説明

電界効果トランジスタの金属ゲート構造

【課題】電界効果トランジスタの電気抵抗の小さい金属ゲート構造を提供する。
【解決手段】本発明は、集積回路製造に関するものであって、特に、低抵抗の金属ゲート電極を有する電界効果トランジスタに関するものである。電界効果トランジスタのゲート電極の例は、凹部326aを有し、かつ、第一抵抗を有する第一金属材料からなる下側部分326と、突起328aを有し、かつ、第二抵抗を有する第二金属材料からなる上側部分328とからなり、突起が凹部に延伸し、第二抵抗は第一抵抗より小さい材料で形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路製造に関するものであって、特に、金属ゲート電極を有する電界効果トランジスタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
トランジスタ寸法の縮小化に伴い、ゲート酸化層の厚さも減少して、減少したゲート長さを有しながら特性を維持しなければならない。しかし、ゲート電流漏れを減少させるため、高誘電率(high-k)のゲート誘電層が用いられ、大技術ノードに用いられる公知のゲート酸化層により提供される同じ有効厚さを維持する時、大きい物理的厚さを有することができる。
【0003】
この他、技術ノードの縮減に伴い、ある集積回路(IC)の設計では、金属ゲート電極で、公知のポリシリコンゲート電極を代替して、縮減した形状を有することにより素子特性を改善する必要がある。金属ゲート電極を形成する一プロセスは、“ゲートラスト(gate last)”プロセスで、最終金属ゲート電極が最後に形成されることにより、ゲート電極が、ある高温プロセス、例えば、S/Dアニールの影響を受けないようにすることができる。
【0004】
図1は、ゲートラストプロセスにより製造される電界効果トランジスタ(FET)100の公知のゲート構造120の断面図である。FET100は、絶縁領域104に近接する基板102のアクティブ領域103上に形成される。FET100は、基板102のアクティブ領域103中に形成されるソース/ドレイン領域106と低濃度ドープ領域108と、基板102上に、順に形成される界面層122、ゲート誘電層124、および、多層金属ゲート電極120aからなるゲート構造120、ゲート構造120の両側壁上に形成されるゲートスペーサ110、からなっている。この他、コンタクトエッチ停止層(contact etch stop layer、CESL)112と層間絶縁膜(ILD)層114も、基板102上に形成される。
【0005】
多層金属ゲート電極120aは、ゲート誘電層124上に順に形成された下側部分126と上側部分128からなる。下側部分126は、仕事関数(の大きい)金属層として作用する第一抵抗を有する第一金属材料からなっている。上側部分128は、相互接続金属層として作用する第一抵抗より低い第二抵抗を有する第二金属材料からなっている。低い抵抗の上側部分128は、多層金属ゲート電極120aの小さな面積割合を有するので、多層金属ゲート電極120aが高ゲート抵抗を示すことが観察され、これにより、回路のRC遅延を増加させ、装置パフォーマンス(素子特性)を低下させる。
【0006】
従って、低ゲート抵抗を有するゲート構造の金属ゲート電極が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、低ゲート抵抗を有するゲート構造の金属ゲート電極を提供し、上述の問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一具体例では、電界効果トランジスタのゲート電極は、凹部を有し、かつ、第一抵抗を有する第一金属材料からなる下側部分と、突起を有し、かつ、第二抵抗を有する第二金属材料からなる上側部分と、を具備し、前記突起が前記凹部内に延伸し、前記第二抵抗は前記第一抵抗より小さい。
【0009】
別の具体例では、電界効果トランジスタのゲート電極は、凹部を有し、かつ、第一抵抗を有する第一金属材料からなり、U型である下側部分と、突起を有し、かつ、第二抵抗を有する第二金属材料からなり、T型である上側部分と、を具備し、前記突起は前記凹部内に延伸し、第二抵抗は第一抵抗より小さい。
【0010】
さらに別の具体例では、電界効果トランジスタは、アクティブ領域からなる基板と、基板上のゲート構造と、を具備し、前記ゲート構造は、ゲート誘電体層とゲート電極とを有し、前記ゲート電極は、凹部を有し、かつ、第一抵抗を有する第一金属材料からなる下側部分と、突起を有し、かつ、第二抵抗を有する第二金属材料からなる上側部分と、を具備し、前記突起は前記凹部内に延伸し、第二抵抗は第一抵抗より小さく、前記アクティブ領域内のソースとドレイン領域は前記ゲート構造の反対側にある。
【発明の効果】
【0011】
回路のRC遅延が減少し、装置パフォーマンスが向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】電界効果トランジスタの公知のゲート構造の断面図である。
【図2】本発明の具体例によるゲート構造製造方法のフローチャート図である。
【図3A】図2の方法の具体例による製造段階でのゲート構造の断面図である。
【図3B】図2の方法の具体例による製造段階でのゲート構造の断面図である。
【図3C】図2の方法の具体例による製造段階でのゲート構造の断面図である。
【図3D】図2の方法の具体例による製造段階でのゲート構造の断面図である。
【図3E】図2の方法の具体例による製造段階でのゲート構造の断面図である。
【図3F】図2の方法の具体例による製造段階でのゲート構造の断面図である。
【図3G】図2の方法の具体例による製造段階でのゲート構造の断面図である。
【図3H】図2の方法の具体例による製造段階でのゲート構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下で理解されるように、本発明の異なる特徴を実行する複数の異なる実施形態や具体例を提供する。本発明の描写を簡潔にするため、以下で、素子と設置方式の特定具体例を説明する。これらの具体例は単なる例であり、本発明を限定するものではない。例えば、第一素子を第二素子上、或いは、上方に形成することは、第一素子と第二素子間に、別の素子を形成している場合を含み、第一素子と第二素子間は、直接接触がないかもしれない。簡潔、且つ、はっきりとさせる目的のため、異なる素子は異なる寸法で書かれ、任意に表現されている。この他、本発明は、“ゲートラスト”の金属ゲート製造の具体例を提供しているが、この技術分野を熟知する者なら分かるように、その他のプロセスに応用、および/または、その他の材料を採用することができる。
【0014】
図2〜図3Hと以下の文章で、方法200と電界効果トランジスタ(FET)300を説明する。図2は、本発明の具体例によるゲート構造320を製造する方法200を示すフローチャート図である。図3A−3Hは、図2の方法の具体例による各段階でのゲート構造320の断面図である。注意すべきことは、FET300の一部は、相補型MOS(CMOS)技術により製造されることである。よって、図2の方法200の実施前、中、後に、追加のプロセスを実行することができ、他のいくつかのプロセスだけが、ここでは、簡単に説明されることが理解される。また、本発明の発明概念を分かりやすくするため、図2〜図3Hは、簡易化されている。例えば、図は、FET300のゲート構造320を示しているが、ICは、抵抗器、キャパシタ、インダクタ、ヒューズ等の多くのその他の素子を有することが理解できる。
【0015】
図2と図3Aを参照すると、方法200は、ステップ202で開始され、まず、ゲート構造320のトレンチ325を含む半導体基板302が提供される。半導体基板302はシリコン基板、シリコンゲルマニウム、ガリウム砒素(gallium arsenic)、或いは、その他の半導体材料からなる。基板302は、さらに、多くのドープ領域、埋設層、および/または、エピタキシー層等、別の素子を含む。さらに、基板302は、半導体オンインシュレータ、例えば、シリコンオンインシュレータ(SOI)であってもよい。別の具体例で、半導体基板302は、ドープエピ層、勾配半導体層からなり、および/または、さらに、シリコンゲルマニウム層上のシリコン層等、異なる性質の別の半導体層を堆積する半導体層により形成されてもよい。別の例では、化合物半導体基板が多層シリコン構造、或いは、シリコン基板が多層化合物半導体構造を有していてもよい。
【0016】
半導体基板302は、アクティブ領域303と絶縁領域304とを有している。アクティブ領域303は、公知技術の設計要求に基づいて、様々なドーピング形態を有している。ある具体例では、アクティブ領域303は、p型、或いは、n型のドーパントがドープされる。例えば、アクティブ領域303は、p型ドーパント、例えば、ボロン、或いは、BF2、n型ドーパント、例えば、リン(phosphorus)、或いは、砒素(arsenic)、および/または、それらの組み合わせがドープされる。アクティブ領域303は、N型金属酸化膜半導体トランジスタ(NMOSと称される)、或いは、P型金属酸化膜半導体トランジスタ(PMOS)に用いられる。
【0017】
絶縁領域304が基板302上に形成されて、多くのアクティブ領域303を絶縁してもよい。これらの絶縁領域304は、アイソレーション技術、例えば、シリコンの局部酸化(LOCOS)、或いは、シャロートレンチアイソレーション(STI)を利用して、様々なアクティブ領域303を区分し、電気的に絶縁する。本具体例では、絶縁領域304はSTIを含む。絶縁領域304は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、フッ化物ドープケイ酸塩ガラス(FSG)、低k(誘電率、以下、単にkで表すこともある)誘電材料、その他の適当な材料、および/または、それらの組み合わせからなる。絶縁領域304、および、本具体例で採用されるSTIは、適当なプロセスにより形成される。例えば、STIは、公知のフォトリソグラフィプロセスにより、半導体基板302をパターン化し、基板302中のトレンチをエッチング(ドライエッチング、ウェットエッチング、および/または、プラズマエッチングプロセスを用いる)し、誘電材料により、トレンチを充填(例えば、化学気相成長プロセス)して形成される。ある具体例では、充填されたトレンチは、窒化ケイ素、或いは、酸化ケイ素を充填した熱酸化物ライナー層等の多層構造を有していてもよい。
【0018】
注意すべきことは、FET300は、“ゲートラスト”プロセスとその他のCMOS技術を実行して、様々な特徴のFET300を形成することができることである。ここでは、様々な特徴だけが簡単に記述される。FETの様々な素子は、ゲートラストプロセス中のゲート構造320の形成に先立って形成される。様々な素子は、アクティブ領域303中で、且つ、ゲート構造320の反対側上に位置するソース/ドレイン(n型またはp型S/D)領域306と低濃度ドープソース/ドレイン領域(n型またはp型LDD)308からなる。n型S/D306とLDD308領域は、P、或いは、Asがドープされ、p型S/D306とLDD308領域は、B、或いは、Inがドープされる。上述の異なる素子は、さらに、ゲート構造320の反対側壁上に位置するゲートスペーサ310、コンタクトエッチ停止層(CESL)312、および、層間絶縁(ILD)層314を有する。ゲートスペーサ310は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、或いは、その他の適当な材料により形成される。CESL312は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、或いは、その他の適当な材料により形成され。ILD314は、高アスペクト比プロセス(HARP)、および/または、高密度プラズマ(HDP)堆積プロセスにより形成される酸化物を含んでもよい。
【0019】
ゲートラストプロセスでは、ダミーゲート構造(図示しない)、例えば、ダミーポリシリコンが最初に形成され、続いて、ILD314の堆積まで、CMOS技術プロセスが実行される。化学機械研磨(CMP)がILD314上で実行され、ダミーゲート構造を露出する。その後、ダミーゲート構造が除去されて、開口を形成する。上述の例は、ダミーゲート構造を形成するステップに限定されないことが理解される。さらに、ダミーゲート構造は、追加の誘電層、および/または、導電層を含んでもよいことが分かる。例えば、ダミーゲート構造は、ハードマスク層、界面層、キャッピング層、拡散/バリア層、その他の適当な層、および/または、それらの組み合わせからなる。
【0020】
図3Aを再度参照すると、ゲート誘電層324が堆積されて、トレンチ325を形成する開口内に部分的に充填する。ある具体例では、ゲート誘電層324は、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、高k誘電層、或いは、それらの組み合わせで形成されてもよい。高k誘電層は、酸化ハフニウム(hafnium oxide、HfO2)、酸化ハフニウムシリコン(HfSiO)、酸窒化ハフニウムシリコン(HfSiON)、酸化タンタルハフニウム(HfTaO)、酸化チタンハフニウム(HfTiO)、酸化ジルコニウムハフニウム(HfZrO)、金属酸化物、金属窒化物、金属ケイ酸塩、遷移金属酸化物、遷移金属窒化物、遷移金属ケイ酸塩、金属の酸窒化物、金属アルミン酸塩、ケイ酸ジルコニウム、ジルコニウムアルミン酸塩、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、二酸化ハフニウムアルミナ(HfO2−Al23)合金、その他の適当な高k誘電材料、および/または、それらの組み合わせで形成されてもよい。ある具体例では、開口中の高kゲート誘電体の厚さは、2nmより小さい。ゲート誘電層324は、さらに、界面層322を含み、ゲート誘電層324と基板302間のダメージを減少させる。界面層322は、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、Hf−ケイ酸塩、或いは、Al23ベース誘電体からなる。
【0021】
一般に、その後、トレンチ325は様々な金属層が充填され、金属層のパターニングが行われて、FET100のための適当な金属層になる。CMPが行われて、トレンチ325外の多くの金属層を除去し、FET100の多層金属ゲート電極120aを形成する。または、ドライ、或いは、ウェットエッチングプロセスが行われてもよい。低抵抗金属層128は、多層金属ゲート電極の小さい領域だけを占有するので、FET100の多層金属ゲート電極120aは高ゲート抵抗を示すことが観察される。これは、ICのRC遅延を増加させ、装置パフォーマンスを低下させる。従って、図2と図3B−3Hの処理により、多層金属ゲート電極120aを修正し、ゲート構造320を形成して、ゲート抵抗を一桁分減少させている。これにより、ICのRC遅延を減少させ、装置パフォーマンスを向上させることができる。
【0022】
図2と図3Bを参照すると、方法200は、続いて、ステップ204を行い、第一凹部326aを有するように第一金属材料326が堆積されて、トレンチ325を部分的に充填する。第一金属材料326は、Ti、Ta、W、TiAl、Co、およびCおよび/またはNを含む合金或いは化合物金属の群から選択される積層された材料からなっている。第一金属材料326は、CVD、PVD、或いは、その他の適当な技術により形成される。第一金属材料326は第一抵抗を有する。第一金属材料326は、30〜150オングストロームの厚さを有する。第一金属材料326は、仕事関数が大きい金属の積層構造からなっている。一具体例では、NMOSの第一金属材料326は、仕事関数の大きい金属であるTi、Ta、TiAl、および、Cおよび/またはNを含む合金或いは化合物からなっている。別の具体例では、PMOSの第一金属材料326は、仕事関数の大きい金属であるTi、Ta、Co、および、Cおよび/またはNを含む合金或いは化合物からなっている。ある具体例では、ラミネートは、さらに、バリア金属層、ライナー金属層、或いは、湿潤金属層を含んでもよい。
【0023】
図2と3Cを参照すると、方法200は、ステップ206を行い、犠牲層327が第一金属材料326上に堆積されて、第一凹部326aとトレンチ325を充填する。犠牲層327は、これらに限定されないが、ポリシリコン、フォトレジスト(PR)、或いは、スピンオン誘電体からなる。犠牲層327は、CVD、PVD、ALD、スピンオン、或いは、その他の適当な技術により形成される。犠牲層327の厚さは、第一凹部326aとトレンチ325の深さに基づく。従って、第一凹部326aとトレンチ325が充填されるまで、犠牲層327が堆積される。
【0024】
図2と図3Dを参照すると、方法200は、ステップ208を行い、CMPプロセスが行われて、トレンチ325外の犠牲層327、第一金属材料326、および、ゲート誘電層324の一部を除去する。従って、ILD314に到達する時、CMPプロセスが停止され、よって、平坦表面が提供される。または、除去は、ドライ、および/または、ウェットプロセスの組み合わせにより達成されてもよい。
【0025】
図2と図3Eを参照すると、方法200は、ステップ210を行い、第一金属材料326の上部がエッチングプロセスにより除去されて、第一金属材料326の第二凹部326bを形成する。エッチングプロセスは、ドライエッチングプロセス、および/または、ウェットエッチングプロセスでもよい。例えば、ウェットエッチング化学品は、SC−1、或いは、SPMを含み、且つ、H22等の酸化剤を含んでもよいし、70℃より低い温度で行われ、第一金属材料326の上部を選択的に除去する。例えば、ドライエッチング化学品は、BCl3を含み、第一金属材料326の上部を選択的に除去する。エッチングプロセスは、トレンチ325の第一金属材料326の第二凹部326bを形成する。トレンチ325内の第一金属材料326の第二凹部326bは、約50〜約2700オングストロームの深さを有する。この深さは、エッチングプロセスの様々なパラメータ、例えば、時間やエッチング化学品(材料)を調整することにより得られる。
【0026】
さらに、エッチング速度の比率が十分に大きくない限り、犠牲層327は、エッチングプロセスで、保護層とならない。一具体例では、エッチング液の第一金属材料326と犠牲層327に対するエッチング速度の比率は、好ましくは、10より大きい。さらに、ゲート誘電層324がエッチング液によりダメージを受ける場合、後続プロセスで、欠陥源となり、電流漏れの可能性が増加する。一具体例で、エッチング液の第一金属材料326とゲート誘電層324に対するエッチング速度の比率は、好ましくは、20以上である。本具体例では、トレンチ325内の第一金属材料326の残り部分は、修正されたゲート電極320aの下側部分を形成する。下側部分は、断面形状がほぼU型である。
【0027】
図2と図3Fを参照すると、方法200は、ステップ212を行い、トレンチ325中に残る犠牲層327が、別のエッチングプロセスにより除去されて、第一金属材料326の第一凹部326aを露出させる。エッチングプロセスは、ドライエッチングプロセス、および/または、ウェットエッチングプロセスを含む。例えば、ドライ/ウェットエッチング化学品は、F、Cl、および、Brベースのエッチング液を含み、トレンチ325に残る犠牲層327を選択的に除去する。第一凹部326aに近接する第一金属材料326がエッチング液により侵食される場合、金属の仕事関数が変化し、これにより、素子不良の可能性が高くなる。一具体例では、エッチング液の犠牲層327の第一金属材料326に対するエッチング速度の比率は、好ましくは、10より大きい。
【0028】
図2と図3Gを参照すると、方法200は、ステップ214を行い、第二金属材料328が第一金属材料326上に堆積されて、第一金属材料326の第一と第二凹部326a、326bを充填する。第一金属材料326の第一と第二凹部326a、326bはトレンチ325の上側部分として見なされる。一具体例では、バリア層が第一金属材料326上に選択的に形成されて、第二金属材料328の堆積の前に、トレンチ325の上側部分を部分的に充填してもよい。バリア層は、Ti、Ta、TiN、TaN、および、WNの群から選択される材料からなる。バリア層の厚さは、約5〜約50オングストロームである。バリア層は、CVD、PVD、ALD、或いは、その他の適当な技術により形成される。ある具体例では、バリア層は高抵抗を有するので、用いられない。
【0029】
図2と図3Gを参照すると、第二金属材料328が第一金属材料326上に堆積されて、トレンチ325の上側部分を充填する。本具体例では、第二金属材料328は、Al、Cu、Co、および、Wの群から選択される材料からなる。第二金属材料328は、CVD、PVD、めっき、スピンオン、ALD、或いは、その他の適当な技術により形成される。第二金属材料328は第二抵抗を有する。第二抵抗は、第一抵抗より小さい。例えば、Alの電気比抵抗(約2.65μΩ−cm)は、TiNの電気比抵抗(約200μΩ−cm)より小さい。第二金属材料328の厚さは、トレンチ325の上側部分の深さに基づく。よって、トレンチ325の上側部分が充填されるまで、第二金属材料328が堆積される。
【0030】
図2と図3Hを参照すると、方法200は、ステップ216を行い、CMPが行われて、トレンチ325外の第二金属材料328の一部を除去する。これにより、ILD314に到達する時、CMPプロセスが停止され、よって、ほぼ平坦な表面が提供される。CMPの後、トレンチ325内の第二金属材料328の残り部分が、修正された金属ゲート電極320aの上側部分を形成する。第二金属材料328は、第一金属材料326の第一凹部326aに延伸する突起328aを有する。第二金属材料328は、さらに、第一金属材料326の第二凹部326bに延伸する金属ストリップ328bを有し、第二金属材料328は、この時、断面形状がほぼT型である。
【0031】
修正されたゲート電極320aは、第一凹部326aを有し、かつ、第一抵抗を有する第一金属材料326からなる下側部分を有する。下側部分は、断面形状がほぼU型である。本発明は上述の具体例に限定されないことが理解できる。下側部分は、L型、或いは、その他の形状でもよい。下側部分は、300〜2900オングストロームで、最大高さ326cを有する。下側部分は、30〜150オングストロームの最低高さ326dを有する。修正された金属ゲート電極320aは、さらに、凹部326aに延伸する突起328aと第二抵抗を有する第二金属材料328からなる上側部分を有する。上側部分は、さらに、金属ストリップ328bを有し、断面形状がほぼ、T型である。本発明は上述の具体例に限定されないことが理解できる。上側部分は、ほぼ、L型、或いは、その他の形状でもよい。上側部分は、50〜2700オングストロームの最低高さ328cを有する。この他、突起328aは凹部326aに延伸する。第二抵抗は、第一抵抗より低い。図1で示される公知の金属ゲート電極と比較すると、低抵抗の上側部分328は、修正された金属ゲート電極320aの大比率を占有する。これにより、修正された金属ゲート電極320aは、公知の金属ゲート電極120aより低いゲート抵抗を有する。よって、低いゲート抵抗は、回路のRC遅延を減少させ、装置パフォーマンスを向上させる。
【0032】
FET300は、さらに、CMOSプロセスフローを行って、様々な素子、例えば、コンタクト/バイアス、相互接続金属層、誘電層、パッシベーション層等を形成することができることが理解できる。ゲートコンタクト材料として用いられる修正金属ゲート電極320aは、NMOSとPMOSのゲート抵抗を減少させることができることが認められる。
【0033】
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない範囲内で各種の変動や置換を加えることができ、従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【符号の説明】
【0034】
100 電界効果トランジスタ
102 基板
103 アクティブ領域
104 絶縁領域
106 ソース/ドレイン領域
108 低濃度ドープ領域
110 ゲートスペーサ
112 コンタクトエッチ停止層
114 ILD層
120 ゲート構造
120a 多層金属ゲート電極
122 界面層
124 ゲート誘電層
126 下側部分
128 上側部分
200 方法
202、204、206、208、210、212、214、216 ステップ
300 電界効果トランジスタ
302 半導体基板
303 アクティブ領域
304 絶縁領域
306 ソース/ドレイン領域
308 低濃度ドープソース/ドレイン領域
310 ゲートスペーサ
312 コンタクトエッチ停止層
314 ILD層
320 ゲート構造
320a 修正されたゲート電極
322 界面層
324 ゲート誘電層
325 トレンチ
326 第一金属材料
326a 第一金属材料の第一凹部
326b 第一金属材料の第二凹部
326c 下側部分の最大高さ
327 犠牲層
328 第二金属材料
328a 第二金属材料の突起
328b金属ストリップ
328c 上側部分の最低高さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電界効果トランジスタのゲート電極であって、
凹部を有し、かつ、第一抵抗を有する第一金属材料からなる下側部分と、
突起を有し、かつ、第二抵抗を有する第二金属材料からなる上側部分と、
を具備し、
前記突起が前記凹部に延伸し、前記第二抵抗は前記第一抵抗より小さいことを特徴とするゲート電極。
【請求項2】
前記下側部分はほぼU型であることを特徴とする請求項1記載のゲート電極。
【請求項3】
前記第一金属材料は、仕事関数が大きい金属を含む積層構造からなることを特徴とする請求項1記載のゲート電極。
【請求項4】
前記上側部分はほぼT型であることを特徴とする請求項1記載のゲート電極。
【請求項5】
電界効果トランジスタであって、
アクティブ領域を有する基板と、
前記基板のアクティブ領域上に位置し、ゲート誘電体とゲート電極とを有するゲート構造を具備し、
前記ゲート電極は、凹部を有し、かつ、第一抵抗を有する第一金属材料からなる下側部分と、突起を有し、かつ、第二抵抗を有する第二金属材料からなる上側部分とを備え、前記突起は前記凹部に延伸し、前記第一金属材料および第二金属材料は、前記第二抵抗が前記第一抵抗より小さい材料で形成され、
前記ゲート構造の反対側の前記アクティブ領域の両端部にソース領域とドレイン領域とが形成され
ていることを特徴とする電界効果トランジスタ。
【請求項6】
前記下側部分はほぼU型であることを特徴とする請求項5記載の電界効果トランジスタ。
【請求項7】
前記第一金属材料は、仕事関数が大きい金属を含む積層構造からなることを特徴とする請求項5記載の電界効果トランジスタ。
【請求項8】
前記上側部分はほぼT型であることを特徴とする請求項5記載の電界効果トランジスタ。
【請求項9】
前記第二金属材料は、Al、Cu、Co、およびWの群から選択されることを特徴とする請求項5記載の電界効果トランジスタ。
【請求項10】
前記ゲート誘電体は、高誘電率誘電層からなることを特徴とする請求項5記載の電界効果トランジスタ。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図3H】
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【公開番号】特開2011−129929(P2011−129929A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281727(P2010−281727)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(500262038)台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司 (198)
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.
【住所又は居所原語表記】8,Li−Hsin Rd.6,Hsinchu Science Park,Hsinchu,Taiwan 300−77,R.O.C.
【Fターム(参考)】