説明

ナフタレン誘導体

【課題】カンノビノイド・レセプターの活性化が役割をもつか、または関与する疾患または症状の処置または予防用医薬を提供すること。
【解決手段】式(I)


(式中、XはS、S(O)、S(O)、S(O)NH、P(O)(OCH)、P(O)(OH)、NH、N(CH)、NHC(O)NH、C(O)、C(O)O、NHC(O)、CH(OH)、CH=N、CH=CH、CHNHまたはC(=NH)を示し;Rはアリールまたはヘテロアリールを示し;Rは水素、ORまたはNRを示す;その他の可変部は明細書に定義のとおりである。)
で示されるナフタレン誘導体の提供により、解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規ナフタレン誘導体、その製造方法、その医薬としての使用、およびそれらを含有してなる医薬組成物に関する。
【発明の開示】
【0002】
より詳しくは、本発明は第一の観点において、遊離塩基または酸付加塩の形態の式(I):
【化1】

(式中、
Xは−S−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)NH−、−P(O)(OCH)−、−P(O)(OH)−、−NH−、−N(CH)−、−NHC(O)NH−、−C(O)−、−C(O)O−、−NHC(O)−、−CH(OH)−、−CH=N−、−CH=CH−、−CHNH−または−C(=NH)−を示し;
はアリールまたはヘテロアリールを示し;
は水素、ORまたはNRを示し;
はC〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルを示し;
およびRは独立して水素、C〜CアルキルまたはC(O)C〜Cアルキルを示し;そして
は水素、シアノ、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、C(O)R、ORまたはNR10を示し;
はOH、C〜Cアルコキシ、NH、NHCHC(O)OHまたはアリールを示し;
は水素、C〜Cアルキル、C(O)C〜CアルキルまたはC(O)−アリールを示し;そして
およびR10は独立して水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルを示す;
ただし、Xが−C(O)−でありそしてRおよびRが水素であるか、あるいはRがHでありそしてRが4−メトキシである場合、Rは1−ナフチルまたは4−メトキシ−1−ナフチルではない。)
で示される化合物を提供する。
【0003】
アリールまたはヘテロアリールと理解されるのは、6員環、または2個の縮合6員環からなるか、または1個の6員環と1個の5員環からなる二環系環であり、その場合、1個以上のC原子が互いに独立して、酸素、窒素およびイオウからなる群より選択される原子と置き換わってもよい。例示としては、C〜C10アリール、C〜Cヘテロアリール、および5員もしくは6員の脂肪族もしくはヘテロ脂肪族環と縮合したCアリールであり、例えば、ナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニル、フェニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、ベンゾチアゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾトリアゾリル、インダニル、オキサジアゾリル、ピラゾリル、トリアゾリルおよびテトラゾリルなどである。
ヘテロシクロアルキルの例は、ピペリジニル、ピペラジニルおよびモルホリニルである。
【0004】
上記定義の化合物はその構造内に1個以上の置換基を担持し得ることが理解されよう;かかる置換基は、例えば、OH;ニトロ;ハロゲン;シアノ;COOH;C(O)NH;C(O)NHNHC(O)CH;C(NH)=NOH;C〜Cアルキル;S−C〜Cアルキル;C〜Cアルコキシ;フェニルなどのC〜C10アリール;オキサジアゾリルなどのC〜Cヘテロアリール;モルホリニルまたはピペリジニルなどのC〜C−N−ヘテロシクロアルキル;C(O)O−C〜CアルキルまたはNR1112(ただし、R11およびR12は独立して水素、C〜Cアルキル、C(O)NHO−C〜Cアルキル、C(O)−C〜CアルキルまたはSO−C〜Cアルキルを示す。)などから選択されるものであり、これらの置換基はさらにOH;ニトロ;NH;C〜Cアルキル;C〜Cアルコキシ;OHの置換したC〜Cアルコキシ;C〜Cシクロアルキル;N−(C〜Cアルキル);フェニル;またはモルホリニルにより置換されていてもよい。
【0005】
例えば、Rの意味において、アリールまたはヘテロアリールはOH;COOH;C(O)NH;ニトロ;ハロゲン;シアノ;C(NH)=NOH;C〜C−N−ヘテロアリール;C〜C−N−ヘテロシクロアルキル;C〜Cアルキル;S−C〜Cアルキル;C〜CアルコキシおよびNR1112(ただし、R11およびR12は独立して水素、C〜Cアルキル、C(O)NHO−C〜Cアルキル、C(O)−C〜CアルキルまたはSO−C〜Cアルキルを示す;ここでC〜Cアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜C−N−ヘテロシクロアルキルはさらにOH;C〜Cアルキル;C〜Cアルコキシ;OHの置換したC〜Cアルコキシ;C〜Cシクロアルキル;N−(C〜Cアルキル);フェニル;またはモルホリニルにより置換されていても未置換であってもよい)などから選択される1個以上の置換基により置換されていても、未置換であってもよい。
【0006】
の意味において、オキサジアゾリル、ピペラジニルまたはテトラゾリルはメチルにより置換されていてもよい。Rの意味において、C〜CアルキルはOH、C(O)O−C〜Cアルキル、モルホリニル、ピペリジニル、フェニルまたはオキサジアゾリルにより置換されていても、未置換であってもよく、この場合、フェニルおよびオキサジアゾリルはさらにC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ニトロ、NHまたはN(C〜Cアルキル)により置換されていても、未置換であってもよい。RまたはRの意味において、C〜Cアルキルはモルホリニルにより置換されていても、未置換であってもよい。Rの意味において、C〜CアルキルはC(O)OH、C(O)OCH、C(O)NHNHC(O)CHまたはC〜Cアルキルの置換したオキサジアゾールにより置換されていても、未置換であってもよい。
【0007】
本発明の化合物は遊離の形態または塩、例えば、酸付加塩の形態で存在する。本発明は、遊離の形態ならびに塩の形態、例えば、トリフルオロ酢酸塩または塩酸塩などの式(I)で示される化合物を包含すると理解される。本発明による医薬用途用の適切な薬学的に許容される酸付加塩は、特に塩酸塩である。
【0008】
式(I)においては以下の意味が独立して、または全体として、またはいずれかの組合せもしくは一部組合せにおいて好適である:
(a)Xは−S−、−S(O)−、S(O)−、−S(O)NH−、−P(O)(OCH)−、−P(O)(OH)−、−NH−、−N(CH)−、−NHC(O)NH−、−NHC(O)−、−C(O)−、−C(O)O−、−CH(OH)−、−CH=N−、−CH=CH−、−CHNH−または−C(=NH)−;取分け、−NH−、−C(O)−、−C(O)O−または−CHNH−、取分け好ましいのは−C(O)−または−C(O)O−である;
【0009】
(b)Rはフェニル、4−メトキシフェニル、2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル、2,3−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、4−[2−(モルホリン−4−イル)エトキシ]フェニル、4−[3−(ヒドロキシ)プロポキシ]フェニル、4−ブトキシフェニル、3−(NHC(O)NHOCH)−4−ペントキシフェニル、4−チオメチルフェニル、4−アセトアミドフェニル、ナフチル、4−カルボキシナフチル、4−アミノカルボニルナフチル、4−ヒドロキシナフチル、4−(C(NH)=NOH)−ナフチル、4−フルオロ−ナフト−1−イル、4−シアノナフチル、3−ニトロ−ナフト−1−イル、4−ニトロ−ナフト−1−イル、3−アミノ−ナフト−1−イル、4−アミノ−ナフト−1−イル、4−ジメチルアミノ−ナフト−1−イル、4−メトキシ−ナフト−1−イル、4−[4−(ヒドロキシ)ブトキシ]ナフチル、4−ペントキシ−ナフチル、4−[2−(モルホリン−4−イル)エトキシ]ナフチル、3−(ジメチルアミノ)ナフチル、3−メチルスルホンアミド−ナフチル、4−メチルスルホンアミド−ナフチル、4−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−ナフト−1−イル、4−(1H−テトラゾール−5−イル)−ナフチル、4−(ピラゾール−1−イル)−ナフチル、4−(イミダゾール−1−イル)−ナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−5−イル、インダン−4−イル、インドール−7−イル、キノリン−8−イル、キノリン−4−イル、キノリン−3−イル、キノリン−5−イル、イソキノリン−5−イル、イソキノリン−1−イル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−8−イル、6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル、5−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル、7−ペントキシ−ベンゾトリアゾール−4−イル、5,7−ジメチル−2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−イル、5−クロロ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−イル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−イル、2,1,3−ベンズオキサジアゾール−4−イル、7−ペントキシ−2,1,3−ベンゾキサジアゾール−4−イル、2−オキソ−7−ペントキシ−1,3−ジヒドロ−ベンズイミダゾール−4−イル、2−(NHCHフェニル)−7−ペントキシ−ベンズイミダゾール−4−イル、2−(NHCHシクロヘキシル)−7−ペントキシ−ベンズイミダゾール−4−イル、2−(NH(CH)N(CHCH))−7−ペントキシ−ベンズイミダゾール−4−イル、2−(NH(CH)CH)−7−ペントキシ−ベンズイミダゾール−4−イル、2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−7−ペントキシ−ベンズイミダゾール−4−イル、2−(NH(CH)OH)−7−ペントキシ−ベンズイミダゾール−4−イル、2−(NH(CH)O(CH)OH)−7−ペントキシ−ベンズイミダゾール−4−イル、2−メチル−7−ペントキシ−ベンズイミダゾール−4−イル、7−ペントキシベンズイミダゾール−4−イル;取分け、ナフチル、4−ヒドロキシナフチル、4−フルオロ−ナフト−1−イル、4−シアノナフト−1−イル、4−ニトロ−ナフト−1−イル、4−ジメチルアミノ−ナフト−1−イル、4−メトキシ−ナフト−1−イル、4−[4−(ヒドロキシ)ブトキシ]ナフチル、4−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−ナフト−1−イル、4−(ピラゾール−1イル)−ナフチル、4−(イミダゾール−1−イル)−ナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−5−イル、インダン−4−イル、キノリニル、キノリン−8−イル、キノリン−4−イル、イソキノリン−5−イル、7−ペントキシ−ベンゾトリアゾール−4−イル、5−クロロ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−イル、2−(NHCHフェニル)−7−ペントキシ−ベンズイミダゾール−4−イル、2−(NH(CH)CH)−7−ペントキシ−ベンズイミダゾール−4−イルまたは7−ペントキシベンズイミダゾール−4−イル、より好ましくは、ナフチル、4−フルオロ−ナフト−1−イル、4−シアノナフト−1−イル、4−ジメチルアミノ−ナフト−1−イル、4−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−ナフト−1−イル、4−(イミダゾール−1−イル)−ナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−5−イル、インダン−4−イル、キノリン−8−イル、イソキノリン−5−イルまたは5−クロロ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−イルである。
【0010】
(c)Rは水素、−O−(CH)CH、−O−(CH)CH、−O−(CH)CH、−O−(CH)CH、−O−(CH)CH、−O−(CH)CH(CH)、2−(モルホリン−4−イル)−エトキシ、2−(ピペリジン−1−イル)−エトキシ、2−(4−メトキシフェニル)−エトキシ、2−(フェニル)−エトキシ、2−(4−ニトロフェニル)−エトキシ、2−(4−ジメチルアミノフェニル)−エトキシ、2−(4−アミノフェニル)−エトキシ、2−(2−ニトロフェニル)−エトキシ、2−(2−アミノフェニル)−エトキシ、2−(2−ジメチルアミノフェニル)−エトキシ、3−(モルホリン−4−イル)−プロピルオキシ、3−(ピペリジン−1−イル)−プロピルオキシ、−O−(CH)C(O)OCHCH、−O−(CH)C(O)OCHCH、−O−(CH)OCHCH、−O−CHC(O)OCH、−O−CH−(2−メチル)−オキサジアゾール−5−イル、−O−CH−(2−エチル)−オキサジアゾール−5−イル、−O−CH−(2−プロピル)−オキサジアゾール−5−イル、O−CHCH=CHCHCH(Z)および(E)、−O−(CH)OH、−O−(CH)OH、−O−(CH)OH、−N−[2−(モルホリン−4−イル)−エチル]−N−(CH)CH、−NH−(CH)CH、−NH−(CH)CH、−NHC(O)(CH)CH、−N(CH)(CH)CHまたは−N(CH)(CH)CH;取分け、水素、−O−(CH)CH、−O−(CH)CH、−O−(CH)CH、−O−(CH)CH、−O−(CH)CH(CH)、2−(モルホリン−4−イル)−エトキシ、O−CHCH=CHCHCH(Z)および(E)、−NH−(CH)CH、−NH−(CH)CH、−N(CH)(CH)CHまたは−N(CH)(CH)CH;より好ましくは、−O−(CH)CH、−O−(CH)CH、−O−(CH)CH(CH)、−O−CHCH=CHCHCH(Z)および(E)、−NH−(CH)CH、−NH−(CH)CH、−N(CH)(CH)CHまたは−N(CH)(CH)CHである。
【0011】
(d)Rは水素、7−OH、8−OH、7−OCH、7−OCHC(O)OH、7−OCHC(O)OCH、7−OCHC(O)NHNHC(O)CH、7−[−O−CH−(2−メチル)−1,3,4−オキサジアゾール−5−イル]、7−OC(O)CH、7−OC(O)−ナフチル、3−C(O)OH、7−C(O)OH、3−C(O)OCH、7−C(O)NH、8−OC(O)−ナフチル、3−C(O)NHCHC(O)OH、7−シアノ、6−NH、7−NH、6−N(CH)、7−N(CH)、6−NHCHCH=CH、6−N(CHCH=CH)、7−(ピペラジン−1−イル)、7−(4−メチルピペラジン−1−イル)、7−(1H−テトラゾール−5−イル)、7−(1−メチル)テトラゾール−5−イル)、7−(2−メチル)テトラゾール−5−イル)または7−(2−メチル)−1,3,4−オキサジアゾール−5−イル;取分け、水素、7−OH、8−OH、7−OC(O)CHまたは6−NHCHCH=CH;より好ましくは、水素、7−OHまたは7−OC(O)CHである。
【0012】
前記に加えて、本発明は式(I)で示される化合物の製造方法をも提供するが、該方法はアリールまたはヘテロアリール部分を、適切な置換基を有するナフタレンに結合させ、要すればさらに当業者周知の方法に従って誘導体形成することを特徴とする。
【0013】
さらに詳しくは、本発明は式(I)で示される化合物の製造方法であって、
(a)式(II):
【化2】

(式中、Rは上記に定義したとおりであり、R13は−OH、−SH、−I、−Cl、1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン−、−COOH、−NH、−H、−カルボニトリル、−O−トリフルオロメタンスルホニル、または−C(O)Clを示す。)
で示される化合物と、式(III):
【化3】

(式中、RおよびRは上記に定義したとおりであり、Yは−O−、−S(O)O−、P(O)(OCH)−、単結合、−C(O)O−、−C(O)−、または−B(OH)を示し、R14は、例えば、水素、−Iまたは−Clを示す。)
で示される化合物とを反応させ、式(Ia):
【化4】

(式中、R、RおよりRは上記に定義したとおりであり、X'は−CO−、−S−、−P(O)(OCH)−、−NH−、−S(O)NH−、−C(O)O−、−CH=N−、−CH(OH)−、−NHC(O)NH−、−C(=NH)−、または(Rの窒素原子に結合する場合)−S(O)−を示す。)
で示される化合物とする工程;または
(b)式(Ia)で示される化合物を式(Ib):
【化5】

(式中、R、RおよりRは前記に定義したとおりであり、X''は−SO−、−S(O)−(R=Cで相手方に結合する場合、工程(b)を介して得られる)、−N(CH)−、−P(O)(OH)−、−CHNH−、−CH=CH−、または(Rの窒素原子に結合する場合)−S(O)−を示す。)
で示される化合物に変換する工程;
およびこのように得られた式(Ia)および(Ib)で示される化合物を遊離の形態または塩の形態で取得する工程;
を含んでなることを特徴とする製造方法を提供する。
【0014】
工程(a)は常套の手法、例えば、実施例1〜14に記載の手法に従って実施すればよい。
【0015】
工程(b)によると、
(i)式(Ib)においてX’’が−SO−または−S(O)−である化合物の製造には、式(Ia)においてX’が−S−である化合物およびm−クロロ過安息香酸を、例えば、実施例2に記載のように使用することができる;
(ii)式(Ib)においてX’’が−P(O)(OH)−である化合物の製造には、式(Ia)においてX' が−P(O)(OCH)−である化合物とヨウ化トリメチルシリルを、例えば、実施例3に記載のように使用することができる;
(iii)式(Ib)においてX’’が−N(CH)−である化合物の製造には、式(Ia)においてX' が−NH−である化合物とヨウ化メチルを、例えば、実施例4に記載のように使用することができる;
(iv)式(Ib)においてX’’が−CHNH−である化合物の製造には、式(Ia)においてX' が−CH=N−である化合物とBH−ピリジンとを、例えば、実施例8に記載のように使用することができる。
【0016】
反応混合物の後処理およびこのようにして得られた化合物の精製は、既知の手法に従って実施することができる。
【0017】
酸付加塩は既知方法に従い、遊離塩基から製造し得るが、その逆も同様である。本発明に使用し得る適切な酸付加塩は、例えば、塩酸塩である。
【0018】
式(II)および(III)で示される原料化合物は、例えば、実施例2、3、5、6、12、13および14に記載のように製造し得る;あるいはこれらは既知化合物であるか、または既知手法と同様の方法で製造することができる。
【0019】
以下本明細書にて本発明の薬品とする本発明の化合物およびその薬学的に許容される酸付加塩は、インビトロおよび動物試験を実施した場合、有用な医薬としての性質を示し、従って、医薬として有用である。
【0020】
特に、本発明の薬品はカンナビノイド(CB)レセプター結合活性を示す。さらに詳しくは、本発明の薬品はヒトCBレセプターにて活性である。本発明薬品のカンナビノイド・レセプター相互作用は、例えば、以下の試験方法により証明されるように、例えば、pEAK細胞に発現されるヒトカンナビノイド・レセプターから、例えば、[H]CP55940に置き換える能力により証明することができる。
【0021】
試験I:CB1レセプター結合アッセイ
アッセイ混合物は、75μlの膜懸濁液[レセプターバイオロジー、ベルツビル(Beltsville)、メリーランドからのヒトCB1レセプターを移入したpEAK細胞からの膜;アッセイバッファー(50mM−トリス−HCl、2.5mM−EDTA、5mM−MgCl、5mg/mlのBSA)中133μg/ml、約10μg/ウエル]、25μlのWGA−YSビーズ[麦芽アグルチニン被服したケイ酸イットリウムのビーズ、アマーシャム(Amersham)(40mg/ml、1mg/ウエル)]、4%DMSO中の試験化合物50μl、および50μlの放射性リガンド[H]CP55940(180Ci/mmol)(ニューイングランド・ヌクレアー;アッセイバッファー中最終濃度0.125nM)から構成される。すべての成分を混合し、室温で2時間振盪し、次いで、トップカウント上で計測した。非飽和性結合を、(R)−(+)−[2,3−ジヒドロ−5−メチル−3−[(4−モルホリニル)メチル]ピロロ[1,2,3−de]−1,4−ベンズオキサジン−6−イル](1−ナフタレニル)メタノン(トクリス;Tocris)10μMの存在下に測定する。
【0022】
値は本発明薬品に対し、1nMないし100μMの範囲、好ましくは10nMないし2μMの範囲にある。IC50値はロジスティック・フィットを用い、オリジン(ORIGIN)により計算する。K値はチェン−プルッソフ(Cheng-Prussoff)の等式(K=IC50/(1+([L]/Kd))(ただし、[L]はリガンド濃度である)を用い、IC50から計算する。
【0023】
本発明の薬品は慢性の疼痛、取分け、炎症、例えば、慢性炎症性疼痛、炎症性疾患、例えば、炎症性気道疾患、例えば、COPD、または喘息、鼻炎、炎症性腸疾患、膀胱炎、例えば、間質性膀胱炎、膵炎、ブドウ膜炎、炎症性皮膚障害およびリウマチ性関節炎などの処置または予防に特に有用である。
【0024】
取分け鎮痛剤としての活性は、例えば、以下の試験に記載のように、標準的な試験方法により確認することができる。
【0025】
試験II:神経障害性疼痛モデル
痛覚過敏は、セルツァー(Seltzer)ら(1990)記載のように坐骨神経の部分的結紮により誘導した神経障害性疼痛のモデルにより実験した。簡単に説明すると、ウイスターラット(120〜140g)を麻酔し、大腿中央平坦部を小さい範囲で切開して左坐骨神経を露出し、神経の太さの1/3ないし1/2まで7.0絹縫合糸でしっかりと結紮する。傷口を単一筋縫合および皮膚クリップにより閉鎖し、オーレオマイシン抗生剤粉末を塗布した。動物を回復させ、術後12〜15日間使用する。
【0026】
機械的痛覚過敏はカットオフ値250gの無痛覚計(ウゴ−バシル(Ugo-Basile)、ミラノ)を使用して、足の背面に置いた加圧刺激を増大させ、足を引っ込める限界を測定することにより評価する。引っ込め限界値は、同側(結紮)の足と対側(非結紮)の足の両方について、薬物またはビークルの投与前(プリドーズ)および投与後6時間までに測定する。データは引っ込め限界値(g)および痛覚過敏の逆転パーセントで表し、以下の式により計算する。
【数1】

効力はD50値として、すなわち痛覚過敏を50%逆転させるのに必要な化合物の用量として表す。
50値は本発明の薬品に対し0.1mg/kgないし100mg/kgの範囲である。
【0027】
このように、本発明の薬品はカンナビノイド・レセプターのアゴニストとして有用であり、例えば、種々の発生と病因による疼痛の処置に、また炎症性反応、疾患または症状の処置ならびにアレルギー応答処置のための抗炎症剤および/または抗浮腫剤として有用である。これらの鎮痛/抗炎症性プロフィルを考慮すると、該薬品は炎症性疼痛の処置、痛覚過敏の処置、および特に重症の慢性疼痛の処置に有用である。該薬品は、例えば、火傷、捻挫、骨折などと関連する外傷の結果としての疼痛、炎症および/または浮腫の処置、外科手術後の疼痛などに、例えば、術後の鎮痛剤として、同様に、多様な発生による炎症性疼痛の処置に、例えば、骨および関節痛(骨関節症)、リウマチ性関節炎、リウマチ性疾患、腱鞘炎、痛風、癌疼痛、筋膜痛(筋肉損傷、線維筋肉痛)、慢性神経障害性疼痛、例えば、糖尿病末梢神経障害、幻影肢疼痛および手術時疼痛(一般的手術、婦人科手術)などの処置に有用である。これらはさらに、例えば、アンギナ、月経または癌と関連する疼痛の処置用鎮痛剤として適している。抗炎症/抗浮腫剤として、これらはさらに、例えば、炎症性皮膚障害、例えば、乾癬および湿疹などの処置に有用である。
【0028】
また、本発明の薬品は平滑筋弛緩剤として、例えば、胃腸管または子宮の痙縮の処置に、例えば、緑内障/眼内圧の処置に、例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎または膵炎の処置に、また例えば、多発性硬化症における筋肉痙性および振戦の処置に有用である。
【0029】
上記の効能効果に対する本発明薬品の適正な用量は、勿論、例えば、宿主、投与形態および処置すべき症状の性質と重篤度、ならびに採用する本発明特定薬品の相対的効力によって変わり得る。例えば、必要な活性薬剤の量は、既知のインビトロおよびインビボ技法に基づき決定し得るが、どのくらいの期間、血漿中の特定活性薬剤濃度が、治療効果にとって許容し得るレベルで残存するかを測定する。一般に、動物での満足すべき結果は、約0.01ないし約20.0mg/kgの経口用量で得られることが判明する。ヒトでの適応日用量は約0.7ないし約1400mg/kg(経口)の範囲であり、例えば、約50〜200mg(70kgのヒト)を1日1回または4回までの個別投与で、あるいは持続性放出形態で常法どおり投与する。経口投与形態は、従って、適切には約1.75または2.0mgないし700または1400mgの本発明薬品を適正な薬学的に許容される希釈剤または担体と混合したものからなる。
【0030】
本発明の薬品は別のルートとして、例えば、上記の皮膚症状を処置するために、クリーム、ゲル剤などの形態で局所的に投与するか、または、例えば、喘息の処置のために乾燥粉末の形態で吸入により投与することもできる。
【0031】
本発明の薬品を含有してなる組成物の例は、例えば、式(I)で示される化合物の塩酸塩を0.1ないし1%の範囲、例えば、0.5%含有する、例えば、固形分散体、例えば、可溶化剤を含有する水溶液、ミクロエマルジョンおよび懸濁液などである。該組成物は適切なバッファーによりそのpHを、例えば、3.5ないし9.5の範囲、例えば、pH4.5に緩衝化することができる。
本発明の薬品は研究用化学薬品としても有用である。
【0032】
本発明の薬品はインビボで単独で、またはCBレセプターの活性化が役割をもつか、または関与する疾患および症状の処置に有効な他の薬剤との併用で投与することができる。他の薬剤とは、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)インヒビター、例えば、特異COX−2インヒビター(例:セレコキシブ(celecoxib)およびロフェコキシブ(rofecoxib))および非ステロイド抗炎症性薬物(NSAID)(例:アセチルサリチル酸、プロピオン酸誘導体)、バニロイド・レセプターアンタゴニスト、三環性抗うつ剤(例:アナフラニル(Anafranil;登録商標)、アセンジン(Asendin;登録商標)、アベンチル(Aventyl;登録商標)、エラビル(Elavil;登録商標)、エンデプ(Endep;登録商標)、ノルフラニル(Norfranil;登録商標)、ノルプラミン(Norpramin;登録商標)、パメロアー(Pamelor;登録商標)、シネクアン(Sinequan;登録商標)、スルモンチル(Surmontil;登録商標)、チプラミン(Tipramine;登録商標)、トフラニール(Tofranil;登録商標)、ビバクチル(Vivactil;登録商標)、トフラニール−PM(登録商標))、抗痙攣剤(例:ガバペンチン(gabapentin))、およびGABAアゴニスト(例:L−バクロフェン(L-baclofen))などである。
【0033】
併用パートナーの個別投与用医薬組成物および固定併用投与用医薬組成物、例えば、少なくとも2種の併用パートナーを含有してなる単一ガレヌス製剤組成物は、本発明により、それ自体既知の方法で調製可能であり、ヒトを含む哺乳動物に対して経口または直腸投与などの経腸投与に適した組成物、および非経口投与に適した組成物であって、治療有効量のすくなくとも1種の薬理活性併用パートナーのみと、または1種以上の、特に経腸または非経口投与に適した薬学的に許容される担体と併用して含有するものである。
【0034】
新規医薬組成物は、例えば、約0.1%ないし約99.9%、好ましくは約20%ないし約60%の活性成分を含む。経腸または非経口投与用併用療法のための医薬製剤は、例えば、単位投与形態、例えば、糖衣錠、錠剤、カプセルまたは座剤、およびさらにアンプル剤である。特に表示しない限り、これらはそれ自体既知の方法、例えば、常套の混合、顆粒化、糖衣、溶解または凍結乾燥方法により調製される。各投与形態の個々の用量に含まれる併用パートナーの単位含量は、それ自体で有効量を構成する必要はない、その理由は、それらは複数の投与単位を投与することで必要な有効量に到達し得るからである。
【0035】
取分け、治療有効量の各併用パートナーは同時にまたは連続的に、また如何なる順序でも投与可能であり、その成分は別個にまたは定まった組合せで投与することができる。例えば、本発明による増殖性疾患の進行を遅延させる、または処置する方法は、(i)併用パートナーの投与を(a)遊離または薬学的に許容される塩の形態で行うこと;また(ii)併用パートナーの投与を(b)遊離または薬学的に許容される塩の形態で同時にまたは連続的にある順序で、両者での治療有効量を、好ましくは相乗的有効量を、例えば、本明細書に記載の量に相当する日用量を投与することからなる。個々の併用パートナーは治療の過程で別個に異なる時点で投与し得るし、または分割もしくは単一の併合形態で同時に投与することもできる。さらに、投与するという語彙は、インビボで併用パートナーにそのまま変換する併用パートナーのプロドラッグの使用をも包含する。従って、本発明は同時または交互処置のこのような処方をすべて包含すると理解すべきであり、“投与する”という語彙はそのように解釈される。
【0036】
使用する併用パートナーそれぞれの有効用量は、採用する特定の化合物もしくは医薬組成物、投与方式、処置すべき症状、処置すべき症状の重篤度などによって変わり得る。従って、投与処方は投与経路および患者の腎臓・肝臓の機能など種々のファクターに対応して選択する。通常レベルの医師、臨床家または獣医師は、当該症状の進行を予防し、対応し、または阻止するために必要な単一活性成分の有効量を容易に決定し、処方することができる。毒性を生じさせずに効力を生じる範囲内で活性成分濃度をもっとも確かなものとするには、標的部位に対する活性成分の利用能の動態に基づく処方を必要とする。一般に、動物での満足し得る結果は、約0.01ないし約20.0mg/kg(経口)の日用量で得られることを示している。ヒトでの適応日用量は、約0.7ないし約1400mg/日(経口)の範囲であり、例えば、約50〜200mg(70kgのヒト)を1日1回または4回までの個別投与で、あるいは持続性放出形態で常法どおり投与する。経口投与形態は、従って、適切には約1.75または2.0mgないし700または1400mgを含有してなる。
【0037】
上記のとおり、本発明は以下の発明を提供する:
(1)カンナビノイド・レセプターアゴニストとして使用、例えば、上記に説明した特定の効能・効果のいずれかに使用する本発明薬品;
(2)活性成分としての本発明薬品を、薬学的に許容される希釈剤または担体とともに含有してなる医薬組成物。かかる組成物は常套の方法で製造することができる。
(2') 本発明薬品および担体とを含有してなる、カンナビノイド・レセプターの活性化が役割をもつか、または関与する疾患または症状の処置または予防用の医薬組成物。
【0038】
(3)本発明薬品の有効量を投与することからなる上記に説明した特定の効能・効果のいずれかにより、それを必要とする対象を処置する方法;
(3')カンナビノイド・レセプターの活性化が役割をもつか、または関与する疾患または症状の処置または予防方法であって、本発明薬品の治療有効量を、それを必要とする哺乳動物に投与することを特徴とする方法。
【0039】
(4)カンノビノイド・レセプターの活性化が役割をもつか、または関与する疾患または症状の処置または予防用医薬の製造における本発明薬品の使用。
(5)治療有効量のCBアゴニスト、例えば、本発明薬品および第二の医薬物質の同時投与、例えば、同時にまたは連続して投与することからなる上記定義の方法であって、当該第二の医薬物質が、例えば、上記に説明した特定の効能・効果のいずれかに使用するものであることを特徴とする方法。
【0040】
(6)治療有効量のCBアゴニスト、例えば、本発明薬品、および第二の医薬物質を含有してなる組合せ剤であって、当該第二の医薬物質が、例えば、上記に説明した特定の効能・効果のいずれかに使用するものであることを特徴とする組合せ剤。
【0041】
本発明に従って使用する式(I)で示される好適な化合物は実施例1の化合物である。本化合物は強力なCBアゴニスト、特にインビトロでのCBアゴニスト(K=0.015±0.004μM)である。実施例1の化合物による試験IIの神経障害性疼痛のD50値は0.18mg/kg(経口)である。
【0042】
実施例にて使用される略語
BINAP:2,2'−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1'−ビナフチル
DCM:ジクロロメタン
DIAD:アゾジカルボン酸ジイソプロピル
DIEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMAP:4−ジメチルアミノピリジン
DMF:ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
DPEphos:ビス[(2−ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル
DPPA:ジフェニルホスフォリルアジド
MCPBA:m−クロロ過安息香酸
MS4Å:モレキュラーシーブス4Å
PdCldppf・CHCl:1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン複合体
Pddba:トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
Pd(PPh):テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
THF:テトラヒドロフラン
t−BuOK:カリウムt−ブトキシド
【0043】
本発明を以下の実施例により説明する。
実施例1
ナフタレン−1−イル−(4−ペンチルオキシ−ナフタレン−1−イル)−メタノンの調製
(a)1−ナフトール20g、NEt21.2mlおよび4−ジメチルアミノピリジン1.7gを塩化メチレン300mlに室温で溶解する。この溶液を10℃に冷却し、塩化メチレン100ml中の塩化ナフトイル20.9mlを15分間で滴下する。常法どおりに後処理して、ナフタレン−1−イル−(ナフタレンオキシ−1−イル)−メタノンを得る。
【0044】
(b)塩化アルミニウム14.3gおよびトルエン100mlからなる懸濁液にナフタレン−1−イル−(ナフタレンオキシ−1−イル)−メタノン29.0gを分割添加し、140℃で2時間撹拌する。常法どおりに後処理して、ナフタレン−1−イル−(4−ヒドロキシ−ナフタレン−1−イル)−メタノンを得る。
【0045】
(c)ナフタレン−1−イル−(4−ヒドロキシ−ナフタレン−1−イル)−メタノン11.0gおよび炭酸カリウム6.1gをアセトン130ml中、還流下15分間撹拌する。次いで、1−ブロモペンタン6.8mlとアセトン20mlからなる溶液を2分以内に加え、懸濁液をさらに22時間還流下に撹拌する。常法どおりに後処理して、引き続くクロマトグラフィーによりナフタレン−1−イル−(4−ペンチルオキシ−ナフタレン−1−イル)−メタノンを得る。
【0046】
融点:72〜75℃(プロパン−2−オール);HPLC保持時間:8.15分[HPLC法:キングソルブ(Kingsorb)3ミクロンC18カラム(30×4.6mm)。勾配溶離:10〜100%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸/水、7分;次いで100%アセトニトリル、3分]
H−NMR(400MHz,CDCl):δ9.02(d,1H)、8.43(d,1H)、8.25(d,1H)、8.01(d,1H)、7.95(d,1H)、7.70(t,1H)、7.62−7.50(m,6H)、6.68(d,1H)、4.19(t,2H)、2.0−1.94(m,2H)、1.6−1.54(m,2H)、1.49−1.44(m,2H)、0.99(t,3H)。
MSm/z(%):369.1(M+H、100);IR(ν、cm−1):1633(C=O)
【実施例】
【0047】
以下の実施例において、式(I)で示される化合物の中、Rが−O−(CH)CHである化合物が本発明において製造される(Ex.=実施例)。
【0048】
【表1】

【表2】

【0049】
式(I)で示される化合物の中、XがC(O)である以下に例示する化合物が本発明において製造される:
【0050】
【表3】

【表4】

【0051】
式(I)で示される化合物の中、XがC(O)で、Rが水素である以下に例示する化合物が本発明において製造される:
【0052】
【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【0053】
式(I)で示される化合物の中、XがC(O)である以下に例示する化合物が本発明において製造される:
【0054】
【表9】

【0055】
取分け、これらの化合物は以下の製造例に従って製造される。
製造例1
ケトンの合成
製造は実施例1に従って実施するが、さらに以下の実施例に適用し得る:29、81、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、121、122、123、124、125、128、129、130、131、132、135、136、137、138、140、142、143、144、147、148、149。
【0056】
実施例2
スルフィド、スルホンおよびスルホキシドの合成
実施例2、3、4、7、8、9、10、12、17、18および19に適用可能
(a)1−ヨード−4−ペンチルオキシ−ナフタレン:1−ペンチルオキシ−ナフタレン(6.41g、29.9mmol)とアセトニトリル(120mL)の溶液をN−ヨードコハク酸イミド(10.1g、44.9mmol)で処理し、82℃で6時間撹拌する。反応混合物を室温まで冷却した後、1M−KHCO(185mL)とトルエン(2×185mL)間に分配する。有機相を水洗し、NaSOで乾燥し、濃縮する。フラッシュ・クロマトグラフィー(シクロヘキサン)により淡赤色結晶9.0g(89%)を得た。EI−MS(m/z)340(M)。
【0057】
(b)1−(1−ナフタレンスルファニル)−4−ペンチルオキシ−ナフタレン:1−ヨード−4−ペンチルオキシ−ナフタレン(0.68g、2.0mmol)、t−BuOK(0.40g、3.0mmol)、1−ナフチルチオール(0.48g、3.0mmol)、DPEphos:(120mg)、Pddba(80mg)およびトルエン(16mL)からなる溶液を90℃で2時間加熱する。反応混合物を室温まで冷却した後、水(16mL)洗浄し、ハイフロ(Hyflo)上で濾過する。有機相をNaSOで乾燥し、濃縮する。フラッシュ・クロマトグラフィー(シクロヘキサン/アセトン)により無色結晶0.62g(80%)を得た。
【0058】
(c)1−(1−ナフタレンスルフィニル)−4−ペンチルオキシ−ナフタレン:1−(1−ナフタレンスルファニル)−4−ペンチルオキシ−ナフタレン(112mg、0.3mmol)とDCM(3mL)との溶液をMCPBA(74mg、0.3mmol)とともに0℃で2時間撹拌する。反応混合物をDCM(3mL)と1M−KHCO(6mL)に分配する。有機相を水(3mL)洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮する。フラッシュ・クロマトグラフィー(シクロヘキサン/アセトン)により無色結晶94mg(80%)を得た。
【0059】
(d)1−(1−ナフタレンスルホニル)−4−ペンチルオキシ−ナフタレン:1−(1−ナフタレンスルファニル)−4−ペンチルオキシ−ナフタレン(112mg、0.3mmol)とDCM(3mL)との溶液をMCPBA(148mg、0.9mmol)とともに0℃で2時間、さらに室温で2時間撹拌する。反応混合物をDCM(3mL)と1M−KHCO(6mL)に分配する。有機相を水(3mL)洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮する。フラッシュ・クロマトグラフィー(シクロヘキサン/アセトン)により無色結晶91mg(73%)を得た。
【0060】
実施例3
ホスフィン酸エステルの合成
実施例5、6、14、15、16、10、20、21および23に適用可能
(a)(4−ペンチルオキシ−ナフタレン−1−イル)ホスフィン酸メチルエステル:乾燥結晶性HPO(1.46g、21.9mmol)とトルエン/THF(1:1、11mL)との溶液をHC(OMe)(9.6mL、87.7mmol)で処理し、0℃で1時間、さらに室温で2時間撹拌する。この混合物を1−ヨード−4−ペンチルオキシ−ナフタレン(3.65g、10.7mmol)とNEt(1.64mL、11.8mmol)とのアセトニトリル(27ml)の溶液に加える。(PhP)PdCl(376mg、0.54mmol)を添加し、反応混合物を4時間90℃に加熱する。室温に冷却した後、反応混合物を濃縮する。フラッシュ・クロマトグラフィー(DCM/メタノール)により褐色油状物2.16g(69%)を得る。EI−MS(m/z)292(M)。
【0061】
(b)ナフタレン−1−イル−(4−ペンチルオキシ−ナフタレン−1−イル)ホスフィン酸メチルエステル:(4−ペンチルオキシ−ナフタレン−1−イル)ホスフィン酸メチルエステル(339mg、1.2mmol)、NEt(0.18mL、1.3mmol)、ヨウ化1−ナフチル(0.17mL、1.2mmol)、DPEphos:(81mg)、Pddba(60mg)およびアセトニトリル(3mL)からなる溶液を90℃で3時間加熱する。室温に冷却した後、反応混合物を水(6mL)とトルエン(2×6mL)に分配する。併合した有機相を水(6mL)洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮する。フラッシュ・クロマトグラフィー(DCM/メタノール)により淡黄色油状物246mg(50%)を得る。
【0062】
(c)ナフタレン−1−イル−(4−ペンチルオキシ−ナフタレン−1−イル)ホスフィン酸:ナフタレン−1−イル−(4−ペンチルオキシ−ナフタレン−1−イル)ホスフィン酸メチルエステル(156mg、0.38mmol)とアセトニトリル(1.5mL)との溶液をヨウ化トリメチルシリル(0.1mL、0.75mmol)で処理し、室温で1時間撹拌する。反応混合物を1M−NaCO(4mL)とトルエン(4mL)に分配する。有機相をHCl溶液(1.5mL)で酸性とし、トルエン(2×4mL)で抽出する。併合した抽出液をNaSOで乾燥し、濃縮する。フラッシュ・クロマトグラフィー(DCM/メタノール/NH)により無色泡状物127mg(83%)を得る。
【0063】
実施例4
アミンの合成
実施例24、26および28に適用可能
(a)ナフタレン−1−イル−(4−ペンチルオキシ−ナフタレン−1−イル)アミン:1−ヨード−4−ペンチルオキシ−ナフタレン(1.02g、3.0mmol)、t−BuONa(0.29g、4.2mmol)、1−ナフチルアミン(0.43g、3.6mmol)、2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)ビフェニル(53.7mg)、Pddba(155.3mg)およびトルエン(6mL)からなる混合物を80℃で40分間加熱する。室温に冷却した後、反応混合物をシリカ上濾過し、濃縮する。フラッシュ・クロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル)により無色結晶0.85g(2.480%)を得る。
【0064】
(b)メチル−ナフタレン−1−イル−(4−ペンチルオキシ−ナフタレン−1−イル)アミン(154mg、0.40mmol)とDMF(1.7ml)との溶液をNaH(75%、18mg、0.56mmol)およびヨウ化メチル(0.13mL、2.2mmol)で処理し、50℃で18時間撹拌する。室温に冷却した後、反応混合物を水(4mL)とトルエン(2×4mL)に分配する。併合した有機相をNaSOで乾燥し、濃縮する。フラッシュ・クロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル)により淡褐色泡状物70mg(48%)を得た。
【0065】
スルホンアミドの合成
実施例11、13、22および25に適用可能
(a)4−ペンチルオキシ−ナフタレン−1−スルホン酸ナトリウム塩:4−ヒドロキシ−ナフタレン−1−スルホン酸(14.07g、40mmol)、NaOH(3.2g、80mmol)、臭化n−ペンチル(10mL、80mmol)およびDMSO(200mL)からなる混合物を60℃で2時間撹拌する。室温に冷却した後、反応混合物を水(400mL)で処理し、6N−HCl(15mL)で中和する。0℃で30分間撹拌した後、生成物を濾取し、水洗、減圧乾燥し、無色結晶12.6g(100%)を得る。mp275〜285℃。
【0066】
(b)1−(4−ペンチルオキシ−ナフタレン−1−スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン:4−ペンチルオキシ−ナフタレン−1−スルホン酸ナトリウム塩(147mg、0.5mmol)およびDCM(3mL)の混合物を塩化チオニル(43μL、0.6mmol)で処理し、室温で30分間撹拌する。得られる澄明な溶液をDIEA(86μL、0.5mmol)および1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(95μL、0.75mmol)で処理し、室温で18時間撹拌する。反応混合物を水(3mL)とDCM(2×3mL)に分配する。有機相を水(3mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮する。フラッシュ・クロマトグラフィー(トルエン)により無色油状物79mg(39%)を得る。
【0067】
実施例6
アミドの合成
実施例79、80および163に適用可能
(a)4−ペンチルオキシ−ナフタレン−1−カルバルデヒド:4−ヒドロキシ−ナフタレン−1−カルバルデヒド(1.72g、10mmol)、NaOH(0.48g、12mmol)、臭化n−ペンチル(1.5mL、12mmol)およびDMSO(10mL)からなる混合物を50℃で4時間撹拌する。室温に冷却した後、反応混合物を水(20mL)と2N−HCl(1.5mL、pH4)で処理する。トルエン(2×20mL)で抽出した後、併合した有機相を水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮する。再結晶(シクロヘキサン)し、褐色結晶2.15g(89%)を得る。mp67〜68℃。
【0068】
(b)4−ペンチルオキシ−ナフタレン−1−カルボン酸:4−ペンチルオキシ−ナフタレン−1−カルバルデヒド(1.9g、7.8mmol)、2−メチル−2−ブテン(39mL)およびt−BuOH(150mL)からなる溶液を、NaClO(7.05g、78mmol)、NaHPO・HO(7.53g、55mmol)および水(62mL)からなる溶液で処理する。室温で17時間撹拌した後、生成物を濾取し、水洗し、減圧乾燥して褐色の結晶1.92g(95%)を得る。mp190〜202℃。
【0069】
(c)(3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−(4−ペンチルオキシ−ナフタレン−1−イル)−メタノン:4−ペンチルオキシ−ナフタレン−1−カルボン酸(103mg、0.4mmol)およびDCM(2mL)の混合物を塩化チオニル(34.6μL、0.48mmol)およびDMF(0.2mL)で処理し、40℃で1時間撹拌する。得られる澄明な溶液をDIEA(103μL、0.6mmol)、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(80mg、0.6mmol)およびDMAP(4.9mg、0.04mmol)で処理する。42℃で3時間還流した後、反応混合物を1M−KHCO(4mL)とDCM(2×4mL)に分配する。併合した有機相を水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮する。フラッシュ・クロマトグラフィー(シクロヘキサン/アセトン)により緑色結晶78mg(52%)を得る。
【0070】
実施例7
エステルの合成
実施例27、32、33、35、36、37、38および46に適用可能
4−ペンチルオキシ−ナフタレン−1−カルボン酸ナフタレン−1−イル・エステル:4−ペンチルオキシ−ナフタレン−1−カルバルデヒド(121mg、0.5mmol)とCCl(2mL)からなる溶液をt−BuOCl(8.82M、170μL、1.5mmol)で処理し、50℃で1時間撹拌する。DIEA(0.3mL、1.7mmol)と1−ナフトール(216mg、1.5mmol)を添加した後、混合物を2時間還流し、1M−KHCO(5mL)とDCM(2×5mL)とに分配する。併合した有機相をNaSOで乾燥し、濃縮する。フラッシュ・クロマトグラフィー(シクロヘキサン/アセトン)により無色結晶82mg(43%)を得る。
【0071】
実施例8
イミンおよびアミンの合成
実施例30、34、42、43および44に適用可能
(a)ナフタレン−1−イル−[1−(4−ペンチルオキシ−ナフタレン−1−イル)−メチリデン]−アミン:4−ペンチルオキシ−ナフタレン−1−カルバルデヒド(48.5mg、0.2mmol)、1−ナフチルアミン(28.6mg、0.2mmol)およびDCM(1mL)からなる溶液をMS4Å(80mg)で処理し、室温で2日間撹拌する。混合物をハイフロ上濾過し、NaSOで乾燥し、濃縮する。フラッシュ・クロマトグラフィー(シクロヘキサン/アセトン)により黄色結晶60mg(82%)を得る。
【0072】
(b)ナフタレン−1−イル−(4−ペンチルオキシ−ナフタレン−1−イルメチル)−アミン:ナフタレン−1−イル−[1−(4−ペンチルオキシ−ナフタレン−1−イル)−メチリデン]−アミン(24mg、0.07mmol)およびBH・ピリジン(16.3μL、0.13mmol)のTHF(0.65mL)溶液を室温で16時間撹拌する。反応混合物を濃縮し、水(2mL)とDCM(2mL)とに分配する。有機相をNaSOで乾燥し、濃縮する。フラッシュ・クロマトグラフィー(シクロヘキサン/アセトン)により無色油状物14mg(58%)を得る。
【0073】
実施例9
尿素の合成
実施例39、40および41に適用可能
1−ナフタレン−1−イル−3−(4−ペンチルオキシ−ナフタレン−1−イル)−尿素:4−ペンチルオキシ−ナフタレン−1−カルボン酸(103mg、0.4mmol)および1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン(86mg、0.4mmol)のTHF(0.8mL)溶液を室温で30分間撹拌する。DPPA(86μL、0.4mmol)および1−ナフチルアミン(229mg、1.6mmol)を添加した後、その混合物を100℃で6時間加熱し、2M−HCl(8mL)とDCM(2×8mL)とに分配する。併合した有機相を1M−NaCOおよび水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮する。フラッシュ・クロマトグラフィー(シクロヘキサン/アセトン)により褐色結晶78mg(49%)を得る。
【0074】
実施例10
ビス−アリールケトンのフリーデル−クラフト合成
実施例48、49、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、141、145および146に適用可能
(4−フルオロナフタレン−1−イル)−(4−ペンチルオキシナフタレン−1−イル)−メタノン:4−フルオロ−1−ナフトエ酸(0.5g、2.63mmol)と無水DCM(10mL)との溶液を撹拌下に塩化オキサリル(0.52g、4.1mmol)と室温で処理し、次いで、数滴の無水DMFで処理する。発泡を一旦鎮め、澄明な溶液を氷浴で4℃に冷却し、塩化アルミニウム(0.7g、5.25mmol)を一度に添加する。4℃で20分間撹拌した後、1−ペンチルオキシ−ナフタレン(0.563g、2.63mmol)を加え、反応混合物を一夜放置して徐々に外界温度に戻す。反応混合物を酢酸エチル(50mL)と水(250mL)とに分配し、抽出する。水相はさらにあらたな酢酸エチル(2×50mL)で洗浄する。併合した有機相を乾燥(無水MgSO)し、濾過し、減圧下に濃縮する。残渣はバイオテージ(Biotage)装置(ダイアックス・コープ(Dyax Corp.))および溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル(9:1)を用い、シリカゲル上クロマトグラフィーにより精製し、所望の産物(0.996g、98%)を得る。
【0075】
実施例11
アルキルアミノ・ビス−アリールケトンの合成
実施例60、61、64、120、126、127、133および134に適用可能
(a)トリフルオロメタンスルホン酸4−(ナフタレン−1−カルボニル)ナフタレン−1−イルエステル:トリフルオロメタンスルホン酸無水物(3.1mL、18.43mmol)を、(4−ヒドロキシナフタレン−1−イル)−ナフタレン−1−イルメタノン(5.0g、16.76mmol)とピリジン(15mL)の溶液に、不活性気流下、0℃でゆっくりと加える。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで24時間で外気温まで昇温させる。反応混合物を水に注ぎ、DCMで3回抽出する。併合した有機抽出液を、水、希HCl水溶液、水および食塩水にて順次洗浄する。有機相を無水MgSOで乾燥し、減圧下に濃縮する。残渣をフラッシュ・クロマトグラフィー(10%エーテル/シクロヘキサン)で精製し、所望の産物(5.56g、77%)を得る。
【0076】
(b)ナフタレン−1−イル−(4−ブチルアミノナフタレン−1−イル)−メタノン:トリフルオロメタンスルホン酸4−(ナフタレン−1−カルボニル)ナフタレン−1−イルエステル(308mg、0.716mmol)、n−ブチルアミン(62.8mg、0.859mmol)および無水トルエン(3mL)からなる溶液を、不活性気流下、酢酸パラジウム(II)(3.2mg、0.014mmol)、BINAP(10mg、0.016mmol)およびナトリウムt−ブトキシド(96mg、1.002mmol)からなる混合物に加える。この混合物を80℃で4時間加熱する。冷却下に、混合物を酢酸エチルで希釈し、セライト濾過助剤で濾過する。濾液を減圧下に蒸発させ、赤褐色固形残渣を得る。これをフラッシュ・クロマトグラフィー(10%エーテル/シクロヘキサン)で精製し、所望の産物(85mg、34%)を得、原料30mgを回収する。
【0077】
(c)[4−(ブチル−(2−モルホリン−4−イルエチル)アミノ)ナフタレン−1−イル]−ナフタレン−1−イル・メタノン:ナフタレン−1−イル−(4−ブチルアミノナフタレン−1−イル)−メタノン(65mg、0.18mmol)と無水DMF(4mL)との溶液を不活性気流下にNaH(60%、28.8mg、0.72mmol)で処理する。20分後に、N−(2−クロロエチル)モルホリン塩酸塩(37mg、0.2mmol)を一度に加え、その反応混合物を80℃で2時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却した後、水と酢酸エチル間に分配する。併合した有機相を無水MgSOで乾燥し、減圧下に濃縮する。フラッシュ・クロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル)により、所望の産物29mg(34%)を得、原料26mgを回収する。
【0078】
(d)トリフルオロメタンスルホン酸8−(ナフタレン−1−カルボニル)−5−ペンチルオキシナフタレン−2−イルエステル:(7−ヒドロキシ−4−ペンチルオキシナフタレン−1−イル)−ナフタレン−1−イル・メタノン(1.2g、3.13mmol)と無水ピリジン(12mL)との溶液を無水トリフルオロメタンスルホン酸(0.88g、3.13mmol)と室温で撹拌下に処理し、その混合物を窒素気流下に48時間撹拌する。減圧下に溶媒を除去し、残渣を炭酸水素ナトリウム溶液で希釈し、酢酸エチルで2度抽出する。併合した有機相を水洗し、無水MgSOで乾燥し、減圧下に溶媒を除去する。残渣をシリカゲル・クロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=9:1)により精製し、所望の産物(1.0g、67%)を得る。
【0079】
(e)[7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−ペンチルオキシナフタレン−1−イル]−ナフタレン−1−イル・メタノン:トリフルオロメタンスルホン酸8−(ナフタレン−1−カルボニル)−5−ペンチルオキシナフタレン−2−イルエステル(40mg、0.084mmol)、N−メチルピペラジン(20mg、0.2mmol)、炭酸セシウム(38mg、0.12mmol)、酢酸パラジウム(II)(2mg、10mol%)、BINAP(8mg、15mol%)および無水ジオキサン(0.5mL)からなる混合物をアルゴン気流下に80℃で30時間加熱撹拌する。この混合物を室温に冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで3回抽出する。併合した有機抽出液を水洗し、(MgSO)乾燥し、減圧下に溶媒を除去する。残渣をHPLCにて精製する。生成物を含むフラクションをすべて炭酸水素ナトリウムで塩基性とし、酢酸エチルで抽出する。有機抽出液を併合し、(MgSO)乾燥し、蒸発させて生成物(12mg、31%)を有機塩基として得る。
【0080】
実施例12
置換ビス−アリールケトンの合成
実施例50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、62、63、65、66、67、68、69、70、71、74、76、77および78に適用可能
(a)8−(ナフタレン−1−カルボニル)−5−ペンチルオキシナフタレン−2−カルボニトリル:トリフルオロメタンスルホン酸8−(ナフタレン−1−カルボニル)−5−ペンチルオキシナフタレン−2−イルエステル(1.0g、2.09mmol)、シアン化亜鉛(0.294g、2.51mmol)、Pd(Ph)(0.121mg、0.1mmol、5mol%)および無水DMF(10mL)の混合物をアルゴン気流中、撹拌下に90℃で3時間加熱する。この混合物を室温まで冷却し、水で希釈、酢酸エチルで3回抽出し、セライト濾過助剤により不溶物を濾去する。併合した有機抽出液を水洗し、(MgSO)乾燥し、減圧下に溶媒を除去する。残渣をシリカゲル・クロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=9:1)により精製し、所望の産物(0.53g、65%)を得る。
【0081】
(b)ジアリル−(4−ブロモ−3−フルオロフェニル)アミン:4−ブロモ−3−フルオロアニリン(17.47g、91.9mmol)、臭化アリル(23.72g、251.1mmol)、炭酸カリウム(26.7g、193.5mmol)およびアセトン(200mL)からなる混合物を撹拌下に24時間還流する。減圧下に溶媒を除去し、残渣を水で希釈、酢酸エチルで2回抽出する。併合した有機抽出液を水洗し、(MgSO)乾燥し、減圧下に蒸発させる。残渣をシリカゲル・クロマトグラフィー(シクロヘキサン)により精製し、所望の産物(15.27g、62%)を得る。
【0082】
(c)ジアリル−(11−オキサトリシクロ[6.2.1.0_2,7]ウンデカ−2,4,6,9−テトラエン−4−イル)アミン:ジアリル−(4−ブロモ−3−フルオロフェニル)アミン(15.55g、57.6mmol)、無水エーテル(30mL)および無水フラン(30mL)からなる溶液をアルゴン気流中撹拌下に−70℃でn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(36mL、57.6mmol、1.6M溶液)で処理する。1時間後、混合物を室温に戻し、さらに4時間撹拌する。混合物に水を加えて反応を止め、酢酸エチルで3回抽出する。併合した有機抽出液を食塩水で洗浄し、(MgSO)乾燥、減圧下に溶媒を除去する。残渣をシリカゲル・クロマトグラフィー(最初の溶離液シクロヘキサン;最終溶離液シクロヘキサン/酢酸エチル=19:1)により精製し、所望の産物(5.4g、39%)を得る。
【0083】
(d)7−ジアリルアミノナフタレン−1−オール:ジアリル−(11−オキサトリシクロ[6.2.1.0 2,7]ウンデカ−2,4,6,9−テトラエン−4−イル)アミン(4.48g、18.74mmol)、メタノール(45mL)および濃塩酸(4.5mL)からなる溶液を撹拌下に5時間還流する。減圧下に溶媒を除去し、残渣を水で希釈し、固形の炭酸水素ナトリウムで中和して、酢酸エチルで3回抽出する。併合した有機抽出液を食塩水で洗浄し、(MgSO)乾燥、減圧下に溶媒を除去する。残渣をシリカゲル・クロマトグラフィー(最初の溶離液シクロヘキサン;最終溶離液シクロヘキサン/酢酸エチル=19:1)により精製し、所望の産物(3.67g、82%)を得る。
【0084】
(e)ジアリル−(8−ペンチルオキシナフタレン−2−イル)アミン:n−ペンタノール(0.18g、2.1mmol)、トリフェニルホスフィン(0.55g、2.1mmol)および無水THF(10mL)からなる溶液に、撹拌下、7−ジアリルアミノナフタレン−1−オール(0.5g、2.1mmol)、DIAD(0.45mL、2.1mmol)、および無水THF(10mL)からなる溶液を添加する。一夜撹拌した後、混合物を食塩水で希釈し、酢酸エチルで3回抽出する。併合した有機抽出液を食塩水で洗浄し、(MgSO)乾燥、減圧下に蒸発乾固する。残渣をシリカゲル・クロマトグラフィー(最初の溶離液シクロヘキサン;最終溶離液シクロヘキサン/酢酸エチル=98:2)により精製し、所望の産物(0.28g、43%)を得る。
【0085】
(f)(6−ジアリルアミノ−4−ペンチルオキシナフタレン−1−イル)−ナフタレン−1−イル・メタノン:無水塩化アルミニウム(0.24g、1.81mmol)と無水DCM(30mL)からなる懸濁液に、撹拌下、塩化ナフトイル(0.205mL、1.36mmol)を窒素気流中0℃で添加する。15分間後に、ジアリル−(8−ペンチルオキシナフタレン−2−イル)アミン(0.28g、0.906mmol)と無水DCM(5mL)との溶液を滴下し、その混合物を室温に戻し、窒素気流下に一夜撹拌する。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(pH8)にて洗浄し、その水相はさらにジエチルエーテルで3回抽出する。有機相を併合し、水で洗浄して(MgSO)乾燥し、減圧下に溶媒を除去する。残渣をシリカゲル・クロマトグラフィー(最初の溶離液シクロヘキサン;最終溶離液シクロヘキサン/酢酸エチル=98:2)により精製し、所望の産物(0.32g、75%)を得る。
【0086】
(g)5−ペンチルオキシナフタレン−2−オール:ナフタレン−1,6−ジオール(10.0g、62.5mmol)、1−ブロモペンタン(7.75mL、62.5mmol)、水酸化ナトリウム(2.5g、62.5mmol)およびDMSO(100mL)からなる混合物を撹拌下に100℃で6時間加熱する。室温に冷却した後、混合物を水で希釈し、酢酸エチルで3回抽出する。併合した抽出液を水で数回洗浄して(MgSO)乾燥し、減圧下に溶媒を除去する。残渣をシリカゲル・クロマトグラフィー(最初の溶離液シクロヘキサン/酢酸エチル=97:3;最終溶離液シクロヘキサン/酢酸エチル=90:10)により精製し、所望の生成物と異性体の6−ペンチルオキシナフタレン−1−オールとの分離不能混合物(6.18g、43%)を得る。二重にアルキル化された産物、1,6−ビス(ペンチルオキシ)ナフタレンは最初に溶離される。
【0087】
(h)酢酸 5−ペンチルオキシナフタレン−2−イルエステル:5−ペンチルオキシナフタレン−2−オール/6−ペンチルオキシナフタレン−1−オール(6.18g、26.8mmol)とDCM(100mL)との溶液に、撹拌しながら、塩化アセチル(2.24mL、31.5mmol)とDCM(30mL)の溶液を、NEt(4.4mL、31.6mmol)の存在下、0℃で滴下する。室温に戻し、3時間撹拌した後、反応混合物を食塩水で洗浄し、(MgSO)乾燥、減圧下に溶媒を除去する。残渣をシリカゲル・クロマトグラフィー(1.5%酢酸エチル/シクロヘキサン)により精製し、所望の生成物(4.56g、56%)および異性体の酢酸6−ペンチルオキシナフタレン−1−イルエステル(1.0g、13%)を得る。
【0088】
(i)酢酸 8−(ナフタレン−1−カルボニル)−5−ペンチルオキシナフタレン−2−イルエステル:無水塩化アルミニウム(4.42g、33.09mmol)と無水DCM(290mL)からなる懸濁液に、撹拌下、塩化ナフトイル(3.7mL、24.8mmol)と無水DCM(35mL)からなる溶液を窒素気流中0℃で滴下する。15分後、酢酸 5−ペンチルオキシナフタレン−2−イルエステル(4.5g、16.54mmol)と無水DCM(70mL)からなる溶液を添加し、その反応混合物を室温に戻し、20時間撹拌する。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、各相を分離させ、DCMを減圧下に除去する。残渣をジエチルエーテルに取り込み、水洗し、(MgSO)乾燥、減圧下に溶媒を除去する。シリカゲル・クロマトグラフィー(1〜3%酢酸エチル/シクロヘキサン)により精製し、所望の生成物(4.8g、68%)、およびアセチル基のナフトイル置換により生じるナフタレン−1−カルボン酸・8−(ナフタレン−1−カルボニル)−5−ペンチルオキシナフタレン−2−イルエステル(2.1g)を得る。
【0089】
(k)(7−ヒドロキシ−4−ペンチルオキシナフタレン−1−イル)−ナフタレン−1−イル メタノン:酢酸 8−(ナフタレン−1−カルボニル)−5−ペンチルオキシナフタレン−2−イルエステル(4.8g、11.2mmol)、ナフタレン−1−カルボン酸 8−(ナフタレン−1−カルボニル)−5−ペンチルオキシナフタレン−2−イルエステル(2.1g、3.9mmol)およびメタノール(70mL)からなる溶液を、5M−NaOH溶液(20mL)の存在下に3時間還流する。室温に冷却した後、混合物を水で希釈し、酢酸酸性として酢酸エチルで3回抽出する。併合した抽出液を水洗し、(MgSO)乾燥、減圧下に溶媒を除去する。残渣を酢酸エチルから再結晶し、所望の産物(3.7g、64%)をあざやかな黄色の固形物として得る。
【0090】
実施例13
アリール−ヘテロアリールケトンの合成
実施例45、92および93に適用可能
(a)イソキノリン−1−イル−(4−ペンチルオキシナフタレン−1−イル)−メタノン:1−ヨード−4−ペンチルオキシ−ナフタレン(419mg、1.232mmol)とTHF(8mL)との溶液に、−78℃(アセトン/ドライアイス浴)の冷却下、n−BuLi(0.99mL、2.5Mへキサン溶液)を滴下する。2〜3分後に黄色沈殿が生じる。30分撹拌した後、イソキノリン−1−カルボニトリル(210mg、1.364mmol)とTHF(2mL)との溶液をシリンジにより滴下し、深赤色溶液を得る。反応混合物を冷浴から取り出し、3時間をかけて室温に戻す。鮮明な青色溶液を得る。次いで、希硫酸(2.5mL、10%v/v)を加え、混合物を室温で45分間撹拌する。反応混合物をさらに酢酸エチルで希釈し、その溶液を(試験紙にて)塩基性となるまで飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、さらにチオ硫酸ナトリウム水溶液(×2)および食塩水にて洗浄する;無水NaSOにて乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮する。粗製物をシリカゲル・クロマトグラフィー(勾配溶出:シクロヘキサン/酢酸エチル、9/1次いで5/1次いで2/1)により精製し、標題化合物(270mg、59%)を澄明な黄色粘稠油状物として得る。
【0091】
(b)4−ペンチルオキシ−1−ナフタレンホウ酸:1−ヨード−4−ペンチルオキシ−ナフタレン(0.993g、2.92mmol)とTHF(10mL)の冷却溶液(ドライアイス/アセトン浴)に、アルゴン気流下、n−BuLi(2.5Mへキサン溶液、2.4mL、6.0mmol)をシリンジを介して滴下する。反応混合物は暗黄色となり、沈殿が生じる。冷却浴温度で0.5時間放置した後、ホウ酸トリメチル(0.66mL、5.8mmol)をシリンジから滴下する。反応フラスコを冷浴から取り出すと、黄色が退色して2〜3分後に無色となる。1.5時間後に、硫酸(20%v/v、3mL)を加え、得られる懸濁液を酢酸エチルと水に分配する。有機層をチオ硫酸ナトリウム水溶液(×2)および食塩水で洗い、(無水NaSOにて)乾燥し、ロータリーエバポレーターで留去する。残渣を最少容量のDCMに取り込み、シリカゲル・カラムに負荷し、シクロヘキサン/酢酸エチル(1/1)にて溶出すると、当該ホウ酸(267mg、35%)を得る。
【0092】
(c)(4−ペンチルオキシナフタレン−1−イル)キノリン−8−イル メタノン:ガス導入口と隔壁を備えた火炎乾燥処理三頚フラスコに、8−ヒドロキシキノリン・トリフルオロメタンスルホン酸塩(122.8mg、0.442mmol)、4−ペンチルオキシ−1−ナフタレンホウ酸(124.5mg、0.482mmol)、無水炭酸カリウム(199.7mg、1.447mmol)、PdCldppf・CHCl複合体(10.5mg、0.0128mmol、アボカド(Avocado))およびヨウ化ナトリウム(150mg)を容れる。反応フラスコを脱気(自家真空)し、風船から一酸化炭素を流す(3サイクル)。アニソール3mLをシリンジで加え、撹拌した橙黄色の反応混合物をあらかじめ80℃に加熱した油浴に容れる。3時間後、さらにアニソール(1mL)を添加し、反応混合物を80℃で一夜撹拌放置する。黒色となった反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルと水で希釈する。有機層を食塩水(×2)で洗い、無水NaSOで乾燥し、ロータリー・エバポレーターで濃縮する。粗製物をシリカゲル・クロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル、5/1)により精製し、標題化合物(52mg、32%)を緑色油状物として得る。
【0093】
実施例14
ベンズイミダゾロン、ベンズイミダゾールおよびベンゾトリアゾールの合成
実施例150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161および162に適用可能
(a)N−(2−ペンチルオキシ−フェニル)アセトアミド:2−アセトアミドフェノール(5g、33.09mmol)を室温で乾燥DMF(35mL)に溶解する。炭酸セシウム(17.25g、52.53mmol)を加え、次いで1−ブロモペンタン(6.15mL、49.61mmol)を加え、その混合物を60℃で16時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、水(400mL)で希釈し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出する。酢酸エチル抽出液を併合し、飽和食塩水で洗浄、(MgSO)乾燥し、濾過、減圧下に濃縮すると、十分な純度の生成物(6.02g、82%)を得る。
【0094】
(b)N−[5−(ナフタレン−1−カルボニル)−2−ペンチルオキシ−フェニル]アセトアミド:乾燥窒素を流した乾燥フラスコ中にて、塩化アルミニウム(5.45g、40.86mmol)を乾燥1,2−ジクロロエタン(50mL)に懸濁する。この懸濁液を氷水浴にて冷却し、塩化1−ナフトイル(4.51mL、29.96mmol)と乾燥1,2−ジクロロエタン(10mL)との溶液を一度に加える。10分後にN−(2−ペンチルオキシ−フェニル)アセトアミド(6.02g、27.24mmol)を加え、反応混合物を一夜室温に放置する。この混合物を氷水と5M水酸化ナトリウム水溶液(水層を塩基性とするのに十分な量)との混合物に注ぎ、15分間撹拌し、酢酸エチル(4×100mL)で抽出する。有機抽出液を併合し、飽和食塩水(100mL)で洗浄、(MgSO)乾燥し、減圧下に濃縮する。粗製物をバイオテージ(Biotage)装置(90gカラム;ダイアックス・コープ(Dyax Corp.))および溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル(2:1)を用い、シリカゲル上クロマトグラフィーにより精製し、濃厚油状の生成物(3.68g、36%)を得る。さらに僅かに純度の劣る物質5.64gを得るが、このものは次工程反応にて使用するのに十分な純度である。
【0095】
(c)(3−アミノ−4−ペンチルオキシ−フェニル)ナフタレン−1−イル・メタノン:N−[5−(ナフタレン−1−カルボニル)−2−ペンチルオキシ−フェニル]アセトアミド(1.78g、4.75mmol)を室温でメタノール(20mL)に溶かす。塩酸水溶液(10M、20mL)を加え、混合物を1時間加熱還流する。反応混合物を減圧下に蒸発乾固し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルに分配し、さらに酢酸エチル(3×100mL)で抽出する。酢酸エチル抽出液を併合し、飽和食塩水で洗浄、(MgSO)乾燥し、濾過、減圧下に濃縮すると、非粘稠性褐色油状の粗製物を得る。これをバイオテージ(Biotage)装置(90gカラム)および溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル(4:1)を用い、シリカゲル上精製し、純品(0.97g、61%)を得る。
【0096】
(d)3−[5−(ナフタレン−1−カルボニル)−2−ペンチルオキシ−フェニル]−1−メトキシ尿素:ジ炭酸ジ−tert−ブチル(1.833g、8.4mmol)を室温で乾燥DCM(20mL)に溶かし、DMAP(0.733g、6mmol)を加える。反応混合物を室温で5分間撹拌し、これに(3−アミノ−4−ペンチルオキシ−フェニル)ナフタレン−1−イル−メタノン(2.0g、6mmol)と乾燥DCM(10mL)からなる溶液を加える。この混合物を室温で30分間撹拌する。DIEA(1.045mL、6mmol)およびメトキシルアミン塩酸塩(0.501g、6mmol)を加え、反応物を室温で4時間撹拌する。反応混合物を水(200mL)で処理し、DCM(3×75mL)で抽出する。DCM抽出液を併合し、飽和食塩水で洗浄、(MgSO)乾燥し、濾過、減圧下に濃縮し、粗製物を得る。これをバイオテージ(Biotage)装置(40gカートリッジ)および溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル(4:1)を用い、シリカゲル上クロマトグラフィーにより精製し、1.25gの所期の生成物と、さらにt−ブトキシカルボニル基を有する生成物0.66gを得る。これをDCM−トリフルオロ酢酸(1:1、6mL)に取り込み、室温で2時間撹拌する。減圧下に揮発性部分を除き、残渣をDCM(20mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)とに分配する。この混合物をさらにDCM(3×50mL)で抽出し、DCM抽出液を併合し、飽和食塩水で洗浄、(MgSO)乾燥し、濾過、減圧下に濃縮し、所期の産物(1.88g、77%)を得る。
【0097】
(e)1−メトキシ−7−(ナフタレン−1−カルボニル)−4−ペンチルオキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン:3−[5−(ナフタレン−1−カルボニル)−2−ペンチルオキシ−フェニル]−1−メトキシ尿素(650mg、1.6mmol)を窒素気流下に乾燥DCM(60mL)に溶解し、その溶液を0℃に冷却し、ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨードベンゼン(757mg1.76mmol)を分割添加する。反応混合物を1.5時間で室温に戻し、水(200mL)を加える。この混合物をDCM(3×100mL)で抽出し、DCM抽出液を併合し、飽和食塩水(100mL)で洗浄、(MgSO)乾燥し、濾過、減圧下に濃縮し、粗生成物を褐色油として得る。これをバイオテージ(Biotage)装置(40gカートリッジ)および溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル(3:1)を用い、シリカゲル上クロマトグラフィーにより精製し、所期の産物(0.34g、53%)を得る。
【0098】
(f)4−(ナフタレン−1−カルボニル)−7−ペンチルオキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン・トリフルオロ酢酸塩:1−メトキシ−7−(ナフタレン−1−カルボニル)−4−ペンチルオキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン(800mg、1.98mmol)を氷酢酸(10mL)に溶解し、亜鉛末(5.18g、79.22mmol)を加える。この混合物を50℃に加熱して2時間音波処理し、室温に冷却し、セライト濾過助剤のパッドにより濾過する。セライトパッドを酢酸エチルで洗浄し、次いで揮発性部分を減圧下に除去し、橙黄色油として生成物を得る。バイオテージ(Biotage)装置(40gカートリッジ)および溶離液としてDCM:メタノール(20:1)を用い、シリカゲル上クロマトグラフィーにより精製し、所望の産物(0.67g、90%)を得る。
【0099】
(g)(2−クロロ−7−ペンチルオキシ−3H−ベンゾイミダゾール−4−イル)−ナフタレン−1−イル−メタノン:4−(ナフタレン−1−カルボニル)−7−ペンチルオキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン(500mg、1.34mmol)をオキシ塩化リン(10mL)に溶解し、30分間還流する(油浴温度105℃)。反応混合物を室温に冷却し、氷冷2M水酸化ナトリウム水溶液に注いで混合物を中和し、DCM(3×100mL)で抽出する。併合したDCM抽出物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3×50mL)で洗浄、(MgSO)乾燥し、濾過、減圧下に濃縮し、粗製物(500mg、95%)を得る。これをさらに精製することなく直接使用する。
【0100】
(h)(2−ベンジルアミノ−7−ペンチルオキシ−3H−ベンゾイミダゾール−4−イル)−ナフタレン−1−イル−メタノン・トリフルオロ酢酸塩:(2−クロロ−7−ペンチルオキシ−3H−ベンゾイミダゾール−4−イル)−ナフタレン−1−イル−メタノン(55mg、0.14mmol)およびベンジルアミン(1mL)とをそのまま135℃で4時間加熱し、次いで室温に冷却する。粗製の反応混合物を水(10mL)に注ぎ、10%塩酸水溶液(10mL)を加え、混合物をDCM(4×20mL)で抽出する。DCM抽出物を併合し、飽和食塩水(50mL)で洗浄、(MgSO)乾燥し、濾過、減圧下に濃縮し、粗製物を得る。これを調製用逆相HPLC(ダイナマックス(Dynamax)300Å C18カラム;20%アセトニトリル/水(+0.1%トリフルオロ酢酸)ないし100%アセトニトリル、30分)により精製し、所望の産物15.4mgを得る。
【0101】
(i)酢酸2,3−ビス−アセチルアミノ−フェニルエステル:2,3−ジアミノフェノール(3.226g、25.99mmol)を無水酢酸(50mL)に溶解し、混合物を70℃に4時間加熱する。この混合物を室温に冷却し、48時間放置する。形成された沈殿物を濾取し、酢酸エチルで洗浄、減圧下に乾燥して白色の固形物(3.99g、61%)を得る。
【0102】
(k)N−(2−アセチルアミノ−6−ヒドロキシ−フェニル)−アセトアミド(CAS登録番号116345−46−1):酢酸2,3−ビス−アセチルアミノ−フェニルエステル(3.99g、15.96mmol)を窒素気流下に乾燥メタノール(50mL)に溶解する。ナトリウムメトキシド(金属ナトリウム(0.404g、17.56mmol)と乾燥メタノール(10mL)から調製)を加え、混合物を室温で16時間撹拌する。減圧下に溶媒を除去し、残渣に水を加え、これを1M塩酸でpH1の酸性とする。水層を減圧下に濃縮して生成物を沈殿させ、これを濾取、真空乾燥して白色固形物(1.96g、59%)を得る。
【0103】
(l)N−(2−アセチルアミノ−6−ペンチルオキシ−フェニル)−アセトアミド:N−(2−アセチルアミノ−6−ヒドロキシ−フェニル)−アセトアミド(1.46g、7.02mmol)を乾燥DMF(50mL)に室温で溶かす。炭酸セシウム(2.97g、9.13mmol)および1−ブロモプロパン(1.04mL、8.42mmol)を加え、混合物を60℃で20時間加熱し、次いで室温で4日間撹拌する。水(800mL)を加え、その溶液をDCM(4×100mL)で抽出する。DCM抽出物を併合し、飽和食塩水(50mL)で洗浄、(MgSO)乾燥し、濾過、減圧下に濃縮し、粗製物1.95gを得る。これを酢酸エチル/シクロヘキサンから再結晶し、純品(0.9g、46%)を得る。
【0104】
(m)N−(2−アセチルアミノ−3−ヨード−6−ペンチルオキシ−フェニル)−アセトアミド:N−(2−アセチルアミノ−6−ペンチルオキシ−フェニル)−アセトアミド(0.9g、3.24mmol)および過ヨウ素酸水和物(129mg、0.57mmol)を酢酸−水−硫酸(100:20:3、10mL)に溶かした溶液に、ヨウ素(332mg、1.31mmol)を加える。混合物を室温で16時間撹拌し、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(100mL)で希釈し、次いで、DCM(1×100mL)、酢酸エチル(1×100mL)およびジエチルエーテル(1×100mL)で抽出する。有機抽出液を併合し、飽和食塩水(50mL)で洗浄、(MgSO)乾燥し、濾過、減圧下に濃縮し、粗製物を得る。これを酢酸エチルから再結晶し、純品(550mg、42%)を得る。
【0105】
(n)7−ヨード−2−メチル−4−ペンチルオキシ−1H−ベンゾイミダゾール:N−(2−アセチルアミノ−3−ヨード−6−ペンチルオキシ−フェニル)−アセトアミド(100mg、0.248mmol)を水酸化カリウム(139mg、2.48mmol)とエタノール(5mL)および水(1mL)の溶液に加える。この混合物を3時間加熱還流し、2日間放置した後、さらに6時間加熱還流し、室温に8日間放置する。減圧下に揮発性部分を除去し、残渣を酢酸エチル(10mL)と水(10mL)に分配し、さらに酢酸エチルを分割して(3×10mL)抽出する。酢酸エチル抽出液を併合し、飽和食塩水(50mL)で洗浄、(MgSO)乾燥し、濾過、減圧下に濃縮し、粗製物を得る。シリカゲルのクロマトグラフィー(バイオテージ(Biotage)、40gカートリッジ)により、シクロヘキサン/酢酸エチル(3:1)を溶離液として精製し、標題化合物(35.5mg、42%)を得る。
【0106】
(o)(2−メチル−7−ペンチルオキシ−3H−ベンゾイミダゾール−4−イル)−ナフタレン−1−イル−メタノン:7−ヨード−2−メチル−4−ペンチルオキシ−1H−ベンゾイミダゾール(35mg、0.102mmol)、無水炭酸カリウム(42mg、0.306mmol)、1−ナフタレンホウ酸(19mg、0.112mmol)、およびPdCldppf・CHCl複合体(3mg、0.003mmol)を無水アニソール(5mL)に混合し、一酸化炭素気流下に置く。混合物を80℃に20時間加熱し、室温に冷却し、水(10mL)で希釈する。この混合物をDCM(2×10mL)および酢酸エチル(3×10mL)にて抽出し、有機抽出液を併合し、飽和食塩水(50mL)で洗浄、(MgSO)乾燥し、濾過、減圧下に濃縮し、粗製物を得る。これを調製用逆相HPLC(ダイナマックス(Dynamax)300ÅC18カラム;20%アセトニトリル/水(+0.1%トリフルオロ酢酸)ないし100%アセトニトリル、30分)により精製し、所望の産物12.7mgを得る。
【0107】
(p)N−[2−(アセチルオキシ)−6−ニトロフェニル]−アセトアミド(CAS登録番号69194−51−0):2−アミノ−3−ニトロフェノール(3g、19.46mmol)を無水酢酸(20mL)に溶かし、この混合物を50℃に16時間加熱する。室温に冷却した後、水(400mL)を加え、混合物をDCM(3×100mL)で抽出する。DCM抽出液を併合し、飽和食塩水(50mL)で洗浄、(MgSO)乾燥し、濾過、減圧下に濃縮し、純品の標題化合物(4.14g、89%)を得る。
【0108】
(q)N−(2−ヒドロキシ−6−ニトロフェニル)−アセトアミド(CAS登録番号59820−29−0):N−[2−(アセチルオキシ)−6−ニトロフェニル]−アセトアミド(4.13g、17.35mmol)を乾燥メタノール(20mL)に溶かし、これに新鮮なナトリウムメトキシド溶液(ナトリウム(0.6g、26.03mmol)と乾燥メタノール(15mL)から調製)を加える。反応混合物を50℃で2時間撹拌し、室温に冷却し、減圧下にメタノールを除去する。水(100mL)を加え、2M塩酸水溶液でpH1に調整し、この溶液を酢酸エチル(3×100mL)で抽出する。酢酸エチル抽出液を併合し、飽和食塩水(50mL)で洗浄、(MgSO)乾燥し、濾過、室温に7日間放置する。形成された結晶を濾取し、乾燥して純品(1.5g、44%)を得る。母液を減圧下に濃縮し、さらに粗製物(2.3g)得るが、このものは次工程反応での使用上十分な純度である。
【0109】
(r)N−(2−ニトロ−6−ペンチルオキシ−フェニル)−アセトアミド:N−(2−ヒドロキシ−6−ニトロフェニル)−アセトアミド(3.8g、19.39mmol)を乾燥DMF(25mL)に溶かす。炭酸セシウム(8.83g、27.1mmol)および1−ブロモペンタン(23.26mmol)を加え、その混合物を80℃で2時間撹拌する。室温に冷却し、水(400mL)を加え、その混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出する。酢酸エチル抽出液を併合し、飽和食塩水(50mL)で洗浄、(MgSO)乾燥し、濾過、減圧下に濃縮して、粗製物を得る。これを酢酸エチル/n−へキサンから4℃で再結晶し、標題化合物(1.74g、34%)を得る。母液を減圧下に濃縮してさらに粗製物を得て、これをシリカゲルのクロマトグラフィー(バイオテージ(Biotage)、40gカートリッジ)により、DCM/メタノール(50:1)を溶離液として精製する。これによりさらに標題化合物0.79g(15%)およびデアシル体、2−ニトロ−6−ペンチルオキシ−フェニルアミン0.31g(7%)を得る。
【0110】
(s)2−ニトロ−6−ペンチルオキシ−フェニルアミン:N−(2−ニトロ−6−ペンチルオキシ−フェニル)−アセトアミド(1.74g、6.53mmol)をメタノール(50mL)に溶解し、10M塩酸(25mL)を加える。この混合物を4時間加熱還流し、室温に冷却し、減圧下にメタノールを除去する。残渣を5M水酸化ナトリウム水溶液によりpH12に調整し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出する。酢酸エチル抽出液を併合し、飽和食塩水(50mL)で洗浄、(MgSO)乾燥し、濾過、減圧下に濃縮し、純品(1.46g、100%)を得る。
【0111】
(t)3−ペンチルオキシ−ベンゼン−1,2−ジアミン:2−ニトロ−6−ペンチルオキシ−フェニルアミン(1.46g、6.52mmol)を酢酸エチル(20mL)に溶解し、フラスコを窒素で満たす。10%パラジウム担持活性炭(50mg)を加え、反応系を排気し、水素を3回流す。この混合物を、水素ガスで膨らませた風船により水素気流下として24時間撹拌する。メタノール(20mL)を加えて溶解性を高め、反応系をさらに2時間室温で撹拌する。反応液に窒素を流し、セライト濾過助剤のパッドにより濾過し、減圧下に濃縮して白色固形物を得る。これを酢酸エチル/メタノールから再結晶し、標題化合物(1.007g、80%)を得る。
【0112】
(u)7−ペンチルオキシ−1H−ベンゾイミダゾール:3−ペンチルオキシ−ベンゼン−1,2−ジアミン(200mg、1.03mmol)およびオルトギ酸トリメチル(2mL)をパイレックス・チューブ中で混合し、ラブウエル(Labwell)MW10実験室用マイクロ波装置により30秒間100Wでマイクロ波照射する。減圧下に揮発性成分を除去し、クリーム状固形物として純品(217mg、100%)を得た。
【0113】
(v)4−ヨード−7−ペンチルオキシ−1H−ベンゾイミダゾール:7−ペンチルオキシ−1H−ベンゾイミダゾール(100mg、0.49mmol)を酢酸−水−硫酸(100:20:3、5mL)に溶解し、過ヨウ素酸水和物(22mg、0.098mmol)を加え、次いでヨウ素(50mg、0.196mmol)を加える。反応混合物を室温で4時間、次いで80℃で16時間撹拌する。室温に冷却した後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(100mL)を加え、その混合物を酢酸エチル(3×25mL)で抽出する。酢酸エチル抽出液を併合し、飽和食塩水(50mL)で洗浄、(MgSO)乾燥し、濾過、減圧下に濃縮し、粗製物を得る。これをシリカゲルのクロマトグラフィー(バイオテージ(Biotage)、40gカートリッジ)により精製し、標題化合物(65mg、40%)を得る。
【0114】
(w)ナフタレン−1−イル−(7−ペンチルオキシ−3H−ベンゾイミダゾール−4−イル)−メタノン:4−ヨード−7−ペンチルオキシ−1H−ベンゾイミダゾール(65mg、0.197mmol)、無水炭酸カリウム(82mg、0.591mmol)、1−ナフタレンホウ酸(37mg、0.217mmol)およびPdCldppf・CHCl(9mg、0.011mmol)を無水アニソール(5mL)に混合し、一酸化炭素気流下に置く。混合物を80℃に18時間加熱し、室温に冷却し、水(10mL)で希釈する。この混合物をDCM(2×10mL)および酢酸エチル(3×10mL)にて抽出し、有機抽出液を併合し、飽和食塩水(50mL)で洗浄、(MgSO)乾燥し、濾過、減圧下に濃縮し、粗製物を得る。これをシリカゲルのクロマトグラフィー(バイオテージ(Biotage)、40gカートリッジ)により、シクロヘキサン/酢酸エチル(3:1)を溶離液として精製し、標題化合物(15mg、21%)を得る。
【0115】
(x)7−ペンチルオキシ−1H−ベンゾトリアゾール:3−ペンチルオキシ−1,2−ジアミン(100mg、0.516mmol)を氷酢酸(5mL)および水(5mL)に溶解する。反応混合物を0℃に冷却し、亜硝酸ナトリウム(39mg、0.568mmol)と水(5mL)との冷溶液を一度に加える。反応混合物をゆっくりと一夜で室温に戻し、水(20mL)で希釈して、DCM(3×50mL)で抽出する。DCM抽出液を併合し、飽和食塩水(50mL)で洗浄、(MgSO)乾燥し、濾過、減圧下に濃縮し、標題化合物(90mg、85%)を得る。このものはさらに精製することなく使用することができる。
【0116】
(y)4−ヨード−7−ペンチルオキシ−1H−ベンゾトリアゾール:7−ペンチルオキシ−1H−ベンゾトリアゾール(90mg、0.439mmol)を酢酸−水−硫酸(100:20:3、10mL)に溶解し、過ヨウ素酸水和物(20mg、0.088mmol)を加え、次いでヨウ素(45mg、0.176mmol)を加える。反応混合物を80℃で5時間撹拌する。室温に冷却した後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(10mL)を加え、その混合物を酢酸エチル(3×25mL)で抽出する。酢酸エチル抽出液を併合し、飽和食塩水(50mL)で洗浄、(MgSO)乾燥し、濾過、減圧下に濃縮し、粗製物を得る。これをシリカゲルのクロマトグラフィー(バイオテージ(Biotage)、40gカートリッジ)により精製し、標題化合物(67mg、46%)および標題化合物で汚染され主としてジヨウ素化された物質(4,6−ジヨード−7−ペンチルオキシ−1H−ベンゾトリアゾール)124mgを得る。
【0117】
(z)ナフタレン−1−イル−(7−ペンチルオキシ−3H−ベンゾトリアゾール−4−イル)−メタノン:4−ヨード−7−ペンチルオキシ−1H−ベンゾトリアゾール(67mg、0.202mmol)、無水炭酸カリウム(84mg、0.607mmol)、1−ナフタレンホウ酸(38mg、0.223mmol)およびPdCldppf・CHCl(17mg、0.02mmol)を無水アニソール(5mL)に混合し、一酸化炭素気流下に置く。混合物を80℃に20時間加熱し、室温に冷却し、水(20mL)で希釈する。この混合物をDCM(2×10mL)および酢酸エチル(3×10mL)にて抽出し、有機抽出液を併合し、飽和食塩水(50mL)で洗浄、(MgSO)乾燥し、濾過、減圧下に濃縮し、粗製物を得る。これをシリカゲルのクロマトグラフィー(バイオテージ(Biotage)、40gカートリッジ)により、シクロヘキサン/酢酸エチル(4:1)を溶離液として精製し、標題化合物(44mg、61%)を得る。
【0118】
特性化データ
上記の化合物は以下の表に示す融点データ、HPLC保持時間データ(RT)[分]および/またはイオン質量を有する。
【0119】
【表10】

【表11】

【表12】

【0120】
【表13】

【表14】

【表15】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
カンノビノイド・レセプターの活性化が役割をもつか、または関与する疾患または症状の処置または予防のための医薬の製造における使用のための、遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩の形態の、式(I)
【化1】

(式中、
Xは−S−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)NH−、−P(O)(OCH)−、−P(O)(OH)−、−NH−、−N(CH)−、−NHC(O)NH−、−C(O)−、−C(O)O−、−NHC(O)−、−CH(OH)−、−CH=N−、−CH=CH−、−CHNH−または−C(=NH)−を示し;
はアリールまたはヘテロアリールを示し;
は水素、ORまたはNRを示し;
はC〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルを示し;
およびRは独立して水素、C〜CアルキルまたはC(O)C〜Cアルキルを示し;そして
は水素、シアノ、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、C(O)R、ORまたはNR10を示し;
はOH、C〜Cアルコキシ、NH、NHCHC(O)OHまたはアリールを示し;
は水素、C〜Cアルキル、C(O)C〜CアルキルまたはC(O)−アリールを示し;
およびR10は独立して水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルを示す;
ただし、Xが−C(O)−でありそしてRおよびRが水素であるか、あるいはRがHでありそしてRが4−メトキシである場合、Rは1−ナフチルまたは4−メトキシ−1−ナフチルではない。)
で示される化合物。
【請求項2】
請求項1記載の式(I)で示される化合物の製造方法であって、
(a)式(II)
【化2】

(式中、Rは請求項1に定義したとおりであり、そしてR13は−OH、−SH、−I、−Cl、1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン−、−COOH、−NH、−H、−カルボニトリル、−O−トリフルオロメタンスルホニル、または−C(O)Clを示す。)
で示される化合物と、式(III):
【化3】

(式中、RおよびRは請求項1に定義したとおりであり、Yは−O−、−S(O)O−、P(O)(OCH)−、単結合、−C(O)O−、−C(O)−、または−B(OH)を示し、そしてR14は、例えば、水素、−Iまたは−Clを示す。)
で示される化合物とを反応させ、式(Ia):
【化4】

(式中、R、RおよびRは請求項1に定義したとおりであり、X'は−CO−、−S−、−P(O)(OCH)−、−NH−、−S(O)−(R=Nで相手方に結合する場合、工程(a)を介して得られる)、−S(O)NH−、−C(O)O−、−CH=N−、−CH(OH)−、−NHC(O)NH−、または−C(=NH)−を示す。)
で示される化合物とする工程;または
(b)式(Ia)で示される化合物を式(Ib):
【化5】

(式中、R、RおよびRは請求項1に定義したとおりであり、そしてX''は−SO−、−S(O)−(R=Cで相手方に結合する場合、工程(b)を介して得られる)、−N(CH)−、−P(O)(OH)−、−CHNH−、または−CH=CH−を示す。)
で示される化合物に変換する工程;
およびこのように得られた式(Ia)および(Ib)で示される化合物を遊離の形態または塩の形態で取得する工程;
を含んでなることを特徴とする製造方法。
【請求項3】
医薬用担体または希釈剤とともに遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩の形態の請求項1記載の化合物を含有してなる医薬組成物。
【請求項4】
カンノビノイド・レセプターの活性化が役割をもつか、または関与する疾患または症状の処置または予防用の医薬として、遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩の形態の請求項1記載の化合物の使用。
【請求項5】
(a)遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩の形態の請求項1記載の治療有効量の化合物および(b)第二の医薬物質、および所望により少なくとも1種の薬学的に許容される担体とを含有してなる組合せ剤であって、当該第二の医薬物質が、例えば、慢性疼痛、骨関節症およびリウマチ様関節炎、腱鞘炎および痛風の処置および予防に使用するものであり、その場合、これらの活性成分はそれぞれの事例において遊離の形態または薬学的に許容される塩の形態にあって、同時投与、個別投与または逐次投与用のものであることを特徴とする組合せ剤。
【請求項6】
カンノビノイド・レセプターの活性化が役割をもつか、または関与する疾患または症状をもつ哺乳動物の処置方法であって、(a)遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩の形態の治療有効量の請求項1記載の化合物および(b)第二の医薬物質を含有してなる組合せ剤を該動物に投与することを特徴とし、当該第二の医薬物質が、慢性疼痛、骨関節症およびリウマチ様関節炎、腱鞘炎および痛風の処置および予防に使用するものであり、そして、これらの化合物はまた薬学的に許容されるそれらの塩の形態でも存在し得るものである方法。

【公開番号】特開2008−50361(P2008−50361A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−236718(P2007−236718)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【分割の表示】特願2002−544387(P2002−544387)の分割
【原出願日】平成13年11月22日(2001.11.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パイレックス
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】