄膜形成方法により、酸化珪素層、窒
化珪素層、酸化窒化珪素層等を適宜形成した後、その表面を酸素、水素、及び希ガス流入
しながら高密度プラズマによって処理してもよい。更には、半導体領域表面を酸素、水素
、及び希ガス流入しながら高密度プラズマ処理した後、CVD法やPVD法により酸化珪
素層、窒化珪素層、酸化窒化珪素層等を適宜形成してもよい。
【0073】
ゲート電極105、106は金属又は一導電型の不純物を添加した多結晶半導体で形成
することができる。金属を用いる場合は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チ
タン(Ti)、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)などを用いることができる。ま
た、金属を窒化させた金属窒化物を用いることができる。或いは、当該金属窒化物からな
る第1の層と当該金属から成る第2の層とを積層させた構造としても良い。積層構造とす
る場合には、第1の層の端部が第2の層の端部より外側に突き出した形状としても良い。
このとき第1の層を金属窒化物で形成することで、バリアメタルとすることができる。す
なわち、第2の層の金属が、ゲート絶縁層104やその下層の半導体領域103に拡散す
ることを防ぐことができる。
【0074】
ゲート電極105、106の側面には、サイドウォール(側壁スペーサ)が形成されても
よい。サイドウォールは、基板上にCVD法により酸化珪素で形成される絶縁層を形成し
、該絶縁層をRIE(Reactive ion etching:反応性イオンエッチ
ング)法により異方性エッチングすることで形成できる。
【0075】
絶縁層107は、酸化シリコン及び酸化窒化シリコンなどの無機絶縁材料で形成する。
形成方法としては、CVD法又はPVD法等の薄膜形成方法を用いる。
【0076】
絶縁層107の接続孔111、112において半導体領域103と接続される配線10
8、109は、ゲート電極105、106と同時に形成される配線と交差して設けること
が可能であり、当該構成により多層配線構造を形成している。絶縁層107と同様に絶縁
層を複数積層して、その層上に配線を形成することで多層配線構造を形成することができ
る。配線108、109は、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)の積層構造、モリブ
デン(Mo)とアルミニウム(Al)との積層構造など、アルミニウム(Al)のような
低抵抗材料と、チタン(Ti)やモリブデン(Mo)などの高融点金属材料を用いたバリ
アメタルとの組み合わせで形成することが好ましい。
【0077】
半導体領域103、ゲート絶縁層104、ゲート電極105、配線108、109など
を組み合わせて構成される薄膜トランジスタは、シングルドレイン構造、LDD(低濃度
ドレイン)構造、ゲートオーバーラップドレイン構造など各種構造を適用することができ
る。ここでは、シングルドレイン構造の薄膜トランジスタを示す。また、シングルゲート
構造、等価的には同電位のゲート電圧が印加されるトランジスタが直列に接続された形と
なるマルチゲート構造、半導体層を上下にゲート電極で挟むデュアルゲート構造を適宜適
用することができる。
【0078】
本実施の形態に示すように、第1の導電層及び第2の導電層に接続する第3の導電層であ
る配線109を有する半導体装置において、第2の導電層及び第3の導電層である配線1
09が接続孔で接続し、第3の導電層である配線109の端部が接続孔内に位置する構造
により、第3の導電層である配線109の凹凸を低減することが可能である。このため、
第3の導電層である配線109上に形成される絶縁層の凹凸も低減することが可能であり
、塗布法により平坦性の高い絶縁層を形成する場合、材料を削減することが可能である。
よって、コストを削減することが可能であると共に生産性を高めることが可能である。
【0079】
(実施の形態2)
本実施の形態では、第1の導電層及び第2の導電層に接続する第3の導電層を有する半
導体装置において、第2の導電層及び第3の導電層が接続孔で接続し、第3の導電層の端
部が接続孔内に位置すると共に、第1の導電層及び第3の導電層が接続する接続孔と第2
の導電層及び第3の導電層接続する接続孔が、同一であることを特徴とする半導体装置に
ついて図2を用いて説明する。
【0080】
ここでも実施の形態1と同様に、第1の導電層としては、第1のトランジスタの半導体
領域のソース領域又はドレイン領域の一方を用い、第2の導電層としては、第2のトラン
ジスタのゲート電極を用い、第3の導電層としては、ソース領域又はドレイン領域の一方
と、ゲート電極を接続する配線を用いて説明する。また、第1のトランジスタ及び第2の
トランジスタとして、それぞれ薄膜トランジスタを用いて示す。
【0081】
図2(A)は、第1のトランジスタの上面図であり、図2(B)及び図2(C)はそれ
ぞれ図2(A)のA−B、C−Dの断面図である。なお、図2(A)において、図2(B
)、及び(C)に示される基板101、絶縁層131、133、及びゲート絶縁層132
は省略する。
【0082】
図2(B)に示すように、基板101上に絶縁層131が形成され、絶縁層131上に
第1のトランジスタとして薄膜トランジスタ110が形成される。薄膜トランジスタ11
0は、絶縁層131上に形成される半導体領域103、ゲート電極105、配線134、
135、半導体領域103とゲート電極とを絶縁するゲート絶縁層132、ゲート電極1
05及び配線134、135を絶縁する絶縁層133を有する。
【0083】
また、ゲート絶縁層132上にゲート電極105と同時に形成される第2のトランジス
タの第2の導電層であるゲート電極106が形成される。
【0084】
絶縁層131、ゲート絶縁層132、配線134、135、絶縁層133はそれぞれ、実
施の形態1の絶縁層102、ゲート絶縁層104、配線108、109、絶縁層107を
適宜用いることが可能である。
【0085】
なお、接続孔136において、半導体領域103と第2の導電層であるゲート電極10
6に覆われていない絶縁層131は、接続孔111、136を形成する際にオーバーエッ
チングされる場合がある。ここでは、当該オーバーエッチングにより、一部膜厚が薄くな
っている絶縁層131を示す。また、同様に、第2の導電層であるゲート電極106に覆
われていないゲート絶縁層132は、接続孔111、136を形成する際にエッチングさ
れる。
【0086】
本実施の形態では、第1の導電層である半導体領域のソース領域又はドレイン領域及び
配線135が、絶縁層133及びゲート絶縁層132に形成された接続孔136において
接続されている。また、同様の接続孔136において、配線135と第2の導電層である
ゲート電極106とが接続されている。更には、配線135の端部の一部が接続孔136
内に配置されている。このため、配線135と第2の導電層であるゲート電極106とが
接する領域において、配線135の端部が絶縁層133上に形成されない。この結果、配
線の凹凸を低減することが可能である。特に、膜厚の厚い導電層(ここでは、配線135
及び第2の導電層であるゲート電極106)が接する領域において、導電層の端部が絶縁
層上に形成されないため、配線の凹凸を低減することが可能である。
【0087】
また、第2の導電層であるゲート電極106において、第3の導電層である配線135
と接する端部も接続孔136内に配置されている。
【0088】
即ち、接続孔136において、第3の導電層である配線135が第2の導電層であるゲ
ート電極106と接する第1の領域121bと、第3の導電層である配線135が第2の
導電層であるゲート電極106と接しない第2の領域121a、121dを有する。なお
領域121dでは、第3の導電層である配線135は第1の導電層である半導体領域10
3と接する領域である。
【0089】
さらには、接続孔において、上記第1の領域及び第2の領域に加えて、第2の導電層で
あるゲート電極106が第3の導電層である配線135と接しない第3の領域121cを
有する。
【0090】
また、図2(C)に示すように、配線135の端部は、絶縁層133上に形成されず、
第2の導電層であるゲート電極106上に形成されている。また、接続孔136の内側に
おいて、配線135と第2の導電層であるゲート電極106の端部が位置する。
【0091】
なお、第2の導電層であるゲート電極106及び第3の導電層である配線135が接続す
る接続孔136の形状において、実施の形態1の図8(C)に示す構造と同様に、絶縁層
107の端部が第2の導電層であるゲート電極106上に位置してもよい。即ち、第2の
導電層であるゲート電極106及び第3の導電層である配線135が接する付近において
、第2の導電層であるゲート電極106の端部が絶縁層133に覆われて露出せず、第3
の導電層である配線135の端部のみが露出してもよい。
【0092】
本実施の形態により、第1の導電層及び第3の導電層の接触面積を増大させると共に、第
2の導電層と第3の導電層との接触面積を増大させることが可能である。このため、接触
抵抗を低下させることが可能であり、高速動作が可能な半導体装置を作製することが可能
である。
【0093】
また、1の導電層及び第2の導電層に接続する第3の導電層を有する半導体装置において
、第2の導電層及び第3の導電層が接続孔で接続し、第3の導電層の端部が接続孔内に位
置する構造により、第3の導電層の凹凸を低減することが可能である。このため、第3の
導電層上に形成される絶縁層の凹凸も低減することが可能であり、塗布法により平坦性の
高い絶縁層を形成する場合、材料を削減することが可能である。よって、コストを削減す
ることが可能であると共に生産性を高めることが可能である。
【0094】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態2において第2の導電層の一部が第1の導電層の一部を重
畳することを特徴とする半導体装置について図3を用いて説明する。
【0095】
本実施の形態では、実施の形態1と同様に、第1の導電層としては、第1のトランジスタ
の半導体領域のソース領域又はドレイン領域の一方を用い、第2の導電層としては、第2
のトランジスタのゲート電極を用い、第3の導電層としては、ソース領域又はドレイン領
域の一方と、ゲート電極を接続する配線を用いて説明する。また、第1のトランジスタ及
び第2のトランジスタとして、それぞれ薄膜トランジスタを用いて示す。
【0096】
図3(A)は、第1のトランジスタの上面図であり、図3(B)及び図3(C)はそれ
ぞれ図3(A)のA−B、C−Dの断面図である。なお、図3(A)において、図3(B
)、及び(C)に示される基板101、絶縁層102、143、及びゲート絶縁層104
は省略する。
【0097】
図3(B)に示すように、基板101上に絶縁層102が形成され、絶縁層102上に
第1のトランジスタとして薄膜トランジスタ110が形成される。薄膜トランジスタ11
0は、絶縁層102上に形成される半導体領域103、ゲート電極105、配線144、
145、半導体領域103とゲート電極105を絶縁するゲート絶縁層104、ゲート電
極105及び配線144、145を絶縁する絶縁層143を有する。
【0098】
また、ゲート絶縁層104上に、ゲート電極105と同時に形成される第2のトランジ
スタのゲート電極142が形成される。ここで、第2のトランジスタのゲート電極142
の一部は、第1のトランジスタの半導体領域103の一部を重畳している。このため、半
導体領域103において、ゲート電極142と重畳する領域は、ゲート電極105に覆わ
れる半導体領域(チャネル領域)100と同様に、不純物が添加されない領域147を有
する。
【0099】
なお、本実施の形態において、ゲート電極142、配線144、145、絶縁層143は
それぞれ、実施の形態1の第2の導電層であるゲート電極106、配線108、109、
絶縁層107を適宜用いることが可能である。
【0100】
本実施の形態では、第1の導電層である半導体領域103のソース領域又はドレイン領
域と、配線145が、絶縁層143及びゲート絶縁層104に形成された接続孔146に
おいて接続されると共に、第2の薄膜トランジスタのゲート電極142とも接続されてい
る。更には、配線145とゲート電極142とが接する領域において、配線145の端部
の一部が接続孔146内に配置されている。このため、配線145とゲート電極142と
が接する領域において、配線145の端部が絶縁層143上に形成されない。この結果、
配線の凹凸を低減することが可能である。特に、膜厚の厚い導電層(ここでは、ゲート電
極142及び配線145)が接する領域において、配線145の端部が絶縁層上に形成さ
れないため、配線の凹凸を低減することが可能である。
【0101】
また、第2の導電層であるゲート電極142において、第3の導電層である配線145
と接する端部も接続孔146内に配置されている。
【0102】
即ち、接続孔146において、第3の導電層である配線145が第2の導電層であるゲ
ート電極142と接する第1の領域122bと、第3の導電層である配線145が第2の
導電層であるゲート電極142と接しない第2の領域122aを有する。なお領域122
aにおいて、第3の導電層である配線145は第1の導電層である半導体領域103と接
する領域を有する。
【0103】
さらには、接続孔146において、上記第1の領域及び第2の領域に加えて、第2の導
電層であるゲート電極142が第3の導電層である配線145と接しない第3の領域12
2cを有する。
【0104】
また、図3(C)に示すように、配線145の端部は、絶縁層143上に形成されず、
ゲート電極142上に形成されている。また、接続孔146の内側において、配線145
とゲート電極142の端部が位置する。
【0105】
なお、第2の導電層であるゲート電極142及び第3の導電層である配線145が接続す
る接続孔146の形状において、実施の形態1の図8(C)に示す構造と同様に、絶縁層
143の端部が第2の導電層であるゲート電極142上に位置してもよい。即ち、第2の
導電層であるゲート電極142及び第3の導電層である配線145が接する付近において
、第2の導電層であるゲート電極142の端部が絶縁層143に覆われて露出せず、第3
の導電層である配線145の端部のみが露出してもよい。
【0106】
本実施の形態により、第2のトランジスタのゲート電極142が、第1のトランジスタ
の半導体領域103の一部を重畳しているため、単位面積当たりに、より多くのトランジ
スタを形成することが可能である。この結果、高集積化された半導体装置を作製すること
が可能である。
【0107】
また、1の導電層及び第2の導電層に接続する第3の導電層を有する半導体装置において
、第2の導電層及び第3の導電層が接続孔で接続し、第3の導電層の端部が接続孔内に位
置する構造により、第3の導電層の凹凸を低減することが可能である。このため、第3の
導電層上に形成される絶縁層の凹凸も低減することが可能であり、塗布法により平坦性の
高い絶縁層を形成する場合、材料を削減することが可能である。よって、コストを削減す
ることが可能であると共に生産性を高めることが可能である。
【0108】
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1乃至実施の形態3において第2の導電層が膜厚の薄い
領域と膜厚の厚い領域とを有し、膜厚の薄い領域において、第2の導電層及び第3の導電
層が接続することを特徴とする半導体装置について図4を用いて説明する。本実施の形態
では、実施の形態1を用いて説明するが、実施の形態2及び実施の形態3に適宜適用する
ことが可能である。
【0109】
本実施の形態においては、実施の形態1と同様に、第1の導電層としては、第1のトラ
ンジスタの半導体領域のソース領域又はドレイン領域の一方を用い、第2の導電層として
は、第2のトランジスタのゲート電極を用い、第3の導電層としては、ソース領域又はド
レイン領域の一方と、ゲート電極を接続する配線を用いて説明する。また、第1のトラン
ジスタ及び第2のトランジスタとして、それぞれ薄膜トランジスタを用いて示す。
【0110】
図4(A)は、第1のトランジスタの上面図であり、図4(B)及び図4(C)はそれ
ぞれ図4(A)のA−B、C−Dの断面図である。なお、図4(A)において、図4(B
)、及び(C)に示される基板101、絶縁層151、155、及びゲート絶縁層152
は省略する。
【0111】
図4(B)に示すように、基板101上に絶縁層151が形成され、絶縁層151上に
第1のトランジスタとして薄膜トランジスタ110が形成される。薄膜トランジスタ11
0は、絶縁層151上に形成される半導体領域103、ゲート電極153、配線156、
157、半導体領域103とゲート電極を絶縁するゲート絶縁層152、ゲート電極15
3及び配線156、157を絶縁する絶縁層155を有する。
【0112】
また、ゲート絶縁層152上にゲート電極153と同時に形成される第2のトランジスタ
のゲート電極154が形成される。
【0113】
ゲート電極153、154はそれぞれ、膜厚の薄い領域153a、154a、及び膜厚の
厚い領域153b、154bを有する。
【0114】
本実施の形態においては、絶縁層151、ゲート絶縁層152、配線156、157、絶
縁層155はそれぞれ、実施の形態1の絶縁層102、ゲート絶縁層104、配線108
、109、絶縁層107を適宜用いることが可能である。
【0115】
また、半導体領域103において、ゲート電極153の膜厚の薄い領域153aと重畳す
る領域は、低濃度不純物領域150a、150bが形成される。
【0116】
なお、接続孔159において、半導体領域103やゲート電極154に覆われていない
絶縁層151は、接続孔111、158、159を形成する際にオーバーエッチングされ
る場合がある。ここでは、当該オーバーエッチングにより、一部膜厚が薄くなっている絶
縁層151を示す。また、同様に、ゲート電極154に覆われていないゲート絶縁層15
2は、接続孔111、158、159を形成する際にエッチングされる。
【0117】
本実施の形態では、第1の導電層である半導体領域のソース領域又はドレイン領域と、
配線157が、絶縁層155及びゲート絶縁層152に形成された接続孔158において
接続されている。また、配線157とゲート電極154の膜厚の薄い領域154aとが、
絶縁層155及びゲート絶縁層152に形成された接続孔159において接続されている
。更には、配線157の端部の一部が接続孔159内に配置されている。
【0118】
また、第2の導電層であるゲート電極154において、第3の導電層である配線157
と接する端部も接続孔159内に配置されている。
【0119】
本実施の形態においては、第2のトランジスタのゲート電極の膜厚の薄い領域154a
において、配線157と接続されている。このため、実施の形態1乃至実施の形態3と比
較して、絶縁層155の表面よりも高く突出する配線の割合を低減することが可能である

【0120】
また、図4(C)に示すように、配線157の端部は、絶縁層155上に形成されず、
ゲート電極154の膜厚の薄い領域154a上に形成されている。また、接続孔159の
内側において、配線157とゲート電極154の膜厚の薄い領域154aの端部が位置す
る。
【0121】
なお、第2の導電層であるゲート電極154及び第3の導電層である配線157が接続す
る接続孔159の形状において、実施の形態1の図8(C)に示す構造と同様に、絶縁層
155の端部が第2の導電層であるゲート電極154上に位置してもよい。即ち、第2の
導電層であるゲート電極154及び第3の導電層である配線157が接する付近において
、第2の導電層であるゲート電極154の端部が絶縁層155に覆われて露出せず、第3
の導電層である配線157の端部のみが露出してもよい。
【0122】
ここで、図9を用いて膜厚の薄い領域153a、154a、及び膜厚の厚い領域153
b、154bを有するゲート電極153、154の形成方法について説明する。
【0123】
図9(A)に示すように、ゲート絶縁層152上に導電層204を形成し、導電層204
上にレジスト205を塗布する。次いで、回折格子パターン或いは半透膜からなる光透過
率低減する補助パターンを設置したフォトマスクまたはレチクルを用いて、レジストの一
部を露光し、現像して導電層204をエッチング加工するためのマスクパターンを形成す
る。ここでは、導電層204として単層で形成される導電層を示したが、これに限られず
、複数の導電層を積層させた構造としてもよい。例えば、ゲート絶縁層152上に、タン
グステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、アルミニウ
ム(Al)などのいずれかの金属窒化物で形成される第1の導電層を形成し、その上に上
記金属のいずれかで形成される第2の導電層を積層させた構造としても良い。
【0124】
回折格子パターンとは、解像度限界以下の間隔を有する複数スリットである。当該スリッ
トからレジストへ光を照射することで、感光及び非感光の途中の状態を与えるレベル(グ
レーレベル)の光をレジストへ照射することができる。
【0125】
半透膜からなる光透過率を低減する補助パターンとは、露光光を遮断する領域と、感光及
び非感光の途中の状態を与えるレベル(グレーレベル)の露光を行うことのできる領域と
を有する補助パターンである。
【0126】
ここでは、珪化モリブデン(MoSi)で形成される半透膜202a及びクロム(Cr
)で形成される遮光膜202bを有する補助パターン202、並びに珪化モリブデン(M
oSi)で形成される半透膜203a及びクロム(Cr)で形成される遮光膜203b
を有する補助パターン203が設置されたフォトマスク200を用いてレジスト205の
一部を露光し、現像する。
【0127】
この結果、図9(B)に示すように、マスクパターンの断面形状において、中央部におい
ての膜厚が厚い領域212b、213bと、端部において膜厚の薄い領域212a、21
3aを有するマスクパターン212、213を形成する。
【0128】
膜厚の異なるマスクパターン212、213を用いて導電層204をエッチングすると
、マスクパターン212、213の形状が、形成される導電層の形状に反映する。このよ
うな作用を有効に利用すると、1回のフォトリソグラフィー工程(1回の露光)で、膜厚
の異なる領域を有する導電層を形成することができる。図9(C)において、マスクパタ
ーン212で覆われた導電層をエッチングすることで、膜厚の厚い領域153b、154
b、及び膜厚の薄い領域153a、154aを有するゲート電極153、154を形成す
ることができる。
【0129】
また、上記のような回折格子又は補助パターンを有するフォトマスク又はレチクルを用い
ずとも、特開2002−252352号公報で示される方法により、膜厚の厚い導電層及
び膜厚の薄い導電層が積層された導電層を形成することが可能である。具体的には、エッ
チング速度異なる導電層を2層積層し、これらの導電層をテーパー状になるようなエッチ
ング及び異方性エッチングして、膜厚の薄い導電層及び膜厚の厚い導電層を形成してもよ
い。
【0130】
(実施の形態5)
本実施の形態では、トランジスタの配線に接続する画素電極において、配線の膜厚に由来
する画素電極の被覆率の低減に伴う切断を回避することが可能な構造を、図5を用いて説
明する。本実施の形態では、実施の形態1を用いて説明するが、適宜実施の形態2乃至実
施の形態4を適用することが可能である。
【0131】
ここでは、第1の導電層としては、薄膜トランジスタの半導体領域のソース領域又はド
レイン領域の一方を用い、第2の導電層としては、画素電極と配線とを接続する接続用導
電層を用い、第3の導電層としては、半導体領域のソース領域又はドレイン領域の一方と
、接続用導電層を接続する配線を用いて説明する。また、トランジスタとして、薄膜トラ
ンジスタを用いて示す。
【0132】
図5(A)は、トランジスタの上面図であり、図5(B)は図5(A)のA−Bの断面
図である。なお、図5(A)において、図5(B)、及び(C)に示される基板101、
絶縁層160、163、及びゲート絶縁層104は省略する。
【0133】
図5(B)に示すように、基板101上に絶縁層160が形成され、絶縁層160上に
トランジスタとして薄膜トランジスタ110が形成される。薄膜トランジスタ110は、
絶縁層160上に形成される半導体領域103、ゲート電極105、配線108、109
、半導体領域103及びゲート電極を絶縁するゲート絶縁層104、ゲート電極105及
び配線108、109を絶縁する絶縁層163を有する。
【0134】
また、ゲート絶縁層104上にゲート電極105と同時に形成される接続用導電層16
4が形成される。
【0135】
なお、本実施の形態において、絶縁層163は、実施の形態1の絶縁層107を適宜用い
ることが可能である。
【0136】
本実施の形態では、第1の導電層である半導体領域103のソース領域又はドレイン領
域及び配線109が、絶縁層163及びゲート絶縁層104に形成された接続孔112に
おいて接続さている。また、配線109と接続用導電層164とが、絶縁層163及びゲ
ート絶縁層104に形成された接続孔113において接続されている。なお、配線109
の端部の一部が接続孔113内に配置されている。更には、接続用導電層164と画素電
極161とが、絶縁層163に形成される接続孔162において接続される。
【0137】
また、第2の導電層である接続用導電層164において、第3の導電層である配線10
9と接する端部も接続孔113内に配置されている。
【0138】
また、図17に示すように、絶縁層163及びゲート絶縁層104に形成された接続孔1
81の内側に接続用導電層182が配置され、当該接続孔181において配線109及び
接続用導電層182が接続すると共に、画素電極183及び接続用導電層182が接続す
る。なお、図17においては、接続用導電層182は、配線109及び画素電極183に
接する端部のみが接続孔181の内側に配置されていれば良く、接続用導電層182にお
いて配線109及び画素電極183に接しない領域においては、接続孔181の外側に接
続用導電層182が配置されていても良い。即ち、配線109及び画素電極183に接し
ない接続用導電層182の端部は、接続孔181の外側に配置されていても良い。
【0139】
また、第2の導電層である接続用導電層182において、第3の導電層である配線10
9と接する端部も接続孔181内に配置されている。更には、画素電極183が接続用導
電層182と接する端部も接続孔181内部に配置されている。
【0140】
更には、図18に示すように、絶縁層163及びゲート絶縁層104に形成された接続孔
191の内側において配線109及び接続用導電層164が接続すると共に、画素電極1
92及び接続用導電層164が接続される。図18においては、接続孔191の一部が接
続用導電層164上に形成されており、当該領域において接続用導電層164及び画素電
極192が接続する。
【0141】
また、第2の導電層である接続用導電層164において、第3の導電層である配線10
9と接する端部も接続孔191内に配置されている。更には、画素電極192が接続用導
電層164と接する端部も接続孔191内部に配置されている。
【0142】
また、図18においては、接続用導電層164は、接続孔191の外側においても、画
素電極192と重畳している。
【0143】
本実施の形態においては、配線109の端部に画素電極が乗り上げない構造で、薄膜ト
ランジスタと画素電極とが接続されている。このため、画素電極の段切れを防止すること
が可能である。また、特に、膜厚の厚い導電層(ここでは、配線109及び接続用導電層
164)が接続する領域において、配線109の端部が絶縁層163上に形成されないた
め、配線の凹凸を低減することが可能である。
【実施例1】
【0144】
本実施例では、EL表示パネルについて図6、7用いて説明する。図7(A)は、EL表
示パネルの一画素の上面図であり、図6は図7(A)のA−Bにおける断面図である。ま
た、図7(B)は図7(A)の駆動用のTFTと第1の画素電極とが接続する領域の拡大
図である。また、図7(C)は図7(A)のスイッチング用のTFTの配線と、駆動用の
TFTのゲート電極とが接続する領域の拡大図である。
【0145】
図6(A)は、EL表示パネルにおいて、スイッチング用のTFT602、駆動用のT
FT603、発光素子624で構成される画素が基板600上に形成される。ここでは、
基板600上に絶縁層601が形成され、絶縁層601上にスイッチング用のTFT60
2、駆動用のTFT603が形成される領域を示す。
【0146】
ここでは、基板600としてガラス基板を用い、絶縁層601としてCVD法により膜厚
140nmの窒化酸化珪素膜、膜厚100nmの酸化窒化珪素膜を順に積層して形成する

【0147】
スイッチング用のTFT602は、半導体領域602a、ゲート絶縁層604、ゲート電
極605、絶縁層608、半導体領域のソース領域、ドレイン領域に接続する配線611
、612で構成される。配線611、612は、絶縁層608に形成される接続孔631
、632において、半導体領域602aのソース領域、ドレイン領域と接続する。
【0148】
駆動用のTFT603は、半導体領域603a、ゲート絶縁層604、ゲート電極606
、絶縁層608、半導体領域のソース領域、ドレイン領域に接続する配線613、614
で構成される。配線613、614は、絶縁層608に形成される接続孔633、634
において、半導体領域603aのソース領域、ドレイン領域と接続する。
【0149】
スイッチング用のTFT602の配線612は、絶縁層608に形成される接続孔63
2において、駆動用のTFT603のゲート電極606と接続する。このとき、配線61
2の端部の一部は接続孔632の内側に位置する。
【0150】
駆動用のTFT603の配線614は、ゲート電極605、606と同時に形成される接
続用導電層607と接続孔634において接続する。また、接続孔634において、接続
用導電層607と第1の画素電極615とが接続する。ここでは、配線614と第1の画
素電極615とが重複しないことが好ましい。この構造により、第1の画素電極615の
段切れを防止することが可能であり、画素の不良を防止することが可能である。
【0151】
ここでは、スイッチング用のTFT602として、nチャネル型TFTを形成する。また
、駆動用のTFT603としてpチャネル型のTFTを形成する。半導体領域602a、
603aは、膜厚50nmの結晶性珪素膜を所望の形状にエッチングして形成する。スイ
ッチング用のTFT602の半導体領域602aのソース領域、ドレイン領域には、リン
がドーピングされている。また、駆動用のTFT603の半導体領域603aのソース領
域、ドレイン領域には、ボロンがドーピングされている。
【0152】
スイッチング用のTFT602の半導体領域602aは、ゲート電極605に覆われない
領域において、リンが添加された低濃度不純物領域625a〜625dを有する。また、
半導体領域602aにおいて、ゲート電極605に覆われる領域627a、627b、及
びゲート電極606に覆われる627cには、リンは添加されていない。
【0153】
駆動用のTFT603の半導体領域603aは、ゲート電極606に覆われる領域におい
て、ボロンが添加された低濃度不純物領域628a〜628cを有する。また、半導体領
域603aにおいて、ゲート電極606及び接続用導電層607に覆われる領域627d
〜627fには、リンは添加されていない。
【0154】
ゲート絶縁層604としては、オルトケイ酸テトラエチル(Tetraethyl Or
tho Silicate:TEOS)とOとを原料に用いたCVD法により膜厚11
0nmの酸化珪素層を形成する。ゲート電極605、606、接続用導電層607は、ス
パッタリング法を用いて膜厚30nmの窒化タンタル層と、膜厚370nmのタングステ
ン層で形成する。配線611〜614は、スパッタリング法を用いて膜厚100nmのチ
タン層、膜厚700nmのアルミニウム層、膜厚100nmのチタン層を順に積層して形
成する。
【0155】
また、絶縁層608、配線611〜614、及び画素電極615の一部を覆う絶縁層62
1が形成される。絶縁層621は各画素を隔てる隔壁として機能する。
【0156】
ここでは、絶縁層608としては、CVD法により、膜厚50nmの酸化窒化珪素層、膜
厚140nmの窒化酸化珪素層、膜厚670nmの酸化窒化珪素層を形成する。第1の画
素電極615は、スパッタリング法により膜厚125nmの酸化珪素を含むITOで形成
する。絶縁層621は、スピンコート法により組成物を塗布し焼成して、膜厚1.2μm
の感光性ポリイミドで形成し、その後露光及び現像して、第1の画素電極615の一部を
露出して絶縁層621を形成する。
【0157】
なお、第1の画素電極615として、酸化タングステンを含むインジウム酸化物(IW
O)、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物(IWZO)、酸化チタンを含むイ
ンジウム酸化物(ITiO)、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物(ITTiO)、イ
ンジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)などを用いることができ
る。
【0158】
また、絶縁層621として、組成物を塗布し焼成して、シロキサン又はアクリルで形成
してもよい。
【0159】
図6(B)に示すように、図6(A)の塗布法で形成された絶縁層621の代わりに、
CVD法やPVD法等により形成された絶縁層641を形成してもよい。本実施例の配線
の構造により、配線と絶縁層608との表面の凹凸差を緩和することが可能であるため、
隔壁として機能する絶縁層641をCVD法やPVD法により形成しても、凹凸が低減さ
れる。
【0160】
さらには、図19に示すように、第1の画素電極683が、接続用導電層681及び配
線682の両方と接していてもよい。即ち、第1の画素電極683は、接続孔684にお
いて露出する接続用導電層681の一部、及び配線682の一部に接するように形成され
る。なお、図19(B)は、図19(A)の駆動用のTFT603及び第1の画素電極6
83の接続領域の拡大図であり、図19(C)は図19(B)B−Cの断面図である。
【0161】
また、第1の画素電極683が、配線682のみと接してしてもよい。
【0162】
なお、図19(C)において、絶縁層621は、図6(A)と同様に塗布法を用いて形
成した図を示したが、絶縁層621の代わりに図6(B)と同様にCVD法やPVD法等
により形成された絶縁層641を形成してもよい。
【0163】
さらには、図20に示すように、絶縁層608及び配線611〜614と、絶縁層62
1との間に絶縁層691を設けてもよい。絶縁層691により、配線611〜614が露
出することを防止することが可能であり、外部からの汚染物質がTFT602、603に
侵入するのを防ぐことができる。
【0164】
また、同様に、絶縁層608と第1の画素電極692との間に、絶縁層691を設けて
もよい。絶縁層691を設けることにより、絶縁層608の凹凸を緩和することが可能で
あり、第1の画素電極692の凹凸を低減することが可能である。この結果、第1の画素
電極692及び第2の画素電極623がショートすることを防止することが可能であり、
画素の表示欠陥を低減することが可能である。ここでは、第1の画素電極692、発光層
622、及び第2の画素電極623により発光素子693を構成することができる。
【0165】
絶縁層691としては、配線611〜614を形成した後、CVD法またはスパッタリ
ング法により、配線611〜614及び絶縁層608上に厚さ50nm〜300nm、好
ましくは100〜150nmの酸化珪素膜、窒化珪素膜または酸化窒化珪素膜などで形成
される絶縁層を形成する。なお、絶縁層は、単層又は2以上の複数層で形成すればよい。
この後、当該絶縁層の一部をエッチングして、接続用導電層607の一部を露出させる。
さらに、当該露出部において、接続用導電層607を介して配線614と電気的に接続す
る第1の画素電極692を形成する。
【0166】
図20においては、図6(A)に示されるように、絶縁層621は、塗布法を用いて形
成した図を示したが、絶縁層621の代わりに図6(B)と同様にCVD法やPVD法等
により形成された絶縁層641を用いて形成してもよい。
【0167】
第1の画素電極692上に発光層622、第2の画素電極623が形成される。また、第
1の画素電極692、発光層622、及び第2の画素電極623で発光素子693が形成
される。
【0168】
なお、図7に示すように、ゲート電極605、接続用導電層607、配線611、612
、第1の画素電極615それぞれの上面形状は、角部において90度より大きな角度を有
する、好ましくは角部が円弧状であることが望ましい。このような形状をとることで、ド
ライエッチングの際に、角部においてプラズマが集中的に放電する(異常放電)ことを回
避することが可能であり、この結果異常放電による微粉の発生を抑えることが可能である
。また、例え微粉が発生しても、洗浄のときに微粉が角部に集まりにくくなり、洗浄効果
が高まり、微粉が原因による歩留まり低下を抑制することが可能である。
【0169】
ここでは、赤色を表示する発光素子として、第1の画素電極として膜厚125nmの酸化
珪素を含むITO層を形成する。また、発光層として、DNTPDを50nm、NPBを
10nm、ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(
アセチルアセトナート)(略称:Ir(Fdpq)(acac))が添加されたNPB
を30nm、Alqを30nm、及びLiFを1nm積層して形成する。第2の画素電
極として、膜厚200nmのAl層を形成する。
【0170】
また、緑色を表示する発光素子として、第1の画素電極として膜厚125nmの酸化珪素
を含むITO層を形成する。また、発光層として、DNTPDを50nm、NPBを10
nm、クマリン545T(C545T)が添加されたAlqを40nm、Alqを3
0nm、及びLiFを1nm積層して形成する。第2の画素電極として、膜厚200nm
のAl層を形成する。
【0171】
また、青色を表示する発光素子として、第1の画素電極として膜厚125nmの酸化珪素
を含むITO層を形成する。また、発光層として、DNTPDを50nm、NPBを10
nm、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン(略称:TBP)が添加
された、9−[4−(N−カルバゾリル)]フェニル−10−フェニルアントラセン(略
称:CzPA)を30nm、Alqを30nm、及びLiFを1nm積層して形成する
。第2の画素電極として、膜厚200nmのAl層を形成する。
【0172】
ここで本実施例において、フルカラー表示する場合の画素における等価回路図を図10に
示す。図10において、破線で囲まれるTFT638が図6のスイッチング用のTFT6
02に対応しており、破線で囲まれるTFT639が駆動用のTFT603に対応してい
る。
【0173】
赤色を表示する画素は、駆動用のTFT639のドレイン領域に赤色を発光するOLED
703Rが接続され、ソース領域にはアノード側電源線(R)706Rが設けられている
。また、OLED703Rには、カソード側電源線700が設けられている。また、スイ
ッチング用のTFT638はゲート配線705に接続され、駆動用のTFT639のゲー
ト電極は、スイッチング用のTFT638のドレイン領域に接続される。なお、スイッチ
ング用のTFT638のドレイン領域は、アノード側電源線(R)706(R)に接続さ
れた容量素子707と接続している。
【0174】
また、緑色を表示する画素は、駆動用のTFTのドレイン領域に緑色を発光するOLED
703Gが接続され、ソース領域にはアノード側電源線(G)706Gが設けられている
。また、スイッチング用のTFT638はゲート配線705に接続され、駆動用のTFT
639のゲート電極は、スイッチング用のTFT638のドレイン領域に接続される。な
お、スイッチング用のTFT638のドレイン領域は、アノード側電源線(G)706(
G)に接続された容量素子707と接続している。
【0175】
また、青色を表示する画素は、駆動用のTFTのドレイン領域に青色を発光するOLE
D703Bが接続され、ソース領域にはアノード側電源線(B)706Bが設けられてい
る。また、スイッチング用のTFT638はゲート配線705に接続され、駆動用のTF
T639のゲート電極は、スイッチング用のTFT638のドレイン領域に接続される。
なお、スイッチング用のTFT638のドレイン領域は、アノード側電源線(B)706
(B)に接続された容量素子707と接続している。
【0176】
それぞれ色の異なる画素にはEL材料に応じて異なる電圧をそれぞれ印加する。
【0177】
なお、ここでは、ソース配線704とアノード側電源線706R、706G、706Bと
を平行に形成しているが、これに限られず、ゲート配線705とアノード側電源線706
R、706G、706Bとを平行に形成してもよい。更には、駆動用のTFT639をマ
ルチゲート電極構造としてもよい。
【0178】
また、発光装置において、画面表示の駆動方法は特に限定されず、例えば、点順次駆動方
法や線順次駆動方法や面順次駆動方法などを用いればよい。代表的には、線順次駆動方法
とし、時分割階調駆動方法や面積階調駆動方法を適宜用いればよい。また、発光装置のソ
ース線に入力する映像信号は、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であっても
よく、適宜、映像信号に合わせて駆動回路などを設計すればよい。
【0179】
さらに、ビデオ信号がデジタルの発光装置において、画素に入力されるビデオ信号が定電
圧(CV)のものと、定電流(CC)のものとがある。ビデオ信号が定電圧のもの(CV
)には、発光素子に印加される信号の電圧が一定のもの(CVCV)と、発光素子に印加
される信号の電流が一定のもの(CVCC)とがある。また、ビデオ信号が定電流のもの
(CC)には、発光素子に印加される信号の電圧が一定のもの(CCCV)と、発光素子
に印加される信号の電流が一定のもの(CCCC)とがある。
【0180】
また、発光装置において、静電破壊防止のための保護回路(保護ダイオードなど)を設
けてもよい。
【0181】
また、本実施例は実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、または実
施の形態5と自由に組み合わせることができる。
【0182】
次に、図6、7、10で示す画素を、画素部に有するEL表示パネルについて、図11を
用いて説明する。
【0183】
図11は、EL表示パネルの断面図を示す。EL表示パネルは、第1の基板600に形成
される絶縁層608と第2の基板640とがシール材650で封止されている。シール材
650としては、フィラーを含む粘性の高いエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。シー
ル材はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。
【0184】
シール材650、第1の基板600、第2の基板640の内側において、駆動回路部64
4、画素部645を有する。また、シール材650の外側に端子部643を有する。
【0185】
端子部643においては、各TFTのゲート配線、ソース配線に接続される接続端子(図
11においては、ソース配線に接続される接続端子654を示す。)が形成されている。
また、接続端子は、異方性導電膜656を介して入力端子となるFPC(フレキシブルプ
リント配線)655に接続されており、異方性導電膜656を介してビデオ信号やクロッ
ク信号を受け取る。
【0186】
駆動回路部644においては、ソースドライバやゲートドライバ等の画素を駆動する回路
が形成される。ここでは、画素部のスイッチング用のTFT602と同様に形成されるn
チャネル型のTFT651、画素部の駆動用のTFT603と同様に形成されるpチャネ
ル型のTFT652が配置されている。なお、nチャネル型のTFT651及びpチャネ
ル型のTFT652によりCMOS回路が形成されている。
【0187】
画素部645においてスイッチング用のTFT602、駆動用のTFT603、発光素子
624で構成させる画素(図7(A)の領域610)がマトリクス状に配置されている。
【0188】
画素部の発光素子624及び絶縁層621上に、保護層が形成されてもよい。保護層は、
発光素子624や絶縁層621に水分や酸素等が侵入することを防ぐためのものである。
保護層は、プラズマCVD法又はスパッタリング法などの薄膜形成法を用い、窒化珪素、
酸化珪素、窒化酸化珪素、酸化窒化珪素、酸化窒化アルミニウム、または酸化アルミニウ
ム、ダイアモンドライクカーボン(DLC)、窒素含有炭素(CN)、その他の絶縁性材
料を用いて形成することが好ましい。
【0189】
本実施例においては、同一基板上にソースドライバ、ゲートドライバ、及び画素部のT
FTが形成されている。このため、発光表示パネルを薄くすることができる。
【0190】
なお、第2の基板640と、保護層653との間の領域642に、不活性ガス、例えば
窒素ガスを充填した空間を有してもよい。このため、発光素子や絶縁層621に水分や酸
素が侵入することを低減することができる。
【0191】
また、第2の基板640に着色層を設けることができる。この場合、各画素に白色発光が
可能な発光素子を設け、RGBを示す着色層を別途設けることでフルカラー表示すること
ができる。また、各画素に青色発光が可能な発光素子を設け、色変換層などを別途設ける
ことによってフルカラー表示することができる。このようなEL表示モジュールは、各R
BGの色純度が高く、高精細な表示が可能となる。さらには、各画素において、赤色、緑
色、青色の発光を示す発光素子を形成し、且つ着色層を用いることもできる。
【0192】
また、発光素子624が発光する光が第1の基板600側へ射出される場合、第1の基
板600の表面に、偏光板及び位相差板を設けても良い。また、発光素子624が発光す
る光が第2の基板640側へ射出される場合、第2の基板640の表面に、偏光板及び位
相差板を設けても良い。さらには、発光素子624が発光する光が第1の基板600及び
第2の基板側へ射出される場合、第1の基板600及び第2の基板640の表面に、偏光
板及び位相差板を設けても良い。
【0193】
また、第1の基板600又は第2の基板640の一方、若しくは両方にフィルム又は樹
脂等の基板を用いて発光表示パネルを形成してもよい。このように対向基板を用いず封止
すると、表示装置の軽量化、小型化、薄膜化を向上させることができる。
【0194】
更には、発光表示パネルに電源回路、コントローラ等の外部回路を接続して、発光表示
モジュールを形成することが可能である。
【実施例2】
【0195】
本実施例では、液晶表示パネルについて図12を用いて説明する。液晶表示パネルは、第
1の基板600、第2の基板664、及び液晶層674がシール材650で封止されてい
る。シール材650には基板間隔を保持する保持材、代表的にはフィラーを含有している
ことが好ましい。
【0196】
シール材650、第1の基板600、第2の基板664の内側において、駆動回路部66
2、画素部663を有する。また、シール材650の外側に端子部661を有する。
【0197】
第2の基板664には、カラーフィルタやブラックマトリックスとして機能する着色層
665、第2の画素電極666、配向膜として機能する絶縁層667が形成されている。
また、図示しないが、第1の基板600、第2の基板664の一方又は両方に偏光板が設
けられている。
【0198】
端子部661においては、実施例1で示す端子部643と同様に、各TFTのゲート配線
、ソース配線に接続される接続端子(図12においては、ゲート配線に接続される接続端
子654を示す。)が形成されている。また、接続端子は、異方性導電膜656を介して
入力端子となるFPC(フレキシブルプリント配線)に接続されており、異方性導電膜6
56を介してビデオ信号やクロック信号を受け取る。
【0199】
駆動回路部662においては、実施例1で示す駆動回路部644と同様に、ソースドライ
バやゲートドライバ等の画素を駆動する回路が形成される。ここでは、nチャネル型のT
FT651、pチャネル型のTFT652が配置されている。なお、nチャネル型のTF
T651及びpチャネル型のTFT652によりCMOS回路が形成されている。
【0200】
画素部663には、複数の画素が形成されており、各画素には液晶素子668が形成さ
れている。液晶素子668は、第1の画素電極672、第2の画素電極666及びその間
に充填されている液晶層674が重なっている部分である。液晶素子668が有する第1
の画素電極672は、接続用導電層671を介してTFT602と電気的に接続されてい
る。液晶素子668の第2の画素電極666は、第2の基板664側に形成される。また
、第1の画素電極672と液晶層674の間に、配向膜として機能する絶縁層673が形
成され、第2の画素電極666と液晶層674の間に配向膜として機能する絶縁層667
が形成される。
【0201】
第1の基板600及び第2の基板664の間隔は、表示ムラを低減するため、一定の間隔
で保たれることが好ましい。よって、間隔保持材であるスペーサ675が第1の基板60
0及び第2の基板664の間に散布されている。なお、ここでは、スペーサ675は、球
状スペーサを示したが、これに限られず、柱状のスペーサを用いることもできる。
【実施例3】
【0202】
本実施例では、上記実施例に示した表示パネルへの駆動回路の実装について、図13を
用いて説明する。
【0203】
図13(A)に示すように、画素部1401の周辺にソースドライバ1402、及びゲ
ートドライバ1403a、1403bを実装する。図13(A)では、ソースドライバ1
402、及びゲートドライバ1403a、1403b等として、異方性導電接着剤、及び
異方性導電フィルムを用いた実装方法、COG方式、ワイヤボンディング方法、並びに半
田バンプを用いたリフロー処理等により、基板1400上にICチップ1405を実装す
る。ここでは、COG方式を用いる。そして、FPC(フレキシブルプリントサーキット
)1406を介して、ICチップと外部回路とを接続する。
【0204】
なお、ソースドライバ1402の一部、例えばアナログスイッチを基板上に一体形成し
、かつその他の部分を別途ICチップで実装してもよい。
【0205】
また、図13(B)に示すように、SASや結晶性半導体でTFTを形成する場合、画
素部1401とゲートドライバ1403a、1403b等を基板上に一体形成し、ソース
ドライバ1402等を別途ICチップとして実装する場合がある。図13(B)において
、ソースドライバ1402として、COG方式により、基板1400上にICチップ14
05を実装する。そして、FPC1406を介して、ICチップと外部回路とを接続する

【0206】
なお、ソースドライバ1402の一部、例えばアナログスイッチを基板上に一体形成し
、かつその他の部分を別途ICチップで実装してもよい。
【0207】
さらに、図13(C)に示すように、COG方式に代えて、TAB方式によりソースド
ライバ1402等を実装する場合がある。そして、FPC1406を介して、ICチップ
と外部回路とを接続する。図13(C)において、ソースドライバをTAB方式により実
装しているが、ゲートドライバをTAB方式により実装してもよい。
【0208】
ICチップをTAB方式により実装すると、基板に対して画素部を大きく設けることが
でき、狭額縁化を達成することができる。
【0209】
ICチップは、シリコンウェハを用いて形成するが、ICチップの代わりにガラス基板
上に回路を形成したIC(以下、ドライバICと表記する)を設けてもよい。ICチップ
は、円形のシリコンウェハからICチップを取り出すため、母体基板形状に制約がある。
一方ドライバICは、母体基板がガラスであり、形状に制約がないため、生産性を高める
ことができる。そのため、ドライバICの形状寸法は自由に設定することができる。例え
ば、ドライバICの長辺の長さを15〜80mmとして形成すると、ICチップを実装す
る場合と比較し、必要なドライバICの数を減らすことができる。その結果、接続端子数
を低減することができ、製造上の歩留まりを向上させることができる。
【0210】
ドライバICは、基板上に形成された結晶質半導体を用いて形成することができ、結晶
質半導体は連続発振型のレーザ光を照射することで形成するとよい。連続発振型のレーザ
光を照射して得られる半導体膜は、結晶欠陥が少なく、大粒径の結晶粒を有する。その結
果、このような半導体膜を有するトランジスタは、移動度や応答速度が良好となり、高速
駆動が可能となり、ドライバICに好適である。
【実施例4】
【0211】
次に、本発明の半導体装置を実装した電子機器の一態様について図面を参照して説明する
。ここで例示する電子機器は携帯電話機であり、筐体2700、2706、パネル270
1、ハウジング2702、プリント配線基板2703、操作ボタン2704、バッテリ2
705を有する(図14参照)。パネル2701はハウジング2702に脱着自在に組み
込まれ、ハウジング2702はプリント配線基板2703に嵌着される。ハウジング27
02はパネル2701が組み込まれる電子機器に合わせて、形状や寸法が適宜変更される
。プリント配線基板2703には、パッケージングされた複数の半導体装置が実装されて
おり、このうちの1つとして、本発明の半導体装置を用いることができる。プリント配線
基板2703に実装される複数の半導体装置は、コントローラ、中央処理ユニット(CP
U、Central Processing Unit)、メモリ、電源回路、音声処理
回路、送受信回路等のいずれかの機能を有する。
【0212】
パネル2701は、接続フィルム2708を介して、プリント配線基板2703が接続さ
れる。上記のパネル2701、ハウジング2702、プリント配線基板2703は、操作
ボタン2704やバッテリ2705と共に、筐体2700、2706の内部に収納される
。パネル2701が含む画素領域2709は、筐体2700に設けられた開口窓から視認
できるように配置されている。
【0213】
上記の通り、本発明の半導体装置は、小型、薄型、軽量であることを特徴としており、上
記特徴により、電子機器の筐体2700、2706内部の限られた空間を有効に利用する
ことができる。また、コスト削減が可能であり、信頼性高い半導体装置を有する電子機器
を作製することができる。
【実施例5】
【0214】
実施の形態や実施例に示される半導体装置を有する電子機器として、テレビジョン装置
(単にテレビ、又はテレビジョン受信機ともよぶ)、デジタルカメラ、デジタルビデオカ
メラ、携帯電話装置(単に携帯電話機、携帯電話ともよぶ)、PDA等の携帯情報端末、
携帯型ゲーム機、コンピュータ用のモニター、コンピュータ、カーオーディオ等の音響再
生装置、家庭用ゲーム機等の記録媒体を備えた画像再生装置等が挙げられる。その具体例
について、図15を参照して説明する。
【0215】
図15(A)に示す携帯情報端末は、本体9201、表示部9202等を含んでいる。
表示部9202は、実施の形態1〜5、及び実施例1〜4で示すものを適用することがで
きる。本発明の一である表示装置を用いることにより、信頼性高い携帯情報端末を安価に
提供することができる。
【0216】
図15(B)に示すデジタルビデオカメラは、表示部9701、表示部9702等を含
んでいる。表示部9701は、実施の形態1〜5、及び実施例1〜4で示すものを適用す
ることができる。本発明の一である表示装置を用いることにより、信頼性高いデジタルビ
デオカメラを安価に提供することができる。
【0217】
図15(C)に示す携帯端末は、本体9101、表示部9102等を含んでいる。表示
部9102は、実施の形態1〜5、及び実施例1〜4で示すものを適用することができる
。本発明の一である表示装置を用いることにより、信頼性高い携帯端末を安価に提供する
ことができる。
【0218】
図15(D)に示す携帯型のテレビジョン装置は、本体9301、表示部9302等を
含んでいる。表示部9302は、実施の形態1〜5、及び実施例1〜4で示すものを適用
することができる。本発明の一である表示装置を用いることにより、信頼性高い携帯型の
テレビジョン装置を安価に提供することができる。このようなテレビジョン装置は携帯電
話などの携帯端末に搭載する小型のものから、持ち運びをすることができる中型のもの、
また、大型のもの(例えば40インチ以上)まで、幅広く適用することができる。
【0219】
図15(E)に示す携帯型のコンピュータは、本体9401、表示部9402等を含ん
でいる。表示部9402は、実施の形態1〜5、及び実施例1〜4で示すものを適用する
ことができる。本発明の一である表示装置を用いることにより、高画質な表示が可能な携
帯型のコンピュータを安価に提供することができる。
【0220】
図15(F)に示すテレビジョン装置は、本体9501、表示部9502等を含んでい
る。表示部9502は、実施の形態1〜5、及び実施例1〜4で示すものを適用すること
ができる。本発明の一である表示装置を用いることにより、信頼性高いテレビジョン装置
を安価に提供することができる。
【実施例6】
【0221】
本実施例では、従来の薄膜トランジスタ及び本発明の薄膜トランジスタにおいて、画素
電極及び半導体領域の接続部、並びに、ゲート電極及びドレイン配線の接続部における構
造をFIB(収束イオンビーム加工観察装置(Focused Ion Beam sy
stem))で観察した結果について、図21、22を用いて説明する。
【0222】
図21(A)は、本発明の薄膜トランジスタのドレイン電極及び画素電極の上面図を示
す。また、図21(A)のA−Bの断面をFIBで観察した観察像を図22(A)に示し
、図22(A)の模式図を図22(B)に示す。また、図21(A)のC−Dの断面をF
IBで観察した観察像を図22(C)に示し、図22(C)の模式図を図22(D)に示
す。なお、FIBの観察は斜め(tilt角度が60°)から行っている。
【0223】
図21(A)及び図22(B)、(D)に示すように、基板301上に形成される薄膜
トランジスタ350は、半導体領域302a、302b、ゲート絶縁層313、ゲート電
極351、ソース電極352及びドレイン電極305a〜305cで構成される。また、
ソース電極352及びドレイン電極305a〜305cとゲート電極351とは層間絶縁
層306、307で絶縁されている。また、ソース電極352及びドレイン電極305a
〜305cと接続用導電層304とは層間絶縁層306、307で絶縁されている。また
、接続孔353を介して、半導体領域302b及びソース電極352が接続されている。
なお、薄膜トランジスタ350は、絶縁層312を介して基板301上に形成されている

【0224】
また、ゲート電極351と同時に形成された接続用導電層304は、ゲート絶縁層31
3を介して半導体領域302aと重畳している。又、接続孔309において接続用導電層
304とドレイン電極305a〜305cが接続している。また、同様に、接続孔309
において接続用導電層304と画素電極308が接続している。本発明の薄膜トランジス
タ350のドレイン電極305a〜305cの端部は、接続孔309の内部に配置されて
いる。また、半導体領域302bは、ドレイン電極305a〜305c及び接続用導電層
304を介して画素電極308と接続されている。
【0225】
また、ソース電極352、ドレイン電極305a〜305c、接続用導電層304、画
素電極308、層間絶縁層307上には、塗布法により形成された絶縁層311が形成さ
れている。
【0226】
ここでは、基板301としてガラス基板を用い、絶縁層312としてCVD法により膜
厚140nmの窒化酸化珪素膜、膜厚100nmの酸化窒化珪素膜を順に積層して形成す
る。半導体領域302a、302bとして、膜厚50nmの結晶性珪素層を形成する。ゲ
ート絶縁層313として、オルトケイ酸テトラエチル(Tetraethyl Orth
o Silicate:TEOS)とOとを原料に用いたCVD法により膜厚110n
mの酸化珪素層を形成する。ゲート電極351、接続用導電層304としては、スパッタ
リング法を用いて膜厚30nmの窒化タンタル層と、膜厚370nmのタングステン層を
形成する。ドレイン電極305a〜305cとして、スパッタリング法を用いて膜厚10
0nmのチタン層、膜厚700nmのアルミニウム層、膜厚100nmのチタン層を順に
積層して形成する。なお、ソース電極352は、図21(A)では示さないが、ドレイン
電極305a〜305cと同様の構造で積層されている。また、層間絶縁層306として
、CVD法により膜厚140nmの窒化酸化珪素層を形成し、層間絶縁層307として膜
厚670nmの酸化窒化珪素層を形成する。画素電極308として、スパッタリング法に
より膜厚125nmの酸化珪素を含むITOを形成する。
【0227】
図22(C)、(D)は、図22(A)、(B)と交差する方向における断面図である
。図22(C)、(D)に示すように、接続用導電層304に接続するドレイン電極30
5a〜305cの端部が接続孔309内部に配置されている。
【0228】
図21(B)は、従来の薄膜トランジスタのドレイン電極及び画素電極の接続部の上面
図を示し、図21(C)は、薄膜トランジスタのドレイン電極及び接続用導電層の接続部
の上面図を示す。また、図21(B)のA−Bの断面をFIBで観察した観察像を図23
(A)に示し、図23(A)の模式図を図23(B)に示す。また、図21(C)のC−
Dの断面をFIBで観察した観察像を図23(C)に示し、図23(C)の模式図を図2
3(D)に示す。
【0229】
図21(B)、図23(B)に示すように、基板321上に形成される薄膜トランジス
タ360は、半導体領域323、ゲート絶縁層324、ゲート電極361、ソース電極3
62及びドレイン電極328a〜328cで構成される。また、ソース電極362及びド
レイン電極328a〜328cとゲート電極361とは層間絶縁層325、326で絶縁
されている。また、接続孔363において、半導体領域323及びソース電極362が接
続されている。なお、薄膜トランジスタ360は、絶縁層322を介して基板321上に
形成されている。
【0230】
また、接続孔331において半導体領域323とドレイン電極328a〜328cが接
続している。また、層間絶縁層326の一部及びドレイン電極328c上に画素電極32
9が形成され、ドレイン電極328cと画素電極329が接続している。従来例の薄膜ト
ランジスタ360のドレイン電極328a〜328cの端部は、接続孔331の内部には
配置されず、層間絶縁層326上に形成されている。また、半導体領域323は、ドレイ
ン電極328a〜328cを介して画素電極329と接続されている。
【0231】
また、層間絶縁層326、画素電極329上には塗布法により形成された絶縁層330
が形成されている。
【0232】
次に、図21(C)のC−Dの断面図に対応する図を図23(C)、図23(D)に示
す。
【0233】
図21(C)、図23(D)に示すように、薄膜トランジスタ360と同様に、基板3
21上に形成される薄膜トランジスタ370は、半導体領域374、ゲート絶縁層324
、ゲート電極371、ソース電極372及びドレイン電極348a〜348cで構成され
る。また、ソース電極372及びドレイン電極348a〜348cとゲート電極371と
は層間絶縁層325、326で絶縁されている。また、接続孔373において、半導体領
域374及びソース電極372が接続されている。なお、薄膜トランジスタ370は、絶
縁層322を介して基板301上に形成されている。
【0234】
また、接続孔375において半導体領域374とドレイン電極348a〜348cが接
続している。また、ゲート電極371と同時に形成される導電層327とドレイン電極3
48a〜348cとが接続孔332において接続されている。従来例の薄膜トランジスタ
370のドレイン電極348a〜348cの端部は、接続孔332の内部には配置されず
、層間絶縁層326上に形成されている。
【0235】
ここでは、基板321としてガラス基板を用い、絶縁層322としてCVD法により膜
厚140nmの窒化酸化珪素膜、膜厚100nmの酸化窒化珪素膜を順に積層して形成す
る。半導体領域323として、膜厚50nmの結晶性珪素層を形成する。ゲート絶縁層3
24として、オルトケイ酸テトラエチル(Tetraethyl Ortho Sili
cate:TEOS)とOとを原料に用いたCVD法により膜厚110nmの酸化珪素
層を形成する。ゲート電極361、371としては、スパッタリング法を用いて膜厚30
nmの窒化タンタル層と、膜厚370nmのタングステン層を形成する。ドレイン電極3
28a〜328c、348a〜348cとして、スパッタリング法を用いて膜厚100n
mのチタン層、膜厚700nmのアルミニウム層、膜厚100nmのチタン層を順に積層
して形成する。なお、ソース電極362、372は、図21(B)及び(C)では示さな
いが、それぞれドレイン電極328a〜328c、348a〜348cと同様の構造で積
層されている。また、層間絶縁層325として、CVD法により膜厚140nmの窒化酸
化珪素層を形成し、層間絶縁層326として膜厚670nmの酸化窒化珪素層を形成する
。画素電極329として、スパッタリング法により膜厚125nmの酸化珪素を含むIT
Oを形成する。
【0236】
図22(A)〜(D)と、図23(A)〜(D)とを比較すると、従来例の薄膜トラン
ジスタ360、370の絶縁層330と比較して、本発明の薄膜トランジスタ350の絶
縁層311の凹凸差が少ないことが分かる。このことから、塗布法により平坦性の高い絶
縁層を形成することができる。また、当該絶縁層を形成する場合、材料を削減することが
可能である。よって、コストを削減することが可能であると共に生産性を高めることが可
能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の導電層と、
前記第1の導電層上に形成された絶縁層と、
前記絶縁層上に形成された第2の導電層と、を有する電子機器において、
前記絶縁層は接続孔を有し、
前記接続孔において、前記第1の導電層と前記第2の導電層が接続し、
前記第2の導電層は前記接続孔の内部に4方のうちの3方の端部を有し、
前記第1の導電層は前記接続孔の内部に端部を有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
第1の導電層と、
前記第1の導電層上に形成された絶縁層と、
前記絶縁層上に形成された第2の導電層と、を有する電子機器において、
前記絶縁層は接続孔を有し、
前記接続孔において、前記第1の導電層と前記第2の導電層が接続し、
前記第2の導電層は前記接続孔の内部に端部を有し、
前記第1の導電層は前記接続孔の内部に4方のうちの3方の端部を有することを特徴とする電子機器。
【請求項3】
第1の導電層と、
前記第1の導電層上に形成された絶縁層と、
前記絶縁層上に形成された第2の導電層と、を有する電子機器において、
前記絶縁層は接続孔を有し、
前記接続孔において、前記第1の導電層と前記第2の導電層が接続し、
前記第2の導電層は前記接続孔の内部に4方のうちの3方の端部を有し、
前記第1の導電層は前記接続孔の内部に4方のうちの3方の端部を有することを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記第1の導電層はゲート配線であり、前記第2の導電層は、ソース配線またはドレイン配線であることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−80124(P2012−80124A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−285222(P2011−285222)
【出願日】平成23年12月27日(2011.12.27)
【分割の表示】特願2006−169536(P2006−169536)の分割
【原出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】