説明

電界効果トランジスタ

【課題】スイッチング速度を向上でき、動作不良品を低減できる、横型の電界効果トランジスタを提供する。
【解決手段】ゲート配線43は、基部44と、基部44から突出する複数の指状部45と、隣接する指状部45の先端部46を接続する接続部47と、を有する。ゲート配線43の指状部45は、ソース配線23の指状部25とドレイン配線33の指状部35と、の間に配置されている。ゲート配線43の基部44は、ソース配線23の基部24とドレイン配線33の指状部35との間に配置され、かつ、ソース配線23の指状部25との間に絶縁膜を介在させて指状部25と交差している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電界効果トランジスタに関し、特に、横型の電界効果トランジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
横型の電界効果トランジスタでは、電流容量を大きくするためゲート幅を拡大する場合に、複数のトランジスタセルを並べて並列に接続できるように、ソース配線とドレイン配線とには櫛形の構造を採用することが多い。このとき、ゲート配線には、ミアンダ形状や櫛形状が採用されている。
【0003】
従来、櫛形状のソース電極およびドレイン電極の指状部が互いに組み合わさるように対向して位置し、ミアンダ形状のゲート電極がソース電極とドレイン電極との間に位置する形状の上面パターンが形成されている、電界効果トランジスタが提案されている。また、櫛形状のソース電極およびドレイン電極の指状部が互いに組み合わさるように対向して形成され、そのソース電極とドレイン電極との間に櫛形状のゲート電極の指状部が形成され、ゲート電極の指状部の基部となる共通部がトランジスタの外部に形成されている、電界効果トランジスタが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
また、複数のユニットセルのソース接点とドレイン接点とが相互に嵌合し、これらの間にゲート接点が配置され、被覆層が、接点バイアホール中に配設されたp+接点を介して、ソース接点をp+領域に電気的に結合している、トランジスタが提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−66887号公報
【特許文献2】国際公開第2006/065324号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記文献に開示されているミアンダ形状のゲート電極上には、ゲート電極と同じミアンダ形状のゲート配線があり、その一端がゲートパッドに接続されていると一般的には考えられる。ゲート配線がミアンダ形状である場合、ゲート配線の抵抗が高く、ゲート回路の充放電に時間がかかる。また、ゲート配線が長くなるため、ゲート配線のゲートパッドに近い部分とゲートパッドから遠い部分とで、ゲート電圧変化に時間遅れが生じる。そのため、トランジスタのスイッチングを速くすることができない。
【0007】
また、ゲート配線は一般に1μm程度以下の幅を有するため、製造工程中に、フォトリソグラフィの不良により配線が部分的に形成されない、パターン欠落が生じる場合がある。ゲート配線がミアンダ形状である場合、ゲート配線の一箇所でも途切れてしまうと、その箇所よりもゲートパッドから遠い部分のゲート配線ではゲート電圧が変化せず、その部分のトランジスタが動作しなくなる。そのため、トランジスタの動作不良品が発生しやすい。
【0008】
一方、上述した特許文献1に開示されている櫛形状のゲート配線では、ゲート配線の指状部がソース配線の基部の下側を通っている。通常、ソース配線の基部は幅を広く取るため、その下側を通るゲート配線が長くなり、抵抗が高くなる。また、ゲート配線とソース配線の基部との交差面積が大きくなるため、ゲート−ソース間の容量が大きくなる。そのため、ゲート回路の充放電に時間がかかり、トランジスタのスイッチングを速くすることができない。加えて、製造工程中で生じたパターン欠落によりゲート配線の指状部が切れ、切断箇所よりも先の部分のトランジスタが作動しなくなり、トランジスタの動作不良品が発生しやすくなる。
【0009】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、スイッチング速度を向上でき、動作不良品を低減できる、横型の電界効果トランジスタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る電界効果トランジスタは、基板と、基板上に形成された活性層と、活性層の上側に形成されたソース配線、ドレイン配線およびゲート配線と、を備える。ソース配線は、ソース配線基部と、ソース配線基部から突出する複数のソース配線指状部とを有する、櫛形状に形成されている。ドレイン配線は、ドレイン配線基部と、ドレイン配線基部から突出する複数のドレイン配線指状部とを有する、櫛形状に形成されている。ソース配線とドレイン配線とは、ソース配線指状部とドレイン配線指状部とが互いに組み合わさるように、対向して配置されている。ゲート配線は、ゲート配線基部と、ゲート配線基部から突出する複数のゲート配線指状部と、隣接するゲート配線指状部の先端部を接続する接続部と、を有する。ゲート配線指状部は、ソース配線指状部とドレイン配線指状部との間に配置されている。ゲート配線基部は、ソース配線基部とドレイン配線指状部との間に配置され、かつ、ソース配線指状部との間に絶縁膜を介在させてソース配線指状部と交差している。
【0011】
好ましくは、隣接するゲート配線指状部と、ゲート配線指状部を接続する接続部とは、第一配線を構成する。ゲート配線基部の、接続部によって接続された隣接するゲート配線指状部がゲート配線基部に接続される二点間は、第一配線と電気的に並列な第二配線を構成する。第一配線の電気抵抗は、第二配線の電気抵抗以上である。
【0012】
好ましくは、ゲート配線指状部の縦断面積は、ゲート配線基部の縦断面積以下である。
好ましくは、活性層は、第一導電型のバッファ層と、バッファ層上に形成され、表面を有する第二導電型のチャネル層と、ソース配線指状部の少なくとも一部に対向するチャネル層の表面からチャネル層の内部に形成された第二導電型のソース領域と、ドレイン配線指状部の少なくとも一部に対向するチャネル層の表面からチャネル層の内部に形成された第二導電型のドレイン領域と、ゲート配線指状部の少なくとも一部に対向するチャネル層の表面からチャネル層の内部に形成された第一導電型のゲート領域と、を含む。電界効果トランジスタは、ソース配線指状部とソース領域とを接続するソース電極と、ドレイン配線指状部とドレイン領域とを接続するドレイン電極と、ゲート配線指状部とゲート領域とを接続するゲート電極と、をさらに備える。
【0013】
好ましくは、活性層は、第一導電型のバッファ層と、バッファ層上に形成された第二導電型のチャネル層と、チャネル層上に形成され、表面を有する第一導電型のリサーフ層と、ソース配線指状部の少なくとも一部に対向するリサーフ層の表面からチャネル層に達するように形成された第二導電型のソース領域と、ドレイン配線指状部の少なくとも一部に対向するリサーフ層の表面からチャネル層に達するように形成された第二導電型のドレイン領域と、ゲート配線指状部の少なくとも一部に対向するリサーフ層の表面からチャネル層に達するように形成された第一導電型のゲート領域と、を含む。電界効果トランジスタは、ソース配線指状部とソース領域とを接続するソース電極と、ドレイン配線指状部とドレイン領域とを接続するドレイン電極と、ゲート配線指状部とゲート領域とを接続するゲート電極と、をさらに備える。
【0014】
好ましくは、活性層は、第一導電型のバッファ層と、バッファ層上に形成され、表面を有する第一導電型のボディ層と、ソース配線指状部の少なくとも一部に対向するボディ層の表面からボディ層の内部に形成された第二導電型のソース領域と、ドレイン配線指状部の少なくとも一部に対向するボディ層の表面からボディ層の内部に形成された第二導電型のドレイン領域と、を含む。電界効果トランジスタは、ゲート配線指状部の少なくとも一部の下側に形成され、絶縁層を介在させてボディ層上に形成された、ゲート電極と、ソース配線指状部とソース領域とを接続するソース電極と、ドレイン配線指状部とドレイン領域とを接続するドレイン電極と、をさらに備える。
【0015】
好ましくは、活性層は、第一導電型のバッファ層と、バッファ層上に形成され、表面を有する第二導電型のチャネル層と、ソース配線指状部の少なくとも一部に対向するチャネル層の表面からチャネル層の内部に形成された第二導電型のソース領域と、ドレイン配線指状部の少なくとも一部に対向するチャネル層の表面からチャネル層の内部に形成された第二導電型のドレイン領域と、を含む。電界効果トランジスタは、ゲート配線指状部の少なくとも一部の下側に形成され、チャネル層に接触しショットキー特性を示す、ゲート電極と、ソース配線指状部とソース領域とを接続するソース電極と、ドレイン配線指状部とドレイン領域とを接続するドレイン電極と、をさらに備える。
【0016】
好ましくは、電界効果トランジスタは、ソース配線指状部の少なくとも一部の下側に形成され、表面からバッファ層に達する、第一導電型のベース領域と、ソース配線指状部とベース領域とを接続するベース電極と、をさらに備える。
【0017】
好ましくは、ベース領域は、電界効果トランジスタを平面視したとき、ソース領域に取り囲まれている。
【0018】
好ましくは、ベース電極は、ソース電極よりも下側に設けられている。
【発明の効果】
【0019】
本発明の電界効果トランジスタによると、スイッチング速度を向上でき、動作不良品を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施の形態1の横型電界効果トランジスタの配線形状を示す模式図である。
【図2】実施の形態1の横型電界効果トランジスタの断面図である。
【図3】実施の形態1の横型電界効果トランジスタの他の断面図である。
【図4】実施の形態1の横型電界効果トランジスタのさらに他の断面図である。
【図5】ゲート配線の一部の分解図である。
【図6】図5中のVI−VI線に沿うゲート配線の基部の断面図である。
【図7】図5中のVII−VII線に沿うゲート配線の指状部の断面図である。
【図8】実施の形態1の横型電界効果トランジスタの製造方法を示す流れ図である。
【図9】実施の形態2の横型電界効果トランジスタの断面図である。
【図10】実施の形態3の横型電界効果トランジスタの断面図である。
【図11】実施の形態4の横型電界効果トランジスタの断面図である。
【図12】実施の形態5の横型電界効果トランジスタの断面図である。
【図13】実施の形態6の横型電界効果トランジスタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の横型電界効果トランジスタの配線形状を示す模式図である。図1には、横型電界効果トランジスタのソース配線、ドレイン配線およびゲート配線の配置が図示されている。図1に示すように、本実施の形態の横型電界効果トランジスタは、ソース配線23と、ドレイン配線33と、ゲート配線43と、を備える。ソース配線23は、基部24と、基部24から突出する複数の指状部25とを有する、櫛形状に形成されている。ソース配線23の複数の指状部25は、各々基部24に接続されている。ドレイン配線33は、基部34と、基部34から突出する複数の指状部35とを有する、櫛形状に形成されている。ドレイン配線33の複数の指状部35は、各々基部34に接続されている。
【0023】
ソース配線23とドレイン配線33とは、櫛形状のソース配線23の指状部25とドレイン配線33の指状部35とが互いに組み合わさるように、対向して配置されている。すなわち、ソース配線23の指状部25とドレイン配線33の指状部35とが交互に配置されるように、ソース配線23とドレイン配線33とは配置されている。
【0024】
図1に示すソース配線23は、三本の指状部25を有し、指状部25は、基部24に対し直交するように、基部24の一方から突出している。図1に示すドレイン配線33は、四本の指状部35を有し、指状部35は、基部34に対し直交するように、基部24の一方から突出している。ソース配線23の三本の指状部25が、ドレイン配線33の四本の指状部35の間に挿通されるように、ソース配線23とドレイン配線33とが配置されている。
【0025】
ソース配線23の基部24と、ドレイン配線33の基部34とは、互いに平行に配置されている。ソース配線23の指状部25は、ドレイン配線33の基部34に向かって、基部24から延びている。ドレイン配線33の指状部35は、ソース配線23の基部24に向かって、基部34から延びている。ソース配線23の指状部25と、ドレイン配線33の指状部35とは、互いに平行に並べられ、一本ずつ交互に配置されている。
【0026】
ソース配線23の指状部25の、ドレイン配線33の指状部35と組み合わされて並べられた部分の下側には、図1中に点線で示すソース電極22が配置されている。ドレイン配線33の指状部35の、ソース配線23の指状部25と組み合わされて並べられた部分の下側には、図1中に点線で示すドレイン電極32が配置されている。本明細書中で、上側とは、半導体の積層方向において基板から離れる側を示し、下側とは、半導体の積層方向において基板に近い側を示す。
【0027】
ゲート配線43は、基部44と、基部44から突出する複数の指状部45とを有する。トランジスタを平面視した場合、ソース配線23の基部24に近接する側に、ゲート配線43の基部44が配置される。ゲート配線43の基部44は、ソース配線23の基部24とドレイン配線33の指状部35との間に配置されている。ゲート配線43の基部44は、ソース配線23の指状部25の下側に配置されており、絶縁膜を介してソース配線23の指状部25と交差している。ゲート配線43の基部44の一方端は、金属などの導電体で形成されるゲートパッド49に接続されている。
【0028】
ゲート配線43の指状部45は、基部44に対し直交するように、基部44の一方から突出している。ゲート配線43の複数の指状部45は、互いに平行に配置されている。ゲート配線43の指状部45は、ソース配線23の指状部25と、ドレイン配線33の指状部35との間に配置されている。ゲート配線43の指状部45は、ドレイン配線33の基部34に向かって、基部44から延びている。ゲート配線43の指状部45と、ソース配線23の指状部25と、ドレイン配線33の指状部35とは、互いに平行に並べられて配置されている。
【0029】
ゲート配線43は、隣接する指状部45の先端部46を接続する接続部47をさらに有する。隣接する一組の指状部45の、ドレイン配線33の基部34側の先端部46同士は、接続部47によって接続されている。ゲート配線43の指状部45は、ソース配線23の指状部25を挟んで、隣り合うもの同士の末端が接続部47により接続されている。ゲート配線43の指状部45と接続部47とは、ソース配線23の指状部25を取り囲む、U字状に形成されている。
【0030】
図2は、実施の形態1の横型電界効果トランジスタの断面図である。図2では、横型電界効果トランジスタの一例としての、横型のRESURF−JFET(REduced SURface Field Junction Field Effect Transistor)1の、図1中のII−II線に沿う断面が図示されている。
【0031】
図2に示すRESURF−JFET1では、SiCなどの半導体により形成された基板10上に、半導体からなる活性層14が形成されている。RESURF−JFET1は、基板10と、基板10上に形成された活性層14とを備える。ソース配線23と、ドレイン配線33と、ゲート配線43とは、活性層14の上側に形成されている。
【0032】
活性層14は、基板10上に形成されたp−型のバッファ層11と、バッファ層11上に形成されたn型のチャネル層12と、チャネル層12上に形成されたp型のリサーフ層13と、を含む。リサーフ層13は、表面13aを有する。リサーフ層13の表面13aからチャネル層12に達するように、n+型のソース領域21と、n+型のドレイン領域31と、p+型のゲート領域41と、が互いに距離を隔てて形成されている。
【0033】
バッファ層11とリサーフ層13とゲート領域41とは、導電型が第一導電型としてのp型である。ゲート領域41のp型不純物濃度は、リサーフ層13におけるp型不純物濃度よりも高い。バッファ層11のp型不純物濃度は、リサーフ層13におけるp型不純物濃度よりも低い。チャネル層12とソース領域21とドレイン領域31とは、導電型が第二導電型としてのn型である。ソース領域21およびドレイン領域31のn型不純物濃度は、チャネル層12におけるn型不純物濃度よりも高い。
【0034】
リサーフ層13の上部表面である表面13a上には、絶縁材料からなるフィールド酸化膜20が形成されている。フィールド酸化膜20には、複数の開口部が形成されている。ソース領域21上に位置する開口部の内部には、ソース電極22が形成されている。ドレイン領域31上に位置する開口部の内部には、ドレイン電極32が形成されている。ゲート領域41上に位置する開口部の内部には、ゲート電極42が形成されている。
【0035】
フィールド酸化膜20は、リサーフ層13の表面13aにおいて、ソース電極22、ドレイン電極32およびゲート電極42が形成されている領域以外の領域全体を覆うように形成されている。これによりフィールド酸化膜20は、ソース電極22、ドレイン電極32およびゲート電極42のそれぞれを、電気的に分離する。
【0036】
電子が供給されるソース領域21は、ソース配線23の指状部25に対向するように形成されている。ソース領域21上側の、ソース電極22上には、金属などの導電体からなるソース配線23が形成されている。ソース電極22は、ソース配線23の指状部25とソース領域21とを電気的に接続する。
【0037】
電子が取り出されるドレイン領域31は、ドレイン配線33の指状部35に対向するように形成されている。ドレイン領域31上側の、ドレイン電極32上には、導電体からなるドレイン配線33が形成されている。ドレイン電極32は、ドレイン配線33の指状部35とドレイン領域31とを電気的に接続する。
【0038】
ソース領域21とドレイン領域31との間に配置され、ソース領域21とドレイン領域31との間を電気的に接続および遮断するゲート領域41は、ゲート配線43の指状部45に対向するように形成されている。ゲート領域41上側の、ゲート電極42上には、導電体からなるゲート配線43が形成されている。ゲート電極42は、ゲート配線43の指状部45とゲート領域41とを電気的に接続する。
【0039】
フィールド酸化膜20上には、層間絶縁膜51が形成されている。層間絶縁膜51は、ゲート配線43を覆い、ソース配線23とドレイン配線33との間に充填されるように形成されている。層間絶縁膜51は、ソース配線23とゲート配線43とを電気的に絶縁し、かつ、ドレイン配線33とゲート配線43とを電気的に絶縁する。
【0040】
層間絶縁膜51上には、パッシベーション膜52が形成されている。パッシベーション膜52は、ソース配線23およびドレイン配線33の全体を含む、RESURF−JFET1の全体を覆うように形成されている。パッシベーション膜52は、RESURF−JFET1を外側から保護する表面保護膜として機能する。
【0041】
図3は、実施の形態1の横型電界効果トランジスタの他の断面図である。図3では、RESURF−JFET1の、図1中のIII−III線に沿う断面が図示されている。図3には、ゲート配線43の基部44と接続部47とが図示されている。基部44と接続部47との下側にはゲート領域41が形成されており、ゲート配線43の基部44と接続部47とは、ゲート電極42を介してゲート領域41に接続されている。
【0042】
ゲート配線43の基部44と接続部47との間には、ソース配線23の指状部25が設けられている。ソース配線23の指状部25の下側には、ソース領域21が形成されている。図3に示すソース配線23の左側の端部に、ソース配線23の基部24が配置されている。図3において、ソース配線23の指状部25は、ゲート領域41の上側から、ゲート配線43の基部44を覆う位置にまで、図中左右方向に延在する。ゲート配線43の基部44は、ソース配線23の指状部25との間に層間絶縁膜51を介在させて、ソース配線23の指状部25のうち基部24に近い一部分に対して交差している。
【0043】
図3には、ドレイン配線33の基部34が図示されている。ドレイン電極32は、図1を参照して説明したように、ドレイン配線33の指状部35の下側に配置されるが、ドレイン配線33の基部34の下側には配置されない。そのため図3では、ドレイン配線33の下側には、ドレイン電極32とドレイン領域31とは配置されていない。
【0044】
図4は、実施の形態1の横型電界効果トランジスタのさらに他の断面図である。図4では、RESURF−JFET1の、図1中のIV−IV線に沿う断面が図示されている。図4には、ゲート配線43の基部44が図中左右方向に延在して図示されている。基部44の下側にはゲート領域41が形成され、ゲート配線43の基部44はゲート電極42を介してゲート領域41に接続されている。
【0045】
ゲート配線43の基部44は、層間絶縁膜51によって覆われている。層間絶縁膜51上に、パッシベーション膜52に被覆されるように、ソース配線23の指状部25が配置されている。つまり、図3および図4より明らかなように、ソース配線23の指状部25とゲート配線43の基部44との間には、層間絶縁膜51が介在し、これによりソース配線23の指状部25とゲート配線43の基部44とは電気的に絶縁されている。
【0046】
ゲート配線43の基部44の一方端はゲートパッド49に接続されており、ゲートパッド49は、フィールド酸化膜20上から層間絶縁膜51およびパッシベーション膜52を厚み方向に貫いて、RESURF−JFET1の外表面に露出している。このように配置されたゲートパッド49を介して、ゲート配線43の外部の電気回路との電気的接続が可能とされている。
【0047】
図5は、ゲート配線43の一部の分解図である。図5に示す一対の隣接するゲート配線43の指状部45と、指状部45を接続する接続部47とは、第一配線101を構成する。第一配線101は、ゲート配線43の基部44と接続部47によって形成された、U字状構造を有する。ゲート配線43の基部44の、接続部47によって接続された隣接する指状部45が基部44に接続される二点間は、第一配線101と電気的に並列な第二配線102を構成する。第二配線102は、第一配線101のU字状構造の先端の二箇所が接続される位置に対応する基部44の二点を結ぶ、基部44の一部分である。U字形状の第一配線101と、直線状の第二配線102とは、電気的に並列となっている。
【0048】
ゲート配線43は、第一配線101の電気抵抗が第二配線102の電気抵抗以上であるように、形成されている。U字形状に配置されたゲート配線43の指状部45および接続部47によって形成される導電路の電気抵抗に対し、当該導電路と並列になっているゲート配線43の基部44の部分の電気抵抗は、等しいかまたはより小さい。そのため、第一配線101よりも第二配線102の方が、電流が流れやすくなっている。つまり、第二配線102を形成する基部44に電圧が印加された場合、図5中に矢印で示す図中右側の指状部45から接続部47を経由して左側の指状部45へ流れる電流よりも、基部44の内部を流れる電流の方がより大きくなる。
【0049】
図6は、図5中のVI−VI線に沿うゲート配線43の基部44の断面図である。図7は、図5中のVII−VII線に沿うゲート配線43の指状部45の断面図である。図6と図7とを比較して、ゲート配線43の指状部45の縦断面積は、ゲート配線43の基部44の縦断面積以下である。ここで、縦断面積とは、配線の延在方向に対して直角方向に切断した場合の、配線の断面積をいう。
【0050】
たとえば、ゲート配線43の基部44の幅w1は5μm、厚さh1は0.1μmであってもよい。基部44の、U字状の第一配線101と並列となる第二配線102を形成する長さは、10μmであってもよい。また、ゲート配線43の指状部45の幅w2は2μm、厚さh2は0.1μmであって、指状部45の長さは150μmであってもよい。
【0051】
以上の構成を有するRESURF−JFET1では、ゲート配線43の基部44から複数の指状部45が突き出るように形成され、複数の指状部45は基部44に並列接続されている。そのため、従来のミアンダ形状のゲート配線に比べて、ゲートパッド49からゲートパッド49に近い指状部45へ至る経路と、ゲートパッド49から遠い指状部45へ至る経路との、電気抵抗値の差を小さくできる。したがって、ゲートパッド49に近い指状部45と、ゲートパッド49から離れる指状部45とでの、ゲート電圧変化の時間遅れを小さくすることができる。
【0052】
ゲート配線43の指状部45および接続部47が形成する第一配線101の電気抵抗が、基部44が形成する第一配線101と並列な第二配線102の電気抵抗以上であるように、ゲート配線43は形成されている。ゲート配線43の基部44における電気抵抗が小さいので、基部44を流れる電流に対する抵抗を小さくすることができる。かつ、指状部45と比較して基部44に電流が流れやすくなりために、ゲートパッド49に近い指状部45と遠い指状部45とでの、ゲート電圧変化の時間遅れを小さくすることができる。ゲート配線43の指状部45の縦断面積を基部44の縦断面積以下とすることにより、指状部45と比較して基部44の抵抗を小さくできる効果を、より顕著に得ることができる。
【0053】
また、ソース配線23の基部24とドレイン配線33との間にゲート配線43の基部44が配置されているため、ソース配線23とゲート配線43との交差面積が小さくなっている。一般に、ソース配線23の基部24の幅(基部24の延在方向に直交する方向(図1中の上下方向)の寸法)は、ゲート配線43の基部44の幅に比べて大きい。そのため、櫛形状のゲート配線の指状部がソース配線の基部の下側を通る従来技術におけるソース配線の基部とゲート配線の指状部との交差面積と比較して、本実施の形態の構成におけるソース配線23の指状部25とゲート配線43の基部44との交差面積を、より小さくすることができる。したがって、ゲート−ソース間の容量を小さくすることができるので、ゲート回路の充放電に要する時間を短縮することができる。
【0054】
このように、本実施の形態のRESURF−JFET1では、ゲート電圧変化の時間遅れが小さくなり、ゲート回路の充放電に要する時間が短縮されているので、RESURF−JFET1のスイッチング速度を向上することができる。
【0055】
一方、本実施の形態のRESURF−JFET1では、ゲート配線43の基部44に複数の指状部45が並列接続されているため、一つの指状部45においてパターン欠落が発生しても、他の指状部45へのゲート電圧変化の伝達には影響しない。また、二つの隣接する指状部45と接続部47とにより、基部44との二箇所の接続を有するU字状の配線が形成されるので、たとえ指状部45の一箇所でパターン欠落が発生し配線が途切れても、配線のその先の部分に、基部44との他方の接続部からゲート電圧変化を伝えて、トランジスタを動作させることができる。一つのU字状の配線内の二箇所以上が途切れた場合には、トランジスタが動作しない部分が発生するが、この場合も同様に、他の指状部45へのゲート電圧変化の伝達には影響しない。したがって、トランジスタの動作不良品の発生を抑制することができる。
【0056】
ゲート配線43の基部44においてもパターン欠落は発生し得る。しかし、ゲート配線43の指状部45の縦断面積を基部44の縦断面積以下とすることにより、基部44においてパターン欠落によりゲート配線43が途切れる可能性を、指状部45と比較して低減することができる。そのため、したがって、トランジスタの動作不良品の発生を、さらに抑制することができる。
【0057】
次に、図2〜図4に示したRESURF−JFET1の製造方法について説明する。図8は、実施の形態1の横型電界効果トランジスタの製造方法を示す流れ図である。本実施の形態に従った横型電界効果トランジスタであるRESURF−JFET1の製造方法では、以下の工程を実施する。
【0058】
まず、半導体基板としての基板10を準備する(S10)。たとえば、4H−SiCと呼ばれる単結晶タイプのSiCなどの、n型基板を準備する。次に、基板10の主表面上に位置し、第一導電型不純物としてのp型不純物を含むSiC層からなる、バッファ層11を形成する(S20)。バッファ層11の厚みはたとえば10μmとし、成膜方法としてはエピタキシャル成長法を用いることができる。p型不純物としてはアルミニウム(Al)が用いられてもよい。バッファ層11におけるp型不純物の濃度はたとえば1.0×1016cm−3とする。
【0059】
次に、バッファ層11上に位置し、バッファ層11におけるp型不純物の濃度より高い濃度の第二導電型(n型)不純物を含む、チャネル層12を形成する(S30)。n型不純物として窒素(N)が用いられてもよい。チャネル層12の厚みはたとえば0.4μmとすることができる。チャネル層12におけるn型の導電性不純物の濃度は2.0×1017cm−3とすることができる。その後、チャネル層12上にリサーフ層13を形成する(S40)。リサーフ層13は、バッファ層11におけるp型不純物の濃度より高い濃度の第一導電型(p型)不純物を含む。リサーフ層13の厚みはたとえば0.25μmとすることができ、また、リサーフ層13におけるp型の導電性不純物の濃度は2.0×1017cm−3とすることができる。
【0060】
次に、リサーフ層13の表面13aからリサーフ層13を貫通してチャネル層12にまで到達するように、第一導電型(p型)不純物を含むゲート領域41を形成する(S50)。具体的には、フォトリソグラフィ法を用いてパターンを有するレジスト膜を形成する。当該レジスト膜をマスクとして用いることにより、リサーフ層13およびチャネル層12にイオン注入法を用いてアルミニウム(Al)を注入する。このようにして、導電型がp型のゲート領域41を形成する。ゲート領域41の深さはたとえば0.4μmとすることができる。また、ゲート領域41におけるp型不純物の濃度はたとえば1.0×1019cm−3とすることができる。
【0061】
次に、リサーフ層13の表面13aからリサーフ層13を貫通してチャネル層12にまで到達するように、ゲート領域41を挟んで対向する、第二導電型(n型)不純物を含むソース領域21およびドレイン領域31を形成する(S60)。具体的には、上述したゲート領域41を形成する工程と同様に、リサーフ層13およびチャネル層12にイオン注入法を用いてリン(P)を注入することにより、導電型がn型のソース領域21およびドレイン領域31を形成する。ソース領域21およびドレイン領域31の深さはたとえば0.4μmとすることができる。ソース領域21およびドレイン領域31におけるn型不純物の濃度はたとえば5.0×1019cm−3とすることができる。
【0062】
次に、上述したゲート領域41、ソース領域21およびドレイン領域31に注入したイオンを活性化するための、活性化アニールを行なう(S70)。活性化アニール工程の条件としては、たとえば雰囲気としてアルゴンガスを用い、加熱温度を1700℃、加熱時間を30分とすることができる。なお、アニール時の雰囲気圧力はたとえば100kPaとすることができる。次に、フィールド酸化膜20を形成する(S80)。具体的には、上述した処理を行なった基板10を酸素雰囲気中で加熱することにより、リサーフ層13の表面13aを熱酸化してフィールド酸化膜20を形成する。加熱条件としては、たとえば加熱温度を1300℃、加熱時間を60分とすることができる。なお、加熱時の雰囲気圧力はたとえば大気圧とすることができる。この結果、厚みが0.1μmのフィールド酸化膜20が形成される。
【0063】
次に、フィールド酸化膜20の所定領域に開口部を形成する(S90)。開口部は、後工程において電極が形成される位置に形成される。具体的には、フィールド酸化膜20上に、フォトリソグラフィ法を用いて所定のパターンを有するレジスト膜を形成する。このレジスト膜には、開口部が形成されるべき領域に開口パターンが形成されている。このレジスト膜をマスクとして用いて、エッチングを行なうことによりフィールド酸化膜20を部分的に除去する。このようにして開口部を形成する。
【0064】
次に、開口部の内部にオーミック電極を形成する(S100)。具体的には、開口部の内部およびレジスト膜の上部表面上にオーミック電極を構成する導電体膜(たとえばニッケル(Ni)膜)を蒸着法を用いて形成する。その後、レジスト膜を除去することにより、当該レジスト膜上に形成されたNi膜の部分も除去する(リフトオフ)。そして、Ni膜が形成されたSiC基板をアルゴン雰囲気中で熱処理することにより、Ni膜をオーミック電極とする。この熱処理の条件としては、たとえば加熱温度を950℃とし、加熱時間を2分とすることができる。また、アルゴン雰囲気の圧力は大気圧とすることができる。このようにして、ソース領域21に接触するソース電極22、ドレイン領域31に接触するドレイン電極32、およびゲート領域41に接触するゲート電極42が形成される。
【0065】
次に、ゲート電極42上にゲート配線43を形成する(S110)。具体的には、ゲート電極42上に、フォトリソグラフィ法を用いてパターンを有するレジスト膜を形成する。当該レジスト膜では、ゲート電極42を露出させる開口パターンが形成されている。レジスト膜の開口パターン内部に、ゲート配線43となるべき導電体膜(たとえばアルミニウム膜)を蒸着する。アルミニウム膜の厚みは、たとえば0.1μmとすることができる。その後、レジスト膜を除去することにより、レジスト膜上に位置する導電体膜の一部を除去する(リフトオフ)。この結果、ゲート電極42上に位置するゲート配線43を得る。
【0066】
次に、ゲート配線43を覆う層間絶縁膜51を形成する(S120)。具体的には、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition;化学蒸着法)法を用いて、厚みが0.2μmのSiO膜からなる層間絶縁膜51が形成される。このようにして、層間絶縁膜51が、ゲート配線43、ソース電極22、ドレイン電極32およびフィールド酸化膜20の表面上に接触するように形成される。
【0067】
次に、層間絶縁膜51の一部を除去して、層間絶縁膜51の所定領域に開口部を形成する(S130)。開口部は、後工程においてゲートパッド49、ソース配線23、およびドレイン配線33が形成される位置に、形成される。具体的には、層間絶縁膜51の上にレジストが塗布された後、露光および現像が行なわれ、層間絶縁膜51の所望の領域に開口部を有するレジスト膜が形成される。当該レジスト膜をマスクとして用いて、たとえばRIE(Reactive Ion Etching)により層間絶縁膜51が部分的に除去される。このようにして、ソース電極22およびドレイン電極32に接触する層間絶縁膜51が除去され、また、ゲートパッド49の配置に応じた領域の層間絶縁膜51が除去される。
【0068】
次に、パッドを含むソース配線23、パッドを含むドレイン配線33、およびゲートパッド49が形成される(S140)。具体的には、RIEにより部分的に除去された層間絶縁膜51上に、たとえばスパッタリングによりアルミニウムからなる厚み3μmのアルミニウム膜が形成され、所望の形状になるようにエッチングされることにより、ソース配線23、ドレイン配線33、およびゲートパッド49が形成される。
【0069】
次に、パッシベーション膜52を形成する(S150)。具体的には、層間絶縁膜51の表面、工程(S140)で形成されたソース配線23およびドレイン配線33の上側など、外部と接続されるゲートパッド49などのパッド部を除くRESURF−JFET1の最上面の全面に、たとえばプラズマCVDにより、厚みが5μmのSiO膜からなるパッシベーション膜52を形成する。保護膜であるパッシベーション膜52を形成することにより、RESURF−JFET1は外側から保護される。
【0070】
このような製造方法によって、図2〜図4に示すような、スイッチング速度を向上でき、かつ動作不良品を低減できる、RESURF−JFET1を容易に得ることができる。
【0071】
(実施の形態2)
図9は、実施の形態2の横型電界効果トランジスタの断面図である。横型電界効果トランジスタの一例としての、図9に示す横型のRESURF−JFET1は、実施の形態1のRESURF−JFET1と同様の基本的な構成を有する。しかし、実施の形態2のRESURF−JFET1は、バッファ層11に電気的に接触するベース領域61が形成されている点で、実施の形態1のRESURF−JFET1と異なっている。
【0072】
具体的には、実施の形態2のRESURF−JFET1は、ソース配線23の指状部25の一部の下側に形成された、p+型のベース領域61を備える。ベース領域61は、リサーフ層13の表面13aからバッファ層11に達するように、形成されている。ベース領域61上には、ベース領域61に接触するベース電極62が形成されている。ベース電極62は、ソース配線23の指状部25とベース領域61とを接続する。ベース電極62は、バッファ層11に電気的に接続する。ベース電極62は、ソース電極22と接触するように配置されており、ソース電極22と同電位となっている。
【0073】
ベース電極62は、ソース配線23に接続できれば任意の場所に設置できるが、ソース配線23の指状部25の下側に、ソース電極22と合わせて設けられることが望ましい。図9にはRESURF−JFET1の断面が図示されているが、ベース電極62は平面的に見てソース電極22に取り囲まれていることがさらに好ましい。すなわち、RESURF−JFET1を平面視したとき、ベース領域61はソース領域21に取り囲まれていることがさらに好ましい。
【0074】
このような構成を有する実施の形態2のRESURF−JFET1では、ソース配線23の指状部25の下側にソース電極22と合わせてベース電極62が設けられているために、トランジスタセルの動作安定化が促進される。また、バッファ層11内でのトランジスタのオフ動作時の空乏層伸長、オン動作時の空乏層縮小が促進される。したがって、RESURF−JFET1のスイッチング速度を向上することができる。ベース領域61がソース領域21に平面的に取り囲まれていることにより、トランジスタセルのさらに安定な動作を得ることができる。
【0075】
図9に示すRESURF−JFET1の製造方法は、基本的には図8に示した実施の形態1のRESURF−JFET1の製造方法と基本的に同様であるが、ベース領域61を形成する工程が追加される点が異なっている。具体的には、図8に示す工程(S10)〜(S60)を実施する。その後、アルミニウムをバッファ層11に届く深さでイオン注入し、p+型のベース領域61を形成する。ベース領域61の深さは、たとえば0.9μmとすることができる。ベース領域61におけるp型不純物の濃度は、たとえば1.0×1019cm−3とすることができる。
【0076】
次に、工程(S70)において、ゲート領域41、ソース領域21およびドレイン領域31と同時に、ベース領域61に注入したイオンを活性化するための活性化アニールを行なう。その後、工程(S80)〜(S90)を行ない、工程(S100)において、ソース電極22と一体で、ベース領域61上にオーミック電極を形成してベース電極62を形成する。その後工程(S110)〜(S150)を行なう。このようにして、図9に示すベース領域61を備えるRESURF−JFET1を得ることができる。
【0077】
(実施の形態3)
図10は、実施の形態3の横型電界効果トランジスタの断面図である。横型電界効果トランジスタの一例としての、図10に示す横型のRESURF−JFET1は、図9に示す実施の形態2のRESURF−JFET1と同様の基本的な構成を有する。しかし、実施の形態3のRESURF−JFET1は、ベース電極62がソース電極22よりも下側に設けられている点で、実施の形態1のRESURF−JFET1と異なっている。
【0078】
実施の形態3のRESURF−JFET1では、リサーフ層13の表面13aからバッファ層11の方向に掘り込まれた、トレンチが形成されている。ベース領域61は、当該トレンチの下側に形成されている。ベース電極62は、ベース領域61に接触するように、トレンチの底に設けられている。その結果、平面的に見てベース電極62を取り囲むソース電極22よりも、ベース電極62は下側、すなわち、バッファ層11に近接する側に形成されている。
【0079】
このような構成を有する実施の形態3のRESURF−JFET1では、リサーフ層13の表面13aから掘り込まれるトレンチを形成し、そのトレンチの底部にイオン注入することで、p型不純物を含むベース領域61を形成することができる。つまり、ベース領域61を形成するために、リサーフ層13の表面13aからバッファ層11へ向かって深いイオン注入する必要がない。そのため、RESURF−JFET1の製造プロセスを簡便にすることができる。
【0080】
図10に示すRESURF−JFET1の製造方法は、基本的には図8に示した実施の形態1のRESURF−JFET1の製造方法と基本的に同様であるが、リサーフ層13にトレンチを形成した後にベース領域61を形成する工程が追加される点が異なっている。具体的には、図8に示す工程(S10)〜(S40)を実施する。その後、ベース領域61を形成する場所に対応する領域に、RIEによりトレンチを形成する。トレンチの深さは、トレンチの底にゲート領域41と同じ注入深さのp型不純物のイオン注入を行なったときに、イオン注入される領域がバッファ層11に届く程度となるように、決定される。たとえば、トレンチの深さを0.5μmとすることができる。
【0081】
次に、工程(S50)において、ゲート領域41を形成するためのイオン注入と同時に、前工程で形成されたトレンチの底部からアルミニウムをイオン注入する。これにより、トレンチの下側にp型不純物を含むベース領域61を形成する。ベース領域61の深さはたとえば0.4μmとすることができる。また、ベース領域61におけるp型不純物の濃度はたとえば1.0×1019cm−3とすることができる。
【0082】
続いて工程(S60)を行なった後、工程(S70)において、ゲート領域41、ソース領域21およびドレイン領域31と同時に、ベース領域61に注入したイオンを活性化するための活性化アニールを行なう。その後、工程(S80)〜(S90)を行ない、工程(S100)において、ソース電極22、ドレイン電極32およびゲート電極42の形成と同時に、ベース領域61上にオーミック電極を形成してベース電極62を形成する。その後工程(S110)〜(S150)を行なう。このようにして、ベース電極62がソース電極22よりも下側に設けられている、図10に示すRESURF−JFET1を得ることができる。
【0083】
(実施の形態4)
図11は、実施の形態4の横型電界効果トランジスタの断面図である。横型電界効果トランジスタの一例としての、図11に示す横型のJFET71は、実施の形態1のRESURF−JFET1と同様の基本的な構成を有する。しかし、JFET71は、チャネル層12上にリサーフ層が形成されておらず、図2に示すRESURF−JFET1においてリサーフ層13が形成されていた領域にもチャネル層12が形成されている点で、実施の形態1のRESURF−JFET1と異なっている。
【0084】
具体的には、図11に示すJFET71において、活性層14は、基板10の上に形成されたp−型のバッファ層11と、バッファ層11上に形成されたn型のチャネル層12と、を含む。チャネル層12は、表面12aを有する。チャネル層12の表面12aからチャネル層12の内部に、n+型のソース領域21と、n+型のドレイン領域31と、p+型のゲート領域41と、が形成されている。チャネル層12の上部表面である表面12a上に形成されたフィールド酸化膜20には、複数の開口部が形成されている。
【0085】
ソース領域21上に位置する開口部の内部には、ソース電極22が形成されている。ソース領域21は、ソース配線23の指状部25に対向するように形成されている。ソース電極22は、ソース配線23の指状部25とソース領域21とを電気的に接続する。
【0086】
ドレイン領域31上に位置する開口部の内部には、ドレイン電極32が形成されている。ドレイン領域31は、ドレイン配線33の指状部35に対向するように形成されている。ドレイン電極32は、ドレイン配線33の指状部35とドレイン領域31とを電気的に接続する。
【0087】
ゲート領域41上に位置する開口部の内部には、ゲート電極42が形成されている。ゲート領域41は、ゲート配線43の指状部45に対向するように形成されている。ゲート電極42は、ゲート配線43の指状部45とゲート領域41とを電気的に接続する。
【0088】
以上の構成を有するJFET71においても、ゲート配線43の基部44がソース配線23の基部24とドレイン配線33との間に配置され、かつ、ゲート配線43の基部44とソース配線23の指状部25とが交差している。そのため、実施の形態1のRESURF−JFET1と同様に、ゲート電圧変化の時間遅れが小さくなり、ゲート回路の充放電に要する時間が短縮されているので、JFET71のスイッチング速度を向上することができる。かつ、トランジスタの動作不良品の発生を抑制することができる。
【0089】
図11に示すJFET1の製造方法は、基本的には図8に示した実施の形態1のRESURF−JFET1の製造方法と基本的に同様であるが、リサーフ層13を形成する工程(S40)が省略される点が異なっている。具体的には、図8に示す工程(S10)〜(S20)を実施する。その後、バッファ層11上にチャネル層12を形成する(S30)。チャネル層12の厚みはたとえば0.65μmとすることができる。チャネル層12の表面12aにおいて、第一導電型(p型)不純物を含むゲート領域41を形成する(S50)。
【0090】
次に、チャネル層12の表面12aにおいて、ゲート領域41を挟んで対向するように、第二導電型(n型)不純物を含むソース領域21およびドレイン領域31を形成する(S60)。続いて、ゲート領域41、ソース領域21およびドレイン領域31に注入したイオンを活性化するための活性化アニールを行なう(S70)。次に、チャネル層12の表面12aを熱酸化してフィールド酸化膜20を形成する(S80)。その後工程(S90)〜(S150)を行なう。このようにして、図11に示すJFET71を得ることができる。
【0091】
(実施の形態5)
図12は、実施の形態5の横型電界効果トランジスタの断面図である。横型電界効果トランジスタの一例としての、図12に示す横型のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)81は、実施の形態1のRESURF−JFET1と同様の基本的な構成を有する。しかし、MOSFET71では、バッファ層11上にp型のボディ層82が形成され、ボディ層82内には、ソース領域21、ドレイン領域31およびn型のドリフト層83が形成される。一方、図2に示すゲート領域41は形成されない。ゲート電極42は、フィールド酸化膜20上に形成されている。
【0092】
より具体的には、図12に示すMOSFET81において、活性層14は、基板10の上に形成されたp−型のバッファ層11と、バッファ層11上に形成されたp型のボディ層82と、を含む。ボディ層82は、表面82aを有する。ボディ層82の表面82aからボディ層82の内部に、n+型のソース領域21と、n+型のドレイン領域31とが形成されている。ボディ層82の上部表面である表面82a上に形成されたフィールド酸化膜20には、複数の開口部が形成されている。
【0093】
ソース領域21上に位置する開口部の内部には、ソース電極22が形成されている。ソース領域21は、ソース配線23の指状部25に対向するように形成されている。ソース電極22は、ソース領域21に接触し、ソース配線23の指状部25とソース領域21とを電気的に接続する。
【0094】
ドレイン領域31上に位置する開口部の内部には、ドレイン電極32が形成されている。ドレイン領域31は、ドレイン配線33の指状部35に対向するように形成されている。ドレイン電極32は、ドレイン領域31に接触し、ドレイン配線33の指状部35とドレイン領域31とを電気的に接続する。
【0095】
n型のドリフト層83は、ボディ層82の表面82aからボディ層82の内部に形成されている。ドリフト層83は、ドレイン領域31に対しソース領域21に向かう側においてドレイン領域31に接触し、ソース領域21との間に間隔を空けて配置されている。
【0096】
ゲート電極42は、ボディ層82上に形成された絶縁性のフィールド酸化膜20上に形成されている。ゲート電極42は、絶縁層としてのフィールド酸化膜20を介在させて、ボディ層82上に形成されている。ゲート電極42はフィールド酸化膜20に接触する。ゲート電極42が接触するフィールド酸化膜20は、ボディ層82に接触するとともに、ボディ層82内に形成されたソース領域21およびドリフト層83に接触する。ゲート電極42は、ゲート配線43の指状部45の一部の下側に形成されている。ソース領域21およびドリフト層83は、ゲート電極42の指状部45の直下部の近傍にまで延びるように形成されている。
【0097】
以上の構成を有するMOSFET81においても、ゲート配線43の基部44がソース配線23の基部24とドレイン配線33との間に配置され、かつ、ゲート配線43の基部44とソース配線23の指状部25とが交差している。そのため、実施の形態1のRESURF−JFET1と同様に、ゲート電圧変化の時間遅れが小さくなり、ゲート回路の充放電に要する時間が短縮されているので、MOSFET81のスイッチング速度を向上することができる。かつ、トランジスタの動作不良品の発生を抑制することができる。
【0098】
図12に示すMOSFET81の製造方法は、基本的には図8に示した実施の形態1のRESURF−JFET1の製造方法と基本的に同様であるが、ドリフト層83を形成する工程およびゲート電極42を形成する工程において異なっている。具体的には、図8に示す工程(S10)〜(S20)を実施する。その後、バッファ層11上にボディ層82を形成する(S30)。ボディ層82の厚みはたとえば0.6μmとすることができる。
【0099】
次に、ボディ層82の表面82aにおいて、第二導電型(n型)不純物を含むソース領域21およびドレイン領域31を形成する(S60)。続いて、ボディ層82の表面82aにおいて、第二導電型(n型)不純物を含むドリフト層83を形成する。その後、ドリフト層83、ソース領域21およびドレイン領域31に注入したイオンを活性化するための活性化アニールを行なう(S70)。次に、ボディ層82の表面82aを熱酸化してフィールド酸化膜20を形成する(S80)。
【0100】
次に、後工程においてソース電極22およびドレイン電極32が形成される位置に相当するフィールド酸化膜20の所定領域に、開口部を形成する(S90)。続いて、開口部の内部にオーミック電極を形成し、同時に、フィールド酸化膜20にもゲート電極42に相当するオーミック電極を形成する(S100)。このようにして、ソース領域21に接触するソース電極22、ドレイン領域31に接触するドレイン電極32、およびフィールド酸化膜20上のゲート電極42が形成される。その後工程(S110)〜(S150)を行なう。このようにして、図12に示すMOSFET81を得ることができる。
【0101】
(実施の形態6)
図13は、実施の形態6の横型電界効果トランジスタの断面図である。横型電界効果トランジスタの一例としての、図13に示す横型のMESFET(MEtal-Semiconductor Field Effect Transistor)91は、実施の形態1のRESURF−JFET1と同様の基本的な構成を有する。しかし、MESFET91では、ショットキー接合性のゲート電極42を半導体のチャネル層12上に形成した構造を有する点で、RESURF−JFET1と異なる。
【0102】
具体的には、図13に示すMESFET91において、活性層14は、基板10の上に形成されたp−型のバッファ層11と、バッファ層11上に形成されたn型のチャネル層12と、を含む。チャネル層12は、表面12aを有する。チャネル層12の表面12aからチャネル層12の内部に、n+型のソース領域21と、n+型のドレイン領域31と、が形成されている。チャネル層12の上部表面である表面12a上に形成されたフィールド酸化膜20には、複数の開口部が形成されている。
【0103】
ソース領域21上に位置する開口部の内部には、ソース電極22が形成されている。ソース領域21は、ソース配線23の指状部25に対向するように形成されている。ソース電極22は、ソース配線23の指状部25とソース領域21とを電気的に接続する。
【0104】
ドレイン領域31上に位置する開口部の内部には、ドレイン電極32が形成されている。ドレイン領域31は、ドレイン配線33の指状部35に対向するように形成されている。ドレイン電極32は、ドレイン配線33の指状部35とドレイン領域31とを電気的に接続する。
【0105】
ソース電極22とドレイン電極32との間のフィールド酸化膜20にも開口部が形成されており、この開口部の内部にゲート電極42が形成されている。ゲート電極42は、ゲート配線43の指状部45の一部の下側に形成されている。ゲート電極42の下側には、実施の形態1で説明したゲート領域は存在しない。ゲート電極42は、チャネル層12の表面12a上に直接配置され、チャネル層12に接触しショットキー特性を示すように、形成されている。
【0106】
以上の構成を有するMESFET91においても、ゲート配線43の基部44がソース配線23の基部24とドレイン配線33との間に配置され、かつ、ゲート配線43の基部44とソース配線23の指状部25とが交差している。そのため、実施の形態1のRESURF−JFET1と同様に、ゲート電圧変化の時間遅れが小さくなり、ゲート回路の充放電に要する時間が短縮されているので、MESFET91のスイッチング速度を向上することができる。かつ、トランジスタの動作不良品の発生を抑制することができる。
【0107】
図13に示すMESFET91の製造方法は、基本的には図8に示した実施の形態1のRESURF−JFET1の製造方法と基本的に同様であるが、リサーフ層13を形成する工程(S40)およびゲート領域41を形成する工程(S50)が省略される点が異なっている。具体的には、図8に示す工程(S10)〜(S30)を実施する。続いて、チャネル層12の表面12aにおいて、第二導電型(n型)不純物を含むソース領域21およびドレイン領域31を形成する(S60)。
【0108】
次に、ソース領域21およびドレイン領域31に注入したイオンを活性化するための活性化アニールを行なう(S70)。次に、チャネル層12の表面12aを熱酸化してフィールド酸化膜20を形成する(S80)。その後工程(S90)〜(S150)を行なう。このようにして、図13に示すMESFET91を得ることができる。
【0109】
なお、実施の形態1〜6の説明においては、p型が第一導電型であり、n型が第二導電型である横型電界効果トランジスタの例について説明したが、横型電界効果トランジスタの各構成要素の導電型に関して、p型およびn型を全て逆とした構成としてもよい。
【0110】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0111】
1 RESURF−JFET、10 基板、11 バッファ層、12 チャネル層、12a,13a,82a 表面、13 リサーフ層、14 活性層、20 フィールド酸化膜、21 ソース領域、22 ソース電極、23 ソース配線、24,34,44 基部、25,35,45 指状部、31 ドレイン領域、32 ドレイン電極、33 ドレイン配線、41 ゲート領域、42 ゲート電極、43 ゲート配線、46 先端部、47 接続部、49 ゲートパッド、51 層間絶縁膜、52 パッシベーション膜、61 ベース領域、62 ベース電極、82 ボディ層、83 ドリフト層、101 第一配線、102 第二配線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に形成された活性層と、
前記活性層の上側に形成されたソース配線、ドレイン配線およびゲート配線と、を備え、
前記ソース配線は、ソース配線基部と、前記ソース配線基部から突出する複数のソース配線指状部とを有する、櫛形状に形成されており、
前記ドレイン配線は、ドレイン配線基部と、前記ドレイン配線基部から突出する複数のドレイン配線指状部とを有する、櫛形状に形成されており、
前記ソース配線と前記ドレイン配線とは、前記ソース配線指状部と前記ドレイン配線指状部とが互いに組み合わさるように、対向して配置されており、
前記ゲート配線は、ゲート配線基部と、前記ゲート配線基部から突出する複数のゲート配線指状部と、隣接する前記ゲート配線指状部の先端部を接続する接続部と、を有し、
前記ゲート配線指状部は、前記ソース配線指状部と前記ドレイン配線指状部との間に配置されており、
前記ゲート配線基部は、前記ソース配線基部と前記ドレイン配線指状部との間に配置され、かつ、前記ソース配線指状部との間に絶縁膜を介在させて前記ソース配線指状部と交差している、電界効果トランジスタ。
【請求項2】
隣接する前記ゲート配線指状部と、前記ゲート配線指状部を接続する前記接続部とは、第一配線を構成し、
前記ゲート配線基部の、前記接続部によって接続された隣接する前記ゲート配線指状部が前記ゲート配線基部に接続される二点間は、前記第一配線と電気的に並列な第二配線を構成し、
前記第一配線の電気抵抗は、前記第二配線の電気抵抗以上である、請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項3】
前記ゲート配線指状部の縦断面積は、前記ゲート配線基部の縦断面積以下である、請求項1または請求項2に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項4】
前記活性層は、
第一導電型のバッファ層と、
前記バッファ層上に形成され、表面を有する第二導電型のチャネル層と、
前記ソース配線指状部の少なくとも一部に対向する前記チャネル層の前記表面から前記チャネル層の内部に形成された第二導電型のソース領域と、
前記ドレイン配線指状部の少なくとも一部に対向する前記チャネル層の前記表面から前記チャネル層の前記内部に形成された第二導電型のドレイン領域と、
前記ゲート配線指状部の少なくとも一部に対向する前記チャネル層の前記表面から前記チャネル層の前記内部に形成された第一導電型のゲート領域と、を含み、
前記ソース配線指状部と前記ソース領域とを接続するソース電極と、
前記ドレイン配線指状部と前記ドレイン領域とを接続するドレイン電極と、
前記ゲート配線指状部と前記ゲート領域とを接続するゲート電極と、をさらに備える、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項5】
前記活性層は、
第一導電型のバッファ層と、
前記バッファ層上に形成された第二導電型のチャネル層と、
前記チャネル層上に形成され、表面を有する第一導電型のリサーフ層と、
前記ソース配線指状部の少なくとも一部に対向する前記リサーフ層の前記表面から前記チャネル層に達するように形成された第二導電型のソース領域と、
前記ドレイン配線指状部の少なくとも一部に対向する前記リサーフ層の前記表面から前記チャネル層に達するように形成された第二導電型のドレイン領域と、
前記ゲート配線指状部の少なくとも一部に対向する前記リサーフ層の前記表面から前記チャネル層に達するように形成された第一導電型のゲート領域と、を含み、
前記ソース配線指状部と前記ソース領域とを接続するソース電極と、
前記ドレイン配線指状部と前記ドレイン領域とを接続するドレイン電極と、
前記ゲート配線指状部と前記ゲート領域とを接続するゲート電極と、をさらに備える、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項6】
前記活性層は、
第一導電型のバッファ層と、
前記バッファ層上に形成され、表面を有する第一導電型のボディ層と、
前記ソース配線指状部の少なくとも一部に対向する前記ボディ層の前記表面から前記ボディ層の内部に形成された第二導電型のソース領域と、
前記ドレイン配線指状部の少なくとも一部に対向する前記ボディ層の前記表面から前記ボディ層の前記内部に形成された第二導電型のドレイン領域と、を含み、
前記ゲート配線指状部の少なくとも一部の下側に形成され、絶縁層を介在させて前記ボディ層上に形成された、ゲート電極と、
前記ソース配線指状部と前記ソース領域とを接続するソース電極と、
前記ドレイン配線指状部と前記ドレイン領域とを接続するドレイン電極と、をさらに備える、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項7】
前記活性層は、
第一導電型のバッファ層と、
前記バッファ層上に形成され、表面を有する第二導電型のチャネル層と、
前記ソース配線指状部の少なくとも一部に対向する前記チャネル層の前記表面から前記チャネル層の内部に形成された第二導電型のソース領域と、
前記ドレイン配線指状部の少なくとも一部に対向する前記チャネル層の前記表面から前記チャネル層の前記内部に形成された第二導電型のドレイン領域と、を含み、
前記ゲート配線指状部の少なくとも一部の下側に形成され、前記チャネル層に接触しショットキー特性を示す、ゲート電極と、
前記ソース配線指状部と前記ソース領域とを接続するソース電極と、
前記ドレイン配線指状部と前記ドレイン領域とを接続するドレイン電極と、をさらに備える、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項8】
前記ソース配線指状部の少なくとも一部の下側に形成され、前記表面から前記バッファ層に達する、第一導電型のベース領域と、
前記ソース配線指状部と前記ベース領域とを接続するベース電極と、をさらに備える、請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項9】
前記ベース領域は、前記電界効果トランジスタを平面視したとき、前記ソース領域に取り囲まれている、請求項8に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項10】
前記ベース電極は、前記ソース電極よりも下側に設けられている、請求項8または請求項9に記載の電界効果トランジスタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2011−210834(P2011−210834A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−75375(P2010−75375)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】