説明

モーター電流検出装置およびモーター電流検出方法

【課題】小型で低コストのモーター電流検出装置およびモーター電流検出方法の提供。
【解決手段】車両制御装置6は、インバーター装置4中の、アッパー素子に当たるトラジスター411、421、431のコレクタ、エミッタ間電圧を検出した後、電圧電流特性に基づき、トラジスター411、421、431のコレクタ電流を検出する。また、ロアー素子に当たるトランジスター412、422、432のコレクタ、エミッタ間電圧を検出した後、電圧電流特性に基づき、トラジスター412、422、432のコレクタ電流を検出する。車両制御装置6は、アッパー素子に当たるトラジスター411、421、431のコレクタ電流から、同じスイッチ列41〜43に属するロアー素子に当たるトラジスター412、422、432のコレクタ電流を減算することにより、各相コイル231〜233に流れる電流を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モーターのコイルに流れる電流を検出するモーター電流検出装置およびモーター電流検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モーターが発生する回転トルクは、モーターのコイルに流れる電流に依存しているため、回転トルクを制御するためには、コイルに流れる電流を検出する必要がある。このために、従来から様々なモーター電流の検出方法が考えられていた。
例えば、電流センサーを用いて、電気自動車のバッテリーからモーターへ供給される電流を検出するモーター電流検出方法に関する従来技術があった(例えば、特許文献1参照)。これによれば、電流センサーはホール素子等により形成されており、検出した電流値を増幅して出力している。
【0003】
また、モーターを駆動するインバーターを構成する3組のFETの電源側にシャント抵抗を備え、それぞれのシャント抵抗の端子電圧に基づいて、各相のモーター電流を検出するモーター電流検出方法に関する従来技術があった(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−120966号公報
【特許文献2】特開2005−210871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に開示されたモーター電流検出方法においては、モーター電流の検出のために、特別に電流センサーを設けているため、電流検出回路が電流センサーの分だけ大型化し、また、コスト高となることを避けられない。
【0006】
また、特許文献2に開示されたモーター電流検出方法においては、3組のスイッチング素子の電源側にシャント抵抗を備えているため、やはり、電流検出回路が大型化しコスト高となる。また、それとともに、シャント抵抗を流れる電流に起因する電圧降下によって、インバーターのスイッチング素子に流れる電流が低下し、モーター電流をも低下させる。モーター電流が低下すれば、モーターについて所望する回転トルクが得られなくなるという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型で低コストのモーター電流検出装置およびモーター電流検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、請求項1に係るモーター電流検出装置の発明の構成上の特徴は、制御手段が、通電手段のアッパー素子の端子間電圧を検出し、検出した端子間電圧とアッパー素子の電圧電流特性に基づき、アッパー素子に流れる電流を検出するとともに、ロアー素子の端子間電圧を検出し、検出した端子間電圧とロアー素子の電圧電流特性に基づき、ロアー素子に流れる電流を検出し、各々の素子列に属するアッパー素子に流れる電流から、同じ素子列に属するロアー素子に流れる電流を減算することにより、モーターの各相のコイルに流れる電流を算出することである。
【0008】
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1のモーター電流検出装置において、制御手段が、アッパー素子およびロアー素子の温度によって、それぞれ異なった電圧電流特性を用いて、アッパー素子およびロアー素子に流れる電流を検出することである。
【0009】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1または2のモーター電流検出装置において、制御手段が、アッパー素子またはロアー素子の端子間電圧が負値である場合、アッパー素子またはロアー素子に対し、並列に接続された整流素子の電圧電流特性に基づき、整流素子に流れる電流を検出し、素子列に属するアッパー素子またはロアー素子に流れる電流の代わりに、整流素子に流れる負値の電流を用いて、各相のコイルに流れる電流を算出することである。
【0010】
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至3のモーター電流検出装置において、モーターが、車両の車輪を駆動することである。
【0011】
請求項5に係るモーター電流検出方法の発明の構成上の特徴は、制御手段が、通電手段のアッパー素子の端子間電圧を検出し、検出した端子間電圧とアッパー素子の電圧電流特性に基づき、アッパー素子に流れる電流を検出するとともに、ロアー素子の端子間電圧を検出し、検出した端子間電圧とロアー素子の電圧電流特性に基づき、ロアー素子に流れる電流を検出し、各々の素子列に属するアッパー素子に流れる電流から、同じ素子列に属するロアー素子に流れる電流を減算することにより、モーターの各相のコイルに流れる電流を算出することである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係るモーター電流検出装置によれば、各々の素子列に属するアッパー素子に流れる電流から、同じ素子列に属するロアー素子に流れる電流を減算して、モーターの各相のコイルに流れる電流を算出していることにより、電流センサーあるいはシャント抵抗等を使用することなく、低コストで小型のモーター電流検出装置にすることができる。また、シャント抵抗等による電圧降下がないため、モーター電流が低下することがなく、十分な回転トルクを得ることができる。さらにシャント抵抗等による電力消費もなく、低消費電力化が可能になる。
【0013】
請求項2に係るモーター電流検出装置によれば、アッパー素子およびロアー素子の温度によって、それぞれ異なった電圧電流特性を用いて、アッパー素子およびロアー素子に流れる電流を検出することにより、アッパー素子およびロアー素子に流れる電流を正確に検出することができ、モーターの各相のコイルに流れる電流の検出精度を向上させることができる。
【0014】
請求項3に係るモーター電流検出装置によれば、アッパー素子またはロアー素子の端子間電圧が負値である場合、整流素子の電圧電流特性に基づき、整流素子に流れる電流を検出し、素子列に属するアッパー素子またはロアー素子に流れる電流の代わりに、整流素子に流れる負値の電流を用いて、各相のコイルに流れる電流を算出している。
【0015】
これにより、モーターにより発電を行う場合、あるいは、アッパー素子またはロアー素子のスイッチング時に、整流素子に、アッパー素子またはロアー素子に流れる方向と反対方向に電流が流れている場合にも、モーターの各相のコイルに流れる電流を正確に検出することができる。
【0016】
請求項4に係るモーター電流検出装置によれば、モーターが車両の車輪を駆動している。これにより、通常、車両の車輪駆動用のモーターには大電流が流れるが、電流センサーを使用しないため、耐大電流用の電流センサーが不要となり、いっそう低コストのモーター電流検出装置にすることができる。
【0017】
請求項5に係るモーター電流検出方法によれば、各々の素子列に属するアッパー素子に流れる電流から、同じ素子列に属するロアー素子に流れる電流を減算して、モーターの各相のコイルに流れる電流を算出していることにより、電流センサーあるいはシャント抵抗等を使用することなく、低コストで小型のモーター電流検出方法にすることができる。また、シャント抵抗等による電圧降下がないため、モーター電流が低下することがなく、十分な回転トルクを得ることができる。さらにシャント抵抗等による電力消費もなく、低消費電力化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態1によるモーター電流検出装置を使用した車両システムを示したブロック図
【図2】実施形態1によるモーター電流検出装置の回路図
【図3】IGBTの電圧電流特性を示した図
【図4】ダイオードの順方向の電圧電流特性を示した図
【図5】モーター電流検出方法のフローチャートを示した図
【図6】実施形態2によるモーター電流検出装置に使用されるFETの電圧電流特性を示した図
【図7】FETとその等価回路図
【発明を実施するための形態】
【0019】
<実施形態1>
図1乃至図5に基づき、本発明の実施形態1によるモーター電流検出装置について説明する。図1は、モーター電流検出装置を使用した車両システムの一例を模式的に示している。図1において、エンジン1、モーター2、右後輪33および左後輪34間の接続は、車両における機械的な結合を示し、実線による矢印は各装置間をつなぐ電力供給線を示している。また、図1において破線による矢印は制御用の信号線を示している。
【0020】
車両のエンジン1は、炭化水素系の燃料により出力を発生させる通常の内燃機関である。モーター2は、これに限定されるものではないが、例えば同期機等が使用可能である。モーター2は、3相コイルが巻回されたステータ21(本発明の固定子に該当する)と、ステータ21に対して半径方向に対向するとともに、回転可能なローター22(本発明の回転子に該当する)とを備えている。
【0021】
ステータ21のコイルに3相交流電流を供給することにより、ステータ21に対してローター22が回転される。また、ローター22にはエンジン1のクランクシャフトが接続されており、モーター2はエンジン1により駆動可能とされている。また、エンジン1とモーター2との間にクラッチ機構を介装し、双方の間の回転伝達を断続するようにしてもよい。
【0022】
車両の車輪3は、右前輪31、左前輪32、右後輪33および左後輪34により形成されている。右後輪33および左後輪34(以下、後輪33、34という)には、エンジン1およびモーター2のローター22が接続されており、後輪33、34は、エンジン1またはモーター2により駆動される。本実施形態は後輪駆動車の場合を例に示しているが、本発明によるモーター電流検出装置を、前輪駆動車または4輪駆動車に適用することも可能である。
【0023】
モーター2には、インバーター装置4(本発明の通電手段に該当する)が接続されている。インバーター装置4には、車両の高圧バッテリー5(本発明の電源に該当する)が接続され、モーター2と高圧バッテリー5との間で、インバーター装置4を介して電力のやりとりが可能に形成されている。
【0024】
モーター2が電動機として機能する場合、インバーター装置4を介して高圧バッテリー5から電力が供給されて回転され、後輪33、34を駆動する。また、モーター2は発電機としても機能し、エンジン1によって駆動されたモーター2は、発電した電力をインバーター装置4を介して高圧バッテリー5に充電することができる。また、モーター2は回生モーターとしても機能し、車両のブレーキを作動させることにより発電し、インバーター装置4を介して高圧バッテリー5を充電する。
【0025】
インバーター装置4は、車両制御装置6(本発明の制御手段に該当する)と信号線により接続されている。また、車両制御装置6には、後輪33、34の回転速度を検出する車輪速度センサー35、36が接続されている。車輪速度センサー35、36は、右前輪31および左前輪32に設けてもよい。また、車輪速度センサー35、36に代えて、車体速度を検出する車速センサー、もしくは、モーター2の回転速度を検出するエンコーダ等を備えていてもよい。
【0026】
車両制御装置6には、高圧バッテリー5の電圧センサー51が接続されており、高圧バッテリー5の充電電圧を検出可能に形成されている。また、車両制御装置6には、車両のアクセルペダル7の操作量を検出するアクセル操作量センサー71が接続されている。さらに、車両制御装置6には、車両のブレーキペダル8の操作有無を検出するブレーキ操作スイッチ81が接続されている。また、車両制御装置6は、エンジン1のスロットルアクチュエータ(図示せず)とも接続されている。
【0027】
上述した車両システムにより、車両制御装置6は、運転者によるアクセルペダル7の操作量および後輪33、34の速度等に基づいて、インバーター装置4へ制御信号を送信し、モーター2を所定の速度で回転させて車両を走行させる。モーター2による、車両の走行制御の方法については従前の技術であって、本発明の主題ではないため、これ以上の説明は省略する。モーター2の回転状態を制御する場合、車両制御装置6は、モーター2の各相コイルに流れる電流を検出している。モーター2のコイル電流の検出方法については、後において詳述する。
【0028】
また、車両制御装置6は、運転者によるアクセルペダル7の操作量および後輪33、34の速度等に基づいて、モーター2の回転とともに、あるいはモーター2の回転に代えて、エンジン1の回転状態をも制御する。
また、車両制御装置6は、常時、電圧センサー51からの検出信号に基づき、高圧バッテリー5の充電量を監視している。高圧バッテリー5の充電量が所定値以下に低下した場合、車両制御装置6は、エンジン1を所定の回転速度で駆動する。エンジン1により回転されたモーター2は発電し、高圧バッテリー5を充電する。
さらに、車両制御装置6は、高圧バッテリー5の充電量が低下した場合に、運転者がブレーキペダル8を操作したことを検出すると、回生ブレーキを実行して高圧バッテリー5に充電を行う。
【0029】
次に、図2に基づいて、本実施形態によるモーター電流検出装置の回路構成について説明する。図2に示すように、高圧バッテリー5には、平滑コンデンサー52が並列に接続されている。平滑コンデンサー52には、常時、高圧バッテリー5から所定の電気量が充電されており、車両の急加速時等にモーター2への電気量を補っている。
【0030】
図2に示すように、上述したモーター2のステータ21には、3相のコイルであるU相コイル231、V相コイル232、W相コイル233(以下、総称して各相コイル231〜233という)が巻回されている。各相コイル231〜233の一端は、中性点CPにおいて互いに接続されている。
車両制御装置6はコントローラー61を備えており、コントローラー61には、6個のコンパレータ621、622、623、624、625、626の出力端子が接続されている。
【0031】
高圧バッテリー5には、インバーター装置4を形成する3組のスイッチ列41、42、43(本発明の素子列に該当する)が、いずれも並列に接続されている。スイッチ列41、42、43は、それぞれモーター2の各相に対応している。
U相スイッチ列41は、それぞれIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスター)により形成された、第1トランジスター411(本発明のアッパー素子に該当する)および第2トランジスター412(本発明のロアー素子に該当する)を備えている。
【0032】
第1トランジスター411および第2トランジスター412は、互いに直列に接続されている。第1トランジスター411のエミッタ端子と第2トランジスター412のコレクタ端子との接続点は、上述したモーター2のU相コイル231の他端と接続されている。また、第1トランジスター411のコレクタ端子は、高圧バッテリー5のプラス側端子に接続されている。また、第2トランジスター412のエミッタ端子は、高圧バッテリー5のマイナス側端子に接続されている。また、第1トランジスター411および第2トランジスター412のゲート端子は、それぞれ上述した車両制御装置6のコントローラー61に入力されている。
【0033】
第1トランジスター411および第2トランジスター412には、環流ダイオードとして第1ダイオード413および第2ダイオード414(それぞれ本発明の整流素子に該当する)が、それぞれ並列に接続されている。すなわち、第1ダイオード413のアノード端子が第1トランジスター411のエミッタ端子に接続され、カソード端子が第1トランジスター411のコレクタ端子に接続されている。また、第2ダイオード414のアノード端子が第2トランジスター412のエミッタ端子に接続され、カソード端子が第2トランジスター412のコレクタ端子に接続されている。
これにより、第1ダイオード413および第2ダイオード414には、それぞれ第1トランジスター411および第2トランジスター412に流れるコレクタ電流と反対方向にのみ電流が流れることが許容される。
【0034】
また、第1トランジスター411および第2トランジスター412には、それぞれ第1サーミスタ415および第2サーミスタ416が設けられている。第1サーミスタ415および第2サーミスタ416はコントローラー61に接続され、コントローラー61において、第1トランジスター411および第2トランジスター412の温度検出を行っている。
【0035】
V相スイッチ列42も、それぞれIGBTにより形成された、第3トランジスター421(本発明のアッパー素子に該当する)および第4トランジスター422(本発明のロアー素子に該当する)を備えている。
第3トランジスター421および第4トランジスター422は、互いに直列に接続されている。第3トランジスター421のエミッタ端子と第4トランジスター422のコレクタ端子との接続点は、モーター2のV相コイル232の他端と接続されている。また、第3トランジスター421のコレクタ端子は、高圧バッテリー5のプラス側端子に接続されている。また、第4トランジスター422のエミッタ端子は、高圧バッテリー5のマイナス側端子に接続されている。また、第3トランジスター421および第4トランジスター422のゲート端子も、それぞれコントローラー61に入力されている。
【0036】
また、第3トランジスター421および第4トランジスター422には、環流ダイオードとして第3ダイオード423および第4ダイオード424(それぞれ本発明の整流素子に該当する)が、それぞれ並列に接続されている。
U相スイッチ列41と同様に、第3ダイオード423および第4ダイオード424には、それぞれ第3トランジスター421および第4トランジスター422に流れるコレクタ電流と反対方向にのみ電流が流れることが許容される。
【0037】
また、第3トランジスター421および第4トランジスター422には、それぞれ第3サーミスタ425および第4サーミスタ426が設けられている。第3サーミスタ425および第4サーミスタ426は、コントローラー61に接続され、コントローラー61において、第3トランジスター421および第4トランジスター422の温度検出を行っている。
【0038】
同様に、W相スイッチ列43も、それぞれIGBTにより形成された、第5トランジスター431(本発明のアッパー素子に該当する)および第6トランジスター432(本発明のロアー素子に該当する)を備えている。
第5トランジスター431のエミッタ端子と第6トランジスター432のコレクタ端子との接続点も、モーター2のW相コイル233の他端と接続されている。また、第5トランジスター431のコレクタ端子が、高圧バッテリー5のプラス側端子に接続されているとともに、第6トランジスター432のエミッタ端子は、高圧バッテリー5のマイナス側端子に接続されている。さらに、第5トランジスター431および第6トランジスター432のゲート端子も、それぞれコントローラー61に入力されている。
【0039】
また、第5トランジスター431および第6トランジスター432には、環流ダイオードとして第5ダイオード433および第6ダイオード434(それぞれ本発明の整流素子に該当する)が、それぞれ並列に接続されている。
U相スイッチ列41と同様に、第5ダイオード433および第6ダイオード434には、それぞれ第5トランジスター431および第6トランジスター432に流れるコレクタ電流と反対方向にのみ電流が流れることが許容される。
【0040】
また、第5トランジスター431および第6トランジスター432には、それぞれ第5サーミスタ435および第6サーミスタ436が設けられている。第5サーミスタ435および第6サーミスタ436は、コントローラー61に接続され、コントローラー61において、第5トランジスター431および第6トランジスター432の温度検出を行っている。
【0041】
車両制御装置6は、第1トランジスター411〜第6トランジスター432のゲート端子に所定電圧を印加して作動させ、高圧バッテリー5から、モーター2の各相コイル231〜233に電力を供給する。例えば、第1トランジスター411および第4トランジスター422をオンさせることにより、高圧バッテリー5のプラス側端子から、第1トランジスター411、U相コイル231、中性点CP、V相コイル232、第4トランジスター422、高圧バッテリー5のマイナス側端子という順に電流が流れる。
【0042】
また、第3トランジスター421および第6トランジスター432をオンさせることにより、高圧バッテリー5のプラス側端子から、第3トランジスター421、V相コイル232、中性点CP、W相コイル233、第6トランジスター432、高圧バッテリー5のマイナス側端子という順に電流が流れる。
【0043】
車両制御装置6は、第1トランジスター411〜第6トランジスター432のゲート端子を所定間隔でオン、オフさせて、高圧バッテリー5から、モーター2の各相コイル231〜233に交流電流を供給し、モーター2の回転をPWM制御する。尚、第1トランジスター411〜第6トランジスター432を作動させる場合に、それぞれのゲート端子へ印加される電圧は、予め設定された所定の電圧である。
【0044】
第1ダイオード413〜第6ダイオード434は、モーター2により発電を行う場合、コンバーター(変換機)のスイッチング素子として作動する。このとき、第1ダイオード413〜第6ダイオード434には、第1トランジスター411〜第6トランジスター432に流れる場合と逆向きに電流が流れ、発電された交流電圧が直流電圧に変換されて高圧バッテリー5に充電される。
【0045】
また、第1ダイオード413〜第6ダイオード434は、それぞれ第1トランジスター411〜第6トランジスター432のスイッチング時に、各相コイル231〜233内のインダクタンスエネルギーを、負荷電流によって高圧バッテリー5に帰還させるためにも導通する。
モーター2の回転制御方法および発電方法については、当業者にとっては公知技術であるため、これ以上の説明は省略する。
【0046】
上述したコンパレータ621〜626は、いずれもオペアンプにより形成されており、演算機能、増幅機能、A/D変換機能を有する。第1コンパレータ621、第3コンパレータ623および第5コンパレータ625の非反転入力端子は、第1トランジスター411、第3トランジスター421および第5トランジスター431のコレクタ端子と接続されている。
また、第2コンパレータ622、第4コンパレータ624および第6コンパレータ626の反転入力端子は、第2トランジスター412、第4トランジスター422および第6トランジスター432のエミッタ端子と接続されている。
【0047】
さらに、第1コンパレータ621、第3コンパレータ623および第5コンパレータ625の反転入力端子は、それぞれ第1トランジスター411、第2トランジスター421および第3トランジスター431のエミッタ端子と接続されている。また、第2コンパレータ622、第4コンパレータ624および第6コンパレータ626の非反転入力端子は、第2トランジスター412、第4トランジスター422および第6トランジスター432のコレクタ端子と接続されている。
【0048】
これにより、第1コンパレータ621は、第1トランジスター411のコレクタ端子とエミッタ端子間の電圧、または、第1ダイオード413のアノード端子とカソード端子間の電圧(以下、電圧V1という)を検出可能に形成されている。また、第2コンパレータ622は、第2トランジスター412のコレクタ端子とエミッタ端子間の電圧、または、第2ダイオード414のアノード端子とカソード端子間の電圧(以下、電圧V2という)を検出可能に形成されている。
【0049】
以下、同様に、第3コンパレータ623〜第6コンパレータ626は、それぞれ対応する第3トランジスター421〜第6トランジスター432のコレクタ端子とエミッタ端子間の電圧、または、第3ダイオード423〜第6ダイオード434のアノード端子とカソード端子間の電圧(以下、図2に示すように、順に電圧V3〜電圧V6という)を検出可能に形成されている。
【0050】
以下、図3乃至図5に基づき、車両制御装置6による、モーター2の各相コイル231〜233に流れる電流検出の方法について説明する。図5に示すように、最初にコントローラー61をイニシャライズし、メモリ内においてn=1と設定する(ステップS501)。
次に、上述した第1コンパレータ621の出力(既に、デジタル値に変換済)により、電圧V1を検出する(ステップS502)。検出された電圧V1は、0以上であるか否かが判定される(ステップS503)。
【0051】
電圧V1が0以上である場合、第1トランジスター411がオンして、第1トランジスター411に電流が流れていると判定される。したがって、この場合、図3に示したIGBTの電圧電流特性(コレクタ、エミッタ間電圧Vce−コレクタ電流Ic特性)に基づいて、第1トランジスター411に流れている電流(以下、素子電流I1という)を算出する(ステップS504)。図3に示したIGBTの電圧電流特性は、所定のゲート電圧値においてオンした時のものであり、コントローラー61内に記憶されている。
【0052】
図3に示すように、IGBTの電圧電流特性はIGBTの温度に依存しており、コレクタ、エミッタ間電圧Vceが同じ値であっても、IGBTの温度T1、T2、T3(T1<T2<T3)により、異なったコレクタ電流Icとなる。したがって、コントローラー61は、第1サーミスタ415によって検出された第1トランジスター411の温度に基づいて、IGBTの電圧電流特性を使い分けている。
例えば、IGBTの温度がT2である場合、第1コンパレータ621の検出電圧V1(第1トランジスター411のコレクタ、エミッタ間電圧Vceに相当する)がVsとすると、素子電流I1(コレクタ電流Icに相当する)はIsと算出される(図3示)。
【0053】
一方、電圧V1が0未満である場合、上述したように第1ダイオード413がオンして、第1トランジスター411に流れる場合と反対の電流が流れていると判定される。したがって、この場合、図4に示したダイオードの順方向電圧電流特性に基づいて、第1ダイオード413に流れている電流(以下、素子電流I1という)を算出する(ステップS505)。図4に示したダイオードの順方向電圧電流特性は、コントローラー61内に記憶されている。
例えば、第1コンパレータ621の検出電圧V1の絶対値(必ず正の値であり、第1ダイオード413の順方向電圧Vfに相当する)がVtとすると、素子電流I1(第1ダイオード413の順方向電流Ifに相当する)はItと算出される(図4示)。
【0054】
第1コンパレータ621の検出電圧V1に基づいて、素子電流I1が算出されると、nが6以上であるか否かが判定される(ステップS506)。nが6以上ではないと判定されると、nが1だけインクリメントされ(ステップS508)、ステップS502へと戻る。
ステップS502〜S505において、第2コンパレータ622による検出電圧V2に基づき、第2トランジスター412または第2ダイオード414に流れる素子電流I2が算出される。以降、第3コンパレータ623〜第6コンパレータ626による検出電圧V3〜V6に基づき、それぞれ第3トランジスター421〜第6トランジスター432または第3ダイオード423〜第6ダイオード434に流れる素子電流I3〜I6が算出される。
【0055】
素子電流I6が算出されると、nが6以上であると判定され(ステップS506)、素子電流I1〜I6に基づいて、各相コイル231〜233に流れる電流Iu、Iv、Iwが演算される(ステップS507)。各相コイル231〜233に流れる電流Iu、Iv、Iwは、各々のスイッチ列41、42、43に属する第1トランジスター411、第3トランジスター421、第5トランジスター431または第1ダイオード413、第3ダイオード423、第5ダイオード433に流れる電流から、同じスイッチ列41、42、43に属する第2トランジスター412、第4トランジスター422、第6トランジスター432または第2ダイオード414、第4ダイオード424、第6ダイオード434に流れる電流を減算することにより求められる。
【0056】
すなわち、U相コイル231に流れる電流Iuは、演算式:Iu=I1−I2により算出される。また、V相コイル232に流れる電流Ivは、演算式:Iv=I3−I4により算出される。また、W相コイル233に流れる電流Iwは、演算式:Iw=I5−I6により算出される。
【0057】
ここで、算出された素子電流I1〜I6がIGBTの電圧電流特性に基づいて求められた場合は、上述の演算式において、求めた素子電流I1〜I6の値(正の値)をそのまま使用する。一方、算出された素子電流I1〜I6がダイオードの順方向電圧電流特性に基づいて求められた場合は、上述の演算式において、求めた素子電流I1〜I6の値(正の値)を、負の値にした上で使用する。
【0058】
すなわち、例えば、素子電流I3が第3ダイオード423に流れた電流であった場合、V相コイル232に流れる電流Ivは、演算式:Iv=(−I3)−I4により求められる。また、素子電流I2が第2ダイオード414に流れた電流であった場合、U相コイル231に流れる電流Iuは、演算式:Iu=I1−(−I2)により求められる。
【0059】
本実施形態によれば、車両制御装置6が、各々のスイッチ列41〜43に属するアッパー素子としてのトランジスター411、421、431またはダイオード413、423、433から、同じスイッチ列41〜43に属するロアー素子としてのトランジスター412、422、432またはダイオード414、424、434に流れる電流を減算することにより、モーター2の各相コイル231〜233に流れる電流を算出している。
【0060】
これにより、電流センサーあるいはシャント抵抗等を使用することなく、低コストで小型のモーター電流検出装置にすることができる。また、シャント抵抗等による電圧降下がないため、モーター2に流れる電流が低下することがなく、十分な回転トルクを得ることができる。さらにシャント抵抗等による電力消費もなく、低消費電力化が可能になる。
【0061】
また、車両制御装置6が、第1トランジスター411〜第6トランジスター432の温度によって、それぞれ異なった電圧電流特性を用いて、第1トランジスター411〜第6トランジスター432に流れる電流を検出することにより、第1トランジスター411〜第6トランジスター432に流れる電流を正確に検出することができ、モーター2の各相コイル231〜233に流れる電流の検出精度を向上させることができる。
【0062】
また、車両制御装置6が、第1コンパレータ621〜第6コンパレータ626の検出電圧V1〜V6が負の値である場合、第1ダイオード413〜第6ダイオード434の順方向電圧電流特性に基づき、第1ダイオード413〜第6ダイオード434に流れる電流を検出し、スイッチ列41〜43に属する第1トランジスター411〜第6トランジスター432に流れる電流の代わりに、第1ダイオード413〜第6ダイオード434に流れる負値の電流を用いて、各相コイル231〜233に流れる電流を算出している。
【0063】
これにより、モーター2により発電を行う場合、あるいは、第1トランジスター411〜第6トランジスター432のスイッチング時に、第1ダイオード413〜第6ダイオード434に電流が流れている場合にも、各スイッチ列41〜43に流れる電流を正確に検出することができ、モーター2の各相コイル231〜233に流れる電流の検出精度を向上させることができる。
【0064】
また、モーター2が車両の車輪3を駆動している。これにより、通常、車両の車輪駆動用のモーターには大電流が流れるが、電流センサーを使用しないため、耐大電流用の電流センサーが不要となり、いっそう低コストのモーター電流検出装置にすることができる。
【0065】
<実施形態2>
図6および図7に基づき、本発明の実施形態2によるモーター電流検出装置について説明する。本実施形態においては、スイッチ列41〜43中のIGBTにより形成された第1トランジスター411〜第6トランジスター432の代わりに、それぞれFET9を用いている(図7示)。
【0066】
図7の右方に示すように、FET9(本発明のアッパー素子およびロアー素子に該当する)が作動している場合の等価回路は、互いに直列に接続されたスイッチ91とオン抵抗92とにより表される。したがって、FET9が所定のゲート電圧値によりオンした場合の電圧電流特性(ドレイン、ソース間電圧Vds−ドレイン電流Id特性)は、図6に示したように線形性を有したものとなる。図6に示した電圧電流特性において、線図の傾きは1/R(但し、RはFET9のオン抵抗92の大きさを示している)であることはいうまでも無い。
本実施形態の場合、図6に示したFET9の電圧電流特性に基づいて、FET9に流れている電流(以下、素子電流Inという)を算出する。図6に示したFET9の電圧電流特性は、コントローラー61内に記憶されている。
【0067】
図3に示すように、FET9の電圧電流特性はFET9の温度に依存しており、ドレイン、ソース間電圧Vdsが同じ値であっても、FET9の温度T1、T2、T3(T1<T2<T3)により、異なったドレイン電流Idとなる。したがって、コントローラー61は、第1サーミスタ415〜第6サーミスタ436によって検出されたFET9の温度に基づいて、FET9の電圧電流特性を使い分けている。
【0068】
例えば、FET9の温度がT2である場合、第1コンパレータ621〜第6コンパレータ626の検出電圧Vn(FET9のドレイン、ソース間電圧Vdsに相当する)がVpとすると、素子電流In(ドレイン電流Idに相当する)はIpと算出される(図6示)。
本実施形態のその他の構成については、実施形態1の場合と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0069】
<他の実施形態>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
本発明によるモーター電流検出装置およびモーター電流検出方法は、車両用モーターの電流検出のみではなく、一般的な産業用モーターの電流検出にも適用することが可能である。
【0070】
本実施形態によるモーター2には回転界磁形同期機のみでなく、回転電機子形同期機も適用可能である。すなわち、本発明によって検出する電流は、ステータに巻回されたコイルの電流であっても、ローターに巻回されたコイルの電流であってもよい。
また、モーター2には、同期機のみではなく、誘導機、多相ブラシレスモーター、DCブラシレスモーター等も使用可能である。
【0071】
インバータ装置4を形成するスイッチング素子は、IGBT、FET以外に、バイポーラトランジスター、サイリスタ、ゲート・ターンオフ・サイリスタ等が使用可能である。
本発明によるモーター電流検出装置およびモーター電流検出方法が適用可能な車両の走行システムは、図1に示したものには限られず、あらゆる形態の走行システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0072】
図面中、2はモーター、3は車輪、4はインバーター装置(通電手段)、5は高圧バッテリー(電源)、6は車両制御装置(制御手段)、9はFET(アッパー素子、ロアー素子)、21はステータ(固定子)、22はローター(回転子)、41はU相スイッチ列(素子列)、42はV相スイッチ列(素子列)、43はW相スイッチ列(素子列)、231はU相コイル、232はV相コイル、233はW相コイル、411は第1トランジスター(アッパー素子)、412は第2トランジスター(ロアー素子)、413は第1ダイオード(整流素子)、414は第2ダイオード(整流素子)、421は第3トランジスター(アッパー素子)、422は第4トランジスター(ロアー素子)、423は第3ダイオード(整流素子)、424は第4ダイオード(整流素子)、431は第5トランジスター(アッパー素子)、432は第6トランジスター(ロアー素子)、433は第5ダイオード(整流素子)、434は第6ダイオード(整流素子)を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定子および前記固定子に対して対向した回転子を有し、前記固定子および前記回転子のうち、少なくともどちらかが複数相のコイルを有しており、前記コイルに電源から電力を供給することにより、前記回転子が前記固定子に対して回転するモーターと、
それぞれが前記モーターの各相に対応した複数組の素子列を有し、各々の前記素子列は、互いに直列に接続された一対のスイッチング素子である、アッパー素子とロアー素子とにより形成され、互いに接続された前記アッパー素子と前記ロアー素子の一側の端子は、該当する相の前記コイルに接続され、前記アッパー素子の他側の端子は前記電源の正側端子に接続され、前記ロアー素子の他側の端子は前記電源の負側端子に接続されており、前記アッパー素子および前記ロアー素子をオン、オフさせることにより、前記電源から前記コイルに向けて電力を供給する通電手段と、
前記通電手段を作動させて、前記モーターの回転状態を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段が、
前記モーターの回転状態を制御するために、前記コイルに流れる電流を検出するモーター電流検出装置において、
前記制御手段は、
前記アッパー素子の端子間電圧を検出し、検出した端子間電圧と前記アッパー素子の電圧電流特性に基づき、前記アッパー素子に流れる電流を検出するとともに、
前記ロアー素子の端子間電圧を検出し、検出した端子間電圧と前記ロアー素子の電圧電流特性に基づき、前記ロアー素子に流れる電流を検出し、
各々の前記素子列に属する前記アッパー素子に流れる電流から、同じ前記素子列に属する前記ロアー素子に流れる電流を減算することにより、各相の前記コイルに流れる電流を算出することを特徴とするモーター電流検出装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記アッパー素子および前記ロアー素子の温度によって、それぞれ異なった電圧電流特性を用いて、前記アッパー素子および前記ロアー素子に流れる電流を検出することを特徴とする請求項1記載のモーター電流検出装置。
【請求項3】
前記通電手段は、
それぞれ各相の前記アッパー素子および前記ロアー素子に対し並列に接続される整流素子を有し、
前記整流素子は、
前記アッパー素子または前記ロアー素子に流れる方向と反対方向に流れる電流のみを許容しており、
前記制御手段は、
前記アッパー素子または前記ロアー素子の端子間電圧が負値である場合、前記整流素子の電圧電流特性に基づき、前記整流素子に流れる電流を検出し、前記素子列に属する前記アッパー素子または前記ロアー素子に流れる電流の代わりに、前記整流素子に流れる負値の電流を用いて、各相の前記コイルに流れる電流を算出することを特徴とする請求項1または2に記載のモーター電流検出装置。
【請求項4】
前記モーターは、
車両の車輪を駆動することを特徴とする請求項1乃至3に記載のモーター電流検出装置。
【請求項5】
固定子および前記固定子に対して対向した回転子を有し、前記固定子および前記回転子のうち、少なくともどちらかが複数相のコイルを有しており、前記コイルに電源から電力を供給することにより、前記回転子が前記固定子に対して回転するモーターと、
それぞれが前記モーターの各相に対応した複数組の素子列を有し、各々の前記素子列は、互いに直列に接続された一対のスイッチング素子である、アッパー素子とロアー素子とにより形成され、互いに接続された前記アッパー素子と前記ロアー素子の一側の端子は、該当する相の前記コイルに接続され、前記アッパー素子の他側の端子は前記電源の正側端子に接続され、前記ロアー素子の他側の端子は前記電源の負側端子に接続されており、前記アッパー素子および前記ロアー素子をオン、オフさせることにより、前記電源から前記コイルに向けて電力を供給する通電手段と、
前記通電手段を作動させて、前記モーターの回転状態を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段が、
前記モーターの回転状態を制御するために、前記コイルに流れる電流を検出するモーター電流検出方法において、
前記制御手段は、
前記アッパー素子の端子間電圧を検出し、検出した端子間電圧と前記アッパー素子の電圧電流特性に基づき、前記アッパー素子に流れる電流を検出するとともに、
前記ロアー素子の端子間電圧を検出し、検出した端子間電圧と前記ロアー素子の電圧電流特性に基づき、前記ロアー素子に流れる電流を検出し、
各々の前記素子列に属する前記アッパー素子に流れる電流から、同じ前記素子列に属する前記ロアー素子に流れる電流を減算することにより、各相の前記コイルに流れる電流を算出することを特徴とするモーター電流検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−233297(P2010−233297A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−76183(P2009−76183)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】