説明

発光装置およびその製造方法

【課題】GaNおよびInGaNを用いた発光ダイオードは、電流(I)−電圧(V)特性のバラツキが大きく、複数の粒子状発光ダイオード素子を同一電極上に配置し同時に駆動する際には、全ての粒子状発光ダイオード素子が電極に対して並列に接続される為、I−V特性のバラツキによって素子毎に流れる電流量にバラツキが生じるという大きな課題を有していた。
【解決手段】本発明においては、各粒子状発光ダイオード素子の第2電極119と第2半導体21pの間に抵抗層120を直列に接続した構成を用いることによって、粒子状発光ダイオード素子間のI−V特性のバラツキによる特定の素子への電流集中を抑制し、最もVdの低い素子への電流集中による破壊を防ぐのみならず、各素子への負荷が低減されるため発光装置全体の劣化も抑制することを可能とし、輝度のバラツキの無い優れた発光装置を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置およびその製造方法に関し、特に、基板上に散布された複数の微粒子から構成される発光体を備えた発光装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光効率が高く、低コストで大面積化できる発光素子および発光装置が、特許文献1に開示されている。
【0003】
この特許文献1に記載された発光素子および発光装置は、図19の断面図に示される。図19に示されるように、基板301上の一対の電極302と304の間に発光層303が挟まれ、交流電源304によって交流電圧が印加され、発光層303が発光する。発光層303は、有機物からなるバインダ305に発光粒子306を分散させた構造を有している。樹脂中に発行粒子306を分散させるだけで発光装置を製造できるので、低コスト化かつ大面積化を容易に達成できる。
【0004】
図20は、発光層303に含まれる発光粒子306の断面構造を示す断面図である。この発光粒子306は、図20に示すように、球状のn型半導体307と、このn型半導体307の表面を被覆するp型半導体308とを有している球状粒子からなる。n型半導体307にp型半導体308が被覆された構造により、電界をかけた際に電子と正孔の衝突が生じ効率の高い発光性を得ることができる。
【0005】
その他、本発明に関連し得る文献として、特許文献2および非特許文献1が挙げられる。
【特許文献1】特開2006−127884号公報
【特許文献2】特表2007−504615号公報(特に段落番号0057)
【非特許文献1】応用物理、第68巻、第2号(1999年)、152頁〜155頁、向井孝志、中村修二、「白色および紫外発光ダイオード」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、発光装置としての発光効率の向上および表示ムラの低下をさらに検討した。その結果、第1電極と第2電極との間に挟まれる粒子を、外周面が複数の平坦な結晶格子面からなる多面体形状を有している結晶性半導体から構成することにより、当該粒子が球状である場合と比較して極めて高い発光効率を達成できることを見出し、本発明を完成させた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発光装置は
基板と、
前記基板上に設けられた複数の第1電極と、
前記複数の第1電極の各々の上にランダムに散布された複数の粒子状発光ダイオードと、
前記複数の粒子状発光ダイオードを覆う第2電極と、
を備え、
前記複数の粒子状発光ダイオードの各々は、III族−V族窒化物からなる結晶性半導体からなり、
第1導電型の第1半導体、活性層、および第2導電型の第2半導体からなり、
前記活性層は前記第1半導体の周囲の一部に形成されており、
前記第2半導体は前記活性層の周囲を覆っており、
前記第1半導体は、前記第2電極と電気的に接続されており、
前記第2半導体は、前記第1電極と電気的に接続されており、
前記結晶性半導体は、外周面が複数の平坦な結晶格子面からなる多面体形状を有している。
【0008】
本発明の発光装置の第1の製造方法は、
前記各々の複数の第1電極上に、前記複数の粒子状発光ダイオードをランダムに散布する工程(A)、
前記複数の粒子状発光ダイオードが散布された前記各々の複数の第1電極上に誘電体層を形成することによって、前記複数の粒子状発光ダイオードの一部を前記誘電体層に埋める工程(B)、
前記誘電体層に覆われていない各粒子状発光ダイオードの表面をエッチングして、前記第1半導体の一部を露出させる工程(C)、および
前記露出させた第1半導体上に第2電極を形成する工程(E)、
を順に有する。
【0009】
本発明の発光装置の第2の製造方法は、
表面に誘電体層が設けられたダミー基板の前記誘電体層中に前記粒子状発光ダイオードをランダムに散布して、前記誘電体層中に前記複数の粒子状発光ダイオードの一部を埋める工程(B1)、
前記誘電体層に覆われていない各粒子状発光ダイオードの表面をエッチングして第1半導体を露出させる工程(B2)、
前記第2半導体を埋める絶縁層を前記誘電体層の上に形成する工程(C1)、
露出した前記第1半導体上に第1電極を設け、前記第1電極と前記第1半導体を電気的に接続する工程(C2)、
前記ダミー基板上の前記誘電体層側の面に、基板を貼付する工程(D1)と、
前記誘電体層から前記ダミー基板を剥離する剥離工程(D2)、および
剥離により露出した面側の粒子状発光ダイオードの第2半導体上に第2電極を形成し、前記第2電極と前記第2半導体とを電気的に接続させる工程(E1)と、
を順に有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の発光装置は、多数の粒子状発光ダイオードを第1電極上にばらまき、各々の粒子状発光ダイオードと電気的に接続された第1電極および第2電極からの電荷注入により発光する。このような、粒子状発光ダイオードを構成する結晶性半導体は、外周面が複数の平坦な結晶格子面からなる多面体形状を有していることにより、従来技術の球状の発光素子と比べて格段の高効率化を実現できる。本発明の発光装置の製造方法は、多数の粒子状発光ダイオードと第1電極および第2電極との電気的な接続を、簡易な工程で実現し、電極から粒子状発光ダイオードへの電荷注入を容易にして、高効率かつ、低コストで、大型化が容易な発光装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0012】
(実施形態1)
図1は本発明の発光装置の発光部を拡大した平面図である。
【0013】
図2は図1の平面図の一部を拡大した本発明の発光装置の断面図である。
【0014】
図3は本発明に係る発光装置に用いられる粒子状発光ダイオードを得るための成膜装置
のブロック図である。
【0015】
図4は、図3に示す成膜装置により作成した粒子状発光ダイオードの断面図である。
【0016】
図5は本発明に係る発光装置の製造方法における各工程を表す断面図である。
【0017】
図1、図2に示すように、本発明の発光装置は、基板30と、基板30上に設けられた第1電極31と、第1電極31の上にランダムに散布された複数の粒子状発光ダイオード20と、複数の粒子状発光ダイオード20を覆う第2電極32とを備えている。
【0018】
複数の粒子状発光ダイオード20の各々は、III族−V族窒化物からなる結晶性半導体で構成されている。この結晶性半導体の外周面は、複数の平坦な結晶格子面からなる。
【0019】
さらにこの結晶性半導体は、第1導電型の第1半導体21n(n型)、活性層21i、第2導電型の第2半導体22p(p型)からなる。活性層21iは第1半導体21nの周囲の一部に形成されている。第2半導体21pは活性層21iの周囲を覆っている。第1半導体21nは第2電極32と電気的に接続されている。第2半導体21pは、第1電極31と電気的に接続されている。
【0020】
基板10としては、ガラスまたはプラスチック、または、表面に絶縁層を設けたステンレスなどの金属シートが使用可能である。
第 1電極31は、第2半導体21pとオーミック接触できる材料からなる。一例を挙げれば、第2半導体21pがp型GaNである場合、第1電極31の材料はITOまたは金が好ましい。
【0021】
粒子状発光ダイオードを覆う第2電極32の材料としては、第1半導体21nとオーミック接触する材料、例えば、Ti、Al、Ag、Hfなどを挙げることができる。第2電極32は、Ti/Alのように2層電極から構成されていても良い。第1電極31および第2電極32の少なくとも一方は、透明または半透明である。
【0022】
粒子状発光ダイオード20を構成するIII族−V族窒化物からなる結晶性半導体は、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムおよびこれらの混晶からなる、単結晶または少数のグレインからなる多結晶である。
【0023】
結晶性半導体の形状は多面体形状である。多面体を構成する複数の外周面は、研磨面のような人工的な面ではなく、平坦な結晶格子面で構成されている。例えば、図1、図2では、粒子状発光ダイオード20は、側面がm面、底面がC面からなる六角柱形状である。
【0024】
発光ダイオード20の形状は、これに限られず、例えば、台形状、六角錘状、テトラポット状であってもよい。ただし、多数の粒子状発光ダイオードの一部、もしくは、多面体の少数部位に、平坦な結晶格子面以外の部分があっても発光特性への影響は少ないので、外周面が平坦な結晶格子面で概ね、構成されていればよい。
【0025】
さらに、後述する本発明の発光装置の製造方法により、微小な粒子状発光ダイオードをばら撒いて実装することにより、液晶テレビ用のバックライトや天井照明のような大面積の発光装置を簡単に製造できる。
【0026】
粒子状発光ダイオード20は、図2のように、第1電極31の上に、ITOや金などの導電性固着層34で固定され、第1電極31と第2導電型(p型)の第2半導体21pとが電気的に接続されている。
【0027】
さらに、誘電体層35と絶縁層36を挟んで、第1導電型(n型)の第1半導体21nが第2電極32と電気的に接続している。
【0028】
直流電源17から供給される電圧が第1電極31と第2電極32の間に印加され、活性層21iで電子とホールが再結合して発光する。
【0029】
第1半導体21n、第2半導体21pは、活性層21iは、通常の発光ダイオードと同様の、発光効率の高いバンド構造や導電性に設定できる。例えば、第1半導体21nはSiをドープしたn型GaN、第2半導体21pはMgをドープしたp型GaN、活性層21iはノンドープGaNとInxGa(1-x)N(0<x<1)を積層した多重量子井戸(MQW)構造である。
【0030】
活性層21iは発光装置の発光層として機能するので、可視光または紫外線を発光するために、活性層21iのバンドギャップは1.9eV以上がよい。活性層21iの組成を変えることによってRGB3原色などによって白色を発行しても良いし、蛍光体による色変換を行っても良い。
【0031】
粒子状発光ダイオード20を構成する結晶性半導体の平坦な結晶格子面が、ミラー指数が{0001}、{1−100}、{1−101}のいずれか2種類以上の面を含むことが好ましい。これらの指数面からなる多面体結晶は、高効率で高輝度の発光が得られる。
【0032】
これらの中でも、結晶性半導体が、{1−100}面を側面とする縦長の六角柱形状の粒子であることが発光効率の観点から最も好ましい。
【0033】
このとき、欠陥密度が非常に低い無極性面{1−100}面(m面)が表面の多くを占め、高効率で発光する。このような側面が底面より長い六角柱は、図1、2のように倒れて、六角柱形状の側面(第2半導体21p)が第1電極31と接する確率が高くなる。そのため、ほぼ必ずm面が発光することになり、無極性面の効果により、長波長でも効率の高い発光が得られる。また、発光波長のばらつきが抑制されて、発光色の均一性が良い。
【0034】
粒子状発光ダイオード20を構成する結晶性半導体が、単結晶の芯粒子の表面にIII族−V族窒化物をヘテロエピタキシャル成長させた粒子であり、結晶性半導体の膜厚が1ミクロン以上であってもよい。このような構成の結晶性半導体は、転位密度の低いIII族−V族窒化物の膜が得られて、発光効率が高まる。
【0035】
芯粒子(図4における参照符号67)は、窒化アルミニウム、炭化珪素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、ベータ酸化ガリウムからなる群から選択された少なくとも一種の材料から形成されていてもよい。これらの材料からなる芯粒子は、III族―V族窒化物の結晶成長に適した物性を持つ。
【0036】
芯粒子の形状が、略球形もしくは角の丸まった多面体の酸化アルミニウムであってもよい。このような芯粒子は、単結晶粒子が低コストで作成でき、その表面には欠陥の少ない結晶性半導体膜を形成できる。
【0037】
本発明の発光装置は、図2のように、複数の粒子状発光ダイオード20の第2半導体21pを含む部分が、誘電体層35に埋まっており、第1半導体21nの一部が誘電体層35から突出し、かつ第2電極32と電気的に接続されている。
【0038】
後述する本発明の発光装置の製造方法により、多数の微小な粒子状発光ダイオード20
を一括して実装することが可能となる。すなわち、印刷などの塗布により簡便な工法で形成した誘電体層35は、多数の粒子状発光ダイオード20を固定すると共に個々の粒子状発光ダイオード20を絶縁し、かつ第1半導体21nを露出させるときのマスクの役割を果たす。
【0039】
誘電体層35は、粒子状発光ダイオード20から放射された光によって励起されることによって、この光の波長とは異なる波長の光を発する蛍光体を含んでもよい。これにより、誘電体層35は、前述の機能にさらに光変換の機能を併せ持つことができる。
【0040】
次に、本発明の発光装置の製造方法を図3から図5を用いて説明する。
【0041】
まず、図4の粒子状発光ダイオードの断面図(六角柱の底面に平行な面)のような、複数の粒子状発光ダイオード20を用意する。後述するが、複数の粒子状発光ダイオード20は、例えば、図3のような成膜装置を用いて作成され得る。
【0042】
まず、図5(A)に示すように、第1電極31を有する基板10を用意する(図5(a))。そして、以下の工程(A)〜(E)を順に行う。
【0043】
工程(A)は、第1電極31上に、複数の粒子状発光ダイオード20をランダムに散布する工程である(図5(b))。
【0044】
工程(B)は、複数の粒子状発光ダイオード20が散布された第1電極31上に誘電体層35を形成することによって、複数の粒子状発光ダイオード20の一部を誘電体層35に埋める工程である(図5(b))。
【0045】
工程(C)は、誘電体層35に覆われていない各粒子状発光ダイオード20の表面をエッチングして、第1半導体21nの一部を露出させる工程(C)である(図5(c))。
【0046】
工程(D)は、第2半導体21pを埋める絶縁層36を誘電体層35の上に形成する工程である(図5(d))。
【0047】
工程(E)は、露出させた第1半導体21n上に第2電極32を形成する工程である(図5(e))。
【0048】
第2半導体21pと第2電極36とが絶縁され、第2電極36(n電極)から第2半導体21p(p層)への電流リークが防がれる限り、図5(d)の工程、すなわち、絶縁層36を形成する工程は、必ずしも必要ではない。
【0049】
多数の粒子状発光ダイオード20を用意する方法は、例えば、図3の成膜装置のブロック図に示すような流動床法による結晶成長により作成できる。
【0050】
以下、流動床法による結晶成長を説明する。
【0051】
図3に示される装置は、内部に多孔質プレート61が配置された反応炉60と、反応炉60を加熱するためのヒーター62とを備えている。多孔質プレートの素材は、反応温度に耐え、GaNなどの反応生成物が付き難い材料が好ましく、例えば石英や窒化珪素がよい。
【0052】
搬送ガスである水素または窒素を流す配管64aおよび反応ガスであるアンモニアを蓄えるボンベ64bは、マスフロー65を介して反応炉60および気化器63a、63bに
並列的に接続されている。
【0053】
気化器63a、63bでは、結晶成長に用いられるトリメチルガリウム(TMGa)、トリメチルインジウム(TMIn)などの有機金属(MO)原料が気化され、マスフロー65を介して送られてきた水素ガスまたは窒素ガスなどと混合された後、マスフロー66を介して反応炉60に供給される。
【0054】
このような装置を用いる流動床法では、反応炉60内の多孔質プレート61の上に多数の芯粒子67からなる粉体を置いた後、多孔質プレート61の裏からガスを流して粉体を流動化させる。
【0055】
そして、ヒーター62で反応炉60および粉体を加熱することにより、粉体とガスとを反応させて芯粒子67の表面を反応生成物で被覆する。
【0056】
この流動床法は、例えば化学工業論文集、第22巻、第2号、412頁から414頁、千葉繁生ら、「流動層CVD法によるSi3N4微粒子のAlN被覆」に記載されている。芯粒子67は、分散性のよい単結晶の微粒子がよく、粒径があまりに小さいと凝集して分離できなくなるので0.1ミクロン以上が好ましい。
【0057】
芯粒子67の材質としては、酸化アルミニウム(アルミナまたはサファイア)、窒化ガリウム、炭化珪素、酸化亜鉛、ベータ酸化ガリウムなど、窒化ガリウムの基板として使えるものから選べる。アルミナ微粒子を芯粒子として作成する場合の詳細を以下に述べる。
【0058】
乾燥したアルミナ微粒子からなる芯粒子67の表面に、図4の断面図に示すような粒子状発光ダイオード20を作成する。
【0059】
具体的には、まず、初めに、反応炉温度を1100度として水素ガスのみを数分流して、アルミナ粒子の表面を清浄化する。反応炉の温度を510℃に下げて、水素ガスを搬送ガスとして用いてトリメチルガリウム、トリメチルアルミとアンモニアを反応させ、AlGaNのバッファー層21a(厚さ25nm)を形成する。
【0060】
続いて、炉の温度を1000〜1100℃に上昇して、トリメチルガリウムにシランを混ぜてSiをドープした第1半導体(n型GaN層)21nを結晶成長させる。
【0061】
さらに搬送ガスを窒素に変えて、温度を800度程度に下げ、アンドープGaNと、トリメチルガリウムにトリメチルインジウムを混ぜてInxGa(1-x)N{0<x<1}(以下ではInGaNと略記)を交互に数nm毎に成膜して量子井戸層を3層の多重量子井戸層(MQW)からなる活性層21iを形成する。
【0062】
MQW層の上に、ビスシクロペンタディエニルマグネシウム(Cp2Mg)を混ぜたト
リメチルガリウムとアンモニアを反応させて第2半導体(p型GaN層)21pを400nm程度成長させ、窒素中において800℃にてアニールすることで、粒子状発光ダイオード20を作成する。
【0063】
なお、MOとアンモニアの比率(III/V比)や、InGaNを成膜時のTMGaとTMInの比率は、一般的なGaN系MOCVDの条件とほぼ同様である。MQWとp層の厚みは概ね一定であるが、最初に成長するn層の作成条件によって、粒子の大きさや形が変えられる。流動床により作成した粒子状発光ダイオードの集合体にはばらつきがあるので、沈降法などの分級手段で、形状や大きさを均一化しておく。
【0064】
芯粒子67の周りに結晶成長をさせる方法として本実施形態で用いた流動床法は、多量の微粒子を均一に一括処理できるので好ましいが、芯粒子の周りに有機金属などの原料ガスと、反応を促進する熱などのエネルギーを供給できる方法であれば、他の方法でも構わない。例えば、粒子の浮上法を、静電浮遊法や磁場による浮遊法、プラズマ中での帯電を用いて浮遊させるなどの方法にしてもよいし、粒子を加熱板上で移動させたり、攪拌しながら、MOCVDを行う方法も可能である。気相成長ではなく、GaNの成長に検討されているナトリウムフラックス法などの液相成長でも、芯粒子を原料融液中に浮遊させて微粒子上への結晶成長させる方法も可能である。
【0065】
次に、工程AからEの詳細例を、図5を参照しながら説明する。
【0066】
本発明の発光装置を拡大した平面図である図1および図5(a)〜(d)の工程図を参照しながら、粒子状発光ダイオード20を基板上に実装する方法を説明する。
【0067】
まず、図1および図5(a)に示す、例えばITOから形成される第1電極31が形成されたガラス基板10を用意する。
【0068】
第1電極31上に、例えばハリマ化成(株)などから発売されている金のナノ粒子を分散したペーストを滴下して乾燥し、厚さ30nmの導電性固着層34を形成しておく。金ナノペーストを用いる代わりに、仕事関数が近いITOナノペーストを用いてもよい。この導電性固着層34上に、前述の流動床法による結晶成長で作成した多数の粒子状発光ダイオード20を、チャンバー内で窒素ガスなどによってブローし、自然落下させると、図1のよう第1電極31上にランダムに散布される(図5(a))。
【0069】
溶媒中に粒子状発光ダイオード20を分散した溶液を作成し、印刷やインクジェットなどの手法で基板上にこの溶液を塗布し、溶媒を揮発させるという方法で散布してもよい。その後、加熱すれば、導電性固着層34の金ナノ粒子が融解し、粒子状発光ダイオード20における最表層である第2半導体(p型GaN)21pと融着し、第1電極31と第2半導体21pとが電気的に接続される。
【0070】
図1は、上記のプロセスによって作製された発光装置の平面図であり、図中の点線部の断面が図5に相当する。図1からわかるように、粒子状発光ダイオード20の位置は不規則である。
【0071】
次に、図5(b)に示すように例えばエポキシ系の透明樹脂材料のスピンコートを行い、この材料からなる誘電体層35を形成する。このとき、誘電体層35中にSiAlON系などの青色励起で緑や赤に発光する蛍光体を分散することにより、InGaNの青色以外に、緑、赤の発光を得て液晶のカラーフィルターに合わせた3原色発光を実現することもできるし、黄色の蛍光体と組み合わせて白色化を行うことも可能である。あるいは、インジウムの組成を増やした緑色や、GaAlAsの赤色などの他の色の発光を示す粒子状発光ダイオードを用いることにより、RGBを塗り分けて多色の光源とすることも可能である。
【0072】
誘電体層35は、樹脂以外に無機誘電体のペーストを塗布することによって形成されてもよい。例えば、酸化チタンやジルコニアのナノ粒子を分散したペーストを塗布乾燥することができる。この場合、酸化チタンおよびジルコニアの屈折率がそれぞれ2.7および2.2であるため、GaNの屈折率2.5に近く、樹脂(屈折率:1.6〜1.7)を用いて誘電体層36を形成した場合によりも、光取り出し効率が向上すると考えられる。
【0073】
図5(c)に示すように、誘電体層35を乾燥、硬化させた後、酸素アッシャーにより
、粒子状発光ダイオード20の表面上に薄く付着した樹脂を除去する。誘電体層35から露出している粒子状発光ダイオード20の表面を第1半導体(n型GaN)21nに達するまでエッチングする。エッチングは、GaN系デバイスで用いられる通常のドライエッチングでよい。例えばCH4、H2、Ar、N2を比率が5:15:3:3となるように混
合したガスを用いたプラズマエッチによって行うことができる。
【0074】
次に、例えばアクリル系レジスト材料からなる絶縁層36を膜厚2ミクロンの設定でスピンコートすると、突出している粒子状発光ダイオード20の上部は薄くなる。絶縁層36の表面を短時間の露光と現像、および酸素アッシャーで削ると、第2半導体21pは絶縁層36によって埋まり、第1半導体21nは露出した図5(d)の状態になる。
【0075】
最後に、図5(e)のように、例えばTi/Alの2層電極(Ti厚:20nm、Al厚:200nm)からなる第2電極32(n電極)を形成する。絶縁層36は第2半導体21pと第2電極32を絶縁し、第2電極(n電極)32から第2半導体(p層)21pへの電流リークを防ぐ。
【0076】
以上のような製造方法によれば、従来のように発光ダイオードを一つずつ実装するような手間を省けるため、膨大な数の微小な粒子状発光ダイオードを大面積の電極上に実装することも容易になり、実装コストを激減させることが可能である。
【0077】
図7を参照しながら、本発明による照明用の発光装置をについて説明する。本実施形態の発光装置100は、上記の各実施形態について説明した製造方法と同様の製造方法によって作製され得る。
【0078】
本実施形態では、複数の第1電極31および複数の第2電極32を設けており、第1電極31と第2電極32とが重なり合う各々の領域に多数の粒子状発光ダイオード20が配置されている。第1電極31と第2電極32とが重なる各々の領域が図1の平面図および図2の断面図と同様の構造となっている。
【0079】
本実施形態では、家庭用の電源である100〜200ボルトの交流電圧を電源とするため、交流電圧を5ボルト程度の直流電圧に変換する交流−直流変換回路103を具備している。交流−直流変換回路103は、第1電極31と第2電極32とに接続されている。
【0080】
ゴミや経時劣化によるショートが発生した場合でも、発光装置におけるすべての粒子状発光体が非点灯状態にならないようにするため、粒子状発光体を挟む第1電極31および第2電極32の少なくとも一方を複数の電極領域に分け、各電極領域を相互に絶縁することが好ましい。こうすることにより、一部の電極領域で非点灯状態が発生したとして、他の電極領域に悪影響が及ばない。このような構成を採用する場合、複数の電極領域を個別に駆動・遮断するためのドライブ回路104を備えることが好ましい。
【0081】
このような構成により、高効率のIII族―V族窒化物の発光ダイオードで、大面積の面発光の照明を、実現可能になる。
【0082】
(実施形態2)
次に、本発明の発光装置の第2の製造方法について、図6を用いて説明する。図6は、本発明の発光装置の第2の製造方法の工程図である。
【0083】
本発明の発光装置の第2の製造方法は、以下の工程(B1)から(E1)を含む。
【0084】
工程(B1)は、表面に誘電体層114が設けられたダミー基板113の誘電体層11
4中に粒子状発光ダイオード20をランダムに散布して、誘電体層114中に複数の粒子状発光ダイオード20の一部を埋める工程である(図6(a))
工程(B2)は、誘電体層114に覆われていない各粒子状発光ダイオード20の表面をエッチングして第1半導体21nを露出させる工程である(図6(b))。
【0085】
工程(C1)は、第2半導体21pを埋める絶縁層115を誘電体層114の上に形成する工程である(図6(c))。
【0086】
工程(C2)は、露出した第1半導体21n上に第1電極116を設け、第1電極116と第1半導体21nを電気的に接続する工程である(図6(c))。
【0087】
工程(D1)は、ダミー基板113上の誘電体層114側の面に、基板118を貼付する工程である(図6(c))。
【0088】
工程(D2)は、誘電体層114からダミー基板113を剥離する剥離工程である(図6(d))。
【0089】
そして、工程(E1)は、剥離により露出した面側の粒子状発光ダイオード20の第2半導体21p上に第2電極119を形成し、第2電極119と第2半導体21pとを電気的に接続させる工程である(図6(e))。
【0090】
以上の工程の前に、粒子状発光ダイオード20を用意するが、その作成方法は、実施形態1の製造方法の場合と同様でよい。
【0091】
工程(B1)のダミー基板113は、PETやポリイミド他の剥離し易く、かつ誘電体層114を塗布可能なフィルム素材が望ましい。
【0092】
誘電体層114としては、例えば、発光ダイオードの封止に用いられるような透明なエポキシ樹脂やシリコーン樹脂などが使用可能である。
【0093】
エポキシ樹脂等の溶液を塗布して、乾燥させる前に、発光ダイオード20を噴霧により散布すれば図6(a)のように誘電体層114中に、粒子状発光ダイオード20の一部が埋まる。溶媒に溶かしたエポキシ樹脂溶液中に粒子状発光ダイオード20を混ぜて、ダミー基板113上に塗布して乾燥させてもよい。
【0094】
このとき、誘電体層114は固形分濃度に応じた膜厚となり、酸素アッシャーなどで粒子状発光ダイオード上の薄い皮膜を除去すれば、粒子状発光ダイオード20の一部が誘電体層114に埋まる状態にできる。工程(B2)は実施形態1と同じように、エッチングで第1半導体21nを露出させる(図6(b))。
【0095】
さらに、図6(c)の工程(C1)では、絶縁性の高い樹脂材料をスピンコートなどで塗布して第2半導体21pを埋める絶縁層115を形成する。酸素アッシャーなどで粒子状発光ダイオード上の薄い皮膜を除去すると、第1半導体21nのみ露出する。なお、第1電極116と第2半導体21pとの電気的な絶縁が維持される限り、この絶縁層115は必ずしも必要ではない。
【0096】
次の工程(C2)において、図6(c)のように、第1電極116をスパッタや蒸着などで直接形成し、通常の微細加工によりパターニングして、図7のようにストライプ状の列電極とする。
【0097】
第1電極の材料は、第1半導体21nとオーミック接触する金属が望ましく、Ti、Al、Ag、Hfなどが使用でき、Ti/Alのように2層電極としてもよい。
【0098】
次に、図6(c)の工程(D1)では、第1電極116の上に接着層117で基板118をダミー基板側に接着する。
【0099】
基板118としては、ガラス、樹脂フィルム、板状プラスチックや、絶縁層をコートした金属フィルムなどが使えるが、工程(B1)以降は、百数十度の低温で処理できるので、PETなどの低コストで薄型軽量の汎用プラスチックが使える。
【0100】
駆動回路との実装を容易にするために、基板118の端には引き出し電極120を形成しておき、第1電極116と導電ペーストなどで導通させておいてもよい。
【0101】
図6(c)と異なる方法として、第1電極116を形成した基板を、ダミー基板113側に導電性の接着層117を用いて接着しても良い。この場合においても、前述した理由の通り、絶縁層115は必ずしも必要ではない。
【0102】
この場合、導電性の接着層117が、第1電極116と粒子状発光ダイオード21nとの間、および第1電極116と絶縁層115との間に挟まる。導電性の接着層117としては無溶剤の銀ペーストなどが使用可能である。
【0103】
図6(d)の工程(D2)では、ダミー基板113を端から丁寧に剥がして、剥離面側の第2半導体21pを露出させる。
【0104】
このとき、第2半導体21pの表面が清浄にするために、剥離面側の誘電体層114の表面を酸素アッシャーなどで少し除去した方がよい。工程(E1)では、第2電極119をスパッタ、蒸着などで形成する(図6(e))。
【0105】
第2電極119は、第2半導体21pとオーミック接触する金属が好ましく、例えば、ITOやNi/Auが使用可能である。
【0106】
第1電極116と第2電極119のいずれかは透明または半透明でなければならないので、ITOを用いるか、金属電極を薄くするかがよい。なお、長期信頼性を確保するため、シリコーン樹脂などで封止層121を第2電極(p電極)119の上に塗布することが好ましい。これらの電極に、電源を接続し、直流電圧やパルス電圧を印加すれば、面発光が得られる。
【0107】
(実施例)
まず、芯粒子として、住友化学(株)のアルミナの微粒子スミコランダム(登録商標)の粒径約3μmの粉末を入手した。このアルミナ微粒子は、気相化学反応により作成されたフィラー用途で用いられる微粒子で、分散性の良い単結晶微粒子であるが、5500円/Kgの市場価格で、これを2インチウェハーに敷き詰めたなら、0.13円/枚に相当し、サファイアウェハーの数万分の1の低コストとなる。このような大きな価格差は、直径の大きな結晶ほど、結晶成長に時間が掛かるという物理的、工業的な理由に由来するものと言える。図8は、この芯粒子1のSEM(走査型電子顕微鏡)写真であるが、角が丸まった多面体形状で、略球形である。
【0108】
始めに、芯粒子の粉末を、燐酸に1分浸漬し、純水で繰り返しリンスした後、遠心分離で粉末を取り出し、真空乾燥機で乾燥した。この洗浄で図1の芯粒子の形状が保たれていることはSEMで確認した。
【0109】
次に、この粒子の表面に、実施形態1に記載の手順で、窒化ガリウム(GaN)を成長させた。
【0110】
芯粒子上のバッファー層には、510℃で厚さ約25nmのAlGaNを付けた。
【0111】
次に温度を1050℃にし、Siドープのn型GaN層を付けた。
【0112】
ドープ濃度や膜厚の条件を変えて、大きさや形状の異なる結晶を作成した。
【0113】
次に、炉の温度を790℃に下げ、搬送ガスを窒素にして、7nmのアンドープGaNを7nm、3nmのIn0.15Ga0.85Nを交互に3層、積層して、MQWからなる活性層を形成した。
【0114】
そして、再び1100℃として、搬送ガスを水素に戻して、Mgドープのp型GaNを400nm成長させた。なお、膜厚やインジウム濃度は面方位によって異なるので、事前実験で得たC面上の数値を目安として成膜時間やガス組成などの条件を設定した。
【0115】
このとき、できた半導体結晶は反応条件(時間、ガス流量、ドープ濃度など)やばらつきなどで、異なった結晶形状の粒子となった。その形状と発光特性の関係を調べるために、第2半導体(p層)21p(第2半導体)をつける前のInGaNのMWQ層(活性層)まで成長させた結晶粒子を取り出し、SEM観察とCLによる発光特性を観察した。
【0116】
図9はMQW層まで成長した多数の結晶粒子のSEM写真の1例である。図9には、大きさや形の異なる多数の結晶が写されている。
【0117】
このような結晶粒子のうち、形状が大きく異なる結晶粒子のSEM写真を図10、図11に示す。
【0118】
図10の粒子2は、代表的な形状の結晶であり、図10(a)は上から見た顕微鏡写真であり、図10(b)は斜め横から見た顕微鏡写真である。
【0119】
図10(a)の白矢印10の長さが10ミクロンを示す。この粒子は直径が短軸で20ミクロン、長軸で40ミクロン程度の台形状の多面体であることが分かる。EBSD(電子線後方散乱回折)などにより面方位を調べたところ、六角形の面3はC面{0001}、側面4から7はC面に垂直なm面{1−100}、C面となす角度が62度の傾斜した面であった8、9は{1−101}であった。このように、いずれの面もミラー指数の絶対値が1以下の平坦な結晶格子面であり、芯粒子とは全く異なる(非相似)形状の単結晶の多面体状結晶ができていた。
【0120】
一方、図11は、特許文献1と同様に、芯粒子の上にほぼ均一な薄い膜が付いた、球形に近いGaN結晶粒子であり、比較例である。
【0121】
図11の粒子11は、図8の芯粒子1と直径が近いが、X線マイクロ分析で、InGaNの膜が付いていることは確認した。
【0122】
図10と図11の粒子に、同じ電流密度の電子ビームを照射し、CL発光を測定した発光特性を図12と図13に示す。横軸に波長、縦軸に発光強度を表わす。
【0123】
図12(a)では、図10の粒子のCLの面3、面4、面8の各々に対応する発光特性
を実線200、破線201、点線202で示している。見易いように、各々の発光特性を図12(b)、図12(c)、図12(d)にも示している。
【0124】
実線200には3つのピークがある。波長が370nm弱のピークは下地のGaNのバンド端発光ピークである。420nm付近のピークが活性層のInGaNの発光ピークである。560nm弱のピークはイエローバンドと呼ばれる結晶欠陥などに由来するピークである。
【0125】
実線200、破線201、点線202のInGaNの発光ピーク波長は各々420nm、390nm、415nmにある。強度は破線201(面4すなわちm面)、点線202(面8)、実線200(面3すわなちC面)の順に強く、45000から90000の強度値を示している。
【0126】
一方、比較例である図11の球状の粒子の発光を示す図13の実線203では、InGaNの発光ピークは405nmにあり、強度値は7000程度と、図12の発光特性の1/10程度の強度しかなかった。
【0127】
高輝度で発光する平坦な多面体状結晶として、図10以外にも、図14の結晶230のように六角錘に近い形の粒子や、図15の232、233のような六角柱のような結晶も作成された。
【0128】
図15の粒子230は、六角錘形状の単結晶であり、六角形の底面230aがC面、側面230bがm面、斜面230cが(1−101)面であった。図15の粒子232、233は、六角柱状の単結晶で、六角柱の側面がm面、底面がC面である。
【0129】
図10、図14、図15の多面体粒子と図11の球状粒子の、発光強度の違いは、CL発光だけでなく、He−Cdレーザー(波長325nm)で励起したPL発光でも同様の傾向を示した。
【0130】
また、多面体粒子のPL効率は、ウェハー上に形成した青色発光ダイオードの膜より強い発光が見られ、高い発光効率が得られた。特に、図15のような六角柱状の結晶は、図10のような台形または不定形の結晶と比べて2倍以上のPL強度が得られた。
【0131】
図15から分かるように、側面が底面より長い縦長の六角柱形状の結晶は、基板上にばら撒いたとき、m面を上にして倒れるので、励起光はm面に当り、m面が光ることになる。
【0132】
CL測定の結果が示すようにm面はC面より強い発光を示しており、側面が長い六角柱状の結晶が効率的に最も良いことと対応する。
【0133】
これらの多面体粒子のMQW層の上にp−GaNを形成した粒子状発光ダイオードを形成すれば、CLやPLの強度比と同様に、図11のような球状結晶より、図10、図14、図15の低指数面の多面体結晶の方が強いEL発光を示す。
【0134】
このような実験結果から、本発明は、従来のような、球状粒子ではなく、平坦な結晶格子面が主たる構成面である多面体を形成する結晶に成長させることにより、高品質の結晶ができ、高効率の発光が可能であることを明らかにした。
【0135】
なお、これらの結晶の内部に芯粒子であるアルミナが入っていることは、断面SEMやTEM観察で確認した。
【0136】
断面観察によると、芯粒子の周りに成長した結晶は、芯粒子表面上から1ミクロン程度までの範囲には微小なグレインが多数あるが、その外側は、非常に大きな単一または数個の単結晶に覆われており、転位欠陥が殆ど見当たらない高品質の膜であった。例えば、図12や、図15の結晶中には転位欠陥は1、2本しか存在しないことがTEMで観察されており、転位密度に換算すると106個/cm2程度以下であった。すなわち、芯粒子の表面に1ミクロン以上の膜厚で結晶成長させれば、活性層を形成する表面では、欠陥の非常に少ない良質の結晶粒子を得ることができると言える。
【0137】
従来の、サファイアウェハー上のGaNは基板表面から極めて高密度の転位欠陥が発生し、転位は基板に垂直な方向に伸びていき、膜厚を数ミクロンの厚さにしても1010個/cm2程もある。ウェハーのような平面基板上の結晶成長と、本実施例のようにミクロン
サイズのアルミナ粒子上の結晶成長では、結晶成長の様相に大きな相違が見られる。従って、芯粒子のサイズが大きくなり、例えばmmサイズの大きなアルミナ粒子上に結晶成長させるなら、その表面は微視的に見ると平面により近く、結晶成長の様相もウェハー上の場合に近いと考えられる。
【0138】
このような、平坦な結晶格子面を外周面に持つ多面体形状の結晶性半導体からなる多数の粒子状発光ダイオードを、実施形態2の図6の工程断面図に示す方法で、実装し発光させた。ただし、流動層で作成した粒子状発光ダイオードは大きさにばらつきがあるので、ばらつきが数ミクロン以下となるように事前に沈降法などの分級法により大きさを揃えている。
【0139】
基板は厚さ0.1mmのPETフィルムからなるダミー基板113上に信越化学工業(株)製の発光ダイオード封止用のシリコーン樹脂を塗布し、エポキシ樹脂からなる誘電体層114(厚さ3μm)を形成した。
【0140】
次に、散布用チャンバー内において、粒子状発光ダイオード20の粉末を載せた皿に乾燥した窒素ガスをブローすることにより、舞い上がった粒子状発光ダイオード20をダミー基板113上に落下させ、粒子状発光ダイオード20を分散性よく誘電体層114上に散布してから、ガラス板で軽く押さえつけてシリコーン樹脂層に埋め込ませ、150℃で加熱して誘電体層114を硬化させると、粒子状発光ダイオード20は下半分ほどが埋まった状態で固定された。
【0141】
次に、ドライエッチング装置により、実施形態に記載のガス種を用いて、誘電体層114から露出している粒子状発光ダイオード20の表面をn型GaN層21nに達するまでエッチングした。
【0142】
そして、その上に、可視光ではほぼ透明なポジ型アクリル系レジスト樹脂の絶縁層115を膜厚2ミクロンの条件でスピンコートして乾燥した。
【0143】
この状態では粒子状発光ダイオード20の上にも薄くレジスト(絶縁層115)が載っているので、露光時間が通常条件の1/5のアンダー露光を行い、現像すると、粒子状発光ダイオード20の表面が絶縁層115中から露出していることを顕微鏡で確認した。
【0144】
酸素アッシャーで粒子状発光ダイオード20の表面をクリーニングしてから、Ti/Al(Ti厚:20nm、Al厚:200nm)の第1電極(n電極)116をスパッタによって成膜し、さらにストライプ状にパターニングした。
【0145】
次に、図6(c)に示すように、粘着樹脂からなる接着層117を塗布した厚さ0.1
mmのポリイミド樹脂からなる基板118を誘電体層114側の面に接着した。このとき、ポリイミド樹脂からなる基板118の端に形成しておいた引出し電極120と第1電極(n電極)116を導電ペーストによって導電させておいた。
【0146】
接着層117による接着強度を加熱によって高めた後、ダミー基板113を剥離した。誘電体層114を粒子状発光ダイオード20の表面が露出するまで酸素プラズマによってエッチングした後、Ni/ITO(10nm/100nm)からなる第2電極(p電極)119をスパッタによって蒸着し、パターンニングした。
【0147】
こうして、図7に示す構成を得ることができ、引出し電極120と第2電極(p電極)119に直流電源の端子を接触させると、粒子状発光ダイオード112が発光した。
【0148】
第2電極(p電極)119は、金などの金属ペーストを塗布して形成することも可能であるが、蒸着やスパッタのような真空成膜の方が第2電極(p電極)119のコンタクト抵抗を低下させることが容易になる。
【0149】
以上のような工程により、半導体結晶の多面体の構成面である第2半導体(p層)21pを第2電極(p電極)119に、内部にある第1半導体(n層)を第1電極(n電極)116に導通させることができ、第2電極(p電極)119と第1電極(n電極)116に電圧を印加することによって、図16の電流電圧特性図の特性曲線240ような整流性が得られ、順方向電圧印加時に青紫色に発光した。
【0150】
閾値電圧は4ボルト弱で、7ボルト程度の印加電圧で、1万cd/m2を超える高輝度
で発光した。
【0151】
粒子状発光ダイオード20の散布密度は、100個/mm2程度で、面積比で10%程度で発光が生じており、発光点での輝度は10万cd/m2を超えている換算になる。市
販のInGaN−発光ダイオードと比べると若干電圧が高いが、これは電極のコンタクト抵抗の低減などの最適化により改善可能である。粒子状発光ダイオードの極性を内と外で逆にしても良いが、p−GaNのアニールによる活性化を容易にするために第2半導体(p層)21pを外側にする方が好ましい。
【0152】
以上のように、本発明の発光装置は、多数の粒子状発光ダイオードを基板上にばらまいて一括して実装することにより、実装コストや基板コストを激減させ、発光ダイオードによる発光装置の最大の課題である低コスト化の課題を解決することが可能であり、このとき、粒子状発光ダイオードを構成する結晶性半導体が、外周面が複数の平坦な結晶格子面からなる多面体形状を有していることにより、高輝度、高効率の発光装置を実現できるものである。また、低コストの単結晶微粒子を芯粒子として用いることで、ウェハーコストを激減させることができ、より低コスト化が可能になる。
【0153】
本実施形態の発光装置によれば、多数の発光ダイオード素子(粒子状発光ダイオード)を低コストで作製し、大面積の基板上に簡易に実装できる。その結果、高効率、低コスト、均一性の高い発光装置や照明装置を量産することが可能になる。更に、粒子状発光ダイオードの実装に必要な温度は低く、基板としてガラス以外にプラスチック基板を用いてフレキシブルなシート状発光装置や曲面の発光装置など、薄くて軽い大面積の発光装置を実現することも可能になる。本実施形態で使用する粒子状発光ダイオードは、無機材料から形成されているため、信頼性が高く、高度な防湿処理も不要である。また、熱や光にも強いので、屋外や窓ガラスのような環境の厳しい場所にも設置可能である。
【0154】
粒子状発光ダイオードのサイズの下限値は、良質の結晶が得られる膜厚で規定できるが
、また、誘電体層の塗布やエッチングなどのプロセス精度(0.1μm程度)にも応じて決定され得る。粒子状発光ダイオードがプロセス精度より十分大きくないと、電極との安定した接続を確保することが困難になる。例えば、絶縁層は、第1半導体と第2半導体とを絶縁しており、樹脂の耐圧を考慮すると1ミクロンは膜厚が必要で、粒子状発光ダイオードはその数倍以上の直径が好ましく、例えば3ミクロン程度以上であることが望ましい。
【0155】
一方、粒子状発光ダイオードのサイズが大きすぎると、コストの上昇と結晶品質の低下の課題が発生する。例えば、本実施例のような数ミクロンの微小な芯粒子上に膜を形成した場合、100ミクロンを越えるような大きな結晶は、グレインの数の多い不定形な結晶になり易く、イエローバンドのPL発光が強かった。イエローバンド発光は結晶欠陥に由来しており、結晶品質が低いことを示す。また、結晶を大きくするには成膜時間が掛かるので、生産性が悪くなる。従って、粒子状発光ダイオードのサイズは、100ミクロン以下が好ましい。
【0156】
(実施形態3)
GaNおよびInGaNを用いた発光ダイオードは、電流(I)−電圧(V)特性のバラツキが大きく、複数の粒子状発光ダイオード素子を同一電極上に配置し同時に駆動する際には、全ての粒子状発光ダイオード素子が電極に対して並列に接続される為、I−V特性のバラツキによって素子毎に流れる電流量にバラツキが生じるという課題が発生する。
【0157】
このバラツキによって、ダイオードとしてのI−V特性が最も急峻に立ち上がる粒子状発光ダイオード素子は、他のI−V特性が緩やかな粒子状発光ダイオード素子にくらべ、低い電圧で発光を開始し他の素子より電流値が大きくなるため、輝度のムラが発生する。
更に、電圧を印加すると、I−V特性が最も急峻に立ち上がる粒子状発光ダイオード素子に電流が集中する為劣化が早くなり、発熱によって素子の破壊が発生する。
【0158】
この為、複数の粒子状発光ダイオード素子を同一電極上に配置し同時に駆動する際には、素子間のバラツキを無くすことが必要となるが、粒子の大きさと形状をそろえても、GaNおよびInGaNを用いた発光ダイオードは本質的にバラツキが大きく、その特性を完全にそろえることは非常に困難である。
【0159】
これを解決する為に我々は鋭意研究を重ね、下記に示す構成によって複数の粒子状発光ダイオード素子使用し優れた特性を持つ発光装置を発明した。
【0160】
以下、図19〜図21を用いて、本実施形態2について説明する。
【0161】
図19および図20に、本実施形態2における粒子状発光ダイオード素子の断面図および発光装置の構成の断面図を示す。
【0162】
本実施形態3においては、粒子状発光ダイオード素子の最表面にアンドープのGaN(u−GaN)からなる抵抗層120を設け、実施形態1の図6(c)の工程(C1)と同様に、絶縁性の高い樹脂材料をスピンコートなどで塗布して第2半導体21pを埋める絶縁層115を形成する。酸素アッシャーなどで粒子状発光ダイオード素子上の薄い皮膜を除去し、第1半導体21nのみ露出させ、その後、露出した第1半導体21n上に第1電極116を設け、第1電極116と第1半導体21nを電気的に接続する。
【0163】
この構成によって、各粒子状発光ダイオード素子毎に、第2電極119と第2半導体21pの間に抵抗層120を直列に接続することが可能となる。
【0164】
図21に、各粒子状発光ダイオード素子のI−V特性を示す。駆動電圧10V時に流れる電流値Idは、0.16から0.28mAと大きくばらついている。
抵抗層120が無い場合では、この様な特性バラツキを有する素子を並列接続するとVdの最も低い素子D1とVdの最も高い素子D3では、電流がD1に集中するためVdの最も高い素子には、殆ど電流が流れず輝度が得られない。
【0165】
次に、図21に示した本実施形態3における発光装置の構成による、抵抗層を各粒子状発光ダイオード素子に直列に接続した場合について説明する。
【0166】
抵抗層としてu−GaN120の膜厚を調整することで種々の抵抗値を持つ抵抗層を設けることができる。
【0167】
表1〜3に、抵抗層膜厚tは、5μm(7kΩ)、14μm(20kΩ)、25μm(35kΩ)の3種類の抵抗値を持つ抵抗層を設けた粒子状発光ダイオード素子の電気特性を示す。電源電圧Vcc=は12Vである。
【0168】
【表1】

【0169】
【表2】

【0170】
【表3】

【0171】
Vdの最も低い素子D1とVdの最も高い素子D3および中心値の素子D2は其々、表1に示すように抵抗層の抵抗値が7kΩと比較的低い場合においては、Idが±19%と大きくばらついているのに対して、表2に示すように、抵抗値が20kΩに増加することによってIdのばらつきが、±19%に減少していることが分かる。
【0172】
さらに、表3示すように、抵抗値が35kΩに増加することによってIdのばらつきは、±7%にまで減少していることが分かる。これにより、D1のみならず、D2およびD3においてもほぼ均等に電流が供給される為、すべての粒子を発光させることが可能となる。このときのIdの平均値は約0.04mAとなり、抵抗層が無い場合の駆動電流値に対して約1/5の値となり輝度も減少するが、各粒子状発光ダイオード素子間の電流値バラツキが抑制されるため輝度バラツキも同様に抑制される。
【0173】
即ち、Vdの低い少数の素子のみで発光装置の輝度を満たす必要が無く、全ての粒子状発光ダイオード素子を用いて通常の約1/5の電流値で各素子を駆動することが可能となる為、最もVdの低い素子への電流集中による破壊を防ぐのみならず、各素子への負荷が低減されるため発光装置全体の劣化も抑制することが可能となる。
【0174】
以上のように、本実施形態3における発光装置は、各粒子状発光ダイオード素子の第2電極119と第2半導体21pの間に抵抗層120を直列に接続した構成を用いることによって、粒子状発光ダイオード素子間のI−V特性のバラツキによる特定の素子への電流集中を抑制し、最もVdの低い素子への電流集中による破壊を防ぐのみならず、各素子への負荷が低減されるため発光装置全体の劣化も抑制することを可能とし、輝度のバラツキの無い優れた発光装置を実現可能とするものである。
【産業上の利用可能性】
【0175】
本発明の発光装置は、窒化ガリウムなどの無機発光ダイオードが有する高発光効率、低電圧、高耐久性などの利点を備え、かつ薄型、大面積化が容易である。このため、屋内、屋外の照明や、液晶のバットライトや、シート状、曲面状の光源などにとして利用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】本発明の実施形態1の発光装置を拡大した平面図
【図2】本発明の実施形態1の発光装置を拡大した断面図
【図3】本発明の実施形態の粒子状発光ダイオードの製造装置を表すブロック図
【図4】本発明の実施形態1の粒子状発光ダイオードの断面図
【図5】(a)から(e)は、本発明の実施形態1の発光装置の製造方法を表す工程断面図
【図6】(a)から(e)は、本発明の実施形態2の発光装置の製造方法を表す工程断面図
【図7】本発明の実施形態1の発光装置の平面図
【図8】(a)、(b)は、本発明の実施例における芯粒子の電子顕微鏡写真を示す平面図
【図9】本発明の実施例の結晶性半導体の拡大写真を示す平面図
【図10】(a)、(b)は、本発明の実施例の結晶性半導体の電子顕微鏡写真
【図11】本発明の例の比較例を示す粒子状半導体の電子顕微鏡写真
【図12】(a)から(d)は、本発明の実施例の結晶性半導体の発光スペクトルグラフ
【図13】本発明の実施例の比較例の粒子状半導体結晶の発光スペクトルグラフ
【図14】本発明の実施例における結晶性半導体の電子顕微鏡写真
【図15】本発明の実施例における結晶性半導体の電子顕微鏡写真
【図16】本発明の実施例の発光装置の電圧―電流特性を表すグラフ
【図17】従来例の発光素子および発光装置の断面図
【図18】従来例の発光素子および発光装置の発光粒子の断面図
【図19】本発明の実施形態3の粒子状発光ダイオードの断面図
【図20】本発明の実施形態3の発光装置の断面図
【図21】本発明の実施形態3の電圧―電流特性を表すグラフ
【符号の説明】
【0177】
20 ・・・粒子状発光ダイオード
21n・・・第1半導体
21i・・・活性層
21p・・・第2半導体
30 ・・・基板
31 ・・・第1電極32 ・・・第2電極
35 ・・・誘電体層
36 ・・・絶縁層

67 ・・・芯粒子
113 ・・・ダミー基板
114 ・・・誘電体層
115 ・・・絶縁層
116 ・・・第1電極(n電極)
117 ・・・接着層
118 ・・・基板
119 ・・・第2電極(p電極)
120 ・・・抵抗層(u−GaN)
201から202 ・・・ 多面体形状の結晶粒子の発光特性
203 ・・・球状結晶粒子の発光特性
240 ・・・特性曲線
301から303 ・・・ 多面体形状の結晶粒子の電圧―電流特性

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられた第1電極と、
前記第1電極の上にランダムに散布された複数の粒子状発光ダイオードと、
前記複数の粒子状発光ダイオードを覆う第2電極と、
を備え、
前記各複数の粒子状発光ダイオードは、III族−V族窒化物からなる結晶性半導体からなり、
前記各複数の粒子状発光ダイオードは、第1導電型の第1半導体、活性層、第2導電型の第2半導体および抵抗層からなり、
前記活性層は前記第1半導体の周囲の一部に形成されており、
前記第2半導体は前記活性層の周囲を覆っており、
前記抵抗層は第2半導体の周囲を覆っており、
前記第1半導体は、前記第2電極と電気的に接続されており、
前記抵抗層は、前記第1電極と電気的に接続されており、
前記結晶性半導体は、外周面が複数の平坦な結晶格子面からなる多面体形状を有している、発光装置。
【請求項2】
前記結晶性半導体は、ミラー指数が{0001}、{1−100}、{1−101}のいずれか2種類以上の結晶格子面を有している、請求項1記載の発光装置。
【請求項3】
前記結晶性半導体が、{1−100}面を有しており、
前記{1−100}面が、前記第1電極と電気的に接続されている、請求項1記載の発光装置。
【請求項4】
前記結晶性半導体が、六角柱形状を有し、前記六角柱の側面が{1−100}面である請求項3記載の発光装置。
【請求項5】
前記結晶性半導体は、単結晶の芯粒子の表面に1ミクロン以上の膜厚の結晶を成長させた多面体形状粒子である、請求項1記載の発光装置。
【請求項6】
前記芯粒子は、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、炭化珪素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、ベータ酸化ガリウムからなる群から選択された少なくとも一種の材料から形成されている請求項5記載の発光装置。
【請求項7】
前記芯粒子の形状が、略球形または角の丸まった多面体の酸化アルミニウムである請求項6記載の発光装置。
【請求項8】
前記第1電極上に誘電体層を有し、
前記抵抗層の一部分または全部が前記誘電体層に埋まっており、
前記第1半導体の一部分が前記誘電体層から突出し、かつ前記第2電極と電気的に接続されている、請求項1記載の発光装置。
【請求項9】
前記誘電体層は、さらに蛍光体を含む、請求項8記載の発光装置。
【請求項10】
前記基板がプラスチックから形成され、
前記基板と前記第1電極との間に接着層を有する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項11】
請求項1に記載の発光装置の製造方法であって、
前記製造方法は、
前記第1電極上に、前記複数の粒子状発光ダイオードをランダムに散布する工程(A)、
前記複数の粒子状発光ダイオードが散布された前記第1電極上に誘電体層を形成することによって、前記複数の粒子状発光ダイオードの一部を前記誘電体層に埋める工程(B)、
前記誘電体層に覆われていない各粒子状発光ダイオードの表面をエッチングして、前記第1半導体の一部を露出させる工程(C)、および
前記露出させた第1半導体上に第2電極を形成する工程(E)、
を順に有する、発光装置の製造方法。
【請求項12】
請求項1に記載の発光装置の製造方法であって、
表面に誘電体層が設けられたダミー基板の前記誘電体層中に前記粒子状発光ダイオードをランダムに散布して、前記誘電体層中に前記複数の粒子状発光ダイオードの一部を埋める工程(B1)、
前記誘電体層に覆われていない各粒子状発光ダイオードの表面をエッチングして第1半導体を露出させる工程(B2)、
前記抵抗層を埋める絶縁層を前記誘電体層の上に形成する工程(C1)、
露出した前記第1半導体上に、第1電極と第2電極のいずれか一方の電極を設け、前記一方の電極と第1半導体を電気的に接続する工程(C2)、
前記ダミー基板上の前記誘電体層側の面に、基板を貼付する工程(D1)、
前記誘電体層から前記ダミー基板を剥離する剥離工程(D2)、および
剥離により露出した面側の粒子状発光ダイオードの抵抗層上に第1電極と第2電極の他方の電極を設け、前記他方の電極と前記第2半導体とを電気的に接続させる工程(E1)、
を含む発光装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−87328(P2010−87328A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−256025(P2008−256025)
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】