説明

窒化物半導体素子の製造方法

【課題】p型のIII族窒化物半導体層(チャネル層)に対してコンタクト電極を良好にオーミック接触させることができる窒化物半導体素子の製造方法を提供すること。
【解決手段】III族窒化物半導体からなる電界効果トランジスタの製造工程において、まず、基板12の上にn型GaN層2およびp型GaN層3が形成される。次いで、このp型GaN層3の上に、コンタクト電極15が形成される。コンタクト電極15が形成された後には、p型GaN層3からコンタクト電極15上に至る領域にn型GaN層4が形成され、このn型GaN層4の表面からコンタクト電極15に至るコンタクトホール14が形成される。そして、このコンタクトホール14にソース電極11が埋め込まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、III族窒化物半導体を用いた窒化物半導体素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パワーアンプ回路、電源回路、モータ駆動回路などには、シリコン半導体を用いたパワーデバイスが用いられている。
しかし、シリコン半導体の理論限界から、シリコンデバイスの高耐圧化、低抵抗化および高速化は限界に達しつつあり、市場の要求に応えることが困難になりつつある。
そこで、高耐圧、高温動作、大電流密度、高速スイッチングおよび低オン抵抗といった特徴を有するGaNデバイスの開発が検討されている(たとえば、非特許文献1参照)。
【0003】
これまでに提案されているGaNデバイスとしては、たとえば、ドレイン電極が接続されたn型GaNドレイン層、ゲート絶縁膜を挟んでゲート電極と対向したp型GaNチャネル層およびソース電極が接続されたn型GaNソース層を含む積層構造を有する、縦型nチャネル型のMIS(Metal Insulator Semiconductor)型の電界効果トランジスタを例示できる(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
ところで、このようなGaNデバイスにおいて、p型GaNチャネル層の電位が一定の電位に安定せずに変動してしまう場合、p型GaNチャネル層の電位変動に伴ってゲート閾値電圧が変動する、いわゆる基板バイアス効果の影響によって、ゲート閾値電圧の制御が困難となる。その結果、トランジスタ動作時に、デバイス内にリーク電流が流れるという不具合がある。
【0005】
そこで、p型GaNチャネル層の電位を安定化させるために、たとえば、p型GaNチャネル層とソース電極とをオーミック接触させて短絡させるという対策が考えられる。
たとえば、特許文献1記載のGaNデバイスの構成の場合には、その製造工程において、p型GaNチャネル層とソース電極とをオーミック接触させるために、n型GaNソース層の表面からp型GaNチャネル層に至るまでn型GaNソース層をドライエッチングし、このドライエッチングで露出したp型GaNチャネル層に接触するようにソース電極を形成すればよい。
【特許文献1】特開2003−163354号公報
【非特許文献1】大久保聡著、「もう光るだけじゃない 機器の進化の裏にGaN」、2006年6月5日、日経エレクトロニクス、p.51−60
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記したGaNデバイスの製造工程では、ドライエッチングを行なうことによってp型GaNチャネル層の表面を露出させるので、p型GaNチャネル層の表面が侵食されて粗面化してしまう場合がある。そのため、ソース電極をp型GaNチャネル層の表面に良好にオーミック接触させることが困難であり、p型GaNチャネル層の電位の安定化を達成することができないおそれがある。むろん、上記のように、p型GaNチャネル層に対してソース電極をオーミック接触させる場合に限らず、p型GaNチャネル層に対してコンタクト電極をオーミック接触させ、このコンタクト電極にソース電極を接続する場合にも、同様の課題がある。
【0007】
そこで、この発明の目的は、p型のIII族窒化物半導体層(チャネル層)に対してコンタクト電極を良好にオーミック接触させることができる窒化物半導体素子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、III族窒化物半導体からなる、n型の第1層を形成する第1層形成工程と、前記第1層上に、III族窒化物半導体からなる、p型不純物を含む第2層を積層する第2層形成工程と、前記第2層上に、p型コンタクト電極を形成するp型コンタクト電極形成工程と、前記p型コンタクト電極形成工程後に、前記第2層上に、III族窒化物半導体からなるn型の第3層を積層する第3層形成工程と、を含む、窒化物半導体素子の製造方法である。
【0009】
この方法によれば、第1層および第2層がこの順に形成された後、第3層が形成される前に、第2層上にp型コンタクト電極が形成される。第2層が形成された段階では、第2層の表面が粗面化されていることはないので、p型コンタクト電極の材料を適切に選択することによって、p型コンタクト電極を第2層に良好にオーミック接触させることができる。また、p型コンタクト電極が形成された後には、第2層上に第3層が積層される。
【0010】
こうして、たとえば、p型コンタクト電極および第3層と接触(オーミック接触)するようにソース電極を設け、また第1、第2および第3層に跨るようにゲート絶縁膜を形成し、このゲート絶縁膜を挟んで第2層と対向するようにゲート電極を設け、さらに第1層に電気的に接続されるようにドレイン電極を設けることによって、縦型のMIS(Metal Insulator Semiconductor)型電界効果トランジスタ(以下、このトランジスタを単に「MISFET」という。)を得ることができる。
【0011】
この場合において、第2層とp型コンタクト電極とがオーミック接触し、さらにソース電極とp型コンタクト電極とがオーミック接触しているので、ソース電極を所定の基準電位(たとえば、グランド電位)に接続することにより、p型コンタクト電極を介して第2層の電位が所定の基準電位となる。このように、第2層の電位を所定の基準電位に安定させることができるので、ゲート閾値電圧の変動を抑制することができる。その結果、ゲート閾値電圧の変動に起因してデバイス内にリーク電流が流れることを防止することができる。すなわち、ゲート閾値電圧制御性を向上させることができる。なお、ソース電極を介さずに、p型コンタクト電極を直接所定の基準電位(たとえば、グランド電位)に接続してもよい。これによっても、p型コンタクト電極を介して第2層の電位が所定の基準電位となる。
【0012】
また、窒化物半導体素子をMISFETとしての基本構造にすることにより、ノーマリオフ動作、すなわち、ゲート電極にバイアスを印加しないときにソース−ドレイン間をオフ状態とする動作を、容易に実現することもできる。さらに、当該MISFETは、縦型構造であるので、集積によって大電流を容易に流すことができ、かつ、第1層の膜厚を厚くすることによって、容易に高耐圧性を確保することもできる。そのため、有効なパワーデバイスを提供することもできる。むろん、III族窒化物半導体層によって電界効果トランジスタを構成していることにより、シリコン半導体を用いたデバイスに比較して、高耐圧、高温動作、大電流密度、高速スイッチングおよび低オン抵抗といった特徴を享受することもできる。特に、高耐圧で低損失な動作が可能であるから、良好なパワーデバイスを実現することができる。
【0013】
なお、III族窒化物半導体とは、III族元素と窒素とを化合させた半導体であり、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)が代表例である。一般には、AlxInyGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)と表すことができる。
次に、このMISFETの動作について説明する。まず、ソース−ドレイン間には、ドレイン側が正となるバイアスが与えられる。このとき、第1および第2層の界面のpn接合部には、逆方向電圧が印加されることになるから、これにより、ソース−ドレイン間は遮断状態となる。この状態から、ゲート電極に対して、第2層に対して正となる所定の電圧値(ゲート閾値電圧)以上のバイアス電圧を印加すると、第2層においてゲート電極に対向する表面付近の領域(チャネル領域)に電子が誘起され、反転層(チャネル)が形成される。この反転層を介して、第1および第3層間が導通し、ソース−ドレイン間が導通することになる。こうして、ゲート電極に適切なバイアスを与えたときにソース−ドレイン間が導通する一方で、ゲート電極にバイアスを与えないときにはソース−ドレイン間が遮断状態となる。つまり、ノーマリオフ動作が実現される。
【0014】
また、請求項2記載の発明は、前記第3層形成工程後に、前記第3層を貫通して前記p型コンタクト電極に到達するコンタクトホールを形成するコンタクトホール形成工程をさらに含む、請求項1に記載の窒化物半導体素子の製造方法である。
この方法によれば、第3層が形成された後、第3層を貫通してp型コンタクト電極に到達するコンタクトホールが形成される。そのため、このコンタクトホールにソース電極を埋め込むことによって、ソース電極とp型コンタクト電極とをオーミック接触させることができる。
【0015】
また、請求項3記載の発明は、前記第1、第2および第3層に跨る壁面を形成する壁面形成工程と、前記壁面に沿ってゲート絶縁膜を形成するゲート絶縁膜形成工程と、前記ゲート絶縁膜を挟んで前記第2層に対向するように、ゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、を含む、請求項1または2に記載の窒化物半導体素子の製造方法である。
この方法により、上述した構成のMISFETを得ることができる。
【0016】
また、請求項4記載の発明は、前記第1、第2および第3層に跨る壁面を形成する壁面形成工程と、前記壁面形成工程によって露出した前記第2層の半導体表面部に、前記第2層とは伝導特性の異なる第4層を形成する第4層形成工程と、前記第4層に接するようにゲート絶縁膜を形成するゲート絶縁膜形成工程と、前記ゲート絶縁膜を挟んで前記第4層に対向するように、ゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、を含む、請求項1または2に記載の窒化物半導体素子の製造方法である。
【0017】
この方法によれば、第1、第2および第3層に跨る壁面が形成され、この壁面形成によって露出した第2層の半導体表面部に、第2層とは伝導特性の異なる領域である第4層が形成される。そして、この第4層に接するようにゲート絶縁膜が形成され、ゲート絶縁膜を挟んで第4層に対向するようにゲート電極が形成される。
これによって、上述した構成のMISFETの動作時において、反転層(チャネル)が形成される領域が第4層となる。そのため、この第4層が、たとえば第2層のアクセプタ濃度より低いアクセプタ濃度を有するp型半導体であると、反転層が形成される領域の伝導特性が第2層の伝導特性と同じである場合と比較して、反転層を形成するために必要なゲート電圧値を低く抑えることができる。リーチスルーブレークダウンの電圧値を決定する因子は第2層のアクセプタ濃度であるから、結果としてトランジスタの高耐圧性を確保しつつ、ゲート閾値電圧を小さくでき、良好なパワーデバイスを実現することができる。
【0018】
なお、第4層は、上記した第2層のアクセプタ濃度より低いアクセプタ濃度を有するp型半導体であってもよいし、たとえば、n型半導体、i型半導体、ならびにn型不純物およびp型不純物を含む半導体のうちのいずれかであってもよい。第4層をn型半導体とする場合には、電界効果トランジスタのノーマリオフ動作を実現するため、n型不純物の濃度を適宜制御することができる。
【0019】
さらに、請求項5記載の発明は、前記第3層形成工程は、前記p型コンタクト電極の融点未満の温度でn型のIII族窒化物半導体を成長させる工程を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の窒化物半導体素子の製造方法である。
この方法によれば、n型のIII族窒化物半導体がp型コンタクト電極の融点未満の温度で成長させられるので、第3層形成時における熱によって、p型コンタクト電極が溶解することを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の製造方法により製造される電界効果トランジスタの構造を説明するための図解的な断面図であって、第1の構造を示す図である。
この電界効果トランジスタ(窒化物半導体素子)は、基板12と、この基板12の上に成長させられたGaN化合物半導体層からなる窒化物半導体積層構造部1を備えている。
【0021】
基板12としては、たとえば、サファイア基板などの絶縁性基板や、GaN基板、ZnO基板、Si基板、GaAs基板およびSiC基板などの導電性基板を適用することができる。
窒化物半導体積層構造部1は、n型GaN層2(第1層)と、p型GaN層3(第2層)と、n型GaN層4(第3層)とを備え、これら各GaN層は、この順に積層されている。なお、n型GaN層2、p型GaN層3およびn型GaN層4は、III族元素と窒素とを化合させたIII族窒化物半導体であれば、GaN化合物に限られず、たとえば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)など、一般に、AlxInyGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)と表すことができる窒化物半導体であればよい。
【0022】
窒化物半導体積層構造部1は、断面台形(メサ形状)となるようにn型GaN層4からn型GaN層2が露出する深さまで積層界面を横切る方向にエッチングされている。そして、n型GaN層2は、窒化物半導体積層構造部1の両側から、窒化物半導体積層構造部1の積層界面に沿う横方向(以下、この方向を「幅方向」とする。)に引き出された引き出し部5を有している。この引き出し部5の表面にドレイン電極6が接触して形成されている。すなわち、窒化物半導体積層構造部1から幅方向に引き出された引き出し部5は、この実施形態では、n型GaN層2の延長部で構成されている。
【0023】
一方、窒化物半導体積層構造部1の幅方向中間付近には、引き出し部5が形成されるにともない、n型GaN層2、p型GaN層3およびn型GaN層4に跨る壁面7が形成されている。
p型GaN層3における壁面7付近の領域10(第4層)は、p型GaN層3とは異なる伝導特性を有する半導体、たとえば、p型GaN層3のアクセプタ濃度より低いアクセプタ濃度を有するp-型半導体からなる。また、領域10の、壁面7と直交する方向における厚みは、たとえば、数nm〜100nmである。なお、領域10は、p型GaN層3とは異なる伝導特性を有する半導体であれば、p-型半導体に限られず、たとえば、n型不純物を含むn型半導体、不純物をほとんど含まないi型半導体、n型およびp型の不純物を含む半導体などであってもよい。この領域10の表面近傍には、ゲート電極9に適切なバイアス電圧が与えられることにより、n型GaN層2、4間を電気的に導通させる反転層(チャネル)が形成される。
【0024】
また、窒化物半導体積層構造部1には、コンタクトホール14が形成されている。コンタクトホール14は、n型GaN層4からp型GaN層3に至る深さにまで形成されている。そして、このコンタクトホール14には、コンタクト電極15と、ソース電極11とが埋め込まれている。
コンタクト電極15は、この実施形態では、コンタクトホール14の底部からn型GaN層4の層厚略中央の高さにまで埋め込まれており、コンタクトホール14の底部に埋め込まれた下側コンタクト電極16と、この下側コンタクト電極16の上に埋め込まれた上側コンタクト電極17とを接合して構成されている。
【0025】
下側コンタクト電極16は、p型GaN層3との間にオーミック接合を形成することができる材料、たとえば、PdまたはNiを含む金属材料で構成されている。より具体的には、Pd−Au合金、Pd−Ti−Au合金、Pd−Pt−Au合金、Ni−Au合金などで構成することができる。これらの金属は、p型GaN層3に対するコンタクト抵抗が低いので、下側コンタクト電極16をこれらの金属材料で構成することにより、p型GaN層3におけるコンタクトホール14の底面において、下側コンタクト電極16をp型GaN層3に良好にオーミック接触させることができる。
【0026】
上側コンタクト電極17は、ドライエッチングに対する耐性を有する材料、より具体的には、ドライエッチングによってエッチングされ難い(エッチングレートが低い)材料、たとえば、Auなどの金属材料で構成されている。上側コンタクト電極17がこれらの金属材料で構成されていれば、後述する製造工程において、コンタクトホール14をドライエッチングで形成する際、この上側コンタクト電極17で自動的にエッチングを停止(エッチングストップ)させることができると共に、ドライエッチングでコンタクト電極15(上側コンタクト電極17)が侵食されることを抑制することもできる。
【0027】
ソース電極11は、この実施形態では、n型GaN層4の層厚途中からコンタクトホール14内を埋め尽くし、さらに、当該n型GaN層4の上面におけるコンタクトホール14の縁部を覆った状態で設けられている。これによって、ソース電極11は、その底面が上側コンタクト電極17の上面と接合されていて、ソース電極11とコンタクト電極15(上側コンタクト電極17)とは、互いに電気的に接続(短絡)されている。また、ソース電極11は、n型GaN層4の上面と接合されていて、ソース電極11とn型GaN層4とは、互いに電気的に接続(オーミック接触)されている。
【0028】
また、窒化物半導体積層構造部1には、n型GaN層2の上面におけるドレイン電極6が形成されている領域を除く領域およびn型GaN層4の上面におけるソース電極11が形成されている領域を除く領域に接するようにゲート絶縁膜8が形成されている。さらに、このゲート絶縁膜8の上には、ゲート絶縁膜8を挟んで領域10に対向するようにゲート電極9が形成されている。
【0029】
窒化物半導体積層構造部1は、基板12の上に、たとえば、いわゆるMOCVD成長(Metal Oxide Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相成長)によって形成されている。
たとえば、主面がc面(0001)の基板12を用いると、この基板12の上にエピタキシャル成長によって成長させられる窒化物半導体積層構造部1、すなわち、n型GaN層2、p型GaN層3およびn型GaN層4は、やはりc面(0001)を主面として積層されることになる。また、断面台形(メサ形状)の窒化物半導体積層構造部1の壁面7の面方位は、たとえば、c面(0001)に対して15°〜90°の範囲で傾斜した面(c面以外の面)である。より具体的には、たとえば、(10-13)、(10-11)、(11-22)などのセミポーラ面となる。このように、壁面7を、c面(0001)に対して傾斜した面、つまり、分極方向に対して斜めに交差する面とすることにより、p型GaN層3とゲート絶縁膜8との界面付近における、p型GaN層3の自然分極に起因する余計な分極電荷の発生を抑制することができる。
【0030】
ゲート絶縁膜8は、たとえば、酸化物または窒化物を用いて構成することができる。より具体的には、酸化シリコン(SiO2)、酸化ガリウム(Ga23)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化スカンジウム(Sc23)および窒化シリコン(SiN)などを用いて構成することができ、とりわけ、酸化シリコン(SiO2)、酸化ガリウム(Ga23)、またはこれらの両方を用いて構成することが好ましい。
【0031】
ゲート電極9としては、たとえば、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、ニッケル−金合金(Ni−Au合金)、ニッケル−チタン−金合金(Ni−Ti−Au合金)、パラジウム−金合金(Pd−Au合金)、パラジウム−チタン−金合金(Pd−Ti−Au合金)、パラジウム−白金−金合金(Pd−Pt−Au合金)、ポリシリコンなどの導電性材料を適用することができる。
【0032】
ドレイン電極6は、少なくともAlを含む金属で構成することが好ましく、たとえば、Ti−Al合金で構成することができる。ソース電極11もドレイン電極6と同様に、Alを含む金属で構成することが好ましく、たとえば、Ti−Al合金で構成することができる。Alを含む金属でドレイン電極6およびソース電極11を構成しておくことにより、配線層(図示せず)との良好なコンタクトをとることができる。その他、ドレイン電極6およびソース電極11は、各n型GaN層2および4とオーミック接合を形成できる材料であれば、MoもしくはMo化合物(たとえば、モリブデンシリサイド)、TiもしくはTi化合物(たとえば、チタンシリサイド)、またはWもしくはW化合物(たとえば、タングステンシリサイド)で構成してもよい。
【0033】
次に上記の電界効果トランジスタの動作について説明する。
ソース電極11とドレイン電極6との間には、ドレイン電極6側が正となるバイアス電圧が与えられる。これにより、n型GaN層2とp型GaN層3との界面のpn接合には逆方向電圧が与えられ、その結果、n型GaN層4とn型GaN層2との間、すなわち、ソース−ドレイン間は、遮断状態となる。この状態から、ゲート電極9に対して、領域10に対して正となる所定の電圧値(ゲート閾値電圧)以上のバイアス電圧を印加すると、領域10の表面近傍に電子が誘起されて、反転層(チャネル)が形成される。この反転層を介して、n型GaN層2とn型GaN層4との間が導通する。
【0034】
こうして、ソース−ドレイン間が導通することになる。このとき、領域10がp型GaN層3よりアクセプタ濃度の低いp-型半導体からなるため、より低いゲート閾値電圧で領域10に電子を誘起させることができる。領域10のp型不純物濃度を適切に定めておけば、ゲート電極9に適切なバイアスを与えたときにソース−ドレイン間が導通する一方で、ゲート電極9にバイアスを与えないときにはソース−ドレイン間が遮断状態となる。つまり、ノーマリオフ動作が実現される。
【0035】
図2A〜図2Hは、この発明の電界効果トランジスタの製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。
この電界効果トランジスタの製造に際しては、まず、図2Aに示すように、基板12の上に、たとえば、MOCVD成長法によって、順に、n型のIII族窒化物半導体およびp型のIII族窒化物半導体が成長させられる(第1層形成工程および第2層形成工程)。こうして、基板12上に、n型GaN層2およびp型GaN層3が形成される。
【0036】
なお、n型のIII族窒化物半導体を成長させるときのn型不純物としては、たとえばSiを用いればよい。また、p型のIII族窒化物半導体を成長させるときのp型不純物としては、たとえば、Mg、Cなどを用いればよい。また、n型GaN層2およびp型GaN層3を形成するための成長法としては、液相エピタキシャル成長法(LPE法)、気相エピタキシャル成長法(VPE法)または分子線エピタキシャル成長法(MBE法)のいずれの方法が適用されてもよい。
【0037】
次に、図2Bに示すように、p型GaN層3の上にコンタクト電極15が形成される(コンタクト電極形成工程)。コンタクト電極15の形成は、たとえば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法など公知の蒸着方法により行なわれる。
たとえば、下側コンタクト電極16をPd−Au合金で構成し、上側コンタクト電極17をAuで構成する場合について、より具体的に説明すると、まず、p型GaN層3が形成された基板12が、真空蒸着装置のチャンバー内に入れられる。次いで、基板12と坩堝などの容器に入れられた蒸発源(PdおよびAu)との間に、コンタクト電極15を形成すべき領域に開口部を有するメタルマスク(図示せず)が設置され、各蒸発源(PdおよびAu)が、フィラメントや電子線によって加熱されると共に、蒸発源と基板12との間に設けられたシャッターが開けられる。これによって、PdおよびAuがメタルマスクの開口部を介してp型GaN層3上に蒸着されて、Pd−Au合金からなる下側コンタクト電極16が形成される。下側コンタクト電極16が形成された後には、Pdと基板12との間のシャッターのみが閉じられ、Auのみがp型GaN層3上に蒸着されて、Auからなる上側コンタクト電極17が形成される。
【0038】
次いで、図2Cに示すように、p型GaN層3からコンタクト電極15上に至る領域に、n型GaN層4が積層される(第3層形成工程)。n型GaN層4の形成は、たとえば、コンタクト電極15の融点未満の温度でn型のIII族窒化物半導体を成長させることにより行なわれる。このような温度でn型のIII族窒化物半導体を成長させれば、n型GaN層4の形成時に発生する熱によって、コンタクト電極15が溶解することを防止することができる。
【0039】
n型のIII族窒化物半導体を成長させる方法としては、たとえば、分子線エピタキシャル成長法(MBE法)、パルスレーザーデポジション法(PLD法)など、公知の成長方法を例示でき、分子線エピタキシャル成長法(MBE法)の方が好ましい。
成長温度としては、たとえば、下側コンタクト電極16がPd−Au合金(融点:約1060℃)、上側コンタクト電極17がAu(融点:約1060℃)であれば、n型のIII族窒化物半導体を、室温〜900℃の範囲で成長させることが好ましい。
【0040】
n型GaN層4が形成された後には、図2Dに示すように、c面(0001)に対して15°〜90°の範囲で傾斜した面方位を有する壁面7が切り出されるように、窒化物半導体積層構造部1がストライプ状にエッチングされる(壁面形成工程)。これにより、n型GaN層4から、p型GaN層3を貫通して、n型GaN層2の層厚中間部に至る断面台形(メサ形状)の溝13が形成されて、基板12上に、複数本(図2Dでは2本のみ示す)の窒化物半導体積層構造部1がストライプ状に整形されると共に、n型GaN層2の延長部からなる引き出し部5、ならびに、n型GaN層2、p型GaN層3およびn型GaN層4からなる壁面7が同時に形成される。
【0041】
溝13の形成は、たとえば、塩素系ガスを用いたドライエッチング(異方性エッチング)によって行なうことができる。さらに、その後必要に応じて、ドライエッチングによってダメージを受けた溝13内の壁面7を改善するためのウェットエッチング処理を行なってもよい。ウェットエッチングには、水酸化カリウム(KOH)やアンモニア水などを用いることが好ましい。これにより、ダメージを受けた壁面7の表層が除去され、ダメージの少ない壁面7を得ることができる。壁面7のダメージを低減しておくことにより、領域10の結晶状態を良好に保つことができ、また、壁面7とゲート絶縁膜8との界面を良好な界面とすることができるので、界面準位を低減することができる。これにより、チャネル抵抗を低減することができると共に、リーク電流を抑制することができる。なお、ウェットエッチング処理に代えて、低ダメージのドライエッチング処理を適用することもできる。
【0042】
次いで、窒化物半導体積層構造部1上に、たとえば、ECR(電子サイクロトロン共鳴)スパッタ法によりゲート絶縁膜8が形成される。ECRスパッタ法によるゲート絶縁膜8の形成に際しては、まず、窒化物半導体積層構造部1が形成された基板12が、ECR成膜装置に入れられ、たとえば、30eV程度のエネルギーを有するAr+プラズマが数秒間照射される。このAr+プラズマが照射されることにより、図2Eに示すように、p型GaN層3における壁面7付近の領域(第2層の半導体表面部)が変質してp型GaN層3とは異なる伝導特性を有する、たとえばp型GaN層3よりアクセプタ濃度の低いp-型半導体の領域10が形成される(第4層形成工程)。
【0043】
その後は、図2Fに示すように、窒化物半導体積層構造部1の全面を覆う絶縁膜18(酸化シリコン、酸化ガリウムなど)が形成される。そして、絶縁膜18が形成された後、図2Gに示すように、絶縁膜18の不要部分(ゲート絶縁膜8以外の部分)がエッチングにより除去されることにより、ゲート絶縁膜8が形成される(ゲート絶縁膜形成工程)。さらに、絶縁膜18をエッチングすることにより露出したn型GaN層4の上面から、n型GaN層4を貫通してコンタクト電極15(上側コンタクト電極17)に到達するコンタクトホール14が形成される(トレンチ形成工程)。
【0044】
コンタクトホール14の形成は、たとえば、溝13の形成と同様に、塩素系ガスを用いたドライエッチング(異方性エッチング)によって行なうことができる。このとき、上側コンタクト電極17が、ドライエッチングに対する耐性を有する材料(たとえば、Auなど)で構成されているので、ドライエッチングは、上側コンタクト電極17で自動的に停止(エッチングストップ)する。さらに、ドライエッチングによって、コンタクト電極15(上側コンタクト電極17)が侵食されることを抑制することもできる。なお、ドライエッチング後、必要に応じて、ドライエッチングによってダメージを受けたコンタクトホール14の内壁面を改善するためのウェットエッチング処理を行なってもよい。ウェットエッチング処理を施し、コンタクトホール14の内壁面のダメージを低減しておくことにより、n型GaN層4に対してソース電極11を良好にオーミック接触させることができる。
【0045】
続いて、基板12が真空蒸着装置に入れられ、コンタクト電極15の形成方法と同様の方法により、ゲート電極9、ドレイン電極6およびソース電極11の材料として用いられる蒸発源(たとえば、白金、アルミニウムなど)が蒸着される。これにより、図2Hに示すように、ゲート絶縁膜8を挟んで領域10と対向するゲート電極9が、引き出し部5(n型GaN層2の延長部)の上面に接触するようにドレイン電極6が、それぞれ形成される。また、コンタクトホール14内およびn型GaN層4の表面におけるコンタクトホール14の縁部には、ソース電極11が形成される。
【0046】
以上により、図1に示す構造の電界効果トランジスタを得ることができる。
なお、上記の製造方法では、ゲート絶縁膜8をECRスパッタ法により形成したが、ECRスパッタ法に限らず、たとえば、マグネトロンスパッタ法によりゲート絶縁膜8の形成を行なう形成方法がある。また、ゲート絶縁膜8の形成方法や形成条件によっては、ゲート絶縁膜8の形成に際して、p型GaN層3における壁面7に、たとえば、n型不純物である酸素がイオンインプランテーションされるため、ゲート絶縁膜8の形成時においても、p型GaN層3における壁面7付近の領域が変質する。つまり、領域10を形成する工程とゲート絶縁膜8を形成する工程とが同時に並行して行なわれる。
【0047】
さらに、領域10は、たとえば、図2Dに示す窒化物半導体積層構造部1が形成された後、n型GaN層2、p型GaN層3およびn型GaN層4の表面から、たとえば、n型不純物を含むGaN層がエピタキシャル成長させられることにより形成されてもよい。
また、ゲート絶縁膜8の形成工程とは別に、p型GaN層3における壁面7の領域にプラズマや電子線を照射する工程や、p型GaN層3における壁面7の領域にイオンインプランテーションする工程をさらに設けてもよい。これらの工程によって、p型GaN層3における壁面7付近の領域を変質させて、n型半導体からなる領域10を形成することができる。
【0048】
また、窒化物半導体積層構造部1は、少なくともn型のIII族窒化物半導体層、p型のIII族窒化物半導体層および、n型のIII族窒化物半導体層を備えていればよく、たとえば、n型GaN層2、p型GaN層3およびn型GaN層4に加え、基板12とn型GaN層2との間にi型GaN層などが接触して形成される構成であってもよい。
また、図1においては、p型GaN層3における壁面7にのみ、領域10が示されているが、実際にはn型GaN層2やn型GaN層4における壁面7にも変質領域が形成されている。ただ、これらn型GaN層2やn型GaN層4における壁面7に変質領域が形成されても、デバイスとしての効果に変化がないので、図1では変質領域を省略している。
【0049】
さらに、基板12上にストライプ状に形成された複数の窒化物半導体積層構造部1は、それぞれ単位セルを形成している。複数の窒化物半導体積層構造部1のゲート電極9、ドレイン電極6およびソース電極11は、それぞれ、図示しない位置で共通接続されている。ドレイン電極6は、隣接する窒化物半導体積層構造部1間で共有することができる。
以上のように、この実施形態によれば、n型GaN層2およびp型GaN層3が形成された後、n型GaN層4が形成される前にコンタクト電極15が形成される。p型GaN層3が形成された段階では、p型GaN層3の表面は、たとえば、ドライエッチングによる侵食などによって粗面化されていることがないので、この表面に形成されたコンタクト電極15とp型GaN層3とを良好にオーミック接触させることができる。とくに、この実施形態では、コンタクト電極15のp型GaN層3と接する部分が、p型GaN層3との間にオーミック接合を形成することができる材料からなる下側コンタクト電極16であるので、コンタクト電極15(下側コンタクト電極16)をp型GaN層3に対し、より良好にオーミック接触させることができる。
【0050】
そして、得られた電界効果トランジスタにおいては、下側コンタクト電極16に接合された上側コンタクト電極17が、コンタクトホール14内においてソース電極11と互いに電気的に接続されている。そのため、ソース電極11を所定の基準電位(たとえば、グランド電位)に接続することにより、このソース電極11に接続されたコンタクト電極15を介して、p型GaN層3の電位が所定の基準電位となる。このように、p型GaN層3の電位を所定の基準電位に安定させることができるので、ゲート閾値電圧の変動を抑制することができる。その結果、ゲート閾値電圧の変動に起因して電界効果トランジスタ内にリーク電流が流れることを防止することができる。すなわち、ゲート閾値電圧制御性を向上させることができる。
【0051】
また、p型GaN層3における壁面7に露出した表面に形成した領域10に接するようにゲート絶縁膜8を形成する構造を採用することにより、反転層の形成に必要なゲート電圧値を小さくすることができる。その結果、リーチスルーブレークダウンが起こらないようにp型GaN層3のアクセプタ濃度を高くしたまま、ゲート閾値電圧を下げ、良好なトランジスタ動作を行なうことができ、良好なパワーデバイスを実現することができる。
【0052】
また、p型GaN層3の代わりに、InGaNやAlInGaNなどのInを含むp型窒化物半導体層を用いれば、このp型窒化物半導体層のバンドギャップエネルギーを小さくすることができ、p型窒化物半導体層のコンタクト抵抗を低くすることができる。その結果、p型窒化物半導体層に対してコンタクト電極15(下側コンタクト電極16)を良好にオーミック接触させることができる。たとえば、ドライエッチングによるコンタクトホール14の形成後、ウェットエッチング処理が行なわれず、コンタクトホール14の内壁面がダメージを受けている場合においても、そのダメージを受けたコンタクトホール14の内壁面に対して、コンタクト電極15を良好にオーミック接触させることができる。
【0053】
さらに、領域10の不純物濃度と膜厚の制御によってノーマリオフ動作が可能であり、n型GaN層2、p型GaN層3およびn型GaN層4を積層した縦型のトランジスタ構造なので、集積によって大電流を流すことができ、かつ、高耐圧の電界効果トランジスタを実現することもできる。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明はさらに他の実施形態で実施することもできる。
【0054】
たとえば、上述の実施形態では、下側コンタクト電極16は、p型GaN層3に対するコンタクト抵抗の低い金属(たとえば、Pd−Au合金、Pd−Ti−Au合金、Pd−Pt−Au合金、Ni−Au合金など)で構成されることにより、p型GaN層3にオーミック接触していたが、たとえば、上記例示した以外の金属(たとえば、Alなど)で構成され、電界効果トランジスタの製造工程においてp型GaN層3上に形成された後、アニール処理され、p型GaN層3との界面がアロイ化されることによっても、p型GaN層3にオーミック接触することができる。
【0055】
また、上述の実施形態では、コンタクト電極15は、下側コンタクト電極16および上側コンタクト電極17が互いに接合されることによって構成されているとしたが、たとえば、上側コンタクト電極17を設けず、p型GaN層3に対するコンタクト抵抗が低い下側コンタクト電極16単独でコンタクト電極15としてもよい。
また、上述の実施形態では、n型GaN層4で覆われたコンタクト電極15(上側コンタクト電極17)を露出させるためにコンタクトホール14を形成したが、n型GaN層4は、コンタクト電極15(上側コンタクト電極17)の上に規則的に積層しない場合があるため、n型GaN層4が積層された段階で、コンタクト電極15(上側コンタクト電極17)が露出している場合がある。その場合には、別途コンタクトホール14を形成しなくてもよく、その露出したコンタクト電極15(上側コンタクト電極17)に接触するように、ソース電極11を形成すればよい。
【0056】
また、上述の実施形態では、壁面7は、(10-13)、(10-11)、(11-22)などのセミポーラ面となるように形成されているとしたが、図3に示すように、たとえば、m面(10-10)またはa面(11-20)などの非極性面となるように形成されてもよい。
また、上述の実施形態では、ドレイン電極6は、引き出し部5の表面に接触して形成されているとしたが、たとえば、基板12として導電性基板を適用し、この導電性基板の窒化物半導体積層構造部1が形成された表面と反対側の表面全域を覆うように、接触して形成されてもよい。また、電界効果トランジスタの製造工程において、基板12を、たとえば、レーザリフトオフ法、CMP(化学的機械的研磨)処理、エッチング処理などの方法によって除去し、この除去によって露出したn型GaN層2の表面全域を覆うように、接触して形成されてもよい。
【0057】
さらに、上述の実施形態では、ソース電極11およびドレイン電極6は、各n型GaN層(2、4)に接触して形成されるとしたが、各n型GaN層(2、4)と導通していれば接触していなくてもよく、たとえば、ソース電極11およびドレイン電極6と各n型GaN層(2、4)との間にさらにGaN層を介在させてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】この発明の製造方法により製造される電界効果トランジスタの構造を説明するための図解的な断面図であって、第1の構造を示す図である。
【図2A】この発明の電界効果トランジスタの製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。
【図2B】この発明の電界効果トランジスタの製造方法を工程順に示す図解的な断面図であって、図2Aの次の工程を示す図である。
【図2C】この発明の電界効果トランジスタの製造方法を工程順に示す図解的な断面図であって、図2Bの次の工程を示す図である。
【図2D】この発明の電界効果トランジスタの製造方法を工程順に示す図解的な断面図であって、図2Cの次の工程を示す図である。
【図2E】この発明の電界効果トランジスタの製造方法を工程順に示す図解的な断面図であって、図2Dの次の工程を示す図である。
【図2F】この発明の電界効果トランジスタの製造方法を工程順に示す図解的な断面図であって、図2Eの次の工程を示す図である。
【図2G】この発明の電界効果トランジスタの製造方法を工程順に示す図解的な断面図であって、図2Fの次の工程を示す図である。
【図2H】この発明の電界効果トランジスタの製造方法を工程順に示す図解的な断面図であって、図2Gの次の工程を示す図である。
【図3】この発明の製造方法により製造される電界効果トランジスタの構造を説明するための図解的な断面図であって、第2の構造を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
2 n型GaN層
3 p型GaN層
4 n型GaN層
7 壁面
8 ゲート絶縁膜
9 ゲート電極
10 領域
14 コンタクトホール
15 コンタクト電極
16 下側コンタクト電極
17 上側コンタクト電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
III族窒化物半導体からなる、n型の第1層を形成する第1層形成工程と、
前記第1層上に、III族窒化物半導体からなる、p型不純物を含む第2層を積層する第2層形成工程と、
前記第2層上に、p型コンタクト電極を形成するp型コンタクト電極形成工程と、
前記p型コンタクト電極形成工程後に、前記第2層上に、III族窒化物半導体からなるn型の第3層を積層する第3層形成工程と、を含む、窒化物半導体素子の製造方法。
【請求項2】
前記第3層形成工程後に、前記第3層を貫通して前記p型コンタクト電極に到達するコンタクトホールを形成するコンタクトホール形成工程をさらに含む、請求項1に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
【請求項3】
前記第1、第2および第3層に跨る壁面を形成する壁面形成工程と、
前記壁面に沿ってゲート絶縁膜を形成するゲート絶縁膜形成工程と、
前記ゲート絶縁膜を挟んで前記第2層に対向するように、ゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、を含む、請求項1または2に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
【請求項4】
前記第1、第2および第3層に跨る壁面を形成する壁面形成工程と、
前記壁面形成工程によって露出した前記第2層の半導体表面部に、前記第2層とは伝導特性の異なる第4層を形成する第4層形成工程と、
前記第4層に接するようにゲート絶縁膜を形成するゲート絶縁膜形成工程と、
前記ゲート絶縁膜を挟んで前記第4層に対向するように、ゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、を含む、請求項1または2に記載の窒化物半導体素子の製造方法。
【請求項5】
前記第3層形成工程は、前記p型コンタクト電極の融点未満の温度でn型のIII族窒化物半導体を成長させる工程を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の窒化物半導体素子の製造方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図2H】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−205175(P2008−205175A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−39341(P2007−39341)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】