説明

半導体装置の製造方法

【課題】ヒューズ配線部の開口工程において、ヒューズ配線にダメージを与えて誤切断してしまうことを防ぐ。
【解決手段】ヒューズ配線6上の開口部17下にて、SiCN膜からなる保護膜11とプラズマCVD法によって成膜された窒化シリコン膜または酸化シリコン膜からなる保護膜18とが積層された構造を形成することにより、ヒューズ配線6上のシード膜23およびバリア導電膜22をウエットエッチングする際の洗浄液のヒューズ配線6への浸入を保護膜18にて防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造技術に関し、特に、ヒューズ配線を備えた半導体装置の製造工程に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2006−73891号公報(特許文献1)には、メモリ部救済用の金属製のヒューズ配線上にSiCN膜、ビア層間絶縁膜およびパッシベーション膜を形成後、パッシベーション膜をエッチングで除去し、次いでビア層間絶縁膜をエッチバックして除去することによって、ヒューズ配線上にはSiCN膜のみが備えられた構造を形成し、LT法での歩留まり低下を防止し、ヒューズ部構造の信頼性を確保する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2006−73891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電子機器の小型・軽量化に伴い、半導体装置のパッケージについても薄型化や小型・軽量化が求められている。CSP(Chip Size Package)は、半導体チップ(以下、単にチップと記す)のサイズと同等またはわずかに大きいパッケージの総称であり、小型・軽量化を実現できる上、内部の配線長を短くすることができるので、信号遅延や雑音等を低減できるパッケージ構造として実用化されている。
【0004】
このようなCSPの製造技術として、ウエハプロセスパッケージ(Wafer Process Package;以下、WPPと略す)技術がある。この技術は、ウエハプロセスを経て半導体ウエハ(以下、単にウエハと記す)に形成された複数のチップを、ウエハの状態のまま一括して樹脂封止した後、そのウエハから個々の半導体装置を切り出す技術である。この技術においては、製造工程を簡略化でき、製造コストを低減でき、さらに、CSPを大幅に小型化することができるという優れた特徴がある。
【0005】
WPP技術においては、チップ表面のボンディングパッドと実装基板表面のボンディングパッドとをボンディングワイヤを用いて電気的に接続するのではなく、チップ表面のボンディングパッドと電気的に接続するバンプ電極をチップ表面にエリア配置し、このバンプ電極を実装基板表面のボンディングパッドと接続することによって、チップ表面のボンディングパッドと実装基板表面のボンディングパッドとを電気的に接続している。
【0006】
本発明者は、上記WPP技術によってSRAMを含むチップの製造技術について検討しており、特に冗長救済のためのヒューズ配線の製造技術について検討している。その中で、本発明者は、以下のような課題を見出した。この課題について図16を用いて説明する。
【0007】
図16に示すように、本発明者が検討したヒューズ配線101は、絶縁膜に形成した配線形成用の溝102にCu(銅)またはCu合金を埋め込んで形成したものであり、同じ配線層の配線103と同じ工程で形成したものである。配線103が形成された溝104の底部には下層の配線105に達する接続孔106が形成されており、溝104を埋め込むCuまたはCu合金が接続孔106も埋め込むことによって、配線103は下層の配線105と接続する構造となっている。ヒューズ配線101および配線103が形成された配線層上には、SiCN膜107および酸化シリコン膜108を介して配線109が形成され、配線109とその下部の配線103とは、プラグ110を介して電気的に接続されている。配線109上には酸化シリコン膜111および窒化シリコン膜112が形成されている。さらに、上層に配線の形成されていないヒューズ配線102上では、ヒューズ配線102を保護するSiCN膜107を残し、窒化シリコン膜112、酸化シリコン膜111および酸化シリコン膜108が除去されている。SiCN膜107でヒューズ配線102を保護するのは、配線のエレクトロマイグレーションや径時絶縁破壊(Time Dependent Dielectric Breakdown;TDDB)を防止するという目的があるからである。また、配線109上の窒化シリコン膜112および酸化シリコン膜111には、配線109に達する開口部113が形成されている。
【0008】
上記開口部113が形成された窒化シリコン膜112上では、ポリイミド膜114がパターニングされ、このポリイミド膜114には、配線109に達する開口部115が設けられている。この開口部115上(開口部115内を含む)には、窒化チタン膜からなるバリア導電性膜116およびCu膜からなるシード膜117を介して、下層からCu膜118およびNi(ニッケル)膜119を積層してなるボンディングパッド120が形成されている。なお、図示は省略するが、ボンディングパッド120上には、チップ実装用のバンプ電極が設けられる。
【0009】
ここで、SiCN膜107は、膜質が有孔性である。そのため、ヒューズ配線102上の窒化シリコン膜112、酸化シリコン膜111および酸化シリコン膜108を除去する際のエッチング処理、およびポリイミド膜114のパターニング時のアッシング処理によって、ヒューズ配線102上のSiCN膜107に物理的にダメージが加えられ、さらにバリア導電性膜116およびシード膜117の成膜前のスパッタエッチング処理によって、そのダメージが進行する。ボンディングパッド120の形成後に、ボンディングパッド120下のバリア導電性膜116およびシード膜117を残し、それ以外のバリア導電性膜116およびシード膜117をウエットエッチング処理によって除去するが、その際に用いるメタルエッチング洗浄液がそのSiCN膜107のダメージ部に浸入してしまうことになる。さらにそのダメージ部から浸入したメタルエッチング洗浄液は、SiCN膜107を透過してヒューズ配線101に達し、ヒューズ配線101をエッチングしてしまい、ヒューズ配線101を切断してしまうことになる。その結果、冗長救済のための切断が行われないはずのヒューズ配線101が切断されてしまった場合には、誤切断による製造歩留まりの低下を招く課題が生じる。
【0010】
本発明の目的は、ヒューズ配線部の開口工程において、ヒューズ配線にダメージを与えて誤切断してしまうことを防ぐことのできる技術を提供することにある。
【0011】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0013】
(1)本発明による半導体装置の製造方法は、
(a)半導体基板上に第1配線およびヒューズ配線を含む第1配線層を形成する工程、
(b)前記第1配線層上に絶縁性かつ膜質が有孔性の第1保護膜を形成する工程、
(c)前記第1保護膜上に第1絶縁膜を形成する工程、
(d)前記ヒューズ配線上の前記第1絶縁膜をエッチングし除去する工程、
(e)前記(d)工程後、前記半導体基板上に絶縁性かつ膜質が前記第1保護膜より緻密な第2保護膜を形成する工程、
(f)前記第2保護膜上に第2絶縁膜を形成し、前記第2絶縁膜をパターニングする工程、
(g)前記(f)工程後、前記半導体基板上に第1導電性膜を成膜する工程、
(h)前記第1導電性膜上にて、前記第1導電性膜を介して前記第1配線と電気的に接続する第2配線を形成する工程、
(i)前記第2配線をマスクとして前記第1導電性膜をウエットエッチングする工程、
を含み、
前記(i)工程によって、前記ヒューズ配線上の前記第1導電性膜は除去されるものである。
【0014】
(2)また、本発明による半導体装置の製造方法は、
(a)半導体基板上に第1配線およびヒューズ配線を含む第1配線層を形成する工程、
(b)前記第1配線層上に絶縁性かつ膜質が有孔性の第1保護膜を形成する工程、
(c)前記第1保護膜上に絶縁性かつ膜質が前記第1保護膜より緻密な第2保護膜を形成する工程、
(d)前記第2保護膜上に第1絶縁膜を形成する工程、
(e)前記ヒューズ配線上の前記第1絶縁膜をエッチングし除去する工程、
(f)前記(e)工程後、前記半導体基板上に第2絶縁膜を形成し、前記第2絶縁膜をパターニングする工程、
(g)前記(f)工程後、前記半導体基板上に第1導電性膜を成膜する工程、
(h)前記第1導電性膜上にて、前記第1導電性膜を介して前記第1配線と電気的に接続する第2配線を形成する工程、
(i)前記第2配線をマスクとして前記第1導電性膜をウエットエッチングする工程、
を含み、
前記(i)工程によって、前記ヒューズ配線上の前記第1導電性膜は除去されるものである。
【発明の効果】
【0015】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0016】
ヒューズ配線部の開口工程において、ヒューズ配線にダメージを与えて誤切断してしまうことを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0018】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
【0019】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、実施例等において構成要素等について、「Aからなる」、「Aよりなる」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。
【0020】
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0021】
また、材料等について言及するときは、特にそうでない旨明記したとき、または、原理的または状況的にそうでないときを除き、特定した材料は主要な材料であって、副次的要素、添加物、付加要素等を排除するものではない。たとえば、シリコン部材は特に明示した場合等を除き、純粋なシリコンの場合だけでなく、添加不純物、シリコンを主要な要素とする2元、3元等の合金(たとえばSiGe)等を含むものとする。
【0022】
また、本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
(実施の形態1)
本実施の形態1の半導体装置の製造工程について、図1〜図9を用いて説明する。
【0025】
まず、図1に示すように、半導体基板(以下、単に基板と記す)1の主面にSRAM(Static Random Access Memory)等の半導体素子を形成する。
【0026】
上記半導体素子の形成後、半導体素子が形成された基板1上に上記半導体素子と電気的に接続する配線2を形成する。この配線2は、たとえば基板1上に堆積された酸化シリコン膜等からなる層間絶縁膜3に配線形成用の溝4を形成し、この溝4にCuまたはCu合金を主成分とする導電性膜を埋め込み、溝4外の導電性膜をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法等によって除去することで形成することができる。また、その導電性膜を堆積する前には、溝4内を含む層間絶縁膜3上にTi(チタン)、TiN(窒化チタン)、Ta(タンタル)またはTaN(窒化タンタル)等からなる薄い単層膜または積層膜を堆積して、層間絶縁膜中へのCuの拡散を防ぐバリア導電性膜を形成する。
【0027】
次に、配線2が形成された配線層の上層に配線(第1配線)5およびヒューズ配線6を形成する。配線5およびヒューズ配線6は、同一の配線層(第1配線層)で形成され、それぞれ配線2を含む下層の配線と接続しているが、図1においては、ヒューズ配線6と下層の配線との接続状況の図示は省略している。本実施の形態1において、これら配線5およびヒューズ配線6は、前述の配線2と同様にCuまたはCu合金を主導電層とするものであり、前記層間絶縁膜3と同様の層間絶縁膜7に形成した配線形成用の溝9にCuまたはCu合金を主成分とする導電性膜を埋め込むことで形成する。また、溝9の底部の層間絶縁膜8には、下層の配線2に達する接続孔10を形成し、溝9および接続孔10を一括して前記導電性膜で埋め込むことで、配線5は、下層の配線2と接続するプラグも備えた構造とすることができる。
【0028】
図1中では、1つのヒューズ配線6のみ図示しているが、実際には一定の間隔毎に複数形成されるものである。ヒューズ配線6は、図1では図示されていない配線を介して冗長救済回路に電気的に接続され、特定のヒューズ配線6を切断することによって、欠陥メモリセルを選択するアドレス信号を、冗長救済用のメモリセルに対応するアドレス信号に変える。
【0029】
次に、基板1上に、膜厚170nm程度のSiCN膜を堆積し、ヒューズ配線6を保護する保護膜(第1保護膜)11を形成する。また、保護膜11は、CuまたはCu合金を主導電層とする配線5およびヒューズ配線6からCuが層間絶縁膜7、8や上層の層間絶縁膜等へ拡散してしまうのを防ぐキャップ絶縁膜としても機能する。配線5およびヒューズ配線6のキャップ絶縁膜としてSiCN膜からなる保護膜11を用いることにより、たとえばSiN膜を保護膜11とした場合に比べて、保護膜11の経時絶縁破壊(TDDB;Time Dependent Dielectric Breakdown)耐性と、配線5およびヒューズ配線6のエレクトロマイグレーション耐性とを向上することができる。
【0030】
続いて、たとえばプラズマCVD法にて保護膜11上に酸化シリコン膜(第1絶縁膜)12を堆積する。次いで、フォトリソグラフィ技術によりパターニングされたフォトレジスト膜(図示は省略)をマスクとして酸化シリコン膜12および保護膜11をドライエッチングし、配線5に達する接続孔を形成し、さらにその接続孔内にプラグ13を形成する。プラグ13は、Ti膜、TiN膜またはそれらの積層膜をバリア導電膜として接続孔内を含む酸化シリコン膜12上に堆積し、次いでW(タングステン)膜で接続孔内を埋め込んだ後に、接続孔外のW膜およびバリア導電膜をCMP法等で除去することによって形成することができる。
【0031】
次に、プラグ13と接続する配線(第3配線)14を形成する。配線14は、たとえばAl(アルミニウム)を主導電層とするもので、主導電層となるAl膜の上下をTi膜およびTiN膜の積層膜からなるバリア導電膜で挟んだ構造とするものである。このような配線は、下のバリア導電膜、Al膜および上のバリア導電膜を順次堆積した後に、これらの積層膜をフォトリソグラフィ技術によってパターニングされたフォトレジスト膜をマスクとしてドライエッチングすることで形成することができる。
【0032】
次に、上記配線14が形成された酸化シリコン膜12上に薄い酸化シリコン膜(第1絶縁膜、第3絶縁膜)15および窒化シリコン膜(第1絶縁膜、第3絶縁膜)16を順次堆積する。これら酸化シリコン膜15および窒化シリコン膜16は、たとえばプラズマCVDで成膜することができる。続いて、フォトリソグラフィ技術によってパターニングされたフォトレジスト膜をマスクとして、ヒューズ配線6上の窒化シリコン膜16、酸化シリコン膜15および酸化シリコン膜12をエッチングし、開口部17を形成する。この開口部17下では、ヒューズ配線6上の保護膜11が露出する。
【0033】
次に、プラズマCVD法によって基板1上に膜厚50nm程度の窒化シリコン膜または酸化シリコン膜を堆積し、ヒューズ配線6を保護する保護膜(第2保護膜)18を形成する。プラズマCVD法によって保護膜18を成膜することによって、保護膜18の膜質を緻密にすることができる。また、このような保護膜18を形成することによって、上記開口部17の形成時に開口部17下の保護膜11に生じたダメージを補うことができる。また、開口部17を形成する際のオーバーエッチング処理によってSiCN膜からなる保護膜11の膜厚が薄くなってしまうような場合でも、保護膜11上に保護膜18を成膜することによって、開口部膜17下では、保護膜11および保護膜18の総膜厚を調整することができる。
【0034】
また、保護膜18は、SiCN膜からなる保護膜11より薄くすることが好ましい。保護膜18を保護膜11より薄くすることによって、保護膜11のキャップ絶縁膜としての信頼性と、保護膜11の経時絶縁破壊(TDDB)耐性と、配線5およびヒューズ配線6のエレクトロマイグレーション耐性とを所望の状態に保つことができる。
【0035】
次に、図3に示すように、基板1上にフォトレジスト膜19を塗布する。続いて、そのフォトレジスト膜19をフォトリソグラフィ技術によりパターニングし、配線14上のフォトレジスト膜19を除去する。次いで、そのパターニングされたフォトレジスト膜(第2マスキング層)19をマスクとして保護膜18、窒化シリコン膜16および酸化シリコン膜15をドライエッチングし、配線14に達する開口部20を形成する。
【0036】
次に、図4に示すように、上記フォトレジスト膜19をアッシング(炭化処理)により除去する。ところで、SiCN膜からなる保護膜11は、プラズマCVD法によって成膜された窒化シリコン膜または酸化シリコン膜からなる上層の保護膜18に比べて空隙を多く含む膜質である。そのため、開口部17下に保護膜11が露出していると、保護膜11にアッシング時のダメージが生じ、保護膜11中の空隙が拡大してしまう虞があるが、保護膜11上はより緻密な膜質の保護膜18によって保護されていることから、保護膜11にアッシング時のダメージが生じてしまうことを防ぐことができる。
【0037】
続いて、基板1上に、感光性のポリイミド膜(第2絶縁膜)21を成膜する。続いて、そのポリイミド膜21を感光処理およびアッシング処理によってパターニングし、開口部17、20上のポリイミド膜21を除去する。前述したように、SiCN膜からなる保護膜11は、プラズマCVD法によって成膜された窒化シリコン膜または酸化シリコン膜からなる上層の保護膜18に比べて空隙を多く含む膜質であることから、開口部17下に保護膜11が露出していると、ポリイミド膜21のアッシング処理によって保護膜11にダメージが生じ、保護膜11中の空隙が拡大してしまう虞がある。そこで、本実施の形態1のように、保護膜11上をより緻密な膜質の保護膜18によって保護することによって、保護膜11にポリイミド膜21のアッシング処理時のダメージが生じてしまうことを防ぐことができる。
【0038】
次に、図5に示すように、基板1の表面に対してスパッタエッチング処理を施した後に、スパッタリング法により基板1上にTiN膜およびTi膜を順次堆積し、バリア導電膜(第1導電性膜)22を形成する。前述したように、SiCN膜からなる保護膜11は、プラズマCVD法によって成膜された窒化シリコン膜または酸化シリコン膜からなる上層の保護膜18に比べて空隙を多く含む膜質であることから、開口部17下に保護膜11が露出していると、バリア導電膜22の成膜前のスパッタエッチング処理によって保護膜11にダメージが生じ、保護膜11中の空隙が拡大してしまう虞がある。そこで、本実施の形態1のように、保護膜11上をより緻密な膜質の保護膜18によって保護することによって、保護膜11にスパッタエッチング処理時のダメージが生じてしまうことを防ぐことができる。
【0039】
続いて、上記バリア導電膜22上に、スパッタリング法によってCu膜を堆積し、シード膜(第1導電性膜)23を形成する。このシード膜23は、次の工程で開口部20上にめっき法で配線を形成する際のシード層となる。
【0040】
次に、図6に示すように、基板1上にフォトレジスト膜24を塗布する。続いて、そのフォトレジスト膜24をフォトリソグラフィ技術によりパターニングし、開口部20上のフォトレジスト膜24を除去する。次いで、そのパターニングされたフォトレジスト膜(第1マスキング層)24をマスクとした電解めっき法により、Cu膜25およびNi膜26を順次堆積し、Cu膜25およびNi膜26からなる配線(第2配線)27を形成する。Cu膜25は、シード膜23を負電極に固定した状態でCu用のめっき液に基板1を浸漬し、フォトレジスト膜24で覆われていない領域のシード膜23上にCu膜25を析出させることで堆積できる。また、Ni膜26は、シード膜23を負電極に固定した状態でNi用のめっき液に基板1を浸漬し、フォトレジスト膜24で覆われていない領域のシード膜23上にNi膜26を析出させることで堆積できる。
【0041】
次に、図7に示すように、アッシング処理によってフォトレジスト膜24を除去する。続いて、図8に示すように、配線27をマスクとしてシード膜23およびバリア導電膜22に対してウエットエッチング(洗浄)処理を施すことにより、配線27下のシード膜23およびバリア導電膜22を残し、それ以外のシード膜23およびバリア導電膜22を除去する。
【0042】
前述したように、SiCN膜からなる保護膜11は、プラズマCVD法によって成膜された窒化シリコン膜または酸化シリコン膜からなる上層の保護膜18に比べて空隙を多く含む膜質である。そのため、開口部17下において、保護膜11が保護膜18に覆われていないと、シード膜23およびバリア導電膜22のウエットエッチング時に用いた洗浄液が保護膜11を透過してヒューズ配線6に達し、ヒューズ配線6がエッチングされ、切断するヒューズ配線6とは異なるヒューズ配線6が切断されてしまった場合には、誤切断により製品の歩留まりが低下してしまう虞がある。
【0043】
一方、本実施の形態1によれば、開口部17下において、保護膜11がより緻密な膜質の保護膜18に覆われている。それにより、シード膜23およびバリア導電膜22のウエットエッチング時に用いた洗浄液が保護膜11に達してしまうことを防ぐことができる。その結果、ヒューズ配線6がその洗浄液によってエッチングされてしまうことを防ぐことができるので、ヒューズ配線6が誤切断されてしまう不具合を防ぐことができる。すなわち、ヒューズ配線6の誤切断による製品歩留まりの低下を防ぐことができる。
【0044】
次に、図9に示すように、基板1上に、感光性のポリイミド膜28を成膜する。続いて、そのポリイミド膜28を感光処理およびアッシング処理によってパターニングし、開口部17および配線27上のポリイミド膜28を除去する。この時、配線27上のポリイミド膜28には、開口部29が形成される。
【0045】
続いて、無電解めっき法により、開口部29下の配線27上にAu(金)膜30を形成する。次いで、はんだ印刷技術により基板1上にはんだペーストを印刷した後、リフロー処理によりはんだペーストを溶融および再結晶化させ、Au膜30上にバンプ電極31を形成する。そのはんだペーストとしては、たとえばSn(錫)、Ag(銀)およびCuから形成されたPb(鉛)フリーはんだを用いることができる。また、はんだペーストを用いる代わりに、予め球状に成形されたはんだボールを開口部29上に供給した後に、基板1に対してリフロー処理を施すことによってもバンプ電極31を形成することができる。なお、図9での図示とは異なるが、前記はんだペーストのリフロー処理によって、Au膜30は、バンプ電極31に拡散してなくなってしまう。
【0046】
ところで、実際の開口部29の配置間隔は、下層の開口部20の配置間隔より広く再配置してある。それにより、開口部20上に配線27および開口部29を再配置せずにバンプ電極31を形成する場合に比べて、バンプ電極31を搭載しやすくできる。すなわち、本実施の形態1によれば、狭ピッチでバンプ電極31を配置しなければならない場合でも、対応しやすくすることが可能となる。
【0047】
次に、ウエハ状態の基板1に区画された各チップ領域が所望の動作を行うか否かの検査を行う。たとえば、SRAMのメモリセルに欠陥が検出された場合には、そのメモリセルを有するメモリセル列(または行)を冗長救済用のメモリセル列(または行)に置き換えるように、所定のヒューズ配線6をレーザーにより切断する。前述したように、本実施の形態1によれば、開口部17を形成する際のオーバーエッチング処理によってSiCN膜からなる保護膜11の膜厚が薄くなってしまうような場合でも、保護膜11上に保護膜18を成膜することによって、保護膜11および保護膜18の総膜厚を調整することが可能となっている。そのため、開口部17下では、保護膜11および保護膜18の総膜厚を所望の値とすることができるので、レーザーによるヒューズ配線6の切断処理を安定させることができる。
【0048】
その後、ウエハ状態の基板1を区画されたチップ領域間のスクライブ(ダイシング)領域に沿って切断し、個々のチップに分割する。分割されたチップは、実装基板上にバンプ電極31を介して実装することができる。チップを実装基板上に配置した後、バンプ電極31をリフローし、次いでチップと実装基板との間にアンダーフィル樹脂を充填し、本実施の形態1の半導体装置を製造する。
【0049】
(実施の形態2)
次に、本実施の形態2の半導体装置の製造工程について、図10〜図12を用いて説明する。
【0050】
本実施の形態2の半導体装置の製造工程は、前記実施の形態1で説明した窒化シリコン膜16を成膜する工程(図1も参照)までは、前記実施の形態1と同様である。その後、図10に示すように、フォトリソグラフィ技術によってパターニングされたフォトレジスト膜をマスクとして、ヒューズ配線6および配線14上の窒化シリコン膜16、酸化シリコン膜15および酸化シリコン膜12をエッチングし、開口部17、20を形成する。この工程により、開口部17下ではヒューズ配線6上の保護膜11が露出し、開口部20下では配線14が露出する。
【0051】
次に、図11に示すように、プラズマCVD法によって基板1上に膜厚50nm程度の窒化シリコン膜または酸化シリコン膜を堆積し、ヒューズ配線6を保護する保護膜18を形成する。この時、保護膜18は、開口部20内にも堆積される。前記実施の形態1でも説明したように、プラズマCVD法によって保護膜18を成膜することによって、保護膜18の膜質を緻密にすることができる。また、このような保護膜18を形成することによって、上記開口部17の形成時に開口部17下の保護膜11に生じたダメージを補うことができる。また、開口部17を形成する際のオーバーエッチング処理によってSiCN膜からなる保護膜11の膜厚が薄くなってしまうような場合でも、保護膜11上に保護膜18を成膜することによって、開口部膜17下では、保護膜11および保護膜18の総膜厚を調整することができる。
【0052】
次に、図12に示すように、基板1上にフォトレジスト膜19を塗布する。続いて、そのフォトレジスト膜19をフォトリソグラフィ技術によりパターニングし、開口部20上のフォトレジスト膜19を除去する。次いで、そのパターニングされたフォトレジスト膜(第3マスキング層)19をマスクとして、開口部20下の保護膜18を異方的にドライエッチングし、開口部20を配線14に達するように拡張する。
【0053】
その後、前記実施の形態1において図4〜図9を用いて説明した工程と同様の工程を経て本実施の形態2の半導体装置を製造する。
【0054】
上記のような本実施の形態2によっても、前記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。たとえば、上記フォトレジスト膜19をアッシングにより除去する工程においては、開口部17下に保護膜11が露出していると、空隙を多く含む膜質である保護膜11(SiCN膜)にアッシング時のダメージが生じ、保護膜11中の空隙が拡大してしまう虞があるが、保護膜11上はより緻密な膜質の保護膜18によって保護されていることから、保護膜11にアッシング時のダメージが生じてしまうことを防ぐことができる。また、保護膜11がより緻密な膜質の保護膜18に覆われている状態を保つことができるので、以降の配線27をマスクとしたシード膜23およびバリア導電膜22のウエットエッチング(洗浄)処理時(前記実施の形態1および図8参照)において、洗浄液が保護膜11に達してしまうことを防ぐことができる。その結果、ヒューズ配線6がその洗浄液によってエッチングされてしまうことを防ぐことができるので、ヒューズ配線6が誤切断されてしまう不具合を防ぐことができる。すなわち、ヒューズ配線6の誤切断による製品歩留まりの低下を防ぐことができる。
【0055】
(実施の形態3)
次に、本実施の形態3の半導体装置の製造工程について、図13〜図15を用いて説明する。
【0056】
本実施の形態3の半導体装置の製造工程は、前記実施の形態1で説明した保護膜11を成膜する工程(図1も参照)までは、前記実施の形態1と同様である。その後、図13に示すように、プラズマCVD法によって基板1上に膜厚50nm程度の窒化シリコン膜または酸化シリコン膜を堆積し、ヒューズ配線6を保護する保護膜18を形成する。プラズマCVD法によって保護膜18を成膜することによって、保護膜18の膜質を緻密にすることができる。保護膜18は、SiCN膜からなる保護膜11より薄くすることが好ましい。保護膜18を保護膜11より薄くすることによって、保護膜11のキャップ絶縁膜としての信頼性と、保護膜11の経時絶縁破壊(TDDB)耐性と、配線5およびヒューズ配線6のエレクトロマイグレーション耐性とを所望の状態に保つことができる。
【0057】
次に、図14に示すように、前記実施の形態1で説明した工程と同様の工程によって、酸化シリコン膜12、プラグ13、配線14、酸化シリコン膜15および窒化シリコン膜16を順次形成する。
【0058】
続いて、基板1上にフォトレジスト膜(第4マスキング層)19を塗布する。次いで、そのフォトレジスト膜19をフォトリソグラフィ技術によりパターニングし、配線14およびヒューズ配線6上のフォトレジスト膜19を除去する。次いで、そのパターニングされたフォトレジスト膜19をマスクとして窒化シリコン膜16および酸化シリコン膜15、12をドライエッチングし、配線14に達する開口部20と、ヒューズ配線6上の保護膜18に達する開口部17とを形成する。
【0059】
その後、前記実施の形態1において図4〜図9を用いて説明した工程と同様の工程を経て、本実施の形態1の半導体装置を製造する(図15参照)。
【0060】
上記のような本実施の形態3によっても、前記実施の形態1、2と同様の効果を得ることができる。たとえば、上記フォトレジスト膜19をアッシングにより除去する工程においては、開口部17下に保護膜11が露出していると、空隙を多く含む膜質である保護膜11(SiCN膜)にアッシング時のダメージが生じ、保護膜11中の空隙が拡大してしまう虞があるが、保護膜11上はより緻密な膜質の保護膜18によって保護されていることから、保護膜11にアッシング時のダメージが生じてしまうことを防ぐことができる。また、保護膜11がより緻密な膜質の保護膜18に覆われている状態を保つことができるので、以降の配線27をマスクとしたシード膜23およびバリア導電膜22のウエットエッチング(洗浄)処理時(前記実施の形態1および図8参照)において、洗浄液が保護膜11に達してしまうことを防ぐことができる。その結果、ヒューズ配線6がその洗浄液によってエッチングされてしまうことを防ぐことができるので、ヒューズ配線6が誤切断されてしまう不具合を防ぐことができる。すなわち、ヒューズ配線6の誤切断による製品歩留まりの低下を防ぐことができる。
【0061】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の半導体装置の製造方法は、たとえば配線上を空隙を多く含む膜質の薄膜で覆い、さらにその薄膜上に形成した金属膜をウエットエッチングする工程を含む半導体装置の製造工程に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態1である半導体装置の製造方法を説明する要部断面図である。
【図2】図1に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図3】図2に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図4】図3に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図5】図4に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図6】図5に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図7】図6に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図8】図7に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図9】図8に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図10】本発明の実施の形態2である半導体装置の製造方法を説明する要部断面図である。
【図11】図10に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図12】図11に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図13】本発明の実施の形態3である半導体装置の製造方法を説明する要部断面図である。
【図14】図13に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図15】図14に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図16】本発明者が検討したWPP技術によって形成したボンディングパッドおよびヒューズ配線を説明する要部断面図である。
【符号の説明】
【0064】
1 半導体基板
2 配線
3 層間絶縁膜
4 溝
5 配線(第1配線)
6 ヒューズ配線
7、8 層間絶縁膜
9 溝
10 接続孔
11 保護膜(第1保護膜)
12 酸化シリコン膜(第1絶縁膜)
13 プラグ
14 配線
15 酸化シリコン膜(第1絶縁膜、第3絶縁膜)
16 窒化シリコン膜(第1絶縁膜、第3絶縁膜)
17 開口部
18 保護膜(第2保護膜)
19 フォトレジスト膜(第2マスキング層、第3マスキング層、第4マスキング層)
20 開口部
21 ポリイミド膜(第2絶縁膜)
22 バリア導電膜(第1導電性膜)
23 シード膜(第1導電性膜)
24 フォトレジスト膜(第1マスキング層)
25 Cu膜
26 Ni膜
27 配線(第2配線)
28 ポリイミド膜
29 開口部
30 Au膜
31 バンプ電極
101 ヒューズ配線
102、104 溝
103、105 配線
106 接続孔
107 SiCN膜
108 酸化シリコン膜
109 配線
110 プラグ
111 酸化シリコン膜
112 窒化シリコン膜
113 開口部
114 ポリイミド膜
115 開口部
116 バリア導電性膜
117 シード膜
118 Cu膜
119 Ni膜
120 ボンディングパッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)半導体基板上に第1配線およびヒューズ配線を含む第1配線層を形成する工程、
(b)前記第1配線層上に絶縁性かつ膜質が有孔性の第1保護膜を形成する工程、
(c)前記第1保護膜上に第1絶縁膜を形成する工程、
(d)前記ヒューズ配線上の前記第1絶縁膜をエッチングし除去する工程、
(e)前記(d)工程後、前記半導体基板上に絶縁性かつ膜質が前記第1保護膜より緻密な第2保護膜を形成する工程、
(f)前記第2保護膜上に第2絶縁膜を形成し、前記第2絶縁膜をパターニングする工程、
(g)前記(f)工程後、前記半導体基板上に第1導電性膜を成膜する工程、
(h)前記第1導電性膜上にて、前記第1導電性膜を介して前記第1配線と電気的に接続する第2配線を形成する工程、
(i)前記第2配線をマスクとして前記第1導電性膜をウエットエッチングする工程、
を含み、
前記(i)工程によって、前記ヒューズ配線上の前記第1導電性膜は除去されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2配線は、前記第1導電性膜上にてパターニングされた第1マスキング層をマスクとし、前記第1導電性膜をシード層としためっき法にて形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記(g)工程は、前記第1導電性膜を形成する前に、前記半導体基板の表面にスパッタエッチング処理を施す工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1保護膜は、SiCN膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項4記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1保護膜は、前記第2保護膜より膜厚が厚いことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2保護膜は、プラズマCVD法で成膜した窒化シリコン膜もしくは酸化シリコン膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記(c)工程後かつ前記(d)工程前に、
(j)前記第1絶縁膜上に前記第1配線と電気的に接続する第3配線を形成する工程、
(k)前記(j)工程後、前記半導体基板上に第3絶縁膜を形成する工程、
を含み、
前記(d)工程において、前記ヒューズ配線上の前記第3絶縁膜もエッチングして除去し、
前記(e)工程後かつ前記(f)工程前に、前記第2保護膜および前記第3絶縁膜に前記第3配線に達する開口部を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項7記載の半導体装置の製造方法において、
前記開口部は、前記半導体基板上にてパターニングされた第2マスキング層をマスクとしたエッチングにより形成し、
前記第2マスキング層は、前記開口部形成後に炭化処理にて除去することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記(c)工程後かつ前記(d)工程前に、
(j)前記第1絶縁膜上に前記第1配線と電気的に接続する第3配線を形成する工程、
(k)前記(j)工程後、前記半導体基板上に第3絶縁膜を形成する工程、
を含み、
前記(d)工程においては、前記第3絶縁膜も選択的にエッチングして、前記ヒューズ配線上の前記第3絶縁膜を除去し、前記第3配線上の前記第3絶縁膜に前記第3配線に達する開口部を形成し、
前記(e)工程は、前記開口部下の前記第2保護膜をエッチングする工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項9記載の半導体装置の製造方法において、
前記(e)工程における前記開口部下の前記第2保護膜のエッチングは、前記半導体基板上にてパターニングされた第3マスキング層をマスクとしたエッチングにより行い、
前記第3マスキング層は、前記(e)工程後に炭化処理にて除去することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2絶縁膜は、感光性のポリイミド膜であり、
前記(f)工程における前記第2絶縁膜のパターニングは、前記第2絶縁膜に対して選択的に炭化処理を施すことによって行い、少なくとも前記ヒューズ配線上の前記第2絶縁膜を除去することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
(a)半導体基板上に第1配線およびヒューズ配線を含む第1配線層を形成する工程、
(b)前記第1配線層上に絶縁性かつ膜質が有孔性の第1保護膜を形成する工程、
(c)前記第1保護膜上に絶縁性かつ膜質が前記第1保護膜より緻密な第2保護膜を形成する工程、
(d)前記第2保護膜上に第1絶縁膜を形成する工程、
(e)前記ヒューズ配線上の前記第1絶縁膜をエッチングし除去する工程、
(f)前記(e)工程後、前記半導体基板上に第2絶縁膜を形成し、前記第2絶縁膜をパターニングする工程、
(g)前記(f)工程後、前記半導体基板上に第1導電性膜を成膜する工程、
(h)前記第1導電性膜上にて、前記第1導電性膜を介して前記第1配線と電気的に接続する第2配線を形成する工程、
(i)前記第2配線をマスクとして前記第1導電性膜をウエットエッチングする工程、
を含み、
前記(i)工程によって、前記ヒューズ配線上の前記第1導電性膜は除去されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項12記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2配線は、前記第1導電性膜上にてパターニングされた第1マスキング層をマスクとし、前記第1導電性膜をシード層としためっき法にて形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項12記載の半導体装置の製造方法において、
前記(g)工程は、前記第1導電性膜を形成する前に、前記半導体基板の表面にスパッタエッチング処理を施す工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項12記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1保護膜は、SiCN膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項15記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1保護膜は、前記第2保護膜より膜厚が厚いことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項17】
請求項12記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2保護膜は、プラズマCVD法で成膜した窒化シリコン膜もしくは酸化シリコン膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項18】
請求項12記載の半導体装置の製造方法において、
前記(d)工程後かつ前記(e)工程前に、
(j)前記第1絶縁膜上に前記第1配線と電気的に接続する第3配線を形成する工程、
(k)前記(j)工程後、前記半導体基板上に第3絶縁膜を形成する工程、
を含み、
前記(e)工程においては、前記第3絶縁膜も選択的にエッチングして、前記ヒューズ配線上の前記第3絶縁膜を除去し、前記第3配線上の前記第3絶縁膜に前記第3配線に達する開口部を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項19】
請求項18記載の半導体装置の製造方法において、
前記(e)工程は、前記半導体基板上にてパターニングされた第4マスキング層をマスクとしたエッチングにより行い、
前記第4マスキング層は、前記(e)工程後に炭化処理にて除去することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項20】
請求項12記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2絶縁膜は、感光性のポリイミド膜であり、
前記(f)工程における前記第2絶縁膜のパターニングは、前記第2絶縁膜に対して選択的に炭化処理を施すことによって行い、少なくとも前記ヒューズ配線上の前記第2絶縁膜を除去することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−124060(P2009−124060A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−298937(P2007−298937)
【出願日】平成19年11月19日(2007.11.19)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】