説明

配線基板及びその作製方法、並びに、半導体装置及びその作製方法

【課題】絶縁膜中の貫通配線が、絶縁膜よりも下層に配置されている配線層あるいは半導体素子層の配線と剥離するのを防ぐ。
【解決手段】マイクロカプセルと、前記マイクロカプセルが分散された絶縁性樹脂と、前記マイクロカプセルの空孔が接する貫通孔と、前記貫通孔中に形成され、前記絶縁性樹脂の両面に露出している貫通配線を有する配線基板及びその作製方法に関する。また、マイクロカプセルと、前記マイクロカプセルが分散された絶縁性樹脂と、前記マイクロカプセルの空孔が接する貫通孔と、前記貫通孔中に形成され、前記絶縁性樹脂の両面に露出している貫通配線を有する配線基板と、絶縁膜の表面に配線が露出した半導体素子層とを有し、前記配線が前記貫通配線と接触するように、前記半導体素子層が前記配線基板と密接している半導体装置及びその作製方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路もしくは回路基板を、電気的、機械的に接続する配線基板、及びそれを用いる半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配線層あるいは半導体素子層と、外部を電気的に接続するには、貫通配線を有する絶縁膜を、配線層あるいは半導体素子層上に設けることによって行われてきた。このような貫通配線は、絶縁膜に貫通孔を形成し、貫通孔に導電性樹脂を充填することにより、絶縁膜内部に貫通配線を形成することができた(特許文献1及び特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2006−186328号公報
【特許文献2】特開2006−186330号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
貫通配線を貫通孔に導電性材料を充填して形成した場合、配線層あるいは半導体素子層が形成されている基板そのものに曲げや膨張など力が加わると、充填した導電性材料が、貫通孔を有する絶縁膜よりも下層に配置されている配線層や半導体素子層の配線と剥離してしまう恐れがある。これが配線層を有する配線基板と貫通配線を有する絶縁膜との断線原因、あるいは半導体素子層を有する半導体基板と貫通配線を有する絶縁膜との断線原因となってしまうことがある。
【0004】
そこで本発明では、配線層や半導体素子層の配線と貫通配線との剥離を抑制し、断線原因を除去することを課題とする。
【0005】
また本発明では、破壊が少なく信頼性が高い半導体装置を提供することを課題とする。
【0006】
さらに本発明では、歩留まりが高く、信頼性の高い半導体装置の作製する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、内部に貫通配線が形成される貫通孔を多孔質(連続した空孔)として形成し、そのような貫通孔に導電性樹脂材料を充填することにより、上記の課題を解決する。
【0008】
本発明は、マイクロカプセルと、前記マイクロカプセルが分散された絶縁性樹脂と、前記マイクロカプセルの空孔が接する貫通孔と、前記貫通孔中に形成され、前記絶縁性樹脂の両面に露出している貫通配線を有することを特徴とする配線基板に関する。
【0009】
また本発明は、マイクロカプセルを絶縁性樹脂に分散させ、前記マイクロカプセルが分散された絶縁性樹脂の一部にエネルギーを照射して、前記マイクロカプセル、あるいは、前記マイクロカプセルに挟まれた絶縁性樹脂を破壊して、貫通孔を形成し、前記エネルギーを照射した絶縁性樹脂の一部上に、導電性材料を形成し、前記導電性材料を前記貫通孔の内部に移動させることにより、貫通配線を形成することを特徴とする配線基板の作製方法に関する。
【0010】
また本発明は、マイクロカプセルと、前記マイクロカプセルが分散された絶縁性樹脂と、前記マイクロカプセルの空孔が接する貫通孔と、前記貫通孔中に形成され、前記絶縁性樹脂の両面に露出している貫通配線を有する配線基板と、絶縁膜の表面に配線が露出した半導体素子層とを有し、前記配線が前記貫通配線と接触するように、前記半導体素子層が前記配線基板と密接していることを特徴とする半導体装置に関する。
【0011】
また本発明は、半導体素子層上に絶縁膜を形成し、前記絶縁膜の表面に半導体素子層と電気的に接続された配線を形成し、マイクロカプセルを絶縁性樹脂に分散させ、前記マイクロカプセルが分散された絶縁性樹脂の一部にエネルギーを照射して、前記マイクロカプセル、あるいは、前記マイクロカプセルに挟まれた絶縁性樹脂を破壊して、貫通孔を形成し、前記エネルギーを照射した絶縁性樹脂の一部上に、導電性材料を形成し、前記導電性材料を前記貫通孔の内部に移動させることにより、貫通配線を形成し、前記配線が前記貫通配線と接触するように、前記半導体素子層と前記配線基板を密接させることを特徴とする半導体装置の作製方法に関する。
【0012】
本発明において、前記貫通配線は、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パナジウム(Pd)、白金(Pt)のいずれかを有する。
【0013】
本発明において、前記導電性材料は、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パナジウム(Pd)、白金(Pt)のいずれかの粒子を含むペーストである。
【0014】
本発明において、前記絶縁性樹脂は、アクリル、シロキサン、ポリエステル、エポキシ、ポリウレタンのいずれかである。
【0015】
本発明において、前記マイクロカプセルは、シリカにより形成されている。
【0016】
本発明において、前記エネルギーは、UV光、超音波、マイクロ波、あるいはレーザ光である。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、絶縁膜中の貫通孔に充填した導電性材料によって形成された貫通配線が、絶縁膜よりも下層に配置されている配線層あるいは半導体素子層の配線と剥離するのを防ぐ。
【0018】
また絶縁膜そのものが多孔化しているため、耐クラック性の向上や比誘電率を下げることが可能である。
【0019】
また本発明により、破壊が少なく信頼性が高い半導体装置を提供することができる。
【0020】
さらに本発明では、歩留まりが高く、信頼性の高い半導体装置の作製する方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の態様について、図面を参照して説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に示す図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0022】
なお本明細書において、半導体装置とは、半導体を利用することで機能する素子及び装置全般を指し、電子回路、液晶表示装置、発光装置等を含む電気装置およびその電気装置を搭載した電子機器をその範疇とする。
【0023】
[実施の形態1]
本実施の形態を、図1(A)〜図1(D)、図2(A)〜図2(D)、図3(A)〜図3(D)、図4(A)〜図4(B)を用いて説明する。
【0024】
基板101上に、配線層102を形成する。配線層102上に、マイクロカプセル112を絶縁性樹脂111に分散させた絶縁膜103(図1(D)参照)を配置する。マイクロカプセルはシリカ等を用いて形成された、空孔を有する中空マイクロカプセル、あるいは空孔を有する多孔質マイクロカプセルであればよい。また絶縁性樹脂111は、アクリル、シロキサン、ポリエステル、エポキシ、ポリウレタン等熱硬化性樹脂であればよい。
【0025】
また絶縁膜103は、マイクロカプセルを分散させた液体を、基板上に塗布することにより、形成した膜であってもよい。
【0026】
基板101の上面から、UV光、超音波、マイクロ波、あるいはレーザ光等により、エネルギー106を絶縁膜103の領域105に照射する(図1(A)参照)。
【0027】
エネルギー106の照射により、マイクロカプセル112、あるいは、マイクロカプセル112に挟まれたために厚さが薄くなった絶縁性樹脂111の一部が破壊され、絶縁膜103中に独立した状態で分散したマイクロカプセル112の空孔が接する状態になり貫通孔が形成される。あるいは、必ずしも空孔が接しなくても、空孔と空孔のの間の絶縁性樹脂111が破壊され、貫通孔が形成されていればよい。絶縁膜103の強度に関しては、エネルギー106の照射前に焼成を行うとで強度を上げられるため、選択的な破壊が可能である。
【0028】
領域105上に、導電性材料107を配置する(図1(C)参照)。導電性材料107は、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パナジウム(Pd)、白金(Pt)のいずれかの粒子を含むペースト、あるいは、液晶用のスペーサに金等の導電性材料をメッキした粒子を主成分とするペーストを用いればよい。このような導電性材料107を、スクリーン印刷やインクジェット等の方法により、領域105上に配置する。
【0029】
あるいは、導電性材料107をスクリーン印刷やインクジェットではなく、メッキ、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等により形成してもよい。
【0030】
その後、基板101全体を加熱することで、導電性材料107が貫通孔の内部を移動し、絶縁膜103の導電性材料107が形成された反対の面に到達し、配線層102と導通を取ることができる。これにより貫通配線108が形成される(図1(C)参照)。
【0031】
また配線層102の代わりに、半導体素子を有する層(半導体素子層)を設けてもよい。このような半導体素子層を、図2(A)〜図2(D)を用いて説明する。
【0032】
図2(A)には、半導体素子層として、半導体素子層51を作製した例を示す。図2(A)において、半導体素子層51は、絶縁膜56上に、薄膜トランジスタ52a及び薄膜トランジスタ52b、絶縁膜65、絶縁膜66、絶縁膜67を有している。薄膜トランジスタ52aは、ソース領域またはドレイン領域である不純物領域53a、並びに、チャネル形成領域63aを有する半導体層、さらにゲート絶縁膜54、ゲート電極55aを有している。薄膜トランジスタ52bは、ソース領域またはドレイン領域である不純物領域53b、並びに、チャネル形成領域63bを有する半導体層、さらにゲート絶縁膜54、ゲート電極55bを有している。
【0033】
薄膜トランジスタ52aの不純物領域53a及び薄膜トランジスタ52bの不純物領域53bには、一導電性を付与する不純物元素が含まれている。n型を付与する不純物元素として、リン(P)やヒ素(As)などが用いられる。またp型を付与する不純物元素として、ホウ素(B)などが用いられる。不純物領域53a及び不純物領域53bには、それぞれどちらか一方、あるいは両方同じ不純物元素が含まれていてもよい。本実施の形態では、不純物領域53aはリン(P)が含まれているためn型不純物領域であり、不純物領域53bはホウ素(B)が含まれているためp型不純物領域であるとする。すなわち、薄膜トランジスタ52aはnチャネル型薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタ52bはpチャネル型薄膜トランジスタとなる。
【0034】
薄膜トランジスタ52a及び薄膜トランジスタ52bの半導体層はそれぞれ、厚さ10nm以上100nm以下、より好ましくは20nm以上70nm以下の非単結晶半導体で形成される層であり、非単結晶半導体層としては、結晶性半導体層、非晶質半導体層、微結晶半導体層等がある。また、半導体としては、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム化合物等がある。特に、瞬間熱アニール(RTA)又はファーネスアニール炉を用いた熱処理により結晶化させた結晶性半導体、加熱処理とレーザビームの照射を組み合わせて結晶化させた結晶性半導体を適用することが好ましい。加熱処理においては、シリコン半導体の結晶化を助長する作用のあるニッケルなどの金属元素を用いた結晶化法を適用することができる。
【0035】
加熱処理に加えてレーザビームを照射して結晶化する場合には、連続発振レーザビームの照射若しくは繰り返し周波数が10MHz以上であって、パルス幅が1ナノ秒以下、好ましくは1乃至100ピコ秒である高繰返周波数超短パルス光を照射することによって、結晶性半導体が溶融した溶融帯を、当該レーザビームの照射方向に連続的に移動させながら結晶化を行うことができる。このような結晶化法により、大粒径であって、結晶粒界が一方向に延びる結晶性半導体を得ることができる。
【0036】
ゲート絶縁膜54は、厚さ5nm以上50nm以下、好ましくは10nm以上40nm以下の酸化珪素及び酸化窒化珪素などの無機絶縁物で形成する。
【0037】
ゲート電極55a及びゲート電極55bは、金属または一導電型を与える不純物を添加した多結晶半導体で形成することができる。金属を用いる場合は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)などを用いることができる。また、金属を窒化させた金属窒化物を用いることができる。或いは、当該金属窒化物からなる第1層と当該金属から成る第2層とを積層させた構造としても良い。このとき第1層を金属窒化物とすることで、バリアメタルとすることができる。すなわち、第2層の金属が、ゲート絶縁層やその下層の半導体層に拡散することを防ぐことができる。また、積層構造とする場合には、第1層の端部が第2層の端部より外側に突き出した形状としても良い。
【0038】
半導体層、ゲート絶縁膜54、ゲート電極55a、ゲート電極55bなどを組み合わせて構成される薄膜トランジスタ52a、薄膜トランジスタ52bは、シングルドレイン構造、LDD(低濃度ドレイン)構造、ゲートオーバーラップドレイン構造など各種構造を適用することができる。ここでは、シングルドレイン構造の薄膜トランジスタを示す。さらには、等価的には、同電位のゲート電圧が印加される複数のトランジスタが直列に接続された形となるマルチゲート構造、半導体層の上下をゲート電極で挟むデュアルゲート構造、絶縁膜56上にゲート電極が形成され、ゲート電極上にゲート絶縁層、半導体層が形成される逆スタガ型薄膜トランジスタ等を適用することができる。
【0039】
ソース領域またはドレイン領域である不純物領域53a、あるいは不純物領域53bに接する配線57a、配線57b、配線58a、配線58bは、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)の積層構造、モリブデン(Mo)とアルミニウム(Al)との積層構造など、アルミニウム(Al)のような低抵抗材料と、チタン(Ti)やモリブデン(Mo)などの高融点金属材料を用いたバリアメタルとの組み合わせで形成することが好ましい。
【0040】
なお、薄膜トランジスタとして金属酸化物や有機半導体材料を半導体層に用いた薄膜トランジスタを用いることが可能である。金属酸化物の代表例には酸化亜鉛や亜鉛ガリウムインジウムの酸化物等がある。
【0041】
半導体素子層51を有する半導体装置の代表例として、他の装置の制御やデータの計算・加工を行なうマイクロプロセッサ(MPU)がある。MPUは、CPU、メインメモリ、コントローラ、インターフェース、I/Oポート等を有し、これらを薄膜トランジスタ、抵抗素子、容量素子、配線等で構成することができる。
【0042】
さらに半導体素子層51として、液晶表示装置の駆動装置、EL表示装置の駆動装置、電子泳動装置の駆動装置が挙げられる。これらは薄膜トランジスタ、抵抗素子、容量素子、配線等で構成することが可能である。
【0043】
図2(B)には、半導体素子層61を作製した例を示す。図2(B)に示す記憶素子62は、チャネル形成領域91及び不純物領域92を有する半導体層、トンネル酸化層64、フローティングゲート93、コントロール絶縁層94、コントロールゲート95で構成される不揮発性記憶素子である。
【0044】
トンネル酸化層64は、厚さ1nm〜10nm、好ましくは1nm〜5nmの酸化珪素若しくは酸化珪素と窒化珪素の積層構造を減圧CVD法やプラズマCVD法などで形成することができる。また、プラズマ処理により半導体層を酸化又は窒化することによりトンネル酸化層を形成することができる。さらには、プラズマCVD法により形成した酸化珪素をプラズマ処理により酸化又は窒化してもよい。当該プラズマ処理して形成した絶縁層は、緻密で絶縁耐圧が高く信頼性に優れている。
【0045】
フローティングゲート93は、導電層、ポリシリコン層、シリコンドット等で形成することができる。また、フローティングゲートの代わりに、窒化珪素、窒化ゲルマニウム等で形成された電荷蓄積層を用いてもよい。
【0046】
コントロール絶縁層94は、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、酸化アルミニウムなどの一層若しくは複数層を、減圧CVD法やプラズマCVD法などで形成する。コントロール絶縁層94の厚さは1nm〜20nm、好ましくは5〜10nmで形成する。
【0047】
コントロールゲート95は、図2(A)に示すゲート電極55aまたはゲート電極55bと同様の材料で形成すればよい。
【0048】
記憶素子62を駆動するための駆動素子として薄膜トランジスタ52bを形成してもよい。
【0049】
記憶素子62及び薄膜トランジスタ52bを形成したら、記憶素子62及び薄膜トランジスタ52bを覆って、絶縁膜65及び絶縁膜66を形成する。絶縁膜66上に、不純物領域92と電気的に接続する配線97及び配線98を形成する。薄膜トランジスタ52bについては、上述したように配線57b及び58bが形成される。絶縁膜66、配線97、配線98、配線57b、配線58bを覆って、絶縁膜67が形成される。これにより、記憶素子62を含む半導体素子層61が作製される。
【0050】
また記憶素子としては、記憶素子62の構成以外に、電荷蓄積層を有する不揮発性記憶素子、薄膜トランジスタ及びそれに接続される容量素子、薄膜トランジスタ及びそれに接続される強誘電層を有する容量素子、一対の電極の間に有機化合物層が挟まれる有機メモリ素子等がある。
【0051】
また、このような記憶素子を有する半導体装置としては、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、マスクROM(Read Only Memory)、EPROM(Electrically Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の記憶装置がある。
【0052】
図2(C)には、半導体素子層71を作製した例を示す。図2(C)に示すフォトダイオード72は、第1の電極として機能する配線58a、受光部73、及び第2の電極74で構成されている。受光部は73、非晶質または結晶質のシリコンを有する半導体層で形成することができる。この代表例としては、シリコン層、シリコンゲルマニウム層、炭化シリコン層、又はこれらのPN接合層、PIN接合層が挙げられる。
【0053】
薄膜トランジスタ52aは、配線58aを介して電気的にフォトダイオード72と接続されており、駆動素子として機能する。薄膜トランジスタ52a上に絶縁膜65及び絶縁膜66を形成する。絶縁膜66上に薄膜トランジスタ52aの不純物領域に電気的に接続される配線57a及び配線58bを形成する。また絶縁膜66上に、配線58aに電気的に接続される受光部73、受光部73上に第2の電極74を形成する。
【0054】
絶縁膜66、配線57a、配線58a、受光部73、第2の電極74を覆って絶縁膜67を形成する。これにより、フォトダイオード72及び薄膜トランジスタ52aを有する半導体素子層71が作製される。
【0055】
図2(C)に示すフォトダイオード72を有する半導体装置としては、光センサ、太陽電池等がある。
【0056】
また、図2(D)には、半導体素子層81を作製した例を示す。図2(D)に示す半導体素子層81は、薄膜トランジスタ52a及び薄膜トランジスタ52b、並びに、薄膜トランジスタ52aまたは52bに電気的に接続し絶縁膜66上に形成される電極84、電極84に電気的に接続し絶縁膜67上に形成されるアンテナ83を有している。電極84は、薄膜トランジスタ52aまたは薄膜トランジスタ52bに電気的に接続する配線57a、配線58a、配線57b、配線58bと同様の材料及び同様の作製工程により形成すればよい。
【0057】
図2(D)に示すアンテナ83は、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)およびチタン(Ti)等のいずれか一つ以上の金属粒子を有する液滴やペーストを液滴吐出法(インクジェット法、ディスペンス法など)により吐出し、乾燥焼成して形成する。液滴吐出法によりアンテナを形成することで、工程数の削減が可能であり、それに伴うコスト削減が可能である。
【0058】
また、スクリーン印刷法を用いてアンテナ83を形成してもよい。スクリーン印刷法を用いる場合、アンテナ83の材料としては、粒径が数nmから数十μmの導電性粒子を有機樹脂に溶解または分散させた導電性ペーストを選択的に印刷する。導電性粒子としては、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)およびチタン(Ti)等のいずれか一つ以上の金属粒子やハロゲン化銀の微粒子、または分散性ナノ粒子を用いることができる。また、導電性ペーストに含まれる有機樹脂は、金属粒子のバインダー、溶媒、分散材および被覆材として機能する有機樹脂から選ばれた一つまたは複数を用いることができる。代表的には、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の有機樹脂が挙げられる。また、導電層の形成にあたり、導電性のペーストを印刷した後に焼成することが好ましい。
【0059】
また、アンテナ83は、スクリーン印刷法の他にもグラビア印刷等を用いてもよいし、メッキ法、スパッタリング法等を用いて、導電性材料により形成することができる。
【0060】
図2(D)に示す半導体素子層81を有する半導体装置の代表例としては、無線で情報を送受信することが可能なIDタグ、ICタグ、RF(Radio Frequency)タグ、無線タグ、電子タグ、RFID(Radio Frequency Identification)タグ、ICカード、IDカード等(以下、RFIDと示す。)がある。また、本発明の半導体装置は、薄膜トランジスタ等で構成される集積回路部とアンテナを封止したインレットや、当該インレットをシール状やカード状にしたものを含む。さらに本発明は、RFIDのアンテナと集積回路部の接続部分に用いることが可能である。
【0061】
また、RFIDの信号の伝送方式として、電磁結合方式または電磁誘導方式(例えば13.56MHz帯)を適用する。磁束密度の変化による電磁誘導を利用する場合、アンテナの上面形状を輪状(例えば、ループアンテナ)、らせん状(例えば、スパイラルアンテナ)に形成することができる。
【0062】
また、RFIDにおける信号の伝送方式として、マイクロ波方式(例えば、UHF帯(860〜960MHz帯)、2.45GHz帯等)を適用することもできる。その場合には、信号の伝送に用いる電磁波の波長を考慮してアンテナの長さ等の形状を適宜設定すればよい。
【0063】
ここで、図2(A)に示す半導体素子層51を用いた場合の半導体装置の作製方法を、図3(A)〜図3(D)、図4(A)〜図4(B)に示す。ただし本発明の半導体装置に応用できるのは、半導体素子層51にだけではなく、半導体素子層61、半導体素子層71、半導体素子層81にも応用できる。さらには、本明細書に記載されていない半導体素子層にも適用可能である。また薄膜素子だけではなく、LSIにも応用可能である。
【0064】
基板59上に半導体素子層51を作製する。基板59としては、ガラス基板、石英基板、セラミック基板、絶縁層が少なくとも一表面に形成された金属基板、有機樹脂基板等を用いることができる。本実施の形態では、基板59としてガラス基板を用いる。
【0065】
また半導体素子層51中の絶縁膜67上に、配線57a、配線58a、配線57b、配線58bにそれぞれ電気的に接続する、配線121、配線122、配線123、配線124を形成する(図3(A)参照)。なお、配線121、配線122、配線123、配線124は全て形成する必要はなく、後の工程で形成される貫通配線108(貫通配線108aまたは貫通配線108b)と電気的に接続する配線のみを形成してもよい。
【0066】
配線121、配線122、配線123、配線124は、配線57a、配線58a、配線57b、配線58bと同じ材料で形成すればよい。
【0067】
次いで絶縁膜67、配線121、配線122、配線123、配線124上に、マイクロカプセル112を絶縁性樹脂111に分散させた絶縁膜103を形成する(図3(B)参照)。
【0068】
絶縁膜103上、かつ、配線121、配線122、配線123、配線124の少なくとも1つの上に、エネルギー106を照射する。図3(C)においては、絶縁膜103上、かつ、配線121及び配線124上に、エネルギー106を照射する。
【0069】
エネルギー106を照射された領域105(領域105a及び領域105b)(図3(D)参照)では、エネルギー106の照射により、マイクロカプセル112、あるいは、マイクロカプセル112に挟まれ十分な厚さが確保できていない絶縁性樹脂111が破壊され、絶縁膜103中に独立した状態で分散したマイクロカプセル112の空孔と空孔が接する状態になる。あるいは、必ずしも空孔と空孔が接しなくてもよい。
【0070】
次いで、領域105a及び領域105b上にそれぞれ、導電性材料107(導電性材料107a及び導電性材料107b)を配置する(図4(A)参照)。
【0071】
その後、基板101全体を加熱することで、導電性材料107a及び導電性材料107bが連続した空孔を有する多孔体を通り、それぞれ配線121及び配線124と電気的に接続される貫通配線108a及び貫通配線108bが形成される(図4(B)参照)。
【0072】
本発明により、絶縁膜中の貫通孔に充填した導電性材料によって形成された貫通配線が、絶縁膜よりも下層に配置されている配線層あるいは半導体素子層の配線と剥離するのを防ぐ。
【0073】
また絶縁膜そのものが多孔化しているため、耐クラック性の向上や比誘電率を下げることが可能である。
【0074】
また本発明により、破壊が少なく信頼性が高い半導体装置を提供することができる。
【0075】
さらに本発明では、歩留まりが高く、信頼性の高い半導体装置の作製する方法を提供することができる。
【0076】
[実施の形態2]
本実施の形態を、図5(A)〜図5(D)、図6(A)〜図6(D)、図7(A)〜図7(D)、図8(A)〜図8(C)、図9(A)及び図9(B)を用いて説明する。
【0077】
まず基板59上に剥離層161を作製する。剥離層161は、スパッタリング法やプラズマCVD法、塗布法、印刷法等により、厚さ30nm〜200nmのタングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、及び珪素(Si)の中から選択された元素、又は元素を主成分とする合金材料、又は元素を主成分とする化合物からなる層を、単層または複数の層を積層させて形成する。珪素を含む層の結晶構造は、非晶質、微結晶、多結晶のいずれの場合でもよい。なお、ここでは、塗布法は、溶液を被処理物上に吐出させて成膜する方法であり、例えばスピンコーティング法や液滴吐出法を含む。また、液滴吐出法とは微粒子を含む組成物の液滴を微細な孔から吐出して所定の形状のパターンを形成する方法である。
【0078】
剥離層161が単層構造の場合、好ましくは、タングステン、モリブデン、又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成する。又は、タングステンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、モリブデンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化物若しくは酸化窒化物を含む層を形成する。なお、タングステンとモリブデンの混合物とは、例えば、タングステンとモリブデンの合金に相当する。
【0079】
剥離層161が積層構造の場合、好ましくは、1層目として金属層を形成し、2層目として金属酸化物層を形成する。代表的には、1層目の金属層として、タングステン、モリブデン、又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成し、2層目として、タングステン、モリブデン、又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化物、タングステン、モリブデン、又はタングステンとモリブデンの混合物の窒化物、タングステン、モリブデン、又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化窒化物、又はタングステン、モリブデン、又はタングステンとモリブデンの混合物の窒化酸化物を含む層を形成する。
【0080】
剥離層161として、1層目として金属層、2層目として金属酸化物層の積層構造を形成する場合、金属層としてタングステンを含む層を形成し、その上層に酸化物で形成される絶縁層を形成することで、タングステンを含む層と絶縁層との界面に、金属酸化物層としてタングステンの酸化物を含む層が形成されることを活用してもよい。さらには、金属層の表面を、熱酸化処理、酸素プラズマ処理、オゾン水等の酸化力の強い溶液での処理等を行って金属酸化物層を形成してもよい。
【0081】
タングステンの酸化物は、WO、W、W11、WOなどがある。
【0082】
また、上記の工程によると、絶縁表面を有する基板59に接するように剥離層161を形成しているが、本発明はこの工程に制約されない。絶縁表面を有する基板59に接するように下地となる絶縁層を形成し、その絶縁層に接するように剥離層161を設けてもよい。ここでは、剥離層161として厚さ30nm〜70nmのタングステン層をスパッタリング法により形成する。
【0083】
次いで、図3(A)の構造及びその作製方法に基づいて、剥離層161上に絶縁膜56を含む半導体素子層51を作製する。半導体素子層は半導体素子層51に限定されるものではなく、他の半導体素子層、例えば半導体素子層61、半導体素子層71、半導体素子層81などでもよい。
【0084】
半導体素子層51中の絶縁膜67上に、配線57a、配線58a、配線57b、配線58bそれぞれに電気的に接続される、配線121、配線122、配線123、配線124を形成する(図5(A)参照)。なお、配線121、配線122、配線123、配線124のうち、後の工程で、電気的に接続される貫通配線108が形成されないものについては、形成しなくてもよい。
【0085】
次いで、図3(B)に示す構造及び作製工程に基づいて、配線121、配線122、配線123、配線124、絶縁膜67上に、マイクロカプセル112を絶縁性樹脂111に分散させた絶縁膜103を形成する(図5(B)参照)。
【0086】
次いで絶縁膜103上、かつ、配線121、配線122、配線123、配線124の少なくとも1つの上に、エネルギー106を照射する。図5(C)においては、絶縁膜103上、かつ、配線121及び配線124上に、エネルギー106を照射する。
【0087】
エネルギー106が照射された、絶縁膜103の領域105(領域105a及び領域105b)(図5(D)参照)に、導電性材料107(導電性材料107a及び導電性材料107b)を形成する(図6(A)参照)。
【0088】
加熱工程により、導電性材料107a及び導電性材料107bが絶縁膜103中を移動し、それぞれ配線121及び配線124と導通を取る貫通配線108(貫通配線108a及び貫通配線108b)が形成される(図6(B)参照)。
【0089】
次いで、図6(C)に示すように、後の剥離工程を容易に行うために、絶縁膜103側から、絶縁膜103、半導体素子層51及び剥離層161にレーザビーム126を照射して、図6(D)に示すような溝127を形成してもよい。溝127を形成するために照射するレーザビーム126としては、剥離層161、半導体素子層51、または絶縁膜103を構成する層のいずれかが吸収する波長を有するレーザビームが好ましく、代表的には、紫外領域、可視領域、又は赤外領域のレーザビームを適宜選択して照射する。
【0090】
このようなレーザビームを発振することが可能なレーザ発振器としては、KrF、ArF、XeCl等のエキシマレーザ発振器、He、He−Cd、Ar、He−Ne、HF、CO等の気体レーザ発振器、YAG、GdVO、YVO、YLF、YAlOなどの結晶にCr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmをドープした結晶、ガラス、ルビー等の固体レーザ発振器、GaN、GaAs、GaAlAs、InGaAsP等の半導体レーザ発振器を用いることができる。なお、その固体レーザ発振器においては基本波〜第5高調波を適宜適用するのが好ましい。
【0091】
次に、図7(A)に示すように、溝127をきっかけとして、剥離層161及び絶縁膜56の界面において、剥離層161が形成される絶縁表面を有する基板59と、半導体素子層51の一部及び絶縁膜103の一部とを物理的手段により剥離する。本実施の形態では、剥離した半導体素子層51の一部及び絶縁膜103の一部を、半導体回路素子151とする(図7(B)参照)。
【0092】
物理的手段とは、力学的手段または機械的手段を指し、何らかの力学的エネルギー(機械的エネルギー)を加える手段を指しており、その手段は、代表的には機械的な力を加えること(例えば人間の手や把治具で引き剥がす処理や、ローラを回転させながら分離する処理)である。このとき、構造体120表面に光または熱により剥離可能な粘着シートを設けると、さらに剥離が容易となる。
【0093】
また、溝127に液体を滴下し、剥離層161及び絶縁膜56の界面に液体を浸透させて剥離層161から半導体素子層51を剥離してもよい。この場合、溝127にのみ液体を滴下してもよいし、または絶縁表面を有する基板59、半導体素子層51、及び絶縁膜103全体を液体に浸して、溝127から剥離層161及び半導体素子層51の界面に液体を浸透させても良い。
【0094】
また、溝127にNF、BrF、ClF等のフッ化ガスを導入し、剥離層161をフッ化ガスでエッチングし除去して、絶縁表面を有する基板59から半導体素子層51の一部を剥離する方法を用いることができる。
【0095】
さらに半導体回路素子151の絶縁膜56側に、接着材等を用いて新たな基板を貼り合わせてもよい。新たな基板としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)に代表されるプラスチックや、アクリル等の合成樹脂を有するフレキシブル基板を用いることができる。
【0096】
本実施の形態では、半導体回路素子151の絶縁膜56側に、接着材等を用いて、新たな絶縁膜129を貼り合わせた例を図7(C)に示す。
【0097】
また図7(D)では、半導体回路素子151の絶縁膜56側に、接着材等を用いて、シート状繊維体131に有機樹脂132を含浸させた構造体130(「プリプレグ」ともいう)を貼り合わせた例を示す。構造体130は、局所的荷重(点圧、線圧等)がかかっても、シート状繊維体131で圧力が分散されるため、実装工程や湾曲による破壊を低減することができる。
【0098】
また図8(A)〜図8(C)、図9(A)及び図9(B)を用いて、半導体素子層を積層した半導体回路素子の作製方法について説明する。
【0099】
まず図5(A)の構成に基づいて、図8(A)の構造を形成する。図8(A)と図5(A)との違いは、配線121及び配線124が、剥離層161に到達する配線141及び配線144となることである。
【0100】
次いで図5(B)〜図5(D)、図6(A)〜図6(D)、図7(A)及び図7(B)の作製工程に基づいて、図8(B)に示す半導体回路素子152を得る。ただし半導体回路素子151と異なる点は、配線141及び配線144が、絶縁膜56の表面に露出していることである。
【0101】
ここで図8(C)に示すように、半導体回路素子152と半導体回路素子151を、半導体回路素子152の配線141及び配線144と、半導体回路素子151の導電性材料107aと導電性材料107bが、それぞれ重なるように配置させる。
【0102】
次いで半導体回路素子152と半導体回路素子151を、必要であれば接着材等を用いて貼り合わせる。このようにして積層された半導体回路素子155が形成される(図9(A)参照)。
【0103】
必要であれば、半導体回路素子155の、導電性材料107a及び導電性材料107bの露出している面と反対側の面に、接着材等を用いて基板157を貼り合わせてもよい。基板157として、上述のフレキシブル基板、絶縁膜103、シート状繊維体131に有機樹脂132を含浸させた構造体130を用いることが可能である。
【0104】
本発明により、絶縁膜中の貫通孔に充填した導電性材料によって形成された貫通配線が、絶縁膜よりも下層に配置されている配線層あるいは半導体素子層の配線と剥離するのを防ぐ。
【0105】
また絶縁膜そのものが多孔化しているため、耐クラック性の向上や比誘電率を下げることが可能である。
【0106】
また本発明により、破壊が少なく信頼性が高い半導体装置を提供することができる。
【0107】
さらに本発明では、歩留まりが高く、信頼性の高い半導体装置の作製する方法を提供することができる。
【0108】
また本発明により半導体素子層を積層することが可能なので、半導体回路素子の占有面積を小さくすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の半導体素子の作製工程を示す断面図。
【図2】本発明の半導体素子の断面図。
【図3】本発明の半導体素子の作製工程を示す断面図。
【図4】本発明の半導体素子の作製工程を示す断面図。
【図5】本発明の半導体素子の作製工程を示す断面図。
【図6】本発明の半導体素子の作製工程を示す断面図。
【図7】本発明の半導体素子の作製工程を示す断面図。
【図8】本発明の半導体素子の作製工程を示す断面図。
【図9】本発明の半導体素子の作製工程を示す断面図。
【符号の説明】
【0110】
51 半導体素子層
52a 薄膜トランジスタ
52b 薄膜トランジスタ
53a 不純物領域
53b 不純物領域
54 ゲート絶縁膜
55a ゲート電極
55b ゲート電極
56 絶縁膜
57a 配線
57b 配線
58a 配線
58b 配線
59 基板
61 半導体素子層
62 記憶素子
63a チャネル形成領域
63b チャネル形成領域
64 トンネル酸化層
65 絶縁膜
66 絶縁膜
67 絶縁膜
71 半導体素子層
72 フォトダイオード
73 受光部
74 電極
81 半導体素子層
83 アンテナ
84 電極
91 チャネル形成領域
92 不純物領域
93 フローティングゲート
94 コントロール絶縁層
95 コントロールゲート
97 配線
98 配線
101 基板
102 配線層
103 絶縁膜
105 領域
105a 領域
105b 領域
106 エネルギー
107 導電性材料
107a 導電性材料
107b 導電性材料
108 貫通配線
108a 貫通配線
108b 貫通配線
111 絶縁性樹脂
112 マイクロカプセル
120 構造体
121 配線
122 配線
123 配線
124 配線
126 レーザビーム
127 溝
129 絶縁膜
130 構造体
131 シート状繊維体
132 有機樹脂
141 配線
144 配線
151 半導体回路素子
152 半導体回路素子
155 半導体回路素子
157 基板
161 剥離層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロカプセルと、前記マイクロカプセルが分散された絶縁性樹脂と、
前記マイクロカプセルの空孔が接する貫通孔と、
前記貫通孔中に形成され、前記絶縁性樹脂の両面に露出している貫通配線を有することを特徴とする配線基板。
【請求項2】
請求項1において、
前記貫通配線は、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パナジウム(Pd)、白金(Pt)のいずれかを有することを特徴とする配線基板。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記絶縁性樹脂は、アクリル、シロキサン、ポリエステル、エポキシ、ポリウレタンのいずれかであることを特徴とする配線基板。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項において、
前記マイクロカプセルは、シリカにより形成されていることを特徴とする配線基板。
【請求項5】
マイクロカプセルを絶縁性樹脂に分散させ、
前記マイクロカプセルが分散された絶縁性樹脂の一部にエネルギーを照射して、前記マイクロカプセル、あるいは、前記マイクロカプセルに挟まれた絶縁性樹脂を破壊して、貫通孔を形成し、
前記エネルギーを照射した絶縁性樹脂の一部上に、導電性材料を形成し、
前記導電性材料を前記貫通孔の内部に移動させることにより、貫通配線を形成することを特徴とする配線基板の作製方法。
【請求項6】
請求項5において、
前記導電性材料は、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パナジウム(Pd)、白金(Pt)のいずれかの粒子を含むペーストであることを特徴とする配線基板の作製方法。
【請求項7】
請求項5または請求項6において、
前記絶縁性樹脂は、アクリル、シロキサン、ポリエステル、エポキシ、ポリウレタンのいずれかであることを特徴とする配線基板の作製方法。
【請求項8】
請求項5乃至請求項7のいずれか1項において、
前記マイクロカプセルは、シリカにより形成されていることを特徴とする配線基板の作製方法。
【請求項9】
請求項5乃至請求項8のいずれか1項において、
前記エネルギーは、UV光、超音波、マイクロ波、あるいはレーザ光であることを特徴とする配線基板の作製方法。
【請求項10】
マイクロカプセルと、前記マイクロカプセルが分散された絶縁性樹脂と、
前記マイクロカプセルの空孔が接する貫通孔と、
前記貫通孔中に形成され、前記絶縁性樹脂の両面に露出している貫通配線を有する配線基板と、
絶縁膜の表面に配線が露出した半導体素子層とを有し、
前記配線が前記貫通配線と接触するように、前記半導体素子層が前記配線基板と密接していることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項10において、
前記貫通配線は、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パナジウム(Pd)、白金(Pt)のいずれかを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項10または請求項11において、
前記絶縁性樹脂は、アクリル、シロキサン、ポリエステル、エポキシ、ポリウレタンのいずれかであることを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
請求項10乃至請求項12のいずれか1項において、
前記マイクロカプセルは、シリカにより形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
半導体素子層上に絶縁膜を形成し、
前記絶縁膜の表面に半導体素子層と電気的に接続された配線を形成し、
マイクロカプセルを絶縁性樹脂に分散させ、
前記マイクロカプセルが分散された絶縁性樹脂の一部にエネルギーを照射して、前記マイクロカプセル、あるいは、前記マイクロカプセルに挟まれた絶縁性樹脂を破壊して、貫通孔を形成し、
前記エネルギーを照射した絶縁性樹脂の一部上に、導電性材料を形成し、
前記導電性材料を前記貫通孔の内部に移動させることにより、貫通配線を形成し、
前記配線が前記貫通配線と接触するように、前記半導体素子層と前記配線基板を密接させることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項15】
請求項14において、
前記導電性材料は、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パナジウム(Pd)、白金(Pt)のいずれかの粒子を含むペーストであることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項16】
請求項14または請求項15において、
前記絶縁性樹脂は、アクリル、シロキサン、ポリエステル、エポキシ、ポリウレタンのいずれかであることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項17】
請求項14乃至請求項16のいずれか1項において、
前記マイクロカプセルは、シリカにより形成されていることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項18】
請求項14乃至請求項17のいずれか1項において、
前記エネルギーは、UV光、超音波、マイクロ波、あるいはレーザ光であることを特徴とする半導体装置の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−27818(P2010−27818A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−186659(P2008−186659)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】