説明

新規ヒドロキシフェニル誘導体およびその生物学的適用

本発明は、式(I)で示されるヒドロキシフェニル誘導体。R1はフェニルまたは6員の単環状含窒素へテロアリール、R2はフェニル、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cフルオロ−アルキル、C−Cフロロ−アルケニル、OR、SR、YはHであるか、またはインビボで遊離のフェノール化合物を再生し得る不安定な化学基、Z1およびZ3は、ハロゲンまたはH、Z2はフルオロまたはHである;
【化1】



Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】


[式中、
R1はフェニルであるか、または式:
【化2】

(式中、Z4、Z5、Z6、Z7およびZ8は独立してCまたはNであり、N数は最大3個である)
で示される6員の単環状含窒素へテロアリールであり;R1には同一または異なる1から3個のRが置換していてもよい(RはH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、N、OおよびSから選択される1から3個のヘテロ原子を含む5員もしくは6員の単環状ヘテロアリールまたは脂肪族へテロ環、COOR、COR、CONR、OCOR、CN、OR、NR、CR=NOR、NRCOR、NRCOOR、OCONR、NRCONR、SR、SO、SONR、NRSOおよびNRC(S)NRからなる群より選択され、すべてがR’により置換されていてもよいか、またはRはC−Cフルオロ−アルキルであるか、またはRはR1がフェニルである場合、フッ素であるか、またはRはR1が含窒素へテロアリールである場合、ハロゲンである;
R2はフェニル、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cフルオロ−アルキル、C−Cフロロ−アルケニル、ORまたはSRであり、すべてが1から3個の同一または異なるR’により置換されていてもよい;
、RおよびRは同一または異なって、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、フェニル、R2について上記定義したようなへテロアリールおよび脂肪族ヘテロ環からなる群より選択され、当該ヘテロアリールおよびヘテロ環は、R、RおよびRが結合する炭素原子および窒素原子により形成され得る;
R’はR2について上記定義したヘテロアリールおよび脂肪族へテロ環、C−Cアルキル、CHCOR”、COR”、COR”、CONR”R”’OCOR”、OR”、NR”R”’、NR”COR”’、NR”COOR”’、OCONR”R”’、NR”CONR”R”’、NR”SOR”’、SOR”、NR”SOR”’、ハロゲンおよびCNからなる群より選択され、R”およびR”’は同一または異なって、H、C−Cアルキルであるか、または一緒になってN、OおよびSから選択される1から3個のヘテロ原子をもつ4員から6員のヘテロ環を形成する;
YはHであるか、またはインビボで遊離のフェノール化合物を再生し得る不安定な化学基を表し、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、R、P(O)(OH)およびCOCHRNRからなる群より選択される;
Z1およびZ3は同一または異なって、ハロゲンまたはHである;
Z2はフッ素またはHである;
ただし、
Z2がフッ素であり、他の定義のすべてが上記定義のとおりであるか、
または、Z6が上記定義のRにより置換された炭素原子であり、RがH、アルキル、ハロゲン、NH、OH、CONHまたはフルオロアルキルと異なり、他の定義のすべてが上記定義のとおりであるか、
または、Z4もしくはZ5、またはZ7もしくはZ8がNRもしくはORにより置換された炭素原子であり、ORがOHとは異なり、他の定義のすべてが上記定義のとおりであるか、
または、Z5、またはZ7が、Rにより置換された炭素原子であり、RがHとは異なり、他の定義のすべてが上記定義のとおりであるか、
または、R2がC−Cアルキル−ヘテロアリール基またはC−Cアルキル−OR基であり、ORがOHとは異なり、他の定義のすべてが上記定義のとおりである]
で示される本発明のヒドロキシフェニル誘導体、および医薬的に許容される有機および無機塩、並びに式(I)の誘導体が1つ以上のキラル中心をもつ場合のラセミ誘導体と各ユニークであるがラセミではない誘導体、および式(I)の誘導体が不飽和炭素=炭素二重結合をもつ場合のシス(Z)およびトランス(E)の両異性体、および該誘導体のN−オキシド形状。
【請求項2】
R1が1から3個の窒素原子を有する6員の単環状へテロアリールであって、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニルおよびトリアジニルからなる群より選択されるものである請求項1記載の誘導体。
【請求項3】
R1がフェニルである請求項1記載の誘導体。
【請求項4】
R1がF、COR、OR、NR、アルキニル、SO、NRSO、SONR、NRCOORおよびCR=NORからなる群より選択される1から3個の置換基により置換されている請求項1から3のいずれか1項に記載の誘導体。
【請求項5】
Z2がフッ素である請求項1から4のいずれか1項に記載の誘導体。
【請求項6】
Z6が請求項1に定義のRにより置換された炭素原子であり、RがH、アルキル、ハロゲン、NH、OH、CONHまたはフルオロアルキルとは異なるものである請求項1から5のいずれか1項に記載の誘導体。
【請求項7】
Z4もしくはZ5、またはZ7もしくはZ8がNRもしくはORにより置換された炭素原子である請求項1から6のいずれか1項に記載の誘導体。
【請求項8】
Z5またはZ7が請求項1に定義のRにより置換された炭素原子であり、RがHとは異なる請求項1から7のいずれか1項に記載の誘導体。
【請求項9】
R2がC−Cアルキル−ヘテロアリールまたはC−Cアルキル−ORである請求項1から8のいずれか1項に記載の誘導体。
【請求項10】
YがHを表す請求項1から9のいずれか1項に記載の誘導体。
【請求項11】
YがC(O)R、CO(O)R、C(O)NR、R、P(O)(OH)およびCOCHRNRからなる群より選択される不安定な化学基を表す請求項1から9のいずれか1項に記載の誘導体。
【請求項12】
請求項1記載の誘導体の製造法であって、
a)AR1と、式(II):
【化3】

[式中、R1、R2、Z1、Z2およびZ3は請求項1に定義のとおりであり;R3がアルキル基を表し;Aは(II)のOH基と反応し得る反応性基である]
で示されるフェノール誘導体とを塩基性条件下に反応させて、式(III):
【化4】

で示される誘導体とする工程;
b)式(III)の誘導体とルイス酸とを反応させて、所望の式(I)で示される誘導体とする工程;
からなることを特徴とする製造法。
【請求項13】
R2が官能基を表す誘導体を得るために、R3の除去前に所望の機能を導入することからなる請求項12記載の製造法。
【請求項14】
請求項1記載の誘導体の製造法であって、
a)式(II)の保護フェノール誘導体とTosClとを反応させ、式(IV):
【化5】

で示される誘導体とする工程;
b)式(IV)の誘導体とルイス酸とを反応させて、式(V):
【化6】

で示される誘導体とする工程;
c)式(V)の誘導体を塩基性または酸性条件下に処理し、R4(R4はベンジル、BOM、SEM、MOM、MEM、TBDMS、THPおよび類似体からなる群より選択される保護基である)を導入して、式(VI):
【化7】

で示される誘導体とする工程;
d)式(VI)の当該誘導体を塩基性条件下で反応させるか、またはアルコール中でMgと反応させて、Tos基を除去し、式(VII):
【化8】

で示される誘導体を得る工程;
e)式(VII)の誘導体と請求項12に定義したAR1とを反応させて、式(III′):
【化9】

で示される産物を得る工程;
f)該フェノール基を脱保護して、YがHを表す所望の式(I)で示される誘導体を得る工程;
からなることを特徴とする製造法。
【請求項15】
Z2がフッ素である請求項1記載の誘導体の製造法であって、
a)式(VIII):
【化10】

で示されるブロモフェノールと請求項12に定義したAR1とを塩基の存在下に反応させて、式(IX):
【化11】

で示される化合物を得て、次いで、式(IX)の化合物とパラジウム触媒とを、塩基および式R2B(ただし、R2は上記定義のとおりであり、Bはホウ酸エステル残基である)で示されるホウ酸反応剤の存在下に、反応させ、式(X):
【化12】

で示される誘導体を得る工程;
b)あるいは、式(VIII)の化合物を、塩基および式R2Bで示されるホウ酸反応剤の存在下にパラジウム触媒と反応させる前に、ベンジル基で保護し、ベンジル化誘導体(XI):
【化13】

を得て、これをパラジウム/炭素および水素により脱ベンジル化して、式(XII):
【化14】

で示される遊離フェノール化合物を得て、この(XII)を請求項11の工程a)同様に、AR1と反応させて、式(X)の誘導体を生成させる工程;
c)式(X)の化合物を請求項12の工程b)に従って脱アルキル化し、式(I)で示される誘導体を生成させる工程;
からなることを特徴とする製造法。
【請求項16】
式(III)、(VI)、(VII)、(X)または(I)の化合物が、式(XIII):
【化15】

[式中、R2はビニルであり、R5は上記定義のようにH、R3またはR4である]
で示される化合物から、パラジウム/炭素による水素化反応により、対応するエチル化合物誘導体(XIV):
【化16】

とし、さらに請求項14または15のいずれか1項に従って脱保護し得るものである請求項12から15のいずれか1項に記載の製造法。
【請求項17】
Y=Hである式(I)の誘導体を、YがC(O)R、CO(O)R、C(O)NR、R、P(O)(OH)およびCOCHRNRである式(I)の化合物に変換する請求項12から16のいずれか1項に記載の製造法。
【請求項18】
薬物として使用するための請求項1から11のいずれかに定義の式(I)で示される誘導体。
【請求項19】
有効成分として、請求項1から11のいずれかに定義の式(I)で示される誘導体の治療有効量を、医薬的に許容される担体と組合わせて含有してなる医薬組成物。
【請求項20】
経口、注射、非経口経路で患者に投与するように製剤化した請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
大腸菌、黄色ブドウ球菌、結核菌、ヘリコバクター・ピロリまたは熱帯マラリア原虫からなる微生物病原体によるヒトまたは動物の感染症を処置するための請求項19または20に記載の医薬組成物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2009−533417(P2009−533417A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504857(P2009−504857)
【出願日】平成19年4月16日(2007.4.16)
【国際出願番号】PCT/IB2007/002127
【国際公開番号】WO2007/135562
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(508307089)
【Fターム(参考)】