説明

自動車内における運転者の負荷を調整するための方法及び装置

本発明は、自動車を運転中の運転者の負荷を調整するための方法であって、負荷の値がセンサによって記録された運転者の生理的データから決定される方法、及び前記方法を実行するための装置に関する。本発明によれば、運転者の負荷、すなわち、運転負荷は、最適な運転負荷範囲に維持され、又は前記最適な範囲から外れたときには、そこに戻され、これによって、運転者の最適な動作能レベル又は注意レベルを保証する。すなわち、車両システムは、決定された運転負荷値に依存して制御され、これによって、運転者は、視覚的、聴覚的、又は触知的センサによって、前記運転者の運転負荷値が最適な運転負荷範囲内の値に維持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車内における運転中の運転者の負荷を調整するための方法であって、センサによって検出される生理的な運転者データから運転者の負荷が決定される方法に関する。また、本発明は、この方法を実行するための装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、自動車内における運転中の運転者の負荷を決定するための方法を記載している。この方法によれば、生理的な運転者データ、正確には、運転者の心拍数と呼吸数が、この目的に用いられる。このデータの評価は、それぞれ数値形式で、精神的負荷、物理的負荷、及び通常の負荷に基づく分類をもたらす。現在の運転者の状況は、これらの値の大きさの比率の関数として、特定の運転負荷を有する範疇に割り当てられ、運転者支援動作が、運転者の運転作業から負荷を低減させるために、例えば、オートマチッククルーズコントロール(ACC)、ブレーキアシスト装置、又はレーン追従制御装置を自動的に作動させることによって、この値に応じて選択される。また、この方法は、特定の運転者の運転負荷に応じて、音響的又は視覚的な警告信号を発する。この日本の文献は、この知られている方法を実行するための装置も記載している。
【0003】
加えて、特許文献2は、運転者の自動車を運転する適応度を診断するための方法及び装置を開示している。ここでは、運転中に記録される生理的な運転者データが、同様に、運転者状態を評価するのに用いられ、車両の瞬間的な運転状態に関するデータ又は瞬間的な交通状況に関するデータと組み合わされる。これは、運転者の運転の適応性を評価するのに用いられ、もし適切であれば、この運転の適応性の評価に基づく警告が運転者に発信され、必要に応じて、救済策も開始される。この方法はまた、現在の測定された生理的な運転者データに加えて、車両の外部から得られる運転者の健康に関するデータ、特に、運転者の経歴データが、現在の運転者の負荷を評価するのに、付加的に用いられる。もし過大負荷が見出されるか又は運転者の負荷が状況に対して適正ではないことが判明した場合、この知られている文献では、救済策を開始させ得るために、例えば、GSM無線によって、適切な緊急呼出し信号を送信し得る。
【0004】
生理的運転者データは、例えば、特許文献3から知られているように、車両のハンドル上の適切なセンサを介して記録できる。加えて、生理的データは、すでに引用した特許文献2に記載されているように、例えば、目蓋の瞬きの頻度から運転者状態に関する記述を引き出すことを可能にするために、ビデオ録画によっても、決定され得る。最終的に、心拍数を測定するための前述の特許文献1によるセンサシステムが、シートベルト内に収容され得る。
【0005】
特許文献4は、車両の運転者を警告するための方法を開示している。この方法では、警告が発信される前に、車両の運転者の注意レベルが決定される。警告は、重大な状況の前の決定された注意レベルの程度に応じてのみ発信される。すなわち、例えば、高注意レベルが決定された場合、この警告の出力は、抑制される。この場合、運転者の注意レベルは、視界方向、目蓋の瞬きの頻度及び/又は頭の位置の検出によって、決定される。注意レベルを決定するためのプロセスは、運転者の運転作業に加えて、オーディオ機器、ナビゲーションシステム、又は移動無線装置の制御及び使用のような運転者によってなされる二次的な活動も含んでいる。最終的に、疲労状態が運転者の体温及び/又は心拍数を測定することによって決定され、これは、運転者の注意レベルを決定するのに用いられる。この知られている方法において、警告は、運転者の決定された注意レベルに応じてのみならず、車両状態に応じても発信され、これによって、重大な車両状態の状況が、駐車支援装置、アクティブクルーズコントロール(ACC)及び路側帯識別のような支援システムによって、識別され、警告メッセージが、運転者の検出された注意レベルに応じて、早い時期又は遅い時期に、生成される。心拍数や体温のような生理的運転者データも、この知られている方法では、ハンドルに配置されたセンサによって、記録される。
【0006】
さらに、特許文献5は、車両構成部品と光学的又は音響的信号発信装置を運転者状態に応じて制御するための装置を開示している。運転者状態は、カメラによって記録された運転者の顔の評価及びマイクロフォンによって記録された運転者の音声の評価によって、識別される。提示される情報に対する情報フィルタ処理、及び必要に応じて、運転者に対する緊急機能又は支援機能も、決定された運転者状態に応じて作動される。従って、例えば、運転者が混乱に陥っているとき、緊急呼出しが、通信装置を介して、緊急機能としてなされ得る。二次的な機能として、運転者がストレスの状況にあるとき、カーラジオに接続された再生装置の適切なオーディオ媒体を再生することによって、又は対応する音楽を送信している放送ラジオ送信機を選択することによって、和ませる音楽を生成させることができる。さらに、自動ブレーキシステムが、運転者状態に応じて作動され得るが、この場合、緊急状況と他の状況とを区別することができる。例えば、緊急時、例えば、運転者が混乱している場合における自動ブレーキシステムの作動は、緩いブレーキをもたらし、これによって、クラッチを同時に解除することによって、車両の更なる加速を防ぐことができる。
【0007】
さらに、特許文献6は、大きな車両事故の状況を識別するための装置を開示している。この装置では、イメージ識別システムを用いて、手の運動の変化を検出し、それらの変化から、運動の変化の割合が得られる。もしこれらの運動の変化がパニックのような運動を示している場合、少なくとも一つの安全システムが作動される。この場合、大きな事故状況を識別する運転者は、その事故状況を回避するために、パニックのような態度でハンドルを切る、という経験的な仮定がなされている。手の動きの検出に加えて、加速ペダルとブレーキペダルを操作する運転者の足の動きを検出し、同様に、これを用いて、足の動きの割合が運転者のパニックな反応を示す所定の閾値を超えたとき、安全システムを開始させることができる。
【0008】
特許文献7によれば、運転者の運転負荷は、かじ取り角センサを用いて、運転中のかじ取り角を記録し、このかじ取り角のパターンを、ストレスのない運転者のかじ取り角パターンに対応する標準的なパターンと比較することによって決定される。負荷指数が、比較結果に応じて生成される。
【0009】
さらに、特許文献8は、自動車の運転者が居眠りをすることを警告するための装置を開示している。この装置は、車両の環境識別装置と、運転者の基準運転スタイルを記録するための装置と、車内環境識別装置によって決定された実際の運転スタイルを、基準運転スタイルとの比較によって評価するための比較論理と、比較論理によって駆動され得る警告装置とを備えている。もし道路境界に関する自動車の横方向移動が、車内環境識別装置によって、データの評価に基づいて識別された場合、この横方向移動は、比較論理によって基準駆動スタイルと比較され、もし閾値を超えた場合、警告装置が駆動され、触知的、音響的、又は光学的警告信号を生成する。
【0010】
最終的に、特許文献9は、自動車用の空気補給ユニットを開示している。このユニットは、車両内部の空気の嗅覚的変化を可能にし、車両の重大な状態において、例えば、もし冷媒/油の温度が高い場合、タイヤ圧が低すぎる場合、又はABSが故障した場合、運転者の臭いの感覚を介して、運転者に警告するために、手動で操作され得るか、又は自動的に選択され得る。なお、ABSが故障した場合、酸素供給を増やすか、又は適切な嗅覚的変化によって運転者に積極的に影響を与えることによって、運転者の動作能を増大させることが提案されている。
【0011】
これらの知られている方法と装置は、本質的に、危険な状況において、運転者に警告するために、又はこのような状況において、車両システムの適切な制御によって負荷を軽減するために用いられる。この場合、危険な状況は、極端な運転者状況、すなわち、居眠りの危険、又は過大負荷又は運転者の混乱のいずれかとして識別される。過大負荷は、極端な交通状況においても、生じることが見込まれる。従って、適切な対策は、すでに生じた危険な状況を避けるためにのみ、講じられる。
【0012】
【特許文献1】特開2002−010995号公報
【特許文献2】独国特許出願公開第100 42 367 A1号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第195 45 848 A1号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第100 39 765 A1号明細書
【特許文献5】独国特許発明第199 52 857 C1号明細書
【特許文献6】独国特許発明第197 53 160 C1号明細書
【特許文献7】米国特許第6,061,610号明細書
【特許文献8】独国特許出願公開第198 18 239 A1号明細書
【特許文献9】独国特許出願公開第101 34 223 A1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、自動車における運転中の運転者の負荷を調整するための方法であって、極めて危険な状況が生じる前においても対策を施し、危険な状況、すなわち、事故をもたらす状況の発生の危険性を防ぐか又は少なくとも低減させる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、特許独立請求項1、2、及び3の特徴によって、達成される。
【0015】
これらの特許請求項によれば、解決策は、車両内のシステムの支援で、自動的に生成された対策を用いて、運転者が最適な負荷又は運転負荷状態にあることを常に確実にし、同時に、運転者が最大の動作能で運転することを可能にすることを含む。
【0016】
本発明は、もしこの最適な負荷又は運転負荷状態からの逸脱がある場合、すなわち、負荷又は運転負荷がこの最適な状態から離れて減少及び増大するとき、運転者の動作能も低下するという考えに基づいている。運転者の動作能が実質的に零にまで低下する極端な負荷又は運転負荷状態は、過小負荷にあるときの居眠りの状態と絶対的な過大負荷にあるときの運転者の混乱によって表される。
【0017】
本発明によれば、運転者の運転負荷が決定され、前記最適な運転負荷、いわゆる、設定運転負荷と比較される。もし決定された運転負荷が所定の設定運転負荷未満の場合、運転者は過小負荷の状態にあり、これは、過度に低い注意レベルをもたらし、動能力の低下を招き得る。本発明によれば、運転者の負荷は、少なくとも1つの車両システムを制御する、視覚的、聴覚的、触知的、嗅覚的の1つ以上の信号を生成させる、すでに生成されている視覚的、聴覚的、触知的、嗅覚的信号の1つ以上を増大させる、少なくとも1つの車両システムを制御する、それらの信号品質を変化させる、のいずれか1つ以上を実施することによって増大される。その結果、運転者が再び最適な動作能を発揮することができるように、これらの信号を用いて運転者の負荷を増大させる。しかし、もし決定された運転負荷が設定運転負荷よりも大きい場合、運転者は過大負荷の状態にあり、これは、同様に、動作能の低下を招く。本発明によれば、この方法の負荷の増大は、車両内の運転者情報や表示システムを、視覚的、聴覚的、触知的、嗅覚的な信号のいずれか1つ以上の出力が完全に又は部分的に抑制されるか又は遅れて出力されるように、駆動することによって、防止できる。これらの信号の部分的な抑制は、情報量の低減をもたらし、情報を保留するのと全く同じように、瞬間的な運転者の過大負荷の状況において、さらに負荷が増大することを防ぐことができる。
【0018】
請求項2によれば、運転者が過大負荷の状態にあるとき、本発明は、少なくとも1つの車両システムを制御して、すでに生成されている視覚的、聴覚的、触知的、嗅覚的な信号の信号強度や信号品質の少なくとも1つ以上を低減させるか又は変化させ、適切な情報を運転者に出力する。この目的は、運転者を最適な動作能の状態に戻す、すなわち、運転者の運転負荷を最適な設定運転負荷範囲に戻すことにある。
【0019】
本発明によれば、特許請求項3に記載されているように、運転者の過大負荷は、すでに生成されている視覚的、聴覚的、触知的、嗅覚的な信号のすくなくとも1つ以上の信号強度及び/又は信号品質を、少なくとも1つの車両システムを制御することによって、あるいは、少なくとも1つの運転者支援システムを作動させることによって、低減させるか又は変化させることによっても低減される。
【0020】
本発明は、技術的手段によって検出されて制御された変数として定量的に決定された、負荷(以下、「運転負荷」と呼ぶ)を用いることによって、運転者の挙動の安全性を著しく改良することができ、車両内の技術的システムを、運転者の動能が最適なレベル、特に、最適な注意レベルにある運転者の最適運転負荷からの逸脱に応じて信号を生成又は変化させる調整手段として用いて、このような信号を、運転者の感覚経路の1つ以上、具体的には聴覚的、視覚的、又は触知的な感覚通路を介して運転者に伝達し、調整結果として、運転負荷を最適な値の方向に増減させることができる。
【0021】
調整手段として用いられる信号は、好ましくは、運転者の異なる感覚経路が、順次、用いられ、すなわち、感覚の種類の変化が、例えば、まず、視覚的信号を生成し、次いで、聴覚的信号を生成するか、又はその逆の順に、信号を生成し、また、まず触知的信号を生成し、次いで、嗅覚的信号を生成することによって、行なわれる。
【0022】
本発明の有利な一発展形態において、決定された運転負荷は、下限及び上限が設定された運転負荷値と比較される。この範囲内では、運転者の負荷は最適であり、約80%の動作能レベル及び注意レベルが見込まれ得る。この場合、これらの値(設定運転負荷値の下限及び上限)は、可変であり、運転者に対して、個々に設定され得る。従って、設定運転負荷上限を超えたとき又は設定運転負荷下限を下回ったときにのみ、調整機構が作動する。
【0023】
加えて、最小及び最大の運転負荷を示す運転負荷制限値も定義される。例えば、最小運転負荷制限値を下回ったとき、居眠りの危険性があり、この場合、目覚まし信号が生成される。同時に、このような車両の危険な状態を、適切な警戒信号によって、道路上の他の車の運転者などに知らせるようにしてもよい。もし最大運転負荷制限値を超えた場合、同様に、道路上の他の車の運転者などに警告しても良い。何故なら、運転者が過大負荷の状態にあること、及びクラッシュの危険性もあることが推測されるからである。運転者に対する二次的な対策として、例えば、車両の更なる加速を防ぎ、又は速度を自動的に及び連続的に減少させるために、車両内の自動ブレーキシステムが作動される。
【0024】
運転者の負荷の更なる増大を防ぐために、好ましくは、警告メッセージに優先順位を付けたり、運転者情報システムを用いて比較的低い優先順位の警告メッセージを抑制し、又はそれらを遅れて出力すると良い。電話の呼出しの受信に関するメッセージ、SMSメッセージ、Eメール、又は交通メッセージも、同様に、取り扱われ得る。
【0025】
表示の照明を制御するための対策は、ここでは、運転者の負荷がさらに増大されるのを防ぐために、車両表示システム内の表示に優先順位を付け、比較的低い優先順位の表示に対する照明をスイッチオフし、又は光強度を低下させることによって、同じ結果をもたらすことができる。
【0026】
車内環境制御装置も、運転者の運転負荷を増減させるために、有利に用いられ得る。この場合、環境制御装置は、空調システムに関するだけでなく、シート暖房、シート通気、駐車中の暖房、及びハンドルヒータにも関する。運転負荷の増大をもたらす1つの活力付与対策は、例えば、冷房温度を設定すること、ファン風量を増大させること、又はファン方向を変化させること、又はハンドルヒータをスイッチオンするか又はハンドルヒータ
の温度を高めることである。運転者の運転負荷を低減させる対策は、例えば、高い内部温度が検出されたとき、空調システムをスイッチオンすることであり得る。一方、シート暖房のより低い温度、ハンドルヒータのスイッチオフ、又はファン風量のより快適な設定が、同じ効果を達成するために、用いられ得る。
【0027】
運転者の負荷を増減させるための車両システムに関するさらに他の有利な発展形態は、運転者シート用の制御装置を備えている。この制御装置によって、運転者シートは、運転負荷を低減させるために、より快適な着座位置がシート背もたれの調整によって得られるように、又は、一方、運転負荷を増大させるために、シート硬さが増大されるように、駆動される。同じ効果が、ダイナミック運転者シートによっても、達成され得る。このダイナミック運転者シートでは、運転者用の側方支持部が、曲線部走行時、シート背もたれの側部の膨張又は収縮によって、変化される。マッサージ位置において、膨張と収縮を繰り返すことによって、刺激効果を生じる整形シートの使用も効果的であり、これによって、運転負荷を増大させる。
【0028】
車両内のオーディオシステムも、例えば、ここでは、運転者の負荷を低減させるために、音量を低下させ、音質をより快適にし、又は振幅を弱めることによって、運転者の負荷を増減させるのに用いられ得る。対応する運転負荷の増大は、逆の対策によって達成され得る。
【0029】
車両内の照明装置の適切な制御も、例えば、運転負荷を増大させるために、計器類の照明を明るくすることによって、又は逆の効果を達成するために、すなわち、より安らかな照明を達成するために、輝度を減少させることによって、運転者の負荷レベルに影響を及ぼすのに、用いられ得る。
【0030】
1つの運転負荷低減対策は、ここでは、同様に、運転者の運転負荷を低減させるために、ドア制御装置の適切な駆動と横窓又はサンルーフの閉鎖も含んでいてもよい。何故なら、車室部が閉鎖されているときは、横窓が開いているとき及び/又はサンルーフが開いているときよりも、騒音レベルが低いからである。
【0031】
運転者の負荷を増減させるのに用いられる車両システムに関する1つの特に有利な発展形態は、運転負荷が高いとき、ナビゲーションシステムによって、運転者により容易な路線を提示する。逆の効果を達成するには、より困難な路線が、道程の目的地に到着するために、提示され得る。加えて、ナビゲーションシステムによって与えられる情報、例えば、近くの駐車場又は特に魅力的なホテル設備も、運転負荷を増大させるために、表示され得る。
【0032】
勿論、車両内の情報システムを用いて、運転者の負荷を増減させることは、特に有効である。例えば、通常表示される内容とは異なる、情報や車両に関する情報が、ここでは、運転者の運転負荷を増大させるために、提示され得るし、又は逆の効果を達成するために、情報の流れは、必要な程度まで低減され得る。アクティブクルーズコントロールシステム(ACCシステム)用の制御装置も、運転者の負荷を増減するのに、有利に用いられ得る。例えば、安全な車間距離の増大又は速度設定の低減は、運転者の負荷の低減をもたらす。勿論、逆の対策は、運転負荷の増大をもたらす。増大された音量での警告の発生又はこのACC制御装置の完全なスイッチオフのような対策は、同様に、運転負荷の増大をもたらす。
【0033】
さらに、運転負荷を増減させるために、サスペンション制御装置による制振をより柔らかく又はより硬く設定しても良い。
【0034】
運転負荷を増大させるために、例えば、道路標識を識別するための制御装置がすべての道路標識の識別して表示するように設定しても良い。一方、逆の効果を達成するために、関連する道路標識のみが表示されるようにしてもよい。
【0035】
運転負荷を増大させるための1つの特に有効な対策は、ハンドル位置を調整し、又は操舵振動を生成するための制御装置を用いることである。パワーステアリング装置も、例えば、操舵をより重く設定することによって、この目的に用いられ得る。
【0036】
最終的に、運転者の運転負荷は、車両内の支援システムによって、特に効果的に影響され得る。例えば、それらの使用は、運転者の負荷を低減させるために、提示され得るし、又はこれらのシステムは、運転負荷レベルが特に高いとき、自動的にスイッチオンされ得る。負荷の増大は、このような支援システムをスイッチオフすることによって、容易に達成され得る。
【0037】
これに関連する支援システムには、カーブ警告システム、レーン変更支援装置、車両を自動的にレーン内に維持するレーン維持支援装置、停止/発進支援装置、加速を自動的に防ぎ、又はブレーキプロセスを開始させる自動ブレーキシステム、ブレーキ力をブレーキペダルが操作される早さに応じて増大させるブレーキ支援装置、又は赤外線識別に基づく暗視装置、などがある。
【0038】
運転者の負荷は、心拍数、血圧、皮膚インピーダンスのような生理的データ、及び視線の移動、目蓋の瞬き回数、及び目蓋の瞬き率のような変数に基づいて、決定される。運転者の経歴データは、加速、操舵、又はブレーキ作動に関する運転スタイルのような運転者の気質に関するデータと共に、運転負荷を決定するためにも、用いられ得る。
【0039】
運転者の気質に加えて、負荷の原因は、この場合、車両状態データのみならず、道路の種類、道路状態、交通量、及び自然環境条件に関連する環境データをも含む車両制御に関連され得る。このようなデータの記録及び運転者の運転負荷の決定へのこのデータの包含によって、特許請求される方法の著しい改良をもたらす。
【0040】
運転者の運転操作及び/又は運転者動作も、運転者の運転負荷の決定を改良するのに、用いられ得る。この場合、厳しい加速又は減速、前方を走行する車両への急速な接近、走行方向における短い車間距離、又は厳しい操舵動作は、運転操作として記録される。対照的に、運転者動作は、例えば、シート調整、電話の呼出し又はナビゲーション、無線の操作、又は空調システムの操作に関する制御手順を表す。
【0041】
最終的に、もし運転者が過小負荷の状態にあること、及び運転者の負荷が、この結果として増大されることが見出された場合、特に、運転者の負荷が増大される前でも、例えば、視覚的及び/聴覚的信号を生成するために、運転者情報及び表示システムを適切に制御して、これを運転者に知らせることができる。
【0042】
特許請求項37に記載される装置は、本発明による方法を実行するように規定されている。この装置において、車両の運転者の生理的データを検出するためのセンサユニットが設けられ、バスシステムを介して、運転者の運転負荷を決定及び評価するための車載コンピュータに接続されている。この場合、運転負荷制御ユニットは、車載コンピュータによって生成された評価結果と対策メモリに記憶された対策に基づいて、評価結果に関連する対策に従って、少なくとも1つの車両システムを駆動する。好ましくは、車両状態及び車内環境センサが設けられ、車載コンピュータに接続される。さらに、車載コンピュータは、運転者の経歴データを入力するための入力装置にも接続される。このような入力装置は、橋への恐怖、トンネルへの恐怖、及び好みの出力媒体のようなある種の好みの傾向のような気質データを入力するのにも、用いられ得る。最終的に、運転者活動センサシステムも、例えば、運転スタイルを検出するために、車載コンピュータに接続され得る。
【0043】
以下、本発明をさらに詳細に記載し、例示的実施形態によって、さらに詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
図1は、負荷曲線Kを用いて、運転者の動作能、すなわち、動作能力と運転者の運転負荷WLとの間の関係を示している。この曲線Kは、運転負荷値WLがWLoptの時に動作能力が最大値を有するガウスベル曲線の形態に近似している。何故なら、運転者が、動作能/運転負荷図において100%に対応するその最適な動作能、加えて、最適な注意レベルを達成するこのような1つの最適な運転負荷が存在することが見出されているからである。この最適な運転負荷値WLoptを基準にして、運転者の運転負荷の増大及び減少が、動作能の低下と注意レベルの低減をもたらす。さらに、設定負荷範囲B1又はB2が、下限運転負荷WLと上限運転負荷WLによって定義され、かつ対応する運転負荷が依然として許容される運転者の動作能レベルをもたらすように、定義される。図1において、これらの2つの値WLとWLは、少なくとも80%の動作能レベルが達成され得るように、定義される。
【0045】
さらに、最小運転負荷制限値WLminと最大運転負荷制限値WLmaxが、それぞれ、曲線Kの各端において定義され、各々、運転者の絶対的な運転負荷制限値を示している。もし運転負荷値が最小運転負荷制限値WLminを下回ることが見出された場合、運転者が居眠りをする危険性がある。逆の場合、すなわち、運転負荷値が最大運転負荷制限値WLmaxを上回る場合、これは、運転者が完全に過大負荷の状態にあること、及び運転者が混乱している危険性があることを意味する。
【0046】
もし運転負荷WLが値WLminとWLによって画成される範囲A1又は値WLとWLmaxによって定義される範囲A2のいずれかにあることが決定された場合、運転者の負荷、すなわち、運転負荷の増大又は減少をもたらすように、車両システムが自動的に運転され、その結果、運転者の負荷は、最適な運転負荷範囲B1又はB2に戻される。
【0047】
図2の線図は、運転者の運転負荷を支配してその記録が運転負荷を決定するためのデータ素材をして用いられる因子と、運転負荷を最適にするための調整対策、すなわち、運転者の高レベルの動作能を維持するために運転者の負荷を調整する対策との間の関係を示している。道路状態、交通量、道路の種類、自然環境条件、及び車両状態に関連する客観的負荷因子(参照番号1)が、運転負荷(参照番号4)を決定するために、記録される。これらの因子は、センサによって検出され、データ素材5として、評価を受ける。同じように、運転者に関連する状態データ2が、センサによって検出され、同様に、データ流れ6として、評価を受ける。この場合、関連するデータとして、運転者気質と運転者状態が挙げられる。最終的に、運転作業と他の運転者動作(参照番号3)が、最終的な負荷源を表している。運転者による運転操作と運転者動作は、データ7として、検出され、次いで、評価される。
【0048】
負荷因子の全てが、データ項目5、6、及び7に基づいて、評価を受け、運転負荷が、これから決定される。調整対策8と9は、両方とも、過度に高い運転負荷と過度に低い運転負荷の場合、すなわち、このような値が図1に示される領域A1又はA2のうちの1つにあるとき、生成される。これらの調整対策8と9は、これが再び図1に示される領域B1又はB2にある運転負荷をもたらすように、運転者2に影響を及ぼし、又は運転者の運転作業を変化させる。
【0049】
図3a/3bのブロック図は、関連する運転者の負荷因子を決定するための車両における機能ユニットを示している。所定の設定運転負荷WLopt(図1を参照)との比較に応じて、運転者の負荷を調整する適切な調整対策を開始するために、運転負荷が、対応するデータ素材から計算される。
【0050】
これらの図3a/3bから明らかなように、状態データが、センサユニット20、30、及び40によって、決定され、評価用の車載コンピュータ10に供給される。この車載コンピュータ10に、評価結果に基づいて種々の車両システム60、70、80、及び90を駆動する運転負荷制御ユニット50が、続いている。
【0051】
センサユニット20は、車両状態21、環境特性22、及び環境条件23に関連する客観的負荷因子を検出する。車両状態を記録するために決定される測定変数として、速度と、加速度と、ヨーレート、横揺れ角、ピッチ角、ハンドル角、操舵トルク、ハンドル角の変化率、ハンドル角の加速度のような動的運転変数と、ESP(Electronic Stability Program)及びABS(Anti-lock Brake System)操作状態と、ペダル位置、エンジントルク、ブレーキトルク、エンジン回転数のような動的時系列変数と、ギアの選択と、クラッチ及びキックダウン状態とが挙げられる。さらに、車両における騒音レベル、車両質量、負荷状態、トレーラが取り付けられているかどうか、ウインドウォッシャタンクの水位が低いかどうか、ランプの欠損があるかどうか、タイヤ状態、タイヤ圧、ウィンタータイヤが取り付けられているかどうか、又は前照灯が汚れているかどうかも記録することもできる。適切なセンサは、一般的に、前述の測定変数を記録するために、車両内にすでに設置されている。
【0052】
環境特性22は、道路の性質、すなわち、高速道路、田舎道、建物密集地域内の道路、及びカーブ特徴、登り坂/下り坂、路面/道路状態、道路幅、レーン溝、及び交通密度を含む変数に関して記録される道路特徴に関する。トンネルの入口/出口、横断歩道、ロータリ広場、歩行者、交差点、信号機、速度制限線、交通標識、橋、鉄道の踏切、歩行者区域、遊歩道、建築現場、障害物、及び駐車設備のような現地の情勢も、適切なセンサシステムによって、記録され得る。
【0053】
環境条件23は、本質的に、照明及び/又は可視性、信号伝達、及び気候条件に関する。この目的のための関連する測定変数として、個々の光源、特に、フォグランプの操作状態が記録され、関連する変数が、光センサ、太陽光センサ、又は雨センサによって、決定され得る。重要な測定変数として、時刻、月日、及び地理上の位置も挙げられる。方向指示灯、警告指示器、及び警笛の操作状態が、信号伝達の形態で検出される。車外温度、車内温度、選択された温度、及びシート暖房の状態が、気候状態を決定するために、記録される。センサユニット20によって検出されたデータは、運転者に依存しない運転負荷WLiを計算するために、車載コンピュータ10内の第1のユニット11に供給される。
【0054】
運転者活動を検出するためのセンサユニット40は、運転者によって行なわれる運転操作及び運転者動作に関するデータを含む。測定変数「運転操作」は、例えば、厳しい加速又は減速、厳しい操舵運動、レーン変更又はターン、及び最終的に、運転者の運転スタイルを含む。対照的に、運転者動作は、本質的に、運転者の二次的な仕事、すなわち、特に車両システムの制御に関する。これは、例えば、シート調整に関する制御手順、電話の使用、ナビゲーションシステムの制御、ミラーの調整、オーディオ/マルチメディア機器の制御、又は空調システムの制御を含む。測定変数と「運転者活動」は、運転者支援システムの操作状態の記録も含む。この場合、例えば、アクティブクルーズコントロールシステム(ACCシステム)が作動状態にある場合、前方を走行している車両への急速な接近又は走行方向の前方の車両に対する短い車間距離を記録することができる。
【0055】
主観的運転者負荷因子、例えば、血圧、心拍数、目蓋の瞬き回数、目蓋の瞬き率、及び視線の移動のような生理的運転者データが、センサユニット30によって、検出される。年齢、性別、橋への恐怖、トンネルへの恐怖のような運転気質特性、好みの出力媒体のようなある種の好みの傾向、運転者の緊張感、又は運転者が眼鏡を掛けているかどうかというハンディキャップのような経歴データも、決定され、及び/又は適切な入力装置32を介して、入力される。
【0056】
センサユニット30と40とによって検出されたデータは、運転者に依存する運転負荷WLを計算するために、車載コンピュータ10内のさらに第2のユニット12に供給される。
【0057】
ユニット11と12によって決定された運転負荷WLとWLは、計算ユニット13に供給され、この計算ユニット13は、それらを用いて、トータルの運転負荷WLを決定する。計算ユニット13に続く評価ユニット14は、この運転負荷WLを、図1に関連して述べた値と比較することによって、評価する。これら値は、設定運転負荷下限値WL、設定運転負荷上限値WL、最小運転制限値WLmin、及び最大運転負荷制限値WLmaxである。この評価結果は、運転者に依存しない運転負荷WLと一緒に、運転負荷制御ユニット50に供給される。運転負荷制御ユニット50は、車載コンピュータ10内のメモリに記憶されている2つの表15と16を用いて、車両システム60、70、80又は90のどれが駆動されるべきか、及びどのように駆動されるべきかを決定する。
【0058】
表15は、対応する対策olk(l=1、・・・、m、k=1、・・・、n)を運転負荷WLと運転者に依存しない運転負荷WLを含む各値対に関連させる。運転負荷WLに対する対応する運転負荷値には、wl〜wlが付され、低い指数は、高い指数を有する値よりも低い負荷を示す。運転者に依存しない運転負荷WLの値には、wl〜wlが付され、この場合も、低い指数を有する値は、高い指数を有する値よりも低い負荷を示す。しかし、この表15における運転負荷WLは、設定運転負荷下限値WLよりも低い値である。従って、関連する対策olkは、運転者の運転負荷を増大させる対策を表す。
【0059】
表16は、運転負荷WLの値wl〜wlが設定運転負荷上限値WL(図1を参照)よりも大きく、従って、対応する対策ulk(l=1、・・・、m、k=1、・・・、n)は、運転者の運転負荷を減少させるための対策である点においてのみ、表15と異なっている。
【0060】
以下、運転負荷制御ユニット50の操作について、具体例を用いて、及び表15と16に関連して、説明すると共に、車両システム60、70、80、及び90の駆動を、図示し、説明する。
【0061】
もし、例えば、運転者が次の数秒内にルート上の困難な区域に差し掛かることが検出されたとき、この状況は、中レベルの運転者に依存しない運転負荷値wlを有すると評価され、もし運転者が困難な運転操作にすでに対処していた場合、これは、同様に中レベルの運転負荷WLをもたらし、関連する対策ulkが、例えば、運転者の運転負荷の更なる増大を防ぎ得る。この目的のために、以下の対策ulkが、もたらされ得る。
・比較的低い優先順位の警告メッセージの出力のタイミングを部分的に又は完全に抑制又は変更させる。これは、運転負荷制御ユニット50によって運転者情報及び表示システム61を適切に駆動させることによって、達成される。
・比較的低い優先順位の表示計器の光強度を低減させるか又はこの照明をスイッチオフさせる。これは、すでに述べた運転者情報及び表示システム61によって、達成される。
・着信する電話の呼出し、SMSメッセージ、又は着信するEメールを受信しないか又は表示せず、その代わり、随意的にメールボックスに順送りする。これは、同様に、運転者情報及び表示システム61によって、達成される。
・オーディオシステム62を介しての放送受信による、又はナビゲーションシステム81を介して受信される交通メッセージの表示を部分的に又は完全に抑制するか又は変更させる。
【0062】
もし困難な交通及び道路条件が中〜高レベルの運転者に依存しない運転負荷wlをもたらし、高レベルの運転者に依存する運転負荷wlも同時に生じる場合、運転負荷を低減させるために、表15からの対策olkが、適切な車両システム60、70、80又は90を制御することによって、運転負荷制御ユニット50によって、開始される。
【0063】
以下の対策olkが、この目的のために、用いられる。
・ストレスの少ない環境制御が、環境制御装置72によって、選択される。車両空調システムが、内部の温度を低下させるように、又はファン風速を低下させるように、又はファンの方向を運転者の顔に当たらないように変化させるように、制御される。シート暖房が低温に調整されるか又はスイッチオフされ、シート通気が作動されるか又は増大され、停車暖房が低い値に制御されるか又はスイッチオフされ、又はハンドルヒータが低い値に制御されるか又はスイッチオフされる。
・シート背もたれの位置が、シート制御装置71によって、運転者がより快適な着座位置を取り得るように、又はシートのクッションが柔らかくなるように、変更され、又はダイナミック運転者用シートの場合、良好な側方支持が可能であるように、制御される。
・サスペンションが、サスペンション制御装置75によって、柔らかいバネ性に設定される。
・オーディオシステム62が、音量を低下させるように、音質を柔らかく又はより安らかにするように、調整され、又は振幅が弱められる。
・より安らかな照明が、運転者情報及び表示システム61によって得られ、例えば、輝度が、環境条件に応じて制御される。
・運転者に、より容易な路線、例えば、右折(車両が右側通行の場合)のみが必要とされる、所謂、高齢者用路線が、ナビゲーションシステム63によって、提示される。
・もし横窓が開いているために高い外部騒音レベルが検出された場合、これらは、駆動装置を介して、ドア制御装置73によって、自動的に閉鎖される。この場合、サンルーフを閉鎖することもできる。
・運転者情報及び表示システム61に一体化されたドライビングコンピュータからの燃料消費の出力が、抑制され得る。
・もしアクティブクルーズコントロール82(ACCシステム)が設けられている場合、前方を走行する車両からの安全な車間距離を増大させ、前方を走行する車両へ円滑に接近し、及び速度設定を低下させることによって、運転者の運転負荷の低減をもたらす。音響警告も比較的低音量で発せられ、このような警告は、初期段階であっても、生成され得る。もしこのようなACCシステム82が作動していない場合、このようなシステムの作動が、ユーザに提案され得るか、又は検出された運転負荷が高いときには、自動的に作動され得る。前述の対策は、テンポマート83の適切な制御によっても、実施され得る。
・支援システム80も、運転者の運転負荷を低減させるために、自動的にスイッチオンされ得る。これらは、すでに述べたナビゲーションシステム63又は81、ACCシステム82、及びテンポマートシステム83を含み得る。加えて、レーン変更支援装置84、カーブ警告システム85、停止/発進支援装置86、車両をレーン内に自動的に維持するレーン支援装置87、ブレーキ力をブレーキペダルが操作される割合に応じて増大させるブレーキ支援装置88、又は車両の加速を自動的に防ぎ、又は速度を自動的に低下させ、又はブレーキプロセスを始動させる自動ブレーキシステム89も、設けられ得る。
・最終的に、計量及び散布制御装置付きの嗅覚装置77が、ここでは、運転者の運転負荷を低減させるために、用いられ得る。このような嗅覚物質、例えば、ラベンダー、樟脳、又はレモンが、車両内部に導入される。
【0064】
ある環境条件、例えば、夜間運転、雨の運転、又は他の車両が接近しているときの運転は、中レベルの運転者に依存しない運転負荷wlをもたらし得る。これによって、対応する対策olkが、例えば、ここでは、これ以上の視覚的注意力散漫を回避するために、いかなる視覚的情報の出力をも防ぐことによって、運転負荷制御ユニット50から、始動される。さらに、適切な負荷状態にある運転者がトンネル内に進入しようとするとき、これも高レベルの運転者に依存する運転負荷WLをもたらし得る。もしこの情報がシステムに知られている場合、この運転負荷を低減させる1つの対策は、オーディオシステムの音量を低下させるか又は音質をより安らかな音を生じるように変化させることである。最終的に、トンネルに入るとき、一般的に、換気を室内循環への切換えを作動させることができ、横窓、及び可能であれば、サンルーフを閉鎖することができる。
【0065】
加えて、入力ユニット32を用いて入力される一部の運転者気質も、個々の運転負荷レベルをもたらし得る。もし例えば、「漠然と心配な」状態が入力された場合、警告信号は、より小さい音で、かつより控えめな音質で、発せられる。低い優先順位の警告メッセージは、時間があれば、運転者によって呼び出され得る情報として通知される。
【0066】
高速度、大きいかじ取り角、又は厳しい加速、又は極端なブレーキプロセスのような運転者動作又は運転操作は、同様に、運転者状態とは独立して、高い運転負荷をもたらし得るが、これは、同様に、低優先順位の警告メッセージの抑制、電話呼出しの保留、又は他の付加的な情報の表示の抑制のような運転負荷を低減させる適切な対策olkをもたらす。
【0067】
以下、設定運転負荷下限値WLを下回る運転負荷レベルが存在する(図1を参照)例について、説明する。
【0068】
もし例えば、運転者が困難な道路区域に対処しなければならず、以前にいかなる困難な運転操作にも対処したことがなく、すなわち、これまで、運転作業は、極めて単調であった場合、運転者に依存しない運転負荷WLは低く、これによって、全体的に、低い運転負荷WLが対応する生理的測定値を示すと見なされ得る。運転者を予め活性化するには、運転負荷制御ユニット50によって、運転者情報及び表示システム61を適切に駆動することによって、及び情報メッセージ又は警告音を出力することによって、対策ulkとして、行なわれ得る。これは、ナビゲーションシステム63又は81を適切に駆動することによっても、達成され得る。
【0069】
特定の半径を有するカーブ及び特定の速度、及び高速道及び主要道路への進入と退出、及び最終的かつ付加的に、建物密集地域又はロータリ広場への進入は、困難な道路区域と見なされ得る。
【0070】
もし運転負荷WLが、特に低く、運転者の居眠りの危険性を示す最小運転負荷制限値WLmin(図1を参照)の領域にある場合、運転者は、運転者情報及び表示システム61とオーディオシステム62、及び可能であれば、ナビゲーションシステム63又は81の適切な制御によって、視覚的及び聴覚的信号及び情報を出力することによって、活力化され、これによって、運転者の運転負荷は、領域B1(図1を参照)に戻される。「高速道路」が環境特性として検出され、「平均〜低速度」が運転操作として検出され、生理的測定値が疲労又は単調さを示すときも、同様の状況が適用される。
【0071】
以下の対策ulkが、運転者の運転負荷を増大させるために、運転負荷制御ユニット50によって、車両システム60、70、80、及び90を駆動することによって、実行される。
・環境制御装置72を用いて、内部温度を低下させ、ファン風速を増大させ、可能であれば、ファン風向を運転者の上体又は頭部に向け、又はハンドルヒータをスイッチオンし、及び/又はより高い温度に設定し得る。
・嗅覚装置77が、例えば、ユーカリ、ペパーミント、又はレモンのような天然物質、又は刺激効果を有する合成物質のような車両内部への嗅覚的刺激効果を有する物質を放出し得る。また、酸素導入の増加も、運転負荷の増大、従って、運転者の動作能の改良をもたらす。
・オーディオシステム62を、大きい音量、さらに厳しい音質又は異なる音質、又は例えば、小ルームの大きさから大ルームの大きさへの音響効果に、設定する。
・運転者情報及び表示システム61による表示の照明輝度を、より上げる。
・シート制御装置71を用いて、背もたれの傾斜を調整し、ダイナミック運転者シートの側方支持を低減させ、又は全体的に、例えば、整形シートの場合、シートのクッションをより硬くする。
・ドア制御装置73を用いて、横窓を開き、及び可能であれば、サンルーフを開く。
・制御装置74によって、ハンドルの振動を生成し、又はハンドルの高さ設定を変更する。
・同じ制御装置74を用いて、操舵をより硬くし、又はもしレーンからの離脱のおそれがある場合には、適切なハンドル修正トルクを生成させ得る。
・サスペンション制御装置75を用いて、サスペンションの制振をより硬くする。
・加速ペダルの戻り力を増大させることによって、減速がされたことを示すために、制御装置76によって、加速ペダル用の触知性ペダル信号を生成する。
・運転者情報及び表示システム61、オーディオシステム62及びナビゲーションシステム63又は81によって、いかなる種類の情報をも出力する。すなわち、例えば、無線又はCDプレーヤがスイッチオンされ、又はすぐ近くの観光地に関する情報、交通メッセージ、又は車両に関する情報が発信され得る。
・ナビゲーションシステム63又は81は、目的地に到着するための困難な路線を提示し、又はごく近くの駐車場又は良好なホテル設備を示すために、用いられ得る。
・アクティブクルーズコントロールシステム(ACCシステム)が作動されたとき、速度設定が増大され、音響警告がより大きく発信され、又は警告がより容易に発信され、又は衝突防止制御機能又はテンポマート機能が自動的に停止され得る。
・さらに他の作動されている支援システム、例えば、レーン変更支援装置84、カーブ警告システム85、停止/発進支援装置86、レーン支援装置87、ブレーキ支援装置88、又は自動ブレーキシステム89が、スイッチオフされ得る。
・もし車両が道路標識を識別した場合、提示された情報の量が、道路標識の全てとそれらの表示を記録することによって、増大され得る。
【0072】
もし運転負荷レベルが極端である場合、すなわち、それらが、運転者の混乱の危険性を有する高負荷又は運転者の疲労のいずれかを示す最小運転負荷制限値WLminを下回っているか又は最大運転負荷WLmaxを上回っている場合(図1を参照)、道路を利用している他の人々は、例えば、外部警告信号を生成するための制御ユニット90によって、危険明滅システム、警笛、前照灯点滅、ブレーキランプ、又はロービーム前照灯をスイッチオンすることによって、知らされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】運転者の運転負荷に依存する動作能を説明するための運転負荷/動作能の線図である。
【図2】本発明の操作の方法を説明するための機能線図である。
【図3a】一例示的実施形態の操作の方法を説明するためのブロック図である。
【図3b】一例示的実施形態の操作の方法を説明するためのブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車を運転中の運転者の負荷を調整する方法であって、運転負荷(WL)がセンサによって検出される生理的な運転者データから決定される方法において、
a)前記決定された運転負荷(WL)が、所定の最適運転負荷(WLopt)と比較され、
b)もし前記決定された運転負荷(WL)が、前記運転者が過小負荷状態にあるWL<WLoptの場合、少なくとも1つの車両システムを制御して視覚的、聴覚的、触知的、嗅覚的のいずれか1つ以上の信号を生成することによって、及び/又は、すでに生成されている視覚的、聴覚的、触知的、嗅覚的もいずれか1つ以上の信号を増大させることによって、及び/又は、少なくとも1つの車両システムを制御してそれらの信号品質を変化させることによって、前記運転者の前記負荷が増大され、
c)もし前記決定された運転負荷(WL)が、前記運転者が過大負荷状態にあるWL>WLoptの場合、自動車内における運転者情報及び/又は表示システムを、視覚的、聴覚的、触知的、嗅覚的信号のいずれか1つ以上の出力が完全に又は部分的に抑制されるか、又はそれらが遅れて出力されるように駆動することによって前記運転者の負荷の増大が防止される、
ことを特徴とする運転者の負荷を調整するための方法。
【請求項2】
自動車を運転中の運転者の負荷を調整する方法であって、運転負荷(WL)がセンサによって検出される生理的な運転者データから決定される方法において、
a)前記決定された運転負荷(WL)は、所定の最適運転負荷(WLopt)と比較され、
b)もし前記決定された運転負荷(WL)が、前記運転者が過小負荷状態にあるWL<WLoptの場合、少なくとも1つの車両システムを制御して視覚的、聴覚的、触知的のいずれか1つ以上の信号を生成することによって、及び/又はすでに生成されている視覚的、聴覚的、触知的、嗅覚的のいずれか1つ以上の信号を増大させることによって、及び/又は少なくとも1つの車両システムを制御してそれらの信号品質を変化させることによって、前記運転者の前記負荷が増大され、
c)もし前記決定された運転負荷(WL)が、前記運転者が過大負荷状態にあるWL>WLoptの場合、少なくとも1つの車両システムを制御してすでに生成されている視覚的、聴覚的、触知的、嗅覚的信号のいずれか1つ以上の信号強度及び/又は信号品質を減少又は変化させることによって、及び/又は、運転者支援システムの使用を提示することによって、及び/又は、適切な情報を前記運転者に出力することによって、前記運転者の前記負荷が減少される
ことを特徴とする運転者の負荷を調整するための方法。
【請求項3】
自動車を運転中の運転者の負荷を調整する方法であって、運転負荷(WL)がセンサによって検出される生理的な運転者データから決定される方法において、
a)前記決定された運転負荷(WL)は、所定の最適運転負荷(WLopt)と比較され、
b)前記決定された運転負荷(WL)が、前記運転者が過小負荷状態にあるWL<WLoptの場合、少なくとも1つの車両システムを制御して視覚的、聴覚的、触知的信号のいずれか1つ以上を生成することによって、及び/又はすでに生成されている視覚的、聴覚的、触知的、又は、嗅覚的信号のいずれか1つ以上を増大させることによって、及び/又は少なくとも1つの車両システムを制御してそれらの信号品質を変化させることによって、前記運転者の前記負荷が増大され、
c)前記決定された運転負荷(WL)が、前記運転者が過大負荷状態にあるWL>WLoptの場合、少なくとも1つの車両システムを制御して及び/又は少なくとも1つの運転者支援システムを作動させることによって、すでに生成されている視覚的、聴覚的、触知的又は嗅覚的信号のいずれか1つ以上の信号強度及び/又は信号品質を減少又は変化させることによって、前記運転者の前記負荷が減少される、
ことを特徴とする運転者の負荷を調整するための方法。
【請求項4】
もし運転者が依然として過大負荷状態にある場合、前記運転者の前記負荷は、少なくとも1つの車両システムを制御して、及び/又は車両情報システムによって、前記運転者に運転者支援システムの使用を提示することによって、すでに生成されている視覚的、聴覚的、触知的、嗅覚的の信号のいずれか1つ以上の信号強度及び/又は信号品質を減少又は変化させることによって、減少されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記運転者が依然として過大負荷状態にある場合、前記運転者の前記負荷は、少なくとも1つの車両システムを制御して、少なくとも1つの運転者支援システムを作動させることによって、すでに生成されている視覚的、聴覚的、触知的又は嗅覚的信号の少なくとも1つ以上の信号強度及び/又は信号品質を減少又は変化させることによって、減少されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記運転者が依然として過大負荷状態にある場合、前記運転者の前記負荷は、前記自動車内における運転者情報及び/又は表示システムを、視覚的、聴覚的、触知的又は嗅覚的信号のいずれか1つ以上の出力が抑制されるか又は遅れて出力されるように、駆動することによって、減少されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記運転者が依然として過大負荷状態にある場合、前記運転者の前記負荷は、前記提示された運転者支援システムを作動させることによって、減少されることを特徴とする請求項2あるいは6に記載の方法。
【請求項8】
前記運転者が依然として過大負荷状態にある場合、前記運転者の前記負荷は、前記自動車内における運転者情報及び/又は表示システムを、視覚的、聴覚的、触知的、嗅覚的信号のいずれか1つ以上の出力が抑制されるか又は遅れて出力されるように、駆動することによって、減少されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記運転者支援システムは、異なる運転者の感覚経路に対応する少なくとも2つの信号が、異なる運転者の感覚経路を刺激するために、連続的に生成されるように、駆動されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
WL<WLoptである最適運転負荷下限値(WL)が予め定められ、もし前記運転負荷(WL)がWL<WLと決定された場合、前記運転者の前記負荷を増大させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
WL>WLoptである最適運転負荷上限値(WL)が予め定められ、もし前記運転負荷(WL)がWL<WLと決定された場合、前記運転者の前記負荷の増大を防止する、又は、前記運転者の前記負荷を減少させることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
WLmin<WLかつWLmin<WLoptである最小制限運転負荷(WLmin)が、予め定められ、決定された運転負荷(WL)が、前記運転者が居眠りする危険性があることを示すとき(WL<WLmin)、音響的、光学的、触知的、嗅覚的のいずれか1つ以上の警告信号を生成することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
他の道路利用者が、音響的及び視覚的な警告信号によって、警告されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
WL<WLmax及びWLopt<WLmaxである最大制限運転負荷(WLmax)が、予め定められ、決定された運転負荷(WL)が運転者のクラッシュの危険性を示すとき(WLmax<WL)、他の道路利用者が、音響的及び視覚的警告信号によって、警告されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
自動車両ブレーキシステムが作動されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
警告メッセージを優先させ、低い優先度の警告メッセージは抑制されるか又は遅れて出力されるように、運転者情報システムを駆動することによって、前記運転者の負荷の増大が防止されることを特徴とする請求項1、4〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記車両情報システムへの電話呼出し、SMSメッセージ、Eメール、及び交通メッセージの受信の信号伝達を抑制するか又は遅れて出力させることによって、前記運転者の負荷の増大が防止されることを特徴とする請求項1、4〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記車両内の表示システムの表示を優先させ、低優先度の表示の照明をスイッチオフするか又はその輝度を低減させることによって、前記運転者の負荷の増大が防止されることを特徴とする請求項1、4〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記運転者の前記負荷を増減させるための車両システムとして、空調用制御装置が用いられることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記運転者の前記負荷を増減させるための車両システムとして、車両シート用制御装置が用いられることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記運転者の前記負荷を増減させるために、前記車両内のオーディオシステム用制御装置が用いられることを特徴とする請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記運転者の前記負荷を増減させるために、前記表示計器類の照明を調整するための制御装置が用いられることを特徴とする請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記運転者の前記負荷を増減させるための車両システムとして、ドア制御装置が用いられることを特徴とする請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記運転者の前記負荷を増減させるための車両システムとして、ナビゲーションシステムが用いられることを特徴とする請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記運転者の前記負荷を増減させるための車両システムとして、情報システム用制御装置が用いられることを特徴とする請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記運転者の前記負荷を増減させるための車両システムとして、アクティブクルーズコントロールシステム(ACC)が、用いられることを特徴とする請求項1〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記運転者の前記負荷を増減させるための車両システムとして、サスペンション制御装置が用いられることを特徴とする請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記運転者の前記負荷を増減させるための車両システムとして、道路標識識別用制御装置が用いられることを特徴とする請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記運転者の前記負荷を増大させるための車両システムとして、ハンドル位置を調整し、及びハンドル振動を生成させるための制御装置が用いられることを特徴とする請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記運転者の前記負荷を増大させるための車両システムとして、パワーステアリング装置が用いられることを特徴とする請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
活動状態ではスイッチオフされる運転者支援システムが、前記運転者の前記負荷を増大させるために、用いられることを特徴とする請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記運転者の前記運転負荷を決定するために、前記運転者の経歴データが用いられることを特徴とする請求項1〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記運転者の前記運転負荷を決定するために、センサによって車両状態データが付加的に検出されることを特徴とする請求項1〜32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記運転者の前記運転負荷を決定するために、センサによって前記運転者の運転操作及び/又は運転者動作が検出されることを特徴とする請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記運転者の前記運転負荷を決定するために、センサによって道路の種類、道路の状態、交通量、及び自然環境のような環境データが検出されることを特徴とする請求項1〜34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記運転者の前記負荷が増大されたとき、視覚的及び/又は聴覚的信号を生成することによって、これを前記運転者に知らせることを特徴とする請求項1〜35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
請求項1〜36のいずれか一項に記載の方法を実行するための装置において、
センサユニット(31)が前記運転者の生理的データを検出するために設けられ、該センサユニット(31)は、前記運転者の前記運転負荷(WL)を決定して評価するための車載コンピュータ(10)に、バスシステムを介して接続され、
運転負荷制御ユニット(50)が、前記車載コンピュータ(10)によって生成された評価結果(WL、WL)と測定値メモリ(15、16)に記憶されている対策(o11・・・omn、u11・・・umn)に基づいて、前記評価結果(WL、WL)と関連する対策に応じて、少なくとも1つの車両システム(60、70、80、90)を駆動することを特徴とする運転者の負荷を調整するための装置。
【請求項38】
前記車載コンピュータ(10)に接続される車両状態及び車内環境センサシステム(20)が設けられることを特徴とする請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記車載コンピュータ(10)に接続される前記運転者の経歴データを入力するための入力機器(32)が設けられることを特徴とする請求項37又は38に記載の装置。
【請求項40】
前記車載コンピュータ(10)に接続される運転者活動センサシステム(40)が設けられることを特徴とする請求項35〜37のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図3b】
image rotate


【公表番号】特表2007−512989(P2007−512989A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529689(P2006−529689)
【出願日】平成16年4月20日(2004.4.20)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004171
【国際公開番号】WO2004/101306
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(598051819)ダイムラークライスラー・アクチェンゲゼルシャフト (1,147)
【Fターム(参考)】