説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】不純物の注入量及びチャネル領域中の不純物濃度を容易に制御する。動作特性に優れたFin型電界効果型トランジスタを備えた半導体装置を提供する。
【解決手段】Fin状の半導体基板の部分に犠牲酸化膜を形成した後、マスクパターンをマスクに用いて半導体基板に不純物を注入する。この後、犠牲酸化膜を除去して、半導体基板を露出させた後、露出した半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Fin型電界効果型トランジスタを備えた半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プレナー型のトランジスタよりもON電流が大きくOFF電流が小さいという特性を有するトランジスタとして、Fin型電界効果型トランジスタ(以下、「FinFET」と記載する場合がある)が注目されている。このFinFETでは突起状の半導体領域を跨ぐようにゲート電極が形成され、このゲート電極と突起状の半導体領域間にはゲート絶縁膜が形成されている。そして、突起状の半導体領域のゲート電極直下の部分はチャネル領域を構成し、突起状の半導体領域のゲート電極で覆われていない部分はソース/ドレイン領域を構成する。
【0003】
このFinFETには、1つのゲート電極及びソース/ドレイン領域を有するシングル構造のFinFETと、複数のゲート電極及びソース/ドレイン領域を有するマルチ構造のFinFETが存在する。特許文献1には、シングル構造のFinFETが開示されている。また、特許文献2及び3には、マルチ構造のFinFETが開示されている。
【0004】
図1は、2つのゲート電極を有するマルチ構造のFinFETを備えた半導体装置の上面図を表したものである。図1に示されるように、このFinFETでは、基板上に突起状の半導体領域1が設けられている。また、この半導体領域1を跨ぐように2つのゲート電極2が設けられ、この半導体領域1とゲート電極2間にはゲート絶縁膜(図示していない)が設けられている。この半導体領域1のゲート電極2を挟んだ両側の部分はソース/ドレイン領域3を構成している。そして、この半導体領域1、1つのゲート電極2、ゲート絶縁膜、1組のソース/ドレイン領域3とから1つのFinFETが構成される。なお、図1では、隣り合うFinFETのソース/ドレイン領域は共通化されている。
【0005】
図2〜12は、このFinFETを備えた半導体装置の製造工程を表す図であり、各図の(a)は図1のFinFETのA−A’断面、(b)は図1のFinFETのB−B’断面、(c)は図1のFinFETのC−C’断面に相当する断面における断面図を表す。
【0006】
まず、シリコン半導体基板4を準備した後、シリコン半導体基板4の表面に酸化処理を行い、シリコン酸化膜5を形成する。次に、全面にシリコン窒化膜を形成した後、リソグラフィー技術によりパターニングを行う。この後、シリコン窒化膜のドライエッチングを行い、シリコン窒化膜のパターン6を形成する。この工程により、上記シリコン半導体領域(アクティブ領域)上をシリコン窒化膜のパターン6で覆うと共に、素子分離領域となる部分に相当するシリコン半導体基板4の部分を露出させた形状を形成する(図2)。
【0007】
次に、このシリコン窒化膜のパターン6をハードマスクに用いて、シリコン酸化膜5、シリコン半導体基板4のドライエッチングを行う。この後、シリコン半導体基板4のドライエッチングを行った部分を酸化して、シリコン酸化膜を成長させる。この後、シリコン酸化膜にCMP処理を行うことにより、素子分離領域7を形成する(図3)。
【0008】
次に、シリコン窒化膜のパターン6を除去する。この後、新たに、素子分離領域7を形成していないシリコン半導体基板4上にシリコン窒化膜を形成した後、リソグラフィー技術によりパターニングを行う。この後、シリコン窒化膜のドライエッチングを行い、シリコン窒化膜のマスクパターン8を形成する。次に、シリコン窒化膜のマスクパターン8をマスクに用いて、シリコン酸化膜5をドライエッチングすることにより除去する。そして、この際、シリコン半導体基板4を露出させる(図4)。
【0009】
なお、この際、シリコン半導体基板4の露出した部分の表面は、エッチングによりたたかれて劣化する場合がある。このため、この露出させたシリコン半導体基板4の部分に犠牲酸化膜9を形成する(図5)。
【0010】
次に、犠牲酸化膜をウエットエッチングにより除去して、シリコン半導体基板4を露出させる(図6)。この後、シリコン窒化膜のマスクパターン8をマスクに用いて、シリコン半導体基板4内にチャネル領域用の不純物を注入して、不純物領域10を形成する(図7)。この後、ISSG(In Situ Steam Generation)による熱酸化によって全面に酸化膜を形成することによって、露出させたシリコン半導体基板4上にゲート絶縁膜18を形成する(図8)。
【0011】
この後、DOPOS(doped polycrystalline silicon)成長を行うことにより、全面にポリシリコン膜11を形成する(図9)。次に、シリコン窒化膜のマスクパターン8をストッパに用いて、ポリシリコン膜11にCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理を行う。
【0012】
次に、全面にW(タングステン)膜12及びシリコン窒化膜13を堆積させる(図10)。この後、ポリシリコン膜11の一部と、W膜12の一部とを反応(シリサイド化)させて、ポリシリコン膜11上にWSi膜14を形成すると共に、このWSi膜14上にW膜12を残留させる。そして、W層/WSi層/ポリシリコン層の積層構造からなるゲート電極を形成する。
【0013】
次に、ゲート電極上にマスクA15を形成する。このマスクA15の形成工程としては、例えば、全面にシリコン窒化膜を堆積させた後、リソグラフィー技術を用いてシリコン窒化膜のパターニングを行うことにより、ゲート電極上だけにシリコン窒化膜を残留させてマスクA15とする。
【0014】
次に、マスクA15をマスクに用いて、マスクパターン上のW膜12を除去する。この後、全面に保護膜16を形成する(図11)。次に、全面エッチバックを行うことによって、ゲート電極上にマスクA15が残留するようにマスクパターン8及びマスクパターン8上の保護膜16を除去する。次に、マスクA15をマスクに用いて、シリコン半導体基板4内に不純物を注入することにより、ソース/ドレイン領域17を形成する(図12)。
【特許文献1】特開昭64−8670号公報
【特許文献2】特開2002−118255号公報
【特許文献3】特開2001−298194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上記半導体装置の製造方法では、露出したシリコン半導体基板4上への犠牲酸化膜の形成とその後の除去によって、素子分離領域で囲まれた半導体基板の部分から構成される突起状の半導体領域の幅が細くなっていた。また、この後にチャネル領域用不純物を注入していた。このため、例えば、図7で示されるように、このチャネル領域用不純物の注入時に、突起状の半導体領域内だけでなく突起状の半導体領域下部の部分19にまで不純物が注入されることとなっていた。
【0016】
このように突起状の半導体領域下部の部分19にまで不純物が注入されるとFin型電界効果型トランジスタの特性上、様々な問題点が生じていた。すなわち、N型のFin型電界効果型トランジスタにおいて図7のようにN型の不純物の注入を行うと、突起状の半導体領域下部の部分19からのoff電流(リーク電流)が大きくなっていた。また、N型のFin型電界効果型トランジスタにおいて図7のようにP型の不純物の注入を行うと、チャネル領域とドレイン領域間の電界勾配が大きくなり接合リーク電流が大きくなっていた。
【0017】
更に、P型のFin型電界効果型トランジスタにおいて図7のようにP型の不純物の注入を行うと、突起状の半導体領域下部の部分19からのoff電流(リーク電流)が大きくなっていた。また、P型のFin型電界効果型トランジスタにおいて図7のようにN型の不純物の注入を行うと、チャネル領域とドレイン領域間の電界勾配が大きくなり接合リーク電流が大きくなっていた。
【0018】
また、不純物が突起状の半導体領域下部の部分19にまで注入される分だけ、電界効果型トランジスタがON状態の時にチャネル領域となる部分に注入された不純物の量が減ることとなっていた。この結果、チャネル領域となる部分に所望量の不純物を注入するためには、予め不純物の注入量を多くしたり厳密に制御する必要があった。
【0019】
そこで、本発明者は鋭意検討した結果、犠牲酸化膜の除去工程と、チャネル領域用の不純物の注入工程の順序を変更すれば良いことを発見した。すなわち、本発明は、犠牲酸化膜の形成、チャネル領域用の不純物の注入を行った後、犠牲酸化膜を除去する。本発明ではこれによって、電界効果型トランジスタがON状態の時にチャネル領域となる部分にのみ不純物を注入して安定した動作特性を有すると共に、不純物の注入量が少なくその制御が容易なFin型電界効果型トランジスタを備えた半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の構成を有することを特徴とする。
(1)半導体基板を準備する工程と、
(2)前記半導体基板の表面に酸化膜を形成する工程と、
(3)前記半導体基板内に素子分離領域を形成する工程と、
(4)前記半導体基板の、前記素子分離領域以外の部分にマスクパターンを形成する工程と、
(5)前記マスクパターンをマスクに用いて前記酸化膜をエッチングして除去することにより、前記半導体基板を露出させる工程と、
(6)前記工程(5)で露出させた半導体基板の部分に犠牲酸化膜を形成する工程と、
(7)前記マスクパターンをマスクに用いて、前記半導体基板内に不純物を注入する工程と、
(8)前記犠牲酸化膜を除去して、前記半導体基板を露出させる工程と、
(9)露出した前記半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
(10)全面にポリシリコン膜を形成する工程と、
(11)前記マスクパターンをストッパに用いて、前記ポリシリコン膜にCMP処理を行う工程と、
(12)全面に金属膜を形成する工程と、
(13)前記ポリシリコン膜の少なくとも一部と、前記金属膜の少なくとも一部とを反応させて、金属のシリサイド化を行うことによりゲート電極を形成する工程と、
(14)前記ゲート電極上にマスクAを形成する工程と、
(15)前記マスクAをマスクに用いて前記金属膜を除去する工程と、
(16)前記マスクパターンを除去する工程と、
(17)前記マスクAをマスクに用いて前記半導体基板内に不純物を注入することにより、ソース/ドレイン領域を形成する工程と、
を有することを特徴とする、Fin型電界効果型トランジスタを備えた半導体装置の製造方法。
【発明の効果】
【0021】
電界効果型トランジスタがON状態の時にチャネル領域とする部分にのみ不純物を注入できる。このため、off電流(リーク電流)を小さくしたり、チャネル領域とドレイン領域間の電界勾配を小さくして接合リーク電流を小さくすることができる。この結果、動作特性に優れたFin型電界効果型トランジスタを備えた半導体装置を提供することができる。また、不純物の注入量及びチャネル領域中の不純物濃度の制御が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
1.半導体装置の製造方法
本発明のFin型電界効果型トランジスタを備えた半導体装置の製造方法は、以下の工程を有する。
(1)半導体基板を準備する工程と、
(2)半導体基板の表面に酸化膜を形成する工程と、
(3)半導体基板内に素子分離領域を形成する工程と、
(4)半導体基板の、素子分離領域以外の部分にマスクパターンを形成する工程と、
(5)マスクパターンをマスクに用いて酸化膜をエッチングして除去することにより、半導体基板を露出させる工程と、
(6)工程(5)で露出させた半導体基板の部分に犠牲酸化膜を形成する工程と、
(7)マスクパターンをマスクに用いて、半導体基板内に不純物を注入する工程と、
(8)犠牲酸化膜を除去して、半導体基板を露出させる工程と、
(9)露出した半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
(10)全面にポリシリコン膜を形成する工程と、
(11)マスクパターンをストッパに用いて、ポリシリコン膜にCMP処理を行う工程と、
(12)全面に金属膜を形成する工程と、
(13)ポリシリコン膜の少なくとも一部と、金属膜の少なくとも一部とを反応させて、金属のシリサイド化を行うことによりゲート電極を形成する工程と、
(14)ゲート電極上にマスクAを形成する工程と、
(15)マスクAをマスクに用いて金属膜を除去する工程と、
(16)マスクパターンを除去する工程と、
(17)マスクAをマスクに用いて半導体基板内に不純物を注入することにより、ソース/ドレイン領域を形成する工程。
【0023】
本発明の半導体装置の製造方法ではまず、工程(1)において、半導体基板を準備する。この半導体基板としては、シリコン半導体基板やSOIなどを挙げることができる。
【0024】
次に、工程(2)では、この半導体基板の表面に酸化膜を形成する。この酸化膜の形成方法としては、例えば、半導体基板の表面がシリコンからなる場合、熱酸化を行うことによってシリコン酸化膜を形成する方法を挙げることができる。
【0025】
この後、工程(3)では、この半導体基板内に素子分離領域を形成する。この素子分離領域を形成する方法としては特に限定されず、例えば、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)やSTI(Shallow Trench Isolation)などを挙げることができるが、素子分離領域の幅を狭く、深さを深くできる方法としてSTIを用いることが好ましい。
【0026】
次に、工程(4)では、この半導体基板のうち、素子分離領域が設けられた以外の部分にマスクパターンを形成する。この方法としては、例えば、CVD法などによりシリコン窒化膜を堆積させた後、リソグラフィー技術によりシリコン窒化膜のパターニングを行うことによりマスクパターンを形成する方法を挙げることができる。
【0027】
次に、工程(5)では、マスクパターンをマスクに用いて、酸化膜をエッチングして除去することにより半導体基板を露出させる。なお、この工程(5)で露出した半導体基板の部分は、FinFETのチャネル領域として働くこととなる。
【0028】
次に、工程(6)では、工程(5)で露出させた半導体基板の部分に犠牲酸化膜を形成する。この工程(6)で犠牲酸化膜を形成する理由は、工程(5)において、酸化膜のエッチングを行う際に半導体基板の表面が劣化している可能性があり、この半導体基板の表面を犠牲酸化膜として除去することにより半導体基板の特性を均一なものとするためである。
【0029】
次に、工程(7)では、マスクパターンをマスクに用いて、半導体基板内に不純物を注入する。この不純物の種類及び注入条件は、所望の動作特性に応じて適宜、設定することができる。この不純物としてはB、P、As、又はBF2を用いることが好ましく、Bを用いることがより好ましい。また、不純物の注入条件としては、加速電圧10keV、注入量1×1012/cm2の条件とすることが好ましい。
【0030】
次に、工程(8)では、犠牲酸化膜を除去して半導体基板を露出させる。この工程では、例えば、ウェットエッチングを行うことにより犠牲酸化膜を除去することができる。
【0031】
ここで、従来の製造方法では、犠牲酸化膜の形成と除去を行った後に、チャネル領域用不純物の注入を行っていた。このため、犠牲酸化膜の除去時に、突起状の半導体領域の幅が細くなり、図7に示されるように突起状の半導体領域の下部の部分19にも不純物が注入されることとなっていた。この結果、突起状の半導体領域下部の部分19からのoff電流(リーク電流)が大きくなったり、チャネル領域とドレイン領域間の電界勾配が大きくなり接合リーク電流が大きくなっていた。
【0032】
これに対して、本発明では上記工程(6)〜(8)で示されるように、犠牲酸化膜の形成を行った後で犠牲酸化膜の除去前に、突起状の半導体領域内にチャネル領域用不純物を注入する。そして、このチャネル領域用不純物の注入後に、犠牲酸化膜を除去する。このため、チャネル領域用不純物の注入時には犠牲酸化膜が除去されて、図7のような突起状の半導体領域の下部の部分が露出してこの露出部分に不純物が注入されるといったことがなく、突起状の半導体領域内にのみ不純物を注入することができる。この結果、off電流(リーク電流)を小さくしたり、チャネル領域とドレイン領域間の電界勾配を小さくして接合リーク電流を小さくすることができる。そして、動作特性に優れたFin型電界効果型トランジスタを備えた半導体装置を提供することができる。また、不純物の注入量及びチャネル領域中の不純物濃度の制御が容易となる。
【0033】
次に、工程(9)では、工程(8)で露出させた半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する。この工程では、例えば、半導体基板の表面を熱酸化したり、所定組成の原料ガスを用いてCVD法等の成膜法を行うことによりゲート絶縁膜を形成することができる。
【0034】
このゲート絶縁膜としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO2)、シリコン窒化膜(Si34)やこれらの膜の積層体、ハフニウム(Hf)を含んだ酸化膜等を挙げることができる。また、ゲート絶縁膜としてはこの他に例えば、金属酸化物、金属シリケート、金属酸化物又は金属シリケートに窒素が導入された高誘電率絶縁膜などを用いることができる。
【0035】
なお、「高誘電率絶縁膜」とは半導体装置においてゲート絶縁膜として広く利用されているSiO2よりも比誘電率(SiO2の場合は約3.6)が大きな絶縁膜のことを表す。高誘電率絶縁膜の比誘電率としては、典型的には、数十〜数千のものを挙げることができる。高誘電率絶縁膜としては例えば、HfSiO,HfSiON,HfZrSiO,HfZrSiON,ZrSiO,ZrSiON,HfAlO,HfAlON,HfZrAlO,HfZrAlON,ZrAlO,ZrAlONなどを用いることができる。
【0036】
次に、工程(10)では、全面に不純物を含有する導電性のポリシリコン膜を形成する。この工程としては、例えば、CVD法等によりポリシリコンを堆積させた後、不純物をイオン注入する方法や、DOPOS(Doped Polycrystalline Silicon)等を挙げることができる。
【0037】
次に、工程(11)では、マスクパターンをストッパに用いて、ポリシリコン膜にCMP処理を行う。この工程(11)でCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理を行う理由は、工程(10)で堆積させたポリシリコン膜は、このポリシリコン膜が堆積された半導体基板やマスクパターンの凹凸を反映して、その表面が凹凸となっているため、このポリシリコン膜上に金属膜の堆積及びシリサイド化を行うと、シリサイド化の制御やゲート電極の形状加工が困難となるためである。この工程(11)では、予め設けたマスクパターンがCMP処理時のストッパとして働く。このため、ポリシリコン膜の表面を高精度で平坦化させることが可能となる。
【0038】
次に、工程(12)では、全面に金属膜を形成する。ここで、本発明では、前の工程(11)において、ポリシリコン膜の表面を高精度で平坦化させているため、このポリシリコン膜上への金属膜の堆積を均一に行わせることが可能となる。この結果、後の工程で金属とポリシリコンとのシリサイド化反応を行った際にも、均一な形状・特性を有するゲート電極を安定して形成することができる。また、ゲート電極の剥離や、一部でゲート絶縁膜内までシリサイド化が過度に進みゲート絶縁膜の絶縁性を損なうといったことを防止することができる。そして、安定で均一な特性を有するFinFETを形成することができる。
【0039】
工程(12)での金属膜の堆積方法としては、例えば、CVD法を挙げることができる。また、この金属の種類としてはシリコンと反応してシリサイド化が可能なものであれば特に限定されないが、例えば、Ni,Cr,Ir,Rh,Ti,Zr,Hf,V,Ta,Nb,Mo、W等を用いることができる。好ましくは、金属膜としてW(タングステン)膜を用いるのが良い。このように、金属膜としてW膜を堆積させることによって、ゲート電極の抵抗率を均一な低い値とすることができる。
【0040】
次に、工程(13)では、ポリシリコン膜の少なくとも一部と金属膜の少なくとも一部とを反応させて、金属のシリサイド化を行いゲート電極を形成する。この工程(13)では、金属膜の全てとポリシリコン膜の全てを反応させて金属のシリサイド化を行うことによりシリサイドから構成されるゲート電極を形成しても良い。また、金属膜の一部(下部)とポリシリコン膜の全てを反応させて金属のシリサイド化を行うことにより金属とシリサイドの積層構造である(金属)/(シリサイド)から構成されるゲート電極を形成しても良い。更に、金属膜の全てとポリシリコン膜の一部(上部)を反応させて金属のシリサイド化を行うことにより、金属とシリサイドの積層構造である(シリサイド)/(ポリシリコン層)から構成されるゲート電極を形成しても良い。更に、金属膜の一部(下部)とポリシリコン膜の一部(上部)を反応させて、金属のシリサイド化を行うことにより、(金属)/(シリサイド)/(ポリシリコン層)から構成されるゲート電極を形成しても良い。このようにゲート電極が、シリサイドから構成されるか、(金属)/(シリサイド)の積層構造、(シリサイド)/(ポリシリコン層)の積層構造、又は(金属)/(シリサイド)/(ポリシリコン層)の積層構造から構成されるかは、金属膜とポリシリコン膜の膜厚の比率やシリサイド化の条件(温度など)による。
【0041】
好ましくは、工程(12)において金属膜がW膜であり、工程(13)においてポリシリコン膜の一部とW膜の一部とを反応させてWのシリサイド化を行うことにより、上から順にW層/WSi層/ポリシリコン層の積層構造のゲート電極を形成するのが良い。このようにW層/WSi層/ポリシリコン層の積層構造を形成することにより、微細化を行った場合であっても低抵抗で均一なゲート電極を形成することができる。
【0042】
この工程(13)ではどのようなシリサイドが形成されるかは、金属の種類やシリサイド化の条件による。具体的には、シリサイドとしては例えば、NiSi,Ni2Si,Ni3Si,NiSi2,WSi2,WSi,TiSi2,VSi2,CrSi2,ZrSi2,NbSi2,MoSi2,TaSi2,CoSi,CoSi2,PtSi,Pt2Si,Pd2Siなどを挙げることができる。
このようにゲート電極の少なくとも一部がシリサイドから構成されることによって、低抵抗率で導電性に優れたゲート電極とすることができる。
【0043】
次に、工程(14)では、ゲート電極上にマスクAを形成する。このマスクAは、例えば、CVD法等により全面にマスクA材料を堆積させた後、リソグラフィー技術を用いることにより、ゲート電極上にのみマスクA材料を残留させることにより形成することができる。このマスクAの材料としては、シリコン窒化膜を挙げることができる。
【0044】
次に、工程(15)では、マスクAをマスクに用いて金属膜を除去する。こ工程(15)では、マスクパターン上に存在してシリサイド化反応に関与しなかった金属膜を除去する。
【0045】
次に、工程(16)では、マスクパターンを除去する。このマスクパターンを除去する方法としては、以下の工程を有することが好ましい。
工程(15)で金属膜を除去後、全面に保護膜を形成する工程、
全面エッチバックを行うことによって、ゲート電極上にマスクAが残留するようにマスクパターン及びマスクパターン上の保護膜を除去する工程。
マスクAとして、マスクパターンよりも厚いマスクを形成したり、エッチング耐性が高い材料を用いることにより、全面エッチバックを行った際に、ゲート電極上にマスクAを残留させると共に、マスクパターン及びマスクパターン上の保護膜を完全に除去することができる。また、保護膜は、後の工程で半導体基板内に不純物を注入する際などに、ゲート電極を保護する機能を有するものであり、シリコン窒化膜を用いることができる。
【0046】
次に、工程(17)では、マスクAをマスクに用いて、半導体基板内に不純物を注入することにより、ソース/ドレイン領域を形成する。FinFETとしてPMOSトランジスタを形成する場合、この不純物としてはBなどを用いることができる。また、FinFETとしてNMOSトランジスタを形成する場合、この不純物としてはP、As、Sbなどを用いることができる。また、ソース/ドレイン領域中の不純物元素濃度としては典型的には、1×1019〜1×1021cm-3とすることができる。
【0047】
また、本発明の製造方法では、工程(13)において複数のゲート電極を形成し、工程(17)において複数のソース/ドレイン領域を形成することにより、複数のFin型電界効果型トランジスタを備えた半導体装置を製造しても良い。
【0048】
なお、本発明の製造方法では、FinFETとしてP型のFinFET及びN型のFinFETのうち、何れのFinFETも形成することができる。P型のFinFETを形成する場合、工程(17)においてP型の不純物を注入してソース/ドレイン領域を形成すれば良い。また、N型のFinFETを形成する場合、工程(17)においてN型の不純物を注入してソース/ドレイン領域を形成すれば良い。
【0049】
図13〜23は、本発明の半導体装置の製造方法の一例を示したものである。なお、図13〜23(a)、(b)、及び(c)は、それぞれ図1のA−A’断面、B−B’断面、及びC−C’断面に相当する断面における断面図を表す。
まず、シリコン半導体基板21を準備した後(工程(1))、このシリコン半導体基板21の表面酸化を行い、シリコン酸化膜22を形成する(工程(2))。次に、シリコン酸化膜22上にシリコン窒化膜を形成した後、リソグラフィー技術を用いてドライエッチングを行い、シリコン窒化膜のパターン23を形成する(図13)。
【0050】
次に、STI(Shallow Trench Isolation)技術により、シリコン半導体基板21内に素子分離領域24を形成する(工程(3);図14)。すなわち、シリコン窒化膜のパターン23をハードマスクとして用いて、シリコン酸化膜22のドライエッチング、及びシリコン半導体基板21のドライエッチングを行う。これにより、シリコン半導体基板21内にシャロートレンチが形成される。この後、全面にシリコン酸化膜を堆積させた後、CMP処理により平坦化を行うことによって素子分離領域24を形成することができる。この際、素子分離領域24で囲まれた突起状の半導体領域が形成される。
【0051】
次に、シリコン窒化膜のパターン23を除去する。この後、全面にシリコン窒化膜を堆積させた後、リソグラフィー技術によりシリコン窒化膜のドライエッチングを行うことにより、シリコン窒化膜のマスクパターン25を形成する(工程(4);図15)。なお、この際、シリコン半導体基板21の素子分離領域24が設けられた以外の部分にマスクパターン25が形成されるようにする。
【0052】
次に、マスクパターン25をマスクに用いて、シリコン酸化膜22をドライエッチングすることにより除去する。そして、この際、シリコン半導体基板21を露出させる(工程(5))。なお、この際、シリコン半導体基板21の露出した部分の表面は、エッチングによりたたかれて劣化する場合がある。このため、この露出させたシリコン半導体基板21の部分に犠牲酸化膜26を形成する(工程(6);図16)。
【0053】
次に、マスクパターン25をマスクに用いて、シリコン半導体基板21内に不純物を注入することにより、電界効果型トランジスタがON状態の時にチャネル領域となる不純物領域27を形成する。(工程(7);図17)。
【0054】
次に、犠牲酸化膜26をウエットエッチングにより除去して、シリコン半導体基板21を露出させる(工程(8);図18)。本発明の製造方法では、上記工程(6)〜(8)に示されるように、犠牲酸化膜の形成を行った後で犠牲酸化膜の除去前に、突起状の半導体領域内にチャネル領域用不純物を注入する。そして、このチャネル領域用不純物の注入後に、犠牲酸化膜を除去する。このため、犠牲酸化膜が除去されて図7のような突起状の半導体領域の下部の部分が露出し、チャネル領域用不純物の注入時にこの露出部分に不純物が注入されるといったことがなく、突起状の半導体領域内にのみ不純物を注入することができる。この結果、off電流(リーク電流)を小さくしたり、チャネル領域とドレイン領域間の電界勾配を小さくして接合リーク電流を小さくすることができる。そして、動作特性に優れたFin型電界効果型トランジスタを備えた半導体装置を提供することができる。また、不純物の注入量及びチャネル領域中の不純物濃度の制御が容易となる。
【0055】
次に、露出させたシリコン半導体基板21上にゲート絶縁膜28を形成する(工程(9);図19)。この後、DOPOS(doped polycrystalline silicon)成長を行うことにより、全面にポリシリコン膜29を形成する(工程(10);図20)。
【0056】
ここで、このポリシリコン膜29上にそのまま金属膜の堆積、シリサイド化を行うとゲート電極の形状及び特性が不均一となってしまう。そこで、次の工程では、ポリシリコン膜29にCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理を行う(工程(11))。この際、シリコン窒化膜のマスクパターン25が、このCMP処理時のストッパとなるため、高精度な平坦化を行うことができる。この結果、後の工程でシリサイド化を均一に行ってゲート電極の形状・特性を均一にすることができる。
【0057】
次に、全面にW(タングステン)膜30を堆積させる(工程(12);図21)。この後、ポリシリコン膜29の一部と、W膜30の一部とを反応(シリサイド化)させて、ポリシリコン膜29上にWSi膜31を形成すると共に、このWSi膜31上にW膜30を残留させる。そして、W層/WSi層/ポリシリコン層の積層構造からなるゲート電極を形成する(工程(13))。
【0058】
次に、ゲート電極上にマスクA32を形成する(工程(14))。このマスクA32の形成工程としては、例えば、全面にシリコン窒化膜を堆積させた後、リソグラフィー技術を用いてシリコン窒化膜のパターニングを行うことにより、ゲート電極上だけにシリコン窒化膜を残留させてマスクA32とする方法を挙げることができる。
【0059】
次に、マスクA32をマスクに用いて、マスクパターン25上のW膜30を除去する(工程(15))。この後、全面に保護膜33を形成する(図22)。
次に、全面エッチバックを行うことによって、ゲート電極上にマスクA32が残留するようにマスクパターン25及びマスクパターン25上の保護膜33を除去する(工程(16))。
【0060】
次に、マスクA32をマスクに用いて、シリコン半導体基板21内に不純物を注入することにより、ソース/ドレイン領域34を形成する(工程(17);図23)。
【0061】
2.半導体装置
本発明の半導体装置は、1以上のFinFETを有する。このFinFETは突起状の半導体領域を有し、この突起状の半導体領域を跨ぐようにゲート電極が形成され、このゲート電極と突起状の半導体領域間にはゲート絶縁膜が形成されている。そして、突起状の半導体領域のゲート電極で覆われていない部分にはソース/ドレイン領域が設けられている。
【0062】
このFinFETは、ゲート電極と突起状の半導体領域間の絶縁膜の厚さを調節することにより、突起状の半導体領域の側面にのみチャネル領域を形成したり、突起状の半導体領域の側面と上面にチャネル領域を形成することができる。すなわち、ゲート電極と突起状の半導体領域の上面との間の絶縁膜を厚くすることにより、突起状の半導体領域の側面のみにチャネル領域が形成されるダブルゲート型のFinFETとすることができる。また、ゲート電極と突起状の半導体領域の上面及び側面との間の絶縁膜を薄くすることにより、突起状の半導体領域の側面及び上面にチャネル領域が形成されるトライゲート型のFinFETとすることができる。
【0063】
本発明の半導体装置は、1つのゲート電極を有するシングル構造のFinFET、及び複数のゲート電極を有するマルチ構造のFinFETの何れのFinFETを備えていても良い。
【0064】
本発明の半導体装置は、Fin型電界効果型トランジスタがON状態となったときにチャネル領域となる領域にのみ不純物が存在する。このため、チャネル領域中の不純物濃度を容易に所望の値に制御することができる。また、動作特性に優れた安定なものとすることができる。
【0065】
図23に、本発明のFinFETの一例の断面図を示す。なお、図23(a)、(b)、及び(c)は、それぞれ図1のA−A’断面、B−B’断面、及びC−C’断面に相当する断面における断面図を表す。
【0066】
図23の半導体装置では、半導体基板上に突起状の半導体領域41が設けられている。そして、この半導体領域41を跨ぐように、ゲート電極が設けられている。このゲート電極は、W層/WSi層/ポリシリコン層の積層構造29、31、30から構成されている。そして、ゲート電極と半導体領域41の間には、ゲート絶縁膜28が設けられている。
【0067】
図23の半導体装置では、半導体領域41の上面及び側面にチャネル領域が形成される。また、半導体領域41の、ゲート電極を挟んだ両側にはソース/ドレイン領域34が設けられている。そして、これらの半導体領域41、ゲート電極、ゲート絶縁膜28、ソース/ドレイン領域34から1つのFinFETが構成されている。そして、図23の半導体装置では、2つのFinFETが設けられており、これらのFinFETの間では一部のソース/ドレイン領域が共通化されている。
【実施例】
【0068】
(実施例)
まず、シリコン半導体基板21を準備した後(工程(1))、このシリコン半導体基板21の表面酸化を行ってシリコン酸化膜22とした(工程(2))。次に、シリコン酸化膜22上の全面にシリコン窒化膜を成長させた。この後、リソグラフィー技術により、シリコン窒化膜のドライエッチングを行い、シリコン窒化膜のパターン23を形成した(図13)。
【0069】
次に、このシリコン窒化膜のパターン23をハードマスクに用いて、シリコン酸化膜22のドライエッチングを行った後、シリコン半導体基板21のドライエッチングを250nm、行った。この後、全面にシリコン酸化膜を堆積させた後、CMP処理により平坦化を行うことによって素子分離領域24を形成した(工程(3);図14)。
【0070】
次に、ウエットエッチングによりシリコン窒化膜のパターン23を除去した。この後、全面にシリコン窒化膜を150nm、堆積させた。この後、レジストマスクを用いたリソグラフィー技術によりシリコン窒化膜のドライエッチングを行ってシリコン窒化膜のマスクパターン25を形成した(工程(4))。
【0071】
次に、このマスクパターン25をマスクに用いて、シリコン酸化膜22をドライエッチングして除去することにより、シリコン半導体基板21を露出させた(工程(5);図15)。次に、この露出させたシリコン半導体基板21の部分に犠牲酸化膜26を形成した(工程(6);図16)。
【0072】
次に、マスクパターン25をマスクに用いて、シリコン半導体基板21内にボロンを加速電圧30keV、注入量1×1013/cm2の条件で注入した(工程(7);図17)。
【0073】
次に、犠牲酸化膜26をウエットエッチングにより除去して、シリコン半導体基板21を露出させた(工程(8);図18)。この後、ドライ酸化を行うことにより、10nmのゲート絶縁膜28を形成した(工程(9);図19)。この後、DOPOS(doped polycrystalline silicon)成長を行うことにより、全面に200nmのポリシリコン膜29を形成した(工程(10);図20)。
【0074】
次に、シリコン窒化膜のマスクパターン25をストッパに用いて、ポリシリコン膜29にCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理を行った(工程(11))。
【0075】
次に、全面にW(タングステン)膜30、シリコン窒化膜40を堆積させた(工程(12);図21)。この後、ポリシリコン膜29の一部と、W膜30の一部とを反応(シリサイド化)させて、ポリシリコン膜29上にWSi膜31を形成すると共に、このWSi膜31上にW膜30を残留させた。そして、W層(60nm)/WSi層(30nm)/ポリシリコン層の積層構造からなるゲート電極30、31、29を形成した(工程(13))。
【0076】
次に、200nmのシリコン窒化膜を形成した後、パターニングを行うことにより、ゲート電極上にマスクA32を形成した(工程(14))。次に、マスクA32をマスクに用いて、マスクパターン25上のW膜30を除去した(工程(15))。この後、全面に10nmのシリコン窒化膜(保護膜)33を形成した後、全面エッチバックを行うことによりゲート電極の側面にシリコン窒化膜33を残留させた(図22)。
【0077】
次に、マスクパターン25及びマスクパターン25上のシリコン窒化膜33を除去した(工程(16))。この後、マスクA32をマスクに用いて、シリコン半導体基板21内に不純物を注入することにより、ソース/ドレイン領域34を形成した(工程(17);図23)。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】従来の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図2】従来の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図3】従来の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図4】従来の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図5】従来の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図6】従来の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図7】従来の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図8】従来の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図9】従来の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図10】従来の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図11】従来の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図12】従来の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図13】本発明の半導体装置の製造方法の一例を説明する図である。
【図14】本発明の半導体装置の製造方法の一例を説明する図である。
【図15】本発明の半導体装置の製造方法の一例を説明する図である。
【図16】本発明の半導体装置の製造方法の一例を説明する図である。
【図17】本発明の半導体装置の製造方法の一例を説明する図である。
【図18】本発明の半導体装置の製造方法の一例を説明する図である。
【図19】本発明の半導体装置の製造方法の一例を説明する図である。
【図20】本発明の半導体装置の製造方法の一例を説明する図である。
【図21】本発明の半導体装置の製造方法の一例を説明する図である。
【図22】本発明の半導体装置の製造方法の一例を説明する図である。
【図23】本発明の半導体装置の製造方法の一例を説明する図である。
【符号の説明】
【0079】
1 突起状の半導体領域
2 ゲート電極
3 ソース/ドレイン領域
4 シリコン半導体基板
5 シリコン酸化膜
6 シリコン窒化膜のパターン
7 素子分離領域
8 マスクパターン
9 犠牲酸化膜
10 チャネル領域用の不純物領域
11 ポリシリコン膜
12 W層
13 シリコン窒化膜
14 WSi層
15 マスクA
16 保護膜
17 ソース/ドレイン領域
18 ゲート絶縁膜
19 突起状の半導体領域下部の部分
21 シリコン半導体基板
22 シリコン酸化膜
23 シリコン窒化膜のパターン
24 素子分離領域
25 マスクパターン
26 犠牲酸化膜
27 チャネル領域用の不純物領域
28 ゲート絶縁膜
29 ポリシリコン膜
30 W層
31 WSi層
32 マスクA
33 保護膜
34 ソース/ドレイン領域
40 シリコン窒化膜
41 突起状の半導体領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)半導体基板を準備する工程と、
(2)前記半導体基板の表面に酸化膜を形成する工程と、
(3)前記半導体基板内に素子分離領域を形成する工程と、
(4)前記半導体基板の、前記素子分離領域以外の部分にマスクパターンを形成する工程と、
(5)前記マスクパターンをマスクに用いて前記酸化膜をエッチングして除去することにより、前記半導体基板を露出させる工程と、
(6)前記工程(5)で露出させた半導体基板の部分に犠牲酸化膜を形成する工程と、
(7)前記マスクパターンをマスクに用いて、前記半導体基板内に不純物を注入する工程と、
(8)前記犠牲酸化膜を除去して、前記半導体基板を露出させる工程と、
(9)露出した前記半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
(10)全面にポリシリコン膜を形成する工程と、
(11)前記マスクパターンをストッパに用いて、前記ポリシリコン膜にCMP処理を行う工程と、
(12)全面に金属膜を形成する工程と、
(13)前記ポリシリコン膜の少なくとも一部と、前記金属膜の少なくとも一部とを反応させて、金属のシリサイド化を行うことによりゲート電極を形成する工程と、
(14)前記ゲート電極上にマスクAを形成する工程と、
(15)前記マスクAをマスクに用いて前記金属膜を除去する工程と、
(16)前記マスクパターンを除去する工程と、
(17)前記マスクAをマスクに用いて前記半導体基板内に不純物を注入することにより、ソース/ドレイン領域を形成する工程と、
を有することを特徴とする、Fin型電界効果型トランジスタを備えた半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記半導体基板がシリコン半導体基板であり、
前記工程(7)において、前記不純物としてB、P、As、又はBF2を注入することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記金属膜が、W膜であり、
前記工程(13)において、前記ポリシリコン膜の一部と、前記W膜の一部とを反応させて、Wのシリサイド化を行うことにより、上から順にW層/WSi層/ポリシリコン層の積層構造のゲート電極を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記マスクパターン及びマスクAが、窒化シリコンから構成されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記工程(13)において、複数の前記ゲート電極を形成し、
前記工程(17)において、複数の前記ソース/ドレイン領域を形成することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の、複数の前記Fin型電界効果型トランジスタを備えた半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法により製造されたことを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2009−123760(P2009−123760A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−293343(P2007−293343)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】