説明

有機金属気相成長装置および成長方法、半導体装置およびその製造方法

【課題】P型、N型(I型)結晶を別々に形成する2チャンバ方式により、Mgのドーピングに伴う遅延効果およびメモリ効果を抑制し、エピタキシャル成長時間を短縮したMOCVD装置およびその成長方法、上記のMOCVD装置を適用して形成した半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】水冷機構を備えるコールドウォール構造を備え、ガスの流れはウェハ8の表面に対して水平方向であり、P型層成長とN型(I型)層成長ではそれぞれ別のN型(I型)層成長用チャンバ14・P型層成長用チャンバ16で成長するように構成され、ウェハ8を保持するサセプタも別々のN型層成長用サセプタ3・P型層成長用サセプタ5を使用するMOCVD装置およびその成長方法、上記のMOCVD装置を適用して形成した半導体装置およびその製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機金属気相成長(MOCVD: Metal Organic Chemical Vapor Deposition)装置およびその成長方法、半導体装置およびその製造方法に関し、特に、2チャンバ方式により、P型、N型結晶を別々に形成するMOCVD装置およびその成長方法、およびこのMOCVD装置を適用して形成された半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置を構成するのに必要な層ごとにチャンバを用意するマルチチャンバ方式の有機金属化学気相成長(MOCVD: Metal Organic Chemical Vapor Deposition)装置が開示されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2011−511460号公報
【特許文献2】特開2010−251705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
P型ドーパントの拡散抑制は、InGaAlP系デバイスにとってはクリティカルな問題であり、この問題の抑制のため、伝統的なP型ドーパントであるZnに代わってMgが使用される場合が多い。GaN系半導体においては、同じIII−V族系でありながら、ZnではP型が発現せず、Mgしかp型GaN系半導体を作ることができない。
【0005】
ところが、Mgは、デバイス設計上、望ましくない効果を持つドーパントとしてよく知られている。すなわち、成長室にMgドーピングガスを導入しても膜中にはすぐに取り込まれない遅延効果がある。また、逆にガス導入を止めてもチャンバ内に残留し、次バッチの初期段階の薄膜成長時に意図せず、Mgがドーピングされるメモリ効果がある。
【0006】
本発明の目的は、P型、N型(I型)結晶を別々に形成する2チャンバ方式により、Mgのドーピングに伴う遅延効果およびメモリ効果を抑制し、エピタキシャル成長時間を短縮したMOCVD装置およびその成長方法を提供することにある。
【0007】
本発明の目的は、上記のMOCVD装置を適用して形成した半導体装置およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、搬送室と、前記搬送室に接続され、第1導電型層を形成するための第1導電型層成長用チャンバと、前記搬送室に接続され、前記第1導電型層とは異なる導電型の第2導電型層を形成するための第2導電型層成長用チャンバと、前記第1導電型層成長用チャンバに第1導電型層成長用有機金属ガスを供給する第1導電型層成長用有機金属ガス供給槽と、前記第2導電型層成長用チャンバに第2導電型層成長用有機金属ガスを供給する第2導電型層成長用有機金属ガス供給槽とを備え、ガス流はウェハ表面に対して水平方向である有機金属気相成長装置が提供される。
【0009】
本発明の他の態様によれば、ロードロックにウェハをセットするステップと、搬送室内のサセプタストック室に洗浄済みのN型層成長用サセプタをセットするステップと、前記ウェハを前記搬送室中の前記N型層成長用サセプタにローディングするステップと、前記搬送室からN型層成長用チャンバへ前記ウェハを載せた前記N型層成長用サセプタをローディングするステップと、前記N型層成長用チャンバ中において、前記ウェハ上にN型層を成長するステップと、前記N型層の成長後、前記搬送室へ前記N型層成長用サセプタをローディングするステップと、前記N型層成長済みウェハを前記搬送室内で回収するステップと、前記N型層成長済みウェハが乗っていた前記N型層成長用サセプタを前記サセプタストック室に返すステップと、P型層成長用サセプタを前記搬送室内にローディングするステップと、P型層成長用サセプタに前記N型層成長済みウェハを乗せるステップと、P型層成長用チャンバへP型層成長用サセプタを搬送するステップと、前記P型層成長用チャンバ中において、前記N型層成長済みウェハ上にP型層を成長するステップと、前記P型層の成長後、前記搬送室へ前記P型層成長用サセプタをローディングするステップと、ロードロック側からウェハをロボットで回収するステップとを有する有機金属気相成長装置の成長方法が提供される。
【0010】
本発明の他の態様によれば、基板と、前記基板上に配置された第1導電型クラッド層と、前記第1導電型クラッド層上に配置された活性層と、前記活性層上に配置された第2導電型クラッド層と、前記第2導電型クラッド層上に配置された表面電極層と、前記基板の裏面に配置された裏面電極層とを備え、搬送室と、前記搬送室に接続され、第1導電型層を形成するための第1導電型層成長用チャンバと、前記搬送室に接続され、前記第1導電型層とは異なる導電型の第2導電型層を形成するための第2導電型層成長用チャンバと、前記第1導電型層成長用チャンバに第1導電型層成長用有機金属ガスを供給する第1導電型層成長用有機金属ガス供給槽と、前記第2導電型層成長用チャンバに第2導電型層成長用有機金属ガスを供給する第2導電型層成長用有機金属ガス供給槽とを備え、ガス流はウェハ表面に対して水平方向である有機金属気相成長装置において、前記第1導電型クラッド層は、前記第1導電型層成長用チャンバ内で形成され、前記第2導電型クラッド層は、前記第2導電型層成長用チャンバ内で形成された半導体装置が提供される。
【0011】
本発明の他の態様によれば、第1導電型若しくはI型を有する第1GaN層と、前記第1GaN層上に配置され、第1導電型若しくはI型を有する第1AlGaN層と、前記第1AlGaN層上に配置され、第2導電型を有する第2GaN層もしくは第2AlGaN層と、前記第2GaN層もしくは前記第2AlGaN層を挟み、前記第1AlGaN層上に配置されたソース電極およびドレイン電極と、前記第2GaN層もしくは前記第2AlGaN層上に配置されたゲート電極とを備え、搬送室と、前記搬送室に接続され、第1導電型層を形成するための第1導電型層成長用チャンバと、前記搬送室に接続され、前記第1導電型層とは異なる導電型の第2導電型層を形成するための第2導電型層成長用チャンバと、前記第1導電型層成長用チャンバに第1導電型層成長用有機金属ガスを供給する第1導電型層成長用有機金属ガス供給槽と、前記第2導電型層成長用チャンバに第2導電型層成長用有機金属ガスを供給する第2導電型層成長用有機金属ガス供給槽とを備え、ガス流はウェハ表面に対して水平方向である有機金属気相成長装置において、前記第1AlGaN層は、前記第1導電型層成長用チャンバ内で形成され、前記第2GaN層もしくは前記第2AlGaN層は、前記第2導電型層成長用チャンバ内で形成された半導体装置が提供される。
【0012】
本発明の他の態様によれば、基板上に第1導電型クラッド層を形成する工程と、前記第1導電型クラッド層上に活性層を形成する工程と、前記活性層上に第2導電型クラッド層を形成する工程と、前記第2導電型クラッド層上に、表面電極層を形成する工程と、前記基板の裏面に裏面電極層を形成する工程とを有し、搬送室と、前記搬送室に接続され、第1導電型層を形成するための第1導電型層成長用チャンバと、前記搬送室に接続され、前記第1導電型層とは異なる導電型の第2導電型層を形成するための第2導電型層成長用チャンバと、前記第1導電型層成長用チャンバに第1導電型層成長用有機金属ガスを供給する第1導電型層成長用有機金属ガス供給槽と、前記第2導電型層成長用チャンバに第2導電型層成長用有機金属ガスを供給する第2導電型層成長用有機金属ガス供給槽とを備え、ガス流はウェハ表面に対して水平方向である有機金属気相成長装置において、前記第1導電型クラッド層を形成する工程は、第1導電型層成長用チャンバ内で実施され、前記第2導電型クラッド層を形成する工程は、第2導電型層成長用チャンバ内で実施された半導体装置の製造方法が提供される。
【0013】
本発明の他の態様によれば、第1導電型もしくはI型を有する第1GaN層を形成する工程と、前記第1GaN層上に第1導電型もしくはI型を有する第1AlGaN層を形成する工程と、前記第1AlGaN層上に第2導電型を有する第2GaN層若しくは第2AlGaN層を形成する工程と、前記第2GaN層若しくは前記第2AlGaN層を挟み、前記第2GaN層若しくは前記第2AlGaN層上にゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極をエッチングする工程と、前記第2GaN層若しくは前記第2AlGaN層をエッチングする工程と、暴露された前記第1AlGaN層上にソース電極およびドレイン電極を形成する工程とを有し、搬送室と、前記搬送室に接続され、第1導電型層を形成するための第1導電型層成長用チャンバと、前記搬送室に接続され、前記第1導電型層とは異なる導電型の第2導電型層を形成するための第2導電型層成長用チャンバと、前記第1導電型層成長用チャンバに第1導電型層成長用有機金属ガスを供給する第1導電型層成長用有機金属ガス供給槽と、前記第2導電型層成長用チャンバに第2導電型層成長用有機金属ガスを供給する第2導電型層成長用有機金属ガス供給槽とを備え、ガス流はウェハ表面に対して水平方向である有機金属気相成長装置において、前記第1AlGaN層を形成する工程は、前記第1導電型層成長用チャンバ内で実施され、前記第2GaN層若しくは前記第2AlGaN層を形成する工程は、前記第2導電型層成長用チャンバ内で実施された半導体装置の製造方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、P型、N型(I型)結晶を別々に形成する2チャンバ方式により、Mgのドーピングに伴う遅延効果およびメモリ効果を抑制し、エピタキシャル成長時間を短縮したMOCVD装置およびその成長方法を提供することができる。
【0015】
本発明によれば、上記のMOCVD装置を適用して形成した半導体装置およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施の形態に係るMOCVD装置の模式的構成図。
【図2】実施の形態に係るMOCVD装置において、N型層成長用チャンバ、P型層成長用チャンバ、および搬送室間におけるサセプタの移動を説明する模式的構成図。
【図3】実施の形態に係るMOCVD装置の成長方法を説明するフローチャート図。
【図4】陽電子拡散距離とバッチ数との関係であって、アンドープGaN層における点欠陥の推移を説明する図。
【図5】Mg濃度と測定深さの関係であって、N型層中におけるMg残留濃度の「枯らし」エピタキシャル成長処理の前後による変化を説明する図。
【図6】図5に対応するダイオードの電流電圧特性であって、チャンバ清掃直後、LD成長後、さらに1050℃ベーク2時間後の例。
【図7】フォトルミネッセンス発光強度と波長との関係であって、チャンバ清掃後(バッチB2)と、P型層成長後(バッチB1)の発光特性の劣化を説明する図。
【図8】フォトルミネッセンス法によって、フォトルミネッセンス光を測定する図7に対応する測定系を説明する図。
【図9】実施の形態に係るMOCVD装置を用いてGaN系レーザダイオードを形成する際の基板温度とエピタキシャル成長時間の関係の一例を示す図。
【図10】実施の形態に係るMOCVD装置において、N型層成長用チャンバ若しくはP型層成長用チャンバの構成であって、水冷機構を備える横型装置の模式的断面構造図。
【図11】実施の形態に係るMOCVD装置において、N型層成長用チャンバ若しくはP型層成長用チャンバの構成であって、水冷機構を備える縦型装置の模式的断面構造図。
【図12】実施の形態に係るMOCVD装置において、横型装置の水冷機構であって、(a)ガス導入部の構成例、(b)サセプタ部の構成例、(c)ガス排気部の構成例。
【図13】実施の形態に係るMOCVD装置において、横型装置の別の水冷機構であって、ガス導入部の構成例。
【図14】実施の形態に係るMOCVD装置において、縦型装置の水冷機構であって、(a)サセプタ部の構成例、(b)サセプタ部の別の構成例。
【図15】実施の形態に係るMOCVD装置において、サセプタ上のウェハの配置の模式的断面構造であって、(a)サセプタ表面とウェハ表面とをほぼ一致させた例、(b)サセプタ表面よりもウェハ表面を高くした例、(c)サセプタ表面よりもウェハ表面を低くした例、(d)サセプタ表面上にウェハを配置した例。
【図16】実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成した半導体装置(FET)の模式的断面構造図。
【図17】実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成した半導体装置(GaAs系ストライプ型レーザダイオード)の模式的鳥瞰構造図。
【図18】実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成した別の半導体装置(GaN系ストライプ型レーザダイオード)の模式的鳥瞰構造図。
【図19】実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成したさらに別の半導体装置(GaN系ストライプ型レーザダイオード)の模式的鳥瞰構造図。
【図20】実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成した半導体装置(ストライプ型レーザダイオード)の実装マウント状態を説明する模式的鳥瞰図。
【図21】実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成した半導体装置(GaAs系面発光型レーザダイオード)の模式的断面構造図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0018】
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0019】
[第1の実施の形態]
(MOCVD装置)
実施の形態に係るMOCVD装置は、図1に示すように、搬送室2と、搬送室2に接続され、N型層を形成するためのN型層成長用チャンバ14と、搬送室2に接続され、N型層とは異なる導電型のP型層を形成するためのP型層成長用チャンバ16と、N型層成長用チャンバ14にN型層成長用有機金属ガスを供給するN型層成長用有機金属ガス供給槽10と、P型層成長用チャンバ16にP型層成長用有機金属ガスを供給するP型層成長用有機金属ガス供給槽12とを備える。ここで、ガス流はウェハ表面に対して水平方向であり、前記MOCVD装置はいわゆる「横型」ある。
【0020】
実施の形態に係るMOCVD装置において、N型層成長用チャンバ14およびP型層成長用チャンバ16の構造は、基本的には、横型であることが望ましい。尚、成長室内で、供給ガスがウェハサセプタに対して垂直方向から導入される「縦型」の場合には、ガス流をウェハに対して平行方向となるようなガス流制御装置を内部に設け、ウェハ上ではガス流がウェハに平行になるように調節しても良い。すなわち、実施の形態に係るMOCVD装置において、N型層成長用チャンバ14およびP型層成長用チャンバ16の構造は、成長室の構造自体は横型構造、縦型構造のいずれの構成を備えていても良いが、ガス流はウェハ表面に対して水平方向にする。ガス流をウェハ表面に対して水平方向にすることによって、ガス流の乱流抑制、層流の保持、ガス流の流速制御を容易にすることができる。
【0021】
また、どちらのチャンバにといても、N型、P型層の形成のみならず、アンドープ(I)層も形成可能である。ただし、先に述べたメモリ効果などのため、高品質なアンドープ膜が要求される場合には、N型チャンバーを使うのが良い。
【0022】
また、搬送室2は、図1に示すように、複数のサセプタをストックするサセプタストック室6を備える。
【0023】
また、搬送室2内もしくは搬送室2に隣接して、ウェハを大気圧から導入し、搬送室にロードするためのロードロック室(ウェハ待機部)を4備えていても良い。ここで、図1の例では、搬送室2に隣接して、ロードロック室4を備えている。
【0024】
実施の形態に係るMOCVD装置においては、ロードロック室(ウェハ待機部)4は複数のチャンバごとに設ける必要はなく、図1に示すように、搬送室2もしくは搬送室2に隣接する部分に一つあればよい。これで必要かつ十分な機能が得られ、コストも安い。
【0025】
実施の形態に係るMOCVD装置において、N型層成長用チャンバ14、P型層成長用チャンバ16、および搬送室2間におけるサセプタの移動を説明する模式的構成は、図2に示すように表される。
【0026】
実施の形態に係るMOCVD装置は、図2示すように、N型層成長用サセプタ3と、P型層成長用サセプタ5を備え、N型層成長用チャンバ14とP型層成長用チャンバ16との間の移動は、ウェハ8を搬送室2において、N型層成長用サセプタ3とP型層成長用サセプタ5間で移し変えることで行う。ここで、N型層成長用サセプタ3と、P型層成長用サセプタ5の材質には、GaAs系材料の場合はモリブデン、GaN系材料の場合は、表面を炭化珪素(SiC)でコートされたカーボンを用いることができる。
【0027】
実施の形態に係るMOCVD装置は、サセプタ洗浄室を個々の成長室に設ける必要はなく、ウェハをN型層成長用サセプタ3からP型層成長用サセプタ5へ載せかえるだけで良い。ただし、ウェハが待機する部分は必要になり、ここがロードロック室(ウェハ待機部)4である。
【0028】
また、N型層成長用チャンバ14およびP型層成長用チャンバ16は、窒化ガリウム系半導体を成長するため、700℃以上1300℃以下にウェハ8を加熱するための加熱機構を備えていても良い。この加熱機構としては、例えばヒータなどを適用可能である。後述する図10・図11のヒータ20が、この加熱機構に対応している。
【0029】
また、実施の形態に係るMOCVD装置において、ロードロック室(ウェハ待機部)4は、ウェハ上の水分を除去するための加熱機構を備えていても良い。ここで、加熱機構としては、ヒータなどを適用可能である。
【0030】
また、実施の形態に係るMOCVD装置において、搬送室2もしくはロードロック室(ウェハ待機部)4の真空度は、1×10-4Pa以下が望ましい。ウェハを待機させる場合、真空があまりに悪いと酸素付着を招く。1×10-4Pa程度の真空であると、分単位の短い時間内でウェハ表面が酸化されてしまうからである。
【0031】
実施の形態に係るMOCVD装置は、N型層成長用チャンバ14とP型層成長用チャンバ16との2チャンバ方式を有する。成膜室はN型層成長用チャンバ14とP型層成長用チャンバ16との2つだけでよい。ここで、N型層成長用チャンバ14は、アンドープ層の形成用としても兼用可能である。
【0032】
また、実施の形態に係るMOCVD装置は、後述する水冷機構を備えるコールドウォール構造を備え、ガスの流れはウェハ表面に対して水平方向であり、かつウェハを保持するサセプタ部材も別々に用意している。
【0033】
実施の形態に係るMOCVD装置においては、P型層をN型層とは別チャンバで成長することによって、エピタキシャル成長時間を短縮することができる。
【0034】
実施の形態に係るMOCVD装置においては、2チャンバ方式により、後述するいわゆる「枯らし」バッチが不要となるため、変動費を削減する効果が得られる。
【0035】
成長室チャンバは、基本的には、横型であることが望ましい。尚、縦型の場合には、ガス流をウェハに対して平行方向となるように調節しても良い。また、成長室は、同時稼動可能である。ウェハが成長室と搬送室間を移動中もエピタキシャル成長可能である。
【0036】
また、成長チャンバは、コールドウォールとすることで意図しない堆積(Deposition)を防ぎ、堆積物によるガス流が乱されることもなく、かつ装置稼働率を上昇することができる。
【0037】
尚、図1において、F1、F2はガス流を模式的に表している。
【0038】
V族原料としては、アンモニア(NH3)、III族原料としては、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMI)などを用いることができる。また、P型ドーパントとしては、シクロペンタジエニルマグネシウム(CP2Mg)、N型ドーパントとして、モノシラン(SiH4)を用い、キャリアガスとして、水素(H2)ガス、窒素(N2)ガスを用いることができる。
【0039】
―有機金属気相成長装置の成長方法―
実施の形態に係るMOCVD装置の成長方法は、図3に示すように、ロードロック室4内のロードロックにウェハをセットするステップS1と、搬送室2内のサセプタストック室6に洗浄済みのN型層成長用サセプタ3をセットするステップS2と、ウェハ8を搬送室2中のN型層成長用サセプタ3にローディングするステップS3と、搬送室2中でウェハ8上の水分を飛ばすため、500℃以下に加熱するステップS4と、搬送室2からN型層成長用チャンバ14へウェハ8を載せたN型層成長用サセプタ3をローディングするステップS5と、N型層成長用チャンバ14中において、ウェハ8上にN型層を成長するステップS6と、N型層の成長後、搬送室2へN型層成長用サセプタ3をローディングするステップS7と、N型層成長済みウェハ8を搬送室2内で回収するステップS8と、N型層成長済みウェハ8が乗っていたN型層成長用サセプタ3をサセプタストック室6に返すステップS9と、P型層成長用サセプタ5を搬送室2内にローディングするステップS10と、P型層成長用サセプタ5にN型層成長済みウェハ8を乗せるステップS11と、P型層成長用チャンバ16へP型層成長用サセプタ5をローディングするステップS12と、P型層成長用チャンバ16中において、N型層成長済みウェハ8上にP型層を成長するステップS13と、P型層の成長後、搬送室2へP型層成長用サセプタ5をローディングするステップS14と、ロードロック室4内のロードロック側からP型層成長済みウェハ8をロボットで回収するステップS15とを有する。さらに、ステップS15の後、ステップS1にリターンして、ステップS1〜S15を繰り返しても良い。
【0040】
尚、ステップS2は、毎回実施する必要は無い。洗浄済みのN型層成長用サセプタ3が不足している場合にのみ行う。また、ステップS4は、必須のステップではなく、必要に応じてオプションとして実施して良い。
【0041】
―アンドープGaN層における点欠陥の推移―
陽電子拡散距離とバッチ数との関係であって、アンドープGaN層における点欠陥の推移は、図4に示すように表される。図4においては、陽電子消滅法により計測された陽電子拡散距離によって、点欠陥密度を計測している。図4において、陽電子拡散距離が短くなるにつれて、点欠陥密度が上昇する。図4において、バッチB1において、P型層(Mgドープ層)成長を実施し、バッチB2において、チャンバの清掃を実施している。
【0042】
図4において、破線Pおよび破線Rの傾きは、同程度である。これは、アンドープGaN層に対して、バッチ処理を行い、累積的なチャンバ汚れによって、点欠陥の増殖が見られることを示している。
【0043】
一方、P型層(Mgドープ層)成長により、破線Qに示されるように別モードの点欠陥増殖が起こる。破線Qの傾きは、破線Pおよび破線Rの傾きに比べ、大きく、点欠陥の増殖が急速に進むことを表している。
【0044】
累積的なチャンバ汚れによる点欠陥の増殖を抑制するためには、コールドウォールチャンバを導入することが望ましい。温度の上昇を抑制することによって、ガス反応を抑制し、意図しない堆積(Deposition)を抑え、装置稼働率を上昇することができるからである。
【0045】
一方、P型層(Mgドープ層)成長で、Mgが残留し、点欠陥増殖が起こる。残留Mgの効果を除去するためには、デバイス用のエピタキシャル成長間で、例えば、約3時間あまり(上昇および下降温度を含む)のいわゆる「枯らし」バッチ処理が必要になる。ここで、「枯らし」バッチ処理とは、デバイス用のエピタキシャル成長とは別に、ダミーのウェハを用いてエピタキシャル成長を行うバッチ処理をいう。
【0046】
例えば、デバイス用のエピタキシャル成長時間は、GaN系電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)で、約5.5時間、青紫用の発光ダイオード(LED: Light Emitting Diode)で、約7時間である。上述の「枯らし」エピタキシャル成長が入ると、1サイクルで約3時間のデバイス用のエピタキシャル成長を実施できない無駄な時間を生ずる。「枯らし」バッチ処理では、装置稼働率を上昇することができない。
【0047】
Mg濃度と測定深さの関係であって、N型層中におけるMg残留濃度の「枯らし」エピタキシャル成長処理の前後によるMg濃度変化は、図5に示すように表される。図5においては、発光層/n−AlInGaN/GaNの積層構造におけるMg濃度と測定深さの関係が示されている。図5において、曲線Aはいわゆる「枯らし」エピタキシャル成長を実施した場合に対応し、曲線Aは、「枯らし」エピタキシャル成長を実施していない場合に対応している。「枯らし」エピタキシャル成長を実施することで、残留Mg濃度の低減効果がある。
【0048】
一方、図5に対応するダイオードの電流電圧特性であって、Mgが電流電圧特性に与える悪影響を示す。チャンバ清掃直後、レーザダイオード(LD:Laser Diode)の成長後、つまりMg残留が予想される状態でのもの、さらに1050℃ベーク2時間後の例は、図6に示すように表される。Mg(アクセプタ)がn−AlInGaN層に残留するため、チャンバ清掃直後に比べ、LD成長後、1050℃ベーク2時間後、ともに順方向特性における抵抗値が高くなっている。つまりベークだけではMgは取り除くことができない。
【0049】
実施の形態に係るMOCVD装置を用いて、P型層をN型層とは別チャンバで成長することによって、P型層(Mgドープ層)成長による点欠陥の急速増殖を抑制すると共に、装置稼働率を上昇することができる。
【0050】
―フォトルミネッセンス発光強度と波長との関係―
フォトルミネッセンス(PL:Photoluminescence)発光強度と波長との関係であって、チャンバ清掃後(バッチB2)と、P型層成長後(バッチB1)の発光特性は、図7に示すように表される。尚、PL法によって、PL光を測定する図7に対応する測定系の説明図は、図8に示すように表される。図8において、n型GaN層100上に形成された薄膜層99に対して、励起レーザ光hν1を照射し、その結果放射されたPL光hν2の発光強度を測定している。青色の発光パターンおよび緑色の発光パターンのいずれにおいてもMgドープ層の成長後、発光層のPL発光強度が劣化している。累積的汚れによっても劣化することも明らかである。
【0051】
実施の形態に係るMOCVD装置を用いて、P型層をN型層とは別チャンバで成長することによって、発光強度の劣化を抑制することができる。
【0052】
―基板温度とエピタキシャル成長時間の関係―
実施の形態に係るMOCVD装置を用いてGaN系LDを形成する際の基板温度とエピタキシャル成長時間の関係の一例は、図9に示すように表される。例えば、時刻t1〜t2では、水素(H2)キャリア中で、N型クラッド層が形成され、時刻t2〜t3では、窒素(N2)キャリア中で、発光層が形成され、時刻t3〜t4では、水素(H2)キャリア中で、P型クラッド層が形成される。
【0053】
図9に示すように、層毎の成長条件が極端に異なる。例えば、成長温度範囲は600℃―1100℃、キャリアガスはInGaN成長では窒素(N2)、(Al)GaN成長では水素(H2)を使用し、成長時の圧力範囲は、例えば、100kPa−200kPaである。
【0054】
ここで、自然対流の発生する指標として、レイリー数(浮力と粘性力の比)Raは、
Ra=αgCp3ρΔT/(ηk)
で表される。ここで、αは熱膨張係数、gは重力加速度、Cpは定圧比熱、hは基板と上壁面の間隔(チャンバ高さ)、ρは密度、ΔTは温度変化、ηは粘性率、kは熱伝導率をそれぞれ表す。αgCp3ρΔTは浮力を表し、ηkは粘性力を表す。
【0055】
レイリー数が大きい場合は、渦流が発生しやすい。窒素(N2)をキャリアガスとして使用した場合のレイリー数は、水素(H2)をキャリアガスとして使用した場合の680倍である。つまり、レイリー数が大きい場合は浮力が大きく、上昇対流が発生しやすいため、意図しない渦を発生したり、ガス流が乱流化したりして、結晶薄膜の品質に悪影響を及ぼす。ガスH2もN2も使用するGaN系のMOCVDでは、レイリー数が大きいN2使用時、チャンバ高さhを調節しやすい、ガス流がウェハに水平方向に流れる構造が適している。チャンバ自体が横型の構造をしていると、チャンバ高さhを調節し易いという利点がある。縦型構造においてもガス流がウェハに水平方向に流れる構造にしておけば、流速によってガス流の舞い上がりを調節できる。
【0056】
実施の形態に係るMOCVD装置においては、P型、N型(I型)結晶を別々に形成する2チャンバ方式により、それぞれのチャンバにおいて、レイリー数を低く設定して、層流を発生させており、図9に示すような層毎の成長条件が極端に異なるGaN系レーザダイオードの形成においても、N型クラッド層とP型クラッド層では、別チャンバで成長することによって、P型層(Mgドープ層)成長による点欠陥の急速増殖を抑制すると共に、装置稼働率を上昇することができる。
【0057】
―水冷機構―
実施の形態に係るMOCVD装置において、N型層成長用チャンバ14若しくはP型層成長用チャンバ16の構成であって、水冷機構を備える横型装置の模式的断面構造は、図10に示すように表される。
【0058】
同様に、実施の形態に係るMOCVD装置において、N型層成長用チャンバ14若しくはP型層成長用チャンバ16の構成であって、水冷機構を備える縦型装置の模式的断面構造は、図11に示すように表される。尚、図10および図11において、Fはガス流を模式的に表している。
【0059】
実施の形態に係るMOCVD装置において、N型層成長用チャンバ14およびP型層成長用チャンバ16は、図10に示すように、ガス導入部26と、サセプタ部28と、ガス排気部30とを有する横型構造を備え、ガス導入部26と、サセプタ部28と、ガス排気部30は、水冷機構32・34・36、38、40・42を備える。
【0060】
同様に、N型層成長用チャンバ14およびP型層成長用チャンバ16は、ガス導入部48と、サセプタ部50とを有する縦型構造を備え、ガス導入部48と、サセプタ部50は、それぞれ水冷機構54・52を備える。図11においては、サセプタ部50の周辺部分にガス排気部(図示省略)が設けられている。
【0061】
水冷機構は、ガスが流れる部分に必要な範囲で設置することが望ましい。必要な範囲とは、GaN系半導体装置を形成する場合は、アンモニア(NH3)の分解温度で決まり、約300℃以上になる可能性のある部分である。
【0062】
水冷機構は、冷却が必要な部位にヒートパイプのように外部的に取り付けたものでも、ステンレスなどの金属構造の中に水路を形成したものであっても良い。
【0063】
実施の形態に係るMOCVD装置において、横型装置の水冷機構であって、ガス導入部26の構成例は、図12(a)に示すように表され、サセプタ部28の構成例は、図12(b)に示すように表され、ガス排気部30の構成例は、図12(c)に示すように表される。ガス導入部26では、ガス導入部26を取り囲む形で冷却が必要な部位に水路33を形成した水冷機構32・34・36が配置されている。サセプタ部28では、サセプタ22に対向して冷却が必要な部位に水路33を形成した水冷機構38が配置されている。ガス排気部30では、ガス排気部30を取り囲む形で冷却が必要な部位に水路33を形成した水冷機構40・42が配置されている。
【0064】
実施の形態に係るMOCVD装置において、横型装置の別の水冷機構であって、ガス導入部の構成例は、図13に示すように表される。図13の例では、ガス導入部26を取り囲む形で冷却が必要な部位に外部的にヒートパイプ35を取り付けた水冷機構32・34・36が配置されている。図示は省略するが、サセプタ部28およびガス排気部30においても同様に冷却が必要な部位に外部的にヒートパイプ35を取り付けた水冷機構が配置されている。
【0065】
実施の形態に係るMOCVD装置において、縦型装置の水冷機構であって、サセプタ部の構成例は、図14(a)に示すように表され、サセプタ部の別の構成例は、図14(b)に示すように表される。図14(a)の例では、サセプタ部50を取り囲む形で冷却が必要な部位に水路33を形成した水冷機構52が配置されている。図14(b)の例では、サセプタ部50を取り囲む形で冷却が必要な部位に外部的にヒートパイプ35を取り付けた水冷機構52が配置されている。図11の水冷機構54においても同様に冷却が必要な部位に水路33を形成しても良い。或いは、冷却が必要な部位に外部的にヒートパイプ35を取り付けても良い。尚、図示は省略するが、図11の水冷機構54においても図14(a)および図14(b)と同様に、冷却が必要な部位に水路33を形成しても良く、或いは、冷却が必要な部位に外部的にヒートパイプ35を取り付けても良い。
【0066】
―サセプタ上のウェハの配置―
実施の形態に係るMOCVD装置において、サセプタ22上のウェハ24の配置の模式的断面構造であって、サセプタ22表面とウェハ24表面とをほぼ一致させた例は、図15(a)に示すように表され、サセプタ22表面よりもウェハ24表面を高くした例は、図15(b)に示すように表され、サセプタ22表面よりもウェハ24表面を低くした例は、図15(c)に示すように表され、サセプタ22表面上にウェハ24を配置した例は、図15(d)に示すように表される。
【0067】
実施の形態に係るMOCVD装置において、ガス流はウェハ表面に対して水平方向にすることによって、流速制御を容易にすることができるため、サセプタ22上のウェハ24の配置構成としては、図15(a)〜図15(d)のいずれの構成も適用可能である。
【0068】
(半導体装置)
―FET―
実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成したFETは、図16に示すように、図示しないSi基板上に図示しないバッファ層を介してn型もしくはI型を有するGaN層100と、GaN層100上に配置され、n型もしくはI型を有するAlGaN層120と、AlGaN層120上に配置され、p型を有するGaN層もしくはAlGaN層(以下(Al)GaNと略記)122と、(Al)GaN層122を挟み、AlGaN層120上に配置されたソース電極124およびドレイン電極128と、(Al)GaN層122上に配置されたゲート電極126とを備える。
【0069】
また、図1に示された実施の形態に係る有機金属気相成長装置において、AlGaN層120は、N型層成長用チャンバ14内で形成され、(Al)GaN層122は、P型層成長用チャンバ16内で形成される。
【0070】
実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成したFETの製造方法は、Si基板上にAlNを含むAlGaN系薄膜で構成されたバッファ層を介して、n型もしくはI型を有するGaN層100を形成する工程と、GaN層100上にn型もしくはI型を有するAlGaN層120を形成する工程と、AlGaN層120上にp型を有する(Al)GaN層122を形成する工程と、(Al)GaN層122を挟み、その上にゲート電極126を形成する工程と、ゲート電極をエッチングする工程と、続けて(Al)GaN層122をエッチングする工程と、暴露されたAlGaN層120上にソース電極124およびドレイン電極128を形成する工程とを有する。
【0071】
また、図1に示された実施の形態に係る有機金属気相成長装置において、AlGaN層120を形成する工程は、N型層成長用チャンバ14内で実施され、(Al)GaN層122を形成する工程は、P型層成長用チャンバ16内で実施される。
【0072】
実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成したFETによれば、P型、N型(I型)結晶を別々に形成する2チャンバ方式により、P型層(Mgドープ層)成長で、Mgのドーピングに伴う遅延効果およびメモリ効果を抑制して点欠陥増殖を抑えることができ、FETの高周波特性、大電力高速スイッチング特性の改善を図ることができる。
【0073】
実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成したFETによれば、いわゆる「枯らし」エピタキシャル成長が不要となるため、エピタキシャル成長時間を短縮することができる。例えば、パワーFETの市場要求コストを満たす製造のためには、6インチウェハを多数枚成長可能な大きさのチャンバが必要となるが、本実施の形態に係るMOCVD装置によれば、このような用途に対しても充分に適用可能である。
【0074】
―GaAs系ストライプ型LD―
図17において、X方向は、レーザストライプの延長方向、すなわち、劈開面に垂直な方向であり、Y方向は、レーザストライプの延長方向に直交する方向、すなわち、劈開面に平行な方向である。
【0075】
実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成したGaAs系ストライプ型LDは、図17に示すように、基板102と、基板102上に配置されたn型クラッド層130・132と、n型クラッド層132上に配置された活性層133と、活性層133上に配置されたp型クラッド層134と、p型クラッド層134上に配置された表面電極層115と、基板102の裏面に配置された裏面電極層114とを備える。
【0076】
また、図1に示された実施の形態に係る有機金属気相成長装置において、n型クラッド層130・132は、N型層成長用チャンバ14内で形成され、p型クラッド層134は、P型層成長用チャンバ16内で形成される。
【0077】
また、裏面電極層114、表面電極層115間に電圧をかけて電流注入することにより、活性層133よりレーザストライプに沿って、レーザ光を出射する。
【0078】
実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成したGaAs系ストライプ型LDの製造方法は、基板102上にn型クラッド層130・132を形成する工程と、n型クラッド層130・132上に活性層133を形成する工程と、活性層133上にp型クラッド層134を形成する工程と、p型クラッド層134上に、表面電極層115を形成する工程と、基板102の裏面に裏面電極層114を形成する工程とを有する。
【0079】
また、図1に示された実施の形態に係る有機金属気相成長装置において、n型クラッド層130・132を形成する工程は、N型層成長用チャンバ14内で実施され、p型クラッド層134を形成する工程は、P型層成長用チャンバ16内で実施される。
【0080】
さらに詳細には、MOCVD装置を適用して形成されたGaAs系ストライプ型LDは、図17に示すように、GaAs基板102と、GaAs基板102上に配置されたn型クラッド層130と、n型クラッド層130上に配置されたエッチングストップ層131と、エッチングストップ層131上に配置されたn型クラッド層132と、n型クラッド層132上に配置された活性層133と、活性層133上に配置されたp型クラッド層134と、p型クラッド層134上に配置されたキャップ層104と、p型クラッド層134およびキャップ層104の側壁部に配置された電流ブロック層105,106と、キャップ層104および電流ブロック層105,106上に配置されたコンタクト層101と、コンタクト層101上に配置された蒸着層135と、蒸着層135上に配置されたメッキ電極層136とを備える。メッキ電極はなくても良いが、パワーデバイスではあった方が放熱の効果がある。
【0081】
n型クラッド層130・132は、例えば、Alx1Ga1-x1As(0.3≦x1≦0.7、例えば、x1=0.5)からなる。n型クラッド層130・132には、例えば、Siを約2×1018cm-3程度ドープしている。
【0082】
エッチングストップ層131は、N型またはノンドープの、例えばIn0.49Ga0.51Pからなり、例えば、約0.01μm〜0.05μm程度に形成されている。
【0083】
n型クラッド層130、エッチングストップ層131およびn型クラッド層132の全体の厚さは、例えば、約2μm〜4μm程度に形成される。
【0084】
活性層133は、Aly1Ga1-y1As(0.05≦y1≦0.2、例えば、y1=0.15)のバルク構造またはAly2Ga1-y2As(0.01≦y2≦0.1、例えば、y2=0.05)からなるウェル層とAly3Ga1-y3As(0.2≦y3≦0.5、y2<y3、例えば、y3=0.3)からなるバリア層とのシングル量子井戸(SQW:Single Quantum Well)若しくはMQW構造によって、全体として、例えば、約0.01μm〜0.2μm程度に形成される。
【0085】
p型クラッド層134は、例えば、Alx2Ga1-x2As(0.3≦x2≦0.7、例えば、x2=0.5)からなり、例えば、約0.5μm〜4μm程度に形成される。p型クラッド層134は、P型ドーパントとしてのMgをドープ(ドーピング濃度は、例えば、1×1019cm-3)することによってP型半導体層とされている。また、p型クラッド層134内には、P型またはノンドープの、例えばIn0.49Ga0.51Pからなるエッチストップ層(図示省略)が、例えば、約0.01μm〜0.05μm程度に形成されている。
【0086】
尚、活性層133とn型クラッド層132との間、活性層133とp型クラッド層134との間に光ガイド層を設ける構造、活性層133とn型クラッド層132との間にビーム拡大層を設ける構造など、他の半導体層がいずれかの層間に介在されていても良い。
【0087】
前述の例では、AlGaAs系化合物半導体の例であったが、InGaAlP系化合物で構成する場合には、例えば、In0.49(Ga1-uAlu)0.51P(0.45≦u≦0.8、例えば、u=0.7)層によって、n型クラッド層132およびp型クラッド層134を形成することができ、In0.49(Ga1-v1Alv1)0.51P(0≦v1≦0.25、例えば、v1=0)/In0.49(Ga1-v2Alv2)0.51P(0.3≦v2≦0.7、例えば、v2=0.4)によるSQW構造若しくはMQW構造などによって、活性層133を形成することができる。
【0088】
尚、エッチングストップ層131は、In0.49Ga0.51Pに限定されるものではなく、例えば、In0.49(Ga0.8Al0.20.51Pなどを使用することもできる。
【0089】
また、p型クラッド層134にリッジ部を形成するためのエッチングは以下の通りである。例えば、CVD法などにより、SiO2またはSiNxなどからなるマスクを形成し、例えば、ドライエッチングなどにより、キャップ層104を選択的にエッチングし、引き続きHClのようなエッチング液により、p型クラッド層134をエッチングすることにより、図16に示されるように、リッジ部がストライプ状に形成される。
【0090】
キャップ層104は、例えば、P型In0.49Ga0.51Pからなり、厚さは、例えば、約0.01μm〜0.05μm程度である。キャップ層104は、後の工程でコンタクト層101を形成する際に、半導体積層部の表面に酸化膜などが形成されて、汚れるのを防止するためのものである。GaAsなどの他の半導体層で形成されていても良い。また、表面の汚れさえ防止することできるのであれば、無くても良い。
【0091】
コンタクト層101は、キャップ層104および電流ブロック層105,106上に、例えば、p型GaAs層により、その厚さが0.05μm〜10μm程度に形成される。
【0092】
電流ブロック層105,106としては、AlGaAs、GaAs、INAlPなどを用いることができる。
【0093】
実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成されたGaAs系ストライプ型LDにおいて、n型クラッド層132、活性層133、p型クラッド層134としては、例えば、赤外光である780nm波長発光用のAlGaAs系化合物半導体や、例えば、赤色光である650nm波長発光用のInGaAlP系化合物半導体が適用可能である。
【0094】
実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成したGaAs系ストライプ型LDによれば、P型、N型(I型)結晶を別々に形成する2チャンバ方式により、P型層(Mgドープ層)成長で、Mgのドーピングに伴う遅延効果およびメモリ効果を抑制して点欠陥増殖を抑えることができ、GaAs系ストライプ型LDの発光特性の改善を図ることができる。
【0095】
実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成したGaAs系ストライプ型LDによれば、いわゆる「枯らし」エピタキシャル成長が不要となるため、デバイスのエピタキシャル成長時間を短縮することができる。
【0096】
―GaN系ストライプ型LD―
実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成したGaN系ストライプ型レーザダイオードの模式的鳥瞰構造は、図18に示すように表される。
【0097】
実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成したGaN系ストライプ型LDは、図18に示すように、基板171と、基板171上に配置されたn型クラッド層184と、n型クラッド層184上に配置された活性層(発光層)180と、活性層180上に配置されたp型クラッド層188と、p型クラッド層188上に配置された表面電極層140と、基板171の裏面に配置された裏面電極層173とを備える。
【0098】
また、図1に示された実施の形態に係る有機金属気相成長装置において、n型クラッド層184は、N型層成長用チャンバ14内で形成され、p型クラッド層188は、P型層成長用チャンバ16内で形成される。
【0099】
また、表面電極層140は、レーザストライプを備え、活性層180よりレーザストライプに沿って、レーザ光を出射する。
【0100】
実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成したGaN系ストライプ型LDの製造方法は、基板171上にn型クラッド層184を形成する工程と、n型クラッド層184上に活性層180を形成する工程と、活性層180上にp型クラッド層188を形成する工程と、p型クラッド層188上に、表面電極層140を形成する工程と、基板171の裏面に裏面電極層173を形成する工程とを有する。
【0101】
また、図1に示された実施の形態に係る有機金属気相成長装置において、n型クラッド層184を形成する工程は、N型層成長用チャンバ14内で実施され、p型クラッド層188を形成する工程は、P型層成長用チャンバ16内で実施される。
【0102】
さらに詳細には、実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成されたGaN系ストライプ型LD170は、図18に示すように、GaN単結晶基板171と、GaN単結晶基板171上に結晶成長によって形成されたIII族窒化物半導体積層構造172と、GaN単結晶基板171の裏面(III族窒化物半導体積層構造172と反対側の表面)に接触するように形成されたn側電極173と、III族窒化物半導体積層構造172の表面に接触するように形成されたp側電極140とを備えたファブリペロー型LDである。
【0103】
GaN単結晶基板171は、m面を主面とし、m面上における結晶成長によって、III族窒化物半導体積層構造172が形成される。したがって、III族窒化物半導体積層構造172は、m面を結晶成長主面とするIII族窒化物半導体からなる。
【0104】
III族窒化物半導体積層構造172は、活性層(発光層)180と、n型半導体層181と、p型半導体層182とを備えている。
【0105】
n型半導体層181は活性層180に対してGaN単結晶基板171側に配置されており、p型半導体層182は活性層180に対してp側電極140側に配置されている。
【0106】
活性層180が、n型半導体層181およびp型半導体層182によって挟持されていて、ダブルヘテロ接合が形成される。
【0107】
n型半導体層181は、GaN単結晶基板171側から順に、n型GaNコンタクト層183(例えば2μm厚)、n型AlGaNクラッド層184(1.5μm厚以下、例えば1.0μm厚)およびn型GaNガイド層185(例えば0.1μm厚)を積層して構成される。
【0108】
一方、p型半導体層182は、活性層180の上に、順に、p型AlGaN電子ブロック層186(例えば20nm厚)、p型GaNガイド層187(例えば0.1μm厚)、p型AlGaNクラッド層188(1.5μm厚以下。例えば0.4μm厚)およびp型GaNコンタクト層189(例えば0.3μm厚)を積層して構成される。p型半導体層182の各層は、順次、P型層成長用チャンバ16内で形成可能である。
【0109】
n型GaNコンタクト層183およびp型GaNコンタクト層189は、それぞれn側電極173およびp側電極140とのオーミックコンタクトをとるための低抵抗層である。n型GaNコンタクト層183は、GaNに、例えばN型ドーパントとしてのSiを高濃度にドープ(ドーピング濃度は、例えば、3×1018cm-3)することによってn型半導体とされている。また、p型GaNコンタクト層189は、P型ドーパントとしてのMgを高濃度にドープ(ドーピング濃度は、例えば、3×1019cm-3)することによってp型半導体層とされている。
【0110】
n型AlGaNクラッド層184およびp型AlGaNクラッド層188は、活性層180からの光をそれらの間に閉じ込める光閉じ込め効果を生じるものである。
【0111】
n型AlGaNクラッド層184は、AlGaNに例えばN型ドーパントとしてのSiをドープ(ドーピング濃度は、例えば、1×1018cm-3)することによってn型半導体とされている。また、p型AlGaNクラッド層188は、P型ドーパントとしてのMgをドープ(ドーピング濃度は、例えば、1×1019cm-3)することによってp型半導体層とされている。n型AlGaNクラッド層184は、n型GaNガイド層185よりもバンドギャップが広く、p型AlGaNクラッド層188は、p型GaNガイド層187よりもバンドギャップが広い。これにより、良好な閉じ込めを行うことができ、低閾値および高効率の半導体レーザダイオードを実現できる。
【0112】
活性層180は、例えばInGaNを含むMQW構造を有しており、電子と正孔とが再結合することにより光が発生し、その発生した光を増幅させるための層である。活性層180は、具体的には、InGaN層(例えば3nm厚)とGaN層(例えば9nm厚)とを交互に複数周期繰り返し積層して構成されている。この場合に、InGaN層は、Inの組成比が5%以上とされることにより、バンドギャップが比較的小さくなり、量子井戸層を構成する。一方、GaN層は、バンドギャップが比較的大きなバリア層(障壁層)として機能する。例えば、InGaN層とGaN層とは交互に2〜7周期繰り返し積層されて、MQW構造の活性層180が構成されている。発光波長は、量子井戸層(InGaN層)におけるInの組成を調整することによって、400nm〜550nmとされている。上記MQW構造は、Inを含む量子井戸の数が3以下とされることが好ましい。
【0113】
p型半導体層182は、その一部が除去されることによって、リッジストライプ121を形成している。より具体的には、p型コンタクト層189、p型AlGaNクラッド層188およびp型GaNガイド層187の一部がエッチング除去され、横断面視ほぼ台形形状(メサ形)のリッジストライプ121が形成されている。このリッジストライプ121は、c軸方向に沿って形成されている。
【0114】
III族窒化物半導体積層構造172は、リッジストライプ121の長手方向両端における劈開により形成された一対の共振器端面191,192(劈開面)を有している。この一対の共振器端面191,192は、互いに平行であり、いずれもc軸に垂直である。
【0115】
n型GaNガイド層185、活性層180およびp型GaNガイド層187によって、共振器端面191,192を共振器端面とするファブリペロー共振器が形成されている。
【0116】
すなわち、活性層180で発生した光は、共振器端面191,192の間を往復しながら、誘導放出によって増幅される。そして、増幅された光の一部が、共振器端面191,192からレーザ光として素子外に取り出される。
【0117】
n側電極173は、例えばAl金属からなり、p側電極140は、例えば、Al金属、Pd/Au合金からなり、それぞれp型コンタクト層189およびGaN単結晶基板171にオーミック接続されている。p側電極140がリッジストライプ121の頂面(ストライプ状の接触領域)のp型GaNコンタクト層189だけに接触するように、n型GaNガイド層187およびp型AlGaNクラッド層188の露出面を覆う絶縁層176が設けられている。これにより、リッジストライプ121に電流を集中させることができるので、効率的なレーザ発振が可能になる。また、リッジストライプ121の表面は、p側電極140との接触部を除く領域が絶縁層176で覆われて保護されているので、横方向の光閉じ込めを緩やかにして制御を容易にすることができるとともに、側面からのリーク電流を防ぐことができる。絶縁層176は、屈折率が1よりも大きな絶縁材料、例えば、SiO2やZrO2で構成することができる。
【0118】
さらに、リッジストライプ121の頂面はm面となっていて、このm面にp側電極140が形成されている。そして、n側電極173が形成されているGaN単結晶基板171の裏面もm面である。このように、p側電極140およびn側電極173のいずれもがm面に形成されているので、レーザの高出力化や高温動作に十分に耐えられる信頼性を実現できる。
【0119】
共振器端面191,192は、それぞれ絶縁膜(図17では図示省略)によって被覆されている。共振器端面191は、+c軸側共振器端面であり、共振器端面192は−c軸側共振器端面である。すなわち、共振器端面191の結晶面は+c面であり、共振器端面192の結晶面は−c面である。−c面側の絶縁膜は、アルカリに溶けるなど化学的に弱い−c面を保護する保護膜として機能することができ、GaN系ストライプ型LD170の信頼性の向上に寄与する。
【0120】
実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成したさらに別の半導体装置(GaN系ストライプ型LD)の模式的鳥瞰構造は、図19に示すように、窒化物半導体レーザ本体270と、窒化物半導体レーザ本体270上に配置されるレーザストライプ280と、窒化物半導体レーザ本体270およびレーザストライプ280のレーザ光(hνf)の出射端面200上に配置される酸素吸収層250と、窒化物半導体レーザ本体270およびレーザストライプ280のレーザ光の出射端面200と対向する反対側に配置される後端面保護膜260とを備える。ここで、窒化物半導体レーザ本体270は、図18の構成と同様に構成されている。
【0121】
酸素吸収層250および後端面保護膜260は、図19に示すように、窒化物半導体レーザ本体270およびレーザストライプ280の両方の端面を共通に被覆するように配置されている。
【0122】
酸素吸収層250は、ZrO2、Al23、SiO2 、TiO2、Ta25、Nb25、AlN、SiN、AlON、SiON、AlNx(0<x<1)いずれかを含む。
【0123】
後端面保護膜260は、ZrO2、Al23、SiO2 、TiO2、Ta25、Nb25、AlN、SiN、AlON、SiON、AlNx(0<x<1)いずれかを含む多層膜によって形成される。ここで、AlNx(0<x<1)は、AlNのストイキオメトリ制御からずれている組成比の場合を示す。
【0124】
実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成した半導体装置(GaN系ストライプ型LD)の実装マウント状態を説明する模式的鳥瞰構造は、図20に示すように、レーザチップ401をジャンクションアップ(GaN系半導体基板の裏面側がヒートシンク407側)でサブマウント402に設置し、そのサブマウント402をステムのヒートシンク407上に設置して、p側電極をワイヤボンディングし、完成品とする。金(Au)ワイヤ405によって、通電用ピン403とp側電極を接続し、Auワイヤ406によって、通電用ピン404とn側電極を接続している。
【0125】
実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成したGaN系ストライプ型LDによれば、P型、N型(I型)結晶を別々に形成する2チャンバ方式により、P型層(Mgドープ層)成長で、Mgのドーピングに伴う遅延効果およびメモリ効果を抑制して点欠陥増殖を抑えることができ、発光特性の改善を図ることができる。
【0126】
実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成したGaN系ストライプ型LDによれば、いわゆる「枯らし」エピタキシャル成長が不要となるため、エピタキシャル成長時間を短縮することができる。
【0127】
―GaAs系面発光型LD―
実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成したGaAs系面発光型LDは、図21に示すように、基板310と、基板310上に配置されたn型クラッド層330と、n型クラッド層330上に配置された活性層332と、活性層332上に配置されたp型クラッド層334と、p型クラッド層334上に配置された表面電極層362と、基板310の裏面に配置された裏面電極層360とを備える。
【0128】
また、図1に示された実施の形態に係る有機金属気相成長装置において、n型クラッド層330は、N型層成長用チャンバ14内で形成され、p型クラッド層334は、P型層成長用チャンバ16内で形成される。
【0129】
ここで、表面電極層362は、開口部300を備え、活性層332よりp型クラッド層334を介して開口部300にそって、レーザ光を出射する。
【0130】
実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成したGaAs系GaAs系面発光型LDの製造方法は、基板310上にn型クラッド層330を形成する工程と、n型クラッド層330上に活性層332を形成する工程と、活性層332上にp型クラッド層334を形成する工程と、p型クラッド層334上に、表面電極層362を形成する工程と、基板102の裏面に裏面電極層114を形成する工程とを有する。
【0131】
また、図1に示された実施の形態に係る有機金属気相成長装置において、n型クラッド層330を形成する工程は、N型層成長用チャンバ14内で実施され、p型クラッド層334を形成する工程は、P型層成長用チャンバ16内で実施される。
【0132】
さらに詳細には、実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成した半導体装置(GaAs系面発光型LD)は、図21に示すように、基板310と、基板310上に設けられ、AlaGa1-aAs層とAlbGa1-bAs層(a<b<1)を交互に積層して形成されたn型DBR320と、n型DBR320上に設けられたn型クラッド層330と、n型クラッド層330上に設けられた活性層332と、活性層332上に設けられたp型クラッド層334と、n型クラッド層330、活性層332、及びp型クラッド層334をn型DBRとで挟むように設けられ、AlaGa1-aAs層とAlbGa1-bAs層を交互に積層して形成されたp型DBR350とを備える。n型DBR320及びp型DBR350それぞれの合計膜厚は、例えば、レーザ発振波長の1/2程度の光学距離であり、AlaGa1-aAs層の膜厚はAlbGa1-bAs層の膜厚より薄く構成されている。
【0133】
基板310は、例えば、N型のドーパントとしてSiがドープされたn型GaAs基板である。
【0134】
n型DBR320は、ペア数が50〜80程度となるように、AlaGa1-aAs層とAlbGa1-bAs層(a<b<1)を交互に積層して形成される。p型DBR350は、ペア数kが30〜50程度となるように、AlaGa1-aAs層とAlbGa1-bAs層(a<b<1)を交互に積層して形成される。AlaGa1-aAs層のAl組成比aは、45%≦a≦50%であることが好ましい。Al組成比は、45%以下であるとレーザ発振波長(660nm)において吸収係数が高くなり光を吸収してしまうので好ましくなく、50%以上であると高い共振器反射率を得るために好ましくない。また、AlbGa1-bAs層のAl組成比bは、90%≦b≦95%であることが好ましい。AlbGa1-bAs層のAl組成比は、上記の範囲以外であるときは、2種の半導体層の屈折率差が小さくなってしまい高反射率が得られなくなるので、高い共振器反射率を得るために好ましくない。
【0135】
n型DBR320とp型DBR350を構成する半導体層のそれぞれの膜厚は、低い熱抵抗、且つ、高い反射率となるように決定される。そこで、低い熱抵抗、且つ、高い反射率を得るためにn型DBR320とp型DBR350を構成する半導体層のうちAlaGa1-aAs層の膜厚は、レーザ発振波長の3/20の光学距離より厚く、レーザ発振波長の1/4の光学距離より薄いことが好ましい。
【0136】
n型DBR320とp型DBR350の反射率については、n型DBR320とp型DBR350を構成する層がAlを含む半導体層であるので、Al組成比の増加に伴ってワイドギャップ化し屈折率が小さくなる。そこで、n型DBR320とp型DBR350が高い反射率を得るためには、n型DBR320及びp型DBR350を構成する層のうち、Al組成比が大きい半導体層の厚さをなるべく減少させて構成することが好ましい。
【0137】
n型クラッド層330は、例えば、N型のドーパントとしてSiがドープされたInGaAlPからなる。n型クラッド層330上には、N型のドーパントとしてSiがドープされたInGaAlPからなり、活性層332内の光密度を調整する機能を有するn型光ガイド層(図示略)を設けても構わない。
【0138】
活性層332は、n型クラッド層330から供給される電子とp型クラッド層334から供給される正孔が再結合し光を発生する。活性層332は、例えば、井戸層を井戸層よりもバンドギャップの大きなバリア層でサンドイッチ状に挟んだ(QW構造とすることができる。なお、この量子井戸構造は、井戸層が1つではなく多重化してもよく、活性層332をMQWにすることもできる。MQWである活性層332は、InGaAlPとInGaPとが交互に2〜4ペア積層された構造とすることができる。
【0139】
活性層332上には、例えば、P型のドーパントとしてMgがドープされたInGaAlPからなり、活性層332内の光密度を調整する役割を持つp型光ガイド層(図示略)を設けることができる。
【0140】
p型クラッド層334は、例えば、P型のドーパントとしてMgがドープされたInGaAlPからなる。p型クラッド層334上には、酸化狭窄層340が設けられている。酸化狭窄層340は、導波路となる領域に選択的に電流を流すために電流狭窄構造を有する層である。酸化狭窄層340は一例として、図21に示すように、p型クラッド層334上に設けられるが、活性層332とp側コンタクト層との間にあればよい。酸化狭窄層340の電流狭窄構造は、酸化速度が異なるアルミニウムの組成層を選択的に酸化することによって形成することができる。
【0141】
実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成したGaAs系面発光型LDは、更に、n型クラッド層330に電圧を印加するカソード電極360と、p型クラッド層334に電圧を印加するアノード電極362を備える。図21に示すように、カソード電極360は基板310の裏面側に、アノード電極362はp型DBR350の表面に配置される。カソード電極360は、例えばAl金属からなり、アノード電極362は、例えばパラジウム(Pd)−金(Au)合金からなる。アノード電極362は、リング状の形状であり、8μm〜25μm程度のアパーチャ径を持ったレーザ光の面発光領域である開口部300を有する。そして、カソード電極360は基板310に、アノード電極362はp型DBR350に、それぞれオーミック接続される。なお、基板310とカソード電極360の間に、n型のn側コンタクト層を配置してもよい。また、p型DBR350とアノード電極362の間に、p型のp側コンタクト層を配置してもよい。
【0142】
実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成したGaAs系面発光型LDによれば、P型、N型(I型)結晶を別々に形成する相対的に簡単な2チャンバ方式により、P型層(Mgドープ層)成長で、Mgのドーピングに伴う遅延効果およびメモリ効果を抑制して点欠陥増殖を抑えることができ、発光特性の改善を図ることができる。
【0143】
実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成したGaAs系面発光型LDによれば、いわゆる「枯らし」エピタキシャル成長が不要となるため、エピタキシャル成長時間を短縮することができる。
【0144】
[その他の実施の形態]
上記のように、実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0145】
実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成したLDにおいては、基板および第1導電型クラッド層の導電型をn型とし、第2導電型クラッド層の導電型をp型とする例が開示されているが、これらの導電型を反対にしても良い。この場合、アノード電極とカソード電極は逆の構成となり、表面電極層はカソード電極に接続され、裏面電極層はアノード電極に接続される。
【0146】
また、実施の形態に係るMOCVD装置を適用して形成した半導体装置としてFET、ストライプ型LD、面発光型LDの例を開示したが、たとえば、基板、第1導電型層、発光層(MQW)、第2導電型層を備えるLEDに対しても同様に適用可能である。
【0147】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0148】
本発明のMOCVD装置は、FET、LD、LEDの形成において全般に利用可能であり、このような半導体装置は、高周波パワーモジュール、光メモリ、レーザプリンタ、ディスプレイ、照明、超並列システム、光インターコネクトなど幅広い分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0149】
2…搬送室
3…N型層成長用サセプタ
4…ロードロック室(ウェハ待機部)
5…P型層成長用サセプタ
6…サセプタストック室
8、24…ウェハ
10…N型層成長用有機金属(MO)ガス供給槽
12…P型層成長用有機金属(MO)ガス供給槽
14…N型(I型)層成長用チャンバ
16…P型層成長用チャンバ
20…ヒータ
22…サセプタ
26、48…ガス導入部
28、50…サセプタ部
30…ガス排気部
32、34、36、38、40、42、52、54…水冷機構
33…水路
35…ヒートパイプ
100…GaN層
102、171、310…基板
114、173、360…n側(裏面)電極層
115、140、362…p側(表面)電極層
120…AlGaN層
121…リッジストライプ
122…p型(Al)GaN層
124…ソース電極
126…ゲート電極
128…ドレイン電極
130、132、184、330…n型クラッド層
133、180、332…活性層
134、188、334…p型クラッド層
170…GaN系ストライプ型LD
280…レーザストライプ
300…開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送室と、
前記搬送室に接続され、第1導電型層を形成するための第1導電型層成長用チャンバと、
前記搬送室に接続され、前記第1導電型層とは異なる導電型の第2導電型層を形成するための第2導電型層成長用チャンバと、
前記第1導電型層成長用チャンバに第1導電型層成長用有機金属ガスを供給する第1導電型層成長用有機金属ガス供給槽と、
前記第2導電型層成長用チャンバに第2導電型層成長用有機金属ガスを供給する第2導電型層成長用有機金属ガス供給槽と
を備え、ガス流はウェハ表面に対して水平方向であることを特徴とする有機金属気相成長装置。
【請求項2】
前記搬送室は、複数のサセプタをストックするサセプタストック室を備えることを特徴とする請求項1に記載の有機金属気相成長装置。
【請求項3】
前記搬送室内もしくは前記搬送室に隣接して、ウェハを大気から導入し、搬送室にロードするためのロードロック室を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の有機金属気相成長装置。
【請求項4】
第1導電型層成長用サセプタと、
第2導電型層成長用サセプタと
を備え、前記第1導電型層成長用チャンバと前記第2導電型層成長用チャンバとの間の移動は、ウェハを前記搬送室において、前記第1導電型層成長用サセプタと前記第2導電型層成長用サセプタ間で移し変えることで行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機金属気相成長装置。
【請求項5】
前記第1導電型層成長用チャンバおよび前記第2導電型層成長用チャンバは、ガス導入部と、サセプタ部と、ガス排気部とを有する横型構造を備え、前記ガス導入部と、前記サセプタ部と、前記ガス排気部は、水冷機構を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機金属気相成長装置。
【請求項6】
前記第1導電型層成長用チャンバおよび前記第2導電型層成長用チャンバは、ガス導入部と、サセプタ部とを有する縦型構造を備え、前記ガス導入部と、前記サセプタ部は、それぞれ水冷機構を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機金属気相成長装置。
【請求項7】
前記水冷機構は、冷却が必要な部位に水路若しくは外部的にヒートパイプを備えることを特徴とする請求項4または5に記載の有機金属気相成長装置。
【請求項8】
前記第1導電型層成長用チャンバおよび前記第2導電型層成長用チャンバは、窒化ガリウム系半導体を成長するため、700℃以上1300℃以下にウェハを加熱するための第1加熱機構を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機金属気相成長装置。
【請求項9】
前記ロードロック室は、ウェハ上水分を除去するための第2加熱機構を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機金属気相成長装置。
【請求項10】
前記搬送室もしくは前記ロードロック室の真空度は、1×10-4Pa以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機金属気相成長装置。
【請求項11】
ロードロックにウェハをセットするステップと、
搬送室内のサセプタストック室に洗浄済みのN型層成長用サセプタをセットするステップと、
前記ウェハを前記搬送室中の前記N型層成長用サセプタにローディングするステップと、
前記搬送室からN型層成長用チャンバへ前記ウェハを載せた前記N型層成長用サセプタをローディングするステップと、
前記N型層成長用チャンバ中において、前記ウェハ上にN型層を成長するステップと、
前記N型層の成長後、前記搬送室へ前記N型層成長用サセプタをローディングするステップと、
前記N型層成長済みウェハを前記搬送室内で回収するステップと、
前記N型層成長済みウェハが乗っていた前記N型層成長用サセプタを前記サセプタストック室に返すステップと、
P型層成長用サセプタを前記搬送室内にローディングするステップと、
P型層成長用サセプタに前記N型層成長済みウェハを乗せるステップと、
P型層成長用チャンバへP型層成長用サセプタを搬送するステップと、
前記P型層成長用チャンバ中において、前記N型層成長済みウェハ上にP型層を成長するステップと、
前記P型層の成長後、前記搬送室へ前記P型層成長用サセプタをローディングするステップと、
ロードロック側からウェハをロボットで回収するステップと
を有することを特徴とする有機金属気相成長装置の成長方法。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の有機金属気相成長装置を使用して成長されたGaAs系若しくはGaN系薄膜で形成されたヘテロ接合を有する半導体装置。
【請求項13】
基板と、
前記基板上に配置された第1導電型クラッド層と、
前記第1導電型クラッド層上に配置された活性層と、
前記活性層上に配置された第2導電型クラッド層と、
前記第2導電型クラッド層上に配置された表面電極層と、
前記基板の裏面に配置された裏面電極層と
を備え、
搬送室と、前記搬送室に接続され、第1導電型層を形成するための第1導電型層成長用チャンバと、前記搬送室に接続され、前記第1導電型層とは異なる導電型の第2導電型層を形成するための第2導電型層成長用チャンバと、前記第1導電型層成長用チャンバに第1導電型層成長用有機金属ガスを供給する第1導電型層成長用有機金属ガス供給槽と、前記第2導電型層成長用チャンバに第2導電型層成長用有機金属ガスを供給する第2導電型層成長用有機金属ガス供給槽とを備え、ガス流はウェハ表面に対して水平方向である有機金属気相成長装置において、前記第1導電型クラッド層は、前記第1導電型層成長用チャンバ内で形成され、前記第2導電型クラッド層は、前記第2導電型層成長用チャンバ内で形成されたことを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
前記表面電極層は、レーザストライプを備え、前記活性層より前記レーザストライプに沿って、レーザ光を出射することを特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記表面電極層は、開口部を備え、前記活性層より前記第2導電型クラッド層を介して前記開口部にそって、レーザ光を出射することを特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
【請求項16】
第1導電型若しくはI型を有する第1GaN層と、
前記第1GaN層上に配置され、第1導電型若しくはI型を有する第1AlGaN層と、
前記第1AlGaN層上に配置され、第2導電型を有する第2GaN層もしくは第2AlGaN層と、
前記第2GaN層もしくは前記第2AlGaN層を挟み、前記第1AlGaN層上に配置されたソース電極およびドレイン電極と、
前記第2GaN層もしくは前記第2AlGaN層上に配置されたゲート電極と
を備え、
搬送室と、前記搬送室に接続され、第1導電型層を形成するための第1導電型層成長用チャンバと、前記搬送室に接続され、前記第1導電型層とは異なる導電型の第2導電型層を形成するための第2導電型層成長用チャンバと、前記第1導電型層成長用チャンバに第1導電型層成長用有機金属ガスを供給する第1導電型層成長用有機金属ガス供給槽と、前記第2導電型層成長用チャンバに第2導電型層成長用有機金属ガスを供給する第2導電型層成長用有機金属ガス供給槽とを備え、ガス流はウェハ表面に対して水平方向である有機金属気相成長装置において、前記第1AlGaN層は、前記第1導電型層成長用チャンバ内で形成され、前記第2GaN層もしくは前記第2AlGaN層は、前記第2導電型層成長用チャンバ内で形成されたことを特徴とする半導体装置。
【請求項17】
基板上に第1導電型クラッド層を形成する工程と、
前記第1導電型クラッド層上に活性層を形成する工程と、
前記活性層上に第2導電型クラッド層を形成する工程と、
前記第2導電型クラッド層上に、表面電極層を形成する工程と、
前記基板の裏面に裏面電極層を形成する工程と
を有し、
搬送室と、前記搬送室に接続され、第1導電型層を形成するための第1導電型層成長用チャンバと、前記搬送室に接続され、前記第1導電型層とは異なる導電型の第2導電型層を形成するための第2導電型層成長用チャンバと、前記第1導電型層成長用チャンバに第1導電型層成長用有機金属ガスを供給する第1導電型層成長用有機金属ガス供給槽と、前記第2導電型層成長用チャンバに第2導電型層成長用有機金属ガスを供給する第2導電型層成長用有機金属ガス供給槽とを備え、ガス流はウェハ表面に対して水平方向である有機金属気相成長装置において、前記第1導電型クラッド層を形成する工程は、第1導電型層成長用チャンバ内で実施され、前記第2導電型クラッド層を形成する工程は、第2導電型層成長用チャンバ内で実施されたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項18】
第1導電型もしくはI型を有する第1GaN層を形成する工程と、
前記第1GaN層上に第1導電型もしくはI型を有する第1AlGaN層を形成する工程と、
前記第1AlGaN層上に第2導電型を有する第2GaN層若しくは第2AlGaN層を形成する工程と、
前記第2GaN層若しくは前記第2AlGaN層を挟み、前記第2GaN層若しくは前記第2AlGaN層上にゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極をエッチングする工程と、
前記第2GaN層若しくは前記第2AlGaN層をエッチングする工程と、
暴露された前記第1AlGaN層上にソース電極およびドレイン電極を形成する工程と
を有し、
搬送室と、前記搬送室に接続され、第1導電型層を形成するための第1導電型層成長用チャンバと、前記搬送室に接続され、前記第1導電型層とは異なる導電型の第2導電型層を形成するための第2導電型層成長用チャンバと、前記第1導電型層成長用チャンバに第1導電型層成長用有機金属ガスを供給する第1導電型層成長用有機金属ガス供給槽と、前記第2導電型層成長用チャンバに第2導電型層成長用有機金属ガスを供給する第2導電型層成長用有機金属ガス供給槽とを備え、ガス流はウェハ表面に対して水平方向である有機金属気相成長装置において、前記第1AlGaN層を形成する工程は、前記第1導電型層成長用チャンバ内で実施され、前記第2GaN層若しくは前記第2AlGaN層を形成する工程は、前記第2導電型層成長用チャンバ内で実施されたことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−248666(P2012−248666A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119006(P2011−119006)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】