説明

トレンチ型パワーMOSトランジスタおよびその製造方法

【課題】パワーMOSトランジスタにおいて、高い降伏電圧、高い出力電流および高速の動作速度を備えるのみならず、水平構造を備えるために、CMOSの製造工程で製作された一般的な集積回路と同一のチップ上に整合させる。
【解決手段】本発明のトレンチ型パワーMOSトランジスタはゲート導電体312と、絶縁層310とを備えたトレンチ型ゲート領域を具備する。絶縁層310は、ゲート導電体312と井戸領域308との間で薄い側壁領域を形成しており、ゲート導電体312と二重拡散のドーピング領域306との間で厚い側壁領域を形成するとともに、ゲート導電体312と深井戸領域304との間で厚い最下部領域を形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はMOSトランジスタおよびその製造方法に関し、特にトレンチ型(trench−type)パワーMOSトランジスタ(power MOS transistor)およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パワーMOSトランジスタは特殊なMOSトランジスタであって、集積回路への電源の供給およびスイッチングに専ら用いられる。このことから、パワーMOSトランジスタは高電圧で動作する能力を備えることが求められる。一般的なパワーMOSトランジスタは、高電圧で動作可能となるよう、相補型金属酸化膜トランジスタ(CMOS)の製造工程で製造することで大型化の目的を達成している。他方では、パワーMOSトランジスタは大電流の出力も求められる。したがって、一般的な製造においては、数千から数十万個のトランジスタセルを集積してパワーMOSトランジスタを構成することが多い。このうち、各トランジスタセルは小さな電流を出力するが、この集積されたパワーMOSトランジスタは大電流を出力することができる。しかしながら、この製造方法で製作されたパワーMOSトランジスタは面積が大型化してしまい、産業界では受け入れられない。
【0003】
パワーMOSトランジスタの面積を小型化するために、産業界では縦方向拡散のMOS(vertical−diffused MOS、VDMOS)トランジスタが登場した。図1にはVDMOSトランジスタの断面概略図を示す。従来の平面型のCMOSトランジスタとは異なり、電流は縦方向にVDMOSトランジスタに流れる。図1に示すように、VDMOSトランジスタ100のドレイン領域はVDMOSトランジスタ100の最上部に設けられており、そしてVDMOSトランジスタ100のソース領域はVDMOSトランジスタ100の最下部に設けられている。図1の構造では、VDMOSトランジスタ100に高い降伏電圧と、高い出力電流を持たせている。
【0004】
図2には他の種類のトレンチ型パワーMOSトランジスタ、つまりUMOSトランジスタの断面概略図が示されている。図2に示すように、UMOSトランジスタ200はU字状のゲート酸化物から、このように命名されている。UMOSトランジスタ200は、トレンチ型で下方に延在しているゲートを備えており、そしてUMOSトランジスタ200の電流は縦方向に流れ、しかもUMOSトランジスタ200のドレイン領域はUMOSトランジスタ200の最上部に設けられ、そしてUMOSトランジスタ200のソース領域はUMOSトランジスタ200の最下部に設けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した縦方向構造を持つMOSトランジスタは、CMOSの製造工程で製作された一般的な集積回路と同一のチップ上に整合させることができないため、製造における複雑性および製造コストの増加を招いてしまう。このことから、高い降伏電圧、高い出力電流および高速の動作速度を備えるのみならず、水平構造を備えるために、CMOSの製造工程で製作された一般的な集積回路と同一のチップ上に整合させることができるパワーMOSトランジスタが産業界で必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタは、ドレイン領域と、二重拡散のドーピング領域と、トレンチ型ゲート領域と、ソース領域と、井戸領域と、深井戸領域と、基材領域とを備えている。前記ドレイン領域は第1の導電タイプの特性を備えるとともに、ドレイン電極に接続されている。前記二重拡散のドーピング領域は前記第1の導電タイプの特性を備えるとともに、前記ドレイン領域の下方に設けられている。前記トレンチ型ゲート領域は前記二重拡散のドーピング領域にまで延在するとともに、ゲート導電体と前記ゲート導電体と隔絶するための絶縁層とを備えている。前記ソース領域は前記第1の導電タイプの特性を備えるとともに、ソース電極に接続されている。前記井戸領域は第2の導電タイプの特性を備えるとともに、前記ソース領域の下方に設けられている。前記深井戸領域は前記第1の導電タイプの特性を備えるとともに、前記二重拡散のドーピング領域および前記井戸領域の下方に設けられている。前記基材領域は前記深井戸領域の下方に設けられている。前記絶縁層は、前記ゲート導電体と前記井戸領域との間で薄い側壁領域を形成しており、前記ゲート導電体と前記二重拡散のドーピング領域とで厚い側壁領域を形成するとともに、前記ゲート導電体と前記深井戸領域との間で厚い最下部領域を形成し、かつ前記ドレイン電極および前記ソース電極が前記トレンチ型パワーMOSトランジスタの上面に設けられている。
【0007】
本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造方法は、第1の導電タイプの特性を備える深井戸領域を基材領域上に形成する工程と、前記第1の導電タイプの特性を備える二重拡散のドーピング領域のドレイン領域を前記深井戸領域上に形成する工程と、トレンチ領域を前記二重拡散のドーピング領域の側壁にエッチングで形成する工程と、前記トレンチ領域に絶縁材料を埋め込む工程と、前記二重拡散のドーピング領域に対する前記絶縁材料の外側にゲート領域をエッチングで形成して、前記トレンチ領域における前記ゲート領域と前記二重拡散のドーピング領域との間に、前記絶縁材料が埋め込まれている厚い側壁領域を持たせ、そして前記トレンチ領域における前記ゲート領域と前記深井戸領域との間に、絶縁材料が埋め込まれている厚い最下部領域を持たせる工程と、前記ゲート領域にゲート導電体を埋め込む工程と、第2の導電タイプの特性を備える井戸領域を前記ゲート領域近傍および前記深井戸領域上に形成する工程と、前記第1の導電タイプの特性を備えるドレイン領域を前記二重拡散のドーピング領域上に形成する工程と、前記第1の導電タイプの特性を備えるソース領域を前記井戸領域上に形成する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明のトレンチ型パワーMOSトランジスタは、特殊なトレンチ型構造により、高い降伏電圧、高い出力電流および高速の動作速度を備えている。また、本発明のトレンチ型パワーMOSトランジスタは水平構造を備えているので、CMOSの製造工程で製作された一般的な集積回路と同一のチップ上に整合させることができ、実用性を高めて、製造コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】VDMOSトランジスタの断面概略図
【図2】UMOSトランジスタの断面概略図
【図3】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの断面概略図
【図4】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの一部拡大図
【図5】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの配置構造の概略図
【図6】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造工程図
【図7】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造工程図
【図8】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造工程図
【図9】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造工程図
【図10】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造工程図
【図11】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造工程図
【図12】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造工程図
【図13】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造工程図
【図14】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造工程図
【図15】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造工程図
【図16】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造工程図
【図17】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造工程図
【図18】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造工程図
【図19】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造工程図
【図20】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造工程図
【図21】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造工程図
【図22】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造工程図
【図23】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造工程図
【図24】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造工程図
【図25】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造工程図
【図26】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造工程図
【図27】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造工程図
【図28】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造工程図
【図29】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造工程図
【図30】本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造工程図
【発明を実施するための形態】
【0010】
図3には本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの断面概略図を示す。図3に示すように、前記トレンチ型パワーMOSトランジスタ300は基材領域302と、深井戸領域304と、二重拡散のドーピング領域306と、井戸領域308と、絶縁層310と、ゲート導電体312と、ドレイン領域314と、ソース領域316と、本体領域318と、金属ケイ化物層320と、層間誘電層322と、第1層金属層324と、金属間誘電層326と、最上層金属層328とを備えている。
【0011】
図3に示すトレンチ型パワーMOSトランジスタ300はN型トランジスタである。しかしながら、当該技術に習熟する当業者であれば、P型トランジスタに容易に転換できるので、これもまた本発明に含まれるものである。図3に示すように、前記ドレイン領域314はN型の導電タイプの特性を備えるとともに、前記ドレイン電極に接続されている。前記二重拡散のドーピング領域306は前記N型の導電タイプの特性を備えるとともに、前記ドレイン領域314の下方に設けられている。そして、前記二重拡散のドーピング領域306において、前記ドレイン領域314寄りの領域は、前記ドレイン領域314から離れた領域よりもイオン濃度が高くなるのがより好ましい。前記絶縁層310は、前記ゲート導電体312を隔絶するために、前記二重拡散のドーピング領域306にまで延在している。前記絶縁層310および前記ゲート導電体312はトレンチ型ゲート領域を形成し、かつ前記トレンチ型ゲート領域は水平方向で前記井戸領域308を囲み、しかもゲート電極が前記ドレイン領域314の外側に対向する前記ゲート導電体312に接続されている。前記ソース領域316は前記N型の導電タイプの特性を備え、前記本体領域318を囲むとともに、ソース電極に接続されている。前記井戸領域308はP型の導電タイプの特性を備えるとともに、前記ソース領域316の下方に設けられている。前記深井戸領域304は前記N型の導電タイプの特性を備えるとともに、前記二重拡散のドーピング領域306および前記井戸領域308の下方に設けられている。前記基材領域302はP型の導電タイプの特性を備えるとともに、前記深井戸領域304の下方に設けられている。前記金属ケイ化物層320は前記ドレイン領域314、前記ソース領域316および前記本体領域318とこれら複数の電極との間に介在されている。前記層間誘電層322は前記金属ケイ化物層320の上方に設けられている。前記第1層金属層324は前記複数の電極を前記最上層金属層328に接続するためのものである。前記金属間誘電層326は前記第1層金属層324と前記最上層金属層328との間に介在されている。
【0012】
図3に示すように、前記絶縁層310は前記ゲート導電体312と前記井戸領域308との間で薄い側壁領域を形成しており、前記ゲート導電体312と前記二重拡散のドーピング領域306とで厚い側壁領域を形成するとともに、前記ゲート導電体312と前記深井戸領域304との間で厚い最下部領域を形成している。前記ドレイン電極、前記ソース電極および前記ゲート電極は前記トレンチ型パワーMOSトランジスタ300の上面に設けられている。
【0013】
図4には図3のトレンチ型パワーMOSトランジスタ300の一部拡大図を示す。図4に示すように、前記トレンチ型パワーMOSトランジスタ300は導通時には、前記ドレイン領域314においては前記絶縁層310の外壁に沿って前記ソース領域316までのチャネルが形成される。図4に示すように、前記チャネルの有効長さLoffはとても短く、前記井戸領域の深さに相当するので、前記チャネルの抵抗値を低減することができる。また、チャネルを形成する前記二重拡散のドーピング領域のイオンドープ濃度は高いので、抵抗値もまた小さくなっている。したがって、前記トレンチ型パワーMOSトランジスタ300は導通での抵抗値が低いため、高い出力電流を提供することができる。
【0014】
一方、前記絶縁層310における前記ゲート導電体312と前記二重拡散のドーピング領域306との間の厚い側壁領域の厚みが前記トレンチ型パワーMOSトランジスタ300の降伏電圧を高めることができる。前記絶縁層310における前記ゲート導電体312と前記深井戸領域304との間の厚い最下部領域の厚みでも、前記トレンチ型パワーMOSトランジスタ300の降伏電圧を高めることができる。したがって、前記トレンチ型パワーMOSトランジスタ300は高い降伏電圧を提供することができる。実用においては、前記厚い側壁領域および前記厚い最下部領域の厚みを調節することで、所望の降伏電圧を得ることができる。
【0015】
もし100V未満の降伏電圧を得たい場合には、前記絶縁層310の深さAを2μm未満に、前記絶縁層310の幅Bを2μm未満に、前記ゲート導電体312の深さCを1ないし2μmに、前記厚い最下部領域の厚みDを0.02ないし1μmに、そして前記厚い側壁領域の厚みEを0.2ないし1μmに設定するのがより好ましい。もし100Vを超える降伏電圧を得たい場合には、前記絶縁層310の深さAを2μmより大きく、前記絶縁層310の幅Bを3μmより大きく、前記ゲート導電体312の深さCを1.6μmより大きく、前記厚い最下部領域の厚みDを0.6μmより大きく、そして前記厚い側壁領域の厚みEを1μmより大きく設定するのがより好ましい。
【0016】
再度図4を参照されたい。前記トレンチ型パワーMOSトランジスタ300のチャネルの有効長さが相当短いため、本体領域318からゲート導電体312までの有効静電容量Cgbはかなり小さくなる。また、前記絶縁層310は厚い側壁領域の厚みが相当厚いため、ドレイン領域314からゲート導電体312のCgdもかなり小さくなる。よって、前記トレンチ型パワーMOSトランジスタ300は高速の動作速度を備える。
【0017】
図5には前記トレンチ型パワーMOSトランジスタ300の配置構造の概略図を示す。図5に示すように、前記絶縁層310は前記ドレイン領域314を囲んでいる。前記ソース領域316は前記本体領域318を囲んでいる。前記ゲート導電体312は前記ドレイン領域314と前記ソース領域316とを隔絶している。
【0018】
図6ないし図30には本発明の実施例におけるトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造工程図を示す。図6ないし図30に示す製造工程はN型トランジスタの製造工程である。しかしながら、当該技術に習熟する当業者であれば、P型トランジスタの製造工程に容易に転換できるので、これもまた本発明に含まれるものである。
【0019】
図6に示すように、まずN型イオンを前記P型基材302上にドーピングして、前記深井戸領域304を形成する。図7に示すように、二重拡散のドーピング領域のパターンニング用マスク700を前記基材領域302上に形成する。図8に示すように、マスクで被覆されていない箇所に二重拡散のドーピングドライブイン(driving)を行って、前記二重拡散のドーピング領域306を形成するが、このうち前記ドーピングドライブインの温度は約900ないし1000℃である。図9に示すように、前記パターンニング用マスク700を除去して、有効領域に酸化シリコンパッド層(pad oxide)/窒化シリコンパッド層(pad nitride)900を形成するとともに、ホウ素をドープしたケイ酸塩ガラス(BSG)とされうるハードマスク910を前記酸化シリコンパッド層/窒化シリコンパッド層900上に形成する。図10に示すように、トレンチ領域を前記二重拡散のドーピング領域306の側壁にエッチングで形成する。図11に示すように、前記ハードマスク910を除去する。図12に示すように、前記絶縁層310を前記トレンチ領域内に堆積させるとともに、前記絶縁層310を化学機械研磨(chemical mechanical polishing、CMP)技術で研磨するが、このうち前記絶縁材料は酸化物としても良い。図13に示すように、ゲート導電体のパターンニング用マスク1300を前記二重拡散のドーピング領域306の上方に形成する。図14に示すように、前記絶縁層310にエッチングを行ってゲート領域を形成するが、このうち前記エッチングは前記ゲート領域と前記二重拡散のドーピング領域306との間に前記絶縁層310が埋め込まれている厚い側壁領域を持たせるとともに、前記ゲート領域と前記深井戸領域304との間に前記絶縁層310が埋め込まれている厚い最下部領域を持たせるものである。前記エッチングの深さは約1ないし2μmであるのがより好ましい。
【0020】
図15に示すように、前記パターンニング用マスク1300を除去して、ゲート酸化または絶縁層を前記トレンチ領域の側壁に成長または堆積させるとともに、ポリシリコンまたは金属とされる前記ゲート導電体312を前記ゲート領域に堆積させる。図16に示すように、続いて前記ゲート導電体312のエッチングを行う。図17に示すように、前記絶縁層310を前記ゲート導電体312のエッチングした箇所に堆積させるとともに、化学機械研磨で前記絶縁層310を研磨する。このうち前記絶縁材料は酸化物としても良い。図18に示すように、前記酸化シリコンパッド層/窒化シリコンパッド層900を除去する。図19に示すように、P型イオンのドーピングを行って前記井戸領域308を形成する。図20に示すように、ソース/ドレインのパターンニング用マスク2000をソース/ドレインの箇所に形成するとともに、N型イオンのドーピングを行って前記ドレイン領域314および前記ソース領域316を形成する。図21に示すように、前記パターンニング用マスク2000を除去して、本体のパターンニング用マスク2100を形成するとともに、イオンドーピングを行って前記本体領域318を形成する。図22に示すように、前記パターンニング用マスク2100を除去して、接合面のアニール処理を行って金属ケイ化物はチタンまたはコバルトの金属ケイ化物とされうる前記金属ケイ化物層320を形成するが、このうち前記アニール温度は800ないし1000℃としても良い。図23に示すように、前記層間誘電層322を前記金属ケイ化物層320上に形成するとともに、コンタクトのパターンニング用マスク2300を、材料をホウケイ酸ガラスとされうる前記層間誘電層322に形成する。
【0021】
図24に示すように、コンタクトエッチングを行う。図25に示すように、前記パターンニング用マスク2300を除去するとともに、金属タングステンをコンタクトエッチングの箇所に堆積させてソース、ドレインおよびゲートのコンタクトを形成するとともに、前記複数のコンタクトを化学機械研磨技術で研磨する。図26に示すように、前記第1層金属層324を前記層間誘電層322上に堆積させるとともに、第1層金属層のパターンニング用マスク2600を前記複数のコンタクトの箇所に形成する。図27に示すように、前記第1層金属層324のエッチングを行うとともに、前記パターンニング用マスク2600を除去する。図28に示すように、材料をホウケイ酸ガラスとされうる前記金属間誘電層326を前記第1層金属層324および前記層間誘電層322上に堆積させる。図29に示すように、ビア(via)ホールのパターンニング用マスクを前記金属間誘電層326上に形成する。その後、コンタクトエッチングを行って、前記パターンニング用マスクを除去するとともに、金属タングステンを堆積させて、前記複数のコンタクト上にビアホールを形成する。図30に示すように、前記最上層金属層328を前記金属間誘電層326上に形成して、パターンニング用マスクを前記最上層金属層328上に形成して、前記最上層金属層328のエッチングを行うとともに、前記パターンニング用マスクを除去する。
【0022】
本発明の技術内容および技術的特徴は上記のように開示したが、当該技術に習熟する当業者であれば、本発明の教示および開示に基づいて、本発明の技術的思想に違わない様々な置換および付加を行うことは可能である。したがって、本発明の保護範囲は実施例に開示するものに限定されることなく、本発明に違わない様々な置換および付加が含まれるものであるとともに、別紙の特許請求の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0023】
100 VDMOSトランジスタ
200 UMOSトランジスタ
300 トレンチ型パワーMOSトランジスタ
302 基材領域
304 深井戸領域
306 二重拡散のドーピング領域
308 井戸領域
310 絶縁層
312 ゲート導電体
314 ドレイン領域
316 ソース領域
318 本体領域
320 金属ケイ化物層
322 層間誘電層
324 第1層金属層
326 金属間誘電層
328 最上層金属層
700,1300,2100,2300,2600 パターンニング用マスク
900 酸化シリコンパッド層/窒化シリコンパッド層
910 ハードマスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の導電タイプの特性を備えるとともに、ドレイン電極に接続されているドレイン領域と、
前記第1の導電タイプの特性を備えるとともに、前記ドレイン領域の下方に設けられている二重拡散のドーピング領域と、
ゲート導電体と、前記二重拡散のドーピング領域にまで延在するとともに、前記ゲート導電体と隔絶するための絶縁層と、を備えているトレンチ型ゲート領域と、
前記第1の導電タイプの特性を備えるとともに、ソース電極に接続されているソース領域と、
第2の導電タイプの特性を備えるとともに、前記ソース領域の下方に設けられている井戸領域と、
前記第1の導電タイプの特性を備えるとともに、前記二重拡散のドーピング領域および前記井戸領域の下方に設けられている深井戸領域と、
前記深井戸領域の下方に設けられている基材領域と、
を具備しているトレンチ型パワーMOSトランジスタであって、
前記絶縁層は、前記ゲート導電体と前記井戸領域との間で薄い側壁領域を形成しており、前記ゲート導電体と前記二重拡散のドーピング領域との間で厚い側壁領域を形成するとともに、前記ゲート導電体と前記深井戸領域との間で厚い最下部領域を形成し、かつ前記ドレイン電極および前記ソース電極が前記トレンチ型パワーMOSトランジスタの上面に設けられていることを特徴とするトレンチ型パワーMOSトランジスタ。
【請求項2】
トレンチ型ゲート領域は水平方向で前記井戸領域を囲み、しかも前記ドレイン領域の外側に対向する前記ゲート導電体に接続されているゲート電極を備えていることを特徴とする請求項1に記載のトレンチ型パワーMOSトランジスタ。
【請求項3】
前記トレンチ型ゲート領域の深さを2μm未満に、前記トレンチ型ゲート領域の幅を2μm未満に、前記ゲート導電体の深さを1ないし2μmに、前記厚い最下部領域の厚みを0.02ないし1μmに、そして前記厚い側壁領域の厚みを0.2ないし1μmとしたことを特徴とする請求項1に記載のトレンチ型パワーMOSトランジスタ。
【請求項4】
前記トレンチ型ゲート領域の深さを2μmより大きく、前記トレンチ型ゲート領域の幅を3μmより大きく、前記ゲート導電体の深さを1.6μmより大きく、前記厚い最下部領域の厚みを0.6μmより大きく、そして前記厚い側壁領域の厚みを1μmより大きくしたことを特徴とする請求項1に記載のトレンチ型パワーMOSトランジスタ。
【請求項5】
前記二重拡散のドーピング領域において、前記ドレイン領域寄りの領域は、前記ドレイン領域から離れた領域よりもイオン濃度が高いことを特徴とする請求項1に記載のトレンチ型パワーMOSトランジスタ。
【請求項6】
前記ドレイン領域および前記ソース領域の上面が前記ゲート導電体により隔絶されていることを特徴とする請求項1に記載のトレンチ型パワーMOSトランジスタ。
【請求項7】
前記ソース領域により囲まれている本体領域をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のトレンチ型パワーMOSトランジスタ。
【請求項8】
前記複数の電極と前記ドレイン領域、前記ソース領域との間に介在されている金属ケイ化物層をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のトレンチ型パワーMOSトランジスタ。
【請求項9】
前記金属ケイ化物層上に設けられている層間誘電層をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載のトレンチ型パワーMOSトランジスタ。
【請求項10】
前記層間誘電層上に設けられている金属間誘電層をさらに備えたことを特徴とする請求項9に記載のトレンチ型パワーMOSトランジスタ。
【請求項11】
第1の導電タイプの特性を備える深井戸領域を基材領域上に形成する工程と、
前記第1の導電タイプの特性を備える二重拡散のドーピング領域のドレイン領域を前記深井戸領域上に形成する工程と、
トレンチ領域を前記二重拡散のドーピング領域の側壁にエッチングで形成する工程と、
前記トレンチ領域に絶縁材料を埋め込む工程と、
前記二重拡散のドーピング領域に対する前記絶縁材料の外側にゲート領域をエッチングで形成して、前記トレンチ領域における前記ゲート領域と前記二重拡散のドーピング領域との間に、前記絶縁材料が埋め込まれている厚い側壁領域を持たせ、そして前記トレンチ領域における前記ゲート領域と前記深井戸領域との間に、絶縁材料が埋め込まれている厚い最下部領域を持たせる工程と、
前記ゲート領域にゲート導電体を埋め込む工程と、
第2の導電タイプの特性を備える井戸領域を前記ゲート領域近傍および前記深井戸領域上に形成する工程と、
前記第1の導電タイプの特性を備えるドレイン領域を前記二重拡散のドーピング領域上に形成する工程と、
前記第1の導電タイプの特性を備えるソース領域を前記井戸領域上に形成する工程と、を含むことを特徴とするトレンチ型パワーMOSトランジスタの製造方法。
【請求項12】
前記ゲート領域のエッチング深さが1ないし2μmであることを特徴とする請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
前記二重拡散のドーピング領域が、温度が900ないし1000℃であるドーピングドライブイン技術で形成されることを特徴とする請求項11に記載の製造方法。
【請求項14】
前記ゲート導電体の材料がポリシリコンまたは金属のうちのいずれかであることを特徴とする請求項11に記載の製造方法。
【請求項15】
接合面のアニール処理で金属ケイ化物層を前記ソース領域および前記ドレイン領域上に形成するものであり、このうち前記アニール温度は800ないし1000℃とされ、そして前記金属ケイ化物はチタンまたはコバルトの金属ケイ化物である工程、をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の製造方法。
【請求項16】
材料がホウケイ酸ガラスである前記層間誘電層を前記金属ケイ化物層上に形成する工程、をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
第1層金属層を前記層間誘電層上に形成する工程、をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の製造方法。
【請求項18】
材料がホウケイ酸ガラスである金属間誘電層を前記第1層金属層上に形成する工程、をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の製造方法。
【請求項19】
最上層金属層を前記金属間誘電層上に形成する工程、をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の製造方法。
【請求項20】
前記ソース領域および前記ドレイン領域にコンタクトエッチングを行うとともに、前記金属タングステンをコンタクトエッチングの箇所に堆積させて前記ソース領域、前記ドレイン領域のコンタクトを形成する工程、をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2011−108797(P2011−108797A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−261579(P2009−261579)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【出願人】(509318354)ピーテック テクノロジー カンパニー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】PTEK TECHNOLOGY CO., LTD.
【Fターム(参考)】