説明

埋め込みストレッサを有する高性能FETを形成するための方法および構造

【課題】 高性能の半導体構造およびかかる構造を製造する方法を提供する。
【解決手段】 半導体構造は、半導体基板12の上面14上に位置する、例えばFETのような少なくとも1つのゲート・スタック18を含む。構造は更に、少なくとも1つのゲート・スタックのチャネル40上にひずみを誘発する第1のエピタキシ半導体材料34を含む。第1のエピタキシ半導体材料は、少なくとも1つのゲート・スタックの対向側に存在する基板内の1対のくぼみ領域28の実質的に内部で少なくとも1つのゲート・スタックの設置場所に位置する。くぼみ領域の各々において第1のエピタキシ半導体材料の上面内に拡散拡張領域38が位置する。構造は更に、拡散拡張領域の上面上に位置する第2のエピタキシ半導体材料36を含む。第2のエピタキシ半導体材料は、第1のエピタキシ半導体材料よりも高いドーパント濃度を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体構造およびこれを製造する方法に関する。更に具体的には、本発明は、二層埋め込みエキタピシ半導体ソース領域およびドレイン領域を含む高性能半導体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス基板内の機械的応力は、デバイス性能を調整するために広く用いられている。例えば、一般的なシリコン技術においては、チャネルが圧縮応力下にある場合はホール移動度が高くなるが、チャネルが引張応力下にある場合は電子移動度が高くなる。従って、かかるデバイスの性能を向上させるために、pチャネル電界効果トランジスタ(pFET)またはnチャネル電界効果トランジスタ(nFET)あるいはその両方のチャネル領域において圧縮応力または引張応力あるいはその両方を有利に生成させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7,329,923号
【特許文献2】米国公開番号第2005/0116290号(2005年6月2日付)
【特許文献3】米国特許第7,023,055号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
望ましい応力下のシリコン・チャネル領域を生成するための1つの可能な手法は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)デバイスのソース領域およびドレイン領域内に埋め込みシリコン・ゲルマニウム(SiGe)またはシリコン炭素(Si:C)ストレッサ(stressor)を形成して、ソース領域とドレイン領域との間に位置するチャネル領域に圧縮または引張ひずみを誘発することである。かかる埋め込みストレッサを形成するために、半導体業界において2つの一般的な技法が用いられている。第1の技法は、最新埋め込みストレッサ・プロセスと称することができ、拡張部形成の後にインシチューで(in situ)ドーピングしたストレッサ材料を形成する。この最新の埋め込みストレッサ・プロセスでは、応力保存および低いソース/ドレイン抵抗が得られるが、このプロセスによって設けられるFETは、深く高濃度のドーピングされたソースおよびドレイン領域を形成するので、不良の短チャネル効果を呈する。一般的に用いられる第2の手法は、初期埋め込みストレッサ・プロセスであり、拡張部イオン注入を実行する前に非ドープのエピタキシ・ストレッサ材料を形成する。この技法ではデバイス・チャネルの近傍で応力が改善されるが、プロセスのこの段階で拡張部イオン注入を実行することによって応力緩和が見られる。また、この技法には複雑な第1のスペーサが必要であり、高k/金属ゲート・スタックとの適合性の問題がある。
【0005】
半導体業界におけるこれらの利点にもかかわらず、ストレッサの近接性と短チャネル効果との間で良好なバランスを保つ埋め込みストレッサ技術を更に改良することが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、高性能の半導体構造およびかかる構造を製造する方法を提供する。高性能半導体構造は、二層埋め込みエピタキシ半導体ソース領域およびドレイン領域を含む。二層の第1の層は、ドーピングされていないか低濃度にドーピングされたエピタキシ半導体材料であり、少なくとも1つのゲート・スタックの設置場所で半導体基板内に位置するくぼみ領域の大部分を充填する。第1のエピタキシ半導体材料は、短チャネル効果を劣化させることなく、デバイス・チャネルにひずみを生成する。二層の第2の層は、インシチュー・ドーピング・エピタキシ半導体材料であり、そのドーパント濃度は第1のエピタキシ半導体材料よりも実質的に大きい。第2のエピタキシ半導体材料は、高いドーパント活性化により、拡張領域を形成するためのドーパント・ソースを提供する。更に、第2のエピタキシ半導体材料は、優れた短チャネル効果を呈し、結果として得られる構造の外部抵抗を低下させる。高性能半導体構造は、従来のような深部の高濃度にドーピングしたソース領域および従来のような深部の高濃度にドーピングしたドレイン領域を含まない。このため、構造は、ひずみ保存および短チャネル制御に優れている。
【0007】
本発明の一態様において、半導体基板の上面上に位置する、例えばFETのような少なくとも1つのゲート・スタックを含む高性能の半導体構造が提供される。構造は更に、少なくとも1つのゲート・スタックのチャネル上にひずみを誘発する第1のエピタキシ半導体材料を含む。第1のエピタキシ半導体材料は、少なくとも1つのゲート・スタックの設置場所に位置し、少なくとも1つのゲート・スタックの対向側に存在する基板内の1対のくぼみ領域の実質的に内部に存在する。くぼみ領域の各々において第1のエピタキシ半導体材料の上面内に拡散拡張領域が位置する。構造は更に、拡散拡張領域の上面上に位置する第2のエピタキシ半導体材料36を含む。第2のエピタキシ半導体材料は、第1のエピタキシ半導体材料よりも高いドーパント濃度を有する。
【0008】
本発明の別の態様において、上述の高性能半導体構造を製造する方法が提供される。この方法は、ゲート・スタックの設置場所で半導体基板内に1対のくぼみ領域を形成するステップを含む。次いで、各くぼみ領域内に、半導体基板の格子定数と異なる格子定数を有する第1のエピタキシ半導体材料を形成する。第1のエピタキシ半導体材料の上面上に、第1のエピタキシ半導体材料よりも高いドーパント濃度を有する第2のエピタキシ半導体材料を形成する。第2のエピタキシ半導体材料から第1のエピタキシ半導体材料の上部内にドーパントを拡散させることによって、第1のエピタキシ半導体材料と第2のエピタキシ半導体材料との間に拡張領域を形成する。また、この方法は、拡張領域の形成後に、第2のエピタキシ半導体材料の上面の上に金属半導体合金領域を形成するステップを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態において使用可能である半導体基板の表面上に位置する少なくとも1つのゲート・スタックを含む初期構造を示す図(横断面)である。
【図2】少なくとも1つのゲート・スタックの設置場所で半導体基板内に1対のくぼみ領域を形成した後の図1の構造を示す図(横断面)である。
【図3】少なくとも1つのゲート・スタックの設置場所で半導体基板内に1対のファセットくぼみ領域を形成した後の図1の構造を示す図(横断面)である。
【図4】半導体基板の格子定数とは異なる格子定数を有する(非ドーピングまたは低濃度ドーピングされている)第1のエピタキシ半導体材料をくぼみ領域の各々に充填した後、更に、第1のエピタキシ半導体材料の上面上に第2のエピタキシ半導体材料(第1の半導体材料に比べて高濃度にドーピングされている)を形成した後の、図2に示した構造を示す図(横断面)である。
【図5】くぼみ領域の各々において第1のエピタキシ半導体材料の上部内に拡張領域を形成した後の、図4の構造を示す図(横断面)である。
【図6】任意のハロー領域を形成した後の、図5の構造を示す図(横断面)である。
【図7】例えば任意のゲート電極キャップの除去、第2のスペーサの形成、第2のエピタキシ半導体材料上の少なくとも上面上の金属半導体合金領域の形成を含む更に別の処理を行った後の図6の構造を示す図(横断面)である。
【図8】図4から図7に示したステップを実行した後の、図3に示した構造を示す図(横断面)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明において、本発明のいくつかの態様を理解するために、特定の構造、構成要素、材料、寸法、処理ステップおよび技法等、多数の具体的な詳細事項を記載する。しかしながら、本発明はこれらの具体的な詳細事項がなくても実施可能であることは当業者には認められよう。他の例では、本発明を曖昧にするのを避けるために、周知の構造または処理ステップについては詳細には記載しない。
【0011】
ある層、領域、または基板としての要素が、別の要素の「上に」または「上方に」あるという場合、これは他の要素の直接上にある可能性があり、または介在する要素が存在する可能性もあることは理解されよう。これに対して、ある要素が別の要素の「直接上に」または「直接上方に」あるという場合、介在する要素は存在しない。また、ある要素が別の要素の「下に」または「下方に」あるという場合、これは別の要素の直接下にあるか、もしくは直接下方にある可能性があり、または介在する要素が存在する可能性もあることは理解されよう。これに対して、ある要素が別の要素の「直接下に」または「直接下方に」あるという場合、介在する要素は存在しない。
【0012】
これより、以下の考察および本出願の添付図面を参照することにより、本発明の実施形態について更に詳細に記載する。本発明の図面は、本明細書において以下で更に詳細に参照するが、例示的な目的で与えるものであり、このため一定の縮尺どおりに描かれているわけではない。
【0013】
最初に図1を参照すると、本発明の一実施形態において使用可能である初期構造10が示されている。初期構造10は、少なくとも1つのアクティブ領域14を有する半導体基板12を含む。また、半導体基板12は少なくとも1つの分離領域16も含む。初期構造10は更に、半導体基板12の少なくとも1つのアクティブ領域14の上面上に位置する少なくとも1つのゲート・スタック18を含む。典型的にパターニングされている少なくとも1つのゲート・スタック18は、下部から上部に、ゲート誘電体20、ゲート電極22、および任意のゲート電極キャップ24を含む。ゲート電極キャップ24は、本明細書において誘電キャップと称することも可能である。例えば内側スペーサ26のような第1のスペーサ26は、初期構造10に存在するゲート・スタックの各々の側壁上に位置する。
【0014】
図1に示す初期構造10は、従来の方法によって形成することができ、当業者に周知の材料を含むことができる。例えば、初期構造10の半導体基板12は、限定ではないが、Si、Ge、SiGe、SiC、SiGeC、GaAs、GaN、InAs、InP、および他の全てのIII/VまたはII/VI化合物半導体を含むいずれかの半導体材料から構成することができる。半導体基板12の半導体材料は、用いる半導体材料の種類に応じた第1の格子定数を有する。また、半導体基板12は、有機半導体または、Si/SiGe、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、SiGeオン・インシュレータ(SGOI)、もしくはゲルマニウム・オン・インシュレータ(GOI)等の多層半導体を含むことができる。本発明の一実施形態では、半導体基板12はSOI基板を含み、Si等の上部および下部の半導体材料層が、埋め込み酸化物等の埋め込み誘電体によって離間している。本発明の他の実施形態では、半導体基板12は、Si含有半導体材料すなわちシリコンを含む半導体材料で構成することが好ましい。半導体基板12は、ドーピングされている場合もドーピングされていない場合もあり、または、ドーピング領域および非ドーピング領域を含む場合もある。半導体基板12は、単結晶方位を含むことができ、または異なる結晶方位を有する少なくとも2つの同一平面の表面領域を含むことができる(後者の基板は当技術分野においてハイブリッド基板と称される)。ハイブリッド基板を用いる場合、{100}結晶表面上には典型的にnFETが形成され、{110}結晶平面上には典型的にpFETが形成される。ハイブリッド基板は、当技術分野において周知の技法によって形成することができる。例えば、共有の米国特許第7,329,923号、米国公開番号第2005/0116290号(2005年6月2日付)、および米国特許第7,023,055号を参照のこと。これら各々の全体的な内容は引用により本願にも含まれるものとする。
【0015】
少なくとも1つの分離領域16は、典型的に、半導体基板12内にアクティブ領域すなわちデバイス領域を形成するように、半導体基板12内に形成されている。少なくとも1つの分離領域16は、トレンチ分離領域またはフィールド酸化物分離領域とすることができる。トレンチ分離領域(これは図1に示されている)は、当業者に周知の従来のトレンチ分離プロセスを用いて形成される。例えば、トレンチ分離領域を形成する際に、トレンチ誘電体を用いたトレンチのリソグラフィ、エッチング、および充填を用いることができる。任意に、トレンチ充填の前にトレンチにライナを形成することができ、トレンチ充填の後に高密度化ステップを実行することができ、トレンチ充填の後に平坦化プロセスを行うこともできる。トレンチ分離領域の高さは、フッ化水素酸を含む溶液によるエッチング等のウェット・エッチング・プロセスを実行することによって調節可能である。フィールド酸化物は、シリコン・プロセスのいわゆる部分酸化を用いて形成することができる。
【0016】
アクティブ領域14等の様々なアクティブ領域を(例えばイオン注入プロセスによって)ドーピングして、異なるデバイス領域内にウェル領域を形成することができる。明確さのため、本出願の図面にはウェル領域は具体的に示さない。pFETデバイスのウェル領域は典型的にn型ドーパントを含み、nFETデバイスのウェル領域は典型的にp型ドーパントを含む。同一の導電型のデバイスのウェル領域のドーパント濃度は、同一または異なるものとすることができる。同様に、異なる導電型のデバイスのウェル領域のドーパント濃度は、同一または異なるものとすることができる。
【0017】
半導体基板12を処理した後、当業者に周知のいずれかの従来のプロセスを用いて少なくとも1つのゲート・スタック18を形成する。一実施形態においては、少なくとも1つのゲート・スタック18の形成は、様々な材料層を堆積し、次いで堆積した材料をリソグラフィおよびエッチングによりパターニングすることによって行う。本発明の別の実施形態では、少なくとも1つのゲート・スタック18は、ダミーのゲート材料の使用を含む置換ゲート・プロセスによって形成される。
【0018】
少なくとも1つのゲート・スタック18を形成する際に用いる技法とは無関係に、少なくとも1つのゲート・スタック18は、下部から上部に、ゲート誘電体20、ゲート電極22、および任意のゲート電極キャップ24を含む。ゲート誘電体20は、例えば酸化物、窒化物、酸窒化物、またはその多層スタックを含むいずれかのゲート絶縁性材料を含む。本発明の一実施形態においては、ゲート誘電体20は、半導体酸化物、半導体窒化物、または半導体酸窒化物である。本発明の別の実施形態では、ゲート誘電体20は、例えば3.9のような酸化シリコンの誘電率よりも高い誘電率を有する誘電金属酸化物を含む。典型的に、用いられるゲート誘電体20は4.0よりも大きい誘電率を有するが、より典型的には誘電率は8.0よりも大きい。かかる誘電材料を本明細書では高k誘電体と称する。例示的な高k誘電体は、限定ではないが、HfO、ZrO、La、Al、TiO、SrTiO、LaAlO、Y、HfO、ZrO、La、Al、TiO、SrTiO、LaAlO、Y、そのケイ酸塩、およびその合金を含む。また、これらの高k材料の多層スタックをゲート誘電体20として用いることも可能である。xの各値はそれぞれ0.5から3までであり、yの各値はそれぞれ0から2までである。
【0019】
ゲート誘電体20の厚さは、これを形成するために用いる技法によって変動し得る。典型的に、ゲート誘電体20は1nmから10nmまでの厚さを有するが、より典型的には厚さは2nmから5nmまでである。高kゲート誘電体をゲート誘電体20として用いる場合、高kゲート誘電体は1nmのオーダーまたはそれ未満の有効酸化物厚さを有することができる。
【0020】
ゲート誘電体20は、当技術分野において周知の方法によって形成することができる。本発明の一実施形態においては、ゲート誘電体20は、例えば化学気相堆積(CVD)、物理気相堆積(PVD)、分子ビーム堆積(MBD)、パルス・レーザ堆積(PLD)、液体ミスト化学堆積(LSMCD:liquid source misted chemicaldeposition)、および原子層堆積(ALD)等の堆積プロセスによって形成することができる。あるいは、ゲート誘電体20は、例えば熱酸化または熱窒化あるいはその両方等の熱プロセスによって形成することができる。
【0021】
少なくとも1つのゲート・スタック18のゲート電極22は、限定ではないが、多結晶シリコン、多結晶シリコン・ゲルマニウム、元素金属、(例えばタングステン、チタニウム、タンタル、アルミニウム、ニッケル、ルテニウム、パラジウム、および白金)、少なくとも1つの元素金属の合金、元素金属窒化物(例えば窒化タングステン、窒化アルミニウム、および窒化チタニウム)、元素金属シリサイド(例えばタングステン・シリサイド、ニッケル・シリサイド、およびチタニウム・シリサイド)、およびその多層を含むいずれかの導電性材料を含む。一実施形態では、ゲート電極は金属ゲートから構成される。一実施形態では、ゲート電極は多結晶シリコンから構成される。
【0022】
ゲート電極22は、例えば化学気相堆積(CVD)、プラズマ増強化学気相堆積(PECVD)、蒸着、物理気相堆積(PVD)、スパッタリング、化学溶液堆積、原子層堆積(ALD)、および他の同様の堆積プロセスを含む従来の堆積プロセスを用いて形成することができる。ゲート電極22としてSi含有材料を用いる場合は、インシチューでのドーピング堆積プロセスを用いること、または、堆積を用いた後にイオン注入または気相ドーピング等のステップを行ってSi含有材料内に適切な不純物を導入することのいずれかによって、適切な不純物内にSi含有材料をドーピングすることができる。金属シリサイドを形成する場合は、従来のシリサイド形成プロセスを用いる。
【0023】
このように堆積したゲート電極22は典型的に10nmから100nmまでの厚さを有するが、より典型的には厚さは20nmから50nmまでである。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態においては、ゲート電極22の上に任意のゲート電極キャップ24を形成することができる。任意のゲート電極キャップ24は、誘電性の酸化物、窒化物、酸窒化物、または多層スタックを含むそれらのいずれかの組み合わせを含む。一実施形態では、任意の誘電電極キャップ24は窒化シリコンから構成される。任意のゲート電極キャップ24が存在する場合、任意のゲート電極キャップ24は、例えばCVDおよびPECVDを含む当業者に周知の従来の堆積プロセスを用いて形成される。あるいは、任意のゲート電極キャップ24は、例えば酸化または窒化あるいはその両方等の熱プロセスによって形成することができる。任意のゲート電極キャップ24の厚さは、用いる正確なキャップ材料およびこれを形成する際に用いるプロセスに応じて変動し得る。典型的に、任意のゲート電極キャップ24は5nmから200nmまでの厚さを有するが、より典型的には厚さは10nmから50nmまでである。典型的に、ゲート電極22がポリシリコン等のSi含有材料である場合には任意のゲート電極キャップ24が用いられる。
【0025】
また、図1に示す初期構造10は、例えば内側スペーサ26のような第1のスペーサも含み、この基部は基板12の上面上に位置している。第1のスペーサ26の縁部はゲート・スタック18の側壁上に位置している。第1のスペーサ26は、例えば酸化物、窒化物、酸窒化物、またはそのいずれかの組み合わせ等のいずれかの誘電材料を含む。必須ではないが典型的に、第1のスペーサ26は、任意のゲート電極キャップ24とは異なる材料から構成される。一実施形態では、第1のスペーサ26は酸化シリコンまたは窒化シリコンから構成される。
【0026】
第1のスペーサ26は、当業者に周知のプロセスを用いて形成することができる。例えば、第1のスペーサ26は、第1のスペーサ材料を堆積した後にエッチングを行うことによって形成可能である。第1のスペーサ26の幅は、その基部で測定した場合、典型的に2nmから50nmであるが、より典型的には、基部で測定した幅は5nmから15nmである。
【0027】
図1および他の図面では単一のアクティブ領域14および単一のゲート・スタック18の存在を示すが、本発明は2つ以上のアクティブ領域または2つ以上のゲート・スタックあるいはその両方が存在する場合にも実施可能であることは認められよう。2つ以上のゲート・スタックが存在する場合、異なるゲート・スタックは同一または異なるゲート誘電体またはゲート電極材料あるいはその両方を有することができる。異なるゲート誘電体およびゲート電極材料は、ある領域ではあるタイプの材料の形成を阻止するための阻止マスクを用い、別の領域では阻止マスクを含まずにこの材料を形成することによって得ることができる。2つ以上のゲート・スタックを設けた場合、これらのゲート・スタックは同一または異なる導電型のFETを形成する際に用いることができる。
【0028】
図2を参照すると、少なくとも1つのゲート・スタック18の設置場所で半導体基板12内に1対のくぼみ領域28を形成した後の図1の構造が示されている。1対のくぼみ領域28は、基板12内で特定のゲート・スタックの対向側に形成されていることがわかる。例えばソース/ドレイン・トレンチのような1対のくぼみ領域28は、当業者に周知のエッチング技法を用いて形成される。少なくとも1つのゲート・スタック18および第1のスペーサ26は、エッチング・プロセスの間のエッチ・マスクとして機能する。くぼみ領域28の深さは、基板12の上面からくぼみ領域28の下部まで測定した場合、典型的に20nmから150nmまでであり、より典型的には30nmから70nmである。
【0029】
1対のくぼみ領域28を形成する際に使用可能であるエッチングは、ウェット・エッチング、ドライ・エッチング、またはウェット・エッチングおよびドライ・エッチングの組み合わせを含む。一実施形態では、1対のくぼみ領域28を形成する際に異方性エッチングを用いる。別の実施形態では、1対のくぼみ領域28を形成する際に等方性エッチングを用いる。更に別の実施形態では、1対のくぼみ領域28を形成する際に異方性エッチングおよび等方性エッチングの組み合わせを用いることができる。1対のくぼみ領域28を形成する際にドライ・エッチングを用いる場合、ドライ・エッチングは、反応性イオン・エッチング(RIE)、プラズマ・エッチング、イオン・ビーム・エッチング、およびレーザ・アブレーションの1つを含むことができる。1対のくぼみ領域28を形成する際にウェット・エッチングを用いる場合、ウェット・エッチングは、例えば、半導体基板12の露出したアクティブ領域14を選択的にエッチングする水酸化アンモニウム等のいずれかの化学エッチャントを含む。いくつかの実施形態では、1対のくぼみ領域28を形成する際に結晶学的エッチング・プロセスを用いることができる。
【0030】
図2に示した実施形態においては、エッチングによって設けられる半導体基板12内の1対のくぼみ領域28は、実質的に直線状の側壁32を有する半導体基板12の台座30によって分離されている。台座30の実質的に直線状の側壁32は、図2に示すように多少のテーパ形状を有する場合がある。くぼみ領域の一方が半導体基板12内にソース・トレンチを形成し、他方のくぼみ領域が半導体基板12内にドレイン・トレンチを形成することがわかる。
【0031】
図3を参照すると、代替的な構造が示されており、これは、砂時計形状の台座30’によって分離された1対のファセットくぼみ領域28’を有するように形成することができる。図3に示す代替的な構造は、ドライ・エッチング・プロセスを用いた後に側方ウェット・エッチング・プロセスを行うことによって形成可能である。側方ウェット・エッチング・プロセスは、例えば水酸化アンモニウムを含むことができる。
【0032】
形成されるくぼみ領域の種類とは無関係に、くぼみ領域28の各々には第1のエピタキシ半導体材料34を実質的に充填する。この材料34の格子定数は、残りの半導体基板12の格子定数とは異なっている。例えば、半導体基板12をシリコンで形成する場合、第1のエピタキシ半導体材料34は、例えばシリコン・ゲルマニウム(SiGe)、シリコン炭素(Si:C)、シリコン・ゲルマニウム炭素(SiGeC)とすることができる。一実施形態では、シリコン基板上にpFETを形成する場合、第1のエピタキシ半導体材料34はSiGeから構成される。本発明の別の実施形態では、シリコン基板上にnFETを形成する場合、第1のエピタキシ半導体材料34はSi:Cから成る。
【0033】
一実施形態においては、第1のエピタキシ半導体材料34は非ドーピングとすることができる。すなわちドーパント濃度はゼロである。別の実施形態では、第1のエピタキシ半導体材料34は低濃度にドーピングされている。「低濃度にドーピングされている」とは、第1のエピタキシ半導体材料34のドーパント濃度が5x1018原子/cm未満であり得ることを意味するが、より典型的にはドーパント濃度は1x1018原子/cm未満である。第1のエピタキシ半導体材料34内に存在することができるドーパントの種類は、形成しているデバイスの種類に依存する。例えば、デバイスがpFETである場合には、第1のエピタキシ半導体材料34内に、例えばホウ素(B)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)を含む元素周期表のIIIA族からのドーパント原子を組み込むことができる。デバイスがnFETである場合には、第1のエピタキシ半導体材料34内に、リン(P)、ヒ素(As)、およびアンチモン(Sb)を含む元素周期表のVA族からのドーパント原子を組み込むことができる。
【0034】
第1のエピタキシ半導体材料34は、1対のくぼみ領域28を完全に充填するか、または1対のくぼみ領域28を部分的に充填することができる。第1のエピタキシ半導体材料34によって1対のくぼみ領域28を完全に充填することは、第1のエピタキシ半導体材料34が残りの半導体基板12の上面と同一平面である実施形態を含む。あるいは、第1のエピタキシ半導体材料34によって1対のくぼみ領域28を完全に充填することは、第1のエピタキシ半導体材料34が残りの半導体基板12の上面よりも上に延在する実施形態を含む。図面に示した例示的な実施形態では、第1のエピタキシ半導体材料34の上面は、残りの半導体基板12の上面と同一平面である。
【0035】
第1のエピタキシ半導体材料34は、当業者に周知のいずれかのエピタキシャル成長プロセスを用いて1対のくぼみ領域28内に形成される。エピタキシャル成長によって、第1のエピタキシ半導体材料34が結晶であり、第1のエピタキシ半導体材料34が形成されている半導体基板12の表面のものと同じ結晶学的構造を有することが確実となる。一実施形態では、第1のエピタキシ半導体材料34を形成する際に、コンフォーマルなエピタキシャル成長プロセスを用いることができる。コンフォーマルなエピタキシャル成長プロセスの利用によって、第1のエピタキシ半導体材料34が、各くぼみ領域を画定する半導体基板12の露出表面とコンフォーマルであることが確実となる。すなわち、コンフォーマルなエピタキシャル・プロセスが提供する1対のくぼみ領域28内の第1のエピタキシ半導体材料34は、各くぼみ領域の輪郭に沿っている。第1のエピタキシ半導体材料34が低濃度にドーピングされている実施形態では、第1のエピタキシ半導体材料34は、インシチューでのドーピング・エピタキシャル成長プロセスを用いて形成することができ、ドーパント原子は前駆体ガス混合物内に組み込まれる。第1のエピタキシ半導体材料34を形成する際に用いられる前駆体の種類は当業者には周知である。
【0036】
第1のエピタキシ半導体材料34の上面上に第2のエピタキシ半導体材料36を形成する。第2のエピタキシ半導体材料36は、第1のエピタキシ半導体材料34と同一または異なる半導体材料で構成することができるが、同一であることが好ましい。しかしながら、第2のエピタキシ半導体材料36は第1のエピタキシ半導体材料34よりもドーパント濃度が高いという点で、第2のエピタキシ半導体材料36は第1のエピタキシ半導体材料34とは異なる。すなわち、第2のエピタキシ半導体材料36は、第1のエピタキシ半導体材料34と比べて高濃度にドーピングされている。「高濃度にドーピングされている」とは、ドーパント濃度が1x1019原子/cmよりも大きい(p型またはn型)ことを意味するが、より典型的にはドーパント濃度は1x1020原子/cmよりも大きい。本出願の一実施形態では、単結晶Si基板を用いる場合、第2のエピタキシ半導体材料36は仮像SiGeまたはSi:Cを含む。
【0037】
第2のエピタキシ半導体材料36は、第1のエピタキシ半導体材料34に関して上述したコンフォーマルなエピタキシ・プロセスを含む従来のエピタキシャル成長プロセスによって形成される。第2のエピタキシ半導体材料36を形成する際に、いずれかの既知の前駆体を用いることができる。本発明のいくつかの実施形態では、第1および第2のエピタキシ半導体材料は、これらの材料の形成間で真空を中断させることなく形成することができる。他の実施形態では、第1および第2のエピタキシ半導体材料は、各エピタキシャル成長ステップ間で真空を中断させることによって形成される。第1および第2のエピタキシ半導体材料は、この構造の二層埋め込みエピタキシ半導体ソース/ドレイン領域を形成することがわかる。
【0038】
図4は、図2に示した1対のくぼみ領域28内に第1のエピタキシ半導体材料34および第2のエピタキシ半導体材料36を形成した後に形成される構造を示す。図3に示した1対のくぼみ領域28’を第1のエピタキシ半導体材料34および第2のエピタキシ半導体材料36によって充填した場合にも、同様の構造が得られる。第1のエピタキシ半導体材料34はデバイス・チャネルにひずみを与え、第2のエピタキシ半導体材料36は、以降のアニーリング・ステップによって第1のエピタキシ半導体材料36の上部に拡張領域を形成するために用いられることがわかる。いくつかの実施形態では、第2のエピタキシ半導体材料36はこの構造内に隆起したソース/ドレイン領域を形成する。
【0039】
ここで図5を参照すると、アニーリング・ステップを実行して、第2のエピタキシ半導体材料36から第1のエピタキシ半導体材料34の上部内にドーパントを導出して拡散拡張領域38を形成した後の図4の構造が示されている。図5において、38と標示した領域の1つはソース拡張領域であり、38と標示した他の領域はドレイン拡張領域である。アニールの間、ドーパントは第2のエピタキシ半導体材料36から第1のエピタキシ半導体材料34の上部内に拡散するだけでなく、ドーパント拡散の一部は、図5に示すように少なくとも1つのゲート・スタック18の下に位置する例えば台座30のような基板12内にも生じることがわかる。拡散拡張領域38が接している少なくとも1つのゲート・スタック18の下に位置する例えば台座30のような半導体基板12の部分は、デバイス・チャネル40である。
【0040】
第2のエピタキシ半導体材料36から第1のエピタキシ半導体材料34の上部内までドーパントを移動させるために用いるアニールは、典型的に800℃よりも高い温度で実行されるが、より典型的には温度は850℃よりも高い。アニールは、1つの層から別の層内へとドーパントを拡散させることができるいずれかの従来のアニール・プロセスを用いて実行可能である。第2のエピタキシ半導体材料36から第1のエピタキシ半導体材料34の上部内へとドーパントを導出するために使用可能なアニールの例は、例えば急速熱アニール、炉アニール、レーザ・アニール、マイクロ波アニール、またはそれらの技法の組み合わせを含む。アニールの持続時間すなわちアニーリング時間は、用いる正確なアニール・プロセスおよびアニールの温度に応じて変動し得る。典型的に、アニールは10分以下の時間期間にわたって実行される。アニールは典型的に、例えばヘリウム、窒素、またはアルゴンあるいはそれら全て等の不活性雰囲気において実行される。いくつかの実施形態では、アニーリングは形成ガス(水素および窒素の混合物)を用いて行うことができる。
【0041】
このようにして第1のエピタキシ半導体材料34内に形成された拡散拡張領域38の深さは、用いるアニールの条件によって異なる。典型的に、拡散拡張領域38の深さは、第2のエピタキシ半導体材料36との界面を形成する上面から測定すると30nm以下である。更に典型的には、拡散拡張領域38の深さは、第2のエピタキシ半導体材料36との界面を形成する上面から測定すると5nmから15nmまでである。
【0042】
ここで図6を参照すると、構造内に任意のハロー領域42を形成する任意のハロー注入を実行した後の図5の構造が示されている。任意のハロー注入は、当業者に周知の角度ハロー・イオン注入等のいずれかの従来のハロー注入を用いて実行することができる。任意のハロー注入の後、典型的に1350℃以下の温度で任意のハロー活性化アニールを実行する。一実施形態では、任意のハロー活性化アニールは、レーザ・アニールまたは急速熱アニールを含むことができる。一実施形態では、ハロー注入は、ソース/ドレイン・エピタキシ成長の後に実行する。次いで、単一のアニール・プロセス(例えば急速熱アニール)を行って、ハロー領域内に拡張部を形成しドーパントを活性化させることができる。
【0043】
ここで図7を参照すると、例えば任意のゲート電極キャップ24の任意の除去、第2のスペーサ(例えば外側スペーサ)44の形成、少なくとも第2のエピタキシ半導体材料36上の金属半導体合金すなわちシリサイド領域46の形成を含む更に別の処理を行った後の図6の構造が示されている。図7では、ゲート電極22がSi含有材料から構成されると共に任意のゲート電極キャップ24を除去した場合、ゲート電極22の上にも金属半導体合金領域を形成することができる。
【0044】
また、更に別の処理は、コンタクト・バイア形成(図示せず)および相互接続構造形成(図示せず)を含むことも可能である。
【0045】
構造から任意のゲート電極キャップ24を除去する実施形態においては、第1のスペーサ28、下にあるゲート電極22、および第2のエピタキシ半導体材料36に対してゲート電極キャップ材料を選択的に除去するエッチャントを用いて、任意のゲート電極キャップ24の除去を実行することができる。かかるエッチャントの一例は、限定ではないが、反応性イオン・エッチングを含む。
【0046】
第2のスペーサ44は、第1のスペーサ26を形成する際に用いたものと同一または異なるプロセスを用いて形成する。第2のスペーサ44は、第1のスペーサ26と同一または異なる誘電材料で構成することができる。一実施形態では、第2のスペーサ44は、第1のスペーサ26とは異なる誘電材料から成る。いくつかの実施形態においては、第2のスペーサ44の形成前に、第1のスペーサ26を除去することができ、第2のスペーサ44をゲート・スタック18の側壁と直接接触するように形成する。一実施形態では、第2のスペーサ44は、上述の第1のスペーサ26よりも幅が広いスペーサであり、第2のスペーサ44の基部は第2のエピタキシ半導体材料36の上面上に位置している。第2のスペーサ44の側方縁部は第1のスペーサ26の側壁に直接接触している。
【0047】
半導体材料の上に金属半導体合金を形成することができるいずれかのプロセスを用いて、金属半導体合金領域46を形成する。本発明の一実施形態においては、シリサイド・プロセスを用いて金属半導体合金領域46を形成する。シリサイド・プロセスは、第2のスペーサ44の外側縁部に対して自己整合することができる。シリサイド・プロセスは、少なくとも第2のエピタキシ半導体材料36の上に、半導体材料と反応した場合に金属半導体合金を形成することができる金属を形成することを含む。金属半導体合金領域46を形成する際に用いる金属は、限定ではないが、タンタル、チタン、タングステン、ルテニウム、コバルト、ニッケル、またはそれらの材料のいずれかの適切な組み合わせを含むことができる。金属の上に窒化チタンまたは窒化タンタル等の拡散バリアを形成することができる。金属とその下にある半導体材料との間に反応を引き起こすアニールを実行して、金属半導体合金領域を形成する。典型的に、少なくとも250℃以上の温度でアニールを実行する。単一のアニール・ステップまたは多数のアニール・ステップを用いることができる。アニールを実行した後に、いずれかの非反応金属および任意の拡散バリアを除去する。
【0048】
図8は、図3に示した構造を図5から図7に示したように処理した場合に得ることができる構造を示す。
【0049】
図7および図8は、半導体基板12の上面上に位置する少なくとも1つのゲート・スタック18を含む構造を示す。この構造は更に、少なくとも1つのゲート・スタック18のチャネル40上にひずみを誘発する第1のエピタキシ半導体材料34を含む。第1のエピタキシ半導体材料は、少なくとも1つのゲート・スタック18の対向側に存在する1対のくぼみ領域28内で少なくとも1つのゲート・スタック18の設置場所に位置している。くぼみ領域28の各々において前記第1のエピタキシ半導体材料34の上面内に拡散拡張領域38が位置している。この構造は更に、拡散拡張領域38の上面上に位置する第2のエピタキシ半導体材料36を含む。第2のエピタキシ半導体材料36は、第1のエピタキシ半導体材料34よりもドーパント濃度が高い。
【0050】
本発明について、その好適な実施形態に関連付けて具体的に図示し記載したが、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、形態および詳細において前述および他の変更を実施可能であることは当業者には理解されよう。従って、本発明は記載し図示した正確な形態および詳細に限定されるのではなく、添付の特許請求の範囲内に収まることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、多種多様な電子装置および電気装置に適用される集積回路チップに組み込まれた高性能半導体電界効果トランジスタ(FET)・デバイスの設計および製造において産業上の利用可能性を見出す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板12の上面14上に位置する少なくとも1つのゲート・スタック18と、
前記少なくとも1つのゲート・スタックの対向側に存在する1対のくぼみ領域28の実質的に内部で前記少なくとも1つのゲート・スタックの設置場所に位置する第1のエピタキシ半導体材料34であって、前記少なくとも1つのゲート・スタックのチャネル上にひずみを誘発する、第1のエピタキシ半導体材料と、
前記くぼみ領域の各々において前記第1のエピタキシ半導体材料の上面内に位置する拡散拡張領域38と、
前記拡散拡張領域38の上面上に位置する第2のエピタキシ半導体材料36であって、前記第1のエピタキシ半導体材料よりも高いドーパント濃度を有する、第2のエピタキシ半導体材料と、
を含む、半導体構造。
【請求項2】
前記1対のくぼみ領域が、前記半導体基板の台座30によって相互に分離されている、請求項1に記載の半導体構造。
【請求項3】
前記台座が実質的に直線状の側壁32を有する、請求項2に記載の半導体構造。
【請求項4】
前記台座が砂時計の形状を有する、請求項2に記載の半導体構造。
【請求項5】
前記第1のエピタキシ半導体材料が、ドーピングされていないか、または5x1018原子/cm未満のドーパント濃度を有する、請求項1に記載の半導体構造。
【請求項6】
前記第2のエピタキシ半導体材料が1x1019原子/cmより大きいドーパント濃度を有する、請求項1に記載の半導体構造。
【請求項7】
前記第1のエピタキシ半導体材料がSiGeを含む、請求項1に記載の半導体構造。
【請求項8】
前記第1のエピタキシ半導体材料がSi:Cを含む、請求項1に記載の半導体構造。
【請求項9】
前記半導体基板内に位置するハロー注入領域42を更に含み、前記ハロー領域が前記拡散拡張領域および前記第1のエピタキシ半導体材料に接触している、請求項1に記載の半導体構造。
【請求項10】
前記第2のエピタキシ半導体材料の少なくとも上面上に位置する金属半導体合金を更に含む、請求項1に記載の半導体構造。
【請求項11】
前記半導体基板の表面上に位置する基部を有し、前記少なくとも1つのゲート・スタックの側壁と接触する側方縁部を有する第1のスペーサと、前記第2のエピタキシ半導体材料の上面上に位置する基部を有し、前記第1のスペーサ26の側壁と接触する側方縁部を有する第2のスペーサ44と、を更に含む、請求項1に記載の半導体構造。
【請求項12】
深部のイオン注入ソース領域も深部のイオン注入ドレイン領域も存在しない、請求項1に記載の半導体構造。
【請求項13】
前記第1のエピタキシ半導体材料の上面が、前記半導体基板の前記上面と同一平面であるか、または前記上面よりも上に延出する、請求項1に記載の半導体構造。
【請求項14】
前記第1のエピタキシ半導体材料の上面が前記半導体基板の前記上面の下に位置する、請求項1に記載の半導体構造。
【請求項15】
ゲート・スタック18の設置場所で半導体基板12内に1対のくぼみ領域28を形成するステップと、
各くぼみ領域内に第1のエピタキシ半導体材料34を形成するステップであって、前記第1のエピタキシ半導体材料の格子定数が前記半導体基板の格子定数と異なる、ステップと、
前記第1のエピタキシ半導体材料の上面上に第2のエピタキシ半導体材料36を形成するステップであって、前記第2のエピタキシ半導体材料が前記第1のエピタキシ半導体材料よりも高いドーパント濃度を有する、ステップと、
前記第2のエピタキシ半導体材料から前記第1のエピタキシ半導体材料の上部内にドーパントを拡散させることによって、前記第1のエピタキシ半導体材料と前記第2のエピタキシ半導体材料との間に拡張領域38を形成するステップと、
を含む、半導体構造を製造する方法。
【請求項16】
前記1対のくぼみ領域を形成する前記ステップが、ウェット・エッチング、ドライ・エッチンギ、またはそれらの組み合わせを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記1対のくぼみ領域を形成する前記ステップが、ドライ・エッチングの後に側方ウェット・エッチ・プロセスを行って、前記1対のくぼみ領域間に前記半導体基板の砂時計形状の台座を形成することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のエピタキシ半導体材料を形成する前記ステップがエピタキシャル成長プロセスを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のエピタキシ半導体材料を形成する前記ステップがインシチュー・ドーピング・エピタキシャル成長プロセスを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記第2のエピタキシ半導体材料を形成する前記ステップがインシチュ・ドーピング・エピタキシャル成長プロセスを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記第1および第2のエピタキシ半導体材料を形成する前記ステップが、各材料の形成間で真空を中断させることなく行われる、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記拡張領域を形成する前記ステップが、800℃以上の温度で実行されるアニールを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記拡張領域を形成した後にハロー注入領域を形成するステップを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
少なくとも前記第2のエピタキシ半導体材料の上面の上に金属半導体合金を形成するステップを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記ゲート・スタックが第1のスペーサを含み、前記拡張領域を形成した後に前記第2のエピタキシ半導体材料の上面の上に第2のスペーサを形成する、請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−506291(P2013−506291A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530914(P2012−530914)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/048039
【国際公開番号】WO2011/037743
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】