説明

双方向スイッチ、及び半導体装置

【課題】オン抵抗を低減することのできる安定したスレッショールド電圧の双方向スイッチ、及び半導体装置を提供すること
【解決手段】本発明にかかる双方向スイッチは、P半導体基板1上に形成され、第1及び第2MOSスイッチM1、M2のドレインとなるNウェル領域2と、Nウェル領域2に設けられた第1トレンチ3内にゲート絶縁膜6を介して形成された第1ゲート電極71aと、Nウェル領域2に第1トレンチ3と離間して設けられた第2トレンチ3内にゲート絶縁膜6を介して形成された第2ゲート電極72aと、第1トレンチ3の側壁においてNウェル領域2の表面にPオフセット領域5を介して形成された第1N+ソース領域9と、第2トレンチ3の側壁においてNウェル領域2の表面にPオフセット領域5を介して形成された第2N+ソース領域10と、を備え、第1トレンチ3と第2トレンチ3との間の領域には、Nウェル領域2が形成されているものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、双方向スイッチ、及び半導体装置に関し、特に詳しくは双方向のスイッチを別々に制御可能な双方向スイッチ、及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池などの電源装置では、リチウムイオン電池を充電する場合と、リチウムイオン電池を放電する場合の双方を制御して、リチウムイオン電池の過充電や過放電を防いでいる。そのため、双方向に電流を流すことができる双方向スイッチを備えた半導体装置が必要となっている。双方向スイッチを備えた半導体装置では、充電、放電をより精度よく行うため、双方向のスイッチを別々に制御することがさらに求められている。
【0003】
従来、このような双方向スイッチを備えた半導体装置には、単方向半導体素子を逆直列に接続した双方向素子が用いられる。しかし、単方向半導体素子は、それぞれにドレイン抵抗があるため、逆直列接続するとドレイン抵抗が2倍になりオン抵抗を小さくできない。これを回避した双方向スイッチは、例えば特許文献1に開示されている。
【0004】
図5は、特許文献1に開示された従来の半導体装置の構成図である。図5(a)は要部平面図、図5(b)は図5(a)のVB部拡大図、図5(c)は図5(a)のVC−VC線で切断した要部断面図である。
【0005】
図5において、特許文献1の半導体装置は、p半導体基板31にnウェル領域32を形成し、このnウェル領域32にトレンチ33を形成し、このトレンチ底面33a下にn拡張ドレイン領域34を形成し、nウェル領域32の表面層にpオフセット領域35を形成する。
【0006】
トレンチ33内壁にゲート絶縁膜36を形成し、トレンチ側壁33bにゲート絶縁膜36を介してゲート電極37を形成する。トレンチ33に囲まれたpオフセット領域35の表面にトレンチ33と接するように選択的に第1nソース領域39と第2nソース領域310を形成する。この第1nソース領域39と第2nソース領域310はトレンチ33を挟んで交互に形成される。ゲート電極37上とトレンチ33内部を層間絶縁膜38で充填し平坦化する。全面に層間絶縁膜38aを形成した後、この層間絶縁膜38aにコンタクトホールを開口して、第1nソース領域39上と第2nソース領域310上に第1ソース電極311と第2ソース電極312をそれぞれ形成する。第1ソース電極311同士、第2ソース電極312同士は第1ソース配線313、第2ソース配線314でそれぞれ接続する。また、ゲート電極37は図示しないゲートパッドとゲート配線を介して接続する。
【0007】
上述したように、特許文献1では、2つのMOSスイッチのドレインをnウェル領域32で共通にしている。これにより、単方向半導体素子を逆直列に接続して双方向素子とした従来の半導体装置より、ドレイン抵抗を低減できる。また、特許文献1では、n拡張ドレイン領域34をトレンチ33底部に形成することによって、高耐圧化を図っている。
【特許文献1】特開2004−274039号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1では、トレンチ33の底部にn拡張ドレイン領域34を配設する必要がある。そのため、一定幅のトレンチ33を形成しなければならず、トレンチ33幅を狭くすることができない。形成するトレンチ33の幅が広いと、平坦なトレンチ33底部を得ることが難しく、トレンチ33に形成されるゲート絶縁膜36の品質が劣化してしまう。また、ゲート電極37が形成された後のトレンチ33内は、熱伝導率の悪い層間絶縁膜38によって充填されるため、電流経路近傍の熱放散性が悪くなってしまう。これらにより、スレッショールド電圧Vtが不安定となり、オン抵抗が大きくなるという問題がある。
【0009】
また、特許文献1では、1つのトレンチ33内においてゲート電極37を2つに分離して形成する必要があり、工程が複雑となってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明にかかる双方向スイッチは、第1スイッチと第2スイッチとを有する双方向スイッチであって、半導体基板上に形成され、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチのドレインとなる第1導電型のウェル領域と、前記ウェル領域に設けられた第1トレンチ内に、ゲート絶縁膜を介して形成された前記第1スイッチのゲート電極と、前記ウェル領域に前記第1トレンチと離間して設けられた第2トレンチ内に、ゲート絶縁膜を介して形成された前記第2スイッチのゲート電極と、前記第1トレンチの側壁において、前記ウェル領域の表面に第2導電型のチャネル領域を介して形成された前記第1スイッチのソース領域と、前記第2トレンチの側壁において、前記ウェル領域の表面に第2導電型のチャネル領域を介して形成された前記第2スイッチのソース領域と、を備え、前記第1トレンチと前記第2トレンチとの間の領域には、前記ウェル領域が形成されているものである。
【0011】
このような構成により、第1スイッチのトレンチゲートと第2スイッチのトレンチゲート間の領域を、ドレインと同じウェル領域によって形成することができ、電流経路付近の熱放散性が向上する。また、幅の広いトレンチを形成する必要がなくなるので、平坦なトレンチ底部を得ることができ、ゲート絶縁膜の品質が向上する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、オン抵抗を低減することのできる安定したスレッショールド電圧の双方向スイッチ素子、及び半導体装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を説明する。以下の説明は、本発明の実施の形態を説明するものであり、本発明が以下の実施形態に限定されるものではない。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略及び簡略化がなされている。また、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略されている。尚、各図において同一の符号を付されたものは同様の要素を示しており、適宜、説明が省略されている。
【0014】
実施の形態1.
初めに、本実施の形態に係る双方向スイッチ100の構成について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施の形態1に係る双方向スイッチ100の平面図である。図2は、本実施の形態1に係る双方向スイッチ100の断面図である。図2は、図1のII−II断面図を示している。本実施の形態に係る双方向スイッチ100は、図1及び図2に示すように、第1MOSスイッチM1と第2MOSスイッチM2とを備えた双方向半導体素子である。
【0015】
図1及び図2において、P半導体基板1上に、所定の不純物濃度に調整されたNウェル領域2が形成されている。このNウェル領域2には、トレンチ3が所定の間隔で形成されている。本実施の形態では、4つのトレンチ3が形成されている。そして、このトレンチ3の側壁3bに、ゲート絶縁膜(ゲート酸化膜)6が形成されている。
【0016】
ゲート絶縁膜6を介してトレンチ3の内側には、ゲート電極7がそれぞれ形成されている。すなわち、1つのトレンチ3内に、1つのゲート電極7が配設されている。図1及び図2において、右側の2つのトレンチ3内に、第1MOSスイッチM1のゲート電極71となる第1ゲート電極71a、71bがそれぞれ配設されている。ここでは、第1ゲート電極71aが第2MOSスイッチM2側に、第1ゲート電極71bが第2MOSスイッチM2とは反対側に配置されているとする。一方、図中左側の2つのトレンチ3内に、第2MOSスイッチM2のゲート電極72となる第2ゲート電極72a、72bがそれぞれ配設されている。ここでは、第2ゲート電極72aが第1MOSスイッチM1側に、第2ゲート電極72bが第1MOSスイッチM1とは反対側に配置されているとする。
【0017】
このように、本実施の形態では、それぞれのゲート電極7に対応してトレンチ3が設けられている。従って、第1MOSスイッチM1と第2MOSスイッチM2との間の隣接するトレンチ3間の領域、すなわち第1ゲート電極71aの設けられたトレンチ3と第2ゲート電極72aの設けられたトレンチ3との間の領域は、Nウェル領域2となる。
【0018】
第1MOSスイッチM1及び第2MOSスイッチM2のそれぞれにおいて、一方のゲート電極7が設けられたトレンチ3と他方のゲート電極7が設けられたトレンチ3との間のNウェル領域2の表面層には、Pオフセット領域5が選択的に形成されている。すなわち、第1ゲート電極71aが設けられたトレンチ3と第1ゲート電極71bが設けられたトレンチ3との間の領域では、Nウェル領域2の表面層に、Pオフセット領域5が選択的に形成されている。同様に、第2ゲート電極72bが設けられたトレンチ3と第2ゲート電極72aが設けられたトレンチ3との間の領域では、Nウェル領域2の表面層に、Pオフセット領域5が選択的に形成されている。このPオフセット領域5は、後述するように、ゲート電極7に電圧が印加されたときにチャネルが形成されるチャネル領域である。
【0019】
さらに、Pオフセット領域5の表面には、第1N+ソース領域9と第2N+ソース領域10がトレンチ3と接するように選択的に形成されている。第1N+ソース領域9は、第1MOSスイッチM1側に設けられ、第1ゲート電極71a、71bの設けられたトレンチ3と接するように形成されている。一方、第2N+ソース領域10は、第2MOSスイッチM2側に設けられ、第2ゲート電極72a、72bの設けられたトレンチ3と接するように形成されている。第1N+ソース領域9、及び第2N+ソース領域10は、Nウェル領域2より高い不純物濃度を有している。
【0020】
これらの上に、層間絶縁膜8形成されている。層間絶縁膜8には、第1N+ソース領域9上と第2N+ソース領域10上に、コンタクトホールが開口されている。層間絶縁膜8上には、第1MOSスイッチM1の第1ソース配線11と、第2MOSスイッチM2の第2ソース配線12とが形成されている。第1ソース配線11は、コンタクトホールを介して第1N+ソース領域9と接続するように設けられている。同様に、第2ソース配線12は、コンタクトホールを介して第2N+ソース領域10と接続するように設けられている。
【0021】
第1ゲート電極71a、71bは、図1に示すように、第1ゲート配線13とそれぞれ接続される。また、第2ゲート電極72a、72bは、第2ゲート配線14とそれぞれ接続される。
【0022】
このように、本実施の形態では、ゲート電極7のそれぞれにトレンチ3を設け、第1ゲート電極71aの設けられたトレンチ3と第2ゲート電極72aの設けられたトレンチ3との間の領域をNウェル領域2にしている。
【0023】
これにより、第1ゲート電極71aの設けられたトレンチ3と第2ゲート電極72aの設けられたトレンチ3との間の領域が、特許文献1の層間絶縁膜38よりも熱伝導率のよいNウェル領域2となる。特許文献1の層間絶縁膜38に、例えばシリコン酸化膜(熱伝導率0.014W/cm・K)が用いられているとすると、Nウェル領域2であるシリコン(熱伝導率1.5W/cm・K)の熱伝導率は、その100倍以上である。よって、電流経路付近の熱放散性を向上することができる。
【0024】
また、トレンチ3の幅が特許文献1のトレンチ33より狭くなる。そのため、平坦なトレンチ3底部を得ることが容易になり、このトレンチ3に形成されるゲート絶縁膜6の品質が向上する。さらに、ゲート電極7を1つのトレンチ3内において分離して形成する必要がないため、工程が簡略化できる。すなわち、P半導体基板1上にNウェル領域2を形成し、このNウェル領域2にトレンチ3を形成する。そして、トレンチ3にゲート絶縁膜6を形成した後、ゲート電極7となるポリシリコンを全面に成長させ、エッチバックするだけでゲート電極7が形成可能である。その後、Nウェル領域2の表面層にPオフセット領域5と、このPオフセット領域5の表面に第1N+ソース領域9と第2N+ソース領域10と、を選択的に形成する。これらの上に層間絶縁膜8を形成した後、層間絶縁膜8のコンタクトホールを介して第1N+ソース領域9、第2N+ソース領域10と接続する第1ソース配線11、第2ソース配線12をそれぞれ形成すればよい。
【0025】
このような構成の双方向スイッチ100では、第1MOSスイッチM1のドレインと第2MOSスイッチM2のドレインとがNウェル領域2で共通となる。ゲート電極71に電圧が印加されると、第1N+ソース領域9とNウェル領域2に挟まれたPオフセット領域5側面にチャネルが形成される。また、ゲート電極72に電圧が印加されると、第2N+ソース領域10とNウェル領域2に挟まれたPオフセット領域5側面にチャネルが形成される。
【0026】
次に、本実施の形態に係る双方向スイッチ100を備えた半導体装置200の動作について、図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態1に係る半導体装置200の回路図である。図3では、半導体装置200が携帯電話用リチウムイオン電池に搭載される場合について例示的に示している。
【0027】
図3に示すように、本実施の形態に係る半導体装置200は、双方向スイッチ100と充放電制御回路部110とを備えている。充放電制御回路部110は、双方向スイッチ100を制御する。充放電制御回路部110は、双方向スイッチ100の第1ゲート端子G1と第2ゲート端子G2とにそれぞれ接続されている。第1ゲート端子G1は、第1ゲート配線13を介して第1MOSスイッチM1のゲート(ゲート電極71)と電気的に接続している。第2ゲート端子G2は、第2ゲート配線14を介して第2MOSスイッチM2のゲート(ゲート電極72)と電気的に接続している。
【0028】
双方向スイッチ100は、上述したように、第1MOSスイッチM1と第2MOSスイッチM2のドレインを共通に抱き合わせて形成されている。また、第1MOSスイッチM1のソースは、第1ソース配線11を介して第1ソース端子S1と電気的に接続する。第2MOSスイッチM2のソースは、第2ソース配線12を介して第2ソース端子S2と電気的に接続している。そして、双方向スイッチ100は、第1ソース端子S1がリチウムイオン電池210側、第2ソース端子S2が負荷220側となるように接続されている。
【0029】
このような半導体装置200は、第1MOSスイッチM1が放電MOSFET、第2MOSスイッチM2が充電MOSFETとして機能する。充放電制御回路部110が第1ゲート端子G1と第2ゲート端子G2に高電圧Hを印加すると、第1MOSスイッチM1及び第2MOSスイッチM2がオンとなり双方向スイッチ100が導通状態となる。これにより、リチウムイオン電池210へ充電電流が流れるとともに、リチウムイオン電池210から負荷220へ放電電流が流れる。すなわち、半導体装置200は、リチウムイオン電池210に対して充電と放電の両方を行うことができる。
【0030】
これとは逆に、充放電制御回路部110が第1ゲート端子G1と第2ゲート端子G2に低電圧Lを印加すると、第1MOSスイッチM1及び第2MOSスイッチM2がオフとなり、オープン状態となる。これにより、半導体装置200は、リチウムイオン電池210に対して充電と放電の両方を停止することができる。
【0031】
一方、充放電制御回路部110が第1ゲート端子G1に高電圧H、第2ゲート端子G2に低電圧Lをそれぞれ印加すると、第1MOSスイッチM1がオン、第2MOSスイッチM2がオフとなる。これにより、充電電流は停止するが、放電電流は第2MOSスイッチM2の寄生ダイオードを通って負荷220へ流れる。すなわち、半導体装置200は、リチウムイオン電池210に対して、充電を停止し、放電のみを行うことができる。
【0032】
また、充放電制御回路部110が第1ゲート端子G1に低電圧L、第2ゲート端子G2に高電圧Hをそれぞれ印加すると、第1MOSスイッチM1がオフ、第2MOSスイッチM2がオンとなる。これにより、放電電流は停止するが、充電電流は第1MOSスイッチM1の寄生ダイオードを通ってリチウムイオン電池210へ流れる。すなわち、半導体装置200は、リチウムイオン電池210に対して、放電を停止し、充電のみを行うことができる。
【0033】
このようにして半導体装置200のゲートを制御することにより、電流のオン、オフを制御でき、双方向のスイッチを別々に制御できる。
【0034】
なお、第1MOSスイッチM1、第2MOSスイッチM2間に流れる電流は、図2に示す断面図において、ゲート電極7の下を通って横方向に流れ、第1ゲート電極71aと第2ゲート電極72aとに挟まれた領域に電流は流れ込まない。すなわち、耐圧の観点から、この領域が層間絶縁膜38で形成される必要はなく、Nウェル領域2で形成されてもよい。本実施の形態では、第1ゲート電極71aと第2ゲート電極72aとの間の間隔を広げることにより耐圧を確保できる。すなわち、トレンチの幅を広げることなく隣接する素子との耐圧向上が可能となる。よって、耐圧向上のためにトレンチの幅を広げる必要がない。従って、ゲート絶縁膜6の膜厚、Nウェル領域2の濃度、及び第1ゲート電極71aと第2ゲート電極72a間距離を調整することにより、所望の耐圧を確保できる。例えば、双方向スイッチ100は、携帯電話用リチウムイオン電池に搭載される場合、車のバッテリーで充電する用途などから、耐圧30V以上の要求がある。
【0035】
以上のように、本実施の形態では、ゲート電極7のそれぞれにトレンチ3を設け、第1ゲート電極71aの設けられたトレンチ3と第2ゲート電極72aの設けられたトレンチ3との間の領域をNウェル領域2にしている。すなわち、第1MOSスイッチM1のトレンチゲートと第2MOSスイッチM2のトレンチゲートの間を、ドレインと同じNウェル領域2によって形成する。これにより、電流経路付近の熱放散性を向上することができる。また、幅の広いトレンチ3を形成する必要がなくなるので、平坦なトレンチ3底部を得ることができ、ゲート絶縁膜6の品質が向上する。従って、スレッショールド電圧Vtを安定にすることができ、かつオン抵抗の低減を図ることができる。
【0036】
実施の形態2.
本実施の形態に係る双方向スイッチ100の構成について、図4を用いて説明する。図4は、本実施の形態2に係る双方向スイッチ100の断面図である。図4は、図2と同様、図1のII−II断面図を示している。
【0037】
図4に示すように、本実施の形態では、P半導体基板1とNウェル領域2の間にさらにN+埋め込み拡散層4が形成されている。N+埋め込み拡散層4は、Nウェル領域2より高い不純物濃度を有している。それ以外の構成については実施の形態1と同様であるため説明を省略する。これにより、実施の形態1と同様な効果に加え、素子分離を良好にできる。
【0038】
以上の説明は、本発明の実施の形態を説明するものであり、本発明が以上の実施の形態に限定されるものではない。また、当業者であれば、以上の実施の形態の各要素を、本発明の範囲において、容易に変更、追加、変換することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施の形態1に係る双方向スイッチの平面図である。
【図2】本実施の形態1に係る双方向スイッチの断面図である。
【図3】本実施の形態1に係る半導体装置の回路図である。
【図4】本実施の形態2に係る双方向スイッチの断面図である。
【図5】従来の半導体装置の構成図である。
【符号の説明】
【0040】
1 P半導体基板、2 Nウェル領域、
3 トレンチ、3b 側壁、
4 N+埋め込み拡散層、5 Pオフセット領域、
6 ゲート絶縁膜、7 ゲート電極、8 層間絶縁膜、
9 第1N+ソース領域、10 第2N+ソース領域、
11 第1ソース配線、12 第2ソース配線、
13 第1ゲート配線、14 第2ゲート配線、
31 p半導体基板、32 nウェル領域、
33 トレンチ、33a トレンチ底面、33b トレンチ側壁、
34 n拡張ドレイン領域、35 pオフセット領域、
36 ゲート絶縁膜、37 ゲート電極、
38、38a 層間絶縁膜、39 第1nソース領域、
71 ゲート電極、71a、71b 第1ゲート電極、
72 ゲート電極、72a、72b 第2ゲート電極、
100 双方向スイッチ、110 充放電制御回路部、
200 半導体装置、210 リチウムイオン電池、
220 負荷、310 第2nソース領域、
311 第1ソース電極、312 第2ソース電極、
313 第1ソース配線、314 第2ソース配線、
G1 第1ゲート端子、G2 第2ゲート端子、
M1 第1MOSスイッチ、M2 第2MOSスイッチ、
S1 第1ソース端子、S2 第2ソース端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1スイッチと第2スイッチとを有する双方向スイッチであって、
半導体基板上に形成され、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチのドレインとなる第1導電型のウェル領域と、
前記ウェル領域に設けられた第1トレンチ内に、ゲート絶縁膜を介して形成された前記第1スイッチのゲート電極と、
前記ウェル領域に前記第1トレンチと離間して設けられた第2トレンチ内に、ゲート絶縁膜を介して形成された前記第2スイッチのゲート電極と、
前記第1トレンチの側壁において、前記ウェル領域の表面に第2導電型のチャネル領域を介して形成された前記第1スイッチのソース領域と、
前記第2トレンチの側壁において、前記ウェル領域の表面に第2導電型のチャネル領域を介して形成された前記第2スイッチのソース領域と、を備え、
前記第1トレンチと前記第2トレンチとの間の領域には、前記ウェル領域が形成されている双方向スイッチ。
【請求項2】
前記第1トレンチは、前記第1スイッチのゲート電極に対応して設けられ、
前記第2トレンチは、前記第2スイッチのゲート電極に対応して設けられている請求項1に記載の双方向スイッチ。
【請求項3】
前記半導体基板と前記ウェル領域との間に、前記ウェル領域より高い第1導電型不純物濃度を有する拡散層をさらに備える請求項1又は2に記載の双方向スイッチ。
【請求項4】
前記第1スイッチのソース領域、及び前記第2スイッチのソース領域は、前記ウェル領域より高い第1導電型不純物濃度を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の双方向スイッチ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の双方向スイッチと、
前記双方向スイッチを制御する制御回路部と、を有する半導体装置。
【請求項6】
前記制御回路部は、前記第1スイッチのゲート電極と前記第2スイッチのゲート電極とにそれぞれ電気的に接続されている請求項5に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−16221(P2010−16221A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−175524(P2008−175524)
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】