説明

成膜方法及び薄膜トランジスタの作製方法

【課題】3層以上の膜を成膜するに際して、第1の膜の成分が第3の膜に含まれることを防ぐ成膜方法を提供する。
【解決手段】上部電極104と下部電極102が設けられた成膜装置100により3層以上の膜を成膜する多層膜の成膜に際して、下部電極102上に基板110を配して第1の膜112を成膜し、前記第1の膜112の形成時よりも上部電極104と前記基板110の間の距離を長くし、前記第1の膜112上に第2の膜114を成膜し、前記第2の膜114の形成時よりも前記上部電極104と前記基板110の間の前記距離を短くし、前記第2の膜114上に第3の膜116を成膜する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野は、成膜方法に関する。更には、該成膜方法を適用した薄膜トランジスタの作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置は人間の生活に欠かせないものとなっている。ここで、半導体装置は、少なくとも一のトランジスタを含む装置であり、あらゆる電子機器が半導体装置に含まれる。
【0003】
このような半導体装置に含まれるトランジスタなどの素子は、薄膜により構成される。このような薄膜は、プラズマCVD法などを用いて形成されるが、素子を構成する薄膜の組成は素子の特性に影響を及ぼすため非常に重要である。このように薄膜への不純物の混入を防止する技術の一例として、特許文献1に開示された発明が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−054991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一態様は、形成される膜への不純物の混入を防ぐことができる成膜方法を提供する。特に、3層以上の膜を成膜するに際して、第1の膜の成分が第3の膜に含まれることを防ぐ成膜方法である。不純物の混入を防ぐことで、形成される膜の組成を調整する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、上部電極と下部電極が設けられた成膜装置により3層以上の膜を成膜する多層膜の成膜方法であって、下部電極上に基板を配して前記基板上に第1の膜を成膜し、前記第1の膜の形成時よりも上部電極と前記下部電極の間の距離を変化させずに前記第1の膜上に第2の膜を成膜し、前記第2の膜の形成時よりも前記上部電極と前記下部電極の間の前記距離を短くし、前記第2の膜上に第3の膜を成膜することを特徴とする成膜方法である。
【0007】
本発明の一態様は、上部電極と下部電極が設けられた成膜装置により3層以上の膜を成膜する多層膜の成膜方法であって、下部電極上に基板を配して前記基板上に第1の膜を成膜し、前記第1の膜の形成時よりも上部電極と前記下部電極の間の距離を長くし、前記第1の膜上に第2の膜を成膜し、前記第2の膜の形成時よりも前記上部電極と前記下部電極の間の前記距離を変化させずに前記第2の膜上に第3の膜を成膜することを特徴とする成膜方法である。
【0008】
本発明の最も好ましい一態様は、上部電極と下部電極が設けられた成膜装置により3層以上の膜を成膜する多層膜の成膜方法であって、下部電極上に基板を配して前記基板上に第1の膜を成膜し、前記第1の膜の形成時よりも上部電極と前記下部電極の間の距離を長くし、前記第1の膜上に第2の膜を成膜し、前記第2の膜の形成時よりも前記上部電極と前記下部電極の間の前記距離を短くし、前記第2の膜上に第3の膜を成膜することを特徴とする成膜方法である。
【0009】
本発明の一態様は、上部電極と下部電極が設けられた成膜装置の下部電極上に、少なくともゲートを構成する第1の導電層が設けられた基板を配して前記基板上に絶縁膜を形成し、前記絶縁膜の形成時よりも前記上部電極と前記下部電極の間の距離を変化させずに前記絶縁膜上に半導体膜を形成し、前記半導体膜の形成時よりも前記上部電極と前記下部電極の間の前記距離を短くし、前記半導体膜上に不純物半導体膜を形成し、前記半導体膜及び前記不純物半導体膜を加工して積層半導体層を形成し、前記積層半導体層中の不純物半導体層に接して、少なくともソース及びドレインを構成する第2の導電層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法である。
【0010】
本発明の一態様は、上部電極と下部電極が設けられた成膜装置の下部電極上に、少なくともゲートを構成する第1の導電層が設けられた基板を配して前記基板上に絶縁膜を形成し、前記絶縁膜の形成時よりも前記上部電極と前記下部電極の間の距離を長くし、前記絶縁膜上に半導体膜を形成し、前記半導体膜の形成時よりも前記上部電極と前記下部電極の間の前記距離を変化させずに前記半導体膜上に不純物半導体膜を形成し、前記半導体膜及び前記不純物半導体膜を加工して積層半導体層を形成し、前記積層半導体層中の不純物半導体層に接して、少なくともソース及びドレインを構成する第2の導電層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法である。
【0011】
本発明の最も好ましい一態様は、上部電極と下部電極が設けられた成膜装置の下部電極上に、少なくともゲートを構成する第1の導電層が設けられた基板を配して前記基板上に絶縁膜を形成し、前記絶縁膜の形成時よりも前記上部電極と前記下部電極の間の距離を長くし、前記絶縁膜上に半導体膜を形成し、前記半導体膜の形成時よりも前記上部電極と前記下部電極の間の前記距離を短くし、前記半導体膜上に不純物半導体膜を形成し、前記半導体膜及び前記不純物半導体膜を加工して積層半導体層を形成し、前記積層半導体層中の不純物半導体層に接して、少なくともソース及びドレインを構成する第2の導電層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様である成膜方法によれば、形成される膜への不純物の混入を防ぐことができ、形成される膜の組成を調整することができる。特に、3層以上の膜を成膜するに際して、第1の膜の成分が第3の膜に含まれることを防ぐことができる。
【0013】
本発明の一態様である薄膜トランジスタの作製方法によれば、絶縁層に含まれる成分が、絶縁層と直接接しない層に混入することを防止することができる。例えば、ゲート絶縁層に含まれる成分が、オーミックコンタクト層として設けられる不純物半導体層に混入することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一態様である成膜方法の一例を説明する第1図。
【図2】本発明の一態様である成膜方法の一例を説明する第2図。
【図3】本発明の一態様である成膜方法の一例を説明する第3図。
【図4】本発明の一態様である成膜方法の一例を説明する第4図。
【図5】本発明の一態様である成膜方法の一例を説明する第5図。
【図6】本発明の一態様である成膜方法の一例を説明する第6図。
【図7】本発明の一態様である薄膜トランジスタの作製方法の一例を説明する図。
【図8】図7における成膜方法の一例を説明する第1図。
【図9】図7における成膜方法の一例を説明する第2図。
【図10】図7における成膜方法の一例を説明する第3図。
【図11】図7における成膜方法の一例を説明する第4図。
【図12】図7における成膜方法の一例を説明する第5図。
【図13】図7における成膜方法の一例を説明する第6図。
【図14】実施例1における比較例のSIMS測定結果。
【図15】実施例1における実施例のSIMS測定結果。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0016】
(実施の形態1)
本実施の形態は、本発明の一態様である多層膜の成膜方法について図面を参照して説明する。
【0017】
まず、下部電極102と上部電極104を有する成膜装置100内のチャンバー壁106により囲まれた空間内に基板110を導入する(図1)。なお、少なくとも上部電極104とチャンバー壁106の間には、絶縁物108が配されている(図1)。
【0018】
なお、ここで、チャンバー壁106により囲まれた空間には、ガス導入口とガス排気口が設けられ、ガス導入口には膜の原料ガスなどの供給源が接続され、ガス排気口には排気系が接続されている。ここで、膜の原料ガスなどの供給源は堆積性ガス及び希釈ガスを含む。そして、排気系には、目的とする圧力に応じて様々なポンプを接続すればよい。ここは、少なくともターボ分子ポンプを用いることが好ましい。更には、ターボ分子ポンプとチタンサブリメーションポンプを用いることがより好ましい。
【0019】
そして、基板110上に第1の膜112を形成する。このときの下部電極102と上部電極104の間の距離をd1とする。第1の膜112を形成することで、チャンバー壁106には第1の側壁膜112wが形成される(図2)。
【0020】
第1の側壁膜112wは、上部電極104に接して設けられた絶縁物108から基板110に垂直な方向に長さaにわたって形成される。これは、下部電極102と上部電極104の間の距離d1に応じて決定される。
【0021】
次に、第1の膜112が形成された基板110を、下部電極102と上部電極104の間が距離d2となるように移動する。なお、d1≦d2である(図3)。
【0022】
次に、第1の膜112上に第2の膜114を形成する。第2の膜114を形成することで、チャンバー壁106を覆う第1の側壁膜112wを更に覆って、第2の側壁膜114wが形成される(図4)。
【0023】
第2の側壁膜114wは、上部電極104に接して設けられた絶縁物108から基板110に垂直な方向に長さbにわたって形成される。これは、下部電極102と上部電極104の間の距離d2に応じて決定される。従って、d1≦d2であるため、a≦bである。
【0024】
次に、第2の膜114が形成された基板110を、下部電極102と上部電極104の間が距離d3となるように移動する。なお、d3<d2である(図5)。
【0025】
次に、第2の膜114上に第3の膜116を形成する。第3の膜116を形成することで、チャンバー壁106を覆う第1の側壁膜112w及び第2の側壁膜114wを更に覆って、第3の側壁膜116wが形成される(図6)。
【0026】
ここで、チャンバー壁106には、第1の側壁膜112w及び第2の側壁膜114wが形成されているが、a≦bであるため、第3の膜116を形成する際に、第1の側壁膜112wは第2の側壁膜114wに覆われており、露出していない。従って、第1の側壁膜112wに含まれる成分が第3の膜116に混入することを防ぐことができる。
【0027】
なお、第3の側壁膜116wは、上部電極104に接して設けられた絶縁物108から基板110に垂直な方向に長さcにわたって形成される。これは、下部電極102と上部電極104の間の距離d3に応じて決定される。従って、d3<d2であるため、c<bである。
【0028】
以上説明した本発明の一態様である多層膜の成膜方法を用いることで、第1の膜に含まれる成分が第3の膜に混入することを防止することができる。
【0029】
以上、本実施の形態では、最も好ましい形態として、d1≦d2、且つd3<d2の場合について説明した。本実施の形態にて説明したように、d1≦d2、且つd3<d2とすることで、第1の膜に含まれる成分が第3の膜に混入することを効果的に防止することができる。ただし、本発明の一態様である成膜方法はこれに限定されない。すなわち、d1<d2=d3であってもよい。または、d1=d2>d3であってもよい。または、d1>d2>d3であってもよい。
【0030】
(実施の形態2)
実施の形態1の成膜方法は、薄膜トランジスタの作製工程に適用することができる。本実施の形態では、本発明の一態様である実施の形態1の成膜方法を適用した薄膜トランジスタの作製工程について説明する。
【0031】
まず、基板200上に第1の導電層202を形成し、第1の導電層202を覆って第1の絶縁層204を形成する(図7(A))。
【0032】
基板200は、絶縁性基板である。基板200として、例えば、ガラス基板または石英基板を用いることができる。本実施の形態においては、ガラス基板を用いる。基板200がマザーガラスである場合には、第1世代(例えば、320mm×400mm)〜第10世代(例えば、2950mm×3400mm)のものを用いればよいが、これに限定されるものではない。
【0033】
第1の導電層202は、例えば、導電膜(例えば金属膜、または一導電型の不純物元素が添加された半導体膜など)を形成し、該導電膜上にレジストマスクを形成し、該レジストマスクを用いてエッチングを行うことで形成すればよい。または、インクジェット法などを用いてもよい。なお、第1の導電層202となる導電膜は、単層で形成してもよいし、複数の層を積層して形成してもよい。ここでは、例えば、Ti層によりAl層を挟持した3層の積層構造とする。なお、第1の導電層202は、少なくとも走査線とゲート電極を構成する。
【0034】
第1の絶縁層204は、絶縁性材料(例えば、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化窒化シリコンまたは酸化シリコンなど)により形成すればよい。なお、第1の絶縁層204は、単層で形成してもよいし、複数の層を積層して形成してもよい。ここでは、例えば、窒化シリコン層上に酸化窒化シリコン層が積層された2層の積層構造とする。なお、第1の絶縁層204は、少なくともゲート絶縁層を構成する。
【0035】
なお、「窒化酸化シリコン」とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものであって、好ましくは、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)及び水素前方散乱法(HFS:Hydrogen Forward Scattering)を用いて測定した場合に、組成範囲として酸素が5〜30原子%、窒素が20〜55原子%、シリコンが25〜35原子%、水素が10〜30原子%の範囲で含まれるものをいう。
【0036】
なお、「酸化窒化シリコン」とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものであって、好ましくは、RBS及びHFSを用いて測定した場合に、組成範囲として酸素が50〜70原子%、窒素が0.5〜15原子%、シリコンが25〜35原子%、水素が0.1〜10原子%の範囲で含まれるものをいう。
【0037】
ただし、酸化窒化シリコンまたは窒化酸化シリコンを構成する原子の合計を100原子%としたとき、窒素、酸素、シリコン及び水素の含有比率が上記の範囲内に含まれるものとする。
【0038】
次に、第1の絶縁層204上に第1の半導体膜206と、第2の半導体膜208と、不純物半導体膜210と、を形成する(図7(B))。
【0039】
第1の半導体膜206は、キャリア移動度の高い半導体材料により形成するとよい。キャリア移動度の高い半導体材料として、例えば、結晶性半導体が挙げられる。結晶性半導体としては、例えば、微結晶半導体が挙げられる。ここで、微結晶半導体とは、非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造の半導体をいう。微結晶半導体は、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質な半導体であり、結晶粒径が2nm以上200nm以下、好ましくは10nm以上80nm以下、より好ましくは、20nm以上50nm以下の柱状または針状の結晶粒が基板表面に対して法線方向に成長している半導体である。このため、柱状または針状の結晶粒の界面には、粒界が形成されることもある。なお、ここでの結晶粒径は、基板表面に対して平行な面における結晶粒の最大直径をいう。また、結晶粒は、非晶質半導体領域と、単結晶とみなせる微小結晶である結晶子を有する。また、結晶粒は双晶を有する場合もある。
【0040】
微結晶半導体の一である微結晶シリコンでは、そのラマンスペクトルのピークが単結晶シリコンを示す520cm−1よりも低波数側にシフトしている。すなわち、単結晶シリコンを示す520cm−1とアモルファスシリコンを示す480cm−1の間に微結晶シリコンのラマンスペクトルのピークがある。また、未結合手(ダングリングボンド)を終端するため水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。さらに、He、Ar、Kr、またはNeなどの希ガス元素を含ませて格子歪みをさらに助長させることで、安定性が増し良好な微結晶半導体が得られる。
【0041】
また、第1の半導体膜206に含まれる酸素及び窒素の濃度(二次イオン質量分析法による測定値)を、1×1018cm−3未満とすると、第1の半導体膜206の結晶性を高めることができる。
【0042】
第2の半導体膜208は、バッファ層として機能するためキャリア移動度の低い半導体材料により形成するとよく、好ましくは、非晶質半導体と微小半導体結晶粒を有し、従来の非晶質半導体と比較して、一定光電流法(CPM:Constant Photocurrent Method)やフォトルミネッセンス分光測定で測定されるUrbach端のエネルギーが小さく、欠陥吸収スペクトル量が少ない半導体膜である。すなわち、このような半導体膜は、従来の非晶質半導体膜と比較して欠陥が少なく、価電子帯のバンド端(移動度端)における準位のテイル(裾)の傾きが急峻である秩序性の高い半導体膜である。なお、本明細書において、このような半導体層を「非晶質半導体を含む膜」または「非晶質半導体を含む層」と記載することとする。
【0043】
第2の半導体膜208は、「非晶質半導体を含む膜」、ハロゲンを含有する「非晶質半導体を含む膜」、または窒素を含有する「非晶質半導体を含む膜」、最も好ましくはNH基若しくはNH基を含有する「非晶質半導体を含む膜」とするとよい。ただし、これらに限定されない。
【0044】
第1の半導体膜206と第2の半導体膜208の界面領域は、微結晶半導体領域、及び当該微結晶半導体領域の間に充填される非晶質半導体領域を有する。具体的には、第1の半導体膜206から錐形状に伸びた微結晶半導体領域と、第2の半導体膜208と同様の「非晶質半導体を含む膜」と、で構成される。
【0045】
第2の半導体膜208を、例えば、「非晶質半導体を含む膜」、ハロゲンを含有する「非晶質半導体を含む膜」、または窒素を含有する「非晶質半導体を含む膜」、またはNH基若しくはNH基を含有する「非晶質半導体を含む膜」とすると、トランジスタのオフ電流を低減することができる。また、上記の界面領域において、錐形状の微結晶半導体領域を有するため、縦方向(膜厚方向)の抵抗、すなわち、第2の半導体膜208と、不純物半導体膜210により構成されるソース領域またはドレイン領域と、の間の抵抗を低くすることができ、トランジスタのオン電流を高めることができる。すなわち、従来の非晶質半導体を適用した場合と比較すると、オフ電流を十分に低減させつつ、オン電流の低下をも抑制することができ、トランジスタのスイッチング特性を高くすることができる。
【0046】
なお、完成したトランジスタにおいて、第1の半導体膜206により形成される第1の半導体層が薄くなるとオン電流が低下し、第1の半導体膜206により形成される第1の半導体層が厚くなると、第1の半導体膜206により形成される第1の半導体層と第2の導電層の接触面積が広くなり、オフ電流が増大する。従って、オンオフ比を高くするためには、第1の半導体膜206を厚くし、更には後述するように、第1の半導体膜206により形成される第1の半導体層を含む薄膜積層体212の側壁に絶縁化処理を行うことが好ましい。
【0047】
上記の微結晶半導体領域は、第1の半導体膜206から第2の半導体膜208に向かって先端が細くなる錐形状の結晶粒により大部分が構成されているとよい。または、第1の半導体膜206から第2の半導体膜208に向かって幅が広がる結晶粒により大部分が構成されていてもよい。
【0048】
上記の界面領域において、微結晶半導体領域が第1の絶縁層204から第2の半導体膜208に向かって先端が細くなる錐形状の結晶粒である場合には、第1の半導体膜206側のほうが、第2の半導体膜208側と比較して、微結晶半導体領域の占める割合が高い。微結晶半導体領域は、第1の半導体膜206の表面から厚さ方向に成長するが、原料ガスにおいてシランに対する水素の流量が小さく(すなわち、希釈率が低く)、または窒素を含む原料ガスの濃度が高いと、微結晶半導体領域における結晶成長が抑制され、結晶粒が錐形状になり、堆積されて形成される半導体は、大部分が非晶質半導体となる。
【0049】
なお、上記の界面領域は、窒素、特にNH基若しくはNH基を含有することが好ましい。これは、微結晶半導体領域に含まれる結晶の界面、微結晶半導体領域と非晶質半導体領域の界面において、窒素、特にNH基若しくはNH基がシリコン原子のダングリングボンドと結合すると、欠陥を低減させ、キャリアが流れやすくなるためである。このため、窒素、好ましくはNH基若しくはNH基を1×1020cm−3乃至1×1021cm−3とすることで、シリコン原子のダングリングボンドを窒素、好ましくはNH基若しくはNH基で架橋しやすくなり、キャリアが流れやすくなる。この結果、結晶粒界や欠陥におけるキャリアの移動を促進する結合ができ、上記の界面領域のキャリア移動度が向上する。そのため、トランジスタの電界効果移動度が向上する。
【0050】
なお、上記の界面領域の酸素濃度を低減させることにより、微結晶半導体領域と非晶質半導体領域の界面または結晶粒間の界面における欠陥を低減させ、キャリアの移動を阻害する結合を低減させることができる。
【0051】
ここで、第1の絶縁層204の界面から第2の半導体膜208により形成される第2の半導体層の段差部の先端までの距離を3nm以上80nm以下、好ましくは5nm以上30nm以下とすることで、トランジスタのオフ電流を効果的に抑制することができる。
【0052】
不純物半導体膜210は、一導電型を付与する不純物元素を添加した半導体により形成する。トランジスタがn型である場合には、一導電型を付与する不純物元素として、例えば、PまたはAsを添加したシリコンが挙げられる。トランジスタがp型である場合には、一導電型を付与する不純物元素として、例えば、Bを添加することも可能であるが、トランジスタはn型とすることが好ましい。そのため、ここでは、例えば、Pを添加したシリコンを用いる。なお、不純物半導体膜210は非晶質半導体により形成してもよいし、微結晶半導体などの結晶性半導体により形成してもよい。
【0053】
不純物半導体膜210を非晶質半導体により形成する場合には、堆積性ガスの流量に対する希釈ガスの流量を1倍以上10倍以下、好ましくは1倍以上5倍以下とすればよい。不純物半導体膜210を結晶性半導体により形成する場合には、堆積性ガスの流量に対する希釈ガスの流量を10倍以上2000倍以下、好ましくは50倍以上200倍以下とすればよい。
【0054】
なお、本実施の形態においては、第1の絶縁層204から不純物半導体膜210までは同一チャンバー内で連続して形成する。ここで、第1の絶縁層204から不純物半導体膜210までの形成に、実施の形態1の成膜方法を適用する。なお、成膜には図1の成膜装置100を用いる。
【0055】
まず、下部電極102と上部電極104を有する成膜装置100内のチャンバー壁106により囲まれた空間内に、第1の導電層202が設けられた基板200を導入する(図8)。
【0056】
そして、第1の導電層202が設けられた基板200上に第1の絶縁層204を形成する。このときの下部電極102と上部電極104の間の距離をd1とする。第1の絶縁層204を形成することで、チャンバー壁106には第1の側壁膜204wが形成される(図9)。
【0057】
第1の側壁膜204wは、上部電極104に接して設けられた絶縁物108から基板200に垂直な方向に長さaにわたって形成される。これは、下部電極102と上部電極104の間の距離d1に応じて決定される。
【0058】
次に、第1の絶縁層204が形成された基板200を、下部電極102と上部電極104の間が距離d2となるように移動する。なお、ここで、d1≦d2である(図10)。
【0059】
次に、第1の絶縁層204上に第1の半導体膜206及び第2の半導体膜208を形成する。第1の半導体膜206及び第2の半導体膜208を形成することで、チャンバー壁106を覆う第1の側壁膜204wを更に覆って、第2の側壁膜206w及び第3の側壁膜208wが形成される(図11)。
【0060】
第2の側壁膜206w及び第3の側壁膜208wは、上部電極104に接して設けられた絶縁物108から基板200に垂直な方向に長さbにわたって形成される。これは、下部電極102と上部電極104の間の距離d2に応じて決定される。従って、d1≦d2であるため、a≦bである。
【0061】
次に、第1の絶縁層204上に第1の半導体膜206及び第2の半導体膜208が設けられた基板200を、下部電極102と上部電極104の間が距離d3となるように移動する。なお、d3<d2である(図12)。
【0062】
次に、第1の半導体膜206及び第2の半導体膜208上に不純物半導体膜210を形成する。不純物半導体膜210を形成することで、チャンバー壁106を覆う第1の側壁膜204w、第2の側壁膜206w及び第3の側壁膜208wを更に覆って、第4の側壁膜210wが形成される(図13)。
【0063】
ここで、チャンバー壁106には、第1の側壁膜204w、第2の側壁膜206w及び第3の側壁膜208wが形成されているが、a≦bであるため、不純物半導体膜210を形成する際に、第1の側壁膜204wは第2の側壁膜206w及び第3の側壁膜208wに覆われており、露出していない。従って、第1の側壁膜204wに含まれる成分が不純物半導体膜210に混入することを防ぐことができる。
【0064】
例えば、第1の絶縁層204を窒化シリコンにより形成する場合に、不純物半導体膜210に窒素が混入することを防ぐことができる。そのため、不純物半導体膜210に窒素が混入することによって、薄膜トランジスタの不純物半導体層が高抵抗化することを防止することができる。
【0065】
なお、第4の側壁膜210wは、上部電極104に接して設けられた絶縁物108から基板200に垂直な方向に長さcにわたって形成される。これは、下部電極102と上部電極104の間の距離d3に応じて決定される。従って、d3<d2であるため、c<bである。
【0066】
以上説明した本発明の一態様である多層膜の成膜方法を用いることで、第1の絶縁層204に含まれる成分が不純物半導体膜210に混入することを防止することができる。
【0067】
なお、本実施の形態では、第1の半導体膜206の形成と第2の半導体膜208の形成に際して、上部電極104と下部電極102の間の距離を一定としたが、これに限定されず、第1の半導体膜206の形成時と第2の半導体膜208の形成時の上部電極104と下部電極102の間の距離は変化させてもよい。ここでは、第1の半導体膜206は結晶性半導体膜であり、成膜速度が小さいため、第1の半導体膜206を厚くするとスループットが低下する。そのため、第1の半導体膜206よりも第2の半導体膜208を厚く形成することが好ましい。従って、上部電極104と下部電極102の間の距離は、第1の半導体膜206の形成時よりも第2の半導体膜208の形成時のほうが長いことが好ましい。第1の側壁膜204wが厚い膜により完全に覆われることで、第1の側壁膜204wに含まれる不純物元素が不純物半導体膜210に混入することをより効果的に防ぐことができる。
【0068】
次に、不純物半導体膜210上にレジストマスクを形成し、該レジストマスクを用いて第1の半導体膜206と、第2の半導体膜208と、不純物半導体膜210と、をエッチングすることで、薄膜積層体212を形成し、第1の絶縁層204及び薄膜積層体212上に導電膜214を形成する(図7(C))。
【0069】
導電膜214は、第1の導電層202と同様に、導電性材料(例えば金属、または一導電型の不純物元素が添加された半導体など)により形成すればよい。なお、導電膜214は、単層で形成してもよいし、複数の層を積層して形成してもよい。例えば、Ti層によりAl層を挟持した3層の積層構造として形成する。
【0070】
なお、ここで、薄膜積層体212の側壁に対して絶縁化処理を行うことが好ましい。なぜなら、完成したトランジスタの第1の半導体層と第2の導電層が接するとオフ電流が増大してしまうためである。ここで絶縁化処理としては、薄膜積層体212の側壁を酸素プラズマ若しくは窒素プラズマに曝す処理、または薄膜積層体212の側壁が露出された状態で絶縁膜を形成し、該絶縁膜を異方性の高いエッチング方法により基板200の表面に垂直な方向にエッチングを行うことで薄膜積層体212の側壁に接してサイドウォール絶縁層を形成する処理が挙げられる。
【0071】
次に、導電膜214上にレジストマスクを形成し、該レジストマスクを用いて導電膜214をエッチングすることで、第2の導電層222を形成する。更には、当該工程で、薄膜積層体212の上部をもエッチングして第1の半導体層216、第2の半導体層218、及び不純物半導体層220を形成してもよい。または、当該レジストマスクを除去した後に、第2の導電層222をマスクとして用いてエッチングを行うことで第1の半導体層216、第2の半導体層218、及び不純物半導体層220を形成してもよい。その後、これらを覆って第2の絶縁層224を形成する。なお、第2の導電層222は、少なくとも信号線、ソース電極及びドレイン電極を構成する。
【0072】
次に、上記形成した第2の絶縁層224に開口部を形成し、該開口部を介して第2の導電層により形成されるソース及びドレインの一方に電気的に接続されるように第3の導電層226を選択的に形成する。
【0073】
前記開口部は、第2の絶縁層224上にレジストマスクを形成し、当該レジストマスクを介してエッチングを行うことにより形成する。
【0074】
第3の導電層226は、画素トランジスタに接続される画素電極を構成することから、透光性を有する材料により形成する。第3の導電層226は、第2の絶縁層224上に導電膜を形成し、この導電膜をフォトリソグラフィ法により加工することで形成することができる。
【0075】
第3の導電層226は、透光性を有する導電性高分子(導電性ポリマーともいう。)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性組成物を用いて形成した第3の導電層226は、シート抵抗が10000Ω/□以下であり、且つ波長550nmにおける透光率が70%以上であることが好ましい。また、導電性組成物に含まれる導電性高分子の抵抗率が0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
【0076】
なお、導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、またはこれらの2種以上の共重合体などがあげられる。
【0077】
第3の導電層226は、例えば、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す。)、インジウム亜鉛酸化物、酸化シリコンを添加したインジウム錫酸化物などを用いて形成することができる。
【0078】
なお、図示していないが、第2の絶縁層224と第3の導電層226との間に、スピンコーティング法などにより形成した有機樹脂により形成される絶縁層を有していてもよい。
【0079】
以上説明したように、実施の形態1の成膜方法を適用してトランジスタを作製することができる。本実施の形態にて説明した作製方法によって作製したトランジスタでは、不純物半導体層の電気抵抗を従来よりも小さくすることができる。
【0080】
以上、本実施の形態では、最も好ましい形態として、d1≦d2、且つd3<d2の場合について説明した。本実施の形態にて説明したように、d1≦d2、且つd3<d2とすることで、第1の膜に含まれる成分が第3の膜に混入することを効果的に防止することができる。ただし、本発明の一態様はこれに限定されない。すなわち、d1<d2=d3であってもよい。または、d1=d2>d3であってもよい。または、d1>d2>d3であってもよい。
【実施例1】
【0081】
本実施例では、実施の形態1で説明した成膜方法を適用した多層膜について説明する。本実施例では、基板110上に第1の膜112として窒化シリコン膜を形成し、第1の膜112にNOプラズマによりプラズマ処理を行い、プラズマ処理された第1の膜112上に第2の膜114として「結晶性半導体膜」と「非晶質半導体を含む膜」を順に積層して形成し、第2の膜114上に第3の膜116として不純物半導体膜を形成して多層膜を形成した。本実施例では、実施の形態1で説明した成膜方法を適用することで、第3の膜116として形成した不純物半導体膜の抵抗率が、劇的に低いことを示す。
【0082】
なお、ここで、第1の膜112に対して行うプラズマ処理は、NOプラズマによるプラズマ処理に限定されず、酸素を含むプラズマであればよい。結晶性半導体膜である第2の膜114の被形成面に、酸素を含むプラズマによってプラズマ処理を行うことで、第2の膜114として形成される結晶性半導体膜の結晶性を高めることができる。
【0083】
基板110としては、厚さ0.7mmのガラス基板を用いた。
【0084】
第1の膜112である窒化シリコン膜は、SiH、NH、N及びHの混合ガスを用いてプラズマCVD法により、厚さ300nmで形成した。
【0085】
第1の膜112に対して行うNOプラズマによるプラズマ処理は、Nガスを用いてプラズマを生成させ、第1の膜112を該プラズマに3分間曝すことで行った。
【0086】
第2の膜114の一部である「結晶性半導体膜」は、SiH、H及びArの混合ガスを用いてプラズマCVD法により、厚さ30nmで形成した。
【0087】
第2の膜114の「結晶性半導体膜」上に形成される「非晶質半導体を含む膜」は、SiH、H、Ar及び希釈されたNHの混合ガスを用いてプラズマCVD法により、厚さ175nmで形成した。なお、希釈されたNHガスとして、ここでは、NHをHで1000ppmまで希釈したガスを用いた。
【0088】
第3の膜116の不純物半導体膜は、SiH、H及び希釈されたPHの混合ガスを用いてプラズマCVD法により、厚さ200nmで形成した。なお、希釈されたPHガスとして、ここでは、PHをHで0.5%まで希釈したガスを用いた。
【0089】
これらの窒化シリコン膜、NOプラズマによるプラズマ処理、結晶性半導体膜、非晶質半導体を含む膜、不純物半導体膜の形成の際にチャンバー内に導入したガスの流量を表1に示す。
【0090】
【表1】

【0091】
更には、これらの窒化シリコン膜、NOプラズマによるプラズマ処理、結晶性半導体膜、非晶質半導体を含む膜、不純物半導体膜の形成条件及びNOプラズマ処理の条件を表2に示す。
【0092】
【表2】

【0093】
なお、表2において、「圧力」はチャンバー内の圧力であり、「電力」はプラズマ生成時の電力であり、「電極間隔」は、成膜時における下部電極102と上部電極104の間隔である。なお、成膜時の下部電極102の温度は290℃とし、上部電極104の温度は250℃とした。
【0094】
不純物半導体膜の形成時における「電極間隔」は、実施の形態1で説明した成膜方法を適用した「実施例」と、当該成膜方法を適用していない「比較例」と、では異なるものとしている。すなわち、実施例サンプルでは、第1の膜の成膜時の電極間隔は30mm、第2の膜(下側)の成膜時の電極間隔は15mm、第2の膜(上側)の成膜時の電極間隔は25mm、第3の膜の成膜時の電極間隔は15mmである。すなわち、実施例サンプルでは、d1>d2>d3である。一方で、比較例サンプルでは、第1の膜の成膜時の電極間隔は30mm、第2の膜(下側)の成膜時の電極間隔は15mm、第2の膜(上側)の成膜時の電極間隔は25mm、第3の膜の成膜時の電極間隔は30mmである。すなわち、比較例サンプルでは、d1=d3>d2である。
【0095】
このように形成した実施例のサンプルと比較例のサンプルの抵抗率を、四端子法により測定した。
【0096】
実施例のサンプルでは73.1Ω・cmであったのに対し、比較例のサンプルでは403.2Ω・cmであった。従って、実施の形態1の成膜方法を適用することで、抵抗率を1/5以下にまで低減することができる。
【0097】
ここで、実施例のサンプルと比較例のサンプルをSIMS(二次イオン質量分析)法により測定した結果を図14及び図15に示す。図14は、比較例のSIMS測定結果であり、図15は、実施例のSIMS測定結果である。なお、ここでSIMSにより濃度を測定した元素は、H、N、O、F、Cである。
【0098】
図14と図15を比較すると、比較例のサンプル(図14)における不純物半導体膜210のN濃度よりも実施例のサンプル(図15)における不純物半導体膜210のN濃度が、一桁ほど値が低いことがわかる。
【0099】
以上、本実施例にて説明したように、本発明の一態様である成膜方法を適用することで、不純物半導体膜の抵抗率を劇的に低減することができる。
【符号の説明】
【0100】
100 成膜装置
102 下部電極
104 上部電極
106 チャンバー壁
108 絶縁物
110 基板
112 第1の膜
112w 第1の側壁膜
114 第2の膜
114w 第2の側壁膜
116 第3の膜
116w 第3の側壁膜
200 基板
202 第1の導電層
204 第1の絶縁層
204w 第1の側壁膜
206 第1の半導体膜
206w 第2の側壁膜
208 第2の半導体膜
208w 第3の側壁膜
210 不純物半導体膜
212 薄膜積層体
214 導電膜
216 第1の半導体層
218 第2の半導体層
220 不純物半導体層
222 第2の導電層
224 第2の絶縁層
226 第3の導電層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部電極と下部電極が設けられた成膜装置により3層以上の膜を成膜する多層膜の成膜方法であって、
下部電極上に基板を配して第1の膜を成膜し、
前記第1の膜の形成時よりも上部電極と下部電極の間の距離を長くし、
前記第1の膜上に第2の膜を成膜し、
前記第2の膜の形成時よりも前記上部電極と前記下部電極の間の前記距離を変化させずに前記第2の膜上に第3の膜を成膜することを特徴とする成膜方法。
【請求項2】
上部電極と下部電極が設けられた成膜装置により3層以上の膜を成膜する多層膜の成膜方法であって、
下部電極上に基板を配して第1の膜を成膜し、
前記第1の膜の形成時よりも上部電極と下部電極の間の距離を変化させずに前記第1の膜上に第2の膜を成膜し、
前記第2の膜の形成時よりも前記上部電極と前記下部電極の間の前記距離を短くし、
前記第2の膜上に第3の膜を成膜することを特徴とする成膜方法。
【請求項3】
上部電極と下部電極が設けられた成膜装置により3層以上の膜を成膜する多層膜の成膜方法であって、
下部電極上に基板を配して第1の膜を成膜し、
前記第1の膜の形成時よりも上部電極と下部電極の間の距離を長くし、
前記第1の膜上に第2の膜を成膜し、
前記第2の膜の形成時よりも前記上部電極と前記下部電極の間の前記距離を短くし、
前記第2の膜上に第3の膜を成膜することを特徴とする成膜方法。
【請求項4】
上部電極と下部電極が設けられた成膜装置の下部電極上に、少なくともゲートを構成する第1の導電層が設けられた基板を配して絶縁膜を形成し、
前記絶縁膜の形成時よりも前記上部電極と前記下部電極の間の距離を長くし、
前記絶縁膜上に半導体膜を形成し、
前記半導体膜の形成時よりも前記上部電極と前記下部電極の間の前記距離を変化させずに前記半導体膜上に不純物半導体膜を形成し、
前記半導体膜及び前記不純物半導体膜を加工して積層半導体層を形成し、
前記積層半導体層中の不純物半導体層に接して、少なくともソース及びドレインを構成する第2の導電層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項5】
上部電極と下部電極が設けられた成膜装置の下部電極上に、少なくともゲートを構成する第1の導電層が設けられた基板を配して絶縁膜を形成し、
前記絶縁膜の形成時よりも前記上部電極と前記下部電極の間の距離を変化させずに前記絶縁膜上に半導体膜を形成し、
前記半導体膜の形成時よりも前記上部電極と前記下部電極の間の前記距離を短くし、
前記半導体膜上に不純物半導体膜を形成し、
前記半導体膜及び前記不純物半導体膜を加工して積層半導体層を形成し、
前記積層半導体層中の不純物半導体層に接して、少なくともソース及びドレインを構成する第2の導電層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
【請求項6】
上部電極と下部電極が設けられた成膜装置の下部電極上に、少なくともゲートを構成する第1の導電層が設けられた基板を配して絶縁膜を形成し、
前記絶縁膜の形成時よりも前記上部電極と前記下部電極の間の距離を長くし、
前記絶縁膜上に半導体膜を形成し、
前記半導体膜の形成時よりも前記上部電極と前記下部電極の間の前記距離を短くし、
前記半導体膜上に不純物半導体膜を形成し、
前記半導体膜及び前記不純物半導体膜を加工して積層半導体層を形成し、
前記積層半導体層中の不純物半導体層に接して、少なくともソース及びドレインを構成する第2の導電層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−15403(P2012−15403A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152055(P2010−152055)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】