欠陥観察方法および装置
【課題】光学式異物検査装置または光学式外観検査装置で検出した欠陥を電子顕微鏡で詳細に観察する方法およびその装置において、観察対象の欠陥を確実に電子顕微鏡等の視野内に入れることができ、かつ、装置規模を小さくできる方法およびその装置を提供する。
【解決手段】光学式欠陥検査装置で検出した欠陥を観察する電子顕微鏡5において、欠陥を再検出する光学式顕微鏡6を搭載し、この光学式顕微鏡6の焦点合わせを行う時に、試料1に対して光学式顕微鏡6の照明位置と検出位置を変化させない構成とする。
【解決手段】光学式欠陥検査装置で検出した欠陥を観察する電子顕微鏡5において、欠陥を再検出する光学式顕微鏡6を搭載し、この光学式顕微鏡6の焦点合わせを行う時に、試料1に対して光学式顕微鏡6の照明位置と検出位置を変化させない構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造工程で発生した欠陥を観察する欠陥観察技術に係り、特に、電子顕微鏡やX線分析装置等を用いた欠陥観察方法およびその装置に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体製造工程では、半導体基板(ウェハ)上に異物や欠陥(以下、欠陥と記述するが異物やパターン欠陥を含むものとする)が存在すると配線の絶縁不良や短絡などの不良原因になる。また、回路パターンの微細化に伴い、より微細な欠陥がキャパシタの絶縁不良やゲート酸化膜などの破壊原因にもなる。これらの欠陥は、搬送装置の可動部から発生するものや、人体から発生するもの、プロセスガスにより処理装置内で反応生成されたもの、薬品や材料に混入していたものなど、種々の原因により種々の状態で混入される。このため、製造工程中に発生した欠陥を検出し、欠陥の発生源をいち早く突き止め、不良の作り込みを食い止める必要がある。
【0003】
従来、欠陥の発生原因を追求する方法は、まず、欠陥検査装置で欠陥位置を特定し、SEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)等で該欠陥を詳細に観察および分類し、データベースと比較して欠陥の発生原因を推定する方法が採られていた。
【0004】
ここで、欠陥検査装置とは、半導体基板の表面をレーザ光で暗視野照明し、欠陥からの散乱光を検出して欠陥の位置を特定する光学式異物検査装置や、ランプ光やレーザ光、または電子線を照明光として、半導体基板の明視野光学像を検出して、これを参照情報と比較することにより半導体基板上の欠陥の位置を特定する光学式外観検査装置やSEM式検査装置である。
【0005】
このような観察方法に関しては、特開2001−133417号公報(特許文献1)、特開2003−7243号公報(特許文献2)及び、特開平5−41194号公報(特許文献3)、特開2005−156537号公報(特許文献4)に開示されている。
【特許文献1】特開2001−133417号公報
【特許文献2】特開2003−7243号公報
【特許文献3】特開平5−41194号公報
【特許文献4】特開2005−156537号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、光学式異物検査装置を用いて半導体基板の欠陥を検出する場合、検査のスループットを上げるために、大きいスポットサイズのレーザ光で半導体基板を走査して検出している。このため、半導体基板を走査するレーザ光のスポット位置から求められる欠陥位置の精度は大きな誤差成分を含んでしまう。
【0007】
このような誤差成分を含んだ欠陥の位置情報に基づいてSEMで欠陥を詳細に観察する場合、光学式異物検査装置の光学系の倍率よりも遥かに高い倍率(=小さい視野)で観察するために、SEMの視野内に観察したい欠陥が入らない場合がある。SEMの視野内に観察対象の欠陥を入れるためには、SEMの視野を移動させながら欠陥を捜すことになるが、視野が小さいために時間がかかってしまう。このため、SEM観察のスループットが低下し、欠陥の解析に時間が掛かってしまうという問題がある。
【0008】
前記問題を解決するために、前記特許文献1〜4において、SEMと光学式顕微鏡を併設することが開示されている。しかし、光学式顕微鏡で欠陥を高感度に検出するためには、光学式顕微鏡の焦点合わせが必要であるが、焦点合わせのために半導体基板を上下させるステージを用いた場合、水平方向への高速・高精度な移動が可能なステージに上下方向への移動ステージを積み増しするため、装置が高価で大きくなってしまうという課題がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、光学式異物検査装置または光学式外観検査装置で検出した欠陥をSEMで詳細に観察する方法およびその装置において、観察対象の欠陥を確実にSEM等の視野内に入れることができ、かつ、装置規模を小さくできる方法およびその装置を提供することにある。
【0010】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0012】
上記目的を達成するために、本発明では、SEMで試料の欠陥を観察する方法において、SEMに搭載された光学式顕微鏡を用いて、予め試料の欠陥を他の光学式検査装置で検出して得た情報に基づいて試料に焦点合わせを行う工程と、光学式顕微鏡で欠陥を再検出する工程と、再検出された欠陥の位置情報に基づいて欠陥の位置情報を補正する工程と、位置情報を補正された欠陥をSEMで観察する工程を有し、焦点合わせを行う工程において、試料に対して斜方から入射した光学式顕微鏡の照明位置と検出位置を変化させないことを特徴とする。
【0013】
また、本発明では、SEMで試料の欠陥を観察する方法において、SEMに搭載された光学式顕微鏡を用いて、予め試料の欠陥を他の光学式検査装置で検出して得た情報に基づいて欠陥を再検出する工程と、再検出された欠陥の位置情報に基づいて欠陥の位置情報を補正する工程と、位置情報を補正された欠陥をSEMで観察する工程を有し、再検出する工程において、光学式顕微鏡で照射角度の異なる照明を行うことを特徴とする。
【0014】
また、本発明では、前記照射角度の異なる照明は異なる波長を同時に照射することを特徴とする。
【0015】
また、本発明では、SEMで試料の欠陥を観察する装置において、光学式欠陥検査装置で検出された欠陥の位置を再検出する光学式顕微鏡と、光学式顕微鏡に搭載されていて試料の焦点合わせを行う焦点合わせ手段と、再検出された欠陥の位置情報に基づいて欠陥の位置情報を補正する位置補正手段と、位置情報を補正された欠陥を観察するSEMを有し、焦点合わせ手段は、試料に対して斜方から入射した光学式顕微鏡の照明位置と検出位置を変化させないことを特徴とする。
【0016】
また、本発明では、SEMで試料の欠陥を観察する装置において、光学式欠陥検査装置で検出された欠陥の位置を再検出する光学式顕微鏡と、再検出された欠陥の位置情報に基づいて欠陥の位置情報を補正する位置補正手段と、位置情報を補正された欠陥を観察するSEMを有し、光学式顕微鏡に照射角度の異なる照明手段を配置したことを特徴とする。
【0017】
また、本発明では、前記照射角度の異なる照明は異なる波長を同時に照射することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0019】
本発明によれば、光学式欠陥検査装置で検出した欠陥をSEM等で詳細に観察する場合において、観察対象の欠陥を確実にSEM等の観察視野内に入れることができるようになり、SEM等を用いた欠陥の詳細検査のスループットを上げることができる。また、被検査試料を搭載するステージの規模を小さくすることができるようになり、装置を安価および小規模にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0021】
(第1の実施の形態)
図1〜図13により、本発明の第1の実施の形態における欠陥観察方法およびその装置の一例を説明する。
【0022】
図1に、本発明の第1の実施の形態における欠陥観察装置の構成の一例を示す。本実施の形態の欠陥観察装置は、半導体デバイス等の基板上に回路パターンを形成するデバイス製造工程において、製造工程中に発生する欠陥を観察する装置であって、被検査対象の試料1、この試料1を搭載する試料ホルダ2、この試料ホルダ2を移動させて試料1の全面を顕微鏡の下に移動可能なステージ3、真空チャンバ4、電子顕微鏡(以下では「SEM」と記述する)5、光学式顕微鏡(以下では「OM」と記述する)6、高さ検出システム7、制御システム8、ユーザインターフェイス9、データベース10、上位システムへ接続するネットワーク11で構成されている。
【0023】
さらに、OM6は、暗視野照明ユニット601、干渉性低減ユニット602、落射ミラー603、一体型斜方ミラー604、検出光学系605、ミラー606、ハーフミラー607、光学フィルタ608、ズームレンズ609、検出器610、明視野照明ユニット611、真空遮断ガラス612、Z移動機構(ベローズを含む)613および図示していないレンズ群で構成されている。また、ステージ3、真空チャンバ4、SEM5、OM6、高さ検出システム7、ユーザインターフェイス9、データベース10、ネットワーク11は制御システム8と接続されている。
【0024】
以上のように構成される欠陥観察装置において、特に、OM6は光学式欠陥検査装置で検出された試料1の欠陥の位置を再検出(単に「検出」とも記述する)する機能を有し、Z移動機構613や高さ検出システム7等はOM6に搭載されていて試料1の焦点合わせを行う焦点合わせ手段としての機能を有し、制御システム8等はOM6で再検出された欠陥の位置情報に基づいて欠陥の位置情報を補正する位置補正手段としての機能を有し、SEM5は制御システム8等で位置情報を補正された欠陥を観察する機能を有し、OM6で焦点合わせを行う時に、試料1に対してOM6の照明位置と検出位置を変化させない構成となっている。
【0025】
以下、各部の詳細を、図2〜図13に基づいて説明する。
【0026】
図2は、暗視野照明ユニット601の詳細を示す。暗視野照明ユニット601は、照明光源6011、照明光の偏光方向を調整する波長板6012、照明光の照射のON/OFFを制御するシャッター6013で構成されている。
【0027】
照明光源6011は、レーザ発振器やランプハウスである。レーザ発振器は波長532nmや488nm、405nm等の可視光レーザや波長355nm等の紫外光レーザ、波長266nmや199nm等の深紫外光レーザ、多波長レーザが使用可能であり、連続発振レーザやパルス発振レーザのどちらでも使用可能である。また、ランプ光は、HgランプやXeランプが使用可能である。これらの選択方法としては、可視光レーザやランプは安定で安価な装置が実現可能であり、短波長のレーザは欠陥検出感度の高い装置が実現可能である。
【0028】
次に、干渉性低減ユニット602は、レーザなどの干渉性を低減して検出信号を安定化させるために用いる。この干渉性低減ユニット602の機能は、空間的コヒーレンシや時間的コヒーレンシを低減することであり、一例を図3に示す。図3(a)は干渉性低減ユニット602の側面図であり、図3(b)が正面図である。干渉性低減ユニット602は、拡散板6021、拡散板の回転用モータ6022で構成されており、回転モータ6022のモータ軸を中心に拡散板6021が回転する。暗視野照明ユニット601から射出された光が拡散板6021を通過することによって、コヒーレンシ低減が可能である。なお、本実施の形態では拡散板の例を示したが、空間的な位置や時間毎に光の位相を変化させるものであれば良く、図4に示すように、長さの違うファイバを束ねることによって、各ファイバから射出する光の位相を変化させたものを用いても良い。
【0029】
落射ミラー603は、図5に示すように、入射した光をZ軸方向に反射する機能を有するものである。また、一体型斜方ミラー604は、落射ミラー603から出た光を検出光学系605の焦点位置に集光させるミラーであり、検出光学系605に設置されている。これは、ミラー以外にもプリズムでも良い。
【0030】
検出光学系605は、複数のレンズ群で構成されており、試料1から反射・散乱される光を集光し、光学フィルタ608およびズームレンズ609を通して検出器610に結像する機能を有する。ここで、光学フィルタ608に入射する光は平行光であるのが望ましい。平行光の利点は、光学フィルタ608による光路長の変化がないことである。
【0031】
光学フィルタ608は光を変調するフィルタであり、例えば偏光板である。ただし、光学フィルタを用いない場合は、図示していない移動機構によりガラス板に変更可能な構成である。
【0032】
次に、ズームレンズ609の詳細を説明する。ズームレンズ609の機能は、OM6の結像倍率を変化させることである。結像倍率の変更は、主に試料1のアライメント時に用いる。例えば、試料ホルダ2に搭載された試料1は回転方向やXY平面方向にずれが生じていることが多い。従って、試料1のアライメントが必要となるが、試料1の搭載当初は、ずれ量が大きいため、アライメント用のテクスチャを探索するためには広い視野で探索する必要がある。一方、欠陥観察には高精度な位置決めが必要であり、それに伴う高精度なアライメントが必要であるため、高倍率な観察によるアライメントが必要となる。この時、視野は小さくなるため、複数の倍率を持つことが望ましい。
【0033】
図6に示すように、ズームレンズ609は、レンズ群6091,6092,6093と、各レンズをZ方向に移動させる移動機構6094で構成されている。本実施の形態では、試料1と検出器610との距離を変えないで倍率を変化させるために、レンズ6091,6092,6093のレンズ間距離を変えることにより、倍率を変化させる構成である。
【0034】
検出器610は、例えば二次元CCDカメラである。性能としては、明視野照明ユニット6011の照明光源の波長に対して感度を有していれば良く、TDI(Time Delay Integration:時間遅延積分)機能を有していても良く、CCD部は裏面照射型を用いても良い。TDI機能を有している場合は、微小な光の高感度な検出が可能となるため、照明光量が少なくても良い利点があり、裏面照射型のCCDを用いる利点は、紫外光や深紫外光の波長域において高感度な検出が可能である。また、撮像時に試料1を照明光でスキャンする構成の場合は一次元CCDセンサでも良い。また、カラーカメラでも良い。カラーカメラを用いる利点は、試料1のカラー画像を取得でき、試料1の色情報から欠陥の識別が行える点である。
【0035】
SEM5を図7で説明する。SEM5は、一次電子を発生させる電子源501、一次電子を加速するための加速電極502、集束レンズ503、一次電子を二次元走査用に偏向する偏向器504、一次電子を試料1上に集束させるための対物レンズ505、試料1から発生した二次電子を検出する二次電子検出器506、試料1から発生した反射電子を検出する反射電子検出器507で構成されている。なお、検出器506および507は2個以上設置しても良い。
【0036】
図1に示した欠陥観察装置の構成における動作を説明する。まず、試料1は、図示していないロードロック室を介して真空チャンバ4内の試料ホルダ2上に移送される。そして、試料1は、ステージ3の制御によりOM6の視野位置に移動される。この時点では、試料1がOM6の焦点位置からずれている可能性がある。試料1の高さが焦点位置からずれている場合は、OM6の焦点位置に試料1が設定されるようにZ移動機構613を用いて検出光学系605をZ方向に移動する。この時、一体型斜方ミラー604、ミラー606、ハーフミラー607、光学フィルタ608、ズームレンズ609、検出器610は検出光学系605に設置されているため、検出光学系605と共に移動する。なお、Z方向の移動量の決定方法は後述する。
【0037】
検出光学系605のZ位置を適正化した後、試料1のアライメントを行う。アライメントは、主に試料1のXY平面内の平行移動量と回転量を補正し、検査装置の座標系と本実施の形態の欠陥観察装置との座標系を合わせることを目的としている。アライメントの方法としては、OM6で試料1の画像を取得し、取得した画像を処理して基準となる位置を算出すれば良い。この時、回路パターンが作られていない試料の場合は試料1の外形のエッジ部でアライメントを行い、回路パターンが作られている試料の場合は事前に決めた位置に存在する回路パターンで画像処理を行う。
【0038】
アライメントは、明視野検出方法で取得した画像を用いて行う。明視野検出時には、明視野照明ユニット611から照明光を射出し、ハーフミラー607、ミラー606で反射されて試料1に照射される。試料1からの反射光は、ミラー606、ハーフミラー607で反射され、ズームレンズ609で検出器610に結像される。ここで、明視野照明ユニット611は、例えばランプ照明である。また、本実施の形態の明視野検出では、図示していない移動機構を用いて光学フィルタ608を同厚のガラス板に切替えを行う。試料1の外形のエッジでアライメントを行う場合は、試料1の位置決めポイント(試料1がウェハの場合はノッチやオリエンテーションフラット)および外形の数点の画像を取得して処理すれば良い。
【0039】
アライメントの後、欠陥検査装置から出力された欠陥の位置情報に従って、欠陥位置をOM6の視野位置に移動し、OM6の暗視野検出方法で欠陥の画像を取得する。この時、各欠陥位置において試料1の高さがOM6の焦点位置からずれている場合は、上述した方法で焦点合わせを行う。
【0040】
ここで、暗視野検出方法について説明する。暗視野検出方法は、主に回路パターンの形成されていない試料に対して適用する。暗視野検出時には、まず、暗視野照明ユニット601から照明光を射出する。照明光はレーザ光でもランプ光でも良いが、レーザ光の方が照度を強くできるため、レーザ光を用いるのが望ましい。ただし、アルミニウム膜などのように反射率の高い膜が試料表面に塗布されている試料1の場合は、照度が低くても良いためランプ光でも良い。
【0041】
暗視野照明ユニット601から射出された光は、干渉性低減ユニット602で光の干渉性を低減する。これは、主にレーザ光のスペックル低減を目的としており、ランプ光を用いる場合は無くても良い。干渉性低減ユニット602を通過した光は、真空遮断ガラス612を通って、真空チャンバ4内に入り、落射ミラー603でZ方向に折り曲げられる。落射ミラー603で反射された光は、一体型斜方ミラー604で検出光学系605の焦点位置にある試料1に照射される。試料1から反射、散乱された光は、検出光学系605のレンズで集光し、ミラー606、ハーフミラー607で反射され、光学フィルタ608に入射する。光学フィルタ608を通過した光は、ズームレンズ609を通って検出器610の撮像位置に結像され、検出器610でディジタル信号に変換され、制御システム8に送信される。
【0042】
以上のOM6の暗視野検出方法で取得された画像は、図8(a)のような濃淡画像またはカラー画像として制御システム8に蓄積される。制御システム8では、図8(b)のようにSEM5の視野範囲と欠陥位置のずれ量を算出し、該ずれ量を座標補正値として登録する。ずれ量の算出方法は、例えば、SEM5の視野中心を画像中心とすると、画像における欠陥位置の重心座標と該画像中心との画素数を算出し、該画素数に画素寸法を乗算すれば良い。この後、座標補正値を用いて欠陥がSEM5の視野範囲に入るようにステージ3で試料1を移動し、SEM5で欠陥を観察する。観察された欠陥の画像は、制御システム8に送信され、ユーザインターフェイス9への表示やデータベース10への登録、また、自動欠陥分類処理等を行う。
【0043】
次に、SEM5の動作を図7で説明する。電子源501から射出された一次電子は、加速電極502で所望の速度に加速され、集束レンズ503、対物レンズ505で試料1上に集束される。試料1からは一次電子に誘発された二次電子や反射電子が放出される。該放出された電子を二次電子検出器506および反射電子検出器507で検出し、図示していない光電変換器、A/D変換器でディジタル信号に変換する。以上の動作を偏向器504で一次電子を偏向させることによって、試料1上の二次元領域を走査し、該領域の信号を得る。得られた信号はディジタル化され、制御システム8に送信され、画像として構成される。なお、SEM5の焦点位置は各位置で焦点合わせを行っても良いし、OM6の観察時に算出したZ位置情報を保存しておき、SEM5で観察するときの焦点位置を算出して用いても良い。
【0044】
欠陥観察の流れを図9で説明する。まず、試料1のアライメントを行う(S1301)。これは、上述したようなOM6によるアライメントである。次に、欠陥検査装置によって検出された欠陥の位置情報に従って、試料1上の観察したい欠陥をOM6の視野に移動する(S1302)。OM6を移動して焦点合わせを行う(S1303)。OM6で取得した画像から欠陥位置を探索し(S1304)、欠陥を検出したならば(S1305−Yes)、OM6による欠陥検出位置とSEM5の視野位置とのずれ量を算出する(S1306)。該ずれ量を基に、前記欠陥の位置情報を補正し(S1307)、補正した欠陥位置をSEM5の視野へ移動し、観察を行う(S1308)。この時、観察された情報は制御システム8に送信される。次に、他の欠陥の観察が必要でない場合(S1309−No)は、観察終了とし(S1310)、観察が必要である場合(S1309−Yes)は、観察したい欠陥の位置情報を取得し(S1311)、上述したOM6へ欠陥を移動するシーケンス(S1302)へ戻って処理を進める。なお、上述した欠陥検出シーケンスで欠陥検出ができなかった場合(S1305−No)は、欠陥位置が視野範囲以上にずれていることが考えられるため、OM6の視野周辺部を探索しても良い。視野周辺部を探索する場合(S1312−Yes)は、視野に相当する大きさ分だけ試料1を移動し(S1313)、上述した欠陥探索シーケンス(S1304)から処理を行う。また、視野周辺部を探索しない場合(S1312−No)は、シーケンス(S1309)に従って処理を行う。
【0045】
次に、Z位置の算出方法を図10で説明する。図10は、高さ検出システム7の構成を示しており、照明光源701、照明用集光レンズ702、検出用集光レンズ703、検出器704で構成されている。詳細に述べると、照明光源701は、例えばレーザ発振器やランプハウスであり、検出器704は、例えばCCDカメラ、CCDリニアセンサである。
【0046】
高さ検出システム7の動作を説明する。照明光源701から射出された光は、照明用集光レンズ702で試料1上に集光される。試料1では、試料1への入射角度に応じた方向へ光が反射される。該反射光は、検出用集光レンズ703を通って検出器704に集光される。Z位置の算出方法としては、まず、試料1の基準高さにおける検出器704の光検出位置を記憶しておく。次に、試料1の高さが変化すると、検出器704における光検出位置が移動するため、光検出位置の移動量(検出器704の画素数)と試料1の高さの変化量との関係を予め測定しておくことによって、移動量から高さを算出することができる。
【0047】
なお、照明にレーザ光を用いる場合、集光効率が良いために、低出力の光源を用いて高精度な検出が可能となる利点がある。また、ランプ光(=多波長の光)を用いる場合は、試料1の最表面に透明な膜が塗布されている試料に対しても安定した検出が可能となる利点がある。これは、膜厚の変動に対する平均化効果によるものである。
【0048】
Z位置を算出する別の方法を図11で説明する。図11は、Z位置算出シーケンスを示している。本方法は、OM6で取得した画像を用いる例である。まず、Z移動機構613を用いて検出光学系605を最下点(=試料に近い点)に移動させる(S1401)。次に、検出器610で画像を取得し、制御システム8に送信する(S1402)。この時、試料のエッジの画像を使用する場合や回路パターンが形成されている試料の場合は明視野検出方法を使用するのが望ましく、回路パターンが存在しない試料の場合は、暗視野検出方法を使用するのが望ましい。画像取得後、Z移動機構613で検出光学系605を1段階、上に移動させる(S1403)。ここで、1段階とは、Z位置を検出するための分解能の単位であり、概ねOM6の焦点深度の1/2以下が望ましい。検出光学系605を移動した後、検出光学系605の位置が事前に決めた移動範囲内であれば(S1404−Yes)、再び画像取得(S1402)を行う。一方、検出光学系605の位置が前記移動範囲を超えた場合(S1404−No)は、Z位置算出処理(S1405)のシーケンスに進む。
【0049】
Z位置算出処理の一例を説明する。まず、画像内の最大輝度を探索し、Z位置と該最大輝度をプロットしたグラフ1411を作成する。次に、グラフ1411におけるピーク位置を算出する。この時、計測点を基にして多次元曲線で近似し、ピーク位置を算出するのが望ましい。そして、該ピーク位置に対応するZ位置が検出光学系605を移動すべき位置となる。
【0050】
なお、上述した高さ検出システム7を使用する例では、高さ検出システム7をSEM5の位置に配置し、SEM5の位置における試料1の高さからOM6の高さを決めたが、高さ検出システム7をOM6の位置に設置しても良く、また、SEM5とOM6の両方の位置に設置しても良い。高さ検出システム7の数が少なければ安価な装置が製作可能であり、また、それぞれに設置すれば焦点合わせ精度を向上できる利点がある。
【0051】
次に、自動欠陥分類の一例を図12で説明する。図12は、OM6における欠陥の検出結果とSEM5における欠陥の検出結果の組合せを示している。一般に、光学的に透明な膜が試料の最表面に成膜されている場合、膜下の欠陥であっても光学的には検出可能であるが、SEMでは検出が難しい。これは、SEMが試料表面から放出される二次電子や反射電子を検出しているためである。この性質を利用すると、図12の分類欠陥が得られる。つまり、OM6による検出が可能で、かつ、SEM5で検出可能な欠陥は試料表面に存在する欠陥であり、OM6による検出が可能で、かつ、SEM5で検出不可能な欠陥は膜中または膜下の欠陥と分類できる。また、OM6による検出が不可能で、SEM5による検出も不可能な場合は、欠陥検査装置の擬似欠陥、つまり、誤検出であると分類できる。
【0052】
以上説明した例では、各欠陥に対して欠陥位置の補正量を算出し、その都度、SEM5で観察する場合で説明したが、複数の欠陥の位置補正量をOM6で登録しておき、複数の欠陥または全欠陥の補正量算出が終了した後にSEM5で観察する場合にも適用できる。また、欠陥検査装置が検出した欠陥の位置ずれ量が、一定方向の平行移動量と一定方向の回転成分のみであると見込まれる場合は、数点(3点程度)の欠陥の位置補正量から全欠陥の位置の補正式を作成し、OM6の観察をしないで前記補正式による算出位置を用いてSEM5で観察しても良く、観察対象の欠陥の近傍に観察済みの欠陥が存在する場合は、該観察済み欠陥の位置補正量を該観察対象の欠陥の位置補正量として適用しても良い。また、前記補正式を初期データとし、OM6による座標補正を行う毎に補正式を修正して用いても良い。さらに、欠陥検査装置で検出される欠陥位置のずれ量が、試料に依らず、ほぼ同一値であると見込まれる場合は、測定済み試料の補正式を用いて、新規試料の位置を補正しても良い。以上のように補正量を算出する欠陥数を少なくする利点は、観察作業を高スループット化できることである。
【0053】
また、暗視野照明ユニット601から射出されるビーム径が大きく、視野範囲に対して照明範囲が十分大きい場合や、一体型斜方ミラー604による斜方照明の角度が小さい場合は、落射ミラー603と一体型斜方ミラー604の代わりに、図13に示すような一体型プリズム621を用いても良い。この一体型プリズム621は、入射光を試料1側に反射し、されに試料1に対して斜方照明する機能を有する。このような一体型プリズム621を使用する利点は、落射ミラー603および一体型斜方ミラー604を用いる場合よりも構成が容易となることである。
【0054】
また、本実施の形態では、主に電子顕微鏡を用いて観察する場合を説明したが、電子顕微鏡以外にX線分析機やFIB(Focused Ion Beam)を用いた分析機等、光学式よりも詳細に観察可能なものに適用可能である。
【0055】
(第2の実施の形態)
図14により、本発明の第2の実施の形態における欠陥観察方法およびその装置の一例を説明する。
【0056】
本実施の形態における欠陥観察装置において、OM6の別の例を図14で説明する。OM6は、暗視野照明ユニット601、干渉性低減ユニット602、斜方ミラー631、検出光学系605、ミラー606、ハーフミラー607、光学フィルタ608、ズームレンズ609、検出器610、明視野照明ユニット611、真空遮断ガラス612、検出器610を移動させるためのガイドレール632、検出器610の位置を算出するための原点センサ633、検出器610を移動させるためのパルスモータ634、真空遮断ガラス635および図示していないレンズ群で構成されている。なお、斜方ミラー631は、試料1の高さ変動に伴う移動が必要ないため、検出光学系605に固定されていても良い。
【0057】
上述の第1の実施の形態では、検出光学系605に付随した構成要素をZ方向に移動することによって焦点合わせを行っているが、本実施の形態は、検出光学系605を固定し、検出器610をZ方向へ移動することによって焦点合わせを行う構成である。本実施の形態の構成は、検出光学系605を移動させる必要がないため、Z移動機構の構成が容易となる利点がある。ただし、検出器610への結像倍率が変動するため、倍率変動が問題になる場合は倍率補正等を行う必要がある。
【0058】
図14に示したOM6を含む欠陥観察装置の構成における動作を説明する。明視野検出方式および暗視野検出方式による画像を取得する動作は、上述の第1の実施の形態と同様であるので、ここでは、焦点合わせの方法と倍率補正の方法について述べる。
【0059】
まず、試料1の高さを測定する方法は、上述の高さ検出システム7を使用すれば良い。この時、試料1と検出光学系605の物体側主平面との距離をa、検出光学系605の像側主平面と検出器610の受光面との距離をb、検出光学系605の焦点距離をfとすると、上述の高さ検出システム7から得られる情報により、前記aは既知であり、前記焦点距離fも既知であるため、(式1)の関係式からbの値を算出することができる。従って、bの距離となる位置に検出器610を移動させれば焦点合わせが完了する。
【0060】
1/a+1/b=1/f ・・・ (式1)
検出器610の移動方法は、例えば、パルスモータ634を使ってガイドレール632に沿ってZ方向に移動させる方法である。パルスモータ634による移動量は、原点センサ633からのパルス数を算出すれば良い。この時、結像倍率Mは(式2)となるため、基準位置における倍率をM0とすると、(式3)で算出される値kが倍率変動量となる。従って、画像から算出した欠陥位置のずれ量に対して、倍率変動量kを乗算することによって、倍率補正後の位置補正量を算出することができる。
【0061】
M=b/a ・・・ (式2)
k=M/M0 ・・・ (式3)
なお、高さ検出システム7を用いない場合は、上述の第1の実施の形態で説明した検出光学系605の移動による画像取得の代わりに、検出器610を移動させて画像を取得することにより、検出した画像から焦点合わせが可能である。この場合、原点センサ633からのパルス数で検出器610の位置を算出し、該算出値を上述したbの値に代入して倍率Mを算出すれば良い。
【0062】
(第3の実施の形態)
図15、図16により、本発明の第3の実施の形態における欠陥観察方法およびその装置の一例を説明する。
【0063】
本実施の形態における欠陥観察装置において、OM6の別の例を図15で説明する。OM6は、レーザ照明ユニット641、干渉性低減ユニット602、ランプ照明ユニット642、ミラー643、ハーフミラー644、検出光学系645、光学フィルタ646、ズームレンズ609、検出器610、Z移動機構613および図示していないレンズ群で構成されている。本実施の形態は、照明光路を落射照明のみにした例であり、構成が簡易である利点がある。
【0064】
図15に示したOM6を含む欠陥観察装置の構成における動作を説明する。まず、レーザ光による暗視野画像を得る方法を説明する。レーザ照明時には、ミラー643を図示していない機構を用いてレーザ照明用光路から排除する。レーザ照明ユニット641から射出された光は、干渉性低減ユニット602を通って検出光学系645内に設置されたハーフミラー644で試料1側に反射され、試料1に照射される。試料1からの反射光・散乱光は、検出光学系645で検出され、光学フィルタ646を通過した光をズームレンズ609で検出器610に結像させる。
【0065】
ここで、光学フィルタ646は検出光学系645の瞳位置に設置されており、図16に示す形状のフィルタである。図16(a)は光学フィルタ646の断面図、図16(b)は上面図である。光学フィルタ646は、光軸を中心とした部分に遮光部を有し、前記遮光部と瞳外形との間に位置する光を透過させるフィルタである。前記遮光部は、試料1の正反射光を遮光する領域に設定されている。また、光透過部はガラス板または偏光板である。光透過部がガラス板の場合は通常の暗視野検出となり、光透過部が偏光板の場合は暗視野の偏光検出が可能となる。
【0066】
また、明視野検出を行う場合は、光学フィルタ646を図示していない機構で光路中から除外すれば良い。さらに、ランプ照明で観察する場合は、ミラー643を光路中に挿入し、ランプ照明ユニット642から射出された光をミラー643で反射して用いれば良い。
【0067】
(第4の実施の形態)
図17により、本発明の第4の実施の形態における欠陥観察方法およびその装置の一例を説明する。
【0068】
本実施の形態における欠陥観察装置において、OM6の別の例を図17で説明する。OM6は、暗視野照明ユニット601a,601b、干渉性低減ユニット602a,602b、ミラー651a,651b、真空遮断ガラス612a,612b、一体型斜方ミラー652a,652b、検出光学系653、ハーフミラー644、光学フィルタ608、ズームレンズ609、ダイクロイックミラー654、検出器610a,610b、明視野照明ユニット611、Z移動機構613および図示していないレンズ群で構成されている。
【0069】
ここで、本実施の形態における添字のaおよびbは異なる波長に対応した部品であることを示している。つまり、暗視野照明ユニット601aと601bは異なる波長の光を照射する。例えば、暗視野照明ユニット601aが波長532nmのレーザ光、暗視野照明ユニット601bが波長405nmのレーザ光であり、前述の波長に限らず、他の波長の組合せでも良い。ダイクロイックミラー654は、前記異なる波長を分離する性能を有するものである。また、一体型斜方ミラー652aと652bは、試料1への照射角度が異なる構造である。つまり、一体型斜方ミラー652aは試料1へ角度αで照射し、一体型斜方ミラー652bは試料1へ角度βで照射するが、αとβは異なる角度である。さらに、一体型斜方ミラー652aと652bは、検出光学系653に設置されており、検出光学系653のZ方向の移動に伴って一体型斜方ミラー652aと652bも移動する構成である。本実施の形態は、照明角度の違いにより欠陥検出性能の違いがある場合に用いる例である。
【0070】
図17に示したOM6を含む欠陥観察装置の構成における動作を説明する。明視野検出方法および高さ検出方法については、上述の第3の実施の形態と同様のため、ここでは、暗視野検出方法について説明する。
【0071】
暗視野照明ユニット601aおよび601bから射出された光は、それぞれ、干渉性低減ユニット602a,602bを通過し、ミラー651a,651bで試料1側に反射される。該反射光は、一体型斜方ミラー652a,652bで試料1に照射される。試料1から反射・散乱された光は、検出光学系653で集光され、光学フィルタ608を通過した光がズームレンズ609で検出器610aおよび610bに結像される。この時、ダイクロイックミラー654によって波長分離されるため、前記異なる照明角度で照射された光による反射・散乱光は、それぞれ別の検出器610a,610bで検出されることになる。検出器610aおよび610bで得られた信号は、制御システム8に送信されて欠陥検出処理が行われる。
【0072】
なお、本実施の形態は、異なる照明角度による欠陥検出を同時に行う例で説明しているが、欠陥検出時間に余裕がある場合は、順次、照明角度を変えて検出しても良い。この場合、検出器610は一式で良い。また、本実施の形態では、二種類の照明角度の例を説明したが、必要に応じて照明角度の種類を増やしても良い。
【0073】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、半導体製造工程で発生した欠陥を観察する欠陥観察技術に係り、特に、電子顕微鏡やX線分析装置等を用いた欠陥観察方法およびその装置に適用して有効である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1の実施の形態における欠陥観察装置の構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態において、暗視野照明ユニットを詳細に示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態において、干渉性低減ユニットを詳細に示す側面図(a)と正面図(b)である。
【図4】本発明の第1の実施の形態において、干渉性低減ユニットの別の例を詳細に示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態において、落射ミラーを詳細に示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態において、ズームレンズを詳細に示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態において、電子顕微鏡を詳細に示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態において、光学式顕微鏡の暗視野検出方法で取得された画像(a)と欠陥の位置ずれ量算出画像(b)を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態において、欠陥観察の流れを示す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態において、高さ検出システムを詳細に示す図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態において、Z位置算出のシーケンスを示す図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態において、自動欠陥分類の区分を示す図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態において、斜方照明用ミラーの別の例を詳細に示す図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態における欠陥観察装置において、光学式顕微鏡の別の例を詳細に示す図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態における欠陥観察装置において、光学式顕微鏡の別の例を詳細に示す図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態における欠陥観察装置において、光学フィルタを詳細に示す断面図(a)と上面図(b)である。
【図17】本発明の第4の実施の形態における欠陥観察装置において、光学式顕微鏡の別の例を詳細に示す図である。
【符号の説明】
【0076】
1…試料、2…試料ホルダ、3…ステージ、4…真空チャンバ、5…電子顕微鏡、6…光学式顕微鏡、7…高さ検出システム、8…制御システム、9…ユーザインターフェイス、10…データベース、11…ネットワーク、501…電子源、502…加速電極、503…集束レンズ、504…偏向器、505…対物レンズ、506…二次電子検出器、507…反射電子検出器、601,601a,601b…暗視野照明ユニット、602,602a,602b…干渉性低減ユニット、603…落射ミラー、604…一体型斜方ミラー、605…検出光学系、606…ミラー、607…ハーフミラー、608…光学フィルタ、609…ズームレンズ、610,610a,610b…検出器、611…明視野照明ユニット、612,612a,612b…真空遮断ガラス、613…Z移動機構、621…一体型プリズム、631…斜方ミラー、632…ガイドレール、633…原点センサ、634…パルスモータ、635…真空遮断ガラス、641…レーザ照明ユニット、642…ランプ照明ユニット、643…ミラー、644…ハーフミラー、645…検出光学系、646…光学フィルタ、651a,651b…ミラー、652a,652b…一体型斜方ミラー、653…検出光学系、654…ダイクロイックミラー、6011…照明光源、6012…波長板、6013…シャッター、6021…拡散板、6022…回転用モータ、6091,6092,6093…レンズ群、6094…移動機構、701…照明光源、702…照明用集光レンズ、703…検出用集光レンズ、704…検出器。
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造工程で発生した欠陥を観察する欠陥観察技術に係り、特に、電子顕微鏡やX線分析装置等を用いた欠陥観察方法およびその装置に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体製造工程では、半導体基板(ウェハ)上に異物や欠陥(以下、欠陥と記述するが異物やパターン欠陥を含むものとする)が存在すると配線の絶縁不良や短絡などの不良原因になる。また、回路パターンの微細化に伴い、より微細な欠陥がキャパシタの絶縁不良やゲート酸化膜などの破壊原因にもなる。これらの欠陥は、搬送装置の可動部から発生するものや、人体から発生するもの、プロセスガスにより処理装置内で反応生成されたもの、薬品や材料に混入していたものなど、種々の原因により種々の状態で混入される。このため、製造工程中に発生した欠陥を検出し、欠陥の発生源をいち早く突き止め、不良の作り込みを食い止める必要がある。
【0003】
従来、欠陥の発生原因を追求する方法は、まず、欠陥検査装置で欠陥位置を特定し、SEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)等で該欠陥を詳細に観察および分類し、データベースと比較して欠陥の発生原因を推定する方法が採られていた。
【0004】
ここで、欠陥検査装置とは、半導体基板の表面をレーザ光で暗視野照明し、欠陥からの散乱光を検出して欠陥の位置を特定する光学式異物検査装置や、ランプ光やレーザ光、または電子線を照明光として、半導体基板の明視野光学像を検出して、これを参照情報と比較することにより半導体基板上の欠陥の位置を特定する光学式外観検査装置やSEM式検査装置である。
【0005】
このような観察方法に関しては、特開2001−133417号公報(特許文献1)、特開2003−7243号公報(特許文献2)及び、特開平5−41194号公報(特許文献3)、特開2005−156537号公報(特許文献4)に開示されている。
【特許文献1】特開2001−133417号公報
【特許文献2】特開2003−7243号公報
【特許文献3】特開平5−41194号公報
【特許文献4】特開2005−156537号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、光学式異物検査装置を用いて半導体基板の欠陥を検出する場合、検査のスループットを上げるために、大きいスポットサイズのレーザ光で半導体基板を走査して検出している。このため、半導体基板を走査するレーザ光のスポット位置から求められる欠陥位置の精度は大きな誤差成分を含んでしまう。
【0007】
このような誤差成分を含んだ欠陥の位置情報に基づいてSEMで欠陥を詳細に観察する場合、光学式異物検査装置の光学系の倍率よりも遥かに高い倍率(=小さい視野)で観察するために、SEMの視野内に観察したい欠陥が入らない場合がある。SEMの視野内に観察対象の欠陥を入れるためには、SEMの視野を移動させながら欠陥を捜すことになるが、視野が小さいために時間がかかってしまう。このため、SEM観察のスループットが低下し、欠陥の解析に時間が掛かってしまうという問題がある。
【0008】
前記問題を解決するために、前記特許文献1〜4において、SEMと光学式顕微鏡を併設することが開示されている。しかし、光学式顕微鏡で欠陥を高感度に検出するためには、光学式顕微鏡の焦点合わせが必要であるが、焦点合わせのために半導体基板を上下させるステージを用いた場合、水平方向への高速・高精度な移動が可能なステージに上下方向への移動ステージを積み増しするため、装置が高価で大きくなってしまうという課題がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、光学式異物検査装置または光学式外観検査装置で検出した欠陥をSEMで詳細に観察する方法およびその装置において、観察対象の欠陥を確実にSEM等の視野内に入れることができ、かつ、装置規模を小さくできる方法およびその装置を提供することにある。
【0010】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0012】
上記目的を達成するために、本発明では、SEMで試料の欠陥を観察する方法において、SEMに搭載された光学式顕微鏡を用いて、予め試料の欠陥を他の光学式検査装置で検出して得た情報に基づいて試料に焦点合わせを行う工程と、光学式顕微鏡で欠陥を再検出する工程と、再検出された欠陥の位置情報に基づいて欠陥の位置情報を補正する工程と、位置情報を補正された欠陥をSEMで観察する工程を有し、焦点合わせを行う工程において、試料に対して斜方から入射した光学式顕微鏡の照明位置と検出位置を変化させないことを特徴とする。
【0013】
また、本発明では、SEMで試料の欠陥を観察する方法において、SEMに搭載された光学式顕微鏡を用いて、予め試料の欠陥を他の光学式検査装置で検出して得た情報に基づいて欠陥を再検出する工程と、再検出された欠陥の位置情報に基づいて欠陥の位置情報を補正する工程と、位置情報を補正された欠陥をSEMで観察する工程を有し、再検出する工程において、光学式顕微鏡で照射角度の異なる照明を行うことを特徴とする。
【0014】
また、本発明では、前記照射角度の異なる照明は異なる波長を同時に照射することを特徴とする。
【0015】
また、本発明では、SEMで試料の欠陥を観察する装置において、光学式欠陥検査装置で検出された欠陥の位置を再検出する光学式顕微鏡と、光学式顕微鏡に搭載されていて試料の焦点合わせを行う焦点合わせ手段と、再検出された欠陥の位置情報に基づいて欠陥の位置情報を補正する位置補正手段と、位置情報を補正された欠陥を観察するSEMを有し、焦点合わせ手段は、試料に対して斜方から入射した光学式顕微鏡の照明位置と検出位置を変化させないことを特徴とする。
【0016】
また、本発明では、SEMで試料の欠陥を観察する装置において、光学式欠陥検査装置で検出された欠陥の位置を再検出する光学式顕微鏡と、再検出された欠陥の位置情報に基づいて欠陥の位置情報を補正する位置補正手段と、位置情報を補正された欠陥を観察するSEMを有し、光学式顕微鏡に照射角度の異なる照明手段を配置したことを特徴とする。
【0017】
また、本発明では、前記照射角度の異なる照明は異なる波長を同時に照射することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0019】
本発明によれば、光学式欠陥検査装置で検出した欠陥をSEM等で詳細に観察する場合において、観察対象の欠陥を確実にSEM等の観察視野内に入れることができるようになり、SEM等を用いた欠陥の詳細検査のスループットを上げることができる。また、被検査試料を搭載するステージの規模を小さくすることができるようになり、装置を安価および小規模にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0021】
(第1の実施の形態)
図1〜図13により、本発明の第1の実施の形態における欠陥観察方法およびその装置の一例を説明する。
【0022】
図1に、本発明の第1の実施の形態における欠陥観察装置の構成の一例を示す。本実施の形態の欠陥観察装置は、半導体デバイス等の基板上に回路パターンを形成するデバイス製造工程において、製造工程中に発生する欠陥を観察する装置であって、被検査対象の試料1、この試料1を搭載する試料ホルダ2、この試料ホルダ2を移動させて試料1の全面を顕微鏡の下に移動可能なステージ3、真空チャンバ4、電子顕微鏡(以下では「SEM」と記述する)5、光学式顕微鏡(以下では「OM」と記述する)6、高さ検出システム7、制御システム8、ユーザインターフェイス9、データベース10、上位システムへ接続するネットワーク11で構成されている。
【0023】
さらに、OM6は、暗視野照明ユニット601、干渉性低減ユニット602、落射ミラー603、一体型斜方ミラー604、検出光学系605、ミラー606、ハーフミラー607、光学フィルタ608、ズームレンズ609、検出器610、明視野照明ユニット611、真空遮断ガラス612、Z移動機構(ベローズを含む)613および図示していないレンズ群で構成されている。また、ステージ3、真空チャンバ4、SEM5、OM6、高さ検出システム7、ユーザインターフェイス9、データベース10、ネットワーク11は制御システム8と接続されている。
【0024】
以上のように構成される欠陥観察装置において、特に、OM6は光学式欠陥検査装置で検出された試料1の欠陥の位置を再検出(単に「検出」とも記述する)する機能を有し、Z移動機構613や高さ検出システム7等はOM6に搭載されていて試料1の焦点合わせを行う焦点合わせ手段としての機能を有し、制御システム8等はOM6で再検出された欠陥の位置情報に基づいて欠陥の位置情報を補正する位置補正手段としての機能を有し、SEM5は制御システム8等で位置情報を補正された欠陥を観察する機能を有し、OM6で焦点合わせを行う時に、試料1に対してOM6の照明位置と検出位置を変化させない構成となっている。
【0025】
以下、各部の詳細を、図2〜図13に基づいて説明する。
【0026】
図2は、暗視野照明ユニット601の詳細を示す。暗視野照明ユニット601は、照明光源6011、照明光の偏光方向を調整する波長板6012、照明光の照射のON/OFFを制御するシャッター6013で構成されている。
【0027】
照明光源6011は、レーザ発振器やランプハウスである。レーザ発振器は波長532nmや488nm、405nm等の可視光レーザや波長355nm等の紫外光レーザ、波長266nmや199nm等の深紫外光レーザ、多波長レーザが使用可能であり、連続発振レーザやパルス発振レーザのどちらでも使用可能である。また、ランプ光は、HgランプやXeランプが使用可能である。これらの選択方法としては、可視光レーザやランプは安定で安価な装置が実現可能であり、短波長のレーザは欠陥検出感度の高い装置が実現可能である。
【0028】
次に、干渉性低減ユニット602は、レーザなどの干渉性を低減して検出信号を安定化させるために用いる。この干渉性低減ユニット602の機能は、空間的コヒーレンシや時間的コヒーレンシを低減することであり、一例を図3に示す。図3(a)は干渉性低減ユニット602の側面図であり、図3(b)が正面図である。干渉性低減ユニット602は、拡散板6021、拡散板の回転用モータ6022で構成されており、回転モータ6022のモータ軸を中心に拡散板6021が回転する。暗視野照明ユニット601から射出された光が拡散板6021を通過することによって、コヒーレンシ低減が可能である。なお、本実施の形態では拡散板の例を示したが、空間的な位置や時間毎に光の位相を変化させるものであれば良く、図4に示すように、長さの違うファイバを束ねることによって、各ファイバから射出する光の位相を変化させたものを用いても良い。
【0029】
落射ミラー603は、図5に示すように、入射した光をZ軸方向に反射する機能を有するものである。また、一体型斜方ミラー604は、落射ミラー603から出た光を検出光学系605の焦点位置に集光させるミラーであり、検出光学系605に設置されている。これは、ミラー以外にもプリズムでも良い。
【0030】
検出光学系605は、複数のレンズ群で構成されており、試料1から反射・散乱される光を集光し、光学フィルタ608およびズームレンズ609を通して検出器610に結像する機能を有する。ここで、光学フィルタ608に入射する光は平行光であるのが望ましい。平行光の利点は、光学フィルタ608による光路長の変化がないことである。
【0031】
光学フィルタ608は光を変調するフィルタであり、例えば偏光板である。ただし、光学フィルタを用いない場合は、図示していない移動機構によりガラス板に変更可能な構成である。
【0032】
次に、ズームレンズ609の詳細を説明する。ズームレンズ609の機能は、OM6の結像倍率を変化させることである。結像倍率の変更は、主に試料1のアライメント時に用いる。例えば、試料ホルダ2に搭載された試料1は回転方向やXY平面方向にずれが生じていることが多い。従って、試料1のアライメントが必要となるが、試料1の搭載当初は、ずれ量が大きいため、アライメント用のテクスチャを探索するためには広い視野で探索する必要がある。一方、欠陥観察には高精度な位置決めが必要であり、それに伴う高精度なアライメントが必要であるため、高倍率な観察によるアライメントが必要となる。この時、視野は小さくなるため、複数の倍率を持つことが望ましい。
【0033】
図6に示すように、ズームレンズ609は、レンズ群6091,6092,6093と、各レンズをZ方向に移動させる移動機構6094で構成されている。本実施の形態では、試料1と検出器610との距離を変えないで倍率を変化させるために、レンズ6091,6092,6093のレンズ間距離を変えることにより、倍率を変化させる構成である。
【0034】
検出器610は、例えば二次元CCDカメラである。性能としては、明視野照明ユニット6011の照明光源の波長に対して感度を有していれば良く、TDI(Time Delay Integration:時間遅延積分)機能を有していても良く、CCD部は裏面照射型を用いても良い。TDI機能を有している場合は、微小な光の高感度な検出が可能となるため、照明光量が少なくても良い利点があり、裏面照射型のCCDを用いる利点は、紫外光や深紫外光の波長域において高感度な検出が可能である。また、撮像時に試料1を照明光でスキャンする構成の場合は一次元CCDセンサでも良い。また、カラーカメラでも良い。カラーカメラを用いる利点は、試料1のカラー画像を取得でき、試料1の色情報から欠陥の識別が行える点である。
【0035】
SEM5を図7で説明する。SEM5は、一次電子を発生させる電子源501、一次電子を加速するための加速電極502、集束レンズ503、一次電子を二次元走査用に偏向する偏向器504、一次電子を試料1上に集束させるための対物レンズ505、試料1から発生した二次電子を検出する二次電子検出器506、試料1から発生した反射電子を検出する反射電子検出器507で構成されている。なお、検出器506および507は2個以上設置しても良い。
【0036】
図1に示した欠陥観察装置の構成における動作を説明する。まず、試料1は、図示していないロードロック室を介して真空チャンバ4内の試料ホルダ2上に移送される。そして、試料1は、ステージ3の制御によりOM6の視野位置に移動される。この時点では、試料1がOM6の焦点位置からずれている可能性がある。試料1の高さが焦点位置からずれている場合は、OM6の焦点位置に試料1が設定されるようにZ移動機構613を用いて検出光学系605をZ方向に移動する。この時、一体型斜方ミラー604、ミラー606、ハーフミラー607、光学フィルタ608、ズームレンズ609、検出器610は検出光学系605に設置されているため、検出光学系605と共に移動する。なお、Z方向の移動量の決定方法は後述する。
【0037】
検出光学系605のZ位置を適正化した後、試料1のアライメントを行う。アライメントは、主に試料1のXY平面内の平行移動量と回転量を補正し、検査装置の座標系と本実施の形態の欠陥観察装置との座標系を合わせることを目的としている。アライメントの方法としては、OM6で試料1の画像を取得し、取得した画像を処理して基準となる位置を算出すれば良い。この時、回路パターンが作られていない試料の場合は試料1の外形のエッジ部でアライメントを行い、回路パターンが作られている試料の場合は事前に決めた位置に存在する回路パターンで画像処理を行う。
【0038】
アライメントは、明視野検出方法で取得した画像を用いて行う。明視野検出時には、明視野照明ユニット611から照明光を射出し、ハーフミラー607、ミラー606で反射されて試料1に照射される。試料1からの反射光は、ミラー606、ハーフミラー607で反射され、ズームレンズ609で検出器610に結像される。ここで、明視野照明ユニット611は、例えばランプ照明である。また、本実施の形態の明視野検出では、図示していない移動機構を用いて光学フィルタ608を同厚のガラス板に切替えを行う。試料1の外形のエッジでアライメントを行う場合は、試料1の位置決めポイント(試料1がウェハの場合はノッチやオリエンテーションフラット)および外形の数点の画像を取得して処理すれば良い。
【0039】
アライメントの後、欠陥検査装置から出力された欠陥の位置情報に従って、欠陥位置をOM6の視野位置に移動し、OM6の暗視野検出方法で欠陥の画像を取得する。この時、各欠陥位置において試料1の高さがOM6の焦点位置からずれている場合は、上述した方法で焦点合わせを行う。
【0040】
ここで、暗視野検出方法について説明する。暗視野検出方法は、主に回路パターンの形成されていない試料に対して適用する。暗視野検出時には、まず、暗視野照明ユニット601から照明光を射出する。照明光はレーザ光でもランプ光でも良いが、レーザ光の方が照度を強くできるため、レーザ光を用いるのが望ましい。ただし、アルミニウム膜などのように反射率の高い膜が試料表面に塗布されている試料1の場合は、照度が低くても良いためランプ光でも良い。
【0041】
暗視野照明ユニット601から射出された光は、干渉性低減ユニット602で光の干渉性を低減する。これは、主にレーザ光のスペックル低減を目的としており、ランプ光を用いる場合は無くても良い。干渉性低減ユニット602を通過した光は、真空遮断ガラス612を通って、真空チャンバ4内に入り、落射ミラー603でZ方向に折り曲げられる。落射ミラー603で反射された光は、一体型斜方ミラー604で検出光学系605の焦点位置にある試料1に照射される。試料1から反射、散乱された光は、検出光学系605のレンズで集光し、ミラー606、ハーフミラー607で反射され、光学フィルタ608に入射する。光学フィルタ608を通過した光は、ズームレンズ609を通って検出器610の撮像位置に結像され、検出器610でディジタル信号に変換され、制御システム8に送信される。
【0042】
以上のOM6の暗視野検出方法で取得された画像は、図8(a)のような濃淡画像またはカラー画像として制御システム8に蓄積される。制御システム8では、図8(b)のようにSEM5の視野範囲と欠陥位置のずれ量を算出し、該ずれ量を座標補正値として登録する。ずれ量の算出方法は、例えば、SEM5の視野中心を画像中心とすると、画像における欠陥位置の重心座標と該画像中心との画素数を算出し、該画素数に画素寸法を乗算すれば良い。この後、座標補正値を用いて欠陥がSEM5の視野範囲に入るようにステージ3で試料1を移動し、SEM5で欠陥を観察する。観察された欠陥の画像は、制御システム8に送信され、ユーザインターフェイス9への表示やデータベース10への登録、また、自動欠陥分類処理等を行う。
【0043】
次に、SEM5の動作を図7で説明する。電子源501から射出された一次電子は、加速電極502で所望の速度に加速され、集束レンズ503、対物レンズ505で試料1上に集束される。試料1からは一次電子に誘発された二次電子や反射電子が放出される。該放出された電子を二次電子検出器506および反射電子検出器507で検出し、図示していない光電変換器、A/D変換器でディジタル信号に変換する。以上の動作を偏向器504で一次電子を偏向させることによって、試料1上の二次元領域を走査し、該領域の信号を得る。得られた信号はディジタル化され、制御システム8に送信され、画像として構成される。なお、SEM5の焦点位置は各位置で焦点合わせを行っても良いし、OM6の観察時に算出したZ位置情報を保存しておき、SEM5で観察するときの焦点位置を算出して用いても良い。
【0044】
欠陥観察の流れを図9で説明する。まず、試料1のアライメントを行う(S1301)。これは、上述したようなOM6によるアライメントである。次に、欠陥検査装置によって検出された欠陥の位置情報に従って、試料1上の観察したい欠陥をOM6の視野に移動する(S1302)。OM6を移動して焦点合わせを行う(S1303)。OM6で取得した画像から欠陥位置を探索し(S1304)、欠陥を検出したならば(S1305−Yes)、OM6による欠陥検出位置とSEM5の視野位置とのずれ量を算出する(S1306)。該ずれ量を基に、前記欠陥の位置情報を補正し(S1307)、補正した欠陥位置をSEM5の視野へ移動し、観察を行う(S1308)。この時、観察された情報は制御システム8に送信される。次に、他の欠陥の観察が必要でない場合(S1309−No)は、観察終了とし(S1310)、観察が必要である場合(S1309−Yes)は、観察したい欠陥の位置情報を取得し(S1311)、上述したOM6へ欠陥を移動するシーケンス(S1302)へ戻って処理を進める。なお、上述した欠陥検出シーケンスで欠陥検出ができなかった場合(S1305−No)は、欠陥位置が視野範囲以上にずれていることが考えられるため、OM6の視野周辺部を探索しても良い。視野周辺部を探索する場合(S1312−Yes)は、視野に相当する大きさ分だけ試料1を移動し(S1313)、上述した欠陥探索シーケンス(S1304)から処理を行う。また、視野周辺部を探索しない場合(S1312−No)は、シーケンス(S1309)に従って処理を行う。
【0045】
次に、Z位置の算出方法を図10で説明する。図10は、高さ検出システム7の構成を示しており、照明光源701、照明用集光レンズ702、検出用集光レンズ703、検出器704で構成されている。詳細に述べると、照明光源701は、例えばレーザ発振器やランプハウスであり、検出器704は、例えばCCDカメラ、CCDリニアセンサである。
【0046】
高さ検出システム7の動作を説明する。照明光源701から射出された光は、照明用集光レンズ702で試料1上に集光される。試料1では、試料1への入射角度に応じた方向へ光が反射される。該反射光は、検出用集光レンズ703を通って検出器704に集光される。Z位置の算出方法としては、まず、試料1の基準高さにおける検出器704の光検出位置を記憶しておく。次に、試料1の高さが変化すると、検出器704における光検出位置が移動するため、光検出位置の移動量(検出器704の画素数)と試料1の高さの変化量との関係を予め測定しておくことによって、移動量から高さを算出することができる。
【0047】
なお、照明にレーザ光を用いる場合、集光効率が良いために、低出力の光源を用いて高精度な検出が可能となる利点がある。また、ランプ光(=多波長の光)を用いる場合は、試料1の最表面に透明な膜が塗布されている試料に対しても安定した検出が可能となる利点がある。これは、膜厚の変動に対する平均化効果によるものである。
【0048】
Z位置を算出する別の方法を図11で説明する。図11は、Z位置算出シーケンスを示している。本方法は、OM6で取得した画像を用いる例である。まず、Z移動機構613を用いて検出光学系605を最下点(=試料に近い点)に移動させる(S1401)。次に、検出器610で画像を取得し、制御システム8に送信する(S1402)。この時、試料のエッジの画像を使用する場合や回路パターンが形成されている試料の場合は明視野検出方法を使用するのが望ましく、回路パターンが存在しない試料の場合は、暗視野検出方法を使用するのが望ましい。画像取得後、Z移動機構613で検出光学系605を1段階、上に移動させる(S1403)。ここで、1段階とは、Z位置を検出するための分解能の単位であり、概ねOM6の焦点深度の1/2以下が望ましい。検出光学系605を移動した後、検出光学系605の位置が事前に決めた移動範囲内であれば(S1404−Yes)、再び画像取得(S1402)を行う。一方、検出光学系605の位置が前記移動範囲を超えた場合(S1404−No)は、Z位置算出処理(S1405)のシーケンスに進む。
【0049】
Z位置算出処理の一例を説明する。まず、画像内の最大輝度を探索し、Z位置と該最大輝度をプロットしたグラフ1411を作成する。次に、グラフ1411におけるピーク位置を算出する。この時、計測点を基にして多次元曲線で近似し、ピーク位置を算出するのが望ましい。そして、該ピーク位置に対応するZ位置が検出光学系605を移動すべき位置となる。
【0050】
なお、上述した高さ検出システム7を使用する例では、高さ検出システム7をSEM5の位置に配置し、SEM5の位置における試料1の高さからOM6の高さを決めたが、高さ検出システム7をOM6の位置に設置しても良く、また、SEM5とOM6の両方の位置に設置しても良い。高さ検出システム7の数が少なければ安価な装置が製作可能であり、また、それぞれに設置すれば焦点合わせ精度を向上できる利点がある。
【0051】
次に、自動欠陥分類の一例を図12で説明する。図12は、OM6における欠陥の検出結果とSEM5における欠陥の検出結果の組合せを示している。一般に、光学的に透明な膜が試料の最表面に成膜されている場合、膜下の欠陥であっても光学的には検出可能であるが、SEMでは検出が難しい。これは、SEMが試料表面から放出される二次電子や反射電子を検出しているためである。この性質を利用すると、図12の分類欠陥が得られる。つまり、OM6による検出が可能で、かつ、SEM5で検出可能な欠陥は試料表面に存在する欠陥であり、OM6による検出が可能で、かつ、SEM5で検出不可能な欠陥は膜中または膜下の欠陥と分類できる。また、OM6による検出が不可能で、SEM5による検出も不可能な場合は、欠陥検査装置の擬似欠陥、つまり、誤検出であると分類できる。
【0052】
以上説明した例では、各欠陥に対して欠陥位置の補正量を算出し、その都度、SEM5で観察する場合で説明したが、複数の欠陥の位置補正量をOM6で登録しておき、複数の欠陥または全欠陥の補正量算出が終了した後にSEM5で観察する場合にも適用できる。また、欠陥検査装置が検出した欠陥の位置ずれ量が、一定方向の平行移動量と一定方向の回転成分のみであると見込まれる場合は、数点(3点程度)の欠陥の位置補正量から全欠陥の位置の補正式を作成し、OM6の観察をしないで前記補正式による算出位置を用いてSEM5で観察しても良く、観察対象の欠陥の近傍に観察済みの欠陥が存在する場合は、該観察済み欠陥の位置補正量を該観察対象の欠陥の位置補正量として適用しても良い。また、前記補正式を初期データとし、OM6による座標補正を行う毎に補正式を修正して用いても良い。さらに、欠陥検査装置で検出される欠陥位置のずれ量が、試料に依らず、ほぼ同一値であると見込まれる場合は、測定済み試料の補正式を用いて、新規試料の位置を補正しても良い。以上のように補正量を算出する欠陥数を少なくする利点は、観察作業を高スループット化できることである。
【0053】
また、暗視野照明ユニット601から射出されるビーム径が大きく、視野範囲に対して照明範囲が十分大きい場合や、一体型斜方ミラー604による斜方照明の角度が小さい場合は、落射ミラー603と一体型斜方ミラー604の代わりに、図13に示すような一体型プリズム621を用いても良い。この一体型プリズム621は、入射光を試料1側に反射し、されに試料1に対して斜方照明する機能を有する。このような一体型プリズム621を使用する利点は、落射ミラー603および一体型斜方ミラー604を用いる場合よりも構成が容易となることである。
【0054】
また、本実施の形態では、主に電子顕微鏡を用いて観察する場合を説明したが、電子顕微鏡以外にX線分析機やFIB(Focused Ion Beam)を用いた分析機等、光学式よりも詳細に観察可能なものに適用可能である。
【0055】
(第2の実施の形態)
図14により、本発明の第2の実施の形態における欠陥観察方法およびその装置の一例を説明する。
【0056】
本実施の形態における欠陥観察装置において、OM6の別の例を図14で説明する。OM6は、暗視野照明ユニット601、干渉性低減ユニット602、斜方ミラー631、検出光学系605、ミラー606、ハーフミラー607、光学フィルタ608、ズームレンズ609、検出器610、明視野照明ユニット611、真空遮断ガラス612、検出器610を移動させるためのガイドレール632、検出器610の位置を算出するための原点センサ633、検出器610を移動させるためのパルスモータ634、真空遮断ガラス635および図示していないレンズ群で構成されている。なお、斜方ミラー631は、試料1の高さ変動に伴う移動が必要ないため、検出光学系605に固定されていても良い。
【0057】
上述の第1の実施の形態では、検出光学系605に付随した構成要素をZ方向に移動することによって焦点合わせを行っているが、本実施の形態は、検出光学系605を固定し、検出器610をZ方向へ移動することによって焦点合わせを行う構成である。本実施の形態の構成は、検出光学系605を移動させる必要がないため、Z移動機構の構成が容易となる利点がある。ただし、検出器610への結像倍率が変動するため、倍率変動が問題になる場合は倍率補正等を行う必要がある。
【0058】
図14に示したOM6を含む欠陥観察装置の構成における動作を説明する。明視野検出方式および暗視野検出方式による画像を取得する動作は、上述の第1の実施の形態と同様であるので、ここでは、焦点合わせの方法と倍率補正の方法について述べる。
【0059】
まず、試料1の高さを測定する方法は、上述の高さ検出システム7を使用すれば良い。この時、試料1と検出光学系605の物体側主平面との距離をa、検出光学系605の像側主平面と検出器610の受光面との距離をb、検出光学系605の焦点距離をfとすると、上述の高さ検出システム7から得られる情報により、前記aは既知であり、前記焦点距離fも既知であるため、(式1)の関係式からbの値を算出することができる。従って、bの距離となる位置に検出器610を移動させれば焦点合わせが完了する。
【0060】
1/a+1/b=1/f ・・・ (式1)
検出器610の移動方法は、例えば、パルスモータ634を使ってガイドレール632に沿ってZ方向に移動させる方法である。パルスモータ634による移動量は、原点センサ633からのパルス数を算出すれば良い。この時、結像倍率Mは(式2)となるため、基準位置における倍率をM0とすると、(式3)で算出される値kが倍率変動量となる。従って、画像から算出した欠陥位置のずれ量に対して、倍率変動量kを乗算することによって、倍率補正後の位置補正量を算出することができる。
【0061】
M=b/a ・・・ (式2)
k=M/M0 ・・・ (式3)
なお、高さ検出システム7を用いない場合は、上述の第1の実施の形態で説明した検出光学系605の移動による画像取得の代わりに、検出器610を移動させて画像を取得することにより、検出した画像から焦点合わせが可能である。この場合、原点センサ633からのパルス数で検出器610の位置を算出し、該算出値を上述したbの値に代入して倍率Mを算出すれば良い。
【0062】
(第3の実施の形態)
図15、図16により、本発明の第3の実施の形態における欠陥観察方法およびその装置の一例を説明する。
【0063】
本実施の形態における欠陥観察装置において、OM6の別の例を図15で説明する。OM6は、レーザ照明ユニット641、干渉性低減ユニット602、ランプ照明ユニット642、ミラー643、ハーフミラー644、検出光学系645、光学フィルタ646、ズームレンズ609、検出器610、Z移動機構613および図示していないレンズ群で構成されている。本実施の形態は、照明光路を落射照明のみにした例であり、構成が簡易である利点がある。
【0064】
図15に示したOM6を含む欠陥観察装置の構成における動作を説明する。まず、レーザ光による暗視野画像を得る方法を説明する。レーザ照明時には、ミラー643を図示していない機構を用いてレーザ照明用光路から排除する。レーザ照明ユニット641から射出された光は、干渉性低減ユニット602を通って検出光学系645内に設置されたハーフミラー644で試料1側に反射され、試料1に照射される。試料1からの反射光・散乱光は、検出光学系645で検出され、光学フィルタ646を通過した光をズームレンズ609で検出器610に結像させる。
【0065】
ここで、光学フィルタ646は検出光学系645の瞳位置に設置されており、図16に示す形状のフィルタである。図16(a)は光学フィルタ646の断面図、図16(b)は上面図である。光学フィルタ646は、光軸を中心とした部分に遮光部を有し、前記遮光部と瞳外形との間に位置する光を透過させるフィルタである。前記遮光部は、試料1の正反射光を遮光する領域に設定されている。また、光透過部はガラス板または偏光板である。光透過部がガラス板の場合は通常の暗視野検出となり、光透過部が偏光板の場合は暗視野の偏光検出が可能となる。
【0066】
また、明視野検出を行う場合は、光学フィルタ646を図示していない機構で光路中から除外すれば良い。さらに、ランプ照明で観察する場合は、ミラー643を光路中に挿入し、ランプ照明ユニット642から射出された光をミラー643で反射して用いれば良い。
【0067】
(第4の実施の形態)
図17により、本発明の第4の実施の形態における欠陥観察方法およびその装置の一例を説明する。
【0068】
本実施の形態における欠陥観察装置において、OM6の別の例を図17で説明する。OM6は、暗視野照明ユニット601a,601b、干渉性低減ユニット602a,602b、ミラー651a,651b、真空遮断ガラス612a,612b、一体型斜方ミラー652a,652b、検出光学系653、ハーフミラー644、光学フィルタ608、ズームレンズ609、ダイクロイックミラー654、検出器610a,610b、明視野照明ユニット611、Z移動機構613および図示していないレンズ群で構成されている。
【0069】
ここで、本実施の形態における添字のaおよびbは異なる波長に対応した部品であることを示している。つまり、暗視野照明ユニット601aと601bは異なる波長の光を照射する。例えば、暗視野照明ユニット601aが波長532nmのレーザ光、暗視野照明ユニット601bが波長405nmのレーザ光であり、前述の波長に限らず、他の波長の組合せでも良い。ダイクロイックミラー654は、前記異なる波長を分離する性能を有するものである。また、一体型斜方ミラー652aと652bは、試料1への照射角度が異なる構造である。つまり、一体型斜方ミラー652aは試料1へ角度αで照射し、一体型斜方ミラー652bは試料1へ角度βで照射するが、αとβは異なる角度である。さらに、一体型斜方ミラー652aと652bは、検出光学系653に設置されており、検出光学系653のZ方向の移動に伴って一体型斜方ミラー652aと652bも移動する構成である。本実施の形態は、照明角度の違いにより欠陥検出性能の違いがある場合に用いる例である。
【0070】
図17に示したOM6を含む欠陥観察装置の構成における動作を説明する。明視野検出方法および高さ検出方法については、上述の第3の実施の形態と同様のため、ここでは、暗視野検出方法について説明する。
【0071】
暗視野照明ユニット601aおよび601bから射出された光は、それぞれ、干渉性低減ユニット602a,602bを通過し、ミラー651a,651bで試料1側に反射される。該反射光は、一体型斜方ミラー652a,652bで試料1に照射される。試料1から反射・散乱された光は、検出光学系653で集光され、光学フィルタ608を通過した光がズームレンズ609で検出器610aおよび610bに結像される。この時、ダイクロイックミラー654によって波長分離されるため、前記異なる照明角度で照射された光による反射・散乱光は、それぞれ別の検出器610a,610bで検出されることになる。検出器610aおよび610bで得られた信号は、制御システム8に送信されて欠陥検出処理が行われる。
【0072】
なお、本実施の形態は、異なる照明角度による欠陥検出を同時に行う例で説明しているが、欠陥検出時間に余裕がある場合は、順次、照明角度を変えて検出しても良い。この場合、検出器610は一式で良い。また、本実施の形態では、二種類の照明角度の例を説明したが、必要に応じて照明角度の種類を増やしても良い。
【0073】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、半導体製造工程で発生した欠陥を観察する欠陥観察技術に係り、特に、電子顕微鏡やX線分析装置等を用いた欠陥観察方法およびその装置に適用して有効である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1の実施の形態における欠陥観察装置の構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態において、暗視野照明ユニットを詳細に示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態において、干渉性低減ユニットを詳細に示す側面図(a)と正面図(b)である。
【図4】本発明の第1の実施の形態において、干渉性低減ユニットの別の例を詳細に示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態において、落射ミラーを詳細に示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態において、ズームレンズを詳細に示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態において、電子顕微鏡を詳細に示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態において、光学式顕微鏡の暗視野検出方法で取得された画像(a)と欠陥の位置ずれ量算出画像(b)を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態において、欠陥観察の流れを示す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態において、高さ検出システムを詳細に示す図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態において、Z位置算出のシーケンスを示す図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態において、自動欠陥分類の区分を示す図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態において、斜方照明用ミラーの別の例を詳細に示す図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態における欠陥観察装置において、光学式顕微鏡の別の例を詳細に示す図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態における欠陥観察装置において、光学式顕微鏡の別の例を詳細に示す図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態における欠陥観察装置において、光学フィルタを詳細に示す断面図(a)と上面図(b)である。
【図17】本発明の第4の実施の形態における欠陥観察装置において、光学式顕微鏡の別の例を詳細に示す図である。
【符号の説明】
【0076】
1…試料、2…試料ホルダ、3…ステージ、4…真空チャンバ、5…電子顕微鏡、6…光学式顕微鏡、7…高さ検出システム、8…制御システム、9…ユーザインターフェイス、10…データベース、11…ネットワーク、501…電子源、502…加速電極、503…集束レンズ、504…偏向器、505…対物レンズ、506…二次電子検出器、507…反射電子検出器、601,601a,601b…暗視野照明ユニット、602,602a,602b…干渉性低減ユニット、603…落射ミラー、604…一体型斜方ミラー、605…検出光学系、606…ミラー、607…ハーフミラー、608…光学フィルタ、609…ズームレンズ、610,610a,610b…検出器、611…明視野照明ユニット、612,612a,612b…真空遮断ガラス、613…Z移動機構、621…一体型プリズム、631…斜方ミラー、632…ガイドレール、633…原点センサ、634…パルスモータ、635…真空遮断ガラス、641…レーザ照明ユニット、642…ランプ照明ユニット、643…ミラー、644…ハーフミラー、645…検出光学系、646…光学フィルタ、651a,651b…ミラー、652a,652b…一体型斜方ミラー、653…検出光学系、654…ダイクロイックミラー、6011…照明光源、6012…波長板、6013…シャッター、6021…拡散板、6022…回転用モータ、6091,6092,6093…レンズ群、6094…移動機構、701…照明光源、702…照明用集光レンズ、703…検出用集光レンズ、704…検出器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子顕微鏡で試料の欠陥を観察する方法であって、
前記電子顕微鏡に搭載された光学式顕微鏡を用いて、予め前記試料の欠陥を他の光学式検査装置で検出して得た情報に基づいて前記試料に焦点合わせを行う第1の工程と、
前記光学式顕微鏡で前記欠陥を再検出する第2の工程と、
前記第2の工程で再検出された欠陥の位置情報に基づいて前記欠陥の位置情報を補正する第3の工程と、
前記第3の工程で位置情報を補正された欠陥を前記電子顕微鏡で観察する第4の工程を有し、
前記第1の工程において、前記試料に対して斜方から入射した前記光学式顕微鏡の照明位置と検出位置を変化させないことを特徴とする欠陥観察方法。
【請求項2】
電子顕微鏡で試料の欠陥を観察する方法であって、
前記電子顕微鏡に搭載された光学式顕微鏡を用いて、予め前記試料の欠陥を他の光学式検査装置で検出して得た情報に基づいて前記欠陥を再検出する第1の工程と、
前記第1の工程で再検出された欠陥の位置情報に基づいて前記欠陥の位置情報を補正する第2の工程と、
前記第2の工程で位置情報を補正された欠陥を前記電子顕微鏡で観察する第3の工程を有し、
前記第1の工程において、前記光学式顕微鏡で照射角度の異なる照明を行うことを特徴とする欠陥観察方法。
【請求項3】
請求項2記載の欠陥観察方法において、
前記照射角度の異なる照明は異なる波長を同時に照射することを特徴とする欠陥観察方法。
【請求項4】
電子顕微鏡で試料の欠陥を観察する装置であって、
光学式欠陥検査装置で検出された前記試料の欠陥の位置を再検出する光学式顕微鏡と、
前記光学式顕微鏡に搭載されていて前記試料の焦点合わせを行う焦点合わせ手段と、
前記光学式顕微鏡で再検出された欠陥の位置情報に基づいて前記欠陥の位置情報を補正する位置補正手段と、
前記位置補正手段で位置情報を補正された欠陥を観察する電子顕微鏡を有し、
前記焦点合わせ手段は、前記試料に対して斜方から入射した前記光学式顕微鏡の照明位置と検出位置を変化させないことを特徴とする欠陥観察装置。
【請求項5】
電子顕微鏡で試料の欠陥を観察する装置であって、
光学式欠陥検査装置で検出された前記試料の欠陥の位置を再検出する光学式顕微鏡と、
前記光学式顕微鏡で再検出された欠陥の位置情報に基づいて前記欠陥の位置情報を補正する位置補正手段と、
前記位置補正手段で位置情報を補正された欠陥を観察する電子顕微鏡を有し、
前記光学式顕微鏡に照射角度の異なる照明手段を配置したことを特徴とする欠陥観察装置。
【請求項6】
請求項5記載の欠陥観察装置において、
前記照射角度の異なる照明は異なる波長を同時に照射することを特徴とする欠陥観察装置。
【請求項1】
電子顕微鏡で試料の欠陥を観察する方法であって、
前記電子顕微鏡に搭載された光学式顕微鏡を用いて、予め前記試料の欠陥を他の光学式検査装置で検出して得た情報に基づいて前記試料に焦点合わせを行う第1の工程と、
前記光学式顕微鏡で前記欠陥を再検出する第2の工程と、
前記第2の工程で再検出された欠陥の位置情報に基づいて前記欠陥の位置情報を補正する第3の工程と、
前記第3の工程で位置情報を補正された欠陥を前記電子顕微鏡で観察する第4の工程を有し、
前記第1の工程において、前記試料に対して斜方から入射した前記光学式顕微鏡の照明位置と検出位置を変化させないことを特徴とする欠陥観察方法。
【請求項2】
電子顕微鏡で試料の欠陥を観察する方法であって、
前記電子顕微鏡に搭載された光学式顕微鏡を用いて、予め前記試料の欠陥を他の光学式検査装置で検出して得た情報に基づいて前記欠陥を再検出する第1の工程と、
前記第1の工程で再検出された欠陥の位置情報に基づいて前記欠陥の位置情報を補正する第2の工程と、
前記第2の工程で位置情報を補正された欠陥を前記電子顕微鏡で観察する第3の工程を有し、
前記第1の工程において、前記光学式顕微鏡で照射角度の異なる照明を行うことを特徴とする欠陥観察方法。
【請求項3】
請求項2記載の欠陥観察方法において、
前記照射角度の異なる照明は異なる波長を同時に照射することを特徴とする欠陥観察方法。
【請求項4】
電子顕微鏡で試料の欠陥を観察する装置であって、
光学式欠陥検査装置で検出された前記試料の欠陥の位置を再検出する光学式顕微鏡と、
前記光学式顕微鏡に搭載されていて前記試料の焦点合わせを行う焦点合わせ手段と、
前記光学式顕微鏡で再検出された欠陥の位置情報に基づいて前記欠陥の位置情報を補正する位置補正手段と、
前記位置補正手段で位置情報を補正された欠陥を観察する電子顕微鏡を有し、
前記焦点合わせ手段は、前記試料に対して斜方から入射した前記光学式顕微鏡の照明位置と検出位置を変化させないことを特徴とする欠陥観察装置。
【請求項5】
電子顕微鏡で試料の欠陥を観察する装置であって、
光学式欠陥検査装置で検出された前記試料の欠陥の位置を再検出する光学式顕微鏡と、
前記光学式顕微鏡で再検出された欠陥の位置情報に基づいて前記欠陥の位置情報を補正する位置補正手段と、
前記位置補正手段で位置情報を補正された欠陥を観察する電子顕微鏡を有し、
前記光学式顕微鏡に照射角度の異なる照明手段を配置したことを特徴とする欠陥観察装置。
【請求項6】
請求項5記載の欠陥観察装置において、
前記照射角度の異なる照明は異なる波長を同時に照射することを特徴とする欠陥観察装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−235023(P2007−235023A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−57471(P2006−57471)
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
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