説明

前駆体造成物、薄膜形成方法、これを利用したゲート構造物の製造方法、及びキャパシタの製造方法

【課題】 前駆体造成物、薄膜形成方法、これを利用したゲート構造物の製造方法、及びキャパシタの製造方法を提供する。
【解決手段】 半導体装置の製造に利用されることができる薄膜形成用造成物、薄膜形成方法、ゲート構造物の製造方法、及びキャパシタの製造方法において、薄膜造成方法は、前駆体と電子供与化合物を接触させて安定化された前駆体を基板上に提供した後(S20)、前駆体と結合を形成できる反応物質を基板上に導入して、薄膜を形成する(S30)。電子供与化合物によって安定化された前駆体は、熱的安定性が優秀で、ステップカバレッジが優秀な薄膜を形成することができる。半導体製造工程の安全性、効率性及び信頼性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前駆体造成物、薄膜の形成方法、ゲート構造物の製造方法、及びキャパシタの製造方法に関する。より詳しくは、優秀な段差塗布性を有する薄膜蒸着用前駆体造成物、薄膜形成方法、ゲート構造物の製造方法、及びキャパシタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置は、高速で動作すると同時に大容量の保存能力を有することが要求される。このような要求に応じて、半導体装置は、集積度、信頼度、及び応答速度などを向上させる方向に製造技術が発展している。特に、集積度が増加することによって半導体装置のデザインルールが次第に減少している。
【0003】
半導体装置は、一般的に配線、プラグ、電極などの導電性構造物と、前記導電性構造物を電気的に絶縁できる誘電膜と、層間絶縁膜と同様の絶縁構造物とを含む。前記構造物の形成には、基本的に膜を蒸着する工程を伴う。膜を形成する工程には、物理気相蒸着工程、化学気相蒸着工程、原子層蒸着工程などを挙げることができる。
【0004】
物理気相蒸着工程は、一般的にホールまたはトレンチを満たす特性が良くなく、ホール内部にボイドの発生が頻繁に起きる問題点を有する。特に、半導体装置の集積度が向上することによってホールの幅が狭くなってホールの縦横比が相対的に増加している。ホールの幅が狭くて縦横比が大きければ、蒸着される物質がホールの入口に累積して、内部を満たす前に入口を塞ぐことになってホール内部にボイドが発生することがある。前記ボイドは、導電性構造物の電気抵抗を増加させて、半導体装置の性能を低下させるかまたは不良を誘発する場合がある。化学気相蒸着工程及び原子層蒸着工程は、物理気相蒸着工程に比べて、ホールを埋める特性が優れて、ホール、開口、またはトレンチを埋める工程に有用に適用することができる。
【0005】
前述のように、原子層蒸着工程または化学気相蒸着工程などを遂行して薄膜を形成する場合、バブリングシステム、インジェクションシステムのような前駆体流入装置を利用して、前駆体をチャンバーに導入することになる。例えば、バブリングシステムでは、液体状態の前駆体をキャリアガスでバブリングして前駆体を気化させ、気化された蒸気状態の前駆体をキャリアガスとともにチャンバーに流入させる。すなわち、常温で液体または固体の前駆体は、チャンバー内部に提供する前に加熱して、気体状態に転換する。このように、チャンバーに前駆体を導入する間、前駆体に熱が加わることになり、原子層積層工程または化学気相蒸着工程が遂行されるチャンバーも高い温度状態を維持することになる。従って、薄膜を形成するのに利用される前駆体は優れた熱的安定性を有することが要求される。もし、前駆体が熱的に不安定で、熱によって簡単に分解される場合、工程条件を調節し難く、均一な厚さを有する薄膜を形成し難く、また半導体装置の電気的特性を調節し難い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、熱的安定性が向上された薄膜蒸着用前駆体造成物を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、熱的安定性が向上した前駆体を利用して優れた段差塗布性を有する薄膜を形成する方法を提供することにある。
【0008】
本発明のまた他の目的は、前述の薄膜形成方法を利用して、半導体装置のゲート構造物を製造する方法を提供することにある。
【0009】
本発明のまた他の目的は、前述の薄膜形成方法を利用して、キャパシタを製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の本発明の目的を達成するために、本発明の請求項1に対応する解決手段1による薄膜形成方法において、中心金属及び前記中心金属に結合されたリガンドを含む前駆体と電子供与化合物とを接触させて、安定化された前駆体を基板上に提供した後、前記前駆体の前記中心金属と結合を形成できる反応物質を基板上に導入して、前記基板上に薄膜を形成する。
【0011】
本発明の請求項2に対応する解決手段2によると、前記電子供与化合物は水、炭素数が1〜10のアルコール化合物、炭素数が2〜10のエーテル化合物、炭素数が3〜10のケトン化合物、炭素数が6〜12のアリール化合物、炭素数が3〜15のアリル化合物、炭素数が4〜15のジエン化合物、炭素数が5〜20のβ−ジケトン化合物、炭素数が5〜20のβ−ケトイミン化合物、炭素数が5〜20のβ−ジイミン化合物、アンモニア、または炭素数が1〜10のアミン化合物を含むことができる。前記電子供与化合物は、単独または混合して使用することができる。
【0012】
本発明の請求項3に対応する解決手段3によると、前記中心金属は、リチウム(Li)、ベリリウム(Be)、ホウ素(B)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、チタニウム(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ルビジウム(Rb)、ストロンチウム(Sr)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオビウム(Nb)、モルリブデニュム(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、インジウム(In)、錫(Sn)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、セシウム(Ce)、バリウム(Ba)、ランタン(La)、ランタニド(Ln)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)、タリウム(Tl)、水銀(Hg)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、ポロニウム(Po)、フランシウム(Fr)、ラジウム(Ra)、アクチニウム(Ac)、またはアクチニド(An)を含むことができる。
【0013】
本発明の請求項4に対応する解決手段4によると、前記中心金属は、ジルコニウムまたはハフニウムであり、前記電子供与化合物は炭素数が1〜10の一次アミン、二次アミン、または三次アミンでありうる。解決手段5によると、前記炭素数が1〜10の二次アミンは、ジメチルアミン、ジエチルアミン、またはエチルメチルアミンなどを含むことができ、前記炭素数が1〜10の三次アミンは、エチルジメチルアミン、ジエチルメチルアミン、またはトリエチルアミンを含むことができる。前記二次アミンまたは三次アミンは、単独または混合して使用できる。
【0014】
本発明の請求項5に対応する解決手段6によると、前記電子供与化合物は、前記中心金属がジルコニウムまたはハフニウムである前駆体と接触し、下記構造式と表示される前記安定化された前駆体を形成することができる。
【0015】
【化1】

【0016】
前記構造式において、Mは、ジルコニウムまたはハフニウムを示し、L1〜L4は独立的にフルオロ(F-)、クロロ(Cl-)、ブロモ(Br-)、ヨード(I-)、炭素数が1〜10のアルコキシ(alkoxy)、炭素数が6〜12のアリール、炭素数が3〜15のアリル、炭素数が4〜15のジエニル、炭素数が5〜20のβ−ジケトナート、炭素数が5〜20のβ−ケトイミナト、炭素数が5〜20のβ−ジイミナト、ヒドロキシ(hydroxy、OH-)、アンミン(NH3)、炭素数が1〜10のアミン、アミド(NH2-)または水素が炭素数が1〜10のアルキルに置換されたアミドであり、R1及びR2は独立的に水、フッ化水素(HF)、塩化水素(HCl)、ブロム化水素(HBr)、ヨード化水素(HI)、水、炭素数が1〜10のアルコール、炭素数が2〜10のエーテル化合物、炭素数が3〜10のケトン化合物、炭素数が6〜12のアリール化合物、炭素数が3〜15のアリル化合物、炭素数が4〜15のジエン化合物、炭素数が5〜20のβ−ジケトン化合物、炭素数が5〜20のβ−ケトイミン化合物、炭素数が5〜20のβ−ジイミン化合物、アンモニア、炭素数が1〜10のアミン化合物を示す。
【0017】
本発明の請求項6に対応する解決手段7において、前記前駆体は、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(tetrakis−ethylmethylamido−zirconium、(Zr(NCH3254))、テトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム(tetrakis−ethylmethylamido−hafnium、(Hf(NCH3254))、テトラキス−ジエチルアミド−ジルコニウム(tetrakis−diethylamido−zirconium、(Zr(N(C2524))、テトラキス−ジエチルアミド−ハフニウム(tetrakis−diethylamido−hafnium、(Hf(N(C2524))、テトラキス−ジメチルアミド−ジルコニウム(tetrakis−dimethylamido−zirconium、(Zr(N(CH324))、テトラキス−ジメチルアミド−ハフニウム(tetrakis−dimethylamido−hafnium、(Hf(N(CH324))、テトラキス−エチルジメチルアミン−ジルコニウム(tetrakis−ethyldimethylamine−zirconium、(Zr(N(CH32254))、テトラキス−エチルジメチルアミン−ハフニウム(tetrakis−ethyldimethylamine−hafnium(Hf(N(CH32254))、テトラキス−ジエチルメチルアミン−ジルコニウム(tetrakis−diethylmethylamine−zirconium、(Zr(N(C252CH34))、テトラキス−ジエチルメチルアミン−ハフニウム(tetrakis−diethylmethylamine−hafnium、(Hf(N(C252CH34))、テトラキス−トリエチルアミン−ジルコニウム(tetrakis−triethylamine−zirconium、(Zr(N(C2534))、またはテトラキス−トリエチルアミン−ハフニウム(tetrakis−triethylamine−hafnium、(Hf(N(C2534))等を含むことができる。これらは、単独または混合して使用することができる。
【0018】
本発明の請求項7に対応する解決手段8によると、前記前駆体は、前記第1金属を含む第1前駆体と、前記第1金属とは異なる第2金属を含む第2前駆体と、を含むことができる。
【0019】
本発明の解決手段9によると、前記前駆体は、ジルコニウムを含む第1前駆体とハフニウムを含む第2前駆体とを含むことができる。
【0020】
本発明の解決手段10によると、前記薄膜形成方法において、前記第2金属と前記第2金属とは異なる第3金属を含む第3前駆体を前記基板上に追加的に提供する段階をさらに含むことができる。
【0021】
本発明の解決手段11によると、第3前駆体はシリコンを含むことができる。
【0022】
本発明の請求項8に対応する解決手段12によると、前記前駆体及び前記電子供与化合物を混合して、前駆体造成物を製造した後、前記前駆体造成物を気化させて、前記基板上に提供することによって、前記安定化された前駆体を前記基板上に提供することができる。本発明の解決手段13によると、前記前駆体造成物を気化させて前記基板上に提供した後、前記電子供与化合物を気化させて前記基板上に追加的提供することができる。
【0023】
本発明の解決手段14によると、前記前駆体造成物は、前記前駆体と前記電子供与化合物とを、約1:0.01〜12のモル比率で混合することができる。
【0024】
本発明の解決手段15によると、前記前駆体造成物は、前記第1金属を含む第1前駆体と前記第1金属と異なる第2金属を含む第2前駆体とを含むことができる。
【0025】
本発明の解決手段16によると、前記前駆体造成物は、前記第1及び第2金属と異なる第3金属を含む第3前駆体をさらに含むことができる。
【0026】
本発明の解決手段17によると、前記前駆体造成物を気化させて前記基板上に提供した後、前記第1金属及び第2金属と異なる第3金属を含む第3前駆体を気化させて前記基板上に追加的提供することができる。
【0027】
本発明の請求項9に対応する解決手段19によると、前記基板上に前記前駆体を流入した後、前記基板上に前記電子供与化合物を流入して、前記前駆体と前記電子供与化合物を前記基板上で接触させることによって、前記安定化された前駆体を前記基板上に提供することができる。
【0028】
本発明の解決手段20によると、第1金属を含む第1前駆体を気化させて前記基板上に提供し、前記第1金属と異なる第2金属を含む第2前駆体を気化させて前記基板上に提供することによって、前記前駆体を流入することができる。
【0029】
本発明の解決手段21によると、第1金属を含む第1前駆体及び前記第1金属と異なる第2金属を含む第2前駆体を含む混合液を製造した後、前記混合液を気化させて前記第1前駆体及び前記第2前駆体を前記基板上に提供することができる。
【0030】
本発明の解決手段22によると、前記混合液を気化させて前記第1前駆体及び前記第2前駆体を提供した後、前記第1及び第2金属と異なる第3金属を含む第3前駆体を気化させて前記基板上に追加的に提供することができる。解決手段23によると、前記第3前駆体は、電子供与化合物とともに前記基板上に提供することができる。
【0031】
本発明の一解決手段24によると、前記前駆体と前記電子供与化合物を前記基板上に同時に、同じ時間の間に流入することができる。解決手段25によると、前記前駆体と前記電子供与化合物を前記基板上に同時に流入した後、前記電子供与化合物のみを前記基板上に追加的にさらに流入することができる。解決手段26によると、前記前駆体を基板上に流入した後、前記電子供与化合物を基板上に流入することができる。解決手段27によると、前記電子供与化合物を基板上に流入した後、前記前駆体を基板上に流入することができる。
【0032】
前述の本発明の他の目的を達成するための請求項10に対応する解決手段28に伴うゲート構造物製造方法において、中心金属及び前記中心金属に結合されたリガンドを含む前駆体と電子供与化合物とを接触させて、安定化された前駆体を基板上に提供する。前記前駆体の前記中心金属と結合を形成できる反応物質を前記基板上に提供して、前記基板上にゲート絶縁膜を形成した後、前記ゲート絶縁膜上にゲート導電膜を形成する。前記ゲート絶縁膜及びゲート導電膜をエッチングしてゲートパターンを形成して、前記基板上にゲート構造物を製造する。
【0033】
また、前述の本発明のまた他の目的を達成するための本発明の請求項11に対応する解決手段29によるキャパシタ製造方法において、基板上に下部電極を形成した後、中心金属及び前記中心金属に結合したリガンドを含む前駆体と電子供与化合物を接触させて、安定化された前駆体を前記下部電極が形成された前記基板上に提供する。前記下部電極が形成された前記基板上に前記前駆体の前記中心金属と結合を形成できる反応物質を提供して、前記下部電極上に誘電膜を形成した後、前記誘電膜上に上部電極を形成してキャパシタを製造する。
【0034】
前述の本発明のまた他の目的を達成するための本発明の請求項12に対応する解決手段30による薄膜蒸着用前駆体造成物は、中心金属と前記中心金属に結合したリガンドを含む前駆体と電子供与化合物とを接触させて、安定化させることができる電気供与化合物を含む。
【0035】
本発明の解決手段31によると、前記前駆体造成物は、前記前駆体と前記電子供与化合物とを、約1:0.01〜1:12のモル比率で含むことができる。
【0036】
本発明の解決手段32によると、前記前駆体造成物は、前記第1金属を含む第1前駆体と前記第1金属と異なる第2金属を含む第2前駆体を含むことができる。解決手段33によると、前記前駆体造成物は、前記第1及び第2金属と異なる第3金属を含む第3前駆体をさらに含むことができる。
【0037】
本発明の解決手段34によると、前記前駆体造成物は、ジルコニウムを含む第1前駆体とハフニウムを含む第2前駆体を含むことができる。また、解決手段35によると、前記前駆体造成物は、シリコンを含む第3前駆体をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0038】
前述の本発明の電子供与化合物によって安定化された前駆体は、熱的安定性が優秀である。すなわち、電子供与化合物によって安定化された前駆体は、高い温度で簡単に分解されないことができる。従って、段差がある対象体上に前記電子供与化合物によって、安定化された前記前駆体を使って、薄膜を形成する場合、前駆体が高温で長時間分解されず、気化された前駆体が開口またはリセスなどの下部まで均一に広がることができる。その結果、段差がある対象体上に均一な厚さを有する膜を容易に形成することができる。これで、半導体製造工程の安全性、効率性、及び信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施例による薄膜形成方法を説明するためのフローチャートである。
【図2】本発明の実施例による薄膜形成方法を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明の実施例による薄膜形成方法を説明するための断面図である。
【図4】本発明の実施例による薄膜形成方法を説明するための断面図である。
【図5】本発明の実施例による薄膜形成時のガス流入タイミング図である。
【図6】本発明の実施例による薄膜形成時のガス流入タイミング図である。
【図7】本発明の実施例による薄膜形成時のガス流入タイミング図である。
【図8】本発明の実施例による薄膜形成時のガス流入タイミング図である。
【図9】本発明の実施例による薄膜形成時のガス流入タイミング図である。
【図10】本発明の実施例による薄膜形成時のガス流入タイミング図である。
【図11】本発明の実施例による薄膜形成時のガス流入タイミング図である。
【図12】本発明の実施例による薄膜形成時のガス流入タイミング図である。
【図13】本発明の実施例による薄膜形成方法を説明するための断面図である。
【図14】本発明の実施例による薄膜形成方法を説明するための断面図である。
【図15】本発明の実施例による薄膜形成方法を説明するための断面図である。
【図16】本発明の実施例によるゲート構造物製造方法を説明するための断面図である。
【図17】本発明の実施例によるゲート構造物製造方法を説明するための断面図である。
【図18】本発明の実施例によるゲート構造物製造方法を説明するための断面図である。
【図19】本発明の実施例によるキャパシタの製造方法を説明するための断面図である。
【図20】本発明の実施例によるキャパシタの製造方法を説明するための断面図である。
【図21】本発明の実施例によるキャパシタの製造方法を説明するための断面図である。
【図22】本発明の実施例によるキャパシタの製造方法を説明するための断面図である。
【図23】本発明の実験例6によるテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム及びエチルメチルアミンを含む前駆体造成物とテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウムの熱に対する安定性を示すグラフである。
【図24】本発明の実験例7によって、テトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム及びエチルメチルアミンを含む前駆体造成物とテトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウムの熱に対する安定性を示すグラフである。
【図25】本発明の実験例8によって、テトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム、及びエチルメチルアミンを含む前駆体造成物とテトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウムを含む混合液の熱に対する安定性を示すグラフである。
【図26】本発明の実験例9によるテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム及びエチルメチルアミンを含む前駆体造成物の水素核磁気共鳴(1HNMR)分光法による水素核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図27】本発明の実験例9によるテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム及びエチルメチルアミンを含む前駆体造成物の水素核磁気共鳴(1HNMR)分光法による水素核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図28】本発明の実験例10によるテトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム、トリス−エチルメチルアミノ−シラン、及びエチルメチルアミンを含む前駆体造成物の水素核磁気共鳴(1HNMR)分光法による水素核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図29】本発明の実験例10によるテトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム、トリス−エチルメチルアミノ−シラン、及びエチルメチルアミンを含む前駆体造成物の水素核磁気共鳴(1HNMR)分光法による水素核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図30】本発明の実験例11によるテトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム、トリス−エチルメチルアミノ−シラン、及びエチルメチルアミンを含む前駆体造成物の熱重量分析(TGA)による質量変化を示すグラフである。
【図31】本発明の実験例13によってエチルメチルアミンと接触したテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウムを原子層積層工程遂行の際、サイクル当たり薄膜の厚さを示すグラフである。
【図32】本発明の実験例14によって製造されたキャパシタの断面を示す走査顕微鏡(SEM)写真である
【図33】本発明の実験例14によって製造されたキャパシタの断面を示す走査顕微鏡(SEM)写真である
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明は多様な変更を加えることができ、様々な形態を有することができるため、特定実施例を図面に例示し、本明細書に詳しく説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に対して限定しようとすることではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物、または代替物を含むことと理解されるべきである。各図面を説明しながら類似する参照符号を、類似する構成要素に対して使用した。添付図面において、構造物のサイズは本発明の明確性に基づくために実際より拡大して示した。第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するにあたって使用することができるが、各構成要素は使用される用語によって限定されるものではない。各用語は1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的で使用されるものであって、例えば、明細書中において、第1構成要素を第2構成要素に書き換えることも可能であり、同様に第2構成要素を第1構成要素とすることができる。単数表現は文脈上、明白に異なる意味を有しない限り、複数の表現を含む。
【0041】
本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることであって、1つまたはそれ以上の別の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないことと理解されるべきである。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとする場合、これは他の部分の「すぐ上に」ある場合のみでなく、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。反対に、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「下に」あるとする場合、これは他の部分の「すぐ下に」ある場合のみでなく、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。
【0042】
また、別に定義しない限り、技術的或いは科学的用語を含んで、ここにおいて使用される全ての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、一般的に理解されることと同一な意味を有する。一般的に使用される辞書において定義する用語と同じ用語は関連技術の文脈上に有する意味と一致する意味を有することと理解されるべきで、本明細書において明白に定義しない限り、理想的或いは形式的な意味として解釈しない。
【0043】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施例による薄膜形成方法に対して詳しく説明する。
【0044】
図1は、本発明の実施例による薄膜の形成方法を説明するための工程フローチャートを示している。
【0045】
図1を参照すれば、まず、上部に薄膜が形成される基板をチャンバー内に位置させる(ステップS10)。前記基板は、シリコン基板、ゲルマニウム基板、シリコン−ゲルマニウム基板などの半導体基板、SOI(silicon−on−insulator)基板、GOI(germanium−on−insulator)基板、アルミニウム酸化物(AlOx)単結晶基板、ストロンチウムチタン酸化物(SrTiOx)単結晶基板、またはマグネシウム酸化物(MgOx)単結晶基板のような金属酸化物単結晶基板などを含むことができる。
【0046】
前記基板は、前記チャンバー内部に備わった支持台上に配置される。前記チャンバーは、薄膜形成工程を遂行するための適切な圧力と温度を有するように調整することができる。
【0047】
前駆体と電子供与化合物を接触させて、安定化された前駆体を前記基板上に提供する(ステップS20)。本発明の実施例において、前記前駆体は、前記基板上に形成される薄膜に含まれる金属物質を含んでいる化合物として、中心金属と前記中心金属に結合されたリガンドを含む。前記電子供与化合物は、前記前駆体の前記中心金属に電子を提供して、前記前駆体の熱に対する安全性を向上させる役割を遂行する。
【0048】
前記前駆体は、前記チャンバー内部で前記基板表面に化学結合を形成する前に気化された状態を維持しなければならない。しかし、前記前駆体が熱に不安定な場合、前記前駆体が気化される前に分解されることがある。このように、前記前駆体が前記基板表面と化学結合を形成する前に分解される場合、前記前駆体の分解によって固体残留物が発生すると、前記固体残留物は、前記チャンバー上に導入された気体状態の前駆体の拡散を邪魔することがある。特に、段差がある基板表面に薄膜形成時に、前記気化された前駆体が分解されて、発生した不純物が前記段差領域の上部に蒸着されて気化された前駆体が段差の下部まで均一に拡散されない可能性がある。その結果、前記薄膜は、前記段差がある基板表面にプロファイルに沿って一定の厚さで形成されず、段差の上部領域上に厚く形成されて、薄膜のステップカバレッジが不良になってしまう。しかし、前記前駆体を電子供与化合物と接触させる場合、前記前駆体が高い温度で簡単に分解されずにチャンバー内部で気化された状態を長時間維持することができる。従って、前記安定化された前駆体は、前記基板の表面に段差がある場合、前記段差の下部まで前記前駆体が均一に拡散されて、段差塗布性(step coverage)が優れた薄膜を形成することができる。
【0049】
本実施例において、前記前駆体は、中心金属と前記中心金属に結合されたリガンドとを含む。前記中心金属は、形成しようとする薄膜に含まれる金属の種類によって適切に調節することができる。例えば、前記中心金属は、リチウム(Li)、ベリリウム(Be)、ホウ素(B)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、チタニウム(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ルビジウム(Rb)、ストロンチウム(Sr)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオビウム(Nb)、モルリブデニュム(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、インジウム(In)、錫(Sn)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、セシウム(Ce)、バリウム(Ba)、ランタン(La)、ランタニド(Ln)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)、タリウム(Tl)、水銀(Hg)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、ポロニウム(Po)、フランシウム(Fr)、ラジウム(Ra)、アクチニウム(Ac)、またはアクチニド(An)等を含むことができる。本発明の一実施例によると、前記中心金属は、ジルコニウムまたはハフニウムを含むことができる。
【0050】
前記中心金属に結合するリガンドは、前記前駆体が適切な沸点を有するように前記中心金属によって適切に調整することができる。本実施例では、前記リガンドは、フルオル(F-)、クロロ(Cl-)、ブロモ(Br-)、ヨード(I-)等のようなハロゲン、ヒドロキシシ(hydroxy、OH-)、アミン、炭素数が1〜10のアミン、アミド(amido、NH2-)、水素が炭素数が1〜10のアルキルグループに置換されたアミド、炭素数が1〜10のアルコキシ(alkoxy)、炭素数が1〜10のアルキル、炭素数が6〜12のアリール、炭素数が3〜15のアリル、炭素数が4〜15のジエニル(dienyl)、炭素数が5〜20のβ−ジケトナート、炭素数が5〜20のβ−ケトイミナト、炭素数が5〜20のβ−ジイミナト、またはこれらの混合物を使うことができる。例えば、前記リガンドは、ジメチルアミド(dimethylamido、N(CH32)、エチルメチルアミド(ethyl methyl amido、NCH325)、ジエチルアミド(diethylamido、N(C252)、エチルジメチルアミン(ethyl dimethyl amine、N(CH3225)、ジエチルメチルアミン(diethyl methyl amine、N(C252CH3)、またはトリエチルアミン(triethylamine、N(C253)でありうる。
【0051】
薄膜の形成において、1種類以上の前駆体が使用されることができる。本発明の一実施例によると、前記薄膜の形成において1種類の前駆体が使用されることができる。1種類の前駆体を使用する場合、前記薄膜は、1種類の金属化合物を含むことができる。例えば、前記前駆体としてジルコニウムまたはハフニウムを使用することができる。本発明の他の実施例によると、前記薄膜の形成において、2種類の前駆体が使用されることができる。前記前駆体は、第1金属を含む第1前駆体及び前記第1金属と異なる第2金属を含む第2前駆体を含むことができる。例えば、前記前駆体としてジルコニウムを含む第1前駆体とハフニウムを含む第2前駆体を使用することができる。本発明のまた他の実施例によると、前記薄膜の電気的特性を向上させるための前駆体として前記第1及び第2金属と異なる第3金属を含む第3前駆体をさらに使用することができる。例えば、ジルコニウムを含む第1前駆体及びハフニウムを含む第2前駆体と共に、前記薄膜の電気的特性を向上させるためにシリコンを含む第3前駆体を追加的に使用することができる。
【0052】
本実施例において、前記中心金属と前記リガンドとを含む前記前駆体は、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(tetrakis−ethylmethylamido−zirconium、(Zr(NCH3254))、テトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム(tetrakis−ethylmethylamido−hafnium、(Hf(NCH3254))、テトラキス−ジエチルアミド−ジルコニウム(tetrakis−diethylamido−zirconium、(Zr(N(C2524))、テトラキス−ジエチルアミド−ハフニウム(tetrakis−diethylamido−hafnium、(Hf(N(C2524))、テトラキス−ジメチルアミド−ジルコニウム(tetrakis−dimethylamido−zirconium、(Zr(N(CH324))、テトラキス−ジメチルアミド−ハフニウム(tetrakis−dimethylamido−hafnium、(Hf(N(CH324))、テトラキス−エチルジメチルアミン−ジルコニウム(tetrakis−ethyldimethylamine−zirconium、(Zr(N(CH32254))、テトラキス−エチルジメチルアミン−ハフニウム(tetrakis−ethyldimethylamine−hafnium(Hf(N(CH32254))、テトラキス−ジエチルメチルアミン−ジルコニウム(tetrakis−diethylmethylamine−zirconium、(Zr(N(C252CH34))、テトラキス−ジエチルメチルアミン−ハフニウム(tetrakis−diethylmethylamine−hafnium、(Hf(N(C252CH34))、テトラキス−トリエチルアミン−ジルコニウム(tetrakis−triethylamine−zirconium、(Zr(N(C2534))、またはテトラキス−トリエチルアミン−ハフニウム(tetrakis−triethylamine−hafnium、(Hf(N(C2534))等を含むことができる。前記前駆体は、単独または混合して使用することができる。
【0053】
前記電子供与化合物は、電子が豊富で、陽電荷または電子が欠如した部分に電子を提供できる物質を指す。前記電子供与化合物は、前記前駆体の前記中心金属に電子を提供できる化合物なら、特別にその種類は制限しない。前記電子供与化合物が前記前駆体の前記中心金属に電子を提供して、前記前駆体と前記電子供与化合物との間に分子間引力が発生して、前記前駆体を安定化させることができる。前記前駆体と前記電子供与化合物の間の前記分子間引力は、前記前駆体の金属と前記リガンドの間の結合強度より弱い。従って、前記前駆体が前記基板上に化学結合されるかまたは他の物質と反応する場合、前記電子供与化合物と前駆体の間の引力は容易に除去されることができる。
【0054】
前記電子供与化合物は、非共有電子対を有している化合物、電子が豊富なアリル化合物(allyl compound)、アリール化合物(aryl compound)、ジエン化合物、またはβ−ジケトン(β−diketone)化合物を含むことができる。本実施例によると、前記電子供与化合物は、水、ハロゲン化水素、炭素数が1〜10のアルコール(alcohol)化合物、炭素数が2〜10のエーテル化合物、炭素数が3〜10のケトン化合物、炭素数が6〜12のアリール化合物、炭素数が3〜15のアリル化合物、炭素数が4〜15のジエン化合物、炭素数が5〜20のβ−ジケトン化合物、炭素数が5〜20のβ−ケトイミン化合物、炭素数が5〜20のβ−ジイミン化合物、アンモニア(NH3、ammonia)、炭素数が1〜10のアミン化合物、またはこれらの混合物を使うことができる。前記ハロゲン化水素は、フッ化水素(HF)、塩化水素(HCl)、臭化水素(HBr)、ヨウ化水素(HI)を含むことができ、前記ジエン化合物は、シクロペンタジエン(cyclopentadiene)、または水素が炭素数が1〜10のアルキルグループに置換されたシクロペンタジエンを含むことができる。前記アルコール化合物は、エタノール、メタノール、またはブタノールなどを含むことができる。前記炭素数が1〜10のアミン化合物は、炭素数が1〜10の一次アミン、二次アミン、または三次アミンを含むことができる。例えば、前記電子供与化合物は、ジメチルアミン(NH(CH32)、ジエチルアミン(NH(C252)、エチルメチルアミン(NHCH325)、エチルジメチルアミン(N(CH3225)、ジエチルメチルアミン(N(C252CH3)、及びトリエチルアミン(N(C253)を含むことができる。
【0055】
本実施例において、前記前駆体の前記中心金属がジルコニウムまたはハフニウムであるとき、前記前駆体が前記電子供与化合物と接触する場合、前記電子供与化合物が前記前駆体の前記中心金属と下記の構造式で示したように作用しつつ、前記前駆体の熱的安定性を向上させることができる。
【0056】
【化1】

【0057】
前記構造式で、Mは前記前駆体の中心金属で、ジルコニウムまたはハフニウムを示す。前記L1〜L4は、前記前駆体の前記中心金属に結合したリガンドで、独立的にフルオル(F-)、クロロ(Cl-)、ブロモ(Br-)、ヨード(I-)、炭素数が1〜10のアルコキシ(alkoxy)、炭素数が6〜12のアリール、炭素数が3〜15のアリル、炭素数が4〜15のジエニル、炭素数が5〜20のβ−ジケトナート、炭素数が5〜20のβ−ケトイミナト、炭素数が5〜20のβ−ジイミナト、ヒドロキシ(hydroxy、OH-)、アンミン(NH3)、炭素数が1〜10のアミン、アミド(NH2-)、または水素が炭素数が1〜10のアルキルに置換されたアミドを示す。前記R1及びR2は、前記前駆体の前記中心金属と作用して、前記前駆体を熱的に安定化させることができる電子供与化合物として、水(H2O)、フッ化水素(HF)、塩化水素(HCl)、臭化水素(HBr)、ヨウ化水素(HI)、炭素数が1〜10のアルコール、炭素数が2〜10のエーテル化合物、炭素数が3〜10のケトン化合物、炭素数が6〜12のアリール化合物、炭素数が3〜15のアリル化合物、炭素数が4〜15のジエン化合物、炭素数が5〜20のβ−ジケトン化合物、炭素数が5〜20のβ−ケトイミン化合物、炭素数が5〜20のβ−ジイミン化合物、アンモニア、炭素数が1〜10のアミン化合物を示す。例えば、前記L1〜L4は、ジメチルアミド(N(CH32)、エチルメチルアミド(NCH325)、ジエチルアミド(N(C252)、エチルジメチルアミン(N(CH3225)、ジエチルメチルアミン(N(C252CH3)、またはトリエチルアミン(N(C253)を含むことができ、前記R1及びR2は、ジメチルアミン(NH(CH32)、ジエチルアミン(NH(C252)、エチルメチルアミン(NHCH325)、エチルジメチルアミン(N(CH3225)、ジエチルメチルアミン(N(C252CH3)、またはトリエチルアミン(N(C253)を含むことができる。
【0058】
前記構造式に現した通り、ジルコニウムまたはハフニウムの場合、4つのリガンドと結合を形成して、前駆体を形成することができる。前記前駆体が前記電子供与化合物と接触すると、前記電子供与化合物は、前記前駆体のリガンドと同様にジルコニウムまたはハフニウムに電子を提供して、ジルコニウムまたはハフニウムが6つのリガンドと結合した構造と類似の八面体構造を形成することができる。しかし、前記電子供与化合物と前記中心金属の結合は、前記リガンドと前記中心金属の間の配位結合より結合の強度が弱い分子間引力と類似する程度の強度を有することが予想される。本発明の一実施例によると、前記前駆体と前記電子供与化合物とは、チャンバーに導入される前に、まず接触することができる。前記前駆体と電子供与化合物とは、常温で一般的に固体または液体状態である。前記前駆体と前記電子供与化合物とが液体状態の場合、前記2つの物質をチャンバー外部で混合することによって、前記前駆体と前記電子供与化合物とを接触させることができる。前記前駆体が常温で固体の場合、前記前駆体の融点まで加熱した後、前記前駆体と前記電子供与化合物とを混合することによって、前記前駆体と前記電子供与化合物とを接触させることができる。本発明の他の実施例によると、前記前駆体と前記電子供与化合物とを各々気化させて、チャンバー内部で導入した後、前記基板の上部空間で前記前駆体と前記電子供与化合物とを接触させることができる。
【0059】
前記電子供与化合物と接触して安定化された前記前駆体を、前記基板に提供する。本発明の一実施例により、前記前駆体と前記電子供与化合物とが混合されて、前駆体造成物を形成する場合、前記前駆体造成物を気化させて、前記チャンバーの前記基板上に前記安定化された電子供与化合物を提供することができる。本発明の他の実施例により、前記前駆体と前記電子供与化合物が各々気化して、前記チャンバーで接触する場合、前記接触によって、前記基板上に安定化された前駆体が提供されることができる。
【0060】
前記安定化された前駆体を前記基板上に提供した後、前記基板上に前記前駆体の前記中心金属と結合できる反応物質を導入して、薄膜を形成する(S30)。前記電子供与化合物によって、安定化された前駆体を使って、前記基板上に薄膜を形成する場合、ステップカバレッジが優れた薄膜を形成することができる。
【0061】
前記基板上に提供される物質は、形成しようとする薄膜の種類によって決定することができる。前記薄膜が金属酸化膜の場合、前記反応物質は、オゾン(O3)、酸素(O2)、H2O、オゾンプラズマ、または酸素プラズマを含む酸化剤でありうる。前記薄膜が金属窒化膜の場合、前記反応物質は、アンモニア(NH3)ガス、二酸化質素(NO2)ガス、または亜酸化窒素(N2O)ガスであることができる。
【0062】
前記反応物質を基板に導入すると、前記反応物質が前記前駆体のリガンドと置換されて、前記基板上に前記金属酸化物または金属窒化物などを含む薄膜を形成することができる。
【0063】
本実施例によると、前記前駆体として2つ以上の前駆体を使用する場合、2つ以上の金属を含む複合薄膜が形成されることができる。例えば、前駆体として、ジルコニウムを含む第1前駆体及びハフニウムを含む前記第2前駆体を使用し、前記反応物質で酸素原子を含む物質を使用する場合、ジルコニウムハフニウム酸化物(ZrHfO)を含む酸化膜が形成されることができる。また、前駆体としてジルコニウムを含む第1前駆体、ハフニウムを含む前記第2前駆体、及びシリコンを含む第3前駆体を使用して反応物質として酸素原子を含む物質を使用する場合、ジルコニウムハフニウムケイ酸塩を含む酸化膜が形成されることができる。
【0064】
本発明の一実施例によると、化学気相蒸着工程で基板上に薄膜を形成することができる。例えば、前記中心金属に結合された前記リガンドが、前記基板上に導入された前記反応物質に置換された後、前記金属化合物が前記基板上に化学結合されて、薄膜を形成することができる。本発明の他の実施例によると、原子層積層工程で前記基板上に薄膜を形成することができる。この場合、前記基板上に前記前駆体が和合、吸着した後、前記中心金属に結合された前記リガンドが前記基板上に導入された反応物質に置換されて、前記基板上に金属化合物を含む薄膜を形成することができる。
【0065】
前述の本発明の薄膜形成方法では電子供与化合物と接触して、熱に対して安定化された前駆体を使って、薄膜を形成する。前記電子供与化合物は、前駆体の基本的な構造を変化させず、前記前駆体が高い温度で長時間間分解されないように熱に対する安定性を向上させる役割を遂行する。従って、前記電子供与化合物を使って、薄膜を形成すると、前記前駆体の分解過程で生成される固体不純物が基板上に蒸着されるかまたはホールなどを埋める現象を防止することができる。また、気化された前駆体が段差の下部まで均等に広がって、段差のある基板上に厚さが均一な膜を形成することができる。
【0066】
図2は、本発明の実施例による薄膜の形成方法を説明するための工程フローチャートを示す。
【0067】
図2を参照すると、まず、上部に薄膜が形成される基板をチャンバー内に位置させる(ステップS100)。前記基板は、半導体基板、SOI基板、GOI基板、金属酸化物単結晶基板などを含むことができる。
【0068】
図2を参照すると、前駆体と電子供与化合物を含む前駆体造成物を製造する(ステップS110)。前記前駆体は、中心金属及び前記中心金属に結合したリガンドを含む化合物で、前記電子供与化合物は、前記前駆体の前記中心金属に電子を提供して、前記前駆体の熱的安定性を向上させることができる物質である。
【0069】
本実施例において、前記前駆体は、中心金属と前記中心金属に結合されたリガンドとを含む。前記中心金属は、形成しようとする薄膜に含まれる金属の種類によって適切に調節することができる。例えば、前記中心金属は、リチウム(Li)、ベリリウム(Be)、ホウ素(B)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、チタニウム(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ルビジウム(Rb)、ストロンチウム(Sr)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオビウム(Nb)、モルリブデニュム(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、インジウム(In)、錫(Sn)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、セシウム(Ce)、バリウム(Ba)、ランタン(La)、ランタニド(Ln)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)、タリウム(Tl)、水銀(Hg)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、ポロニウム(Po)、フランシウム(Fr)、ラジウム(Ra)、アクチニウム(Ac)またはアクチニド(An)等を含むことができる。本発明の一実施例によると、前記中心金属は、ジルコニウムまたはハフニウムを含むことができる。
【0070】
前記中心金属に結合するリガンドは、前記前駆体が適切な沸点を有するように前記中心金属により適切に調整することができる。本実施例によると、前記リガンドは、フルオル(F-)、クロロ(Cl-)、ブロモ(Br-)、ヨード(I-)等のようなハロゲン、アミド(amido、NH2-)、水素が炭素数が1〜10のアルキルグループに置換されたアミド、アンミン(NH3)、炭素数が1〜10のアミン、ヒドロキシ(hydroxy、OH-)、炭素数が1〜10のアルコキシ(alkoxy)、炭素数が1〜10のアルキル、炭素数が6〜12のアリール、炭素数が3〜15のアリル、炭素数が4〜15のジエニル(dienyl)、炭素数が5〜15のβ−ジケトナート、炭素数が5〜20ののβ−ケトイミナト、炭素数が5〜20のβ−ジイミナト、またはこれらの混合物を使うことができる。例えば、前記リガンドは、ジメチルアミド(dimethylamido、N(CH32)、エチルメチルアミド(ethyl methyl amido、NCH325)、ジエチルアミド(diethylamido、N(C252)、エチルジメチルアミン(ethyl dimethyl amine、N(CH3225)、ジエチルメチルアミン(diethyl methyl amine、N(C252CH3)、またはトリエチルアミン(triethylamine、N(C253)でありうる。
【0071】
本実施例において、前記中心金属と前記リガンドとを含む前記前駆体は、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(Zr(NCH3254)、テトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム(Hf(NCH3254)、テトラキス−ジエチルアミド−ジルコニウム(Zr(N(C2524)、テトラキス−ジエチルアミド−ハフニウム(Hf(N(C2524)、テトラキス−ジメチルアミド−ジルコニウム(Zr(N(CH324)、テトラキス−ジメチルアミド−ハフニウム(Hf(N(CH324)、テトラキス−エチルジメチルアミン−ジルコニウム(Zr(N(CH32254)、テトラキス−エチルジメチルアミン−ハフニウム (Hf(N(CH32254)、テトラキス−ジエチルメチルアミン−ジルコニウム(Zr(N(C252CH34)、テトラキス−ジエチルメチルアミン−ハフニウム(Hf(N(C252CH34)、テトラキス−トリエチルアミン−ジルコニウム(Zr(N(C2534)、またはテトラキス−トリエチルアミン−ハフニウム(Hf(N(C2534)等を含むことができる。これらは、単独または混合して使用されることができる。
【0072】
本実施例によると、前記電子供与化合物は、水、ハロゲン化水素、炭素数が1〜10のアルコール、炭素数が6〜12のアリール化合物、炭素数が3〜15のアリル化合物、炭素数が2〜10のエーテル化合物、炭素数が3〜10のケトン化合物、炭素数が6〜12のアリール化合物、炭素数が3〜15のアリル化合物、炭素数が4〜15のジエン化合物、炭素数が5〜20のβ−ジケトン化合物、炭素数が5〜20のβ−ケトイミン化合物、炭素数が5〜20のβ−ジイミン化合物、アンモニア(NH3、ammonia)、炭素数が1〜10のアミン化合物またはこれらの混合物を使うことができる。前記ハロゲン化水素は、フッ化水素(HF)、塩化水素(HCl)、臭化水素(HBr)またはヨウ化水素(HI)らを含むことができ、前記ジエン化合物はシクロペンタジエン(cyclopentadiene)または水素が炭素数が1〜10のアルキルに置換されたシクロペンタジエンを含むことができる。前記アルコールは、エタノール、メタノールまたはブタノールなどを含むことができる。前記炭素数が1〜10のアミン化合物は、炭素数が1〜10の一次アミン、二次アミンまたは三次アミンを含むことができる。例えば、前記電子供与化合物は、ジエチルアミン、ジメチルアミン、エチルメチルアミン、エチルジメチルアミン、ジエチルメチルアミンまたはトリエチルアミンなどを含むことができる。
【0073】
前記前駆体と前記電子供与化合物とは、常温で液体または固体である。前記前駆体が固体の場合、液体状態の前記電子供与化合物に前記前駆体を添加して、溶液を製造した後、前記前駆体の融点以上、前記電子供与化合物の沸点以下で前記溶液を加熱して、前駆体造成物を製造することができる。前記前駆体及び電子供与化合物が常温で液体の場合、前記前駆体と前記電子供与化合物を所定のモル比で混合して、前記前駆体造成物を製造することができる。例えば、前記前駆体の前記中心金属がジルコニウムまたはハフニウムであり、前記リガンドがジエチルアミド、エチルメチルアミド、エチルジメチルアミン、ジエチルメチルアミン、またはトリエチルアミンであり、前記電子供与化合物が炭素数が1〜10の一次アミン、二次アミン、または三次アミンの場合、前記前駆体と前記電子供与化合物とは、常温で液体であるため、前記前駆体と前記電子供与化合物とを含む前記前駆体造成物を容易に製造することができる。
【0074】
本実施例によると、前記前駆体と前記電子供与化合物とは、約1:0.1〜12程度のモル比率で混合されることができる。前記前駆体造成物が、前記前駆体に対して前記電子供与化合物を約1:0.01のモル比率未満で含むと、前記電子供与化合物が前記前駆体を安定化させる効果が現れない。前記前駆体造成物が前記前駆体に対して前記電子供与化合物を約1:12のモル比率を超過して含むと、前記前駆体に対して前記電子供与化合物を約1:12のモル比率を含む前駆体造成物の場合と前記前駆体を安定化させる程度の差が大きくないため、経済的に望ましくない。従って、前記前駆体造成物は、前記前駆体と前記電子供与化合物を約1:0.01〜12程度のモル比率で含むことができる。本発明の他の実施例によると、前記前駆体造成物は、前記前駆体と前記電子供与化合物とを約1:0.5〜5程度のモル比率で含むことができる。
【0075】
前記前駆体造成物は、1つ以上の前駆体を含むことができる。本発明の一実施例によると、前記前駆体造成物は1つの前駆体と電子供与化合物とを含むことができる。例えば、前記前駆体造成物は、ジルコニウムを含む前駆体と電子供与化合物とを含むことができる。または、前記前駆体造成物は、ハフニウムを含む前駆体と電子供与化合物とを含むことができる。本発明の他の実施例によると、前記前駆体構成物は、2つの前駆体と前記電子供与化合物とを含むことができる。前記前駆体化合物は、第1金属を含む第1前駆体、前記第1金属と異なる第2金属を含む第2前駆体、及び前記電子供与化合物を含むことができる。例えば、前記前駆体造成物は、ジルコニウムを含む第1前駆体、ハフニウムを含む第2前駆体、及び前記電子供与化合物を含むことができる。本発明のまた他の実施例によると、前記前駆体造成物は、第1金属物を含む第1前駆体、前記第1金属と異なる第2金属を含む第2前駆体、前記第1及び第2金属と異なる第3金属を含む第3前駆体、及び電子供与化合物を含むことができる。例えば、前記前駆体造成物は、ジルコニウムを含む第1前駆体、ハフニウムを含む第2前駆体、シリコンを含む第3前駆体、及び前記電子供与化合物を含むことができる
【0076】
前記前駆体造成物を製造した後、前記前駆体造成物を気化させて、前記チャンバー上の前記基板の上に前記安定化された前駆体を提供する(ステップS120)。
【0077】
本発明の実施例によると、前記安定化された前駆体は、バブリングシステム、インジェクションシステム、LDS(liquid delivery system)のような前駆体流入装置を利用して、チャンバーに導入することができる。例えば、LDSで前記安定化された前駆体をチャンバーに導入する場合、前記前駆体と前記電子供与化合物を含む前駆体造成物をキャニスター内から気化器(vaporizer)まで移動させた後、前記前駆体造成物を気化させて、気化された蒸気状態の安定化された前駆体をキャリアガスとともにチャンバーに流入させる。前記前駆体は、前記電子供与化合物が提供する電子によって、安定化されて、熱的安定性が向上する。従って、キャニスター内で前記前駆体造成物の温度を急激に上昇させるかまたは気化器温度を上昇させたとき、前記安定化された前駆体は、長時間、分解されない。また、薄膜が形成されるチャンバー内が高温でも、外部の反応物質が流入しない限り、長時間、分解されない。しかし、前記前駆体が前記電子供与化合物と混合しない場合、前記前駆体は熱によって分解されやすい。従って、前記前駆体を気化させる間、前記キャニスターの中または気化器で前駆体が分解される。または、前記チャンバーと接続したガスラインで、前記気化された有機前駆体が分解されて、前記ガスラインに沈殿などが蒸着する。しかし、本実施例による前記前駆体は、気化されて前記チャンバー上に提供される前に前記電子供与化合物と接触して熱に対する安定性が向上するため、前記気化された前駆体は、前記基板が位置する前記チャンバーまで分解することなく容易に導入される。
【0078】
前記前駆体とともにチャンバーに供給されるキャリアガスは、不活性ガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス、ネオンガスなどを含むことができる。これらは単独でまたは互いに混合して使うことができる。
【0079】
また、前記キャリアガスの流量は、薄膜の蒸着の速度、前記前駆体の蒸気圧、温度などの因子を考慮して、適切に調節することができる。例えば、前記キャリアガスは、約200sccm(standard cubic centimeters per minute)〜約1300sccm程度の流量で前記チャンバー上に約3秒以上10秒以下の時間の間、供給されることができる。
【0080】
前記チャンバー内部は、前記キャニスターまたは前記チャンバーで前記気化された前駆体を導入するガスラインより実質的に高い温度を有する。従って、前記前駆体が分解せずに前記前記チャンバー内に導入されても前記チャンバー内部で分解されることができる。しかし、前記電子供与化合物と接触した前記前駆体は気体状態でも熱に対する安定性を示すため、高い温度を有する前記チャンバー内でも分解されない。
【0081】
本発明の一実施例によると、前記前駆体造成物を基板上に導入した後、前駆体造成物に含まれた前駆体と異なる中心金属を有する前駆体を追加的に前記基板上に提供することができる。前記前駆体造成物が前駆体として、ジルコニウム及びハフニウムを含む前駆体のうち、少なくとも1つの電子供与化合物を含む場合、シリコンを含む前駆体を気化させて前記基板上に提供することができる。この場合、ジルコニウム及びシリコンを含む薄膜、ハフニウム及びシリコンを含む薄膜またはジルコニウム、ハフニウム及びシリコンを含む薄膜を得ることができる。
【0082】
前記電子供与化合物を含む前記前駆体造成物を気化させて前記チャンバー上の前記基板上に前記安定化された前駆体を提供した後、前記電子供与化合物を追加的に前記基板上に提供することができる。前記電子供与化合物を追加的に提供することによって、前記前駆体造成物に含まれた前駆体を追加的に安定化させることができる。前記前駆体造成物を気化させて前記基板上に安定化された提供した後、前記電子供与化合物を気化させて前記基板上に追加的に提供することができる。
【0083】
本発明の一実施例により、薄膜が原子層積層工程によって形成される場合、前記基板上に前記安定化された前駆体を導入した後、前記基板上に第1ファジーガスを導入して、ファジーする段階をさらに遂行できる。原子層積層工程のとき、前記安定化された前駆体を前記基板上に導入して、前記前駆体を前記基板に化学吸着させて、前記チャンバー内部に前記第1ファジーガスを導入して、前記基板に化学吸着しなかった前駆体を除去することができる。本発明の他の実施例によって、薄膜が化学気相蒸着工程によって形成される場合、前記安定化された前駆体を前記基板上に提供した後、前記第1ファジーガスを前記基板上に導入して、ファジーする段階を遂行しないことができる。前記基板上に、前記前駆体の前記中心金属と結合を形成できる反応物質を導入する(ステップS130)。前記反応物質は、形成しようとする膜によって適切に調節することができる。薄膜が金属酸化膜の場合、前記反応物質は、オゾン(O3)、酸素(O2)、H2O、オゾンプラズマ、または酸素プラズマを含む酸化剤でありうる。前記薄膜が金属窒化膜の場合、前記反応物質は、アンモニア(NH3)ガス、二酸化質素(NO2)ガス、または亜酸化窒素(N2O)ガスであることができる。
【0084】
前記反応物質を基板上に導入すると、前記反応物質が前記前駆体の前記リガンドを置換しつつ、前記前駆体の前記中心金属と結合して、前記基板上に薄膜を形成することができる。
【0085】
本実施例によると、前記反応物質を前記基板上に導入した後、第2ファジーガスを前記基板上に導入して、ファジーする段階を遂行することができる。前記第2ファジーガスの導入によって、前記基板上に残留する前記前駆体と反応できない反応物質及びその他の残留物を前記基板から除去することができる。
【0086】
本発明による前記薄膜形成方法においては、前駆体を前記チャンバー内に導入する前に電子供与化合物と前記前駆体を含む前駆体造成物を製造することによって、前記前駆体を前記電子供与化合物と接触させることができる。前述のように前記電子供与化合物によって、安定化された前記前駆体は、向上された熱的安定性を有することができ、液体または気体状態で、熱によってあまり分解されない。従って、前記前駆体を気化させる工程の間、前記前駆体が分解されない。その結果、前記前駆体が気化するキャニスターまたは前記チャンバーと接続されたガスラインなどに前駆体の分解によって発生する沈殿などが蒸着されることを防止することができる。また、前記電子供与化合物と接触した前駆体は気化された状態においても熱に対して安定するためチャンバー内でも分解されない。その結果、前記前駆体の分解によって、発生した副産物がチャンバーまたは前記基板上に蒸着される現象を防止することができ、前記前駆体が気化された状態を長時間、維持できるため、開口またはリセスなどの下部領域に均一に拡散することができる。
【0087】
以下、本発明の実施例によって気体状態の前駆体と前記電子供与化合物を接触させて、薄膜を形成する方法を説明する
【0088】
図3〜図4、図13〜及び図15は、本発明の実施例による薄膜形成方法を説明するための断面図であり、図5〜図12は、本発明の実施例による薄膜の形成の時、流入されるガスに対するガス流入タイミング図である。
【0089】
図3を参照すると、基板20をチャンバー10内に配置する。チャンバー20には、チャンバー20内部にガスを流入するためのガス流入ライン12、14が備わっている。本実施例によると、ガス流入ライン12、14は、第1ガス流入ライン12及び第2ガス流入ライン14を含む。第1ガス流入ライン12は、蒸着工程のときに、前駆体32(図4参照)及び電子供与化合物34(図4参照)をチャンバー10上に流入する第1分岐ライン12a及び第1ファジーガスをチャンバー10上に流入する及び第2分岐ライン12bを含む。また、第2ガス流入ライン14は、蒸着工程のときに、前駆体32のリガンド32b(図4参照)を置換して、中心金属32aと結合する反応物質50(図13参照)を流入する第3分岐ライン14a、及び第2ファジーガスを流入する役割を遂行する第4分岐ライン14bを含む。
【0090】
図4を参照すると、チャンバー10内部に前駆体32及び電子供与化合物34を流入して、安定化された前駆体30を基板20上に提供する。前駆体32と電子供与化合物34とは、基板20上で、気体状態で接触する場合、電子供与化合物34が前駆体32の中心金属32aに電子を提供しつつ、電子供与化合物34と前駆体32は弱い結合を形成する。これと共に電子供与化合物34と接触した安定化された前駆体30は、熱的安定性が優れているからチャンバー10内部の高温状態に長時間露出されても分解されない。
【0091】
本実施例において、前駆体32は、中心金属32aと中心金属32aに結合されたリガンド32bを含む。中心金属32aは、形成しようとする薄膜に含まれる金属の種類によって適切に調節することができる。例えば、中心金属32aは、リチウム(Li)、ベリリウム(Be)、ホウ素(B)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、チタニウム(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ルビジウム(Rb)、ストロンチウム(Sr)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオビウム(Nb)、モルリブデニュム(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、インジウム(In)、錫(Sn)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、セシウム(Ce)、バリウム(Ba)、ランタン(La)、ランタニド(Ln)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)、タリウム(Tl)、水銀(Hg)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、ポロニウム(Po)、フランシウム(Fr)、ラジウム(Ra)、アクチニウム(Ac)、またはアクチニド(An)等を含むことができる。本発明の一実施例によると、中心金属32aは、ジルコニウムまたはハフニウムを含むことができる。
【0092】
中心金属32aに結合するリガンド32bは、前駆体32が適切な沸点を有するように中心金属32aにより適切に調整することができる。本実施例によると、リガンド32bは、フルオル(F-)、クロロ(Cl-)、ブロモ(Br-)、ヨード(I-)等のようなハロゲン、アミド(amido、NH2-)、水素が炭素数が1〜10のアルキルグループに置換されたアミド、アンモニア(NH3)または炭素数が1〜10のアミン、ヒドロキシ(hydroxy、OH-)、炭素数が1〜10のアルコキシ(alkoxy)、炭素数が1〜10のアルキル、炭素数が6〜12のアリール、炭素数が3〜15のアリル、炭素数が4〜15のジエニル(dienyl)、炭素数が5〜20のβ−ジケトナート、炭素数が5〜20のβ−ケトイミン化合物、炭素数が5〜20のβ−ジイミン化合物、またはこれらの混合物を使うことができる。例えば、リガンド32bは、ジメチルアミド(N(CH32)、ジエチルアミド(N(C252)、エチルメチルアミン(NCH325)、エチルジメチルアミン(N(CH3225)、ジエチルメチルアミン(N(C252CH3)、及びトリエチルアミン(N(C253)であることができる。
【0093】
本実施例において、中心金属32aとリガンド32bを含む前駆体30は、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(Zr(NCH3254)、テトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム(Hf(NCH3254)、テトラキス−ジエチルアミド−ジルコニウム(Zr(N(C2524)、テトラキス−ジエチルアミド−ハフニウム(Hf(N(C2524)、テトラキス−ジメチルアミド−ジルコニウム(Zr(N(CH324)、テトラキス−ジメチルアミド−ハフニウム(Hf(N(CH324)、テトラキス−エチルジメチルアミン−ジルコニウム(Zr(N(CH32254)、テトラキス−エチルジメチルアミン−ハフニウム(Hf(N(CH32254)、テトラキス−ジエチルメチルアミン−ジルコニウム(Zr(N(C252CH34)、テトラキス−ジエチルメチルアミン−ハフニウム(Hf(N(C252CH34)、テトラキス−トリエチルアミン−ジルコニウム(Zr(N(C2534)、またはテトラキス−トリエチルアミン−ハフニウム(Hf(N(C2534)等を含むことができる。前駆体32は、単独または混合して使用することができる。
【0094】
本実施例によると、電子供与化合物34は、水、ハロゲン化水素、炭素数が1〜10のアルコール、炭素数が6〜12のアリール化合物、炭素数が3〜15のアリル化合物、炭素数が4〜15のジエン化合物、炭素数が5〜20のβ−ジケトン化合物、炭素数が5〜20のβ−ケトイミン化合物、炭素数が5〜20のβ−ジイミン化合物、アンモニア、炭素数が1〜10のアミン化合物、またはこれらの混合物を使うことができる。前記ハロゲン化水素は、フッ化水素(HF)、塩化水素(HCl)、臭化水素(HBr)、ヨウ化水素(HI)を含むことができ、前記ジエン化合物は、シクロペンタジエン(cyclopentadiene)または水素が炭素数が1〜10のアルキルに置換されたシクロペンタジエンを含むことができる。前記アルコールは、エタノール、メタノール、またはブタノールなどを含むことができる。前記炭素数が1〜10のアミン化合物は、炭素数が1〜10の一次アミン、二次アミン、または三次アミンを含むことができる。例えば、電子供与化合物34は、ジエチルアミン、ジメチルアミン、エチルメチルアミン、エチルジメチルアミン、ジエチルメチルアミン、またはトリエチルアミンなどを含むことができる。
【0095】
本実施例によると、前駆体32は、約50sccm〜約1000sccm程度の流量でチャンバー10内に0.1秒〜約10秒の間、導入することができる。前駆体32は、チャンバー10外部、すなわち、キャニスター内で約50℃〜約90℃程度の温度で維持され、液体状態で存在する。また、前駆体32は、チャンバー10内部では気体状態で存在することができる。前駆体32は、チャンバー10に供給される間、気化されて、チャンバー10内部では気体状態で存在することができる。
【0096】
本実施例によると、前駆体32がチャンバー10内に流入する間、第2ガス供給ライン14の第4分岐ライン14bを通じて、逆流防止用不活性ガスが提供されることができる。前記逆流防止用不活性ガスは、前駆体32が第2ガス供給ライン14側に逆流することを防止するために提供される。
【0097】
本実施例によると、電子供与化合物34は、約15sccm〜約3000sccm程度の流量で、0.1秒〜約10秒の間、チャンバー10内に導入されることができる。電子供与化合物34は、チャンバー10外部、すなわち、キャニスター内で約20℃〜約40℃程度の温度で維持され、液体状態で存在する。また、電子供与化合物34は、チャンバー10に供給される間、気化されて、チャンバー10内部では気体状態で存在する。
【0098】
前記薄膜の形成において、1種類以上の前駆体32が使用されることができる。本発明の一実施例によると、前記薄膜の形成において1種類の前駆体32が使用されることができる。例えば、ジルコニウムを含む前駆体またはハフニウムを含む前駆体などが使用されることができる。本発明の他の実施例によると、2種類の前駆体32が使用されることができる。即ち、第1金属を含む第1前駆体と、前記第1金属と異なる第2金属を含む第2前駆体とが使用されることができる。この場合、前記第1前駆体及び第2前駆体を含む溶液を気化させて前記基板上に提供することができる。前記混合液は、前記第1前駆体及び前記2前駆体を約1:4〜約4:1のモル比で含むことができる。例えば、前記薄膜の形成において、ジルコニウムを含む第1前駆体及びハフニウムを含む第2前駆体を含む溶液を製造した後、これを気化させて、ジルコニウムを含む第1前駆体及びハフニウムを含む第2前駆体を基板20上に同時に提供することができる。また、第1金属を含む第1前駆体及び前記第1金属と異なる第2金属を含む第2前駆体を各々気化させてチャンバー10内に、同時にまたは順次的に流入することができる。本発明の他の実施例によると、前記薄膜の形成において、3種類の前駆体32が使用されることができる。即ち、第1金属を含む第1前駆体、前記第1金属と異なる第2金属を含む第2前駆体、及び第1及び第2金属と異なる第3金属を含む第3前駆体を使用することができる。前記第3前駆体は、形成される薄膜の電気的特性を向上させるために導入することができる。この場合、第1前駆体及び第2前駆体を含む溶液を気化させて、基板20上に前記第1前駆体及び第2前駆体を提供した後、後続工程において前記第3前駆体を気化させて前記基板上に追加的に提供することができる。例えば、ジルコニウムを含む第1前駆体及びハフニウムを含む第2前駆体を含む溶液を気化させて、基板20上に提供した後、後続工程でシリコンを含む第3前駆体を基板20上に追加的に提供することができる。前記シリコンを含む第3前駆体などを追加的に流入する場合、基板20上に形成される薄膜の電気的特性をより向上させることができる。
【0099】
前駆体32及び電子供与化合物34が基板20上に導入される順序は、多様に調節することができる。図4及び図5を参照すると、前駆体32を基板20上に導入した後、電子供与化合物34を流入することができる。例えば、第1ガス供給ライン12の第1分岐ライン12aを通じて、前駆体32をチャンバー10に流入した後、電子供与化合物34を第1ガス供給ライン12の第1分岐ライン12aを通じて、チャンバー10に流入することができる。
【0100】
また、図4及び図6を参照すると、前駆体32と電子供与化合物34を基板20上に同時に流入することができる。例えば、第1ガス供給ライン12の第1分岐ライン12aを通じて、前駆体32をチャンバー10に流入することと同時に、電子供与化合物34を同一時間の間、第1ガス供給ライン12の第2分岐ライン12bを通じて、チャンバー10に流入することができる。
【0101】
一方、図4及び図7を参照すると、前駆体32と電子供与化合物34を基板20上に同時に導入し、前駆体32の導入を中断した後、電子供与化合物34のみを追加的にチャンバー10に流入することができる。例えば、第1ガス供給ライン12の第1分岐ライン12aを通じて、前駆体32をチャンバー10に流入することと同時に第1ガス供給ライン12の第2分岐ライン12aを通じて、電子供与化合物34を流入した後、一定時間後、前駆体32の流入のみを中断し、電子供与化合物34は、継続的にチャンバー10上に流入することができる。
【0102】
また、図4及び図8を参照すると、電子供与化合物34を先に基板20上に流入した後、前駆体32を基板20上に導入することができる。例えば、第1ガス供給ライン12の第2分岐ライン12bを通じて、電子供与化合物34をチャンバー10内に流入した後、第1ガス供給ライン12の第1分岐ライン12aを通じて、前駆体32をチャンバー10内に流入することができる。
【0103】
前述のように、多様な方法で基板20上に導入された電子供与化合物34は、基板20上の前駆体32と接触して、安定化された前駆体30を基板20上に提供することになる。安定化された前駆体30の中心金属32aが、基板20と接触して基板20に前駆体32が化学吸着される。このとき、電子供与化合物34は、前駆体32の中心金属32aと弱い結合を形成しているため、容易に分離される。
【0104】
前述のように、前記薄膜の形成において、1種類以上の前駆体32を使用することができる。前記薄膜の形成において、第1金属を含む第1前駆体と前記第1金属と異なる第2金属を含む第2前駆体とが使用される場合、前記第1前駆体と第2前駆体を含む混合液を製造した後、前記混合液を気化させて前記第1前駆体及び前記第2前駆体を基板20上に提供することができる。また、前記第1前駆体及び第2前駆体を各々気化させて、基板20上に同時にまたは順次的に導入することができる。
【0105】
また、前記薄膜の形成において、前記第1及び第2金属と異なる第3金属を含む第3前駆体を追加的に導入して前記薄膜を形成することができる。前記第3前駆体には、前記形成される薄膜の電気的特性を向上させることができる物質を使用することができる。前記第3前駆体は、前記第1及び第2前駆体と同時に前記基板上に流入されることができ、前記第1及び第2前駆体と別個に基板10上に流入されることができる。図9〜図12は、第1、第2、及び第3前駆体を使用して基板20上に薄膜を形成する場合、前記第1、第2、及び第3前駆体と電子供与化合物34の流入順番を示すガス流入タイミング図である。図9〜図12のガス流入タイミング図において、前記第1及び第2前駆体の場合、前記第1及び第2前駆体を含む混合液を製造した後、前記混合液を気化させて前記第1及び第2前駆体を基板20上に同時に流入さる。例えば、第1前駆体は、ジルコニウムを含む前駆体であることができ、第2前駆体は、ハフニウムを含む前駆体であることができ、前記第3前駆体は、シリコンを含む前駆体であることができる。
【0106】
図9を参照すると、前記第1及び第2前駆体を導入した後、電子供与化合物34を導入し、前記第3前駆体を基板20上に導入することができる。図10を参照すると、前記第1前駆体及び第2前駆体と電子供与物34を基板20上に同時に導入した後、前記第3前駆体を基板20上に導入することができる。図11を参照すると、前記第1前駆体及び第2前駆体を基板20上に導入した後、前記第3前駆体を導入し、電子供与化合物34を基板10に導入することができる。図12を参照すると、前記第1及び第2前駆体を電子供与化合物34と同時に基板20上に導入した後、前記第3前駆体を前記電子供与化合物と同時に基板20に導入する。その後、電子供与化合物34のみを追加的に基板20上にさらに導入することができる。
【0107】
図9〜図12のガス流入タイミング図において、第1及び第2前駆体を含む混合液を製造し、これを気化させて基板20上に第1及び第2前駆体を導入しているが、前記第1及び第2前駆体の導入は、これに限定されることではない。例えば、前記第1及び第2前駆体を各々気化させて、同時に基板20に導入することができる。また、前記第1及び第2前駆体を気化させて、各々順次的に基板20に導入することができる
【0108】
本発明の一実施例によると、前記第3前駆体の流量及び導入時間は、前記薄膜に含まれる前記第3前駆体の前記第3金属の含量によって適切に調節することができる。例えば、前記第3前駆体は、約50sccm〜約1000sccm程度の流量で、チャンバー10内に0.1秒〜約3秒の間に導入されることができる。
【0109】
図13を参照すると、第1ファジーガスを基板20上に提供する段階をさらに遂行して、基板20上に前駆体を含む予備第1層40を形成することができる。
【0110】
前記第1ファジーガスは、基板20上に安定化された前駆体30及び基板20に化学吸着されなかった前駆体32をチャンバー10から除去する役割を遂行することができる。前記第1ファジーガスは、第1ガス流入ライン12を通じて、チャンバー10内に流入することができる。前記ファジーガスは、アルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス、またはネオンガスのような不活性ガスを含むことができ、約50sccm〜約400sccm程度の流量で約0.5秒〜約20秒の間、基板20上に流入することができる。本実施例によると、第1ガス供給ライン12を通じて、前記第1ファジーカスガ流入する間、第2ガス供給ライン14の第4分岐ライン14bを通じて、逆流防止用不活性ガスを提供する。前記逆流防止用不活性ガスは、前記チャンバー内に化学吸着しなかった前駆体32及び電子供与化合物34が第2ガス供給ライン14側に逆流することを防止するために提供される。
【0111】
本発明の一実施例によると、前記ファジーガスは、電子供与化合物34を導入した後、基板20上に提供されることができる。本発明の他の実施例によると、前記ファジーガスは、電子供与化合物34と同時に基板20上に提供されることができる。
【0112】
図14を参照すると、基板20上に、前駆体32の中心金属32aと結合して、リガンド32bを置換できる反応物質50を導入する。チャンバー10内部に反応物質50を導入することによって、前駆体32の中心金属32aと反応物質50が化学的に結合して、基板20上に第1膜60が形成される。
【0113】
本実施例によると、反応物質50は、第2ガス供給ライン14の第3分岐ライン14aを通じて、約50sccm〜約1000sccm程度の流量で約2秒〜約10秒の間、流入することができる。
【0114】
反応物質50は、前駆体32の中心金属32aとの反応性及び形成しようとする薄膜の種類によって適切に調節することができる。本発明の一実施例において、反応物質50は酸化剤でありうる。この場合、前記酸化剤は、オゾン(O3)、酸素(O2)、オゾンプラズマ、酸素プラズマ、水(H2O)などを含むことができる。これらは、単独または混合されて使うことができる。例えば、形成される薄膜内に不純物が少なく、取り扱いが容易であるため、反応物質50としてオゾンを使うことができる。本発明の他の実施例によると、反応物質50は、窒素原子を含む物質とすることができる。前記窒素原子を含む物質は、アンモニア(NH3)ガス、二酸化質素(NO2)ガス、または亜酸化窒素(N2O)等を含むことができる。
【0115】
本実施例によると、反応物質50を第2ガス供給ライン14の第3分岐ライン14aを通じて流入する間、第1ガス供給ライン12の第2分岐ライン12bを通じて、逆流防止用不活性ガスを提供することができる。前記逆流防止用不活性ガスは、反応物質50が第1ガス供給ライン12側に逆流することを防止するために提供されることができる。
【0116】
図15を参照すると、第2ファジーガスをチャンバー10に流入して、化学反応しなかった反応物質50と中心金属32aから分離したリガンド32bとをチャンバー10から除去することができる。前記第2ファジーガスは、第2ガス供給ライン14の第4分岐ライン14bを通じて、基板20上で導入され、前記第2ファジーガスには、アルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス、ネオンガスなどを用いることができ、これらは単独でまたは混合して使うことができる。前記第2ファジーガスは、約1秒〜20秒の間、約50sccm〜約400sccm程度の流量で基板20上に流入することができる。
【0117】
本実施例によると、第2ガス供給ライン14の第4分岐ライン14bを通じて、前記第2ファジーカスガ流入する間、第1ガス供給ライン12の第2分岐ライン12bを通じて、逆流防止用不活性ガスを提供する。前記逆流防止用不活性ガスは、チャンバー10内に化学反応しなかった反応物質20及び中心金属32aから分離されたリガンド32bが第1ガス供給ライン12側に逆流することを防止するために提供することができる。
【0118】
前駆体32及び電子供与化合物34の導入段階、第1ファジーガス導入段階、反応物質50の導入段階、及び第2ファジーガス導入段階を繰り返して遂行することによって、望む厚さを有する薄膜を基板20上に形成することができる。前記薄膜は、前駆体32及び反応物質50により多様な物質を含むことができる。反応物質50が酸化剤の場合、前記薄膜は、金属酸化膜であることもあって、反応物質50が窒素原子を含む物質の場合、前記薄膜は金属窒化膜であることができる。
【0119】
前述の薄膜形成方法において、気体状態の電子供与化合物34と前駆体32の接触によって、前駆体32の熱的安定性が向上することができる。従って、基板20表面に前駆体32が吸着する前にチャンバー10内部の高熱によって、前駆体32が分解される現象を防止することができる。また、前駆体32の分解産物が基板表面に化学吸着した前駆体32に結合するかまたは開口或いはリセスなどの上部に化学吸着して、気体状態の前駆体32が前記開口またはリセスの下部領域で拡散を阻害する現象も防止することができる。また、前駆体32が長時間、分解されずに気体状態で存在できるため、前記開口またはリセスの下部領域に前駆体32が均一に広がることができる。その結果、段差がある基板表面にステップカバレッジが優れた薄膜を形成することができる。
【0120】
以下、本発明の実施例によるゲート構造物製造方法を詳細に説明する。
【0121】
図16〜図18は、本発明の実施例によるゲート構造物製造方法を説明するための断面図である。
【0122】
図16を参照すると、セル領域と周辺回路領域を含む基板100上に素子分離膜102を形成して、基板100にアクティブ領域とフィールド領域を定義する。
【0123】
素子分離膜102は、シャロートレンチ素子分離(STI)工程または熱酸化工程などのように素子分離工程を利用して、基板100上に形成されることができる。基板100は、シリコン基板、ゲルマニウム基板、シリコン−ゲルマニウム基板などの半導体基板、またはSOI基板、GOI基板、アルミニウム酸化物(AlOx)単結晶基板、ストロンチウムチタン酸化物(SrTiOx)単結晶基板、またはマグネシウム酸化物(MgOx)単結晶基板のような金属酸化物単結晶基板などを含むことができ、素子分離膜102は、シリコン酸化物のような酸化物を使って形成することができる。
【0124】
基板100上にゲート絶縁膜104を形成する。このとき、ゲート絶縁膜104は、薄い等価酸化膜の厚さを維持しつつも、ゲート電極とチャンネルの間で発生する漏洩電流を充分に減少させるべきである。本実施例によると、ゲート絶縁膜104は、電子供与化合物と接触した前記前駆体を使って形成されるため、均一な厚さを有する絶縁膜が基板100上に形成されることができる。
【0125】
ゲート絶縁膜104を形成するのに利用される前駆体は、熱に不安定で、化学気相蒸着または原子層積層工程などを遂行するとき、要求される高温で簡単に分解される。従って、本実施例によると、前記前駆体の熱に対する安定性を向上させて、長時間、高温でも分解されないようにするために前記前駆体を電子供与化合物と接触させる。前記電子供与化合物は、前記前駆体の中心金属に電子を提供して、前記前駆体と弱い結合を形成することによって、前記前駆体を安定化させることができる。
【0126】
ゲート絶縁膜104の形成において、前記電子供与化合物と接触して、安定化された前記前駆体を基板100上に提供する。本発明の一実施例によると、液体状態の前記前駆体と液体状態の前記電子供与化合物が接触して、安定化された前駆体を形成することができる。例えば、液体状態の前記前駆体と液体状態の前記電子供与化合物を混合して、前駆体造成物を製造することによって、前記前駆体と前記電子供与化合物を接触させることができる。この場合、前記前駆体造成物を気化させて、安定化された前駆体を素子分離膜102が形成された基板100上に提供することができる。本発明の他の実施例によると、気体状態の前駆体と気体状態の電子供与化合物を接触させることができる。例えば、前記前駆体を気化させて、基板100上に導入して、電子供与化合物を気化させて、基板100上に導入して、気体状態の前記前駆体と気体状態の前記電子供与化合物を基板100上で接触させることができる。
【0127】
前記電子供与化合物によって安定化された前記前駆体を基板100上に提供した後、前記前駆体の前記中心金属と結合を形成しつつ、前記リガンドを置換できる反応物質を基板100上に導入して、ゲート絶縁膜104を形成することができる。ゲート絶縁膜104は、化学気相蒸着工程または原子層積層工程を遂行して形成することができる。
【0128】
本実施例によると、前駆体として前記電子供与化合物によって安定化された前記前駆体を使用し、反応物質として酸素原子を含む酸化剤を使う場合、基板100上に金属酸化物を含むゲート絶縁膜104を形成することができる。例えば、中心金属がジルコニウムの前駆体を使用し、反応物質としてオゾンを使う場合、ジルコニウム酸化物(ZrO2)を含むゲート絶縁膜104を形成することができる。または、前駆体がハフニウムを含む前駆体及びジルコニウムを含む前駆体を含み、反応物質がオゾンである場合、ハフニウム−ジルコニウム酸化物を含むゲート絶縁膜104が形成されることができる。
【0129】
図17を参照すると、ゲート絶縁膜104上にゲート導電膜110を形成する。ゲート導電膜110は、ポリシリコン膜106及び金属シリサイド膜108を順次的に積層して形成することができる。ここで、金属シリサイド膜108は、タングステンシリサイド、チタニウムシリサイド、タンタルシリサイド、コバルトシリサイドなどを含むことができる。また、ゲート導電膜110上に酸化シリコン物質を含むキャッピング絶縁膜112を追加的に形成することができる。
【0130】
図18を参照すると、基板100上に形成したキャッピング絶縁膜112、ゲート導電膜110及びゲート絶縁膜104を順次的にパターニングして、基板100上にゲート絶縁膜パターン104a、ポリシリコン膜パターン106a及び金属シリサイド膜パターン108aを含むゲート導電膜パターン110a及びキャッピング絶縁膜パターン112aを含むゲート構造物115を形成する。ゲート構造物115は写真エッチング工程を通じて形成されることができる。
【0131】
ゲート構造物115を覆って、基板100上に窒化膜を形成した後、前記窒化膜を二方性エッチング工程でエッチングすることによってゲート構造物114の側壁上にゲートスペイサー114を形成することができる。例えば、ゲートスペイサー114は、シリコン窒化物を使って形成することができる。
【0132】
ゲート構造物115と隣接する基板100に不純物を注入して、ソース/ドレーン領域120を形成する。ソース/ドレーン領域120は、例えば、イオン注入工程を利用して形成することができる。基板100に、ソース/ドレーン領域120を形成するためのイオン注入工程でゲート構造物115及びゲートスペイサー114は、イオン注入マスクの役割を遂行することができる。
【0133】
本実施例によると、前駆体と電子供与化合物とを接触させることによって、熱に対する安定性が向上した前駆体を形成することができる。従って、ゲート絶縁膜104が形成されるチャンバー内部の高い温度でも前駆体が分解せずに気体状態で存在することができる。その結果、前駆体の分解による沈殿が発生せずに前駆体が基板上に均等に広がることができて厚さが均一なゲート絶縁膜が形成されることができる。
【0134】
以下、本発明の実施例によるキャパシタの製造方法を詳細に説明する。
【0135】
図19〜図22は、本発明の実施例によるキャパシタの製造方法を説明するための断面図である。
【0136】
図19を参照すると、導電性構造物が形成されている基板200を備える。前記導電性構造物の例としては、ソース/ドレーン領域220、ゲート絶縁膜パターン204a、ポリシリコン膜パターン206a及び金属シリサイド膜パターン208aを含むゲート導電膜パターン210a及びキャッピング絶縁膜パターン212aを含むゲート構造物115、コンタクトプラグ222等を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0137】
コンタクトプラグ222を覆うように基板200上に層間絶縁膜を形成した後、コンタクトプラグ222の上面が露出するまで前記層間絶縁膜の上部を除去して、コンタクトホール126を含む層間絶縁膜パターン224を形成する。層間絶縁膜パターン224は、酸化物、窒化物、または酸窒化物を使って形成されることができる。例えば、層間絶縁膜パターン224は、PSG(phosphor silicate glass)、BPSG(boro phosphorus silicate glass)、USG(undoped silica glass)、SOG(spin on glass)、TEOS(tetraethyl orthosilicate)、PE−TEOS(plasma enhanced−TEOS)、HDP−CVD(high density plasma−chemical vapor deposition)酸化物などのようなシリコン酸化物を使って形成されることができる。
【0138】
コンタクトホール226及び層間絶縁膜パターン224上に第1導電膜232を形成する。第1導電膜232は、チタニウム、チタニウム窒化物、タンタル、タンタル窒化物、ポリシリコン、タングステン、タングステン窒化物、ルテニウムなどを含む物質を使って形成することができる。
【0139】
図20を参照すると、コンタクトプラグ222と電気的に連結した下部電極240を形成する。第1導電膜232上に犠牲膜(図示せず)を形成した後、層間絶縁膜パターン224の上面が露出するまで前記犠牲膜及び第1導電膜232を除去する。前記犠牲膜は、シリコン酸化物のような酸化物を使って形成されることができる。コンタクトホール226内に残留する犠牲膜(図示せず)と層間絶縁膜パターン224を除去して、下部電極240を形成する。
【0140】
図21を参照すると、下部電極240の上に誘電膜250を形成する。誘電膜250は、薄い等価酸化膜の厚さと高誘電率を有して段差がある下部電極240の表面から均一な厚さを有しなければならない。本発明の実施例によると、前述の特性を有する誘電膜250を形成するために、電子供与化合物と前駆体を接触させて、熱に対する安全性が向上した前駆体を使って、誘電膜250を形成することができる。前記電子供与化合物と前記前駆体が接触する場合、前記電子供与化合物は、前記前駆体の中心金属に電子を提供して、前記前駆体と弱い結合を形成することによって、前記前駆体を安定化させることができる。誘電膜250を形成するのに使われる前記前駆体が熱に対し不安定な場合、前駆体の中心金属とリガンドが簡単に分離して、誘電膜形成の時、膜の厚さを調節するのが難しい。また、前駆体が熱によって分解されると、発生した残留物がシリンダー形状の下部電極240の上部に蒸着されて気化された前駆体が下部電極240の下部まで均一に広がることが妨げられる。従って、前駆体の熱に対する安定性を向上させる場合、膜の厚さを容易に調節できて、シリンダー形状の下部電極240の下部まで前記前駆体が熱によって分解されずに、均一に広がることができる。従って、本実施例においては、前記電子供与化合物によって安定化された前駆体を使って、誘電膜250を形成する場合、優れた段差塗布性を有する誘電膜250を形成することができる。
【0141】
誘電膜250の形成において、電子供与化合物と接触して、安定化された前駆体を下部電極240及び層間絶縁膜パターン224の上に提供する。
【0142】
本発明の一実施例によると、液体状態の前駆体と液体状態の電子供与化合物が接触して、安定化された前駆体を形成することができる。例えば、液体状態の前駆体と液体状態の電子供与化合物とを混合して、前駆体造成物を製造することによって、前記前駆体と前記電子供与化合物とを接触させることができる。この場合、前記混合液を気化させて、安定化された前駆体を下部電極240が形成された基板200上に提供することができる。本発明の他の実施例によると、気体状態の前駆体と気体状態の電子供与化合物とを接触させることができる。例えば、前記前駆体を気化させて、下部電極240が形成された基板200上に導入して、電子供与化合物を気化させて、下部電極240が形成された基板200上に導入し、気体状態の前記前駆体と気体状態の前記電子供与化合物とを基板200上で接触させて、下部電極250が形成された基板200上に安定化された前駆体を提供することができる。
【0143】
前記電子供与化合物によって、安定化された前記前駆体及び前記前駆体の前記中心金属と結合して、前記リガンドを置換できる反応物質を使って、化学気相蒸着工程または原子層積層工程を遂行することによって誘電膜250を形成することができる。
【0144】
本実施例において、前記電子供与化合物によって安定化された前記前駆体を使用し、反応物質として酸素原子を含む酸化剤を使う場合、基板200上に金属酸化物を含む誘電膜250を形成することができる。例えば、中心金属がジルコニウムの前駆体を使用し、反応物質としてオゾンを使う場合、ジルコニウム酸化物(ZrOx)を含む誘電膜250をシリンダー形状の下部電極240に均一に形成することができる。または、中心金属がハフニウムである前駆体に対し、反応物質としてオゾンを使用する場合、ハフニウム酸化物を含む誘電膜250をシリンダー形状の下部電極240に均一に形成することができる。また、中心金属がハフニウムの前駆体及び中心金属がジルコニウムの前駆体であり、追加的に中心金属がシリコンの前駆体をさらに使用し、反応物質としてオゾンを使用する場合、ハフニウム−ジルコニウムシリケートを含む誘電膜250を下部電極240に均一に形成することができる。
【0145】
図22を参照すると、誘電膜250上に上部電極260を形成して、基板200上に下部電極240、誘電膜250、及び上部電極260を含むキャパシタ270を形成する。上部電極260は、チタニウム、チタニウム窒化物、タンタル、タンタル窒化物、ポリシリコン、タングステン、タングステン窒化物、ルテニウムなどを使って形成することができる。
【0146】
本実施例によると、キャパシタ270は、電子供与化合物によって、安定化された前駆体を使って形成される。前記電子供与化合物と接触した前駆体は、熱的安定性が向上するため、前記前駆体は高温でも簡単に分解されずにシリンダー形状の下部電極の下部まで均等に拡散されて、ステップカバレッジが優れた誘電膜を形成することができる。従って、下部電極と上部電極の間の漏洩電流の発生が顕著に減少したキャパシタを製造することができる。
【0147】
以下、本発明の実施例による有機金属前駆体の特性及び前記遊金金属前駆体を使って形成された薄膜の特性を評価する。
【0148】
[前駆体の熱的安定性評価]
(実験例1)
液体状態のテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(tetrakis−ethylmethylamido−zirconium,TEMAZ)と液体状態のエチルメチルアミン(ethyl methyl amine,EMA)とを混合して前駆体造成物を製造した後、前記前駆体造成物を約130℃程度の温度で加熱して、前駆体組成物のガードナーインデックスを比色計OME2000(Nippon Denshoku Instrumnet、日本)を使って測定した。ガードナーインデックスが高いほど、組成物組成物の色が濃厚で沈殿が多量発生したことを意味する。
【0149】
常温でテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)とエチルメチルアミン(EMA)とを約1:1及び約1:2のモル比で混合した前駆体造成物1と前駆体造成物2を製造した。また、液体状態のテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)のみを含む比較液1を準備した。前記前駆体造成物1、前駆体造成物2、及び比較液1を約130℃まで加熱した後、約130℃で約24時間維持させつつ、前記前駆体造成物1、前駆体造成物2、及び比較液1に対するガードナーインデックスを測定し、その結果を表1に図示した。
【0150】
【表1】

【0151】
表1を参照すると、前駆体造成物1、前駆体造成物2、及び比較液1は、常温では実質的に無色の透明な液体として存在する。約130℃で約6時間経過したとき、エチルメチルアミン(EMA)を含む前駆体造成物1及び前駆体造成物2は、ガードナーインデックスの値が大きく増加しない。しかし、比較液1のガードナーインデックスが急激に増加した。従って、130℃で6時間経過した後、比較液1では沈殿が多量発生したことが分かる。また、130℃で12時間経過した後、前駆体造成物1及び2のガードナーインデックスは、比較液1のガードナーインデックスより小さかった。これよりエチルメチルアミン(EMA)と液体状態で接触したテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)は、長時間、高い温度で簡単に分解されないことが分かる。
【0152】
(実験例2)
液体状態の前駆体と液体状態の電子供与化合物の混合比率による前駆体の熱的安定性を評価した。
【0153】
実験例1で製造した前駆体造成物1及び前駆体造成物2以外に常温でテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)とエチルメチルアミン(EMA)を、約1:0.02、1:0.05、1:0.1、1:0.2、1:0.3、1:0.5、1:0.7、1:3、及び1:4のモル比で混合した前駆体造成物3、前駆体造成物4、前駆体造成物5、前駆体造成物6、前駆体造成物7、前駆体造成物8、前駆体造成物9、前駆体造成物10、及び前駆体造成物11を準備した。前記前駆体造成物1〜前駆体造成物11、及び比較液1を約160℃程度に加熱して1時間維持させた後、それぞれの前駆体造成物1〜11及び比較液1のガードナーインデックスを比色計OME2000(Nippon Denshoku Instrumnet、日本)を使って、測定して、その結果を表2に図示した。
【0154】
【表2】

【0155】
表2を参照すると、前記比較液1は、最も高いガードナーインデックスを示していて、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)が多く分解されたことが分かる。反面、エチルメチルアミン(EMA)を含む前駆体造成物1〜前駆体造成物11は、前記比較液1より低いガードナーインデックスを有する。従って、比較液1〜11のテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)が、比較液1のテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)より少なく分解されたことが分かる。特に、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)とエチルメチルアミン(EMA)を約1:1以上の比率で含んでいる前駆体造成物1、前駆体造成物2、前駆体造成物10、及び前駆体造成物11は非常に低いガードナーインデックスを有していて、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)がほとんど分解されないことが確認された。
【0156】
(実験例3)
液体状態のテトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム(tetrakis−ethylmethylamido−hafnium,TEMAH)と液体状態のエチルメチルアミン(EMA)とを混合して前駆体造成物を製造した後、前記混合液を約140℃、約160℃、約180℃、約200℃、及び約220℃の温度で加熱して、前駆体組成物のガードナーインデックスを比色計OME2000(Nippon Denshoku Instrumnet、日本)を使って、測定した。
【0157】
常温でテトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム(TEMAH)とエチルメチルアミン(EMA)を約1:1のモル比で混合した前駆体造成物12を製造した。また、液体状態のテトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム(TEMAH)のみを含む比較液2を準備した。前記前駆体造成物12及び比較液2を140℃、約160℃、約180℃、約200℃、及び約220℃の温度で加熱し、1時間ほど維持させた後、ガードナーインデックスを測定し、その結果を表3に図示した。
【0158】
【表3】

【0159】
表3を参照すると、前駆体組成物12及び比較液2は、常温では実質的に無色の透明な液体で存在する。前駆体組成物12は、約180℃まで温度を上昇させてもガードナーインデックスが大きく上昇せず、その結果、前記前駆体組成物12は、約180℃まで温度を上昇させてもテトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム(TEMAH)が分解されないということが分かった。しかし、比較液2の場合、それぞれの温度で前記前駆体組成物12より高いガードナーインデックスを示しており、160℃以上の温度以上で加熱する場合、ガードナーインデックスが大きく上昇した。従って、比較液2場合、温度が上昇することによってテトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム(TEMAH)が簡単に分解されることが分かった。これより、エチルメチルアミン(EMA)と液体状態で接触したテトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム(TEMAH)は高い温度で分解されずに安定した状態を維持することが分かった。
【0160】
(実験例4)
液体状態のテトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム(TEMAH)、液体状態のテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)、及び液体状態のエチルメチルアミン(EMA)を混合して前駆体造成物を製造した後、前記前駆体造成物を約130℃で約3時間、約6時間、約12時間、約24時間、及び約48時間を維持し、前記前駆体組成物のガードナーインデックスを比色計OME2000(Nippon Denshoku Instrumnet、日本)を使って、測定した。
【0161】
常温でテトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム(TEMAH)、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)とエチルメチルアミン(EMA)を約1:2:3のモル比で混合した前駆体造成物13を製造した。また、液体状態のテトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム(TEMAH)とテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)を約1:2のモル比で含む比較液3を準備した。前記前駆体造成物13及び比較液3を130℃で、約3時間、約6時間、約12時間、約24時間、及び約48時間を維持した後、ガードナーインデックスを測定し、その結果を表4に図示した。
【0162】
【表4】

【0163】
表4を参照すると、前駆体組成物13は、約130℃で約12時間経過した後にもガードナーインデックスが大きく上昇しなかったが、比較液3の場合、約130℃で約3時間経過した場合には、ガードナーインデックスが高い数値を記録している。エチルメチルアミン(EMA)を含まない比較液3の場合、前駆体が分解されて多量の沈殿が発生したことがわかった。従って、電子供与化合物と接触したテトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム(TEMAH)及びテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)は長時間、高い温度で容易に分解されないことがわかった。
【0164】
(実験例5)
液体状態のテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)と液体状態のエチルメチルアミン(EMA)を混合して前駆体造成物を製造した後、前記前駆体造成物を高温で一定時間維持させ、熱重量分析を遂行して気化されずに残った固体物質の質量を測定した。
【0165】
液体状態のテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)とエチルメチルアミン(EMA)を約1:0.9及び約1:12のモル比で混合して前駆体造成物14及び15を製造した。実験例1及び実験例2で製造した比較液1、前駆体造成物2〜5、7、8、10、及び11と前駆体造成物14及び15を160℃で約1時間維持させた後、熱重量分析(Thermalgravimetric Analysis、TGA)を遂行した、比較液1、前駆体造成物2〜5、7、8、10、及び11と前駆体造成物14及び15 の最初質量に対して熱重量分析を遂行した後、気化させずに残った質量の比率を%で表示して表5に示した。前記熱重量分析は、30℃から始め、10℃/分の比率で約200℃まで温度を上昇させつつ遂行した。前記比較液1、前駆体造成物2〜5、7、8、10、及び11と前駆体造成物14及び15を180℃で約1時間維持した後、同一に熱重量分析を遂行して最初質量に対して気化されずに残っている質量の比率を%で表示して、その結果を表5に示した。前記%の数値が大きいほど前駆体が気化される前に分解された量が多いことを意味して、結果的に前記前駆体が熱に対して不安定であることを示す。
【0166】
【表5】

【0167】
表5を参照すると、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)とエチルメチルアミン(EMA)を含む前駆体造成物は、前記比較液1と比較して熱重量分析を遂行する時、より多い量が気化され、気化される前に、分解された量が少ないことがわかる。従って、エチルメチルアミン(EMA)と接触したテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)は、熱に対する安定性が向上されることがわかった。
【0168】
(実験例6)
前駆体造成物1、前駆体造成物2、及び比較液1を130℃で約1時間、約3時間、約6時間、約24時間、約72時間、160℃で約1時間、180℃で約1時間維持させ、熱重量分析(Thermalgravimetric Analysis、TGA)を遂行した。前記前駆体造成物1、前駆体造成物2、及び比較液1の全体重量に対して熱重量分析した後、気化されずに残った固体残留物の質量比率を%で表示して図23に示した。前記熱重量分析は、前記実験例5と実質的に同一の方法で行った。
【0169】
図23を参照すると、エチルメチルアミン(EMA)を含まない比較液1は、130℃で6時間維持させた場合、熱重量分析の際、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)の分解によって生成される固体残留物が多量に発生した。また、前記比較液1を、約160℃及び約180℃で1時間維持させた後、熱重量分析を遂行する場合、気化されずに残った固体残留物の量が前記前駆体造成物1及び2と比較して2倍以上多かった。
【0170】
図23を参照すると、前駆体造成物1及び前駆体造成物2は、130℃で6時間維持させた後、熱重量分析を遂行しても生成される固体残留物が急激に増加しなかった。また、約160℃ 及び約180℃で1時間維持させた後、熱重量分析を遂行した場合、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)の分解によって生成された固体残留物の量が急激に増加したが、比較液1と比較して相対的に少なく増加したことがわかる。一方、前駆体造成物1及び前駆体造成物2を比較すると、前駆体造成物2が熱重量分析遂行の時、固体残留物が相対的に少なく生成されることがわかった。
【0171】
(実験例7)
前駆体造成物12及び比較液2を約140℃、約160℃、約180℃、約200℃、約220℃で各々1時間維持させた後、熱重量分析を遂行した。前記前駆体造成物12及び比較液2の全体重量に対して熱重量分析した後、気化されずに残った固体残留物の質量比率を%で表示して図24に示した。前記熱重量分析は、前記実験例5と実質的に同一の方法で遂行された。
【0172】
図24を参照すると、テトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム(TEMAH)含む比較液2を220℃及び220℃で1時間維持させた後、熱重量分析を遂行するとき、前記前駆体造成物12と比較して約3倍及び1.5倍ほど多い固体残留物が生成された。これにより、エチルメチルアミン(EMA)と接触したテトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム(TEMAH)は、熱に対する安定性が向上されて容易に分解されないことがわかった。
【0173】
(実験例8)
前駆体造成物13及び比較液3を約130℃で、約3時間、約6時間、約12時間、約24時間、及び約48時間維持させた後、熱重量分析を遂行した。前記前駆体造成物13及び比較液3の全体重量に対して熱重量分析した後、気化されずに残った固体残留物の質量比率を%で表示して図25に示した。前記熱重量分析は、前記実験例5と実質的に同一の方法で遂行された。
【0174】
図25を参照すると、前駆体造成物13は、130℃で、約3時間、約6時間、約12時間、約24時間維持させた後、熱中量分析を遂行したとき、固体残留物が発生せず、全部気化された。反面、テトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム(TEMAH)とテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)のみを含む比較液3の場合、130℃で6時間以上維持させた後、熱重量分析を遂行する場合、固体残留物が発生した。これにより、前駆体造成物が2つの前駆体を含む場合にもエチルメチルアミン(EMA)が効果的に前駆体の熱的安定性を向上させることがわかった。
【0175】
(実験例9)
前駆体造成物1に対して、水素核磁気共鳴(1HNMR)分光法を遂行した。前駆体造成物1を常温で維持させた後、水素核磁気共鳴(1HNMR)分光法を遂行した後、その結果を図26に示した。また、前駆体造成物1を130℃で72時間維持させた後、水素核磁気共鳴(1HNMR)分光法を遂行した後、その結果を図27に示した。重水素ベンゼン(C66)を溶媒として使用し、300MHZの核磁気共鳴装置を使用して分析した。
【0176】
図26を参照すると、前記常温で維持させた前駆体造成物1の核磁気共鳴スペクトルは、δ3.22−3.27(2H、q、HCH2、A)、2.98(3H、s、NCH3、B)、1.14−1.17(3H、t、−CH3、C)、2.83−2.42(2H、m、NCH2−、D)、2.22−2.24(3H、d、NCH3、E)、0.93−0.97(3H、t、−CH3、F)を示す。即ち、前駆体造成物1で、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)の水素核磁気共鳴スペクトルとエチルメチルアミン(EMA)の水素核磁気共鳴スペクトルが各々個別的に示された。これにより、前駆体造成物1で、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)とエチルメチルアミン(EMA)が反応して化合物を形成することではなく、混合物状態を維持することがわかった。
【0177】
一方、図27を参照すると、前駆体造成物1が、130℃で72時間経過した後にも、水素核磁気共鳴スペクトルが図26と略同一に示された。従って、前記前駆体造成物1に含まれたテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)が分解されないことがわかった。
【0178】
(実験例10)
テトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム(TEMAH)、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)、トリス−エチルメチルアミノ−シラン(tris−ethylmethlyamino−silane、SiH(NC25CH33、 TEMASi)、及びエチルメチルアミン(EMA)を約1:1:1:1のモル比で含む前駆体造成物15を製造した。前記前駆体造成物15を常温で維持させた後、水素核磁気共鳴(1HNMR)分光法を遂行し、その結果を図28に示した。
【0179】
前記前駆体造成物15を約100℃及び130℃で、各々1時間維持させた後、水素核磁気共鳴(1HNMR)分光法を遂行して、その結果を図29に示した。
【0180】
図28を参照すると、前駆体造成物15の水素核磁気共鳴スペクトルで、テトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム(TEMAH)、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)、トリス−エチルメチルアミノ−シラン(tris−ethylmethlyamino−silane、SiH(NC25CH33、TEMASi)、及びエチルメチルアミン(EMA)の水素核磁気共鳴スペクトルが各々個別的に示された。これにより、前駆体造成物15で、各々の物質が反応して化合物を形成することではなく、混合状態を維持することがわかった。
【0181】
また、図29を参照すると、前駆体造成物15を約100℃及び130℃で、各々1時間ずつ維持させた後の水素核磁気共鳴スペクトルと常温状態の前駆体造成物15の水素核磁気共鳴スペクトルが同一に示された。これにより、前駆体造成物15に含まれた前駆体が、100℃及び130℃で分解されなかったことがわかった。
【0182】
(実験例11)
前駆体造成物15を130で1時間維持させた後、熱重量分析を遂行し、その結果を図30に示した。前記熱重量分析は、30℃から始め、10℃/分の比率で約400℃まで温度を上昇させつつ遂行した。
【0183】
図30を参照すると、前駆体造成物15は、熱重量分析の結果、全体造成物の総99.5重量%が気化され、約0.05重量%が気化される前に分解された。これにより、前記前駆体造成物15に含まれた前駆体が高温でも非常に安定して、気化される前に、ほぼ分解されないことがわかった。従って、前記エチルメチルアミン(EMA)を含む前駆体造成物15の前駆体であるテトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム(TEMAH)及びテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)の熱に対する安定性を向上させることがわかった。
【0184】
(実験例12)
気化されたテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)を通過させたガスラインと気化されたエチルメチルアミン(EMA)と気化されたテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)を通過させたガスラインを肉眼で観察して、ガスラインの表面の沈殿生成による変色程度を観察した。
【0185】
テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)をキャリアガスでバブリングして、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)を気化させた。気化されたテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)をキャリアガスと共に約1m程度の長さを有し、温度が各々約100℃、約150℃、約200℃、及び約250℃程度のガスラインを通過させた後、前記ガスラインの内壁を肉眼で観察して、沈殿生成有無を確認した。また、前記と同一の条件で、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)とエチルメチルアミン(EMA)を、各々キャリアガスでバブリングして気化させた後、前記ガスラインに気体状態のテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)と気体状態のエチルメチルアミン(EMA)を約1:1のモル比で、共に通過させた場合と、約1:17のモル比と共に通過させた場合、前記ガスラインの内壁を肉眼で観察して、沈殿生成有無を確認した。
【0186】
気体状態のテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)のみを通過させたガスラインでは、約150℃からガスラインの表面に沈殿が蒸着された。しかし、気体状態のテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)と気体状態のエチルメチルアミン(EMA)を共に通過させた場合、約250℃程度からガスラインの表面に沈殿が蒸着された。従って、気体状態のエチルメチルアミン(EMA)は、気体状態のテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)の熱的安定性を向上させることがわかった。
【0187】
[前駆体の蒸着速度の評価]
(実験例13)
電子供与化合物によって安定化された前駆体で原子層積層工程を遂行して、膜の形成速度を評価した。前駆体としてテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)を使い、電子供与化合物としては、前記前駆体のリガンドと同一のエチルメチルアミン(EMA)を使った。
【0188】
テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)を含むキャニスターを約80℃に、エチルメチルアミン(EMA)を含むキャニスターは約20℃に設定し、チャンバーの温度は約340℃に設定した。テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)とエチルメチルアミン(EMA)を各々バブリングシステムで気化させた後、キャリアガスで約1000sccmの流量のアルゴンガスを使って、気体状態のテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)と気体状態のエチルメチルアミン(EMA)チャンバー内に、同時に同一流量を、同一時間の間に流入した。原子層積層工程の蒸着サイクルに従って膜の厚さを確認し、これを図31に図示した。また、同じ条件下で、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)のみを使って、原子層積層工程を遂行した後、原子層積層工程の蒸着サイクルによる膜の厚さを確認し、図31に図示した。
【0189】
図31を参照すると、エチルメチルアミン(EMA)によって、安定化されたテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)を使った場合、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)のみをを使った場合と比較して、同一サイクル遂行の時より厚い膜が形成された。従って、エチルメチルアミン(EMA)とテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)をチャンバー内に、一緒に流入して、原子層積層工程を遂行する場合、蒸着速度が向上することが分かる。
【0190】
[段差塗布性評価]
(実験例14)
電子供与化合物によって安定化された前駆体を使って、薄膜を形成するときの薄膜の段差塗布性を評価した。前駆体としてテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)を使い、電子供与化合物としては、前記前駆体のリガンドと同じエチルメチルアミン(EMA)を使った。
【0191】
テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)を含むキャニスターを約80℃で、エチルメチルアミン(EMA)を含むキャニスターは約20℃に設定し、チャンバーの温度は約340℃に設定した。テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)とエチルメチルアミン(EMA)を各々バブリングシステムで気化させた後、キャリアガスで約1000sccmの流量のアルゴンガスを使って、気体状態のテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)と気体状態のエチルメチルアミン(EMA)をチャンバー内に同時に8秒間流入した。この後、ジルコニウムに結合したリガンドを置換できる反応物質でオゾン(O3)を流入して、約20:1程度の縦横比(aspect ratio)を有するシリンダー形状の下部電極上にジルコニウム酸化膜を形成した。また、前記のような条件で、エチルメチルアミン(EMA)をチャンバーに導入せずにテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)のみを使って、シリンダー形状の下部電極上にジルコニウム酸化膜を含む誘電膜2を形成した。誘電膜1と誘電膜2の走査顕微鏡写真(SEM)を図32及び図33に図示した。
【0192】
図32及び図33を参照すると、図32では、下部電極の上面の誘電膜の厚さを約14.79nmで、下部電極の下部の誘電膜の厚さは12.45nmで、下部電極の上部及び下部に大体均一な厚さを有する誘電膜が形成された。図33では、下部電極の上面の誘電膜の厚さは約14.01nmで、下部電極の下部の誘電膜の厚さは約10.32nm程度で、下部電極上の誘電膜の厚さが均一でないことが分かった。従って、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)が、エチルメチルアミン(EMA)によって、安定化される場合、均一な厚さの膜を形成できることがわかった。
【0193】
一方、誘電膜1は、前記下部電極の底面まで形成されているが、誘電膜2の場合、下部電極の底面に膜が形成されなかった。従って、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)が、エチルメチルアミン(EMA)によって安定化される場合、段差塗布性が向上された膜を形成できることがわかった。
【0194】
[漏洩電流特性評価]
(実験例15)
実験例14と実質的に同じ方法を使って、誘電膜1及び誘電膜2を形成した。前記誘電膜1及び誘電膜2に対して、約4V以下の電圧を繰り返して印加しつつ、漏洩電流を測定した。前記漏洩電流の量が急激に増加するまで電圧が印加された回数を測定し、その結果を表6に示した。
【0195】
下記の表6を参照すると、気体状態のテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)と気体状態のエチルメチルアミン(EMA)を同時に導入して形成された誘電膜1の場合、50回以上電圧を印加しても漏洩電流が大きく増加しなかった。しかし、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)のみを流入して形成された誘電膜2の場合、7回以上電圧が印加される場合、漏洩電流の量が急激に増加した。
【0196】
従って、エチルメチルアミン(EMA)により安定化されたテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)を使って、誘電膜を形成する場合、誘電膜の電気的特性が向上することが分かる。
【0197】
(実験例16)
前駆体組成物1及び比較液1を使って、誘電膜3及び誘電膜4を形成した後、前記誘電膜3及び4の漏洩電流特性を評価した。
【0198】
前駆体組成物1を含むキャニスターは、約20℃に設定し、チャンバーの温度は約340℃に設定した。前駆体組成物1をバブリングシステムで気化させた後、キャリアガスで約1,000sccmの流量のアルゴンガスを使って、約8秒間気化された前駆体組成物1をチャンバー内に流入した。この後、ジルコニウムに結合したリガンドを置換できる反応物質にオゾン(O3)を流入して、約20:1程度の縦横比(aspect ratio)を有するシリンダー形状の下部電極上にジルコニウム酸化物を含む誘電膜3を形成した。前駆体組成物1の代わりに比較液1を使った点を除いて実質的に同じ方法を使って、誘電膜4を製造した。
【0199】
誘電膜3及び誘電膜4に対して、約4V以下の電圧を繰り返して印加しつつ、漏洩電流を測定した。前記漏洩電流の量が急激に増加するまで電圧が印加された回数を測定して、その結果を表6に示した。
【0200】
下記の表6を参照すると、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)とエチルメチルアミン(EMA)を約1:1のモル比で含む前駆体組成物1を使って形成された誘電膜1の場合、20回以上電圧を印加しても漏洩電流が大きく増加しなかった。しかし、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)のみを含む比較液1を使って形成された誘電膜4の場合、11回の電圧が印加される場合、漏洩電流の量が急激に増加した
【0201】
従って、エチルメチルアミン(EMA)とテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)を含む前駆体組成物を使って、誘電膜を形成する場合、誘電膜の電気的特性が向上することが分かる。
【0202】
(実験例17)
3種類の前駆体を使って、誘電膜を形成した後、誘電膜の漏洩電流特性を評価した。
【0203】
テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)及びテトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム(TEMAH)を、約2:1のモル比で混合した混合物を含むキャニスターを約80℃ に、トリス−エチルメチルアミノ−シラン(TEMASi)、を含むキャニスターを約120℃、エチルメチルアミン(EMA)を含むキャニスターは約20℃に設定し、チャンバーの温度は約280℃に設定した。
【0204】
テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)及びテトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム(TEMAH)を含む混合物及びエチルメチルアミン(EMA)を各々バブリングシステムで気化させた後、キャリアガスで約1000sccmの流量のアルゴンガスを使って、気体状態の前記混合物と気体状態のエチルメチルアミン(EMA)をチャンバー内に、同時に8秒間流入した。この後、トリス−エチルメチルアミノ−シラン(TEMASi)をバブリングシステムで気化させた後、キャリアガスで約1000sccmの流量のアルゴンガスを使って、気体状態のトリス−エチルメチルアミノ−シラン(TEMASi)を前記チャンバーに約2秒間流入した。
【0205】
この後、ジルコニウム、ハフニウム、及びシリコンに結合したリガンドを置換できる反応物質でオゾン(O3)を流入して、約20:1程度の縦横比(aspect ratio)を有するシリンダー形状の下部電極上にジルコニウム−ハフニウム−シリケートを含む誘電膜5を形成した。一方、エチルメチルアミン(EMA)を使わなかった点を除いて、誘電膜5の形成方法と実質的に同じ方法を使って、誘電膜6を形成した。
【0206】
誘電膜5及び誘電膜6に対して、約4V以下の電圧を繰り返して印加しつつ、漏洩電流を測定した。前記漏洩電流の量が急激に増加するまで電圧が印加された回数を測定して、その結果を表6に示した。
【0207】
下記の表6を参照すると、気体状態のテトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(TEMAZ)及びテトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム(TEMAH)と気体状態のエチルメチルアミン(EMA)を同時に導入して形成された誘電膜5の場合、50回以上、電圧を印加しても漏洩電流が大きく増加しなかった。しかし、気体状態のエチルメチルアミン(EMA)を導入せずに形成された誘電膜6の場合、18回の電圧が印加される場合、漏洩電流の量が急激に増加した。
【0208】
従って、多数の金属化合物を含む誘電膜を形成する場合、複数の前駆体とともにエチルメチルアミン(EMA)を使う場合、電気的特性が向上された誘電膜を形成できることがわかった。
【0209】
【表6】

【0210】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特徴請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0211】
前述のように、本発明の実施例による電子供与化合物によって安定化された前駆体は、熱的安定性が優秀である。すなわち、電子供与化合物によって安定化された前駆体は高い温度で簡単に分解されない。従って、段差がある対象体上に前記電子供与化合物によって、安定化された前駆体を使って、薄膜を形成する場合、前駆体が気化された状態を長く維持できて、開口またはリセスなどの下部まで気化された前駆体が均一に拡散することができる。その結果、段差がある対象体上に均一な厚さを有する膜を容易に形成することができる。従って、安全性、効率性及び信頼性が向上した半導体装置を製造することができる。
【符号の説明】
【0212】
10:チャンバー、20、100:基板、12:第1ガス供給ライン、14:第2ガス供給ライン、30:電子供与化合物によって安定化された前駆体、32:前駆体、34:電子供与化合物、40:予備第1層、50:反応物質、60:第1膜、102:素子分離膜、104:ゲート絶縁膜、104a:ゲート絶縁膜パターン、106:ポリシリコン膜、106a:ポリシリコン膜パターン、108:金属シリサイド膜、108a:金属シリサイド膜パターン、110:ゲート導電膜、110a:ゲート導電膜パターン、112:キャッピング絶縁膜、112a:ゲート絶縁膜パターン、115:ゲート構造物、120:ソース/ドレーン領域、222:コンタクトプラグ、224:層間絶縁膜パターン、226:コンテックホール、232:第1導電膜、240:下部電極、250:誘電膜、260:上部電極、270:キャパシタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心金属及び前記中心金属に結合されたリガンドを含む前駆体と電子供与化合物とを接触させて、安定化された前駆体を基板上に提供する段階と、
前記前駆体の前記中心金属と結合を形成できる反応物質を前記基板上に導入する段階と、
を含む薄膜形成方法。
【請求項2】
前記電子供与化合物は、水、炭素数が1〜10のアルコール化合物、炭素数が2〜10のエーテル化合物、炭素数が3〜10のケトン化合物、炭素数が6〜12のアリール化合物、炭素数が3〜15のアリル化合物、炭素数が4〜15のジエン化合物、炭素数が5〜20のβ−ジケトン化合物、炭素数が5〜20のβ−ケトイミン化合物、炭素数が5〜20のβ−ジイミン化合物、アンモニア、及び炭素数が1〜10のアミン化合物からなるグループから選択された少なくとも何れかの1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成方法。
【請求項3】
前記中心金属は、リチウム(Li)、ベリリウム(Be)、ホウ素(B)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、チタニウム(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ルビジウム(Rb)、ストロンチウム(Sr)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオビウム(Nb)、モルリブデニュム(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、インジウム(In)、錫(Sn)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、セシウム(Ce)、バリウム(Ba)、ランタン(La)、ランタニド(Ln)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)、タリウム(Tl)、水銀(Hg)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、ポロニウム(Po)、フランシウム(Fr)、ラジウム(Ra)、アクチニウム(Ac)、またはアクチニド(An)からなるグループから選択された何れかの1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成方法。
【請求項4】
前記中心金属は、ジルコニウムまたはハフニウムを含み、
前記電子供与化合物は、炭素数が1〜10の一次アミン、二次アミン、または三次アミンを含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成方法。
【請求項5】
前記電子供与化合物は、前記中心金属がジルコニウムまたはハフニウムである前記前駆体と接触して、
前記安定化された前駆体は、下記構造式で表示される有機金属前駆体を形成することを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成方法。
【化1】

(前記構造式において、Mは、ジルコニウムまたはハフニウムを示し、L1〜L4は独立的にフルオロ(F-)、クロロ(Cl-)、ブロモ(Br-)、ヨード(I-)、炭素数が1〜10のアルコキシ、炭素数が6〜12のアリール、炭素数が3〜15のアリル、炭素数が4〜15のジエニル、炭素数が5〜20のβ−ジケトナート、炭素数が5〜20のβ−ケトイミナト、炭素数が5〜20のβ−ジイミナト、炭素数が1〜10のアルキル、ヒドロキシ、アンミン(NH3)、炭素数が1〜10のアミン、アミド(NH2)、または、炭素数が1〜10のアルキルに置換されたアミドであり、R1及びR2は独立的にフッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、水、炭素数が1〜10のアルコール、炭素数が2〜10のエーテル化合物、炭素数が3〜10のケトン化合物、炭素数が6〜12のアリール化合物、炭素数が3〜15のアリル化合物、炭素数が4〜15のジエン化合物、炭素数が5〜20のβ−ジケトン化合物、炭素数が5〜20のβ−ケトイミン化合物、炭素数が5〜20のβ−ジイミン化合物、アンモニア、炭素数が1〜10のアミン化合物を示す。)
【請求項6】
前記前駆体は、テトラキス−エチルメチルアミド−ジルコニウム(Zr(NCH3254)、テトラキス−エチルメチルアミド−ハフニウム(Hf(NCH3254)、テトラキス−ジエチルアミド−ジルコニウム(Zr(N(C2524)、テトラキス−ジエチルアミド−ハフニウム(Hf(N(C2524)、テトラキス−ジメチルアミド−ジルコニウム(Zr(N(CH324)、テトラキス−ジメチルアミド−ハフニウム(Hf(N(CH324)、テトラキス−エチルジメチルアミン−ジルコニウム(Zr(N(CH32254)、テトラキス−エチルジメチルアミン−ハフニウム(N(CH32254)、テトラキス−ジエチルメチルアミン−ジルコニウム(Zr(N(C252CH34)、テトラキス−ジエチルメチルアミン−ハフニウム(Hf(N(C252CH34)、テトラキス−トリエチルアミン−ジルコニウムZr(N(C2534)、またはテトラキス−トリエチルアミン−ハフニウム(Hf(N(C2534)からなるグループから選択された少なくとも何れかの1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成方法。
【請求項7】
前記前駆体は、第1金属を含む第1前駆体と、前記第1金属と異なる第2金属を含む第2前駆体と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成方法。
【請求項8】
前記安定化された前駆体を前記基板上に提供する段階は、
前記前駆体及び前記電子供与化合物を混合して、前駆体組成物を製造する段階と、
前記前駆体組成物を気化させて、前記基板上に提供する段階と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成方法。
【請求項9】
前記安定化された前駆体を前記基板上に提供する段階は、
前記基板上に前記前駆体を流入する段階と、
前記基板上に前記電子供与化合物を流入する段階と、
前記前駆体と前記電子供与化合物を接触させる段階と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成方法。
【請求項10】
中心金属及び前記中心金属に結合したリガンドを含む前駆体と電子供与化合物とを接触させ、安定化された前駆体を基板上に提供する段階と、
前記前駆体の前記中心金属と結合を形成できる反応物質を前記基板上に提供して、前記基板上にゲート絶縁膜を形成する段階と、
前記ゲート絶縁膜上にゲート導電膜を形成する段階と、
前記ゲート絶縁膜及び前記ゲート導電膜をエッチングして、ゲートパターンを形成する段階と、
を含むゲート構造物の製造方法。
【請求項11】
基板上に下部電極を形成する段階と、
中心金属および前記中心金属に結合したリガンドを含む前駆体と電子供与化合物とを接触させ、安定化された前駆体を前記下部電極が形成された前記基板上に提供する段階と、
前記下部電極が形成された前記基板上に前記前駆体の前記中心金属と結合を形成できる反応物質を提供して、前記下部電極上に誘電膜を形成する段階と、
前記誘電膜上に上部電極を形成する段階と、
を含むキャパシタの製造方法。
【請求項12】
中心金属と、前記中心金属に結合したリガンドを含む前駆体及び前記前駆体に電子を提供して前記前駆体を安定化させることができる電子供与化合物と、
を含む薄膜蒸着用前駆体造成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2010−50457(P2010−50457A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−189956(P2009−189956)
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】