説明

運転支援装置

【課題】過去の運転者の車両操作と対応付けて記憶された車両状況から今後の運転者が行う車両操作を予測することにより、現在の状況に応じた適切な走行を行わせることを可能とした運転支援装置を提供する。
【解決手段】自車両の前方を走行する前方車両が検出された場合に、学習システムを起動させて自車状況と自車両の周囲状況を前方レーダ装置3や各種センサ等によって検出し(S5、S6)、運転者の車両操作と対応付けて累積的に学習情報DB8に記憶させる(S8)とともに、一方で、その学習結果と現在の車両状況とから運転者が今後に車線変更の運転操作を行うか否かを予測し(S14)、車線変更の運転操作を行うと予測された場合にはレーンキープアシスト制御やクルーズコントロール制御等の車線変更を妨げる制御を抑制する(S16)ように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、今後に運転者が行う車両操作を予測することにより運転の支援を行う運転支援装置に関し、特に、過去の運転者の車両操作と対応付けて記憶された車両状況から今後の運転者が行う車両操作を予測する運転支援装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両運転時の事故防止の観点から、車両の周辺に位置する人や自転車等の障害物をレーダや撮像したカメラの画像等によって検出し、障害物との衝突を防止するために運転者に対する警告や車両制御を行う運転支援装置を搭載する車両が増加している。
このような運転支援装置の一つとして、運転者のステアリング操作を支援するために、車両が車線の中央付近を走行するように操舵力を付加するレーンキープアシスト機能を有するものがある。また、車両が車線から逸脱する可能性がある場合にはブザー音の出力や警報表示によりドライバに対して逸脱回避のステアリング操作を促す車線逸脱警報機能を有するものがある。また、運転者のブレーキ操作やアクセル操作を支援するために、運転者による設定車速を維持したり、或いは前方の車両に追従して走行するように、制動力や駆動力を付加するクルーズコントロール機能を有するものがある。
このような技術によれば、先行車を考慮した高度で安全な車間距離制御が可能となり、先行車の急加速や急ブレーキにも、滑らかな加速、減速制御によって適切に追従することができる。
【0003】
また、従来の運転支援装置では、過去の運転者の車両操作特性を学習し、学習結果に基づいて制御量を補正することにより、より適切な車両制御を行うものもある。例えば、特開2000−315300号公報にはミリ波レーダーを使って前方車両との車間距離を検知し、前方車両と一定の車間を保った状態で前方車両を追従する追従走行を行わせるクルーズコントロール作動時において、運転者の車両操作特性を学習記憶し、運転者の車両操作特性の変化に基づいて判定された現在の運転者の運転状態に基づいてより適切な車両制御を行う運転支援装置について記載されている。
【特許文献1】特開2000−315300号公報(第3頁〜第5頁、図2〜図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、車両走行中に前方を走行する前方車両がある場合において、運転者は前方車両に対して必ずしも追従する走行を行うとは限らない。即ち、周囲に他の車両が無く前方車両が低速で走行している場合等の特定の状況下では、車線変更をすることにより前方車両を追い越す走行を行うことも考えられる。しかしながら、前記した特許文献1に記載された運転支援装置では、車両がどのような状況に置かれていたとしても、追い越し走行中にクルーズコントロール制御が作用することによって運転者の意図に反した減速制御が行われる虞がある。また、車線変更をする為にステアリング操作を行う場合においては、レーンキープアシスト制御により車両が車線の中央付近を走行するように操舵力が付加されてしまう。従って、走行中の運転者に不快感やストレスを与えてしまう問題があった。
【0005】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、様々な状況下における過去の運転者の車両操作を学習することによって今後の運転者の車両操作を予測することが可能となり、ドライバーの意図に沿わない不要な車両制御によって運転者に不快感やストレスを与えることなく運転操作を行わせることを可能とした運転支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る運転支援装置(1)は、車両状況を検出する状況検出手段(3、4、5A〜5D、12)と、運転者の車両操作を検出する操作検出手段(13〜17)と、前記状況検出手段の検出結果を前記操作検出手段により検出した運転者の車両操作に対応付けて記憶する記憶手段(8)と、前記状況検出手段により検出した現在の車両状況と前記記憶手段に記憶された過去の車両状況から今後の運転者の車両操作を予測する予測手段(6)と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る運転支援装置(1)は、請求項1に記載の運転支援装置において、車両の前方を走行する前方車両を検出する前方車両検出手段(3)を備え、前記状況検出手段(3、4、5A〜5D、12)は前記前方車両検出手段によって前方車両が検出された場合に自車速度と前方車両に対する相対速度と前方車両までの車間距離を検出し、前記予測手段(6)は今後に運転者が車線変更の車両操作を行うか否かを予測することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る運転支援装置(1)は、請求項1又は請求項2に記載の運転支援装置において、前記記憶手段(8)は運転者が車線変更を開始する車両操作を行った際の車両状況と車線変更の車両操作を行っていない状況下での車両状況とをそれぞれ記憶し、前記予測手段(6)は、現在の車両状況を過去に運転者が車線変更を開始する車両操作を行った際の車両状況及び車線変更の車両操作を行っていない状況下での車両状況と比較する比較手段(6)を備え、前記比較手段の比較結果に基づいて運転者が車線変更の車両操作を行うか否かを予測することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る運転支援装置(1)は、請求項2又は請求項3に記載の運転支援装置において、前記予測手段(6)によって車線変更の車両操作が行われると予測された場合に車線変更を妨げないように車両を制御する車両制御手段(6)を有することを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る運転支援装置(1)は、請求項4に記載の運転支援装置において、前記車両制御手段(6)は現在走行する車線の前方車両との車間距離を一定に保つ為の減速制御を抑制する制御であることを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に係る運転支援装置(1)は、請求項4に記載の運転支援装置において、前記車両制御手段(6)は車両が現在走行する車線を逸脱しない為のステアリング制御を抑制する制御であることを特徴とする。
【0012】
更に、請求項7に係る運転支援装置(1)は、請求項4乃至請求項6に記載の運転支援装置1において、前記状況検出手段(3、4、5A〜5D、12)の検出結果に基づいて車両が車線変更を行わない場合に車両が危険な状況となるか否かを判定する危険判定手段(6)を備え、前記予測手段(6)によって車線変更の車両操作が行われると予測された場合であっても前記危険判定手段によって危険な状況になると判定された場合には前記車両制御手段(6)による車両の制御を行わないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
前記構成を有する請求項1の運転支援装置では、車両状況を運転者の車両操作に対応付けて記憶し、現在の車両状況と記憶された過去の車両状況から今後の運転者の車両操作を予測するので、学習結果に基づいて様々な状況下での今後の運転者の車両操作を適確に予測することが可能となる。従って、不要な車両制御によって運転者に不快感やストレスを与えることなく運転操作を行わせることが可能となる。
【0014】
また、請求項2の運転支援装置では、車両の前方を走行する前方車両がある場合に、自車速度と前方車両に対する相対速度と前方車両までの車間距離を検出し、今後に運転者が車線変更の車両操作を行うか否かを予測するので、学習結果に基づいて特に前方車両がある状況下において運転者が車線変更を行って追い越し動作をするか、又は追従して走行するかを適確に予測することが可能となる。
【0015】
また、請求項3の運転支援装置では、運転者が車線変更を開始する車両操作を行った際の車両状況と車線変更の車両操作を行っていない状況下での車両状況とをそれぞれ記憶し、現在の車両状況を過去に運転者が車線変更を開始する車両操作を行った際の車両状況及び車線変更の車両操作を行っていない状況下での車両状況に対して比較することにより、運転者が車線変更の車両操作を行うか否かを予測するので、学習結果に基づいて運転者が車線変更を行って追い越し動作をするか、又は追従して走行するかを適確に予測することが可能となる。
【0016】
また、請求項4の運転支援装置では、車線変更の車両操作が行われると予測された場合に車線変更を妨げないように車両を制御するので、レーンキープアシスト制御やクルーズコントロール制御等によって車線変更を妨げる制御が実行されていた場合であっても、運転者の意図に沿ってスムーズに車線変更を行うことが可能となる。
【0017】
また、請求項5の運転支援装置では、車線変更の車両操作が行われると予測された場合に現在走行する車線の前方車両との車間距離を一定に保つ為の減速制御を抑制するように車両を制御するので、クルーズコントロール制御によって車両の加速が困難な状況下にあったとしても、クルーズコントロール制御を一時的に抑制することによって運転者の意図に沿ってスムーズに車線変更を行うことが可能となる。
【0018】
また、請求項6の運転支援装置では、車線変更の車両操作が行われると予測された場合に車両が現在走行する車線を逸脱しない為のステアリング制御を抑制するように車両を制御するので、レーンキープアシスト制御によって車両が他の車線に移動することが困難な状況下にあったとしても、レーンキープアシスト制御を一時的に抑制することによって運転者の意図に沿ってスムーズに車線変更を行うことが可能となる。
【0019】
更に、請求項7の運転支援装置では、車両が車線変更を行わないと車両が危険な状況となると判定された場合には、車線変更の車両操作が行われると予測された場合であっても車線変更を妨げないようにする車両の制御を行わないので、前方車両との距離が接近しすぎていたり、相対速度が非常に大きい状況下においては、運転者に無理な車線変更を行わせないような車両制御が可能となる。それによって、車線変更を行うことによる前方車両との接触を確実に回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る運転支援装置について具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、本実施形態に係る運転支援装置1の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は本実施形態に係る運転支援装置1の概略構成図である。図2は本実施形態に係る運転支援装置1の制御系を模式的に示すブロック図である。
【0021】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る運転支援装置1は、車両2に対して設置された前方レーダ装置(状況検出手段、前方車両検出手段)3と、車内カメラ(状況検出手段)4と、ウィンカーランプ(状況検出手段)5A〜5Dと、運転支援ECU(予測手段、比較手段、車両制御手段、危険判定手段)6と、車両DB7と、学習情報DB(記憶手段)8と、車両ECU9と、運転支援ECU6に接続された車速センサ12等の各種センサで構成されている。
【0022】
ここで、前方レーダ装置3は、車両2の前方に装着されたナンバープレートの上中央付近に取り付けられており、電波送信部と電波受信部とから基本的に構成されている。そして、電波送信部から車両2の前方に対してビーム電波を放射するとともに前方の対象物(具体的には他車両)によって反射された反射電波を電波受信部で受信する。その結果、受信した反射電波の強度や波長に基づいて車両2の前方を走行する車両までの距離や相対速度を検出することが可能となる。
【0023】
また、車内カメラ4は、例えばCCD等の固体撮像素子を用いたものであり、インストルメントパネルの上面に取り付けられ、視線方向を運転席に向けて設置される。そして、運転席に座った運転者の顔を撮像し、運転者の顔の向きを検出する。また、運転支援ECU6は検出された運転者の顔の向きから後述するように車線変更及び追い越し動作の予測を行う。
【0024】
また、ウィンカーランプ5A〜5Dは車両2の前方に配置されたウィンカーランプ5A、5Bと、車両2の後方に配置されたウィンカーランプ5C、5D等から構成されており、運転者の操作に基づいて右左折する際の左折方向に位置する各ウィンカーランプ5A〜5Dを点灯させる。また、運転支援ECU6はウィンカーランプ5A〜5Dの点灯状態を検出し、後述するように車線変更及び追い越し動作の予測を行う。
【0025】
また、運転支援ECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)6は、所定のタイミングにおいて運転者の車両操作と車両状況とを対応付けて学習情報DB8に記憶する処理や、前方レーダ装置3によって前方車両を検出した際に現在の車両状況と学習情報DB8に記憶された過去の車両状況とを比較することによって、車両が車線変更及び追い越し動作を行うか否かを予測し、予測結果に基づいてクルーズコントロール機能やレーンキープアシスト機能による車両制御を抑制する制御処理を行う電子制御ユニットである。
【0026】
ここで、運転支援ECU6は、CPU31を核として構成されており、CPU31には記憶手段であるROM32及びRAM33が接続されている。そして、ROM32には後述の運転支援処理プログラム(図4参照)、その他、液晶ディスプレイ6等の制御上必要な各種のプログラム等が格納されている。また、RAM33はCPU31で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリである。尚、運転支援ECU6はナビゲーション装置の制御に使用するECUと兼用してもよい。
【0027】
また、車両DB7は、車両2の駆動系設計値や形状設計値等の車両に関する各種パラメータ情報が記憶された記憶手段である。そして、運転支援ECU6は車両DB7に記憶された各種パラメータ情報を用いてレーンキープアシスト制御やクルーズコントロール制御を行う。また、車両状況の検出や車両操作の予測にも用いられる。
【0028】
また、学習情報DB8は車両2の走行時において、所定時間間隔で車速や前方車両との車間距離等の車両状況を運転者の車両操作に対応付けて記憶するDBである。ここで、本実施形態に係る運転支援装置1では、車両状況が対応付けられる車両操作として、前方車両に対して追い越しを行う為に車線変更する車両操作と、車線変更を行わずに前方車両に追従走行を行う車両操作がある。
【0029】
以下に各車両操作について図3を用いて具体的に説明すると、レーン41とレーン42が並設されている道路において、車両2と車両2の前方を走行する前方車両43がある場合には、車両2は隣接するレーン42に車線変更して追い越しを行う車両操作を行うことができる。また、レーン41を継続して走行するとともに前方車両43と一定の車間距離を保ったまま追従走行する車両操作も行うことができる。
そして、車線変更を行わずに追従走行している状況下では、100ms毎に車両2の車速Vと前方車両43までの車間距離Lと前方車両43に対する相対速度S(S=V−v)とを前方レーダ装置3や車速センサ12によって検出し、通常走行の車両操作に対応付けて学習情報DB8に累積的に記憶する。また、車両2の前方を走行する前方車両43がある場合であって、特に運転者が車線変更の車両操作を行った場合には、その時点での車両2の車速Vと前方車両43までの車間距離Lと前方車両43に対する相対速度Sとを同じく前方レーダ装置3や車速センサ12によって検出し、車線変更の車両操作に対応付けて学習情報DB8に累積的に記憶する(図4のS8)。
尚、第1実施形態においては、車両DB7や学習情報DB8の記憶媒体としてハードディスクが使用されるが、磁気ディスク、メモリーカード、磁気テープ、磁気ドラム、CD、MD、DVD、光ディスク、MO、ICカード、光カード等を外部記憶装置として使用することもできる。
【0030】
また、車両ECU9は、エンジン、変速機、ブレーキ、ステアリング等の作動を制御する車両2の電子制御ユニットであり、スロットルアクチュエータ18と、ブレーキアクチュエータ19と、ステアリング20と、コントロールスイッチ21とが接続されている。ここで、コントロールスイッチ21はレーンキープアシスト制御のON/OFFを切り換えるレーンキープスイッチや、クルーズコントロール制御のON/OFFを切り換えるクルーズコントロールスイッチを備える。
【0031】
以下に、レーンキープアシスト制御とクルーズコントロール制御についてそれぞれ簡単に説明する。
レーンキープアシスト制御は、運転者による運転を支援するために、車両が現在走行する車線から逸脱する可能性のある場合に車両が車線の中央付近を走行するように操舵力を付加する車線維持支援制御を備える。
レーンキープアシスト制御を実行する場合の車両ECU9における処理について説明すると、レーンキープアシスト制御では、車両が車線の中央付近を走行するようにステアリング20を制御して操舵力を付加する。この操舵力は、運転者による操舵力を補助する比較的小さな操舵力であり、車線の曲線半径や車両と車線の中心線との角度差やオフセット量に応じて設定される。
【0032】
また、クルーズコントロール制御は、運転者によって設定された車速(目標車速)で走行するように自動で車速を調整する定速走行制御と、前方レーダ装置3により前方の車両の有無や前方の車両との車間距離等を検出し、前方に車両が存在する場合にはその車両との車間距離を一定に保って追従して走行するように自動で車速或いは加速度を調整する追従走行制御とを備える。
クルーズコントロール制御を実行する場合の車両ECU9における処理について説明すると、定速走行制御実行時には自動運転の開始の際に記憶された車速が維持されるようにスロットルアクチュエータ18に制御出力が行われ、車速センサ12で検出される車速が記憶された車速と一致するように、フィードバック制御が行われる。また追従走行制御では、前方レーダ装置3にて前方車両を検出している場合に自車速に応じた目標車間距離を算出及び出力し、この目標車間距離と現在の車速とに基づいて目標速度を算出し、現在の車速が目標車速に一致するようにスロットルアクチュエータ18及びブレーキアクチュエータ19を制御して先行車に追従走行する。尚、前方レーダ装置3にて前方車両を検出せず、前方車両がない場合には、定速走行制御が行われる。
【0033】
また、運転支援ECU6には車速センサ(状況検出手段)12、アクセルセンサ(操作検出手段)13、ブレーキセンサ(操作検出手段)14、ステアリングセンサ(操作検出手段)15、ジャイロセンサ(操作検出手段)16、シフトレバースイッチ(操作検出手段)17の各種センサが接続されている。ここで、車速センサ12は、車両の車輪の回転に応じて車速パルスを発生させ、車両の移動距離や車速を検出するセンサである。アクセルセンサ13は運転者によるアクセルペダルの操作量を検出するセンサである。ブレーキセンサ14は運転者によるブレーキペダルの操作量を検出するセンサである。ステアリングセンサ15は、ステアリング装置の内部に取り付けられており、ステアリングホイールを転舵した場合の舵角を検出するセンサである。ジャイロセンサ16は車両2の旋回角を検出するセンサである。また、シフトレバースイッチ17は、シフトレバー(図示せず)に内蔵され、シフト位置が「P(パーキング)」、「N(ニュートラル)」、「R(リバース)」、「D(ドライブ)」、「2(2速)」、「L(ロー)」のいずれの位置となっているかを検出する。
【0034】
その結果、運転支援ECU6は車速センサ12の出力信号に基づいて車両2の現在の車速を検出し、アクセルセンサ13及びブレーキセンサ14の出力信号に基づいて運転者のアクセル操作量及びブレーキ操作量を検出し、ステアリングセンサ15の出力信号に基づいて車両2の舵角を検出する。また、ジャイロセンサ16によって検出された旋回角を積分することにより、自車方位を検出する。更に、シフトレバースイッチ17によって車両2の現在のシフト位置を検出する。そして、運転支援ECU6は検出した各パラメータに基づいてレーンキープアシスト制御やクルーズコントロール制御を行う。また、車線変更の車両操作を行ったか否かや、車線変更を行わない場合に車両が危険な状況となるか否かについても判定する。
【0035】
次に、前記構成を有する運転支援装置1において運転支援ECU6が実行する運転支援処理プログラムについて図4に基づき説明する。図4は本実施形態に係る運転支援処理プログラムのフローチャートである。ここで、運転支援処理プログラムは車両のイグニションがONされた後に所定間隔(例えば100ms毎)で実行され、運転者の車両操作を車両2の状況及び車両2の周囲状況と合わせて学習するとともに、その学習結果を用いて今後の運転者の車両操作を予測し、予測結果に応じた車両制御を行うプログラムである。尚、以下の図4にフローチャートで示されるプログラムは、運転支援ECU6が備えているROM32やRAM33に記憶されており、CPU31により実行される。
【0036】
先ず、運転支援処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU31は前方レーダ装置3を用いて自車両から所定距離以内の前方を走行する前方車両を検出する。そして、S2では前方車両が検出されたか否かが判定され、前方車両が検出されたと判定された場合(S2:YES)にはS3へと移行する。一方、前方車両が検出されなかったと判定された場合(S2:NO)には運転支援処理プログラムを終了する。
【0037】
S3でCPU31は、レーンキープアシスト制御又はクルーズコントロール制御が実行中であるか否かを判定する。尚、前記したようにレーンキープアシスト制御及びクルーズコントロール制御の実行の有無はコントロールスイッチ21によって運転者が自由に切り換えることが可能である。
【0038】
そして、前記S3の判定の結果、レーンキープアシスト制御又はクルーズコントロール制御のいずれかが実行中であると判定された場合(S3:YES)にはS9へと移行する。それに対して、レーンキープアシスト制御及びクルーズコントロール制御のいずれも実行中でないと判定された場合(S3:NO)にはS4へと移行する。
【0039】
S4でCPU31は、学習システムを起動する。ここで、学習システムが起動されると以降のS5〜S8で自車速や前方車両との車間距離等の車両状況が検出され、検出結果が運転者の車両操作に対応付けて累積的に記憶される。そして、記憶された学習内容に基づいて後述のように運転者の車両操作の予測が行われる(S14)。
【0040】
学習システムが起動されると、先ずS5で自車の状況の検出が行われる。具体的には、車速センサ12により自車速度Vが検出される。
【0041】
次に、S6で車両の周辺状況の検出が行われる。具体的には、前方レーダ装置3で受信した反射電波の強度や波長に基づいて前記S1で検出された前方車両までの車間距離Lと相対速度Sを検出する。
【0042】
続いて、S7で運転者の車両操作の検出が行われる。具体的には、ステアリングセンサ15やジャイロセンサ16の検出結果と別途車体の前方に設けられたカメラ(図示せず)により撮像された画像の認識結果から、自車が車線を跨いでいると判定された場合には、前方車両に対して追い越しを行う為に車線変更する車両操作を行ったことが検出される。一方、自車が車線を跨いでいないと判定された場合には、車線変更を行わずに前方車両に追従走行を行う車両操作を行っていることが検出される。
【0043】
そして、S8でCPU31は前記S5及びS6で検出された車両状況(前方車両までの車間距離Lと相対速度S、自車速度V)を前記S7で検出された運転者の車両操作(前方車両に対して追い越しを行う為に車線変更する車両操作、又は車線変更を行わずに前方車両に追従走行を行う車両操作)に対応付けて学習情報DB8に累積的に記憶する。
【0044】
前記S4〜S8の学習システムによる学習処理の結果、図5に示すように100ms毎に前方車両までの車間距離Lと相対速度Sが継続して学習情報DB8に記憶される。そして、図6に示すように更に自車速度Vを加え、各車両状況において運転者が車線変更の車両操作を行ったか否かについても関連付けたテーブルが作成される。
例えば、図6に示す学習情報DB8では、過去に自車が車間距離L1、相対速度S1、自車速度V1の状況で走行中に車線変更の車両操作が行われたことについて学習している。また、自車が車間距離L2、相対速度S2、自車速度V2の状況で走行中に車線変更の車両操作が行われなかったことについて学習している。
【0045】
更に学習システムでは、図6に示すテーブルに基づいて図7に示す車両操作判定用のグラフが作成される。図7に示すグラフは特定の車間距離L及び相対速度Sに対応して学習情報DB8に記憶された自車速度Vの内、特に車線変更の車両操作を行った場合の自車速度Vが抽出され、統計されたグラフである。そして、抽出された自車速度Vの全データの内、平均値Vtの±40%のデータが含まれる領域を車線変更制御領域、それ以外のデータが含まれる領域を通常制御領域と規定する。
そして、後述するように運転者の車両操作の予測では、現在の車両状況が車線変更制御領域にある場合に車線変更の車両操作が行われると判定され、通常制御領域にある場合に前方車両に追従する通常走行の車両操作が行われると判定される。
【0046】
一方、前記S3の判定の結果、レーンキープアシスト制御又はクルーズコントロール制御のいずれかが実行中であると判定された場合(S3:YES)にはS9において自車の状況の検出が行われる。具体的には、車速センサ12により自車速度Vが検出される。
【0047】
次に、S10で車両の周辺状況の検出が行われる。具体的には、前方レーダ装置3で受信した反射電波の強度や波長に基づいて前記S1で検出された前方車両までの車間距離Lと相対速度Sを検出する。
【0048】
続いて、S11でCPU31は、現在の車両状況を前記学習システムによって学習された過去に運転者が車線変更を開始する車両操作を行った際の車両状況及び車線変更の車両操作を行っていない状況下での車両状況とそれぞれ比較し、今後の運転者の車両操作を予測する。具体的には、運転者の車両操作の予測に用いる制御判定値(前記S9及びS10で検出された現在の自車の車両状況(前方車両までの車間距離Lと相対速度S、自車速度V))が車線変更制御領域にあるか否かを判定することによって比較する。
ここで、車線変更制御領域は図7に示すように特定の車間距離L及び相対速度S毎に規定された領域であり、検出された自車速度Vが対応する車線変更制御領域にある場合(Vmin≦V≦Vmax)に車線変更の車両操作が行われると予測され、通常制御領域にある場合(V<Vmin,Vmax<V)に前方車両に追従する通常走行の車両操作が行われると予測される。尚、前記S11が比較手段の処理に相当する。
【0049】
そして、前記S11の判定の結果、制御判定値が車線変更制御領域にあると判定された場合(S11:YES)、即ち運転者によって今後に車線変更の車両操作が行われると予測された場合には、S12へと移行する。一方、制御判定値が通常制御領域にあると判定された場合(S11:NO)、即ち運転者によって今後に車線変更の車両操作が行われることなく前方車両に追従する通常走行の車両操作が行われると予測された場合には、後述する車両制御の最適化(S16)を行うことなく運転支援処理プログラムを終了する。
【0050】
S12でCPU31は車内カメラ4によって撮像される乗員の画像を取り込んで解析処理を行い、乗員の顔の向きを検出する。
具体的には、先ず、NTSCのようなアナログ通信手段や、i−linkのようなデジタル通信手段を用いて車内カメラ4で撮像した映像を入力し、jpeg、mpeg等のデジタル画像フォーマットに変換する。次に、撮像画像中の背景、乗員の顔及び眼球を輝度差に基づいて輝度補正を行う。その後、対象となる乗員の顔や眼球を画像から分離する2値化処理、歪みを補正する幾何学処理、画像の雑音を除去する平滑化処理等を行い、背景と顔との境界線(即ち、顔の輪郭線)及び顔と眼球の境界線(即ち、目の位置)を検出する。そして、検出された顔の輪郭線と目の位置から運転者がどの方向を向いているかを検出する。
【0051】
次に、S13でCPU31は前方レーダ装置3を用いて自車両から所定距離以内において隣接する左右レーンを走行する他車両を検出する。また、自車のウィンカーランプ5A〜5Dの点灯状態についても検出する。
【0052】
そして、S14では前記S11における制御判定値が車線変更制御領域にあるか否かの判定結果に加えて、前記S12で検出された運転者の顔の向きと、前記S13で検出された左右レーンの車両の有無とウィンカーランプ5A〜5Dの点灯状態に基づいて、運転者が今後に車線変更の車両操作を行うか否かの予測処理が再度行われる。具体的には、前記S11において制御判定値が車線変更制御領域にあると判定された場合であっても、運転者が正面を向いている場合、左右レーンに車両がある場合、又はウィンカーランプ5A〜5Dが点灯していない場合には、例外的に運転者が今後に車線変更の車両操作を行わないと予測される。一方、運転者が正面を向いておらず、左右レーンに車両がなく、且つウィンカーランプ5A〜5Dが点灯している場合には、運転者が今後に車線変更の車両操作を行うと予測される。
【0053】
続いて、S15では自車の車両制御の制御最適化が必要であるか否か判定される。ここで、車両制御の最適化が必要である場合とは、前記S14で運転者が今後に車線変更の車両操作を行うと予測された場合であって、且つ車両が車線変更を行わない場合に車両が危険な状況とならないと判定された場合である。一方、車両制御の最適化が必要ない場合とは、前記S14で運転者が今後に車線変更の車両操作を行わないと予測された場合か、又は車両が車線変更を行わない場合に車両が危険な状況となると判定された場合である。
そして、車線変更を行わない場合に車両が危険な状況となるか否かは、前方レーダ装置3や車速センサ12の検出結果に基づいて判定される。具体的には、前方車両との距離が接近しすぎていたり、相対速度が非常に大きい状況下においては、車線変更を行わない場合に車両が危険な状況となると判定される。尚、前記S15が危険判定手段の処理に相当する。
【0054】
前記S15の判定の結果、自車の車両制御の制御最適化が必要であると判定された場合(S15:YES)には、車両制御の最適化を行う(S16)。ここで、本実施形態に係る運転支援装置1における車両制御の最適化とは、今後に行われると予測される車線変更及び追い越し動作を妨げないように車両を制御することをいう。具体的には、現在走行する車線の前方車両との車間距離を一定に保つ為に減速するクルーズコントロール制御を抑制する制御と、車両が現在走行する車線を逸脱しない為にステアリング20を調整するレーンキープアシスト制御を抑制する制御である。そして、クルーズコントロール制御及びレーンキープアシスト制御が一時的に抑制されることによって、運転者はスムーズに車線変更及び追い越し動作を行うことが可能となる。尚、前記S11、S14、S15が予測手段の処理に相当し、S16が車両制御手段の処理に相当する。
【0055】
一方、前記S15の判定の結果、自車の車両制御の制御最適化が必要ないと判定された場合(S15:NO)には、車両制御の最適化を行うことなく運転支援処理プログラムを終了する。従って、前方車両との距離が接近しすぎていたり、相対速度が非常に大きい状況下においては、運転者に無理な車線変更及び追い越し動作を行わせないような車両制御が可能となる。それによって、車線変更及び追い越し動作を行うことによる前方車両との接触を確実に回避することができる。
【0056】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係る運転支援装置1では、自車両の前方を走行する前方車両が検出された場合に、学習システムを起動させて自車状況と自車両の周囲状況を前方レーダ装置3や各種センサ等によって検出し(S5、S6)、運転者の車両操作と対応付けて累積的に学習情報DB8に記憶させる(S8)とともに、一方で、その学習結果と現在の車両状況とから運転者が今後に車線変更の運転操作を行うか否かを予測し(S14)、車線変更の運転操作を行うと予測された場合にはレーンキープアシスト制御やクルーズコントロール制御等の車線変更を妨げる制御を抑制する(S16)ので、学習結果に基づいて様々な状況下での今後の運転者の車両操作を適確に予測することが可能となる。従って、不要な車両制御によって運転者に不快感やストレスを与えることなく運転操作を行わせることが可能となる。また、学習結果に基づいて特に前方車両がある状況下において運転者が車線変更を行って追い越し動作をするか、又は追従して走行するかを適確に予測することが可能となる。
そして、車線変更の運転操作を行うと予測された場合にはレーンキープアシスト制御やクルーズコントロール制御等の車線変更を妨げる制御を抑制する(S16)ことにより、クルーズコントロール制御によって車両の加速が困難な状況下にあったとしても、クルーズコントロール制御を一時的に抑制することによって運転者の意図に沿ってスムーズに車線変更を行うことが可能となる。また、レーンキープアシスト制御によって車両が他の車線に移動することが困難な状況下にあったとしても、レーンキープアシスト制御を一時的に抑制することによって運転者の意図に沿ってスムーズに車線変更を行うことが可能となる。
また、学習システムでは運転者が車線変更を開始する車両操作を行った際の車両状況と車線変更の車両操作を行っていない状況下での車両状況とをそれぞれ学習情報DB8に記憶し、現在の車両状況を過去に運転者が車線変更を開始する車両操作を行った際の車両状況及び車線変更の車両操作を行っていない状況下での車両状況に対して比較することにより、運転者が車線変更の車両操作を行うか否かを予測するので、学習結果に基づいて運転者が車線変更を行って追い越し動作をするか、又は追従して走行するかを適確に予測することが可能となる。
更に、車両が車線変更を行わないと車両が危険な状況となると判定された場合(S15:NO)には、車線変更の車両操作が行われると予測された場合であっても車線変更を妨げないようにする車両の制御を行わないので、前方車両との距離が接近しすぎていたり、相対速度が非常に大きい状況下においては、運転者に無理な車線変更を行わせないような車両制御が可能となる。それによって、車線変更を行うことによる前方車両との接触を確実に回避することができる。
【0057】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態ではレーンキープアシスト制御又はクルーズコントロール制御が実行されていない場合にのみ学習システムを起動させる(S4)こととしているが、レーンキープアシスト制御又はクルーズコントロール制御が実行されている場合でも学習システムを起動させることとしても良い。
【0058】
また、本実施形態では前方車両の検出にミリ波レーダを用いた前方レーダ装置3を用いているが、前方カメラで撮像した画像に基づいて検出することとしても良い。また、音波センサ等によって検出することとしても良い。更に、車両間で通信を行うことによって並走車両を検出することとしても良い。
【0059】
また、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等から送信された渋滞情報に基づいて、自車の現在走行する道路が渋滞していると判定された場合には、前記S14で車線変更の車両操作が行われると予測された場合であっても、車両制御の最適化(S16)を行わないようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本実施形態に係る運転支援装置の概略構成図である。
【図2】本実施形態に係る運転支援装置の制御系を模式的に示すブロック図である。
【図3】前方車両がある場合の車両操作の具体例を示した模式図である。
【図4】本実施形態に係る運転支援処理プログラムのフローチャートである。
【図5】学習システムにおいて所定間隔で検出された前方車両との車間距離と相対速度を示した図である。
【図6】学習システムにおいて学習情報DBに記憶される車両状況とその時点での車両操作をそれぞれ示した図である。
【図7】車線変更制御領域と通常制御領域を示したグラフである。
【符号の説明】
【0061】
1 運転支援装置
2 車両
3 前方レーダ装置
4 車内カメラ
5A〜5D ウィンカーランプ
6 運転支援ECU
8 学習情報DB
12 車速センサ
13 アクセルセンサ
14 ブレーキセンサ
15 ステアリングセンサ
16 ジャイロセンサ
17 シフトレバースイッチ
31 CPU
32 ROM
33 RAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両状況を検出する状況検出手段と、
運転者の車両操作を検出する操作検出手段と、
前記状況検出手段の検出結果を前記操作検出手段により検出した運転者の車両操作に対応付けて記憶する記憶手段と、
前記状況検出手段により検出した現在の車両状況と前記記憶手段に記憶された過去の車両状況から今後の運転者の車両操作を予測する予測手段と、を有することを特徴とする運転支援装置。
【請求項2】
車両の前方を走行する前方車両を検出する前方車両検出手段を備え、
前記状況検出手段は前記前方車両検出手段によって前方車両が検出された場合に自車速度と前方車両に対する相対速度と前方車両までの車間距離を検出し、
前記予測手段は今後に運転者が車線変更の車両操作を行うか否かを予測することを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記記憶手段は運転者が車線変更を開始する車両操作を行った際の車両状況と車線変更の車両操作を行っていない状況下での車両状況とをそれぞれ記憶し、
前記予測手段は、
現在の車両状況を過去に運転者が車線変更を開始する車両操作を行った際の車両状況及び車線変更の車両操作を行っていない状況下での車両状況と比較する比較手段を備え、
前記比較手段の比較結果に基づいて運転者が車線変更の車両操作を行うか否かを予測することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の運転支援装置。
【請求項4】
前記予測手段によって車線変更の車両操作が行われると予測された場合に車線変更を妨げないように車両を制御する車両制御手段を有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の運転支援装置。
【請求項5】
前記車両制御手段は現在走行する車線の前方車両との車間距離を一定に保つ為の減速制御を抑制する制御であることを特徴とする請求項4に記載の運転支援装置。
【請求項6】
前記車両制御手段は車両が現在走行する車線を逸脱しない為のステアリング制御を抑制する制御であることを特徴とする請求項4に記載の運転支援装置。
【請求項7】
前記状況検出手段の検出結果に基づいて車両が車線変更を行わない場合に車両が危険な状況となるか否かを判定する危険判定手段を備え、
前記予測手段によって車線変更の車両操作が行われると予測された場合であっても前記危険判定手段によって危険な状況になると判定された場合には前記車両制御手段による車両の制御を行わないことを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の運転支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−120288(P2008−120288A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−307898(P2006−307898)
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】