説明

ストレス低減層を有する集積回路装置

集積回路装置が開示され、集積回路装置はNMOSゲート薄膜スタック(122)を覆う張力ストレス層(141)を有するデュアルストレスライナーNMOSデバイス(110)と、PMOSゲート薄膜スタック(123)を覆う圧縮ストレス層(142)を有するデュアルストレスライナーPMOSデバイス(111)と、張力ストレス層(141)とNMOSゲート薄膜スタック(124)との間に延在するストレス低減層(131a)を有する低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSデバイス(112)と、圧縮ストレス層(142)とPMOSゲート薄膜スタック(125)との間に延在するストレス低減層(131b)を有する低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOSデバイス(113)とを含む。発明の実施形態において、追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSデバイス(114)と低減ストレスのPMOSデバイス(115)とは、ストレス低減層(132a,132b)の厚みおよび/または材料特性を変更することによって形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明の実施形態は、半導体装置(「IC」)に関する。より特定的には、本発明は、機械的ストレスの微調整によって半導体における電荷移動度を微調整することに関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
90ナノメータ以下のデバイスのための従来の集積回路装置製造プロセスは、ハイエンドデバイスのパワーおよび性能の要求を満たすために、ストレス工学に依存する。単一ストレスライナープロセスにおいて、ストレスはNチャネル金属酸化膜半導体(NMOS)デバイスにのみ与えられる。ストレスは、たとえば、NMOS素子のソース、ドレインおよびゲートを覆う張力ストレス層によって与えられ得る。
【0003】
他のプロセスストレスが、NMOS素子とPチャネル金属酸化膜半導体(PMOS)デバイスの両方に与えられる。NMOSおよびPMOS素子の両方にストレスを与えるための1つのプロセスは、デュアルストレスライナー(DSL)製造プロセスである。このプロセスにおいて、張力ストレス層はNMOS素子のソース、ドレインおよびゲートを覆うように蒸着されてパターニングされる。圧縮ストレス層が、次にPMOS素子のソース、ドレインおよびゲートを覆うように蒸着されてパターニングされる。このプロセスは、DSL NMOS素子およびDSL PMOS素子と典型的に呼ばれるNMOS素子とPMOS素子とを形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
デュアルストレスライナープロセスは、高パワーおよび高性能特性を有するDSL PMOS素子とDSL NMOS素子とを形成する。より特定的には、それらは高い飽和ドレイン電流(Idsat)と低いリーク電流(Ioff)とを有する。従来のDSL NMOS素子およびDSL PMOS素子の使用は多くの用途において十分であるが、集積回路の設計者は、異なる性能レベルを有するNMOS素子とPMOS素子とを要求する可能性がある。したがって、従来のストレスのないNMOS素子およびPMOS素子よりも高い性能レベルを有するが、従来のDSL製造プロセスによって与えられる性能特性ほどは高くない性能を有するNMOS素子およびPMOS素子に対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
要約
集積回路装置の実施形態が開示され、集積回路装置は、第1のNMOSゲート薄膜スタックを覆う張力ストレス層を有するデュアルストレスライナーNMOS素子と、PMOSゲート薄膜スタックを覆う圧縮ストレス層を有するデュアルストレスライナーPMOS素子と、張力ストレス層および第2のNMOSゲート薄膜スタックの間に延在するストレス低減層を有する低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOS素子と、圧縮ストレス層およびPMOSゲート薄膜スタックの間に延在するストレス低減層を有する低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOS素子とを含み得る。
【0006】
この実施形態において、デュアルストレスライナーNMOS素子は、第1のストレスレベルを有し、低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOS素子は、第1のストレスレベルよりも低い第2のストレスレベルを有し、デュアルストレスライナーPMOS素子は、第3のストレスレベルを有し、低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOS素子は、第3のストレスレベルよりも低い第4のストレスレベルを有し得る。この実施形態は、さらに、第2のストレスレベルより低くてもよい第5のストレスレベルを有する追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOS素子と、第4のストレスレベルよりも低い第6のストレスレベルを有し得る追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOS素子とを含み得る。ストレス低減層は、第1の厚みを有する酸化物層を含み得る。
【0007】
この実施形態において、集積回路装置は、さらに第1の厚みよりも小さい厚みを有する追加のストレス低減層と、追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOS素子の第3のNMOSゲート薄膜スタックおよび張力ストレス層の間に延在し得るとともに、追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOS素子の第3のPMOSゲート薄膜スタックおよび圧縮ストレス層の間に延在し得る追加のストレス低減層とを含み得る。ストレス低減層は、第1の窒化物濃度および第1の厚みを有する窒化物層を含み得る。
【0008】
この実施形態において、集積回路装置は、さらに第1の厚みとほぼ同じ厚みを有し、第1の窒化物濃度よりも低い窒化物濃度を有する追加のストレス低減層を含み得るが、その追加のストレス低減層は、追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOS素子の第3のNMOSゲート薄膜スタックおよび張力ストレス層の間に延在し得るとともに、追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOS素子の第3のPMOSゲート薄膜スタックと圧縮ストレス層との間に延在し得る。低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOS素子と低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOS素子とは、ストレス近接(proximity)技術を用いて形成され、さらに、集積回路装置は、フィールドプログラマブルゲートアレイ装置であり得る。
【0009】
本発明の別の実施形態に従うと、集積回路装置を形成するための方法が開示され、その方法において、複数のデュアルストレスライナーNMOS素子が、第1のNMOSゲート薄膜スタックを覆う張力ストレス層を含むように形成され得る。さらに、複数のデュアルストレスライナーPMOS素子が、第1のPMOSゲート薄膜スタックを覆う圧縮ストレス層を含むように形成され得る。複数の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOS素子は、張力ストレス層と、第2のNMOSゲート薄膜スタックとの間に延在する第1のストレス低減層を有するように形成され得る。第2のPMOSゲート薄膜スタックを含む複数の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOS素子もまた形成され得る。第1のストレス低減層は、圧縮ストレス層と第2のPMOSゲート薄膜スタックとの間に延在し得る。
【0010】
この実施形態において、方法は、さらにNMOS素子とPMOS素子とを形成するのに先立って、デュアルストレスライナーNMOSセルと、デュアルストレスライナーPMOSセルと、低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセルと、低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOSセルとを含むセルライブラリを提供するステップを含み得る。方法は、さらに、NMOS素子とPMOS素子とを形成するのに先立って、集積回路装置デザインが生成され得ることを含み得るが、集積回路装置デザインは、複数のデュアルストレスライナーNMOSセルと、デュアルストレスライナーPMOSセルと、複数の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセルと、複数の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOSセルとを含む。追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセルが、追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOS素子を形成するために生成され得る。追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOSセルが、追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOS素子を形成するために生成され得る。いくつかの追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOS素子と、いくつかの追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOS素子は、第1のストレス低減層の厚みと異なる厚みを有する第2のストレス低減層を含み得る。
【0011】
この実施形態において、NMOS素子とPMOS素子との形成に先立って、デュアルストレスライナーNMOSセルと、デュアルストレスライナーPMOSセルと、低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセルと、低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOSセルとを含むセルライブラリが提供され得る。そして、NMOS素子とPMOS素子との形成に先立って、集積回路装置デザインが生成され得るが、集積回路装置デザインは、複数のデュアルストレスライナーNMOSセルと、デュアルストレスライナーPMOSセルと、複数の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセルと、複数の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOSセルとを含む。方法は、さらに集積回路装置デザインをテストすることを含み得るが、集積回路装置デザインがテストをパスしない場合には、集積回路装置デザインにおける少なくともいくつかのデュアルストレスライナーNMOSセルを低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセルに置き換えるとともに少なくともいくつかのデュアルストレスライナーPMOSセルを低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOSセルに置き換えることによって、修正された集積回路装置デザインを生成するステップを含み得る。
【0012】
この実施形態において、方法は、さらに製造された集積回路装置をテストすることを含み得るが、集積回路装置がテストをパスしない場合には、1以上の追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセルおよび1以上の追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOSセルの第2のストレス低減層の厚みを変更することを含み得る。さらに、方法は、製造された集積回路装置をテストすることを含み、集積回路装置がテストをパスしない場合には、1以上の追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセルと1以上の追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOSセルの第2のストレス低減層の窒化物濃度を変更することを含む。
【0013】
さらに、この実施形態において、方法はさらに、NMOS素子とPMOS素子との形成に先立って、デュアルストレスライナーNMOSセルと、デュアルストレスライナーPMOSセルと、低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセルと、低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOSセルとを含むセルライブラリを提供するステップを含み、NMOS素子とPMOS素子との形成に先立って、方法は、複数のデュアルストレスライナーNMOSセルと、デュアルストレスライナーPMOSセルと、複数の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセルと、複数の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOSセルとを含む集積回路装置デザインを生成するステップを含み得る。さらに、方法は、追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOS素子を形成するために追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセルを生成するステップと、追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOS素子を形成するために追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOSセルを生成するステップとを含み得るが、いくつかの追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOS素子と、いくつかの追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOS素子とは、第1のストレス低減層の窒化物濃度と異なる窒化物濃度を有する第3のストレス低減層を有する。集積回路装置は、フィールドプログラマブルゲートアレイであり得る。
【0014】
本発明の方法および装置は、ストレスのないNMOS素子およびPMOS素子より高いストレスレベルと性能レベルとを有するが、従来のデュアルストレス層プロセスによって形成されたデバイスのストレスレベルおよび性能レベルよりは低いストレスレベルと性能レベルとを有するNMOS素子とPMOS素子とを提供する。本発明のこれらおよび他の利点は、さまざまな図面に図示されている、好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後では、当業者にとって明らかに自明であるだろう。
【0015】
図面の簡単な説明
添付の図面は、本発明のさらなる理解を提供するために含まれ、この明細書に取入れられるとともにこの明細書の一部を構成する。図面は本発明の実施形態を図示し、記述とともに、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】本発明の実施形態に従う、ゲート薄膜スタックと、スペーサと、ソース領域およびドレイン領域とが形成された半導体ウェハの断面図を示す。
【図1B】本発明の実施形態に従う、第1のストレス低減層が蒸着された後の図1Aの半導体ウェハを示す。
【図1C】本発明の実施形態に従う、第1のストレス低減層がパターニングされた後の図B1の半導体ウェハを示す。
【図1D】本発明の実施の形態に従う、第2のストレス低減層が蒸着された後の図1Cの半導体ウェハを示す。
【図1E】本発明の実施の形態に従う、第2のストレス低減層がパターニングされた後の図1Dの半導体ウェハを示す。
【図1F】本発明の実施の形態に従う、図1Eの半導体ウェハの一部の上面図を示す。
【図1G】本発明の実施の形態に従う、張力ストレス層が蒸着されてパターニングされた後の図1Eの半導体ウェハを示す。
【図1H】本発明の実施の形態に従う、圧縮ストレス層が蒸着されてパターニングされた後の図1Gの半導体ウェハを示す。
【図2】本発明の実施形態に従う、フィールドプログラマブルゲートアレイアーキテクチャを示す。
【図3】本発明の実施の形態に従う、デュアルストレス層MOSセルと、低減ストレスのデュアルストレス層MOSセルと、プログラマブルタイルセルと、コラムセルと、集積回路装置を形成するために用いられ得る他のセルとを含むセルライブラリの図である。
【図4】本発明の実施の形態に従う、ストレス近接技術を用いて形成されたDSL MOSデバイスと、低減ストレスのDSL NMOS素子と、低減ストレスのDSL PMOS素子とを含む集積回路装置の断面図を示す。
【図5】本発明の実施の形態に従う、集積回路装置を形成するための方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
詳細な説明
本発明の好ましい実施形態および添付の図面に図示された例が詳細に参照される。本発明は好ましい実施の形態と併せて説明されるが、それらは本発明をこれらの実施形態に限定する意図ではないことが理解されるであろう。逆に、本発明は代替、変形および均等を含むことを意図するものであり、それらは、添付の請求項によって定義されるように、本発明の精神および範囲内に含まれ得る。さらに、本発明の以下の詳細な説明において、数多くの具体的な詳細が、本発明の完全な理解を提供するために記述される。しかしながら、当業者にとっては、本発明が、これらの具体的な詳細なしで実施可能であることはあきらかであるだろう。他の事例、周知の方法、手続き、構成要素および回路は、本発明の局面を不必要に隠すことにならないために詳細には説明されていない。
【0018】
図1A〜1Hは、デュアルストレスライナー(DSL)NMOS素子110と、DSL PMOS素子111と、低減ストレスのDSL NMOS素子112と、低減ストレスのDSL PMOS素子113とを含む集積回路装置100を形成するためのプロセスを示す。さらに、集積回路装置110は、追加の低減ストレスのDSL NMOS素子114と、低減ストレスのDSL PMOS素子115とを含む。この実施の形態において、デバイス110〜115のすべては、デュアルストレスライナー製造プロセスを用いて形成され、そのプロセスにおいて、各デバイス110〜115のチャネルにストレスを加えて、デバイス110〜115における改善されたキャリア移動度を与えるために、張力ストレス層141は、各NMOSゲート薄膜スタック110,112,114にわたり形成され、圧縮ストレス層142は、各PMOSゲート薄膜スタック111,113,135にわたり形成される。低減ストレスのDSL NMOS素子112,114は、張力ストレス層141とNMOSゲート薄膜スタック124,126との間に延在するストレス低減層(131および132)を含む。低減ストレスのDSL PMOS素子113,115は、圧縮ストレス層142とNMOSゲート薄膜スタック125,127との間に延在するストレス低減層(131,132)を含む。
【0019】
ここで図1Aを参照して、ゲート薄膜スタック122〜127は、半導体基板101にわたり形成され、スペーサ121が、各ゲート薄膜スタック122〜127の両側に形成されるように示されている。ソース/ドレイン領域120は、ソース領域120が各ゲート薄膜スタック122〜127の一方の側に延在し、ドレイン領域120がゲート薄膜スタック122〜127の反対側に延在するように半導体基板101内に形成される。この実施の形態において、シリコンオンインシュレータ(SOI)プロセスが図1Aに示された構造を形成するために用いられ、半導体基板101は、埋込酸化膜層と1以上のシャロートレンチ分離領域とを含む。各ゲート薄膜スタック122〜127は、複数の異なる材料の層を含み、その層は、半導体基板101を直接的に覆う誘電体層と、1以上の導電体材料の上部層とを含む。ソース/ドレイン領域120は、半導体基板101に不純物を注入して、アニールプロセスステップを実行することによって形成され得る。ソース/ドレイン領域120は、スペーサ121の外部に延在するように示されているが、ソース/ドレイン領域120がスペーサ121の下に延在する実施形態を含む、多くの異なるソースおよびドレイン領域120の構成が用いられ得ることが理解される。
【0020】
ここで図1Bを参照して、ストレス低減層131は、半導体基板101上に蒸着される。1つの実施形態において、ストレス低減層131は酸化物層である。別の実施形態において、ストレス低減層131は窒化物層(SiONx)である。ストレス低減層131は、厚みT1を有し、ゲート薄膜スタック122〜127と、ソース/ドレイン領域120とスペーサ121とを直接的に覆う。
【0021】
ここで図1Cを参照して、マスクおよびエッチングステップが、ストレス低減層131をパターニングするために実行される。この実施形態において、フォトレジスト層が蒸着され露光されて、反応性イオンエッチングが実行されてストレス低減層131の部分が除去されて、ストレス低減領域131aとストレス低減領域131bとが形成される。ストレス低減領域131aは、ゲート薄膜スタック124と、ソース/ドレイン領域120と、ゲート薄膜スタック124の両側に延在するスペーサ121との上に直接的に延在する。ストレス低減領域131bは、ゲート薄膜スタック125と、ソース/ドレイン領域120と、ゲート薄膜スタック125の両側に延在するスペーサ121との上に直接的に延在する。
【0022】
ここで図1Dを参照して、ストレス低減層132は、半導体基板101に蒸着される。1つの実施形態において、ストレス低減層132は酸化物層である。別の実施形態において、ストレス低減層132は窒化物層(SiONX)である。ストレス低減層132は厚みT2を有し、ゲート薄膜スタック122〜123と126〜127とを直接的に覆う。また、ストレス低減層132はストレス低減層領域131aおよび131bを直接的に覆う。
【0023】
ここで図1Eを参照して、マスクおよびエッチングステップが、ストレス低減層132をパターニングするために実行される。この実施形態において、フォトレジスト層が蒸着され露光されて、エッチングステップがストレス低減層132の部分を除去するために実行されて、ストレス低減領域132aとストレス低減領域132bとが形成される。ストレス低減領域132aは、ゲート薄膜スタック126と、ソース/ドレイン領域120と、ゲート薄膜スタック126の両側に延在するスペーサ121とにわたり直接的に延在する。ストレス低減領域132bは、ゲート薄膜スタック127と、ソース/ドレイン領域120と、ゲート薄膜スタック127の両側に延在するスペーサ121とにわたり直接的に延在する。
【0024】
図1C〜1Fは、ストレス低減領域131aと131bとの間のスペースおよびストレス低減領域132aと132bとの間のスペースを示しているが、代替的な実施形態においては、スペースが存在せず、ストレス低減領域131a,131bが接触し、ストレス低減領域132a〜132bが接触している。
【0025】
図1Fは、ストレス低減領域132bが矩形であり、高さHと幅Wとを有するように示されている。この実施形態において、ストレス低減領域131a,131b,132aの各々の形状はストレス低減領域132bの形状と同一であり、各々が同じ高さHと幅Wとを有する。
【0026】
1つの実施形態において、ストレス低減領域131と132とはシリコン酸窒化膜(SiON)である。1つの特定の実施形態において、層131,132はプラズマ強化化学気相成長(PECVD)SiONであり、層131は、ほぼ250オングストロームの厚みを有し、層132は、ほぼ125オングストロームの厚みを有する。
【0027】
張力ストレス層141は半導体基板101の上部表面上に蒸着されて、パターニングされて図1Gに示される構造が形成される。1つの実施形態において、張力ストレス層141はシリコン窒化物(SiN)の層であり、シリコン窒化物の層は、それが内的張力ストレスを有するように、摂氏480度で蒸着されてほぼ250オングストロームの厚みを有する。この実施形態において、張力ストレス層141が蒸着されて、フォトレジスト層の蒸着および露光が続き、反応性イオンエッチングプロセスが張力ストレス層141の部分を除去する。この実施の形態において、張力ストレス層141の第1の部分は、ゲート薄膜スタック122にわたり延在するとともに、ソース/ドレイン領域120とゲート薄膜スタック122の両側に延在するスペーサ121とにわたり直接的に延在する。張力ストレス層141の第2の部分は、ストレス低減領域131aに直接的に延在するとともに、ゲート薄膜スタック124に直接的に延在し、ソース/ドレイン領域120とゲート薄膜スタック124の両側に延在するスペーサ121とにわたり直接的に延在する。張力ストレス層141の第3の部分は、ストレス低減領域132aにわたり直接的に延在するとともに、ゲート薄膜スタック126に直接的に延在し、ソース/ドレイン領域120とゲート薄膜スタック126の両側に延在するスペーサ121とにわたり直接的に延在する。
【0028】
圧縮ストレス層142は、半導体基板101の上部表面上に蒸着されて、パターニングされて図1Hに示される構造が形成される。1つの実施形態において、圧縮ストレス層142はシリコン窒化物(SiN)の層であり、シリコン窒化物の層は、それが内的圧縮ストレスを有するように、摂氏480度で蒸着されてほぼ250オングストロームの厚みを有する。この実施形態において、圧縮ストレス層142が蒸着されて、フォトレジスト層の蒸着および露光が続き、反応性イオンエッチングプロセスが圧縮ストレス層142の部分を除去して、図1Hに示された構造が形成される。圧縮ストレス層142の第1の部分は、ゲート薄膜スタック123にわたり直接的に延在するとともに、ソース/ドレイン領域120とゲート薄膜スタック123の両側に延在するスペーサ121とにわたり直接的に延在する。圧縮ストレス層142の第2の部分は、ストレス低減領域131bに直接的に延在するとともに、ゲート薄膜スタック125に直接的に延在し、ソース/ドレイン領域120とゲート薄膜スタック125の両側に延在するスペーサ121とにわたり直接的に延在する。圧縮ストレス層142の第3の部分は、ストレス低減領域132bにわたり直接的に延在するとともに、ゲート薄膜スタック127に直接的に延在し、とソース/ドレイン領域120とゲート薄膜スタック127の両側に延在するスペーサ121とにわたり直接的に延在する。
【0029】
図1A〜1Hのプロセスは、当業者に知られている従来のデュアルストレスライナーNMOS素子およびPMOS素子であるDSL NMOS素子110とDSL PMOS素子111とを形成する。1つの実施形態において、DSL NMOS素子110と、DSL PMOS素子111とは、R.ゲーレ(R. Gehres)らの2006年 IEEE/SEMI Advanced Semiconductor Manufacturing Conferenceにおける「90nmデュアルストレスライナー技術における高容積製造の傾向」("High Volume Manufacturing Ramp in 90 nm Dual Stress Liner Technology")に開示されたプロセスおよび材料を用いて形成される。
【0030】
ストレス低減層131は、張力ストレス層141と低減ストレスのDSL NMOS素子112の他の構成要素との間に延在するので、低減ストレスのDSL NMOS素子112に与えられる張力ストレスは、DSL NMOS素子110に与えられる張力ストレスよりも小さい。同様に、ストレス低減層131は圧縮ストレス層142と低減ストレスのDSL PMOS素子113の他の構成要素との間に延在するので、低減ストレスのDSL PMOS素子113に与えられる張力ストレスは、DSL PMOS素子111に与えられる張力ストレスよりも小さい。
【0031】
ストレス低減層131は張力ストレス層141と低減ストレスのDSL NMOS素子112の他の構成要素との間に延在するので、低減ストレスのDSL NMOS素子112のチャネルに与えられる張力ストレスは、DSL NMOS素子110のチャネルに与えられる張力ストレスよりも小さい。同様に、ストレス低減層131は圧縮ストレス層141と低減ストレスのDSL PMOS素子113の他の構成要素との間に延在するので、低減ストレスのDSL PMOS素子113のチャネルに与えられる圧縮ストレスは、DSL PMOS素子111のチャネルに与えられるストレスよりも小さい。
【0032】
この実施の形態において、ストレス低減層132は、ストレス低減層131の厚みよりも小さい厚みを有する。したがって、ストレスの低減量は、ストレス低減層131によって与えられる低減量よりも小さくなるであろう。すなわち、低減ストレスのDSL NMOS素子114のチャネルに与えられる張力ストレスは、DSL NMOS素子110のチャネルに与えられる張力ストレスよりも小さくなるが、DSL NMOS素子112のチャネルに与えられる張力ストレスよりも大きくなる。同様に、低減ストレスのDSL PMOS素子115のチャネルに与えられる圧縮ストレスは、DSL PMOS素子111のチャネルに与えられる張力ストレスよりも小さくなるが、DSL NMOS素子113のチャネルに与えられる張力ストレスよりも大きくなる。したがって、所定の電圧(たとえば1.2ボルト)における飽和ドレイン電流(Idsat)は、DSL NMOS素子110に対して最も高くなるであろう。
【0033】
低減ストレスのDSL NMOS素子112は、DSL NMOS素子110のIdsatよりも低いIdsatを有するであろう。低減ストレスのDSL NMOS素子114は、DSL NMOS素子110のIdsatよりも低く、低減ストレスDSL NMOS素子112のIdsatよりも大きいIdsatを有するであろう。同様に、低減ストレスのDSL PMOS素子113は、DSL PMOS素子111のIdsatよりも低いIdsatを有するであろう。低減ストレスのDSL PMOS素子115は、DSL PMOS素子111のIdsatよりも低く、低減ストレスのDSL PMOS素子113のIdsatよりも大きいIdsatを有するであろう。
【0034】
低減ストレスのDSL NMOS素子112は、DSL NMOS素子110のオン電流(Ion)よりも低いIonを有するであろう。低減ストレスのDSL NMOS素子114は、DSL NMOS素子110のIonよりも低く、低減ストレスのDSL NMOS素子112のIonよりも大きいIonを有するであろう。同様に、低減ストレスのDSL PMOS素子113は、DSL NMOS素子111のIonよりも低いIonを有するであろう。低減ストレスのDSL PMOS素子115は、DSL PMOS素子111のIonよりも低く、低減ストレスのDSL PMOS素子113のIonよりも大きいIonを有するであろう。
【0035】
低減ストレスのDSL NMOS素子112は、DSL NMOS素子110のオフ電流(Ioff)よりも高いIoffを有するであろう。低減ストレスのDSL NMOS素子114は、DSL NMOS素子110のIoffよりも高く、低減ストレスのDSL NMOS素子112のIoffよりも低いIoffを有するであろう。同様に、低減ストレスのDSL PMOS素子113は、DSL PMOS素子111のIoffよりも高いIoffを有するであろう。低減ストレスのDSL PMOS素子115は、DSL PMOS素子111のIoffよりも高く、低減ストレスのDSL PMOS素子113のIoffよりも低いIoffを有するであろう。
【0036】
1つの実施形態において、ストレス低減層132は、ストレス低減層131のほぼ半分の厚みを有する。したがって、低減ストレスのDSL NMOS素子114のチャネルにおけるストレスレベルは、低減ストレスのDSL NMOS素子112のチャネルにおけるストレスのほぼ半分となる。同様に、低減ストレスのDSL PMOS素子115のチャネルにおけるストレスレベルは、低減ストレスのDSL PMOS素子113のチャネルにおけるストレスレベルのほぼ半分となる。
【0037】
同じサイズのストレス低減領域と同じ材料とを用い、ストレス低減層の厚みのみを変化させることによって、低減ストレスのDSL NMOS素子112,114の性能特性は、DSL NMOS素子110の性能特性に対して周知の量だけ変化し、異なる性能特性を有するNMOS素子110,112,114を有する集積回路装置110が提供される。同様に、同じサイズのストレス低減領域と同じ材料とを用い、ストレス低減層の厚みのみを変化させることによって、低減ストレスDSL PMOS素子113,115の性能特性がDSL PMOS素子111の性能特性に対して周知の量だけ変化し、異なる性能特性を有するPMOS素子111,113,115を有する集積回路装置100が提供される。
【0038】
図1A〜1Hに示された実施形態は、第1の厚みを有するストレス低減層131と第1の厚みのほぼ半分の第2の厚みを有するストレス低減層132とを用いた結果変化する性能特性を有する2つの低減ストレスのDSL NMOS素子と2つの低減ストレスのPMOS素子とを示しているが、他の実施の形態において、集積回路装置100は、異なる厚みを有する、より多くの低減ストレスのNMOS素子と低減ストレスのPMOS素子とを含み、異なる性能特性を有するNMOS素子とPMOS素子とを提供する。
【0039】
ストレス低減層131,132の厚みを変化させることによって性能特性を変化させることに加えて、1つの実施の形態では、性能特性は、異なる材料を用いて形成されたストレス低減層131および132を提供することによって変化する。1つのそのような実施の形態において、追加の1組の低減ストレスのDSL NMOS素子およびDSL PMOS素子が提供されるが、それらは、ストレス低減層131の材料が異なるという点を除いて、低減ストレスのDSL NMOS素子112と低減ストレスのDSL PMOS素子113と同一である。たとえば、ストレス低減層は、低減ストレスのDSL NMOS素子112と低減ストレスDSL PMOS素子113とにおけるストレス低減層の窒化物濃度よりも高い窒化物濃度を有する窒化物層であり得、特定の組の性能特性を提供する。これはストレス低減層131,132の厚みの変化と組合されることが可能であり、異なる性能特性を有するさらに多くのDSL NMOS素子およびDSL PMOS素子を提供する。1つのそのような実施形態において、追加の組の低減ストレスのDSL NMOS素子とPMOS素子とが与えられ、それらはストレス低減層132の材料が異なるという点を除き低減ストレスのDSL NMOS素子114と低減ストレスのPMOS素子115と同一である。たとえば、ストレス低減層132は、低減ストレスのDSL NMOS素子114と低減ストレスのDSL PMOS素子115におけるストレス低減層132よりも高い窒化物濃度を有し得る。
【0040】
1つの特定の実施形態において、集積回路装置100は、10個の異なるDSLデバイスと、ストレス低減層131,132が同じ材料で形成されて第1の窒化物濃度を有するDSLデバイス110〜115と、ストレス低減層131が第1の窒化物濃度よりも低い第2の窒化物濃度を有するという点を除いて低減ストレスのDSL NMOS素子112と低減ストレスのPMOS素子113と同じである低減ストレスのDSL NMOS素子とを含む。この実施の形態において、ストレス低減層132が第2の窒化物濃度を有するという点を除いて低減ストレスのDSL NMOS素子114と低減ストレスのPMOS素子115と同一である追加の組の低減ストレスのDSL NMOS素子とDSL PMOS素子とが提供される。
【0041】
図2に示された実施の形態において、集積回路装置100は、フィールドプログラマブルゲートエリア(FPGA)ダイ(die)であり、FPGAアーキテクチャ200を有する。FPGAアーキテクチャ200は、多数の異なるプログラマブルタイルを含み、上記異なるプログラマブルタイルは、マルチギガビットトランシーバ(MGT201)、コンフィギュラブルロジックブロック(CLB202)、ランダムアクセスメモリブロック(BRAM203)、入力/出力ブロック(IOB204)、コンフィギュレーションおよびクロッキングロジック(CONFIG/CLOCKS205)、デジタル信号処理ブロック(DSP206)、専用入力/出力ブロック(I/O207)(たとえばコンフィギュレーションポートおよびクロックポート)、インターフェイスタイル(PHI)250、ならびに、デジタルクロックマネージャ、アナログ−デジタル変換器、システムモニタロジックなどのその他のプログラマブルロジック208を含む。さらに、集積回路装置100は、1以上の専用プロセッサブロック(PROC210)および/または暗号化ロジックブロック(ENCR280)を含み得る。
【0042】
いくつかのFPGAでは、各々のプログラマブルタイルは、各々の隣接するタイル中の対応のインターコネクト素子へおよびそれからの標準化された接続部を有するプログラマブルインターコネクト素子(INT211)を含む。したがって、プログラマブルインターコネクト素子は、図示されるFPGAのためのプログラマブルインターコネクト構造を共に実現する。プログラマブルインターコネクト素子(INT211)は、図2の上部に含まれる例によって示されるように、同じタイル内にプログラマブルロジック素子へのおよびそれからの接続部も含む。
【0043】
たとえば、CLB202は、単一のプログラマブルインターコネクト素子(INT211)と共にユーザロジックを実現するようにプログラム可能なコンフィギュラブルロジック素子(CLE212)を含むことができる。BRAM203は、1つ以上のプログラマブルインターコネクト素子に加えてBRAMロジック素子(BRL213)を含むことができる。典型的に、1つのタイルに含まれるインターコネクト素子の数は、このタイルの高さに依存する。図示される実施の形態では、BRAMタイルは5つのCLBと同じ高さを有するが、他の数(たとえば6つ)を用いることも可能である。DSPタイル206は適切な数のプログラマブルインターコネクト素子に加えてDSPロジック素子(DSPL214)を含むことができる。IOB204は、たとえば、プログラマブルインターコネクト素子(INT211)の1つのインスタンスに加えて入力/出力ロジック素子(IOL215)の2つのインスタンスを含むことができる。当業者には明らかなように、たとえばI/Oロジック素子215に接続される実際のI/Oパッドは、図示されているさまざまなロジックブロックよりも上に積層される金属を用いて製造され、典型的に、入力/出力ロジック素子215の領域に限られない。
【0044】
コンフィギュレーション/クロック分配ロジック309は、コンフィギュレーション、クロックおよび他の制御ロジックを含む。このコラムから延在する水平方向の領域209は、FPGAの幅に亘ってクロックおよびコンフィギュレーション信号を分配するのに用いられる。
【0045】
図2に図示されたアーキテクチャを利用するいくつかのFPGAは、FPGAの段部分を形成する規則的なコラム状構造(columnar structure)を分離する追加のロジックブロックを含む。追加のロジックブロックは、プログラマブルブロックおよび/または専用ロジックであり得る。たとえば、図2に示されたプロセッサブロック(PROC210)は、CLBおよびBRAMのいくつかのコラムに広がる。
【0046】
図2は、ある例示的なFPGAアーキテクチャを図示することしか意図していない。1列の中のロジックブロックの数、コラムの相対的な幅、コラムの数および順序、コラムに含まれるロジックブロックの種類、ロジックブロックの相対的なサイズ、ならびに図2の上部に含まれるPROC210およびインターコネクト/ロジック実現例のようなハードブロックの組み込みは、各アプリケーションの要求に従って変化するであろう。たとえば、実際のFPGAでは、CLBの2つ以上の隣接するコラムは、CLBが現れる場所であればどこでも典型的に含まれて、ユーザロジックの効率的な実現を容易にするが、隣接するCLBコラムの数はFPGAの全体的なサイズによって変化する。
【0047】
図3は、従来のデュアルストレスライナー製造プロセスを用いて形成されたデュアルストレスライナーセル302〜303と、ストレス低減層を含む点を除いてデュアルストレスライナーセル302〜303と同一のセル304〜311とを含むセルライブラリ300を示す。より特定的には、低減ストレスのDSL NMOS素子(N−DSL−SRL)304は、それが張力ストレス層とNMOSゲート薄膜スタックとの間に延在するストレス低減層を含む点を除いてDSL NMOS素子(N−DSL)302と同一であることが示される。低減ストレスのDSL PMOS素子(P−DSL−SRL)305は、それが圧縮ストレス層とPMOSゲート薄膜スタックとの間に延在するストレス低減層を含む点を除いてDSL PMOS素子(P−DSL)303と同一であることが示される。
【0048】
続けて図3では、低減ストレスのDSL NMOS素子(N−DSL−SRL2)セル306は、それが、低減ストレスDSL NMOS素子セル304におけるストレス低減層のおよそ半分の厚みである厚みを有するストレス低減層を含む点を除いて低減ストレスのDSL NMOS素子セル304と同一であることが示される。低減ストレスのDSL PMOS素子(P−DSL−SRL2)セル307は、それが低減ストレスのDSL PMOS素子セル305におけるストレス低減層のおよそ半分の厚みである厚みを有するストレス低減層を含む点を除いて低減ストレスのDSL PMOS素子セル305と同一であることが示される。
【0049】
1つの特定的な実施形態において、セル302〜307は図1A〜1Hに示されるプロセスを定義するが、DSL NMOS素子セル302はDSL NMOS素子110を定義し、DSL PMOS素子セル303はDSL PMOS素子111を定義し、低減ストレスのDSL NMOS素子セル304は低減ストレスのDSL PMOS素子112を定義し、低減ストレスのDSL PMOS素子305は低減ストレスのDSL PMOS素子113を定義し、低減ストレスのDSL NMOS素子セル306は、低減ストレスのDSL PMOS素子114を定義し、低減ストレスのDSL PMOS素子セル307は低減ストレスのDSL PMOS素子115を定義する。
【0050】
続けて図3では、低減ストレスのDSL NMOS素子(N−DSL−SRL3)セル308が、それが低減ストレスのDSL NMOS素子セル304におけるストレス低減層のおよそ半分の窒化物濃度である窒化物濃度レベルを有するストレス低減層を含む点を除いて低減ストレスのDSL NMOS素子セル304と同一であることが示される。低減ストレスのDSL PMOS素子(P−DSL−SRL3)セル309は、それが低減ストレスのDSL PMOS素子セル305におけるストレス低減層のおよそ半分の窒化物濃度である窒化物濃度を有するストレス低減層を有する点を除いて低減ストレスのDSL PMOS素子セル305と同一であることが示される。
【0051】
さらに、低減ストレスのDSL NMOS素子(N−DSL−SRL4)セル310は、それが低減ストレスのDSL NMOS素子セル306におけるストレス低減層のおよそ半分の窒化物濃度である窒化物濃度レベルを有するストレス低減層を含む点を除いて低減ストレスのDSL NMOS素子セル306と同一であることが示される。低減ストレスのDSL PMOS素子(P−DSL−SRL4)セル311は、それが低減ストレスのDSL PMOS素子セル307におけるストレス低減層のおよそ半分の窒化物濃度である窒化物濃度を有するストレス低減層を有する点を除いて低減ストレスのDSL PMOS素子セル307と同一であることが示される。
【0052】
続けて図3では、デュアルストレスライナーセル352〜361は、デュアルストレスライナーストレス近接技術製造プロセスを用いて形成されることが示される。より特定的には、DSL NMOS素子(N−DSL−SPT)352と、DSL PMOS素子(P−DSL−SPT)353とは、従来のデュアルストレスライナーストレス近接技術製造プロセスを用いて形成されることが示される。低減ストレスのDSL NMOS素子(N−DSL−SPT−SRL)354は、それが張力ストレス層とNMOSゲート薄膜スタックとの間に延在するストレス低減層を含む点を除いてDSL NMOS素子(N−DSL−SPT)352と同一であることが示される。低減ストレスのDSL PMOS素子(P−DSL−SPT−SRL)355は、それが圧縮ストレス層とPMOSゲート薄膜スタックとの間に延在するストレス低減層を含む点を除いてDSL PMOS素子(P−DSL−SPT)353と同一であることが示される。
【0053】
続けて図3では、低減ストレスのDSL NMOS素子(N−DSL−SPT−SRL2)セル356は、それが低減ストレスのDSL NMOS素子セル354におけるストレス低減層のおよそ半分の厚みである厚みを有するストレス低減層を含む点を除いて低減ストレスのDSL NMOS素子セル354と同一であることが示される。低減ストレスのDSL PMOS素子(P−DSL−SPT−SRL2)セル357は、それが低減ストレスのDSL PMOS素子セル355におけるストレス低減層のおよそ半分の厚みである厚みを有するストレス低減層を含む点を除いて低減ストレスのDSL PMOS素子セル355と同一であることが示される。
【0054】
低減ストレスのDSL NMOS素子(N−DSL−SPT−SRL3)セル358は、それが低減ストレスのDSL NMOS素子セル354におけるストレス低減層のおよそ半分の窒化物濃度である窒化物濃度レベルを有するストレス低減層を含む点を除いて低減ストレスのDSL NMOS素子セル354と同一であることが示される。低減ストレスのDSL PMOS素子(P−DSL−SPT−SRL3)セル359は、それが低減ストレスのDSL PMOS素子セル355におけるストレス低減層のおよそ半分の窒化物濃度である窒化物濃度を有するストレス低減層を有する点を除いて低減ストレスのDSL PMOS素子セル355と同一であることが示される。
【0055】
さらに、低減ストレスのDSL NMOS素子(N−DSL−SPT−SRL4)セル360は、それが低減ストレスのDSL NMOS素子セル356におけるストレス低減層のおよそ半分の窒化物濃度である窒化物濃度レベルを有するストレス低減層を含む点を除いて低減ストレスのDSL NMOS素子セル356と同一であることが示される。低減ストレスのDSL PMOS素子(P−DSL−SPT−SRL4)セル361は、それが低減ストレスのDSL PMOS素子セル357におけるストレス低減層のおよそ半分の窒化物濃度である窒化物濃度を有するストレス低減層を含む点を除いて低減ストレスのDSL PMOS素子セル357と同一であることが示される。
【0056】
本実施の形態において、セルライブラリ300は、図2に示されるFPGA200のようなプログラマブルロジックデバイス(PLD)を形成するためのセルライブラリである。この実施の形態において、セルライブラリ300は、多数の異なるプログラマブルタイルを含み、上記異なるプログラマブルタイルは、マルチギガビットトランシーバ(MGT380)、コンフィギュラブルロジックブロック(CLB381)、ランダムアクセスメモリブロック(BRAM382)、入力/出力ブロック(IOB383)、コンフィギュレーションおよびクロッキングロジック(CONFIG/CLOCKS384)、デジタル信号処理ブロック(DSP385)、専用入力/出力ブロック(I/O386)(たとえばコンフィギュレーションポートおよびクロックポート)、ならびに、デジタルクロックマネージャ、アナログ−デジタル変換器、システムモニタロジックなどのその他のプログラマブルロジック(OTHER)387を含む。プロセッサセル398はプロセッサ210を定義し、コンフィギュレーション/クロック分配セル399はコンフィギュレーション/クロック分配ロジック309を定義する。
【0057】
セルライブラリ300は、また、関連する回路の種類と実質的に同一のタイルを有するコラム390〜397を含む。より特定的には、コラム390はMGTタイルのコラムであり、コラム391はCLBタイルのコラムであり、コラム392はBRAMタイルのコラムであり、コラム393はIOBタイルのコラムであり、コラム394はコンフィギュレーションおよびクロックタイルのコラムであり、コラム395はDSPタイルのコラムであり、コラム396は入力および出力タイルのコラムである。センターコラム397は、複数の異なる種類のタイルからなるコラムである。本実施の形態において、センターコラム397は、コンフィギュレーションおよびクロックタイル384と、入力および出力タイル386と、その他のプログラマブルロジック387とを含む。
【0058】
集積回路装置デザインが次に用いられて集積回路装置が形成される。1つの実施形態において、セルライブラリ300を用いて形成される集積回路装置はアーキテクチャ200のいくつか、または全ての特徴を有するFPGA集積回路装置である。
【0059】
図3に示されたセルは、図1A〜1Hに示されるプロセスと同じく例示的なものであり、他の実施の形態においてセルライブラリ300は追加の低減ストレスのDSL NMOS素子およびPMOS素子セルを含み、それらは異なる性能特性を有し、ストレス低減層を形成するために異なる材料(たとえば異なる窒化物濃度)を用いることにより、および/またはストレス低減層の厚みを変えることにより、および/またはストレス低減層のサイズまたは形状を変えることによって形成されるということが理解される。
【0060】
図4は、ストレス近接技術を用いて形成されたデバイス410〜415を含む例示的な集積回路装置400を示す。より特定的には、従来のスペーサ121を用いることに代えて、L字型のスペーサ421が用いられ、デバイス410〜415の各々のチャネルにおけるストレスを増加させる。1つの実施形態において、セル352〜357は集積回路装置410〜415を定義する。より特定的には、DSL NMOS素子セル352はDSL NMOS素子410を定義し、DSL PMOS素子セル353はDSL PMOS素子411を定義し、低減ストレスのDSL NMOS素子セル354は低減ストレスのDSL NMOS素子412を定義し、低減ストレスのDSL PMOS素子セル355は低減ストレスのDSL PMOS素子413を定義し、低減ストレスのDSL NMOS素子セル356は低減ストレスのDSL NMOS素子414を定義し、低減ストレスのDSL PMOS素子セル357は低減ストレスのDSL PMOS素子415を定義する。
【0061】
1つの実施形態において、デバイス410〜415は、各々のゲート薄膜スタック122〜127の両側に第1の組のスペーサ421を形成し、各々のスペーサ421に直接的に接触する第2のスペーサを形成し、サリサイドプロセスを実行してソース/ドレイン領域120上にシリサイド領域を形成し、第2のスペーサを除去することによって形成される。1つの実施形態において、スペーサは、第1の材料の層を蒸着し、第1の層の上に第2の材料の層を蒸着し、両方の層を同時にパターニングすることによって形成される。第2のスペーサが除去されるときには、選択的エッチングプロセスが用いられて、好ましくは上部のスペーサをエッチングし、図4に示されるL字型のスペーサ421が残るであろう。ストレス低減層131は蒸着されてパターニングされ、ストレス低減層132の蒸着およびパターニングがそれに続く。圧縮ストレス層141は、次に蒸着およびパターニングされ、圧縮ストレス層142がそれに続き蒸着およびパターニングされる。1つの実施形態において、スペーサ421を除き、集積回路装置400の構造が、図1A〜1Hに開示されたのと同じ方式で形成される。
【0062】
1つの実施形態において、デバイス410〜411は、X.チェン(X. Chen)らによる、2006 Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papersの「45nmおよびそれ以下の技術におけるデュアルストレスライナーでの性能改善のためのストレス近接技術」("Stress Proximity Technique for Performance Improvement with Dual Stress Liner at 45 nm Technology and Beyond")と題された文献に開示されたプロセスおよび材料を用いて形成される。この実施形態において、デバイス412〜415は、それらがストレス低減領域131a〜132bを含む点を除いてデバイス410〜411と同じ方式で形成される。
【0063】
L字型のスペーサ421の使用は、デバイス410〜415の各々のチャネルに、より大きなストレスが加えられることをもたらす。したがってデバイス410〜415の各々は、対応するデバイス110〜115よりも、より高いストレスレベルおよびより高い性能特性を有する。1つの特定的な実施の形態において、セル352〜357は図4の集積回路装置400を形成するためのプロセスを定義し、そのプロセスにおいて、DSL NMOS素子セル352はDSL NMOS素子410を定義し、DSL PMOS素子セル353はDSL PMOS素子411を定義し、低減ストレスのDSL NMOS素子セル354は低減ストレスのDSL NMOS素子412を定義し、低減ストレスのDSL PMOS素子セル355は低減ストレスのDSL PMOS素子413を定義し、低減ストレスのDSL NMOS素子セル356は低減ストレスのDSL NMOS素子414を定義し、低減ストレスのDSL PMOS素子セル357は低減ストレスDSL PMOS素子415を定義する。
【0064】
異なる厚みおよび異なる材料(たとえば異なる窒化物濃度)を有するストレス低減層を用いることにより、セル302〜361は集積回路装置デザインを形成するために用いられることが可能な幅広い範囲の性能特性を提供する。
【0065】
1つの例示的な実施の形態において、デュアルストレスライナーNMOSセル302は、第1のストレスレベルS1と、オン電流Ion1と、オフ電流Ioff1と、第1の飽和電流Isat1とを有する。低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセル304は、S1より小さい第2のストレスレベルS2と、Ion1よりも小さい第2のオン電流Ion2と、Ion1よりも小さい第2のオフ電流Ioff2と、Isat1よりも小さい第2の飽和電流Isat2とを有する。低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセル306は第3のストレスレベルS3とIon1よりも小さい第3のオン電流Ion3と、Ioff1よりも大きい第3のオフ電流Ioff3とを有し、S3はS1よりも小さく、かつS2よりも大きく、Ion3はIonS1よりも小さいがIon2よりも大きく、Ioff3はIoff1よりも小さいが、Ioff2よりも大きい。低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセル308は、S2よりも小さいストレスレベルS4と、Ion2よりも小さいオン電流Ion4と、Ioff2よりも大きいオフ電流Ioff4とを有する。低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセル310は、S2よりも小さいストレスレベルS5と、Ion2よりも小さいオン電流Ion4と、Ioff2よりも大きいオフ電流Ioff4とを有する。
【0066】
同様にPMOSセル303,305,307の各々は、他のPMOSセルと比較して異なるストレスレベルと、異なるIsat,IonおよびIoffとを有するであろう。たとえば、1つの実施形態において、デュアルストレスライナーPMOSセル303は、ストレスレベルS11と、オン電流Ion11と、オフ電流Ioff11と、第1の飽和電流ISat11とを有する。低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOSセル305は、S11よりも小さい第2のストレスレベルS12と、Ion11よりも小さい第2のオン電流Ion12と、Ion11よりも小さい第2のオフ電流Ioff12と、Isat11よりも小さい第2の飽和電流Isat12とを有する。低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOSセル307は、第3のストレスレベルS13と、Ion11よりも小さい第3のオン電流Ion13と、Ioff11よりも大きい第3のオフ電流Ioff13とを有し、S13はS11よりも小さく、かつS12よりも大きく、Ion13はIon11よりも小さいがIon12よりも大きく、Ioff13はIoff11よりも小さいがIoff12よりも大きい。低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOSセル309は、S12よりも小さいストレスレベルS14と、Ion12よりも小さいオン電流Ion14と、Ioff12よりも大きいオフ電流Ioff14とを有する。低減ストレスデュアルストレスライナーPMOSセル311は、S12よりも小さいストレスレベルS15と、Ion12よりも小さいオン電流Ion14と、Ioff12よりも大きいオフ電流Ioff14とを有する。
【0067】
図5は、本発明の実施の形態に従う、集積回路装置を形成するための方法500を示す。ステップ501によって示されるように、セルライブラリが提供されて、セルライブラリはデュアルストレスライナーNMOSセルと、デュアルストレスライナーPMOSセルと、ストレス低減層を有するDSL NMOSセルと、ストレス低減層を有するDSL PMOSセルとを含む。ステップ502によって示されるように、集積回路デザインが生成される。この実施の形態において、初期の集積回路デザインを生成するために、セルライブラリ300におけるセルを組合せることによって、集積回路デザインが生成される。これはコンピュータ上でレイアウトエディタを用いてセルライブラリ300におけるセルを配置することによってなされ得るものであり、それによって集積回路デザインレイアウトが生成される。
【0068】
1つの実施形態において、ステップ502はFPGAを定義する元の集積回路装置レイアウトを生成する。この実施の形態において、コラム921〜929および/またはプログラマブルロジックブロック901〜910,933が選択されて、レイアウトエディタを用いて配置される。
【0069】
ステップ503によって示されるように、デザインがテストされる。デザインがステップ503のテストをパスした場合、ステップ506によって示されるように、デザインは集積回路装置を製造するために用いられる。1つの実施形態において、ステップ503のテストはタイミングテストのような従来のデザインテストである。
【0070】
デザインがステップ503のテストをパスしない場合、ステップ504〜505によって示されるように、集積回路デザインはそのデザインにおけるいくつかのNMOSセルおよびPMOSセルを、所望の性能特性を有する低減ストレスのNMOSセルおよび低減ストレスのPMOSセルで置き換えることによって修正される。
【0071】
ステップ502で生成された集積回路デザインがDSL NMOSセル302を含む1つの例示的な実施の形態において、デザインはDSL NMOSセル302を、要求される性能特性を有する低減ストレスのDSL NMOSセル304,306,308または310に置き換えることによって修正され得る。また、デザイン中のDSL PMOSセル303は、要求される性能特性を有する低減ストレスのDSL PMOSセル305,307,309または311によって置き換えられ得る。低減ストレスのDSL NMOSセルおよび低減ストレスPMOSセルは、要求される性能特性を有する他の低減ストレスのDSL NMOSセルおよびDSL PMOSセルによって置き換えられ得る。ステップ503〜505の処理は、ステップ504のテストをパスするということが集積回路装置デザインで得られるまで継続される。このデザインは、ストレス低減層を有するDSL NMOSセルとストレス低減層を有するDSL PMOSセルとを含むであろう。
【0072】
ここでステップ506を参照して、集積回路装置は、ステップ503のテストをパスした集積回路デザインを用いて製造される。製造された集積回路装置は、ステップ507で示されるようにテストされる。このテストは、製造された集積回路装置の電気的特性を測定するためにプローブパッドを用いて実行され得る。
【0073】
集積回路装置がステップ507のテストをパスした場合、ステップ509で示されるように、量産が開始されて集積回路装置が製造される。直線510によって示されるように、テストされた集積回路装置がステップ507のテストをパスしない場合、集積回路デザインは、そのデザイン中のいくつかのNMOSセルおよびPMOSセルを所望の性能特性を有する低減ストレスのNMOSセルおよび低減ストレスのPMOSセルで置き換えることによって修正される。その代わりに、ステップ511によって示されるように、ストレス低減層を変更することによって製造プロセスが修正されてもよい。より特定的には、ストレス低減層の厚みまたはストレス低減層の材料の特性(たとえば、窒化物濃度の増加または異なる材料の使用による)が変更されて、所望の性能特性を有する低減ストレスのNMOS素子と低減ストレスのPMOS素子とが得られる。また、所望の性能特性を有する低減ストレスのNMOS素子および低減ストレスのPMOS素子を得るために、ストレス低減層のサイズおよび/または形状が変更され得る。
【0074】
1つの例示的な実施の形態において、ステップ511はストレス低減層131の厚みT1を維持したままストレス低減層132の厚みT2を変えることによって実行される。たとえば、低減ストレスのDSL NMOS素子114および低減ストレスのDSL PMOS素子115におけるストレスを増加させるために、厚みT2が減少される。代わりに、低減ストレスのDSL NMOS素子114と低減ストレスのDSL PMOS素子115とにおけるストレスを増加させるために、ストレス低減領域132aおよび/または132bの高さHおよび/または幅Wが減少され得る。さらに、低減ストレスのDSL NMOS素子114と低減ストレスのDSL PMOS素子115におけるストレスを増加または減少させるために、ストレス低減領域132aおよび/または132bの形状が変更され得る。また、低減ストレスのDSL NMOS素子114と低減ストレスのDSL PMOS素子115とにおけるストレスを増加させるために、ストレス低減領域132の窒化物濃度が減少され得る。
【0075】
ステップ511における製造プロセスが変更された後、製造された集積回路装置がステップ107のテストを通るまで、ステップ506〜508の処理が実行される。直線510によって示されるように集積回路装置デザインが修正されたときには、ステップ503およびステップ507の両方のテストの要求を満たす集積回路装置が製造されるまで、ステップ503〜511の処理が継続される。
【0076】
1つの実施形態において、本発明の装置および方法は、FPGAを定義する元の集積回路装置レイアウトを生成するために用いられる。この実施の形態において、セル302〜399のいくつかが選択されて、レイアウトエディタを用いて配置される。これは、図2のアーキテクチャ200のいくつかまたはすべての特徴を有するFPGA集積回路装置を生成する。
【0077】
本発明の方法および装置は、異なる厚味および/または異なる材料特性を有するストレス低減層を有する低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOS素子およびPMOS素子を提供する。それにより、ストレスのないNMOS素子およびPMOS素子よりも高いストレスレベルおよび性能レベルを有するが、従来のデュアルストレス層プロセスによって形成されるデバイスのストレスレベルおよび性能レベルよりも低いストレスレベルおよび性能レベルを有するNMOS素子およびPMOS素子が提供される。
【0078】
本発明は、その特定の実施の形態を参照して説明されたが、当業者にとっては、説明された実施形態の変形が本発明の精神から逸脱することなくなされ得ることが明らかであるだろう。したがって、本発明の範囲は、上記の詳細な説明ではなく添付の請求項によって定義されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路装置であって、
第1のNMOSゲート薄膜スタックを覆う張力ストレス層を含むデュアルストレスライナーNMOS素子と、
第1のPMOSゲート薄膜スタックを覆う圧縮ストレス層を含むデュアルストレスライナーPMOS素子と、
前記張力ストレス層と第2のNMOSゲート薄膜スタックとの間に延在するストレス低減層を有する低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOS素子と、
低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOS素子とを備え、前記ストレス低減層は、前記圧縮ストレス層と第2のPMOSゲート薄膜スタックとの間に延在する、集積回路装置。
【請求項2】
前記デュアルストレスライナーNMOS素子は第1のストレスレベルを有し、前記低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOS素子は、前記第1のストレスレベルよりも小さい第2のストレスレベルを有し、前記デュアルストレスライナーPMOS素子は、第3のストレスレベルを有し、前記低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOS素子は、前記第3のストレスレベルよりも小さい第4のストレスレベルを有する、請求項1に記載の集積回路装置。
【請求項3】
前記第2のストレスレベルよりも小さい第5のストレスレベルを有する追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOS素子と、前記第4のストレスレベルよりも小さい第6のストレスレベルを有する追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOS素子とをさらに備える、請求項1または2に記載の集積回路装置。
【請求項4】
前記ストレス低減層は、第1の厚みを有する酸化物層を備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の集積回路装置。
【請求項5】
前記第1の厚みよりも小さい厚みを有する追加のストレス低減層をさらに備え、前記追加のストレス低減層は、前記追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOS素子の第3のNMOSゲート薄膜スタックと前記張力ストレス層との間に延在するとともに、前記追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOSの第3のPMOSゲート薄膜スタックと前記圧縮ストレス層との間に延在する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の集積回路装置。
【請求項6】
前記ストレス低減層は、第1の窒化物濃度と第1の厚みとを有する窒化物の層を備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の集積回路装置。
【請求項7】
前記第1の厚みとほぼ同じ厚みを有するとともに前記第1の窒化物濃度よりも小さい窒化物濃度を有する追加のストレス低減層をさらに備え、前記追加のストレス低減層は、追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOS素子の第3のNMOSゲート薄膜スタックと前記張力ストレス層との間に延在するとともに、追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOS素子の第3のPMOSゲート薄膜スタックと前記圧縮ストレス層との間に延在する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の集積回路装置。
【請求項8】
前記低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOS素子と前記低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOS素子とは、ストレス近接技術を用いて形成され、さらに、前記集積回路装置は、フィールドプログラマブルゲートアレイ装置である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の集積回路装置。
【請求項9】
集積回路装置を形成するための方法であって、
第1のNMOSゲート薄膜スタックを覆う張力ストレス層を含む複数のデュアルストレスライナーNMOS素子を形成するステップと、
第1のPMOSゲート薄膜スタックを覆う圧縮ストレス層を含む複数のデュアルストレスライナーPMOS素子を形成するステップと、
前記張力ストレス層と第2のNMOSゲート薄膜スタックとの間に延在する第1のストレス低減層を有する複数の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOS素子を形成するステップと、
第2のPMOSゲート薄膜スタックを含む複数の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOS素子を形成するステップとを備え、前記第1のストレス低減層は、前記圧縮ストレス層と前記第2のPMOSゲート薄膜スタックとの間に延在する、方法。
【請求項10】
前記NMOS素子と前記PMOS素子とを形成するのに先立って、デュアルストレスライナーNMOSセルと、デュアルストレスライナーPMOSセルと、低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセルと、低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOSセルとを含むセルライブラリを提供するステップと、
前記NMOS素子と前記PMOS素子とを形成するのに先立って、複数の前記デュアルストレスライナーNMOSセルと、前記デュアルストレスライナーPMOSセルと、複数の前記低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセルと、複数の前記低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOSセルとを含む集積回路装置デザインを生成するステップと、
追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOS素子を形成するために、追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセルを生成するステップと、
追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOS素子を形成するために、追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOSセルを生成するステップとをさらに備え、
前記追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOS素子のいくつかおよび前記追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOS素子のいくつかは、前記第1のストレス低減層の前記厚みと異なる厚みを有する第2のストレス低減層を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記NMOS素子と前記PMOS素子とを形成するのに先立って、デュアルストレスライナーNMOSセルと、デュアルストレスライナーPMOSセルと、低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセルと、低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOSセルとを含むセルライブラリを提供するステップと、
前記NMOS素子と前記PMOS素子とを形成するのに先立って、複数の前記デュアルストレスライナーNMOSセルと、前記デュアルストレスライナーPMOSセルと、複数の前記低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセルと、複数の前記低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOSセルとを含む集積回路装置デザインを生成するステップと、
前記集積回路装置デザインをテストして、前記集積回路装置デザインが前記テストをパスしない場合に、前記集積回路装置デザインにおける少なくともいくつかの前記デュアルストレスライナーNMOSセルを、低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセルに置き換え、少なくともいくつかの前記デュアルストレスライナーPMOSセルを、前記低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOSセルに置き換えることによって、修正された集積回路装置デザインを生成するステップとをさらに備える、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記製造された集積回路装置をテストして、前記集積回路装置が前記テストをパスしない場合に、1以上の前記追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセルおよび1以上の前記追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOSセルの前記第2のストレス低減層の厚みを変更するステップをさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記製造された集積回路装置をテストして、前記集積回路装置が前記テストをパスしない場合に、1以上の前記追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセルおよび1以上の前記追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOSセルの窒化物濃度を変更するステップをさらに備える、請求項10または12に記載の方法。
【請求項14】
前記NMOS素子と前記PMOS素子とを形成するのに先立って、デュアルストレスライナーNMOSセルと、デュアルストレスライナーPMOSセルと、低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセルと、低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOSセルとを含むセルライブラリを提供するステップと、
前記NMOS素子と前記PMOS素子とを形成するのに先立って、複数の前記デュアルストレスライナーNMOSセルと、前記デュアルストレスライナーPMOSセルと、複数の前記低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセルと、複数の前記低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセルとを含む集積回路装置デザインを生成するステップと、
追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOS素子を形成するために、追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOSセルを生成するステップと、
追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOS素子を形成するために、追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOSセルを生成するステップとをさらに備え、
前記追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーNMOS素子のいくつかと、前記追加の低減ストレスのデュアルストレスライナーPMOS素子のいくつかとは、前記第1のストレス低減層の前記窒化物濃度と異なる窒化物濃度を有する第3のストレス低減層を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記集積回路装置はフィールドプログラマブルゲートアレイである、請求項9〜14のいずれか1項に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図1H】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−523691(P2012−523691A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504687(P2012−504687)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際出願番号】PCT/US2010/027783
【国際公開番号】WO2010/117586
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(591025439)ザイリンクス インコーポレイテッド (58)
【氏名又は名称原語表記】XILINX INCORPORATED
【Fターム(参考)】