説明

半導体装置及びその製造方法、電源装置

【課題】ゲートリセスの深さの制御を安定的に行なえるようにして、ノーマリオフ動作のデバイスを安定的に作製できるようにする。
【解決手段】半導体装置を、基板1の上方に設けられたGaN電子走行層2と、GaN電子走行層2上に設けられた第1AlGaN電子供給層3と、第1AlGaN電子供給層3上に設けられたAlN電子供給層4と、AlN電子供給層4上に設けられた第2AlGaN電子供給層5と、第2AlGaN電子供給層5及びAlN電子供給層4に設けられたゲートリセス9と、ゲートリセス9に設けられたゲート電極12とを備えるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法、電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
窒化物半導体デバイスは、高い飽和電子速度やワイドバンドギャップなどの特徴を有する。この特徴を利用して高耐圧・高出力デバイスの開発が活発に行われている。
このような高耐圧・高出力デバイスに用いられる窒化物半導体デバイスとしては、電界効果トランジスタ、特に、高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)がある。
【0003】
例えば、GaN電子走行層上にAlGaN電子供給層を積層したHEMT構造を有するGaN−HEMTがある。GaN−HEMTでは、AlGaNとGaNとの格子定数差に起因した歪みがAlGaNに生じ、これにより、ピエゾ分極が生じる。そして、ピエゾ分極及びAlGaNの自発分極によって、高濃度の2次元電子ガスが得られる。このため、GaN−HEMTによって高耐圧・高出力デバイスを実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−98455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、これまでは、窒化物半導体デバイス(GaN系デバイス)では、ノーマリオン動作のデバイスに関する報告がほとんどであった。
しかし、例えばノーマリオンタイプのトランジスタでは、故障時に電流が流れ続けてしまうため、ノーマリオフタイプのトランジスタにするのが好ましい。
ノーマリオフタイプのトランジスタは、閾値電圧を正にすることで実現することができる。そして、閾値電圧を正にするには、ゲートリセスを設け、ゲートリセスの深さを正確に制御することが必要である。
【0006】
しかしながら、従来の窒化物半導体デバイスでは、ドライエッチングによってゲートリセスを形成しており、現状では、好適なドライエッチング技術が確立していないため、ゲートリセスの深さの制御を安定的に行なうのは難しい。このため、ゲートリセスの深さにばらつきが生じ、閾値電圧を安定的に正にすることができず、ノーマリオフ動作のデバイスを安定的に作製することができなかった。
【0007】
そこで、ゲートリセスの深さの制御を安定的に行なえるようにして、ノーマリオフ動作のデバイスを安定的に作製できるようにしたい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このため、本半導体装置は、基板の上方に設けられたGaN電子走行層と、GaN電子走行層上に設けられた第1AlGaN電子供給層と、第1AlGaN電子供給層上に設けられたAlN電子供給層と、AlN電子供給層上に設けられた第2AlGaN電子供給層と、第2AlGaN電子供給層及びAlN電子供給層に設けられたゲートリセスと、ゲートリセスに設けられたゲート電極とを備えることを要件とする。
【0009】
本電源装置は、変圧器と、変圧器を挟んで設けられた高圧回路及び低圧回路とを備え、高圧回路は、トランジスタを含み、トランジスタは、基板の上方に設けられたGaN電子走行層と、GaN電子走行層上に設けられた第1AlGaN電子供給層と、第1AlGaN電子供給層上に設けられたAlN電子供給層と、AlN電子供給層上に設けられた第2AlGaN電子供給層と、第2AlGaN電子供給層及びAlN電子供給層に設けられたゲートリセスと、ゲートリセスに設けられたゲート電極とを備えることを要件とする。
【0010】
本半導体装置の製造方法は、基板の上方にGaN電子走行層を形成する工程と、GaN電子走行層上に第1AlGaN電子供給層を形成する工程と、第1AlGaN電子供給層上にAlN電子供給層を形成する工程と、AlN電子供給層上に第2AlGaN電子供給層を形成する工程と、第2AlGaN電子供給層及びAlN電子供給層にゲートリセスを形成する工程と、ゲートリセスにゲート電極を形成する工程とを備えることを要件とする。
【発明の効果】
【0011】
したがって、本半導体装置及びその製造方法、電源装置によれば、ゲートリセスの深さの制御を安定的に行なえるようになり、ノーマリオフ動作のデバイスを安定的に作製できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態にかかる半導体装置の構成を示す模式的断面図である。
【図2】(A)〜(F)は、第1実施形態にかかる半導体装置の製造方法を説明するための模式的断面図である。
【図3】(A)〜(E)は、第1実施形態にかかる半導体装置の製造方法を説明するための模式的断面図である。
【図4】第1実施形態の変形例にかかる半導体装置の製造方法を説明するための模式的断面図である。
【図5】(A)〜(C)は、第1実施形態にかかる半導体装置の製造方法を説明するための模式的断面図である。
【図6】第1実施形態にかかる半導体装置の製造方法を説明するための模式的断面図である。
【図7】GaNのエッチングレート、AlNのエッチングレート、及び、これらのエッチング選択比を示す図面である。
【図8】(A)〜(C)は、第1実施形態にかかる半導体装置の効果を説明するための図面である。
【図9】第2実施形態にかかる電源装置の構成を示す模式的断面図である。
【図10】第1実施形態の変形例にかかる半導体装置の構成を示す模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面により、本発明の実施の形態にかかる半導体装置及びその製造方法、電源装置について説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態にかかる半導体装置及びその製造方法について、図1〜図8を参照しながら説明する。
【0014】
本実施形態にかかる半導体装置は、化合物半導体装置であり、特に、窒化物半導体材料を用いた高耐圧・高出力デバイスである。なお、窒化物半導体デバイスともいう。
また、本半導体装置は、窒化物半導体材料を用いた電界効果トランジスタを備える。なお、窒化物半導体電界効果トランジスタともいう。
具体的には、本半導体装置は、GaN系半導体材料を用い、ノーマリオフ動作するGaN−HEMTを備える。なお、GaN−HEMTをGaN系デバイスあるいは半導体素子ともいう。
【0015】
本GaN−HEMTは、図1に示すように、半絶縁性のSiC基板1上に、GaN電子走行層2、第1AlGaN電子供給層3、AlN電子供給層4、第2AlGaN電子供給層5、GaN保護層6を積層させた半導体積層構造を備える。なお、これを、窒化物半導体積層構造、あるいは、化合物半導体積層構造ともいう。
ここでは、電子供給層8は、第1AlGaN層3、AlN層4、第2AlGaN層5の3層構造になっている。つまり、GaN−HEMTのAlGaN電子供給層3,5の内部にAlN層4を設けた構造になっている。このため、電子供給層8はAlGaN/AlN/AlGaN電子供給層である。このような構造になっているため、後述するように、ゲートリセス9の深さの高精度な制御を安定的に行なうことができ、即ち、ゲートリセス9の深さを正確に制御でき、かつ、その制御を安定的に行なえるようになり、ノーマリオフ動作のデバイスを安定的に作製することが可能となる。
【0016】
本実施形態では、第1AlGaN電子供給層3及び第2AlGaN電子供給層5は、いずれも、例えばn−Al0.16Ga0.84N層であり、その厚さは例えば約1〜約100nm程度である。ここでは、n型不純物として例えばSiが約4×1018cm−3程度ドーピングされている。なお、第1AlGaN電子供給層3及び第2AlGaN電子供給層5は、n−Al0.16Ga0.84N層としているが、第1AlGaN電子供給層3はn−AlGa1−xN層(0<x≦1)であれば良く、第2AlGaN電子供給層5はn−AlGa1−yN層(0<y<1)であれば良い。
【0017】
なお、ここでは、第1AlGaN電子供給層3と第2AlGaN電子供給層5は、Al含有量(Al組成)が同一になっているが、これに限られるものではない。後述するように、ゲートリセス9を形成する際に、第2AlGaN電子供給層5はAlN電子供給層4に対して選択的にエッチングされるが、この場合のエッチング選択比は、第2AlGaN電子供給層5のAl含有量を少なくするほど大きくなる。つまり、AlN電子供給層4に対する第2AlGaN電子供給層5のエッチング選択性を確実に確保するためには、第2AlGaN電子供給層5のAl含有量を少なくするのが好ましい。例えば、第2AlGaN電子供給層5は、Al組成が例えば約10%以下であることが好ましい。また、第2AlGaN電子供給層5のAl含有量(Al組成)は、AlN電子供給層4に対するエッチング選択比が例えば約10以上になるように設定するのが好ましい。この場合、第2AlGaN電子供給層5は、第1AlGaN電子供給層3よりもAl含有量が少なくなる。つまり、第2AlGa1−yN電子供給層5のyの値が、第1AlGa1−xN電子供給層3のxの値よりも小さくなる。
【0018】
AlN電子供給層4は、i−AlN層であり、その厚さは例えば約1〜3nmである。特に、AlN電子供給層4の厚さは約3nm以下であることが好ましい。AlN電子供給層4の厚さが約3nmよりも厚くなると、良好な結晶性が得られなくなるからである。なお、本実施形態では、AlN電子供給層4をi−AlN層としているが、これに限られるものではなく、n−AlN層としても良い。この場合、n型不純物として例えばSiが約4×1018cm−3程度ドーピングされているものとすれば良い。
【0019】
そして、このような半導体積層構造の上方に、ソース電極10、ドレイン電極11及びゲート電極12を備える。
つまり、本GaN−HEMTでは、第2AlGaN電子供給層5上に、ソース電極10及びドレイン電極11を備える。
また、GaN保護層6、第2AlGaN電子供給層5及びAlN電子供給層4にゲートリセス9が設けられており、このゲートリセス9にゲート電極12が設けられている。
【0020】
本実施形態では、半導体積層構造の表面全体がSiN膜(絶縁膜)7で覆われている。ここでは、SiN膜7は、GaN保護層6の表面からゲートリセス9内まで延びており、GaN保護層6の表面だけでなく、ゲートリセス9の底面及び側面も覆っている。つまり、SiN膜7によって、半導体積層構造の表面に露出するGaN保護層6の表面が覆われている。また、SiN膜7によって、ゲートリセス9の底面に露出する第1AlGaN電子供給層3の表面が覆われている。さらに、SiN膜7によって、ゲートリセス9の側面に露出するGaN保護層6の側面、第2AlGaN電子供給層5の側面及びAlN電子供給層4の側面が覆われている。
【0021】
そして、ゲート電極12は、第1AlGaN電子供給層3上にSiN膜7を介して設けられている。つまり、ゲートリセス9内であって、少なくともゲートリセス9の底面に露出する第1AlGaN電子供給層3とゲート電極12との間に、SiN膜7が設けられている。
ここでは、半導体積層構造の表面を覆っているSiN膜7は、パッシベーション膜として機能し、ゲート電極12と第1AlGaN電子供給層3との間のSiN膜7は、ゲート絶縁膜として機能する。
【0022】
次に、本GaN−HEMT(半導体装置)の製造方法について、図2〜図7を参照しながら説明する。
まず、図2(A)に示すように、半絶縁性のSiC基板1上に、例えば有機金属気相成長(MOCVD;Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法などによって、i−GaN電子走行層2、第1n−AlGaN電子供給層3、i−AlN電子供給層4、第2n−AlGaN電子供給層5、n−GaN保護層6を積層させて半導体積層構造を形成する。
【0023】
つまり、半絶縁性SiC基板1の上方にi−GaN電子走行層2を形成する。次いで、i−GaN電子走行層2上に第1n−AlGaN電子供給層3を形成する。次に、第1n−AlGaN電子供給層3上にi−AlN電子供給層4を形成する。次いで、i−AlN電子供給層4上に第2n−AlGaN電子供給層5を形成する。次に、第2n−AlGaN電子供給層5上にn−GaN保護層6を形成する。これにより、n−AlGaN層3、i−AlN層4及びn−AlGaN層5の3層構造の電子供給層8を含む半導体積層構造が形成される。
【0024】
ここで、i−GaN電子走行層2は、その厚さが例えば約100〜約1000nm程度である。
また、第1n−AlGaN電子供給層3は、例えばn−Al0.16Ga0.84N層であり、その厚さが例えば約1〜約100nm程度である。ここでは、n型不純物として例えばSiを用い、ドーピング濃度は例えば約4×1018cm−3程度である。
【0025】
また、i−AlN電子供給層4は、その厚さが例えば約1〜約3nm程度である。なお、AlN電子供給層4はn型不純物として例えばSiが約4×1018cm−3程度ドーピングされていても良い。また、良好な結晶性を得るためには、厚さが例えば約3nm以下のi−AlN電子供給層4を形成するのが好ましい。
また、第2n−AlGaN電子供給層5は、例えばn−Al0.16Ga0.84N層であり、その厚さが例えば約1〜約100nm程度である。ここでは、n型不純物として例えばSiを用い、ドーピング濃度が例えば約4×1018cm−3程度である。
【0026】
なお、後述するように、ゲートリセス9を形成する際に、第2n−AlGaN電子供給層5はAlN電子供給層4に対して選択的にエッチングされるが、この場合のエッチング選択比は、第2n−AlGaN電子供給層5のAl含有量を少なくするほど大きくなる。つまり、AlN電子供給層4に対する第2n−AlGaN電子供給層5のエッチング選択性を確実に確保するためには、第1n−AlGaN電子供給層3よりもAl含有量が少ない第2n−AlGaN電子供給層5を形成するのが好ましい。例えば、Al組成が例えば約10%以下の第2n−AlGaN電子供給層5を形成するのが好ましい。
【0027】
また、n−GaN保護層6は、その厚さが例えば約1〜約10nm程度である。ここでは、n型不純物として例えばSiを用い、ドーピング濃度が例えば約5×1018cm−3程度である。
次に、図2(B)に示すように、例えばフォトリソグラフィ技術を用いて、ソース電極形成領域及びドレイン電極形成領域よりもやや広めの窓13Aを有するレジストマスク13を形成する。
【0028】
次いで、図2(C)に示すように、レジストマスク13を用い、例えば塩素系ガスを用いたドライエッチングによって、ソース電極形成領域及びドレイン電極形成領域のそれぞれのn−GaN保護層6及び第2n−AlGaN電子供給層5の一部を除去する。
次に、図2(D)に示すように、ソース電極形成領域及びドレイン電極形成領域のそれぞれの第2n−AlGaN電子供給層5上に、例えば蒸着・リフトオフ技術を用いて、例えばTi/Alからなるソース電極10及びドレイン電極11を形成する。
【0029】
次いで、例えば約400℃〜約600℃の温度で熱処理を行なって、オーミック特性を得る。
次に、図2(E)に示すように、表面全体に窒化珪素膜(SiN膜)14を形成する。
次いで、図2(F)に示すように、例えばフォトリソグラフィ技術を用いて、ゲートリセス形成領域よりもやや広めの窓15Aを有するレジストマスク15を形成する。
【0030】
次に、図3(A)に示すように、レジストマスク15を用い、例えば弗素系ガスを用いたドライエッチングによって、ゲートリセス形成領域の窒化珪素膜14を除去する。ここでは、エッチング条件は、SF6(=15sccm)、RFパワー(=50W)、ガス圧(2Pa)である。
次いで、図3(B)に示すように、レジストマスク15を用い、例えば塩素系ガス及び弗素系ガスを用いたドライエッチングによって、ゲートリセス形成領域のn−GaN保護層6及び第2n−AlGaN電子供給層5を除去する。
【0031】
ここでは、例えば塩素系ガス及び弗素系ガスを用いたドライエッチングを行なうことで、i−AlN電子供給層4に対して第2n−AlGaN電子供給層5が選択的に除去される。つまり、例えば塩素系ガス及び弗素系ガスを用いた選択ドライエッチングが行なわれ、第2n−AlGaN電子供給層5が除去され、i−AlN電子供給層4の表面でエッチングが止まる。このため、i−AlN電子供給層4はエッチング停止層として機能する。これは、エッチングガスとして弗素系ガスを用いることで、図6に示すように、i−AlN電子供給層4の表面にAlFが形成され、i−AlN電子供給層4が削られにくくなるからである。ここでは、エッチング条件は、Cl/SF/Ar(=25/10/5sccm)、RFパワー(=20W)、ガス圧(2Pa)である。このような条件下でドライエッチングを行なうことで、第2n−AlGaN電子供給層5とi−AlN電子供給層4とのエッチング選択性が確保される。これにより、n−GaN保護層6及び第2n−AlGaN電子供給層5にゲートリセス9が形成される。
【0032】
なお、ここでは、塩素系ガス及び弗素系ガスを用いたドライエッチングを行なうことで、i−AlN電子供給層4に対して第2n−AlGaN電子供給層5を選択的に除去するようにしているが、これに限られるものではない。例えば、塩素系ガスを用いたドライエッチングを行なうことで、i−AlN電子供給層4に対して第2n−AlGaN電子供給層5を選択的に除去することもできる。
【0033】
ここで、図7は、GaNのエッチングレート、AlNのエッチングレート、及び、これらのエッチング選択比を示す図面である。
なお、ここでは、エッチングガスとしてCl/SF/Arを用い、ClとArの総流量を30sccmに固定し、SFの流量を10sccmに固定して、エッチングガス中のCl濃度[Cl/(Cl+SF+Ar)]を変化させている。また、図7中、実線AはGaNのエッチングレートの変化を示し、実線BはAlNのエッチングレートの変化を示し、黒い四角でエッチング選択比をプロットしている。
【0034】
図7に示すように、エッチングガス中のCl濃度が高くなると、AlNのエッチングレートは小さくなり、GaNのエッチングレートは大きくなる。このため、エッチングガス中のCl濃度が高くなると、エッチング選択比(GaN/AlN)は大きくなる。ここでは、エッチングガス中のCl濃度を変化させることで、エッチング選択比として21.4程度の大きな値を得ることができている。
【0035】
なお、AlGaNのエッチングレートはAl含有量によって変わるが、エッチングガス中のCl濃度に対するエッチングレートの変化を示す特性は、GaNの場合と同様であるため、ここでは、説明の便宜上、GaNのエッチングレート及びエッチング選択比を示して説明している。なお、GaNのエッチングレートの変化を示す特性(実線A)に対し、AlGaNのエッチングレートの変化を示す特性は、エッチングレートが小さくなる方向(図7中、下方)へ移動する。そして、AlGaNのAl含有量が多くなるほど、エッチングレートが小さくなる方向への移動量が大きくなる。この結果、AlGaNのAl含有量が多くなるほど、エッチング選択比が小さくなる。このため、第2n−AlGaN電子供給層5のAl含有量(Al組成)によって、エッチングガス中のCl濃度を変化させることで得られるエッチング選択比は変わることになる。例えば、i−AlN電子供給層4に対するエッチング選択比が例えば約10以上になるように、第2n−AlGaN電子供給層5のAl含有量を設定するのが好ましい。
【0036】
次に、図3(C)に示すように、レジストマスク15を剥離する。
その後、図3(D)に示すように、例えば燐酸を用いたウェットエッチングによって、ゲートリセス形成領域のi−AlN電子供給層4を除去する。ここで、エッチングレート等を考慮すると、燐酸の液温は約80℃程度にするのが好ましい。ここでは、例えば燐酸を用いたウェットエッチングを行なうことで、第1n−AlGaN電子供給層3に対してi−AlN電子供給層4が選択的に除去される。つまり、例えば燐酸を用いた選択ウェットエッチングが行なわれ、i−AlN電子供給層4が除去され、第1n−AlGaN電子供給層3の表面でエッチングが止まる。このため、第1n−AlGaN電子供給層3はエッチング停止層として機能する。これにより、i−AlN電子供給層4にゲートリセス9が形成される。
【0037】
なお、ここでは、エッチング液(薬液)として燐酸を用いているが、これに限られるものではなく、例えば水酸化カリウム及びテトラ−メチル−アンモニウム−ハイドロオキサイド(TMAH)を用いても良い。この場合も、エッチングレート等を考慮して、液温は約80℃程度にするのが好ましい。
なお、例えばフォトリソグラフィ技術によって形成されたレジストマスクを用い、例えば塩素系ガスを用いたドライエッチングによって、図4に示すように、ゲートリセス形成領域の第1n−AlGaN電子供給層3の一部を除去しても良い。この場合、ドライエッチングは時間制御によるものである。そして、エッチング量は約1〜約2nm程度なのでゲートリセスの深さの制御性に影響を与えることはない。
【0038】
次いで、図3(E)に示すように、例えば弗化水素酸を用いたウェットエッチングによって、窒化珪素膜14を除去する。
次に、ゲート構造をMIS構造とし、かつ、半導体積層構造の表面を保護するために、図5(A)に示すように、表面全体にSiN膜(絶縁膜)7を形成する。ここでは、n−GaN保護層6の表面からゲートリセス9内まで延びており、n−GaN保護層6の表面だけでなく、ゲートリセス9の底面及び側面も覆うSiN膜7を形成する。そして、半導体積層構造の最上層のn−GaN保護層6の表面を覆うSiN膜7の部分がパッシベーション膜となる。また、ゲートリセス9内に形成されているSiN膜7の部分、具体的には、ゲートリセス9の底面に露出する第1n−AlGaN電子供給層3上に形成されているSiN膜7の部分はゲート絶縁膜となる。
【0039】
次いで、図5(B)に示すように、例えばフォトリソグラフィ技術を用いて、ゲート電極形成領域に窓16Aを有するレジストマスク16を形成する。
次に、図5(C)に示すように、例えば蒸着・リフトオフ技術を用いて、ゲート電極形成領域に、例えばNi/Auからなるゲート電極12を形成する。ここでは、ゲートリセス9にゲート電極12を形成する。つまり、ゲートリセス9内であって、ゲートリセス9の底面に露出する第1n−AlGaN電子供給層3上にSiN膜7を介してゲート電極12を形成する。
【0040】
その後、ソース電極10、ドレイン電極11及びゲート電極12の各電極の配線等を形成して、本GaN−HEMT(半導体装置)が完成する。
したがって、本実施形態にかかる半導体装置及びその製造方法によれば、ゲートリセス9の深さの制御を安定的に行なえるようになり、ノーマリオフ動作のデバイスを安定的に作製できるという利点がある。
【0041】
つまり、本実施形態によれば、電子供給層8を、n−AlGaN層3、i−AlN層4及びn−AlGaN層5の3層構造とすることで、ゲートリセス9のエッチング量の安定性を確保することができる。これにより、閾値電圧の安定性を確保することができ、ひいては、ノーマリオフ動作するトランジスタを安定的に作製することが可能となるという利点がある。
【0042】
また、電子供給層8をn−AlGaN層3とn−AlGaN層5との間にi−AlN層4を挟んだ構造とすることで、2次元電子ガスが増加する効果が得られる。
ここで、図8(A)は、i−AlN層4を有しない従来のGaN−HEMTのバンド構造を示している。また、図8(B)は、n−AlGaN層3とn−AlGaN層5との間にi−AlN層4を備える、本実施形態のGaN−HEMTのバンド構造を示している。また、図8(C)は、これらのバンド構造の一部を拡大して示している。なお、図8(C)中、実線Aは本実施形態のGaN−HEMTのバンド構造を示しており、実線Bは従来のGaN−HEMTのバンド構造を示している。
【0043】
図8(A)〜図8(C)に示すように、n−AlGaN層3とn−AlGaN層5との間にバンドギャップの大きいi−AlN層4を設けることで、i−AlN層4を設けない場合と比較して、i−GaN電子走行層2とのコンダクションバンドの不連続性が大きくなる。これにより、強い分極が生じ、2次元電子ガスが増加することになる。
このように、2次元電子ガスが増加することで、結晶成長後のシート抵抗が下がり、オン抵抗が低減し、この結果、高周波特性が向上することになる。
【0044】
例えば、第1n−AlGa1−xN電子供給層3のAl組成の範囲を0.15≦x≦1とし、第2n−AlGa1−yN電子供給層5のAl組成の範囲を0.09≦y<1とすることで、図8(B)、図8(C)に示すようなバンド構造が得られ、オン抵抗低減等の効果が得られる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態にかかる電源装置について、図9を参照しながら説明する。
【0045】
本実施形態にかかる電源装置は、上述の第1実施形態にかかる半導体装置(GaN−HEMT)を備える電源装置である。
本電源装置は、図9に示すように、高圧の一次側回路(高圧回路)51及び低圧の二次側回路(低圧回路)52と、一次側回路51と二次側回路52との間に配設されるトランス(変圧器)53とを備える。
【0046】
一次側回路51は、交流電源54と、いわゆるブリッジ整流回路55と、複数(ここでは4つ)のスイッチング素子56a,56b,56c,56dとを備えて構成される。また、ブリッジ整流回路55は、スイッチング素子56eを有している。
二次側回路52は、複数(ここでは3つ)のスイッチング素子57a,57b,57cを備えて構成される。
【0047】
本実施形態では、一次側回路51のスイッチング素子56a,56b,56c,56d,56eが、第1実施形態のGaN−HEMTとされている。一方、二次側回路52のスイッチング素子57a,57b,57cは、シリコンを用いた通常のMIS−FETとされている。
したがって、本実施形態にかかる電源装置によれば、上述の第1実施形態にかかる半導体装置(GaN−HEMT)を、高圧回路に適用しているため、高出力の電源装置を実現することができるという利点がある。特に、上述の第1実施形態にかかる半導体装置(GaN−HEMT)を備えるため、ノーマリオフ動作を安定的に実現することができ、また、オン抵抗を低減し、高周波特性を向上させることができる。
[その他]
なお、本発明は、上述した実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
【0048】
例えば、上述の第1実施形態では、ゲート電極12は、第1AlGaN電子供給層3上に絶縁膜7を介して設けられているが、これに限られるものではない。例えば図10に示すように、ゲートリセス9の底面に絶縁膜7を設けずに、ゲート電極12を第1AlGaN電子供給層3上に設けても良い。つまり、第1AlGaN電子供給層3の表面に接するようにゲート電極12を設けても良い。ここでは、絶縁膜7は、n−GaN保護層6の表面からゲートリセス9内まで延びるようにしている。なお、絶縁膜7は、n−GaN保護層6の表面のみを覆い、ゲートリセス9内には延びないようにしても良い。この場合、ゲート電極12の側面に、n−GaN保護層6の側面、第2n−AlGaN電子供給層5の側面及びi−AlN電子供給層4の側面が接することになる。
【0049】
また、例えば、この第1実施形態の変形例を、上述の第2実施形態のものに適用することもできる。
以下、上述の各実施形態及び変形例に関し、更に、付記を開示する。
(付記1)
基板の上方に設けられたGaN電子走行層と、
前記GaN電子走行層上に設けられた第1AlGaN電子供給層と、
前記第1AlGaN電子供給層上に設けられたAlN電子供給層と、
前記AlN電子供給層上に設けられた第2AlGaN電子供給層と、
前記第2AlGaN電子供給層及び前記AlN電子供給層に設けられたゲートリセスと、
前記ゲートリセスに設けられたゲート電極とを備えることを特徴とする半導体装置。
【0050】
(付記2)
前記第2AlGaN電子供給層上に設けられたGaN保護層を備え、
前記ゲートリセスは、前記GaN保護層、前記第2AlGaN電子供給層及び前記AlN電子供給層に設けられていることを特徴とする、付記1に記載の半導体装置。
(付記3)
前記第2AlGaN電子供給層は、前記第1AlGaN電子供給層よりもAl含有量が少ないことを特徴とする、付記1又は2に記載の半導体装置。
【0051】
(付記4)
前記第2AlGaN電子供給層は、Al組成が10%以下であることを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記5)
前記AlN電子供給層は、厚さが3nm以下であることを特徴とする、付記1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【0052】
(付記6)
前記ゲートリセスに設けられた絶縁膜を備え、
前記ゲート電極は、前記第1AlGaN電子供給層上に前記絶縁膜を介して設けられていることを特徴とする、付記1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記7)
前記GaN保護層の表面から前記ゲートリセス内まで延びる絶縁膜を備え、
前記ゲート電極は、前記第1AlGaN電子供給層上に前記絶縁膜を介して設けられていることを特徴とする、付記2に記載の半導体装置。
【0053】
(付記8)
前記ゲート電極は、前記第1AlGaN電子供給層上に設けられていることを特徴とする、付記1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記9)
前記GaN保護層の表面から前記ゲートリセス内まで延びる絶縁膜を備え、
前記ゲート電極は、前記第1AlGaN電子供給層上に設けられていることを特徴とする、付記2に記載の半導体装置。
【0054】
(付記10)
変圧器と、
前記変圧器を挟んで設けられた高圧回路及び低圧回路とを備え、
前記高圧回路は、トランジスタを含み、
前記トランジスタは、
基板の上方に設けられたGaN電子走行層と、
前記GaN電子走行層上に設けられた第1AlGaN電子供給層と、
前記第1AlGaN電子供給層上に設けられたAlN電子供給層と、
前記AlN電子供給層上に設けられた第2AlGaN電子供給層と、
前記第2AlGaN電子供給層及び前記AlN電子供給層に設けられたゲートリセスと、
前記ゲートリセスに設けられたゲート電極とを備えることを特徴とする電源装置。
【0055】
(付記11)
基板の上方にGaN電子走行層を形成する工程と、
前記GaN電子走行層上に第1AlGaN電子供給層を形成する工程と、
前記第1AlGaN電子供給層上にAlN電子供給層を形成する工程と、
前記AlN電子供給層上に第2AlGaN電子供給層を形成する工程と、
前記第2AlGaN電子供給層及び前記AlN電子供給層にゲートリセスを形成する工程と、
前記ゲートリセスにゲート電極を形成する工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0056】
(付記12)
前記ゲートリセス形成工程において、前記第2AlGaN電子供給層を選択ドライエッチングすることによって前記ゲートリセスを形成することを特徴とする、付記11に記載の半導体装置の製造方法。
(付記13)
前記選択ドライエッチングは、塩素系ガス及び弗素系ガス、又は、塩素系ガスを用いる選択ドライエッチングであることを特徴とする、付記12に記載の半導体装置の製造方法。
【0057】
(付記14)
前記第2AlGaN電子供給層形成工程において、前記第1AlGaN電子供給層よりもAl含有量が少ない第2AlGaN電子供給層を形成することを特徴とする、付記11〜13のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記15)
前記第2AlGaN電子供給層形成工程において、Al組成が10%以下の第2AlGaN電子供給層を形成することを特徴とする、付記11〜14のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【0058】
(付記16)
前記AlN電子供給層形成工程において、厚さが3nm以下のAlN電子供給層を形成すること特徴とする、付記11〜15のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記17)
前記ゲートリセス形成工程において、前記AlN電子供給層を選択ウェットエッチングすることによって前記ゲートリセスを形成することを特徴とする、付記11〜16のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【0059】
(付記18)
前記選択ウェットエッチングは、燐酸、又は、水酸化カリウム及びテトラ−メチル−アンモニウム−ハイドロオキサイドをエッチング液として用いる選択ウェットエッチングであることを特徴とする、付記17に記載の半導体装置の製造方法。
(付記19)
前記第2AlGaN電子供給層上にGaN保護層を形成する工程を備え、
前記ゲートリセス形成工程で、前記GaN保護層、前記第2AlGaN電子供給層及び前記AlN電子供給層にゲートリセスを形成することを特徴とする、付記11〜18のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【0060】
(付記20)
前記ゲートリセス形成工程において、前記GaN保護層を塩素系ガスを用いてドライエッチングすることによって前記ゲートリセスを形成することを特徴とする、付記19に記載の半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0061】
1 半絶縁性SiC基板
2 GaN電子走行層
3 第1AlGaN電子供給層
4 AlN電子供給層
5 第2AlGaN電子供給層
6 GaN保護層
7 SiN膜(絶縁膜)
8 電子供給層
9 ゲートリセス
10 ソース電極
11 ドレイン電極
12 ゲート電極
13 レジストマスク
13A 窓
14 窒化珪素膜(SiN膜)
15 レジストマスク
15A 窓
16 レジストマスク
16A 窓
51 高圧の一次側回路(高圧回路)
52 低圧の二次側回路(低圧回路)
53 トランス(変圧器)
54 交流電源
55 ブリッジ整流回路
56a,56b,56c,56d スイッチング素子
57a,57b,57c スイッチング素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上方に設けられたGaN電子走行層と、
前記GaN電子走行層上に設けられた第1AlGaN電子供給層と、
前記第1AlGaN電子供給層上に設けられたAlN電子供給層と、
前記AlN電子供給層上に設けられた第2AlGaN電子供給層と、
前記第2AlGaN電子供給層及び前記AlN電子供給層に設けられたゲートリセスと、
前記ゲートリセスに設けられたゲート電極とを備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第2AlGaN電子供給層上に設けられたGaN保護層を備え、
前記ゲートリセスは、前記GaN保護層、前記第2AlGaN電子供給層及び前記AlN電子供給層に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2AlGaN電子供給層は、前記第1AlGaN電子供給層よりもAl含有量が少ないことを特徴とする、請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2AlGaN電子供給層は、Al組成が10%以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記AlN電子供給層は、厚さが3nm以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
変圧器と、
前記変圧器を挟んで設けられた高圧回路及び低圧回路とを備え、
前記高圧回路は、トランジスタを含み、
前記トランジスタは、
基板の上方に設けられたGaN電子走行層と、
前記GaN電子走行層上に設けられた第1AlGaN電子供給層と、
前記第1AlGaN電子供給層上に設けられたAlN電子供給層と、
前記AlN電子供給層上に設けられた第2AlGaN電子供給層と、
前記第2AlGaN電子供給層及び前記AlN電子供給層に設けられたゲートリセスと、
前記ゲートリセスに設けられたゲート電極とを備えることを特徴とする電源装置。
【請求項7】
基板の上方にGaN電子走行層を形成する工程と、
前記GaN電子走行層上に第1AlGaN電子供給層を形成する工程と、
前記第1AlGaN電子供給層上にAlN電子供給層を形成する工程と、
前記AlN電子供給層上に第2AlGaN電子供給層を形成する工程と、
前記第2AlGaN電子供給層及び前記AlN電子供給層にゲートリセスを形成する工程と、
前記ゲートリセスにゲート電極を形成する工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記ゲートリセス形成工程において、前記第2AlGaN電子供給層を選択ドライエッチングすることによって前記ゲートリセスを形成することを特徴とする、請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記選択ドライエッチングは、塩素系ガス及び弗素系ガス、又は、塩素系ガスを用いる選択ドライエッチングであることを特徴とする、請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記ゲートリセス形成工程において、前記AlN電子供給層を選択ウェットエッチングすることによって前記ゲートリセスを形成することを特徴とする、請求項7〜9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−54471(P2012−54471A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197063(P2010−197063)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】