説明

半導体装置の製造方法

【課題】半導体装置の製造方法において、半導体装置の小型化を図ること。
【解決手段】第1の領域IにフラッシュメモリセルFLを形成する工程と、第2の領域IIにキャパシタQの第1の電極11aを形成する工程と、第2の絶縁膜14として第1の酸化シリコン膜14a、窒化シリコン膜14b、及び第2の酸化シリコン膜14cをこの順に形成する工程と、第1の電極11aの一部領域CRにおける窒化シリコン膜14bと第2の酸化シリコン膜14cとを除去する工程と、第3の領域IIIHにおける第1の絶縁膜10と第2の絶縁膜14とをウエットエッチングする工程と、キャパシタQの第2の電極30aを形成する工程と、一部領域CRにおける第1の酸化シリコン膜14aをエッチングして除去する工程とを有する半導体装置の製造方法による。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電源を切っても記憶を保持できるフラッシュメモリは、メモリーカードのような記憶媒体としての用途の他に、ロジック回路が混載されたロジック混載メモリとして使用されることがある。
【0003】
そのようにフラッシュメモリをロジック回路と混載する場合には、フラッシュメモリとロジック回路のそれぞれの製造プロセスの特徴を互いにうまく利用し、製品として出荷するロジック混載メモリの小型化を図るのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−44053号公報
【特許文献2】特開2006−128508号公報
【特許文献3】特開2007−335559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半導体装置の製造方法において、半導体装置の小型化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下の開示の一観点によれば、半導体基板の第1の領域、第2の領域、及び第3の領域に第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の領域の前記第1の絶縁膜の上に、フローティングゲート、第2の絶縁膜、及びコントロールゲートを備えたフラッシュメモリセルを形成する工程と、前記第2の領域の前記第1の絶縁膜の上に、キャパシタの第1の電極を形成する工程と、前記第1の電極の上と前記第3の領域の前記第1の絶縁膜の上に、前記第2の絶縁膜として第1の酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、及び第2の酸化シリコン膜をこの順に形成する工程と、前記第1の電極の一部領域における前記第2の絶縁膜を選択的にドライエッチングして、前記第1の酸化シリコン膜を残しつつ、前記窒化シリコン膜と前記第2の酸化シリコン膜とを除去する工程と、前記第3の領域における前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜とをウエットエッチングにより選択的に除去する工程と、前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜とを除去した後、前記第3の領域の前記半導体基板の表面を熱酸化することにより第3の絶縁膜を形成する工程と、前記第3の絶縁膜の上に第1のゲート電極を形成する工程と、前記第1の電極の上の前記第2の絶縁膜の上であって前記一部領域を除く領域に、前記キャパシタの第2の電極を形成する工程と、前記第2の電極を形成した後、前記一部領域における前記第1の酸化シリコン膜をエッチングして除去する工程と、前記第2の電極と前記第1のゲート電極を形成した後、前記第1の領域、前記第2の領域、及び前記第3の領域に第4の絶縁膜を形成する工程と、前記一部領域における前記第4の絶縁膜にホールを形成する工程と、前記ホール内に導電性プラグを形成する工程とを有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0007】
また、その開示の他の観点によれば、半導体基板の第1の領域、第2の領域、及び第3の領域に第1の絶縁膜を形成する工程と、前記の第1の領域、前記第2の領域、及び前記第3の領域における前記第1の絶縁膜の上に第1の導電膜を形成する工程と、前記第1の導電膜をパターニングすることにより、前記第1の領域に前記第1の導電膜を残しながら、前記第2の領域にキャパシタの第1の電極を形成し、かつ、前記第3の領域から前記第1の導電膜を除去する工程と、前記第1の領域の前記第1の導電膜の上、前記第2の領域の前記第1の電極の上、及び第3の領域の前記第1の絶縁膜の上に、第2の絶縁膜として第1の酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、及び第2の酸化シリコン膜をこの順に形成する工程と、前記第1の電極の一部領域と前記第3の領域における前記第2の絶縁膜を選択的にドライエッチングして、前記第1の酸化シリコン膜を残しつつ、前記窒化シリコン膜と前記第2の酸化シリコン膜とを除去する工程と、前記第3の領域における前記第1の絶縁膜と前記第1の酸化シリコン膜を選択的に除去する工程と、前記第1の絶縁膜と前記第1の酸化シリコン膜とを除去後、前記第3の領域の前記半導体基板の表面を熱酸化することにより第3の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の領域における前記第2の絶縁膜の上、前記第2の領域における前記第2の絶縁膜の上、及び前記第3の領域における前記第3の絶縁膜の上に第2の導電膜を形成する工程と、前記第1の領域において、前記第1の導電膜、前記第2の絶縁膜、及び前記第2の導電膜をパターニングすることにより、フローティングゲート、前記第2の絶縁膜、及びコントロールゲートを備えたフラッシュメモリセルを形成する工程と、前記第2の領域と前記第3の領域において前記第2の導電膜をパターニングすることにより、前記一部領域を除く前記第2の領域に前記キャパシタの第2の電極を形成し、かつ、前記第3の領域にゲート電極を形成する工程と、前記第2の電極と前記ゲート電極を形成した後、前記一部領域における前記第1の酸化シリコン膜をウエットエッチングして除去する工程と、前記第2の電極と前記ゲート電極を形成した後、前記第1の領域、前記第2の領域、及び前記第3の領域に第4の絶縁膜を形成する工程と、前記一部領域における前記第4の絶縁膜にホールを形成する工程と、前記ホール内に導電性プラグを形成する工程とを有する半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
以下の開示によれば、第2の電極を形成する時点では、第2の絶縁膜の第1の酸化シリコン膜はウエットエッチングされておらず、第1の電極の一部領域に残存している。よって、第2の電極の形成前に第1の酸化シリコン膜をウエットエッチングする場合のように、横方向に進行したウエットエッチングによって第2の絶縁膜に薄厚部が形成されない。
【0009】
そのため、キャパシタの耐圧が低下する薄厚部を避けて第2の絶縁膜上に第2の電極を形成する必要がなくなり、半導体装置の小型化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、調査に使用したサンプルの製造途中の断面図(その1)である。
【図2】図2は、調査に使用したサンプルの製造途中の断面図(その2)である。
【図3】図3は、調査に使用したサンプルの製造途中の断面図(その3)である。
【図4】図4は、調査に使用したサンプルの製造途中の断面図(その4)である。
【図5】図5は、調査に使用したサンプルの製造途中の断面図(その5)である。
【図6】図6は、調査に使用したサンプルの製造途中の断面図(その6)である。
【図7】図7は、調査に使用したサンプルの製造途中の断面図(その7)である。
【図8】図8は、調査に使用したサンプルの製造途中の断面図(その8)である。
【図9】図9は、調査に使用したサンプルの製造途中の断面図(その9)である。
【図10】図10は、調査に使用したサンプルの製造途中の断面図(その10)である。
【図11】図11は、調査に使用したサンプルの製造途中の断面図(その11)である。
【図12】図12は、調査に使用したサンプルの製造途中の断面図(その12)である。
【図13】図13は、調査に使用したサンプルの製造途中の断面図(その13)である。
【図14】図14は、調査に使用したサンプルの製造途中の断面図(その14)である。
【図15】図15は、調査に使用したサンプルの製造途中の断面図(その15)である。
【図16】図16は、調査に使用したサンプルの製造途中の断面図(その16)である。
【図17】図17は、調査に使用したサンプルの製造途中の断面図(その17)である。
【図18】図18は、調査に使用したサンプルの製造途中の断面図(その18)である。
【図19】図19は、調査に使用したサンプルの製造途中の断面図(その19)である。
【図20】図20は、調査に使用したサンプルの製造途中の断面図(その20)である。
【図21】図21は、調査に使用したサンプルの製造途中の断面図(その21)である。
【図22】図22は、調査に使用したサンプルの製造途中の断面図(その22)である。
【図23】図23は、調査に使用したサンプルの製造途中の断面図(その23)である。
【図24】図24は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その1)である。
【図25】図25は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その2)である。
【図26】図26は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その3)である。
【図27】図27は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その4)である。
【図28】図28は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その5)である。
【図29】図29は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その6)である。
【図30】図30は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その7)である。
【図31】図31は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その8)である。
【図32】図32は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その9)である。
【図33】図33は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その10)である。
【図34】図34は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その11)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態の説明に先立ち、本願発明者が行った調査について説明する。
【0012】
図1〜図23は、調査に使用したサンプルの製造途中の断面図である。
【0013】
このサンプルは、フラッシュメモリとロジック回路とを混載してなるロジック混載メモリであって、以下のようにして作製される。
【0014】
まず、図1に示すように、シリコン基板1に素子分離用の溝1aを形成し、その溝1a内に素子分離絶縁膜2としてCVD法により酸化シリコン膜を埋め込む。このような素子分離構造はSTI(Shallow Trench Isolation)とも呼ばれるが、STIに代えてLOCOS(Local Oxidation of Silicon)法により素子分離を行ってもよい。
【0015】
その後に、シリコン基板1の表面を熱酸化することにより、犠牲絶縁膜3として厚さが約10nmの熱酸化膜を形成する。
【0016】
上記のシリコン基板1には、後でフラッシュメモリセルが形成されるセル領域Iが画定される。
【0017】
更に、そのシリコン基板1には、上記のセル領域Iの他に、キャパシタ形成領域II、高電圧トランジスタ形成領域IIIH、中電圧トランジスタ形成領域IIIM、及び低電圧トランジスタ形成領域IIILが画定される。
【0018】
このうち、キャパシタ形成領域IIには後でキャパシタが形成される。そのキャパシタは昇圧回路の一部として供せられ、昇圧回路で生成した高電圧がフラッシュメモリの書き込みや消去に使用される。
【0019】
そして、各トランジスタ形成領域IIIH〜IIILには、後の工程において、ロジック回路の一部として供せられるMOSトランジスタが形成される。
【0020】
次に、図2に示すように、犠牲絶縁膜3をスルー膜に使用しながらシリコン基板1にn型不純物としてP+イオンをイオン注入し、セル領域Iとキャパシタ形成領域IIに深いnウェル(deep n well)7を形成する。
【0021】
その後、シリコン基板1にp型不純物をイオン注入することにより、セル領域I、キャパシタ形成領域II、及び高電圧トランジスタ形成領域IIIHの各々に第1のpウェル8を形成する。
【0022】
第1のpウェル8は、シリコン基板1においてnウェル7よりも浅い部位に形成され、そのp型不純物としては例えばB+イオンが採用される。
【0023】
なお、各ウェル7、8の打ち分けは不図示のレジストパターンを用いて行われ、各ウェル7、8の形成後にそのレジストパターンは除去される。
【0024】
次に、図3に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
【0025】
まず、イオン注入のスルー膜として使用した犠牲絶縁膜3をフッ酸溶液によって除去してシリコン基板1の清浄面を露出させる。
【0026】
次いで、ArとO2との混合雰囲気中において基板温度を900℃〜1050℃とする条件でシリコン基板1の清浄面を熱酸化することにより厚さが約10nmの熱酸化膜を形成し、その熱酸化膜を第1の絶縁膜10とする。
【0027】
更に、SiH4とPH3とを反応ガスとして使用する減圧CVD(Chemical Vapor Deposition)法により、各領域I、II、IIIH〜IIILにおける第1の絶縁膜10の上に第1の導電膜11として厚さが約90nmのポリシリコン膜を形成する。このように反応ガス中にPH3を添加したことで、その第1の導電膜11にはin-situでリンがドープされる。
【0028】
続いて、図4に示すように、第1の導電膜11の上にフォトレジストを塗布し、それを露光、現像することにより、第1のマスクパターン13を形成する。
【0029】
そして、第1のマスクパターン13をマスクにして第1の導電膜11をドライエッチングする。これにより、セル領域Iに第1の導電膜11を残しながら、キャパシタ形成領域IIにキャパシタの下部電極(第1の電極)11aが形成されると共に、各トランジスタ形成領域IIIH〜IIILの第1の導電膜11が除去される。
【0030】
本工程で使用するエッチングガスは特に限定されない。本例では、そのエッチングガスとしてCl2、HBr、及びCF4の混合ガスを使用する。
【0031】
このエッチングを終了後、第1のマスクパターン13を除去する。
【0032】
次に、図5に示すように、各領域I、II、IIIH〜IIILに減圧CVD法を用いて第1の酸化シリコン膜14aと窒化シリコン膜14bとをこの順にそれぞれ厚さ約5nm、10nmに形成する。更に、O2雰囲気中において、基板温度約950℃、加熱時間約90分の条件で窒化シリコン膜14bの表面を熱酸化して、窒化シリコン膜14bの上に約30nmの第2の酸化シリコン膜14cを形成する。
【0033】
これにより、各膜14a〜14cを積層してなるONO膜が第2の絶縁膜14として各領域I、II、IIIH〜IIILに形成されることになる。
【0034】
そのONO膜は、単層の酸化シリコン膜と比較してリーク電流が小さい。そのため、フラッシュメモリセルのフローティングとコントロールゲート間の中間絶縁膜としてこのONO膜を使用することで、フローティングゲートに蓄積された電荷がコントロールゲートに逃げるのを抑制することができる。
【0035】
次いで、図6に示すように、各トランジスタ形成領域IIIM、IIILにおける第1の絶縁膜10と第2の絶縁膜14とをスルー膜に使用しながら、これらの領域IIIM、IIILにおけるシリコン基板1に第2のpウェル18を形成する。そのイオン注入では、p型不純物としてB+イオンが使用される。
【0036】
次に、図7に示すように、第2の絶縁膜14の上にフォトレジストを塗布し、それを露光、現像することにより、第2のマスクパターン20を形成する。
【0037】
その第2のマスクパターン20は、セル領域Iを覆うように形成され、下部電極11aのコンタクト領域CR上に窓20aを備える。
【0038】
なお、各トランジスタ形成領域IIIH〜IIILにおける第2の絶縁膜14は、第2のマスクパターン20に覆われずに露出する。
【0039】
次に、図8に示すように、第2のマスクパターン20をマスクにしながら、下部電極11aのコンタクト領域CRと各トランジスタ形成領域IIIH〜IIILにおける第2の絶縁膜14をドライエッチングする。
【0040】
そのドライエッチングは2ステップで行われる。
【0041】
第1のステップでは、エッチングガスとしてC4F8とArとの混合ガスを使用することにより、第2の絶縁膜14の最上層の第2の酸化シリコン膜14cをエッチングする。
【0042】
第2のステップでは、エッチングガスをCH3FとO2との混合ガスに切り替えることにより窒化シリコン膜14bをエッチングする。そのエッチングガスに対し、第1の酸化シリコン膜14aのエッチング速度は窒化シリコン膜14bのそれよりも遅いので、このエッチングでは第1の酸化シリコン膜14aがエッチングストッパとなり、第1の酸化シリコン膜14aの上面でエッチングは停止する。
【0043】
このように第1の酸化シリコン膜14aを残すことで、各トランジスタ形成領域IIIH〜IIILのシリコン基板1の表面がプラズマ化したエッチングガスに曝されるのが防止され、その表面がプラズマでダメージを受けるのを抑制することができる。
【0044】
次に、図9に示すように、フッ酸溶液を用いたウエットエッチングにより、第2のマスクパターン20で覆われていない部分の第1の酸化シリコン膜14aを除去する。
【0045】
これにより、コンタクト領域CRに下部電極11aの表面が露出すると共に、各トランジスタ形成領域IIIH〜IIILにおいてシリコン基板1の表面が露出することになる。
【0046】
また、このようにウエットエッチングでシリコン基板1の表面を露出させることで、ドライエッチングの場合のようにシリコン基板1の表面がエッチングガスのプラズマによってダメージを受けるのを防止することができる。
【0047】
但し、ウエットエッチングでは、図9の点線円内のように、第2の絶縁膜14と第2のマスクパターン20との界面Sにフッ酸溶液がしみ込むことがあり、そのフッ酸溶液で第2の絶縁膜14の最上層の第1の酸化シリコン膜14cがエッチングされる危険性がある。
【0048】
このように第1の酸化シリコン膜がエッチングされると、第2の絶縁膜14の膜厚がコンタクト領域CR寄りの部分で薄くなり、当該部分に第2の絶縁膜14の薄厚部14xが形成されることになる。
【0049】
その後に、図10に示すように、第2のマスクパターン20を除去する。
【0050】
これ以降は、トランジスタ形成領域IIIH〜IIILの各々に、ゲート絶縁膜として供せられる膜厚の異なる絶縁膜を形成する工程に移る。
【0051】
そのゲート絶縁膜を形成するために、まず、図11に示すように、各トランジスタ形成領域IIIH〜IIILにおけるシリコン基板1の表面を熱酸化することにより、第3の絶縁膜21として熱酸化膜を形成する。
【0052】
第3の絶縁膜21の膜厚は限定されない。本例では、約9.5nmの厚さに第3の絶縁膜21を形成する。また、酸化条件も特に限定されず、本例ではO2雰囲気中で基板温度を約850℃とする条件で熱酸化を行う。
【0053】
なお、この熱酸化の際、コンタクト領域CRにおける下部電極11aの表面も酸化され、熱酸化膜21aが形成される。
【0054】
次に、図12に示すように、シリコン基板1の上側全面にフォトレジストを塗布し、それを露光、現像することにより、各領域I、II、IIIHを覆う第3のマスクパターン23を形成する。
【0055】
なお、中電圧トランジスタ形成領域IIIMと低電圧トランジスタ形成領域IIILにおける第3の絶縁膜21は、第3のマスクパターン23で覆われずに露出する。
【0056】
そして、第3のマスクパターン23をマスクにしながら、エッチング液としてフッ酸溶液を使用するウエットエッチングにより、各領域IIIM、IIILにおける第3の絶縁膜21を除去し、これらの領域IIIM、IIILにシリコン基板1の表面を露出させる。
【0057】
その後、第3のマスクパターン23は除去される。
【0058】
続いて、図13に示すように、O2雰囲気中で基板温度を約850℃とする酸化条件を採用して、各領域IIIM、IIILにおけるシリコン基板1の表面を熱酸化し、これらの領域IIIM、IIILに第4の絶縁膜25として厚さが約6.0nmの熱酸化膜を形成する。
【0059】
次に、図14に示すように、シリコン基板1の上側全面にフォトレジストを塗布する。そして、そのフォトレジストを露光、現像することにより、各領域I、II、IIIH、IIIMを覆い、かつ、低電圧トランジスタ形成領域IIILが露出する第4のマスクパターン27を形成する。
【0060】
その後、第4のマスクパターン27をマスクにしながら、エッチング液としてフッ酸溶液を用い、低電圧トランジスタ形成領域IIILにおける第4の絶縁膜25をウエットエッチングにより除去する。
【0061】
このエッチングを終了後、第4のマスクパターン27は除去される。
【0062】
次いで、図15に示すように、低電圧トランジスタ形成領域IIILに露出しているシリコン基板1の表面に熱酸化膜を形成し、その熱酸化膜を第5の絶縁膜28とする。
【0063】
本工程での酸化条件は特に限定されない。本例では、O2雰囲気中において基板温度を約850℃とする酸化条件を採用し、厚さが約1.8nmの第5の絶縁膜28を形成する。
【0064】
ここまでの工程により、シリコン基板1の各トランジスタ形成領域IIIH〜IIILに、厚さが順に薄くなる各絶縁膜21、25、28が形成されたことになる。
【0065】
後述のように、これらの絶縁膜21、25、28はトランジスタのゲート絶縁膜としての役割を担い、各絶縁膜の厚さは各領域IIIH〜IIILにおけるトランジスタの駆動電圧に対応した厚さに設定される。
【0066】
続いて、図16に示すように、SiH4を反応ガスとする減圧CVD法により厚さ約180nmのノンドープのポリシリコン膜を第2の導電膜30としてシリコン基板1の上側全面に形成する。
【0067】
更に、その第2の導電膜30の上にハードマスク31を形成する。そのハードマスク31として、例えば、TEOSガスを反応ガスとして使用するCVD法で酸化シリコン膜を形成する。
【0068】
次に、図17に示すように、ハードマスク31の上に第5のマスクパターン33としてレジストパターンを形成する。
【0069】
そして、第5のマスクパターン33をマスクにし、セル領域Iにおけるハードマスク31をコントロールゲートに対応した帯状の平面形状にドライエッチングする。
【0070】
更に、そのハードマスク31と第5のマスクパターン33とをマスクにして第1の導電膜11、第2の絶縁膜14、及び第2の導電膜30をドライエッチングすることにより、セル領域Iにフローティングゲート11bとコントロールゲート30bを形成する。
【0071】
そのドライエッチングでは、ポリシリコンを含む第1及び第2の導電膜11、30のエッチングガスとしてCl2とO2との混合ガスが使用される。また、第2の絶縁膜14であるONO膜のエッチングガスとしてはCH3とO2との混合ガスが使用される。
【0072】
この後に、第5のマスクパターン33は除去される。
【0073】
次に、図18に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
【0074】
まず、シリコン基板1の上側全面に反射防止膜35を形成する。反射防止膜35は、BARC(Bottom Anti Reflection Coating)とも呼ばれ、スピンコート法によりシリコン基板1の上側全面に有機材料を塗布することで形成され得る。
【0075】
次いで、この反射防止膜35の上にフォトレジストを塗布し、それを露光、現像して第6のマスクパターン36を形成する。このようにフォトレジストを露光する際、予め下地に反射防止膜35を形成したことで、ハードマスク31や第2の導電膜30での露光光の反射が抑えられ、第6のマスクパターン36を精度良く形成することができる。
【0076】
次に、第6のマスクパターン36をマスクにしてハードマスク31をドライエッチングする。
【0077】
そのドライエッチングにより、ハードマスク31は、各トランジスタ形成領域IIIH〜IIILではゲート電極形状にパターニングされ、キャパシタ形成領域IIではキャパシタの上部電極形状にパターニングされる。
【0078】
その後、第6のマスクパターン36とハードマスク31を共にマスクに使用しながら、エッチングガスとしてCl2とO2との混合ガスを使用し、各領域II、IIIH〜IIILにおける第2の導電膜30をドライエッチングする。
【0079】
そのようなドライエッチングにより、各トランジスタ形成領域IIIH〜IIILにゲート電極30gが形成される。
【0080】
一方、キャパシタ形成領域IIには上部電極(第2の電極)30aが形成される。これにより、上部電極30a、第2の絶縁膜14、下部電極11a、第1の絶縁膜10、及び第1のpウェル8を備えたキャパシタQの基本構造が完成する。
【0081】
そのキャパシタQにおいては、電極11、30aと第1のpウェル8がキャパシタ電極として機能し、これらの間の第1の絶縁膜10と第2の絶縁膜14が容量絶縁膜として機能する。このようなキャパシタQは、スタックドゲートキャパシタとも呼ばれる。
【0082】
なお、電極11、30aとこれらの間の第2の絶縁膜14のみでキャパシタを形成するようにしてもよい。
【0083】
既述のように、上記のキャパシタQは、フラッシュメモリセルで使用する高電圧を発生するための昇圧回路の一部を担う。
【0084】
また、コンタクト領域CRにおける上部電極30aには開口30cが形成され、当該開口30cから熱酸化膜21aが露出する。
【0085】
後述のように、下部電極11aのコンタクト領域CRには導電性プラグが接続されるが、上記の開口30cは、その導電性プラグと上部電極30aとが接触するのを防止するために形成される。
【0086】
その開口30cの直径Dは、各電極11a、30a同士の対向面積を増やしてキャパシタQの容量を増大させるとうい観点からすると、なるべく小さいのが好ましい。
【0087】
但し、直径Dを小さくすると、第6のマスクパターン36と第2の絶縁膜14との間に矢印で示すような位置ずれが生じたときに、点線円内のように開口30cの内面が第2の絶縁膜14の薄厚部14x上に位置するようになる。
【0088】
こうなると、第2の絶縁膜14の中でも耐圧の弱い薄厚部14xにおいて、下部電極11aと上部電極30aとの間にリーク電流Pが生じ、半導体装置の信頼性が低下する。
【0089】
そのため、本例では、上記のように位置ずれが発生した場合でも薄厚部14x上に開口30cの内面が位置しないように直径Dを増大させなければならない。更に、直径Dの増大により減少する電極11a、30aの対向面積を補うために、これらの電極11a、30aの平面サイズを広げる必要が生じ、キャパシタ形成領域IIを広めざるを得ない。
【0090】
この後に、図19に示すように、ハードマスク31と第6のマスクパターン36とを除去する。
【0091】
次いで、図20に示すように、フローティングゲート11bとゲート電極30gとをマスクにしながら、各領域I、IIIH〜IIILのシリコン基板1にAs+イオン等のn型不純物をイオン注入し、第1〜第4のソースドレインエクステンション41〜44を形成する。
【0092】
次に、図21に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
【0093】
まず、シリコン基板1の上側全面に絶縁膜を形成し、それをエッチバックしてフローティングゲート11bとゲート電極30gの各々の横に絶縁性サイドウォール45として残す。その絶縁膜として、例えば、TEOSガスを使用するCVD法で酸化シリコン膜を形成する。
【0094】
なお、シリコン基板1を熱酸化して形成された各絶縁膜10、21、25、28は、TEOSガスを使用して形成された絶縁性サイドウォール45と比較して密度が高いので、上記のエッチバックでは完全には除去されず、シリコン基板1の上に残存する。
【0095】
次いで、絶縁性サイドウォール45、フローティングゲート11b、及び各ゲート電極30gをマスクにするイオン注入によりシリコン基板1にp型不純物を導入する。これにより、フローティングゲート11bと各ゲート電極30の横のシリコン基板1に、第1〜第4のソースドレイン領域46〜49が形成される。
【0096】
更に、キャパシタ形成領域IIの第1及び第2のウェルコンタクト領域R1、R2に、それぞれp型不純物とn型不純物とをイオン注入し、p型不純物拡散領域51とn型不純物拡散領域52とを形成する。
【0097】
なお、n型不純物とp型不純物の打ち分けは不図示のレジストパターンを用いて行われ、イオン注入を終了後にそのレジストパターンは除去される。
【0098】
ここまでの工程により、セル領域Iには、フローティングゲート11b、第2の絶縁膜14、及びコントロールゲート30bを備えたフラッシュメモリセルFLの基本構造が完成する。
【0099】
そのフラッシュメモリセルFLにおいては、第1の絶縁膜10がトンネル絶縁膜としての役割を担うと共に、その第1の絶縁膜10を介して第1のソースドレイン領域46からフローティングゲート11bに電子を供給することで情報の書き込みが行われる。
【0100】
一方、各トランジスタ形成領域IIIH〜IIILの各々には、ゲート電極30g等を備えた高電圧MOSトランジスタTRH、中電圧MOSトランジスタTRM、及び低電圧MOSトランジスタTRLの基本構造が完成する。
【0101】
各トランジスタTRH、TRM、TRLは、ゲート絶縁膜として機能する各絶縁膜21、25、28の膜厚に応じ、この順に駆動電圧が低くなる。
【0102】
次に、図22に示すように、シリコン基板1の上側全面をフッ酸溶液に曝し、各ソースドレイン領域46〜49上の絶縁膜10、21、25、28を除去し、シリコン基板1の清浄面を露出させる。
【0103】
このとき、下部電極11aのコンタクト領域CRもフッ酸溶液に曝され、熱酸化膜21aが除去される。
【0104】
次いで、シリコン基板1の上側全面にスパッタ法でコバルト膜等の高融点金属膜を形成した後、その高融点金属膜をアニールしてシリコンと反応させ、各ソースドレイン領域46〜49の上に高融点金属シリサイド層54を形成する。
【0105】
その後に、素子分離絶縁膜2や絶縁性サイドウォール45の上で未反応となっている高融点金属膜をウエットエッチングして除去する。
【0106】
その高融点金属シリサイド層54は、コントロールゲート30bや各ゲート電極30gの上面にも形成され、これらのゲート電極が低抵抗化される。
【0107】
更に、下部電極11aのコンタクト領域CRにも高融点金属シリサイド層54が形成される。
【0108】
次に、図23に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
【0109】
まず、シリコン基板1の上側全面にCVD法で第6の絶縁膜57として酸化シリコン膜を形成した後、その第6の絶縁膜57の上面をCMP法で研磨して平坦化する。
【0110】
そして、フォトリソグラフィとエッチングにより第6の絶縁膜57をパターニングし、下部電極11aのコンタクト領域CRの上と上部電極30aの上に、それぞれ第1のホール57aと第2のホール57bを形成する。
【0111】
更に、このパターニングでは、セル領域Iと各トランジスタ形成領域IIIH〜IIILにおける第6の絶縁膜57に第3のホール57cを形成すると共に、不純物拡散領域51、52の上の第6の絶縁膜57に第4のホール57dを形成する。
【0112】
その後、各ホール57a〜57dの各々の中に第1〜第4の導電性プラグ58a〜58dを形成する。
【0113】
導電性プラグ58a〜58dの形成にあたっては、まず、各ホール57a〜57dの内面と第6の絶縁膜57の上面にグルー膜としてスパッタ法でチタン膜と窒化チタン膜とをこの順に形成する。そして、そのグルー膜の上にCVD法でタングステン膜を形成し、そのタングステン膜により各ホール57a〜57dを完全に埋め込む。その後に、第6の絶縁膜57の上の余分なグルー膜とタングステン膜とをCMP法で研磨して除去し、これらの膜を各ホール57a〜57d内のみに第1〜第4の導電性プラグ58a〜58dとして残す。
【0114】
これらの導電性プラグのうち、第1の導電性プラグ58aによりキャパシタQの下部電極11aの電位が制御され、第2の導電性プラグ58bにより上部電極30aの電位が制御される。また、p型不純物拡散領域51の上の第4の導電性プラグ58dにより、キャパシタQの電極として機能する第1のpウェル8の電位が制御される。
【0115】
そして、各導電性プラグ58a〜58dと第6の絶縁膜57の上にスパッタ法でアルミニウム膜を含む金属積層膜を形成し、それをパターニングして金属配線59を形成する。
【0116】
以上により、このサンプルの基本構造が完成した。
【0117】
上記の例では、図9を参照して説明したように、各トランジスタ形成領域IIIH〜IIILに露出するシリコン基板1の表面がダメージを受けないように、第1の酸化シリコン膜14aのエッチング方法として、ドライエッチングではなくウエットエッチングを採用する。
【0118】
但し、ウエットエッチングを採用したことで、図9の点線円内のように第2の絶縁膜14に薄厚部14xが形成される。
【0119】
そして、図18の点線円内に示したように、薄厚部14xにおいて上下の電極11a、30a間でリーク電流Pが発生するのを防止すべく、上部電極30aの開口30cの直径Dを広げる必要が生じ、これにより半導体装置の小型化が阻まれてしまう。
【0120】
このように、上記のプロセスでは、各トランジスタ形成領域IIIH〜IIILにおけるシリコン基板1の表面が受けるダメージを低減しつつ半導体装置の小型化を図ることができず、これらを両立できるように改善の余地がある。
【0121】
本願発明者は、上記の知見に鑑み、以下に説明するような本実施形態に想到した。
【0122】
(本実施形態)
図24〜図34は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図である。
【0123】
なお、図24〜図34において、上記で説明したのと同じ要素には上記と同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
【0124】
本実施形態では、半導体装置としてフラッシュメモリセルとロジック回路とを混載してなるロジック混載メモリを作製する。
【0125】
その半導体装置を作製するには、まず、既述の図1〜図8の工程を行うことにより、図24に示す断面構造を得る。
【0126】
図24の点線円内に示すように、これらの工程を終了した段階では、第2のマスクパターン20をマスクにしたドライエッチングにより、コンタクト領域CRにおける窒化シリコン膜14bと第2の酸化シリコン膜14cが除去された状態となる。
【0127】
この段階では各トランジスタ形成領域IIIH〜IIILに第1の酸化シリコン膜14aと第1の絶縁膜10が残存しているため、プラズマ化したエッチングガスによりシリコン基板1の表面にダメージが入るのをこれらの膜10、14aで防止することができる。
【0128】
ここで、本実施形態では、第2のマスクパターン20は、本工程のドライエッチングのマスクとしてのみ使用する。そして、第2のマスクパターン20の窓20aの下に残る第1の酸化シリコン膜14aをウエットエッチングするときは、後述のように、第2のマスクパターン20とは別のマスクを使用する。
【0129】
そのため、ウエットエッチング時のエッチング液が第2のマスクパターン20と第2の酸化シリコン膜14cとの界面にしみ込むことがなく、図9の点線円内に示したような薄厚部14xが第2の絶縁膜14に形成されるのを防止できる。
【0130】
しかも、本工程のドライエッチングは異方性エッチングであり、ウエットエッチングのようにエッチングが基板横方向に進行し難い。そのため、本工程において第2の酸化シリコン膜14cや窒化シリコン膜14bが基板横方向にエッチングされてコンタクト領域CRの周囲の第2の絶縁膜14に薄厚部14x(図9参照)が形成されるのを防止できる。
【0131】
この後に、第2のマスクパターン20は除去される。
【0132】
これ以降は、トランジスタ形成領域IIIH〜IIILの各々に、ゲート絶縁膜として供せられる膜厚の異なる絶縁膜を形成する工程に移る。
【0133】
そのゲート絶縁膜の形成にあたっては、まず、図25に示すように、シリコン基板1の上側全面にフォトレジストを塗布し、それを露光、現像することにより、各領域I、II、IIILを覆う第7のマスクパターン60を形成する。
【0134】
なお、高電圧トランジスタ形成領域IIIHと中電圧トランジスタ形成領域IIIMにおける第1の酸化シリコン膜14aは、その第7のマスクパターン60で覆われずに露出する。
【0135】
そして、第7のマスクパターン60をマスクにしながら、エッチング液としてフッ酸溶液を用い、各領域IIIH、IIIMにおける第1の絶縁膜10と第1の酸化シリコン膜14aを上とウエットエッチングにより除去し、各領域IIIH、IIIMにシリコン基板1の表面を露出させる。
【0136】
このように本工程をウエットエッチングで行うことで、ドライエッチングで各膜10、14aを除去する場合のようにプラズマ化したエッチングガスでシリコン基板1の表面がダメージを受けるのを防止できる。
【0137】
また、本工程では、図9の工程と異なり、各トランジスタ形成領域IIIH〜IIILのうち、低電圧トランジスタ形成領域IIILを第7のマスクパターン60で覆った状態とする。
【0138】
このようにすると、低電圧トランジスタ形成領域IIILにおける素子分離絶縁膜2がフッ酸溶液に曝されなくなり、素子分離絶縁膜2がエッチングされてその上面の高さが低下することがない。
【0139】
この後に、第7のマスクパターン60は除去される。
【0140】
次いで、図26に示すように、高電圧トランジスタ形成領域IIIHと中電圧トランジスタ形成領域IIIMにおけるシリコン基板1の表面を熱酸化することにより、第3の絶縁膜21として熱酸化膜を約9.5nmの厚さに形成する。
【0141】
その酸化条件は特に限定されない。本実施形態では、O2雰囲気中で基板温度を約850℃とする条件でこの熱酸化を行う。
【0142】
また、このようにO2雰囲気に曝された結果、コンタクト領域CRにおける下部電極11aも酸化され、コンタクト領域CRに残存する第1の酸化シリコン膜14aの膜厚が増大する。
【0143】
続いて、図27に示すように、シリコン基板1の上側全面にフォトレジストを塗布し、それを露光、現像して第8のマスクパターン61を形成する。
【0144】
その第8のレジストパターン61により、中電圧トランジスタ形成領域IIIMを除く各領域I、II、IIIH、IIILは覆われる。
【0145】
そして、第8のマスクパターン61をマスクにしながら、エッチング液としてフッ酸溶液を用い、中電圧トランジスタ形成領域IIIMにおける第3の絶縁膜21を除去してシリコン基板1の表面を露出させる。
【0146】
また、図25のエッチング工程と同様に、本工程でも低電圧トランジスタ形成領域IIILを第8のレジストパターン61で覆うので、当該領域IIILにおける素子分離絶縁膜2がエッチングされてその上面の高さが低下することがない。
【0147】
この後に、第8のマスクパターン61は除去される。
【0148】
次いで、図28に示すように、O2雰囲気中で基板温度を約850℃とする酸化条件を採用して、中電圧トランジスタ形成領域IIIMにおけるシリコン基板1の表面を熱酸化し、第4の絶縁膜25として厚さが約6.0nmの熱酸化膜を形成する。
【0149】
次に、図29に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
【0150】
まず、シリコン基板1の上側全面にフォトレジストを塗布する。そして、そのフォトレジストを露光、現像することにより、各領域I、II、IIIH、IIIMを覆う第9のマスクパターン62を形成する。
【0151】
なお、低電圧トランジスタ形成領域IIILにおける第1の酸化シリコン膜14aは、第9のマスクパターン62で覆われずに露出する。
【0152】
その後に、第9のマスクパターン62をマスクにしながら、エッチング液としてフッ酸溶液を用いて、低電圧トランジスタ形成領域IIILの第1の酸化シリコン膜14aと第1の絶縁膜10をウエットエッチングして除去する。
【0153】
そして、このエッチングが終了した後に、第9のマスクパターン9を除去する。
【0154】
続いて、図30に示すように、低電圧トランジスタ形成領域IIILに露出したシリコン基板1の表面を熱酸化することにより厚さが約1.8nmの熱酸化膜を形成し、その熱酸化膜を第5の絶縁膜28とする。
【0155】
その第5の絶縁膜28は、例えば、O2雰囲気中において基板温度を約850℃とする酸化条件で形成され得る。
【0156】
ここまでの工程により、各領域IIIH〜IIILには、MOSトランジスタのゲート絶縁膜として使用される膜厚の異なる絶縁膜21、25、28が形成されたことになる。
【0157】
これらの絶縁膜21、25、28は、図24のドライエッチング雰囲気に曝されずにダメージを受けていないシリコン基板1の表面に形成されるので、ゲート絶縁膜としての使用に耐えうる高品位な膜質を有する。
【0158】
ここで、膜厚の異なる絶縁膜21、25、28を形成するために、各領域IIIH〜IIILにおいては熱酸化とウエットエッチングとが上記のように繰り返し行われ、これらのプロセスを反映して素子分離絶縁膜2には段差2xが形成される。
【0159】
その段差2xの高さΔHは、熱酸化やウエットエッチングの回数が増えるほど高くなる。
【0160】
本実施形態では、低電圧トランジスタ形成領域IIILをマスクパターン60、61で覆うことで、当該領域IIILにおける素子分離絶縁膜2がウエットエッチングされる回数を減らすことができ、領域IIILの段差2xの高さΔHを最小限に留めることができる。
【0161】
次に、図31に示すように、既述の図16〜図18の工程を行うことで、第2の導電膜30をパターニングし、キャパシタQの上部電極30aとトランジスタのゲート電極30gとを形成する。
【0162】
既述のように、そのパターニングは、第6のマスクパターン36をマスクにして第2の導電膜30をドライエッチングすることで行われる。
【0163】
そして、このようにして形成された上部電極30aには、下部電極11aのコンタクト領域CRが露出する開口30cが形成される。
【0164】
その開口30cの内面は第2の絶縁膜14の上に位置するが、第2の絶縁膜14には図18のような薄厚部14xが形成されていないので、本実施形態では薄厚部14xが原因で各電極11a、30a間にリーク電流が発生することがない。
【0165】
そのため、薄厚部14x(図18参照)が開口30cに重なるのを防止する目的で開口30cの直径Dを広くする必要がなくなり、直径Dを図18におけるよりも小さくできる。
【0166】
これにより、開口30cの周囲での各電極11a、30aの対向面積が増大するため、各電極11a、30aの外形サイズを縮小してもキャパシタQの容量を維持することができ、キャパシタ形成領域IIの面積を小さくすることが可能となる。
【0167】
また、低電圧トランジスタ形成領域IIILでは、上記のように素子分離絶縁膜2の段差2xの高さΔHが低く抑えられているので、スピンコート法で塗布される反射防止膜35の膜厚のばらつきが抑制される。
【0168】
これにより、反射防止膜35による露光光の反射防止の効果が場所によりばらつき難くなり、低電圧トランジスタ形成領域IIILにおいて高精度に第2の導電膜30をパターニングしてゲート電極30gを形成することが可能となる。
【0169】
次に、図32に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
【0170】
まず、既述の図19〜図21の工程を行うことにより、セル領域IにフラッシュメモリセルFLを形成すると共に、各トランジスタ形成領域IIIH〜IIILにMOSトランジスタTRH〜TRLを形成する。
【0171】
次いで、シリコン基板1の上側全面をフッ酸溶液に曝し、各ソースドレイン領域46〜49上の絶縁膜10、21、25、28をウエットエッチングにより除去して、フローティングゲート11bと各ゲート電極30gの横にシリコン基板1の表面を露出させる。
【0172】
このとき、下部電極11aのコンタクト領域CRにおいては、上部電極30aの側面に形成されている絶縁性サイドウォール45がマスクとなって、第1の酸化シリコン膜14aがウエットエッチングにより除去される。
【0173】
続いて、図33に示すように、シリコン基板1の上側全面にスパッタ法でコバルト膜等の高融点金属膜を形成した後、その高融点金属膜をアニールしてシリコンと反応させ、各ソースドレイン領域46〜49の上に高融点金属シリサイド層54を形成する。
【0174】
その後に、素子分離絶縁膜2や絶縁性サイドウォール45の上で未反応となっている高融点金属膜をウエットエッチングして除去する。
【0175】
この後は、既述の図23の工程を行うことで、図34に示すような本実施形態に係る半導体装置の基本構造を完成させる。
【0176】
以上説明した本実施形態によれば、図31に示したように、上部電極30aを形成する時点では、下部電極11aのコンタクト領域CR上の第1の酸化シリコン膜14aはウエットエッチングされずに残存している。
【0177】
よって、この時点では、ウエットエッチングが原因の薄厚部14x(図9参照)が第2の絶縁膜14に形成されていない。
【0178】
そのため、上部電極30aの開口30c(図31参照)が薄厚部14xに重なることが原因でキャパシタQの耐圧が低下するのを気にする必要がなくなり、開口30cの直径Dを図18におけるよりも小さくでき、ひいては半導体装置の小型化を図ることができる。
【0179】
しかも、低電圧トランジスタ形成領域IIILをマスクパターン60、61(図25、図27参照)で覆ったことで、当該領域IIILの素子分離絶縁膜2に形成される段差2xの高さΔHを低く抑えることができる。その結果、図31を参照して説明したように、段差2xが原因で反射防止膜35の膜厚がばらつくのを抑制でき、領域IIILにおけるゲート電極30gのパターニング精度が向上する。
【0180】
以上説明した本実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0181】
(付記1) 半導体基板の第1の領域、第2の領域、及び第3の領域に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の領域の前記第1の絶縁膜の上に、フローティングゲート、第2の絶縁膜、及びコントロールゲートを備えたフラッシュメモリセルを形成する工程と、
前記第2の領域の前記第1の絶縁膜の上に、キャパシタの第1の電極を形成する工程と、
前記第1の電極の上と前記第3の領域の前記第1の絶縁膜の上に、前記第2の絶縁膜として第1の酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、及び第2の酸化シリコン膜をこの順に形成する工程と、
前記第1の電極の一部領域における前記第2の絶縁膜を選択的にドライエッチングして、前記第1の酸化シリコン膜を残しつつ、前記窒化シリコン膜と前記第2の酸化シリコン膜とを除去する工程と、
前記第3の領域における前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜とをウエットエッチングにより選択的に除去する工程と、
前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜とを除去した後、前記第3の領域の前記半導体基板の表面を熱酸化することにより第3の絶縁膜を形成する工程と、
前記第3の絶縁膜の上に第1のゲート電極を形成する工程と、
前記第1の電極の上の前記第2の絶縁膜の上であって前記一部領域を除く領域に、前記キャパシタの第2の電極を形成する工程と、
前記第2の電極を形成した後、前記一部領域における前記第1の酸化シリコン膜をエッチングして除去する工程と、
前記第2の電極と前記第1のゲート電極を形成した後、前記第1の領域、前記第2の領域、及び前記第3の領域に第4の絶縁膜を形成する工程と、
前記一部領域における前記第4の絶縁膜にホールを形成する工程と、
前記ホール内に導電性プラグを形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0182】
(付記2) 前記第2の領域の前記半導体基板に、前記キャパシタの電極として機能するウェルを形成する工程を更に有することを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0183】
(付記3) 前記第1の絶縁膜を形成する工程において、前記半導体基板の第4の領域に前記第1の絶縁膜を形成し、
前記第2の絶縁膜を形成する工程において、前記第4の領域の前記第1の絶縁膜の上に前記第2の絶縁膜を形成し、
前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜とを選択的に除去する工程において、前記第2の領域と前記第4の領域の各々の前記第2の絶縁膜を第1のマスクパターンで覆いながら、前記第3の領域の前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜とをエッチングして除去し、
前記第1のマスクパターンを除去し、かつ、前記第3の絶縁膜を形成した後に、前記第3の絶縁膜を第2のマスクパターンで覆いながら、前記第4の領域の前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜とをウエットエッチングにより選択的にエッチングして除去し、
前記第4の領域の前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜とを除去した後、前記4の領域の前記半導体基板の表面を熱酸化することにより、前記第3の絶縁膜よりも薄い第5の絶縁膜を形成し、
前記第5の絶縁膜の上に第2のゲート電極を形成することを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0184】
(付記4) 前記第1の絶縁膜を形成する工程の前に、前記第4の領域における前記半導体基板に素子分離絶縁膜を形成する工程と、
前記第5の絶縁膜の上に第2の導電膜を形成する工程と、
前記第2の導電膜の上に塗布法により反射防止膜を形成する工程と、
前記反射防止膜の上に第3のマスクパターンを形成する工程と、
前記第3のマスクパターンをマスクにして前記第2の導電膜をエッチングすることにより前記第2のゲート電極を形成する工程とを更に有することを特徴とする付記3に記載の半導体装置の製造方法。
【0185】
(付記5) 前記一部領域における前記第1の酸化シリコン膜をエッチングして除去する工程はウエットエッチングにより行われることを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0186】
(付記6) 前記第2の電極の側面に絶縁性サイドウォールを形成する工程を更に有し、
前記一部領域における前記第1の酸化シリコン膜をエッチングして除去する工程は、前記絶縁性サイドウォールをマスクにして行われることを特徴とする付記5に記載の半導体装置の製造方法。
【0187】
(付記7) 前記一部領域における前記第1の酸化シリコン膜をエッチングして除去する工程において、前記第1のゲート電極の横の前記第3の絶縁膜をエッチングし、該第1のゲート電極の横に前記半導体基板の表面を露出させることを特徴とする付記6に記載の半導体装置の製造方法。
【0188】
(付記8) 前記キャパシタの前記第1の電極を形成する工程は、
前記第1の領域、前記第2の領域、及び前記第3の領域における前記第1の絶縁膜の上に第1の導電膜を形成する工程と、
前記第1の導電膜をパターニングすることにより、前記第1の領域に前記第1の導電膜を残しながら、前記第2の領域に前記第1の電極を形成し、かつ、前記第3の領域から前記第1の導電膜を除去する工程とを有することを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0189】
(付記9) 前記第1の領域に残された前記第1の導電膜をパターニングして前記フローティングゲートにする工程を更に有することを特徴とする付記8に記載の半導体装置の製造方法。
【0190】
(付記10) 前記第2の電極を形成する工程と、前記第1のゲート電極を形成する工程とを同一工程で行うことを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0191】
(付記11) 前記一部領域における前記第2の絶縁膜を選択的にエッチングする工程の後、前記第2の領域における前記第2の絶縁膜の上と、前記第3の領域における前記第3の絶縁膜の上に、第2の導電膜を形成する工程と、
前記第2の導電膜をパターニングして、前記第2の領域に前記第2の電極を形成し、かつ、前記第3の領域に前記第1のゲート電極を形成する工程とを更に有することを特徴とする付記10に記載の半導体装置の製造方法。
【0192】
(付記12) 前記第2の電極を形成する工程において、前記一部領域における前記第2の電極に開口を形成することを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0193】
(付記13) 前記第1の絶縁膜を形成する工程は、前記第1の領域、前記第2の領域、及び前記第3の領域における前記半導体基板の表面を熱酸化することにより行われることを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0194】
(付記14) 半導体基板の第1の領域、第2の領域、及び第3の領域に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記の第1の領域、前記第2の領域、及び前記第3の領域における前記第1の絶縁膜の上に第1の導電膜を形成する工程と、
前記第1の導電膜をパターニングすることにより、前記第1の領域に前記第1の導電膜を残しながら、前記第2の領域にキャパシタの第1の電極を形成し、かつ、前記第3の領域から前記第1の導電膜を除去する工程と、
前記第1の領域の前記第1の導電膜の上、前記第2の領域の前記第1の電極の上、及び第3の領域の前記第1の絶縁膜の上に、第2の絶縁膜として第1の酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、及び第2の酸化シリコン膜をこの順に形成する工程と、
前記第1の電極の一部領域と前記第3の領域における前記第2の絶縁膜を選択的にドライエッチングして、前記第1の酸化シリコン膜を残しつつ、前記窒化シリコン膜と前記第2の酸化シリコン膜とを除去する工程と、
前記第3の領域における前記第1の絶縁膜と前記第1の酸化シリコン膜を選択的に除去する工程と、
前記第1の絶縁膜と前記第1の酸化シリコン膜とを除去後、前記第3の領域の前記半導体基板の表面を熱酸化することにより第3の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の領域における前記第2の絶縁膜の上、前記第2の領域における前記第2の絶縁膜の上、及び前記第3の領域における前記第3の絶縁膜の上に第2の導電膜を形成する工程と、
前記第1の領域において、前記第1の導電膜、前記第2の絶縁膜、及び前記第2の導電膜をパターニングすることにより、フローティングゲート、前記第2の絶縁膜、及びコントロールゲートを備えたフラッシュメモリセルを形成する工程と、
前記第2の領域と前記第3の領域において前記第2の導電膜をパターニングすることにより、前記一部領域を除く前記第2の領域に前記キャパシタの第2の電極を形成し、かつ、前記第3の領域に第1のゲート電極を形成する工程と、
前記第2の電極と前記第1のゲート電極を形成した後、前記一部領域における前記第1の酸化シリコン膜をウエットエッチングして除去する工程と、
前記第2の電極と前記ゲート電極を形成した後、前記第1の領域、前記第2の領域、及び前記第3の領域に第4の絶縁膜を形成する工程と、
前記一部領域における前記第4の絶縁膜にホールを形成する工程と、
前記ホール内に導電性プラグを形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0195】
(付記15) 前記第2の領域の前記半導体基板に、前記キャパシタの電極として機能するウェルを形成する工程を更に有することを特徴とする付記14に記載の半導体装置の製造方法。
【0196】
(付記16) 前記第1の絶縁膜を形成する工程において、前記シリコン基板の第4の領域に前記第1の絶縁膜を形成し、
前記第2の絶縁膜を形成する工程において、前記第4の領域の前記第1の絶縁膜の上に前記第2の絶縁膜を形成し、
前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜とを選択的に除去する工程において、前記第2の領域と前記第4の領域の各々の前記第2の絶縁膜を第1のマスクパターンで覆いながら、前記第3の領域の前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜とをエッチングして除去し、
前記第1のマスクパターンを除去し、かつ、前記第3の絶縁膜を形成した後に、前記第3の絶縁膜を第2のマスクパターンで覆いながら、前記第4の領域の前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜とをウエットエッチングにより選択的にエッチングして除去し、
前記第4の領域の前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜とを除去した後、前記4の領域の前記半導体基板の表面を熱酸化することにより、前記第3の絶縁膜よりも薄い第5の絶縁膜を形成し、
前記第5の絶縁膜の上に第2のゲート電極を形成することを特徴とする付記14に記載の半導体装置の製造方法。
【0197】
(付記17) 前記第1の絶縁膜を形成する工程の前に、前記第4の領域における前記半導体基板に素子分離絶縁膜を形成する工程と、
前記第5の絶縁膜の上に第2の導電膜を形成する工程と、
前記第2の導電膜の上に塗布法により反射防止膜を形成する工程と、
前記反射防止膜の上に第3のマスクパターンを形成する工程と、
前記第3のマスクパターンをマスクにして前記第2の導電膜をエッチングすることにより前記第2のゲート電極を形成する工程とを更に有することを特徴とする付記16に記載の半導体装置の製造方法。
【0198】
(付記18) 前記一部領域における前記第1の酸化シリコン膜をエッチングして除去する工程はウエットエッチングにより行われることを特徴とする付記14に記載の半導体装置の製造方法。
【0199】
(付記19) 前記第2の電極の側面に絶縁性サイドウォールを形成する工程を更に有し、
前記一部領域における前記第1の酸化シリコン膜をエッチングして除去する工程は、前記絶縁性サイドウォールをマスクにして行われることを特徴とする付記18に記載の半導体装置の製造方法。
【0200】
(付記20) 前記一部領域における前記第1の酸化シリコン膜をエッチングして除去する工程において、前記第1のゲート電極の横の前記第3の絶縁膜をエッチングし、該第1のゲート電極の横に前記半導体基板の表面を露出させることを特徴とする付記19に記載の半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0201】
1…シリコン基板、1a…素子分離溝、2…素子分離絶縁膜、2x…段差、3…犠牲絶縁膜、10…第1の絶縁膜、11…第1の導電膜、11a…下部電極、11b…フローティングゲート、13…第1のマスクパターン、14…第2の絶縁膜、14a…第1の酸化シリコン膜、14b…窒化シリコン膜、14c…第2の酸化シリコン膜、14x…薄厚部、20…第2のマスクパターン、20a…窓、21…第3の絶縁膜、21a…熱酸化膜、23…第3のマスクパターン、25…第4の絶縁膜、27…第4のマスクパターン、28…第5の絶縁膜、30…第2の導電膜、30a…上部電極、30b…コントロールゲート、30c…開口、30g…ゲート電極、31…ハードマスク、33…第5のマスクパターン、35…反射防止膜、36…第6のマスクパターン、41〜44…第1〜第4のソースドレインエクステンション、45…絶縁性サイドウォール、46〜49…第1〜第4のソースドレイン領域、51…p型不純物拡散領域、52…n型不純物拡散領域、54…高融点金属シリサイド層、57…第6の絶縁膜、57a〜57d…第1〜第4のホール、58a〜58d…第1〜第4の導電性プラグ、59…金属配線、60…第7のマスクパターン、61…第8のマスクパターン、62…第9のマスクパターン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の第1の領域、第2の領域、及び第3の領域に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の領域の前記第1の絶縁膜の上に、フローティングゲート、第2の絶縁膜、及びコントロールゲートを備えたフラッシュメモリセルを形成する工程と、
前記第2の領域の前記第1の絶縁膜の上に、キャパシタの第1の電極を形成する工程と、
前記第1の電極の上と前記第3の領域の前記第1の絶縁膜の上に、前記第2の絶縁膜として第1の酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、及び第2の酸化シリコン膜をこの順に形成する工程と、
前記第1の電極の一部領域における前記第2の絶縁膜を選択的にドライエッチングして、前記第1の酸化シリコン膜を残しつつ、前記窒化シリコン膜と前記第2の酸化シリコン膜とを除去する工程と、
前記第3の領域における前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜とをウエットエッチングにより選択的に除去する工程と、
前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜とを除去した後、前記第3の領域の前記半導体基板の表面を熱酸化することにより第3の絶縁膜を形成する工程と、
前記第3の絶縁膜の上に第1のゲート電極を形成する工程と、
前記第1の電極の上の前記第2の絶縁膜の上であって前記一部領域を除く領域に、前記キャパシタの第2の電極を形成する工程と、
前記第2の電極を形成した後、前記一部領域における前記第1の酸化シリコン膜をエッチングして除去する工程と、
前記第2の電極と前記第1のゲート電極を形成した後、前記第1の領域、前記第2の領域、及び前記第3の領域に第4の絶縁膜を形成する工程と、
前記一部領域における前記第4の絶縁膜にホールを形成する工程と、
前記ホール内に導電性プラグを形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第2の領域の前記半導体基板に、前記キャパシタの電極として機能するウェルを形成する工程を更に有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1の絶縁膜を形成する工程において、前記半導体基板の第4の領域に前記第1の絶縁膜を形成し、
前記第2の絶縁膜を形成する工程において、前記第4の領域の前記第1の絶縁膜の上に前記第2の絶縁膜を形成し、
前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜とを選択的に除去する工程において、前記第2の領域と前記第4の領域の各々の前記第2の絶縁膜を第1のマスクパターンで覆いながら、前記第3の領域の前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜とをエッチングして除去し、
前記第1のマスクパターンを除去し、かつ、前記第3の絶縁膜を形成した後に、前記第3の絶縁膜を第2のマスクパターンで覆いながら、前記第4の領域の前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜とをウエットエッチングにより選択的にエッチングして除去し、
前記第4の領域の前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜とを除去した後、前記4の領域の前記半導体基板の表面を熱酸化することにより、前記第3の絶縁膜よりも薄い第5の絶縁膜を形成し、
前記第5の絶縁膜の上に第2のゲート電極を形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1の絶縁膜を形成する工程の前に、前記第4の領域における前記半導体基板に素子分離絶縁膜を形成する工程と、
前記第5の絶縁膜の上に第2の導電膜を形成する工程と、
前記第2の導電膜の上に塗布法により反射防止膜を形成する工程と、
前記反射防止膜の上に第3のマスクパターンを形成する工程と、
前記第3のマスクパターンをマスクにして前記第2の導電膜をエッチングすることにより前記第2のゲート電極を形成する工程とを更に有することを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記一部領域における前記第1の酸化シリコン膜をエッチングして除去する工程はウエットエッチングにより行われることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第2の電極の側面に絶縁性サイドウォールを形成する工程を更に有し、
前記一部領域における前記第1の酸化シリコン膜をエッチングして除去する工程は、前記絶縁性サイドウォールをマスクにして行われることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記第2の電極を形成する工程において、前記一部領域における前記第2の電極に開口を形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記第1の絶縁膜を形成する工程は、前記第1の領域、前記第2の領域、及び前記第3の領域における前記半導体基板の表面を熱酸化することにより行われることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
半導体基板の第1の領域、第2の領域、及び第3の領域に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記の第1の領域、前記第2の領域、及び前記第3の領域における前記第1の絶縁膜の上に第1の導電膜を形成する工程と、
前記第1の導電膜をパターニングすることにより、前記第1の領域に前記第1の導電膜を残しながら、前記第2の領域にキャパシタの第1の電極を形成し、かつ、前記第3の領域から前記第1の導電膜を除去する工程と、
前記第1の領域の前記第1の導電膜の上、前記第2の領域の前記第1の電極の上、及び第3の領域の前記第1の絶縁膜の上に、第2の絶縁膜として第1の酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、及び第2の酸化シリコン膜をこの順に形成する工程と、
前記第1の電極の一部領域と前記第3の領域における前記第2の絶縁膜を選択的にドライエッチングして、前記第1の酸化シリコン膜を残しつつ、前記窒化シリコン膜と前記第2の酸化シリコン膜とを除去する工程と、
前記第3の領域における前記第1の絶縁膜と前記第1の酸化シリコン膜を選択的に除去する工程と、
前記第1の絶縁膜と前記第1の酸化シリコン膜とを除去後、前記第3の領域の前記半導体基板の表面を熱酸化することにより第3の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の領域における前記第2の絶縁膜の上、前記第2の領域における前記第2の絶縁膜の上、及び前記第3の領域における前記第3の絶縁膜の上に第2の導電膜を形成する工程と、
前記第1の領域において、前記第1の導電膜、前記第2の絶縁膜、及び前記第2の導電膜をパターニングすることにより、フローティングゲート、前記第2の絶縁膜、及びコントロールゲートを備えたフラッシュメモリセルを形成する工程と、
前記第2の領域と前記第3の領域において前記第2の導電膜をパターニングすることにより、前記一部領域を除く前記第2の領域に前記キャパシタの第2の電極を形成し、かつ、前記第3の領域に第1のゲート電極を形成する工程と、
前記第2の電極と前記第1のゲート電極を形成した後、前記一部領域における前記第1の酸化シリコン膜をウエットエッチングして除去する工程と、
前記第2の電極と前記ゲート電極を形成した後、前記第1の領域、前記第2の領域、及び前記第3の領域に第4の絶縁膜を形成する工程と、
前記一部領域における前記第4の絶縁膜にホールを形成する工程と、
前記ホール内に導電性プラグを形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記第1の絶縁膜を形成する工程において、前記シリコン基板の第4の領域に前記第1の絶縁膜を形成し、
前記第2の絶縁膜を形成する工程において、前記第4の領域の前記第1の絶縁膜の上に前記第2の絶縁膜を形成し、
前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜とを選択的に除去する工程において、前記第2の領域と前記第4の領域の各々の前記第2の絶縁膜を第1のマスクパターンで覆いながら、前記第3の領域の前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜とをエッチングして除去し、
前記第1のマスクパターンを除去し、かつ、前記第3の絶縁膜を形成した後に、前記第3の絶縁膜を第2のマスクパターンで覆いながら、前記第4の領域の前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜とをウエットエッチングにより選択的にエッチングして除去し、
前記第4の領域の前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜とを除去した後、前記4の領域の前記半導体基板の表面を熱酸化することにより、前記第3の絶縁膜よりも薄い第5の絶縁膜を形成し、
前記第5の絶縁膜の上に第2のゲート電極を形成することを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2012−38905(P2012−38905A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177463(P2010−177463)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】