説明

検査装置

【課題】測定試料を変えるたびごとに測定点の位置補正を行う必要がなく、更に、測定試料上の同一点についての複数種類の特性の測定を、同一検査装置を用いて行なうことができる検査装置を提供する。
【解決手段】試料を載置するためのステージ3と、1又は複数の検査機器6、7を支持可能な検査機器支持用ヘッド5と、ステージ及び/又は検査機器支持用ヘッドを支持している移動機構23、43と、ステージ上の基準点の実座標と目標座標との偏差を格納する偏差格納部と、複数の検査機器の測定点間のオフセット値を格納するオフセット値格納部と、格納された偏差及びオフセット値を参照して、複数の検査機器のうちのいずれか1つの検査機器の測定点と他の検査機器の測定点とが一致するように、ステージ及び/又は前記検査機器支持用ヘッドを移動させる位置制御部と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、測定試料を用いた測定点の位置補正が不要で、迅速な検査が可能な検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シリコンウェハや、FPD(フラットパネルディスプレイ)用のガラス基板等では、ほぼ全領域に亘って、膜厚、抵抗率、応力等を測定したり、欠陥の有無を検査したりする品位検査が必要とされる。そのときに用いられる検査装置は、検査対象であるシリコンウェハやガラス基板等を載置するための平坦なステージを備えているが、当該ステージの移動には、本来的に機械的な位置誤差が伴っており、具体的には、ステージは進行方向に対して上下左右にうねりながら移動する。従って、エンコーダにより示された目標位置にステージを移動させても、実際のステージの移動位置は目標位置とは一致しない。
【0003】
このため、ステージ上の測定試料の測定点の位置は検査装置の機械精度の影響を受けるので、従来は、xy方向では、測定試料上のアライメント用パターンを指標として画像処理によって位置補正を行なっており、z方向では、測定試料の画像処理又はレーザ強度測定によるオートフォーカス機能によって位置補正を行なっている。
【0004】
しかし、従来の方法では、測定試料ごとによって画像コントラストやレーザ反射率に差があり、これらが測定点の位置の補正精度に影響する。また、従来の方法では、画像処理やレーザ強度処理に時間がかかるため、生産性の低下を招くという問題点がある。
【0005】
また、シリコンウェハや、FPD(フラットパネルディスプレイ)用のガラス基板等上の薄膜の抵抗率や応力を測定するには、測定パラメータとして薄膜の膜厚が必要である。従来、この膜厚の値としては、(1)成膜装置での予測値、(2)別途膜厚計で測定した測定値、(3)補正係数、等を用いている。
【0006】
しかし、(1)(2)の値には、成膜装置の成膜誤差や、測定位置の誤差が含まれており、(3)の値(式)を用いるには、測定試料ごとに補正係数を準備する必要があり、すべての測定には適用できないという欠点がある。
【0007】
複数種類の測定項目を同一点で測定することが求められているが、特に微細な構造の試料を測定できるものはなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明は、測定試料を変えるたびごとに測定点の位置補正を行うこと必要がなく、迅速な検査が可能であり、更に、同一検査装置で測定試料上の同一点についての複数種類の物理量や、化学量等の試料の特性の測定を精度良く行なうことができる検査装置を提供すべく図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち本発明に係る検査装置は、試料を載置するためのステージと、1又は複数の検査機器を支持可能な検査機器支持用ヘッドと、前記検査機器支持用ヘッドに対して前記ステージが相対的に移動可能であるように、前記ステージ及び/又は前記検査機器支持用ヘッドを支持している移動機構と、前記ステージ上の基準点が目標座標に位置するように、前記ステージ及び/又は前記検査機器支持用ヘッドが移動したときの、前記基準点の実座標と前記目標座標との偏差を格納する偏差格納部と、前記複数の検査機器の測定点間のオフセット値を格納するオフセット値格納部と、前記偏差格納部に格納された前記偏差及び前記オフセット値格納部に格納された前記オフセット値を参照して、前記複数の検査機器のうちのいずれか1つの検査機器の測定点と他の検査機器の測定点とが一致するように、前記ステージ及び/又は前記検査機器支持用ヘッドを移動させる位置制御部と、を備えていることを特徴とする。ここで、測定点とはそれぞれの検査機器が実際に測定を行なう点を意味する。
【0010】
このようなものであれば、検査機器の測定点の位置補正に使用する偏差や検査機器間のオフセット値のデータが、予め検査装置に格納されているので、測定試料上のアライメント用パターンを指標とするパターン認識を行なわずに測定点の位置を補正することが可能となる。このため、従来法において問題となっていた、測定試料ごとの画像コントラストやレーザ反射率の相違に起因する位置補正精度の低下や、パターン認識のための画像処理やレーザ強度処理に時間がかかることによる歩留まりの低下が、解消される。従って、本発明によれば、従来に比べて遥かに迅速に測定が行なえると共に、測定試料上の同一点についての複数種類の物理量や、化学量等の試料の特性の測定を、同一検査装置を用いて精度良く行なうことができる。
【0011】
前記移動機構の上下左右方向へのうねりなどによる目標位置と実際の位置との誤差は、雰囲気の温度が変化すると、熱膨張や摩擦などの変化によって再現されなくなってしまう。また、検査機器支持用ヘッドに取り付けられている検査機器の測定点も雰囲気の温度変化によって測定点が変化してしまう。従って、雰囲気の温度が前記格納部に格納されている偏差や前記オフセット値格納部に格納されているオフセット値が測定された時の温度と異なる場合には、前記偏差や前記オフセット値は、実際に補正すべき量と異なっており、測定点の位置の補正を高精度に行うことが難しい。このような温度変化によって補正すべき量が変化するのを防ぎ、予め測定してある偏差やオフセット値を用いて高精度な測定点の位置の補正を行うことができるようにするには、検査装置と、前記検査装置の周囲の雰囲気を温調する第1温調機構を備え、当該第1温調機構は、前記偏差格納部に格納された前記偏差及び/又は前記オフセット値格納部に格納されたオフセット値が測定された時の雰囲気の温度である設定温度に前記雰囲気を温調することを特徴とする検査システムであればよい。
【0012】
前記移動機構は、摺動抵抗やモータなどの駆動機構の発熱によって機械誤差が変化するので、測定点の目標位置と実際の位置の偏差が変化してしまい、格納部に格納されている予め測定された偏差では精度よく補正することができなくなることがある。移動機構の機械誤差の再現性を良くして、予め測定された偏差によって高精度の測定点の位置の補正ができるようにするには、前記検査システムが、前記移動機構の温調を行う第2温調機構を更に備えたものであればよい。
【0013】
また本発明に係る測定点の位置補正方法は、試料を載置するためのステージと、1又は複数の検査機器を支持可能な検査機器支持用ヘッドと、前記検査機器支持用ヘッドに対して前記ステージが相対的に移動可能であるように、前記ステージ及び/又は前記検査機器支持用ヘッドを支持している移動機構と、を備えている検査装置を用いて測定を行なう場合に測定点の位置を補正する方法であって、前記ステージ上の基準点が目標座標に位置するように、前記ステージ及び/又は前記検査機器支持用ヘッドが移動したときの、前記基準点の実座標と前記目標座標との偏差を測定する工程と、前記複数の検査機器の測定点間のオフセット値を測定する工程と、前記偏差格納部に格納された前記偏差及び前記オフセット値格納部に格納された前記オフセット値を参照して、前記複数の検査機器のうちのいずれか1つの検査機器の測定点と他の検査機器の測定点とが一致するように、前記ステージ及び/又は前記検査機器支持用ヘッドを移動させる工程と、を有することを特徴とする。
【0014】
更に本発明に係るプログラムは、試料を載置するためのステージと、1又は複数の検査機器を支持可能な検査機器支持用ヘッドと、前記検査機器支持用ヘッドに対して前記ステージが相対的に移動可能であるように、前記ステージ及び/又は前記検査機器支持用ヘッドを支持している移動機構と、を備えている検査装置を構成するコンピュータに対して、前記ステージ上の基準点が目標座標に位置するように、前記ステージ及び/又は前記検査機器支持用ヘッドが移動したときの、前記基準点の実座標と前記目標座標との偏差を格納する偏差格納部、前記複数の検査機器の測定点間のオフセット値を格納するオフセット値格納部、及び、前記偏差格納部に格納された前記偏差及び前記オフセット値格納部に格納された前記オフセット値を参照して、前記複数の検査機器のうちのいずれか1つの検査機器の測定点と他の検査機器の測定点とが一致するように、前記ステージ及び/又は前記検査機器支持用ヘッドを移動させる位置制御部、としての機能を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
このように本発明によれば、測定試料上のアライメント用パターンを指標とするパターン認識を行なわずに測定点の位置を補正することが可能となる。このため、測定試料ごとの画像コントラストやレーザ反射率の相違に起因する位置補正精度の低下や、パターン認識のための画像処理やレーザ強度処理に時間がかかることによる歩留まりの低下といった従来の問題点が解消される。従って、本発明によれば、測定時間を著しく短縮することができると共に、測定試料上の同一点についての複数種類の物理量や、化学量等の試料の特性の測定を、同一検査装置を用いて精度良く行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
本実施形態に係る検査装置1は、FPDに用いられる例えば第6世代、第7世代等のガラス基板W等に対応してその品位測定を行えるようにしたものであって、図1に示すように、床上に設置される矩形板状をなすベース2と、そのベース2上を水平長手方向(以下X軸方向とも言う)に移動可能に設けたステージ3と、前記ベース2上に長手方向と直交して跨るように設けた門型をなすヘッド支持体4と、前記ヘッド支持体4によって長手方向と直交する水平方向(以下Y軸方向とも言う)及び鉛直方向(以下Z軸方向とも言う)に移動可能に支持させた検査機器支持用ヘッド5と、その検査機器支持用ヘッド5に取り付けられた複数の検査機器6、7と、ステージ3及び検査機器支持用ヘッド5に対して制御信号を送信する情報処理装置8と、を備えている。そして、ステージ3の移動と検査機器支持用ヘッド5の移動とによって、ステージ3上に載置したガラス基板等のフラットなパネル部材Wの品位検査を行えるようしてある。ステージ3の移動量と検査機器支持用ヘッド5の移動量(制御量)はエンコーダによって規定される。
【0018】
ベース2は、X軸方向寸法がおおよそ4900mm、Y軸方向寸法がおおよそ2300mmの大きさをなす板状のベース本体21と、そのベース本体21を支える伸縮可能な複数のベース支持脚22とを備えており、各ベース支持脚22の長さを調整することで床の不陸に拘わらずベース本体21を水平に保てるように構成したものである。
【0019】
ステージ3は、その上面に検査対象となるガラス基板等のフラットなパネル部材Wを載置するものであり、ベース本体21に設けたレール部材23(移動機構に相当)によってX軸方向にスライド可能に支持されている。
【0020】
ヘッド支持体4は、ベース2の長手方向一端部に固定されるもので、ベース本体21の各長辺部分から起立する一対の脚部材41と、それら脚部材41の上端にY軸方向に沿って横架させた横架材42とを備えている。
【0021】
検査機器支持用ヘッド5は、前記横架材42の上面に設けたレール部材43(移動機構に相当)によってY軸方向にスライド可能に支持されたヘッド基部51と、そのヘッド基部51に図示しない移動機構によって鉛直方向(Z軸方向)にスライド可能に支持されたヘッド本体52とを備えたものである。このヘッド本体52には、検査機器6、7を着脱可能に取り付けることができる。
【0022】
第1の検査機器である検査機器6は、具体的には、膜厚計である。膜厚計6は、ステージ3に載置されたガラス基板Wに光を照射する光照射部61と、光が照射されたガラス基板Wからの反射光を検出する光検出部62とを備えており、ガラス基板W表面での光の入射光、反射光の偏光状態の変化を測定し、そこから得られたデータにより、第1の測定により得られる測定量である薄膜の膜厚や屈折率を算出する。その機器構成は、He−Neレーザ等のレーザ光源、偏光子等からなる光照射部61と、フォトダイオード等の光検出部62とを備えたものである。このような膜厚計6を用いているので、非接触、非破壊で高精度な測定を容易に行うことができる。膜厚計6は、測定された膜厚と、当該膜厚が測定されたガラス基板W上の位置とを、関連付けて記憶することができる。
【0023】
第2の検査機器である検査機器7は、具体的には、抵抗率計である。抵抗率計7は、図示しない4本の針状の電極を備えており、これらをガラス基板W上の直線上に置き、外側の二探針間に一定電流を流し、内側の二探針間に生じる電位差を測定し抵抗を求める。次に、求めた抵抗に、膜厚計6で求めたガラス基板W上の薄膜の厚さをかけて下記式に従い、第2の測定により得られる測定量である抵抗率を算出する。なお、第2の測定量は第1の測定量を参照して求められるものである。
【0024】
ρ=(π/loge2)(V/I)t[Ωcm]・・・(式1)
【0025】
(ρ:抵抗率、V:電圧、I:電流、t:膜厚)
【0026】
情報処理装置8は、図2に示すように、CPU801の他に、メモリ802、入出力チャンネル803、キーボード等の入力手段804、ディスプレイ等の出力手段805等を備えた汎用乃至専用のものであり、入出力チャンネル803にはA/Dコンバータ806、D/Aコンバータ807、増幅器(図示しない)等のアナログ−デジタル変換回路が接続されている。
【0027】
そして、CPU801及びその周辺機器が、前記メモリ802の所定領域に格納されたプログラムに従って協働動作することにより、この情報処理装置8は、図3に示すように、偏差格納部81、オフセット値格納部82、位置制御部83等として機能する。なお、この情報処理装置8は、物理的に一体である必要はなく、有線又は無線により複数の機器に分割されていても構わない。
【0028】
偏差格納部81は、ステージ3と検査機器支持用ヘッド5が例えば初期状態(例えばステージ3がレール部材23、検査機器支持用ヘッド5がレール43、Z方向移動機構のそれぞれ中央にあるとき)にあるときの例えばステージ3の中心を原点とした場合のステージ3上の基準点がある1つの目標座標に位置するように、ステージ3及び/又は検査機器支持用ヘッド5が移動したときの、基準点の実座標と目標座標との偏差を格納するものである。目標座標は初期状態にあるときの基準点を原点とした相対的な座標系での座標である。つまり基準点は絶対的な座標系ではy、z方向に移動しないが、検査機器支持用ヘッド5が移動することにより相対的にy、z方向に移動する。以下で詳細に説明するが、便宜のためY、Z方向の検査機器支持用ヘッド5の移動はステージ3から見た相対的な座標系での移動に置き換えて説明する。これはヘッド5のY、Z方向はステージ3の−Y、−Z方向の移動と同等であるからである。これら偏差は複数の目標座標について、レーザ距離計やオートフォーカス等の距離測定手段を用いて予め測定されたものであり、具体的には、初期位置にあるステージ3上の任意の点(基準点)が、XYZの各座標軸方向に目標座標分だけ移動するようにしたときの、実際の移動座標(実座標)が、レーザ距離計やオートフォーカス等の距離測定手段を用いて測定され、当該実座標と目標座標とのズレが、前記偏差として算出される。本実施形態では、XYZの各座標軸方向に対する偏差は、図4に示すように、それぞれが独立して格納される。この基準点はステージ3が剛体であるとすれば、ステージ3上のどこであっても構わない。
【0029】
オフセット値格納部82は、検査機器6と検査機器7との測定点のオフセット値を格納するものである。当該オフセット値は予め測定されたものであり、具体的には、検査機器6、7のいずれもが測定対象に光を照射して物理量の測定を行なうものである場合は、光の照射スポットの中心位置が光学顕微鏡により観察され、検査機器6、7の相互の照射スポットの中心位置間のズレが、検査機器6と検査機器7との測定点のオフセット値として測定される。一方、検査機器6、7の一方が測定対象に電流を流して物理量の測定を行なうものであり、他方が測定対象に光を照射して物理量の測定を行なうものである場合は、例えば、シリコンとアルミのように電気伝導度及び光の反射率が異なる物質をつなぎ合わせた標準試料を走査して、そのときの電気伝導度の変化した位置と反射スペクトルの変化した位置とのズレが、検査機器6と検査機器7との測定点のオフセット値として測定される。
【0030】
位置制御部83は、偏差格納部81に格納された前記偏差及びオフセット値格納部82に格納された前記オフセット値を参照して、複数の検査機器6、7のうちのいずれか1つの検査機器の測定点と他の検査機器の測定点とが一致するように、ステージ3及び/又は前記検査機器支持用ヘッド5を移動させるものである。位置制御部83は、X方向制御部831とYZ方向制御部832とからなり、X方向制御部831はステージ3を制御し、YZ方向制御部832は検査機器支持用ヘッド5を制御する。
【0031】
なお、複数の検査機器6、7のうちのいずれか1つの検査機器の測定点と他の検査機器の測定点とが一致するとは、検査機器6、7の種類によって分解能が異なり、測定点の大きさも異なるので、検査機器6、7の測定点が少なくとも1部において重なり合えば、検査機器6、7の測定点が一致したものとする。
【0032】
次に、本実施形態における検査装置1を用いてガラス基板W上の薄膜の膜厚等を測定する手順を図5のフローチャートを参照して説明する。
【0033】
まず、初期設定として、ステージ3が初期状態にあるときの例えばステージ3の中心を原点とした場合の検査機器6の測定点の位置情報(座標)を、オペレータがキーボード等の入力手段804により情報処理装置8に入力する(ステップS1)。
【0034】
次いで、オペレータがキーボード等の入力手段804により情報処理装置8に制御信号を入力して、ステージ3を初期位置に移動させる(ステップS2)。
【0035】
次いで、オペレータがキーボード等の入力手段804により情報処理装置8にガラス基板W上の測定を行う箇所(第1の測定箇所)の位置情報(座標)を入力する(ステップS3)。
【0036】
そして、前記検査機器6の測定点の位置情報と第1の測定箇所の位置情報とから、ステージ3の中心が移動すべき目標座標(第1の目標座標)が算出されて、当該第1の目標座標のうちx座標のデータxを受け付けたX方向制御部831は、偏差格納部81から当該目標座標に対するx座標の偏差Δx(Δx)を得て、第1の目標座標のx座標のデータを偏差Δxにより補正して補正後の第1の目標座標(x+Δx)を算出する(ステップS4−1)。
【0037】
一方、当該第1の目標座標のうちyz座標のデータ(y,z)を受け付けたYZ方向制御部832は、偏差格納部81から当該第1の目標座標に対するyz座標の偏差Δy(Δy)及びΔz(Δz)を得て、第1の目標座標のyz座標のデータを偏差Δy及びΔzにより補正して補正後の第1の目標座標(y+Δy,z+Δz)を算出する(ステップS4−2)。
【0038】
続いて、X方向制御部831がステージ3に制御信号を送信し、当該制御信号を受けたステージ3の中心が補正後の第1の目標座標(x+Δx)に移動するように、レール部材23にそってステージ3をX軸方向にスライドさせるように制御する(ステップS5−1)。このように制御すれば、ステージ3の中心の実座標がxになるように、ステージ3が移動されることになる。
【0039】
また、YZ方向制御部832が検査機器支持用ヘッド5に制御信号を送信し、当該制御信号を受けた検査機器支持用ヘッド5が、補正後の第1の目標座標(y+Δy,z+Δz)に移動するように、レール部材43にそってY軸方向にヘッド基部51をスライドさせ、ヘッド本体52を鉛直方向(Z軸方向)にスライドさせるように制御する(ステップS5−2)。
【0040】
そして、膜厚計6によりガラス基板W上の薄膜の膜厚を測定する(ステップS6)。当該膜厚と第1の目標座標が関連付けて記憶される。
【0041】
引き続いて、抵抗率を測定する場合は(ステップS7)、X方向制御部831は、オフセット値格納部82から膜厚計6の測定点と抵抗率計7の測定点とのオフセット値のうちx座標分Δx(Δxo1)を得て、補正後の目標座標のx座標のデータ(x+Δx)をΔxにより更に補正して、オフセット値分を更に補正した補正後の目標座標(x+Δx+Δxo1)を算出する(ステップS8−1)。
【0042】
一方、YZ方向制御部832は、オフセット値格納部82から膜厚計6の測定点と抵抗率計7の測定点とのオフセット値のうちyz座標分のΔy及びΔz(Δyo1,Δzo1)を得て、補正後の目標座標のyz座標のデータ(y+Δy,z+Δz)をΔy及びΔzにより更に補正して、オフセット値分を更に補正した補正後の目標座標(y+Δy+Δyo1,z+Δz+Δzo1)を算出する(ステップS8−2)。
【0043】
オフセット値分の補正をより詳細に説明すると、後述の第1の測定箇所(本実施例では膜厚計6の測定点)から第2の測定箇所(本実施例では抵抗率計7の測定点)に移動する場合と同じように偏差を用いて目標座標を補正する。
【0044】
続いて、X方向制御部831がステージ3に制御信号を送信し、当該制御信号を受けたステージ3がの中心オフセット値と偏差分を更に補正した補正後の目標座標に移動するように、レール部材23にそってステージ3をX軸方向にスライドさせるように制御する(ステップS9−1)。
【0045】
また、YZ方向制御部832が検査機器支持用ヘッド5に制御信号を送信し、当該制御信号を受けた検査機器支持用ヘッド5が、オフセット値と偏差分を更に補正した補正後の目標座標に移動するように、レール部材43にそってY軸方向にヘッド基部51をスライドさせ、ヘッド本体52を鉛直方向(Z軸方向)にスライドさせるように制御する(ステップS9−2)。
【0046】
そして、抵抗率計7によりガラス基板W上の薄膜のV/Iを測定する(ステップS10)。当該V/Iは第1の目標座標と関連付けられて記憶される。ステップS6での第1の目標座標がステップS10での第1の目標座標と同じであれば式1に基づいて抵抗率が算出される。この抵抗率も第1の目標座標と関連付けられて記憶される。
【0047】
第1の測定箇所に引き続いて、ガラス基板W上の他の箇所(第2の測定箇所)の測定を行う場合は、ステージ3が初期位置にあると仮定した場合の第2の測定箇所の位置情報を情報処理装置8に入力する。すると、前記検査機器6の測定点の位置情報(x)と第2の測定箇所の位置情報(第2の目標座標x)とから第1の測定箇所から第2の測定箇所にステージ3が移動するための移動量が算出される。すなわち、当該第2の目標座標に対応する偏差分に相当する補正がなされ、その補正後の第2の目標座標(x+Δx)から、既にステージ3(又は検査機器支持用ヘッド5)が移動した補正後の第1の目標座標分(x+Δx)の距離量を相殺した座標分(第2の目標座標−第1の目標座標)(x−x+Δx−Δx)が移動量として算出される。なお説明ではx座標のみについて説明したが、y、z座標についても同様である。
【0048】
このように構成した本実施形態に係る検査装置1によれば、検査機器6、7の測定点の位置補正に使用する偏差や検査機器6、7間のオフセット値のデータが、予め情報試料装置8に格納されているので、測定試料上のアライメント用パターンを指標とするパターン認識を行なわずに測定点の位置を補正することが可能となる。このため、本実施形態によれば、従来法において問題となっていた、測定試料ごとの画像コントラストやレーザ反射率の相違に起因する位置補正精度の低下や、パターン認識のための画像処理やレーザ強度処理に時間がかかることによる歩留まりの低下が、解消される。従って、本実施形態によれば、従来に比べて遥かに迅速に測定が行なえると共に、ガラス基板W上の同一点について膜厚と抵抗率との異なる物理量や、化学量等の試料の特性の測定を、同一検査装置1を用いて精度良く行なうことができる。
【0049】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0050】
検査装置1は、抵抗率計7に代えて又は抵抗率計7に加えて、応力測定計を備えていて、ガラス基板W上の薄膜の応力を測定することができるように構成してあってもよい。このような応力測定計としては、例えば、He−Neレーザ等のレーザ光源等からなる光照射部と、位置検出センサ(PSD)等の光検出部とを備えていて、ガラス基板W上を走査するレーザの反射角度から曲率半径(反り)を計算するレーザ変位計が挙げられる。なお、薄膜の応力は以下の式に従い算出される。この応力算出時に、エリプソ等の膜厚計で得られた膜厚値を用いることができる。
【0051】
σf=Ests2/{6(1−νs)tfR}
【0052】
(σf:応力値、Es:ヤング率、ts:ガラス基板厚、tf:膜厚、νs:ポアソン比、R:曲率半径)
【0053】
更に、前記実施形態では1つの検査機器支持用ヘッド5に2種類の検査機器6,7が取り付けられていたが、検査機器支持用ヘッド5が複数個設けてあって、複数の検査機器6、7それぞれが別個の検査機器支持用ヘッド5に取り付けられていてもよい。
【0054】
また、前記実施形態では、ステージ3や検査機器支持用ヘッド5を、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向にスライドさせるには、それぞれ別個の移動機構が使用されていたが、2方向以上への移動が同一の移動機構によって行われても良い。例えば、1つの移動機構によって、ステージ3がX軸方向及びY軸方向に(即ち水平面上を)移動するように構成してある場合は、X軸方向及びY軸方向の偏差は、ステージ3に対してX軸方向及びY軸方向の2方向から照射されたレーザにより測定されて、例えば図6に示すように、X軸方向の偏差とY軸方向の偏差とが関連付けて格納される。なお、第1の測定と第2の測定の順序は逆でも構わない。
【0055】
また、予め測定された目標座標以外にステージ3を移動してガラス基板W上の点の測定を行なう場合は、目標座標について予め測定された偏差から算出した近似式を用いて線形補正等により当該点の移動量を補正する。
【0056】
また偏差による目標座標の補正ではなく、偏差から求めた実際の移動量を求め、これからステージ3等の制御量を求めるようにしても良い。つまり偏差格納部81に図4のようにxに対してΔxの偏差が格納されている場合、x+Δx移動させるというオペレータ等の入力に対してエンコーダが、xだけステージが移動したと認識するように制御するようにしてもよい。
【0057】
前記ステージ又は前記検査機器支持用ヘッドが移動した場合、指令された位置と実際に移動した位置について位置決め誤差があるが、この位置決め誤差は常に再現されるものであるとは限らない。特に、検査装置の周囲の雰囲気の温度変化によって、例えば、レール部材とステージ間の摺動抵抗が変化する、又は、熱膨張等によってレール部材の取り付け自体が変化する等して、位置決め誤差が変化してしまう。また、雰囲気の温度変化によって、同じ位置へステージを移動させたとしても同じ姿勢になっているとは限らない。すなわち、ステージやレール部材の機械による誤差は温度変化によって、再現しないことがある。
【0058】
位置決め誤差や姿勢変化が再現しない場合に、過去に異なる条件で測定された偏差やオフセット値を用いて測定点の位置を補正したとしても、再現していない誤差の分だけ補正の精度が落ちてしまう。かといって、検査中にありうる全ての温度について偏差やオフセット値を予め測定しておき、マップとして保有しておくことはその作業量から考えて非現実的である。
【0059】
このような問題を簡単に解決するには、検査装置が隔壁等によって仕切られる検査室内に設けられ、その検査室内の雰囲気の温調を行う第1温調機構とを更に備え、当該第1温調機構は、前記偏差格納部に格納された前記偏差及び/又は前記オフセット値格納部に格納されたオフセット値が測定された時の雰囲気の温度である設定温度に前記雰囲気を温調するものである検査システムであればよい。
【0060】
ここで、検査室はクリーンルームなどのようなものであっても構わないし、エンクロージャーのような隔壁等で仕切られた空間内を検査室とするものであっても構わない。また、検査室内は密閉されているものであってもよいし、一部外部に開放されているようなものであっても構わない。
【0061】
具体的には、図7に示すように前記検査装置1は周囲を囲む隔壁によって形成される検査室Rに配置してあり、前記検査室Rの上部には検査室内の温調された空気を送風する第1温調機構AC1が設けてある。前記第1温調機構は、送風する空気を温調する第1温調部AC11と、前記検査室の上部中央部に設けられ、前記第1温調部AC11において温調された空気を検査室内の上方から下方へと送風するファンを有した送風機構AC12と、検査室R内の温度を測定するための雰囲気温度測定部TM1を備えたものである。前記第1温調部AC11は、前記雰囲気温度測定部TM1で測定された雰囲気温度と、予め設定された偏差やオフセット値を測定した時の基準雰囲気温度とに基づいて、空気を温調するものであり、前記検査室R内の雰囲気温度が基準雰囲気温度となるように温度の制御を行うものである。なお、前記第1温調部AC11は、その振動を検査装置1に伝えないように床等に設置してある。
【0062】
このようなものであれば、偏差やオフセット値が測定された時の温度に雰囲気の温度を温調するので、偏差やオフセット値が測定された時の機械の誤差が再現しやすくなる。従って、ステージや検査機器支持用ヘッドの位置決めの誤差や姿勢が偏差やオフセット値が測定された時に生じていたものと略同じになるので、予め測定しておいた偏差やオフセット値によって非常に精度の高い測定点の位置の補正を行うことができるようになる。
【0063】
しかも、補正の基準となる偏差やオフセット値の測定をある温度だけで行っておけばよいので、基準測定の手間を増やすこともない。
【0064】
また、雰囲気の温度が偏差やオフセット値が測定された時と同じ温度に保たれていたとしても、ステージとレール部材間のように摺動抵抗がある部分では発熱によって摩擦が変化し、位置決め精度や姿勢が変化してしまうことがある。このような変化があった場合にも、やはり、予め測定した偏差やオフセット値で補正を行ったとしても変化した分だけ測定点の位置の補正ができなくなってしまう。
【0065】
このような問題を解決するには、前記移動機構の温調を行う第2温調機構を更に備えたものであればよい。特にレール部材の摺動抵抗による発熱による温度上昇を抑えるように前記第2温調機構は温調するものであればよい。また、レール部材の温度を偏差やオフセット値を測定した時の温度にしておけば、最も精度よく測定点の位置の補正を行うことができる。
【0066】
具体的には、図7に示されるように、前記レール部材23に熱電対等の移動機構温度測定部TM2を設けておき、移動機構温度測定部TM2で測定される温度が、偏差やオフセット値を測定した時の温度となるように、第2温調機構AC2によって温調するものである。
【0067】
前記第2温調機構AC2は、前記移動機構温度測定部TM2から測定温度と予め設定してある偏差やオフセット値を測定した時の移動機構の温度とに基づいて、送風する空気の温調を行う第2温調部AC21と、前記検査室Rの隔壁の側面に設けられ、前記レール部材の側方から空気を送風する側面部送風口AC22と、前記温調部AC21と側面部送風口AC22とを接続する送風パイプAC23とから構成してある。なお、前記第2温調部AC21は、その振動を検査装置1に伝えないように床等に設置してある。
【0068】
このように空気を送ることによって移動機構の温調を行って良いし、レール部材や摩擦が発生する箇所にペルチェ素子等によって冷却するようなものであっても構わない。また、レール部材やレール部材以外の移動機構の可動部分を温調するものであっても構わない。
【0069】
実際の測定において測定点の位置を精度よく補正する事ができるようにするには、検査機器間の測定点のオフセット値を精度よく測定しておく必要がある。
【0070】
検査機器を用いてオフセット値を精度よく測定するには、偏差格納部に前記ステージ上の基準点が目標座標に位置するように、前記ステージ及び/又は前記検査機器支持用ヘッドが移動したときの、前記基準点の実座標と前記目標座標との偏差を予め格納した状態において、前記複数の検査機器の測定点を同時に検出する測定点検出器と、前記測定点検出器で検出された1つの検査機器の測定点の位置をオフセット基準点として、他の検査機器の測定点が前記オフセット基準点と一致するまで前記ステージ及び/又は前記検査機器支持用ヘッドを移動させたときの移動量を格納する移動量格納部と、前記偏差格納部に格納されている偏差を用いて前記移動量を補正して、実際の移動量を算出しオフセット値とするオフセット値算出部とを備えたものであればよい。
【0071】
このようなものであれば、検査装置の移動機構やエンコーダを利用してオフセット値を測定する事ができ、その移動量を偏差格納部に格納してある偏差を用いて補正しているので、精度よくオフセット値を算出し、オフセット格納部に格納することができる。しかも、機械のくせなどが偏差には表れているので、外部の測定器を用いてオフセット値を測定するよりも、実際の測定に則した形でオフセット値を測定することができる。
【0072】
より具体的には、例えば、検査機器が光学的に非接触で測定を行うものの場合、前記測定点検出器としては、CCD等の2次元の位置検出を行える位置検出器を用い、Z軸方向に関してはビームの強度によって測定を行えばよい。
【0073】
オフセット値を測定する動作について説明する。準備として、ステージ上に位置合わせのために、目印となる長方形状のパターンが形成されたウエハ等を設けておき、そのウエハの上方からパターンを含むように撮像できるようCCDを検査機器支持ヘッドに固定しておく。
【0074】
まず、図8(a)に示すよう、例えばエリプソメータの測定点Eと、光干渉計の測定点Hと、パターンPをCCDで検出する。次に、図8(b)に示すようにエリプソメータの測定点Eを前記パターンPのある頂点と一致するようステージ及び検査機器支持用ヘッドを移動させる。このエリプソメータの測定点Pの位置をオフセット基準点とする。
【0075】
そして、図8(c)に示すように光干渉計の測定点Hが前記オフセット基準点となるようにステージを移動させる。このときのXYZ方向それぞれの移動距離Dを移動量格納部が格納し、その値をオフセット算出部が偏差格納部に格納されている偏差によって補正することによって実際の測定点間のオフセットが算出される。
【0076】
また、前記オフセット基準点と他の検査機器の測定点を一致させるのは、CCDの位置情報をもとに指令値を生成し、フィードバック制御を行うようにしてもよいし、CCDの測定結果等を目視しながら、一致させるようにしても構わない。
【0077】
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、様々な変形や実施形態の組み合わせが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の一実施形態に係る検査装置の全体斜視図(ただし情報処理装置は模式的に記載してある)。
【図2】同実施形態における情報処理装置の機器構成図。
【図3】同実施形態における情報処理装置の機能構成図。
【図4】同実施形態におけるXYZ軸方向の偏差をそれぞれ独立して格納するテーブルの1例。
【図5】同実施形態における測定方法を示すフローチャート。
【図6】他の実施形態におけるX軸方向の偏差とY軸方向の偏差を格納するテーブルの1例。
【図7】別の実施形態に係る検査装置の全体斜視図。
【図8】オフセット値を算出するための手順を示す模式図。
【符号の説明】
【0079】
1・・・検査装置
3・・・ステージ
23・・・レール部材(移動機構)
43・・・レール部材(移動機構)
5・・・検査機器支持用ヘッド
6・・・膜厚計(検査機器)
7・・・抵抗率計(検査機器)
AC1・・・第1温調機構
AC2・・・第2温調機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を載置するためのステージと、
1又は複数の検査機器を支持可能な検査機器支持用ヘッドと、
前記検査機器支持用ヘッドに対して前記ステージが相対的に移動可能であるように、前記ステージ及び/又は前記検査機器支持用ヘッドを支持している移動機構と、
前記ステージ上の基準点が目標座標に位置するように、前記ステージ及び/又は前記検査機器支持用ヘッドが移動したときの、前記基準点の実座標と前記目標座標との偏差を格納する偏差格納部と、
前記複数の検査機器の測定点間のオフセット値を格納するオフセット値格納部と、
前記偏差格納部に格納された前記偏差及び前記オフセット値格納部に格納された前記オフセット値を参照して、前記複数の検査機器のうちのいずれか1つの検査機器の測定点と他の検査機器の測定点とが一致するように、前記ステージ及び/又は前記検査機器支持用ヘッドを移動させる位置制御部と、を備えている検査装置。
【請求項2】
請求項1記載の検査装置と、
前記検査装置の周囲の雰囲気を温調する第1温調機構を備え、
当該第1温調機構は、前記偏差格納部に格納された前記偏差及び/又は前記オフセット値格納部に格納されたオフセット値が測定された時の雰囲気の温度である設定温度に前記雰囲気を温調することを特徴とする検査システム。
【請求項3】
前記移動機構の温調を行う第2温調機構を更に備えたものである請求項2記載の検査システム。
【請求項4】
試料を載置するためのステージと、
1又は複数の検査機器を支持可能な検査機器支持用ヘッドと、
前記検査機器支持用ヘッドに対して前記ステージが相対的に移動可能であるように、前記ステージ及び/又は前記検査機器支持用ヘッドを支持している移動機構と、を備えている検査装置を用いて測定を行なう場合に測定点の位置を補正する方法であって、
前記ステージ上の基準点が目標座標に位置するように、前記ステージ及び/又は前記検査機器支持用ヘッドが移動したときの、前記基準点の実座標と前記目標座標との偏差を測定する工程と、
前記複数の検査機器の測定点間のオフセット値を測定する工程と、
前記偏差格納部に格納された前記偏差及び前記オフセット値格納部に格納された前記オフセット値を参照して、前記複数の検査機器のうちのいずれか1つの検査機器の測定点と他の検査機器の測定点とが一致するように、前記ステージ及び/又は前記検査機器支持用ヘッドを移動させる工程と、を有する位置補正方法。
【請求項5】
試料を載置するためのステージと、
1又は複数の検査機器を支持可能な検査機器支持用ヘッドと、
前記検査機器支持用ヘッドに対して前記ステージが相対的に移動可能であるように、前記ステージ及び/又は前記検査機器支持用ヘッドを支持している移動機構と、を備えている検査装置を構成するコンピュータに対して、
前記ステージ上の基準点が目標座標に位置するように、前記ステージ及び/又は前記検査機器支持用ヘッドが移動したときの、前記基準点の実座標と前記目標座標との偏差を格納する偏差格納部、
前記複数の検査機器の測定点間のオフセット値を格納するオフセット値格納部、及び、
前記偏差格納部に格納された前記偏差及び前記オフセット値格納部に格納された前記オフセット値を参照して、前記複数の検査機器のうちのいずれか1つの検査機器の測定点と他の検査機器の測定点とが一致するように、前記ステージ及び/又は前記検査機器支持用ヘッドを移動させる位置制御部、としての機能を実現させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−147320(P2009−147320A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−297377(P2008−297377)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(000155023)株式会社堀場製作所 (638)
【Fターム(参考)】