説明

異なる細胞に機能的に影響を及ぼし、免疫性疾患、炎症性疾患、神経疾患、およびその他の疾患を治療するための二重のアラニルアミノペプチダーゼおよびジペプチジルペプチダーゼIVの阻害剤

本発明は、医薬分野における使用のための物質に関し、該物質は、Ala−p−ニトロアニリドを開裂するペプチダーゼおよびGly−Pro−p−ニトロアニリドを開裂するペプチダーゼの両方を特異的に阻害する。本発明はまた、少なくとも1つのこのタイプの物質、または少なくとも1つの上記物質を含む少なくとも1つの薬学的組成物または化粧料組成物の、疾患の予防および治療のための使用に関し、特に、過度の免疫応答(自己免疫性疾患、アレルギー、および移植拒絶反応)、その他の慢性炎症性疾患、神経疾患および脳障害、皮膚病(特に、ざ瘡および乾癬)、腫瘍疾患、および特定のウイルス感染症(特にSARS)の予防および治療のための使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジペプチジルペプチダーゼIV酵素および類似の酵素的効果を有する酵素、ならびにアラニルアミノペプチダーゼ酵素および類似の酵素的効果を有する酵素を同時に阻害する能力を有する新規な物質に関する。さらに、本発明は、過度の免疫反応を含み、かつ炎症に由来する疾患、神経性疾患および脳障害、ならびに腫瘍疾患の予防および治療のためのこれらの二重の阻害剤の使用を開示する。
【背景技術】
【0002】
ジペプチジルペプチダーゼIV(DP IV;CD26;EC3.4.14.5)は、N末端から2番目のプロリンまたはアラニンの後のペプチドの加水分解を特異的に触媒する、普遍的なセリンプロテアーゼである。酵素的活性を有するDP IVの遺伝子ファミリー、特にDP8、DP9、およびFAP/セプラーゼ(T. Chenら、Adv. Exp. Med. Biol. 524, 79, 2003)もまた含まれる。DP IVに類似の基質特異性がアトラクチン(マホガニープロテインによって示される(J.S. Duke-Cohanら、J. Immunol. 156, 1714, 1996)。該酵素はまた、DP IVを効果的に阻害する阻害剤によって阻害される。
【0003】
アミノペプチダーゼN(APN、CD13、EC3.4.11.2)は、サイトゾル可溶性のアラニルアミノペプチダーゼ(EC3.4.11.14;ピューロマイシン感受性アミノペプチダーゼ、アミノペプチダーゼPS、エンセファリン分解アミノペプチダーゼ)と同様に、主としてII型の膜タンパク質として存在する(至る所に存在する)アラニルアミノペプチダーゼの群に属する。両方のペプチダーゼとも、金属依存的に作用し、オリゴペプチドのN末端アミノ酸のペプチド結合の加水分解を触媒し、APNの場合、N末端のアラニンが優先的である(A. J. Barrettら、Handbook of Proteolytic Enzymes, Academic Press, 1998)。アミノペプチダーゼNのすべての阻害剤はまた、サイトゾルのアラニルアミノペプチダーゼを阻害し、一方、特定の阻害剤が、サイトゾルのアミノペプチダーゼに対して存在する(M. Komodoら、Bioorg. and Med. Chem. 9, 121(2001))。
【0004】
両方の群の酵素について、重要な生物学的な機能が、異なる細胞システムで証明されていた。これは、免疫系(U. Lendeckelら、Intern. J. Mol. Med. 4, 17, 1999;T. Kahneら、Intern. J. Mol. Med. 4, 3, 1999;I. De Meesterら、Advanc. Exp. Med. Biol. 524, 3, 2002;国際公開WO01/89569C1;国際公開WO02/053170A3;国際特許出願番号PCT/EP03/07199)、神経系(国際公開WO02/053169A2およびドイツ特許出願第103 37 074.9)、線維芽細胞(ドイツ特許出願第103 30 842.3)、ケラチン細胞(国際公開WO02/053170A3)、皮脂腺の細胞(gland cells/Sebocytes)(国際特許出願番号PCT/EP03/02356)、腫瘍、およびウイルス、例えば、コロナウイルスによる感染(D. P. Kontoyiannisら、Lancet 361, 1558, 2003)において正しい。
【0005】
DP IVの能力、内分泌ホルモンGIPおよびGLPを特異的に不活性にする能力により、グルコース代謝障害を治療するための新たな治療コンセプトが開発されている(D. M. Evans、Drugs 5, 577, 2002)。
【0006】
両方の酵素群について、区別できる阻害剤が知られている(総説が「D. M. Evans、Drugs 5, 577, 2002」;および「M.-C. Fournie-ZaluskiおよびB. P. Roques;J. LangnerおよびS. Ansorge、Ectopeptidases、Kluwer Academic/Plenum Publishers, p51, 2002」にある)。
【0007】
アラニルアミノペプチダーゼおよびジペプチジルペプチダーゼIV群の個別の阻害作用、しかし特に、両酵素群の組み合わせによる阻害作用は、DNA合成の強力な阻害作用、そしてそれによる免疫細胞の細胞増殖の強力な阻害作用を生じる。そして、サイトカイン産生の変化、特に免疫調節性に効果的なTGF−β1の誘導を生じる(国際公開WO01/89569C1;国際公開WO02/053170A3)。調節性のT細胞については、アラニルアミノペプチダーゼ阻害剤が、TGF−β1の強力な誘導をもたらす(国際特許出願番号PCT/EP03/07199)。両酵素系の阻害によって、神経系の急性および慢性の脳の退化プロセスの減少または減速が示された(国際公開WO02/053169A3およびドイツ特許出願公開第103 37 074.9)。線維芽細胞(ドイツ特許出願公開第103 37 074.9)、ケラチン細胞(国際公開WO02/053170A3)、および皮脂腺細胞(国際特許出願番号PCT/EP03/02356)についても、アラニルアミノペプチダーゼとジペプチジルペプチダーゼIVとの組み合わせの阻害作用が、増殖の阻害作用およびサイトカイン産生の変化をもたらすことを示すことができた。
【0008】
このように、アラニルアミノペプチダーゼおよびジペプチジルペプチダーゼIVならびに類似の作用を有する酵素が、いくつかの器官および細胞系において、基本的な主要な生物学的機能を果たすこと、および両群の酵素を組み合わせた阻害作用がほとんどの場合の慢性的な種々の疾患の治療のための効果的な治療の原理を表すという驚くべき結果となる。
【0009】
容認された動物モデルを用いることによって、本発明者らは、特に、両方の群のペプチダーゼの阻害剤の組み合わせ投与により、実際、インビボにおける種々の細胞系の増殖の阻害、ならびに過度の免疫応答、慢性炎症事象および脳障害の抑制がもたらされることを証明することができた(国際公開WO01/89569C1)。単一の阻害剤の投与では、強烈な効果ではなく、またはほとんど効果がない。
【0010】
現在まで達成された結果は、アラニルアミノペプチダーゼおよびジペプチジルペプチダーゼIVの既知の阻害剤(論文に記載され、そしてその一部は市販されている)を単独で用いることによって、特に酵素の両群の阻害剤の組み合わせを用いることによって得られる。
【発明の開示】
【0011】
驚くべきことに、物質のデータベースの高スループットスクリーニングにおいて、アラニルアミノペプチダーゼおよびジペプチジルペプチダーゼIVの酵素群に対して、新規の、主として非ペプチド性の低分子量の二重阻害剤を見出した。
【0012】
したがって、本発明は、Ala−p−ニトロアニリドおよびGly−Pro−p−ニトロアニリドを阻害する新規な物質、さらに特異的に、かつ1つの物質内で両群の酵素を阻害する能力を併せ持つ新規物質に関する。
【0013】
さらに、本発明は、過度の免疫応答に関係する疾患(自己免疫性疾患、アレルギー、および移植拒絶反応、敗血症)、その他の慢性炎症性疾患、神経疾患および脳障害、皮膚病(特に、ざ瘡、乾癬)、腫瘍疾患、および特定のウイルス感染(特にSARS)の治療のために使用され得るような新規な物質、あるいはさらなる物質のための出発原料のような新規な物質に関する。
【0014】
詳細には、本発明は、請求項1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、および32に記載の、医薬分野における使用のための一般式(C1)〜(C16)の物質、および該一般式(C1)〜(C16)の化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体に関する。
【0015】
特定の実施態様においては、本発明は、上記一般式(C1)〜(C16)に含まれる特定の式C1.001〜C16.013を有する特定の化合物に関し、該化合物は例示であり、それらに限定されず、医薬分野における使用のための請求項2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、および33に表の形式で列挙される化合物、および該一般式C1.001〜C16.013の化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体である。
【0016】
さらに、本発明は、一般式(C1)〜(C16)の1つを有する少なくとも1つの化合物を含み、必要に応じて、それ自体が既知かつ通常のキャリアおよびアジュバントと組み合わせた薬学的組成物に関する。
【0017】
さらに、本発明は、一般式(C1)〜(C16)の1つのうちの少なくとも1つの化合物を含み、必要に応じて、それ自体が既知かつ通常のキャリアおよびアジュバントと組み合わせた化粧料組成物に関する。
【0018】
さらに、本発明は、一般式(C1)〜(C16)の1つのうちの少なくとも1つの化合物、または上記薬学的組成物または上記化粧料組成物の少なくとも1つの使用であって、単独で、あるいはアラニルアミノペプチダーゼまたは類似の酵素のその他の阻害剤および/またはジペプチジルペプチダーゼIVまたは類似の酵素のその他の阻害剤とともに組み合わせる方式で、アラニルアミノペプチダーゼまたは類似の酵素の活性およびジペプチジルペプチダーゼIVまたは類似の酵素の活性を阻害するための使用に関する。
【0019】
さらに、本発明は、一般式(C1)〜(C16)の1つのうちの少なくとも1つの化合物、または上記薬学的組成物または上記化粧料組成物の少なくとも1つの使用であって、単独で、あるいはアラニルアミノペプチダーゼまたは類似の酵素のその他の阻害剤および/またはジペプチジルペプチダーゼIVまたは類似の酵素のその他の阻害剤とともに組み合わせる方式で、アラニルアミノペプチダーゼまたは類似の酵素の活性およびジペプチジルペプチダーゼIVまたは類似の酵素の活性に対して局所的に影響を与えるための使用に関する。
【0020】
さらに、本発明は、多くの疾患の予防または治療のための、一般式(C1)〜(C16)の1つのうちの少なくとも1つの化合物、または上記薬学的組成物または必要に応じて上記化粧料組成物の少なくとも1つの使用であって、上記疾患は、請求項38〜50に例示的に記載されている。特定の実施態様においては、これは本発明を限定して解釈されるべきではないが、本発明による一般式(C1)〜(C16)の化合物、特に、表1〜16にまとめられている化合物のいずれか、特にC1.001〜C16.013の化合物が、過度の免疫応答によって生じる疾患(自己免疫性疾患、アレルギー、および移植拒絶反応)、その他の慢性炎症性疾患、神経疾患および脳障害、皮膚病(特に、ざ瘡および乾癬)、腫瘍疾患、および特定のウイルス感染(特にSARS)の治療のために、それ自身で用いられ得、またはさらなる化合物のための出発化合物として用いられ得、あるいはDP IV阻害剤および類似の酵素の阻害剤および/またはアラニルアミノペプチダーゼ阻害剤と組み合わせて用いられ得る。
【0021】
さらに、本発明は、一般式(C1)〜(C16)の1つのうちの少なくとも1つの化合物、または上記薬学的組成物または上記化粧料組成物の少なくとも1つの使用であって、単独で、あるいはアラニルアミノペプチダーゼまたは類似の酵素のその他の阻害剤および/またはDP IVまたは類似の酵素のその他の阻害剤とともに組み合わせて、アラニルアミノペプチダーゼまたは類似の酵素の活性およびジペプチジルペプチダーゼIVまたは類似の酵素の活性を阻害する医薬品の製造のための使用に関する。
【0022】
さらに、本発明は、一般式(C1)〜(C16)の1つのうちの少なくとも1つの化合物、または上記薬学的組成物または上記化粧料組成物の少なくとも1つの使用であって、単独で、あるいはアラニルアミノペプチダーゼまたは類似の酵素のその他の阻害剤および/またはDP IVまたは類似の酵素のその他の阻害剤とともに組み合わせて、アラニルアミノペプチダーゼまたは類似の酵素の活性およびジペプチジルペプチダーゼIVまたは類似の酵素の活性に対して局所的に影響を与える医薬品の製造のための使用に関する。
【0023】
さらに、本発明は、請求項53〜65に例示されるような多くの疾患を予防および治療する医薬品の製造のための、一般式(C1)〜(C16)の1つのうちの少なくとも1つの化合物または上記薬学的組成物、または必要に応じて上記化粧料組成物の少なくとも1つの使用に関する。特定の実施態様においては、これは本発明を限定しないが、一般式(C1)〜(C16)の化合物、特に、表1〜16に示す特に好ましい単一の化合物C1.001〜C16.013が、過度の免疫応答に関連する疾患(自己免疫性疾患、アレルギー、および移植拒絶反応)、その他の慢性炎症性疾患、神経疾患および脳障害、皮膚病(特に、ざ瘡および乾癬)、腫瘍疾患、および特定のウイルス感染(特にSARS)の治療のための医薬品の製造のために、それ自身で用いられ得、またはさらなる化合物のための出発化合物として用いられ得、あるいはDP IVまたは類似の酵素の阻害剤と組み合わせて用いられ得る。
【0024】
さらに、本発明は、アラニルアミノペプチダーゼおよび類似の酵素の活性、さらにまたジペプチジルペプチダーゼIVおよび類似の酵素の活性を阻害する方法であって、一般式(C1)〜(C16)の少なくとも1つの化合物、上記薬学的組成物または上記化粧料組成物の少なくとも1つを、単独で、またはアラニルアミノペプチダーゼおよび類似の酵素のその他の阻害剤および/またはジペプチジルペプチダーゼIVおよび類似の酵素のその他の阻害剤とともに組み合わせて、酵素活性の阻害のために必要とされる量で投与する方法に関する。
【0025】
さらに、本発明は、アラニルアミノペプチダーゼおよび類似の酵素の活性、さらにまたジペプチジルペプチダーゼIVおよび類似の酵素の活性に対して局所的に影響を与える方法であって、一般式(C1)〜(C16)の少なくとも1つの化合物、上記薬学的組成物または上記化粧料組成物の少なくとも1つを、単独で、またはアラニルアミノペプチダーゼおよび類似の酵素のその他の阻害剤および/またはジペプチジルペプチダーゼIVおよび類似の酵素のその他の阻害剤とともに組み合わせて、酵素活性に影響を与えるために必要とされる量で投与する方法に関する。
【0026】
さらに、本発明は、アラニルアミノペプチダーゼまたは類似の酵素の活性およびジペプチジルペプチダーゼIVおよび類似の酵素の活性を阻害することによって、請求項68〜80に記載の疾患または状態の1つを予防および/または治療する方法であって、一般式(C1)〜(C16)の少なくとも1つの化合物、または上記薬学的組成物または上記化粧料組成物の少なくとも1つを、単独で、またはアラニルアミノペプチダーゼまたは類似の酵素のその他の阻害剤および/またはDP IVまたは類似の酵素のその他の阻害剤とともに組み合わせて、予防または治療の処置のために必要とされる量で投与する方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本明細書および請求項で用いられる用語「類似の酵素」は、膜に存在するアラニルアミノペプチダーゼまたはジペプチジルペプチダーゼIVとして示される1つに類似する酵素活性を有する酵素に関する。これは、例えば、サイトゾルのアラニルアミノペプチダーゼ(APN)またはFAP/セプラーゼまたはアトラクチン(DP IV)について適用可能である。上記の用語はまた、このような意味で、上記参照のテキスト「A. J. Barrettら、Handbook of Proteolytic Enzymes, Academic Press, 1998」にも説明されている。
【0028】
請求項1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、および32で見られ得るように、一般式(C1)〜(C16)において一般的に示されている残基Rn、すなわち残基R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、およびR13は、それぞれ独立して水素、非置換または置換された直鎖または分岐のC−C12アルキル、C−C12アルケニルおよびC−C12アルキニル、ヒドロキシ、チオール、C−C12アルコキシ、C−C12アルキルチオ、N、O、PおよびSからなる群より選択される1個または数個のヘテロ原子を含んでいてもよい非置換または置換された非縮合または縮合アリールおよびシクロアルキル、非置換または置換されたアミノ、非置換または置換されたカルボニル、非置換または置換されたチオカルボニル、および非置換または置換されたイミノからなる群より選択される残基を表す。
【0029】
詳細には、残基Rnは、本発明の実施態様では、それらは、非置換の直鎖または分岐の1〜12個の炭素原子を有するアルキル基を表し、好ましい実施態様では、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、sec−ペンチル、tert−ペンチル、n−ヘキシル、i−ヘキシル、3−メチルペンチル、2−エチルブチル、2,2−ジメチルブチル、およびヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、およびドデシル残基における直鎖ならびに分岐のすべての異性体を表す。本発明において、上述の基のうちで特に好ましくは、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり;これらのうちで、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチル残基が、さらにより好ましい。
【0030】
本発明による他の実施態様では、残基Rnが、非置換の直鎖または分岐の2〜12個の炭素原子を有するアルケニル基を表す場合、好ましい実施態様としては、ビニル、アリル、1−ブテニル、2−ブテニル;およびすべての直鎖ならびに分岐のペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、およびドデセニル基に関する残基(C=C二重結合の位置に関しても)を表す。さらに、本発明の実施態様では、残基Rnはまた、数個の二重結合を有する直鎖または分岐のアルケニル基を表し得る。この基のうち、好ましい残基は、ブタジエニル基およびイソプレニル基である。上記の基の中で、本発明において特に好ましくは、2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基であり、その中でも、ビニル、アリル、1−ブテニル、および2−ブテニル基がより好ましい。
【0031】
本発明による他の実施態様では、残基Rnが、非置換の直鎖または分岐の2〜12個の炭素原子を有するアルキニル基を表す場合、好ましい実施態様としては、エチニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル;およびすべての直鎖ならびに分岐のペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル、ウンデシニル、およびドデシニル基に関する残基(C≡C三重結合の位置に関しても)を表す。上記の基の中で、本発明において特に好ましくは、2〜6個の炭素原子を有するアルキニル基であり、その中でもエチニル、プロピニル、1−ブチニル、および2−ブチニルがより好ましい。
【0032】
本発明において、直鎖および分岐のアルキル、アルケニル、およびアルキニル残基は、本発明のさらなる実施態様において置換され得る。置換基は、炭素原子で形成される骨格の所望の位置に配置され得、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素のようなハロゲン原子、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、ヒドロキシ基、アルキル残基中に1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基、チオ基およびアルキル残基中に1〜6個の炭素原子を有するアルキルチオ基、およびアミノ基からなる群より選択され得、該アミノ基は、非置換であるかまたはそれぞれ独立して1個または2個のアルキル残基(1〜6個の炭素原子を有する)で置換され得る。
【0033】
本発明のさらなる実施態様では、一般式(C1)〜(C16)中の残基Rnは、C−C12アルコキシ残基またはC−C12アルキルチオ残基を表す。さらに、これらのアルコキシ基およびアルキルチオ基のC−C12アルキル残基としては、直鎖および分岐のアルキル残基の上記定義が適用される。特に好ましくは、直鎖のC−Cアルコキシ基および直鎖のC−Cアルキルチオ基であり、特に好ましくは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、メチルチオ、エチルチオ、およびn−プロピルチオ残基である。
【0034】
本発明のさらなる実施態様では、一般式(C1)〜(C16)中の残基Rnはまた、非置換または置換シクロアルキル残基を表し得る。本発明において、シクロアルキル残基は、好ましくは環に3〜8個の原子を含み得、炭素原子のみでなるか、あるいは1個または数個のヘテロ原子を含み得る。純粋な炭素環式の環の中では、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル、およびシクロヘプタトリエニル残基が特に好ましい。本発明のさらなる実施態様として、ヘテロ原子を含むシクロアルキル残基としては、例えば、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、イミダゾリニジル、ピペリジニル、ピペラジニル、およびモルホリニル残基がある。これらの炭素環式および複素環式シクロアルキル残基に対する置換基は、上記の直鎖アルキル基の置換基の群から選択され得る。
【0035】
本発明のさらなる実施態様では、一般式(C1)〜(C16)の化合物中の残基Rnは、必要に応じてN、O、PおよびSからなる群より選択される1個または数個のヘテロ原子を含む非縮合または縮合アリール残基を表し得る。アリール残基は、1つの環または数個の環を有し得、数個の環を有する場合、2つの環が好ましい。さらに、1つの環は、好ましくは、五員環、六員環、または七員環であり得る。互いに縮合した数個の環でなる系では、ベンゾ縮合環、すなわち少なくとも1つの環が芳香族六員環である環系が特に好ましい。特に好ましくは、完全に炭素原子でなるアリール残基であり、フェニルおよびナフチルから選択される。ヘテロ原子を含む特に好ましいアリール残基は、例えば、インドリル、クマロニル、チオナフテニル、キノリニル(ベンゾピリジニル)、キナゾリニル(ベンゾピリミジニル)、およびキノキシリニル(ベンゾピラジニル)からなる群より選択される。
【0036】
本発明のもう1つの実施態様では、1つの環または数個の環でなる環状の残基のいずれか、炭素原子のみでなるかまたはさらにヘテロ原子を含む環状の残基のいずれか、芳香族系または非芳香族系の環状の残基のいずれかが置換され得る。置換基は、炭素原子またはヘテロ原子のいずれかの環系の任意の位置に結合され得る。それらは、例えば、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素のようなハロゲン原子、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、アルキル基中に1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基、および非置換のアミノ基あるいは1または2のアルキル基(それぞれ独立して1〜6個の炭素原子を有する)で置換されたアミノ基、ならびにヒドロキシ基、チオ基、エーテル基、およびチオエーテル基からなる群より選択される。
【0037】
さらに、本発明において、残基Rn(R1〜R13)はまた、非置換のアミノ残基(−NH)または非置換のイミノ残基(−NH−)、あるいは置換されたアミノ残基(−NHR1または−NR1Rm)または置換されたイミノ残基(−NRm−)、ならびにヒドロキシ残基−OH、アルコキシ残基OR1、チオ残基−SH、およびアルキルチオ残基−SR1を表し得る。ここで、残基R1およびRmは、残基Rnについて上記で詳細に定義された意味を有し得、それらは同一または異なり得る。
【0038】
本発明において、残基Rn(R1〜R13)はまた、リン原子を含む非置換または置換された残基、例えば、PH、PHRk、PRkRl、P(OH)、P(OH)(ORk)、P(ORk)(ORl)、P(O)H、P(O)HRk、P(O)RkRlを表し得、または非置換のオキシム残基=NOH、=NORk、またはヒドロキシルアミノ残基−NH(OH)、またはアルコキシアミノ残基−NH(ORk)を表し得る。これらの残基において、置換基RkおよびRlは、R1〜R13について上記で詳細に定義された意味を有し得、それらは同一または異なり得る。
【0039】
本発明において、残基Rn(R1〜R13)はまた、非置換のカルボニル残基(H−(C=O)−)または非置換のチオカルボニル残基(H−(C=S)−)、あるいは置換されたカルボニル残基(Rm−(C=O)−)または置換されたチオカルボニル残基(Rm−(C=S)−)を表し得る。これらの残基において、置換されたカルボニル残基または置換されたチオカルボニル残基の置換基Rmは、残基Rnの可能な置換基について上記で定義された意味を有し得る。
【0040】
一般式(C1)〜(C16)の化合物において、本発明によれば、残基Rn(R1〜R13)は、水素、CH、CHRk、CHRkRl、CRkRlRm、OH、ORk、NH、NHRk、NRkRl、C(O)Rk、C(NH)Rk、C(NRl)Rk、C(S)Rk、PH、PHRk、PRkRl、P(O)(OH)、P(O)(OH)(ORk)、P(O)(ORk)(ORl)、P(OH)、P(OH)ORk、P(OH)(ORk)(ORl)、P(ORk)(ORl)(ORm)、SH、SRk、およびCNを表し、該残基Rk、Rl、およびRmは、残基R1〜R13について今まで定義された意味を有する。
【0041】
本発明において、上述の残基Rn(R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、および/またはR13)は、それぞれ、一般式(C1)〜(C16)の基本構造に、それらの炭素原子の1つを介して結合され得る。他の実施態様では、残基Rnは、それぞれ、一般式(C1)〜(C16)の基本構造に、ヘテロ原子またはそれらのヘテロ原子の1つを介して結合されることも可能である。
【0042】
一般式(C1)〜(C16)のうちのいくつかにおいては(例えば、一般式(C1)、(C6)、(C7)、(C12)、(C13)、(C14)では)、Y、Y1、およびY2は、それぞれの式の基本構造に、C=Y二重結合(またはC=Y1二重結合および/またはC=Y2二重結合)を介して結合される残基を表す。式において明らかなように、基Yは、それぞれ独立して、残基O、S、またはNRn(例えばNR3、NR4、またはNR5)の1つを表し、二重結合を介して炭素原子に結合している。後者の残基では、基Rn(例えば、R3、R4、R5)は、上述の意味を有し得、「水素」の意味を含む。特に好ましくは、Yは、二重結合を介して炭素原子に結合するOを表す。
【0043】
一般式(C1)〜(C16)のうちのいくつかにおいては(例えば、式(C8)、(C9)、(C10)、(C15)では)、X、X1、X2、およびZは、C−X単結合(またはC−X1単結合あるいはC−X2単結合によって)を介して、またはC−Z単結合を介してそれぞれ2つの異なる炭素原子に結合している残基を表す。一般式において明らかなように、残基XおよびZは、それぞれ独立して、残基>NH、>NRn(例えば、>NR5または>NR10)、−O−、−S−、−CH−、−CHRn−、または−CRn−を表し、2つの異なる炭素原子に各々単結合によって結合する。ここで残基Rnは、上記で与えられる意味を有するか、あるいは、3つの異なる炭素原子にそれぞれ単結合によって結合している残基>N−、>CH−、または>CRn−(例えば、>CR8−または>CR9−)を表し、Rn(例えばR8、R9)は、上記で与えられる意味を有する。
【0044】
一般式(C1)、(C6)、(C7)、(C13)の化合物において、XおよびZは、それぞれ独立して、ヒドロキシ、チオール、C−C12アルコキシ、C−C12アルキルチオ、必要に応じてN、O、PおよびSからなる群より選択される1個または数個のヘテロ原子を含む非置換または置換された非縮合または縮合アリールまたはシクロアルキル、およびアミノ(NH、NHR1、またはNR1R2)からなる群より選択される残基を表し、XおよびZについての上記のすべての意味は、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、シクロアルキル、およびアミノについての意味に相当し、これは、上記一般式(C1)〜(C16)の残基Rnについて詳細に定義されている。
【0045】
一般式(C10)の化合物において、XおよびZは、それぞれ独立して、>CH−、>CR1−、またはNを表し、その中で少なくとも1つの基は基本構造のヘテロ原子を表すか、または1つのヘテロ原子を有し、その中で、R1は上記定義された意味を有する。
【0046】
一般式(C4)の化合物において、X1、X2、X3、およびX4は、同一または異なり得、基>CH−または基>CR3−を表し、該R3は上記定義された意味を有し得、そしてY1、Y2、およびY3は、同一または異なり得、非置換または置換された炭素原子ユニットまたは環原子N、O、P、またはSを有するヘテロ原子ユニットを表す。
【0047】
本発明によれば、一般式(C16)の化合物において、例示する実施態様31および32についてのA、ならびに例示する実施態様31についてのX、Y、およびZのぞれぞれは、五員環および六員環でなる同素環または複素環の縮合系において独立して選択された環の一員または環の一員の一部である。Aは五員環の一部であり、そしてYおよびZは五員環の一部である。Xは縮合された系の結合の一部である。A、Y、およびZは、CH、CHRk、CRkRl、C(O)、C(S)、C(NH)、C(NRk)、NH、NRk、=NOH、=NORk、O、S、SO、PH、PRk、P(O)OH、P(O)ORk、P(OH)、P(OH)ORk、P(OH)(ORk)(ORl)、P(ORk)(ORl)(ORm)からなる群より選択される。
【0048】
Xは、N、CH、CRk、P、P=O、P(OH)、P(OH)(ORk)、またはP(ORk)(ORl)を表す。
【0049】
残基Rk、Rl、およびRmは、残基Rn(R1〜R13)の上記定義された意味を有する。
【0050】
一般的には、請求項1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、および32で定義されるような一般式(C1)〜(C16)の化合物、そして特には、請求項2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、および33中の表1〜16の化合物C1.001〜C16.013は、論文で既知の方法により調製され得るか、あるいは市販されている。
【0051】
一般式(C1)〜(C16)に相当する化合物(一般的な化合物)および表1〜16に示される特定の化合物C1.001〜C16.013(本発明の好ましい実施態様の化合物)は、医薬分野における使用のために、特許請求の範囲に記載されている。用語「医薬分野における使用のため」とは、本明細書および特許請求の範囲においては、その最も幅広い意味において理解され、適用を考えられるすべての分野に関し、それは、本発明によって定義される一般式(C1)〜(C16)の化合物および表1〜16に示されるような好ましい実施態様である化合物C1.001〜C16.013が、哺乳動物の体、特にヒトの体の医学的に関係する状態に関連して効果を及ぼし得るものである。
【0052】
このような医学的に関係する状態に関連して、一般式(C1)〜(C16)の一般的な化合物および表1〜16による好ましい化合物C1.001〜C16.013は、単一化合物の形態または1より多い化合物の形態のいずれかで用いられるか、あるいは一般式(C1)〜(C16)(特に、表1〜16による化合物C1.001〜C16.013)の数個の化合物が用いられる。また、本発明の範囲に含まれるのは、一般式(C1)〜(C16)の化合物の1つまたはそれ以上の使用であり、好ましくは表1〜16による化合物C1.001〜C16.013からなる群より選択される1つまたはそれ以上の化合物の使用であり、その他の効果的な薬剤、例えば、アラニルアミノペプチダーゼまたは類似の酵素(すなわち、同等の基質特異性を有する酵素)の阻害作用および/またはジペプチジルペプチダーゼIV(DP IV)または類似の酵素(すなわち、同等の基質特異性を有する酵素)の阻害作用を有する1つまたはそれ以上の化合物と組み合わせて用いられる。このような酵素阻害剤としての効果を有する化合物は、例えば、本出願人によって同日に並列的に出願された特許出願に記載されており、そして本明細書の導入部分において述べられている本出願人の特許出願において記載されている。これらすべての出願の開示内容は、参考文献として本明細書に援用される。
【0053】
ジペプチジルペプチダーゼIVまたは類似の酵素の阻害剤として効果的な特定の阻害剤は、先行技術から既知であり、そして必要に応じて、本発明の化合物、特に表1〜16による化合物C1.001〜C16.013の1種または数種とともに用いられ得る。このような阻害剤としては、例えば、以下のものが挙げられる:Xaa−Proジペプチド、対応する誘導体、好ましくはジペプチドホスホン酸ジアリールエステル、ジペプチドボロン酸(例えば、Pro−bobo−Pro)およびそれらの塩、Xaa−Xaa−(Trp)−Pro−(Xaa)nペプチド(n=0〜10)、対応する誘導体およびそれらの塩、およびアミノ酸(Xaa)アミド、対応する誘導体およびそれらの塩であり、ここで、Xaaは、α−アミノ酸/イミノ酸またはα−アミノ酸誘導体/イミノ酸誘導体、好ましくはNε−4−ニトロベンジル−オキシカルボニル−L−リジン、L−プロリン、L−トリプトファン、L−イソロイシン、L−バリン、および例えば、ピロリジン、ピペリジン、チアゾリジンのような環状アミン、およびアミド構造として作用するそれらの誘導体である。これらの化合物およびそれらの調製は、先願特許(K. Neubertら、DD296075A5)に記載されている。さらに、トリプトファン−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸誘導体(TSL)および(2S,2S’,2S’’)−2−[2’−[2’’−アミノ−3’’−(インドール−3’’’−イル)−1’’−オキソプロリル]−1’,2’,3’,4’−テトラヒドロ−6’,8’−ジヒドロキシ−7−メトキシイソキノール−3−イル−カルボニル−アミノ]−4−ヒドロメチル−5−ヒドロペンタン酸(TMC−2A)が、一般式(C1)〜(C16)の化合物とともに、DP IVに対するエフェクターとして有利に用いられ得る。一般式(C1)〜(C16)の化合物とともに好ましく使用できるDP IV阻害剤の1つの例としては、Lys[Z(NO)]チアゾリジドがあり、ここでLysはL−リジン残基を表し、Z(NO)は4−ニトロベンジル−オキシカルボニルを表す(DD296075A5を参照のこと)。
【0054】
アラニルアミノペプチダーゼ阻害剤として効果的な特定の阻害剤は、先行技術から既知であり、そして必要に応じて、本発明の化合物、特に表1〜16による化合物C1.001〜C16.013の1種または数種とともに用いられ得る。このような阻害剤としては、例えば、以下のものが挙げられる:アクチノニン、ロイヒスチン、フェベスチン(phebestine)、アマスタチン、ベスタチン、プロベスチン、β−アミノチオール、α−アミノホスフィン酸、α−アミノホスフィン酸誘導体、好ましくはD−Phe−Ψ−[PO(OH)−CH]−Phe−Phe。特に好ましくかつ本発明の化合物とともに利用できる既知のアラニルアミノペプチダーゼ阻害剤は、ベスタチン(ウベニメクス)、アクチノニン、プロベスチン、フェベスチン、RB3014、またはロイヒスチンである。
【0055】
本発明のもう1つの実施態様は、薬学的組成物に関し、該組成物は少なくとも1種の、必要に応じて2種以上の一般式(C1)〜(C16)の化合物、特に好ましくは表1〜16による化合物C1.001〜C16.013から選択される化合物を含む。このような薬学的組成物は、上記1種または数種の化合物を薬学的な効果を及ぼすために必要とされる量で含む。このような量は、いくつかのルーチンのテストにより発明的努力を行うことなく、当業者によって詳細に決定され得る。一般的にこれらの量は、一般式(C1)〜(C16)の化合物、特に好ましくは、表1〜16による化合物C1.001〜C16.013について、それぞれ投与単位あたり0.01mgから1000mgまでの範囲にあり、より好ましくは、上記化合物についてそれぞれ投与単位あたり0.1mgから100mgまでの範囲である。さらに、哺乳動物の生体またはヒトの生体の各々の個体において調節される量は、当業者によって容易に決定され得、そしてそれはまた、用いられる化合物の十分な濃度が、分割してまたはいくつかの投与単位で投与されることにより、達成され得るように提供され得る。
【0056】
本発明のもう1つの実施態様では、化粧料組成物に関し、該組成物は少なくとも1種、必要に応じて2種以上の一般式(C1)〜(C16)の化合物、特に好ましくは表1〜16による化合物C1.001〜C16.013から選択される化合物を含む。このような化粧料組成物は、上記1種または数種の化合物を所望の効果、例えば化粧料としての効果を及ぼすために必要とされる量で含む。このような量は、いくつかのルーチンのテストにより発明的努力を行うことなく、当業者によって詳細に決定され得る。一般的にこれらの量は、一般式(C1)〜(C16)の化合物、特に好ましくは表1〜16による化合物C1.001〜C16.013について、それぞれ投与単位あたり0.01mgから1000mgまでの範囲にあり、より好ましくは、上記化合物についてそれぞれ投与単位あたり0.1mgから100mgまでの範囲である。さらに、哺乳動物の生体またはヒトの生体の各々の個体において調節される量は、当業者によって容易に決定され得、そしてそれはまた、用いられる化合物の十分な濃度が、分割してまたはいくつかの投与単位で投与されることにより、達成され得るように提供され得る。
【0057】
本発明による1種の化合物または数種の化合物、それを含む薬学的組成物、またはそれを含む化粧料組成物は、既知のキャリア物質および/または補助物質(アジュバント)とともに同時に投与される。このようなキャリア物質および補助物質は、それ自体およびそれらの作用および適用方法に関して当業者に公知であり、ここで詳細な説明を必要としない。
【0058】
本発明はまた、薬学的組成物を含み、これは、1種または数種のDP IV阻害剤またはDP IVに類似する酵素活性を有する酵素の阻害剤、および/またはAPNの阻害剤またはAPNに類似する酵素活性を有する酵素の阻害剤(これらの阻害剤は先行技術による阻害剤である)と、1種または数種の一般式(C1)〜(C16)の化合物、特に好ましくは、表1〜16の化合物C1.001〜C16.013から選択される1種または数種の化合物とを、既知のキャリア物質、補助物質、および/または添加剤とを組み合わせて同時に投与するための個別の処方物として含むか、あるいは併合効果を得る目的で上記阻害剤と上記化合物とを直ちに連続して投与するように含む。
【0059】
一般的には、一般式(C1)〜(C16)の化合物、好ましくは表1〜16による化合物C1.001〜C16.013の投与、あるいは1種または数種の上記化合物を、通常のキャリア物質、補助物質、および/または添加剤とともに含む薬学的組成物または化粧料組成物の投与が達成される。一方で、局所的な適用の形態としては、例えば、クリーム、軟膏剤、パスタ剤、ゲル剤、水剤、噴霧剤、リポソームおよびナノソーム、ローション剤、ペグ化された製剤、分解性の(すなわち、生理学的な条件下で分解され得る)デポ剤マトリックス、ハイドロコロイド、包帯剤、硬膏剤、微細なスポンジ、プレポリマーおよび類似の新規なキャリア物質、ジェット注射、および点滴用の適用を含むその他の皮膚科学的基剤/ベヒクルがあり、他方では、全身の適用としては、経口、経皮、静脈内、皮下、皮内、筋肉内、または硬膜内に好適な処方で、または好適なガレヌス製剤の処方での適用がある。
【0060】
本発明によれば、一般的には、一般式(C1)〜(C16)の化合物、好ましくは表1〜16による化合物C1.001〜C16.013が単独でまたは組み合わされて、あるいは該化合物を1種または数種含む薬学的組成物または化粧料組成物が、単独であるいはその他のアラニルアミノペプチダーゼまたは類似の酵素の阻害剤、および/またはその他のDP IVまたは類似の酵素の阻害剤と組み合わせて、アラニルアミノペプチダーゼまたは類似の酵素の活性の阻害のために、およびさらにジペプチジルペプチダーゼIVまたは類似の酵素の活性の阻害のために用いられる。
【0061】
もう1つの実施態様では、一般的には、一般式(C1)〜(C16)の化合物、好ましくは表1〜16による化合物C1.001〜C16.013が単独でまたは組み合わされて、あるいは該化合物を1種または数種含む薬学的組成物または化粧料組成物が、単独であるいはその他のアラニルアミノペプチダーゼまたは類似の酵素の阻害剤、および/またはその他のDP IVまたは類似の酵素の阻害剤と組み合わせて、アラニルアミノペプチダーゼまたは類似の酵素の活性に局所的に影響を与えるために、およびさらにジペプチジルペプチダーゼIVまたは類似の酵素の活性に局所的に影響を与えるために用いられる。
【0062】
本発明の好ましい実施態様では、一般的には、一般式(C1)〜(C16)の化合物、好ましくは表1〜16による化合物C1.001〜C16.013が単独でまたは組み合わされて、あるいは該化合物を1種または数種含む薬学的組成物または化粧料組成物が、例えば、以下のような疾患の予防および治療のために用いられる:多発性硬化症、クローン病、潰瘍性大腸炎、およびその他の自己免疫疾患、ならびに炎症性疾患、気管支喘息およびその他のアレルギー性疾患、皮膚病および粘膜症、例えば乾癬、ざ瘡、および線維芽細胞の異常増殖および変異した分化状態に伴う皮膚病、良性の線維性および硬化性の皮膚病、および悪性の線維芽細胞異常増殖状態、急性神経疾患、例えば虚血性または出血性脳卒中後の虚血に起因する脳障害、頭部外傷、心停止、心筋梗塞または心臓手術後の心筋梗塞、慢性神経疾患、例えばアルツハイマー病、ピック病、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、前頭側頭型痴呆、パーキンソン病、特に第17染色体に関連するパーキンソン病、ハンチントン病、プリオンによって引き起こされる疾患状態、筋萎縮性側索硬化症、アテローム性動脈硬化症、動脈の炎症、ステント再狭窄、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、腫瘍、転移、前立腺ガン、重症急性呼吸器症候群(SARS)、および敗血症ならびに敗血症様の状態。
【0063】
本発明のさらに好ましい実施態様では、一般的には、一般式(C1)〜(C16)の化合物、好ましくは表1〜16による化合物C1.001〜C16.013が単独でまたは組み合わされて、あるいは該化合物の1種または数種を含む薬学的組成物または化粧料組成物が、移植された組織および細胞の拒絶反応の予防および治療のために用いられる。このような適用の例としては、1種または数種の上述の化合物、あるいは該化合物を1種または数種含む薬学的組成物の、例えば、腎臓移植片、心臓移植片、肝臓移植片、膵臓移植片、皮膚移植片、または幹細胞移植片のような同種または異種の移植された器官、組織、または細胞、ならびに移植片対宿主疾患に関連しての使用が挙げられ得る。
【0064】
本発明のさらに好ましい実施態様では、一般的には、一般式(C1)〜(C16)の化合物、好ましくは表1〜16による化合物C1.001〜C16.013が単独でまたは組み合わされて、あるいは該化合物の1種または数種を含む薬学的組成物または化粧料組成物が、生体内に植え込まれた医療デバイス(「医療デバイス」)における拒絶反応および炎症反応、またはこの医療デバイスによる拒絶反応および炎症反応の予防および治療のために用いられる。これらは、例えば、ステント、関節インプラント(膝関節インプラント、股関節インプラント)、骨インプラント、心臓ペースメーカー、またはその他のインプラントを含み得る。本発明のさらに好ましい実施態様では、一般的には、一般式(C1)〜(C16)の化合物、好ましくは表1〜16による化合物C1.001〜C16.013が単独でまたは組み合わされて、あるいは該化合物の1種または数種を含む薬学的組成物または化粧料組成物が、化合物または組成物がコーティングまたは層の形態で成形物に付与されるか、または化合物または組成物のうちの少なくとも1つが成形物の材料に、1つの物質として混合される。またこの場合、もちろん、少なくとも1つの化合物または組成物が、局所的にまたは全身に、必要に応じて連続的にまたは経時的に投与されることが可能である。
【0065】
上記と同様の方法で、そして同様の目的のために、あるいは上に例として挙げた疾患および状態の予防および治療のために(しかし、いかなる制限もなく)、一般的には、一般式(C1)〜(C16)の化合物、好ましくは表1〜16による化合物C1.001〜C16.013が単独でまたは組み合わされて、あるいは該上記化合物の1種または数種を含む薬学的組成物または化粧料組成物が、上記の疾患または状態の予防および治療のための医薬品の調製のために用いられ得る。これらの医薬品は、上記化合物を上記で特定された量で含み得、必要に応じて、既知のキャリア物質、補助物質、および/または添加剤とともに含み得る。
【0066】
最後に、本発明はまた、上記の詳細な説明による少なくとも1つの化合物または薬学的組成物または化粧料組成物を酵素活性の阻害のために必要とされる量で投与することによって、単独であるいはその他のアラニルアミノペプチダーゼまたは類似の酵素の阻害剤、および/またはその他のDP IVまたは類似の酵素の阻害剤と組み合わせて、アラニルアミノペプチダーゼまたは類似の酵素の活性を阻害する、およびさらにジペプチジルペプチダーゼIVおよび類似の酵素の活性を阻害する方法に関する。一般的には、一般式(C1)〜(C16)の化合物、および表1〜16による化合物C1.001〜C16.013のうちの1つの量は、上述のように、投与単位あたり1つの化合物の量が0.01mgから1000mgまでの範囲にあり、好ましくは、投与単位あたり1つの化合物の量が0.1mgから100mgまでの範囲である。
【0067】
本発明はまた、上記の詳細な説明による少なくとも1つの化合物または薬学的組成物または化粧料組成物を酵素活性に対して局所的に影響を与えるために必要とされる量で投与することによって、単独であるいはその他のアラニルアミノペプチダーゼまたは類似の酵素の阻害剤、および/またはその他のDP IVまたは類似の酵素の阻害剤と組み合わせて、アラニルアミノペプチダーゼまたは類似の酵素の活性に対して局所的に影響を与える、およびさらにジペプチジルペプチダーゼIVおよび類似の酵素の活性に対して局所的に影響を与える方法に関する。また、これらの場合、該化合物の量は、上に示される範囲である。
【0068】
さらに、本発明はまた、上記の詳細な説明による少なくとも1つの化合物または薬剤組成物または化粧料組成物をそれぞれの疾患の予防および治療に必要とされる量で投与することによって、複数の疾患を予防および治療する方法に関する。上記疾患としては、例えば、過度の免疫応答(自己免疫性疾患、アレルギー、移植拒絶反応)を伴う疾患、その他の慢性的な炎症性疾患、神経疾患および脳障害、皮膚病(特に、ざ瘡および乾癬)、腫瘍疾患、特定のウイルス性疾患(特にSARS)、および特に上記で詳細に述べられた疾患が挙げられる。また、これらの場合、上記化合物の量は、投与単位あたり1つの化合物の量が0.01mgから1000mgまでの上記の範囲にあり、より好ましくは、投与単位あたり1つの化合物の量が0.1mgから100mgまでの範囲である。
【0069】
以下、本発明を特定の好ましい典型的な実施態様によって、より詳細に説明する。しかし、これらの典型的な実施態様は、本発明を限定するのではなく、説明の例示にすぎない。
【実施例】
【0070】
(実施例1)
ジペプチジルペプチダーゼIVおよびアラニルアミノペプチダーゼの新規な二重阻害剤の阻害特性
【0071】
以下の表1〜16に、新規な阻害剤を簡潔にまとめた。本発明者らは、これらの物質が両ペプチダーゼおよびそれらの酵素活性において類似の効果を有する酵素を同時に阻害する能力があることを示し得た。評価された阻害特性を、両酵素に対するIC50値またはID50値(後者は*でマークされている)として表す。酵素活性を蛍光基質/生成物(Ala−Pro)−ローダミンおよび(Ala)−ローダミンによって決定した。
【0072】
【表1】

【0073】
【表2.1】

【0074】
【表2.2】

【0075】
【表2.3】

【0076】
【表3】

【0077】
【表4.1】

【0078】
【表4.2】

【0079】
【表4.3】

【0080】
【表4.4】

【0081】
【表5】

【0082】
【表6】

【0083】
【表7】

【0084】
【表8.1】

【0085】
【表8.2】

【0086】
【表8.3】

【0087】
【表8.4】

【0088】
【表9.1】

【0089】
【表9.2】

【0090】
【表10】

【0091】
【表11】

【0092】
【表12】

【0093】
【表13】

【0094】
【表14】

【0095】
【表15】

【0096】
【表16.1】

【0097】
【表16.2】

【0098】
【表16.3】

【0099】
(実施例2)
実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)マウス(多発性硬化症の動物モデル)に対するアラニルアミノペプチダーゼおよび類似の効果を有する酵素、ならびにジペプチジルペプチダーゼIVおよび類似の効果を有する酵素の阻害を組み合わせた治療効果
【0100】
SJL/Jマウス(n=10)に、PLP139−151(ミエリン抗原プロテオリピドタンパク質ペプチド139−151)を毎日注射することによってEAE疾患を誘発した。発病後、免疫後11日目であるが、初日としてそれぞれのペプチダーゼ阻害剤1mgの腹腔内注射によって治療処置を行い、さらに2日目にそれぞれの阻害剤0.5mgの注射によって治療処置を行った。疾患のスコア[vD1]を麻痺の程度の違いによって定義した。健康な動物の疾患のスコアを0点とする。アクチノニンをアラニルアミノペプチダーゼ阻害剤として用い、Lys[Z(NO)]ピロリジドをジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤として用いた。治療を、免疫後46日間行った。結果を図1に示す。曲線の推移によると、両方のペプチダーゼ阻害を組み合わせた後に、特に強くかつ長期持続性[vD2]の治療効果がはっきりと示される。
【0101】
(実施例3)
デキストラン硫酸塩誘発大腸炎マウス(慢性炎症性腸疾患の動物モデル)に対する、アラニルアミノペプチダーゼおよび類似の効果を有する酵素の阻害、ならびにジペプチジルペプチダーゼIVおよび類似の効果を有する酵素の阻害の組み合わせによる治療効果
【0102】
主として結腸に関係する炎症(ヒトの潰瘍性大腸炎疾患に相当)を、8週齢の雌性Balb/cマウスの飲料水に3%デキストラン硫酸ナトリウムを溶解して投与することによって誘発した。3日後、すべての動物が疾患に典型的な明らかな症状を示した。ペプチダーゼ阻害剤(またはプラセボとしてリン酸緩衝化生理食塩水)を、5日目から3日間連続して腹腔内に投与した。疾患の程度を、承認された評価システム(スコア)に従って決定する。スコアを決定する際、以下のパラメーターを考慮する:糞便の硬さ(固体=0点;ペースト状=2点;液状/下痢様=4点);糞便中の血液の検出(血液なし=0点;微量の血液=2点;明らかな血液=4点);体重減少(0〜5%=0点;5〜10%=1点;10〜15%=2点;15〜20%=3点;>20%=4点)。健康な動物は0点のスコア値であり、最大値を12点とする。10点から、疾患が致命的である。疾患の進行において、糞便のパラメーターの変更のために、スコア値が増加する。その後(開始5日目から)、体重減少によりスコアが増加する。図2に、3日間の治療後の7日目に、未治療および治療した動物における疾患の度合いを示す。
【0103】
先行技術の阻害剤をそれぞれ単独で10μg投与した場合は(1群あたりn=14)、疾患の重篤度の減少がわずかに達成されたが、有意な減少は得られなかった(アクチノニンでの治療に関しては−16.5%;Lys[Z(NO)]ピロリジドでの治療に関しては−12.3%)。2つのペプチダーゼ阻害剤を組み合わせての腹腔内投与では40%であり、疾患を統計的に有意に改善する結果となった(p=0.00189)。
【0104】
(実施例4)
オボアルブミン誘発気管支喘息マウス(ヒトの気管支喘息の動物モデル)におけるアラニルアミノペプチダーゼおよび類似の効果を有する酵素、ならびにジペプチジルペプチダーゼIVおよび類似の効果を有する酵素の阻害を組み合わせた治療効果。図3は、肺機能の尺度としての平均呼気流速(EF50)の減少についてのペプチダーゼ阻害を組み合わせた影響(図3A)、および気管支喘息による肺の炎症の特徴としての好酸球増加についてのペプチダーゼ阻害を組み合わせた影響(図3B)を示す。
【0105】
雌性Balb/cマウスに、オボアルブミン10μgを0、14、および21日目に腹腔内投与することによって、気管支喘息を誘発し得るオボアルブミン抗原に対して感作した。27/28日目に、吸入[vD3]によってブースター用量のオボアルブミンを、動物に与えた。28〜35日目にペプチダーゼ阻害剤を腹腔内投与後、35日目に鼻腔内にオボアルブミンチャレンジ投与を行い、肺機能によりアレルギー早期反応をチェックした。平均呼気流速(EF50)、1回換気量、呼吸数、分時換気量、および気管支肺胞洗浄法による好酸性顆粒球の数を測定した。1つの実験群あたり8〜10匹の動物を用いた。実施例として、図3Aに、EF50値の減少に及ぼすペプチダーゼ阻害剤の効果をまとめた。アラニルアミノペプチダーゼ阻害剤であるアクチノニン(B群;0.1mg)およびジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤であるLys[Z(NO)]ピロリジド(C群;0.1mg)は、治療効果を示した。しかし、著しい治療効果は、両方の阻害剤を組み合わせて用いた場合のみ得られた(D群;各阻害剤を0.1mg)[vD4]。
【0106】
E群はOVAによって感作されていない動物を表すが、感作されなかったこと以外は、A群〜D群の動物に行われたすべての処置を行った。したがって、この群は健康で非アレルギー性の動物の群であり、肺機能に対するストレスに起因する影響を算出するのに用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】図1は、アクチノニンをアラニルアミノペプチダーゼ阻害剤として用い、Lys[Z(NO)]ピロリジドをジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤として用いた治療を、免疫後46日間行った結果を示す。
【図2】図2は、3日間の治療後の7日目に、未治療および治療した動物における疾患の度合いを示す。
【図3A】図3Aは、肺機能の尺度としての平均呼気流速(EF50)の減少についてのペプチダーゼ阻害を組み合わせた影響を示す。
【図3B】図3Bは、気管支喘息による肺の炎症の特徴としての好酸球増加についてのペプチダーゼ阻害を組み合わせた影響を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬分野における使用のための一般式(C1)の化合物:
【化1】

(ここで、XおよびZは同一または異なり得、各々独立してヒドロキシ、チオール、C−C12アルコキシ、C−C12アルキルチオ、N、O、PおよびSからなる群より選択される1個または数個のヘテロ原子を含んでいてもよい非置換または置換された非縮合または縮合アリール、シクロアルキル、およびアミノ(NH、NHR、NR)からなる群より選択され;
YはO、S、またはNR4を表し;
R1、R2、R3、およびR4は同一または異なり得、水素、非置換または置換された直鎖または分岐のC−C12アルキル、C−C12アルケニルおよびC−C12アルキニル、ヒドロキシ、チオール、C−C12アルコキシ、C−C12アルキルチオ、N、O、PおよびSからなる群より選択される1個または数個のヘテロ原子を含んでいてもよい非置換または置換された非縮合または縮合アリールおよびシクロアルキル、非置換または置換されたアミノ、非置換または置換されたカルボニル、非置換または置換されたチオカルボニル、および非置換または置換されたイミノからなる群より選択され;そして
該複素芳香環残基または複素環残基が、該一般式(C1)の基本構造にC原子またはヘテロ原子を介して結合されている)
および該一般式(C1)の化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【請求項2】
医薬分野における使用のための請求項1に記載の一般式(C1)の化合物であって、例えば表1に記載の以下のC1群から選択されるが、非限定的である化合物、および該化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【表1】

【請求項3】
医薬分野における使用のための一般式(C2)の化合物:
【化2】

(ここで、R1〜R4は同一または異なり得、水素、非置換または置換された直鎖または分岐のC−C12アルキル、C−C12アルケニルおよびC−C12アルキニル、ヒドロキシ、チオール、C−C12アルコキシ、C−C12アルキルチオ、N、O、PおよびSからなる群より選択される1個または数個のヘテロ原子を含んでいてもよい非置換または置換された非縮合または縮合アリールおよびシクロアルキル、非置換または置換されたアミノ、非置換または置換されたカルボニル、非置換または置換されたチオカルボニル、および非置換または置換されたイミノからなる群より選択され;そして
該複素芳香環残基または複素環残基が、該一般式(C2)の基本構造にC原子またはヘテロ原子を介して結合されている)
および該一般式(C2)の化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【請求項4】
医薬分野における使用のための請求項3に記載の一般式(C2)の化合物であって、例えば表2に記載の以下のC2群から選択されるが、非限定的である化合物、および該化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【表2.1】

【表2.2】

【表2.3】

【請求項5】
医薬分野における使用のための一般式(C3)の化合物:
【化3】

(ここで、R1、R2、およびR3は同一または異なり得、水素、非置換または置換された直鎖または分岐のC−C12アルキル、C−C12アルケニルおよびC−C12アルキニル、ヒドロキシ、チオール、C−C12アルコキシ、C−C12アルキルチオ、N、O、PおよびSからなる群より選択される1個または数個のヘテロ原子を含んでいてもよい非置換または置換された非縮合または縮合アリールおよびシクロアルキル、非置換または置換されたアミノ、非置換または置換されたカルボニル、非置換または置換されたチオカルボニル、および非置換または置換されたイミノからなる群より選択され;そして
該複素芳香環残基または複素環残基が、該一般式(C3)の基本構造にC原子またはヘテロ原子を介して結合されている)
および該一般式(C3)の化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【請求項6】
医薬分野における使用のための請求項5に記載の一般式(C3)の化合物であって、例えば表3に記載の以下のC3群から選択されるが、非限定的である化合物、および該化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【表3】

【請求項7】
医薬分野における使用のための一般式(C4)の化合物:
【化4】

(ここで、X1、X2、X3、およびX4は同一または異なり得、CHユニットまたはCR3ユニットを表し;
Y1、Y2、およびY3は同一または異なり得、置換されたまたは非置換の炭素原子ユニットまたは環原子N、O、P、またはSを有するヘテロ原子ユニットを表し;
R1およびR2は各部分環の置換パターンを表し、該R1は1〜4個の同一または異なる置換基を表し、該R2は1〜6個の同一または異なる置換基を表し、そしてこれらは水素、非置換または置換された直鎖または分岐のC−C12アルキル、C−C12アルケニルおよびC−C12アルキニル、ヒドロキシ、チオール、C−C12アルコキシ、C−C12アルキルチオ、N、O、PおよびSからなる群より選択される1個または数個のヘテロ原子を含んでいてもよい非置換または置換された非縮合または縮合アリールおよびシクロアルキル、非置換または置換されたアミノ、非置換または置換されたカルボニル、非置換または置換されたチオカルボニル、および非置換または置換されたイミノからなる群より選択され;そして
該複素芳香環残基または複素環残基が、該一般式(C4)の基本構造にC原子またはヘテロ原子を介して結合されている)
および該一般式(C4)の化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【請求項8】
医薬分野における使用のための請求項7に記載の一般式(C4)の化合物であって、例えば表4に記載の以下のC4群から選択されるが、非限定的である化合物、および該化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【表4.1】

【表4.2】

【表4.3】

【表4.4】

【請求項9】
医薬分野における使用のための一般式(C5)の化合物:
【化5】

(ここで、YはO、S、NH、またはNR5を表し得;
R1〜R5は同一または異なり得、水素、非置換または置換された直鎖または分岐のC−C12アルキル、C−C12アルケニルおよびC−C12アルキニル、ヒドロキシ、チオール、C−C12アルコキシ、C−C12アルキルチオ、N、O、PおよびSからなる群より選択される1個または数個のヘテロ原子を含んでいてもよい非置換または置換された非縮合または縮合アリールおよびシクロアルキル、非置換または置換されたアミノ、非置換または置換されたカルボニル、非置換または置換されたチオカルボニル、および非置換または置換されたイミノからなる群より選択され;そして
該複素芳香環残基または複素環残基が、該一般式(C5)の基本構造にC原子またはヘテロ原子を介して結合されている)
および該一般式(C5)の化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【請求項10】
医薬分野における使用のための請求項9に記載の一般式(C5)の化合物であって、例えば表5に記載の以下のC5群から選択されるが、非限定的である化合物、および該化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【表5】

【請求項11】
医薬分野における使用のための一般式(C6)の化合物:
【化6】

(ここで、YはO、S、NH、またはNR1を表し;
XおよびZは同一または異なり得、各々独立してヒドロキシ、チオール、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、N、O、PおよびSからなる群より選択される1個または数個のヘテロ原子を含んでいてもよい非置換または置換された非縮合または縮合アリールおよびシクロアルキル、およびアミノ(NH2、NHR2、NR2R3)からなる群より選択され;
R1〜R3は同一または異なり得、水素、非置換または置換された直鎖または分岐のC−C12アルキル、C−C12アルケニルおよびC−C12アルキニル、ヒドロキシ、チオール、C−C12アルコキシ、C−C12アルキルチオ、N、O、PおよびSからなる群より選択される1個または数個のヘテロ原子を含んでいてもよい非置換または置換された非縮合または縮合アリールおよびシクロアルキル、非置換または置換されたアミノ、非置換または置換されたカルボニル、非置換または置換されたチオカルボニル、および非置換または置換されたイミノからなる群より選択され;そして
該複素芳香環残基または複素環残基が、該一般式(C6)の基本構造にC原子またはヘテロ原子を介して結合されている)
および該一般式(C6)の化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【請求項12】
医薬分野における使用のための請求項11に記載の一般式(C6)の化合物であって、例えば表6に記載の以下のC6群から選択されるが、非限定的である化合物、および該化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【表6】

【請求項13】
医薬分野における使用のための一般式(C7)の化合物:
【化7】

(ここで、YはO、S、NH、またはNR4を表し;
XおよびZは同一または異なり得、各々独立してヒドロキシ、チオール、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、N、O、PおよびSからなる群より選択される1個または数個のヘテロ原子を含んでいてもよい非置換または置換された非縮合または縮合アリールおよびシクロアルキル、およびアミノ(NH2、NHR5、NR5R6)からなる群より選択され;
R1〜R6は同一または異なり得、水素、非置換または置換された直鎖または分岐のC−C12アルキル、C−C12アルケニルおよびC−C12アルキニル、ヒドロキシ、チオール、C−C12アルコキシ、C−C12アルキルチオ、N、O、PおよびSからなる群より選択される1個または数個のヘテロ原子を含んでいてもよい非置換または置換された非縮合または縮合アリールおよびシクロアルキル、非置換または置換されたアミノ、非置換または置換されたカルボニル、非置換または置換されたチオカルボニル、および非置換または置換されたイミノからなる群より選択され;そして
該複素芳香環残基または複素環残基が、該一般式(C7)の基本構造にC原子またはヘテロ原子を介して結合されている)
および該一般式(C7)の化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【請求項14】
医薬分野における使用のための請求項13に記載の一般式(C7)の化合物であって、例えば表7に記載の以下のC7群から選択されるが、非限定的である化合物、および該化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【表7】

【請求項15】
医薬分野における使用のための一般式(C8)の化合物:
【化8】

(ここで、Xはヘテロ原子N、O、S、またはPを表すか、またはこれらのヘテロ原子の1つを環原子として含む官能基を表し;
該基本の六員環構造はさらにX基のヘテロ原子を3個まで含み得、該へテロ原子は同一または異なり得;
該基本の六員環構造は0〜3個の二重結合を含み得;
R1は該六員環構造の置換基を表し、かつ1〜10の置換基を表し;
R1は水素、非置換または置換された直鎖または分岐のC−C12アルキル、C−C12アルケニルおよびC−C12アルキニル、ヒドロキシ、チオール、C−C12アルコキシ、C−C12アルキルチオ、N、O、PおよびSからなる群より選択される1個または数個のヘテロ原子を含んでいてもよい非置換または置換された非縮合または縮合アリールおよびシクロアルキル、非置換または置換されたアミノ、非置換または置換されたカルボニル、非置換または置換されたチオカルボニル、および非置換または置換されたイミノからなる群より選択され;そして
該複素芳香環残基または複素環残基が、該一般式(C8)の基本構造にC原子またはヘテロ原子を介して結合されている)
および該一般式(C8)の化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【請求項16】
医薬分野における使用のための請求項15に記載の一般式(C8)の化合物であって、例えば表8に記載の以下のC8群から選択されるが、非限定的である化合物、および該化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【表8.1】

【表8.2】

【表8.3】

【表8.4】

【請求項17】
医薬分野における使用のための一般式(C9)の化合物:
【化9】

(ここで、X1はCH、CHR3、CR3R4、NH、NR4、O、またはSを表し得;
X2、X3、およびX4はCH、CR5、またはNを表し得;
R1〜R5は同一または異なり得、水素、非置換または置換された直鎖または分岐のC−C12アルキル、C−C12アルケニルおよびC−C12アルキニル、ヒドロキシ、チオール、C−C12アルコキシ、C−C12アルキルチオ、N、O、PおよびSからなる群より選択される1個または数個のヘテロ原子を含んでいてもよい非置換または置換された非縮合または縮合アリールおよびシクロアルキル、非置換または置換されたアミノ、非置換または置換されたカルボニル、非置換または置換されたチオカルボニル、および非置換または置換されたイミノからなる群より選択され;
該複素芳香環残基または複素環残基が、該一般式(C9)の基本構造にC原子またはヘテロ原子を介して結合され;そして
該基本の六員環構造は0〜3個の二重結合を含み得る)
および該一般式(C9)の化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【請求項18】
医薬分野における使用のための請求項17に記載の一般式(C9)の化合物であって、例えば表9に記載の以下のC9群から選択されるが、非限定的である化合物、および該化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【表9.1】

【表9.2】

【請求項19】
医薬分野における使用のための一般式(C10)の化合物:
【化10】

(ここで、XおよびZはCH、CHR1、またはNを表し得、かつ2つの基の少なくとも1つは基本構造のヘテロ原子を表すか、または有し;
該部分環は置換または非置換の縮合または非縮合であり得、0〜3個の二重結合およびさらにXおよびZの定義に相当するヘテロ原子およびヘテロ原子含有基を含み得;
R1は水素、非置換または置換された直鎖または分岐のC−C12アルキル、C−C12アルケニルおよびC−C12アルキニル、ヒドロキシ、チオール、C−C12アルコキシ、C−C12アルキルチオ、N、O、PおよびSからなる群より選択される1個または数個のヘテロ原子を含んでいてもよい非置換または置換された非縮合または縮合アリールおよびシクロアルキル、非置換または置換されたアミノ、非置換または置換されたカルボニル、非置換または置換されたチオカルボニル、および非置換または置換されたイミノからなる群より選択され;
該複素芳香環残基または複素環残基が、該一般式(C10)の基本構造にC原子またはヘテロ原子を介して結合され;そして
該基本の環構造は0〜3個の二重結合を含み得る)
および該一般式(C10)の化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【請求項20】
医薬分野における使用のための請求項19に記載の一般式(C10)の化合物であって、例えば表10に記載の以下のC10群から選択されるが、非限定的である化合物、および該化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【表10】

【請求項21】
医薬分野における使用のための一般式(C11)の化合物:
【化11】

(ここで、R1は5個までの同一または異なる置換基からなる基本の複素芳香環構造の置換パターンを表し、R1は水素、非置換または置換された直鎖または分岐のC−C12アルキル、C−C12アルケニルおよびC−C12アルキニル、ヒドロキシ、チオール、C−C12アルコキシ、C−C12アルキルチオ、N、O、PおよびSからなる群より選択される1個または数個のヘテロ原子を含んでいてもよい非置換または置換された非縮合または縮合アリールおよびシクロアルキル、非置換または置換されたアミノ、非置換または置換されたカルボニル、非置換または置換されたチオカルボニル、および非置換または置換されたイミノからなる群より選択され;そして
該複素芳香環残基または複素環残基が、該一般式(C11)の基本構造にC原子またはヘテロ原子を介して結合されている)
および該一般式(C11)の化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【請求項22】
医薬分野における使用のための請求項21に記載の一般式(C11)の化合物であって、例えば表11に記載の以下のC11群から選択されるが、非限定的である化合物、および該化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【表11】

【請求項23】
医薬分野における使用のための一般式(C12)の化合物:
【化12】

(ここで、Y1およびY2は同一または異なり得、O、S、NH、またはNR6を表し;
R1〜R6は同一または異なり得、水素、非置換または置換された直鎖または分岐のC−C12アルキル、C−C12アルケニルおよびC−C12アルキニル、ヒドロキシ、チオール、C−C12アルコキシ、C−C12アルキルチオ、N、O、PおよびSからなる群より選択される1個または数個のヘテロ原子を含んでいてもよい非置換または置換された非縮合または縮合アリールおよびシクロアルキル、非置換または置換されたアミノ、非置換または置換されたカルボニル、非置換または置換されたチオカルボニル、および非置換または置換されたイミノからなる群より選択され;そして
該複素芳香環残基または複素環残基が、該一般式(C12)の基本構造にC原子またはヘテロ原子を介して結合されている)
および該一般式(C12)の化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【請求項24】
医薬分野における使用のための請求項23に記載の一般式(C12)の化合物であって、例えば表12に記載の以下のC12群から選択されるが、非限定的である化合物、および該化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【表12】

【請求項25】
医薬分野における使用のための一般式(C13)の化合物:
【化13】

(ここで、XおよびZは同一または異なり得、各々独立してヒドロキシ、チオール、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、N、O、PおよびSからなる群より選択される1個または数個のヘテロ原子を含んでいてもよい非置換または置換された非縮合または縮合アリールおよびシクロアルキル、およびアミノ(NH、NHR1、NR1R2)からなる群より選択され;
YはO、S、NH、またはNR3を表し;
R1〜R3は同一または異なり得、水素、非置換または置換された直鎖または分岐のC−C12アルキル、C−C12アルケニルおよびC−C12アルキニル、ヒドロキシ、チオール、C−C12アルコキシ、C−C12アルキルチオ、N、O、PおよびSからなる群より選択される1個または数個のヘテロ原子を含んでいてもよい非置換または置換された非縮合または縮合アリールおよびシクロアルキル、非置換または置換されたアミノ、非置換または置換されたカルボニル、非置換または置換されたチオカルボニル、および非置換または置換されたイミノからなる群より選択され;そして
該複素芳香環残基または複素環残基が、該一般式(C13)の基本構造にC原子またはヘテロ原子を介して結合されている)
および該一般式(C13)の化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【請求項26】
医薬分野における使用のための請求項25に記載の一般式(C13)の化合物であって、例えば表13に記載の以下のC13群から選択されるが、非限定的である化合物、および該化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【表13】

【請求項27】
医薬分野における使用のための一般式(C14)の化合物:
【化14】

(ここで、Y1およびY2は同一または異なり得、O、S、NH、またはNR3を表し;
R1〜R3は同一または異なり得、水素、非置換または置換された直鎖または分岐のC−C12アルキル、C−C12アルケニルおよびC−C12アルキニル、ヒドロキシ、チオール、C−C12アルコキシ、C−C12アルキルチオ、N、O、PおよびSからなる群より選択される1個または数個のヘテロ原子を含んでいてもよい非置換または置換された非縮合または縮合アリールおよびシクロアルキル、非置換または置換されたアミノ、非置換または置換されたカルボニル、非置換または置換されたチオカルボニル、および非置換または置換されたイミノからなる群より選択され;そして
該複素芳香環残基または複素環残基が、該一般式(C14)の基本構造にC原子またはヘテロ原子を介して結合されている)
および該一般式(C14)の化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【請求項28】
医薬分野における使用のための請求項27に記載の一般式(C14)の化合物であって、例えば表14に記載の以下のC14群から選択されるが、非限定的である化合物、および該化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【表14】

【請求項29】
医薬分野における使用のための一般式(C15)の化合物:
【化15】

(ここで、XはO、S、NH、またはNR9を表し;
R1〜R9は同一または異なり得、水素、非置換または置換された直鎖または分岐のC−C12アルキル、C−C12アルケニルおよびC−C12アルキニル、ヒドロキシ、チオール、C−C12アルコキシ、C−C12アルキルチオ、N、O、PおよびSからなる群より選択される1個または数個のヘテロ原子を含んでいてもよい非置換または置換された非縮合または縮合アリールおよびシクロアルキル、非置換または置換されたアミノ、非置換または置換されたカルボニル、非置換または置換されたチオカルボニル、および非置換または置換されたイミノからなる群より選択され;そして
該複素芳香環残基または複素環残基が、該一般式(C15)の基本構造にC原子またはヘテロ原子を介して結合されている)
および該一般式(C15)の化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【請求項30】
医薬分野における使用のための請求項29に記載の一般式(C15)の化合物であって、例えば表15に記載の以下のC15群から選択されるが、非限定的である化合物、および該化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【表15】

【請求項31】
医薬分野における使用のための一般式(C16)の化合物:
【化16】

(ここで、R1〜R5は同一または異なり得、各々独立して選択され、そして水素、CH、CHR6、CHR6R7、CR6R7R8、OH、OR6、NH、NHR6、NR6R7、C(O)R6、C(NH)R6、C(NR7)R6、C(S)R6、PH、PHR6、P(R6)R7、P(O)(OH)、P(O)(OH)(OR6)、P(O)(OR6)(OR7)、およびCNを表し;
A、Y、およびZは同一または異なり得、各々独立して選択され、そしてCH、CHR9、CR9R10、C(O)、C(S)、C(NH)、C(NR9)、NH、NR9、NOH、NOR9、O、S、SO、PH、PR9、P(O)OH、P(O)OR9、P(OH)、P(OH)POR9、P(OH)(OR9)(OR10)、P(OR9)(OR10)(OR11)を表し;
XはN、CH、CR12、P、P=O、P(OH)、P(OH)(OR12)、またはP(OR12)(OR13)を表し;
R6〜R13は同一または異なり得、各々独立して水素、非置換または置換された直鎖または分岐のC−C12アルキル、C−C12アルケニルおよびC−C12アルキニル、ヒドロキシ、チオール、C−C12アルコキシ、C−C12アルキルチオ、N、O、PおよびSからなる群より選択される1個または数個のヘテロ原子を含んでいてもよい非置換または置換された非縮合または縮合アリールおよびシクロアルキル、非置換または置換されたアミノ、非置換または置換されたカルボニル、非置換または置換されたチオカルボニル、および非置換または置換されたイミノからなる群より選択され;そして
該複素芳香環残基または複素環残基が、該一般式(C16)の基本構造にC原子またはヘテロ原子を介して結合されている)
および該一般式(C16)の化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【請求項32】
医薬分野における使用のための以下の基本構造を有する請求項31に記載の化合物:
【化17】

(ここで、R1〜R5は同一または異なり得、各々独立して選択され、そして水素、CH、CHR6、CHR6R7、CR6R7R8、OH、OR6、NH、NHR6、NR6R7、C(O)R6、C(NH)R6、C(NR7)R6、C(S)R6、PH、PHR6、P(R6)R7、P(O)(OH)、P(O)(OH)(OR6)、P(O)(OR6)(OR7)、およびCNを表し;
AはCH、CHR9、CR9R10、C(O)、C(S)、NH、NR9、NOH、NOR9、O、S、SO、PH、PR9、P(O)OH、P(O)OR9、P(OH)、P(OH)POR9、P(OH)(OR9)(OR10)、P(OR9)(OR10)(OR11)を表し;そして
R6〜R13は同一または異なり得、各々独立して水素、非置換または置換された直鎖または分岐のC−C12アルキル、C−C12アルケニルおよびC−C12アルキニル、ヒドロキシ、チオール、C−C12アルコキシ、C−C12アルキルチオ、N、O、PおよびSからなる群より選択される1個または数個のヘテロ原子を含んでいてもよい非置換または置換された非縮合または縮合アリールおよびシクロアルキル、非置換または置換されたアミノ、非置換または置換されたカルボニル、非置換または置換されたチオカルボニル、および非置換または置換されたイミノからなる群より選択される)
および上に示される一般式の化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【請求項33】
医薬分野における使用のための請求項31および32の化合物であって、例えば表16に記載の以下のC16群から選択されるが、非限定的である化合物、および該化合物の互変異性体および立体異性体、ならびに薬学的に受容可能な塩、塩の誘導体、その互変異性体および立体異性体。
【表16.1】

【表16.2】

【表16.3】

【請求項34】
請求項1から33のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物を含み、必要に応じて通常のキャリアおよび/またはアジュバントを組み合わせた、薬学的組成物。
【請求項35】
請求項1から33のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物を含み、必要に応じて通常のキャリアおよび/またはアジュバントを組み合わせた、化粧料組成物。
【請求項36】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、アラニルアミノペプチダーゼおよびジペプチジルペプチダーゼIVまたは類似の酵素の活性を阻害するための、使用。
【請求項37】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、アラニルアミノペプチダーゼおよびジペプチジルペプチダーゼIVまたは類似の酵素の活性に対して局所的に影響を与えるための、使用。
【請求項38】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、多発性硬化症、クローン病、潰瘍性大腸炎、関節リウマチ、I型糖尿病、自己免疫性甲状腺疾患、ウェゲナー病、内臓の全身エリテマトーデス、およびその他の自己免疫性疾患、ならびに炎症性疾患の予防および治療のための、使用。
【請求項39】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、アレルギー性気管支喘息、アレルギー性鼻炎、食品アレルギー、アトピー性湿疹、接触性皮膚炎、じんま疹、血管浮腫、およびその他のアレルギー性疾患の予防および治療のための、使用。
【請求項40】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、例えば、腎臓、心臓、肝臓、膵臓、皮膚、または幹細胞移植片のような同種または異種の移植された器官、組織、または細胞の拒絶反応、ならびに移植片対宿主疾患の予防および治療のための、使用。
【請求項41】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、皮膚病および粘膜症、例えば、乾癬、ざ瘡、ならびに線維芽細胞の異常増殖および変異した分化状態に関連する皮膚病(特に良性の線維性および硬化性の皮膚病、および悪性の線維芽細胞異常増殖状態)の予防および治療のための、使用。
【請求項42】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、急性神経疾患、特に虚血性または出血性脳卒中後の虚血に起因する脳障害、頭部外傷、心停止、心筋梗塞、または心臓手術後の心筋梗塞の予防および治療のための、使用。
【請求項43】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、慢性神経疾患、例えばアルツハイマー病、ピック病、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、前頭側頭型痴呆、パーキンソン病、ハンチントン病、プリオンによって引き起こされる疾患、および筋萎縮性側索硬化症の予防および治療のための、使用。
【請求項44】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、アテローム性動脈硬化症、動脈の炎症、再潅流症候群、およびステント再狭窄、さらにまた、例えば、経皮経管血管形成術後の薬剤コーティングされたステントの形態でのステント再狭窄の予防および治療のための、使用。
【請求項45】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、生体内に植え込まれた医療技術デバイス(医療デバイス)における炎症反応、または生体内に植え込まれた医療技術デバイス(医療デバイス)に起因する炎症反応の予防および治療のための、使用。
【請求項46】
請求項45に記載の使用であって、デバイス上におけるコーティングまたは層の形態、または少なくとも1つの化合物または組成物の材料混合物のデバイス材料への付与の形態で;あるいは連続的にまたは経時的にのいずれかで、局所投与または全身投与の形態での使用。
【請求項47】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の予防および治療のための、使用。
【請求項48】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、前立腺ガンおよびその他の腫瘍ならびに転移の予防および治療のための、使用。
【請求項49】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、重症急性呼吸器症候群(SARS)の予防および治療のための、使用。
【請求項50】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、敗血症ならびに敗血症様の状態の予防および治療のための、使用。
【請求項51】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、アラニルアミノペプチダーゼおよびジペプチジルペプチダーゼIVまたは類似の酵素の活性を阻害する医薬品の製造のための使用。
【請求項52】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、アラニルアミノペプチダーゼおよびジペプチジルペプチダーゼIVまたは類似の酵素の活性に対して局所的に影響を与える医薬品の製造のための使用。
【請求項53】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、多発性硬化症、クローン病、潰瘍性大腸炎、関節リウマチ、I型糖尿病、自己免疫性甲状腺疾患、ウェゲナー病、内臓の全身エリテマトーデス、およびその他の自己免疫性疾患、ならびに炎症性疾患を予防および治療する医薬品の製造のための使用。
【請求項54】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、アレルギー性気管支喘息、アレルギー性鼻炎、食品アレルギー、アトピー性湿疹、接触性皮膚炎、じんま疹、血管浮腫、およびその他のアレルギー性疾患を予防および治療する医薬品の製造のための使用。
【請求項55】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、例えば、腎臓、心臓、肝臓、膵臓、皮膚、または幹細胞移植片のような同種または異種の移植された器官、組織、または細胞の拒絶反応、ならびに移植片対宿主疾患を予防および治療する医薬品の製造のための使用。
【請求項56】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、皮膚病および粘膜症、例えば、乾癬、ざ瘡、ならびに線維芽細胞の異常増殖および変異した分化状態に関連する皮膚病(特に良性の線維性および硬化性の皮膚病、および悪性の線維芽細胞異常増殖状態)を予防および治療する医薬品の製造のための使用。
【請求項57】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、急性神経疾患、特に虚血性または出血性脳卒中後の虚血に起因する脳障害、頭部外傷、心停止、心筋梗塞、または心臓手術後の心筋梗塞を予防および治療する医薬品の製造のための使用。
【請求項58】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、慢性神経疾患、例えばアルツハイマー病、ピック病、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、前頭側頭型痴呆、パーキンソン病、ハンチントン病、プリオンによって引き起こされる疾患、および筋萎縮性側索硬化症を予防および治療する医薬品の製造のための使用。
【請求項59】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、アテローム性動脈硬化症、動脈の炎症、再潅流症候群、およびステント再狭窄、さらにまた、例えば、経皮経管血管形成術後の薬剤コーティングされたステントの形態でのステント再狭窄を予防および治療する医薬品の製造のための使用。
【請求項60】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、生体内に植え込まれた医療技術デバイス(医療デバイス)における炎症反応、または生体内に植え込まれた医療技術デバイス(医療デバイス)に起因する炎症反応を予防および治療する医薬品の製造のための使用。
【請求項61】
請求項60に記載の使用であって、デバイス上におけるコーティングまたは層の形態、または少なくとも1つの化合物または組成物の材料混合物のデバイス材料への付与の形態で;あるいは連続的にまたは経時的にのいずれかで、局所投与または全身投与の形態での使用。
【請求項62】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を予防および治療する医薬品の製造のための使用。
【請求項63】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、前立腺ガンおよびその他の腫瘍ならびに転移を予防および治療する医薬品の製造のための使用。
【請求項64】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、重症急性呼吸器症候群(SARS)を予防および治療する医薬品の製造のための使用。
【請求項65】
請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物の使用であって、敗血症ならびに敗血症様の状態を予防および治療する医薬品の製造のための使用。
【請求項66】
アラニルアミノペプチダーゼおよびジペプチジルペプチダーゼIVまたは類似の酵素の活性を阻害する方法であって、請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物を、該酵素作用の阻害のために必要とされる量で投与する、方法。
【請求項67】
アラニルアミノペプチダーゼおよびジペプチジルペプチダーゼIVまたは類似の酵素の活性に対して局所的に影響を与える方法であって、請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物を、該酵素作用の阻害のために必要とされる量で投与する、方法。
【請求項68】
多発性硬化症、クローン病、潰瘍性大腸炎、関節リウマチ、I型糖尿病、自己免疫性甲状腺疾患、ウェゲナー病、内臓の全身エリテマトーデス、およびその他の自己免疫性疾患、ならびに炎症性疾患を予防および治療する方法であって、請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物を予防または治療のために必要とされる量で投与する、方法。
【請求項69】
アレルギー性気管支喘息、アレルギー性鼻炎、食品アレルギー、アトピー性湿疹、接触性皮膚炎、じんま疹、血管浮腫、およびその他のアレルギー性疾患を予防および治療する方法であって、請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物を予防または治療のために必要とされる量で投与する、方法。
【請求項70】
腎臓、心臓、肝臓、膵臓、皮膚、または幹細胞移植片のような同種または異種の移植された器官、組織、または細胞の拒絶反応、ならびに移植片対宿主疾患を予防および治療する方法であって、請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物を予防または治療のために必要とされる量で投与する、方法。
【請求項71】
皮膚病および粘膜症、例えば、乾癬、ざ瘡、ならびに線維芽細胞の異常増殖および変異した分化状態に関連する皮膚病(特に良性の線維性および硬化性の皮膚病、および悪性の線維芽細胞異常増殖状態)を予防および治療する方法であって、請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物を予防または治療のために必要とされる量で投与する、方法。
【請求項72】
急性神経疾患、特に虚血性または出血性脳卒中後の虚血に起因する脳障害、頭部外傷、心停止、心筋梗塞、または心臓手術後の心筋梗塞を予防および治療する方法であって、請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物を予防または治療のために必要とされる量で投与する、方法。
【請求項73】
慢性神経疾患、特に、アルツハイマー病、ピック病、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、前頭側頭型痴呆、パーキンソン病、ハンチントン病、プリオンによって引き起こされる疾患、および筋萎縮性側索硬化症を予防および治療する方法であって、請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物を予防または治療のために必要とされる量で投与する、方法。
【請求項74】
アテローム性動脈硬化症、動脈の炎症、再潅流症候群、およびステント再狭窄、さらにまた、例えば、経皮経管血管形成術後の薬剤コーティングされたステントの形態でのステント再狭窄を予防および治療する方法であって、請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物を予防または治療のために必要とされる量で投与する、方法。
【請求項75】
生体内に植え込まれた医療技術デバイス(医療デバイス)における炎症反応、または生体内に植え込まれた医療技術デバイス(医療デバイス)に起因する炎症反応を予防および治療する方法であって、請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物を予防または治療のために必要とされる量で投与する、方法。
【請求項76】
請求項75に記載の方法であって、デバイス上におけるコーティングまたは層の形態、または少なくとも1つの化合物または組成物の材料混合物のデバイス材料への付与の形態で;あるいは連続的にまたは経時的にのいずれかで、局所投与または全身投与の形態での、方法。
【請求項77】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を予防または治療する方法であって、請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物を予防および治療のために必要とされる量で投与する、方法。
【請求項78】
前立腺ガンおよびその他の腫瘍ならびに転移を予防および治療する方法であって、請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物を予防または治療のために必要とされる量で投与する、方法。
【請求項79】
重症急性呼吸器症候群(SARS)を予防および治療する方法であって、請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物を予防または治療のために必要とされる量で投与する、方法。
【請求項80】
敗血症ならびに敗血症様の状態を予防および治療する方法であって、請求項1から35のいずれかに記載の少なくとも1つの化合物、薬学的組成物、または化粧料組成物を予防または治療のために必要とされる量で投与する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【公表番号】特表2007−508350(P2007−508350A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534707(P2006−534707)
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【国際出願番号】PCT/EP2004/011644
【国際公開番号】WO2005/034940
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(505008187)イーエムテーエム ゲーエムベーハー (8)
【出願人】(504033511)キーニューロテック アーゲー (4)
【Fターム(参考)】