説明

エッチング液、エッチング液及びその結果構造物を用いた導電性配線を含む薄膜トランジスタ基板の製造方法

【課題】銀(Ag)配線用エッチング液を提供すること。また、エッチング液を利用する銀(Ag)配線形成方法を提供すること。さらに、エッチング液を利用する薄膜トランジスタ基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明により、エッチング液、これを用いた配線形成方法及び薄膜トランジスタ基板の製造方法が提供される。エッチング液は下記化学式1で表示される物質、酢酸アンモニウム及び超純水を含む。
(化学式1)
M(OH)
(ただし、前記式でMはZn、Sn、Cr、Al、Ba、Fe、Ti、SiまたはBであり、Xは2または3であり、LはHO、NH、CN、COR、NHRであり、Yは0、1、2または3であり、Rはアルキル基である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエッチング液に係り、さらに詳細には銀(Ag)配線用エッチング液、これを用いた銀(Ag)配線形成方法及び薄膜トランジスタ基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置(Liquid Crystal Display)は現在最も広く用いられている平板表示装置(Flat Panel Display)のうちの一つである。液晶表示装置は、電極が形成されている2枚の基板とその間に挟まれている液晶層で構成されて、電極に電圧を印加して液晶層の液晶分子を再配列させることによって透過される光量を調節する表示装置である。
【0003】
現在液晶表示装置においては、電界生成電極が2個の基板にそれぞれ具備されている形態が主流である。この液晶表示装置においては、一つの基板には複数の画素電極がマトリクス(matrix)状に配列されていて、他の基板には一つの共通電極が基板全面を覆っている。このような液晶表示装置においては、画像の表示は各画素電極に異なる電圧を印加することによって行われる。このために画素電極に印加される電圧をスイッチングするための三端子素子である薄膜トランジスタを各画素電極に接続し、この薄膜トランジスタを制御するための信号を伝達するゲート線(gate line)と画素電極に印加される電圧を伝達するデータ線(data line)を基板上に形成する。
【0004】
一方、液晶表示装置の表示面積がますます大型化することによって、前記薄膜トランジスタに接続されるゲート線及びデータ線も長くなり、それによって配線の抵抗も増加する。したがって、このような抵抗増加による信号遅延などの問題を解決するためには、前記ゲート線及びデータ線を出来る限り低い抵抗率を有する材料で形成する必要がある。
【0005】
配線材料のうち最も低い抵抗率を有する物質は銀(Ag)である。銀(Ag)は抵抗率が約1.59μΩcmであることが知られている。したがって、実際工程で銀(Ag)で構成されたゲート線及びデータ線を用いることによって、信号遅延などの問題を解決することができる。
【0006】
しかし、銀(Ag)はガラスなどの絶縁基板または真性非晶質シリコンやドーピングされた非晶質シリコンなどで構成された半導体基板などの下部基板に対して接着性(adhesion)が極めて悪く、蒸着が容易でなく、配線の浮き上がり(lifting)またはピーリング(peeling)が容易に誘発される。また、銀(Ag)導電層が基板に蒸着された場合にもこれをパターニングするためにエッチング液を用いるようになる。このようなエッチング液として従来のエッチング液を用いる場合、銀(Ag)が過度にエッチングされたり、不均一にエッチングされて配線の浮き上がり(lifting)またはピーリング(peeling)現象が発生して、配線の側面プロファイルが不良になる。
【0007】
したがって、基板上に蒸着された銀(Ag)導電層をパターニングする過程で、銀(Ag)導電層の接着性を維持しながら配線の側面プロファイルを良好にするエッチング液が要求されている。
【特許文献1】韓国公開特許第2003−0034402号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする技術的課題は銀(Ag)配線用エッチング液を提供しようとするものである。
【0009】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は前記エッチング液を用いる銀(Ag)配線形成方法を提供しようとするものである。
【0010】
本発明が解決しようとするまた他の技術的課題は前記エッチング液を用いる薄膜トランジスタ基板の製造方法を提供しようとするものである。
【0011】
本発明の技術的課題は以上で言及した技術的課題で制限されないし、言及されないまた他の技術的課題は下記の記載から当業者に明確に理解されることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記技術的課題を達成するための本発明の一実施形態によるエッチング液は下記化学式1で表示される物質、酢酸アンモニウム及び残量の超純水を含む。
(化学式1)
M(OH)
(ただし、前記式でMはZn、Sn、Cr、Al、Ba、Fe、Ti、SiまたはBであり、Xは2または3であり、LはHO、NH、CN、COR、NHRであり、Yは0、1、2または3であり、Rはアルキル基である。)
【0013】
前記他の技術的課題を達成するための本発明の一実施形態による配線形成方法は、基板上に導電性酸化膜及び銀(Ag)または銀(Ag)合金を含む導電層を具備する多重膜を形成し、前記多重膜を下記化学式1で表示される物質、酢酸アンモニウム及び超純水を含むエッチング液を用いてエッチングする段階を含む。
(化学式1)
M(OH)
(ただし、前記式でMはZn、Sn、Cr、Al、Ba、Fe、Ti、SiまたはBであり、Xは2または3であり、LはHO、NH、CN、COR、NHRであり、Yは0、1、2または3であり、Rはアルキル基である。)
【0014】
前記また他の技術的課題を達成するための本発明の一実施形態の薄膜トランジスタ基板の製造方法は、基板上に導電性酸化膜及び銀(Ag)または銀(Ag)合金を含む導電層を具備するゲート多重膜を形成して、前記ゲート多重膜をパターニングしてゲート配線を形成し、前記基板及び前記ゲート配線上にゲート絶縁膜及び半導体層を形成し、前記半導体層上に導電性酸化膜及び銀(Ag)または銀(Ag)合金を含む導電層を具備するデータ多重膜を形成して、前記データ多重膜をパターニングしてデータ配線を形成することを含み、前記ゲート配線及び/または前記データ配線を形成することは下記化学式1で表示される物質、酢酸アンモニウム及び超純水を含むエッチング液を用いてエッチングすることを含む。
(化学式1)
M(OH)
(ただし、前記式でMはZn、Sn、Cr、Al、Ba、Fe、Ti、SiまたはBであり、Xは2または3でありて、LはHO、NH、CN、COR、NHRであり、Yは0、1、2または3であり、Rはアルキル基である。)
【0015】
その他実施形態の具体的な事項は詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0016】
上述したように、本発明の一実施形態によるエッチング液を用いて銀(Ag)導電層の上部及び/または下部に非晶質形態の導電性酸化膜が形成されている多重膜をエッチングすれば、多重膜下部に対する接着性が維持されて、優れたプロファイルを有する配線を得ることができる。また、このようなエッチング液を用いて銀(Ag)導電層の上部及び/または下部に非晶質の導電性酸化膜が形成されている多重膜を具備する薄膜トランジスタ基板を製造すれば、薄膜トランジスタ基板のゲート及びデータ配線の接着性及びプロファイルが改善され、信号特性が良くなり、画質が改善される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は添付される図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は以下で開示する実施形態に限られることはなく、相異なる多様な形態で実現される。本実施形態は、単に、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するために記載され、本発明は請求項の範疇により定義される。明細書全体にかけて同一参照符号は同一構成要素を指す。
【0018】
以下、添付した図面を参照して本発明の一実施形態による銀(Ag)配線形成方法を説明する。図1ないし図3は本発明の一実施形態による金属配線形成方法の工程段階別断面図である。
【0019】
図1を参照すると、先に基板1上にITOまたはIZOなどの導電性酸化物で構成された導電層2a(以下、「下部導電性酸化膜」という)、銀(Ag)または銀(Ag)合金を含む導電層2b(以下、「銀(Ag)導電層」という)及びITOまたはIZOなどの導電性酸化物で構成された導電層2c(以下、「上部導電性酸化膜」という)を順次的に積層して三重膜2を形成する。ここで基板1は、例えば、ガラスなどの絶縁基板または真性非晶質シリコンやドーピングされた非晶質シリコンなどで構成された半導体基板であるようにしてもよい。
【0020】
下部導電性酸化膜2a、銀(Ag)導電層2b及び上部導電性酸化膜2cは、例えば、スパッタリング(sputtering)で形成する。以下、このようなスパッタリングのターゲットとしてITOと銀(Ag)とを用いた、例えば、三重膜2を形成するためのスパッタリング工程を説明する。
【0021】
まず、銀(Ag)ターゲットにはパワーを印加せず、ITOターゲットにだけパワーを印加して、基板1上にITOで構成される下部導電性酸化膜2aを形成する。下部導電性酸化膜2aは約3〜30nmの厚さに形成する。下部導電性酸化膜2aの厚さが3nm以上である場合、下部の基板1と上部の銀(Ag)導電層2bとが部分的に接触することを効果的に防止して、基板1との十分な接着性を確保することができる。また接触抵抗の観点で、下部導電性酸化膜2aの厚さが30nm以下であることが好適である。望ましくは約5〜10nmの厚さに形成するようにしてもよい。
【0022】
このようなスパッタリングは、例えば、約150℃以下、望ましくは室温で行うようにしてもよい。このような温度は、ITOを含む導電性酸化物が結晶化しない温度、すなわち非晶質形態に形成される温度である。前記のような条件でITOを蒸着する場合、非晶質(amorphous)状態のITOが形成される。この時、水素気体(H)または水蒸気(H0)を共に供給するようにしてもよい。また、スパッタリング時、例えば、窒素気体(N)、アンモニア(NH)、亜酸化窒素(NO)のような窒素供給気体に露出させて窒化性ITO(ITON)を形成するようにしてもよい。窒化性ITO(ITON)は銀(Ag)とITOの接触領域で銀(Ag)の酸化を防止して、配線抵抗の急速な増加を抑制する。
【0023】
続いて、ITOターゲットに印加するパワーをオフ(off)した後、銀(Ag)ターゲットにパワーを印加して銀(Ag)導電層2bを形成する。銀(Ag)導電層2bは約100〜300nmの厚さに形成する。望ましくは150〜200nmの厚さに形成するようにしてもよい。
【0024】
ここで銀(Ag)導電層2bと基板1と間には非晶質ITOで構成された下部導電性酸化膜2aが介在するようになるが、非晶質ITOは表面粗さが非常に大きい物質であって、表面に微細な凹凸部(凹凸)を多量に含む。このような凹凸部によって、下部の基板1と下部導電性酸化膜2aとの間及び下部導電性酸化膜2aと上部の銀(Ag)導電層2bと間の接触面積が増加して接着性が向上する。
【0025】
続いて、同一な方法で銀(Ag)ターゲットに印加するパワーをオフ(off)した後、ITOターゲットにパワーを印加して上部導電性酸化膜2cを形成する。この時、上部導電性酸化膜2aは非晶質ITOで構成されるため、三重膜2の上部に形成される膜、例えば絶縁膜等と銀(Ag)導電層2bとの接着性が増加する。また、上部導電性酸化膜2cは銀(Ag)導電層2bから三重膜2の上側に銀(Ag)が拡散することを防止する。このような上部導電性酸化膜2aは前述した下部導電性酸化膜2aのように約3〜30nm、望ましくは5〜10nmの厚さに形成するようにしてもよい。
【0026】
続いて、図2に示したように三重膜2上に感光膜を塗布して露光及び現像し、配線パターンを定義する感光膜パターン3を形成する。
【0027】
続いて、図3に示したように感光膜パターン3をエッチングマスクとして用いて三重膜2をエッチングし、感光膜パターン3を除去して三重膜配線2を形成する。三重膜2に対するエッチング工程はエッチング液を用いる湿式エッチングで行われる。
【0028】
ここで前記湿式エッチング工程に用いられる本発明の一実施形態によるエッチング液は下記化学式1で表示される物質、酢酸アンモニウム及び超純水を含む。
(化学式1)
M(OH)
(ただし、前記式でMはZn、Sn、Cr、Al、Ba、Fe、Ti、SiまたはBであり、Xは2または3であり、LはHO、NH、CN、COR、NHRであり、Yは0、1、2または3であり、Rはアルキル基である。)
【0029】
前記化学式1によって示される物質は、エッチング液の安定度を高める安定剤としての役割をし、同時にエッチングの均一性を高めてエッチング時のエッチングプロファイルを良くする働きを有している。前記化学式1で表示される物質の含有量は、例えば、エッチング液総量を基準にして0.1重量%〜5重量%であるようにしてもよい。前記化学式1で表示される物質の含有量が0.1重量%以上である場合、前記化学式1で表示される物質の添加効果が十分に発現し、5重量%以下ならば添加による効果を維持し、また添加の効果が減少することを防止することができる。前記化学式1で表示される物質の含有量は、望ましくは0.5重量%〜0.2重量%であることようにしてもよい。
【0030】
酢酸アンモニウム(ammonium acetic acid)は、相対的に微量で用いられ、前記化学式1で表示される物質のようにエッチング均一性を高めて、エッチング時のエッチングプロファイルを良くする役割をする。酢酸アンモニウムの含有量は、例えば、エッチング液総量を基準にして0.001重量%〜0.1重量%であるようにしてもよく、前記範囲で添加による効果を十分に発現させることができる。酢酸アンモニウムの含有量は、望ましくは0.002重量%〜0.005重量%であるようにしてもよい。
【0031】
しかし、前記化学式1で表示される物質及び酢酸アンモニウムの含有量は、前記範囲に制限されるわけではなく、エッチング対象、エッチング温度、エッチング時間、エッチング方式、他の添加物の種類などによって前記範囲以外の含有量でも用いることができ、これは本発明の範疇に含まれる。
【0032】
また、本発明の一実施形態によるエッチング液は燐酸、硝酸及び酢酸をさらに含むようにしてもよい。
【0033】
ここで、燐酸はエッチング速度を増加させる役割をする。燐酸の含有量は、エッチング液総量を基準にして50〜80重量%であるようにしてもよい。燐酸の含有量が50重量%以上であれば十分なエッチング速度を確保することができ、80重量%以下である場合、粘度上昇による噴射の難しさを効果的に防止することができる。燐酸の含有量は、望ましくは60〜70重量%であるようにしてもよい。
【0034】
硝酸はエッチング速度を増加させる役割をする。硝酸の含有量はエッチング液総量を基準にして0.1〜10重量%であるようにしてもよい。硝酸の含有量が0.1重量%以上である場合、エッチング速度が十分に上昇し、硝酸の含有量が10重量%以下ならば、感光膜の損傷を効果的に防止することができる。硝酸の含有量は、望ましくは0.5ないし5重量%であるようにしてもよい。
【0035】
酢酸(acetic acid)は感光膜に対する湿潤性を改善する役割をする。酢酸の含有量は1〜25重量%であるようにしてもよい。酢酸の含有量が1重量%以上である場合、感光膜に対するエッチング液の湿潤性が低下してエッチングが不完全になるのを効果的に防止することができて、25重量%以下である場合には、酢酸の蒸発を抑制することによってエッチング液の組成が大きく変わってエッチング液の寿命が短縮されるのを防止することができる。酢酸の含有量は、望ましくは2〜10重量%であるようにしてもよい。
【0036】
共に前記エッチング液はその特性を改善するために、例えば界面活性剤等のような添加剤をさらに含むことができる。界面活性剤は陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、陽性界面活性剤または非イオン界面活性剤であってもよい。エッチング液の中の界面活性剤の含有量は0.001〜1重量%であるようにしてもよく、望ましくは0.005〜0.1重量%であるようにしてもよい。
【0037】
また、前記エッチング液はエッチング液に含まれる前記物質を除いた残りで超純水を含むようにしてもよい。
【0038】
このようなエッチング液は、例えば、超純水などの水に前記化学式1で示される物質及び酢酸アンモニウムをはじめとする燐酸、硝酸、酢酸などを混合する方法で製造することができて、また、前記物質の水溶液をあらかじめ製造した後にこれを混合して製造することもでき、これに制限されるのではない。また、混合順序に対しても特別な制限がない。
【0039】
一方、前記エッチング液の中に微粒子が存在する場合、微細なパターンのための均一なエッチングに問題を起こす場合がある。したがってエッチング液の中粒径が0.5μm以上である微粒子の個数が1000/mL以下になるように微粒子をあらかじめ除去することが望ましい。エッチング液の中の微粒子を除去する方法によってエッチング液を微細濾過膜フィルターに濾過させる方法を用いるようにしてもよい。濾過法は1回通過式であってもよく、望ましくは微粒子を高速で除去する循環式を用いるようにしてもよい。
【0040】
このようなエッチング液は三重膜2に対するエッチング選択比が高いながらも、エッチング工程後基板1に対する三重膜2の接着性を維持して、エッチングされた三重膜配線2の側面プロファイルが鋭角の優れたテーパー角を有するようにする。
【0041】
以下、本実施形態に適用されるエッチング液を用いて三重膜2をエッチングする段階を詳細に説明する。
【0042】
三重膜2のエッチングは上部導電性酸化膜2c、銀(Ag)導電層2b及び下部導電性酸化膜2aを個別的に行うこともあるが、上部及び下部導電性酸化膜2c、2aを構成するITOなどと銀(Ag)導電層2bの銀(Ag)または銀(Ag)合金のエッチング速度が同様なため、一括的に行うことができ、この場合にも三重膜配線2の側面プロファイルが良好に形成される。
【0043】
このようなエッチング工程は感光膜パターン3が形成されている三重膜2表面にエッチング液を噴射する噴射方式で行われるようにしてもよい。この時、温度は約30〜50℃に維持するようにしてもよい。エッチング時間は、例えば、基板1がエッチング液に露出する時間をエンドポイントディテクター(End Point Detector、EPD)により検出した次に、その時間の約半分の時間がさらに経過する時までとするようにしてもよい。このようなエッチング時間は、例えば、約30〜100秒であるようにしてもよい。
【0044】
続いて、図4を参照して、前記したようなエッチング液が適用された本発明の一実施形態による金属配線のプロファイルに対して説明する。図4は基板上に形成されたITO、銀(Ag)導電層及びITOで構成された三重膜配線を本発明の一実施形態によるエッチング液を用いてパターニングした後の金属配線のプロファイルを示す断面写真である。
【0045】
一般的に三重膜2に含まれている銀(Ag)導電層2bは、基板1との接着性(adhesion)がよくない。このために本実施形態では銀(Ag)導電層2bの下部及び上部にITOなどで構成された導電性酸化膜2a、2cを形成して接着性を向上させている。しかしこのような三重膜配線2を形成するために従来の配線パターニングに使われるエッチング液を用いれば、エッチングを行うことによって三重膜2の基板1に対する接着力が弱まり基板1から三重膜配線2のピーリング(peeling)または浮き上がり(lifting)現象が発生する場合がある。また、パターニングされた三重膜配線2の側面プロファイルが均一ではなく、逆テーパー傾斜角を有するようになる場合がある。
【0046】
一方、エッチング液として本発明の一実施形態によるエッチング液を用いれば、前記エッチング液は三重膜2に対するエッチング選択比が高いながらもエッチング均一性が良好であるため、図4で分かるように三重膜配線2の基板1に対する接着性に影響を与えず、鋭角の優れたテーパー角を有する側面プロファイルを形成することができる。
【0047】
以上、本実施形態では基板上に下部導電性酸化膜、銀(Ag)導電層及び上部導電性酸化膜で構成される三重膜の例を挙げて説明したが、前記導電性酸化膜は銀(Ag)導電層の上部及び下部のうちいずれか一つにだけ形成された多重膜であるようにしてもよい。
【0048】
前記したようなエッチング液及びこれを用いた銀(Ag)配線形成方法は薄膜トランジスタ基板の製造方法にも適用され得る。
【0049】
以下、添付した図面を参照して本発明の一実施形態による薄膜トランジスタ基板の製造方法を説明する。
【0050】
まず図5A及び図5Bを参照して本発明の一実施形態による製造方法により製造された薄膜トランジスタ基板の構造を説明する。図5Aは本発明の一実施形態による製造方法により製造された薄膜トランジスタ基板のレイアウト図であって、図5Bは図5AのB−B’線に沿って切断した断面図である。
【0051】
絶縁基板10上にゲート信号を伝達する複数のゲート配線が形成されている。ゲート配線22、24、26、27、28は横方向にのびているゲート線22、ゲート線22の端に接続されていて外部からのゲート信号の印加を受けてゲート線に伝達するゲート終端24、ゲート線22に接続されて突起状に形成された薄膜トランジスタのゲート電極26、ゲート線22と平行に形成されている維持電極27及び維持電極線28を含む。維持電極線28は画素領域を横切って横方向にのびており、維持電極線28に比べて幅が広く形成されている維持電極27が接続される。維持電極27は後述する画素電極82に接続されたドレイン電極拡張部67と重なって画素の電荷保持能力を向上させる蓄積容量を形成する。このような維持電極27及び維持電極線28の形態及び配置などは多様な形態に変形されることができ、画素電極82とゲート線22の重なりにより発生する蓄積容量が十分な場合形成されないようにしてもよい。
【0052】
ゲート配線22、24、26、27はインジウムスズオキサイド(Indium Tin Oxide;ITO)またはインジウムジンクオキサイド(Indium Zinc Oxide;IZO)等の導電性酸化物で構成された導電層221、241、261、271(以下、「下部導電性酸化膜」という)、銀(Ag)または銀合金(Ag−alloy)で構成された導電層222、242、262、272(以下、「銀(Ag)導電層」という)及びITOまたはIZOのような導電性酸化物で構成された導電層223、243、263、273(以下、「上部導電性酸化膜」という)の三重膜22、24、26、27、28で形成されている。また図面に直接図示しなかったが、維持電極線28も他のゲート配線22、24、26、27と等しい三重膜の構造を有する。以下で説明する三重膜構造のゲート配線には維持電極線28も含まれる。
【0053】
このようなゲート三重膜22、24、26、27、28の構造及び機能は前述した本発明の一実施形態による銀(Ag)配線形成方法での三重膜の構造及び機能と同様である。
【0054】
基板10、ゲート配線22、24、26、27、28の上には窒化シリコン(SiNx)等で構成されたゲート絶縁膜30が形成されている。
【0055】
ゲート電極26のゲート絶縁膜30上部には水素化非晶質シリコンまたは多結晶シリコンなどの半導体で構成された半導体層40がアイランド状に形成されていて、半導体層40の上部にはシリサイドまたはn型不純物が高農度でドーピングされたn+水素化非晶質シリコンなどの物質からなるオーミックコンタクト層55、56がそれぞれ形成されている。
【0056】
オーミックコンタクト層55、56及びゲート絶縁膜30上にはデータ配線62、65、66、67、68が形成されている。データ配線62、65、66、67、68は縦方向に形成されてゲート線22と交差して画素を定義するデータ線62、データ線62の分枝でありオーミックコンタクト層55の上部まで延長されているソース電極65、データ線62の一側端に接続されて外部からの画像信号の印加を受けるデータ終端68、ソース電極65と分離されていてゲート電極26または薄膜トランジスタのチャネル部に対してソース電極65の反対側オーミックコンタクト層56上部に形成されているドレイン電極66及びドレイン電極66から延長されて維持電極27と重なる広い面積のドレイン電極拡張部67を含む。
【0057】
このようなデータ配線62、65、66、67、68はITOのような導電性酸化物で構成された導電層621、651、661、671、681(以下、「下部導電性酸化膜」という)、銀(Ag)または銀合金(Ag−alloy)で構成された導電層622、652、662、672、682(以下、「銀(Ag)導電層」という)及びITOのような導電性酸化物で構成された導電層623、653、663、673、683(以下、「上部導電性酸化膜」という)の三重膜62、65、66、67、68で形成されている。ここで下部導電性酸化膜621、651、661、671、681及び上部導電性酸化膜623、653、663、673、683の構造及び機能はゲート配線22、24、26、27、28と同様であるのでその説明を省略する。
【0058】
ソース電極65は半導体層40と少なくとも一部分が重なって、ドレイン電極66はゲート電極26を中心にしてソース電極65と対向して半導体層40と少なくとも一部分が重なる。ここで、オーミックコンタクト層55、56はその下部の半導体層40と、その上部のソース電極65及びドレイン電極66間に存在してコンタクト抵抗を低減する役割をする。
【0059】
ドレイン電極拡張部67は維持電極27と重なるように形成されて、維持電極27とゲート絶縁膜30とを間に置いて蓄積容量が形成される。維持電極27を形成しない場合、ドレイン電極拡張部67も形成しない。
【0060】
データ配線62、65、66、67、68及びこれらが遮らない半導体層40上部には保護膜70が形成されている。保護膜70は例えば平坦化特性が優れていて感光性(photosensitivity)を有する有機物質、プラズマ化学気相蒸着(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition、PECVD)で形成されるa−Si:C:O、a−Si:O:Fなどの低誘電率絶縁物質、または無機物質である窒化シリコン(SiNx)等で形成されるようにしてもよい。また、保護膜70を有機物質で形成する場合にはソース電極65とドレイン電極66との間の半導体層40が露出された部分に保護膜70の有機物質が接触することを防止するために、有機膜の下部に窒化シリコン(SiNx)または酸化シリコン(SiO)で構成された絶縁膜(図示せず)がさらに形成されるようにしてもよい。
【0061】
保護膜70にはドレイン電極拡張部67及びデータ線終端68をそれぞれ露出するコンタクトホール77、78が形成されており、保護膜70とゲート絶縁膜30にはゲート線終端24を露出するコンタクトホール74が形成されている。保護膜70上にはコンタクトホール77を介してドレイン電極66と電気的に接続されて、画素に位置する画素電極82が形成されている。データ電圧が印加された画素電極82は上部表示板の共通電極と共に電界を生成することによって画素電極82と共通電極と間の液晶層の液晶分子の配列を決定する。
【0062】
また、保護膜70上にはコンタクトホール74、78を介してそれぞれゲート終端24及びデータ終端68に接続されている補助ゲート終端84及び補助データ終端88が形成されている。画素電極82と補助ゲート及びデータ終端86、88はITOで構成されている。
【0063】
以下、本発明の一実施形態による薄膜トランジスタ基板の製造方法について図5A及び図5Bと、図6Aないし図9Bを参照しながら詳細に説明する。
【0064】
まず図6A及び図6Bに示したように、絶縁基板10上にITOまたはIZOなどの導電性酸化物で構成された導電層と銀(Ag)を含む導電層及びITOまたはIZOなどの導電性酸化物で構成された導電層を順次的に積層してそれぞれ下部導電性酸化膜221、241、261、271、銀(Ag)導電層222、242、262、272及び上部導電性酸化膜223、243、263、273のゲート三重膜22、24、26、27、28を形成する。
【0065】
このようなゲート三重膜22、24、26、27、28を形成する方法では前述した本発明の一実施形態による銀(Ag)配線形成方法での三重膜を形成する方法が適用される。
【0066】
続いて、前記ゲート三重膜をフォトエッチングする。前記エッチング工程はエッチング液を用いる湿式エッチングで行われ、前記エッチング液としては図1ないし図4の実施形態で適用されたエッチング液が適用されるので、これに対する重複説明は省略する。
【0067】
このような本発明の一実施形態によるエッチング液を用いるようにエッチングすれば、前記エッチング液は三重膜に対するエッチング選択比が高いながらもエッチング均一性が良好であるため、前述したようにゲート三重膜配線22、24、26、27、28の基板10に対する接着性に影響を与えず、鋭角の優れたテーパー角を有する側面プロファイルを形成することができる。
【0068】
これで、図6A及び図6Bに示したように、ゲート線22、ゲート電極26、ゲート終端24、維持電極27及び維持電極線28を含むゲート配線22、24、26、27、28が形成される。
【0069】
続いて、図7A及び図7Bに示したように、窒化シリコンで構成されたゲート絶縁膜30、真性非晶質シリコン層及び導電性を付与する不純物がドーピングされた非晶質シリコン層を、例えば、化学気相蒸着法を用いてそれぞれ1、50nm〜5、00nm、50nm〜2、00nm、30nm〜60nmの厚さに連続蒸着して、真性非晶質シリコン層とドーピングされた非晶質シリコン層とをフォトエッチングしてゲート電極(24)上部のゲート絶縁膜30上にアイランド状の半導体層40とオーミックコンタクト層55、56を形成する。
【0070】
ここでゲート絶縁膜30、真性非晶質シリコン層及び不純物がドーピングされた非晶質シリコン層を形成する段階は、約200℃以上の高温で行われるため、ゲート配線22、24、26、27、28に含まれている非晶質状態のITOが結晶質ITOに変わる。これで、導電性酸化膜221、241、261、271及び223、243、263、273と銀(Ag)導電層222、242、262、272との接着性がさらに増加する。
【0071】
続いて、図8A及び図8Bに示したように、ゲート絶縁膜30、露出した半導体層40及びオーミックコンタクト層55、56上にスパッタリングなどの方法でITOなどによって構成された下部導電性酸化膜621、651、661、671、681、銀(Ag)または銀(Ag)合金によって構成された銀(Ag)導電層622、652、662、672、682及びITOなどによって構成された上部導電性酸化膜623、653、663、673、683を順に積層したデータ三重膜62、65、66、67、68を形成する。ここで下部導電性酸化膜621、651、661、671、681、銀(Ag)または銀(Ag)合金で構成された銀(Ag)導電層622、652、662、672、682及び上部導電性酸化膜623、653、663、673、683の積層方法は、ゲート配線22、24、26、27、28を形成段階での下部導電性酸化膜221、241、261、271、銀(Ag)または銀(Ag)合金で構成された銀(Ag)導電層222、242、262、272及び上部導電性酸化膜223、243、263、273と同様であるのでその説明を省略する。
【0072】
続いて、前記データ三重膜をフォトエッチングする。前記エッチング工程はエッチング液を用いる湿式エッチングで行われ、前記エッチング液としては図1ないし図4の実施形態で適用されたエッチング液が同様に適用されるので、これに対する重複説明は省略する。
【0073】
このような本実施形態に適用されるエッチング液を用いるようにエッチングすれば、前記エッチング液は三重膜に対するエッチング選択比が高いながらもエッチング均一性が良好であるため、前述したようにデータ三重膜配線62、65、66、67、68のゲート絶縁膜30及びオーミックコンタクト層55、56に対する接着性に影響を与えず、鋭角の優れたテーパー角を有する側面プロファイルを形成することができる。
【0074】
これで、ゲート線22と交差するデータ線62、データ線62に接続されてゲート電極26上部まで延長されているソース電極65、データ線62の一側端に接続されているデータ終端68、ソース電極65と分離されていてゲート電極26を中心にしてソース電極65と向き合うドレイン電極66及びドレイン電極66から延長されて維持電極27と重なる広い面積のドレイン電極拡張部67を含むデータ配線62、65、66、67、68が形成される。
【0075】
続いて、データ配線62、65、66、67、68で遮らないドーピングされた非晶質シリコン層をエッチングしてデータ配線62、65、66、67、68をゲート電極26を中心にして両側に分離させる一方、両側のオーミックコンタクト層55、56間の半導体層40を露出させる。このとき、露出した半導体層40の表面を安定化させるために酸素プラズマを実施することが望ましい。
【0076】
続いて、図9A及び図9Bに示したように平坦化特性が優れ感光性を有する有機物質、プラズマ化学気相蒸着(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition;PECVD)で形成されるa−Si:C:O、a−Si:O:Fなどの低誘電率絶縁物質、または無機物質である窒化シリコン(SiNx)等を単一層または複数層で形成して保護膜(passivation layer)70を形成する。
【0077】
続いて、フォトエッチング工程によりゲート絶縁膜30と共に保護膜70をパターニングして、ゲート終端24、ドレイン電極拡張部67及びデータ終端68を露出するコンタクトホール74、77、78を形成する。このとき、感光性を有する有機膜である場合には写真工程だけでコンタクトホールを形成することができ、ゲート絶縁膜30と保護膜70に対して実質的に等しいエッチング比を有するエッチング条件で実施することが望ましい。
【0078】
続いて、最後に図5A及び図5Bに示したように、ITO膜を蒸着してフォトエッチングしてコンタクトホール77を介してドレイン電極66に接続される画素電極82とコンタクトホール74、78を介してゲート終端24及びデータ終端68とそれぞれ接続する補助ゲート終端84及び補助データ終端88を形成する。
【0079】
本実施形態ではゲート線とデータ線が下部導電性酸化膜、銀(Ag)導電層及び上部導電性酸化膜で構成される三重膜で形成された例を挙げて説明したが、ゲート線及びデータ線のうちいずれか一つだけ三重膜で形成される場合にも同様に適用することができる。また、前記ゲート線及びデータ線に対して下部導電性酸化膜、銀(Ag)導電層及び上部導電性酸化膜で構成される三重膜の例を挙げたが、前記導電性酸化膜は銀(Ag)導電層の上部及び下部のうちいずれか一つにだけ形成された多重膜であることもある。
【0080】
以上、半導体層とデータ配線を相異なるマスクを利用したフォトエッチング工程で形成する薄膜トランジスタ基板の製造方法を説明したが、半導体層とデータ配線を一つの感光膜パターンを利用したフォトエッチング工程で形成する薄膜トランジスタ基板の製造方法に対しても同様に適用することができる。これに対して図面を参照して詳細に説明する。
【0081】
まず、図10Aないし図19Bを参照して本発明の他の実施形態による製造方法により製造された薄膜トランジスタ基板の単位画素構造に対して詳細に説明する。
【0082】
図10Aは本発明の他の実施形態による製造方法により製造された薄膜トランジスタ基板のレイアウト図であって、図10Bは図10AのB−B’線に沿って切断した断面図である。
【0083】
まず、本発明の一実施形態と等しく絶縁基板10上にゲート信号を伝達する複数のゲート配線が形成されている。ゲート配線22、24、26、27、28は横方向にのびているゲート線22、ゲート線22の端に接続されていて外部からのゲート信号の印加を受けてゲート線に伝達するゲート終端24、ゲート線22に接続されて突起状に形成された薄膜トランジスタのゲート電極26、ゲート線22と平行に形成されている維持電極27及び維持電極線28を含む。維持電極線28は画素領域を横切って横方向にのびており、維持電極線28に比べて幅が広く形成されている維持電極27が接続される。維持電極27は後述する画素電極82に接続されたドレイン電極拡張部67と重なって画素の電荷保持能力を向上させる蓄積容量を形成する。このような維持電極27及び維持電極線28の形態及び配置などは多様な形態に変形することができ、画素電極82とゲート線22の重なりにより発生する蓄積容量が十分な場合、形成されないこともある。
【0084】
ゲート配線22、24、26、27、28は図5Aないし図9Bの実施形態と等しくインジウムスズオキサイド(Indium Tin Oxide;ITO)またはインジウムジンクオキサイド(Indium Zinc Oxide;IZO)等の導電性酸化物で構成された下部導電性酸化膜221、241、261、271、銀(Ag)または銀合金(Ag−alloy)で構成された銀(Ag)導電層222、242、262、272及びITOまたはIZOのような導電性酸化物で構成された上部導電性酸化膜223、243、263、273の三重膜で形成されている。
【0085】
基板10、ゲート配線22、24、26、27、28上には窒化シリコン(SiNx)等で構成されたゲート絶縁膜30が形成されている。
【0086】
ゲート絶縁膜30上には水素化非晶質シリコンまたは多結晶シリコンなどの半導体で構成された半導体パターン42、44、48が形成されており、半導体パターン42、44、48の上部にはシリサイドなどのn型不純物が高農度でドーピングされているn+水素化非晶質シリコンなどの物質からなるオーミックコンタクト層52、55、56、58が形成されている。
【0087】
オーミックコンタクト層52、55、56、58上にはデータ配線62、65、66、67、68が形成されている。データ配線62、65、66、67、68は縦方向に形成されてゲート線22と交差して画素を定義するデータ線62、データ線62の分枝であり、オーミックコンタクト層55の上部まで延長されているソース電極65、データ線62の一側端に接続されて外部からの画像信号を印加を受けるデータ終端68、ソース電極65と分離されていてゲート電極26または薄膜トランジスタのチャネル部に対してソース電極65の反対側オーミックコンタクト層56上部に形成されているドレイン電極66及びドレイン電極66から延長されて維持電極27と重なる広い面積のドレイン電極拡張部67を含む。
【0088】
このようなデータ配線62、65、66、67、68は前述したゲート配線22、24、26、27、28のようにITOのような導電性酸化物で構成された導電層621、651、661、671、681(以下、「下部導電性酸化膜」という)、銀(Ag)または銀合金(Ag−alloy)で構成された導電層622、652、662、672、682(以下、「銀(Ag)導電層」という)及びITOのような導電性酸化物で構成された導電層623、653、663、673、683(以下、「上部導電性酸化膜」という)の三重膜で形成されている。
【0089】
ソース電極65は半導体層40と少なくとも一部分が重なって、ドレイン電極66はゲート電極26を中心にしてソース電極65と対向して半導体層40と少なくとも一部分が重なる。ここで、オーミックコンタクト層55、56はその下部の半導体層40と、その上部のソース電極65及びドレイン電極66間に存在してコンタクト抵抗を低くめる役割をする。
【0090】
ドレイン電極拡張部67は維持電極27と重なるように形成されて、維持電極27とゲート絶縁膜30とを間に置いて蓄積容量が形成される。維持電極27を形成しない場合ドレイン電極拡張部67も形成しない。
【0091】
オーミックコンタクト層52、55、56、58はその下部の半導体パターン42、44、48とその上部のデータ配線62、65、66、67、68とのコンタクト抵抗を低減する役割をしており、データ配線62、65、66、67、68と完全に等しい形態を有する。
【0092】
一方、半導体パターン42、44、48は薄膜トランジスタのチャネル部を除けばデータ配線62、65、66、67、68及びオーミックコンタクト層52、55、56、58と等しい形状を有している。すなわち、薄膜トランジスタのチャネル部でソース電極65とドレイン電極66が分離されていてソース電極65下部のオーミックコンタクト層55とドレイン電極66下部のオーミックコンタクト層56も分離されているが、薄膜トランジスタ用半導体パターン44はここで切れなくて接続されて薄膜トランジスタのチャネルを生成する。
【0093】
データ配線62、65、66、67、68及びこれらが遮らない半導体パターン44上部には保護膜70が形成されている。保護膜70は例えば平坦化特性が優れた感光性(photosensitivity)を有する有機物質、プラズマ化学気相蒸着(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition;PECVD)で形成されるa−Si:C:O、a−Si:O:Fなどの低誘電率絶縁物質、または無機物質である窒化シリコン(SiNx)等で形成されるようにしてもよい。また、保護膜70を有機物質で形成する場合にはソース電極65とドレイン電極66間の半導体パターン44が露出された部分に保護膜70の有機物質が接触することを防止するために、有機膜の下部に窒化シリコン(SiNx)または酸化シリコン(SiO)で構成された絶縁膜(図示せず)がさらに形成されるようにしてもよい。
【0094】
保護膜70にはドレイン電極拡張部67及びデータ線終端68をそれぞれ露出するコンタクトホール77、78が形成されており、保護膜70とゲート絶縁膜30にはゲート線終端24を露出するコンタクトホール74が形成されている。
【0095】
また、保護膜70上にはコンタクトホール74、78を介してそれぞれゲート終端24及びデータ終端68に接続されている補助ゲート終端84及び補助データ終端88が形成されている。画素電極82と補助ゲート及びデータ終端86、88はITOで構成されている。
【0096】
以下、本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ基板の製造方法について図10A及び図10Bと図11Aないし図19Bを参照しながら説明するようにする。
【0097】
まず、図11A及び図11Bに示したように、図5Aないし図9Bの実施形態と同様にITOまたはIZOなどの導電性酸化物で構成された導電層と銀(Ag)を含む導電層及びITOまたはIZOなどの導電性酸化物で構成された導電層を順次的に積層してそれぞれ下部導電性酸化膜221、241、261、271、銀(Ag)導電層222、242、262、272及び上部導電性酸化膜223、243、263、273のゲート三重膜22、24、26、27、28を形成する。
【0098】
続いて、前記ゲート三重膜をフォトエッチングする。前記エッチング工程はエッチング液を用いる湿式エッチングで行われる。前記エッチング液は図1ないし図4の実施形態で適用されたエッチング液が適用されるので、これに対する重複説明は省略する。
【0099】
これで図11A及び図11Bに示したようにゲート線22、ゲート電極26、ゲート終端24、維持電極27及び維持電極線28を含むゲート配線22、24、26、27、28が形成される。
【0100】
続いて、図12に示したように窒化シリコンで構成されたゲート絶縁膜30、真性非晶質シリコン層40及びドーピングされた非晶質シリコン層50を例えば、化学気相蒸着法を利用してそれぞれ1、50nm〜5、00nm、50nm〜2、00nm、30nm〜60nmの厚さに連続蒸着する。続いて、ドーピングされた非晶質シリコン層50上にスパッタリングなどの方法でITOなどで構成された下部導電性酸化膜601、銀(Ag)または銀(Ag)合金で構成された銀(Ag)導電層602及びITOなどで構成された上部導電性酸化膜603を順に積層したデータ三重膜60を形成する。ここでデータ三重膜60の積層方法は図5Aないし図9Bの実施形態でのデータ三重膜の積層方法と等しい。
【0101】
続いて前記データ三重膜60の上部に感光膜110を塗布する。ここで、感光膜110はノボラック樹脂(novolac resin)であるようにしてもよい。
【0102】
続いて、図13Aないし図18を参照すると、マスクを通して感光膜110に光を照射した後、現像して、図13Bに示したように、感光膜パターン112、114を形成する。このとき、感光膜パターン112、114のうちで薄膜トランジスタのチャネル部、すなわちソース電極65とドレイン電極66と間に位置した第1部分114はデータ配線部、すなわちデータ配線が形成される部分に位置した第2部分112より厚さが薄くなるようにし、チャネル部とデータ配線部とを除いたその他部分の感光膜はすべて除去する。このとき、チャネル部に残っている感光膜114の厚さとデータ配線部に残っている感光膜112の厚さのと比は後述するエッチング工程での工程条件によって異なるようにしなければならないが、第1部分114の厚さを第2部分112の厚さの1/2以下にすることが望ましく、例えば、第1部分114の厚さは4、00nm以下であるようにしてもよい。
【0103】
このように、位置によって感光膜の厚さを異にする方法としては、種々の方法を用いることができ、光透過量を調節するために主にスリット(slit)や格子状のパターンを形成したり半透明膜を用いたりするようにしてもよい。
【0104】
このとき、スリット間に位置したパターンの線幅やパターン間の間隔、すなわちスリットの幅は露光時用いる露光機の分解能より小さいことが望ましく、半透明膜を用いる場合にはマスクを製作するとき、透過率を調節するために他の透過率を有する薄膜を用いたり厚さが異なった薄膜を用いたりするようにしてもよい。
【0105】
このようなマスクを通して感光膜に例えば36mmJだけ光を照射すれば、光に直接露出する部分では高分子が完全に分解されるが、スリットパターンや半透明膜が形成されている部分では光の照射量が少ないので高分子は完全分解されない状態となり、遮光幕で遮られた部分では高分子がほとんど分解されない。続いて感光膜を現像すると、高分子分子が分解されない部分だけが残って、光が少なく照射された中央部分には光に全く照射されない部分より薄い厚さの感光膜が残ることになる。このとき、露光時間を長くすればすべての分子が分解されるのでそのようにならないようにしなければならない。
【0106】
このような薄い厚さの感光膜114はリフローが可能な物質で構成された感光膜を用いて光が完全に透過することができる部分と光が完全に透過されない部分に分けられた通常的なマスクで露光した次に現像してリフローさせて感光膜が残留しない部分に感光膜の一部が流れ下がるようにすることによって形成するようにしてもよい。
【0107】
続いて、感光膜パターン114及びその下部の上部導電性酸化膜603、銀(Ag)導電層602及び下部導電性酸化膜601で構成されたデータ三重膜60に対するエッチングを行う。本エッチング工程は図5Aないし図9Bの実施形態でのデータ配線エッチング工程及び本実施形態でのゲート配線22、24、26、28、29形成のためのエッチング工程と実質的に等しく、これに対する重複説明は省略する。
【0108】
このようにすれば、図14に示したように、チャネル部及びデータ配線部の三重膜パターン62、64、67、68だけが残ってチャネル部及びデータ配線部を除いたその他部分の三重膜60はすべて除去されてその下部のドーピングされた非晶質シリコン層50が露出される。このとき残った三重膜パターン62、64、67、68はソース及びドレイン電極65、66が分離されなくて接続されている点を除けばデータ配線(図5Bの62、65、66、67、68)の形態と等しい。
【0109】
続いて、図15に示したように、チャネル部とデータ配線部を除いたその他部分の露出したドーピングされた非晶質シリコン層50及びその下部の真性非晶質シリコン層40を感光膜の第1部分114と共に乾式エッチング方法で同時に除去する。この時のエッチングは感光膜パターン112、114とドーピングされた非晶質シリコン層50及び真性非晶質シリコン層40が同時にエッチングされてゲート絶縁膜30はエッチングされない条件下で行なわなければならない。特に感光膜パターン112、114と真性非晶質シリコン層40に対するエッチング比がほとんど等しい条件でエッチングすることが望ましい。例えば、SFとHClの混合気体や、SFとOの混合気体を用いるとほとんど等しい厚さで両膜をエッチングすることができる。感光膜パターン112、114と真性非晶質シリコン層40に対するエッチング比が等しい場合第1部分114の厚さは真性非晶質シリコン層40とドーピングされた非晶質シリコン層50との厚さの和と同じであるかそれより小さくなければならない。このようにすれば、図15に示したように、チャネル部の第1部分114が除去されてソース/ドレイン用三重膜パターン64が露出されて、その他部分のドーピングされた非晶質シリコン層50及び真性非晶質シリコン層40が除去されてその下部のゲート絶縁膜30が露出される。一方、データ配線部の第2部分112もエッチングされるので厚さが薄くなる。
【0110】
続いて、アッシング(ashing)によりチャネル部のソース/ドレイン用三重膜パターン64表面に残っている感光膜残渣を除去する。
【0111】
続いて、図16に示したようにチャネル部の上部導電性酸化膜643、銀(Ag)導電層642及び下部導電性酸化膜641で構成された三重膜パターン64をエッチングして除去する。前記エッチング工程はエッチング液を用いる湿式エッチングで行われ、前記エッチング液としては図1ないし図4の実施形態で適用されたエッチング液が適用されるので、これに対する重複説明は省略する。
【0112】
続いて、ドーピングされた非晶質シリコンで構成されたオーミックコンタクト層をエッチングする。この時、乾式エッチングを用いるようにしてもよい。エッチング気体の例ではCFとHClの混合気体やCFとOの混合気体を挙げることができ、CFとOを用いると均一な厚さで真性非晶質シリコンで構成された半導体パターン44を残すことができる。この時、半導体パターン44の一部が除去されて厚さが薄くなることもあって感光膜パターンの第2部分112もある程度の厚さでエッチングされることができる。この時のエッチングはゲート絶縁膜30がエッチングされない条件で行なわなければならなく、第2部分112がエッチングされてその下部のデータ配線62、65、66、67、68が露出されることがないように感光膜パターンが厚いのが望ましいことはもちろんである。
【0113】
このようにすれば、ソース電極65とドレイン電極66が分離されながらデータ配線65、66とその下部のオーミックコンタクト層55、56が完成される。
【0114】
続いて、図17に示したようにデータ配線部に残っている感光膜第2部分112を除去する。
【0115】
続いて、図18に示したように保護膜70を形成する。
【0116】
続いて、図19A及び図19Bに示したように、保護膜70をゲート絶縁膜30と共にフォトエッチングしてドレイン電極拡張部67、ゲート終端24、及びデータ終端68をそれぞれ露出するコンタクトホール77、74、78を形成する。
【0117】
最後に、図10A及び図10Bに示したように、40nm〜50nm厚さのITO層を蒸着してフォトエッチングしてドレイン電極拡張部67に接続された画素電極82、ゲート終端24に接続された補助ゲート終端84及びデータ終端68に接続された補助データ終端88を形成する。
【0118】
一方、ITOを積層する前の予熱(pre−heating)工程で用いる気体としては窒素を用いることが望ましく、これはコンタクトホール74、77、78を介して露出された金属膜24、67、68の上部に金属酸化膜が形成されることを防止するためである。
【0119】
このような本発明の他の実施形態では本発明の一実施形態による効果だけでなくデータ配線62、65、66、67、68とその下部のオーミックコンタクト層52、55、56、58及び半導体パターン42、48を一つのマスクを用いて形成し、この過程でソース電極65とドレイン電極66を分離することによって製造工程を単純化することができる。
【0120】
本実施形態ではゲート線とデータ線が下部導電性酸化膜、銀(Ag)導電層及び上部導電性酸化膜で構成される三重膜で形成された例を挙げて説明したが、ゲート線及びデータ線のうちいずれか一つだけ三重膜で形成された場合にも同一に適用することができる。また、前記ゲート線及びデータ線に対して下部導電性酸化膜、銀(Ag)導電層及び上部導電性酸化膜で構成される三重膜の例を挙げたが、前記導電性酸化膜は銀(Ag)導電層の上部及び下部のうちいずれか一つにだけ形成された多重膜であるようにしてもよい。
【0121】
本発明による薄膜トランジスタ基板の製造方法は上述した実施形態以外にも色フィルター上に薄膜トランジスタアレイを形成するAOC(Array On Color filter)構造にも容易に適用することができる。
【0122】
以上添付した図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態に限られることはなく、相異なる多様な形態で製造されることができ、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は本発明の技術的思想や必須な特徴を変更しなくて他の具体的な形態で実施できるということを理解することができる。それゆえ、上述した実施形態はすべての面で例示的なことであって限定的でないことを理解しなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明のエッチング液は銀配線及び薄膜トランジスタ基板を製造するのに適用される。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明の一実施形態による金属配線形成方法の工程段階別断面図である。
【図2】本発明の一実施形態による金属配線形成方法の工程段階別断面図である。
【図3】本発明の一実施形態による金属配線形成方法の工程段階別断面図である。
【図4】本発明の一実施形態による金属配線のプロファイルを示す断面写真である。
【図5A】本発明の一実施形態による製造方法により製造された薄膜トランジスタ基板のレイアウト図である。
【図5B】図5AのB−B’線に沿って切断した断面図である。
【図6A】本発明の一実施形態による薄膜トランジスタ基板の製造方法を順次的に示したレイアウト図である。
【図6B】それぞれ図6Aないし図9AのB−B’線に沿って切断した断面図である。
【図7A】本発明の一実施形態による薄膜トランジスタ基板の製造方法を順次的に示したレイアウト図である。
【図7B】それぞれ図6Aないし図9AのB−B’線に沿って切断した断面図である。
【図8A】本発明の一実施形態による薄膜トランジスタ基板の製造方法を順次的に示したレイアウト図である。
【図8B】それぞれ図6Aないし図9AのB−B’線に沿って切断した断面図である。
【図9A】本発明の一実施形態による薄膜トランジスタ基板の製造方法を順次的に示したレイアウト図である。
【図9B】それぞれ図6Aないし図9AのB−B’線に沿って切断した断面図である。
【図10A】本発明の他の実施形態による製造方法により製造された薄膜トランジスタ基板のレイアウト図である。
【図10B】図10AのB−B’線に沿って切断した断面図である。
【図11A】本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ基板の製造方法を順次的に示したレイアウト図である。
【図11B】図11AのB−B’線に沿って切断した工程段階別断面図である。
【図12】図11AのB−B’線に沿って切断した工程段階別断面図である。
【図13A】本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ基板の製造方法を順次的に示したレイアウト図である。
【図13B】図13AのB−B’線に沿って切断した工程段階別断面図である。
【図14】図13AのB−B’線に沿って切断した工程段階別断面図である。
【図15】図13AのB−B’線に沿って切断した工程段階別断面図である。
【図16】図13AのB−B’線に沿って切断した工程段階別断面図である。
【図17】図13AのB−B’線に沿って切断した工程段階別断面図である。
【図18】図13AのB−B’線に沿って切断した工程段階別断面図である。
【図19A】本発明の他の実施形態による薄膜トランジスタ基板の製造方法を順次的に示したレイアウト図である。
【図19B】図19AのB−B’線に沿って切断した断面図である。
【符号の説明】
【0125】
10:絶縁基板
22:ゲート線
24:ゲート終端
26:ゲート電極
27:維持電極
28:維持電極線
30:ゲート絶縁膜
40:半導体層
55、56:接触性抵抗層
62:データ線
65:ソース電極
66:ドレイン電極
67:ドレイン電極拡張部
68:データ終端
70:保護膜
82:画素電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表示される物質、酢酸アンモニウム及び超純水を含むことを特徴とするエッチング液。
化学式1
M(OH)
(ただし、前記式でMはZn、Sn、Cr、Al、Ba、Fe、Ti、SiまたはBであり、Xは2または3であり、LはHO、NH、CN、COR、NHRであり、Yは0、1、2または3であり、Rはアルキル基である。)
【請求項2】
前記化学式1で表示される物質は0.1〜5重量%であって、前記酢酸アンモニウムの含有量は0.001〜0.1重量%であることを特徴とする請求項1に記載のエッチング液。
【請求項3】
更に、燐酸を60〜70重量%で含み、硝酸を0.5〜5重量%で含み、且つ酢酸を2〜10重量%で含むことを特徴とする請求項1または2に記載のエッチング液。
【請求項4】
基板上に導電性酸化膜及び銀(Ag)または銀(Ag)合金を含む導電層を具備する多重膜を形成し
前記多重膜を下記化学式1で表示される物質、酢酸アンモニウム及び超純水を含むエッチング液を用いてエッチングすることを含むことを特徴とする配線形成方法。
(化1)
M(OH)
(ただし、前記式でMはZn、Sn、Cr、Al、Ba、Fe、Ti、SiまたはBであり、Xは2または3であり、LはHO、NH、CN、COR、NHR であり、Yは0、1、2または3であり、Rはアルキル基である。)
【請求項5】
前記多重膜を形成することは前記基板上に前記導電性酸化膜、前記銀(Ag)または銀(Ag)合金を含む導電層及び前記導電性酸化膜を順次的に積層することを含むことを特徴とする請求項4に記載の配線形成方法。
【請求項6】
前記化学式1で表示される物質の含有量は0.1〜5重量%であり、且つ前記酢酸アンモニウムの含有量は0.001〜0.1重量%であることを特徴とする請求項4に記載の配線形成方法。
【請求項7】
更に、燐酸を60〜70重量%で含み、硝酸を0.5〜5重量%で含み、且つ酢酸を2〜し10重量%で含むことを特徴とする請求項4または6に記載の配線形成方法。
【請求項8】
前記基板は絶縁体または半導体で構成されることを特徴とする請求項4に記載の配線形成方法。
【請求項9】
前記エッチングは30〜50℃で行われることを特徴とする請求項4に記載の配線形成方法。
【請求項10】
前記エッチングは噴射方式で行われることを特徴とする請求項4に記載の配線形成方法。
【請求項11】
前記エッチングは30〜100秒間行われることを特徴とする請求項4に記載の配線形成方法。
【請求項12】
前記エッチングは前記多重膜を構成する膜を一括的にエッチングすることを特徴とする請求項4に記載の配線形成方法。
【請求項13】
前記導電性酸化膜はITOまたはIZOで構成されることを特徴とする請求項4に記載の配線形成方法。
【請求項14】
基板上に導電性酸化膜及び銀(Ag)または銀(Ag)合金を含む導電層を具備するゲート多重膜を形成して、前記ゲート多重膜をパターニングしてゲート配線を形成し、
前記基板及び前記ゲート配線上にゲート絶縁膜及び半導体層を形成し、
前記半導体層上に導電性酸化膜及び銀(Ag)または銀(Ag)合金を含む導電層を具備するデータ多重膜を形成して、前記データ多重膜をパターニングしてデータ配線を形成することを含み、
前記ゲート配線及び/または前記データ配線を形成する段階は下記化学式1で表示される物質、酢酸アンモニウム及び超純水を含むエッチング液を用いてエッチングすることを含むことを特徴とする薄膜トランジスタ基板の製造方法。
(化1)
M(OH)
(ただし、前記式でMはZn、Sn、Cr、Al、Ba、Fe、Ti、SiまたはBであり、Xは2または3であり、LはHO、NH、CN、COR、NHR であり、Yは0、1、2または3であり、Rはアルキル基である。)
【請求項15】
前記ゲート多重膜を形成することは前記導電性酸化膜、前記銀(Ag)または銀(Ag)合金を含む導電層及び前記導電性酸化膜を順次的に積層することを含むことを特徴とする請求項14に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項16】
前記データ多重膜を形成することは前記導電性酸化膜、前記銀(Ag)または銀(Ag)合金を含む導電層及び前記導電性酸化膜を順次的に積層することを含むことを特徴とする請求項14に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項17】
前記化学式1で表示される物質の含有量は0.1〜5重量%であり、前記酢酸アンモニウムの含有量は0.001〜0.1重量%であることを特徴とする請求項14に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項18】
更に、燐酸を60〜70重量%で含み、硝酸を0.5〜5重量%で含み、且つ酢酸2〜10重量%で含むことを特徴とする請求項14または17に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項19】
前記エッチングは30〜50℃で行われることを特徴とする請求項14に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項20】
前記エッチングは噴射方式で行われることを特徴とする請求項14に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項21】
前記エッチングは30〜100秒間行われることを特徴とする請求項14に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項22】
前記エッチングは前記多重膜を構成する膜を一括的にエッチングすることを特徴とする請求項14に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項23】
前記導電性酸化膜はITOまたはIZOで構成されることを特徴とする請求項14に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−344939(P2006−344939A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−121189(P2006−121189)
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】