説明

紫外光発光ダイオード装置及びその製造方法

本発明は、UVLED装置及びその製造方法を提供する。この装置は、基板(1)上に下から上への順で設けられたAlN核層(2、3)、真性AlGaNエピタキシャル層(4)、n−型AlGaNバリア層(5)、活性領域(6)、第1のp−型AlGaNバリア層(7)、第2のp−型AlGaNバリア層(8)、及びp−型GaNキャップ層(9)を含備える。p−型GaNキャップ層には、発生した光を発するためのウインド領域(10、W、A)をエッチングしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(以下、LEDと略称する)装置及びその製造方法に関し、特に出射光の強度を向上できるAlGaN多重量子井戸の紫外光LED装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
III−V族化合物半導体材料は、第三世代半導体材料の立派な代表として、優れた特性を多く有し、特に光学応用の面では、Ga、Al、In、Nからなる合金{Ga(Al,In)N}は、全可視光領域と近紫外光領域をカバーすることができる。さらに、ウルツ鉱構造のIII族窒化物は、何れも直接バンドギャップであり、光電子装置の応用に非常に適合する。特に、紫外光領域において、AlGaN多重量子井戸の紫外光LED装置は、巨大な優位を示し、現在の紫外光電子装置の開発のホットスポットの一つとなる。しかし、LED装置の発光波長が短くなるに従い、GaN LED装置の活性層におけるAl組成がますます高くなり、高品質のAlGaN材料の製造に大きな難度を有し、特に、AlGaN材料による紫外光の吸収が激しいので、紫外光LED装置の外部量子効率と光強度が何れも低くなる。これは、紫外光LED装置の発展バリアとなっており、その問題の解決は当面の急務である。
【0003】
AlGaN多重量子井戸の紫外光LED装置は、広い応用未来を有する。まず、GaN青緑光LED装置は、飛躍的な進展がなされており、現在、高輝度青緑光LED装置は実用化されており、景観照明、大画面のバックライト光源、光通信などの分野において巨大な潜在力を示している。次に、白光LED装置の固体照明は、勢いが激しくなり、第三回目の照明革命を引き起こした。さらに、可視光領域の日一日と成熟するに従い、研究者は、研究の重点をますます波長の短い紫外光に移転し、紫外光は、シルクスクリーン印刷、ポリマーの硬化、環境保護、白光照明、及び軍事探測などの分野において重大な応用価値を有する。
【0004】
現在、国内外では、主に幾つかの新規の材料成長方法、又は新規の構造を採用することで応力によるAlGaN材料の品質への破壊を減少し、AlGaN材料の成長品質を向上することにより、紫外光LED装置の発光性能を向上している。上記方法は以下の通りである。即ち、
2002年、アメリカ、サウスカロライナ州立大学は世界の先頭を切って300nmより低い紫外光LED装置を実現し、サファイア基板上に波長285nmのLED装置を製造し、200μ×200μのチップは、400mAのパルス電流でのパワーが0.15mWであり、p型とn型の接触抵抗を改善した後、最大パワーが0.25mWに達した。文献:V. Adivarahan, J. P. Zhang, A. Chitnis, et al, “sub-Milliwatt Power III-N Light Emitting Diodes at 285nm,” Jpn J Appl Phy, 2002, 41: L435を参照されたい。次に、一連の飛躍的な進展がなされており、順に280nm、269nm、265nmの発光波長を実現し、LED装置の最大パワーは1mWを超えた。文献:W H Sun, J P Zhang, V Adivarahan, et al. “AlGaN-based 280nm light-emitting diodes with continuous wave powers in excess of 1.5mW” Appl Phys Lett, 2004, 85(4):531;V Adivarahan, S Wu, J P Zhang, et al. “High-efficiency 269nm emission deep ultraviolet light-emitting diodes” Appl Phys Lett, 2004,84(23):4762; Y Bilenko, A Lunev, X Hu, et al. “10 Milliwatt Pulse Operation of 265nm AlGaN Light Emitting Diodes” Jpn J Appl Phys, 2005, 44:L98を参照されたい。電流伝達を改善し、熱効果を低下するために、100μm×100μmの面積の小さいチップに対し、2×2アレイのモードで接続され、flip−chip構造を用い、280nm波長のパワーは24mWに達することができ、最大の外部量子効率が0.35%である。文献:W H Sun, J P Zhang, V Adivarahan, et al. “AlGaN-based 280nm light-emitting diodes with continuous wave powers in excess of 1.5mW” Appl Phys Lett, 2004, 85(4):531を参照されたい。2004年に、さらに250nmのLED装置を製造し、200μ×200μのチップの最大パワーは0.6mWに近付いたが、外部量子効率が0.01%だけである。文献:V Adivarahan, W H Sun, A Chitnis, et al. “250nm AlGaN light-emitting diodes” Appl Phys Lett, 2004,85(12):2175を参照されたい。
【0005】
2004年、アメリカ、ノースウエスタン大学、カンザス大学も、深紫外光、特に280〜290nm波長帯に大きな進展がなされている。文献:Fischer A J, Allerman A A, et al. Room-temperature direct current operation of 290nm Light-emitting diodes with milliwatt power level [J]. Appl Phys Lett, 2004,84(17):3394を参照されたい。ワイヤ挿入状接触によりチップ内部の電流広がりを改善し、フリップチップボンディング構造によりLED装置の放熱能力を向上し、1mm×1mmの高パワーの紫外光LED装置を製造し、発光波長290nm、300mAの直流での発光パワーが1.34mWに達し、外部量子効率が0.11%である。文献:Kim K H, Fan Z Y, Khizar M, et al. AlGaN-based ultraviolet light-emitting diodes grown on AlN epilayers [J]. Appl Phys Lett, 2004, 85(20):4777を参照されたい。
【0006】
同年、アメリカ、サウスカロライナ州立大学は、さらに250と255nmの深紫外光LED装置を開発し、その底部バッファ層は、AlGaN/AlNの超格子構造を用い、高品質のAlGaNバリア層を成長し、200×200μmの深紫外光LED装置を製造し、300mAと1000mAのパルス電流で、その発光パワーはそれぞれ0.16mWと0.57mWに達したが、底部光取り出しの方式を用いたので、その発光効率はやはり比較的に低い。文献:V Adivarahan, W H Sun, A Chitnis, M Shatalov, S Wu, H P Maruska, M Asif Khan. “250nm AlGaN light-emitting diodes” Appl Phys Lett, 2004, 85(12):2175を参照されたい。
【0007】
2007年、日本の埼玉大学も、231〜261nm波長帯の深紫外光LED装置の研究に進展がなされており、AlNバッファ層をパルスで成長するため、AlN層の転位欠陥密度をいっそう減少したので、高Al組成のAlGaN層を成長し、261nmの深紫外光LED装置の光パワーと外部量子効率の分布は、1.65mWと0.23%に達した。文献:Hirayama Hideki,Yatabe Tohru, Noguchi Norimichi, Ohashi Tomoaki, Kamata Norihiko. “231-261nm AlGaN deep-ultraviolet light-emitting diodes fabricated on AlN multilayer buffers grown by ammonia pulse-flow method on sapphire” Appl Phys Lett, 2007, 91(7): 071901-1を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】WO2007/005984号公報
【特許文献2】CN1900386号公報
【特許文献3】CN101132022号公報
【特許文献4】US2008/0258131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の内容をまとめると、現在、国際的にAlGaN深紫外光LED装置の製造は、全てボトムエミッション方式を用い、トップエミッション方式に対する研究が少ない。発光波長の減少に従い、底部バッファ層による紫外光の吸収がますます多くなり、出射光のパワー及び外部量子効率に酷く影響を与える。現在、ものに装置の構造を改善することにより、エピタキシャル層の品質を向上しているが、従来のボトムエミッション技術は、(1)光取り出しの経路が長すぎ、その途中の光損失が多すぎるので、常に光の外部量子効率が低すぎることになり、(2)底部AlNバッファ層の結晶品質が比較的に悪いので、材料の非輻射再結合中心が多くなり、紫外光の吸収が多くなり、(3)底部バッファ層が静電応力による作用で、光子を捕捉するとの欠陥が大きくなり、装置の信頼性に酷く影響を与える。
【0010】
本発明は、上述の従来の技術の欠陥を解消するために、信頼性が高く、コストが低く、プロセスが簡単であり、光の出射経路を変更し、光の出力パワー及び外部量子効率を向上する紫外光LED装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る紫外光LED装置は、基板(1)上に順に成長したAlN核層(2、3)、真性AlGaNエピタキシャル層(4)、第1導電型AlGaNバリア層(5)、活性領域(6)、第2導電型の第1のAlGaNバリア層(7)、第2導電型の第2のAlGaNバリア層(8)、及び第2導電型GaNキャップ層(9)を含み、第2導電型GaNキャップ層(9)には、発生した光を発するためのウインド(10、W、A)を設けていることを特徴とする。その中、前記ウインド(10、W、A)は、略円錐状、半球状、又は円柱状の何れかである。
【0012】
その中、前記基板(1)は、SiC基板又はサファイア基板である。前記基板がSiC基板である場合に、前記SiC基板の裏面には第1導電型の電極が形成され、第2導電型GaNキャップ層(9)には第2導電型の電極が形成される。前記基板がサファイア基板である場合に、前記第1導電型AlGaNバリア層(5)には第1導電型の電極が形成され、第2導電型GaNキャップ層(9)には第2導電型の電極が形成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、以下の技術効果を有する。
本発明に係る装置は、トップウインド構造を用いるため、出射光の取り出し孔径を向上するだけでなく、出射光をウインドに強め、静電応力により装置のAlNバッファ層中の欠陥を多くしたとしても、出射光のパワーに影響を及ぼさないので、AlGaN SiC基板の紫外光LED装置の実用化をかなり推進する。
【0014】
また、本発明に係るトップウインド構造の製造は、p−GaNキャップ層からp型AlGaNバリア層までを光援助湿式エッチングによりエッチングして、半球状、円錐状などの形状のウインドを形成することにより、発した紫外光がトップから放射し、光の出力パワー及び装置の外部量子効率を効果的に向上した。
また、本発明は、ウインドをドライエッチングによりエッチングしたので、ウインドの底部に位置する電子バリア層p−AlGaNの表面が粗く、光の取り出し効率がいっそう向上した。
【0015】
また、本発明に係る装置の製造プロセスは、成熟の青色光GaN LED装置の製造プロセスと両立できるので、コストが低く、プロセスが簡単である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】本発明に係る紫外光LED装置の断面構造を示す図である。
【図1B】本発明に係る紫外光LED装置の断面構造を示す図である。
【図1C】本発明に係る紫外光LED装置の断面構造を示す図である。
【図1D】本発明に係る紫外光LED装置の断面構造を示す図である。
【図1E】本発明に係る紫外光LED装置の断面構造を示す図である。
【図1F】本発明に係る紫外光LED装置の断面構造を示す図である。
【図2A】本発明に係る紫外光LED装置の一の実施例(SiC基板、円柱状ウインド)の製造流れ図である。
【図2B】本発明に係る紫外光LED装置の一の実施例(SiC基板、円柱状ウインド)の製造流れ図である。
【図3A】本発明に係る紫外光LED装置の他の実施例(サファイア基板、円柱状ウインド)の製造流れ図である。
【図3B】本発明に係る紫外光LED装置の他の実施例(サファイア基板、円柱状ウインド)の製造流れ図である。
【図3C】本発明に係る紫外光LED装置の他の実施例(サファイア基板、円柱状ウインド)の製造流れ図である。
【図4】本発明に係る紫外光LED装置の他の実施例(SiC基板、円錐状ウインド)の製造流れ図である。
【図5】本発明に係る紫外光LED装置の他の実施例(サファイア基板、円錐状ウインド)の製造流れ図である。
【図6A】本発明に係る紫外光LED装置の他の実施例(SiC基板、半球状ウインド)の製造流れ図である。
【図6B】本発明に係る紫外光LED装置の他の実施例(SiC基板、半球状ウインド)の製造流れ図である。
【図6C】本発明に係る紫外光LED装置の他の実施例(SiC基板、半球状ウインド)の製造流れ図である。
【図7A】本発明に係る紫外光LED装置の他の実施例(サファイア基板、半球状ウインド)の製造流れ図である。
【図7B】本発明に係る紫外光LED装置の他の実施例(サファイア基板、半球状ウインド)の製造流れ図である。
【図7C】本発明に係る紫外光LED装置の他の実施例(サファイア基板、半球状ウインド)の製造流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〈紫外光LED装置の構造及びその変化例〉
図1Aは本発明に係る紫外光LED装置の断面構造を示す図である。
図1Aに示すように、本発明に係る紫外光LED装置は、n型SiC基板1を有し、SiC基板1に低温AlN核層2を成長し、低温AlN核層2に高温AlN核層3を成長し、高温AlN核層3にAlGaNエピタキシャル層4を成長し、AlGaNエピタキシャル層4にn型AlGaNバリア層5を成長し、n型AlGaNバリア層5に多重量子井戸構造のAlGa1−xN/AlGa1−yNからなる活性領域6を成長し、活性領域6に高Al組成のp型AlGaNバリア層7を成長し、p型AlGaNバリア層7に低Al組成のp型AlGaNバリア層8を成長し、p型AlGaNバリア層8にp型GaNキャップ層9を成長した。p型GaNキャップ層9には略円錐状のウインド10を設けることにより、本発明に係る紫外光LED装置から発生した光をp型GaNキャップ層9から放射する。
【0018】
また、SiC基板1の低温AlN核層2を成長した側とは反対側にn型電極を堆積した。p型GaNキャップ層9にp型電極を堆積した。
以上、図1Aに示す本発明に係る紫外光LED装置の構造を説明したが、本発明はこれに限らず、本発明の主旨に基づいて様々な変化を行ってもよい。以下、図1B〜図1Fを参照しながら各種の変化例を例として説明する。
【0019】
図1Aに示す紫外光LED装置は、その基板がn型SiCであり、ウインドの形状が円錐状である。しかし、本発明はこれに限らず、その他の材料の基板例えばサファイア基板(例えば図1B、図1D、図1F)、その他の形状例えば円柱状(例えば図1E、図1F)又は半球状(例えば図1C、図1D)のウインドであってもよい。
図1B、図1D、図1Fに示す紫外光LED装置は、サファイア基板を有し、n型AlGaNバリア層5にn型電極を形成し、p型GaNキャップ層9にp型電極を形成した。
【0020】
また、ウインドの深さについては、紫外光LED装置から発生した光を射出できればよく、ウインド10がp型GaNキャップ層9及び低Al組成のp型AlGaNバリア層8を貫通し高Al組成のp型AlGaNバリア層7に達することは好ましい。当然ながら、ウインドの形状に従い異なる深さを好適に選択してもよい。
例えば、ウインドの形状が略円錐状である場合に、ウインドの底部が高Al組成のp型AlGaNバリア層7の2/3深さの箇所に位置することは好ましい。
【0021】
ウインドの形状が略半球状である場合に、ウインドの底部が高Al組成のp型AlGaNバリア層7の4/5深さの箇所に位置することは好ましく、また、ウインドの上部の幅と底部の幅との比が2:1であることは好ましい。
ウインドの形状が略円柱状である場合に、ウインドの底部が高Al組成のp型AlGaNバリア層7の略3/4深さの箇所に位置することは好ましく、また、ウインドの深さと幅との比が1:1000であることは好ましい。
【0022】
〈紫外光LED装置の製造方法〉
(実施例1)
以下、図2A及び図2Bを参照しながら、図1Eに示す基板がSiC基板でウインドが円柱状である紫外光LED装置を製造する製造方法を説明する。
まず、図2Aは材料の成長工程を示す:
工程1:MOCVDプロセスによりSiC基板に低温AlN核層を成長する。
【0023】
基板の温度を600℃まで低下し、成長圧力を50Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量28μmol/minのアルミニウム源を導入し、厚み3nmの低温AlN核層を成長する。
工程2:低温AlN核層に高温AlN核層を成長する。
【0024】
成長温度を1050℃まで昇温し、成長圧力を50Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量28μmol/minのアルミニウム源を導入し、厚み20nmの高温AlN核層を成長する。
工程3:高温AlN核層にAlGaNエピタキシャル層を成長する。
【0025】
成長温度を1050℃に保持し、成長圧力を110Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1100sccmとして、反応室へ流量50μmol/minのアルミニウム源及び80μmol/minのガリウム源を導入し、厚み1200nmのノンドーピングAlGaNエピタキシャル層を成長する。
工程4:AlGaNエピタキシャル層にSiドーピングn型AlGaNバリア層を成長する。
【0026】
成長温度を1050℃に保持し、成長圧力を110Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量55μmol/minのアルミニウム源、65μmol/minのガリウム源、及び1〜3μmol/minのSi源を同時に導入し、厚み600nmのSiドーピングAlGaNバリア層を成長する。
【0027】
工程5:n型AlGaNバリア層に多重量子井戸AlGa1−xN/AlGa1−yN層(x<y)、つまり活性領域6を成長する。
成長温度を1050℃に保持し、成長圧力を120Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量65μmol/minのアルミニウム源及び80μmol/minのガリウム源を同時に導入し、厚み2〜7nmのAlGa1−xNポテンシャル井戸層を成長する。成長温度を1050℃に保持し、成長圧力を70Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量80μmol/minのアルミニウム源、65μmol/minのガリウム源を同時に導入し、厚み2〜10nmのAlGa1−yNバリア層を成長し、量子井戸の周期は3〜5個である。
【0028】
工程6:多重量子井戸AlGa1−xN/AlGa1−yN層に40%〜60%(モル比。以下も同様である)の高Al組成のp型AlGaNバリア層7を成長する。
成長温度を1000℃に保持し、成長圧力を100Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量100μmol/minのアルミニウム源、70μmol/minのガリウム源、及び3〜5μmol/minのMg源を同時に導入し、厚み70nmの高Al組成のp型AlGaNバリア層を成長する。
【0029】
工程7:p型バリア層に10%〜25%(モル比。以下も同様である)の低Al組成のp型AlGaNバリア層を成長する。
成長温度を1000℃に保持し、成長圧力を100Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量80μmol/minのアルミニウム源、120μmol/minのガリウム源、及び3〜5μmol/minのMg源を同時に導入し、厚み60nmの低Al組成のp型AlGaNバリア層を成長する。
【0030】
工程8:低Al組成のp型AlGaNバリア層にp型GaNキャップ層を成長する。
成長温度を950℃に保持し、成長圧力を70Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量65μmol/minのガリウム源、及び3〜5μmol/minのMg源を同時に導入し、厚み60nmのp型GaNキャップ層を成長する。
【0031】
次に、図2Bは装置の製造工程を示す:
工程1:p型GaNキャップ層に円形ウインドをフォトエッチングし、ICP(プラズマエッチング)によりウインドを高Al組成のp型AlGaNバリア層までエッチングし、円柱状のウインドAを形成する。
(1)まず、基板に塗布したポジ型フォトレジストを、レジストスピンナの回転数が5000rpmで振り切り、その後、90℃のオーブン内で15min乾燥し、フォトエッチング及び現像によりエッチングに必要なウインドを形成する。
【0032】
(2)次に、ICPによりp型GaNキャップ層を高Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドAを形成する。エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングの深さが135nmであり、エッチングに用いられる電極パワーが240Wで、バイアス電圧が80Vで、圧力が1Paで、エッチング時間が180sである。
【0033】
工程2:n型SiC基板の裏面にn型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより電極のパターン領域にn型オーミックコンタクト金属を蒸着し、n型電極を形成する。
(1)まず、金属がもっとよく剥離するように、基板に塗布した接着剤を、回転数が8000rpmで、時間が30sで振り切り、温度が160℃の高温オーブン内で20min乾燥し、その後、当該基板に塗布したポジ型フォトレジストを、回転数が5000rpmで振り切り、最後に、温度が80℃の高温オーブン内で10min乾燥し、フォトエッチングによりn型電極のパターンを取得する。
【0034】
(2)次に、DQ−500プラズマレジスト剥離装置によりパターン領域における現像し切らないフォトレジスト被膜を除去し、当該工程は剥離の歩留まりを大きく向上し、その後、VPC−1000電子ビーム蒸着装置によりNi/Auの両層の金属を堆積する。
(3)次に、アセトンに40min以上浸漬した後、超音波処理を行い、その後、窒素ガスで吹いて乾燥する。
【0035】
(4)最後に、基板を高速焼鈍炉内に入れ、焼鈍炉内に窒素ガスを約10min導入し、その後、窒素ガス雰囲気で、温度が1000℃の条件下、65sの高温焼鈍を行い、n型電極を形成する。
工程3:p型GaNキャップ層にp型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより電極のパターン領域にp型オーミックコンタクト金属を蒸着し、p型電極を形成する。
【0036】
(1)まず、基板に塗布した接着剤を、レジストスピンナの回転数が8000rpmで、時間が30sで振り切り、それを温度が160℃の高温オーブン内に入れて20min乾燥し、その後、当該基板に塗布したポジ型フォトレジストを、レジストスピンナの回転数が5000rpmで振り切り、温度が80℃の高温オーブン内に入れて10min乾燥し、フォトエッチングによりp型電極のパターンを取得する。
【0037】
(2)次に、DQ−500プラズマレジスト剥離装置によりパターン領域における現像し切らないフォトレジスト被膜を除去し、VPC−1100電子ビーム蒸着装置によりp型電極のパターンにNi/Auの両層の金属をp型電極として蒸着する。
(3)次に、上述の処理を行った基板をアセトンに入れて20min以上浸漬した後、超音波処理を行い、その後、窒素ガスで吹いて乾燥し、その後、当該基板を高速焼鈍炉内に入れ、空気雰囲気で、温度が560℃の条件下、10minの高温焼鈍を行い、p型電極を形成し、装置の製造を完成する。
【0038】
以上は実施例1を説明し、次に、実施例1の変化例1〜5を説明する。変化例1〜5も、材料成長と装置製造との二つの工程を含むが、材料成長工程は実施例1と同一であり、ここに、同一の工程の説明を省略した。
(実施例1の変化例1)
本変化例と実施例1との相違点は、装置の製造工程の工程1の(2)において、ICPによりp型GaNキャップ層を高Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドAを形成することにある。エッチングの深さが135nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが450Wで、バイアス電圧が60Vで、圧力が2Paで、エッチング時間が140sである。
【0039】
(実施例1の変化例2)
本変化例と実施例1との相違点は、装置の製造工程の工程1の(2)において、ICPによりp型GaNキャップ層を高Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドAを形成することにある。エッチングの深さが135nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが600Wで、バイアス電圧が0Vで、圧力が3Paで、エッチング時間が100sである。
【0040】
(実施例1の変化例3)
本変化例と実施例1との相違点は、具体的に以下の通りである。
装置の製造工程において、
工程1:p型GaNキャップ層に円形ウインドをフォトエッチングし、RIE(反応性イオンエッチング)によりウインドを高Al組成のp型AlGaNバリア層までエッチングし、円柱状のウインドAを形成する。
【0041】
(1)基板の表面にポジ型フォトレジストを塗布し、回転数が5000rpmのレジストスピンナでレジストを振り切り、その後、90℃のオーブン内で15min乾燥し、フォトエッチング及び現像によりエッチングに必要なウインドを形成する。
(2)RIEによりp型GaNキャップ層を高Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、底部がp型AlGaNバリア層にある円柱状のウインドAを形成する。エッチングの深さが135nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが150Wで、バイアス電圧が230Vで、圧力が10mTで、エッチング時間が240sである。
【0042】
工程2:n型SiC基板の裏面にn型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより電極のパターン領域にn型オーミックコンタクト金属を蒸着し、n型電極を形成する。
(1)〜(3)は、実施例1と略同一であり、その具体的な説明を省略した。
(4)基板を高速焼鈍炉内に入れ、まず、焼鈍炉内に窒素ガスを約10min導入し、次に、窒素ガス雰囲気で、温度が1000℃の条件下、55sの高温焼鈍を行い、n型電極を形成する。
【0043】
工程3は、実施例1と略同一であり、その具体的な説明を省略した。
(実施例1の変化例4)
本変化例と実施例1の変化例3との相違点は、装置の製造工程の工程1の(2)において、RIEによりp型GaNキャップ層を高Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、底部がp型AlGaNバリア層にある円柱状のウインドAを形成することにある。エッチングの深さが135nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが320Wで、バイアス電圧が410Vで、圧力が8mTで、エッチング時間が180sである。
【0044】
(実施例1の変化例5)
本変化例と実施例1の変化例3との相違点は、装置の製造工程の工程1の(2)において、RIEによりp型GaNキャップ層を高Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、底部がp型AlGaNバリア層にある円柱状のウインドAを形成することにある。エッチングの深さが135nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが400Wで、バイアス電圧が550Vで、圧力が5mTで、エッチング時間が100sである。
【0045】
(実施例2)
以下、図3A〜図3Cを参照しながら、図1Fに示す基板がサファイア基板でウインドが円柱状である紫外光LED装置を製造する製造方法を説明する。
まず、図3Aは材料の成長工程を示す:
工程1:MOCVDプロセスによりサファイア基板に低温AlN核層を成長する。
【0046】
基板の温度を600℃まで低下し、成長圧力を50Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量28μmol/minのアルミニウム源を導入し、厚み5nmの低温AlN核層を成長する。
工程2:低温AlN核層に高温AlN核層を成長する。
【0047】
成長温度を1050℃まで昇温し、成長圧力を50Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量28μmol/minのアルミニウム源を導入し、厚み200nmの高温AlN核層を成長する。
工程3:高温AlN核層にAlGaNエピタキシャル層を成長する。
【0048】
成長温度を1050℃に保持し、成長圧力を110Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量50μmol/minのアルミニウム源及び80μmol/minのガリウム源を導入し、厚み1200nmのノンドーピングAlGaNエピタキシャル層を成長する。
工程4:AlGaNエピタキシャル層にSiドーピングn型AlGaNバリア層を成長する。
【0049】
成長温度を1050℃に保持し、成長圧力を110Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量60μmol/minのアルミニウム源、70μmol/minのガリウム源、及び1〜3μmol/minのSi源を同時に導入し、厚み700nmのSiドーピングAlGaNバリア層を成長する。
【0050】
工程5:n型AlGaNバリア層に多重量子井戸AlGa1−xN/AlGa1−yN層(x<y)を成長する。
実施例1と略同一であり、その具体的な説明を省略した。
工程6:多重量子井戸AlGa1−xN/AlGa1−yN層に40%〜60%の高Al組成のp型AlGaNバリア層を成長する。
【0051】
成長温度を1000℃に保持し、成長圧力を100Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量110μmol/minのアルミニウム源、80μmol/minのガリウム源、及び3〜5μmol/minのMg源を同時に導入し、厚み65nmの高Al組成のp型AlGaNバリア層を成長する。
【0052】
工程7:p型バリア層に10%〜25%の低Al組成のp型AlGaNバリア層を成長する。
実施例1と略同一であり、その具体的な説明を省略した。
工程8:低Al組成のp型AlGaNバリア層にp型GaNキャップ層を成長する。
実施例1と略同一であり、その具体的な説明を省略した。
【0053】
次に、図3Bは装置の製造工程を示す:
工程1:ICP又はRIEプロセスによりp型GaNキャップ層にテーブル面をn型AlGaN層までエッチングする。
電子ビーム蒸着装置により厚みが約300nmのSiO層をエッチングマスク層として堆積する。AlGaN材料に対するエッチングレートが比較的に遅いので、当該工程を増加することは、基板上にSiOとフォトレジストが共同で機能する二重層マスクパターンを形成することにより、エッチングしない領域の表面を保護するのに有利となるからである。
【0054】
基板に塗布したポジ型フォトレジストを、回転数が5000rpmで振り切り、その後、温度が90℃のオーブン内で15min乾燥し、フォトエッチング及び現像によりエッチングに必要なウインドを形成する。
ICPドライエッチングによりテーブル面を形成し、エッチング時に用いられる電極パワーが550Wで、バイアス電圧が110Vで、圧力が1.5Paで、エッチング時間が400sである。
【0055】
アセトンにより、エッチング後のポジ型フォトレジストを除去し、その後、BOEに1min浸漬してSiOマスクを除去し、最後に、脱イオン水により洗浄し窒素ガスで吹いて乾燥し、エッチング後のマスク層を除去する。
工程2:p型GaNキャップ層に円形ウインドをフォトエッチングし、ICPによりウインドを高Al組成のp型AlGaNバリア層まで二次エッチングし、円柱状のウインドAを形成する。
【0056】
(1)基板に塗布したポジ型フォトレジストを、回転数が5000rpmで振り切り、その後、90℃のオーブン内で15min乾燥し、フォトエッチング及び現像によりエッチングに必要なウインドを形成する。
(2)ICPによりp型GaNキャップ層を高Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドAを形成する。エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングの深さが135nmであり、エッチングに用いられる電極パワーが240Wで、バイアス電圧が80Vで、圧力が1Paで、エッチング時間が180sである。
【0057】
工程3:n型AlGaN層にn型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより電極のパターン領域にn型オーミックコンタクト金属を蒸着し、n型電極を形成する。
金属がもっとよく剥離するように、まず、基板に塗布した接着剤を、回転数が8000rpmで、時間が30sで振り切り、温度が160℃の高温オーブン内で20min乾燥し、次に、当該基板にさらに塗布したポジ型フォトレジストを、回転数が5000rpmで振り切り、最後に、温度が80℃の高温オーブン内で10min乾燥し、フォトエッチングによりn型電極のパターンを取得する。
【0058】
DQ−500プラズマレジスト剥離装置によりパターン領域における現像し切らないフォトレジスト被膜を除去し、当該工程は剥離の歩留まりを大きく向上し、その後、VPC−1000電子ビーム蒸着装置によりTi/Al/Ti/Auの四層の金属を堆積する。
アセトンに40min以上浸漬した後、超音波処理を行い、その後、窒素ガスで吹いて乾燥する。基板を高速焼鈍炉内に入れ、まず、焼鈍炉内に窒素ガスを約10min導入し、次に、窒素ガス雰囲気で、温度が870℃の条件下、40sの高温焼鈍を行い、n型電極を形成する。
【0059】
工程4:p型GaNキャップ層にp型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより電極のパターン領域にp型オーミックコンタクト金属を蒸着し、p型電極を形成する。
まず、基板に塗布した接着剤を、レジストスピンナの回転数が8000rpmで、時間が30sで振り切り、それを温度が160℃の高温オーブン内で20min乾燥し、次に、当該基板にさらに塗布したポジ型フォトレジストを、レジストスピンナの回転数が5000rpmで振り切り、温度が80℃の高温オーブン内に入れて10min乾燥し、フォトエッチングによりp型電極のパターンを取得する。
【0060】
DQ−500プラズマレジスト剥離装置によりパターン領域における現像し切らないフォトレジスト被膜を除去し、VPC−1100電子ビーム蒸着装置によりp型電極のパターンにNi/Auの両層の金属をp型電極として蒸着する。
上述の処理を行った基板をアセトンに入れて20min以上浸漬した後、超音波処理を行い、その後、窒素ガスで吹いて乾燥し、その後、当該基板を高速焼鈍炉内に入れ、空気雰囲気で、温度が560℃の条件下、高温焼鈍を10min行い、p型電極を形成し、装置の製造を完成する。
【0061】
以上は実施例2を説明し、次に、実施例2の変化例1〜5を説明し、ここに、同一の工程の説明を省略した。
(実施例2の変化例1)
本変化例(図3B参照)と実施例2との相違点は、装置の製造工程の工程2の(2)において、ICPによりp型GaNキャップ層を高Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドを形成することにある。エッチングの深さが135nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが450Wで、バイアス電圧が60Vで、圧力が2Paで、エッチング時間が140sである。
【0062】
(実施例2の変化例2)
本変化例(図3B参照)と実施例2との相違点は、装置の製造工程の工程2の(2)において、ICPによりp型GaNキャップ層を高Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドを形成することにある。エッチングの深さが135nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが600Wで、バイアス電圧が0Vで、圧力が3Paで、エッチング時間が100sである。
【0063】
(実施例2の変化例3)
本変化例(図3C参照)と実施例2との相違点は、以下の通りである。
装置の製造工程において、
工程1:p型GaNキャップ層に円形ウインドをフォトエッチングし、RIEによりウインドを高Al組成のp型AlGaNバリア層まで二次エッチングし、円柱状のウインドAを形成する。
【0064】
(1)基板の表面にフォトレジストを塗布し、回転数が5000rpmのレジストスピンナでレジストを振り切り、その後、90℃のオーブン内で15min乾燥し、フォトエッチング及び現像によりエッチングに必要なウインドを形成する。
(2)RIEによりp型GaNキャップ層を高Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、底部がp型AlGaNバリア層にある円柱状のウインドを形成する。エッチングの深さが135nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが150Wで、バイアス電圧が230Vで、圧力が10mTで、エッチング時間が240sである。
【0065】
工程2:ICP又はRIEプロセスによりp型GaNキャップ層にテーブル面をn型AlGaN層までエッチングする。
電子ビーム蒸着装置により厚みが約300nmのSiO層をエッチングマスク層として堆積する。AlGaN材料に対するエッチングレートが比較的に遅いので、当該工程を増加することは、基板上にSiOとフォトレジストが共同で機能する二重層マスクパターンを形成することにより、エッチングしない領域の表面を保護するのに有利となるからである。
【0066】
基板に塗布したポジ型フォトレジストを、回転数が5000rpmで振り切り、その後、温度が90℃のオーブン内で15min乾燥し、フォトエッチング及び現像によりエッチングに必要なウインドを形成する。
ICPドライエッチングによりテーブル面を形成し、エッチング時に用いられる電極パワーが550Wで、バイアス電圧が110Vで、圧力が1.5Paで、エッチング時間が400sである。
【0067】
アセトンにより、エッチング後のポジ型フォトレジストを除去し、その後、BOEに1min浸漬してSiOマスクを除去し、最後に、脱イオン水により洗浄し窒素ガスで吹いて乾燥し、エッチング後のマスク層を除去する。
(実施例2の変化例4)
本変化例と実施例1の変化例3との相違点は、装置の製造工程の工程1の(2)において、RIEによりp型GaNキャップ層を高Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、底部がp型AlGaNバリア層にある円柱状のウインドを形成することにある。エッチングの深さが135nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが320Wで、バイアス電圧が410Vで、圧力が8mTで、エッチング時間が180sである。
【0068】
(実施例2の変化例5)
本変化例と実施例1の変化例3との相違点は、装置の製造工程の工程1の(2)において、RIEによりp型GaNキャップ層を高Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、底部がp型AlGaNバリア層にある円柱状のウインドを形成することにある。エッチングの深さが135nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが400Wで、バイアス電圧が550Vで、圧力が5mTで、エッチング時間が100sである。
【0069】
(実施例3)
以下、図4を参照しながら、図1Aに示す基板がSiC基板でウインドが円錐状である紫外光LED装置を製造する製造方法を説明する。SiC基板1に、ICPドライエッチングとウェットエッチングにより円錐状に類似するウインドを製造する。その工程は以下の通りである。
【0070】
工程1:MOCVDプロセスによりSiC基板に低温AlN核層2を成長する。
基板の温度を600℃まで低下し、成長圧力を50Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量28μmol/minのアルミニウム源を導入し、厚み10nmの低温AlN核層を成長する。
【0071】
工程2:低温AlN核層2に高温AlN核層3を成長する。
成長温度を1050℃まで昇温し、成長圧力を50Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量28μmol/minのアルミニウム源を導入し、厚み280nmの高温AlN核層を成長する。
【0072】
工程3:高温AlN核層3にAlGaNエピタキシャル層4を成長する。
成長温度を1050℃に保持し、成長圧力を110Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量50μmol/minのアルミニウム源及び80μmol/minのガリウム源を導入し、厚み1500nmのノンドーピングAlGaNエピタキシャル層を成長する。
【0073】
工程4:AlGaNエピタキシャル層4にSiドーピングn型AlGaNバリア層5を成長する。
成長温度を1050℃に保持し、成長圧力を110Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量60μmol/minのアルミニウム源、70μmol/minのガリウム源、及び1〜3μmol/minのSi源を同時に導入し、厚み700nmのSiドーピングAlGaNバリア層を成長する。
【0074】
工程5:n型AlGaNバリア層5に多重量子井戸AlGa1−xN/AlGa1−yN層6(x<y)を成長する。
成長温度を1050℃に保持し、成長圧力を130Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量60μmol/minのアルミニウム源及び80μmol/minのガリウム源を同時に導入し、厚み2〜7nmのAlGa1−xNバリア層を成長する。成長温度を1050℃に保持し、成長圧力を70Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量80μmol/minのアルミニウム源、及び60μmol/minのガリウム源を同時に導入し、厚み2〜10nmのAlGa1−yNバリア層を成長し、量子井戸の周期は3〜5個である。
【0075】
工程6:多重量子井戸AlGa1−xN/AlGa1−yN層6に40%〜60%の高Al組成のp型AlGaNバリア層7を成長する。
成長温度を1000℃に保持し、成長圧力を100Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量110μmol/minのアルミニウム源、70μmol/minのガリウム源、及び3〜5μmol/minのMg源を同時に導入し、厚み60nmの高Al組成のp型AlGaNバリア層を成長する。
【0076】
工程7:p型AlGaNバリア層7に10%〜25%の低Al組成のp型AlGaNバリア層8を成長する。
成長温度を1000℃に保持し、成長圧力を100Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量90μmol/minのアルミニウム源、130μmol/minのガリウム源、及び3〜5μmol/minのMg源を同時に導入し、厚み60nmの低Al組成のp型AlGaNバリア層を成長する。
【0077】
工程8:上記低Al組成のp型AlGaNバリア層8にp型GaNキャップ層9を成長する。
成長温度を950℃に保持し、成長圧力を70Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量70μmol/minのガリウム源、及び3〜5μmol/minのMg源を同時に導入し、厚み60nmのp型GaNキャップ層を成長する。
【0078】
工程9:p型GaNキャップ層9に円形ウインドをフォトエッチングし、ICPによりウインドを高Al組成のp型AlGaNバリア層7までエッチングする。
(9a)ウインドのフォトエッチング:基板に塗布したポジ型フォトレジストを、回転数が5000rpmで振り切り、その後、90℃のオーブン内で15min乾燥し、フォトエッチング及び現像によりエッチングに必要なウインドを形成する。
【0079】
(9b)ウインドのICPエッチング:ICPによりp型GaNキャップ層を高Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドを形成する。エッチングの深さが140nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが200Wで、バイアス電圧が100Vで、圧力が1Paで、エッチング時間が200sである。
【0080】
工程10:形成した円柱状ウインドをNaOH溶液によりウェットエッチングし、円錐状に類似するウインド10を形成する。
二次エッチングした基板を、100℃のNaOH溶液に入れてウェットエッチングし、時間が4minであり、ウインドが円柱状から円錐状に類似する形状になり、装置全体のウインドを拡大する。
【0081】
工程11:n型SiC基板1の裏面にn型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより電極のパターン領域にn型オーミックコンタクト金属を蒸着し、n型電極を形成する。
(11a)n型電極のパターンのフォトエッチング:金属がもっとよく剥離するように、まず、基板に塗布した接着剤を、回転数が8000rpmで、時間が30sで振り切り、温度が160℃の高温オーブン内で20min乾燥し、次に、当該基板にさらに塗布したポジ型フォトレジストを、回転数が5000rpmで振り切り、最後に、温度が80℃の高温オーブン内で10min乾燥し、フォトエッチングによりn型電極のパターンを取得する。
【0082】
(11b)ベース膜の除去:DQ−500プラズマレジスト剥離装置によりパターン領域における現像し切らないフォトレジスト被膜を除去し、当該工程は剥離の歩留まりを大きく向上する。
(11c)n型電極金属の蒸着:VPC−1000電子ビーム蒸着装置によりNi/Auの両層の金属を堆積する。
【0083】
(11d)n型金属の剥離及び焼鈍:アセトンに40min以上浸漬した後、超音波処理を行い、その後、基板を高速焼鈍炉内に入れ、まず、焼鈍炉内に窒素ガスを約10min導入し、次に、窒素ガス雰囲気で、温度が950℃の条件下、70sの高温焼鈍を行い、n型電極を形成する。
工程12:p型GaNキャップ層9にp型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより電極のパターン領域にp型オーミックコンタクト金属を蒸着し、p型電極を形成する。
【0084】
(12a)p型電極のパターンのフォトエッチング:まず、基板に塗布した接着剤を、レジストスピンナの回転数が8000rpmで、時間が30sで振り切り、それを温度が160℃の高温オーブン内で20min乾燥し、次に、当該基板にさらに塗布したポジ型フォトレジストを、レジストスピンナの回転数が5000rpmで振り切り、温度が80℃の高温オーブン内に入れて10min乾燥し、フォトエッチングによりp型電極のパターンを取得する。
【0085】
(12b)VPC−1100電子ビーム蒸着装置によりp型電極のパターンにNi/Auの両層の金属をp型電極として蒸着する。
(12c)上述の処理を行った基板をアセトンに入れて20min以上浸漬した後、超音波処理を行い、その後、窒素ガスで吹いて乾燥し、その後、当該基板を高速焼鈍炉内に入れ、空気雰囲気で、温度が560℃の条件下、10minの高温焼鈍を行い、p型電極を形成し、装置の製造を完成する。
【0086】
以上は実施例3を説明し、次に、実施例3の変化例1〜5を説明し、ここに、同一の工程の説明を省略した。
(実施例3の変化例1)
本変化例と実施例3は、工程1〜8、工程11〜12が略同一であり、その相違点は、以下の通りである。
【0087】
工程9の(9b)において、ウインドのICPエッチング:ICPによりp型GaNキャップ層を高Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドを形成する。エッチングの深さが140nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる上部電極パワーが400Wで、バイアス電圧が50Vで、圧力が2Paで、エッチング時間が150sである。
【0088】
工程10において、二次エッチングした基板を、130℃のNaOH溶液に入れてウェットエッチングし、時間が2minであり、ウインドが円柱状から円錐状に類似する形状になり、装置全体のウインドを拡大する。
(実施例3の変化例2)
本変化例と実施例3は、工程1〜8、工程11〜12が略同一であり、その相違点は、以下の通りである。
【0089】
工程9の(9b)において、ウインドのICPエッチング:ICPによりp型GaNキャップ層を高Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドを形成する。エッチングの深さが140nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる上部電極パワーが600Wで、バイアス電圧が0Vで、圧力が3Paで、エッチング時間が100sである。
【0090】
工程10において、二次エッチングした基板を、150℃のNaOH溶液に入れてウェットエッチングし、時間が1minであり、ウインドが円柱状から円錐状に類似する形状になり、装置全体のウインドを拡大する。
(実施例3の変化例3)
本変化例と実施例3との同一の工程については、その具体的な説明を省略した。SiC基板に、RIEドライエッチングとウェットエッチングにより円錐状に類似するウインドを製造する。その工程は以下の通りである。
【0091】
工程1〜8は実施例3と略同一であり、その具体的な説明を省略した。
工程9:p型GaNキャップ層9に円形ウインドをフォトエッチングし、RIEによりウインドを高Al組成のp型AlGaNバリア層7までエッチングする。
(9a)基板の表面にフォトレジストを塗布し、回転数が5000rpmであり、回転数が5000rpmのレジストスピンナでレジストを振り切り、その後、90℃のオーブン内で15min乾燥し、フォトエッチング及び現像によりエッチングに必要なウインドを形成する。
【0092】
(9b)RIEによりp型GaNキャップ層を高Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、底部がp型AlGaNバリア層にある円柱状のウインドを形成する。エッチングの深さが140nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが50Wで、バイアス電圧が100Vで、圧力が10mTで、エッチング時間が200sである。
【0093】
工程10において、二次エッチングした基板を、100℃のNaOH溶液に入れてウェットエッチングし、時間が4minであり、ウインドが円柱状から円錐状に類似する形状になり、装置全体のウインドを拡大する。
工程11〜12は実施例3と略同一であり、その具体的な説明を省略した。
(実施例3の変化例4)
本変化例と実施例3の変化例3は、工程1〜8、工程11〜12が同一であり、その相違点は、以下の通りである。
【0094】
工程9の(9b)において、RIEによりp型GaNキャップ層を高Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドを形成する。エッチングの深さが140nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが300Wで、バイアス電圧が400Vで、圧力が7mTで、エッチング時間が150sである。
【0095】
工程10において、二次エッチングした基板を、120℃のNaOH溶液に入れてウェットエッチングし、時間が2minであり、ウインドが円柱状から円錐状に類似する形状になり、装置全体のウインドを拡大する。
(実施例3の変化例5)
本変化例と実施例3の変化例3は、工程1〜8、工程11〜12が同一であり、その相違点は、以下の通りである。
【0096】
工程9の(9b)において、RIEによりp型GaNキャップ層を高Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドを形成する。エッチングの深さが140nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが500Wで、バイアス電圧が600Vで、圧力が5mTで、エッチング時間が100sである。
【0097】
工程10において、二次エッチングした基板を、150℃のNaOH溶液に入れてウェットエッチングし、時間が1minであり、ウインドが円柱状から円錐状に類似する形状になり、装置全体のウインドを拡大する。
(実施例4)
以下、図5を参照しながら、図1Bに示す基板がサファイア基板でウインドが円錐状である紫外光LED装置を製造する製造方法を説明する。サファイア基板に、ICPドライエッチングとウェットエッチングにより円錐状に類似するウインドを製造する。その工程は以下の通りである。
【0098】
工程1:MOCVDプロセスによりサファイア基板に低温AlN核層2を成長する。
プロセス及び流れは、実施例3の工程1と略同一である。
工程2〜工程8は、実施例3の工程2〜工程8と略同一である。
工程9:p型GaNキャップ層9にICP又はRIEプロセスによりテーブル面をn型AlGaNバリア層5までエッチングする。
【0099】
(9a)二酸化珪素SiOの堆積:電子ビーム蒸着装置により厚みが約300nmのSiO層を堆積する。AlGaN材料に対するエッチングレートが比較的に遅いので、当該工程を増加することは、基板上にSiOとフォトレジストが共同で機能する二重層マスクパターンを形成することにより、エッチングしない領域の表面を保護するのに有利となるからである。
【0100】
(9b)テーブル面のフォトエッチング:基板に塗布したポジ型フォトレジストを、回転数が5000rpmで振り切り、その後、温度が90℃のオーブン内で15min乾燥し、フォトエッチング及び現像によりエッチングに必要なウインドを形成する。
(9c)ICPエッチング:ICPドライエッチングによりテーブル面を形成する。エッチング時に用いられる電極パワーが550Wで、バイアス電圧が110Vで、圧力が1.5Paで、エッチング時間が400sである。
【0101】
(9d)エッチング後のマスクの除去:アセトンによりエッチング後のポジ型フォトレジストを除去し、その後、BOEに1min浸漬してSiOマスクを除去し、最後に、脱イオン水により洗浄し窒素ガスで吹いて乾燥する。
工程10:p型GaNキャップ層9に円形ウインドをフォトエッチングし、ICPによりウインドを高Al組成のp型AlGaNバリア層7まで二次エッチングする。プロセス及び流れは、実施例3の工程9と略同一である。
【0102】
工程11:形成した円柱状ウインドをNaOH溶液によりウェットエッチングし、円錐状に類似するウインド10を形成する。
二次エッチングした基板を、80℃のNaOH溶液に入れてウェットエッチングし、時間が2minであり、ウインドが円柱状から円錐状に類似する形状になり、装置全体のウインドを拡大する。
【0103】
工程12:n型AlGaNバリア層5にn型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより電極のパターン領域にn型オーミックコンタクト金属を蒸着し、n型電極を形成する。
(12a)金属がもっとよく剥離するように、まず、基板に塗布した接着剤を、回転数が8000rpmのレジストスピンナで30s振り切り、温度が160℃の高温オーブン内で20min乾燥し、次に、当該基板の表面にフォトレジストを塗布し、回転数が5000rpmのレジストスピンナでレジストを振り切り、最後に、温度が80℃の高温オーブン内で10min乾燥し、フォトエッチングによりn型電極のパターンを取得する。
【0104】
(12b)DQ−500プラズマレジスト剥離装置によりパターン領域における現像し切らないフォトレジスト被膜を除去し、当該工程は剥離の歩留まりを大きく向上する。
(12c)VPC−1000電子ビーム蒸着装置によりTi/Al/Ti/Auの四層の金属をn型電極として堆積する。
(12d)アセトンに40min以上浸漬した後、超音波処理を行い、その後、窒素ガスで吹いて乾燥し、基板を高速焼鈍炉内に入れ、まず、焼鈍炉内に窒素ガスを10min導入し、次に、窒素ガス雰囲気で、温度が870℃の条件下、40sの高温焼鈍を行い、n型電極を形成する。
【0105】
工程13:p型GaNキャップ層9にp型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより電極のパターン領域にp型オーミックコンタクト金属を蒸着し、p型電極を形成する。
(13a)まず、基板に塗布した接着剤を、回転数が8000rpmのレジストスピンナで30s振り切り、さらに、それを温度が160℃の高温オーブン内に入れて20min乾燥し、次に、当該基板に塗布したポジ型フォトレジストを、回転数が5000rpmのレジストスピンナで振り切り、温度が80℃の高温オーブン内に入れて10min乾燥し、フォトエッチングによりp型電極のパターンを取得する。
【0106】
(13b)VPC−1100電子ビーム蒸着装置によりp型電極のパターンにNi/Auの両層の金属をp型電極として蒸着する。
(13c)上述の処理を行った基板をアセトンに入れて20min浸漬し、超音波処理を行い、その後、窒素ガスで吹いて乾燥し、その後、当該基板を高速焼鈍炉内に入れ、空気雰囲気で、温度が560℃の条件下、10minの高温焼鈍を行い、p型電極を形成し、装置の製造を完成する。
【0107】
以上は実施例4を説明し、次に、実施例4の変化例1〜5を説明し、ここに、同一の工程の説明を省略した。
(実施例4の変化例1)
本変化例と実施例4は、工程1〜9、工程12〜13が略同一であり、その相違点は、以下の通りである。
【0108】
工程10の(10b)において、ウインドのICPエッチング:ICPによりp型GaNキャップ層を高Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドを形成する。エッチングの深さが140nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる上部電極パワーが400Wで、バイアス電圧が50Vで、圧力が2Paで、エッチング時間が150sである。
【0109】
工程11において、二次エッチングした基板を、100℃のNaOH溶液に入れてウェットエッチングし、時間が1minであり、ウインドが円柱状から円錐状に類似する形状になり、装置全体のウインドを拡大する。
(実施例4の変化例2)
本変化例と実施例4は、工程1〜9、工程12〜13が略同一であり、その相違点は、以下の通りである。
【0110】
工程10の(10b)において、ウインドのICPエッチング:ICPによりp型GaNキャップ層を高Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドを形成する。エッチングの深さが140nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる上部電極パワーが600Wで、バイアス電圧が0Vで、圧力が3Paで、エッチング時間が100sである。
【0111】
工程11において、二次エッチングした基板を、120℃のNaOH溶液に入れてウェットエッチングし、時間が0.5minであり、ウインドが円柱状から円錐状に類似する形状になり、装置全体のウインドを拡大する。
(実施例4の変化例3)
本変化例と実施例4との同一の工程については、その具体的な説明を省略した。
【0112】
サファイア基板に、RIEドライエッチングとウェットエッチングにより円錐状に類似するウインドを製造する。その工程は以下の通りである。
工程1:MOCVDプロセスによりサファイア基板1に低温AlN核層2を成長する。
プロセス及び流れは、実施例3の変化例3の工程1と略同一である。
工程2〜工程9は、実施例4の工程2〜工程9と略同一である。
【0113】
工程10:p型GaNキャップ層9に円形ウインドをフォトエッチングし、RIEによりウインドを高Al組成のp型AlGaNバリア層7まで二次エッチングする。
(10a)基板の表面にフォトレジストを塗布し、回転数が5000rpmのレジストスピンナでレジストを振り切り、その後、90℃のオーブン内で15min乾燥し、フォトエッチング及び現像によりエッチングに必要なウインドを形成する。
【0114】
(10b)RIEによりp型GaNキャップ層を高Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、底部がp型AlGaNバリア層にある円柱状のウインドを形成する。エッチングの深さが140nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが50Wで、バイアス電圧が100Vで、圧力が10mTで、エッチング時間が200sである。
【0115】
工程11:形成した円柱状ウインドをNaOH溶液によりウェットエッチングし、円錐状に類似するウインド10を形成する。
二次エッチングした基板を、80℃のNaOH溶液に入れて2minウェットエッチングし、ウインドが円柱状から円錐状に類似する形状になり、装置全体のウインドを拡大する。
【0116】
工程12〜13は実施例4の工程12〜13と略同一である。
(実施例4の変化例4)
本変化例と実施例4の変化例3は、工程1〜9、工程12〜13が同一であり、その相違点は、以下の通りである。
工程10の(10b)において、RIEによりp型GaNキャップ層を高Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドを形成する。エッチングの深さが140nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが300Wで、バイアス電圧が400Vで、圧力が7mTで、エッチング時間が150sである。
【0117】
工程11において、二次エッチングした基板を、100℃のNaOH溶液に入れてウェットエッチングし、時間が1minであり、ウインドが円柱状から円錐状に類似する形状になり、装置全体のウインドを拡大する。
(実施例4の変化例5)
本変化例と実施例4の変化例3は、工程1〜9、工程12〜13が同一であり、その相違点は、以下の通りである。
【0118】
工程10の(10b)において、RIEによりp型GaNキャップ層を高Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドを形成する。エッチングの深さが140nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが500Wで、バイアス電圧が600Vで、圧力が5mTで、エッチング時間が100sである。
【0119】
工程11において、二次エッチングした基板を、120℃のNaOH溶液に入れてウェットエッチングし、時間が0.5minであり、ウインドが円柱状から円錐状に類似する形状になり、装置全体のウインドを拡大する。
(実施例5)
以下、図6A〜図6Cを参照しながら、図1Cに示す基板がSiC基板でウインドが半球状である紫外光LED装置を製造する製造方法を説明する。この方法は、材料成長、ウインド製造及び電極製造の三つの部分を含む。
【0120】
まず、図6Aは材料の成長工程を示す:
工程1:MOCVDプロセスによりSiC基板に低温AlN核層を成長する。
基板の温度を600℃まで低下し、成長圧力を50Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量23μmol/minのアルミニウム源を導入し、厚み7nmの低温AlN核層を成長する。
【0121】
工程2:低温AlN核層に高温AlN核層を成長する。
成長温度を1050℃まで昇温し、成長圧力を50Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量26μmol/minのアルミニウム源を導入し、厚み50nmの高温AlN核層を成長する。
【0122】
工程3:高温AlN核層にAlGaNエピタキシャル層を成長する。
成長温度を1050℃に保持し、成長圧力を110Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量42μmol/minのアルミニウム源及び75μmol/minのガリウム源を導入し、厚み800nmのノンドーピングAlGaNエピタキシャル層を成長する。
【0123】
工程4:AlGaNエピタキシャル層にSiドーピングn型AlGaNバリア層を成長する。
成長温度を1050℃に保持し、成長圧力を110Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量55μmol/minのアルミニウム源、60μmol/minのガリウム源、及び2〜4μmol/minのSi源を同時に導入し、厚み500nmのSiドーピングAlGaNバリア層を成長する。
【0124】
工程5:n型AlGaNバリア層に多重量子井戸AlGa1−xN/AlGa1−yN層(x<y)を成長する。
成長温度を1050℃に保持し、成長圧力を120Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量65μmol/minのアルミニウム源及び80μmol/minのガリウム源を同時に導入し、厚み2〜7nmのAlGa1−xNポテンシャル井戸層を成長する。成長温度を1050℃に保持し、成長圧力を70Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量80μmol/minのアルミニウム源、65μmol/minのガリウム源を同時に導入し、厚み2〜10nmのAlGa1−yNバリア層を成長し、量子井戸の周期は3〜5個である。
【0125】
工程6:多重量子井戸AlGa1−xN/AlGa1−yN層に40%〜60%の高Al組成のp型AlGaNバリア層を成長する。
成長温度を1000℃に保持し、成長圧力を100Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量110μmol/minのアルミニウム源、80μmol/minのガリウム源、及び3〜5μmol/minのMg源を同時に導入し、厚み65nmの高Al組成のp型AlGaNバリア層を成長する。
【0126】
工程7:p型バリア層に10%〜25%の低Al組成のp型AlGaNバリア層を成長する。
成長温度を1000℃に保持し、成長圧力を100Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量70μmol/minのアルミニウム源、110μmol/minのガリウム源、及び3〜5μmol/minのMg源を同時に導入し、厚み60nmの低Al組成のp型AlGaNバリア層を成長する。
【0127】
工程8:上記低Al組成のp型AlGaNバリア層にp型GaNキャップ層を成長する。
成長温度を950℃に保持し、成長圧力を70Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量70μmol/minのガリウム源、及び3〜5μmol/minのMg源を同時に導入し、厚み60nmのp型GaNキャップ層を成長する。
【0128】
次に、図6Bはウインドの製造工程を示す:
工程1:p型GaNキャップ層に円形ウインドをフォトエッチングし、ICPによりウインドを低Al組成のp型AlGaNバリア層の厚みの半分までエッチングし、円柱状のウインドを形成する。
(1)基板に塗布したポジ型フォトレジストを、回転数が5000rpmで振り切り、その後、90℃のオーブン内で15min乾燥し、フォトエッチング及び現像によりエッチングに必要なウインドを形成する。
【0129】
(2)ICPによりp型GaNキャップ層を低Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドAを形成する。エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングの深さが90nmであり、エッチングに用いられる電極パワーが180Wで、バイアス電圧が150Vで、圧力が1Paで、エッチング時間が230sである。
【0130】
工程2:紫外光支援ウエットエッチングプロセスにより、略半球状のウインドWを形成する。
(1)n型AlGaNテーブル面とp型GaNキャップ層に、ウェットエッチングのマスクパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより、マスクパターン領域にウェットエッチングマスク金属層Tiを蒸着する。
【0131】
(2)基板を70℃のKOH溶液に入れて3min浸漬し、ウェットエッチング前の前処理を行う。
(3)KOH電解液を用いて基板に対し紫外光支援ウエットエッチングを行い、そのウェットエッチングプロセスのパラメータはそれぞれ、325nmのHe−Cdレーザ光照射、−2Vのバイアス電圧、15minのエッチング時間であり、略半球状のウィンドを形成する。
【0132】
(4)最後に、基板を1:10のHF溶液に入れて金属マスク層Tiを水洗し除去する。
次に、図6Cは電極の製造工程を示す:
1)n型SiC基板の裏面にn型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより電極のパターン領域にn型オーミックコンタクト金属を蒸着し、n型電極を形成する。
【0133】
金属がもっとよく剥離するように、まず、基板に塗布した接着剤を、回転数が8000rpmで、時間が30sで振り切り、温度が160℃の高温オーブン内で20min乾燥し、その後、当該基板に塗布したポジ型フォトレジストを、回転数が5000rpmで振り切り、最後に、温度が80℃の高温オーブン内で10min乾燥し、フォトエッチングによりn型電極のパターンを取得する。
【0134】
DQ−500プラズマレジスト剥離装置によりパターン領域における現像し切らないフォトレジスト被膜を除去し、当該工程は剥離の歩留まりを大きく向上し、その後、VPC−1000電子ビーム蒸着装置によりNi/Auの両層の金属を堆積する。
アセトンに40min以上浸漬した後、超音波処理を行い、その後、窒素ガスで吹いて乾燥する。基板を高速焼鈍炉内に入れ、まず、焼鈍炉内に窒素ガスを約10min導入し、その後、窒素ガス雰囲気で、温度が1000℃の条件下、60sの高温焼鈍を行い、n型電極を形成する。
【0135】
2)p型GaNキャップ層にp型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより電極のパターン領域にp型オーミックコンタクト金属を蒸着し、p型電極を形成する。
まず、基板に塗布した接着剤を、レジストスピンナの回転数が8000rpmで、時間が30sで振り切り、それを温度が160℃の高温オーブン内に入れて20min乾燥し、その後、当該基板に塗布したポジ型フォトレジストを、レジストスピンナの回転数が5000rpmで振り切り、温度が80℃の高温オーブン内に入れて10min乾燥し、フォトエッチングによりp型電極のパターンを取得する。
【0136】
次に、DQ−500プラズマレジスト剥離装置によりパターン領域における現像し切らないフォトレジスト被膜を除去し、VPC−1100電子ビーム蒸着装置によりp型電極のパターンにNi/Auの両層の金属をp型電極として蒸着する。
最後に、上述の処理を行った基板をアセトンに入れて20min以上浸漬した後、超音波処理を行い、窒素ガスで吹いて乾燥し、その後、当該基板を高速焼鈍炉内に入れ、空気雰囲気で、温度が600℃の条件下、10minの高温焼鈍を行い、p型電極を形成し、装置の製造を完成する。
【0137】
以上は実施例5を説明し、次に、実施例5の変化例1〜5を説明し、ここに、同一の工程の説明を省略した。
(実施例5の変化例1)
本変化例と実施例5との相違点は、以下の通りである。
装置の製造工程の工程1の(2)において、ICPによりp型GaNキャップ層を低Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドを形成する。エッチングの深さが90nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが400Wで、バイアス電圧が90Vで、圧力が2Paで、エッチング時間が160sである。
【0138】
装置の製造工程の工程2の(3)において、KOH電解液を用いて基板に対し紫外光支援ウエットエッチングを行い、そのウェットエッチングプロセスのパラメータはそれぞれ、325nmのHe−Cdレーザ光照射、−3Vのバイアス電圧、12minのエッチング時間であり、略半球状のウィンドを形成する。
3.電極の製造工程:当該電極の製造工程は実施例5と同一である。
【0139】
(実施例5の変化例2)
本変化例と実施例5との相違点は、以下の通りである。
装置の製造工程の工程1の(2)において、ICPによりp型GaNキャップ層を低Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドを形成する。エッチングの深さが90nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが600Wで、バイアス電圧が0Vで、圧力が3Paで、エッチング時間が100sである。
【0140】
装置の製造工程の工程2の(3)において、KOH電解液を用いて基板に対し紫外光支援ウエットエッチングを行い、そのウェットエッチングプロセスのパラメータはそれぞれ、325nmのHe−Cdレーザ光照射、−4Vのバイアス電圧、10minのエッチング時間であり、略半球状のウィンドを形成する。
3.電極の製造工程:当該電極の製造工程は実施例5と同一である。
【0141】
(実施例5の変化例3)
本変化例と実施例5との相違点は、以下の通りである。
装置の製造工程において、
工程1:p型GaNキャップ層に円形ウインドをフォトエッチングし、RIEによりウインドを低Al組成のp型AlGaNバリア層の厚みの半分までエッチングし、円柱状のウインドを形成する。
【0142】
(1)基板にフォトレジストを塗布し、回転数が5000rpmのレジストスピンナでレジストを振り切り、その後、90℃のオーブン内で15min乾燥し、フォトエッチング及び現像によりエッチングに必要なウインドを形成する。
(2)RIEによりp型GaNキャップ層を低Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドAを形成する。エッチングの深さが90nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが80Wで、バイアス電圧が210Vで、圧力が10mTで、エッチング時間が210sである。
【0143】
工程2:紫外光支援ウエットエッチングプロセスにより、略半球状のウインドWを形成する。
(1)n型AlGaNテーブル面とp型GaNキャップ層に、ウェットエッチングのマスクパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより、マスクパターン領域にウェットエッチングマスク金属層Tiを蒸着する。
【0144】
(2)基板を80℃のKOH溶液に入れて3min浸漬し、ウェットエッチング前の前処理を行う。
(3)KOH電解液を用いて基板に対し紫外光支援ウエットエッチングを行い、そのウェットエッチングプロセスのパラメータはそれぞれ、325nmのHe−Cdレーザ光照射、−4Vのバイアス電圧、13minのエッチング時間であり、略半球状のウィンドを形成する。
【0145】
(4)基板を1:10のHF溶液に入れて金属マスク層Tiを水洗し除去する。
(実施例5の変化例4)
本変化例と実施例5の変化例3との相違点は、以下の通りである。
装置の製造工程の工程1の(2)において、RIEによりp型GaNキャップ層を低Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドを形成する。エッチングの深さが90nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが350Wで、バイアス電圧が485Vで、圧力が7mTで、エッチング時間が155sである。
【0146】
工程2の(3)において、KOH電解液を用いて基板に対し紫外光支援ウエットエッチングを行い、そのウェットエッチングプロセスのパラメータはそれぞれ、325nmのHe−Cdレーザ光照射、−5Vのバイアス電圧、10minのエッチング時間であり、略半球状のウィンドを形成する。
(実施例5の変化例5)
本変化例と実施例5の変化例3との相違点は、以下の通りである。
【0147】
装置の製造工程の工程1の(2)において、RIEによりp型GaNキャップ層を低Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドを形成する。エッチングの深さが90nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが400Wで、バイアス電圧が620Vで、圧力が5mTで、エッチング時間が80sである。
【0148】
工程2の(3)において、KOH電解液を用いて基板に対し紫外光支援ウエットエッチングを行い、そのウェットエッチングプロセスのパラメータはそれぞれ、325nmのHe−Cdレーザ光照射、−6Vのバイアス電圧、8minのエッチング時間であり、略半球状のウィンドを形成する。
(実施例6)
以下、図7A〜図7Cを参照しながら、図1Dに示す基板がサファイア基板でウインドが半球状である紫外光LED装置を製造する製造方法を説明する。この方法は、材料成長、ウインド製造及び電極製造の三つの部分を含む。
【0149】
まず、図7Aは材料の成長工程を示す:
1.図2を参照すると、材料の成長工程は以下の通りである。
工程1:MOCVDプロセスによりサファイア基板に低温AlN核層を成長する。
基板の温度を600℃まで低下し、成長圧力を50Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量23μmol/minのアルミニウム源を導入し、厚み7nmの低温AlN核層を成長する。
【0150】
工程2:低温AlN核層に高温AlN核層を成長する。
成長温度を1050℃まで昇温し、成長圧力を50Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量26μmol/minのアルミニウム源を導入し、厚み180nmの高温AlN核層を成長する。
【0151】
工程3:高温AlN核層にAlGaNエピタキシャル層を成長する。
成長温度を1050℃に保持し、成長圧力を110Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量42μmol/minのアルミニウム源及び75μmol/minのガリウム源を導入し、厚み1300nmのノンドーピングAlGaNエピタキシャル層を成長する。
【0152】
工程4:AlGaNエピタキシャル層にSiドーピングn型AlGaNバリア層を成長する。
成長温度を1050℃に保持し、成長圧力を110Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量55μmol/minのアルミニウム源、60μmol/minのガリウム源、及び2〜4μmol/minのSi源を同時に導入し、厚み600nmのSiドーピングAlGaNバリア層を成長する。
【0153】
工程5:n型AlGaNバリア層に多重量子井戸AlGa1−xN/AlGa1−yN層(x<y)を成長する。
成長温度を1050℃に保持し、成長圧力を120Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量65μmol/minのアルミニウム源及び80μmol/minのガリウム源を同時に導入し、厚み2〜7nmのAlGa1−xNポテンシャル井戸層を成長する。成長温度を1050℃に保持し、成長圧力を70Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量80μmol/minのアルミニウム源、65μmol/minのガリウム源を同時に導入し、厚み2〜10nmのAlGa1−yNバリア層を成長し、量子井戸の周期は3〜5個である。
【0154】
工程6:多重量子井戸AlGa1−xN/AlGa1−yN層に40%〜60%の高Al組成のp型AlGaNバリア層を成長する。
成長温度を1000℃に保持し、成長圧力を100Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量110μmol/minのアルミニウム源、80μmol/minのガリウム源、及び3〜5μmol/minのMg源を同時に導入し、厚み50nmの高Al組成のp型AlGaNバリア層を成長する。
【0155】
工程7:p型バリア層に10%〜25%の低Al組成のp型AlGaNバリア層を成長する。
成長温度を1000℃に保持し、成長圧力を100Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量80μmol/minのアルミニウム源、120μmol/minのガリウム源、及び3〜5μmol/minのMg源を同時に導入し、厚み60nmの低Al組成のp型AlGaNバリア層を成長する。
【0156】
工程8:上記低Al組成のp型AlGaNバリア層にp型GaNキャップ層を成長する。
成長温度を950℃に保持し、成長圧力を70Torrに保持し、水素ガスの流量を1500sccmとし、アンモニアガスの流量を1500sccmとして、反応室へ流量65μmol/minのガリウム源、及び3〜5μmol/minのMg源を同時に導入し、厚み60nmのp型GaNキャップ層を成長する。
【0157】
次に、図7Bは装置のウインドの製造工程を示す:
工程1:ICP又はRIEプロセスによりp型GaNキャップ層にテーブル面をn型AlGaN層までエッチングする。
電子ビーム蒸着装置により厚みが約300nmのSiO層をエッチングマスク層として堆積する。AlGaN材料に対するエッチングレートが比較的に遅いので、当該工程を増加することは、基板上にSiOとフォトレジストが共同で機能する二重層マスクパターンを形成することにより、エッチングしない領域の表面を保護するのに有利となるからである。
【0158】
基板に塗布したポジ型フォトレジストを、回転数が5000rpmで振り切り、その後、温度が90℃のオーブン内で15min乾燥し、フォトエッチング及び現像によりエッチングに必要なウインドを形成する。
ICPドライエッチングによりテーブル面を形成し、エッチング時に用いられる電極パワーが550Wで、バイアス電圧が110Vで、圧力が1.5Paで、エッチング時間が400sである。
【0159】
アセトンにより、エッチング後のポジ型フォトレジストを除去し、その後、BOEに1min浸漬してSiOマスクを除去し、最後に、脱イオン水により洗浄し窒素ガスで吹いて乾燥し、エッチング後のマスク層を除去する。
工程2:p型GaNキャップ層に円形ウインドをフォトエッチングし、ICPによりウインドを低Al組成のp型AlGaNバリア層の厚みの半分まで二次エッチングし、円柱状のウインドを形成する。
【0160】
(1)基板に塗布したポジ型フォトレジストを、回転数が5000rpmで振り切り、その後、90℃のオーブン内で15min乾燥し、フォトエッチング及び現像によりエッチングに必要なウインドを形成する。
(2)ICPによりp型GaNキャップ層を低Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドAを形成する。エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングの深さが90nmであり、エッチングに用いられる電極パワーが180Wで、バイアス電圧が150Vで、圧力が1Paで、エッチング時間が230sである。
【0161】
工程3:紫外光支援ウエットエッチングプロセスにより、略半球状のウインドWを形成する。
まず、n型AlGaNテーブル面とp型GaNキャップ層に、ウェットエッチングのマスクパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより、マスクパターン領域にウェットエッチングマスク金属層Tiを蒸着し、次に、それを70℃のKOH溶液に入れて3min浸漬し、ウェットエッチング前の前処理を行い、次に、KOH電解液を用いてそれに対し紫外光支援ウエットエッチングを行い、そのウェットエッチングプロセスのパラメータはそれぞれ、325nmのHe−Cdレーザ光照射、−2Vのバイアス電圧、15minのエッチング時間であり、略半球状のウィンドを形成し、最後に、それを1:10のHF溶液に入れて金属マスク層Tiを水洗し除去する。
【0162】
最後に、図7Dは電極の製造工程を示す:
1)n型AlGaN層にn型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより電極のパターン領域にn型オーミックコンタクト金属を蒸着し、n型電極を形成する。
金属がもっとよく剥離するように、まず、基板に塗布した接着剤を、回転数が8000rpmで、時間が30sで振り切り、温度が160℃の高温オーブン内で20min乾燥し、その後、当該基板に塗布したポジ型フォトレジストを、回転数が5000rpmで振り切り、最後に、温度が80℃の高温オーブン内で10min乾燥し、フォトエッチングによりn型電極のパターンを取得する。
【0163】
DQ−500プラズマレジスト剥離装置によりパターン領域における現像し切らないフォトレジスト被膜を除去し、当該工程は剥離の歩留まりを大きく向上し、その後、VPC−1000電子ビーム蒸着装置によりTi/Al/Ti/Auの四層の金属を堆積する。
アセトンに40min以上浸漬した後、超音波処理を行い、その後、窒素ガスで吹いて乾燥する。基板を高速焼鈍炉内に入れ、まず、焼鈍炉内に窒素ガスを約10min導入し、その後、窒素ガス雰囲気で、温度が870℃の条件下、40sの高温焼鈍を行い、n型電極を形成する。
【0164】
2)p型GaNキャップ層にp型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより電極のパターン領域にp型オーミックコンタクト金属を蒸着し、p型電極を形成する。
まず、基板に塗布した接着剤を、レジストスピンナの回転数が8000rpmで、時間が30sで振り切り、それを温度が160℃の高温オーブン内に入れて20min乾燥し、その後、当該基板に塗布したポジ型フォトレジストを、レジストスピンナの回転数が5000rpmで振り切り、温度が80℃の高温オーブン内に入れて10min乾燥し、フォトエッチングによりp型電極のパターンを取得する。
【0165】
次に、DQ−500プラズマレジスト剥離装置によりパターン領域における現像し切らないフォトレジスト被膜を除去し、VPC−1100電子ビーム蒸着装置によりp型電極のパターンにNi/Auの両層の金属をp型電極として蒸着する。
最後に、上述の処理を行った基板をアセトンに入れて20min以上浸漬した後、超音波処理を行い、窒素ガスで吹いて乾燥し、その後、当該基板を高速焼鈍炉内に入れ、空気雰囲気で、温度が560℃の条件下、10minの高温焼鈍を行い、p型電極を形成し、装置の製造を完成する。
【0166】
以上は実施例6を説明し、次に、実施例6の変化例1〜5を説明し、ここに、同一の工程の説明を省略した。
(実施例6の変化例1)
本変化例と実施例6との相違点は、以下の通りである。
装置の製造工程の工程2の(2)において、ICPによりp型GaNキャップ層を低Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドを形成する。エッチングの深さが90nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが400Wで、バイアス電圧が90Vで、圧力が2Paで、エッチング時間が160sである。
【0167】
装置の製造工程の工程3において、まず、n型AlGaNテーブル面とp型GaNキャップ層に、ウェットエッチングのマスクパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより、マスクパターン領域にウェットエッチングマスク金属層Tiを蒸着し、次に、それを70℃のKOH溶液に入れて3min浸漬し、ウェットエッチング前の前処理を行い、次に、KOH電解液を用いてそれに対し紫外光支援ウエットエッチングを行い、そのウェットエッチングプロセスのパラメータはそれぞれ、325nmのHe−Cdレーザ光照射、−3Vのバイアス電圧、12minのエッチング時間であり、略半球状のウィンドを形成し、最後に、それを1:10のHF溶液に入れて金属マスク層Tiを水洗し除去する。
【0168】
(実施例6の変化例2)
本変化例と実施例6との相違点は、以下の通りである。
装置の製造工程の工程2の(2)において、ICPによりp型GaNキャップ層を低Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドを形成する。エッチングの深さが90nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが600Wで、バイアス電圧が0Vで、圧力が3Paで、エッチング時間が100sである。
【0169】
装置の製造工程の工程3において、まず、n型AlGaNテーブル面とp型GaNキャップ層に、ウェットエッチングのマスクパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより、マスクパターン領域にウェットエッチングマスク金属層Tiを蒸着し、次に、それを70℃のKOH溶液に入れて3min浸漬し、ウェットエッチング前の前処理を行い、次に、KOH電解液を用いてそれに対し紫外光支援ウエットエッチングを行い、そのウェットエッチングプロセスのパラメータはそれぞれ、325nmのHe−Cdレーザ光照射、−4Vのバイアス電圧、10minのエッチング時間であり、略半球状のウィンドを形成し、最後に、それを1:10のHF溶液に入れて金属マスク層Tiを水洗し除去する。
【0170】
(実施例6の変化例3)
本変化例と実施例6との相違点は、装置ウインドの製造工程の工程2、工程3は具体的に以下の通りであることにある。
工程2:p型GaNキャップ層に円形ウインドをフォトエッチングし、RIEによりウインドを低Al組成のp型AlGaNバリア層の厚みの半分まで二次エッチングし、円柱状のウインドを形成する。
【0171】
基板の表面にフォトレジストを塗布し、回転数が5000rpmのレジストスピンナでレジストを振り切り、その後、90℃のオーブン内で15min乾燥し、フォトエッチング及び現像によりエッチングに必要なウインドを形成する。
RIEによりp型GaNキャップ層を低Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドを形成する。エッチングの深さが90nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが80Wで、バイアス電圧が210Vで、圧力が10mTで、エッチング時間が210sである。
【0172】
工程3:紫外光支援ウエットエッチングプロセスにより、略半球状のウインドWを形成する。
まず、n型AlGaNテーブル面とp型GaNキャップ層に、ウェットエッチングのマスクパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより、マスクパターン領域にウェットエッチングマスク金属層Tiを蒸着し、次に、それを80℃のKOH溶液に入れて3min浸漬し、ウェットエッチング前の前処理を行い、次に、KOH電解液を用いてそれに対し紫外光支援ウエットエッチングを行い、そのウェットエッチングプロセスのパラメータはそれぞれ、325nmのHe−Cdレーザ光照射、−4Vのバイアス電圧、13minのエッチング時間であり、略半球状のウィンドを形成し、最後に、それを1:10のHF溶液に入れて金属マスク層Tiを水洗し除去する。
【0173】
(実施例6の変化例4)
本変化例と実施例6との相違点は、装置ウインドの製造工程の工程2、工程3は具体的に以下の通りであることにある。
工程2:p型GaNキャップ層に円形ウインドをフォトエッチングし、RIEによりウインドを低Al組成のp型AlGaNバリア層の厚みの半分まで二次エッチングし、円柱状のウインドを形成する。
【0174】
基板の表面にフォトレジストを塗布し、回転数が5000rpmのレジストスピンナでレジストを振り切り、その後、90℃のオーブン内で15min乾燥し、フォトエッチング及び現像によりエッチングに必要なウインドを形成する。
RIEによりp型GaNキャップ層を低Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドを形成する。エッチングの深さが90nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが350Wで、バイアス電圧が485Vで、圧力が7mTで、エッチング時間が155sである。
【0175】
工程3:紫外光支援ウエットエッチングプロセスにより、略半球状のウインドWを形成する。
まず、n型AlGaNテーブル面とp型GaNキャップ層に、ウェットエッチングのマスクパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより、マスクパターン領域にウェットエッチングマスク金属層Tiを蒸着し、次に、それを80℃のKOH溶液に入れて3min浸漬し、ウェットエッチング前の前処理を行い、次に、KOH電解液を用いてそれに対し紫外光支援ウエットエッチングを行い、そのウェットエッチングプロセスのパラメータはそれぞれ、325nmのHe−Cdレーザ光照射、−5Vのバイアス電圧、10minのエッチング時間であり、略半球状のウィンドを形成し、最後に、それを1:10のHF溶液に入れて金属マスク層Tiを水洗し除去する。
【0176】
(実施例6の変化例5)
本変化例と実施例6との相違点は、装置ウインドの製造工程の工程2、工程3は具体的に以下の通りであることにある。
工程2:p型GaNキャップ層に円形ウインドをフォトエッチングし、RIEによりウインドを低Al組成のp型AlGaNバリア層の厚みの半分まで二次エッチングし、円柱状のウインドを形成する。
【0177】
基板の表面にフォトレジストを塗布し、回転数が5000rpmのレジストスピンナでレジストを振り切り、その後、90℃のオーブン内で15min乾燥し、フォトエッチング及び現像によりエッチングに必要なウインドを形成する。
RIEによりp型GaNキャップ層を低Al組成のp型AlGaNバリア層までドライエッチングし、円柱状のウインドを形成する。エッチングの深さが90nmであり、エッチングに用いられるガスはCl/BClであり、エッチングに用いられる電極パワーが400Wで、バイアス電圧が620Vで、圧力が5mTで、エッチング時間が80sである。
【0178】
工程3:紫外光支援ウエットエッチングプロセスにより、略半球状のウインドWを形成する。
まず、n型AlGaNテーブル面とp型GaNキャップ層に、ウェットエッチングのマスクパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより、マスクパターン領域にウェットエッチングマスク金属層Tiを蒸着し、次に、それを80℃のKOH溶液に入れて3min浸漬し、ウェットエッチング前の前処理を行い、次に、KOH電解液を用いてそれに対し紫外光支援ウエットエッチングを行い、そのウェットエッチングプロセスのパラメータはそれぞれ、325nmのHe−Cdレーザ光照射、−6Vのバイアス電圧、8minのエッチング時間であり、略半球状のウィンドを形成し、最後に、それを1:10のHF溶液に入れて金属マスク層Tiを水洗し除去する。
【0179】
上述のような実施例5、実施例6及びその変化例において、ウインドを低Al組成のp型AlGaNバリア層(8)までエッチングした後に、エッチングレートが比較的に速い光支援ウェットエッチング法によりエッチングすることにより、最終に形成した半球状のウインドの深さが深すぎないことを保証することができるだけでなく、高Al組成のp型AlGaNバリア層(7)に達することができる。
【産業上の利用可能性】
【0180】
本発明に係るLED装置及びその製造方法は、水処理、医療及び生物医学、並びに白光照明の分野に用いられる。
【符号の説明】
【0181】
1 基板
2,3 AlN核層
4 真性AlGaNエピタキシャル層
5 第1導電型AlGaNバリア層
6 活性領域
7 第2導電型の第1のAlGaNバリア層
8 第2導電型の第2のAlGaNバリア層
9 第2導電型GaNキャップ層
10 ウインド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(1)上に順に成長したAlN核層(2、3)、真性AlGaNエピタキシャル層(4)、第1導電型AlGaNバリア層(5)、活性領域(6)、第2導電型の第1のAlGaNバリア層(7)、第2導電型の第2のAlGaNバリア層(8)、及び第2導電型GaNキャップ層(9)を含み、
第2導電型GaNキャップ層(9)には、発生した光を発するためのウインド(10、W、A)を設けていることを特徴とする紫外光発光ダイオード装置。
【請求項2】
前記基板(1)は、SiC基板又はサファイア基板であり、
前記基板がSiC基板である場合に、前記SiC基板の裏面には第1導電型の電極が形成され、第2導電型GaNキャップ層(9)には第2導電型の電極が形成され、
前記基板がサファイア基板である場合に、前記第1導電型AlGaNバリア層(5)には第1導電型の電極が形成され、第2導電型GaNキャップ層(9)には第2導電型の電極が形成されることを特徴とする請求項1記載の紫外光発光ダイオード装置。
【請求項3】
AlN核層(2、3)は、基板(1)側から、それぞれ550℃〜650℃の低温核層(2)と920℃〜1050℃の高温核層(3)であることを特徴とする請求項1記載の紫外光発光ダイオード装置。
【請求項4】
前記ウインド(10、W、A)は、略円錐状、半球状、又は円柱状の何れかであることを特徴とする請求項1記載の紫外光発光ダイオード装置。
【請求項5】
前記ウインド(10、W、A)は、第2導電型GaNキャップ層(9)及び第2のAlGaNバリア層(8)を貫通し第1のAlGaNバリア層(7)に達することを特徴とする請求項1記載の紫外光発光ダイオード装置。
【請求項6】
前記ウインド(10)が略円錐状である場合に、前記ウインド(10)の底部が第1のAlGaNバリア層(7)の略2/3深さの箇所に位置し、
前記ウインド(W)が略半球状である場合に、前記ウインド(W)の底部が第1のAlGaNバリア層(7)の略4/5深さの箇所に位置し、
前記ウインド(A)が略円柱状である場合に、前記ウインド(A)の底部が第1のAlGaNバリア層(7)の略3/4深さの箇所に位置することを特徴とする請求項4又は5に記載の紫外光発光ダイオード装置。
【請求項7】
前記ウインドが略半球状である場合に、前記ウインドの上部の幅と底部の幅との比が略2:1であり、
前記ウインドが略円柱状である場合に、前記ウインド(W)の深さと幅との比が略1:1000であることを特徴とする請求項4又は5に記載の紫外光発光ダイオード装置。
【請求項8】
MOCVDプロセスにより基板(1)上に、AlN核層(2、3)、真性AlGaNエピタキシャル層(4)、第1導電型AlGaNバリア層(5)、活性領域(6)、第2導電型の第1のAlGaNバリア層(7)、第2導電型の第2のAlGaNバリア層(8)、及び第2導電型GaNキャップ層を順に成長する工程と、
第2導電型GaNキャップ層(9)にはエッチングにより円形ウインドを形成する工程と、
前記円形ウインドを第1のAlGaNバリア層(7)までエッチングして、円柱状のウインドを形成する工程とを含むことを特徴とする紫外光発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項9】
前記基板は、SiC基板又はサファイア基板であり、
前記基板がSiC基板である場合に、前記SiC基板の裏面には第1導電型の電極が形成され、第2導電型GaNキャップ層(9)には第2導電型の電極が形成され、
前記基板がサファイア基板である場合に、前記第1導電型AlGaNバリア層(5)には第1導電型の電極が形成され、第2導電型GaNキャップ層(9)には第2導電型の電極が形成されることを特徴とする請求項8記載の紫外光発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項10】
前記円柱状のウインドをウェットエッチングすることにより、半球状又は円錐状のウインドを形成することを特徴とする請求項8記載の紫外光発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項11】
以下の工程を含む紫外光発光ダイオード装置の製造方法:
A.材料成長工程:MOCVDプロセスによりSiC基板上に、低温AlN核層、高温AlN核層、AlGaNエピタキシャル層、n−AlGaNバリア層、活性領域、モル比40%〜60%の高Al組成のp型AlGaNバリア層、モル比10%〜25%の低Al組成のp型AlGaNバリア層、及びp型GaNキャップ層を、下から上への順で成長し、
B.ウインド(W)製造工程:
(B1)まず、p型GaNキャップ層に位置する円形ウインドをフォトエッチングし、次に、塩素ベースICPプロセスによりウインドを低Al組成のp型AlGaNバリア層までエッチングし、円柱状のウインドを形成し、そのエッチングプロセスのパラメータはそれぞれ、180W〜600Wの上部電極パワー、0〜150Vのバイアス電圧、1〜3Paの圧力、100〜230sのエッチング時間であり、
(B2)n−SiC基板の裏面とp型GaNキャップ層に、ウェットエッチングのマスクパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより、マスクパターン領域にウェットエッチングマスク金属層Tiを蒸着し、その後、それを70℃のKOH溶液に入れて3min浸漬し、ウェットエッチング前の前処理を行い、
(B3)KOH電解液を用いて前処理された基板に対し光支援ウエットエッチングを行い、略半球状のウィンドを形成し、そのウェットエッチングプロセスのパラメータはそれぞれ、325nmのHe−Cdレーザ光照射、−2V〜−4Vのバイアス電圧、10〜15minのエッチング時間であり、その後、それを1:10のHF溶液に入れて金属マスク層Tiを水洗し除去し、
C.電極の製造工程:
(C1)n−SiC基板の裏面にn型電極のパターンをフォトエッチングし、電極のパターン領域にn型オーミックコンタクト金属を蒸着し、n型電極を形成し、
(C2)p型GaNキャップ層にp型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより電極のパターン領域にp型オーミックコンタクト金属を蒸着し、p型電極を形成し、装置の製造を完成することを特徴とする紫外光発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項12】
以下の工程を含む紫外光発光ダイオード装置の製造方法:
A.材料成長工程:MOCVDプロセスによりSiC基板上に、低温AlN核層、高温AlN核層、AlGaNエピタキシャル層、n−AlGaNバリア層、活性領域、モル比40%〜60%の高Al組成のp型AlGaNバリア層、モル比10%〜25%の低Al組成のp型AlGaNバリア層、及びp型GaNキャップ層を、下から上への順で成長し、
B.ウインド(W)製造工程:
(B1)p型GaNキャップ層に、まず円形ウインドをフォトエッチングし、次に、塩素ベースRIEプロセスによりウインドを低Al組成のp型AlGaNバリア層までエッチングし、円柱状のウインドを形成し、そのエッチングプロセスのパラメータはそれぞれ、80W〜400Wの電極パワー、210〜620Vのバイアス電圧、5〜10mTの反応室圧力、80〜210sのエッチング時間であり、
(B2)n−SiC基板の裏面とp型GaNキャップ層に、ウェットエッチングのマスクパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより、マスクパターン領域にウェットエッチングマスク金属層Tiを蒸着し、その後、それを80℃のKOH溶液に入れて3min浸漬し、ウェットエッチング前の前処理を行い、
(B3)KOH電解液を用いて前処理された基板に対し光支援ウエットエッチングを行い、略半球状のウィンドを形成し、そのウェットエッチングプロセスのパラメータはそれぞれ、325nmのHe−Cdレーザ光照射、−4V〜−6Vのバイアス電圧、8〜13minのエッチング時間であり、その後、それを1:10のHF溶液に入れて金属マスク層Tiを水洗し除去し、
C.電極の製造工程:
(C1)n−SiC基板の裏面にn型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスによりウインドにn型オーミックコンタクト金属を蒸着し、n型電極を形成し、
(C2)p型GaNキャップ層にp型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスによりウインドにp型オーミックコンタクト金属を蒸着し、p型電極を形成し、装置の製造を完成することを特徴とする紫外光発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項13】
以下の工程を含む紫外光発光ダイオード装置の製造方法:
A.材料成長工程:MOCVDプロセスによりSiC基板上に、低温AlN核層、高温AlN核層、AlGaNエピタキシャル層、n−AlGaNバリア層、活性領域、モル比40%〜60%の高Al組成のp型AlGaNバリア層、モル比10%〜25%の低Al組成のp型AlGaNバリア層、及びp型GaNキャップ層を順に成長し、
B.装置製造工程:
(B1)まず、p型GaNキャップ層に位置する円形ウインドをフォトエッチングし、次に、塩素ベースICPプロセスによりウインドを高Al組成のp型AlGaNバリア層までエッチングし、円柱状のウインドを形成し、そのエッチングプロセスのパラメータはそれぞれ、240W〜600Wの上部電極パワー、0〜80Vのバイアス電圧、1〜3Paの圧力、100〜180sのエッチング時間であり、
(B2)n型SiC基板の裏面にn型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより電極のパターン領域にn型オーミックコンタクト金属を蒸着し、n型電極を形成し、
(B3)p型GaNキャップ層にp型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより電極のパターン領域にp型オーミックコンタクト金属を蒸着し、p型電極を形成し、装置の製造を完成することを特徴とする紫外光発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項14】
以下の工程を含む紫外光発光ダイオード装置の製造方法:
A.材料成長工程:MOCVDプロセスによりSiC基板上に、低温AlN核層、高温AlN核層、AlGaNエピタキシャル層、n−AlGaNバリア層、活性領域、モル比40%〜60%の高Al組成のp型AlGaNバリア層、モル比10%〜25%の低Al組成のp型AlGaNバリア層、及びp型GaNキャップ層を順に成長し、
B.装置製造工程:
(B1)p型GaNキャップ層に、まず円形ウインドをフォトエッチングし、次に、塩素ベースRIEプロセスによりウインドを高Al組成のp型AlGaNバリア層までエッチングし、円柱状のウインドを形成し、そのエッチングプロセスのパラメータはそれぞれ、150W〜400Wの電極パワー、230〜550Vのバイアス電圧、5〜10mTの反応室圧力、100〜240sのエッチング時間であり、
(B2)n型SiC基板の裏面にn型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスによりウインドにn型オーミックコンタクト金属を蒸着し、n型電極を形成し、
(B3)p型GaNキャップ層にp型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスによりウインドにp型オーミックコンタクト金属を蒸着し、p型電極を形成し、装置の製造を完成することを特徴とする紫外光発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項15】
以下の工程を含む紫外光発光ダイオード装置の製造方法:
1)MOCVDプロセスによりSiC基板に低温AlN核層を成長し、
2)低温AlN核層に高温AlN核層を成長し、
3)高温AlN核層にAlGaNエピタキシャル層を成長し、
4)AlGaNエピタキシャル層にSiドーピングn型AlGaNバリア層を成長し、
5)n型AlGaNバリア層に多重量子井戸AlGa1−xN/AlGa1−yN層(x<y)を成長し、
6)多重量子井戸AlGa1−xN/AlGa1−yN層にモル比40%〜60%の高Al組成のp型AlGaNバリア層を成長し、
7)p型バリア層にモル比10%〜25%の低Al組成のp型AlGaNバリア層を成長し、
8)上記低Al組成のp型AlGaNバリア層にp型GaNキャップ層を成長し、
9)p型GaNキャップ層に、まず円形ウインドをフォトエッチングし、次にICPによりウインドを高Al組成のp型AlGaNバリア層までエッチングし、エッチングに用いられるガスはCl/BClで、上部電極パワーが200W〜600Wで、バイアス電圧が0〜100Vで、圧力が1〜3Paで、エッチング時間が100〜200sであり、
10)形成したエッチングウインドを100℃〜150℃のNaOH溶液によりウェットエッチングし、エッチング時間が1〜4minであり、円錐状に類似するウインドを形成し、
11)n型SiC基板の裏面にn型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより電極のパターン領域にn型オーミックコンタクト金属を蒸着し、n型電極を形成し、
12)p型GaNキャップ層にp型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより電極のパターン領域にp型オーミックコンタクト金属を蒸着し、p型電極を形成し、装置の製造を完成することを特徴とする紫外光発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項16】
以下の工程を含む紫外光発光ダイオード装置の製造方法:
1)MOCVDプロセスによりSiC基板に低温AlN核層を成長し、
2)低温AlN核層に高温AlN核層を成長し、
3)高温AlN核層にAlGaNエピタキシャル層を成長し、
4)AlGaNエピタキシャル層にSiドーピングn型AlGaNバリア層を成長し、
5)n型AlGaNバリア層に多重量子井戸AlGa1−xN/AlGa1−yN層(x<y)を成長し、
6)多重量子井戸AlGa1−xN/AlGa1−yN層にモル比40%〜60%の高Al組成のp型AlGaNバリア層を成長し、
7)p型バリア層にモル比10%〜25%の低Al組成のp型AlGaNバリア層を成長し、
8)上記低Al組成のp型AlGaNバリア層にp型GaNキャップ層を成長し、
9)p型GaNキャップ層に、まず円形ウインドをフォトエッチングし、次にRIEによりウインドを高Al組成のp型AlGaNバリア層までエッチングし、エッチングに用いられるガスはCl/BClで、電極パワーが50W〜500Wで、バイアス電圧が100〜600Vで、圧力が5〜10mTで、エッチング時間が100〜200sであり、
10)形成したエッチングウインドを100℃〜150℃のNaOH溶液によりウェットエッチングし、エッチング時間が1〜4minであり、円錐状のウインドを形成し、
11)n型SiC基板の裏面にn型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスによりウインドにn型オーミックコンタクト金属を蒸着し、n型電極を形成し、
12)p型GaNキャップ層にp型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスによりウインドにp型オーミックコンタクト金属を蒸着し、p型電極を形成し、装置の製造を完成することを特徴とする紫外光発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項17】
以下の工程を含む紫外光発光ダイオード装置の製造方法:
A.材料成長工程:MOCVDプロセスによりサファイア基板上に、低温AlN核層、高温AlN核層、AlGaNエピタキシャル層、n−AlGaNバリア層、活性領域、モル比40%〜60%の高Al組成のp型AlGaNバリア層、モル比10%〜25%の低Al組成のp型AlGaNバリア層、及びp型GaNキャップ層を、下から上への順で成長し、
B.ウインド(W)製造工程:
(B1)ICP又はRIEプロセスにより上部のp型GaNキャップ層からn型AlGaN層までエッチングし、n型AlGaNテーブル面を形成し、
(B2)まず、p型GaNキャップ層に位置する円形ウインドをフォトエッチングし、次に、塩素ベースICPプロセスによりウインドを低Al組成のp型AlGaNバリア層まで二次エッチングし、円柱状のウインドを形成し、そのエッチングプロセスのパラメータはそれぞれ、180W〜600Wの上部電極パワー、0〜150Vのバイアス電圧、1〜3Paの圧力、100〜230sのエッチング時間であり、
(B3)n型AlGaNテーブル面とp型GaNキャップ層に、ウェットエッチングのマスクパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより、マスクパターン領域にウェットエッチングマスク金属層Tiを蒸着し、その後、それを70℃のKOH溶液に入れて3min浸漬し、ウェットエッチング前の前処理を行い、
(B4)KOH電解液を用いて前処理された基板に対し光支援ウエットエッチングを行い、略半球状のウィンドを形成し、そのウェットエッチングプロセスのパラメータはそれぞれ、325nmのHe−Cdレーザ光照射、−2V〜−4Vのバイアス電圧、10〜15minのエッチング時間であり、その後、それを1:10のHF溶液に入れて金属マスク層Tiを水洗し除去し、
C.電極製造工程:
(C1)n型AlGaNテーブル面にn型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより電極のパターン領域にn型オーミックコンタクト金属を蒸着し、n型電極を形成し、
(C2)p型GaNキャップ層にp型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより電極のパターン領域にp型オーミックコンタクト金属を蒸着し、p型電極を形成し、装置の製造を完成することを特徴とする紫外光発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項18】
以下の工程を含む紫外光発光ダイオード装置の製造方法:
A.材料成長工程:MOCVDプロセスによりサファイア基板上に、低温AlN核層、高温AlN核層、AlGaNエピタキシャル層、n−AlGaNバリア層、活性領域、モル比40%〜60%の高Al組成のp型AlGaNバリア層、モル比10%〜25%の低Al組成のp型AlGaNバリア層、及びp型GaNキャップ層を、下から上への順で成長し、
B.ウインド(W)製造工程:
(B1)ICP又はRIEプロセスにより上部のp型GaNキャップ層からn型AlGaN層までエッチングし、n型AlGaNテーブル面を形成し、
(B2)p型GaNキャップ層に、まず、円形ウインドをフォトエッチングし、次に、塩素ベースRIEプロセスによりウインドを低Al組成のp型AlGaNバリア層まで二次エッチングし、円柱状のウインドを形成し、そのエッチングプロセスのパラメータはそれぞれ、80W〜400Wの電極パワー、210〜620Vのバイアス電圧、5〜10mTの反応室圧力、80〜210sのエッチング時間であり、
(B3)n型AlGaNテーブル面とp型GaNキャップ層に、ウェットエッチングのマスクパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより、マスクパターン領域にウェットエッチングマスク金属層Tiを蒸着し、その後、それを80℃のKOH溶液に入れて3min浸漬し、ウェットエッチング前の前処理を行い、
(B4)KOH電解液を用いて前処理された基板に対し光支援ウエットエッチングを行い、略半球状のウィンドを形成し、そのウェットエッチングプロセスのパラメータはそれぞれ、325nmのHe−Cdレーザ光照射、−4V〜−6Vのバイアス電圧、8〜13minのエッチング時間であり、その後、それを1:10のHF溶液に入れて金属マスク層Tiを水洗し除去し、
C.電極製造工程:
(C1)n型AlGaNテーブル面にn型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスによりウインドにn型オーミックコンタクト金属を蒸着し、n型電極を形成し、
(C2)p型GaNキャップ層にp型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスによりウインドにp型オーミックコンタクト金属を蒸着し、p型電極を形成し、装置の製造を完成することを特徴とする紫外光発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項19】
以下の工程を含む紫外光発光ダイオード装置の製造方法:
A.材料成長工程:MOCVDプロセスによりサファイア基板上に、低温AlN核層、高温AlN核層、AlGaNエピタキシャル層、n−AlGaNバリア層、活性領域、モル比40%〜60%の高Al組成のp型AlGaNバリア層、モル比10%〜25%の低Al組成のp型AlGaNバリア層、及びp型GaNキャップ層を順に成長し、
B.装置製造工程:
(B1)ICP又はRIEプロセスにより上部のp型GaNキャップ層からn型AlGaN層までエッチングし、n型AlGaNテーブル面を形成し、
(B2)まず、p型GaNキャップ層に位置する円形ウインドをフォトエッチングし、次に、塩素ベースICPプロセスによりウインドを高Al組成のp型AlGaNバリア層まで二次エッチングし、円柱状のウインドを形成し、そのエッチングプロセスのパラメータはそれぞれ、240W〜600Wの上部電極パワー、0〜80Vのバイアス電圧、1〜3Paの圧力、100〜180sのエッチング時間であり、
(B3)n型AlGaNテーブル面にn型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスによりウインドにn型オーミックコンタクト金属を蒸着し、n型電極を形成し、
(B4)p型GaNキャップ層にp型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより電極のパターン領域にp型オーミックコンタクト金属を蒸着し、p型電極を形成し、装置の製造を完成することを特徴とする紫外光発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項20】
以下の工程を含む紫外光発光ダイオード装置の製造方法:
A.材料成長工程:MOCVDプロセスによりサファイア基板上に、低温AlN核層、高温AlN核層、AlGaNエピタキシャル層、n−AlGaNバリア層、活性領域、モル比40%〜60%の高Al組成のp型AlGaNバリア層、モル比10%〜25%の低Al組成のp型AlGaNバリア層、及びp型GaNキャップ層を順に成長し、
B.装置製造工程:
(B1)p型GaNキャップ層に、まず円形ウインドをフォトエッチングし、次に、塩素ベースRIEプロセスによりウインドを高Al組成のp型AlGaNバリア層まで二次エッチングし、円柱状のウインドを形成し、そのエッチングプロセスのパラメータはそれぞれ、150W〜400Wの電極パワー、230〜550Vのバイアス電圧、5〜10mTの反応室圧力、100〜240sのエッチング時間であり、
(B2)ICP又はRIEプロセスにより上部のp型GaNキャップ層からn型AlGaN層までエッチングし、n型AlGaNテーブル面を形成し、
(B3)n型AlGaNテーブル面にn型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスによりウインドにn型オーミックコンタクト金属を蒸着し、n型電極を形成し、
(B4)p型GaNキャップ層にp型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスによりウインドにp型オーミックコンタクト金属を蒸着し、p型電極を形成し、装置の製造を完成することを特徴とする紫外光発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項21】
以下の工程を含む紫外光発光ダイオード装置の製造方法:
1)MOCVDプロセスによりサファイア基板に低温AlN核層を順に成長し、
2)低温AlN核層に高温AlN核層を成長し、
3)高温AlN核層にAlGaNエピタキシャル層を成長し、
4)AlGaNエピタキシャル層にSiドーピングn型AlGaNバリア層を成長し、
5)n型AlGaNバリア層に多重量子井戸AlGa1−xN/AlGa1−yN層(x<y)を成長し、
6)多重量子井戸AlGa1−xN/AlGa1−yN層にモル比40%〜60%の高Al組成のp型AlGaNバリア層を成長し、
7)p型バリア層にモル比10%〜25%の低Al組成のp型AlGaNバリア層を成長し、
8)上記低Al組成のp型AlGaNバリア層にp型GaNキャップ層を成長し、
9)p型GaNキャップ層に、ICP又はRIEプロセスによりテーブル面をn型AlGaN層までエッチングし、
10)p型GaNキャップ層に、まず円形ウインドをフォトエッチングし、次にICPによりウインドを高Al組成のp型AlGaNバリア層まで二次エッチングし、エッチングに用いられるガスはCl/BClで、上部電極パワーが200W〜600Wで、バイアス電圧が0〜100Vで、圧力が1〜3Paで、エッチング時間が100〜200sであり、
11)形成したエッチングウインドを80℃〜120℃のNaOH溶液によりウェットエッチングし、エッチング時間が0.5〜2minであり、円錐状に類似するウインドを形成し、
12)n型AlGaN層にn型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより電極のパターン領域にn型オーミックコンタクト金属を蒸着し、n型電極を形成し、
13)p型GaNキャップ層にp型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスにより電極のパターン領域にp型オーミックコンタクト金属を蒸着し、p型電極を形成し、装置の製造を完成することを特徴とする紫外光発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項22】
以下の工程を含む紫外光発光ダイオード装置の製造方法:
1)MOCVDプロセスによりサファイア基板に低温AlN核層を成長し、
2)低温AlN核層に高温AlN核層を成長し、
3)高温AlN核層にAlGaNエピタキシャル層を成長し、
4)AlGaNエピタキシャル層にSiドーピングn型AlGaNバリア層を成長し、
5)n型AlGaNバリア層に多重量子井戸AlGa1−xN/AlGa1−yN層(x<y)を成長し、
6)多重量子井戸AlGa1−xN/AlGa1−yN層にモル比40%〜60%の高Al組成のp型AlGaNバリア層を成長し、
7)p型バリア層にモル比10%〜25%の低Al組成のp型AlGaNバリア層を成長し、
8)上記低Al組成のp型AlGaNバリア層にp型GaNキャップ層を成長し、
9)p型GaNキャップ層に、ICP又はRIEプロセスによりテーブル面をn型AlGaN層までエッチングし、
10)p型GaNキャップ層に、まず円形ウインドをフォトエッチングし、次にRIEによりウインドを高Al組成のp型AlGaNバリア層まで二次エッチングし、エッチングに用いられるガスはCl/BClで、電極パワーが50W〜500Wで、バイアス電圧が100〜600Vで、圧力が5〜10mTで、エッチング時間が100〜200sであり、
11)形成したエッチングウインドを80℃〜120℃のNaOH溶液によりウェットエッチングし、エッチング時間が0.5〜2minであり、円錐状のウインドを形成し、
12)n型AlGaN層にn型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスによりウインドにn型オーミックコンタクト金属を蒸着し、n型電極を形成し、
13)p型GaNキャップ層にp型電極のパターンをフォトエッチングし、電子ビーム蒸着プロセスによりウインドにp型オーミックコンタクト金属を蒸着し、p型電極を形成し、装置の製造を完成することを特徴とする紫外光発光ダイオード装置の製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【公表番号】特表2012−522388(P2012−522388A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502421(P2012−502421)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【国際出願番号】PCT/CN2009/073519
【国際公開番号】WO2010/111854
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(511235939)西安▲電▼子科技大学 (1)
【Fターム(参考)】