説明

半導体装置および半導体装置の製造方法

【課題】半導体基板とは格子定数の異なる半導体層からチャネル部に対して効果的に応力を印加することが可能でこれによりキャリア移動度の向上を図り高機能化の達成が可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体基板3上にゲート絶縁膜5を介して設けられたゲート電極7と、ゲート電極7の両脇において半導体基板3の表面を掘り下げた部分にエピタキシャル成長によって形成された半導体層(応力印加層)9とを備えた半導体装置1において、半導体層9は、半導体基板3とは格子定数の異なる層であり、ゲート絶縁膜5およびゲート電極7は、半導体層9間において半導体基板3の表面を掘り下げた部分を埋め込む状態で設けられている。半導体基板3の表面に対するゲート絶縁膜5の深さ位置d2は、半導体層9の深さ位置d1よりも浅いこととする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、特には電界効果型トランジスタ構造の半導体装置において、半導体基板におけるチャネル部に応力を印加することによってキャリア移動度を向上させる技術を適用した半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【背景技術】
【0002】
電界効果型トランジスタを用いた集積回路の微細化は、高速化・低消費電力化・低価格化・小型化など様々な利点があることから絶え間なく進歩し、今日では100nmを切るゲート長を有するトランジスタの形成が可能となっている。さらにITRS(International Technology Roadmap for Semiconductors)のロードマップ上では、32nmノードと呼ばれているトランジスタにおいて20nm以下のゲート長が予想されている。
【0003】
また、ゲート長の縮小のみでなくデバイス構造そのものの縮小化(スケーリング)も進められている。しかしながら、ゲート長がサブミクロン領域から100nmを切る領域では、ゲートリーク電流の抑制の観点から、従来からゲート絶縁膜として用いられている酸化シリコン(SiO2)系絶縁膜の物理膜厚が限界になってきている。
【0004】
そこで、ゲート絶縁膜の実効膜厚を下げる方法として、酸化ハフニウム系の高誘電率(High−K)絶縁膜をゲート絶縁膜として用いることでゲート絶縁膜の誘電率を上げる方法、さらには金属材料を用いることでゲート電極の空乏化を抑制する方法などが検討されている。
【0005】
このうちゲート電極の空乏化を抑制する方法では、ゲート電極用の金属材料としてタングステン(W)、チテタン(Ti)、ハフニウム(Hf)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)などを用いることが検討されている。しかしながら、これらの金属材料は、高温の熱処理が加わるとゲート絶縁膜などと反応し、ゲート絶縁膜の劣化やトランジスタのしきい値電圧の変化を引き起こす問題が発生する。このため、ゲート電極を形成した後に、ソース・ドレイ領域などの不純物拡散層を形成する従来プロセスでは、不純物の活性化熱処理において上記の問題が引き起こされてしまう。
【0006】
このような金属材料からなるゲート電極の問題を解決するために、ソース・ドレイン領域を形成した後に、ゲート電極を形成するダマシンゲートプロセスが提案されている(下記特許文献1,2参照)。ダマシンゲートプロセスにおいては、ダミーゲートを形成した状態で、先ずソース・ドレイン領域を形成する。その後、ダミーゲートを覆う層間絶縁膜を形成し、これを研磨してダミーゲートを露出させてエッチング除去し、除去した部分に新たなゲート絶縁膜およびゲート電極を形成する方法である。この方法によれば、ソース・ドレイン領域の形成における不純物の活性化熱処理の影響が、ゲート電極に及ぶことを防止できる。
【0007】
一方、シリコン基板におけるチャネル部に応力を印加することにより、チャネル部のキャリア移動度を増加させる手法が積極的に利用されている。このような技術の一つに、ソース/ドレイン(S/D)として、シリコン(Si)と格子定数の異なるシリコンゲルマニウム(SiGe)や炭化シリコン(SiC)からなる半導体層をエピタキシャル成長によって形成することでチャネル部に応力を印加する技術が提案されている(例えば、下記特許文献3および非特許文献1参照)。
【0008】
この場合、先ず図20(1)に示すように、シリコン基板101の表面側に素子分離領域102を形成した後、ゲート絶縁膜103を介してゲート電極104を形成する。ゲート電極104上にはストッパ層105を形成しておく。また、これらの側壁に絶縁性のサイドウォール106を形成する。次に図20(2)に示すように、ストッパ層105およびサイドウォール106をマスクにして、シリコン基板101の表面層を掘り下げる。次いで図20(3)に示すように、掘り下げられたシリコン基板101の露出面に、Siとは格子定数の異なる半導体層107をエピタキシャル成長させる。半導体層107の形成後にはサイドウォール106を除去する。次いで図20(4)に示すように、ストッパ層105をマスクにして、ソース・ドレイン領域のエクステンション108を形成するためのイオン注入を行う。次に図20(5)に示すように再びサイドウォール109を形成し、これらをマスクにして、半導体層107にソース/ドレイン領域を形成するためのイオン注入を行う。そして、イオン注入によって導入した不純物の活性化熱処理を行う。
【0009】
以上のようにして作製された半導体装置113においては、ゲート電極下のチャネル部chに対して半導体層107からの応力が加えられる。この際、図21(a)に示すように、半導体装置113がpチャンネル型のMOSトランジスタであれば、半導体層107として、Siよりも格子定数の大きなSiGeをエピタキシャル成長させる。これにより、チャネル部chに圧縮応力が印加されてキャリア(正孔)の移動度を向上させることができる。一方、図21(b)に示すように、半導体装置113がnチャンネル型のMOSトランジスタであれば、半導体層107として、Siよりも格子定数の小さなSiCをエピタキシャル成長させる。これにより、チャネル部分chに引っ張り応力が印加されてキャリア(電子)の移動度を向上させることができる。
【0010】
【特許文献1】特開2000−315789号公報
【特許文献2】特開2005−26707号公報
【特許文献3】特開2006−186240号公報
【非特許文献1】「IEDM2003 Technical Digest」、T. Ghani他、“A 90nm High Volume Manufacturing Logic Technology Featuring Novel 45nm Gate Length Strained Silicon CMOS Transistors”、(米)、2003年、p.987
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、図20および図21を用いて説明したようなチャネル部chに応力を印加する技術においては、半導体層107からチャネル部chに印加される応力が、チャネル部の上方に設けられたゲート電極104からの反作用により弱められてしまう。このため、半導体層107からの応力が、チャネル部chに対して効果的に印加できておらず、キャリア移動度の向上が妨げられていた。
【0012】
またこのような技術においては、半導体層107中におけるGe濃度やC濃度が高いほど、キャリア移動度を向上させる効果が高い。しかしながら、Ge濃度やC濃度が高すぎると、シリコン基板101と半導体層107との界面に欠陥が発生し、これによる応力の低下や接合リークの増加の問題が発生する。
【0013】
そこで本発明は、基板とは格子定数の異なる半導体層からチャネル部に対して効果的に応力を印加することが可能でこれによりキャリア移動度の向上を図り高機能化の達成が可能な半導体装置、およびその製造方法を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するための本発明の半導体装置は、半導体基板上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、ゲート電極下のチャネル部に応力を加えるための応力印加層とを備えている。この応力印加層は、ゲート電極の両脇における半導体基板の表面より深い位置に設けられている。また、ゲート絶縁膜およびゲート電極は、応力印加層間において半導体基板の表面を掘り下げた部分を埋め込む状態で設けられている。
【0015】
このような構成の半導体装置では、半導体基板の表面を掘り下げた部分を埋め込んでなるゲート絶縁膜およびゲート電極を設けたことにより、半導体基板の表面よりも深い位置がチャネル部となる。これにより、ゲート電極の両脇における半導体基板の表面より深い位置に設けられた応力印加層の深さ方向にわたって当該応力印加層間の半導体基板部分に印加される応力が、チャネル部に対して集約的に印加されるようになる。したがって、半導体基板の表面とほぼ同一高さにチャネル部が形成される従来構成と比較して、応力印加層からの応力をより効果的にチャネル部に対して印加することができる。
【0016】
また上記目的を達成するための本発明の半導体装置の製造方法は、以下の手順で行われることを特徴としている。先ず第1工程では、半導体基板上にダミーのゲート電極を形成し、当該ダミーのゲート電極をマスクにしたエッチングにより当該半導体基板の表面を掘り下げる。次の第2工程では、掘り下げられた半導体基板の表面に、当該半導体基板とは格子定数の異なる半導体材料からなる応力印加層をエピタキシャル成長によって形成する。その後第3工程では、ダミーのゲート電極および応力印加層を覆う状態で層間絶縁膜を成膜し、この層間絶縁膜から当該ダミーのゲート電極を露出させた後、当該ダミーのゲート電極を除去する。これにより層間絶縁膜に溝パターンを形成すると共に、半導体基板を露出させる。次いで第4工程では、溝パターンの底部に露出させた半導体基板の露出面を掘り下げる。その後第5工程では、半導体基板の露出面が掘り下げられた溝パターン内に、ゲート絶縁膜を介して新たなゲート電極を埋め込み形成する。
【0017】
このような手順によれば、第3工程において、応力印加層を形成した状態でダミーのゲート電極を除去することにより、応力印加層からダミーのゲート電極下の半導体基板部分に印加される応力が、ダミーのゲート電極からの反作用により弱められることが防止される。これにより、半導体層間の基板部分に対して、応力印加層からの応力が効果的に印加された状態となる。そして特に、次の第4工程でダミーのゲート電極下の半導体基板をさらに掘り下げることにより、第5工程でゲート絶縁膜およびゲート電極を作製した状態においては、上記応力が効果的に印加されている応力印加層間において基板の表面よりも深い位置がチャネル部となる。これにより、このチャネル部には、応力印加層の深さ方向にわたって当該半導体層間の半導体基板部分に印加される応力が、集約的に印加されるようになる。したがって、応力印加層からの応力を効果的にかつ集約させた状態でチャネル部に印加させることができる。
【0018】
また上記目的を達成するための本発明の半導体装置の製造方法の他の例は、以下の手順で行われることを特徴としている。先ず第1工程では、半導体基板の表面側を掘り下げた凹部を形成する。次の第2工程では、凹部に重ねてダミーのゲート電極を形成し、当該ゲート電極をマスクにしたエッチングにより半導体基板の表面を掘り下げる。その後第3工程では、掘り下げられた半導体基板の表面に、当該半導体基板とは格子定数の異なる半導体材料からなる応力印加層をエピタキシャル成長によって形成する。次いで第4工程では、ダミーのゲート電極および応力印加層を覆う状態で層間絶縁膜を成膜し、この層間絶縁膜から当該ダミーのゲート電極を露出させた後、当該ダミーのゲート電極を除去して半導体基板の凹部に重なる溝パターンを形成する。その後第5工程では、半導体基板の凹部を含む溝パターン内にゲート絶縁膜を介して新たなゲート電極を埋め込み形成する。
【0019】
このような手順によれば、第4工程において、応力印加層を形成した状態でダミーのゲート電極を除去することにより、応力印加層からダミーのゲート電極下の半導体基板部分に印加される応力が、ダミーのゲート電極からの反作用により弱められることが防止される。これにより、応力印加層間の基板部分に対して、応力印加層からの応力が効果的に印加された状態となる。そして次の第5工程で、半導体基板の凹部を含む溝パターン内にゲート絶縁膜を介して新たなゲート電極を形成することにより、上記応力が効果的に印加されている部分、すなわち応力印加層間において基板の表面よりも深い位置がチャネル部となる。これにより、このチャネル部には、応力印加層の深さ方向にわたって当該応力印加層間の半導体基板部分に印加される応力が、集約的に印加されるようになる。したがって、応力印加層からの応力を効果的にかつ集約させた状態でチャネル部に印加させることができる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、ゲート電極の両脇にエピタキシャル成長させた応力印加層から、より効果的にチャネル部に応力を印加することができるため、応力印加層を構成する材料濃度によらずにキャリア移動度の向上を図ることが可能になる。この結果、半導体装置の高機能化を図ることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
<半導体装置>
図1は、本発明を適用した半導体装置1の要部断面図である。この図に示す半導体装置は、電界効果型トランジスタ構成の半導体装置であり、次のように構成されている。
【0023】
すなわち、単結晶シリコンからなる半導体基板3上には、ゲート絶縁膜5を介してゲート電極7が設けられている。ゲート電極7の両脇において半導体基板3の表面を掘り下げたリセス部分には、ゲート電極7下部における半導体基板3のチャネル部chに対して応力を加えるための応力印加層として半導体層9が設けられている。この半導体層9は、次の製造方法で詳細に説明するように、半導体基板3とは格子定数が異なる半導体材料を、半導体基板3のリセス部分にエピタキシャル成長させた層であることとする。
【0024】
そして、特に本発明で特徴的な構成は、ゲート絶縁膜5およびゲート電極7が、半導体層9間において半導体基板3の表面を掘り下げたリセス部分を埋め込む状態で設けられているところにある。これにより、半導体基板3においてゲート絶縁膜5との界面側に設けられるチャネル部chが、半導体層9間において半導体基板3の表面よりも深い部分に設定された状態となる。
【0025】
そして、ゲート絶縁膜5およびゲート電極7と半導体層9との間には、半導体基板3部分が残されていることが好ましい。
【0026】
またゲート絶縁膜5およびゲート電極7は、例えばダマシンゲート構造であり、絶縁性のサイドウォール11を備えている。この構造においては、例えば半導体基板3と半導体層9とを覆う層間絶縁膜13に、サイドウォール11によって側壁が規定された溝パターン15が設けられている。この溝パターン15の底面は、さらに半導体基板3部分を掘り下げた位置に設定されている。そして、この溝パターン15の内壁を覆う状態でゲート絶縁膜5が設けられ、このゲート絶縁膜5を介してパターン15内を埋め込む状態でゲート電極7が設けられている。
【0027】
ここで、半導体基板3の表面に対して、半導体層9が設けられるリセス部分の深さを半導体層9の深さd1とする。また、半導体基板3の表面に対して、ダマシンゲート構造が設けられるリセス部分の深さ、すなわちゲート絶縁膜5の深さ位置をチャネル深さd2とする。この場合、[チャネル深さd2]<[半導体層9の深さd1]であることとする。尚、この範囲においてのチャネル深さd2の最適な深さについては、後に詳細に説明するが、チャネル部chに印加される応力が最も高くなるように、実験的に求められることとする。
【0028】
尚、ゲート絶縁膜5は、図示したように溝パターン15の底面を含む内壁の全体を覆っている構成に限定されることはない。このゲート絶縁膜5は、少なくとも半導体基板3の露出面を覆う状態で設けられていれば良い。このため、後の製造方法において詳細に説明するように、ゲート絶縁膜5は、溝パターン15の内壁上部を露出する状態で設けられていても良い。
【0029】
またゲート絶縁膜5は、物理的な膜厚を維持しつつ実効膜厚を下げるために、高誘電率(High−K)絶縁膜で構成されていることが好ましい。この場合、上述したように、溝パターン15の内壁上部を露出する状態でゲート絶縁膜5を設けた構成とすることにより、ゲート絶縁膜5に起因して、ゲート電極7rと他の電極との間に発生する寄生容量を抑えることが可能である。
【0030】
ゲート絶縁膜5を構成する誘電率絶縁膜としては、アルミニウム(Al)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ランタン(La)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)のうちから選択される少なくとも1種を含んだ酸化物、酸化珪化物、窒化酸化物、または酸化窒化珪化物からなる膜が用いられる。具体的には、HfO2,ZrO2,La23,Y23,Ta25,Al23,HfSiOx,ZrSiOx,ZrTiOx,HfAlOx,ZrAlOx,さらにはこれらの窒化物(HfSiONなど)が例示される。これらの材料の比誘電率は、組成や結晶性などによって多少の変動はあるが、例えばHfO2の比誘電率は25〜30、ZrO2の比誘電率は20〜25である。尚、ゲート絶縁膜5はシリコン酸化膜と高誘電率(High−K)絶縁膜との積層構造であっても良い。
【0031】
またゲート電極7を構成する主たる金属層は、Ti,Ru,Hf,Ir,Co,W,Mo,La,Ni,Cu,Al等の金属、またはこれら金属のSi化合物やN化合物、さらにはこれらを組み合わせて用いる。積層構造である場合には、ゲート電極の仕事関数を調整したり(しきい値電圧を調整するため)、ゲート電極の抵抗を下げるために複数の金属膜を積層しても良い。
【0032】
ここで一般的には、n型の電界効果型トランジスタであれば、ゲート電極7の仕事関数は4.6eV以下、望ましくは4.3eV以下とされる。一方p型の電界効果トランジスタであれば、ゲート電極7の仕事関数は4.6eV以上、望ましくは4.9eVとされる。そして、n型とp型とで、ゲート電極7の仕事関数の差が0.3eV以上あることが望ましいとされている。
【0033】
そこで、ゲート電極7を積層構造にしてその下層部分を仕事関数制御層とする場合、この仕事関数制御層を構成する材料としては、Ti,V,Ni,Zr,Nb,Mo,Ru,Hf,Ta,W,Pt等から成る群から構成された金属、またはこれらの金属を含む合金のなかから、適宜の仕事関数を示す材料が選択して用いられる。またこの他にも、これらの金属の化合物、例えば金属窒化物や、金属と半導体材料との化合物である金属シリサイドが用いられる。
【0034】
具体的には、n型の電界効果型トランジスタのゲート電極7であれば、Hf,Ta等から成る群から構成された金属、当該金属を含む合金、または当該の化合物が好ましく、HfSixがより好ましい。HfSiの仕事関数は、組成や結晶性によって異なるが、概ね4.1〜4.3eV程度である。
【0035】
また、p型の電界効果トランジスタのゲート電極7であれば、Ti,Mo,Ru等から成る群から構成された金属、当該金属を含む合金、または当該金属の化合物が好ましく、TiNやRuがより好ましい。TiNの仕事関数は、組成や結晶性によって異なるが、概ね4.5〜5.0eV程度である。
【0036】
以上のような構成の半導体装置1では、半導体基板3においてゲート絶縁膜5との界面側に設けられるチャネル部chが、半導体層9間において半導体基板3の表面よりも深い部分に設定された状態となる。
【0037】
これにより、半導体層9の深さ方向にわたって当該半導体層9間の半導体基板3部分に印加される応力が、半導体層9の深さ方向の中間部に位置するチャネル部chに対して集約的に印加されるようになる。したがって、半導体基板3の表面とほぼ同一高さにチャネル部が形成される従来構成と比較して、半導体層9からの応力をより効果的にチャネル部chに対して印加させることができる。
【0038】
この結果、半導体層9を構成する材料濃度によらずにキャリア移動度の向上を図ることが可能になるため、半導体装置1のさらなる高機能化を図ることが可能になる。また、同じON電流値を得ようとしたとき、応力印加源のGeやCの濃度を低下させることが出来、結晶欠陥やそれに起因するリーク電流の発生を抑制することが出来る。
【0039】
<半導体装置の製造方法−1>
図2〜図6は、本発明を適用した半導体装置の製造方法の第1例を示す断面工程図であり、図1を用いて説明した構成の半導体装置の製造方法の一例である。以下これらの図に基づいて製造方法の実施の形態を説明する。尚、図1を用いて説明したと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を行うこととする。
【0040】
先ず、図2(1)に示すように、単結晶シリコンからなる半導体基板3の表面側に、溝内を酸化シリコン膜で埋め込んでなるSTI(Shallow Trench Isoration)構造の素子分離21を形成する。
【0041】
次いで図2(2)に示すように、表面酸化などにより、酸化シリコンからなるチャネリング防止用の保護膜23を5〜10nm程度の膜厚で成膜する。その後、しきい値調整用にリン(P)、ヒ素(As)、ホウ素(B)、インジウム(In)などの不純物のイオン注入を行う。この際、nチャンネル型の電界効果トランジスタの形成領域(以下nMOS領域と記す)と、pチャンネル型の電界効果トランジスタの形成領域(以下pMOS領域と記す)とに対して、それぞれに選択された不純物のイオン注入を行う。イオン注入後には、保護膜23を除去する。
【0042】
次に図2(3)に示すように、例えば熱酸化法によって、酸化シリコンからなるダミーのゲート絶縁膜25を1〜3nm程度の膜厚で成膜する。その後、CVD法により、ポリシリコンまたはアモルファスシリコンからなるダミーのゲート電極膜27を100〜150nm程度の膜厚で成膜する。さらにこの上部にCVD法によって窒化シリコンからなるハードマスク層29を30〜100nm程度の膜厚で成膜する。
【0043】
次に、図2(4)に示すように、ハードマスク層29、ダミーのゲート電極膜27、およびダミーのゲート絶縁膜25を、ゲート電極の形状にパターンエッチングしてダミーゲート構造Aを形成する。
【0044】
このようなパターンエッチングは次のように行う。先ず、ハードマスク層29上に光リソグラフィー技術や電子ビームリソグラフィー技術を用いてゲート電極用のレジストパターンを形成する。次に、このレジストパターンをマスクにしてハードマスク層29をエッチングし、ハードマスク層29をパターニングする。その後、パターニングされたハードマスク層29上からのエッチングより、ダミーのゲート電極膜27をパターニングしてダミーのゲート電極27aとし、さらにダミーのゲート絶縁膜25をパターニングする。このパターニングは、ハードマスク層29をほとんどエッチングしないような選択比でのドライエッチングによって行うこととする。また、ダミーのゲート電極膜27のパターニングにおいては、ダミーのゲート絶縁膜25をストッパにしたエッチングを行うことにより、ダミーゲート構造Aの両脇の半導体基板3の表面にエッチングダメージが入ることを防止することが好ましい。
【0045】
以上の後には、図2(5)に示すように、ダミーゲート構造Aの側壁に、絶縁性の第1サイドウォール11-1を形成する。この場合、例えばCVD法によって成膜した膜厚1〜10nm程度の窒化シリコン膜を、ドライエッチング法を用いた異方性エッチングによりエッチバックすることにより、ダミーゲート構造の側壁のみに窒化シリコン膜を残して第1サイドウォール11-1を形成する。尚、第1サイドウォール11-1は、堆積成膜した酸化シリコン膜をエッチバックしてなるものであっても良く、さらにダミーのゲート電極27aの側壁を酸化させて形成しても良い。
【0046】
尚、この第1サイドウォール11-1は、以降に行うソース・ドレイン領域のエクステンション形成においてエクステンションの位置調整のために設けられるものであり、必要に応じて設ければ良い。したがって、この工程は必要に応じて行えば良い。
【0047】
次いで、図3(1)に示すように、第1サイドウォール11-1の外側に、後に除去される酸化シリコンからなる犠牲サイドウォール31を形成する。ここでは、CVD法による酸化シリコン膜の成膜と、その後の酸化シリコン膜のエッチバックによって犠牲サイドウォール31を形成する。尚、半導体基板3の表面側に、本発明を適用しないMOSトランジスタ(電界効果トランジスタ)を同時に形成する場合には、この領域上の酸化シリコン膜はエッチングせずにそのまま残しておくこととする。
【0048】
次に、図3(2)に示すように、ダミーゲート構造A、犠牲サイドウォール31、および素子分離21をマスクにしたドライエッチングにより、半導体基板3の表面を掘り下げるリセスエッチングを行う。ここでは、半導体基板3の表面を深さd1=50〜100nm程度にまで掘り下げる(リセスする)こととする。またこれにより、ダミーゲート構造Aの直下に対して、犠牲サイドウォール31に応じたスペースを設けて半導体基板3が掘り下げられる。
【0049】
その後、図3(3)に示すように、掘り下げられた半導体基板3の露出表面に、応力印加層として半導体基板3とは格子定数の異なる半導体層9をエピタキシャル成長によって形成する。ここでは、pMOS領域とnMOS領域とで半導体層9の作り分けを行う。
【0050】
pMOS領域であれば、半導体基板3に対して圧縮応力を加えることができるように、半導体基板3を構成する単結晶シリコンよりも格子定数が大きいSiGeからなる半導体層9をエピタキシャル成長させる。また、半導体基板3と半導体層9との界面に欠陥が生じることを防止するために、Ge濃度を15〜40%程度の範囲とする。さらに、エピタキシャル成長と同時にホウ素(B)などのp型不純物を5×1018〜5×1020個/cm3の濃度範囲で同時に半導体層9に導入しても良い。これにより半導体層9全体が、ソース・ドレイン領域として機能する。
【0051】
一方、nMOS領域であれば、半導体基板3に対して引っ張り応力を加えることができるように、半導体基板3を構成する単結晶シリコンよりも格子定数が小さいSiCからなる半導体層9をエピタキシャル成長させる。また、半導体基板3と半導体層9との界面に欠陥が生じることを防止するために、C濃度は0.5〜4%程度の範囲とする。さらに、エピタキシャル成長と同時に、リン(P)やヒ素(As)などのn型不純物を5×1018〜5×1020個/cm3の濃度範囲で半導体層9に同時に導入しても良い。これにより半導体層9全体が、ソース・ドレイン領域として機能する。
【0052】
以上のようにして半導体層9を形成した後には、酸化シリコン膜からなる犠牲サイドウォール31をフッ酸によるウェットエッチングによって除去する。
【0053】
次に、図3(4)に示すように、イオン注入によって、ソース・ドレイン領域のエクステンション35を形成するための不純物を、半導体基板3および半導体層9の表面層に導入する。この際、pMOS領域にはBやInなどのp型不純物を、nMOS領域にはAsやPなどのn型不純物を導入する。また、注入エネルギー0.5〜2keV程度、ドーズ量5×1014〜2×1015個/cm2程度でのイオン注入を行うこととする。
【0054】
次いで、図4(1)に示すように、第1サイドウォール11-1の外側に、絶縁性の第2サイドウォール11-2を形成する。ここでは、CVD法による窒化シリコン膜の成膜と、その後の窒化シリコン膜のエッチバックによって第2サイドウォール11-2を形成する。その後、次に行うシリサイド化の際の抵抗低減のため、P、As、Bなどの不純物イオン注入を行う。尚、半導体層9のエピタキシャル成長時に不純物を導入していない場合は、必要に応じてソース・ドレイン領域を形成するための不純物の注入を行う。この不純物注入の後には、注入した不純物を活性化させるために900℃〜1100℃の熱処理を60秒以下の範囲で行う。
【0055】
その後図4(2)に示すように、サリサイドプロセス技術によってソース・ドレインを構成する半導体層9の表面に、コバルト(Co),ニッケル(Ni),プラチナ(Pt)、またはそれらのシリサイド層39を形成し、ソース・ドレインのコンタクト抵抗を低減させる。
【0056】
次に、図4(3)に示すように、ダミーゲート構造Aを埋め込む状態で、例えば酸化シリコンからなる層間絶縁膜13を成膜する。
【0057】
次いで、図4(4)に示すように、ダミーゲート構造Aにおけるダミーのゲート電極27aが露出するまで層間絶縁膜13の表面をCMP法によって研磨する。
【0058】
次に、図5(1)に示すように、ポリシリコンまたはアモルファスシリコンからなるダミーのゲート電極27aをドライエッチングにより除去した後に、酸化シリコンからなるダミーのゲート絶縁膜25をウェットエッチングにより除去する。これにより、半導体基板3と半導体層9とを覆う層間絶縁膜13に、ダミーゲート構造Aを除去してなる溝パターン15を形成し、溝パターン15の底面に半導体基板3を露出させる。この溝パターン15は、サイドウォール11-1,11-2によって側壁が規定されたものになる。
【0059】
次に、図5(2)に示すように、溝パターン15の底部における半導体基板3の露出面を掘り下げるリセスエッチングを行う。ここでは、半導体基板3の表面に対して、半導体層9が設けられるリセス部分の深さを半導体層9の深さd1とした場合、ここでのリセス部分のチャネル深さd2が、[チャネル深さd2]<[半導体層9の深さd1]となるようにする。尚、この範囲においてのチャネル深さd2の最適値については、後に詳細に説明するが、ここで形成するMOSトランジスタ(電界効果トランジスタ)のチャネル部に印加される応力が最も高くなるように、実験的に求められることとする。
【0060】
このようなリセスエッチングには、プラズマ雰囲気中で酸化を行うプラズマ酸化によって単結晶シリコンからなる半導体基板3の表面に1〜2nm程度の膜厚の酸化シリコン膜を形成した後、フッ酸のウェットエッチングにより酸化シリコン膜を除去する手法を適用する。プラズマ酸化とウェットエッチングとは、チャネル深さd2に合わせて必要回数繰り返し行うこととする。これにより、リセスエッチングによって露出する半導体基板3の露出面にダメージが加わることを防止する。またこの際のプラズマ酸化は、不純物の熱による再拡散を防ぐために500℃以下で行うことが望ましい。
【0061】
尚、半導体基板3の表面酸化には、上記のプラズマ酸化以外に、オゾンを用いた酸化や、ガスを用いた酸化を行っても良い。またシリコン表面をドライエッチング法によって直接エッチングする方法もある。
【0062】
以上のようにして、半導体層9との間に離間させた位置において溝パターン15が掘り下げられる。
【0063】
次に、図5(3)に示すように、半導体基板3の表面を掘り下げた溝パターン15の内壁を覆う状態で、ゲート絶縁膜5を成膜する。ここでは、CVD法やALD法などにより、上述した高誘電率材料からなるゲート絶縁膜5を成膜することが好ましい。
【0064】
次に、図5(4)に示すように、溝パターン15の内部を埋め込む状態で、ゲート絶縁膜5を介してゲート電極材料膜7aを成膜する。ここでは、ゲート電極材料膜7aとして、メタルゲート用の金属層をCVD法、PVD法、またはALD法によって成膜する。このゲート電極材料膜7aは、単層または積層構造であって良く、装置の構成において述べた各材料を用いて成膜されることとする。
【0065】
次に、図6(1)に示すように、層間絶縁膜13が露出するまで、ゲート電極材料膜7aとゲート絶縁膜5をCMPによって研磨する。これにより、溝パターン15内に、ゲート絶縁膜5を介してゲート電極材料膜7aを残してなるゲート電極7を形成する。
【0066】
以上の後には必要に応じて、図6(2)に示すように、層間絶縁膜13およびゲート電極7を覆う状態で、酸化シリコンからなる上層絶縁膜41を成膜する。次いで、上層絶縁膜41および層間絶縁膜13に、シリサイド層39に達する接続孔43を形成する。そして、これらの接続孔43を埋め込むプラグおよびこれに接続する配線45を形成する。
【0067】
以上により図1を用いて説明したように、ゲート電極7の両脇において半導体基板3の表面を掘り下げたリセス部分に応力印加用の半導体層9が設けられ、さらに半導体基板3の表面を掘り下げたリセス部分を埋め込む状態でゲート絶縁膜5およびゲート電極7が設けられた半導体装置1が得られる。
【0068】
そして以上説明した第1例の製造方法によれば、図5(1)を用いて説明したように、半導体層9が形成された状態でダミーゲート構造Aを除去することにより、半導体層9からダミー構造A下の半導体基板3部分に印加される応力が、ダミーのゲート電極27aからの反作用により弱められることが防止される。このため、半導体層9間の半導体基板3であるチャネル部chに対して、半導体層9からの応力が効果的に印加された状態となる。
【0069】
そして特に、次の図5(2)で用いて説明したように、ダミーゲート構造Aを除去した溝パターン15の底部の半導体基板3をさらに掘り下げることにより、半導体層9間において半導体基板3の表面よりも深い位置がチャネル部chとなる。これにより、このチャネル部chには、半導体層9の深さ方向にわたって当該半導体層9間の半導体基板3部分に印加される応力が、集約的に印加されるようになる。したがって、半導体層9からの応力を効果的にかつ集約させた状態でチャネル部に印加させることが可能な構成の半導体装置1を作製することが可能になる。
【0070】
この結果、半導体層9を構成する材料濃度によらずにキャリア移動度の向上を図ることが可能な構成の半導体装置1の作製が可能になる。
【0071】
次に、図1を用いて説明した[チャネル深さd2]<[半導体層9の深さd1]となる範囲においての[チャネル深さd2]の最適値について説明する。ここでは、単結晶シリコンからなる半導体基板3に対して圧縮応力が印加されるように、SiGeからなる半導体層9をエピタキシャル成長させた半導体装置1を想定したシミュレーションを行った。そして、チャネル深さd2に対するチャネル部の中心で表面より1nmの深さに印加される応力の大きさ[Stress(Pa)]を算出した。
【0072】
図7は、[溝パターン15の幅LGate]=40nm、[半導体層9中のGe濃度]=20%に固定し、[半導体層9の深さd1]=20nm,40nm,60nm,100nmの各値とした構成のシミュレーション結果である。この結果から、[チャネル深さd2]<[半導体層9の深さd1]の範囲においては、[チャネル深さd2]=0である構成よりもチャネル部に印加される応力が大きくなることが確認された。また、最も応力が大きくなる[チャネル深さd2]は、[半導体層9の深さd1]によって異なるため、[半導体層9の深さd1]に合わせて[チャネル深さd2]の最適値が設定されることが好ましい。
【0073】
図8は、[溝パターン15の幅LGate]=40nm、[半導体層9の深さd1]=60nmに固定し、[半導体層9中のGe濃度]を15%、20%、25%の各値とした構成のシミュレーション結果である。この結果から、[溝パターン15の幅LGate]および[半導体層9の深さd1]が固定されていれば、最も応力が大きくなる[チャネル深さd2]は、半導体層9の材料構成(組成)によって変化しないことが確認された。
【0074】
図9は、[半導体層9の深さd1]=60nm、[半導体層9中のGe濃度]=20%に固定し、[溝パターン15の幅LGate]=30nm,40nm,60nm,100nmの各値とした構成のシミュレーション結果である。この結果から、[溝パターン15の幅LGate]=30nm,40nmの微細化が進んだ構成においては、[チャネル深さd2]<[半導体層9の深さd1]の範囲において、[チャネル深さd2]=0である構成よりもチャネル部に印加される応力が大きくなることが確認された。そして、最も応力が大きくなる[チャネル深さd2]は、[溝パターン15の幅LGate]によって異なるため、[溝パターン15の幅LGate]に合わせて[チャネル深さd2]の最適値が設定されることが好ましい。
【0075】
<半導体装置の製造方法−2>
図10〜図13は、本発明を適用した半導体装置の製造方法の第2例を示す断面工程図であり、図1を用いて説明した構成の半導体装置の製造方法の他の例である。以下これらの図に基づいて製造方法の実施の形態を説明する。尚、先の図面を用いて説明したと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を行うこととする。
【0076】
先ず、10(1)に示すように、半導体基板3の表面側に素子分離21を形成し、さらに、ここでの図示を省略した保護膜を形成し、これを介してしきい値調整用の不純物のイオン注入を行い、イオン注入後に保護膜を除去するまでを第1例と同様に行う。
【0077】
次に、図10(2)に示すように、半導体基板3における素子分離21で分離された間に、以降に形成するゲート電極の形成部に一致させた溝形状の凹部3aを形成する。この凹部3aは、光リソグラフィー技術や電子ビームリソグラフィー技術を適用して形成したレジストパターンをマスクにした半導体基板3のリセスエッチングによって形成する。尚、ここでは、この凹部3aの表面層がチャネル部となるため、凹部3aの深さが第1例で説明したチャネル深さd2となる。このチャネル深さd2は、先の第1例と同様に、[チャネル深さd2]<[半導体層の深さd1]となるようにする。ここでd1は後で形成する応力印加領域の半導体層の深さである。
【0078】
その後、図10(3)に示すように、第1例と同様に酸化シリコンからなるダミーのゲート絶縁膜25、ポリシリコンまたはアモルファスシリコンからなるダミーのゲート電極膜27、さらには窒化シリコンからなるハードマスク層29を順次成膜する。
【0079】
次に、図10(4)に示すように、ハードマスク層29、ダミーのゲート電極膜27、およびダミーのゲート絶縁膜25を、ゲート電極の形状にパターンエッチングし、凹部3a上に重ねてダミーゲート構造Aを形成する。このようなパターンエッチングは、第1例と同様に行って良く、例えばレジストパターンをマスクに用いたエッチングを行う。この際、ダミーのゲート絶縁膜25をストッパにしたエッチングを行うことにより、ダミーゲート構造Aの両脇の半導体基板3の表面にエッチングダメージが入ることを防止することが好ましい。
【0080】
尚、図示した例においては、ダミーゲート構造Aが凹部3aに対して一致した状態を示している。しかしながら、ダミーゲート構造Aは、凹部3aに重ねて設けられていれば良く、これらのパターンがずれていても良い。
【0081】
以上の後の図10(5)〜図13(5)までに示す工程は、第1例と同様に行えば良い。
【0082】
すなわち、図10(5)に示すように、ダミーゲート構造Aの側壁に、絶縁性の第1サイドウォール11-1を形成する。この第1サイドウォール11-1は、以降に行うソース・ドレイン領域のエクステンション形成においてエクステンションの位置調整のために設けられるものであり、必要に応じて設ければ良い。したがって、この工程は必要に応じて行えば良い。
【0083】
次に、図11(1)に示すように、第1サイドウォール11-1の外側に、後に除去される酸化シリコンからなる犠牲サイドウォール31を、第1例と同様に形成する。尚、この時点において、ダミーゲート構造Aと凹部3aとのパターンがずれていて、凹部3aの底面がダミーゲート構造Aから露出している場合、凹部3aの露出部分が犠牲サイドウォール31で完全に覆われるようにすることが好ましい。
【0084】
次に、図11(2)に示すように、ダミーゲート構造A、犠牲サイドウォール31、および素子分離21をマスクにしたドライエッチングにより、半導体基板3の表面を掘り下げるリセスエッチングを行う。ここでは、先に形成した凹部3aの深さが第1例で説明したチャネル深さd2となるため、先の第1例と同様に、[チャネル深さd2]<[半導体層の深さd1]となるように、半導体基板3の表面を深さd1=50〜100nm程度にまで掘り下げる(リセスする)こととする。またこれにより、ダミーゲート構造Aの直下に対して、犠牲サイドウォール31に応じたスペースを設けて半導体基板3が掘り下げられることも第1例と同様である。
【0085】
その後、図11(3)に示すように、掘り下げられた半導体基板3の露出表面に、応力印加層として半導体基板3とは格子定数の異なる半導体層9をエピタキシャル成長によって形成する。ここでは、pMOS領域とnMOS領域とで半導体層9の作り分けを行う。また以上のようにして半導体層9を形成した後には、酸化シリコン膜からなる犠牲サイドウォール31をフッ酸によるウェットエッチングによって除去することも第1例と同様である。
【0086】
次に、図11(4)に示すように、イオン注入によって、ソース・ドレイン領域のエクステンション35を形成するための不純物を、半導体基板3および半導体層9の表面層に導入する。この際、イオン注入の打ち分けによりpMOS領域とnMOS領域とで異なる不純物を導入することも第1例と同様である。
【0087】
次いで、図12(1)に示すように、第1サイドウォール11-1の外側に、絶縁性の第2サイドウォール11-2を形成し、その後、次に行うシリサイド化の際の抵抗低減のための不純物イオン注入を行う。この際、半導体層9のエピタキシャル成長時に不純物を導入していない場合は、必要に応じてソース・ドレイン領域を形成するための不純物の注入を行い、さらに不純物を活性化させるための熱処理を行うことも第1例と同様である。尚、ダミーゲート構造Aと凹部3aとのパターンがずれていて、凹部3aの底面がダミーゲート構造Aから露出している場合、凹部3aの露出部分が第2サイドウォール11-2で完全に覆われるようにすることが好ましい。
【0088】
その後、図12(2)に示すように、サリサイドプロセス技術によってソース・ドレインを構成する半導体層9の表面にシリサイド層39を形成し、さらに図12(3)に示すように、ダミーゲート構造Aを埋め込む状態で、例えば酸化シリコンからなる層間絶縁膜13を成膜する。その後、図12(4)に示すように、ダミーゲート構造Aにおけるダミーのゲート電極27aが露出するまで層間絶縁膜13の表面をCMP法によって研磨する。以上は、第1例と同様に行う。
【0089】
次に、図13(1)に示すように、ポリシリコンまたはアモルファスシリコンからなるダミーのゲート電極27aをドライエッチングにより除去した後に、酸化シリコンからなるダミーのゲート絶縁膜25をウェットエッチングにより除去する。これにより、半導体基板3と半導体層9とを覆う層間絶縁膜13に、ダミーゲート構造Aを除去してなる溝パターン15を形成し、溝パターン15の底面に半導体基板3を露出させる。この溝パターン15は、凹部3aに重ねて形成される。したがって、溝パターン15の底部は、半導体基板3をチャネル深さd2で掘り下げた凹部3aで構成されることになる。またこの溝パターン15は、第1例と同様にサイドウォール11-1,11-2によって側壁が規定されたものになる。
【0090】
以上の後には、図13(2)に示すように、半導体基板3の表面を掘り下げた凹部3aを含む溝パターン15の内壁を覆う状態で、CVD法やALD法などにより上述した高誘電率材料からなるゲート絶縁膜5を成膜し、さらに溝パターン15の内部を埋め込む状態で、ゲート絶縁膜5を介して第1例と同様のゲート電極材料膜7aを成膜する。
【0091】
さらに図13(3)に示すように、層間絶縁膜13が露出するまで、ゲート電極材料膜7aとゲート絶縁膜5をCMPによって研磨する。これにより、溝パターン15内に、ゲート絶縁膜5を介してゲート電極材料膜7aを残してなるゲート電極7を形成する。
【0092】
以上の後には必要に応じて、図13(4)に示すように、層間絶縁膜13およびゲート電極7を覆う状態で、酸化シリコンからなる上層絶縁膜41を成膜する。次いで、上層絶縁膜41および層間絶縁膜13に、シリサイド層39に達する接続孔43を形成する。そして、これらの接続孔43を埋め込むプラグおよびこれに接続する配線45を形成する。
【0093】
以上により図1を用いて説明したように、ゲート電極7の両脇において半導体基板3の表面を掘り下げたリセス部分に応力印加用の半導体層9が設けられ、さらに半導体基板3の表面を掘り下げたリセス部分(凹部3a)を埋め込む状態でゲート絶縁膜5およびゲート電極7が設けられた半導体装置1が得られる。
【0094】
そして以上説明した第2例の製造方法であっても、図13(1)を用いて説明したように、半導体層9が形成された状態でダミーゲート構造Aを除去することにより、半導体層9からダミー構造A下の半導体基板3部分に印加される応力が、ダミーのゲート電極27aからの反作用により弱められることが防止される。このため、半導体層9間の半導体基板3であるチャネル部chに対して、半導体層9からの応力が効果的に印加された状態となる。
【0095】
また、半導体基板3を掘り下げた凹部3aの底面がチャネル部chとなるため、半導体層9間において半導体基板3の表面よりも深い位置がチャネル部chとなる。第1例と同様に、このチャネル部chには、半導体層9の深さ方向にわたって当該半導体層9間の半導体基板3部分に印加される応力が、集約的に印加されるようになる。したがって、半導体層9からの応力を効果的にかつ集約させた状態でチャネル部に印加させることが可能な構成の半導体装置1を作製することが可能になる。
【0096】
この結果、第1例と同様に、半導体層9を構成する材料濃度によらずにキャリア移動度の向上を図ることが可能な構成の半導体装置1の作製が可能になる。
【0097】
<半導体装置の製造方法−3>
図14から図15は、本発明を適用した半導体装置の製造方法の第3例の要部を示す断面工程図である。以下これらの図に基づいて製造方法の実施の形態を説明する。尚、これらの図に示す第3例の製造方法は、上述した第2例の変形例であり、先の図面を用いて説明したと同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0098】
先ず、先の第2例で説明したと同様に、図14(1)に示すように半導体基板3の表面側に素子分離21を形成し、さらに図14(2)に示すように半導体基板3における素子分離21で分離された間に、以降に形成するゲート電極の形成部に一致させた溝形状の凹部3aを形成する。ここでは、この凹部3aがチャネル部となり、このチャネル深さd2は、第1例および第2例と同様に、[チャネル深さd2]<[半導体層の深さd1]となるようにする。ここでd1は後で形成する応力印加領域の半導体層の深さである。
【0099】
次に、図14(3)に示すように、半導体基板3の表面を掘り下げた凹部3aの内壁を覆う状態で、CVD法やALD法などにより上述した高誘電率材料からなるゲート絶縁膜5を成膜する。このように、予めゲート絶縁膜5を成膜する点において、本第3例は、上述した第2例とは異なる。
【0100】
その後、図14(4)に示すように、ゲート絶縁膜5上に、ポリシリコンまたはアモルファスシリコンからなるダミーのゲート電極膜27、さらには窒化シリコンからなるハードマスク層29を順次成膜する。
【0101】
次に、図14(5)に示すように、ここでの図示を省略したレジストパターンをマスクにしてハードマスク層29をエッチングし、ハードマスク層29をパターニングする。その後、パターニングされたハードマスク層29上からのエッチングより、ダミーのゲート電極膜27をパターニングしてダミーのゲート電極27aとする。ダミーのゲート電極膜27のパターニングにおいては、高誘電率材料からなるゲート絶縁膜5をストッパにしたエッチングを行うことにより、ダミーゲート構造Aの両脇の半導体基板3の表面にエッチングダメージが入ることを防止する。このようなエッチングには、エッチングガスとしては例えばHBr/O2などを用いたドライエッチングを行う。
【0102】
また、以上のドライエッチングに続けてゲート絶縁膜5のエッチングを行い、ダミーゲート構造A下のみにゲート絶縁膜5を残す。
【0103】
尚、図示した例においては、ダミーゲート構造Aが凹部3aに対して一致した状態を示している。しかしながら、ダミーゲート構造Aは、凹部3aに重ねて設けられていれば良く、これらのパターンがずれていても良いことは、第2例と同様である。
【0104】
以上の後には、第2例において図11および図12を用いて説明したと同様の工程を行う。これにより、図15(1)に示すように、ダミーゲート構造Aおよびこの両側に設けたサイドウォール11-1,11-2を覆う層間絶縁膜13から、ダミーのゲート電極27aを露出させた状態とする。
【0105】
次に、図15(2)に示すように、ゲート絶縁膜5を残して、ポリシリコンまたはアモルファスシリコンからなるダミーのゲート電極27aをドライエッチングにより除去する。これにより、半導体基板3と半導体層9とを覆う層間絶縁膜13に、ダミーゲート構造Aを除去してなる溝パターン15を形成する。溝パターン15の底面はゲート絶縁膜5で覆われた状態となるが、この溝パターン15は、凹部3aに重ねて形成されることは第2例と同様である。またこの溝パターン15は、第1例および第2例と同様にサイドウォール11-1,11-2によって側壁が規定されたものになる。
【0106】
その後は、図15(3)に示すように、溝パターン15の内部を埋め込む状態で第1例と同様のゲート電極材料膜を成膜し、さらにこのゲート電極材料膜をCMP研磨することにより、溝パターン15内にゲート電極7を形成する。
【0107】
以上の後には必要に応じて、図15(4)に示すように、層間絶縁膜13およびゲート電極7を覆う状態で、酸化シリコンからなる上層絶縁膜41を成膜する。次いで、上層絶縁膜41および層間絶縁膜13に、シリサイド層39に達する接続孔43を形成する。そして、これらの接続孔43を埋め込むプラグおよびこれに接続する配線45を形成する。
【0108】
そして以上説明した第3例の製造方法であっても、図15(2)を用いて説明したように、半導体層9が形成された状態でダミーのゲート電極27aを除去することにより、半導体層9からダミーのゲート電極27a下の半導体基板3部分に印加される応力が、ダミーのゲート電極27aからの反作用により弱められることが防止される。このため、半導体層9間の半導体基板3であるチャネル部chに対して、半導体層9からの応力が効果的に印加された状態となる。
【0109】
また、半導体基板3を掘り下げた凹部3aの底面がチャネル部chとなるため、半導体層9間において半導体基板3の表面よりも深い位置がチャネル部chとなる。第1例と同様に、このチャネル部chには、半導体層9の深さ方向にわたって当該半導体層9間の半導体基板3部分に印加される応力が、集約的に印加されるようになる。したがって、半導体層9からの応力を効果的にかつ集約させた状態でチャネル部に印加させることが可能な構成の半導体装置1を作製することが可能になる。
【0110】
また本第3例の作製手順では、凹部3aを含む溝パターン15の側壁上部にゲート絶縁膜5が形成されない。すなわち、ゲート絶縁膜5が、溝パターン15の内壁上部を露出する状態で設けられた構成となる。このため、高誘電率材料からなるゲート絶縁膜5が、ゲート電極7と配線45との間に存在せず、ゲート電極7−配線45間の寄生容量による素子性能の低下を防止できると言った効果を得ることが可能である。
【0111】
<半導体装置の製造方法−4>
図16〜図17は、本発明を適用した半導体装置の製造方法の第4例を示す断面工程図である。以下これらの図に基づいて製造方法の実施の形態を説明する。尚、これらの図に示す第4例の製造方法は、上述した第2例および第3例の変形例であり、先の図面を用いて説明したと同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0112】
先ず、先の第2例で説明したと同様に、図16(1)に示すように半導体基板3の表面側に素子分離21を形成し、さらに図16(2)に示すように半導体基板3における素子分離21で分離された間に、以降に形成するゲート電極の形成部に一致させた溝形状の凹部3aを形成する。ここでは、この凹部3aがチャネル部となり、このチャネル深さd2は、第1例および第2例と同様に、[チャネル深さd2]<[半導体層の深さd1]となるようにする。ここでd1は後で形成する応力印加領域の半導体層の深さである。
【0113】
次に、図16(3)に示すように、半導体基板3の表面を掘り下げた凹部3aの内壁を覆う状態で、CVD法やALD法などにより上述した高誘電率材料からなるゲート絶縁膜5を成膜する。そしてさらに、ゲート絶縁膜5上に、キャップ膜50をCVD法、PVD法、またはALD法などにより成膜する。このキャップ膜50は、以降の工程においてゲート絶縁膜5を保護するためのものである。このようなキャップ膜50として、例えば窒化チタン(TiN)膜を1〜10nm程度の膜厚で形成する。
【0114】
その後、図16(4)に示すように、キャップ膜50上に、ポリシリコンまたはアモルファスシリコンからなるダミーのゲート電極膜27、さらには窒化シリコンからなるハードマスク層29を順次成膜する。
【0115】
次に、図16(5)に示すように、ここでの図示を省略したレジストパターンをマスクにしてハードマスク層29をエッチングし、ハードマスク層29をパターニングする。その後、パターニングされたハードマスク層29上からのエッチングより、ダミーのゲート電極膜27をパターニングしてダミーのゲート電極27aとする。またこのダミーのゲート電極27のエッチングに続けて、キャップ膜50、さらにはゲート絶縁膜5のエッチングを行う。これにより、ダミーゲート構造A下のみにゲート絶縁膜5を残す。
【0116】
尚、ダミーのゲート電極膜27のパターニングにおいては、キャップ膜50および高誘電率材料からなるゲート絶縁膜5をストッパにしたエッチングを行うことにより、ダミーゲート構造Aの両脇の半導体基板3の表面にエッチングダメージが入ることを防止することは、上述した第3例と同様である。また、図示した例においては、ダミーゲート構造Aが凹部3aに対して一致した状態を示している。しかしながら、ダミーゲート構造Aは、凹部3aに重ねて設けられていれば良く、これらのパターンがずれていても良いことも、第2例および第3例と同様である。
【0117】
以上の後には、第2例および第3例と同様に、図11および図12を用いて説明した工程を行う。これにより、図17(1)に示すように、ダミーゲート構造Aおよびこの両側に設けたサイドウォール11-1,11-2を覆う層間絶縁膜13から、ダミーのゲート電極27aを露出させた状態とする。
【0118】
次に、図17(2)に示すように、ポリシリコンまたはアモルファスシリコンからなるダミーのゲート電極27aをドライエッチングにより除去する。この際、キャップ膜50をエッチングストッパーとすることにより、高誘電率材料からなるゲート絶縁膜5にダメージが入ることを抑制する。その後、下地に対するエッチングダメージの小さいウェットエッチングやドライエッチングによって、キャップ膜50を選択的に除去する。
【0119】
以上により、半導体基板3と半導体層9とを覆う層間絶縁膜13に、ダミーゲート構造Aを除去してなる溝パターン15を形成する。溝パターン15の底面はゲート絶縁膜5で覆われた状態となるが、この溝パターン15は、凹部3aに重ねて形成される。またこの溝パターン15は、上述した第1例〜第3例と同様にサイドウォール11-1,11-2によって側壁が規定されたものになる。
【0120】
その後は、図17(3)に示すように、溝パターン15の内部を埋め込む状態で第1例と同様のゲート電極材料膜を成膜し、さらにこのゲート電極材料膜7aをCMP研磨する。これにより、溝パターン15内に、ゲート絶縁膜5を介してゲート電極材料膜7aを残してなるゲート電極7を形成する。
【0121】
以上の後には必要に応じて、図17(4)に示すように、層間絶縁膜13およびゲート電極7を覆う状態で、酸化シリコンからなる上層絶縁膜41を成膜する。次いで、上層絶縁膜41および層間絶縁膜13に、シリサイド層39に達する接続孔43を形成する。そして、これらの接続孔43を埋め込むプラグおよびこれに接続する配線45を形成する。
【0122】
そして以上説明した第4例の製造方法であっても、図17(2)を用いて説明したように、半導体層9が形成された状態でダミーのゲート電極27aを除去することにより、半導体層9からダミーのゲート電極27a下の半導体基板3部分に印加される応力が、ダミーのゲート電極27aからの反作用により弱められることが防止される。このため、半導体層9間の半導体基板3であるチャネル部chに対して、半導体層9からの応力が効果的に印加された状態となる。
【0123】
また、半導体基板3を掘り下げた凹部3aの底面がチャネル部chとなるため、半導体層9間において半導体基板3の表面よりも深い位置がチャネル部chとなる。第1例と同様に、このチャネル部chには、半導体層9の深さ方向にわたって当該半導体層9間の半導体基板3部分に印加される応力が、集約的に印加されるようになる。したがって、半導体層9からの応力を効果的にかつ集約させた状態でチャネル部に印加させることが可能な構成の半導体装置1を作製することが可能になる。
【0124】
また本第4例の作製手順では、凹部3aを含む溝パターン15の側壁上部にゲート絶縁膜5が形成されないこのため、第3例と同様に、高誘電率材料からなるゲート絶縁膜5が、ゲート電極7と配線45との間に存在せず、ゲート電極7−配線45間の寄生容量による素子性能の低下を防止できると言った効果を得ることが可能である。
【0125】
さらに本第4例では、ゲート絶縁膜5上にキャップ膜50を設け、ダミーのゲート電極27aを除去する際のエッチングストッパとしたことにより、予めゲート絶縁膜5を形成しておく手順であっても、ダミーのゲート電極27aを除去する際のエッチングダメージがゲート絶縁膜5に加わることが防止でき、ゲート絶縁膜5の膜質を維持できる。
【0126】
尚、上述した第4例では、キャップ膜50を除去する構成としたが、キャップ膜50はゲート電極の一部としてそのまま残すようにしても良い。この場合、キャップ膜50は、装置の構造で述べた仕事関数制御層として残しても良く、材料を適宜選択して用いれば良い。
【0127】
<半導体装置の製造方法−5>
図18は、以上のような第4例を適用し、p型電界効果トランジスタとn型電界効果トランジスタとでゲート電極を作り分けたCMOS構成の半導体装置を作製する手順を示す図である。以下、この図に基づいて、本発明を適用した半導体装置の製造方法の第5例を説明する。尚、図面上右側をp型電界効果トランジスタが設けられるpMOS領域とし、左側をn型電界効果トランジスタが設けられるnMOS領域とする。
【0128】
この場合、第4例と同様の手順により、図18(1)に示すように、ゲート絶縁膜5上にキャップ膜50を介してダミーのゲート27aを設け、このダミーゲート構造Aとその両側に設けたサイドウォール11-1,11-2を覆う層間絶縁膜13から、ダミーのゲート電極27aを露出させた状態とする。この際、nMOS領域においては、ソース・ドレイン領域として機能する半導体層9をn型として形成する。一方、pMOS領域においては、ソース・ドレイン領域として機能する半導体層9をp型とする。またキャップ膜50を構成する材料としては、例えばp型電界効果トランジスタにおけるゲート電極の仕事関数制御層となる材料を用いる。
【0129】
次に、図18(2)に示すように、nMOS領域およびpMOS領域において、ポリシリコンまたはアモルファスシリコンからなるダミーのゲート電極27aをドライエッチングにより除去する。この際、キャップ膜50をエッチングストッパーとすることにより、高誘電率材料からなるゲート絶縁膜5にダメージが入ることを抑制する。
【0130】
以上により、半導体基板3と半導体層9とを覆う層間絶縁膜13に、ダミーゲート構造Aを除去してなる溝パターン15を形成する。溝パターン15の底面はゲート絶縁膜5で覆われた状態となるが、この溝パターン15は、凹部3aに重ねて形成される。またこの溝パターン15は、上述した各例と同様にサイドウォール11-1,11-2によって側壁が規定されたものになる。
【0131】
その後、図18(3)に示すように、p型領域をレジストマスク51で覆った状態で、nMOS領域のキャップ膜50のみを、下地に対するエッチングダメージの小さいウェットエッチングやドライエッチングによって選択的に除去する。このエッチングの後にはレジストマスク51を除去する。
【0132】
以上の後には、図18(4)に示すように、半導体基板3の表面を掘り下げた凹部3aを含む溝パターン15の内壁を覆う状態で、仕事関数制御層53を成膜し、さらに溝パターン15の内部を埋め込む状態で、ゲート電極材料膜7aを成膜する。この仕事関数制御層53を構成する材料としては、n型電界効果トランジスタにおけるゲート電極の仕事関数制御層となる材料を用いることとする。
【0133】
次に、図18(5)に示すように、層間絶縁膜13が露出するまで、ゲート電極材料膜7aと仕事関数制御層53とをCMPによって研磨する。これにより、nMOS領域には、溝パターン15内に、ゲート絶縁膜5を介して仕事関数制御層53およびゲート電極材料膜7aを残してなるゲート電極7が設けられたn型電界効果トランジスタが得られる。一方、pMOS領域には、溝パターン15内に、ゲート絶縁膜5を介して、キャップ膜50および仕事関数制御層53、さらにはゲート電極材料膜7aを残してなるゲート電極7が設けられたp型電界効果トランジスタが得られる。
【0134】
尚、キャップ膜50および仕事関数制御層53は、それぞれ必要に応じてnMOS領域およびpMOS領域の両方、またはどちらか一方のみに残すことにより、各ゲート電極7の仕事関数を適宜調整すれば良い。
【0135】
<半導体装置の製造方法−6>
図19は、以上のような第4例を適用し、p型電界効果トランジスタとn型電界効果トランジスタとでゲート電極を作り分けたCMOS構成の半導体装置を作製する他の手順を示す図である。以下、この図に基づいて、本発明を適用した半導体装置の製造方法の第6例を説明する。尚、図面上右側をp型電界効果トランジスタが設けられるpMOS領域とし、左側をn型電界効果トランジスタが設けられるnMOS領域とする。
【0136】
この場合、第4例と同様の手順により、図19(1)に示すように、ゲート絶縁膜5上にキャップ膜50を介してダミーのゲート27aを設け、このダミーゲート構造Aとその両側に設けたサイドウォール11-1,11-2を覆う層間絶縁膜13から、ダミーのゲート電極27aを露出させた状態とする。この際、nMOS領域においては、ソース・ドレイン領域として機能する半導体層9をn型として形成する。一方、pMOS領域においては、ソース・ドレイン領域として機能する半導体層9をp型とする。またキャップ膜50を構成する材料としては、次に説明する金属層と反応してn型電界効果トランジスタにおけるゲート電極の仕事関数制御層を形成する材料を用いる。この点において、第5例のキャップ膜50と異なる。
【0137】
次に、図19(2)に示すように、n型領域およびp型領域において、ポリシリコンまたはアモルファスシリコンからなるダミーのゲート電極27aをドライエッチングにより除去する。この際、キャップ膜50をエッチングストッパーとすることにより、高誘電率材料からなるゲート絶縁膜5にダメージが入ることを抑制する。
【0138】
以上により、半導体基板3と半導体層9とを覆う層間絶縁膜13に、ダミーゲート構造Aを除去してなる溝パターン15を形成する。溝パターン15の底面はゲート絶縁膜5で覆われた状態となるが、この溝パターン15は、凹部3aに重ねて形成される。またこの溝パターン15は、上述した各例と同様にサイドウォール11-1,11-2によって側壁が規定されたものになる。
【0139】
次に、図19(3)に示すように、半導体基板3の表面を掘り下げた凹部3aを含む溝パターン15の内壁を覆う状態で、金属層57を成膜する。この金属層57を構成する材料としては、キャップ膜50と反応することによってn型電界効果トランジスタにおけるゲート電極の仕事関数制御層となる材料を用いることとする。このような金属層57は、例えばAl,Ti,Cu,La等を用いて構成される。
【0140】
その後、図19(4)に示すように、nMOS領域をレジストマスク55で覆った状態で、pMOS領域の仕事関数制御層53のみを、下地に対するエッチングダメージの小さいウェットエッチングやドライエッチングによって選択的に除去する。このエッチングの後にはレジストマスク55を除去する。
【0141】
次いで、図19(5)に示すように、熱処理を行うことによって、nMOS領域のみに残した金属層57とキャップ膜50とを反応させ、これらの反応物からなる仕事関数制御層59を形成する。
【0142】
次に、図19(6)に示すように、半導体基板3の表面を掘り下げた凹部3aを含む溝パターン15の内壁を覆う状態でゲート電極材料膜7aを成膜し、層間絶縁膜13が露出するまで、ゲート電極材料膜7aおよび金属層57をCMPによって研磨する。これにより、nMOS領域には、溝パターン15内に、ゲート絶縁膜5を介して、仕事関数制御層59およびゲート電極材料膜7aを残してなるゲート電極7が設けられたn型電界効果トランジスタが得られる。一方、pMOS領域には、溝パターン15内に、ゲート絶縁膜5を介して、仕事関数制御層となるキャップ膜50およびゲート電極材料膜7aを残してなるゲート電極7が設けられたp型電界効果トランジスタが得られる。
【0143】
尚、熱処理による反応によって形成した仕事関数制御層59は、pMOS領域に形成しても良い。また、溝パターン15内において未反応のまま残った金属層57を除去しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】実施形態の半導体装置を示す断面図である。
【図2】実施形態の製造方法の第1例を示す断面工程図(その1)である。
【図3】実施形態の製造方法を第1例示す断面工程図(その2)である。
【図4】実施形態の製造方法を第1例示す断面工程図(その3)である。
【図5】実施形態の製造方法を第1例示す断面工程図(その4)である。
【図6】実施形態の製造方法を第1例示す断面工程図(その5)である。
【図7】半導体基板のリセス量d2に対するチャネル部のストレスの大きさを半導体層の深さ毎に示すグラフである。
【図8】半導体基板のリセス量d2に対するチャネル部のストレスの大きさを半導体層のGe濃度毎に示すグラフである。
【図9】半導体基板のリセス量d2に対するチャネル部のストレスの大きさを溝パターンの幅毎に示すグラフである。
【図10】実施形態の製造方法の第2例を示す断面工程図(その1)である。
【図11】実施形態の製造方法を第2例示す断面工程図(その2)である。
【図12】実施形態の製造方法を第2例示す断面工程図(その3)である。
【図13】実施形態の製造方法を第2例示す断面工程図(その4)である。
【図14】実施形態の製造方法の第3例を示す断面工程図(その1)である。
【図15】実施形態の製造方法を第3例示す断面工程図(その2)である。
【図16】実施形態の製造方法の第4例を示す断面工程図(その1)である。
【図17】実施形態の製造方法を第4例示す断面工程図(その2)である。
【図18】本発明をCMOSに適用した実施形態を第5例として説明する断面工程図である。
【図19】本発明をCMOSに適用した実施形態を第6例として説明する断面工程図である。
【図20】従来の技術を説明する断面工程図である。
【図21】半導体層によるチャネル部の応力の印加を説明する図である。
【符号の説明】
【0145】
1…半導体装置、3…半導体基板、3a…凹部、5…ゲート絶縁膜、7…ゲート電極、9…半導体層(応力印加層)、13…層間絶縁膜、15…溝パターン、27a…ダミーのゲート電極、31…犠牲サイドウォール、50…キャップ膜(仕事関数制御層)、53,59…仕事関数制御層、ch…チャネル部、d1…半導体層の深さ位置、d2…チャネル深さ(半導体基板の表面からのゲート絶縁膜の深さ位置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、前記ゲート電極下のチャネル部に応力を加えるための応力印加層とを備えると共に、
前記応力印加層が、前記ゲート電極の両脇における前記半導体基板の表面より深い位置に設けられ、
前記ゲート絶縁膜およびゲート電極は、前記応力印加層間において前記半導体基板の表面を掘り下げた部分を埋め込む状態で設けられている
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、
前記応力印加層は、当該半導体基板とは格子定数の異なる半導体材料で構成され、前記ゲート電極の両脇において前記半導体基板の表面を掘り下げた部分にエピタキシャル成長によって形成された半導体層である
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項2記載の半導体装置において、
前記半導体基板は単結晶シリコンからなり、
前記半導体層は、シリコンにシリコンとは格子定数の異なる元素材料を含有させてなる
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1記載の半導体装置において、
前記半導体基板の表面に対する前記チャネル部の深さ位置は、前記応力印加層の深さ位置よりも浅い
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1記載の半導体装置において、
前記半導体基板および前記応力印加層上を覆う層間絶縁膜における当該応力印加層間に、当該半導体基板を底面としてこれを掘り下げた溝パターンが設けられ、
少なくとも前記半導体基板の露出面を覆う前記ゲート絶縁膜を介して前記溝パターンを埋め込む状態で前記ゲート電極が形成されている
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項5記載の半導体装置において、
前記ゲート絶縁膜は、前記溝パターンの底面を含む内壁を覆う状態で設けられている
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項5記載の半導体装置において、
前記ゲート絶縁膜は、前記溝パターンの内壁上部を露出する状態で設けられている
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項1記載の半導体装置において、
前記ゲート絶縁膜は、アルミニウム(Al)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ランタン(La)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)のうちから選択される少なくとも1種を含んだ酸化物、酸化珪化物、窒化酸化物、または酸化窒化珪化物を有する
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項1記載の半導体装置において、
前記ゲート電極は、当該ゲート電極の仕事関数を調整するための仕事関数制御層を含む積層構造を有する
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項9記載の半導体装置において、
前記仕事関数制御層は、前記ゲート絶縁膜に接して設けられている
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項1記載の半導体装置において、
前記半導体基板上に、前記ゲート絶縁膜とゲート電極と応力印加層とを備えたp型電界効果トランジスタとn型電界効果トランジスタとが設けられており、
前記p型電界効果トランジスタおよびn型電界効果トランジスタの少なくとも一方のゲート電極は、当該ゲート電極の仕事関数を調整するための仕事関数制御層を含む積層構造を有する
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項11記載の半導体装置において、
前記p型電界効果トランジスタおよびn型電界効果トランジスタのゲート電極が、それぞれ異なる仕事関数を有する
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
半導体基板上にダミーのゲート電極を形成し、当該ダミーのゲート電極をマスクにしたエッチングにより当該半導体基板の表面を掘り下げる第1工程と、
前記掘り下げられた半導体基板の表面に、当該半導体基板とは格子定数の異なる半導体材料からなる応力印加層をエピタキシャル成長によって形成する第2工程と、
前記ダミーのゲート電極および応力印加層を覆う状態で層間絶縁膜を成膜し、当該層間絶縁膜から当該ダミーのゲート電極を露出させた後、当該ダミーのゲート電極を除去することにより当該層間絶縁膜に溝パターンを形成すると共に前記半導体基板を露出させる第3工程と、
前記溝パターンの底部に露出させた前記半導体基板の露出面を掘り下げる第4工程と、
前記半導体基板の露出面が掘り下げられた前記溝パターン内にゲート絶縁膜を介して新たなゲート電極を埋め込み形成する第5工程とを行う
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項13記載の半導体装置の製造方法において、
前記第4工程で前記半導体基板を掘り下げる深さは、前記応力印加層の深さ位置よりも浅い
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項13記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1工程では、前記ダミーのゲート電極の側壁にサイドウォールを形成し、当該ダミーのゲート電極およびサイドウォールをマスクにしたエッチングにより当該半導体基板の表面を張り下げ、
前記第2工程では、前記サイドウォールの外側に前記応力印加層を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項13記載の半導体装置の製造方法において、
前記第5工程では、仕事関数を調整するための仕事関数制御層を含む積層構造からなる前記ゲート電極を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項17】
半導体基板の表面側を掘り下げた凹部を形成する第1工程と、
前記凹部にダミーのゲート電極を形成し、当該ゲート電極をマスクにしたエッチングにより当該半導体基板の表面を掘り下げる第2工程と、
前記掘り下げられた半導体基板の表面に、当該半導体基板とは格子定数の異なる半導体材料からなる応力印加層をエピタキシャル成長によって形成する第3工程と、
前記ダミーのゲート電極および応力印加層を覆う状態で層間絶縁膜を成膜し、当該層間絶縁膜から当該ダミーのゲート電極を露出させた後、当該ダミーのゲート電極を除去して前記半導体基板の凹部に重なる溝パターンを形成する第4工程と、
前記半導体基板の凹部を含む前記溝パターン内にゲート絶縁膜を介して新たなゲート電極を埋め込み形成する第5工程とを行う
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項18】
請求項17記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2工程で前記半導体基板を掘り下げる深さは、前記凹部の深さ位置よりも深い
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項19】
請求項17記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2工程では、前記ダミーのゲート電極の側壁にサイドウォールを形成し、当該ダミーのゲート電極およびサイドウォールをマスクにしたエッチングにより当該半導体基板の表面を掘り下げ、
前記第3工程では、前記サイドウォールの外側に前記応力印加層を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項20】
請求項17記載の半導体装置の製造方法において、
前記第5工程では、仕事関数を調整するための仕事関数制御層を含む積層構造からなる前記ゲート電極を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項21】
請求項17記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2工程では、前記ゲート絶縁膜を介して前記ダミーのゲート電極を形成し、
前記第5工程では、前記第2工程で形成した前記ゲート絶縁膜上に新たなゲート電極を埋め込み形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項22】
請求項21記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2工程では、前記ゲート絶縁膜と前記ダミーのゲート電極との間に、キャップ膜を形成し、
前記第4工程で前記ダミーのゲート電極を除去する際には、前記キャップ膜をストッパとしたエッチングを行う
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項23】
請求項22記載の半導体装置の製造方法において、
前記第4工程では、前記ゲート絶縁膜上に、前記ゲート電極の仕事関数を調整するための仕事関数制御層として前記キャップ膜を残す
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項24】
請求項22記載の半導体装置の製造方法において、
前記第4工程では、前記ゲート絶縁膜上に前記キャップ膜を残して前記ダミーのゲート電極を除去し、
前記第5工程では、前記キャップ膜と反応させる金属膜を当該キャップ膜上に成膜し、当該キャップ膜と金属膜とを反応させて仕事関数制御層を形成した後、前記半導体基板の凹部を含む前記溝パターン内に当該仕事関数制御層を介してゲート電極材料を埋め込み形成し、当該仕事関数制御層によって仕事関数が制御された新たなゲート電極を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2008−193060(P2008−193060A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−329564(P2007−329564)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】