配線構造とこれを利用する薄膜トランジスタ基板及びその製造方法
【課題】 銀を利用する低抵抗配線構造を提供する。
【解決手段】
絶縁基板上に、ゲート配線が形成され、ゲート絶縁膜がゲート配線を覆っており、ゲート絶縁膜上に半導体パターン半導体が形成されている。半導体パターン半導体及びゲート絶縁膜の上には、ソース電極及びドレーン電極とデータ線を含むデータ配線が形成されており、データ配線上には、保護膜が形成されている。保護膜上には、接触孔を通じてドレーン電極と連結されている画素電極が形成されている。この時、ゲート配線及びデータ配線は、接着層、Ag層、及び保護層の3重層からなっており、接着層はクロムやクロム合金、チタニウムやチタニウム合金、モリブデンやモリブデン合金、タリウムやタリウム合金のうちのいずれか一つからなり、Ag層は銀や銀合金からなり、保護層はIZO、モリブデンやモリブデン合金、クロムやクロム合金のうちのいずれか一つからなっている。
【解決手段】
絶縁基板上に、ゲート配線が形成され、ゲート絶縁膜がゲート配線を覆っており、ゲート絶縁膜上に半導体パターン半導体が形成されている。半導体パターン半導体及びゲート絶縁膜の上には、ソース電極及びドレーン電極とデータ線を含むデータ配線が形成されており、データ配線上には、保護膜が形成されている。保護膜上には、接触孔を通じてドレーン電極と連結されている画素電極が形成されている。この時、ゲート配線及びデータ配線は、接着層、Ag層、及び保護層の3重層からなっており、接着層はクロムやクロム合金、チタニウムやチタニウム合金、モリブデンやモリブデン合金、タリウムやタリウム合金のうちのいずれか一つからなり、Ag層は銀や銀合金からなり、保護層はIZO、モリブデンやモリブデン合金、クロムやクロム合金のうちのいずれか一つからなっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線構造とこれを利用する薄膜トランジスタ基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタ基板は、液晶表示装置や有機EL(electro luminescence)表示装置等で、各画素を独立的に駆動するための回路基板として使用される。薄膜トランジスタ基板は、走査信号を伝達する走査信号配線またはゲート配線と、画像信号を伝達する画像信号線またはデータ配線が形成されており、ゲート配線及びデータ配線と連結されている薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタと連結されている画素電極、ゲート配線を覆って絶縁するゲート絶縁膜及び薄膜トランジスタと、データ配線を覆って絶縁する保護膜などからなる。薄膜トランジスタは、ゲート配線の一部であるゲート電極及びチャンネルを形成する半導体層、データ配線の一部であるソース電極とドレーン電極及びゲート絶縁膜と保護膜などからなっている。薄膜トランジスタは、ゲート配線を通じて伝達される走査信号に応じてデータ配線を通じて伝達される画像信号を画素電極に伝達または遮断するスイッチング素子である。
【0003】
このような薄膜トランジスタ基板を使用する代表的装置としては液晶表示装置があるが、液晶表示装置が大型化、高精細化するにつれて、ゲート配線及びデータ配線などの長さが大きく増加し、反対に幅は次第に減少している。これによって配線の抵抗及び各種寄生容量の増加による信号歪曲問題が深刻である。このため、従来の配線材料として一般に用いられるアルミニウム合金に比べて、低い比抵抗を有しながら非晶質シリコン層と良好な接触特性を有する銀(Ag)を利用して配線を形成する方法が注目されている。
【0004】
しかし、銀はガラス基板やケイ素層などに対して接着力が弱いという問題がある。接着力が弱いと、洗浄などの後続工程によって薄膜が浮いてしまったり、剥がれてしまい、配線が切れる等の不良が頻繁に発生する。また、銀は窒化ケイ素などからなる絶縁膜をエッチングする過程で、乾式エッチング剤によって損傷されやすいという問題も有している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が目的とする技術的課題は、銀を利用する低抵抗配線構造を提供することにある。
【0006】
本発明の他の技術的課題は、銀を利用した低抵抗配線構造を有する薄膜トランジスタ基板の信頼性を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記のような課題を解決するために、本発明では、接着層、Ag層、及び保護層の3重層で配線を形成する。
【0008】
具体的には、絶縁基板上に形成され、ゲート線及びこれと連結されたゲート電極を含むゲート配線、ゲート配線を覆っているゲート絶縁膜、前記ゲート絶縁膜上に形成されている半導体パターン半導体、前記半導体パターン半導体上に、互いに分離されて形成され、同一層からなるソース電極及びドレーン電極と、前記ソース電極と連結され、前記ゲート線と交差して画素領域を定義するデータ線を含むデータ配線、前記ドレーン電極を露出する第1接触孔を有する保護膜、前記保護膜上部に形成され、前記第1接触孔を通じて前記ドレーン電極と連結されている画素電極を含み、前記ゲート配線及び前記データ配線のうちの少なくとも一つは、接着層、Ag層、及び保護層の3重層からなっており、前記接着層はクロム、クロム合金、チタン、チタン合金、モリブデン、モリブデン合金、タリウム、タリウム合金のうちのいずれか一つからなり、前記Ag層は銀または銀合金からなり、前記保護層はIZO、モリブデン、モリブデン合金、クロム、クロム合金のうちのいずれか一つからなっている薄膜トランジスタ基板を提供する。
【0009】
この時、前記データ配線は、前記ゲート線または前記ゲート線と同一層に形成されている維持電極線と重なって維持蓄電器を形成する維持蓄電器用導電体パターン導電体をさらに含むことができ、前記維持蓄電器用導電体パターン導電体は、前記ドレーン電極と連結されているのが好ましい。また、前記チャンネル部を除いた前記半導体パターン半導体は、前記データ配線と同一な形態に形成することができる。また、前記画素領域に各々形成され、赤、緑、青の顔料を含む感光性物質からなっており、前記保護膜によって覆われている赤、緑、青のカラーフィルターをさらに含むことができる。
【0010】
一方、配線の保護層は、接着層及びAg層の側面まで覆っていることが好ましい薄膜トランジスタ基板。
【0011】
このような薄膜トランジスタ基板は、絶縁基板上に、ゲート線、前記ゲート線と連結されているゲート電極、及び前記ゲート線と連結されているゲートパッドを含むゲート配線を形成する段階、ゲート絶縁膜を形成する段階、半導体層を形成する段階、導電物質を積層しパターニングして前記ゲート線と交差するデータ線、前記データ線と連結されているデータパッド、前記データ線と連結されていて前記ゲート電極に隣接するソース電極及び前記ゲート電極に対して前記ソース電極の対向側に位置するドレーン電極を含むデータ配線を形成する段階、保護膜を形成する段階、前記ゲート絶縁膜と共に前記保護膜をパターニングして前記ゲートパッド、前記データパッド、及び前記ドレーン電極を各々露出する接触孔を形成する段階、透明導電膜を積層しパターニングして前記接触孔を通じて前記ゲートパッド、前記データパッド、及び前記ドレーン画素電極と各々連結される補助ゲートパッド、補助データパッド、及び画素電極を形成する段階を含み、前記ゲート配線を形成する段階と前記データ配線を形成する段階のうちの少なくとも一つは、接着層、Ag層、及び保護層を順に蒸着し、これらの三つの層をパターニングする段階からなることができる。
【0012】
この時、前記接着層、Ag層、及び保護層を順に蒸着し、これらの三つの層をパターニングする段階は、前記接着層及びAg層を連続蒸着する段階、前記Ag層及び接着層を一緒に写真エッチングする段階、前記Ag層上に前記保護層を蒸着する段階、前記保護層を写真エッチングする段階からなったり、前記接着層、Ag層、及び保護層を連続蒸着する段階、前記保護層、Ag層、及び接着層を共に写真エッチングする段階からなる。
【0013】
一方、前記データ配線及び前記半導体層は、第1部分、前記第1部分より厚い厚さの第2部分、前記第1の厚さより薄い厚さの第3部分を有する感光膜パターンを利用する写真エッチング工程によって共に形成し、前記写真エッチング工程で、前記第1部分は前記ソース電極と前記ドレーン電極との間に位置するように形成し、前記第2部分は前記データ配線上部に位置するように形成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、配線を、接着層、Ag層、及び保護層の3重層で形成することによって低抵抗配線を実現し、Agの接着力及び耐化学性を補完することによって安定性及び信頼性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付した図面を参考にして本発明の実施例による低抵抗配線の構造を適用した薄膜トランジスタ基板及びその製造方法について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。
【0016】
まず、図1及び図2を参照して、本発明の第1実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の構造について詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明の第1実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板であり、図2は図1に示した薄膜トランジスタ基板のII-II´線による断面図である。
【0018】
絶縁基板10上に、第1ゲート配線層221、241、262221、241、261、第2ゲート配線層222、242、262、及び第3ゲート配線層223、243、263の3重層からなっているゲート配線22、24、26が形成されている。第1ゲート配線層221、241、261は、モリブデン(Mo)、タングステン化モリブデン(MoW)などのモリブデン合金、クロム(Cr)、クロム合金、チタン(Ti)、チタン合金、タリウム(Ta)、タリウム合金のうちのいずれか一つからなり、第2ゲート配線層222、242、262は、銀(Ag)または銀合金からなり、第3ゲート配線層223、243、263は、IZO、モリブデン、モリブデン合金などからなる。ここで、第1ゲート配線層221、241、261は、基板10との接着力を向上するために形成する層であり、500Å以下の厚さに形成するのが好ましい。第2ゲート配線層222、242、262は、配線の本来の機能である電気信号の通路役割をする層であり、低い比抵抗の銀や銀合金で形成する。第3ゲート配線層223、243、263は、第2ゲート配線層222、242、262を保護するために形成する層であり、後続工程で使用するエッチング剤に強い物質で形成する。
【0019】
ゲート配線22、24、26は、横方向にのびているゲート線22、ゲート線22の端部に連結されて外部からのゲート信号の印加を受けてゲート線に伝達するゲートパッド24、及びゲート線22に連結されている薄膜トランジスタのゲート電極26を含む。
【0020】
基板10上には、窒化ケイ素(SiNx)などからなるゲート絶縁膜3010がゲート配線22、24、26を覆っている。
【0021】
ゲート電極24の反対側のゲート絶縁膜30上部には、非晶質シリコンなどの半導体からなる半導体層40が形成されており、半導体層40の上部には、シリサイドまたはn型不純物が高濃度にドーピングされたn+水素化非晶質シリコンなどの物質からなる抵抗性接触層55、56が各々形成されている。
【0022】
抵抗性接触層55、56及びゲート絶縁膜30上には、第1データ配線層621、651、661、681、第2データ配線層622、652、662、682、及び第3データ配線層623、653、663、683の3重層からなるデータ配線62、65、66、68が形成されている。第1データ配線層621、651、661、681は、モリブデン(Mo)、タングステン化モリブデン(MoW)などのモリブデン合金、クロム(Cr)、クロム合金、チタン(Ti)、チタン合金、タリウム(Ta)、タリウム合金のうちのいずれか一つからなり、第2データ配線層622、652、662、682は、銀(Ag)または銀合金からなり、第3データ配線層623、653、663、683はIZO、モリブデン、モリブデン合金などからなる。ここで、第1データ配線層621、651、661、681は、抵抗性接触層55、56及びゲート絶縁膜30基板10との接着力を向上するめに形成する層であり、500Å以下の厚さに形成するのが好ましい。第2データ配線層622、652、662、682は、配線の本来機能である電気信号の通路役割をする層であり、低い比抵抗の銀や銀合金で形成する。第3データ配線層623、653、663、683は、第2データ配線層622、652、662、682を保護するために形成する層であり、後続工程で使用するエッチング剤に強い物質で形成する。特に、保護膜70に接触孔74、76、78を形成する時に使用するエッチング剤やエッチング方法に強い物質で形成する。
【0023】
データ配線62、65、66、68は、縦方向に形成されてゲート線22と交差して画素を定義するデータ線62、データ線62の分枝であり抵抗性接触層5455の上部までのびているソース電極65、データ線62の一端に連結されて外部からの画像信号の印加を受けるデータパッド68、ソース電極65と分離され、ゲート電極26を中心にしてソース電極65の反対側に位置する抵抗性接触層56上部に形成されているドレーン電極66を含む。
【0024】
データ配線62、65、66、68及びこれらによって覆われない半導体層40上部には、窒化ケイ素(SiNx)、PECVD(plasma enhanced chemical vapor deposition)方法によって蒸着されたa-Si:C:O膜またはa-Si:O:F膜(低誘電率CVD膜)、及びアクリル系有機絶縁膜などからなる保護膜70が形成されている。PECVD方法によって蒸着されたa-Si:C:O膜及びa-Si:O:F膜(低誘電率CVD膜)は、誘電定数が4以下(誘電定数は2から4の間の値を有する)で誘電率が非常に低い。したがって、厚さが薄くても寄生容量の問題が発生しない。他の膜との接着性及びステップカバレッジ(step coverage)が優れている。また、無機質CVD膜であるために有機絶縁膜に比べて耐熱性が優れている。同時に、PECVD方法によって蒸着されたa-Si:C:O膜及びa-Si:O:F膜(低誘電率CVD膜)は、蒸着速度やエッチング速度が窒化シリコン膜に比べて4〜10倍速いため、工程時間の面でも非常に有利である。
【0025】
保護膜70には、ドレーン電極66及びデータパッド68を各々露出する接触孔76、78が形成されており、ゲート絶縁膜30と共にゲートパッド24を露出する接触孔74が形成されている。この時、パッド24、68を露出する接触孔74、78は、角のある模様や円形模様に形成することもでき、形状寸法は2mm×60μmを超えず、0.5mm×15μm以上であることが好ましい。
【0026】
保護膜70上には、接触孔76を通じてドレーン電極66と電気的に連結されて画素領域に位置する画素電極82が形成されている。また、保護膜70上には、接触孔74、78を通じて各々ゲートパッド24及びデータパッド68と連結されている補助ゲートパッド86及び補助データパッド88が形成されている。ここで、画素電極82と補助ゲートパッド86及び補助データパッド88は、ITO(indium tin oxide)またはIZO(indium zinc oxide)からなる。
【0027】
ここで、画素電極82は、図1及び図2のように、ゲート線22と重なって維持蓄電器をなしており、保持容量が不足した場合には、ゲート配線22、24、26と同一層に保持容量用配線を追加することもできる。
【0028】
また、画素電極82は、データ線62とも重畳するように形成して開口率を極大化することができる。このように、開口率を極大化するために、画素電極82をデータ線62と重畳して形成しても、保護膜70の低誘電率CVD膜などで形成すれば、これらの間に形成される寄生容量は問題にならない程度に小さく維持することができる。
【0029】
以下、このような本発明の第1実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法について、図1及び図2、図3a乃至図7bを参照して詳細に説明する。
【0030】
まず、図3a及び図3bに示すように、基板10上に、第1ゲート配線層221、241、261、第2ゲート配線層222、242、262、及び第3ゲート配線層223、243、2622630を積層し写真エッチングして、ゲート線22、ゲート電極26、及びゲートパッド24を含む横方向にのびているゲート配線22、24、26を形成する。ゲート配線22、24、26を形成する方法については、図18乃至図20を参照して後に詳述する。
【0031】
次に、図4a及び図4bに示すように、窒化ケイ素からなるゲート絶縁膜30、非晶質シリコンからなる半導体層40、ドーピングされた非晶質シリコン層50の3層膜を基板10に連続積層し、半導体層40及びドーピングされた非晶質シリコン層50を写真エッチングして、ゲート電極24と反対側の上部のゲート絶縁膜30上に、島状の半導体層40及び抵抗性接触層50ドーピングされた非晶質シリコン層50を形成する。
【0032】
次に、図5a乃至図5bに示すように、第1データ配線層621、651、661、681を積層し、第2データ配線層622、652、662、682及び第3データ配線層623、653、663、683を積層し写真エッチングして、データ線62,65,66,68を形成する。データ線62,65,66,68は、ゲート線22と交差するデータ線62、データ線62と連結されてゲート電極26上部までのびているソース電極65、データ線62はの一端に連結されているデータパッド68及びソース電極6465と分離され、ゲート電極26を中心にしてソース電極65と対向するドレーン電極66を含むデータ配線を形成する。データ配線を形成する方法についても図18乃至図20を参照して後に詳述する。
【0033】
次に、データ配線62、65、66、68によって覆われないドーピングされた非晶質シリコン層パターン50を除去エッチングして、ゲート電極26を中心にして両側に分離した部分を複数含むする一方抵抗性接触層55,56を形成し、抵抗性接触層55,56の分離した部分の間の半導体層部分を露出させる。、両側のドーピングされた非晶質シリコン層55、56の間の半導体層パターン40を露出させる。次に、露出された半導体層40の表面を安定化するために酸素プラズマ処理を実施するのが好ましい。
【0034】
次に、図6a及び図6bのように、窒化シリコン膜、a-Si:C:O膜またはa-Si:O:F膜を化学気相蒸着(CVD)法によって成長させたり、有機絶縁膜を塗布して保護膜70を形成する。
【0035】
次に、写真エッチング工程でゲート絶縁膜30と共に保護膜70をパターニングして、ゲートパッド24、ドレーン電極66、及びデータパッド68を露出する接触孔74、76、78を形成する。ここで、接触孔74、76、78は、角のある模様や円形模様に形成することもでき、パッド24、68を露出する接触孔74、78の形状寸法は2mm×60μmを超えず、0.5mm×15μm以上であることが好ましい。
【0036】
最後に、図1及び図2に示すように、ITOまたはIZO膜を蒸着し写真エッチングして、第1接触孔76を通じてドレーン電極66と連結される画素電極82と第2接触孔74及び第3接触孔78を通じてゲートパッド24及びデータパッド68と各々連結される補助ゲートパッド86及び補助データパッド88を形成する。ITOやIZOを積層する前の予熱(pre-heating)工程で使用する気体としては窒素を使用するのが好ましい。これは、接触孔74、76、78を通じて露出されている金属膜24、66、68の上部に、金属酸化膜が形成されるのを防止するためである。
【0037】
以上のように、ゲート配線及びデータ配線を銀またはその合金で形成し、下部及び上部に各々接着性を向上させるための接着層と、後続工程で銀または銀合金層を保護するための保護層を形成することによって、低抵抗配線を実現すると共に配線の信頼性を確保する。
【0038】
一方、本発明の第1実施例では、ゲート配線及びデータ配線の全てを3重層で形成しているが、必要に応じて、ゲート配線とデータ配線のうちのいずれか一つにだけ3重層構造を適用することもできる。
【0039】
このような方法は、前記のように、5枚のマスクを用いる製造方法に適用することができるが、4枚のマスクを利用する液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法でも同一に適用することができる。これについて図面を参照して詳細に説明する。
【0040】
まず、図7乃至図9を参照して、本発明の実施例による4枚のマスクを用いて完成した液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の単位画素構造について詳細に説明する。
【0041】
図7は、本発明の第2実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の配置図であり、図8及び図9は、各々図7に示した薄膜トランジスタ基板のVIII-VIII´線及びIX-IX´線による断面図である。
【0042】
まず、絶縁基板10上に、第1実施例と同様に、第1ゲート配線層221、241、262、第2ゲート配線層222、242、262、及び第3ゲート配線層223、243、263の3重層からなっているゲート配線22、24、26が形成されている。第1ゲート配線層221、241、261は、モリブデン(Mo)、タングステン化モリブデン(MoW)などのモリブデン合金、クロム(Cr)、クロム合金、チタン(Ti)、チタン合金、タリウム(Ta)、タリウム合金のうちのいずれか一つからなり、第2ゲート配線層222、242、262は、銀(Ag)または銀合金からなり、第3ゲート配線層223、243、263は、IZO、モリブデン、モリブデン合金などからなっている。ここで、第1ゲート配線層221、241、261は、基板10との接着力を向上させるために形成する層であり、500Å以下の厚さに形成するのが好ましい。第2ゲート配線層222、242、262は、配線の本来の機能である電気信号の通路役割をする層であり、低い比抵抗の銀や銀合金で形成する。第3ゲート配線層223、243、263は、第2ゲート配線層222、242、262を保護するために形成する層であり、後続工程で使用するエッチング剤に強い物質で形成する。ゲート配線は、ゲート線22、ゲートパッド24、及びゲート電極26を含む。
【0043】
基板10上には、ゲート線22と平行に維持電極線28が形成されている。維持電極線28も、第1ゲート配線層221,241,261281と第2ゲート配線層222,242,262282及び第3ゲート配線層223,243,263283の3重層からなる。維持電極線28は、後述する画素電極82と連結された維持蓄電器用導電体パターン導電体6864と重なって、画素の電荷保存能力を向上させる維持蓄電器をなしており、後述する画素電極82とゲート線22の重畳で発生する保持容量が十分な場合には形成しないこともできる。維持電極線28には、上部基板の共通電極と同一な電圧が印加されるのが普通である。
【0044】
ゲート配線22、24、26及び維持電極線28上には、窒化ケイ素(SiNx)などからなるゲート絶縁膜30が形成されており、ゲート配線22、24、26及び維持電極線28を覆っている。
【0045】
ゲート絶縁膜30上には、水素化非晶質シリコン(hydrogenated amorphous silicon)などの半導体からなる半導体パターン半導体42、48が形成されており、半導体パターン半導体42、48上には、リン(P)などのn型不純物が高濃度にドーピングされた非晶質シリコンなどからなる抵抗性接触層(ohmic contact layer)パターンまたは中間層パターン55、56、58が形成されている。
【0046】
抵抗性接触層パターン55、56、58上には、第1データ配線層621、641、651、661、681、第2データ配線層622、642、652、662、682、及び第3データ配線層623、643、653、663、683の3重層からなっているデータ配線62、64、65、66、68が形成されている。第1データ配線層621、641、651、661、681は、モリブデン(Mo)、タングステン化モリブデン(MoW)などのモリブデン合金、クロム(Cr)、クロム合金、チタン(Ti)、チタン合金、タリウム(Ta)、タリウム合金のうちのいずれか一つからなり、第2データ配線層622、642、652、662、682は、銀(Ag)または銀合金からなり、第3データ配線層623、642、653、663、683は、IZO、モリブデン、モリブデン合金などからなっている。ここで、第1データ配線層621、641、651、661、681は、抵抗性接触層55、56とゲート絶縁膜30基板10との接着力を向上させるために形成する層であり、500Å以下の厚さに形成するのが好ましい。第2データ配線層622、642、652、662、682は、配線の本来機能である電気信号の通路役割をする層であり、低い比抵抗の銀や銀合金で形成する。第3データ配線層623、643、653、663、683は、第2データ配線層622、642、652、662、682を保護するために形成する層であり、後続工程で使用するエッチング剤に強い物質で形成する。特に、保護膜70に接触孔74、76、78を形成する時に使用するエッチング剤やエッチング方法に強い物質で形成する。データ配線は、縦方向に形成されているデータ線62、データ線62の一端に連結されて外部からの画像信号の印加を受けるデータパッド68、そして、データ線62の分枝である薄膜トランジスタのソース電極65からなるデータ線部62、68、65、68を含む。また、データ線部62、68、65、68と分離され、ゲート電極26または薄膜トランジスタのチャンネル部(C)に対してソース電極65の反対側に位置する薄膜トランジスタのドレーン電極66及び維持電極線28上に位置している維持蓄電器用導電体パターン導電体64も含む。維持電極線28を形成しない場合には、維持蓄電器用導電体パターン導電体64も形成しない。
【0047】
接触層抵抗性接触層パターン55、56、58は、その下部の半導体パターン半導体42、48とその上部のデータ配線62、64、65、66、68の接触抵抗を低くする役割をし、データ配線62、64、65、66、68と完全に同一な形態を有する。つまり、データ線部中間層パターン55はデータ線部62、68、65と同一で、ドレーン電極用中間層パターン56はドレーン電極66と同一で、維持蓄電器用中間層パターン58は維持蓄電器用導電体パターン導電体64と同一である。
【0048】
一方、半導体パターン半導体42、48は、薄膜トランジスタのチャンネル部(C)を除けば、データ配線62、64、65、66、68及び抵抗性接触層パターン55、56、58と同一な形態を有する。具体的には、維持蓄電器用半導体パターン半導体48と維持蓄電器用導電体パターン導電体64及び維持蓄電器用接触層抵抗性接触層パターン58は同一な形態であるが、薄膜トランジスタ用半導体パターン半導体42はデータ配線及び接触層抵抗性接触層パターンのその他の部分と若干異なる。つまり、薄膜トランジスタのチャンネル部(C)で、データ線部62、68、65、特に、ソース電極65とドレーン電極66が分離されており、データ線部中間層55とドレーン電極用接触層抵抗性接触層パターン56も分離されているが、薄膜トランジスタ用半導体パターン半導体42は、ここで切れず連結されて薄膜トランジスタのチャンネルを生成する。
【0049】
データ配線62、64、65、66、68上には、窒化ケイ素やPECVD(plasma enhanced chemical vapor deposition)方法によって蒸着されたa-Si:C:O膜またはa-Si:O:F膜(低誘電率CVD膜)または有機絶縁膜からなる保護膜70が形成されている。保護膜70は、ドレーン電極66、データパッド6864、及び維持蓄電器用導電体パターン導電体6468を露出する接触孔76、78、72を有し、また、ゲート絶縁膜30と共にゲートパッド24を露出する接触孔74を有している。
【0050】
保護膜70上には、薄膜トランジスタから画像信号を受けて上板の電極と共に電場を生成する画素電極82が形成されている。画素電極82は、ITOまたはIZOなどの透明な導電物質からなり、接触孔76を通じてドレーン電極66と物理的・電気的に連結されて画像信号の伝達を受ける。画素電極82はまた、隣接するゲート線22及びデータ線62と重なって開口率を向上させているが、重ならないこともある。また、画素電極82は、接触孔72を通じて維持蓄電器用導電体パターン導電体64とも連結され、導電体パターン導電体64に画像信号を伝達する。一方、ゲートパッド24及びデータパッド68上には、接触孔74、78を通じて各々これらと連結される補助ゲートパッド86及び補助データパッド88が形成されており、これらは、パッド24、68と外部回路装置との接着性を補完してパッドを保護する役割をするもので、これらの適用は必須ではなく選択的である。
【0051】
以下、図7乃至図9の構造を有する液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板を4枚のマスクを利用して製造する方法について、図8乃至図910、図10a乃至図17cを参照して詳細に説明する。
【0052】
まず、図10a乃至10cに示すように、第1実施例と同様に、第1ゲート配線層221、241、261、281、第2ゲート配線層222、242、262、282、及び第3ゲート配線層223、243、263、283を積層した後に写真エッチングして、ゲート線22、ゲートパッド24、ゲート電極26を含むゲート配線と第1実施形態と同様に逆方向に伸びる維持電極線28を形成する。
【0053】
次に、図11a及び11bに示すように、窒化ケイ素からなるゲート絶縁膜30、半導体層40、中間層50を化学気相蒸着法を利用して各々1,500Å乃至5,000Å、500Å乃至2,000Å、300Å乃至600Åの厚さに基板10に連続蒸着する。次いで、データ配線を形成するための第1導電膜601、第2導電膜602、及び第3導電膜603をスパッタリングなどの方法で基板10に蒸着して導電体層60を形成した後、その上に、感光膜110を1μm乃至2μmの厚さで塗布する。
【0054】
その後、マスクを通じて感光膜110に光を照射した後、現像して、図12b及び12cに示すように、感光膜パターン112、114を形成する。この時、感光膜パターン112、114のうち、薄膜トランジスタのチャンネル部(C)、つまり、ソース電極65とドレーン電極66との間に位置した第1部分114はデータ配線部(A)、つまり、データ配線62、64、65、66、68が形成される部分に位置した第2部分112より薄い厚さにし、その他の部分(B)の感光膜は全て除去する。この時、チャンネル部(C)に残っている感光膜114の厚さとデータ配線部(A)に残っている感光膜112の厚さとの比は、後述するエッチング工程における工程条件に応じて異ならせる必要があり、第1部分114の厚さを第2部分112の厚さの1/2以下とするのが好ましい。例えば、4,000Å以下であるのが良い。
【0055】
このように、位置によって感光膜の厚さを異ならせる方法には様々な方法があり、CA領域の光透過量を調節するために、主にスリット(slit)や格子形態のパターンを形成したり、半透明膜を使用する。
【0056】
この時、スリット間に位置したパターンの線幅やパターンの間の間隔、つまり、スリットの幅は露光時に使用する露光器の分解能より小さいのが好ましい。半透明膜を利用する場合には、マスク作製時に透過率を調節するために、異なる透過率を有する薄膜を利用したり、異なる厚さの薄膜を利用することができる。
【0057】
このようなマスクを通じて感光膜に光を照射すれば、光に直接露出される部分では高分子が完全に分解され、スリットパターンや半透明膜が形成されている部分では光の照射量が少ないので高分子が不完全分解状態となり、遮光膜で覆われた部分では高分子がほとんど分解されない。次いで、感光膜を現像すれば、分子が分解されない高分子部分だけが残り、照射光が少ない中央部分には光が全く照射されない部分より厚さの薄い感光膜を残すことができる。この時、露光時間を長くすると、全ての分子が分解されてしまうため、そうならないように注意が必要である。
【0058】
このような厚さの薄い感光膜112,114の第1部分は、リフローが可能な物質からなる感光膜を利用して、光が完全に透過することができる部分と光が完全に透過できない部分に分けられた通常のマスクで露光した後、現像しリフローさせて、感光膜が残留しない部分に感光膜の一部が流れるようにして形成することもできる。
【0059】
次に、感光膜パターン114及びその下部の膜、つまり、導電体層60、中間層50、及び半導体層40に対するエッチングを進める。この時、データ配線部(A)には、データ配線及びその下部の膜がそのまま残り、チャンネル部(C)には半導体層だけが残る必要があり、その他の部分(B)には、前記三つの層60、50、40が全て除去されて、ゲート絶縁膜30が露出されなければならない。 まず、図13a及び13bに示すように、その他の部分(B)の露出されている導電体層60を除去し、その下部の中間層50を露出させる。この過程では、乾式エッチングまたは湿式エッチング方法を全て使用することができる。この時、導電体層60はエッチングされるが、感光膜パターン112、114はほとんどエッチングされない条件下で行うことが良い。しかし、乾式エッチングの場合、導電体層60だけをエッチングし、感光膜パターン112、114はエッチングされない条件を見つけることが難しいため、感光膜パターン112、114も共にエッチングされる条件下で行うこともできる。この場合には、湿式エッチングの場合より第1部分114の厚さを厚くして、その過程で第1部分114が除去されて下部の導電体層60が露出することがないように注意が必要である。
【0060】
このようにすれば、図13a及び図13bに示すように、チャンネル部(C)及びデータ配線部(BA)の導電体層、つまり、ソース/ドレーン用導電体パターン導電体67及び維持蓄電器用導電体パターン導電体6468だけが残り、その他の部分(B)の導電体層60は全て除去されて、その下部の中間層50が露出される。この時残った導電体パターン導電体67、64は、ソース及びドレーン電極65、66が分離されず連結されている点を除けば、データ配線62、64、65、66、68の形態と同じである。また、乾式エッチングを使用した場合に、感光膜パターン112、114もある程度の厚さがエッチングされる。
【0061】
次に、図14a及び14bに示すように、その他の部分(B)の露出された中間層50及びその下部の半導体層40を感光膜112,114の第1部分114と共に乾式エッチング方法で同時に除去する。この時のエッチングは、感光膜パターン112、114と中間層50及び半導体層40(半導体層及び中間層はエッチング選択性がほとんどない)が同時にエッチングされ、ゲート絶縁膜30はエッチングされない条件下で行う必要がある。特に、感光膜パターン112、114と半導体層40に対するエッチング比がほとんど同一な条件でエッチングするのが好ましい。例えば、SF6とHClの混合気体や、SF6とO2の混合気体を用いれば、ほとんど同一な厚さで二つの膜をエッチングすることができる。感光膜パターン112、114と半導体層40に対するエッチング比が同一な場合、第1部分114の厚さは半導体層40と中間層50の厚さを合せたものと同じであるか、それより小さくなければならない。
【0062】
このようにすれば、図14a及び14bに示すように、チャンネル部(C)の第1部分114が除去されて、ソース/ドレーン用導電体パターン導電体67が露出され、その他の部分(B)の中間層50及び半導体層40が除去されて、その下部のゲート絶縁膜30が露出する。一方、データ配線部(A)の第2部分112もエッチングされるので厚さが薄くなる。なお、この段階で半導体パターン半導体42、48が完成される。図面符号57及び58は、各々ソース/ドレーン用導電体パターン導電体67下部の中間層パターンソース/ドメイン用抵抗性接触層及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64下部の維持容量用抵抗性接触層中間層パターンを指す。
【0063】
次に、アッシング(ashing)を通じてチャンネル部(C)のソース/ドレーン用導電体パターン導電体67及びソース/ドメイン用抵抗性接触層57の表面に残っている感光膜残留物を除去する。
【0064】
次に、図15a及び15bに示すように、チャンネル部(C)のソース/ドレーン用導電体パターン導電体67及びその下部のソース/ドレーン用抵抗性接触層中間層パターン57をエッチングして除去する。この時、エッチングは、ソース/ドレーン用導電体パターン導電体67及び中間層パターン抵抗性接触層57の全てに対して乾式エッチングだけで進めることもでき、ソース/ドレーン用導電体パターン導電体67に対しては湿式エッチングで、抵抗性接触層中間層パターン57に対しては乾式エッチングで行うこともできる。前者の場合、ソース/ドレーン用導電体パターン導電体67及び中間層パターン57のエッチング選択比の大きい条件下でエッチングを行うことが好ましい。これは、エッチング選択比が大きくない場合、エッチング終了点を見つけることが難しく、チャンネル部(C)に残る半導体パターン半導体42の厚さの調節が容易ではないためである。湿式エッチング及び乾式エッチングを入れ替えて行う後者の場合には、湿式エッチングされるソース/ドレーン用導電体パターン導電体67の側面はエッチングされるが、乾式エッチングされる抵抗性接触層中間層パターン57はほとんどエッチングされないため、階段形態に形成される。抵抗性接触層中間層パターン57及び半導体パターン半導体42をエッチングする時に使用するエッチング気体の例としては、CF4とHClの混合気体やCF4とO2の混合気体があり、CF4とO2を用いると均一な厚さの半導体パターン半導体42を残すことができる。この時、図15bに示すように、半導体パターン半導体42の一部が除去されて厚さが薄くなることもあり、感光膜パターン112,114の第2部分112もこの時ある程度の厚さがエッチングされる。この時のエッチングは、ゲート絶縁膜30がエッチングされない条件で行う必要があり、第2部分112がエッチングされて、その下部のデータ配線62、64、65、66、68が露出することがないように、感光膜パターン112,114が厚いのが好ましい。
【0065】
このようにすれば、ソース電極65とドレーン電極66が分離されながら、データ配線62、64、65、66、68とその下部の接触層抵抗性接触層パターン55、56、58が完成される。
【0066】
最後に、データ配線部(A)に残っている感光膜112,114の第2部分112を除去する。しかし、第2部分112の除去は、チャンネル部(C)ソース/ドレーン用導電体パターン導電体67を除去した後にその下のソース/ドレイン用抵抗性接触層中間層パターン57を除去する前に行われることもできる。
【0067】
前記のように、湿式エッチング及び乾式エッチングを入れ替えて実施したり、乾式エッチングだけを使用することができる。後者の場合には、一種類のエッチングだけを使用するため、工程が比較的に簡便であるが、適当なエッチング条件を見つけるのが難しい。反面、前者の場合には、エッチング条件の検索は比較的簡単であるが、工程が後者に比べて面倒な点がある。
【0068】
次に、図16a及び図16bに示すように、窒化ケイ素やa-Si:C:O膜またはa-Si:O:F膜を化学気相蒸着(CVD)法によって成長させたり、有機絶縁膜を塗布して保護膜70を形成する。
【0069】
次に、図17a乃至図17cに示すように、保護膜70をゲート絶縁膜30と共に写真エッチングして、ドレーン電極66、ゲートパッド24、データパッド68、及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を各々露出する接触孔76、74、78、72を形成する。この時、パッド24、68を露出する接触孔74、78の面積は、2mm×60μmを超えず、0.5mm×15μm以上であるのが好ましい。
【0070】
最後に、図8乃至図10に示すように、400Å乃至500Åの厚さのITO層またはIZO層を蒸着し写真エッチングして、ドレーン電極66及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64と連結された画素電極82、ゲートパッド24と連結された補助ゲートパッド86、及びデータパッド68と連結された補助データパッド88を形成する。
【0071】
一方、ITOやIZOを積層する前の予熱(pre-heating)工程で使用する気体としては、窒素を用いるのが好ましい。これは、接触孔72、74、76、78を通じて露出された金属膜24、64、66、68の上部に、金属酸化膜が形成されるのを防止するためである。
【0072】
このように、本発明の第2実施例では、第1実施例による効果だけでなく、データ配線62、64、65、66、68とその下部の接触層抵抗性接触層パターン55、56、58及び半導体パターン半導体42、48を一つのマスクを利用して形成し、この過程で、ソース電極65とドレーン電極66を分離することによって、製造工程を単純化することができる。
【0073】
一方、本発明の第2実施例においても、ゲート配線及びデータ配線の全てを3重層で形成しているが、必要に応じて、ゲート配線とデータ配線のうちのいずれか一つにだけ3重層構造を適用することができる。
【0074】
図18aは、本発明の実施例による薄膜トランジスタ基板に適用した配線構造の一例をより具体的に示した断面図である。
【0075】
ガラス基板またはケイ素系列の膜の底層100上に、接着層1、Ag層2及び保護層3が順に形成されている。ここで、接着層1は第1ゲート配線層及び第1データ配線層に当該し、Ag層2は第2ゲート配線層及び第2データ配線層に該当し、保護層3は第3ゲート配線層及び第3データ配線層に当該する。接着層1は、モリブデン(Mo)、タングステン化モリブデン(MoW)などのモリブデン合金、クロム(Cr)、クロム合金、チタン(Ti)、チタン合金、タリウム(Ta)、タリウム合金などの物理化学的特性、特に、底層100との接着性が優れた物質からなっている。Ag層2は、低い比抵抗の銀(Ag)または銀合金からなる。保護層3は、IZO、モリブデン、モリブデン合金などの化学的安定性が高い物質で形成し、後続工程において下部に位置するAg層2を保護する。ここで、接着層1は、基板10との接着力を向上させるために形成する層であり、500Å以下の厚さに形成するのが好ましい。保護層3は100Å以下に形成するのが好ましい。
【0076】
このような構造の配線を形成するには2種類の方法がある。
【0077】
第1の方法は、接着層1、Ag層2、及び保護層3を連続して蒸着し、その上に感光膜パターンを形成した後、酢酸、リン酸、硝酸の混合物からなるエッチング剤を使用して、三つの層1、2、3を同時にエッチングする方法である。
【0078】
第2の方法は、Ag専用のエッチング剤を使用して、保護層3とAg層2を共にエッチングし、接着層1は底層100と共にエッチングする方法である。この方法は、データ配線を形成する時に用いることができる。この時、保護層3をIZOで形成し、その厚さを100Å以下にし、接着層1はMoWで形成するのが好ましい。底層100は、n+非晶質シリコン層、つまり、抵抗性接触層となる。MoWは、乾式エッチングが可能であるため、n+非晶質シリコン層をエッチングする段階でMoW層をまずエッチングし、その後n+非晶質シリコン層をエッチングすればよい。この時、使用するエッチング気体としては、SF6+O2またはCF4+O2などがある。
【0079】
前記2種類の方法では、3重層構造の配線を形成するために別途の追加工程を必要としない。
【0080】
図18bは、本発明の実施例による薄膜トランジスタ基板に適用された配線構造の他の例をより具体的に示した断面図である。
【0081】
図18bに示した配線構造は、保護層3が接着層1及びAg層2をその側面まで覆っている構造である。したがって、図18aの構造に比べてより安定した配線構造といえる。しかし、接着層1及びAg層2を写真エッチングした後に保護層3を積層し写真エッチングしなければならないため、写真エッチング工程が1回追加される。
【0082】
図19は、MoW/Ag二重膜構造の熱処理による比抵抗値の変化を示したグラフである。つまり、接着層としてMoWを使用した場合の比抵抗値を測定したものである。
【0083】
MoW及び純粋Agの二重膜構造において、蒸着する当時の比抵抗は、MoWが200Å、500Åの場合、各々2.64muOMEGA-cm、2.67muOMEGA-cmで、純粋Agの単一膜の比抵抗と然程差異がなく、下部膜の厚さが200Åから500Åに増加されても、比抵抗には大きく影響を与えない結果となった。また、熱処理固定によって2.02muOMEGA-cmまで比抵抗が減少する結果となった。したがって、下部に500Å以下の接着層を適用しても配線の比抵抗が増加しないことが分かる。
【0084】
図20は、MoW下部膜の厚さの変化及び熱処理温度によるスクラッチテスト結果の写真である。
【0085】
下部接着層であるMoWの厚さが200Åから500Åに増加されることによって接着力が大きく向上することが分かる。しかし、熱処理による接着力の増加はなかった。MoWの厚さが200Åである場合にも、純粋Agの層だけの場合(図20の一番下の写真)に比べて相当接着力が向上したことが確認できた。
【0086】
以下、このような配線構造を利用する薄膜トランジスタ基板の他の実施例を説明する。
【0087】
まず、図21乃至図22を参照して、本発明の第3実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の構造について詳細に説明する。
【0088】
図21は、本発明の第3実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の配置図であり、図22は、図21に示した薄膜トランジスタ基板のXXII-XXII´線による断面図である。
【0089】
まず、絶縁基板10上に、接着層、Ag層、及び保護層の3重層からなるゲート配線22,24,26が形成されている。ゲート配線22,24,26は、横方向にのびている走査信号線またはゲート線22、ゲート線22の端に連結されて外部からの走査信号の印加を受けてゲート線22に伝達するゲートパッド24、及びゲート線22の一部である薄膜トランジスタのゲート電極26を含む。ゲート線22の突出部は、後述する画素電極82と連結された維持蓄電器用導電体パターン導電体64と重なって、画素の電荷保存能力を向上させる維持蓄電器を構成する。
【0090】
ゲート配線22、24、26及び基板10上には、窒化ケイ素(SiNx)などからなるゲート絶縁膜30が形成されており、ゲート電極24はゲート絶縁膜30で覆われている。
【0091】
ゲート絶縁膜パターン30上には、水素化非晶質シリコンなどの半導体からなる半導体パターン半導体40が形成されており、半導体パターン半導体40上には、リン(P)などのn型不純物で高濃度にドーピングされた非晶質シリコンなどからなる抵抗性接触層55、56が形成されている。
【0092】
抵抗性接触層55、56上には、接着層、Ag層、及び保護層の3重層からなるデータ配線の一部である薄膜トランジスタのソース電極65とドレーン電極66が各々形成されている。データ配線は、縦方向に形成され、ソース電極65と連結されているデータ線62、データ線62の一端に連結されて外部からの画像信号の印加を受けるデータパッド68、及びゲート線22の突出部と重なっている維持蓄電器用導電体パターン導電体64も含む。
【0093】
抵抗性接触層55、56は、その下部の半導体パターン半導体40とその上部のデータ配線62、64、65、66、68との接触抵抗を低くする役割をする。
【0094】
図示されていないが、データ配線62、64、65、66、68とデータ配線によって覆われない半導体パターン半導体40上部には、酸化ケイ素または窒化ケイ素などの絶縁物質からなる層間絶縁膜が形成されることができる。
【0095】
ゲート絶縁膜30上部の画素領域には、ドレーン電極65及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を露出する開口部(C1、C2)を有する赤、緑、青のカラーフィルター(R、G、B)が縦方向に形成されている。ここで、赤、緑、青のカラーフィルター(R、G、B)の境界はデータ線62上部で一致して示されているが、データ線62上部で互いに重なって画素領域の間で漏れる光を遮断する機能を有することもでき、ゲート及びデータパッド24、68が形成されているパッド部には形成されていない。
【0096】
青、緑、青のカラーフィルター81、82、83の上部には、平坦化特性が優れて低誘電率のアクリル系の有機絶縁物質、またはSiOC、またはSiOFなどのように、化学気相蒸着で形成されて、4.0以下の低誘電率を有する低誘電率絶縁物質からなる保護膜70が形成されている。このような保護膜7090は、ゲート絶縁膜30と共にゲートパッド24、データパッド68、ドレーン電極66、及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を露出する接触孔74、78、76、72を有している。この時、ドレーン電極66及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を露出する接触孔76、72は、カラーフィルター(R、G、B)の開口部(C1、C2)の内側に位置し、前述したように、カラーフィルター(R、G、B)の下部に層間絶縁膜が追加された場合には、層間絶縁膜と同一なパターンを有する。
【0097】
保護膜70上には、薄膜トランジスタから画像信号を受けて上板の電極と共に電場を生成する画素電極82が形成されている。画素電極82は、ITOまたはIZOなどの透明な導電物質からなり、接触孔76を通じてドレーン電極66と物理的・電気的に連結されて画像信号の伝達を受ける。画素電極82は、ゲート線22及びデータ線62と重なって開口率を向上させているが、重ならないこともある。また、画素電極82は、接触孔72を通じて維持蓄電器用導電体パターン導電体64とも連結されて、導電体パターン導電体64に画像信号を伝達する。一方、ゲートパッド24及びデータパッド68上には、接触孔74、78を通じて各々これらと連結される補助ゲートパッド84及び補助データパッド88が形成されており、これらはパッド24、68と外部回路装置との接着性を補完し、パッドを保護する役割をするもので、これらの適用は必須ではなく選択的である。
【0098】
以下、本発明の第3実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法について、図21及び図22、図23a乃至27bを参照して詳細に説明する。
【0099】
まず、図23a乃至図23bに示すように、3重の導電体層をスパッタリングなどの方法で基板10に積層し、マスクを利用した第1写真エッチング工程で乾式または湿式エッチングして、基板10上にゲート線22、ゲートパッド24、及びゲート電極26を含むゲート配線22,24,26を形成する。
【0100】
次に、図24a及び図24bに示すように、ゲート絶縁膜30、水素化非晶質シリコンなどの半導体とリン(P)などのn型不純物で高濃度にドーピングされた非晶質シリコンを化学気相蒸着法を利用して各々1,500Å乃至5,000Å、500Å乃至2,000Å、300Å乃至600Åの厚さで連続蒸着し、マスクを利用した写真エッチング工程でパターニングし、非晶質シリコン層及びドーピングされた非晶質シリコン半導体層を順にパターニングして半導体パターン半導体40と抵抗性接触層50を形成する。
【0101】
次に、図25a及び図25bのように、基板10に3重の導電体層をスパッタリングなどの方法で蒸着した後、マスクを利用した写真エッチング工程でパターニングして、データ線62、ソース電極65、ドレーン電極66、データパッド68、及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を含むデータ配線を形成する。次に、ソース電極65及びドレーン電極66によって覆われない抵抗性接触層50を除去エッチングし、ソース電極65とドレーン電極66との間の半導体層40を露出して、抵抗性接触層55、5650を二つの部分に分離する。この時、前記のように、抵抗性接触層50はデータ配線の接着層と共にエッチングすることもできる。
【0102】
引続き、窒化ケイ素または酸化ケイ素を積層して、層間絶縁膜(図示せず)を形成することができる。
【0103】
次に、データ配線62、64、65、66、68及び層間絶縁膜(図示せず)を形成した後、図26a乃至図26bに示すように、赤、緑、青の顔料を含む感光性有機物質を各々順に塗布し、写真工程によって赤、緑、青のカラーフィルター(R、G、B)を順に形成する。前記写真工程において、赤、緑、青のカラーフィルター(R、G、B)を形成する時に、ドレーン電極66及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を露出する開口部(C1、C2)も共に形成する。それは、後の保護膜70にドレーン電極66及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を露出する接触孔を形成する時にプロファイルを良好に形成するためである。
【0104】
次に、図27a及び図27bのように、基板10に低誘電率を有して平坦化が優れた有機絶縁物質を塗布したり、または4.0以下の低誘電率を有するSiOF、SiOCなどのような低誘電率絶縁物質を化学気相蒸着で積層して保護膜70を形成し、マスクを利用した写真エッチング工程でゲート絶縁膜30と共にパターニングして、接触孔72、74、76、78を形成する。この時、ドレーン電極66及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を露出する接触孔76、74は、カラーフィルター(R、G、B)に形成されている開口部(C1、C2)の内側に形成する。このように、本発明では、カラーフィルター(R、G、B)に予め開口部(C1、C2)を形成した後、保護膜70をパターニングしてドレーン電極66及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を露出する接触孔76、74を形成することによって、接触孔76、74のプロファイルを良好に形成することができる。
【0105】
最後に、図21乃至図23に示すように、400Å乃至500Å厚さのITOまたはIZO層を蒸着し、マスクを用いた写真エッチング工程でエッチングして、画素電極82、補助ゲートパッド84、及び補助データパッド88を形成する。
【0106】
このような方法は、前記したように、5枚のマスクを利用する製造方法に適用することができるが、4枚のマスクを利用する液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法にも同様に適用することができる。これについて図面を参照して詳細に説明する。
【0107】
まず、図28乃至図30を参照して、本発明の実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタアレイ基板の構造について詳細に説明する。
【0108】
図28は本発明の第4実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の配置図であり、図29及び図30は各々図28に示した薄膜トランジスタ基板のXXIX-XXIX´線及びXXX-XXX´線による断面図である。
【0109】
まず、絶縁基板10上に、接着層、Ag層、及び保護層の3重層からなるゲート配線22,24,26が形成されている。ゲート配線22,24,26は、横方向にのびている走査信号線またはゲート線22、ゲート線22の端部に連結されて外部からの走査信号の印加を受けてゲート線22に伝達するゲートパッド24、及びゲート線22の一部である薄膜トランジスタのゲート電極26を含む。また、ゲート配線は、ゲート線22と平行に形成されており、上板の共通電極に入力される共通電極電圧などの電圧を印加を外部から受ける維持電極線28を含む。維持電極線28は、後述する画素電極82と連結された維持蓄電器用導電体パターン導電体64と重なって、画素の電荷保存能力を向上させる維持蓄電器を構成する。
【0110】
ゲート配線22、24、26、28及び基板10上には、窒化ケイ素(SiNx)などからなるゲート絶縁膜30が形成されている。
【0111】
ゲート絶縁膜30上には、水素化非晶質シリコンなどの半導体からなる半導体パターン半導体42、48が形成されており、半導体パターン半導体42、48上には、リン(P)などのn型不純物で高濃度にドーピングされた非晶質シリコンなどからなる抵抗性接触層パターンまたは中間層パターン55、56、58が形成されている。
【0112】
接触層抵抗性接触層パターン55、56、58上には、ゲート配線と同様に、接着層、Ag層、及び保護層の3重層からなるデータ配線62,64,65,66及び維持蓄電器用導電体パターン導電体が形成されている。データ配線は、縦方向に形成されているデータ線62、データ線62の一端に連結されて外部からの画像信号の印加を受けるデータパッド68、そしてデータ線62の分枝である薄膜トランジスタのソース電極65からなるデータ線部を含む。また、データ線部62、64、65と分離され、ゲート電極26または薄膜トランジスタのチャンネル部(C)に対してソース電極65の反対側に位置する薄膜トランジスタのドレーン電極66を含む。また、維持蓄電器用導電体64は、データ配線は、ドレーン電極66と連結され、維持電極線28と重なっている維持蓄電器を構成する維持蓄電器用導電体パターン64を含む。維持電極線28を形成しない場合には、維持蓄電器用導電体パターン導電体64も形成しない。
【0113】
接触層抵抗性接触層パターン52、55、56は、その下部の半導体パターン半導体42、48と、その上部のデータ配線62、64、65、66、68との接触抵抗を低くする役割をし、データ配線62、64、65、66、68と完全に同一な形態を有する。つまり、データ線部中間層パターン抵抗性接触層55はデータ線部62、68、65と同一で、ドレーン電極用抵抗性接触層中間層パターン56はドレーン電極66と同一で、維持蓄電器用抵抗性接触層中間層パターン58は維持蓄電器用導電体パターン導電体64と同一である。
【0114】
一方、半導体パターン半導体42、48は、薄膜トランジスタのチャンネル部(C)を除けば、データ配線62、64、65、66、68及び接触層抵抗性接触層パターン55、56、58と同じ形態を有する。つまり、薄膜トランジスタのチャンネル部(C)において、データ線部62、68、65、特にソース電極65とドレーン電極66が分離されており、データ線部抵抗性接触層中間層55とドレーン電極用接触層抵抗性接触層パターン56も分離されているが、薄膜トランジスタ用半導体パターン半導体42はここで切れず連結されて薄膜トランジスタのチャンネルを形成する。
【0115】
データ配線62、64、65、66、68及びこれらによって覆われないゲート絶縁膜30上には赤、緑、青のカラーフィルター(R、G、B)が形成されており、このようなカラーフィルター(R、G、B)は第1実施例と同様に、ドレーン電極6566及び維持蓄電器用導電体パターン導電体6468を露出する開口部(C1、C2)を有する。
【0116】
赤、緑、青のカラーフィルター(R、G、B)は、平坦化された感光性有機絶縁膜または低誘電率絶縁物質からなる保護膜70によって覆われており、保護膜70には、ドレーン電極66、データパッド68、及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を露出する接触孔72、76、78を有し、ゲート絶縁膜30と共にゲートパッド24を露出する接触孔74が形成されている。この時にも第1実施例と同様に、ドレーン電極66及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を露出する接触孔76、72は、カラーフィルター(R、G、B)の開口部(C1、C2)の内側に形成される。
【0117】
保護膜7080上には、薄膜トランジスタから画像信号を受けて上板の電極と共に電場を生成する画素電極82が形成されている。画素電極82はITOまたはIZOなどの透明な導電物質からなり、接触孔76を通じてドレーン電極66と物理的・電気的に連結されて画像信号の伝達を受ける。画素電極82はまた隣接するゲート線22及びデータ線62と重なって開口率を向上させているが、重ならないこともある。また、画素電極82は、接触孔72を通じて維持蓄電器用導電体パターン導電体64とも連結されて導電体パターン導電体64に画像信号を伝達する。一方、ゲートパッド24及びデータパッド68上には、接触孔74、78を通じて各々これらと連結される補助ゲートパッド84及び補助データパッド88が形成されており、これらはパッド24、68と外部回路装置との接着性を補完し、パッドを保護する役割をするもので、これらの適用は必須ではなく選択的である。
【0118】
以下、本発明の実施例による液晶表示装置用基板の製造方法について、図28乃至図30、図31a乃至図38cを参照して詳細に説明する。
【0119】
まず、図31a乃至図31cに示すように、金属などの導電体層をスパッタリングなどの方法で1,000Å乃至3,000Åの厚さで蒸着し、マスクを利用した第1写真エッチング工程で乾式または湿式エッチングして、基板10上に、ゲート電極26を有するゲート線22、ゲートパッド24、及び維持電極線28を含むゲート配線22,24,26を形成する。
【0120】
次に、図32a及び図32bに示すように、ゲート絶縁膜30、半導体層40、中間層50を化学気相蒸着法を利用して、各々1,500Å乃至5,000Å、500Å乃至2,000Å、300Å乃至600Åの厚さで基板10に連続蒸着する。次いで、接着層、Ag層、及び保護層の3重層からなるデータ配線用導電層60をスパッタリングなどの方法で1,500Å乃至3,000Åの厚さで蒸着した後、その上に感光膜110を1μm乃至2μmの厚さで塗布する。
【0121】
その後、第2マスクを通じて感光膜110に光を照射した後、現像して、図33b及び図33cに示すように、感光膜パターン112、114を形成する。この時、感光膜パターン112、114のうち、薄膜トランジスタのチャンネル部(C)、つまり、ソース電極65とドレーン電極66との間に位置した第1部分114は、データ配線部(A)、つまり、データ配線62、64、65、66、68が形成される部分に位置した第2部分112より薄い厚さにし、その他の部分(B)の感光膜は全て除去する。この時、チャンネル部(C)に残っている感光膜114の厚さとデータ配線部(A)に残っている感光膜112の厚さとの比は、後述するエッチング工程の工程条件に応じて異ならせる必要があり、第1部分114の厚さを第2部分112の厚さの1/2以下とするのが好ましい。例えば、4,000Å以下であるのが良い。
【0122】
このように、位置によって感光膜の厚さを異ならせるには様々な方法があり、CA領域の光透過量を調節するために主にスリット(slit)や格子形態のパターンを形成したり、半透明膜を使用する。
【0123】
この時、スリット間に位置したパターンの線幅やパターン間の間隔、つまり、スリットの幅は露光時に使用する露光器の分解能より小さいのが好ましい。半透明膜を利用する場合には、マスク作製時に透過率を調節するために、異なる透過率を有する薄膜を利用したり、異なる厚さの薄膜を利用することができる。
【0124】
このようなマスクを通じて感光膜110に光を照射すれば、光に直接露出される部分では高分子が完全に分解され、スリットパターンや半透明膜が形成されている部分では光の照射量が少ないため高分子は不完全分解状態となり、遮光膜によって覆われない部分では高分子がほとんど分解されない。次に、感光膜を現像すれば、分子が分解されない高分子部分だけが残り、照射光が少ない中央部分には光に全く照射されない部分より薄い厚さの感光膜を残すことができる。この時、露光時間を長くすると、全ての分子が分解されてしまうので、そうならないように注意が必要である。
【0125】
このような薄い厚さの感光膜114は、リフローが可能な物質からなる感光膜110を利用して、光が完全に透過することができる部分と光が完全に透過できない部分とに分けられた通常のマスクで露光した後、現像しリフローさせて、感光膜110が残留しない部分に感光膜110の一部が流れるようにすることによって形成することもできる。
【0126】
次に、感光膜パターン114及びその下部の膜、つまり、導電体層60、中間層50、及び半導体層40に対するエッチングを進める。この時、データ配線部(A)には、データ配線及びその下部の膜がそのまま残り、チャンネル部(C)には半導体層だけが残る必要があり、その他の部分(B)には、前記三つの層60、50、40が全て除去されてゲート絶縁膜30が露出されなければならない。
【0127】
まず、図34a及び図34bに示すように、その他の部分(B)の露出されている導電体層60を除去し、その下部の中間層50を露出する。この過程では乾式エッチングまたは湿式エッチング方法を全て使用することができる。この時、導電体層60はエッチングされるが、感光膜パターン112、114はほとんどエッチングされない条件下で行うのが良い。しかし、乾式エッチングの場合、導電体層60だけをエッチングし、感光膜パターン112、114はエッチングされない条件を見つけることが難しいので、感光膜パターン112、114も共にエッチングされる条件下で行うこともできる。この場合には、湿式エッチングの場合より第1部分114の厚さを厚くして、その過程で第1部分114が除去されて下部の導電体層60が露出されることがないように注意する。
【0128】
このようにすれば、図34a及び図34bに示すように、チャンネル部(C)及びデータ配線部(CB)の導電体層、つまり、ソース/ドレーン用導電体パターン導電体67と維持蓄電器用導電体パターン導電体64だけが残り、その他の部分(B)の導電体層60は全て除去されてその下部の中間層50が露出される。この時残ったソース/ドレイン用導電体パターン導電体67、64は、ソース及びドレーン電極65、66が分離されず連結されている点を除けば、データ配線62、64、65、66、68と同じ形態である。また、乾式エッチングを使用した場合、感光膜パターン112、114もある程度の厚さがエッチングされる。
【0129】
次に、図35a及び図35bに示すように、その他の部分(B)の露出された中間層50及びその下部の半導体層40を、感光膜112,114の第1部分114と共に乾式エッチング方法で同時に除去する。この時のエッチングは、感光膜パターン112、114と中間層50、半導体層40(半導体層及び中間層はエッチング選択性がほとんどない)が順にエッチングされ、露出されたゲート絶縁膜30はエッチングされない条件下で行う必要がある。この時、感光膜パターン112、114と半導体層40とに対するエッチング比が同一な場合、第1部分114の厚さは半導体層40と中間層50の厚さを合せたものと同一であるか、それより小さくなければならない。
【0130】
このようにして図35a及び図35bに示すように、チャンネル部(C)の第1部分114が除去されてソース/ドレーン用導電体パターン導電体67が露出され、その他の部分(B)の中間層50及び半導体層40が除去されてその下部のゲート絶縁膜30が露出される。一方、データ配線部(A)の第2部分112もエッチングされて厚さが薄くなる。またこの段階で、半導体パターン半導体42、48が完成する。図面符号57、58は、各々ソース/ドレーン用導電体パターン導電体67下部の中間層パターンソース/ドレイン用抵抗性接触層及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64下部の中間層パターン維持蓄電器用抵抗性接触層を指す。
【0131】
次に、アッシングを通じてチャンネル部(C)のソース/ドレーン用導電体パターン導電体67表面に残っている感光膜残留物を除去する。
【0132】
次に、図36a及び図36bに示すように、チャンネル部(C)のソース/ドレーン用導電体パターン導電体67及びその下部のソース/ドレーン用抵抗性接触層中間層パターン57をエッチングして除去する。
【0133】
このようにすれば、ソース電極65とドレーン電極66が分離されながら、データ配線62、64、65、66、68及びその下部の接触層抵抗性接触層パターン55、56、58が完成する。
【0134】
最後に、データ配線部(A)に残っている感光膜112,114の第2部分112を除去する。しかし、第2部分112の除去は、チャンネル部(C)ソース/ドレーン用導電体パターン導電体67を除去した後、その下のソース/ドレイン用抵抗性接触層中間層パターン57を除去する前に行うこともできる。
【0135】
前記のように、湿式エッチングと乾式エッチングを入れ替えて実施したり、乾式エッチングだけを使用することができる。後者の場合には、一種類のエッチングだけを使用するため工程が比較的に簡便であるが、適当なエッチング条件を見つけることが難しい。反面、前者の場合には、エッチング条件を見つけることは比較的に簡単であるが、工程が後者に比べて面倒な点がある。
【0136】
このようにして、データ配線62、64、65、66、68、抵抗接触層抵抗性接触層パターン55、56、58、及び半導体パターン半導体42、48を完成した後、図37a乃至図37cに示すように、赤、緑、青の顔料を含む感光性有機物質を塗布し、露光及び現象工程を通じた写真工程でパターニングして、赤、緑、青のカラーフィルター(R、G、B)を順に形成する同時に、赤、緑、青のカラーフィルター(R、G、B)にドレーン電極66及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を露出する開口部(C1、C2)も共に形成する。
【0137】
この時、薄膜トランジスタのチャンネル部(C)の上部に、赤または緑のカラーフィルターからなる光遮断層を形成することができる。これは、薄膜トランジスタのチャンネル部(C)に入射する短波長の可視光線をより完全に遮断したり、吸収するためのものある。
【0138】
次に、基板10の上部に赤、緑、青のカラーフィルター(R、G、B)を覆う保護膜70をアクリル系の有機物質で塗布したり、4.0以下の低誘電率絶縁物質を化学気相蒸着で積層し、マスクを利用した写真エッチング工程で保護膜70をゲート絶縁膜30と共にパターニングして、ドレーン電極66、ゲートパッド24、データパッド68、及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を各々露出する接触孔72、74、78、76を形成する。この時、第3実施例と同様に、データパッド68及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を各々露出する接触孔72、76は、カラーフィルター(R、G、B)の開口部(C1、C2)の内側に形成して接触孔72、76のプロファイルを良好に形成する。このような本発明では、第31実施例と同様に、カラーフィルター(R、G、B)に開口部(C1、C2)を形成した後に、データパッド68及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を各々露出する接触孔72、76を形成することによって、接触孔72、76のプロファイルを良好に形成することができるので、接触孔72、76のプロファイルを良好に形成するための別途の工程を追加することがなく、製造工程を単純化することができる。
【0139】
最後に、図28乃至図30に示すように、400Å乃至500Å厚さのITOまたはIZO層を蒸着し、マスクを使用して写真エッチング工程でエッチングして、画素電極8292、補助ゲートパッド9484、及び補助データパッド8896を形成する。
【0140】
本発明の第4実施例においても、赤、緑、青のカラーフィルター(R、G、B)を形成する前に、薄膜トランジスタのチャンネル部(C)が顔料を含む感光性物質でよって汚染されることを防止するために、窒化ケイ素などからなる絶縁膜を追加に形成することができる。
【0141】
このような本発明の第4実施例では、第3実施例による効果だけでなくデータ配線62、64、65、66、68とその下部の接触層抵抗性接触層パターン55、56、58及び半導体パターン半導体42、48を一つのマスクを利用して形成し、この過程でソース電極65とドレーン電極66が分離されて、代JISし携帯と同様に製造工程を単純化することができる。
【0142】
このような薄膜トランジスタ基板は、この他にも様々な変形された形態及び方法で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】本発明の第1実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板である。
【図2】図1のII-II線による断面図である。
【図3a】本発明の第1実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板を製造する中間過程をその工程順で示した薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図3b】図3aのIIIb-IIIb´線による断面図である。
【図4a】本発明の第1実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板を製造する中間過程をその工程順で示した薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図4b】図4aのIVb-IVb´線による断面図で、図3bの次の段階を示すものである。
【図5a】本発明の第1実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板を製造する中間過程をその工程順で示した薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図5b】図5aのVb-Vb´線による断面図で、図4bの次の段階を示すものである。
【図6a】本発明の第1実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板を製造する中間過程をその工程順で示した薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図6b】図6aのVIb-VIb´線による断面図で、図5b6の次の段階を示す断面図である。
【図7】本発明の第2実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図8】図7のVIII-VIII´線による断面図である。
【図9】図7のIX-IX´線による断面図である。
【図10a】本発明の第2実施例によって製造する第1段階の図7に示す薄膜トランジスタ基板の第1段階の配置図である。
【図10b】図10aのXb-Xb´線による断面図である。
【図10c】図10aのXc-Xc´線による断面図である。
【図11a】図10aのXb-Xb´線による断面図で、図10bの次の段階を示す。
【図11b】図10aのXc-Xc´線による断面図で、図10cの次の段階を示す。
【図12a】図11a及び図11bの次の段階の薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図12b】図12aのXIIb-XIIb´線による断面図である。
【図12c】図12aのXIIc-XIIc´線による断面図である。
【図13a】図12のXIIb-XIIb´線による断面図で、図12aの次の段階を工程順で示すものである。
【図13b】図12のXIIc-XIIc´線による断面図で、図12aの次の段階を工程順で示すものである。
【図14a】図12のXIIb-XIIb´線による断面図で、図12aの次の段階を工程順で示すものである。
【図14b】図12のXIIc-XIIc´線による断面図で、図12aの次の段階を工程順で示すものである。
【図15a】図12のXIIb-XIIb´線による断面図で、図12aの次の段階を工程順で示すものである。
【図15b】図12のXIIc-XIIc´線による断面図で、図12aの次の段階を工程順で示すものである。
【図16a】図15aの次の段階の薄膜トランジスタ基板の断面図である。
【図16b】図15bの次の段階の薄膜トランジスタ基板の断面図である。
【図17a】図16a及び図16bの次の段階の薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図17b】図17aのXVIIb-XVIIb´線による断面図である。
【図17c】図17aのXVIIc-XVIIc´線による断面図である。
【図18a】本発明の実施例による薄膜トランジスタ基板に適用された配線構造の一例をより具体的に示した断面図である。
【図18b】本発明の実施例による薄膜トランジスタ基板に適用された配線構造の他の例をより具体的に示した断面図である。
【図19】MoW/Ag二重膜構造の熱処理による比抵抗値の変化を示すグラフである。
【図20】MoW下部膜の厚さの変化と熱処理温度による接着力テスト結果の写真である。
【図21】本発明の第3実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図22】図21に示した薄膜トランジスタ基板のXXII-XXII´線による断面図である。
【図23a】本発明の第3実施例によって製造する第1段階の薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図23b】図23aのXXIIIb-XXIIIb´線による断面図である。
【図24a】本発明の第3実施例によって製造する第2段階の薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図24b】図24aのXXIVb-XXIVb´線による断面図である。
【図25a】本発明の第3実施例によって製造する第3段階の薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図25b】図25aのXXVb-XXVb´線による断面図である。
【図26a】本発明の第3実施例によって製造する第4段階の薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図26b】図26aのXXVIb-XXVIb´線による断面図である。
【図27a】本発明の第3実施例によって製造する第5段階の薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図27b】図27aのXXVIIb-XXVIIb´線による断面図である。
【図28】本発明の第4実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図29】図28に示した薄膜トランジスタ基板のXXVIIXI-XXIXXXVIII´線による断面図である。
【図30】図28に示した薄膜トランジスタ基板のXXX-XXX´線による断面図である。
【図31a】本発明の実施例によって製造する第1段階の薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図31b】図31aのXXXIb-XXXIb´線による断面図である。
【図31c】図31aのXXXIc-XXXIc´線による断面図である。
【図32a】図31aのXXXIb-XXXIb´線による断面図で、図31aの次の段階の断面図である。
【図32b】図31aのXXXIc-XXXIc´線による断面図で、図31aの次の段階の断面図である。
【図33a】図32a及び図32bの次の段階の薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図33b】図33aのXXXIIIb-XXXIIIb´線による断面図である。
【図33c】図33aのXXXIIIc-XXXIIIc´線による断面図である。
【図34a】図33aのXXXIIIb-XXXIIIb´線による断面図で、図33bの次の段階を工程順で示すものである。
【図34b】図33aのXXXIIIc-XXXIIIc´線による断面図で、図33cの次の段階を工程順で示すものである。
【図35a】図33aのXXXIIIb-XXXIIIb´線による断面図で、図33bの次の段階を工程順で示すものである。
【図35b】図33aのXXXIIIc-XXXIIIc´線による断面図で、図33cの次の段階を工程順で示すものである。
【図36a】図33aのXXXIIIb-XXXIIIb´線による断面図で、図33bの次の段階を工程順で示すものである。
【図36b】図33aのXXXIIIc-XXXIIIc´線による断面図で、図33cの次の段階を工程順で示すものである。
【図37a】図36a及び図36bの次の段階の薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図37b】図37aのXXXVIIb-XXXVIIb´線による断面図である。
【図37c】図37aのXXXVIIc-XXXVIIc´線による断面図である。
【図38a】図37a乃至図37cの次の段階の薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図38b】図38aのXXXVIIIb-XXXVIIIb´線による断面図である。
【図38c】図38aのXXXVIIIc-XXXVIIIc´線による断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線構造とこれを利用する薄膜トランジスタ基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタ基板は、液晶表示装置や有機EL(electro luminescence)表示装置等で、各画素を独立的に駆動するための回路基板として使用される。薄膜トランジスタ基板は、走査信号を伝達する走査信号配線またはゲート配線と、画像信号を伝達する画像信号線またはデータ配線が形成されており、ゲート配線及びデータ配線と連結されている薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタと連結されている画素電極、ゲート配線を覆って絶縁するゲート絶縁膜及び薄膜トランジスタと、データ配線を覆って絶縁する保護膜などからなる。薄膜トランジスタは、ゲート配線の一部であるゲート電極及びチャンネルを形成する半導体層、データ配線の一部であるソース電極とドレーン電極及びゲート絶縁膜と保護膜などからなっている。薄膜トランジスタは、ゲート配線を通じて伝達される走査信号に応じてデータ配線を通じて伝達される画像信号を画素電極に伝達または遮断するスイッチング素子である。
【0003】
このような薄膜トランジスタ基板を使用する代表的装置としては液晶表示装置があるが、液晶表示装置が大型化、高精細化するにつれて、ゲート配線及びデータ配線などの長さが大きく増加し、反対に幅は次第に減少している。これによって配線の抵抗及び各種寄生容量の増加による信号歪曲問題が深刻である。このため、従来の配線材料として一般に用いられるアルミニウム合金に比べて、低い比抵抗を有しながら非晶質シリコン層と良好な接触特性を有する銀(Ag)を利用して配線を形成する方法が注目されている。
【0004】
しかし、銀はガラス基板やケイ素層などに対して接着力が弱いという問題がある。接着力が弱いと、洗浄などの後続工程によって薄膜が浮いてしまったり、剥がれてしまい、配線が切れる等の不良が頻繁に発生する。また、銀は窒化ケイ素などからなる絶縁膜をエッチングする過程で、乾式エッチング剤によって損傷されやすいという問題も有している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が目的とする技術的課題は、銀を利用する低抵抗配線構造を提供することにある。
【0006】
本発明の他の技術的課題は、銀を利用した低抵抗配線構造を有する薄膜トランジスタ基板の信頼性を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記のような課題を解決するために、本発明では、接着層、Ag層、及び保護層の3重層で配線を形成する。
【0008】
具体的には、絶縁基板上に形成され、ゲート線及びこれと連結されたゲート電極を含むゲート配線、ゲート配線を覆っているゲート絶縁膜、前記ゲート絶縁膜上に形成されている半導体パターン半導体、前記半導体パターン半導体上に、互いに分離されて形成され、同一層からなるソース電極及びドレーン電極と、前記ソース電極と連結され、前記ゲート線と交差して画素領域を定義するデータ線を含むデータ配線、前記ドレーン電極を露出する第1接触孔を有する保護膜、前記保護膜上部に形成され、前記第1接触孔を通じて前記ドレーン電極と連結されている画素電極を含み、前記ゲート配線及び前記データ配線のうちの少なくとも一つは、接着層、Ag層、及び保護層の3重層からなっており、前記接着層はクロム、クロム合金、チタン、チタン合金、モリブデン、モリブデン合金、タリウム、タリウム合金のうちのいずれか一つからなり、前記Ag層は銀または銀合金からなり、前記保護層はIZO、モリブデン、モリブデン合金、クロム、クロム合金のうちのいずれか一つからなっている薄膜トランジスタ基板を提供する。
【0009】
この時、前記データ配線は、前記ゲート線または前記ゲート線と同一層に形成されている維持電極線と重なって維持蓄電器を形成する維持蓄電器用導電体パターン導電体をさらに含むことができ、前記維持蓄電器用導電体パターン導電体は、前記ドレーン電極と連結されているのが好ましい。また、前記チャンネル部を除いた前記半導体パターン半導体は、前記データ配線と同一な形態に形成することができる。また、前記画素領域に各々形成され、赤、緑、青の顔料を含む感光性物質からなっており、前記保護膜によって覆われている赤、緑、青のカラーフィルターをさらに含むことができる。
【0010】
一方、配線の保護層は、接着層及びAg層の側面まで覆っていることが好ましい薄膜トランジスタ基板。
【0011】
このような薄膜トランジスタ基板は、絶縁基板上に、ゲート線、前記ゲート線と連結されているゲート電極、及び前記ゲート線と連結されているゲートパッドを含むゲート配線を形成する段階、ゲート絶縁膜を形成する段階、半導体層を形成する段階、導電物質を積層しパターニングして前記ゲート線と交差するデータ線、前記データ線と連結されているデータパッド、前記データ線と連結されていて前記ゲート電極に隣接するソース電極及び前記ゲート電極に対して前記ソース電極の対向側に位置するドレーン電極を含むデータ配線を形成する段階、保護膜を形成する段階、前記ゲート絶縁膜と共に前記保護膜をパターニングして前記ゲートパッド、前記データパッド、及び前記ドレーン電極を各々露出する接触孔を形成する段階、透明導電膜を積層しパターニングして前記接触孔を通じて前記ゲートパッド、前記データパッド、及び前記ドレーン画素電極と各々連結される補助ゲートパッド、補助データパッド、及び画素電極を形成する段階を含み、前記ゲート配線を形成する段階と前記データ配線を形成する段階のうちの少なくとも一つは、接着層、Ag層、及び保護層を順に蒸着し、これらの三つの層をパターニングする段階からなることができる。
【0012】
この時、前記接着層、Ag層、及び保護層を順に蒸着し、これらの三つの層をパターニングする段階は、前記接着層及びAg層を連続蒸着する段階、前記Ag層及び接着層を一緒に写真エッチングする段階、前記Ag層上に前記保護層を蒸着する段階、前記保護層を写真エッチングする段階からなったり、前記接着層、Ag層、及び保護層を連続蒸着する段階、前記保護層、Ag層、及び接着層を共に写真エッチングする段階からなる。
【0013】
一方、前記データ配線及び前記半導体層は、第1部分、前記第1部分より厚い厚さの第2部分、前記第1の厚さより薄い厚さの第3部分を有する感光膜パターンを利用する写真エッチング工程によって共に形成し、前記写真エッチング工程で、前記第1部分は前記ソース電極と前記ドレーン電極との間に位置するように形成し、前記第2部分は前記データ配線上部に位置するように形成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、配線を、接着層、Ag層、及び保護層の3重層で形成することによって低抵抗配線を実現し、Agの接着力及び耐化学性を補完することによって安定性及び信頼性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付した図面を参考にして本発明の実施例による低抵抗配線の構造を適用した薄膜トランジスタ基板及びその製造方法について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。
【0016】
まず、図1及び図2を参照して、本発明の第1実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の構造について詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明の第1実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板であり、図2は図1に示した薄膜トランジスタ基板のII-II´線による断面図である。
【0018】
絶縁基板10上に、第1ゲート配線層221、241、262221、241、261、第2ゲート配線層222、242、262、及び第3ゲート配線層223、243、263の3重層からなっているゲート配線22、24、26が形成されている。第1ゲート配線層221、241、261は、モリブデン(Mo)、タングステン化モリブデン(MoW)などのモリブデン合金、クロム(Cr)、クロム合金、チタン(Ti)、チタン合金、タリウム(Ta)、タリウム合金のうちのいずれか一つからなり、第2ゲート配線層222、242、262は、銀(Ag)または銀合金からなり、第3ゲート配線層223、243、263は、IZO、モリブデン、モリブデン合金などからなる。ここで、第1ゲート配線層221、241、261は、基板10との接着力を向上するために形成する層であり、500Å以下の厚さに形成するのが好ましい。第2ゲート配線層222、242、262は、配線の本来の機能である電気信号の通路役割をする層であり、低い比抵抗の銀や銀合金で形成する。第3ゲート配線層223、243、263は、第2ゲート配線層222、242、262を保護するために形成する層であり、後続工程で使用するエッチング剤に強い物質で形成する。
【0019】
ゲート配線22、24、26は、横方向にのびているゲート線22、ゲート線22の端部に連結されて外部からのゲート信号の印加を受けてゲート線に伝達するゲートパッド24、及びゲート線22に連結されている薄膜トランジスタのゲート電極26を含む。
【0020】
基板10上には、窒化ケイ素(SiNx)などからなるゲート絶縁膜3010がゲート配線22、24、26を覆っている。
【0021】
ゲート電極24の反対側のゲート絶縁膜30上部には、非晶質シリコンなどの半導体からなる半導体層40が形成されており、半導体層40の上部には、シリサイドまたはn型不純物が高濃度にドーピングされたn+水素化非晶質シリコンなどの物質からなる抵抗性接触層55、56が各々形成されている。
【0022】
抵抗性接触層55、56及びゲート絶縁膜30上には、第1データ配線層621、651、661、681、第2データ配線層622、652、662、682、及び第3データ配線層623、653、663、683の3重層からなるデータ配線62、65、66、68が形成されている。第1データ配線層621、651、661、681は、モリブデン(Mo)、タングステン化モリブデン(MoW)などのモリブデン合金、クロム(Cr)、クロム合金、チタン(Ti)、チタン合金、タリウム(Ta)、タリウム合金のうちのいずれか一つからなり、第2データ配線層622、652、662、682は、銀(Ag)または銀合金からなり、第3データ配線層623、653、663、683はIZO、モリブデン、モリブデン合金などからなる。ここで、第1データ配線層621、651、661、681は、抵抗性接触層55、56及びゲート絶縁膜30基板10との接着力を向上するめに形成する層であり、500Å以下の厚さに形成するのが好ましい。第2データ配線層622、652、662、682は、配線の本来機能である電気信号の通路役割をする層であり、低い比抵抗の銀や銀合金で形成する。第3データ配線層623、653、663、683は、第2データ配線層622、652、662、682を保護するために形成する層であり、後続工程で使用するエッチング剤に強い物質で形成する。特に、保護膜70に接触孔74、76、78を形成する時に使用するエッチング剤やエッチング方法に強い物質で形成する。
【0023】
データ配線62、65、66、68は、縦方向に形成されてゲート線22と交差して画素を定義するデータ線62、データ線62の分枝であり抵抗性接触層5455の上部までのびているソース電極65、データ線62の一端に連結されて外部からの画像信号の印加を受けるデータパッド68、ソース電極65と分離され、ゲート電極26を中心にしてソース電極65の反対側に位置する抵抗性接触層56上部に形成されているドレーン電極66を含む。
【0024】
データ配線62、65、66、68及びこれらによって覆われない半導体層40上部には、窒化ケイ素(SiNx)、PECVD(plasma enhanced chemical vapor deposition)方法によって蒸着されたa-Si:C:O膜またはa-Si:O:F膜(低誘電率CVD膜)、及びアクリル系有機絶縁膜などからなる保護膜70が形成されている。PECVD方法によって蒸着されたa-Si:C:O膜及びa-Si:O:F膜(低誘電率CVD膜)は、誘電定数が4以下(誘電定数は2から4の間の値を有する)で誘電率が非常に低い。したがって、厚さが薄くても寄生容量の問題が発生しない。他の膜との接着性及びステップカバレッジ(step coverage)が優れている。また、無機質CVD膜であるために有機絶縁膜に比べて耐熱性が優れている。同時に、PECVD方法によって蒸着されたa-Si:C:O膜及びa-Si:O:F膜(低誘電率CVD膜)は、蒸着速度やエッチング速度が窒化シリコン膜に比べて4〜10倍速いため、工程時間の面でも非常に有利である。
【0025】
保護膜70には、ドレーン電極66及びデータパッド68を各々露出する接触孔76、78が形成されており、ゲート絶縁膜30と共にゲートパッド24を露出する接触孔74が形成されている。この時、パッド24、68を露出する接触孔74、78は、角のある模様や円形模様に形成することもでき、形状寸法は2mm×60μmを超えず、0.5mm×15μm以上であることが好ましい。
【0026】
保護膜70上には、接触孔76を通じてドレーン電極66と電気的に連結されて画素領域に位置する画素電極82が形成されている。また、保護膜70上には、接触孔74、78を通じて各々ゲートパッド24及びデータパッド68と連結されている補助ゲートパッド86及び補助データパッド88が形成されている。ここで、画素電極82と補助ゲートパッド86及び補助データパッド88は、ITO(indium tin oxide)またはIZO(indium zinc oxide)からなる。
【0027】
ここで、画素電極82は、図1及び図2のように、ゲート線22と重なって維持蓄電器をなしており、保持容量が不足した場合には、ゲート配線22、24、26と同一層に保持容量用配線を追加することもできる。
【0028】
また、画素電極82は、データ線62とも重畳するように形成して開口率を極大化することができる。このように、開口率を極大化するために、画素電極82をデータ線62と重畳して形成しても、保護膜70の低誘電率CVD膜などで形成すれば、これらの間に形成される寄生容量は問題にならない程度に小さく維持することができる。
【0029】
以下、このような本発明の第1実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法について、図1及び図2、図3a乃至図7bを参照して詳細に説明する。
【0030】
まず、図3a及び図3bに示すように、基板10上に、第1ゲート配線層221、241、261、第2ゲート配線層222、242、262、及び第3ゲート配線層223、243、2622630を積層し写真エッチングして、ゲート線22、ゲート電極26、及びゲートパッド24を含む横方向にのびているゲート配線22、24、26を形成する。ゲート配線22、24、26を形成する方法については、図18乃至図20を参照して後に詳述する。
【0031】
次に、図4a及び図4bに示すように、窒化ケイ素からなるゲート絶縁膜30、非晶質シリコンからなる半導体層40、ドーピングされた非晶質シリコン層50の3層膜を基板10に連続積層し、半導体層40及びドーピングされた非晶質シリコン層50を写真エッチングして、ゲート電極24と反対側の上部のゲート絶縁膜30上に、島状の半導体層40及び抵抗性接触層50ドーピングされた非晶質シリコン層50を形成する。
【0032】
次に、図5a乃至図5bに示すように、第1データ配線層621、651、661、681を積層し、第2データ配線層622、652、662、682及び第3データ配線層623、653、663、683を積層し写真エッチングして、データ線62,65,66,68を形成する。データ線62,65,66,68は、ゲート線22と交差するデータ線62、データ線62と連結されてゲート電極26上部までのびているソース電極65、データ線62はの一端に連結されているデータパッド68及びソース電極6465と分離され、ゲート電極26を中心にしてソース電極65と対向するドレーン電極66を含むデータ配線を形成する。データ配線を形成する方法についても図18乃至図20を参照して後に詳述する。
【0033】
次に、データ配線62、65、66、68によって覆われないドーピングされた非晶質シリコン層パターン50を除去エッチングして、ゲート電極26を中心にして両側に分離した部分を複数含むする一方抵抗性接触層55,56を形成し、抵抗性接触層55,56の分離した部分の間の半導体層部分を露出させる。、両側のドーピングされた非晶質シリコン層55、56の間の半導体層パターン40を露出させる。次に、露出された半導体層40の表面を安定化するために酸素プラズマ処理を実施するのが好ましい。
【0034】
次に、図6a及び図6bのように、窒化シリコン膜、a-Si:C:O膜またはa-Si:O:F膜を化学気相蒸着(CVD)法によって成長させたり、有機絶縁膜を塗布して保護膜70を形成する。
【0035】
次に、写真エッチング工程でゲート絶縁膜30と共に保護膜70をパターニングして、ゲートパッド24、ドレーン電極66、及びデータパッド68を露出する接触孔74、76、78を形成する。ここで、接触孔74、76、78は、角のある模様や円形模様に形成することもでき、パッド24、68を露出する接触孔74、78の形状寸法は2mm×60μmを超えず、0.5mm×15μm以上であることが好ましい。
【0036】
最後に、図1及び図2に示すように、ITOまたはIZO膜を蒸着し写真エッチングして、第1接触孔76を通じてドレーン電極66と連結される画素電極82と第2接触孔74及び第3接触孔78を通じてゲートパッド24及びデータパッド68と各々連結される補助ゲートパッド86及び補助データパッド88を形成する。ITOやIZOを積層する前の予熱(pre-heating)工程で使用する気体としては窒素を使用するのが好ましい。これは、接触孔74、76、78を通じて露出されている金属膜24、66、68の上部に、金属酸化膜が形成されるのを防止するためである。
【0037】
以上のように、ゲート配線及びデータ配線を銀またはその合金で形成し、下部及び上部に各々接着性を向上させるための接着層と、後続工程で銀または銀合金層を保護するための保護層を形成することによって、低抵抗配線を実現すると共に配線の信頼性を確保する。
【0038】
一方、本発明の第1実施例では、ゲート配線及びデータ配線の全てを3重層で形成しているが、必要に応じて、ゲート配線とデータ配線のうちのいずれか一つにだけ3重層構造を適用することもできる。
【0039】
このような方法は、前記のように、5枚のマスクを用いる製造方法に適用することができるが、4枚のマスクを利用する液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法でも同一に適用することができる。これについて図面を参照して詳細に説明する。
【0040】
まず、図7乃至図9を参照して、本発明の実施例による4枚のマスクを用いて完成した液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の単位画素構造について詳細に説明する。
【0041】
図7は、本発明の第2実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の配置図であり、図8及び図9は、各々図7に示した薄膜トランジスタ基板のVIII-VIII´線及びIX-IX´線による断面図である。
【0042】
まず、絶縁基板10上に、第1実施例と同様に、第1ゲート配線層221、241、262、第2ゲート配線層222、242、262、及び第3ゲート配線層223、243、263の3重層からなっているゲート配線22、24、26が形成されている。第1ゲート配線層221、241、261は、モリブデン(Mo)、タングステン化モリブデン(MoW)などのモリブデン合金、クロム(Cr)、クロム合金、チタン(Ti)、チタン合金、タリウム(Ta)、タリウム合金のうちのいずれか一つからなり、第2ゲート配線層222、242、262は、銀(Ag)または銀合金からなり、第3ゲート配線層223、243、263は、IZO、モリブデン、モリブデン合金などからなっている。ここで、第1ゲート配線層221、241、261は、基板10との接着力を向上させるために形成する層であり、500Å以下の厚さに形成するのが好ましい。第2ゲート配線層222、242、262は、配線の本来の機能である電気信号の通路役割をする層であり、低い比抵抗の銀や銀合金で形成する。第3ゲート配線層223、243、263は、第2ゲート配線層222、242、262を保護するために形成する層であり、後続工程で使用するエッチング剤に強い物質で形成する。ゲート配線は、ゲート線22、ゲートパッド24、及びゲート電極26を含む。
【0043】
基板10上には、ゲート線22と平行に維持電極線28が形成されている。維持電極線28も、第1ゲート配線層221,241,261281と第2ゲート配線層222,242,262282及び第3ゲート配線層223,243,263283の3重層からなる。維持電極線28は、後述する画素電極82と連結された維持蓄電器用導電体パターン導電体6864と重なって、画素の電荷保存能力を向上させる維持蓄電器をなしており、後述する画素電極82とゲート線22の重畳で発生する保持容量が十分な場合には形成しないこともできる。維持電極線28には、上部基板の共通電極と同一な電圧が印加されるのが普通である。
【0044】
ゲート配線22、24、26及び維持電極線28上には、窒化ケイ素(SiNx)などからなるゲート絶縁膜30が形成されており、ゲート配線22、24、26及び維持電極線28を覆っている。
【0045】
ゲート絶縁膜30上には、水素化非晶質シリコン(hydrogenated amorphous silicon)などの半導体からなる半導体パターン半導体42、48が形成されており、半導体パターン半導体42、48上には、リン(P)などのn型不純物が高濃度にドーピングされた非晶質シリコンなどからなる抵抗性接触層(ohmic contact layer)パターンまたは中間層パターン55、56、58が形成されている。
【0046】
抵抗性接触層パターン55、56、58上には、第1データ配線層621、641、651、661、681、第2データ配線層622、642、652、662、682、及び第3データ配線層623、643、653、663、683の3重層からなっているデータ配線62、64、65、66、68が形成されている。第1データ配線層621、641、651、661、681は、モリブデン(Mo)、タングステン化モリブデン(MoW)などのモリブデン合金、クロム(Cr)、クロム合金、チタン(Ti)、チタン合金、タリウム(Ta)、タリウム合金のうちのいずれか一つからなり、第2データ配線層622、642、652、662、682は、銀(Ag)または銀合金からなり、第3データ配線層623、642、653、663、683は、IZO、モリブデン、モリブデン合金などからなっている。ここで、第1データ配線層621、641、651、661、681は、抵抗性接触層55、56とゲート絶縁膜30基板10との接着力を向上させるために形成する層であり、500Å以下の厚さに形成するのが好ましい。第2データ配線層622、642、652、662、682は、配線の本来機能である電気信号の通路役割をする層であり、低い比抵抗の銀や銀合金で形成する。第3データ配線層623、643、653、663、683は、第2データ配線層622、642、652、662、682を保護するために形成する層であり、後続工程で使用するエッチング剤に強い物質で形成する。特に、保護膜70に接触孔74、76、78を形成する時に使用するエッチング剤やエッチング方法に強い物質で形成する。データ配線は、縦方向に形成されているデータ線62、データ線62の一端に連結されて外部からの画像信号の印加を受けるデータパッド68、そして、データ線62の分枝である薄膜トランジスタのソース電極65からなるデータ線部62、68、65、68を含む。また、データ線部62、68、65、68と分離され、ゲート電極26または薄膜トランジスタのチャンネル部(C)に対してソース電極65の反対側に位置する薄膜トランジスタのドレーン電極66及び維持電極線28上に位置している維持蓄電器用導電体パターン導電体64も含む。維持電極線28を形成しない場合には、維持蓄電器用導電体パターン導電体64も形成しない。
【0047】
接触層抵抗性接触層パターン55、56、58は、その下部の半導体パターン半導体42、48とその上部のデータ配線62、64、65、66、68の接触抵抗を低くする役割をし、データ配線62、64、65、66、68と完全に同一な形態を有する。つまり、データ線部中間層パターン55はデータ線部62、68、65と同一で、ドレーン電極用中間層パターン56はドレーン電極66と同一で、維持蓄電器用中間層パターン58は維持蓄電器用導電体パターン導電体64と同一である。
【0048】
一方、半導体パターン半導体42、48は、薄膜トランジスタのチャンネル部(C)を除けば、データ配線62、64、65、66、68及び抵抗性接触層パターン55、56、58と同一な形態を有する。具体的には、維持蓄電器用半導体パターン半導体48と維持蓄電器用導電体パターン導電体64及び維持蓄電器用接触層抵抗性接触層パターン58は同一な形態であるが、薄膜トランジスタ用半導体パターン半導体42はデータ配線及び接触層抵抗性接触層パターンのその他の部分と若干異なる。つまり、薄膜トランジスタのチャンネル部(C)で、データ線部62、68、65、特に、ソース電極65とドレーン電極66が分離されており、データ線部中間層55とドレーン電極用接触層抵抗性接触層パターン56も分離されているが、薄膜トランジスタ用半導体パターン半導体42は、ここで切れず連結されて薄膜トランジスタのチャンネルを生成する。
【0049】
データ配線62、64、65、66、68上には、窒化ケイ素やPECVD(plasma enhanced chemical vapor deposition)方法によって蒸着されたa-Si:C:O膜またはa-Si:O:F膜(低誘電率CVD膜)または有機絶縁膜からなる保護膜70が形成されている。保護膜70は、ドレーン電極66、データパッド6864、及び維持蓄電器用導電体パターン導電体6468を露出する接触孔76、78、72を有し、また、ゲート絶縁膜30と共にゲートパッド24を露出する接触孔74を有している。
【0050】
保護膜70上には、薄膜トランジスタから画像信号を受けて上板の電極と共に電場を生成する画素電極82が形成されている。画素電極82は、ITOまたはIZOなどの透明な導電物質からなり、接触孔76を通じてドレーン電極66と物理的・電気的に連結されて画像信号の伝達を受ける。画素電極82はまた、隣接するゲート線22及びデータ線62と重なって開口率を向上させているが、重ならないこともある。また、画素電極82は、接触孔72を通じて維持蓄電器用導電体パターン導電体64とも連結され、導電体パターン導電体64に画像信号を伝達する。一方、ゲートパッド24及びデータパッド68上には、接触孔74、78を通じて各々これらと連結される補助ゲートパッド86及び補助データパッド88が形成されており、これらは、パッド24、68と外部回路装置との接着性を補完してパッドを保護する役割をするもので、これらの適用は必須ではなく選択的である。
【0051】
以下、図7乃至図9の構造を有する液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板を4枚のマスクを利用して製造する方法について、図8乃至図910、図10a乃至図17cを参照して詳細に説明する。
【0052】
まず、図10a乃至10cに示すように、第1実施例と同様に、第1ゲート配線層221、241、261、281、第2ゲート配線層222、242、262、282、及び第3ゲート配線層223、243、263、283を積層した後に写真エッチングして、ゲート線22、ゲートパッド24、ゲート電極26を含むゲート配線と第1実施形態と同様に逆方向に伸びる維持電極線28を形成する。
【0053】
次に、図11a及び11bに示すように、窒化ケイ素からなるゲート絶縁膜30、半導体層40、中間層50を化学気相蒸着法を利用して各々1,500Å乃至5,000Å、500Å乃至2,000Å、300Å乃至600Åの厚さに基板10に連続蒸着する。次いで、データ配線を形成するための第1導電膜601、第2導電膜602、及び第3導電膜603をスパッタリングなどの方法で基板10に蒸着して導電体層60を形成した後、その上に、感光膜110を1μm乃至2μmの厚さで塗布する。
【0054】
その後、マスクを通じて感光膜110に光を照射した後、現像して、図12b及び12cに示すように、感光膜パターン112、114を形成する。この時、感光膜パターン112、114のうち、薄膜トランジスタのチャンネル部(C)、つまり、ソース電極65とドレーン電極66との間に位置した第1部分114はデータ配線部(A)、つまり、データ配線62、64、65、66、68が形成される部分に位置した第2部分112より薄い厚さにし、その他の部分(B)の感光膜は全て除去する。この時、チャンネル部(C)に残っている感光膜114の厚さとデータ配線部(A)に残っている感光膜112の厚さとの比は、後述するエッチング工程における工程条件に応じて異ならせる必要があり、第1部分114の厚さを第2部分112の厚さの1/2以下とするのが好ましい。例えば、4,000Å以下であるのが良い。
【0055】
このように、位置によって感光膜の厚さを異ならせる方法には様々な方法があり、CA領域の光透過量を調節するために、主にスリット(slit)や格子形態のパターンを形成したり、半透明膜を使用する。
【0056】
この時、スリット間に位置したパターンの線幅やパターンの間の間隔、つまり、スリットの幅は露光時に使用する露光器の分解能より小さいのが好ましい。半透明膜を利用する場合には、マスク作製時に透過率を調節するために、異なる透過率を有する薄膜を利用したり、異なる厚さの薄膜を利用することができる。
【0057】
このようなマスクを通じて感光膜に光を照射すれば、光に直接露出される部分では高分子が完全に分解され、スリットパターンや半透明膜が形成されている部分では光の照射量が少ないので高分子が不完全分解状態となり、遮光膜で覆われた部分では高分子がほとんど分解されない。次いで、感光膜を現像すれば、分子が分解されない高分子部分だけが残り、照射光が少ない中央部分には光が全く照射されない部分より厚さの薄い感光膜を残すことができる。この時、露光時間を長くすると、全ての分子が分解されてしまうため、そうならないように注意が必要である。
【0058】
このような厚さの薄い感光膜112,114の第1部分は、リフローが可能な物質からなる感光膜を利用して、光が完全に透過することができる部分と光が完全に透過できない部分に分けられた通常のマスクで露光した後、現像しリフローさせて、感光膜が残留しない部分に感光膜の一部が流れるようにして形成することもできる。
【0059】
次に、感光膜パターン114及びその下部の膜、つまり、導電体層60、中間層50、及び半導体層40に対するエッチングを進める。この時、データ配線部(A)には、データ配線及びその下部の膜がそのまま残り、チャンネル部(C)には半導体層だけが残る必要があり、その他の部分(B)には、前記三つの層60、50、40が全て除去されて、ゲート絶縁膜30が露出されなければならない。 まず、図13a及び13bに示すように、その他の部分(B)の露出されている導電体層60を除去し、その下部の中間層50を露出させる。この過程では、乾式エッチングまたは湿式エッチング方法を全て使用することができる。この時、導電体層60はエッチングされるが、感光膜パターン112、114はほとんどエッチングされない条件下で行うことが良い。しかし、乾式エッチングの場合、導電体層60だけをエッチングし、感光膜パターン112、114はエッチングされない条件を見つけることが難しいため、感光膜パターン112、114も共にエッチングされる条件下で行うこともできる。この場合には、湿式エッチングの場合より第1部分114の厚さを厚くして、その過程で第1部分114が除去されて下部の導電体層60が露出することがないように注意が必要である。
【0060】
このようにすれば、図13a及び図13bに示すように、チャンネル部(C)及びデータ配線部(BA)の導電体層、つまり、ソース/ドレーン用導電体パターン導電体67及び維持蓄電器用導電体パターン導電体6468だけが残り、その他の部分(B)の導電体層60は全て除去されて、その下部の中間層50が露出される。この時残った導電体パターン導電体67、64は、ソース及びドレーン電極65、66が分離されず連結されている点を除けば、データ配線62、64、65、66、68の形態と同じである。また、乾式エッチングを使用した場合に、感光膜パターン112、114もある程度の厚さがエッチングされる。
【0061】
次に、図14a及び14bに示すように、その他の部分(B)の露出された中間層50及びその下部の半導体層40を感光膜112,114の第1部分114と共に乾式エッチング方法で同時に除去する。この時のエッチングは、感光膜パターン112、114と中間層50及び半導体層40(半導体層及び中間層はエッチング選択性がほとんどない)が同時にエッチングされ、ゲート絶縁膜30はエッチングされない条件下で行う必要がある。特に、感光膜パターン112、114と半導体層40に対するエッチング比がほとんど同一な条件でエッチングするのが好ましい。例えば、SF6とHClの混合気体や、SF6とO2の混合気体を用いれば、ほとんど同一な厚さで二つの膜をエッチングすることができる。感光膜パターン112、114と半導体層40に対するエッチング比が同一な場合、第1部分114の厚さは半導体層40と中間層50の厚さを合せたものと同じであるか、それより小さくなければならない。
【0062】
このようにすれば、図14a及び14bに示すように、チャンネル部(C)の第1部分114が除去されて、ソース/ドレーン用導電体パターン導電体67が露出され、その他の部分(B)の中間層50及び半導体層40が除去されて、その下部のゲート絶縁膜30が露出する。一方、データ配線部(A)の第2部分112もエッチングされるので厚さが薄くなる。なお、この段階で半導体パターン半導体42、48が完成される。図面符号57及び58は、各々ソース/ドレーン用導電体パターン導電体67下部の中間層パターンソース/ドメイン用抵抗性接触層及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64下部の維持容量用抵抗性接触層中間層パターンを指す。
【0063】
次に、アッシング(ashing)を通じてチャンネル部(C)のソース/ドレーン用導電体パターン導電体67及びソース/ドメイン用抵抗性接触層57の表面に残っている感光膜残留物を除去する。
【0064】
次に、図15a及び15bに示すように、チャンネル部(C)のソース/ドレーン用導電体パターン導電体67及びその下部のソース/ドレーン用抵抗性接触層中間層パターン57をエッチングして除去する。この時、エッチングは、ソース/ドレーン用導電体パターン導電体67及び中間層パターン抵抗性接触層57の全てに対して乾式エッチングだけで進めることもでき、ソース/ドレーン用導電体パターン導電体67に対しては湿式エッチングで、抵抗性接触層中間層パターン57に対しては乾式エッチングで行うこともできる。前者の場合、ソース/ドレーン用導電体パターン導電体67及び中間層パターン57のエッチング選択比の大きい条件下でエッチングを行うことが好ましい。これは、エッチング選択比が大きくない場合、エッチング終了点を見つけることが難しく、チャンネル部(C)に残る半導体パターン半導体42の厚さの調節が容易ではないためである。湿式エッチング及び乾式エッチングを入れ替えて行う後者の場合には、湿式エッチングされるソース/ドレーン用導電体パターン導電体67の側面はエッチングされるが、乾式エッチングされる抵抗性接触層中間層パターン57はほとんどエッチングされないため、階段形態に形成される。抵抗性接触層中間層パターン57及び半導体パターン半導体42をエッチングする時に使用するエッチング気体の例としては、CF4とHClの混合気体やCF4とO2の混合気体があり、CF4とO2を用いると均一な厚さの半導体パターン半導体42を残すことができる。この時、図15bに示すように、半導体パターン半導体42の一部が除去されて厚さが薄くなることもあり、感光膜パターン112,114の第2部分112もこの時ある程度の厚さがエッチングされる。この時のエッチングは、ゲート絶縁膜30がエッチングされない条件で行う必要があり、第2部分112がエッチングされて、その下部のデータ配線62、64、65、66、68が露出することがないように、感光膜パターン112,114が厚いのが好ましい。
【0065】
このようにすれば、ソース電極65とドレーン電極66が分離されながら、データ配線62、64、65、66、68とその下部の接触層抵抗性接触層パターン55、56、58が完成される。
【0066】
最後に、データ配線部(A)に残っている感光膜112,114の第2部分112を除去する。しかし、第2部分112の除去は、チャンネル部(C)ソース/ドレーン用導電体パターン導電体67を除去した後にその下のソース/ドレイン用抵抗性接触層中間層パターン57を除去する前に行われることもできる。
【0067】
前記のように、湿式エッチング及び乾式エッチングを入れ替えて実施したり、乾式エッチングだけを使用することができる。後者の場合には、一種類のエッチングだけを使用するため、工程が比較的に簡便であるが、適当なエッチング条件を見つけるのが難しい。反面、前者の場合には、エッチング条件の検索は比較的簡単であるが、工程が後者に比べて面倒な点がある。
【0068】
次に、図16a及び図16bに示すように、窒化ケイ素やa-Si:C:O膜またはa-Si:O:F膜を化学気相蒸着(CVD)法によって成長させたり、有機絶縁膜を塗布して保護膜70を形成する。
【0069】
次に、図17a乃至図17cに示すように、保護膜70をゲート絶縁膜30と共に写真エッチングして、ドレーン電極66、ゲートパッド24、データパッド68、及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を各々露出する接触孔76、74、78、72を形成する。この時、パッド24、68を露出する接触孔74、78の面積は、2mm×60μmを超えず、0.5mm×15μm以上であるのが好ましい。
【0070】
最後に、図8乃至図10に示すように、400Å乃至500Åの厚さのITO層またはIZO層を蒸着し写真エッチングして、ドレーン電極66及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64と連結された画素電極82、ゲートパッド24と連結された補助ゲートパッド86、及びデータパッド68と連結された補助データパッド88を形成する。
【0071】
一方、ITOやIZOを積層する前の予熱(pre-heating)工程で使用する気体としては、窒素を用いるのが好ましい。これは、接触孔72、74、76、78を通じて露出された金属膜24、64、66、68の上部に、金属酸化膜が形成されるのを防止するためである。
【0072】
このように、本発明の第2実施例では、第1実施例による効果だけでなく、データ配線62、64、65、66、68とその下部の接触層抵抗性接触層パターン55、56、58及び半導体パターン半導体42、48を一つのマスクを利用して形成し、この過程で、ソース電極65とドレーン電極66を分離することによって、製造工程を単純化することができる。
【0073】
一方、本発明の第2実施例においても、ゲート配線及びデータ配線の全てを3重層で形成しているが、必要に応じて、ゲート配線とデータ配線のうちのいずれか一つにだけ3重層構造を適用することができる。
【0074】
図18aは、本発明の実施例による薄膜トランジスタ基板に適用した配線構造の一例をより具体的に示した断面図である。
【0075】
ガラス基板またはケイ素系列の膜の底層100上に、接着層1、Ag層2及び保護層3が順に形成されている。ここで、接着層1は第1ゲート配線層及び第1データ配線層に当該し、Ag層2は第2ゲート配線層及び第2データ配線層に該当し、保護層3は第3ゲート配線層及び第3データ配線層に当該する。接着層1は、モリブデン(Mo)、タングステン化モリブデン(MoW)などのモリブデン合金、クロム(Cr)、クロム合金、チタン(Ti)、チタン合金、タリウム(Ta)、タリウム合金などの物理化学的特性、特に、底層100との接着性が優れた物質からなっている。Ag層2は、低い比抵抗の銀(Ag)または銀合金からなる。保護層3は、IZO、モリブデン、モリブデン合金などの化学的安定性が高い物質で形成し、後続工程において下部に位置するAg層2を保護する。ここで、接着層1は、基板10との接着力を向上させるために形成する層であり、500Å以下の厚さに形成するのが好ましい。保護層3は100Å以下に形成するのが好ましい。
【0076】
このような構造の配線を形成するには2種類の方法がある。
【0077】
第1の方法は、接着層1、Ag層2、及び保護層3を連続して蒸着し、その上に感光膜パターンを形成した後、酢酸、リン酸、硝酸の混合物からなるエッチング剤を使用して、三つの層1、2、3を同時にエッチングする方法である。
【0078】
第2の方法は、Ag専用のエッチング剤を使用して、保護層3とAg層2を共にエッチングし、接着層1は底層100と共にエッチングする方法である。この方法は、データ配線を形成する時に用いることができる。この時、保護層3をIZOで形成し、その厚さを100Å以下にし、接着層1はMoWで形成するのが好ましい。底層100は、n+非晶質シリコン層、つまり、抵抗性接触層となる。MoWは、乾式エッチングが可能であるため、n+非晶質シリコン層をエッチングする段階でMoW層をまずエッチングし、その後n+非晶質シリコン層をエッチングすればよい。この時、使用するエッチング気体としては、SF6+O2またはCF4+O2などがある。
【0079】
前記2種類の方法では、3重層構造の配線を形成するために別途の追加工程を必要としない。
【0080】
図18bは、本発明の実施例による薄膜トランジスタ基板に適用された配線構造の他の例をより具体的に示した断面図である。
【0081】
図18bに示した配線構造は、保護層3が接着層1及びAg層2をその側面まで覆っている構造である。したがって、図18aの構造に比べてより安定した配線構造といえる。しかし、接着層1及びAg層2を写真エッチングした後に保護層3を積層し写真エッチングしなければならないため、写真エッチング工程が1回追加される。
【0082】
図19は、MoW/Ag二重膜構造の熱処理による比抵抗値の変化を示したグラフである。つまり、接着層としてMoWを使用した場合の比抵抗値を測定したものである。
【0083】
MoW及び純粋Agの二重膜構造において、蒸着する当時の比抵抗は、MoWが200Å、500Åの場合、各々2.64muOMEGA-cm、2.67muOMEGA-cmで、純粋Agの単一膜の比抵抗と然程差異がなく、下部膜の厚さが200Åから500Åに増加されても、比抵抗には大きく影響を与えない結果となった。また、熱処理固定によって2.02muOMEGA-cmまで比抵抗が減少する結果となった。したがって、下部に500Å以下の接着層を適用しても配線の比抵抗が増加しないことが分かる。
【0084】
図20は、MoW下部膜の厚さの変化及び熱処理温度によるスクラッチテスト結果の写真である。
【0085】
下部接着層であるMoWの厚さが200Åから500Åに増加されることによって接着力が大きく向上することが分かる。しかし、熱処理による接着力の増加はなかった。MoWの厚さが200Åである場合にも、純粋Agの層だけの場合(図20の一番下の写真)に比べて相当接着力が向上したことが確認できた。
【0086】
以下、このような配線構造を利用する薄膜トランジスタ基板の他の実施例を説明する。
【0087】
まず、図21乃至図22を参照して、本発明の第3実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の構造について詳細に説明する。
【0088】
図21は、本発明の第3実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の配置図であり、図22は、図21に示した薄膜トランジスタ基板のXXII-XXII´線による断面図である。
【0089】
まず、絶縁基板10上に、接着層、Ag層、及び保護層の3重層からなるゲート配線22,24,26が形成されている。ゲート配線22,24,26は、横方向にのびている走査信号線またはゲート線22、ゲート線22の端に連結されて外部からの走査信号の印加を受けてゲート線22に伝達するゲートパッド24、及びゲート線22の一部である薄膜トランジスタのゲート電極26を含む。ゲート線22の突出部は、後述する画素電極82と連結された維持蓄電器用導電体パターン導電体64と重なって、画素の電荷保存能力を向上させる維持蓄電器を構成する。
【0090】
ゲート配線22、24、26及び基板10上には、窒化ケイ素(SiNx)などからなるゲート絶縁膜30が形成されており、ゲート電極24はゲート絶縁膜30で覆われている。
【0091】
ゲート絶縁膜パターン30上には、水素化非晶質シリコンなどの半導体からなる半導体パターン半導体40が形成されており、半導体パターン半導体40上には、リン(P)などのn型不純物で高濃度にドーピングされた非晶質シリコンなどからなる抵抗性接触層55、56が形成されている。
【0092】
抵抗性接触層55、56上には、接着層、Ag層、及び保護層の3重層からなるデータ配線の一部である薄膜トランジスタのソース電極65とドレーン電極66が各々形成されている。データ配線は、縦方向に形成され、ソース電極65と連結されているデータ線62、データ線62の一端に連結されて外部からの画像信号の印加を受けるデータパッド68、及びゲート線22の突出部と重なっている維持蓄電器用導電体パターン導電体64も含む。
【0093】
抵抗性接触層55、56は、その下部の半導体パターン半導体40とその上部のデータ配線62、64、65、66、68との接触抵抗を低くする役割をする。
【0094】
図示されていないが、データ配線62、64、65、66、68とデータ配線によって覆われない半導体パターン半導体40上部には、酸化ケイ素または窒化ケイ素などの絶縁物質からなる層間絶縁膜が形成されることができる。
【0095】
ゲート絶縁膜30上部の画素領域には、ドレーン電極65及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を露出する開口部(C1、C2)を有する赤、緑、青のカラーフィルター(R、G、B)が縦方向に形成されている。ここで、赤、緑、青のカラーフィルター(R、G、B)の境界はデータ線62上部で一致して示されているが、データ線62上部で互いに重なって画素領域の間で漏れる光を遮断する機能を有することもでき、ゲート及びデータパッド24、68が形成されているパッド部には形成されていない。
【0096】
青、緑、青のカラーフィルター81、82、83の上部には、平坦化特性が優れて低誘電率のアクリル系の有機絶縁物質、またはSiOC、またはSiOFなどのように、化学気相蒸着で形成されて、4.0以下の低誘電率を有する低誘電率絶縁物質からなる保護膜70が形成されている。このような保護膜7090は、ゲート絶縁膜30と共にゲートパッド24、データパッド68、ドレーン電極66、及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を露出する接触孔74、78、76、72を有している。この時、ドレーン電極66及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を露出する接触孔76、72は、カラーフィルター(R、G、B)の開口部(C1、C2)の内側に位置し、前述したように、カラーフィルター(R、G、B)の下部に層間絶縁膜が追加された場合には、層間絶縁膜と同一なパターンを有する。
【0097】
保護膜70上には、薄膜トランジスタから画像信号を受けて上板の電極と共に電場を生成する画素電極82が形成されている。画素電極82は、ITOまたはIZOなどの透明な導電物質からなり、接触孔76を通じてドレーン電極66と物理的・電気的に連結されて画像信号の伝達を受ける。画素電極82は、ゲート線22及びデータ線62と重なって開口率を向上させているが、重ならないこともある。また、画素電極82は、接触孔72を通じて維持蓄電器用導電体パターン導電体64とも連結されて、導電体パターン導電体64に画像信号を伝達する。一方、ゲートパッド24及びデータパッド68上には、接触孔74、78を通じて各々これらと連結される補助ゲートパッド84及び補助データパッド88が形成されており、これらはパッド24、68と外部回路装置との接着性を補完し、パッドを保護する役割をするもので、これらの適用は必須ではなく選択的である。
【0098】
以下、本発明の第3実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法について、図21及び図22、図23a乃至27bを参照して詳細に説明する。
【0099】
まず、図23a乃至図23bに示すように、3重の導電体層をスパッタリングなどの方法で基板10に積層し、マスクを利用した第1写真エッチング工程で乾式または湿式エッチングして、基板10上にゲート線22、ゲートパッド24、及びゲート電極26を含むゲート配線22,24,26を形成する。
【0100】
次に、図24a及び図24bに示すように、ゲート絶縁膜30、水素化非晶質シリコンなどの半導体とリン(P)などのn型不純物で高濃度にドーピングされた非晶質シリコンを化学気相蒸着法を利用して各々1,500Å乃至5,000Å、500Å乃至2,000Å、300Å乃至600Åの厚さで連続蒸着し、マスクを利用した写真エッチング工程でパターニングし、非晶質シリコン層及びドーピングされた非晶質シリコン半導体層を順にパターニングして半導体パターン半導体40と抵抗性接触層50を形成する。
【0101】
次に、図25a及び図25bのように、基板10に3重の導電体層をスパッタリングなどの方法で蒸着した後、マスクを利用した写真エッチング工程でパターニングして、データ線62、ソース電極65、ドレーン電極66、データパッド68、及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を含むデータ配線を形成する。次に、ソース電極65及びドレーン電極66によって覆われない抵抗性接触層50を除去エッチングし、ソース電極65とドレーン電極66との間の半導体層40を露出して、抵抗性接触層55、5650を二つの部分に分離する。この時、前記のように、抵抗性接触層50はデータ配線の接着層と共にエッチングすることもできる。
【0102】
引続き、窒化ケイ素または酸化ケイ素を積層して、層間絶縁膜(図示せず)を形成することができる。
【0103】
次に、データ配線62、64、65、66、68及び層間絶縁膜(図示せず)を形成した後、図26a乃至図26bに示すように、赤、緑、青の顔料を含む感光性有機物質を各々順に塗布し、写真工程によって赤、緑、青のカラーフィルター(R、G、B)を順に形成する。前記写真工程において、赤、緑、青のカラーフィルター(R、G、B)を形成する時に、ドレーン電極66及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を露出する開口部(C1、C2)も共に形成する。それは、後の保護膜70にドレーン電極66及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を露出する接触孔を形成する時にプロファイルを良好に形成するためである。
【0104】
次に、図27a及び図27bのように、基板10に低誘電率を有して平坦化が優れた有機絶縁物質を塗布したり、または4.0以下の低誘電率を有するSiOF、SiOCなどのような低誘電率絶縁物質を化学気相蒸着で積層して保護膜70を形成し、マスクを利用した写真エッチング工程でゲート絶縁膜30と共にパターニングして、接触孔72、74、76、78を形成する。この時、ドレーン電極66及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を露出する接触孔76、74は、カラーフィルター(R、G、B)に形成されている開口部(C1、C2)の内側に形成する。このように、本発明では、カラーフィルター(R、G、B)に予め開口部(C1、C2)を形成した後、保護膜70をパターニングしてドレーン電極66及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を露出する接触孔76、74を形成することによって、接触孔76、74のプロファイルを良好に形成することができる。
【0105】
最後に、図21乃至図23に示すように、400Å乃至500Å厚さのITOまたはIZO層を蒸着し、マスクを用いた写真エッチング工程でエッチングして、画素電極82、補助ゲートパッド84、及び補助データパッド88を形成する。
【0106】
このような方法は、前記したように、5枚のマスクを利用する製造方法に適用することができるが、4枚のマスクを利用する液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法にも同様に適用することができる。これについて図面を参照して詳細に説明する。
【0107】
まず、図28乃至図30を参照して、本発明の実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタアレイ基板の構造について詳細に説明する。
【0108】
図28は本発明の第4実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の配置図であり、図29及び図30は各々図28に示した薄膜トランジスタ基板のXXIX-XXIX´線及びXXX-XXX´線による断面図である。
【0109】
まず、絶縁基板10上に、接着層、Ag層、及び保護層の3重層からなるゲート配線22,24,26が形成されている。ゲート配線22,24,26は、横方向にのびている走査信号線またはゲート線22、ゲート線22の端部に連結されて外部からの走査信号の印加を受けてゲート線22に伝達するゲートパッド24、及びゲート線22の一部である薄膜トランジスタのゲート電極26を含む。また、ゲート配線は、ゲート線22と平行に形成されており、上板の共通電極に入力される共通電極電圧などの電圧を印加を外部から受ける維持電極線28を含む。維持電極線28は、後述する画素電極82と連結された維持蓄電器用導電体パターン導電体64と重なって、画素の電荷保存能力を向上させる維持蓄電器を構成する。
【0110】
ゲート配線22、24、26、28及び基板10上には、窒化ケイ素(SiNx)などからなるゲート絶縁膜30が形成されている。
【0111】
ゲート絶縁膜30上には、水素化非晶質シリコンなどの半導体からなる半導体パターン半導体42、48が形成されており、半導体パターン半導体42、48上には、リン(P)などのn型不純物で高濃度にドーピングされた非晶質シリコンなどからなる抵抗性接触層パターンまたは中間層パターン55、56、58が形成されている。
【0112】
接触層抵抗性接触層パターン55、56、58上には、ゲート配線と同様に、接着層、Ag層、及び保護層の3重層からなるデータ配線62,64,65,66及び維持蓄電器用導電体パターン導電体が形成されている。データ配線は、縦方向に形成されているデータ線62、データ線62の一端に連結されて外部からの画像信号の印加を受けるデータパッド68、そしてデータ線62の分枝である薄膜トランジスタのソース電極65からなるデータ線部を含む。また、データ線部62、64、65と分離され、ゲート電極26または薄膜トランジスタのチャンネル部(C)に対してソース電極65の反対側に位置する薄膜トランジスタのドレーン電極66を含む。また、維持蓄電器用導電体64は、データ配線は、ドレーン電極66と連結され、維持電極線28と重なっている維持蓄電器を構成する維持蓄電器用導電体パターン64を含む。維持電極線28を形成しない場合には、維持蓄電器用導電体パターン導電体64も形成しない。
【0113】
接触層抵抗性接触層パターン52、55、56は、その下部の半導体パターン半導体42、48と、その上部のデータ配線62、64、65、66、68との接触抵抗を低くする役割をし、データ配線62、64、65、66、68と完全に同一な形態を有する。つまり、データ線部中間層パターン抵抗性接触層55はデータ線部62、68、65と同一で、ドレーン電極用抵抗性接触層中間層パターン56はドレーン電極66と同一で、維持蓄電器用抵抗性接触層中間層パターン58は維持蓄電器用導電体パターン導電体64と同一である。
【0114】
一方、半導体パターン半導体42、48は、薄膜トランジスタのチャンネル部(C)を除けば、データ配線62、64、65、66、68及び接触層抵抗性接触層パターン55、56、58と同じ形態を有する。つまり、薄膜トランジスタのチャンネル部(C)において、データ線部62、68、65、特にソース電極65とドレーン電極66が分離されており、データ線部抵抗性接触層中間層55とドレーン電極用接触層抵抗性接触層パターン56も分離されているが、薄膜トランジスタ用半導体パターン半導体42はここで切れず連結されて薄膜トランジスタのチャンネルを形成する。
【0115】
データ配線62、64、65、66、68及びこれらによって覆われないゲート絶縁膜30上には赤、緑、青のカラーフィルター(R、G、B)が形成されており、このようなカラーフィルター(R、G、B)は第1実施例と同様に、ドレーン電極6566及び維持蓄電器用導電体パターン導電体6468を露出する開口部(C1、C2)を有する。
【0116】
赤、緑、青のカラーフィルター(R、G、B)は、平坦化された感光性有機絶縁膜または低誘電率絶縁物質からなる保護膜70によって覆われており、保護膜70には、ドレーン電極66、データパッド68、及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を露出する接触孔72、76、78を有し、ゲート絶縁膜30と共にゲートパッド24を露出する接触孔74が形成されている。この時にも第1実施例と同様に、ドレーン電極66及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を露出する接触孔76、72は、カラーフィルター(R、G、B)の開口部(C1、C2)の内側に形成される。
【0117】
保護膜7080上には、薄膜トランジスタから画像信号を受けて上板の電極と共に電場を生成する画素電極82が形成されている。画素電極82はITOまたはIZOなどの透明な導電物質からなり、接触孔76を通じてドレーン電極66と物理的・電気的に連結されて画像信号の伝達を受ける。画素電極82はまた隣接するゲート線22及びデータ線62と重なって開口率を向上させているが、重ならないこともある。また、画素電極82は、接触孔72を通じて維持蓄電器用導電体パターン導電体64とも連結されて導電体パターン導電体64に画像信号を伝達する。一方、ゲートパッド24及びデータパッド68上には、接触孔74、78を通じて各々これらと連結される補助ゲートパッド84及び補助データパッド88が形成されており、これらはパッド24、68と外部回路装置との接着性を補完し、パッドを保護する役割をするもので、これらの適用は必須ではなく選択的である。
【0118】
以下、本発明の実施例による液晶表示装置用基板の製造方法について、図28乃至図30、図31a乃至図38cを参照して詳細に説明する。
【0119】
まず、図31a乃至図31cに示すように、金属などの導電体層をスパッタリングなどの方法で1,000Å乃至3,000Åの厚さで蒸着し、マスクを利用した第1写真エッチング工程で乾式または湿式エッチングして、基板10上に、ゲート電極26を有するゲート線22、ゲートパッド24、及び維持電極線28を含むゲート配線22,24,26を形成する。
【0120】
次に、図32a及び図32bに示すように、ゲート絶縁膜30、半導体層40、中間層50を化学気相蒸着法を利用して、各々1,500Å乃至5,000Å、500Å乃至2,000Å、300Å乃至600Åの厚さで基板10に連続蒸着する。次いで、接着層、Ag層、及び保護層の3重層からなるデータ配線用導電層60をスパッタリングなどの方法で1,500Å乃至3,000Åの厚さで蒸着した後、その上に感光膜110を1μm乃至2μmの厚さで塗布する。
【0121】
その後、第2マスクを通じて感光膜110に光を照射した後、現像して、図33b及び図33cに示すように、感光膜パターン112、114を形成する。この時、感光膜パターン112、114のうち、薄膜トランジスタのチャンネル部(C)、つまり、ソース電極65とドレーン電極66との間に位置した第1部分114は、データ配線部(A)、つまり、データ配線62、64、65、66、68が形成される部分に位置した第2部分112より薄い厚さにし、その他の部分(B)の感光膜は全て除去する。この時、チャンネル部(C)に残っている感光膜114の厚さとデータ配線部(A)に残っている感光膜112の厚さとの比は、後述するエッチング工程の工程条件に応じて異ならせる必要があり、第1部分114の厚さを第2部分112の厚さの1/2以下とするのが好ましい。例えば、4,000Å以下であるのが良い。
【0122】
このように、位置によって感光膜の厚さを異ならせるには様々な方法があり、CA領域の光透過量を調節するために主にスリット(slit)や格子形態のパターンを形成したり、半透明膜を使用する。
【0123】
この時、スリット間に位置したパターンの線幅やパターン間の間隔、つまり、スリットの幅は露光時に使用する露光器の分解能より小さいのが好ましい。半透明膜を利用する場合には、マスク作製時に透過率を調節するために、異なる透過率を有する薄膜を利用したり、異なる厚さの薄膜を利用することができる。
【0124】
このようなマスクを通じて感光膜110に光を照射すれば、光に直接露出される部分では高分子が完全に分解され、スリットパターンや半透明膜が形成されている部分では光の照射量が少ないため高分子は不完全分解状態となり、遮光膜によって覆われない部分では高分子がほとんど分解されない。次に、感光膜を現像すれば、分子が分解されない高分子部分だけが残り、照射光が少ない中央部分には光に全く照射されない部分より薄い厚さの感光膜を残すことができる。この時、露光時間を長くすると、全ての分子が分解されてしまうので、そうならないように注意が必要である。
【0125】
このような薄い厚さの感光膜114は、リフローが可能な物質からなる感光膜110を利用して、光が完全に透過することができる部分と光が完全に透過できない部分とに分けられた通常のマスクで露光した後、現像しリフローさせて、感光膜110が残留しない部分に感光膜110の一部が流れるようにすることによって形成することもできる。
【0126】
次に、感光膜パターン114及びその下部の膜、つまり、導電体層60、中間層50、及び半導体層40に対するエッチングを進める。この時、データ配線部(A)には、データ配線及びその下部の膜がそのまま残り、チャンネル部(C)には半導体層だけが残る必要があり、その他の部分(B)には、前記三つの層60、50、40が全て除去されてゲート絶縁膜30が露出されなければならない。
【0127】
まず、図34a及び図34bに示すように、その他の部分(B)の露出されている導電体層60を除去し、その下部の中間層50を露出する。この過程では乾式エッチングまたは湿式エッチング方法を全て使用することができる。この時、導電体層60はエッチングされるが、感光膜パターン112、114はほとんどエッチングされない条件下で行うのが良い。しかし、乾式エッチングの場合、導電体層60だけをエッチングし、感光膜パターン112、114はエッチングされない条件を見つけることが難しいので、感光膜パターン112、114も共にエッチングされる条件下で行うこともできる。この場合には、湿式エッチングの場合より第1部分114の厚さを厚くして、その過程で第1部分114が除去されて下部の導電体層60が露出されることがないように注意する。
【0128】
このようにすれば、図34a及び図34bに示すように、チャンネル部(C)及びデータ配線部(CB)の導電体層、つまり、ソース/ドレーン用導電体パターン導電体67と維持蓄電器用導電体パターン導電体64だけが残り、その他の部分(B)の導電体層60は全て除去されてその下部の中間層50が露出される。この時残ったソース/ドレイン用導電体パターン導電体67、64は、ソース及びドレーン電極65、66が分離されず連結されている点を除けば、データ配線62、64、65、66、68と同じ形態である。また、乾式エッチングを使用した場合、感光膜パターン112、114もある程度の厚さがエッチングされる。
【0129】
次に、図35a及び図35bに示すように、その他の部分(B)の露出された中間層50及びその下部の半導体層40を、感光膜112,114の第1部分114と共に乾式エッチング方法で同時に除去する。この時のエッチングは、感光膜パターン112、114と中間層50、半導体層40(半導体層及び中間層はエッチング選択性がほとんどない)が順にエッチングされ、露出されたゲート絶縁膜30はエッチングされない条件下で行う必要がある。この時、感光膜パターン112、114と半導体層40とに対するエッチング比が同一な場合、第1部分114の厚さは半導体層40と中間層50の厚さを合せたものと同一であるか、それより小さくなければならない。
【0130】
このようにして図35a及び図35bに示すように、チャンネル部(C)の第1部分114が除去されてソース/ドレーン用導電体パターン導電体67が露出され、その他の部分(B)の中間層50及び半導体層40が除去されてその下部のゲート絶縁膜30が露出される。一方、データ配線部(A)の第2部分112もエッチングされて厚さが薄くなる。またこの段階で、半導体パターン半導体42、48が完成する。図面符号57、58は、各々ソース/ドレーン用導電体パターン導電体67下部の中間層パターンソース/ドレイン用抵抗性接触層及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64下部の中間層パターン維持蓄電器用抵抗性接触層を指す。
【0131】
次に、アッシングを通じてチャンネル部(C)のソース/ドレーン用導電体パターン導電体67表面に残っている感光膜残留物を除去する。
【0132】
次に、図36a及び図36bに示すように、チャンネル部(C)のソース/ドレーン用導電体パターン導電体67及びその下部のソース/ドレーン用抵抗性接触層中間層パターン57をエッチングして除去する。
【0133】
このようにすれば、ソース電極65とドレーン電極66が分離されながら、データ配線62、64、65、66、68及びその下部の接触層抵抗性接触層パターン55、56、58が完成する。
【0134】
最後に、データ配線部(A)に残っている感光膜112,114の第2部分112を除去する。しかし、第2部分112の除去は、チャンネル部(C)ソース/ドレーン用導電体パターン導電体67を除去した後、その下のソース/ドレイン用抵抗性接触層中間層パターン57を除去する前に行うこともできる。
【0135】
前記のように、湿式エッチングと乾式エッチングを入れ替えて実施したり、乾式エッチングだけを使用することができる。後者の場合には、一種類のエッチングだけを使用するため工程が比較的に簡便であるが、適当なエッチング条件を見つけることが難しい。反面、前者の場合には、エッチング条件を見つけることは比較的に簡単であるが、工程が後者に比べて面倒な点がある。
【0136】
このようにして、データ配線62、64、65、66、68、抵抗接触層抵抗性接触層パターン55、56、58、及び半導体パターン半導体42、48を完成した後、図37a乃至図37cに示すように、赤、緑、青の顔料を含む感光性有機物質を塗布し、露光及び現象工程を通じた写真工程でパターニングして、赤、緑、青のカラーフィルター(R、G、B)を順に形成する同時に、赤、緑、青のカラーフィルター(R、G、B)にドレーン電極66及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を露出する開口部(C1、C2)も共に形成する。
【0137】
この時、薄膜トランジスタのチャンネル部(C)の上部に、赤または緑のカラーフィルターからなる光遮断層を形成することができる。これは、薄膜トランジスタのチャンネル部(C)に入射する短波長の可視光線をより完全に遮断したり、吸収するためのものある。
【0138】
次に、基板10の上部に赤、緑、青のカラーフィルター(R、G、B)を覆う保護膜70をアクリル系の有機物質で塗布したり、4.0以下の低誘電率絶縁物質を化学気相蒸着で積層し、マスクを利用した写真エッチング工程で保護膜70をゲート絶縁膜30と共にパターニングして、ドレーン電極66、ゲートパッド24、データパッド68、及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を各々露出する接触孔72、74、78、76を形成する。この時、第3実施例と同様に、データパッド68及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を各々露出する接触孔72、76は、カラーフィルター(R、G、B)の開口部(C1、C2)の内側に形成して接触孔72、76のプロファイルを良好に形成する。このような本発明では、第31実施例と同様に、カラーフィルター(R、G、B)に開口部(C1、C2)を形成した後に、データパッド68及び維持蓄電器用導電体パターン導電体64を各々露出する接触孔72、76を形成することによって、接触孔72、76のプロファイルを良好に形成することができるので、接触孔72、76のプロファイルを良好に形成するための別途の工程を追加することがなく、製造工程を単純化することができる。
【0139】
最後に、図28乃至図30に示すように、400Å乃至500Å厚さのITOまたはIZO層を蒸着し、マスクを使用して写真エッチング工程でエッチングして、画素電極8292、補助ゲートパッド9484、及び補助データパッド8896を形成する。
【0140】
本発明の第4実施例においても、赤、緑、青のカラーフィルター(R、G、B)を形成する前に、薄膜トランジスタのチャンネル部(C)が顔料を含む感光性物質でよって汚染されることを防止するために、窒化ケイ素などからなる絶縁膜を追加に形成することができる。
【0141】
このような本発明の第4実施例では、第3実施例による効果だけでなくデータ配線62、64、65、66、68とその下部の接触層抵抗性接触層パターン55、56、58及び半導体パターン半導体42、48を一つのマスクを利用して形成し、この過程でソース電極65とドレーン電極66が分離されて、代JISし携帯と同様に製造工程を単純化することができる。
【0142】
このような薄膜トランジスタ基板は、この他にも様々な変形された形態及び方法で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】本発明の第1実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板である。
【図2】図1のII-II線による断面図である。
【図3a】本発明の第1実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板を製造する中間過程をその工程順で示した薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図3b】図3aのIIIb-IIIb´線による断面図である。
【図4a】本発明の第1実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板を製造する中間過程をその工程順で示した薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図4b】図4aのIVb-IVb´線による断面図で、図3bの次の段階を示すものである。
【図5a】本発明の第1実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板を製造する中間過程をその工程順で示した薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図5b】図5aのVb-Vb´線による断面図で、図4bの次の段階を示すものである。
【図6a】本発明の第1実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板を製造する中間過程をその工程順で示した薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図6b】図6aのVIb-VIb´線による断面図で、図5b6の次の段階を示す断面図である。
【図7】本発明の第2実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図8】図7のVIII-VIII´線による断面図である。
【図9】図7のIX-IX´線による断面図である。
【図10a】本発明の第2実施例によって製造する第1段階の図7に示す薄膜トランジスタ基板の第1段階の配置図である。
【図10b】図10aのXb-Xb´線による断面図である。
【図10c】図10aのXc-Xc´線による断面図である。
【図11a】図10aのXb-Xb´線による断面図で、図10bの次の段階を示す。
【図11b】図10aのXc-Xc´線による断面図で、図10cの次の段階を示す。
【図12a】図11a及び図11bの次の段階の薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図12b】図12aのXIIb-XIIb´線による断面図である。
【図12c】図12aのXIIc-XIIc´線による断面図である。
【図13a】図12のXIIb-XIIb´線による断面図で、図12aの次の段階を工程順で示すものである。
【図13b】図12のXIIc-XIIc´線による断面図で、図12aの次の段階を工程順で示すものである。
【図14a】図12のXIIb-XIIb´線による断面図で、図12aの次の段階を工程順で示すものである。
【図14b】図12のXIIc-XIIc´線による断面図で、図12aの次の段階を工程順で示すものである。
【図15a】図12のXIIb-XIIb´線による断面図で、図12aの次の段階を工程順で示すものである。
【図15b】図12のXIIc-XIIc´線による断面図で、図12aの次の段階を工程順で示すものである。
【図16a】図15aの次の段階の薄膜トランジスタ基板の断面図である。
【図16b】図15bの次の段階の薄膜トランジスタ基板の断面図である。
【図17a】図16a及び図16bの次の段階の薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図17b】図17aのXVIIb-XVIIb´線による断面図である。
【図17c】図17aのXVIIc-XVIIc´線による断面図である。
【図18a】本発明の実施例による薄膜トランジスタ基板に適用された配線構造の一例をより具体的に示した断面図である。
【図18b】本発明の実施例による薄膜トランジスタ基板に適用された配線構造の他の例をより具体的に示した断面図である。
【図19】MoW/Ag二重膜構造の熱処理による比抵抗値の変化を示すグラフである。
【図20】MoW下部膜の厚さの変化と熱処理温度による接着力テスト結果の写真である。
【図21】本発明の第3実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図22】図21に示した薄膜トランジスタ基板のXXII-XXII´線による断面図である。
【図23a】本発明の第3実施例によって製造する第1段階の薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図23b】図23aのXXIIIb-XXIIIb´線による断面図である。
【図24a】本発明の第3実施例によって製造する第2段階の薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図24b】図24aのXXIVb-XXIVb´線による断面図である。
【図25a】本発明の第3実施例によって製造する第3段階の薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図25b】図25aのXXVb-XXVb´線による断面図である。
【図26a】本発明の第3実施例によって製造する第4段階の薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図26b】図26aのXXVIb-XXVIb´線による断面図である。
【図27a】本発明の第3実施例によって製造する第5段階の薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図27b】図27aのXXVIIb-XXVIIb´線による断面図である。
【図28】本発明の第4実施例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図29】図28に示した薄膜トランジスタ基板のXXVIIXI-XXIXXXVIII´線による断面図である。
【図30】図28に示した薄膜トランジスタ基板のXXX-XXX´線による断面図である。
【図31a】本発明の実施例によって製造する第1段階の薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図31b】図31aのXXXIb-XXXIb´線による断面図である。
【図31c】図31aのXXXIc-XXXIc´線による断面図である。
【図32a】図31aのXXXIb-XXXIb´線による断面図で、図31aの次の段階の断面図である。
【図32b】図31aのXXXIc-XXXIc´線による断面図で、図31aの次の段階の断面図である。
【図33a】図32a及び図32bの次の段階の薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図33b】図33aのXXXIIIb-XXXIIIb´線による断面図である。
【図33c】図33aのXXXIIIc-XXXIIIc´線による断面図である。
【図34a】図33aのXXXIIIb-XXXIIIb´線による断面図で、図33bの次の段階を工程順で示すものである。
【図34b】図33aのXXXIIIc-XXXIIIc´線による断面図で、図33cの次の段階を工程順で示すものである。
【図35a】図33aのXXXIIIb-XXXIIIb´線による断面図で、図33bの次の段階を工程順で示すものである。
【図35b】図33aのXXXIIIc-XXXIIIc´線による断面図で、図33cの次の段階を工程順で示すものである。
【図36a】図33aのXXXIIIb-XXXIIIb´線による断面図で、図33bの次の段階を工程順で示すものである。
【図36b】図33aのXXXIIIc-XXXIIIc´線による断面図で、図33cの次の段階を工程順で示すものである。
【図37a】図36a及び図36bの次の段階の薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図37b】図37aのXXXVIIb-XXXVIIb´線による断面図である。
【図37c】図37aのXXXVIIc-XXXVIIc´線による断面図である。
【図38a】図37a乃至図37cの次の段階の薄膜トランジスタ基板の配置図である。
【図38b】図38aのXXXVIIIb-XXXVIIIb´線による断面図である。
【図38c】図38aのXXXVIIIc-XXXVIIIc´線による断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板と、
前記絶縁基板上に形成されている第1信号線と、
前記第1信号線上に形成されている第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜上に形成され、前記第1信号線と交差している第2信号線と、
前記第1信号線及び前記第2信号線と電気的に連結されている薄膜トランジスタと、
前記薄膜トランジスタ上に形成され、前記薄膜トランジスタの所定の電極を露出させる第1接触孔を有する第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜上に形成され、前記第1接触孔を通じて前記薄膜トランジスタの所定の電極と連結されている画素電極と、を含み、
前記第1信号線及び第2信号線のうちの少なくとも一つは、接着層、Ag層、及び保護層の3重層からなる薄膜トランジスタ基板。
【請求項2】
前記接着層は、クロム、クロム合金、チタン、チタン合金、モリブデン、モリブデン合金、タリウム、タリウム合金のうちのいずれか一つからなり、前記Ag層は銀または銀合金からなり、前記保護層はIZO、モリブデン、モリブデン合金、クロム、クロム合金のうちのいずれか一つからなる、請求項1に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項3】
前記接着層はMoWからなり、前記保護層はIZOからなっている、請求項2に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項4】
前記第1信号線と前記第2信号線が交差して定義する画素領域に各々形成され、赤、緑、青の顔料を含む感光性物質からなっており、前記第2絶縁膜によって覆われている赤、緑、青のカラーフィルターをさらに含む、請求項1に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項5】
絶縁基板上に形成され、ゲート線及びこれと連結されたゲート電極を含むゲート配線と、
ゲート配線を覆っているゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されている半導体パターン半導体と、
前記半導体パターン半導体上に互いに分離されて形成され、同一層からなるソース電極及びドレーン電極、前記ソース電極と連結されて前記ゲート線と交差して画素領域を定義するデータ線を含むデータ配線と、
前記ドレーン電極を露出する第1接触孔を有する保護膜と、
前記保護膜上部に形成され、前記第1接触孔を通じて前記ドレーン電極と連結されている画素電極と、を含み、
前記ゲート配線及び前記データ配線のうちの少なくとも一つは、接着層、Ag層、及び保護層の3重層からなっており、前記接着層はクロム、クロム合金、チタン、チタン合金、モリブデン、モリブデン合金、タリウム、タリウム合金のうちのいずれか一つからなり、前記Ag層は銀または銀合金からなり、前記保護層はIZO、モリブデン、モリブデン合金、クロム、クロム合金のうちのいずれか一つからなっている、薄膜トランジスタ基板。
【請求項6】
前記データ配線は前記ゲート線または前記ゲート線と同一な層に形成されている維持電極線と重なって維持蓄電器を形成する維持蓄電器用導電体パターン導電体をさらに含む、請求項5に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項7】
前記維持蓄電器用導電体パターン導電体は前記ドレーン電極と連結されている、請求項6に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項8】
前記保護膜はアクリル系の有機物質または4.0以下の誘電率を有する化学気相蒸着膜からなる、請求項5に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項9】
前記チャンネル部を除いた前記半導体パターン半導体は、前記データ配線と同一な形態に形成されている、請求項5に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項10】
前記画素領域に各々形成され、赤、緑、青の顔料を含む感光性物質からなっており、前記保護膜によって覆われている赤、緑、青のカラーフィルターをさらに含む、請求項5に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項11】
前記保護層は前記接着層及び前記Ag層の側面まで覆っている、請求項5に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項12】
絶縁基板と、
前記基板上に形成され、ゲート線、ゲート電極、及びゲートパッドを含むゲート配線と、
前記ゲート配線上に形成され、少なくとも前記ゲートパッドを露出させる接触孔を有するゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されている半導体層パターンと、
前記半導体層パターン上に形成されている接触層抵抗性接触層パターンと、
前記接触層抵抗性接触層パターン上に形成され、前記接触層抵抗性接触層パターンと実質的に同一な形態を有しており、ソース電極、ドレーン電極、データ線、及びデータパッドを含むデータ配線と、
前記データ配線上に形成され、前記ゲートパッド、前記データパッド、及び前記ドレーン電極を露出させる接触孔を有する保護膜と、
露出されている前記ゲートパッド、データパッド、及びドレーン電極と各々電気的に連結される透明電極層パターンと、を含み、
前記ゲート配線及び前記データ配線のうちの少なくとも一つは、接着層、Ag層、及び保護層の3重層からなっており、前記接着層はクロム、クロム合金、チタン、チタン合金、モリブデン、モリブデン合金、タリウム、タリウム合金のうちのいずれか一つからなり、前記Ag層は銀または銀合金からなり、前記保護層はIZO、モリブデン、モリブデン合金、クロム、クロム合金のうちのいずれか一つからなっている、薄膜トランジスタ基板。
【請求項13】
前記絶縁基板上の前記ゲート配線と同一層に形成されている保持容量線と、
前記保持容量線と重畳しており、前記半導体パターン半導体と同一な層に形成されている維持蓄電器用半導体パターンと、
前記維持蓄電器用半導体パターン上に形成されている維持蓄電器用接触層抵抗性接触層パターン、及び
前記維持蓄電器用接触層抵抗性接触層パターン上に形成されている維持蓄電器用導電体パターン導電体をさらに含み、
前記維持蓄電器用導電体パターン導電体は、前記透明電極パターンの一部と連結されている、請求項132に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項14】
前記維持蓄電器用接触層抵抗性接触層パターン及び前記維持蓄電器用導電体パターン導電体は、前記維持蓄電器用半導体パターン半導体と同一な平面的形状を有する、請求項513に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項15】
絶縁基板上に、ゲート線、前記ゲート線と連結されているゲート電極、及び前記ゲート線と連結されているゲートパッドを含むゲート配線を形成する段階と、
ゲート絶縁膜を形成する段階と、
半導体層を形成する段階と、
導電物質を積層しパターニングして、前記ゲート線と交差するデータ線、前記データ線と連結されているデータパッド、前記データ線と連結されて前記ゲート電極に隣接するソース電極及び前記ゲート電極に対して前記ソース電極の対向側に位置するドレーン電極を含むデータ配線を形成する段階と、
保護膜を形成する段階と、
前記ゲート絶縁膜と共に前記保護膜をパターニングして、前記ゲートパッド、前記データパッド、及び前記ドレーン電極を各々露出する接触孔を形成する段階と、
透明導電膜を積層しパターニングして、前記接触孔を通じて前記ゲートパッド、前記データパッド、及び前記ドレーン電極と各々連結される補助ゲートパッド、補助データパッド及び画素電極を形成する段階と、を含み、
前記ゲート配線を形成する段階と前記データ配線を形成する段階のうちの少なくとも一つは、接着層、Ag層、及び保護層を順に蒸着し、これらの三つの層をパターニングする段階からなる薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項16】
前記接着層、Ag層、及び保護層を順に蒸着し、これらの三つの層をパターニングする段階は、
前記接着層及びAg層を連続蒸着する段階と、
前記Ag層及び接着層を共に写真エッチングする段階と、
前記Ag層上に前記保護層を蒸着する段階と、
前記保護層を写真エッチングする段階と、からなる、請求項15に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項17】
前記接着層、Ag層、及び保護層を順に蒸着し、これらの三つの層をパターニングする段階は、
前記接着層、Ag層、及び保護層を連続蒸着する段階と、
前記保護層、Ag層、及び接着層を共に写真エッチングする段階と、からなる、請求項15に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項18】
前記データ配線及び前記半導体層は、第1部分、前記第1部分より厚さが厚い第2部分、前記第1の厚さより厚さが薄い第3部分を有する感光膜パターンを利用する写真エッチング工程で共に形成する、請求項15に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項19】
前記写真エッチング工程において、前記第1部分は前記ソース電極と前記ドレーン電極との間に位置するように形成し、前記第2部分は前記データ配線上部に位置するように形成する、請求項18に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項20】
絶縁基板上に、ゲート線及びこれと連結されたゲート電極を含むゲート配線を形成する段階と、
前記ゲート配線を覆うゲート絶縁膜を形成する段階と、
前記ゲート絶縁膜上に半導体パターン半導体を形成する段階と、
前記ゲート絶縁膜上部に、互いに分離されて形成され、同一層からなるソース電極及びドレーン電極と、前記ソース電極と連結されたデータ線を含むデータ配線を形成する段階と、
前記基板上に、赤、緑、青の顔料を含む感光性物質を利用して、前記データ配線を覆う赤、緑、青のカラーフィルターを形成しながら、前記ドレーン電極を露出する第1開口部を形成する段階と、
前記赤、緑、青のカラーフィルターを覆う保護膜を積層する段階と、
前記保護膜をパターニングして前記ドレーン電極を露出する第1接触孔を前記第1開口部の内側に形成する段階と、
前記第1接触孔を通じて前記ドレーン電極と連結される画素電極を形成する段階と、を含み、
前記ゲート配線を形成する段階と前記データ配線を形成する段階のうちの少なくとも一つは、接着層、Ag層、及び保護層を順に蒸着し、これらの三つの層をパターニングする段階からなる、薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項21】
前記データ配線は、前記ゲート線または前記ゲート線と同一な層に形成されている維持電極線と重畳して維持蓄電器を形成する維持蓄電器用導電体パターン導電体をさらに含み、
前記赤、緑、青のカラーフィルターは前記維持蓄電器用導電体パターン導電体を露出する第2開口部を有し、
前記保護膜は、前記第2開口部の内側に形成され、前記維持蓄電器用導電体パターン導電体を露出する第2接触孔を有している、請求項20に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項22】
前記カラーフィルターの形成段階の以前に、窒化ケイ素または酸化ケイ素を用いて層間絶縁膜を形成する段階をさらに含む、請求項20に記載の表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項23】
前記ソース電極及びドレーン電極の分離は、感光膜パターンを利用した写真エッチング工程によって行われ、前記感光膜パターンは、前記ソース電極とドレーン電極との間に位置し、第1の厚さを有する第1部分と前記第1の厚さより厚い第2の厚さを有する第2部分、及び前記第1及び第2の厚さより薄い厚さの第3部分を含む、請求項20に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項1】
絶縁基板と、
前記絶縁基板上に形成されている第1信号線と、
前記第1信号線上に形成されている第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜上に形成され、前記第1信号線と交差している第2信号線と、
前記第1信号線及び前記第2信号線と電気的に連結されている薄膜トランジスタと、
前記薄膜トランジスタ上に形成され、前記薄膜トランジスタの所定の電極を露出させる第1接触孔を有する第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜上に形成され、前記第1接触孔を通じて前記薄膜トランジスタの所定の電極と連結されている画素電極と、を含み、
前記第1信号線及び第2信号線のうちの少なくとも一つは、接着層、Ag層、及び保護層の3重層からなる薄膜トランジスタ基板。
【請求項2】
前記接着層は、クロム、クロム合金、チタン、チタン合金、モリブデン、モリブデン合金、タリウム、タリウム合金のうちのいずれか一つからなり、前記Ag層は銀または銀合金からなり、前記保護層はIZO、モリブデン、モリブデン合金、クロム、クロム合金のうちのいずれか一つからなる、請求項1に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項3】
前記接着層はMoWからなり、前記保護層はIZOからなっている、請求項2に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項4】
前記第1信号線と前記第2信号線が交差して定義する画素領域に各々形成され、赤、緑、青の顔料を含む感光性物質からなっており、前記第2絶縁膜によって覆われている赤、緑、青のカラーフィルターをさらに含む、請求項1に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項5】
絶縁基板上に形成され、ゲート線及びこれと連結されたゲート電極を含むゲート配線と、
ゲート配線を覆っているゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されている半導体パターン半導体と、
前記半導体パターン半導体上に互いに分離されて形成され、同一層からなるソース電極及びドレーン電極、前記ソース電極と連結されて前記ゲート線と交差して画素領域を定義するデータ線を含むデータ配線と、
前記ドレーン電極を露出する第1接触孔を有する保護膜と、
前記保護膜上部に形成され、前記第1接触孔を通じて前記ドレーン電極と連結されている画素電極と、を含み、
前記ゲート配線及び前記データ配線のうちの少なくとも一つは、接着層、Ag層、及び保護層の3重層からなっており、前記接着層はクロム、クロム合金、チタン、チタン合金、モリブデン、モリブデン合金、タリウム、タリウム合金のうちのいずれか一つからなり、前記Ag層は銀または銀合金からなり、前記保護層はIZO、モリブデン、モリブデン合金、クロム、クロム合金のうちのいずれか一つからなっている、薄膜トランジスタ基板。
【請求項6】
前記データ配線は前記ゲート線または前記ゲート線と同一な層に形成されている維持電極線と重なって維持蓄電器を形成する維持蓄電器用導電体パターン導電体をさらに含む、請求項5に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項7】
前記維持蓄電器用導電体パターン導電体は前記ドレーン電極と連結されている、請求項6に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項8】
前記保護膜はアクリル系の有機物質または4.0以下の誘電率を有する化学気相蒸着膜からなる、請求項5に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項9】
前記チャンネル部を除いた前記半導体パターン半導体は、前記データ配線と同一な形態に形成されている、請求項5に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項10】
前記画素領域に各々形成され、赤、緑、青の顔料を含む感光性物質からなっており、前記保護膜によって覆われている赤、緑、青のカラーフィルターをさらに含む、請求項5に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項11】
前記保護層は前記接着層及び前記Ag層の側面まで覆っている、請求項5に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項12】
絶縁基板と、
前記基板上に形成され、ゲート線、ゲート電極、及びゲートパッドを含むゲート配線と、
前記ゲート配線上に形成され、少なくとも前記ゲートパッドを露出させる接触孔を有するゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されている半導体層パターンと、
前記半導体層パターン上に形成されている接触層抵抗性接触層パターンと、
前記接触層抵抗性接触層パターン上に形成され、前記接触層抵抗性接触層パターンと実質的に同一な形態を有しており、ソース電極、ドレーン電極、データ線、及びデータパッドを含むデータ配線と、
前記データ配線上に形成され、前記ゲートパッド、前記データパッド、及び前記ドレーン電極を露出させる接触孔を有する保護膜と、
露出されている前記ゲートパッド、データパッド、及びドレーン電極と各々電気的に連結される透明電極層パターンと、を含み、
前記ゲート配線及び前記データ配線のうちの少なくとも一つは、接着層、Ag層、及び保護層の3重層からなっており、前記接着層はクロム、クロム合金、チタン、チタン合金、モリブデン、モリブデン合金、タリウム、タリウム合金のうちのいずれか一つからなり、前記Ag層は銀または銀合金からなり、前記保護層はIZO、モリブデン、モリブデン合金、クロム、クロム合金のうちのいずれか一つからなっている、薄膜トランジスタ基板。
【請求項13】
前記絶縁基板上の前記ゲート配線と同一層に形成されている保持容量線と、
前記保持容量線と重畳しており、前記半導体パターン半導体と同一な層に形成されている維持蓄電器用半導体パターンと、
前記維持蓄電器用半導体パターン上に形成されている維持蓄電器用接触層抵抗性接触層パターン、及び
前記維持蓄電器用接触層抵抗性接触層パターン上に形成されている維持蓄電器用導電体パターン導電体をさらに含み、
前記維持蓄電器用導電体パターン導電体は、前記透明電極パターンの一部と連結されている、請求項132に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項14】
前記維持蓄電器用接触層抵抗性接触層パターン及び前記維持蓄電器用導電体パターン導電体は、前記維持蓄電器用半導体パターン半導体と同一な平面的形状を有する、請求項513に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項15】
絶縁基板上に、ゲート線、前記ゲート線と連結されているゲート電極、及び前記ゲート線と連結されているゲートパッドを含むゲート配線を形成する段階と、
ゲート絶縁膜を形成する段階と、
半導体層を形成する段階と、
導電物質を積層しパターニングして、前記ゲート線と交差するデータ線、前記データ線と連結されているデータパッド、前記データ線と連結されて前記ゲート電極に隣接するソース電極及び前記ゲート電極に対して前記ソース電極の対向側に位置するドレーン電極を含むデータ配線を形成する段階と、
保護膜を形成する段階と、
前記ゲート絶縁膜と共に前記保護膜をパターニングして、前記ゲートパッド、前記データパッド、及び前記ドレーン電極を各々露出する接触孔を形成する段階と、
透明導電膜を積層しパターニングして、前記接触孔を通じて前記ゲートパッド、前記データパッド、及び前記ドレーン電極と各々連結される補助ゲートパッド、補助データパッド及び画素電極を形成する段階と、を含み、
前記ゲート配線を形成する段階と前記データ配線を形成する段階のうちの少なくとも一つは、接着層、Ag層、及び保護層を順に蒸着し、これらの三つの層をパターニングする段階からなる薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項16】
前記接着層、Ag層、及び保護層を順に蒸着し、これらの三つの層をパターニングする段階は、
前記接着層及びAg層を連続蒸着する段階と、
前記Ag層及び接着層を共に写真エッチングする段階と、
前記Ag層上に前記保護層を蒸着する段階と、
前記保護層を写真エッチングする段階と、からなる、請求項15に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項17】
前記接着層、Ag層、及び保護層を順に蒸着し、これらの三つの層をパターニングする段階は、
前記接着層、Ag層、及び保護層を連続蒸着する段階と、
前記保護層、Ag層、及び接着層を共に写真エッチングする段階と、からなる、請求項15に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項18】
前記データ配線及び前記半導体層は、第1部分、前記第1部分より厚さが厚い第2部分、前記第1の厚さより厚さが薄い第3部分を有する感光膜パターンを利用する写真エッチング工程で共に形成する、請求項15に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項19】
前記写真エッチング工程において、前記第1部分は前記ソース電極と前記ドレーン電極との間に位置するように形成し、前記第2部分は前記データ配線上部に位置するように形成する、請求項18に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項20】
絶縁基板上に、ゲート線及びこれと連結されたゲート電極を含むゲート配線を形成する段階と、
前記ゲート配線を覆うゲート絶縁膜を形成する段階と、
前記ゲート絶縁膜上に半導体パターン半導体を形成する段階と、
前記ゲート絶縁膜上部に、互いに分離されて形成され、同一層からなるソース電極及びドレーン電極と、前記ソース電極と連結されたデータ線を含むデータ配線を形成する段階と、
前記基板上に、赤、緑、青の顔料を含む感光性物質を利用して、前記データ配線を覆う赤、緑、青のカラーフィルターを形成しながら、前記ドレーン電極を露出する第1開口部を形成する段階と、
前記赤、緑、青のカラーフィルターを覆う保護膜を積層する段階と、
前記保護膜をパターニングして前記ドレーン電極を露出する第1接触孔を前記第1開口部の内側に形成する段階と、
前記第1接触孔を通じて前記ドレーン電極と連結される画素電極を形成する段階と、を含み、
前記ゲート配線を形成する段階と前記データ配線を形成する段階のうちの少なくとも一つは、接着層、Ag層、及び保護層を順に蒸着し、これらの三つの層をパターニングする段階からなる、薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項21】
前記データ配線は、前記ゲート線または前記ゲート線と同一な層に形成されている維持電極線と重畳して維持蓄電器を形成する維持蓄電器用導電体パターン導電体をさらに含み、
前記赤、緑、青のカラーフィルターは前記維持蓄電器用導電体パターン導電体を露出する第2開口部を有し、
前記保護膜は、前記第2開口部の内側に形成され、前記維持蓄電器用導電体パターン導電体を露出する第2接触孔を有している、請求項20に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項22】
前記カラーフィルターの形成段階の以前に、窒化ケイ素または酸化ケイ素を用いて層間絶縁膜を形成する段階をさらに含む、請求項20に記載の表示装置用薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項23】
前記ソース電極及びドレーン電極の分離は、感光膜パターンを利用した写真エッチング工程によって行われ、前記感光膜パターンは、前記ソース電極とドレーン電極との間に位置し、第1の厚さを有する第1部分と前記第1の厚さより厚い第2の厚さを有する第2部分、及び前記第1及び第2の厚さより薄い厚さの第3部分を含む、請求項20に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図24A】
【図24B】
【図25A】
【図25B】
【図26A】
【図26B】
【図27A】
【図27B】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31A】
【図31B】
【図31C】
【図32A】
【図32B】
【図33A】
【図33B】
【図33C】
【図34A】
【図34B】
【図35A】
【図35B】
【図36A】
【図36B】
【図37A】
【図37B】
【図37C】
【図38A】
【図38B】
【図38C】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図24A】
【図24B】
【図25A】
【図25B】
【図26A】
【図26B】
【図27A】
【図27B】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31A】
【図31B】
【図31C】
【図32A】
【図32B】
【図33A】
【図33B】
【図33C】
【図34A】
【図34B】
【図35A】
【図35B】
【図36A】
【図36B】
【図37A】
【図37B】
【図37C】
【図38A】
【図38B】
【図38C】
【公表番号】特表2005−513808(P2005−513808A)
【公表日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−556848(P2003−556848)
【出願日】平成14年7月26日(2002.7.26)
【国際出願番号】PCT/KR2002/001417
【国際公開番号】WO2003/056385
【国際公開日】平成15年7月10日(2003.7.10)
【出願人】(591028452)サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS COMPANY,LIMITED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成14年7月26日(2002.7.26)
【国際出願番号】PCT/KR2002/001417
【国際公開番号】WO2003/056385
【国際公開日】平成15年7月10日(2003.7.10)
【出願人】(591028452)サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS COMPANY,LIMITED
【Fターム(参考)】
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