説明

基板処理装置

【課題】装置の省スペースを実現しつつ、基板の端面の汚染に起因した問題(欠陥の発生、トラックや露光装置へのクロスコンタミネーション等)を回避できる基板処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】基板の端面を洗浄する端面洗浄処理ユニットECを備える洗浄処理部93を、インデクサブロック9に配置する。インデクサブロック9に設けられたインデクサロボットIRは、カセットCから取り出した未処理基板Wを、処理部である反射防止膜用処理ブロック10に搬送する前に洗浄処理部93に搬送する。洗浄処理部93においては、基板Wの端面および裏面を洗浄する。すなわち、端面および裏面が汚れた基板Wが処理部に搬入されることがないので、基板の端面や裏面の汚染に起因した問題を回避できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用ガラス基板等(以下、単に「基板」と称する)の処理を行う基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体や液晶ディスプレイなどの製品は、基板に対して一連の処理(例えば、洗浄、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、層間絶縁膜の形成、熱処理、ダイシングなどの一連の処理)を行うことによって製造される。
【0003】
これらの処理を行う基板処理装置は、例えば、複数の処理ブロック(基板表面に反射防止膜を形成する反射防止膜用処理ブロック、反射防止膜の上にレジスト膜を塗布するレジスト膜用処理ブロック、露光後の基板を現像する現像処理ブロック等)を並設した構成を備え、露光処理を行う露光装置に隣接して配置される。
【0004】
基板は、各処理ブロックに所定の順序で搬送されながら一連の処理を受ける。すなわち、カセットに収容された未処理基板は、搬送装置によって一枚ずつ運び出され、インデクサブロックを介して反射防止膜用処理ブロックに搬入される。そして、そこで表面に反射防止膜を形成される。反射防止膜が形成された基板は、続いてレジスト膜用処理ブロックに搬入され、そこでレジスト膜を塗布される。レジスト膜が形成された基板は、一旦基板処理装置から外部装置である露光装置へと運ばれ、そこで露光処理される。露光処理後の基板は再び基板処理装置内に搬入され、現像処理ブロックにて現像される。これらの処理を受けてその表面にレジストパターンが形成された基板は、インデクサブロックを介して再びカセットに収容される。
【0005】
ところで、カセットに収容されている未処理基板は、必ずしも清浄な状態にあるとは限らない。汚れた基板に対して一連の処理が実行されてしまうと欠陥が発生してしまう。また、端面や裏面等にパーティクル等が付着した基板がトラック内に搬入されてしまうと、トラックや露光装置へのクロスコンタミネーションの原因となってしまう。
【0006】
特に、液浸法(投影光学系と基板との間に、屈折率nが大気(n=1)よりも大きな液体(例えば、n=1.44の純水)を満たした状態とすることによって、基板表面における露光光を短波長化し、微細な露光パターンを形成することを可能とする露光方法)による露光処理を行う露光装置の場合、基板の端面や裏面等に付着したパーティクル等によって露光装置のレンズが汚染され、露光パターンの寸法不良および形状不良が発生するおそれがある。
【0007】
このような問題を回避するために、基板の端面を洗浄する処理ブロック(端面洗浄処理ブロック)を備える基板処理装置が提案されている(特許文献1参照)。ここでは、端面洗浄処理ブロックにて基板の端面を洗浄することによって、露光装置内の汚染を防止している。
【0008】
【特許文献1】特開2007−5659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載の構成によると、基板の端面に付着したパーティクル等によって露光装置内が汚染されるといった事態を防止することができる。しかしながら、端面を洗浄するための処理ブロックを設ける構成では、装置のフットプリントが拡大してしまうという問題があった。
【0010】
この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、装置の省スペースを実現しつつ、基板の端面の汚染に起因した問題(欠陥の発生、トラックや露光装置へのクロスコンタミネーション等)を回避できる基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、基板に対して所定の処理を行う1以上の処理ユニットを配置した処理部と、未処理の基板を外部から受け入れて前記処理部に渡すとともに、処理済みの基板を前記処理部から受け取って外部に搬出するインデクサ部と、を備え、前記インデクサ部が、前記処理部に渡す前の基板の端面を洗浄する端面洗浄部、を備える。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載の基板処理装置であって、前記端面洗浄部が、所定の洗浄液に超音波振動を付与する超音波振動付与手段と、前記超音波振動が付与された前記洗浄液を被洗浄基板の端面に供給する吐出ノズルと、を備える。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2に記載の基板処理装置であって、前記端面洗浄部が、水平方向に沿った両端部が開放され、断面コの字型の形状を有する液だまり形成部材、をさらに備え、前記液だまり形成部材の内側空間に前記吐出ノズルから前記洗浄液を吐出することによって形成された液だまりに前記被洗浄基板の端部を浸して前記被洗浄基板の端面を洗浄する。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1に記載の基板処理装置であって、前記端面洗浄部が、洗浄液と加圧された気体とを混合して洗浄液の液滴を生成して被洗浄基板の端面に供給する二流体ノズル、を備える。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1に記載の基板処理装置であって、前記端面洗浄部が、被洗浄基板に所定の洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、前記被洗浄基板の端面に摺接する洗浄ブラシと、を備える。
【0016】
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の基板処理装置であって、前記インデクサ部が、前記処理部に渡す前の基板の上下面を反転させる反転部と、前記処理部に渡す前の基板の裏面を洗浄する裏面洗浄部と、をさらに備える。
【0017】
請求項7の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の基板処理装置であって、前記インデクサ部が、複数の基板を収容するカセットを載置するカセット載置部と、所定の保持手段で基板を保持して、前記カセット、前記処理部および前記端面洗浄部の間で基板を搬送する基板搬送装置と、をさらに備え、前記基板搬送装置が、その端面部を洗浄される前の基板を保持する第1の保持手段と、その端面部を洗浄された後の基板を保持する第2の保持手段と、を備える。
【発明の効果】
【0018】
請求項1から7に記載の発明によると、基板の端面を洗浄する端面洗浄部をインデクサ部に設けるので、装置の省スペースを実現することができる。また、処理部に渡す前に基板の端面を洗浄することができるので、処理部に搬入される基板の端面を清浄な状態にすることができる。これにより、欠陥の発生および処理部へのクロスコンタミネーションを回避することができる。
【0019】
特に、請求項2に記載の発明によると、基板の端面に超音波振動が付与された洗浄液を供給することができるので、基板の端面に付着したパーティクルを効果的に除去することができる。
【0020】
特に、請求項3に記載の発明によると、洗浄液の液だまりに被洗浄基板の端部を浸した状態とするので、基板の端面の全体を確実に洗浄液に接触させることができる。これにより、高い洗浄効果を得ることができる。
【0021】
特に、請求項4に記載の発明によると、基板の端面に洗浄液と加圧された気体とを混合することにより生成された洗浄液の液滴を供給することができるので、基板の端面に付着したパーティクルを効果的に除去することができる。
【0022】
特に、請求項5に記載の発明によると、基板の端面に洗浄ブラシを摺接させることによって、基板の端面に付着したパーティクルを確実に除去することができる。
【0023】
特に、請求項6に記載の発明によると、処理部に渡す前に基板の裏面を洗浄することができるので、処理部に搬入される基板の裏面を清浄な状態にすることができる。これにより、基板の裏面に付着したパーティクル等により処理部が汚染されることを防止することができる。また、裏面洗浄部をインデクサ部に設けるので、装置の省スペースを実現することができる。
【0024】
特に、請求項7に記載の発明によると、端面が洗浄される前の基板を保持する保持手段と、端面が洗浄された後の基板を保持する保持手段とを使い分けるので、端面が洗浄された後の基板が汚れた保持手段に保持されることによって再び汚染されてしまうといった事態を回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
この発明の実施の形態に係る基板処理装置500について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において参照される図には、各部の位置関係や動作方向を明確化するために、共通のXYZ直交座標系を適宜付している。
【0026】
〈1.基板処理装置500の構成〉
はじめに、基板処理装置500の全体構成を図1〜図3を参照しながら説明する。図1は、基板処理装置500の全体構成を示す平面図である。基板処理装置500は、液浸露光処理の前後において、基板Wに塗布処理、熱処理、現像処理等の一連の処理を行う装置である。
【0027】
基板処理装置500は、主として、インデクサブロック9と、インデクサブロック9から搬入される基板Wに対して所定の処理を行う1以上の処理ユニットをそれぞれ配置した複数の処理部(反射防止膜用処理ブロック10、レジスト膜用処理ブロック11、現像処理ブロック12、レジストカバー膜用処理ブロック13、レジストカバー膜除去ブロック14、洗浄/乾燥処理ブロック15およびインターフェースブロック16)をこの順に並設した構成となっている。
【0028】
また、インターフェースブロック16の+Y側には、この基板処理装置500とは別体の露光装置17が接続される。露光装置17は、基板Wに対して液浸露光処理を行う機能を有している。
【0029】
インデクサブロック9は、未処理の基板を外部から受け入れて処理部に渡すとともに、処理済みの基板を処理部から受け取って外部に搬出する機能部である。より具体的には、複数の基板Wを収容するカセット(キャリア)Cから未処理基板を取り出して処理部である反射防止膜用処理ブロック10に渡すとともに、反射防止膜用処理ブロック10から処理済み基板を受け取ってカセットCに収容する。
【0030】
インデクサブロック9には、各ブロックの動作を制御するメインコントローラ(制御部)91と、1以上のカセット載置台92と、洗浄処理部93と、インデクサロボットIRとが設けられている。インデクサロボットIRは、基板Wの受け渡しを行う2つのハンドIRH1,IRH2を上下に有している。このうち、一方のハンドIRH1(洗浄前用ハンドIRH1)は、洗浄処理部93にて洗浄処理が行われる前の基板Wの搬送に用いられる。また、他方のハンドIRH2(洗浄後用ハンドIRH2)は、洗浄処理部93にて洗浄処理が行われた後の基板Wの搬送に用いられる。インデクサブロック9のレイアウトについては後に説明する。
【0031】
反射防止膜用処理ブロック10には、反射防止膜用熱処理部100,101と、反射防止膜用塗布処理部30と、第2のセンターロボットCR2とが設けられている。反射防止膜用熱処理部100,101と反射防止膜用塗布処理部30とは、第2のセンターロボットCR2を挟んで互いに対向配置されている。第2のセンターロボットCR2は、基板Wの受け渡しを行う2つのハンドCRH1,CRH2を上下に有している。
【0032】
インデクサブロック9と反射防止膜用処理ブロック10との間には、雰囲気遮断用の隔壁20が設けられている。また、隔壁20の一部分には、インデクサブロック9と反射防止膜用処理ブロック10との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS1,PASS2が上下に近接して設けられている。上段の基板載置部PASS1は、基板Wをインデクサブロック9から反射防止膜用処理ブロック10へ搬送する際に使用され、下段の基板載置部PASS2は、基板Wを反射防止膜用処理ブロック10からインデクサブロック9へ搬送する際に使用される。
【0033】
レジスト膜用処理ブロック11には、レジスト膜用熱処理部110,111と、レジスト膜用塗布処理部40と、第3のセンターロボットCR3とが設けられている。レジスト膜用熱処理部110,111とレジスト膜用塗布処理部40とは、第3のセンターロボットCR3を挟んで互いに対向配置されている。第3のセンターロボットCR3は、基板Wの受け渡しを行う2つのハンドCRH3,CRH4を上下に有している。
【0034】
反射防止膜用処理ブロック10とレジスト膜用処理ブロック11との間には、雰囲気遮断用の隔壁21が設けられている。また、隔壁21の一部分には、反射防止膜用処理ブロック10とレジスト膜用処理ブロック11との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS3,PASS4が上下に近接して設けられている。上段の基板載置部PASS3は、基板Wを反射防止膜用処理ブロック10からレジスト膜用処理ブロック11へ搬送する際に使用され、下段の基板載置部PASS4は、基板Wをレジスト膜用処理ブロック11から反射防止膜用処理ブロック10へ搬送する際に使用される。
【0035】
現像処理ブロック12には、現像用熱処理部120,121と、現像処理部50と、第4のセンターロボットCR4とが設けられている。現像用熱処理部120,121と現像処理部50とは、第4のセンターロボットCR4を挟んで互いに対向配置されている。第4のセンターロボットCR4は、基板Wの受け渡しを行う2つのハンドCRH5,CRH6を上下に有している。
【0036】
レジスト膜用処理ブロック11と現像処理ブロック12との間には、雰囲気遮断用の隔壁22が設けられている。また、隔壁22の一部分には、レジスト膜用処理ブロック11と現像処理ブロック12との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS5,PASS6が上下に近接して設けられている。上段の基板載置部PASS5は、基板Wをレジスト膜用処理ブロック11から現像処理ブロック12へ搬送する際に使用され、下段の基板載置部PASS6は、基板Wを現像処理ブロック12からレジスト膜用処理ブロック11へ搬送する際に使用される。
【0037】
レジストカバー膜用処理ブロック13には、レジストカバー膜用熱処理部130,131と、レジストカバー膜用塗布処理部60と、第5のセンターロボットCR5とが設けられている。レジストカバー膜用熱処理部130,131とレジストカバー膜用塗布処理部60とは、第5のセンターロボットCR5を挟んで互いに対向配置されている。第5のセンターロボットCR5は、基板Wの受け渡しを行う2つのハンドCRH7,CRH8を上下に有している。
【0038】
現像処理ブロック12とレジストカバー膜用処理ブロック13との間には、雰囲気遮断用の隔壁23が設けられている。また、隔壁23の一部分には、現像処理ブロック12とレジストカバー膜用処理ブロック13との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS7,PASS8が上下に近接して設けられている。上段の基板載置部PASS7は、基板Wを現像処理ブロック12からレジストカバー膜用処理ブロック13へ搬送する際に使用され、下段の基板載置部PASS8は、基板Wをレジストカバー膜用処理ブロック13から現像処理ブロック12へ搬送する際に使用される。
【0039】
レジストカバー膜除去ブロック14には、レジストカバー膜除去用処理部70a,70bと、第6のセンターロボットCR6とが設けられている。レジストカバー膜除去用処理部70a,70bは、第6のセンターロボットCR6を挟んで互いに対向配置されている。第6のセンターロボットCR6は、基板Wの受け渡しを行う2つのハンドCRH9,CRH10を上下に有している。
【0040】
レジストカバー膜用処理ブロック13とレジストカバー膜除去ブロック14との間には、雰囲気遮断用の隔壁24が設けられている。また、隔壁24の一部分には、レジストカバー膜用処理ブロック13とレジストカバー膜除去ブロック14との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS9,PASS10が上下に近接して設けられている。上段の基板載置部PASS9は、基板Wをレジストカバー膜用処理ブロック13からレジストカバー膜除去ブロック14へ搬送する際に使用され、下段の基板載置部PASS10は、基板Wをレジストカバー膜除去ブロック14からレジストカバー膜用処理ブロック13へ搬送する際に使用される。
【0041】
洗浄/乾燥処理ブロック15には、露光後ベーク用熱処理部150,151と、洗浄/乾燥処理部80と、第7のセンターロボットCR7とが設けられている。露光後ベーク用熱処理部151は、インターフェースブロック16に隣接し、後述するように基板載置部PASS13,PASS14を有している。露光後ベーク用熱処理部150,151と洗浄/乾燥処理部80とは、第7のセンターロボットCR7を挟んで互いに対向配置されている。また、第7のセンターロボットCR7は、基板Wの受け渡しを行う2つのハンドCRH11,CRH12を上下に有している。
【0042】
レジストカバー膜除去ブロック14と洗浄/乾燥処理ブロック15との間には、雰囲気遮断用の隔壁25が設けられている。また、隔壁25の一部分には、レジストカバー膜除去ブロック14と洗浄/乾燥処理ブロック15との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS11,PASS12が上下に近接して設けられている。上段の基板載置部PASS11は、基板Wをレジストカバー膜除去ブロック14から洗浄/乾燥処理ブロック15へ搬送する際に使用され、下段の基板載置部PASS12は、基板Wを洗浄/乾燥処理ブロック15からレジストカバー膜除去ブロック14へ搬送する際に使用される。
【0043】
インターフェースブロック16には、第8のセンターロボットCR8と、送りバッファ部SBFと、インターフェース用搬送機構IFRと、エッジ露光部EEWとが設けられている。また、エッジ露光部EEWの下側には、後述する基板載置部PASS15,PASS16および戻りバッファ部RBFが設けられている。第8のセンターロボットCR8は、基板Wの受け渡しを行う2つのハンドCRH13,CRH14を上下に有している、また、インターフェース用搬送機構IFRは、基板Wの受け渡しを行う2つのハンドH1,H2を上下に有している。
【0044】
図2は、図1の基板処理装置500を+X側から見た側面図である。インデクサブロック9の洗浄処理部93(図1参照)は、1以上の処理ユニット931(端面洗浄処理ユニットEC、2個の反転ユニットREV1,REV2および裏面洗浄ユニットSOAK)が上下に積層配置されている。各処理ユニット931の具体的な構成については、後に説明する。
【0045】
反射防止膜用処理ブロック10の反射防止膜用塗布処理部30(図1参照)には、3個の塗布ユニットBARCが上下に積層配置されている。各塗布ユニットBARCは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック31と、スピンチャック31上に保持された基板Wに反射防止膜の塗布液を供給する供給ノズル32と、基板周縁部に形成された反射防止膜を除去するための除去ノズル(図示省略)とを備える。
【0046】
レジスト膜用処理ブロック11のレジスト膜用塗布処理部40(図1参照)には、3個の塗布ユニットRESが上下に積層配置されている。各塗布ユニットRESは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック41と、スピンチャック41上に保持された基板Wにレジスト膜の塗布液を供給する供給ノズル42と、基板周縁部に形成されたレジスト膜を除去するための除去ノズル(図示省略)とを備える。
【0047】
現像処理ブロック12の現像処理部50(図1参照)には、5個の現像処理ユニットDEVが上下に積層配置されている。各現像処理ユニットDEVは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック51と、スピンチャック51上に保持された基板Wに現像液を供給する供給ノズル52とを備える。
【0048】
レジストカバー膜用処理ブロック13のレジストカバー膜用塗布処理部60(図1参照)には、3個の塗布ユニットCOVが上下に積層配置されている。各塗布ユニットCOVは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック61と、スピンチャック61上に保持された基板Wにレジストカバー膜の塗布液を供給する供給ノズル62と、基板周縁部に形成されたレジストカバー膜を除去するための除去ノズル63(図示省略)とを備える。
【0049】
レジストカバー膜除去ブロック14のレジストカバー膜除去用処理部70b(図1参照)には、3個の除去ユニットREMが上下に積層配置されている。各除去ユニットREMは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック71と、スピンチャック71上に保持された基板Wにレジストカバー膜を溶解させる除去液(例えばフッ素樹脂)を供給する供給ノズル72とを備える。
【0050】
洗浄/乾燥処理ブロック15の洗浄/乾燥処理部80(図1参照)には、3個の洗浄/乾燥処理ユニットSDが積層配置されている。各洗浄/乾燥処理ユニットSDは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック81と、スピンチャック81上に保持された基板Wに洗浄液(例えば純水)を供給する供給ノズル82とを備える。
【0051】
インターフェースブロック16には、2個のエッジ露光部EEWと、基板載置部PASS15,PASS16と、戻りバッファ部RBFとが上下に積層配置されているとともに、第8のセンターロボットCR8(図1参照)およびインターフェース用搬送機構IFRが配置されている。各エッジ露光部EEWは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック98と、スピンチャック98上に保持された基板Wの周縁を露光する光照射器99とを備える。
【0052】
図3は、図1の基板処理装置500を−X側から見た側面図である。
【0053】
反射防止膜用処理ブロック10の反射防止膜用熱処理部100,101には、それぞれ、2個の加熱ユニット(ホットプレート)HPと2個の冷却ユニット(クーリングプレート)CPとが上下に積層配置されている。また、反射防止膜用熱処理部100,101の最上部には、冷却ユニットCPおよび加熱ユニットHPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置されている。
【0054】
レジスト膜用処理ブロック11のレジスト膜用熱処理部110,111には、それぞれ、2個の加熱ユニットHPと2個の冷却ユニットCPとが上下に積層配置されている。また、レジスト膜用熱処理部110,111の最上部には、冷却ユニットCPおよび加熱ユニットHPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置されている。
【0055】
現像処理ブロック12の現像用熱処理部120,121には、それぞれ、2個の加熱ユニットHPと2個の冷却ユニットCPとが上下に積層配置されている。また、現像用熱処理部120,121の最上部には、冷却ユニットCPおよび加熱ユニットHPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置されている。
【0056】
レジストカバー膜用処理ブロック13のレジストカバー膜用熱処理部130,131には、それぞれ、2個の加熱ユニットHPと2個の冷却ユニットCPとが上下に積層配置されている。また、レジストカバー膜用熱処理部130,131の最上部には、冷却ユニットCPおよび加熱ユニットHPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置されている。
【0057】
レジストカバー膜除去ブロック14のレジストカバー膜除去用処理部70aには、3個の除去ユニットREMが上下に積層配置されている。
【0058】
洗浄/乾燥処理ブロック15の露光後ベーク用熱処理部150,151には、それぞれ、2個の加熱ユニットHPと2個の冷却ユニットCPとが上下に積層配置されている。また、露光後ベーク用熱処理部151には、基板載置部PASS13,14も配置されている。また、露光後ベーク用熱処理部150,151の最上部には、冷却ユニットCPおよび加熱ユニットHPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置されている。
【0059】
なお、塗布ユニットBARC,RES,COV、洗浄/乾燥処理ユニットSD、除去ユニットREM、現像処理ユニットDEV、加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの数は、各ブロックの処理速度に応じて適宜に変更されてもよい。
【0060】
〈2.基板処理装置500の動作〉
続いて、基板処理装置500の処理動作について、図1〜図3および図4を参照しながら説明する。図4は、基板処理装置の動作の流れを示す図である。なお、以下に説明する各構成部の動作は、制御部91によって制御される。
【0061】
この基板処理装置500において基板Wの処理を行うときには、まず、インデクサブロック9のカセット載置台92上に、複数枚の基板Wが多段に収納されたカセット(キャリア)Cが搬入される(ステップS1)。
【0062】
カセット載置台92上にカセットCが載置されると、インデクサロボットIRは、洗浄前用ハンドIRH1を用いてカセットC内に収納された未処理の基板Wを取り出す。そして、インデクサロボットIRは、X軸方向に移動して、未処理の基板Wを洗浄処理部93へ搬送する。洗浄処理部93では、基板Wの端面および裏面の洗浄処理が行われる(ステップS2)。この処理については後に説明する。ただし、本明細書において「端面」とは、基板Wの側面および、基板Wの上下面であってその周縁から3〜4mmの環状領域を指す。
【0063】
端面および裏面の洗浄処理が終了すると、インデクサロボットIRは、洗浄後用ハンドIRH2を用いて洗浄処理部93から基板Wを取り出し、X軸方向に移動しつつθ方向に回転して当該基板Wを基板載置部PASS1に載置する。
【0064】
反射防止膜用処理ブロック10の第2のセンターロボットCR2は、基板載置部PASS1に載置された基板Wを受け取り、反射防止膜用塗布処理部30の塗布ユニットBARCへ当該基板Wを搬送する。塗布ユニットBARCでは、露光処理時に発生する定在波やハレーションを減少させるための反射防止膜が基板Wの上面に塗布形成される(ステップS3)。また、基板Wの周縁部から所定幅の領域に形成された反射防止膜は、塗布ユニットBARC内の除去ノズルから吐出される除去液により除去される。
【0065】
その後、第2のセンターロボットCR2は、反射防止膜用塗布処理部30から基板Wを取り出し、当該基板Wを反射防止膜用熱処理部100,101に搬入する。反射防止膜用熱処理部100,101では、基板Wに対して所定の熱処理(加熱処理および冷却処理)が行われる(ステップS4)。また、反射防止膜用熱処理部100,101における熱処理が終了すると、第2のセンターロボットCR2は、反射防止膜用熱処理部100,101から基板Wを取り出し、当該基板Wを基板載置部PASS3に載置する。
【0066】
レジスト膜用処理ブロック11の第3のセンターロボットCR3は、基板載置部PASS3に載置された基板Wを受け取り、レジスト膜用塗布処理部40の塗布ユニットRESへ当該基板Wを搬送する。塗布ユニットRESでは、基板Wの上面の反射防止膜の上部に、レジスト膜が塗布形成される(ステップS5)。また、基板Wの周縁部から所定幅の領域に形成されたレジスト膜は、塗布ユニットRES内の除去ノズルから吐出される除去液により除去される。
【0067】
その後、第3のセンターロボットCR3は、レジスト膜用塗布処理部40から基板Wを取り出し、当該基板Wをレジスト膜用熱処理部110,111に搬入する。レジスト膜用熱処理部110,111では、基板Wに対して所定の熱処理(加熱処理および冷却処理)が行われる(ステップS6)。また、レジスト膜用熱処理部110,111における熱処理が終了すると、第3のセンターロボットCR3は、レジスト膜用熱処理部110,111から基板Wを取り出し、当該基板Wを基板載置部PASS5に載置する。
【0068】
現像処理ブロック12の第4のセンターロボットCR4は、基板載置部PASS5に載置された基板Wを受け取り、当該基板Wを基板載置部PASS7に載置する。
【0069】
レジストカバー膜用処理ブロック13の第5のセンターロボットCR5は、基板載置部PASS7に載置された基板Wを受け取り、レジストカバー膜用塗布処理部60の塗布ユニットCOVへ当該基板Wを搬送する。塗布ユニットCOVでは、基板Wの上面のレジスト膜の上部に、レジストカバー膜が塗布形成される。(ステップS7)。また、基板Wの周縁部から所定幅の領域に形成されたレジストカバー膜は、塗布ユニットCOV内の除去ノズルから吐出される除去液により除去される。
【0070】
その後、第5のセンターロボットCR5は、レジストカバー膜用塗布処理部60から基板Wを取り出し、当該基板Wをレジストカバー膜用熱処理部130,131に搬入する。レジストカバー膜用熱処理部130,131では、基板Wに対して所定の熱処理(加熱処理および冷却処理)が行われる(ステップS8)。また、レジストカバー膜用熱処理部130,131における熱処理が終了すると、第5のセンターロボットCR5は、レジストカバー膜用熱処理部130,131から基板Wを取り出し、当該基板Wを基板載置部PASS9に載置する。
【0071】
レジストカバー膜除去ブロック14の第6のセンターロボットCR6は、基板載置部PASS9に載置された基板Wを受け取り、当該基板Wを基板載置部PASS11に載置する。また、洗浄/乾燥処理ブロック15の第7のセンターロボットCR7は、基板載置部PASS11に載置された基板Wを受け取り、当該基板Wを基板載置部PASS13に載置する。さらに、インターフェースブロック16の第8のセンターロボットCR8は、基板載置部PASS13に載置された基板Wを受け取り、当該基板WをPASS15に載置する。なお、インターフェースブロック16において基板Wがエッジ露光部EEWに搬入され、基板Wの周縁部に露光処理が行われてもよい。
【0072】
インターフェースブロック16のインターフェース用搬送機構IFRは、基板載置部PASS15に載置された基板Wを露光装置17の基板搬入部17aに搬入する(ステップS9)。なお、露光装置17が基板Wを受け入れられない場合には、基板Wは送りバッファ部SBFに一時的に収納保管される。露光装置17では、基板Wに対して液浸露光処理が行われ、基板Wの上面に所定の電子パターンが露光される。
【0073】
その後、インターフェースブロック16のインターフェース用搬送機構IFRは、露光装置17の基板搬出部17bから露光処理後の基板Wを取り出し(ステップS10)、洗浄/乾燥処理ブロック15の洗浄/乾燥処理部80に当該基板Wを搬入する。なお、洗浄/乾燥処理部80が基板Wを受け入れられない場合には、基板Wは戻りバッファ部RBFに一時的に収納保管される。洗浄/乾燥処理部80の洗浄/乾燥処理ユニットSDでは、露光処理後の基板Wに対して、洗浄処理および乾燥処理が行われる(ステップS11)。
【0074】
洗浄/乾燥処理部80における洗浄処理および乾燥処理が終了すると、インターフェースブロック16のインターフェース用搬送機構IFRは、洗浄/乾燥処理部80から基板Wを取り出し、当該基板Wを基板載置部PASS16に載置する。
【0075】
インターフェースブロック16の第8のセンターロボットCR8は、基板載置部PASS16に載置された基板Wを受け取り、洗浄/乾燥処理ブロック15の露光後ベーク用熱処理部150,151へ当該基板Wを搬送する。露光後ベーク用熱処理部150,151では、露光処理後の基板Wに対して所定の熱処理(加熱処理および冷却処理)が行われる(ステップS12)。また、露光後ベーク用熱処理部150,151における熱処理が終了すると、インターフェースブロック16の第8のセンターロボットCR8は、露光後ベーク用熱処理部150,151から基板Wを取り出し、当該基板Wを基板載置部PASS14に載置する。また、洗浄/乾燥処理ブロック15の第7のセンターロボットCR7は、基板載置部PASS14に載置された基板Wを受け取り、当該基板Wを基板載置部PASS12に載置する。
【0076】
レジストカバー膜除去ブロック14の第6のセンターロボットCR6は、基板載置部PASS12に載置された基板Wを受け取り、レジストカバー膜除去用処理部70a,70bの除去ユニットREMへ当該基板を搬入する。除去ユニットREMでは、所定の除去液により基板Wの上面からレジストカバー膜が除去される(ステップS13)。
【0077】
その後、第6のセンターロボットCR6は、レジストカバー膜除去用処理部70a,70bから基板Wを取り出し、当該基板Wを基板載置部PASS10に載置する。また、レジストカバー膜用処理ブロック13の第5のセンターロボットCR5は、基板載置部PASS10に載置された基板Wを受け取り、当該基板Wを基板載置部PASS8に載置する。
【0078】
さらに、現像処理ブロック12の第4のセンターロボットCR4は、基板載置部PASS8に載置された基板Wを受け取り、現像処理部50の現像処理ユニットDEVへ当該基板Wを搬入する。現像処理ユニットDEVでは、基板Wの上面に現像液が供給されることにより、現像処理が行われる(ステップS14)。
【0079】
その後、第4のセンターロボットCR4は、現像処理部50から基板Wを取り出し、当該基板Wを現像用熱処理部120,121に搬入する。現像用熱処理部120,121では、基板Wに対して所定の熱処理(加熱処理および冷却処理)が行われる(ステップS15)。また、現像用熱処理部120,121における熱処理が終了すると、第4のセンターロボットCR4は、現像用熱処理部120,121から基板Wを取り出し、当該基板Wを基板載置部PASS6に載置する。
【0080】
レジスト膜用処理ブロック11の第3のセンターロボットCR3は、基板載置部PASS6に載置された基板Wを受け取り、当該基板Wを基板載置部PASS4に載置する。また、反射防止膜用処理ブロック10の第2のセンターロボットCR2は、基板載置部PASS4に載置された基板Wを受け取り、当該基板Wを基板載置部PASS2に載置する。さらに、インデクサブロック9のインデクサロボットIRは、洗浄後用ハンドIRH2を用いて基板載置部PASS2に載置された基板Wを受け取り、当該基板Wをカセット載置台92上のカセットCに収納する。その後、カセット載置台92上からカセットCが搬出され(ステップS16)、基板処理装置500における一連の基板処理が終了する。
【0081】
〈3.インデクサブロック9のレイアウト〉
次に、インデクサブロック9の構成についてより詳細に説明する。上述の通り、インデクサブロック9には、制御部91と、1以上のカセット載置台92と、1以上の処理ユニット931を備える洗浄処理部93と、インデクサロボットIRとが設けられている。ここで、これら各部のレイアウトについて、図5を参照しながら説明する。図5(a)(b)は、インデクサブロック9のレイアウト例を示す平面図および側面図である。
【0082】
洗浄処理部93は、カセット載置台92に隣接して配置される。インデクサロボットIRは、X方向に移動することによって(矢印AR901)、任意のカセット載置台92および洗浄処理部93にアクセスすることができる。
【0083】
また、洗浄処理部93の備える1以上(図5では4個)の処理ユニット931は、積層して配置される。インデクサロボットIRは、Z方向に伸縮することによって(矢印AR902)、任意の処理ユニット931にアクセスすることができる。
【0084】
なお、この実施の形態においては、洗浄処理部93は、4つの処理ユニット931から構成されているが、洗浄処理部93は必ずしも4つの処理ユニット931から構成されなくともよい。これについては、後に変形例として説明する。
【0085】
〈4.洗浄処理部93の構成〉
次に、洗浄処理部93の構成についてより詳細に説明する。上述の通り、洗浄処理部93は処理ユニット931として、端面洗浄処理ユニットECと、裏面洗浄ユニットSOAKと、2個の反転ユニットREV2とを備える。これら各ユニットは、例えば、図6に示すように、上から、第1の反転ユニットREV1、端面洗浄処理ユニットEC、裏面洗浄ユニットSOAK、第2の反転ユニットREV2、の順に積層配置される。ただし、処理ユニット931の積層順序はこれに限らない。例えば、上から、端面洗浄処理ユニットEC、第1の反転ユニットREV1、裏面洗浄ユニットSOAK、第2の反転ユニットREV2の順に積層配置する構成としてもよい。
【0086】
次に、各ユニットについてより具体的に説明する。なお、以下において、第1および第2の反転ユニットREV1,REV2を特に区別しない場合には、単に「反転ユニットREV」と示す。
【0087】
〈4−1.端面洗浄処理ユニットEC〉
端面洗浄処理ユニットECについて、図7、図8を参照しながら説明する。図7は、端面洗浄処理ユニットECの全体構成を示す図である。図8(a)(b)は、ノズル部分を示す側面図および平面図である。端面洗浄処理ユニットECは、主として、スピンチャック210と、ノズル移動機構220と、コの字型ノズル230と、超音波ノズル240とを備える。
【0088】
スピンチャック210は、基板Wを水平姿勢にて保持するとともに基板Wの中心を通る鉛直な回転軸の周りで基板Wを回転させる。スピンチャック210は、図示を省略する電動モータによって回転される回転軸211の上端に固定されている。また、スピンチャック210には吸気路(図示せず)が形成されており、スピンチャック210上に基板Wを載置した状態で吸気路内を排気することにより、基板Wの下面をスピンチャック210に真空吸着し、基板Wを水平姿勢で保持することができる。
【0089】
ノズル移動機構220は、スピンチャック210の側方でかつ端面洗浄処理ユニットECの上部に配置されている。また、ノズル移動機構220には、下方に延びる棒状のノズル支持部材221が取り付けられている。ノズル移動機構220を駆動制御することによって、ノズル支持部材221を水平方向(矢印AR221)に移動させることができる。
【0090】
コの字型ノズル230は、ノズル支持部材221の下端に取り付けられ、スピンチャック210に保持された基板Wとほぼ同じ高さに位置している。ノズル移動機構220を駆動制御してノズル支持部材221を水平方向に移動させることによって、コの字型ノズル230を水平方向(矢印AR230)に移動させることができる。コの字型ノズル230は、基板Wの端面洗浄処理を行う間は、スピンチャック210に保持された被処理基板Wの端面位置(処理位置)に置かれる(図7の実線位置)。また、端面洗浄処理が終了すると、被処理基板Wの端面位置から離れた退避位置に置かれる(図7の仮想線位置)。
【0091】
コの字型ノズル230は、図8に示すように、水平方向に沿った両端部Tが開放された断面コの字型の形状をしている。コの字形状の開放面D0は、スピンチャック210に保持された基板Wの端面Rに対向している。つまり、コの字型ノズル230が処理位置におかれると、被処理基板Wの端部Rがコの字型ノズル230の上面D1と下面D2との間に挿入され、端面Rがコの字型ノズル230の内側空間V内に位置する状態となる。ただし、ここで「端部」とは基板Wの周縁から3〜4mmの部分を指す。
【0092】
超音波ノズル240は、コの字型ノズル230の背面D3に貫通して取り付けられている。超音波ノズル240には、洗浄液供給管241が接続されている。洗浄液供給管241の他端は、開閉バルブ242を介して洗浄液供給源243に接続されている。なお、洗浄液としては、例えば純水、純水に錯体(イオン化したもの)を溶かした液またはフッ素薬液等が用いられる。開閉バルブ242を開くと、洗浄液供給管243を通じて超音波ノズル240に洗浄液が供給され、超音波ノズル240は、コの字型ノズル230の内側空間Vに洗浄液を吐出する。
【0093】
また、超音波ノズル240には、高周波振動子250が取り付けられている。高周波振動子250は高周波発生装置(図示省略)と接続されている。高周波発生装置から高周波振動子250に高周波電流を供給すると、高周波振動子250が超音波振動する。これによって、超音波ノズル240内を通る洗浄液に高周波電流の値に応じた高周波出力が印加される。すなわち、超音波振動状態となった洗浄液が超音波ノズル240から吐出されることになる。なお、洗浄液に印加する高周波出力は、基板の種類や洗浄条件等に応じて適宜決定する。
【0094】
超音波振動状態となった洗浄液が超音波ノズル240からコの字型ノズル230の内側空間Vに吐出されると、吐出された洗浄液とコの字型ノズル230の内周壁部との界面張力によって、図8に示すように、コの字型ノズル230の内側空間Vに洗浄液の液だまりLが形成され、内側空間V内に位置している被処理基板Wの端面部Rがこの液だまりLに浸される。すると、端面部Rに付着したパーティクルは、高周波振動の衝撃を受けて基板表面から遊離する。すなわち、端面部Rが洗浄される。
【0095】
〈4−2.反転ユニットREV〉
続いて、反転ユニットREV端面洗浄処理ユニットECについて、図9、図10を参照しながら説明する。図9は、反転ユニットREVの要部構成を示す斜視図である。図10は、図9の矢印AR30の方向から見た反転ユニットREVの概略正面図である。反転ユニットREVは、基板Wの上下面を反転させるユニットである。反転ユニットREVは、主として、昇降テーブル310と反転チャック330とを備える。
【0096】
昇降テーブル310は、例えばエアシリンダを用いて構成された図示を省略する昇降駆動機構によって鉛直方向に沿って昇降可能とされている。昇降テーブル310の上面には同一円周上に沿って複数個(本実施形態では6個)の支持ピン318が立設されている。各支持ピン318は、基板Wの下面周縁部を下から支持する支持部318aと、その支持部の上面に突設されたピン部318bとによって構成されている。なお、反転ユニットREVの昇降テーブル310は、裏面洗浄処理ユニットSOAK2のスピンチャック427のように基板Wを回転させるものではなく、基板Wを強固に保持する必要性に乏しいため、6個の支持ピン318は全て昇降テーブル310に固定設置されている。すなわち、昇降テーブル310のピン部318bは単に基板Wの水平方向位置を規制するための部材である。
【0097】
左右一対の反転チャック330は円盤形状の回転台335の径方向に沿って設けられている。反転チャック330は、回転台335に内蔵されたスライド駆動機構によって、図10の矢印AR31に示すようなスライド移動を行う。一対の反転チャック330,330は連動してスライド移動を行うことにより、両チャック間の距離を伸縮する。反転チャック330には、基板Wの端縁部を把持するための開口である把持部331が設けられている。昇降テーブル310が基板Wを反転チャック330と同じ高さ位置に保持した状態にて2個の反転チャック330,330がその間隔を縮めるようにスライド移動することにより、把持部331によって基板Wの端縁部を把持することができる。なお、把持部331には昇降テーブル310の支持ピン318との干渉を避けるための切り欠きが形成されている。
【0098】
また、回転台335はユニット基台339に設けられた回転駆動機構によって鉛直面内にて図10の矢印AR32に示す方向に回転可能とされている。回転台335が回転することによって一対の反転チャック330,330も矢印AR32に示す方向に回転する。
【0099】
反転ユニットREVが基板Wの上下面を反転させるときには、まず、昇降テーブル310が反転チャック330よりもさらに上方の搬出入位置にまで上昇する。搬出入位置にて支持ピン318に基板Wを受け取った昇降テーブル310は反転チャック330に基板Wを受け渡す受渡位置にまで下降する。この受渡位置とは、水平方向に沿って相対向して静止している反転チャック330と昇降テーブル310に保持された基板Wとが同じ高さとなる位置である。なお、昇降テーブル310が受渡位置に下降するときには一対の反転チャック330間を基板Wが通過可能な間隔となるように反転チャック330が移動している。
【0100】
昇降テーブル310が受渡位置に下降した状態にて、一対の反転チャック330がその間隔を狭めるようにスライド移動を開始し、やがて両反転チャック330の把持部331によって基板Wの端縁部が把持される。これによって基板Wは反転チャック330に保持されることとなり、昇降テーブル310はさらに下方の待避位置にまで下降する。待避位置とは、続く反転工程において反転チャック330と昇降テーブル310とが衝突しない位置である。
【0101】
次に、回転台335が180°の回転動作(半回転)を行って基板Wの上下面を反転させる。その後、再び昇降テーブル310が待避位置から受渡位置にまで上昇して基板Wを支持ピン318に受け取るとともに、一対の反転チャック330がその間隔を拡げるようにスライド移動を行う。そして、反転後の基板Wを受け取った昇降テーブル310がさらに上記搬出入位置にまで上昇し、支持ピン318から反転後の基板Wが搬出される。なお、支持ピン318は基板Wの端縁部を支持するものであるため、反転によってパターン形成のなされた基板Wの表面が下面になったとしても、そのパターンを損なうおそれはない。
【0102】
〈4−3.裏面洗浄ユニットSOAK〉
続いて、裏面洗浄ユニットSOAKについて、図11を参照しながら説明する。図11は、裏面洗浄ユニットSOAKの構成を示す図である。裏面洗浄処理ユニットSOAKは、主として、スピンチャック427と、洗浄用ノズル回動機構460と、洗浄用ノズル450と、乾燥用ノズル回動機構470と、乾燥用ノズル451と、を備える。
【0103】
スピンチャック427は、上述した端面洗浄処理ユニットECのスピンチャック201と同様、基板Wを水平姿勢にて保持するとともに基板Wの中心を通る鉛直な回転軸の周りで基板Wを回転させる。ただし、端面洗浄処理ユニットECのスピンチャック201は基板Wの下面を真空吸着するタイプのものであったが、裏面洗浄処理ユニットSOAKのスピンチャック427は基板Wの端縁部を把持するタイプのものである。すなわち、スピンチャック427の上面周縁部には同一円周上に沿って複数個(本実施形態では6個)の支持ピン428が立設されている。各支持ピン428は、基板Wの下面周縁部を下から支持する円筒状の支持部と、その支持部の上面に突設されて基板Wの端縁部に当接して押圧するピン部とによって構成されている。6個の支持ピン428のうち3個についてはスピンチャック427に固定設置された固定支持ピンとされている。固定支持ピンは、円筒状支持部の軸心上にピン部を突設している。一方、6個の支持ピン428のうち残りの3個についてはスピンチャック427に対して回転(自転)自在に設置された可動支持ピンとされている。可動支持ピンでは、円筒状支持部の軸心から若干偏心してピン部が突設されている。3個の可動支持ピンは図示省略のリンク機構および駆動機構によって連動して回動駆動される。可動支持ピンが回動することにより、6個のピン部で基板Wの端縁部を把持することと、基板Wの把持を解除することとが可能である。6個の支持ピン428によって基板Wの端縁部を把持することにより、スピンチャック427は基板Wの下面中央部に接触することなく基板Wを保持することができる。
【0104】
洗浄用ノズル回動機構460は、例えば回動モータにより構成され、スピンチャック427の側方に配置されている。洗浄用ノズル回動機構460には、上方に延びる回動軸461が接続されている。さらに、回動軸461には、水平方向に延びるアーム462が連結されている。洗浄用ノズル回動機構460を駆動制御することによって、アーム462を回動させることができる。
【0105】
洗浄用ノズル450は、アーム462の先端に取り付けられている。洗浄用ノズル回動機構460を駆動制御してアーム462を回動させることによって、洗浄用ノズル450をスピンチャック427に保持された基板Wの上方に移動させることができる。洗浄用ノズル450は、基板Wの裏面洗浄処理を行う間は、スピンチャック427に保持された被処理基板Wの上方位置(処理位置)に置かれる。また、裏面洗浄処理が終了すると、被処理基板Wから離れた退避位置(図11に示す位置)に置かれる。
【0106】
洗浄用ノズル450には、洗浄液供給管463が接続されている。洗浄液供給管463の他端は、開閉バルブ464を介して洗浄液供給源465に接続されている。開閉バルブ464を開くと、洗浄液供給管465を通じて、洗浄用ノズル450に洗浄液が供給される。これによって、洗浄用ノズル450から基板Wの裏面へ洗浄液を供給することができる。なお、洗浄用ノズル450として、例えば、供給された処理液をそのまま吐出するいわゆるストレートノズルを採用することができる。
【0107】
乾燥用ノズル回動機構470は、例えば回動モータにより構成され、スピンチャック427の側方であって、洗浄用ノズル回動機構460とは逆側に配置されている。乾燥用ノズル回動機構470には、上方に延びる回動軸471が接続されている。さらに、回動軸471には、水平方向に延びるアーム472が連結されている。乾燥用ノズル回動機構470を駆動制御することによって、アーム472を回動させることができる。
【0108】
乾燥用ノズル451は、アーム472の先端に取り付けられている。乾燥用ノズル回動機構470を駆動制御してアーム472を回動させることによって、乾燥用ノズル451をスピンチャック427に保持された基板Wの上方に移動させることができる。乾燥用ノズル451は、基板Wの乾燥処理を行う間は、スピンチャック427に保持された被処理基板Wの上方位置(処理位置)に置かれる。また、乾燥処理が終了すると、被処理基板Wから離れた退避位置に置かれる。
【0109】
乾燥用ノズル451には、乾燥用供給管473が接続されている。乾燥用供給管473の他端は、開閉バルブ474を介して不活性ガス供給源475に接続されている。開閉バルブ474を開くと、乾燥用供給管473を通じて、乾燥用ノズル451に不活性ガス(例えば、窒素ガス(N2)やアルゴンガス(Ar))が供給される。これによって、乾燥用ノズル451から基板Wの裏面へ不活性ガスを供給することができる。
【0110】
なお、スピンチャック427の周囲には、スピンチャック427に保持された基板Wを囲繞する処理カップ423が設けられている。処理カップ423の内側には、円筒状の仕切壁433が設けられている。また、スピンチャック427の周囲を取り囲むように、基板Wの処理に用いられた洗浄液を排液するための排液空間431が仕切壁433の内側に形成されている。さらに、排液空間431を取り囲むように、処理カップ423の外壁と仕切壁433との間に基板Wの処理に用いられた処理液を回収するための回収液空間432が形成されている。
【0111】
排液空間431には、排液処理装置(図示省略)へ処理液を導くための排液管434が接続され、回収液空間432には、回収処理装置(図示省略)へ処理液を導くための回収管435が接続されている。
【0112】
また、処理カップ423の上方には、基板Wからの処理液が外方へ飛散することを防止するためのスプラッシュガード424が設けられている。このスプラッシュガード424は、回転軸425に対して回転対称な形状とされている。スプラッシュガード424の上端部の内面には、断面くの字形状の排液案内溝441が環状に形成されている。また、スプラッシュガード424の下端部の内面には、外側下方に傾斜する傾斜面からなる回収液案内部442が形成されている。回収液案内部442の上端付近には、処理カップ423の仕切壁433を受け入れるための仕切壁収納溝443が形成されている。
【0113】
このスプラッシュガード424は、ボールねじ機構等で構成されたガード昇降駆動機構(図示省略)によって鉛直方向に沿って昇降駆動される。ガード昇降駆動機構は、スプラッシュガード424を、回収液案内部442がスピンチャック421に保持された基板Wの端縁部を取り囲む回収位置と、排液案内溝441がスピンチャック421に保持された基板Wの端縁部を取り囲む排液位置との問で昇降させる。スプラッシュガード424が回収位置(図11に示す位置)にある場合には、基板Wの端縁部から飛散した洗浄液が回収液案内部442により回収液空間432に導かれ、回収管435を介して回収される。一方、スプラッシュガード424が排液位置にある場合には、基板Wの端縁部から飛散したa洗浄液が排液案内溝441により排液空間431に導かれ、排液管434を介して排液される。このようにして、洗浄液の排液および回収を切り換えて実行可能とされている。
【0114】
〈5.洗浄処理部93における洗浄処理の流れ〉
続いて、洗浄処理部93にて行われる基板Wの端面および裏面の洗浄処理(図4のステップS2)の流れについて、図12を参照しながら説明する。図12は、洗浄処理部93の動作の流れを示す図である。なお、以下に説明する各構成部の動作は、制御部91(図1参照)によって制御される。
【0115】
インデクサロボットIRは、洗浄前用ハンドIRH1を用いてカセットC内に収納された未処理の基板Wを取り出して、洗浄処理部93の端面洗浄処理ユニットECへ搬送する。端面洗浄処理ユニットECでは、基板Wの端面の洗浄処理が行われる(ステップS21)。
【0116】
端面の洗浄処理の流れについてより具体的に説明する。インデクサロボットIRは、基板Wをスピンチャック210上に載置する。すると、スピンチャック210は、載置された基板Wを吸着保持する。これによって、基板Wは、水平姿勢にて保持されることになる。
【0117】
続いて、ノズル移動機構220が、待避位置にあるコの字型ノズル230を処理位置まで移動させる。これによって、基板Wの端部がコの字型ノズル230の上面D1と下面D2との間に挿入され、端面Rがコの字型ノズル230の内側空間V内に位置する状態となる。
【0118】
続いて、回転軸211が回転を開始する。これによって、スピンチャック210に保持されている基板Wが回転することになる。その後、開閉バルブ242を開放するとともに高周波発生装置から高周波振動子250に高周波電流を供給して、高周波振動子250を超音波振動させる。すると、超音波振動状態となった洗浄液が超音波ノズル240からコの字型ノズル230の内部に吐出され、コの字型ノズル230の内側空間Vに超音波振動状態となった洗浄液の液だまりLが形成され、内側空間V内に位置している基板Wの端面部Rがこの液だまりLに浸される。これによって、端面部Rに付着したパーティクル等が高周波振動の衝撃を受けて基板表面から遊離する。すなわち、端面部Rが洗浄される。コの字型ノズル230からあふれ出た液体は図示しない排液機構によって排液される。
【0119】
所定時間が経過すると、洗浄液の供給が停止されるとともに回転軸211の回転が停止される。そして、ノズル移動機構220が、処理位置にあるコの字型ノズル230を待避位置まで移動させる。さらにスピンチャック210が基板Wの吸着保持を解除し、インデクサロボットIRが、洗浄後用ハンドIRH2を用いて端面洗浄処理ユニットECにある端面洗浄処理後の基板Wを取り出す。以上で、基板Wの端面の洗浄処理が終了する。
【0120】
再び図12を参照する。ステップS21の処理が終了すると、インデクサロボットIRは、端面洗浄処理ユニットECから取り出した端面洗浄処理後の基板Wを第1の反転ユニットREV1へ搬送する。第1の反転ユニットREV1では、基板Wは、その裏面が上面となるように反転される(ステップS22)。反転ユニットREV1における反転動作は上述した通りである。ただし、ここで、基板Wの「表面」とは、パターン形成がなされる主面であり、基板Wの「裏面」とは表面の反対側の面である。
【0121】
ステップS22の処理が終了すると、続いて、インデクサロボットIRは、洗浄後用ハンドIRH2を用いて第1の反転ユニットREV1にある反転された基板Wを取り出して、裏面洗浄ユニットSOAKへ搬送する。裏面洗浄ユニットSOAKでは、基板Wの裏面の洗浄処理が行われる(ステップS23)。
【0122】
裏面の洗浄処理の流れについてより具体的に説明する。基板Wの搬入時にはスプラッシュガード424は下降した状態にあり、インデクサロボットIRは、基板Wをスピンチャック427上に載置する。すると、スピンチャック427の6個の支持ピン428が載置された基板Wの端縁部を把持する。これによって、基板Wは、その裏面を上側に向けて水平姿勢にて保持されることになる。
【0123】
続いて、スプラッシュガード424が上述した排液位置まで移動するとともに、洗浄処理用ノズル450が基板Wの中心部上方に移動する。そして、回転軸425が回転を開始する。これによって、スピンチャック427に保持されている基板Wが回転することになる。その後、開閉バルブ464を開放して洗浄処理用ノズル450から洗浄液を基板Wの上面(ここでは裏面)に吐出する。これによって、基板Wの裏面洗浄処理が進行し、基板Wの裏面に付着していたパーティクル等が洗い流される。回転する基板Wから遠心力によって飛散した液体は排液案内溝441により排液空間431に導かれ、排液管434から排液される。
【0124】
所定時間が経過すると、回転軸425の回転速度が低下する。これによって、基板Wの回転により振り切られる洗浄液の量が減少し、基板Wの裏面全体に水膜が形成され、いわゆる液盛りされた状態となる。なお、回転軸425の回転を停止させて基板Wの裏面全体に水膜を形成してもよい。
【0125】
続いて、洗浄液の供給が停止され、洗浄処理用ノズル450が所定の位置に退避するとともに、乾燥処理用ノズル451が基板Wの中心部上方に移動する。そして、開閉バルブ474を開放して乾燥処理用ノズル451から基板Wの上面中心部近傍に不活性ガスを吐出する。これによって、基板Wの裏面中心部の水分が基板Wの周縁部に押し流され、基板Wの裏面周縁部のみに水膜が残留する状態となる。
【0126】
続いて、回転軸425の回転数が再度上昇するとともに、乾燥処理用ノズル451が基板Wの裏面中心部上方から周縁部上方へと徐々に移動する。すると、基板Wの裏面上に残留する水膜に大きな遠心力が作用するとともに、基板Wの裏面全体に不活性ガスが吹き付けられることになる。これによって、基板W上の水膜を確実に取り除くことができる。すなわち、基板Wを確実に乾燥させることができる。
【0127】
続いて、不活性ガスの供給が停止され、乾燥処理ノズル451が所定の位置に退避するとともに、回転軸425の回転が停止する。さらに、スプラッシュガード424が下降するとともに、支持ピン428が基板Wの端縁部把持を解除し、インデクサロボットIRが、洗浄後用ハンドIRH2を用いて裏面洗浄ユニットSOAKにある裏面洗浄処理後の基板Wを取り出す。以上で、基板Wの裏面の洗浄処理が終了する。なお、洗浄および乾燥処理中におけるスプラッシュガード424の位置は、処理液の回収または排液の必要性に応じて適宜変更することが好ましい。
【0128】
再び図12を参照する。ステップS23の処理が終了すると、インデクサロボットIRは、裏面洗浄ユニットSOAKから取り出した裏面洗浄処理後の基板Wを第2の反転ユニットREV2へ搬送する。第2の反転ユニットREV2では、基板Wは、その表面が上面となるように反転される(ステップS24)。反転ユニットREV2における反転動作は上述した通りである。
【0129】
ステップS24の処理が終了すると、続いて、インデクサロボットIRは、洗浄後用ハンドIRH2を用いて第2の反転ユニットREV2にある反転された基板W(すなわち、反転されることによって、その表面が上面となっている基板W)を取り出して、X軸方向に移動しつつθ方向に回転して当該基板Wを基板載置部PASS1に載置する(ステップS25)。以上で、基板Wの端面および裏面の洗浄処理が終了する。
【0130】
〈6.効果〉
上記の実施の形態によると、洗浄処理部93をインデクサブロック9に設けるので、装置の省スペースを実現することができる。また、端面洗浄処理ユニットECにおいて、処理部である反射防止膜用処理ブロック10に渡す前に基板の端面を洗浄することができるので、処理ブロック10に搬入される基板の端面を清浄な状態にすることができる。また、裏面洗浄ユニットSOAKにおいて、処理部である反射防止膜用処理ブロック10に渡す前に基板の裏面を洗浄することができるので、端面だけでなく裏面をも清浄な状態にすることができる。これにより、汚れた基板に対して一連の処理が実行されて欠陥が発生してしまうといった事態を回避できる。また、端面や裏面等にパーティクル等が付着した基板がトラック内に搬入されてしまうことにより、トラックや露光装置が汚染されるといった事態を回避できる。
【0131】
また、上記の実施の形態においては、端面洗浄処理ユニットECが超音波振動が付与された洗浄液を基板Wの端面に供給する超音波ノズル240を備えるので、基板の端面を超音波振動が付与された洗浄液でもって洗浄することができる。これによって、基板の端面に付着したパーティクルを効果的に除去することができる。
【0132】
また、上記の実施の形態においては、端面洗浄処理ユニットECが液だまりを形成するコの字型ノズル230を備え、基板の端部を洗浄液の液だまりに浸した状態とするので、基板の端面の全体を確実に洗浄液に接触させることができる。これにより、高い洗浄効果を得ることができる。特に、基板Wの端面付近が疎水性の状態にある場合であっても洗浄液が十分に行き渡るので、端面付近に付着したパーティクル等を確実に取り除くことができる。
【0133】
また、上記の実施の形態においては、端面が洗浄される前の基板を保持するハンド(洗浄前用ハンドIRH1)と、端面が洗浄された後の基板を保持するハンド(洗浄後用ハンドIRH2)とを使い分けるので、端面が洗浄された後の基板が汚れたハンドに保持されることによって再び汚染されてしまうといった事態を回避できる。したがって、端面が洗浄された後の基板を清浄な状態に保って反射防止膜用処理ブロック10に搬入することができる。
【0134】
〈7.変形例〉
〈7−1.インデクサブロック9のレイアウトの変形例〉
上記の実施の形態においは、洗浄処理部93がカセット載置台92に隣接して配置されるインデクサブロック9のレイアウトを示しているが、インデクサブロック9のレイアウトはこれに限らない。
【0135】
〈インデクサブロック9のレイアウトの第1の変形例〉
第1の変形例に係るインデクサブロック9のレイアウトについて、図13を参照しながら説明する。図13(a)(b)は、第1の変形例に係るインデクサブロック9のレイアウトを示す平面図および側面図である。
【0136】
ここでは、洗浄処理部93は、カセット載置台92と上下に積層して配置される。特に好ましくは、図13(b)に示すように、洗浄処理部93がカセット載置台92の下側に配置される。インデクサロボットIRは、Z方向に伸縮することによって(矢印AR902)、カセット載置台92もしくは洗浄処理部93にアクセスすることができる。
【0137】
また、ここでは、洗浄処理部93の備える1以上(図13では、3個)の処理ユニット931は、互いに隣接して配置される。インデクサロボットIRは、X方向に移動することによって(矢印AR901)、任意の処理ユニット931にアクセスすることができる。
【0138】
〈インデクサブロック9のレイアウトの第2の変形例〉
第2の変形例に係るインデクサブロック9のレイアウトについて、図14を参照しながら説明する。図14(a)(b)は、第2の変形例に係るインデクサブロック9のレイアウトを示す平面図および側面図である。
【0139】
ここでは、洗浄処理部93は、インデクサロボットIRの上方に配置される。インデクサロボットIRは、Z方向に伸縮することによって(矢印AR902)、洗浄処理部93にアクセスすることができる。ただし、洗浄処理部93は、インデクサロボットIRのX方向についての移動(矢印AR901)を妨げない高さに配置する。
【0140】
また、ここでは、洗浄処理部93の備える1以上(図14では、2個)の処理ユニット931は、互いに積層して配置される。インデクサロボットIRは、Z方向に伸縮することによって(矢印AR902)、任意の処理ユニット931にアクセスすることができる。
【0141】
〈7−2.端面洗浄処理ユニットECの変形例〉
上記の実施の形態に係る端面洗浄処理ユニットECにおいては、コの字型ノズル230および超音波ノズル240等を用いて基板Wの端面を洗浄する構成を示しているが、端面洗浄処理ユニットECの構成はこれに限らない。
【0142】
〈端面洗浄処理ユニットECの第1の変形例〉
第1の変形例に係る端面洗浄処理ユニットECaについて、図15、図16を参照しながら説明する。図15は、第1の変形例に係る端面洗浄処理ユニットECaの全体構成を示す図である。図16は、ブラシ部分を示す側面図である。端面洗浄処理ユニットECaは、主として、スピンチャック510と、第1の洗浄用ノズル回動機構520と、第1の洗浄用ノズル530と、第2の洗浄用ノズル回動機構540と、第2の洗浄用ノズル550と、ブラシ移動機構560と、ブラシ570とを備える。スピンチャック510の構成は、上述したスピンチャック210(図7参照)と同様であるので、その説明を省略する。
【0143】
第1の洗浄用ノズル回動機構520は、例えば回動モータにより構成され、スピンチャック510の側方に配置されている。第1の洗浄用ノズル回動機構520には、上方に延びる回動軸521が接続されている。さらに、回動軸521には、水平方向に延びるアーム522が連結されている。第1の洗浄用ノズル回動機構520を駆動制御することによって、アーム522を回動させることができる。
【0144】
第1の洗浄用ノズル530は、アーム522の先端に取り付けられている。第1の洗浄用ノズル回動機構520を駆動制御してアーム522を回動させることによって、第1の洗浄用ノズル530をスピンチャック510に保持された基板Wの上方に移動させることができる。第1の洗浄用ノズル530は、基板Wの端面洗浄処理を行う間は、スピンチャック510に保持された被処理基板Wの上方位置(処理位置)に置かれる(図15の実線位置)。また、端面洗浄処理が終了すると、被処理基板Wから離れた退避位置(図15の仮想線位置)に置かれる。
【0145】
第2の洗浄用ノズル回動機構540は、第1の洗浄用ノズル530と同様、例えば回動モータにより構成され、スピンチャック510の側方に配置されている。第2の洗浄用ノズル回動機構540には、上方に延びる回動軸541が接続されている。さらに、回動軸541には、水平方向に延びるアーム542が連結されている。第2の洗浄用ノズル回動機構540を駆動制御することによって、アーム542を回動させることができる。
【0146】
第2の洗浄用ノズル550は、アーム542の先端に取り付けられており、スピンチャック510に保持された基板Wの下側面に向けて洗浄液を吐出する姿勢で支持されている。第2の洗浄用ノズル回動機構540を駆動制御してアーム542を回動させることによって、第2の洗浄用ノズル550をスピンチャック510に保持された基板Wの下方に移動させることができる。第2の洗浄用ノズル550は、基板Wの端面洗浄処理を行う間は、スピンチャック510に保持された被処理基板Wの下方位置(処理位置)に置かれる(図15の実線位置)。また、端面洗浄処理が終了すると、被処理基板Wから離れた退避位置(図15の仮想線位置)に置かれる。
【0147】
第1の洗浄用ノズル530および第2の洗浄用ノズル550には、それぞれ、洗浄液供給管581が接続されている。洗浄液供給管581の他端は、開閉バルブ582を介して洗浄液供給源583に接続されている。開閉バルブ582を開くと、洗浄液供給管581を通じて、第1の洗浄用ノズル530および第2の洗浄用ノズル550に洗浄液が供給される。これによって、第1の洗浄用ノズル530から基板Wの上側面へ洗浄液を供給することができ、第2の洗浄用ノズル550から基板Wの下側面へ洗浄液を供給することができる。
【0148】
ブラシ移動機構560は、スピンチャック510の側方でかつ端面洗浄処理ユニットECaの上部に配置されている。また、ブラシ移動機構560には、下方に延びる棒状のブラシ支持部材561が取り付けられている。ブラシ移動機構560を駆動制御することによって、ブラシ支持部材561を水平方向(矢印AR561a)および垂直方向(矢印AR561b)に移動させることができる。またさらに、ブラシ移動機構560は、電動モータによって回転される回転軸(図示省略)を備え、ブラシ支持部材561はこの回転軸の下端に固定されている。つまり、ブラシ移動機構560を駆動制御することによって、ブラシ支持部材561を鉛直な回転軸の周りで回転させることができる(矢印AR561c)。
【0149】
ブラシ570は、ブラシ支持部材561の下端に取り付けられ、スピンチャック510に保持された基板Wとほぼ同じ高さに位置している。ブラシ移動機構561を駆動制御してノズル支持部材561を水平方向に移動させることによって、ブラシ570を水平方向(矢印AR570a)に移動させることができる。ブラシ570は、基板Wの端面洗浄処理を行う間は、スピンチャック11に保持された被処理基板Wの端面位置(処理位置)に置かれる(図15の実線位置)。またこの間、後述するように、ブラシ570は、回転駆動されるとともに上下に移動される。端面洗浄処理が終了すると、ブラシ570は、被処理基板Wの端面位置から離れた待避位置に置かれる(図15の仮想線位置)。
【0150】
ブラシ122は、例えば、ポリビニルアルコール (polyvinyl alcohol, PVA)により形成されており、図16に示すように、横断面が円形であり、縦断面が中央部から両端部に向かって傾斜する形状をしている。
【0151】
基板Wの端面洗浄処理を行うにあたっては、上述した第1の洗浄用ノズル530および第2の洗浄用ノズル550のそれぞれから基板Wの上側面および下側面へ向けて洗浄液が吐出される。さらにこの状態で、ブラシ570が、回転駆動開始される(矢印AR570c)。そして、回転するブラシ570が、水平方向に移動されて(矢印AR570a)、スピンチャック510に保持された基板Wの端面位置(処理位置)に置かれる。
【0152】
処理位置に置かれたブラシ570は、さらに垂直方向に移動される(矢印AR570b)。すなわち、ブラシ570は、第1の高さ位置H1(図16の実線位置)と第2の高さ位置(図16の仮想線位置)との間を反復移動する。第1の高さH1では、ブラシ570の上側の傾斜面K1が、スピンチャック11に保持された基板Wの端面Rに上側から摺接する。すると、端面部Rの上側付近に付着したパーティクルは、回転するブラシ570から物理的な力を受けて基板Wの表面から遊離する。第1の高さ位置よりも高い位置である第2の高さ位置では、ブラシ570の下側の傾斜面D2が、スピンチャック11に保持された基板Wの端面Rに下側から摺接する。すると、端面部Rの下側付近に付着したパーティクルは、回転するブラシ570から物理的な力を受けて基板Wの表面から遊離する。すなわち、ブラシ570が高さH1と高さH2との間を移動することによって、端面部Rは上側と下側の両方から洗浄される。
【0153】
この変形例によると、基板の端面に洗浄ブラシを摺接させることによって、基板の端面に付着したパーティクルを確実に除去することができる。
【0154】
〈端面洗浄処理ユニットECの第2の変形例〉
第2の変形例に係る端面洗浄処理ユニットECbについて、図17を参照しながら説明する。図17は、第2の変形例に係る端面洗浄処理ユニットECbの全体構成を示す図である。端面洗浄処理ユニットECbは、主として、スピンチャック610と、ノズル回動機構620と、2流体ノズル630とを備える。スピンチャック610の構成は、上述したスピンチャック11(図7参照)と同様であるので、その説明を省略する。
【0155】
ノズル回動機構620は、例えば回動モータにより構成され、スピンチャック610の側方に配置されている。ノズル回動機構620には、上方に延びる回動軸621が接続されている。さらに、回動軸621には、水平方向に延びるアーム622が連結されている。ノズル回動機構620を駆動制御することによって、アーム622を回動させることができる。
【0156】
二流体ノズル630は、アーム622の先端に取り付けられ、スピンチャック610に保持された基板Wの端面Rに向けて洗浄液を吐出する姿勢で支持されている。ノズル回動機構620を駆動制御してアーム622を回動させることによって、二流体ノズル630をスピンチャック610に保持された基板Wの上方に移動させることができる。二流体ノズル630は、基板Wの端面洗浄処理を行う間は、スピンチャック610に保持された被処理基板Wの上側の側方位置(処理位置)に置かれる(図17の実線位置)。また、端面洗浄処理が終了すると、被処理基板Wから離れた待避位置に置かれる(図17の仮想線位置)。
【0157】
二流体ノズル630には、洗浄液供給管631と窒素ガス供給管634とがそれぞれ接続されている。洗浄液供給管631の他端は、開閉バルブ632を介して洗浄液供給源633に接続されており、開閉バルブ632を開くと、洗浄液供給管631を通じて、二流体ノズル630に洗浄液が供給される。また、窒素ガス供給管634の他端は、開閉バルブ635を介して窒素ガス供給源636に接続されており、開閉バルブ635を開くと、窒素ガス供給管634を通じて、二流体ノズル630に窒素ガスが供給される。
【0158】
ここで、図18を参照しながら、二流体ノズル630についてより具体的に説明する。図18は、二流体ノズル630を示す側断面図である。二流体ノズル630は、洗浄液と気体(例えば、窒素ガス)とを混合して、洗浄液の液滴を生成して吐出するノズルである。より具体的には、洗浄液供給源633および窒素ガス供給源636からそれぞれ供給される洗浄液および窒素ガスをノズル内部にて混合することにより、ミスト状の洗浄液の液滴を生成して基板Wに対して吐出する(いわゆる内部混合型の二流体ノズル)。
【0159】
二流体ノズル630は、洗浄液導入管665内に、ガス導入管666が挿入された二重管構造となっている。また、洗浄液導入管665内のガス導入管666端部より下流側には、窒素ガスと洗浄液とが混合される混合部667が形成されている。
【0160】
洗浄液導入管665に供給された洗浄液と、ガス液導入管666に供給された加圧された窒素ガスとは、混合部667において混合される。これにより洗浄液の液滴を含む混合流体が形成される。形成された混合流体は、混合部667の下流側の加速管668によって加速され、吐出口669から吐出される。
【0161】
なお、二流体ノズル630は、窒素ガスおよび洗浄液をノズル外部の開放空間にて衝突させて混合することにより洗浄液の液滴を生成して基板Wに対して吐出するいわゆる外部混合型の二流体ノズルであってもよい。
【0162】
洗浄液の液滴が基板Wの端面に向けて吐出されることによって、端面部Rに付着したパーティクルは、基板表面から遊離する。すなわち、端面部Rが洗浄される。
【0163】
この変形例によると、基板の端面を洗浄液と気体とを混合することにより生成された洗浄液の液滴でもって洗浄することができるので、基板の端面に付着したパーティクルを効果的に除去することができる。
【0164】
〈端面洗浄処理ユニットECの第3の変形例〉
上記の実施の形態においては、超音波ノズル240がコの字型ノズル230の背面D3に取り付けられる構成としていたが、コの字型ノズル230を設けることなく、超音波ノズル240から直接基板Wの端面に向けて超音波振動状態となった洗浄液を吐出する構成としてもよい。
【0165】
〈7−3.洗浄処理部93のユニット構成の変形例〉
上記においては、洗浄処理部93は、積層(もしくは隣接(図13参照))配置された1以上の処理ユニット931を備える構成としている。特に、上記の実施の形態においては、洗浄処理部93は4つの処理ユニット931(端面洗浄処理ユニットEC、2つの反転ユニットREVおよび裏面洗浄ユニットSOAK)を備える構成としているが、洗浄処理部93のユニット構成はこれに限らない。
【0166】
〈洗浄処理部93のユニット構成の第1の変形例〉
例えば、1つの処理ユニット931(端面洗浄処理ユニットEC)だけを備える構成としてもよい。すなわち、洗浄処理部93には、必ずしも基板Wの反転させて裏面を洗浄するための機能部(反転ユニットREVおよび裏面洗浄ユニットSOAK)を設ける必要はない。
【0167】
〈洗浄処理部93のユニット構成の第2の変形例〉
また、例えば、図19に示すように、基板Wの端面を洗浄する処理部(端面洗浄処理ユニットEC)と裏面を洗浄する処理部(裏面洗浄ユニットSOAK)とを合体させて1つの処理ユニット931としてもよい。すなわち、端面の洗浄処理と裏面の洗浄処理とを同一のユニットで行う構成としてもよい。
【0168】
このような処理ユニット(端面・裏面洗浄ユニットEC・SOAK)は、裏面を洗浄するための機能部(スピンチャック427、洗浄用ノズル回動機構460、洗浄用ノズル450、乾燥用ノズル回動機構470および乾燥用ノズル451(図11参照))に加えて、端面を洗浄するための機能部(例えば、ノズル回動機構620および2流体ノズル630(図17参照))を備えることにより実現される。
【0169】
なお、端面・裏面洗浄ユニットEC・SOAKにおいては、基板Wは、その裏面が上面となり、パターン形成がなされる主面である表面が下面となった姿勢で搬入されてくる。したがって、端面・裏面洗浄ユニットEC・SOAKのスピンチャックは、基板Wの下面を真空吸着するタイプのものではなく、基板Wの端縁部を把持するタイプのものであることが望ましい。
【0170】
ただし、基板Wの端縁部を把持するタイプのスピンチャックの場合、支持ピンが当接している端面部分を洗浄することができず、その部分にパーティクル等が残存する可能性がある。このような不都合を解消すべく、端面洗浄の際に、途中で基板Wを把持する支持ピンを変更する動作(持ち替え動作)を行うことが望ましい。例えば、スピンチャックの上面周縁部に12個の支持ピンを立設しておき、はじめの段階ではそのうちの6個の支持ピンで基板Wを把持し、端面の洗浄処理が途中まで進んだ時点で、残りの6個の支持ピンに持ち替えて基板Wを把持するようにする。
【0171】
なお、スピンチャックとして、非接触で基板Wを支持するタイプのもの(例えば、支持体に設けられたスリット状の開口から基板に向けてガスを噴出し、ベルヌーイ効果を利用して基板を支持するチャック(ベルヌーイチャック))を採用すれば、端面を洗浄する機構として、上述したコの字型ノズル230(図7参照)やブラシ570(図15参照)を用いることができる。
【0172】
このように、端面の洗浄処理と裏面の洗浄処理とを同一のユニットで行う構成とすると、省スペースおよびコストダウンといった利点が得られる。
【0173】
〈洗浄処理部93のユニット構成の第3の変形例〉
また、上記の実施の形態においては、処理ユニット931として2個の反転ユニットREVを設ける構成としているが、1個の反転ユニットREVを設ける構成としてもよい。すなわち、その裏面が上面となるように基板Wを反転させる第1の反転処理と、裏面の洗浄処理後にその裏面が下面となるように基板Wを反転させる第2の反転処理とを、それぞれ別のユニットにて行う構成としてもよいし、同じユニットにて行う構成としてもよい。
【0174】
上記の実施の形態のように、2つの反転処理を別個のユニットにて行う構成とすれば、裏面が洗浄された後の基板が反転ユニットREVの反転機構によって汚染されることがないという利点が得られる。一方、この変形例のように、2つの反転処理を同じ反転ユニットREVにて行う構成とすれば、反転ユニットREVを2つ設ける必要がないので、省スペースおよびコストダウンといった利点が得られる。
【0175】
〈7−4.インデクサロボットIRの変形例〉
上記の実施の形態においは、インデクサロボットIRは、洗浄前用ハンドIRH1と洗浄後用ハンドIRH2とをそれぞれ1つずつ設けて、計2つのハンドによって基板Wの搬出入を行う構成としているが、1つの洗浄前用ハンドIRH1と2つの洗浄後用ハンドIRH2の計3つのハンドによって基板Wの搬出入を行う構成としてもよい。
【0176】
洗浄後用ハンドIRH2を2つ設ける構成とすると、洗浄処理後の基板Wの受け渡し(洗浄処理部93に対する基板Wの受け渡しや、反射防止膜用処理ブロック10との間での基板Wの受け渡し)を、2つの洗浄後用ハンドIRH2を用いて同時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】基板処理装置の全体構成を示す平面図である。
【図2】基板処理装置の全体構成を示す側面図である。
【図3】基板処理装置の全体構成を示す側面図である。
【図4】基板処理装置の動作の流れを示す図である。
【図5】インデクサブロックのレイアウト例を示す図である。
【図6】洗浄処理部のユニット構成を示す図である。
【図7】端面洗浄処理ユニットの全体構成を示す図である。
【図8】コの字型ノズルを示す図である。
【図9】反転ユニットの要部構成を示す斜視図である。
【図10】反転ユニットの概略正面図である。
【図11】裏面洗浄ユニットの構成を示す図である。
【図12】洗浄処理部の動作の流れを示す図である。
【図13】変形例に係るインデクサブロックのレイアウトを示す図である。
【図14】変形例に係るインデクサブロックのレイアウトを示す図である。
【図15】変形例に係る端面洗浄処理ユニットの全体構成を示す図である。
【図16】ブラシの構成を示す側面図である。
【図17】変形例に係る端面洗浄処理ユニットの全体構成を示す図である。
【図18】二流体ノズルを示す側断面図である。
【図19】変形例に係る洗浄処理部のユニット構成を示す図である。
【符号の説明】
【0178】
9 インデクサブロック
10 反射防止膜用処理ブロック
11 レジスト膜用処理ブロック
12 現像処理ブロック
13 レジストカバー膜用処理ブロック
14 レジストカバー膜除去ブロック
15 洗浄/乾燥処理ブロック
16 インターフェースブロック
91 制御部
92 カセット載置台
93 洗浄処理部
210 スピンチャック
230 コの字型ノズル
240 超音波ノズル
250 高周波振動子
931 処理ユニット
500 基板処理装置
IR インデクサロボット
EC 端面洗浄処理ユニット
SOAK 裏面洗浄ユニット
REV 反転ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対して所定の処理を行う1以上の処理ユニットを配置した処理部と、
未処理の基板を外部から受け入れて前記処理部に渡すとともに、処理済みの基板を前記処理部から受け取って外部に搬出するインデクサ部と、
を備え、
前記インデクサ部が、
前記処理部に渡す前の基板の端面を洗浄する端面洗浄部、
を備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記端面洗浄部が、
所定の洗浄液に超音波振動を付与する超音波振動付与手段と、
前記超音波振動が付与された前記洗浄液を被洗浄基板の端面に供給する吐出ノズルと、
を備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の基板処理装置であって、
前記端面洗浄部が、
水平方向に沿った両端部が開放され、断面コの字型の形状を有する液だまり形成部材、
をさらに備え、
前記液だまり形成部材の内側空間に前記吐出ノズルから前記洗浄液を吐出することによって形成された液だまりに前記被洗浄基板の端部を浸して前記被洗浄基板の端面を洗浄することを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記端面洗浄部が、
洗浄液と加圧された気体とを混合して洗浄液の液滴を生成して被洗浄基板の端面に供給する二流体ノズル、
を備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記端面洗浄部が、
被洗浄基板に所定の洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、
前記被洗浄基板の端面に摺接する洗浄ブラシと、
を備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の基板処理装置であって、
前記インデクサ部が、
前記処理部に渡す前の基板の上下面を反転させる反転部と、
前記処理部に渡す前の基板の裏面を洗浄する裏面洗浄部と、
をさらに備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の基板処理装置であって、
前記インデクサ部が、
複数の基板を収容するカセットを載置するカセット載置部と、
所定の保持手段で基板を保持して、前記カセット、前記処理部および前記端面洗浄部の間で基板を搬送する基板搬送装置と、
をさらに備え、
前記基板搬送装置が、
その端面部を洗浄される前の基板を保持する第1の保持手段と、
その端面部を洗浄された後の基板を保持する第2の保持手段と、
を備えることを特徴とする基板処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2009−71235(P2009−71235A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−240919(P2007−240919)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【出願人】(506322684)株式会社SOKUDO (158)
【Fターム(参考)】