説明

半導体装置及び半導体装置の製造方法

【課題】バイポーラトランジスタが動作する際に、ベース領域のうちコレクタ側の端部が破壊されることを抑制する。
【解決手段】ベース領域150は、ウェル110内に形成されている。エミッタ領域170はベース領域150の中に形成され、ベース領域150より浅い。コレクタ領域140はウェル110内に形成され、ベース領域150の外側に位置している。第1埋込領域180は、少なくとも一部がベース領域150の中に位置しており、ベース領域150よりも不純物濃度が高い。そして第1埋込領域180は、平面視において、エミッタ領域170とコレクタ領域140の間に少なくとも一部が位置している。また第1埋込領域180は、エミッタ領域170の縁のうち少なくとも一辺と重なっており、かつエミッタ領域170の全面には重なっていない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異常電流から内部回路を保護する素子としてのバイポーラトランジスタを有する半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
回路を構成するトランジスタ等を静電気などの異常電流から保護するために、バイポーラトランジスタが用いられることがある(例えば特許文献1〜3)。
【0003】
特に特許文献1には、以下のバイポーラトランジスタを有する半導体装置が記載されている。基板には埋め込みn領域が形成されており、このn領域の上方に、バイポーラトランジスタを形成するためのn型の半導体基板が形成されている。そして半導体基板と埋め込みn領域の間にはn型領域が形成されている。このn型領域は、半導体基板より不純物濃度が高く、n領域より不純物濃度が低い。これにより、ホットスポットの発生が抑制され、この結果、静電耐圧が向上する、と記載されている。
【0004】
また特許文献2には、以下のバイポーラトランジスタを有する半導体装置が形成されている。基板には埋め込みn領域が形成されており、このn領域の上方に、バイポーラトランジスタを形成するためのn型の半導体基板が形成されている。半導体基板には、バイポーラトランジスタのエミッタ及びベースを内包するベースシンクp型領域が形成されている。ベースシンクp型領域は、下部が埋め込みn領域に接続している。これにより、ホットスポットの発生が抑制され、この結果、静電耐圧が向上する、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−201202号公報
【特許文献2】特開2007−194509号公報
【特許文献3】特開2000−236070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者が検討した結果、ベース領域の中にエミッタを形成し、かつベース領域の外部にコレクタを形成した場合、ベース領域のうちコレクタ側の端部が破壊されやすいことが判明した。このため、バイポーラトランジスタの耐量を向上させるためには、ベース領域のうちコレクタ側の端部が破壊されにくくする必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、基板に形成された第1導電型のウェルと、
前記ウェル内に形成された第2導電型のベース領域と、
前記ベース領域の表層の一部に形成され、前記ベース領域よりも不純物濃度が高い第2導電型の高濃度ベース領域と、
前記ベース領域の中に形成され、前記ベース領域より浅い第1導電型のエミッタ領域と、
前記ウェル内に形成され、前記ベース領域の外側に位置する第1導電型のコレクタ領域と、
少なくとも一部が前記ベース領域の中に位置しており、前記ベース領域よりも不純物濃度が高い第2導電型の第1埋込領域と、
を備え、
平面視において、前記第1埋込領域は、
前記エミッタ領域と前記コレクタ領域の間に少なくとも一部が位置しており、
前記エミッタ領域の縁のうち少なくとも一辺と重なっており、かつ前記エミッタ領域の全面には重なっていない半導体装置が提供される。
【0008】
静電気などの異常電流が保護素子としてのバイポーラトランジスタを流れるとき、バイポーラトランジスタの特定の部分に電流が集中して流れると、電流が集中した部分が発熱し、これによってバイポーラトランジスタが破壊されることがある。ベース領域の中にエミッタを形成し、かつベース領域の外部にコレクタを形成した場合、ベース領域のうちコレクタ側の端部が破壊されやすい。この原因は、バイポーラトランジスタが動作する前に、まずベース領域のうちコレクタ側の端部でアバランシェ効果による電流が流れ出し、この電流に起因してベース領域のうちコレクタ側の端部の電位勾配が急になるためと考えられる。
【0009】
これに対して本発明では、第1埋込領域を形成している。第1埋込領域は、平面視において、エミッタ領域とコレクタ領域の間に少なくとも一部が位置しており、かつ、エミッタ領域の縁のうちコレクタ領域側の縁と重なっている。また第1埋込領域は、エミッタ領域の全面には重なっていない。このため、ベース領域のうちコレクタ側の端部でアバランシェ効果による電流が流れ出しても、この電流に起因した電位勾配が第1埋込領域によって緩和される。従って、バイポーラトランジスタが動作する際に、ベース領域のうちコレクタ側の端部が破壊されることが抑制される。
【0010】
本発明によれば、基板に第1導電型のウェルを形成する工程と、
前記基板に、前記ウェル内に位置する第2導電型のベース領域を形成する工程と、
前記基板に、前記ベース領域の表層の一部に位置していて前記ベース領域よりも不純物濃度が高い第2導電型の高濃度ベース領域、前記ベース領域の中に位置していて前記ベース領域より浅い第1導電型のエミッタ領域、及び前記ウェル内かつ前記ベース領域の外側に位置する第1導電型のコレクタ領域を、それぞれ形成する工程と、
を備え、
前記ウェルを形成する工程の後に、少なくとも一部が前記ベース領域の中に位置しており、前記ベース領域よりも不純物濃度が高い第2導電型の第1埋込領域を形成する工程を備え、
平面視において、前記第1埋込領域は、
前記エミッタ領域と前記コレクタ領域の間に少なくとも一部が位置しており、
前記エミッタ領域の縁のうち少なくとも一辺と重なっており、かつ前記エミッタ領域の全面には重なっていない半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、バイポーラトランジスタが動作する際に、ベース領域のうちコレクタ側の端部が破壊されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(a)は第1の実施形態に係る半導体装置が有しているバイポーラトランジスタの構成を示す断面図であり、(b)は半導体装置が有している電界効果型トランジスタの構成を示す断面図である。
【図2】図1(a)に示したバイポーラトランジスタの平面図である。
【図3】図1及び図2に示した半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図4】図1及び図2に示した半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図5】図1及び図2に示した半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図6】第1の実施形態の作用及び効果を説明するグラフである。
【図7】第2の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図8】第2の実施形態の作用及び効果を説明するグラフである。
【図9】第3の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図10】図9(a)に示したバイポーラトランジスタの平面図である。
【図11】第3の実施形態の作用及び効果を説明するグラフである。
【図12】第4の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図13】第5の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図14】第6の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図15】第7の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図16】第8の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図17】図16(a)に示したバイポーラトランジスタの平面図である。
【図18】シミュレーションに用いたバイポーラトランジスタの不純物濃度の分布を示す図である。
【図19】バイポーラトランジスタがオンした直後のコレクタ電流の流れを示す図である。
【図20】コレクタ電流が十分に大きくなったときのコレクタ電流の流れを示す図である。
【図21】実施例(実線)及び比較例(点線)にかかるTLP試験の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1(a)、(b) は、それぞれ第1の実施形態に係る半導体装置の構成の一部を示す断面図である。図1(a)は半導体装置が有している保護素子としてのバイポーラトランジスタの構成を示しており、図1(b)は、半導体装置が有している被保護素子としての電界効果型トランジスタの構成を示している。図2は、図1(a)に示したバイポーラトランジスタの平面図である。図2においては、説明のため分離用ウェル190を図示していない。なお図1(a)は、図2のA−A´断面を示している。
【0015】
まず図1(a)及び図2を用いて、バイポーラトランジスタの構成について説明する。バイポーラトランジスタは、基板100に形成された第1導電型(例えばn型)のウェル110、第2導電型(例えばp型)のベース領域150、第2導電型の高濃度ベース領域160、第1導電型のエミッタ領域170、第1導電型のコレクタ領域140、及び第2導電型の第1埋込領域180を備える。ベース領域150は、ウェル110内に形成されている。高濃度ベース領域160は、ベース領域150の表層の一部に形成され、ベース領域150よりも不純物濃度が高い。エミッタ領域170はベース領域150の中に形成され、ベース領域150より浅い。コレクタ領域140はウェル110内に形成され、ベース領域150の外側に位置している。第1埋込領域180は、少なくとも一部がベース領域150の中に位置しており、ベース領域150よりも不純物濃度が高い。そして第1埋込領域180は、平面視において、エミッタ領域170とコレクタ領域140の間に少なくとも一部が位置している。また第1埋込領域180は、エミッタ領域170の縁のうち少なくとも一辺、例えばコレクタ領域140側の縁と重なっており、かつエミッタ領域170の全面には重なっていない。また第1埋込領域180は、高濃度ベース領域160にも重なっていない。
【0016】
すなわち第1埋込領域180は、高濃度ベース領域160側の端部からエミッタ領域170のうち高濃度ベース領域160側の端部までの距離w(高濃度ベース領域160に向かう方向を正の方向とし、コレクタ領域140に向かう方向を負の方向とする)、及びコレクタ領域140側の端部からエミッタ領域170のコレクタ領域140側の端部までの距離w(高濃度ベース領域160に向かう方向を正の方向とし、コレクタ領域140に向かう方向を負の方向とする)が、それぞれ正の値となっている。また第1埋込領域180は、下端がベース領域150の下端よりも下に位置している。
【0017】
基板100は、第2導電型の半導体基板102の上に第2導電型のエピタキシャル成長層104を形成した構成を有している。ウェル110、コレクタ領域140、及びベース領域150は、エピタキシャル成長層104に形成されている。基板100には、第1導電型の第2埋込領域120が形成されている。第2埋込領域120は、ウェル110の下方全面に形成されており、第1導電型のシンク領域130を介してコレクタ領域140に接続している。このため、バイポーラトランジスタのコレクタ電流は、エミッタ領域170から、第2埋込領域120及びシンク領域130を介してコレクタ領域140に流れる。
【0018】
エピタキシャル成長層104は、第2導電型の分離用ウェル190を有している。分離用ウェル190はバイポーラトランジスタを他の領域から分離するために設けられており、平面視においてバイポーラトランジスタを囲むように形成されている。
【0019】
エピタキシャル成長層104は、表面に素子分離領域200を有している。素子分離領域200は、例えばLOCOS酸化法により形成されるが、STI法により形成されても良い。素子分離領域200は、コレクタ領域140、高濃度ベース領域160、エミッタ領域170、及び分離用ウェル190を、それぞれ他の領域から分離している。
【0020】
ベース領域150は、一部が素子分離領域200の下に位置している。そして第1埋込領域180は、コレクタ領域140側の縁からエミッタ領域170までの距離wが、ベース領域150の下端から素子分離領域200の下端までの距離tよりも大きい。
【0021】
なお、コレクタ領域140、高濃度ベース領域160、及びエミッタ領域170それぞれの表面には、シリサイド層145,165,175が形成されている。
【0022】
次に図1(b)を用いて、被保護素子としての電界効果型トランジスタの構成を説明する。この電界効果型トランジスタは、第2導電型のウェル310に形成されており、ゲート絶縁膜352、ゲート電極350、第1導電型のドレイン領域370、第1導電型のドレイン拡張領域372、第1導電型のソース領域360、第2導電型のバックゲート電極380、及び第2導電型の低濃度不純物領域382を備える。ウェル310はエピタキシャル成長層104に形成されている。またソース領域360及びバックゲート電極380は、低濃度不純物領域382の中に形成されている。ソース電極360及びバックゲート電極380の表層には、共通のシリサイド層384が形成されている。すなわちソース電極360及びバックゲート電極380は、シリサイド層384により互いに接続されている。ドレイン拡張領域372は、ドレイン領域370より不純物濃度が低い。またドレイン領域370の表層にはシリサイド層374が形成されている。
【0023】
基板100には、第1導電型の埋込領域320、及び第1導電型のシンク領域330が形成されている。埋込領域320はウェル310の下方全面に形成されており、シンク領域330は、ウェル310の側部を囲むように形成されている。すなわちウェル310は、埋込領域320及びシンク領域330によって囲まれている。シンク領域330の表層には、第1導電型の高濃度不純物層340が形成されている。高濃度不純物層340は、シンク領域330よりも不純物濃度が高く、基板100上の配線層中の配線(不図示)によって、ドレイン領域370に接続されている。すなわち高濃度不純物層340は、第2のドレイン領域として機能する。なお高濃度不純物層340の表層には、シリサイド層342が形成されている。
【0024】
また素子分離領域200は、電界効果型トランジスタを囲むと共に、一部がドレイン領域370及び高濃度不純物層340を他から分離するように囲んでいる。
【0025】
図3、図4、及び図5は、図1及び図2に示した半導体装置の製造方法を示す断面図である。図3(a)、図4(a)、及び図5(a)の各図は図1(a)に相当しており、図3(b)、図4(b)、及び図5(b)の各図は図1(b)に相当している。この半導体装置の製造方法では、まず基板100にウェル110及びベース領域150を、この順に形成する。次いで基板100に高濃度ベース領域160、エミッタ領域170、及びコレクタ領域140をそれぞれ形成する。そして、ウェル110を形成する工程の後に、第1埋込領域180を形成する工程を備える。以下、詳細に説明する。
【0026】
まず図3(a)及び(b)に示すように、半導体基板102に第1導電型の不純物(例えばAs)を選択的に注入することにより、第2埋込領域120及び埋込領域320を形成する。次いで半導体基板102上にエピタキシャル成長層104を形成する。次いで、ウェル110、ウェル310、素子分離領域200、及びシンク領域130を、この順に形成する。この工程において、第2埋込領域120及び埋込領域320の不純物が拡散し、第2埋込領域120及び埋込領域320がエピタキシャル成長層104まで拡張する。なおシンク領域130を形成する工程においてシンク領域330も形成される。
【0027】
次いで図4(a)及び(b)に示すように、基板100上にレジストパターン(図示せず)を形成し、このレジストパターンをマスクとして基板100に第2導電型の不純物を注入する。これにより、ベース領域150が形成される。またこの工程において、低濃度不純物領域382及び分離用ウェル190も形成される。その後、レジストパターンを除去する。
【0028】
次いで、基板100上にレジストパターン(図示せず)を形成し、このレジストパターンをマスクとして基板100に第1導電型の不純物を注入する。これにより、ドレイン拡張領域372が形成される。その後、レジストパターンを除去する。次いで、基板100上にゲート絶縁膜352、ゲート電極350、およびゲート電極350のサイドウォールを形成する。
【0029】
次いで図5(a)及び(b)に示すように、基板100上にレジストパターン(図示せず)を形成し、このレジストパターンをマスクとして基板100に第2導電型の不純物を注入する。これにより、第1埋込領域180が形成される。その後、レジストパターンを除去する。
【0030】
その後、図1に示すように、基板100上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして第1導電型の不純物を注入する。これにより、コレクタ領域140、エミッタ領域170、高濃度不純物層340、ソース領域360、及びドレイン領域370が形成される。その後、レジストパターンを除去する。次いで基板100上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして第2導電型の不純物を注入する。これにより、高濃度ベース領域160及びバックゲート電極380が形成される。その後、レジストパターンを除去する。その後、シリサイド層145,165,175を形成する。またこのとき、電界効果型トランジスタにもシリサイド層342,374,384が形成される。
【0031】
次に、本実施形態の作用及び効果を、図6を用いて説明する。本実施形態によれば、バイポーラトランジスタは第1埋込領域180を有している。第1埋込領域180は、平面視において、エミッタ領域170とコレクタ領域140の間に少なくとも一部が位置しており、かつ、エミッタ領域170の縁のうちコレクタ領域140側の縁と重なっている。また第1埋込領域180は、エミッタ領域170の全面には重なっていない。
【0032】
このような構成において、エミッタ領域170とコレクタ領域140の間に電圧Vceを印加していくと、ある電圧を境にホール及び電子が発生する。ホール及び電子は、ベース領域150のうちコレクタ領域140側の端部で発生し(図6のP点)、アバランシェ効果によってホール及び電子が増加する。発生した電子はシンク領域130及びコレクタ領域140に向けて流れるが、発生したホールは高濃度ベース領域160に向けて移動する。このため、ベース領域150の電位は、高濃度ベース領域160からコレクタ領域140側の端部に近づくにつれて上がる。
【0033】
ここで第1埋込領域180が形成されていない場合、コレクタ領域140側の端部に電界が集中するため、ここでベース・エミッタ接合がオンしてバイポーラトランジスタが動作し始める(図6のQ点)。このため、コレクタ電流Iが、ベース領域150のうちコレクタ領域140側の端部に集中し、Iの量が一定の値になった時点で破壊が生じる(R点)。なおR点は、ベース領域150とウェル110の間のアバランシェ耐圧によって定まる。
【0034】
これに対して第1埋込領域180が形成されている場合、第1埋込領域180は不純物濃度が高いため、第1埋込領域180における電位勾配は緩和される。従って、第1埋込領域180においてベース・エミッタ接合がオンしてバイポーラトランジスタが動作し始める(図6のQ点)。このため、コレクタ電流は第1埋込領域180に分散し、特定の部分に集中しない。従って、熱破壊が生じるまでの電流量Iが大きくなる。
【0035】
従って、第1埋込領域180を形成することにより、バイポーラトランジスタが動作する際に、ベース領域150のうちコレクタ領域140側の端部が破壊されることが抑制される。従って、バイポーラトランジスタの耐量が向上する。
【0036】
また、第1埋込領域180のコレクタ領域140側の縁からエミッタ領域170までの距離wは、ベース領域150の下端から素子分離領域200の下端までの距離tよりも大きい。従って、バイポーラトランジスタがオンした後に、エミッタ領域170から流れるコレクタ電流は、図1(a)において横方向ではなく深さ方向に、すなわちベース領域150の端部ではなく第2埋込領域120に流れやすくなる。従って、ベース領域150の端部においてバイポーラトランジスタが破壊されることをさらに抑制できる。
【0037】
また素子分離領域200を形成した後に、第1埋込領域180を形成している。このため、第1埋込領域180を形成した後に基板100に加わる熱量を減らすことができ、第1埋込領域180を形成する不純物が熱によって拡散することを抑制できる。
【0038】
また、第1埋込領域180の下端はベース領域150の下端より下に位置しているため、第1埋込領域180の下端がベース領域150の下端より上に位置している場合と比較して、第1埋込領域180が形成しやすくなる。
【0039】
(第2の実施形態)
図7(a)及び図7(b)は、第2の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図であり、第1の実施形態における図1(a)及び図1(b)に相当する図である。この半導体装置は、図7(a)に示すように、バイポーラトランジスタが第2導電型(例えばp型)の低濃度ベース領域152を有している点を除いて、第1の実施形態に係る半導体装置と同様の構成である。
【0040】
低濃度ベース領域152は、平面視においてベース領域150とコレクタ領域140の間に位置し、ベース領域150より不純物濃度が低い。本図に示す例において、低濃度ベース領域152は、素子分離領域200の下に形成されており、シンク領域130とベース領域150を接続している。また第1埋込領域180は、低濃度ベース領域152と重ならないように設けられている。
【0041】
図7に示した半導体装置の製造方法は、図3に示した工程の後に、低濃度ベース領域152を形成する工程を有する点を除いて、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法と同様である。低濃度ベース領域152は、例えば基板100上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして第2導電型の不純物を基板100に注入することにより、形成される。
【0042】
次に、本実施形態の作用及び効果を、図8を用いて説明する。本実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、低濃度ベース領域152を形成しているため、ベース領域150とコレクタ領域140の間の電位勾配が緩和される。従って、エミッタ領域170とコレクタ領域140の間の電圧Vceを上げていったときに、ホール及び電子が発生するために必要な電圧Vceが第1の実施形態と比較して高くなる(図8のP点)。なお第1埋込領域180は低濃度ベース領域152と重ならないように設けられているため、第1埋込領域180によって低濃度ベース領域152による効果が阻害されることはない。
【0043】
(第3の実施形態)
図9(a)及び図9(b)は、第3の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図であり、第2の実施形態における図7(a)及び図7(b)に相当する図である。図10は、図9(a)に示したバイポーラトランジスタの平面図である。図10においては、説明のため分離用ウェル190を図示していない。なお図9(a)は、図10のA−A´断面を示している。この半導体装置は図9(a)及び図10に示すように、第1埋込領域180がエミッタ領域170を囲むように形成されている点を除いて、第2の実施形態に係る半導体装置と同様の構成である。また本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法と同様である。
【0044】
第1埋込領域180はエミッタ領域170の下方の少なくとも一部には形成されておらず、平面視においてエミッタ領域170と重なる中空部182を有している。平面視において第1埋込領域180は、内周側の縁がエミッタ領域170と重なっている。また第1埋込領域180は高濃度ベース領域160とは重なっていない。
【0045】
次に、本実施形態の作用及び効果を、図11を用いて説明する。本実施形態によっても第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第1埋込領域180がエミッタ領域170を囲むように形成されているため、バイポーラトランジスタがオンした後に、エミッタ領域170から流れるコレクタ電流が図9における横方向ではなく、中空部182を通って下方向に流れやすくなる。このため、コレクタ電流が特定の場所、特にベース領域150のうちコレクタ領域140側の端部に集中することが抑制される。従って、バイポーラトランジスタが破壊するときの電流量(R点)が大きくなり、バイポーラトランジスタの耐量が増加する。
【0046】
(第4の実施形態)
図12(a)及び図12(b)は、第4の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図であり、第1の実施形態における図1(a)及び図1(b)に相当している。本実施形態に係る半導体装置は、被保護素子としての電界効果型トランジスタの構成を除いて第1の実施形態に係る半導体装置と同様である。
【0047】
本実施形態において電界効果型トランジスタは、図12(b)に示すように、ウェル310、ゲート絶縁膜352、ゲート電極350、第1導電型のドレイン領域370、第1導電型のソース領域360、素子分離領域200、及び第2導電型の第3埋込領域390を備えている。ゲート絶縁膜352及びゲート電極350は、ウェル310の上に形成されている。ドレイン領域370はウェル310に設けられている。ソース領域360は、ウェル310に形成され、ドレイン領域370との間にゲート電極350を挟むように位置している。素子分離領域200の一部は、ゲート電極350の下に位置するチャネル領域とソース領域360とを分離している。第3埋込領域390は、ウェル310に形成されており、ウェル310よりも不純物濃度が高い。第3埋込領域390は、平面視で少なくともソース領域360のうちゲート電極350側とは反対側の端部から、チャネル領域とソース領域360とを分離している素子分離領域200のチャネル領域側の端部にわたって形成されている。
【0048】
また電界効果型トランジスタは、ソース拡張領域362、ドレイン拡張領域372、及びバックゲート電極380を有している。また基板100には、第1の実施形態と同様に、埋込領域320、シンク領域330、及び高濃度不純物層340が形成されている。
【0049】
本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第1埋込領域180を形成する工程において、第3埋込領域390が第1埋込領域180と共に形成される点、図1に示した低濃度不純物領域382が形成されない点、及びドレイン拡張領域372を形成する工程においてソース拡張領域362が形成される点を除いて、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法と同様である。
【0050】
本実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また図12に示した電界効果型トランジスタは、バックゲート電極380がベースとして動作し、ソース領域360がエミッタとして動作し、ドレイン領域370がコレクタとして動作することにより、寄生バイポーラトランジスタとして動作してしまうことがある。本発明者が検討した結果、ベース抵抗が高いと寄生バイポーラトランジスタはターンオンしやすくなることがわかった。これに対して本実施形態では、第3埋込領域390を形成しているため、寄生バイポーラトランジスタのベース抵抗を低くすることができる。このため、寄生バイポーラトランジスタはターンオンしにくくなる。
【0051】
また、第1埋込領域180と第3埋込領域390を同一工程で形成することができるため、半導体装置の製造工程数が増加することを抑制できる。
【0052】
なお、第2又は第3の実施形態において、被保護素子としての電界効果型トランジスタの構成を本実施形態と同様にしても良い。このようにしても、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0053】
(第5の実施形態)
図13(a)及び図13(b)は、第5の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図であり、第1の実施形態における図1(a)及び図1(b)に相当している。本実施形態に係る半導体装置は、高濃度ベース領域160とエミッタ領域170の間に素子分離領域200が形成されておらず、シリサイド層175で互いに繋がっている点、及び分離用ウェル190の下端が半導体基板102に達している点を除いて、第1の実施形態に係る半導体装置と同様の構成である。
【0054】
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、第2〜第4の実施形態において、本実施形態と同様の構成としても良い。
【0055】
(第6の実施形態)
図14は、第6の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図であり、第1の実施形態における図1(a)に相当している。本実施形態に係る半導体装置は、以下の点が、第1の実施形態にかかる半導体装置と異なる。
【0056】
まず、基板100がエピタキシャル成長層104を有しておらず、半導体基板で形成されている。そしてバイポーラトランジスタはこの半導体基板に形成されている。またバイポーラトランジスタは第2埋込領域120を有しておらず、かつ図1(a)に示したシンク領域130の代わりに第1導電型の低濃度不純物層132を有している。低濃度不純物層132は、ウェル110より浅い。
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0057】
(第7の実施形態)
図15は、第7の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。この半導体装置は、第1の実施形態において図1(b)に示した電界効果型トランジスタをバイポーラトランジスタとして動作させている。すなわちバックゲート電極380及び第2導電型の低濃度不純物領域382がベース領域として機能し、ソース領域360がエミッタ領域として機能し、ドレイン領域370及びドレイン拡張領域372がコレクタ領域として機能する。そして第1埋込領域180は、低濃度不純物領域382に少なくとも一部が含まれるように形成されている。本図に示す例において、第1埋込領域180は、平面視においてバックゲート電極380を囲むように形成されている。
【0058】
なお図示していないが、本実施形態においても半導体装置は被保護素子としての電界効果型トランジスタを有している。この電界効果型トランジスタの構成は、第1の実施形態と同様である。
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0059】
(第8の実施形態)
図16(a)及び図16(b)は、第8の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図であり、第3の実施形態における図9(a)及び図9(b)に相当する図である。図17は、図16(a)に示したバイポーラトランジスタの平面図である。図17においては、説明のため分離用ウェル190を図示していない。なお図16(a)は、図17のA−A´断面を示している。この半導体装置は図16(a)及び図17に示すように、エミッタ領域170の両側に高濃度ベース領域160があるダブルベース構造である。
【0060】
本実施形態において、第1埋込領域180はエミッタ領域170を囲むように形成されている。そして第1埋込領域180はエミッタ領域170の下方の少なくとも一部には形成されておらず、平面視においてエミッタ領域170と重なる中空部182を有している。平面視において第1埋込領域180は、内周側の縁がエミッタ領域170と重なっており、外周の縁が高濃度ベース領域160に重なっている。
【0061】
なお、上記した点を除いて、本実施形態に係る半導体装置は第3の実施形態と同様の公正である。
本実施形態によっても、第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0062】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。例えば高濃度ベース領域160の両側にエミッタ領域170があるダブルエミッタ構造においても、本発明を適用することができる。ダブルエミッタ構造の場合、第1埋込領域180は、2つのエミッタ領域170毎に、エミッタ領域170の縁のうちコレクタ領域140側の縁と重なっており、かつエミッタ領域170の全面には重ならないように形成される。
【0063】
(実施例1)
第2及び第3の実施形態それぞれに係る半導体装置において、バイポーラトランジスタのコレクタ電流がエミッタ‐コレクタ間の電圧を上昇させていったとき、どのように流れ出すかをシミュレーションした。図18〜図20において、(a)は比較例に係るバイポーラトランジスタを示している。このバイポーラトランジスタは第2の実施形態に係るバイポーラトランジスタから第1埋込領域を除いたものである。(b)及び(c)は、それぞれ第2及び第3の実施形態に係るバイポーラトランジスタを示している。
【0064】
図18は、シミュレーションに用いたバイポーラトランジスタの不純物濃度の分布を示している。なお、図1(a)に示したt=1μmとした。
【0065】
図19は、バイポーラトランジスタがオンした直後(コレクタ電流=1×10−3A)のコレクタ電流の流れを示している。本図において、色が薄いほど電流密度が高い。図19(a)に示すように、比較例に係るバイポーラトランジスタではコレクタ電流は図中右方向に流れるものが大部分を占めている。これに対して図19(b)及び(c)に示すように、第2及び第3の実施形態に係るバイポーラトランジスタでは、コレクタ電流は図中右方向のみではなく下方向(又は左方向)にも流れている。
【0066】
図20は、コレクタ電流が十分に大きくなったとき(1×10−2A)のコレクタ電流の流れを示している。本図において、色が薄いほど電流密度が高い。図20(c)に示すように、第3の実施形態においては、コレクタ電流の密度が高い部分が少ない。これは、コレクタ電流が特定の場所に集中しておらず、分散して流れていることを示している。
【0067】
(実施例2)
第3の実施形態に係るバイポーラトランジスタを作製し、TLP(Transmission Line pulse)試験、すなわち高電流パルスを印加してESD耐量を調べる試験を行った(実施例)。また、第3の実施形態から第1埋込領域180を除いたバイポーラトランジスタを作製し、TLP試験を行った(比較例)。なお各例において、ウェハ内の2箇所で測定を行った。
【0068】
図21は、実施例(実線)及び比較例(点線)にかかるTLP試験の結果を示すグラフである。本図は、実施例におけるエミッタ領域170とコレクタ領域140の間の印加電圧(Voltage)とコレクタ電流(エミッタ領域170からコレクタ領域140に流れる電流:Current)の関係を、第1の測定点においては「■」及び実線で、第2の測定点においては「◆」及び実線で示している。また本図は、比較例における印加電圧とコレクタ電流の関係を、第1の測定点においては「□」及び点線で、第2の測定点においては「◇」及び点線で示している。なお本図は、一般的なTLP測定結果の表示法に従い、TLP印加時のI−V曲線と同時に、各TLP印加後に行うリーク電流測定結果を同時表示している。グラフ内の点線の矢印で示したように、実施例に係るバイポーラトランジスタは、比較例に係るバイポーラトランジスタに対して、破壊に必要な電流量が増加していた。これは、実施例に係るバイポーラトランジスタのESD耐量が増大していることを示している。
【符号の説明】
【0069】
100 基板
102 半導体基板
104 エピタキシャル成長層
110 ウェル
120 第2埋込領域
130 シンク領域
132 低濃度不純物層
140 コレクタ領域
145 シリサイド層
150 ベース領域
152 低濃度ベース領域
160 高濃度ベース領域
165 シリサイド層
170 エミッタ領域
175 シリサイド層
180 第1埋込領域
182 中空部
190 分離用ウェル
200 素子分離領域
310 ウェル
320 埋込領域
330 シンク領域
340 高濃度不純物層
342 シリサイド層
350 ゲート電極
352 ゲート絶縁膜
360 ソース領域
362 ソース拡張領域
370 ドレイン領域
372 ドレイン拡張領域
374 シリサイド層
380 バックゲート電極
382 低濃度不純物領域
384 シリサイド層
390 第3埋込領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に形成された第1導電型のウェルと、
前記ウェル内に形成された第2導電型のベース領域と、
前記ベース領域の表層の一部に形成され、前記ベース領域よりも不純物濃度が高い第2導電型の高濃度ベース領域と、
前記ベース領域の中に形成され、前記ベース領域より浅い第1導電型のエミッタ領域と、
前記ウェル内に形成され、前記ベース領域の外側に位置する第1導電型のコレクタ領域と、
少なくとも一部が前記ベース領域の中に位置しており、前記ベース領域よりも不純物濃度が高い第2導電型の第1埋込領域と、
を備え、
平面視において、前記第1埋込領域は、
前記エミッタ領域と前記コレクタ領域の間に少なくとも一部が位置しており、
前記エミッタ領域の縁のうち少なくとも一辺と重なっており、かつ前記エミッタ領域の全面には重なっていない半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記ウェルの下方全面に形成されており、前記コレクタ領域に接続している第1導電型の第2埋込領域を備える半導体装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の半導体装置において、
前記第1埋込領域の下端は前記ベース領域の下端より下に位置する半導体装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載の半導体装置において、
前記基板に形成された素子分離領域を備え、
前記ベース領域は、一部が前記素子分離領域の下に位置しており、
平面視において前記第1埋込領域は、前記コレクタ領域側の縁から前記エミッタ領域までの距離が、前記ベース領域の下端から前記素子分離領域の下端までの距離よりも大きい半導体装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の半導体装置において、
平面視において前記ベース領域と前記コレクタ領域の間に位置し、前記ベース領域より不純物濃度が低い第2導電型の第2ベース層を備える半導体装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一つに記載の半導体装置において、
平面視において、前記第1埋込領域は前記エミッタ領域を囲むように形成されている半導体装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一つに記載の半導体装置において、
前記基板に形成された電界効果型のトランジスタをさらに備え、
前記トランジスタは、
前記基板表面に形成された第2導電型のトランジスタ用ウェルと、
前記トランジスタ用ウェルの上に形成されたゲート電極と、
前記トランジスタ用ウェルに設けられた第1導電型のドレイン領域と、
前記トランジスタ用ウェルに形成され、前記ドレイン領域との間に前記ゲート電極を挟むように位置している第1導電型のソース領域と、
前記ゲート電極の下に位置するチャネル領域と前記ソース領域とを分離する素子分離領域と、
を有し、
前記トランジスタ用ウェルには、前記トランジスタ用ウェルよりも不純物濃度が高い第2導電型の第3埋込領域が、平面視で少なくとも前記ソース領域の前記ゲート電極側とは反対側の端部から、前記素子分離領域の前記チャネル領域側の端部にわたって形成されている半導体装置。
【請求項8】
基板に第1導電型のウェルを形成する工程と、
前記基板に、前記ウェル内に位置する第2導電型のベース領域を形成する工程と、
前記基板に、前記ベース領域の表層の一部に位置していて前記ベース領域よりも不純物濃度が高い第2導電型の高濃度ベース領域、前記ベース領域の中に位置していて前記ベース領域より浅い第1導電型のエミッタ領域、及び前記ウェル内かつ前記ベース領域の外側に位置する第1導電型のコレクタ領域を、それぞれ形成する工程と、
を備え、
前記ウェルを形成する工程の後に、少なくとも一部が前記ベース領域の中に位置しており、前記ベース領域よりも不純物濃度が高い第2導電型の第1埋込領域を形成する工程を備え、
平面視において、前記第1埋込領域は、
前記エミッタ領域と前記コレクタ領域の間に少なくとも一部が位置しており、
前記エミッタ領域の縁のうち少なくとも一辺と重なっており、かつ前記エミッタ領域の全面には重なっていない半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の半導体装置の製造方法において、
前記ウェルを形成する工程と、前記ベース領域を形成する工程の間に、素子分離領域を形成する工程をさらに備え、
前記第1埋込領域を形成する工程は、前記素子分離領域を形成する工程の後に行われる半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の半導体装置の製造方法において、
前記半導体装置は、基板に形成された電界効果型のトランジスタをさらに備え、
前記トランジスタは、
前記基板表面に形成された第2導電型のトランジスタ用ウェルと、
前記トランジスタ用ウェルの上に形成されたゲート電極と、
前記トランジスタ用ウェルに設けられた第1導電型のドレイン領域と、
前記トランジスタ用ウェルに形成され、前記ドレイン領域との間に前記ゲート電極を挟むように位置している第1導電型のソース領域と、
前記ゲート電極の下に位置するチャネル領域と前記ソース領域とを分離する素子分離領域と、
を有し、
前記トランジスタ用ウェルには、前記トランジスタ用ウェルよりも不純物濃度が高い第2導電型の第3埋込領域が、平面視で少なくとも前記ソース領域の前記ゲート電極側とは反対側の端部から、前記素子分離領域の前記チャネル領域側の端部にわたって形成されており、
前記第1埋込領域を形成する工程において、前記第3埋込領域が前記第1埋込領域とともに形成される半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−35325(P2011−35325A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−182768(P2009−182768)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】